説明

箔転写装置

【課題】箔転写装置であって、塗布部を通ってガイドされる被印刷物の少なくとも一部に接着剤を塗布するための塗布部を備え、転写層と支持箔とが転写箔を形成し、支持箔から転写層を少なくとも部分的に被印刷物に転写するための転写ギャップを備えた、塗布部の下流側に配置された転写部を備え、転写ギャップは、転写胴と圧胴とによって形成され、転写箔は、少なくとも部分的に転写胴の周りにガイドされ、転写胴は、溝を備えているものを改良して、割合高いタイミング制御の速度を達成することができる箔転写装置を提供する。
【解決手段】転写胴5における転写箔裏面の付着力を少なくとも低減する被覆体206が、溝20の位置する部分113,114,205に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箔転写装置であって、塗布部を通ってガイドされる被印刷物の少なくとも一部に接着剤を塗布するための塗布部を備え、転写層と支持箔とが転写箔を形成し、支持箔から転写層を少なくとも部分的に被印刷物に転写するための転写ギャップを備えた、塗布部の下流側に配置された転写部を備え、転写ギャップは、転写胴と圧胴とによって形成され、転写箔は、少なくとも部分的に転写胴の周りにガイドされ、転写胴は、溝を備えているものに関する。
【背景技術】
【0002】
このような箔転写装置は、たとえば艶出し効果を得るために、印刷製品の高品質化処理において使用される。この機械は、ホットスタンピング(熱間箔押し)機械とコールドスタンピング(冷間箔押し)機械とに分類することができる。コールドスタンピング機械では、転写層が、面状の材料、つまりシート(枚葉紙)等の被印刷物に、専ら圧力を加えるだけで、付加的に熱を作用させることなく転写される。一般的に、冷間箔転写装置、つまりコールドスタンピング装置では、印刷部(転写装置の手前に配置されている)によって接着剤が塗布され、シートに、接着剤から成る印刷像が残存し、この接着剤から成る印刷像が、箔転写部内で使用される転写箔から適切に転写層を受け取るので、転写層は、部分的にシートに付着することになる。その際、転写層は、転写ギャプ内で、圧力をかけながら、大体において接着剤が塗布された部分で部分的に転写される。
【0003】
このような箔転写技術では、転写箔を転写時に被印刷物と同じ速度で移動させる必要があり、一般的に、被印刷物の小さな部分だけを転写層で被覆しなければならないという問題がある。特に転写ギャップに関係する転写胴は、多くの場合いわゆる溝を備えており、この溝内にブランケットを取り付けることができる。溝の付近では、圧力による転写層の転写を行うことができない。したがって、常に、溝が被印刷物の付近に位置しない時に、被印刷物が転写胴と圧胴との間の転写ギャップに進入するように、制御しなければならない。転写箔が使用されずに転写ギャップを通って搬送される別の箇所は、転写層が被印刷物に転写しないように所望される区域である。
【0004】
転写箔を良好に利用し、かつ材料消費を少なくするために、たとえば欧州特許第932501号明細書において、転写箔を1対のダンサローラを介して運動させることが提案されており、この1対のダンサローラは、転写胴の溝と周期的に同じタイミングで運動するので、転写箔は、溝の付近でたとえばゼロの速度に制動される。このために2つのダンサローラは互いに連動され、転写箔ウェブは、引き続き運動される貯蔵ロールから、前方の第1のダンサローラによって貯えられ、それと同時に後方の第2のダンサローラによって収集ロールに引き渡される。このようにして、貯蔵ロールおよび収集ロールが占める箇所である程度一定のウェブ張力が保証される。転写箔を節約するために、2つのダンサローラは、連動して、1つの減速方向に運動させられる。その際、箔は、特に転写ギャップから引き戻されることもある。
【0005】
同期運動するダンサローラを備えたこのような装置の問題点によれば、転写胴が、転写箔によって包囲され、転写箔が転写ギャップの手前で既に溝内に進入し得るまで回転し、これに対して転写箔は転写ギャップの後方で依然として完全に転写胴に当て付けられ、転写胴に巻き掛けられる。転写ギャップの後方に配置されたダンサローラは、圧胴に対して転写胴を調節することによって、既に箔に作用している溝から全くみられない。転写ギャップの手前に設けられたダンサローラは、もちろん既に存在する溝に「気づいて」いる。手前および後方のダンサローラは、転写ギャップによって実質的に互いに分離されている。後方のダンサローラの付近のウェブ張力が一定に保たれているのに対して、手前のダンサローラ側では、ウェブ張力は既に低下している。
