説明

筒状ラベル、及び筒状ラベル形成用基材

【課題】 本発明は、通常の状態では印字層の表示が見えず、且つ開封すると簡単に印字層の表示を視認できる筒状ラベルを提供する。
【解決手段】 本発明の筒状ラベルは、第1側端部11及び第2側端部12を有する透明なフィルム2を有し、フィルム2の第1側端部11の裏面の一部又は全部に、所望の印字層3が設けられ、印字層3の裏面に、印字層3を隠蔽可能な第1隠蔽層51が設けられており、フィルム2の第1側端部11の表面のうち少なくとも印字層3の表示に対応する表面に、印字層3を隠蔽可能な第2隠蔽層52が設けられており、第2隠蔽層52を介在させた状態で第1側端部11の表面側に第2側端部12の裏面が重ね合わされて接着されており、第2隠蔽層52の裏面と第1側端部11の表面との層間接着力が、第2隠蔽層52の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力よりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器などに装着して使用される筒状ラベル及び筒状ラベル形成用基材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィルムを筒状に形成した筒状ラベルが多様な用途に用いられている。
該筒状ラベルは、フィルムの性状又は容器などの被着体に対する装着方法に従って、次の3つの種類に大別できる。
第1の筒状ラベルは、熱収縮性のフィルムの第1側端部の表面に第2他側端部の裏面を重ね合わせて接着することにより、筒状に成形された筒状ラベルである。この第1の筒状ラベルは、筒状シュリンク、シュリンクラベル又は熱収縮性筒状ラベルなどとも呼ばれる。以下、本明細書において、この種の筒状ラベルを「熱収縮性筒状ラベル」という場合がある。
第2の筒状ラベルは、自己伸縮性のフィルムの第1側端部の表面に第2他側端部の裏面を重ね合わせて接着することにより、筒状に成形された筒状ラベルである。この第2の筒状ラベルは、ストレッチラベル又は自己伸縮性筒状ラベルなどとも呼ばれる。以下、本明細書において、この種の筒状ラベルを「自己伸縮性筒状ラベル」という場合がある。
第3の筒状ラベルは、フィルムの第1側端部の裏面を容器に部分接着し、このフィルムを容器の周囲に巻き付け、前記第1側端部の表面にフィルムの第2側端部の裏面を接着することにより、筒状に成形された筒状ラベルである。この第3の筒状ラベルは、巻付け筒状ラベル又は巻付けラベルなどとも呼ばれる。以下、本明細書において、この種の筒状ラベルを「巻付け筒状ラベル」という場合がある。
【0003】
ところで、上記筒状ラベルは、商品名などの一般的な表示をするための表示媒体として利用されているが、これに懸賞応募情報や籤情報を表示する場合もある。このような懸賞応募情報や籤情報は、商品を正規に購入した消費者のみが知り得るように、秘密状態で筒状ラベルに付加されていなければならない。以下、本明細書において、商品を正規に購入した者を「正規購入者」という。また、懸賞応募情報や籤情報などのような正規購入者への特典として付与する情報を含む、秘密にされるべき情報を「秘密情報」という場合がある。
【0004】
特許文献1には、フィルムに意匠印刷層が印刷された基材を有し、基材の一側端部の表面に他側端部の裏面を重ね合わせ、この重ね合わせ部を所定幅接着することにより、筒状に形成されている筒状ラベルであって、この基材の一側端部の裏面に、ノンインパクトプリンタを用いて所望の印字層が印刷されており、前記印字層が、基材の一側端部と他側端部の重ね合わせ部分のうち、一側端部の意匠印刷層と他側端部の意匠印刷層が重なり合っている領域に印刷されている筒状ラベルが開示されている。
この筒状ラベルは、印字層に表された表示が表面から透けて見えないという効果を奏する。
【0005】
しかしながら、この特許文献1の筒状ラベルは、基材の裏面側から印字層の表示を視認可能である。このため、例えば、前記筒状ラベルが透明な内容物を充填した透明な容器に装着された場合、内容物を透して筒状ラベルの裏面側から前記印字層の表示が見えるという問題点がある。特に、ミネラルウォーター入り透明PETボトルに前記筒状ラベルを装着すると、前記印字層とは反対側における容器の正面から筒状ラベルの裏面側を見ると、前記印字層の表示が簡単に見えてしまう。従って、消費者が商品を購入しなくても秘密情報を視認できるという不都合がある。
また、筒状ラベルは、上述のように、フィルムを有する基材から形成される。上記筒状ラベルにあっては、それを形成するための基材を保管・搬送している途中で、基材の裏面側から印字層の表示が簡単に見えてしまう。このため、筒状ラベルの製造者以外の第3者に秘密情報を知られる可能性がある。
【0006】
他方、正規購入者が商品を購入した後にあっては、その正規購入者が筒状ラベルを開封するだけで簡単に印字層の表示を見ることができるように工夫する必要もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−145370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、通常の状態では印字層の表示が見えず、且つ開封すると簡単に印字層の表示を視認できる筒状ラベル及び筒状ラベル形成用基材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの筒状ラベルは、縦方向に沿う帯状領域である第1側端部及び第2側端部を有する透明なフィルムを有し、その裏面が内側となるように前記フィルムを筒状に形成した筒状ラベルにおいて、前記フィルムの第1側端部の裏面の一部又は全部に、所望の印字層が設けられ、さらに、前記印字層の裏面に、前記印字層の表示を隠蔽可能な第1隠蔽層が設けられており、前記フィルムの第1側端部の表面のうち少なくとも前記印字層の表示に対応する表面に、前記印字層の表示を隠蔽可能な第2隠蔽層が設けられており、前記第2隠蔽層を介在させた状態で前記第1側端部の表面側に前記第2側端部の裏面が重ね合わされて接着されており、前記第2隠蔽層の裏面と第1側端部の表面との層間接着力が、前記第2隠蔽層の表面と第2側端部の裏面との層間接着力よりも小さい。
【0010】
また、本発明の他の筒状ラベルは、縦方向に沿う帯状領域である第1側端部及び第2側端部を有する透明なフィルムを有し、その裏面が内側となるように前記フィルムを筒状に形成した筒状ラベルにおいて、前記フィルムの第1側端部の表面の一部又は全部に、第1隠蔽層が設けられ、前記第1隠蔽層の表面に、所望の印字層が設けられ、前記印字層の表面に、第2隠蔽層が設けられており、前記第1隠蔽層及び第2隠蔽層は、前記印字層の表示を隠蔽するために、少なくとも前記印字層の表示に対応して設けられており、前記第1隠蔽層、印字層及び第2隠蔽層を介在させた状態で前記第1側端部の表面側に前記第2側端部の裏面が重ね合わされて接着されており、前記第2隠蔽層の裏面と印字層の表面との層間接着力が、前記第2隠蔽層の表面と第2側端部の裏面との層間接着力よりも小さい。
【0011】
本発明の更なる他の筒状ラベルは、縦方向に沿う帯状領域である第1側端部及び第2側端部を有する透明なフィルムを有し、その裏面が内側となるように前記フィルムを筒状に形成した筒状ラベルにおいて、前記フィルムの第1側端部の表面の一部又は全部に、所望の印字層が設けられ、さらに、前記印字層の表面に、前記印字層の表示を隠蔽可能な第2隠蔽層が設けられており、前記フィルムの第1側端部の裏面のうち少なくとも前記印字層の表示に対応する裏面に、前記印字層の表示を隠蔽可能な第1隠蔽層が設けられており、前記印字層及び第2隠蔽層を介在させた状態で前記第1側端部の表面側に前記第2側端部の裏面が重ね合わされて接着されており、前記第2隠蔽層の裏面と印字層の表面との層間接着力が、前記第2隠蔽層の表面と第2側端部の裏面との層間接着力よりも小さい。
【0012】
上記本発明の各筒状ラベルは、印字層の表裏面側に第1隠蔽層及び第2隠蔽層が設けられているので、誰もが筒状ラベルの表面側及び裏面側から印字層に表された表示を視認できない。
従って、本発明の筒状ラベルを用いれば、例えば、秘密情報に関する表示が印字層に表されている場合に、正規購入者以外の第3者が秘密情報を知ることを防止できる。
さらに、本発明の筒状ラベルは、第2隠蔽層を介在させた状態で第1側端部と第2側端部が接着され且つそれらの層間接着力が上記の関係になっているので、第2側端部を第1側端部から引き剥がしたときに、第2隠蔽層が第2側端部と共に剥がれる。
従って、正規購入者が第2側端部を引き剥がすだけで、第2隠蔽層によって隠されていた印字層の表示を、第1側端部の表面側から視認できるようになる。
【0013】
本発明の1つの好ましい筒状ラベルは、前記第2隠蔽層の裏面と第1側端部の表面の間に、前記第1側端部の表面に対する第2隠蔽層の接着力を低下させる易剥離層が介装されている。
かかる好ましい筒状ラベルは、第2側端部を引き剥がしたときに、第2隠蔽層と第1側端部の間が確実に離反し、第1側端部の表面に第2隠蔽層の一部が残存することもない。
【0014】
本発明の他の好ましい筒状ラベルは、前記第1側端部の表面と第2側端部の裏面が、少なくとも前記第2側端部の側端縁と第2隠蔽層の側端縁の間において直接に接着されている。
かかる他の好ましい筒状ラベルは、第2側端部の側端縁と第2隠蔽層の側端縁の間において、第1側端部の表面と第2側端部の裏面が直接に接着されている。この直接に接着された部分は、前記第2隠蔽層を介在させた状態で第1側端部と第2側端部が接着された部分よりも、第1側端部と第2側端部が強く接着している。
従って、第2側端部が第1側端部から不用意に剥がれることを防止でき、一方、この直接に接着した部分を引き剥がすと、第2隠蔽層を第2側端部と共に第1側端部の表面から剥がすことができる。
【0015】
本発明の別の局面によれば、筒状ラベル形成用基材を提供する。
この筒状ラベル形成用基材は、縦方向に沿う帯状領域である第1側端部及び第2側端部を有する透明なフィルムを有し、その裏面が内側となるように前記フィルムを筒状にして前記第1側端部の表面側に第2側端部を重ねて接着可能な筒状ラベル形成用基材において、前記フィルムの第1側端部の裏面の一部又は全部に、所望の印字層が設けられ、さらに、前記印字層の裏面に、前記印字層の表示を隠蔽可能な第1隠蔽層が設けられており、前記フィルムの第1側端部の表面のうち少なくとも前記印字層の表示に対応する表面に、前記印字層の表示を隠蔽可能な第2隠蔽層が設けられており、前記フィルムの第2側端部の裏面に、貼着剤層が設けられ、前記第2隠蔽層の裏面と第1側端部の表面との層間接着力が、前記第2隠蔽層の表面と貼着剤層との層間接着力よりも小さい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の筒状ラベルは、その表面側又は裏面側から印字層に表された表示が見えない。従って、商品として市場に流通する過程及び筒状ラベルの保管・搬送過程においても、印字層に表された表示が任意の第3者に知られることを防止できる。
さらに、被着体に装着された本発明の筒状ラベルを開封するため、第2側端部を第1側端部から引き剥がすと、第2隠蔽層が第2側端部と共に剥がれる。第2隠蔽層が剥がれると、フィルムの第1側端部を通して印字層の表示を視認できるようになる。このように本発明の筒状ラベルは、開封作業だけで簡単に印字層の表示を視認できる。
また、本発明の筒状ラベル形成用基材は、巻付け筒状ラベルを構成する基材として好適に用いられる。本発明の筒状ラベル形成用基材は、その表面側又は裏面側から印字層に表された表示が見えないので、保管・運搬過程において、印字層に表された表示が任意の第3者に知られることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る筒状ラベル形成用基材を裏面側から見た斜視図。
【図2】同筒状ラベル形成用基材を表面側から見た斜視図。
【図3】図1のIII−III線断面図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る筒状ラベルの正面図。
【図5】図4のV−V線拡大断面図。ただし、図4に表された被着体の断面図は省略している。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る筒状ラベル形成用基材を裏面側から見た斜視図。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る筒状ラベル形成用基材を裏面側から見た斜視図。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る筒状ラベル形成用基材を表面側から見た斜視図。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る筒状ラベルの重ね合わせ部分を拡大して表した断面図(図4のV−V線と同じように、第4実施形態の筒状ラベルを切断した拡大断面図)。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る筒状ラベル形成用基材を表面側から見た斜視図。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る筒状ラベルの重ね合わせ部分を拡大して表した断面図(図4のV−V線と同じように、第5実施形態の筒状ラベルを切断した拡大断面図)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
ただし、本明細書において、「裏面」とは、葉状体(フィルムや各層など)の一方の面を指し、筒状ラベルを形成したときにその内側となる面をいい、「表面」とは、前記葉状体の反対面(他方の面)を指し、筒状ラベルを形成したときにその外側となる面をいう。
また、本明細書において、「横方向」は、筒状ラベル形成用基材の1つの方向であって、この基材が筒状ラベルに形成されたときにはその筒状ラベルの周方向に相当し、「縦方向」は、基材の面内で前記横方向と略直交する方向をいう。
なお、各図において表された形状、大きさ、各層の厚み及びそれらの相対的な比率などは、実際の寸法とは異なっていることに留意されたい。
【0019】
[筒状ラベル形成用基材の第1の実施形態]
図1及び図2は、本発明の第1の筒状ラベル形成用基材1を示す斜視図であり、図3は、図1のIII−III線断面図である。
この筒状ラベル形成用基材1は、筒状ラベルを形成するための基材であり、これを丸めて筒状に形成することにより、筒状ラベルを構成できる。
上述のように、筒状ラベルは、フィルムの性状又は容器などの被着体に対する装着方法に従って、熱収縮性筒状ラベル、自己伸縮性筒状ラベル及び巻付け筒状ラベルに大別できる。
【0020】