【0006】
同様の作用は、溝の後縁が既に圧胴に当接している場合にも生じる。
【0007】
前方および後方のダンサローラが常に互いに分離されている場合、両側で異なるウェブ張力が生じる。しかも溝が転写ギャップの付近にあれば、両側でウェブ張力は、一般的に低下する。
【0008】
変化するウェブ張力の問題を解消するために、ドイツ連邦共和国特許出願公開第102009020106号明細書において、溝の前後で異なるウェブ張力変化を補整するために、ダンサローラを相互に分離して、相互に非同期的に運動させることが提案されている。
【0009】
しかし依然として通路内で箔の位置および張力の少なくとも短時間的な変化が生じるという問題が存在する。これによって特に箔は、タイミング制御の間、シートの前進方向とは逆向きに引き戻そうとする場合に、箔をシートに転写することができる速度が大幅に制限されている。その結果として、とりわけ箔を引き戻す際に、箔が少なくとも短時間的に溝の縁部分に当接して、溝によって引き裂かれることにもなる。このことは、箔の運動方向に応じて、胴溝の全ての縁部分だけでなく胴溝カバーの表面にも生じる。溝の縁部分により転写箔が引き裂かれることによって、ウェブ張力が大幅に損なわれることになる。箔転写の正常な機能を保証するために、溝の速度、つまり圧胴およびゴム胴の回転速度は、箔の破損を回避するために、低下させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】ヨーロッパ特許第932501号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許出願公開第102009020106号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで本発明の課題は、割合高いタイミング制御の速度を達成することができる箔転写装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題を解決するために本発明の構成では、箔転写装置であって、塗布部を通ってガイドされる被印刷物の少なくとも一部に接着剤を塗布するための塗布部を備え、転写層と支持箔とが転写箔を形成し、支持箔から転写層を少なくとも部分的に被印刷物に転写するための転写ギャップを備えた、塗布部の下流側に配置された転写部を備え、転写ギャップは、転写胴と圧胴とによって形成され、転写箔は、少なくとも部分的に転写胴の周りにガイドされ、転写胴は、溝を備えているものにおいて、転写胴における転写箔裏面の付着力を少なくとも低減する被覆体が、溝の位置する部分に設けられている。
【0013】
好適には、溝の少なくとも1つの縁および/または溝を転写胴の軸線に対して軸方向にカバーするための溝カバーの表面に設けられた被覆体が、概ね転写箔の幅にわたって設けられている。
【0014】
好適には、ストリップの構成をした被覆体が、縁および/または溝カバーに設けられている。
【0015】
好適には、ストリップは、クレープ紙もしくは非粘着紙であるか、または、シリコーンもしくはPTFEから成る表面を有している。
【0016】
好適には、被覆体またはストリップの幅は、大体において、塗布部または転写部において被覆された被印刷物の部分と接触しない、溝の縁の部分域に制限されている。
【0017】
好適には、転写胴は、ブランケットもしくはゴムブランケットとして構成された外張り備えており、被覆体またはストリップは、溝縁の部分域で、ブランケットもしくはゴムブランケットの表面に取り付けられる。
【0018】
好適には、ストリップは、接着ストリップとして形成されている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の構成によれば、転写胴1つの部分、具体的には転写胴の溝の縁部分に被覆体が設けられており、被覆体は、ここでは転写胴の溝の縁部分における転写箔裏面の付着力を少なくとも低減するように、形成されている。このようにして箔は、溝の縁部分において良好に滑動し、タイミング制御の高い速度を達成することができる。なぜならば箔への溝の縁部分の係合が低減されるからである。これによって転写箔の張力に対する作用は低減され、それも、比較的高いタイミング制御の速度でも、転写箔自体の破損が認められない程度まで、低減される。
【0020】
箔転写装置の別の構成では、被覆体は、溝の縁に提供され、また、追加的または選択的に溝の溝カバーの表面にも提供される。特に被覆体は、常に、溝カバーおよび溝の縁部分だけに提供してもよい。このために被覆体は、転写胴の軸線方向に対して軸方向に、特に好適には全幅にわたって設けられているか、または、転写箔が転写胴と接触する部分だけに設けられている。