これら各筒状ラベルは、いずれも基材を筒状に形成している点において共通している。これらの相違は、熱収縮性筒状ラベルが、熱収縮性(熱を加えると所定方向に収縮する性質)を有する基材から形成され、且つ被着体に装着する前から筒状に形成されていること、自己伸縮性筒状ラベルが、自己伸縮性(引張ると拡張し、引張り力を解除するとほぼ元の形状に戻る性質)を有する基材から形成され、且つ被着体に装着する前から筒状に形成されていること、巻付け筒状ラベルが、熱収縮性若しくは自己伸縮性を有する基材、又は、熱収縮性及び自己伸縮性を有しない基材から形成され、且つ被着体に巻き付けて装着したときに筒状に形成されることにある。
【0021】
本発明の筒状ラベル形成用基材1は、その性質などを適宜選択することにより、上記いずれかの筒状ラベルを形成するための基材として用いることができる。
この筒状ラベル形成用基材1の裏面が内側となるように、これを筒状にして、その第1側端部11の表面側に第2側端部12を重ねて接着することにより、筒状ラベルが得られる。
【0022】
前記筒状ラベル形成用基材1は、平面視略矩形状のフィルム2を有する。
なお、機械的生産過程では、筒状ラベル形成用基材1は、通常、複数の筒状ラベル形成用基材1が連続的に繋がった長尺状の基材連続体として製造される。使用に際して、その連続体を所定長さに切断することにより、個々の筒状ラベル形成用基材1が得られる。
【0023】
前記フィルム2としては、印字層3の表示を視認するために透明なフィルムが用いられる。なお、前記透明なフィルムは、そのフィルム2を通して印字層3の表示を視認できるような透光性を有するフィルムであればよい。従って、印字層3の表示を人が視認できる限り、透明なフィルムは、着色されていてもよい。
前記フィルム2は、熱収縮性及び自己伸縮性の少なくともいずれか一方を有していてもよいし、又は、それを有していなくてもよい。熱収縮性筒状ラベル、自己伸縮性筒状ラベル又は巻付け筒状ラベルの種別に応じて、筒状ラベル形成用基材1のフィルム2を選択すればよい。
【0024】
前記フィルム2の材質は特に限定されない。熱収縮性を有するフィルムの場合には、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂を含む延伸フィルムが挙げられる。また、自己伸縮性を有するフィルムの場合には、例えば、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂を含むフィルムなどが挙げられる。なお、前記自己伸縮性を有するフィルムは、自己伸縮性に加えて、熱収縮性を有していてもよい。また、非熱収縮性及び非自己伸縮性のフィルムの場合には、例えば、二軸延伸ポリエステル系フィルム、二軸延伸スチレン系フィルム、二軸延伸オレフィン系フィルムなどが挙げられる。
【0025】
前記略矩形状のフィルム2は、縦方向に沿う第1側端部11と、この第1側端部11に横方向において対向する、縦方向に沿う第2側端部12と、をそれぞれ有する。前記第1側端部11は、縦方向に沿う第1側端縁11aを含み、且つフィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる帯状領域である。前記第2側端部12は、縦方向に沿う第2側端縁12aを含み、且つフィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる帯状領域である。前記第1側端部11及び第2側端部12は、筒状ラベルを形成する際に重ね合わされる、重ね合わせ部分を構成する。第1側端部11の表面側に第2側端部12の裏面を重ね合わせ、その重ね合わせ部分の全部又は一部を接着することにより、筒状ラベルを構成できる。
前記第1側端部11及び第2側端部12の横幅(つまり、重ね合わせ部分の横幅)は、特に限定されないが、通常、3mm〜20mmであり、好ましくは5mm〜15mmである。前記横幅とは、横方向における長さである。
【0026】
前記略矩形状のフィルム2の裏面及び表面の少なくともいずれか一方には、意匠印刷層4が設けられている。
この意匠印刷層4は、フィルム2の裏面若しくは表面、又は、裏面及び表面の両面のいずれに設けられていてもよいが、傷付き防止の点から、フィルム2の裏面に設けられていることが好ましい。また、意匠印刷層4は、フィルム2の裏面全体又は表面全体に設けられていてもよいが、通常、前記重ね合わせ部分において意匠印刷層4が介在しないように設けられていることが好ましい。例えば、意匠印刷層4がフィルム2の裏面に設けられる場合には、その意匠印刷層4は、図1に示すように、第2側端部12の裏面を除いたフィルム2の裏面に設けられる。一方、意匠印刷層4がフィルム2の表面に設けられる場合には、その意匠印刷層4は、第1側端部11の表面を除いたフィルム2の表面に設けられる(図示せず)。
【0027】
この意匠印刷層4は、商品名などのデザインが表された印刷層であり、公知の印刷インキ固化層から構成されている。ただし、印字層3に対応した部分における意匠印刷層4は、フィルム2を通して印字層3の表示を視認できるような透光性を有することが好ましい。例えば、印字層3に対応した部分に於ける意匠印刷層は、無色透明若しくは有色透明な印刷層(つまり、前記透光性を有する印刷層)とされている。或いは、印字層3の表示に対応した部分は、意匠印刷層4を設けない意匠印刷空白領域43とされている(図3参照)。もちろん、印字層3の表示の視認を妨げない程度に意匠印刷層4が設けられていてもよい(図示せず)。
【0028】
前記フィルム2の第1側端部11の裏面には、所望の印字層3が設けられている。この印字層3は、所望の情報に関する表示が表された印刷層である。前記所望の情報には、秘密情報が含まれていることが好ましい。さらに、前記所望の情報には、必要に応じて秘密情報以外の情報が含まれていてもよい。
前記秘密情報としては、例えば、キャンペーン応募用数字などの懸賞応募情報、アタリ又はハズレのような籤情報などが挙げられる。前記秘密情報以外の情報としては、例えば、製造コードや製造年月日などのトレーサビリティ情報、説明書き、会社情報などが挙げられる。
【0029】
前記印字層3は、前記フィルム2の第1側端部11の裏面全体に設けられていてもよい(すなわち、印字層3は、第1側端部11の裏面であって、フィルム2の縦方向に沿う第1側端縁11aを含み、且つフィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる帯状領域に設けられていてもよい)。或いは、前記印字層3は、前記フィルム2の第1側端部11の裏面の一部に設けられていてもよい。
前記第1側端部11の裏面の一部とは、フィルム2の第1側端部11の裏面内であってその上方部分、下方部分若しくは縦方向中途部分、又は、フィルム2の第1側端部11の裏面内であってその第1側端縁11aから横方向に僅かに離れ且つフィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる第1側端部11よりも幅狭な帯状領域のいずれかが該当する。
【0030】
図示例では、印字層3は、フィルム2の第1側端部11の裏面内であって、その第1側端縁11aから横方向に僅かに離れ且つフィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる、第1側端部11よりも幅狭な帯状領域に設けられている。この場合、印字層3の横幅は、例えば、第1側端部11の横幅の1/2倍〜9/10倍とされる。
【0031】
前記印字層3に表される表示は、従来公知の印刷法で印刷されている。前記印刷法としては、例えば、公知のグラビア印刷、フレキソ印刷、ノンインパクトプリンタを用いた印刷などが挙げられる。ノンインパクトプリンタとしては、例えば、インキジェットプリンタ、レーザービームプリンタ、静電記録方式のプリンタなどが挙げられる。中でもインキジェットプリンタを用いて印刷することが好ましい。なお、インキジェットプリンタとは、インキが空中を飛ぶ非接触印字方式のプリンタが含まれる。
【0032】
前記印字層3の裏面には、前記印字層3の表示を隠蔽可能な第1隠蔽層51が設けられている。前記印字層3の表示を隠蔽可能とは、第1隠蔽層51の裏面を人間が見たときに、印字層3の表示が見えないように隠すことができるという意味である。
前記第1隠蔽層51は、印字層3の表示を隠蔽できるように覆設されていればよい。従って、第1隠蔽層51は、印字層3の裏面のうち、少なくとも印字層3の表示に対応した裏面に設けられる。このように設ける例としては、第1隠蔽層51が印字層3の裏面全体に設けられている場合、第1隠蔽層51が印字層3の裏面及び印字層3の裏面を越えてフィルム2の裏面に設けられている場合、第1隠蔽層51が印字層3に表された表示に略一致するようにその表示の裏面に設けられている場合、などが挙げられる。
【0033】
図示例では、第1隠蔽層51は、印字層3の裏面全体を覆って設けられている。従って、第1隠蔽層51は、印字層3の裏面に積層され、その平面視形状は、印字層3の平面視形状と略同じである。
【0034】
第1隠蔽層51は、例えば、銀色又は黒色などの有色インキをベタ状に印刷した1層又は多層の印刷層からなる。第1隠蔽層51は、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルク印刷などの方法で印刷される。
前記第1隠蔽層51の厚みは、比較的厚いことが好ましい。例えば、グラビア印刷で第1隠蔽層51を形成する場合には、その厚みは1〜5μm程度が好ましく、フレキソ印刷又はシルク印刷で第1隠蔽層51を形成する場合には、その厚みは1〜100μm程度が好ましい。
かかる第1隠蔽層51を設けることにより、印字層3に表された表示が筒状ラベル形成用基材1の裏面から視認されることを確実に防止できる。
【0035】
また、前記フィルム2の第1側端部11の表面のうち少なくとも前記印字層3に対応する表面に、前記印字層3の表示を隠蔽可能な第2隠蔽層52が設けられている。前記印字層3の表示を隠蔽可能とは、第2隠蔽層52の表面を人間が見たときに、印字層3の表示が見えないように隠すことができるという意味である。
前記第2隠蔽層52は、印字層3の表示を隠蔽できるように覆設されていればよい。従って、第2隠蔽層52は、第1側端部11の表面のうち、少なくとも印字層3の表示に対応する表面に設けられる。このように設ける例としては、第2隠蔽層52が印字層3に対応する第1側端部11の表面に設けられている場合、第2隠蔽層52が印字層3に対応する第1側端部11の表面及び前記第1側端部11の表面を越えてフィルム2の表面に設けられている場合、第2隠蔽層52が印字層3に表された表示に略一致するようにその第1側端部11の表面に設けられている場合、などが挙げられる。
【0036】
図示例では、第2隠蔽層52は、印字層3に対応する第1側端部11の表面全体を覆って設けられている。換言すると、第2隠蔽層52は、第1隠蔽層51に対応する第1側端部11の表面に設けられている。従って、図示例では、第2隠蔽層52の平面視形状は、印字層3の平面視形状と略同じである。
【0037】
第2隠蔽層52は、例えば、銀色又は黒色などの有色インキをベタ状に印刷した1層又は多層の印刷層からなる。第2隠蔽層52は、第1隠蔽層51と同様に、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルク印刷などの方法で印刷される。
前記第2隠蔽層52の厚みは、比較的厚いことが好ましい。例えば、グラビア印刷で第2隠蔽層52を形成する場合には、その厚みは1〜5μm程度が好ましく、フレキソ印刷又はシルク印刷で第2隠蔽層52を形成する場合には、その厚みは1〜100μm程度が好ましい。
かかる第2隠蔽層52を設けることにより、印字層3に表された表示が筒状ラベル形成用基材1の表面から視認されることを確実に防止できる。
印字層3の表示を確実に隠蔽するために、第1隠蔽層51及び第2隠蔽層52は、印字層3と同面積又は印字層3の面積よりも大きい面積とされていることが好ましい。
【0038】
さらに、第2隠蔽層52を第1側端部11の表面に対して弱く接着させるために、第2隠蔽層52が設けられる領域における第1側端部11の表面には、第2隠蔽層52を設ける前に予め易剥離層6が設けられている。このように第2隠蔽層52と第1側端部11の層間に易剥離層6が介装されていることにより、前記第2隠蔽層52の裏面と第1側端部11の表面との層間接着力が、前記第2隠蔽層52の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力よりも小さくなる。かかる易剥離層6が介装されている筒状ラベル形成用基材1を筒状ラベルとし、後述するように、その筒状ラベルの第2側端部12を引き剥がしたときに、第1側端部11の表面に第2隠蔽層52の一部が残存することなく、第2隠蔽層52と第1側端部11の層間を確実に離反させることができる。
【0039】
前記易剥離層6は、公知の易剥離処理によって形成でき、易剥離層6としては、例えば、シリコーン樹脂などを含む樹脂硬化層などが挙げられる。
前記易剥離層6は、透明な層である。この透明とは、フィルム2及び易剥離層6を通して印字層3の表示を視認できるような透光性を有することであり、上述の透明なフィルムと同様に、無色透明でもよいし、有色透明でもよい。
【0040】
なお、第2隠蔽層52の形成材料の適宜な設計により、第2隠蔽層52の裏面と第1側端部11の表面との層間接着力が、第2隠蔽層52の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力よりも小さくなるような第2隠蔽層52を構成することもできる。従って、このような形成材料を用いて第2隠蔽層52が設けられる場合には、上記易剥離層6は必ずしも設けられていなくてもよい。
【0041】
[筒状ラベルの第1の実施形態]
上記第1の筒状ラベル形成用基材1は、図4及び図5に示すように、その裏面を内側にして筒状ラベル10を構成できる。
具体的には、筒状ラベル形成用基材1の第1側端部11の表面側及び第2側端部12の裏面の少なくともいずれか一方に接着剤、粘着剤又は溶剤(以下、接着剤、粘着剤又は溶剤を「接着剤等」と記す場合がある)を塗布し、筒状ラベル形成用基材1を丸めて筒状にし、第1側端部11の表面側に第2側端部12の裏面を重ね合わせ、その重ね合わせ部分の全部又は一部を前記接着剤等を介して接着することにより、筒状ラベル10が得られる。なお、溶剤は、フィルムや各層が溶剤接着可能な材質の場合に用いることができる。
【0042】