【0021】
被覆体は、特にストリップであってよく、ストリップは、後付けで縁および/または溝カバーに接着することもできる。
【0022】
溝カバーおよび/または溝の縁に接着される接着ストリップとして、特にクレープ紙または非粘着紙を設けることができる。ストリップは、転写胴のブランケットの表面であってもよい。転写胴は、特に概ね平滑な表面を備えていて、専ら溝の付近において、溝付近とは異なる表面構造を有しており、この表面構造は、転写箔との摩擦を低減するための適切な被覆体を有している。非粘着紙またはブランケットの表面の材料は、たとえばシリコーンまたはPTFEであってよい。
【0023】
そのようなブランケットの被覆体によって、印刷像において看取されるので所望されない影響が箔転写に及ぼされることにもなるので、特に好適には、転写胴に接着されるか、または取り付けられる被覆体またはストリップは、周方向に、つまりその幅で、大体において溝の縁の、被印刷物の一部と接触することがない部分に、被覆される、または、被覆されるのが望ましい。このようにすると被印刷物に対する被覆体またはストリップの影響は、結果として生じる印刷像において看取されない。
【0024】
本発明によるストリップは、好適には接着ストリップとして形成してよいが、ここでは別の付着性、たとえば磁気もしくは静電による方法も考えられる。
【0025】
以下に説明する本発明の実施の形態から本発明による別の特徴を有する構成が得られるが、この構成は、本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】タイミング制御を行う箔転写部の構造を示す概略図である。
【図2】箔転写部を備えた箔転写装置を示す概略図である。
【図3】転写胴の縁部の付近を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0028】
図1は、箔転写部1を示しており、箔転写部1では、転写箔2が転写ギャップ3を通ってガイドされる。
【0029】
転写ギャップ3は、転写胴5と圧胴4とによって形成される。転写箔2は、貯蔵ロール7から繰り出されて、前方(上流側)の引出ローラ9によって転写ギャップ3に向かって引き出される。貯蔵ロール7は、図示していない摩擦シャフト上に位置していて、被印刷物21の速度よりも低速で駆動される。貯蔵ロール7の駆動は、摩擦シャフトを介して行われる。転写箔2は、前方の引出ローラ9によって貯蔵ロール7から引き出される。その際、前方の引出ローラ9は、貯蔵ロール7の摩擦シャフトよりも高速で駆動される。前方の引出ローラ9は、常時、被印刷物21の速度よりも低速で駆動される。
【0030】
繰り出された転写箔2は、タイミング制御モジュール11の前方のダンサローラ13と別の変向ローラ6とを介して、転写ギャップ3を通ってガイドされ、それも、転写箔2が転写胴5と巻掛角度αを形成するように、ガイドされる。さらに転写箔2は、転写ギャップ3の下流側で変向ローラ6を介して変向され、後方(下流側)のダンサローラ12に供給される。後方のダンサローラ12は、転写箔2を変向して、後方の引出ローラ10に向かって供給する。後方の引出ローラ10は、前方の引出ローラ9よりも高速で駆動される。箔2は、後方の引出ローラ10によって収集ロール8に向けてガイドされる。収集ロール8も同様に摩擦シャフト上に支承されており、この摩擦シャフトは、後方の引出ローラよりも高速で駆動される。少なくとも摩擦シャフトは、収集ロール8の周速度が後方の引出ローラ10の速度よりも高くなるように、駆動される。このようにすると摩擦シャフトと本来の収集ロール8との間でスリップが生じる。このことは、貯蔵ロール7にも当てはまる。
【0031】
被印刷物21は、圧胴4を介して、転写箔2と一緒に転写ギャップ3を通ってガイドされる。図示していない転写層を転写する際には、転写箔2と被印刷物21とは同じ速度にある。
【0032】
転写胴5は、図示していないブランケットを有しており、ブランケットは、溝20にわたって緊締されており、溝20は、圧胴4側でグリッパを収容するために設けられている。
【0033】