上述のように、フィルム2の第1側端部11の表面の全体又は一部には第2隠蔽層52が設けられている。第1側端部11の表面全体に第2隠蔽層52が設けられている場合には、前記接着剤等が塗布される第1側端部11の表面側は、第2隠蔽層52の表面に相当し、第1側端部11の表面の一部に第2隠蔽層52が設けられている場合には、前記第1側端部11の表面側は、第2隠蔽層52の表面及び当該第2隠蔽層52が設けられていない第1側端部11の表面の露出部分に相当する。
【0043】
図4では、被着体9に筒状ラベル形成用基材1を巻付けて形成される巻付け筒状ラベル10を示している。図5は、その筒状ラベル10の重ね合わせ部分を拡大して表した断面図である。
巻付け筒状ラベル10の場合には、通常、筒状ラベル形成用基材1の裏面のうち、少なくとも第1側端部11の裏面に接着剤又は粘着剤を塗布し、巻付け起点となる第1側端部11の裏面を被着体に貼り付け且つ筒状ラベル形成用基材1を被着体の周囲に巻き回した後、上記のように第1側端部11の表面側に第2側端部12の裏面を重ね合わせ、その重ね合わせ部分の全部又は一部を接着剤等7を介して接着する。
【0044】
なお、前記重ね合わせ部分の全部が接着されていてもよいし、一部が接着されていてもよい。前記重ね合わせ部分の一部を接着する場合には、重ね合わせ部分の横幅よりも幅狭で且つフィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる帯状領域における重ね合わせ部分が接着される。例えば、第1側端縁11aから横方向に僅かに離れた位置から第2側端縁12aまでの間の帯状領域における重ね合わせ部分が接着される。
【0045】
前記接着剤等7は、第2隠蔽層52の表面とフィルム2の第2側端部12の裏面を接着するため、及び、フィルム2の第1側端部11の表面と第2側端部12の裏面を直接接着するためのものである。
この接着剤等7は、次のような各層間の接着力を満たすものが用いられる。
第2隠蔽層52の裏面と第1側端部11の表面との層間接着力<第2隠蔽層52の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力。
第2隠蔽層52の裏面と第1側端部11の表面との層間接着力<第1側端部11の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力。
ただし、易剥離層6が設けられている場合には、前記第2隠蔽層52の裏面と第1側端部11の表面との層間接着力は、厳密には、前記第2隠蔽層52の裏面と第1側端部11の表面に設けられた易剥離層6との層間接着力に相当する。
【0046】
なお、第2隠蔽層52の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力、及び、第1側端部11の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力は、第2隠蔽層52の裏面と第1側端部11の表面との層間接着力よりも大きければよく、第2隠蔽層52の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力、及び、第1側端部11の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力の大小関係は問わない。つまり、第2隠蔽層52の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力、及び、第1側端部11の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力は、同一又はいずれか一方が大きくてもよい。
【0047】
保管・搬送中に、重ね合わせ部分が不用意に捲れないような筒状ラベル10を構成するために、第1側端部11の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力の方が、第2隠蔽層52の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力よりも大きいことが好ましい。
第1側端部11の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力は、不用意に剥がれず且つ人力でもって剥離できる程度である。
【0048】
前記筒状ラベル10が熱収縮性筒状ラベル又は自己伸縮性筒状ラベルの場合には、これらの筒状ラベルは、さらに被着体に装着して使用される。図4に示すような巻付け筒状ラベル10の場合に、被着体9に装着されているので、そのまま使用される。
前記被着体9としては、飲料容器、食品容器、化粧品容器、薬品容器などの容器、所望の収納物が収納された包装ケース、スプレー缶などの缶体などが挙げられる。
【0049】
前記筒状ラベル10は、印字層3の表面側及び裏面側に第1隠蔽層51及び第2隠蔽層52が設けられている。このため、誰もが筒状ラベル10の表面側及び裏面側から印字層3に表された表示を視認できない。
かかる筒状ラベル10を用いれば、例えば、秘密情報に関する表示が印字層3に表されている場合に、正規購入者以外の第3者が秘密情報を知ることを防止できる。
【0050】
前記筒状ラベル10は、第2隠蔽層52を介在させた状態で第1側端部11と第2側端部12が接着され且つそれらの層間接着力が上記の関係になっているので、第2側端部12を第1側端部11から引き剥がしたときに、第2隠蔽層52が第2側端部12と共に第1側端部11の表面から剥がれる。第2隠蔽層52が第1側端部11の表面から剥がれると、フィルム2の第1側端部11を通して印字層3の表示を視認できるようになる。このように本発明の筒状ラベル10は、開封作業だけで簡単に印字層3の表示を視認できる。
従って、装着された筒状ラベル10を開封(除去)すべく、正規購入者が、第2側端部12を引き剥がすだけで、第2隠蔽層52によって隠されていた印字層3の表示を、第1側端部11の表面から視認できるようになる。
【0051】
さらに、上記筒状ラベル形成用基材1を用いて筒状ラベル10を形成する際には、以下のようにすることがさらに好ましい。
具体的には、図5に示すように、前記第2側端部12の裏面を第1側端部11の表面側に接着するときに、第2側端縁12aを第2隠蔽層52の一方の側端縁52a(第2隠蔽層52の縦方向に沿う一対の側端縁のうち、フィルム2の第1側端縁11aとは横方向反対側に位置する第2隠蔽層52の側端縁52a)よりも延出させた状態で、第2側端部12の裏面を第1側端部11の表面側に接着することが好ましい。
このように接着すれば、前記第2側端部12の第2側端縁12aと第2隠蔽層52の一方の側端縁52aの間においては、接着剤等7を介して第2側端部12の裏面と第1側端部11の表面が直接に接着される。
【0052】
前記第2側端部12の第2側端縁12aと第2隠蔽層52の一方の側端縁52aの間における第2側端部12の裏面と第1側端部11の表面とを直接に接着することにより得られる筒状ラベル10は、この直接に接着された部分が、前記第2隠蔽層52を介在させた状態で第1側端部11と第2側端部12が接着された部分よりも強く接着している。なぜなら、前記第2隠蔽層52を介在させた状態で第1側端部11と第2側端部12が接着された部分は、第2隠蔽層52の裏面と第1側端部11の表面との接着部分を含むので、比較的簡単に剥がれやすいからである。
【0053】
前記直接に接着された筒状ラベル10は、その重ね合わせ部分の外側縁である第2側端縁12a及びその近傍が第1側端部11の表面に強く接着しているので、第2側端部12がその第2側端縁12aから不用意に剥がれることを防止できる。一方、前記直接に接着された部分を引き剥がすと、第2隠蔽層52を第2側端部12と共に第1側端部11の表面から剥がすことができる。