溝20の前縁113が転写ギャップ3に達すると、ダンサローラ13と転写ギャップ3との間のウェブ張力が失われる。転写層を被印刷物21に転写する間、前方の引出ローラ9の速度と前方のダンサローラ13の速度との合計が、被印刷物21の速度を成す。このためにダンサローラ13は、両矢16で示す経路に沿って、加速方向18に移動させられる。溝20の前縁113が圧胴4と接触することによって、後方のダンサローラ12から溝20の前縁113が分離される。瞬間的に低下するウェブ張力を補整するために、前方のダンサローラ13は、モータ15を介して駆動され、先ず減速方向19に強く加速される。これによってこの付近で一定のウェブ張力が得られる。このために制御装置22が、適宜前方のダンサローラ13のモータ15に作用する。溝20が完全に転写ギャップ3付近に位置すると、ダンサローラ13は、低い加速度で減速方向19に移動させられるので、転写箔2は、停止させられるか、もしくは引き戻される。
【0034】
溝20を後方のダンサローラ12から「みた」場合、後方のダンサローラ12は、先ず低い加速度で減速方向19に向かって加速され、前述の瞬間的な低下を補整するために、あとで高い加速度で加速されるので、転写箔2が停止される。このために制御装置22は、後方のダンサローラのモータ14とも接続されている。
【0035】
図2は、箔転写装置100の一部を示している。箔転写装置100は、印刷機内に形成することができる。シート(被印刷物)21は、塗布装置101(印刷機の一般的な印刷部である)によって、ニップ109を通って搬送される。このニップ109内で、被印刷物21に部分的に接着剤が塗布される。シート21は、さらに箔転写部1を通って搬送される。前述のように、シート21は、転写ギャップ3を通ってガイドされ、この転写ギャップ3内で、シート21は、転写箔2の、接着剤を塗布された部分で、転写箔2から転写層を引き取る。
【0036】
このように処理されるシート21は、引き続き印刷機を通って、つまり箔転写装置を通って搬送され、箔転写装置に続く別の印刷部103に送られる。別の印刷部103は、ゴムブランケット胴110と圧胴111とから形成されている。別の印刷部103は、さらにインキ装置112を有している。別の印刷部103内で、転写層を取り付けられたシート21は、慣用の方式で重ね刷りされる。
【0037】
図3は、転写胴5の一部を示している。ここでは転写胴5の溝20の後縁114が看取される。図示の転写胴5は、さらに溝カバー200を備えている。溝カバー200は、従来慣用のように、転写胴5にも、印刷部103または塗布部101における慣用のブランケット胴110にも設けられている。溝カバー200によって、オペレータの到達(アプローチ)範囲が減少されるので、怪我が少なくなり、さらに溝カバー200によって、転写箔2の変動も低減される。
【0038】
転写胴5は、ブランケット、つまりゴムブランケット201を備えた上張りを備えている。上張りは、特に平滑なゴムブランケット、たとえばいわゆるアイリオブランケット(IrioblanketTM)である。このブランケット201は、溝20において、前縁113でも後縁114でもそれぞれ緊締装置202によって保持される。
【0039】
転写箔2をタイミング制御する際に、転写箔2は、少なくとも溝20の部分域203に進入し、特に転写箔2を引き戻す際に後縁114の回りに巻き付く恐れがある。転写箔2が、転写胴に対して、引き戻しに抗して矢印204の方向に前送りで移動されると、溝カバー200の縁205の周りに転写箔2が相応に巻き付く恐れがある。前縁113の付近における溝20の前方部分は、図示の後方部分に対して対称的に構成されており、したがって矢印204の方向に転写箔2が前送りされると、相応に溝20の前縁113の巻き付きが生じ得る。
【0040】
図示のように、溝カバー200および後縁114ならびに後縁114に対して対称的な図示していない前縁113にも、被覆体またはストリップ206が設けられている。溝カバー200は、完全にストリップ206で覆われており、これに対して後縁114、また後縁114に対して対称的な前縁113では、ブランケット201が部分域207でのみストリップ206に覆われるように、ストリップ206が設けられている。ストリップ206は、後縁114もしくは前縁113の直ぐ後方で終了するようになっているので、ストリップ206は、印刷開始部208の付近には設けられていない。印刷開始部208とは、ここでは転写胴5の、転写層が転写箔2からシート21に転写される箇所である。
【0041】
ストリップ206は、本実施の形態では、たとえばクレープベルトであり、クレープベルトは、転写箔2の裏面とブランケット201もしくは溝カバー200との間の摩擦を低減する表面特性を有しているので、溝20の後縁114、溝20の前縁113または溝カバーの縁部分205において、箔転写装置もしくは箔転写部1のタイミング速度を制限することになる転写箔2の付着が生じない。ストリップ206は、特にブランケット201に組み込むこともできるが、後装着の観点から好適には接着可能である。クレープベルトに対して択一的に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、シリコーンや非粘着紙(たとえばオーブンの分野で慣用である)から成るストリップも提案される。