【0054】
[筒状ラベル形成用基材及び筒状ラベルの第2の実施形態]
次に、筒状ラベル形成用基材の他の実施形態を説明する。ただし、以下の第2乃至第5の実施形態に係る筒状ラベル形成用基材の説明において、上記第1の筒状ラベル形成用基材と同様の構成及び効果に関する説明は省略し、用語及び符号をそのまま援用する。
【0055】
第2の実施形態に係る筒状ラベル形成用基材1は、図6に示すように、印字層3が、フィルム2の第1側端部11の裏面内であってその縦方向中途部分(縦方向中央部、又は、縦方向中央部よりも上方若しくは下方寄り)に設けられている。
第1隠蔽層51は、第1側端部11の裏面であって、印字層3の横幅と略同じ横幅で且つフィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる帯状領域に設けられている。
第2隠蔽層52は、第1側端部11の表面であって、印字層3の横幅と略同じ横幅で且つフィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる帯状領域に設けられている。
【0056】
この第2の実施形態に係る筒状ラベル形成用基材1も、上記第1の実施形態と同様にして使用される。すなわち、第2の筒状ラベル形成用基材1の第1側端部11の表面側に第2側端部12の裏面を重ね合わせ、その重ね合わせ部分の全部又は一部を接着剤等を介して接着することにより、第2の実施形態に係る筒状ラベルが得られる。
また、第2の実施形態に係る筒状ラベルを形成する場合にも、上記第1の実施形態と同様に、第2側端部12の第2側端縁12aと第2隠蔽層52の一方の側端縁52aの間において、第2側端部12の裏面と第1側端部11の表面とが直接に接着されていることが好ましい。
【0057】
[筒状ラベル形成用基材及び筒状ラベルの第3の実施形態]
上記第1及び第2の実施形態に係る筒状ラベル形成用基材1は、熱収縮性筒状ラベル、自己伸縮性筒状ラベル、巻付け筒状ラベルの形成のいずれにも用いることができる。
以下の第3の実施形態の筒状ラベル形成用基材1は、熱収縮性筒状ラベル及び自己伸縮性筒状ラベルの形成にも用いることができるが、特に、巻付け筒状ラベルを形成するために好適な基材である。
【0058】
第3の筒状ラベル形成用基材1は、図7に示すように、第1又は第2の筒状ラベル形成用基材1のフィルム2の第2側端部12の裏面に、貼着剤層8が設けられている。第3の筒状ラベル形成用基材1の構成は、貼着剤層8が設けられていることを除き、第1又は第2の筒状ラベル形成用基材1と同様である。
前記貼着剤層8は、第1側端部11と第2側端部12との重ね合わせ部分を接着するために設けられている。つまり、貼着剤層8は、第1又は第2の筒状ラベルにおける接着剤等7と同様の機能を有する。
【0059】
好ましくは、前記貼着剤層8は、フィルム2の第2側端部12の裏面であって、第2側端縁12aを含み且つフィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる帯状領域と、フィルム2の第1側端部11の裏面の全部又は一部と、に少なくとも設けられる。第2側端部12の裏面に設けられる貼着剤層8は、少なくとも前記第2隠蔽層52を覆うことができる横幅を有する。
第1側端部11の裏面の全部又は一部に設けられた貼着剤層8は、筒状ラベル形成用基材1を被着体に巻き付ける際に、巻付け起点となる筒状ラベル形成用基材1の第1側端部11を被着体に貼り付けるためのものである。第2側端部12の裏面の帯状領域に設けられた貼着剤層8は、重ね合わせ部分を接着するためのものである。
【0060】
このように第2側端部12の裏面の帯状領域及び第1側端部11の裏面の全部又は一部に少なくとも貼着剤層8が設けられている筒状ラベル形成用基材1によれば、巻付け筒状ラベルを良好に形成できる。
もっとも、貼着剤層8がフィルム2の裏面全体(第1側端部11の裏面及び第2側端部12の裏面を含むフィルム2の裏面全体)に設けられている筒状ラベル形成用基材1であっても、同様に、巻付け筒状ラベルを良好に形成できる。よって、貼着剤層8は、少なくとも第2側端部12の裏面に設けられていればよい。
図示例では、貼着剤層8が第1側端部11の裏面全体及び第2側端部12の裏面全体に設けられた筒状ラベル形成用基材1を示している。
【0061】
前記貼着剤層8の形成材料としては、特に限定されず、例えば、感熱性接着剤又は感熱性粘着剤が挙げられる。感熱性接着剤とは、室温で粘着性を示さず且つ所定温度(例えば、70℃〜100℃)に加熱することによって粘着性を示し、冷却後に硬化して被着体同士を接着できる剤をいう。感熱性粘着剤は、前記感熱性接着剤と同様に室温で粘着性がなく且つ加熱によって粘着性を示すが、冷却後も粘着性が持続され、剥離後再接着可能な剤をいう。
【0062】
このような貼着剤層8を有する第3の筒状ラベル形成用基材1は、貼着剤層8を所定温度に加熱した後、その第1側端部11の裏面を被着体に貼り付け且つ筒状ラベル形成用基材1を被着体の周囲に巻き回した後、第1側端部11の表面側に第2側端部12の裏面を重ね合わせて貼着剤層8を介して接着することにより、巻付け筒状ラベルとなる。
【0063】
本実施形態で得られた第3の巻付け筒状ラベルも、上記第1及び第2の筒状ラベルと同様に、通常の状態では印字層3の表示が見えず且つ開封することにより簡単に印字層3の表示を視認できる。
【0064】
[筒状ラベル形成用基材及び筒状ラベルの第4の実施形態]
上記第1乃至第3の実施形態に係る筒状ラベル形成用基材1及び筒状ラベル10は、フィルム2の第1側端部11の裏面側に印字層3及び第1隠蔽層51が設けられ、且つ、フィルム2の第1側端部11の表面側に第2隠蔽層52が設けられているが、第4実施形態に係る筒状ラベル形成用基材1及び筒状ラベル10は、フィルム2の第1側端部11の表面側に第1隠蔽層51、印字層3及び第2隠蔽層52が設けられている。
【0065】
具体的には、図8に示すように、フィルム2の第1側端部11の表面の一部又は全部に、第1隠蔽層51が設けられている。この第1隠蔽層51の表面に、印字層3が設けられている。さらに、印字層3の表面には、第2隠蔽層52が設けられている。従って、印字層3は、第1隠蔽層51と第2隠蔽層52の間に挟まれている。第2隠蔽層52を印字層3の表面に対して弱く接着させるために、印字層3と第2隠蔽層52の間には、必要に応じて、易剥離層6が設けられる。易剥離層6は、通常、印字層3の表面に設けられ、その易剥離層6の表面に第2隠蔽層52が設けられる。
第1隠蔽層51は、印字層3の表示をフィルム2の裏面側から視認できないように、前記表示を隠蔽可能であり、第2隠蔽層52は、印字層3の表示をフィルム2の表面側から視認できないように、前記表示を隠蔽可能である。
【0066】
図示した例では、第1隠蔽層51は、第1側端部11の表面内であって、その第1側端縁11aから横方向に僅かに離れ且つフィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる、第1側端部11よりも幅狭な帯状領域に設けられている。もっとも、第1隠蔽層51は、第1側端部11の表面であって、フィルム2の縦方向に沿う第1側端縁11aを含み且つフィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる帯状領域に設けられていてもよいし、或いは、第1側端部11の表面の全部に設けられていてもよい。第1隠蔽層51は、上記第1及び第2の実施形態と同様に、印字層3の表示を隠蔽するために、少なくとも印字層3の表示に対応して設けられていればよい。
【0067】
また、印字層3は、第1隠蔽層51の表面を覆うように帯状に設けられている。もっとも、印字層3は、第1隠蔽層51の表面の一部分に設けられていてもよい。
さらに、前記印字層3の表面を覆うように、易剥離層6及び第2隠蔽層52が順にそれぞれ帯状に設けられている。好ましくは、第1隠蔽層51及び第2隠蔽層52は、印字層3と同面積又は印字層3の面積よりも大きい面積とされている。もっとも、上記第1及び第2の実施形態と同様に、第2隠蔽層52は、前記印字層3の表示を隠蔽できればよいので、少なくとも前記印字層3の表示に対応して設けられていればよい。また、易剥離層6は、少なくとも第2隠蔽層52に対応して設けられていればよい。
【0068】
例えば、印字層3がフィルム2の縦方向中途部分に設けられる場合には、第1隠蔽層51及び第2隠蔽層52は、前記部分的に設けられた印字層3を挟むように、フィルム2の縦方向中途部分に部分的に設けられていてもよいし、或いは、フィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる帯状領域に設けられていてもよい。
なお、本実施形態の筒状ラベル形成用基材1にも、上記第3の実施形態で説明した貼着剤層8が設けられていてもよい(図示せず)。つまり、本実施形態の筒状ラベル形成用基材1の少なくとも第2側端部12の裏面に、貼着剤層8が設けられていてもよい。
【0069】
第4の実施形態に係る筒状ラベル形成用基材1も、その裏面を内側にして筒状ラベル10を構成できる。
具体的には、筒状ラベル形成用基材1の第1側端部11の表面側及び第2側端部12の裏面の少なくともいずれか一方に接着剤等7を塗布し、筒状ラベル形成用基材1を丸めて筒状にし、第1側端部11の表面側に第2側端部12の裏面を重ね合わせ、その重ね合わせ部分の全部又は一部を前記接着剤等7を介して接着することにより、筒状ラベル10が得られる(図9参照)。なお、予め貼着剤層8が設けられている筒状ラベル形成用基材1を用いた場合には、前記接着剤等7の塗布は省略される。
第4の実施形態に係る筒状ラベル10は、第1隠蔽層51、印字層3、易剥離層6及び及び第2隠蔽層52を介在させた状態で第1側端部11の表面側に第2側端部12の裏面が重ね合わされて接着されている。
【0070】
前記第2側端部12の裏面を第1側端部11の表面側に接着するときには、上記第1の実施形態と同様に、第2側端縁12aを第2隠蔽層52の一方の側端縁52aよりも延出させた状態で、第2側端部12の裏面を第1側端部11の表面側に接着することが好ましい。
このように接着すれば、少なくとも第2側端部12の第2側端縁12aと第2隠蔽層52の一方の側端縁52aの間においては、接着剤等7(又は貼着剤層8)を介して第2側端部12の裏面と第1側端部11の表面が直接に接着される。
【0071】
第4の実施形態に係る筒状ラベル10において、各層間は、下記接着力の関係をそれぞれ満たしている。
第2隠蔽層52の裏面と印字層3の表面との層間接着力<第2隠蔽層52の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力。
第2隠蔽層52の裏面と印字層3の表面との層間接着力<第1隠蔽層51の裏面と第1側端部11の表面との層間接着力。
第2隠蔽層52の裏面と印字層3の表面との層間接着力<第1隠蔽層51の表面と印字層3の裏面との層間接着力。
第2隠蔽層52の裏面と印字層3の表面との層間接着力<第1側端部11の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力。
【0072】
つまり、各層間接着力の中で、第2隠蔽層52の裏面と印字層3の表面との層間接着力が最も小さい。
ただし、易剥離層6が設けられている場合には、前記第2隠蔽層52の裏面と印字層3の表面との層間接着力は、厳密には、前記第2隠蔽層52の裏面と易剥離層6との層間接着力に相当する。
【0073】
第4の実施形態に係る筒状ラベル10も、第1の実施形態に係る筒状ラベル10と同様に、印字層3の表面側及び裏面側に第1隠蔽層51及び第2隠蔽層52が設けられているので、誰もが筒状ラベル10の表面側及び裏面側から印字層3に表された表示を視認できない。そして、この筒状ラベル10の第2側端部12を第1側端部11から引き剥がすと、第2隠蔽層52が第2側端部12と共に印字層3の表面から剥がれて印字層3の表示を視認できるようになる。
【0074】
[筒状ラベル形成用基材及び筒状ラベルの第5の実施形態]
第5実施形態に係る筒状ラベル形成用基材1及び筒状ラベル10は、フィルム2の第1側端部11の表面側に印字層3及び第2隠蔽層52が設けられ、一方、フィルム2の第1側端部11の裏面側に第1隠蔽層51が設けられている。
【0075】
具体的には、図10に示すように、フィルム2の第1側端部11の表面の一部又は全部に、印字層3が設けられている。さらに、印字層3の表面には、第2隠蔽層52が設けられている。一方、フィルム2の第1側端部11の裏面には、少なくとも印字層3の表示に対応して、第1隠蔽層51が設けられている。第2隠蔽層52を印字層3の表面に対して弱く接着させるために、印字層3と第2隠蔽層52の間には、必要に応じて、易剥離層6が設けられる。易剥離層6は、通常、印字層3の表面に設けられ、その易剥離層6の表面に第2隠蔽層52が設けられる。
第1隠蔽層51は、印字層3の表示をフィルム2の裏面側から視認できないように、前記表示を隠蔽可能であり、第2隠蔽層52は、印字層3の表示をフィルム2の表面側から視認できないように、前記表示を隠蔽可能である。
【0076】
印字層3は、第1側端部11の表面内であって、その第1側端縁11aから横方向に僅かに離れ且つフィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる、第1側端部11よりも幅狭な帯状領域に設けられている。もっとも、印字層3は、第1側端部11の表面であって、フィルム2の縦方向に沿う第1側端縁11aを含み且つフィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる帯状領域に設けられていてもよいし、第1側端部11の表面の縦方向中途部分に設けられていてもよいし、或いは、第1側端部11の表面の全部に設けられていてもよい。
第2隠蔽層52は、上記第1及び第2の実施形態と同様に、印字層3の表示を隠蔽するために、少なくとも印字層3の表示に対応して設けられていればよい。また、易剥離層6は、少なくとも第2隠蔽層52に対応して設けられていればよい。
【0077】
第1隠蔽層51は、印字層3の表示を隠蔽するために、少なくとも印字層3の表示に対応して設けられていればよい。
図示例では、第1隠蔽層51及び第2隠蔽層52は、印字層3と重なるように帯状に設けられている。好ましくは、第1隠蔽層51及び第2隠蔽層52は、印字層3と同面積又は印字層3の面積よりも大きい面積とされている。
【0078】
なお、本実施形態の筒状ラベル形成用基材1にも、上記第3の実施形態で説明した貼着剤層8が設けられていてもよい(図示せず)。つまり、本実施形態の筒状ラベル形成用基材1の少なくとも第2側端部12の裏面に、貼着剤層8が設けられていてもよい。
【0079】
第5の実施形態に係る筒状ラベル形成用基材1も、その裏面を内側にして筒状ラベル10を構成できる。
具体的には、筒状ラベル形成用基材1の第1側端部11の表面側及び第2側端部12の裏面の少なくともいずれか一方に接着剤等7を塗布し、筒状ラベル形成用基材1を丸めて筒状にし、第1側端部11の表面側に第2側端部12の裏面を重ね合わせ、その重ね合わせ部分の全部又は一部を前記接着剤等7を介して接着することにより、筒状ラベル10が得られる(図11参照)。なお、予め貼着剤層8が設けられている筒状ラベル形成用基材1を用いた場合には、前記接着剤等7の塗布は省略される。
第5の実施形態に係る筒状ラベル10は、印字層3、易剥離層6及び及び第2隠蔽層52を介在させた状態で第1側端部11の表面側に第2側端部12の裏面が重ね合わされて接着されている。
【0080】
前記第2側端部12の裏面を第1側端部11の表面側に接着するときには、上記第1の実施形態と同様に、第2側端縁12aを第2隠蔽層52の一方の側端縁52aよりも延出させた状態で、第2側端部12の裏面を第1側端部11の表面側に接着することが好ましい。
このように接着すれば、少なくとも第2側端部12の第2側端縁12aと第2隠蔽層52の一方の側端縁52aの間においては、接着剤等7(又は貼着剤層8)を介して第2側端部12の裏面と第1側端部11の表面が直接に接着される。
【0081】
第5の実施形態に係る筒状ラベル10において、各層間は、下記接着力の関係をそれぞれ満たしている。
第2隠蔽層52の裏面と印字層3の表面との層間接着力<第2隠蔽層52の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力。
第2隠蔽層52の裏面と印字層3の表面との層間接着力<印字層3の裏面と第1側端部11の表面との層間接着力。
第2隠蔽層52の裏面と印字層3の表面との層間接着力<第1側端部11の表面と第2側端部12の裏面との層間接着力。
ただし、易剥離層6が設けられている場合には、前記第2隠蔽層52の裏面と印字層3の表面との層間接着力は、厳密には、前記第2隠蔽層52の裏面と易剥離層6との層間接着力に相当する。
【0082】
第5の実施形態に係る筒状ラベル10も、印字層3の表面側及び裏面側に第1隠蔽層51及び第2隠蔽層52が設けられているので、誰もが筒状ラベル10の表面側及び裏面側から印字層3に表された表示を視認できない。そして、この筒状ラベル10の第2側端部12を第1側端部11から引き剥がすと、第2隠蔽層52が第2側端部12と共に印字層3の表面から剥がれて印字層3の表示を視認できるようになる。
【符号の説明】
【0083】
1…筒状ラベル形成用基材、11…第1側端部、11a…第1側端縁、12…第2側端部、12a…第2側端縁、2…フィルム、3…印字層、4…意匠印刷層、51…第1隠蔽層、52…第2隠蔽層、52a…第2隠蔽層の側端縁、6…易剥離層、8…貼着剤層、10…筒状ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向に沿う帯状領域である第1側端部及び第2側端部を有する透明なフィルムを有し、その裏面が内側となるように前記フィルムを筒状に形成した筒状ラベルにおいて、
前記フィルムの第1側端部の裏面の一部又は全部に、所望の印字層が設けられ、さらに、前記印字層の裏面に、前記印字層の表示を隠蔽可能な第1隠蔽層が設けられており、
前記フィルムの第1側端部の表面のうち少なくとも前記印字層の表示に対応する表面に、前記印字層の表示を隠蔽可能な第2隠蔽層が設けられており、
前記第2隠蔽層を介在させた状態で前記第1側端部の表面側に前記第2側端部の裏面が重ね合わされて接着されており、
前記第2隠蔽層の裏面と第1側端部の表面との層間接着力が、前記第2隠蔽層の表面と第2側端部の裏面との層間接着力よりも小さいことを特徴とする筒状ラベル。
【請求項2】
縦方向に沿う帯状領域である第1側端部及び第2側端部を有する透明なフィルムを有し、その裏面が内側となるように前記フィルムを筒状に形成した筒状ラベルにおいて、
前記フィルムの第1側端部の表面の一部又は全部に、第1隠蔽層が設けられ、前記第1隠蔽層の表面に、所望の印字層が設けられ、前記印字層の表面に、第2隠蔽層が設けられており、前記第1隠蔽層及び第2隠蔽層は、前記印字層の表示を隠蔽するために、少なくとも前記印字層の表示に対応して設けられており、
前記第1隠蔽層、印字層及び第2隠蔽層を介在させた状態で前記第1側端部の表面側に前記第2側端部の裏面が重ね合わされて接着されており、
前記第2隠蔽層の裏面と印字層の表面との層間接着力が、前記第2隠蔽層の表面と第2側端部の裏面との層間接着力よりも小さいことを特徴とする筒状ラベル。
【請求項3】
縦方向に沿う帯状領域である第1側端部及び第2側端部を有する透明なフィルムを有し、その裏面が内側となるように前記フィルムを筒状に形成した筒状ラベルにおいて、
前記フィルムの第1側端部の表面の一部又は全部に、所望の印字層が設けられ、さらに、前記印字層の表面に、前記印字層の表示を隠蔽可能な第2隠蔽層が設けられており、
前記フィルムの第1側端部の裏面のうち少なくとも前記印字層の表示に対応する裏面に、前記印字層の表示を隠蔽可能な第1隠蔽層が設けられており、
前記印字層及び第2隠蔽層を介在させた状態で前記第1側端部の表面側に前記第2側端部の裏面が重ね合わされて接着されており、
前記第2隠蔽層の裏面と印字層の表面との層間接着力が、前記第2隠蔽層の表面と第2側端部の裏面との層間接着力よりも小さいことを特徴とする筒状ラベル。
【請求項4】
前記第2隠蔽層の裏面と第1側端部の表面の間に、前記第1側端部の表面に対する第2隠蔽層の接着力を低下させる易剥離層が介装されている請求項1に記載の筒状ラベル。
【請求項5】
前記第1側端部の表面と第2側端部の裏面が、少なくとも前記第2側端部の側端縁と第2隠蔽層の側端縁の間において直接に接着されている請求項1〜4のいずれかに記載の筒状ラベル。
【請求項6】
縦方向に沿う帯状領域である第1側端部及び第2側端部を有する透明なフィルムを有し、その裏面が内側となるように前記フィルムを筒状にして前記第1側端部の表面側に第2側端部を重ねて接着可能な筒状ラベル形成用基材において、
前記フィルムの第1側端部の裏面の一部又は全部に、所望の印字層が設けられ、さらに、前記印字層の裏面に、前記印字層の表示を隠蔽可能な第1隠蔽層が設けられており、
前記フィルムの第1側端部の表面のうち少なくとも前記印字層の表示に対応する表面に、前記印字層の表示を隠蔽可能な第2隠蔽層が設けられており、
前記フィルムの第2側端部の裏面に、貼着剤層が設けられ、
前記第2隠蔽層の裏面と第1側端部の表面との層間接着力が、前記第2隠蔽層の表面と貼着剤層との層間接着力よりも小さいことを特徴とする筒状ラベル形成用基材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−150249(P2012−150249A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8415(P2011−8415)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】