【0042】
簡単に後付け可能な被覆要素、つまりストリップ206によって、箔転写部1のタイミング速度の大幅な向上が達成される。
【符号の説明】
【0043】
1 箔転写部、 2 転写箔、 3 転写ギャップ、 4 圧胴、 5 転写胴、 6 変向ローラ、 α 巻掛角度、 7 貯蔵ロール、 8 収集ロール、 9 前方の引出ローラ、 10 後方の引出ローラ、 11 タイミング制御モジュール、 12 後方のダンサローラ、 13 前方のダンサローラ、 14,15 モータ、 16,17 両矢、 18 加速矢印、 19 減速矢印、 20 溝、 21 シート、 22 制御装置、 100 箔転写装置、 101 塗布装置、 102 転写部、 103 印刷部、 105 転写ギャップ、 106 転写胴、 107 圧胴、 109 ニップ、 110 ゴムブランケット胴、 111 圧胴、 112 インキ装置、 113 前縁、 114 後縁、 200 溝カバー、 201 ブランケット、 202 緊締装置、 203 部分域、 204 送り運動、 205 溝カバー縁部分、 206 ストリップ、 207 部分域、 208 印刷開始部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箔転写装置であって、
塗布部(101)を通ってガイドされる被印刷物(21)の少なくとも一部に接着剤を塗布するための塗布部(101)を備え、
転写層と支持箔とが転写箔(2)を形成し、支持箔から転写層を少なくとも部分的に被印刷物(21)に転写するための転写ギャップ(3)を備えた、塗布部(101)の下流側に配置された転写部(1)を備え、
転写ギャップ(3)は、転写胴(5)と圧胴(4)とによって形成され、
転写箔(2)は、少なくとも部分的に転写胴(5)の周りにガイドされ、転写胴(5)は、溝(20)を備えているものにおいて、
転写胴(5)における転写箔裏面の付着力を少なくとも低減する被覆体(206)が、溝(20)の位置する部分(113,114,205)に設けられていることを特徴とする、箔転写装置。
【請求項2】
溝(20)の少なくとも1つの縁(113,114)および/または溝(20)を転写胴の軸線に対して軸方向にカバーするための溝カバー(200)の表面(205)に設けられた被覆体(206)が、概ね転写箔(2)の幅にわたって設けられている、請求項1記載の箔転写装置。
【請求項3】
ストリップ(206)の構成をした被覆体が、縁(113,114)および/または溝カバー(200)に設けられている、請求項2記載の箔転写装置。
【請求項4】
ストリップ(206)は、クレープ紙もしくは非粘着紙であるか、または、シリコーンもしくはPTFEから成る表面を有している、請求項3記載の箔転写装置。
【請求項5】
被覆体またはストリップ(206)の幅は、大体において、塗布部(101)または転写部(1)において被覆される被印刷物(21)の部分(108)と接触しない、溝(20)の縁(113,114)の部分域(207)に制限されている、請求項2または3記載の箔転写装置。
【請求項6】
転写胴(5)は、ブランケット(201)もしくはゴムブランケットとして構成された外張り備えており、被覆体またはストリップ(206)は、溝縁(113,114)の前記部分域(207)で、ブランケット(201)もしくはゴムブランケットの表面に取り付けられる、請求項5記載の箔転写装置。
【請求項7】
ストリップ(206)は、接着ストリップとして形成されている、請求項3記載の箔転写装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−235639(P2011−235639A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105891(P2011−105891)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(390009232)ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフト (347)
【氏名又は名称原語表記】Heidelberger Druckmaschinen AG
【住所又は居所原語表記】Kurfuersten−Anlage 52−60, Heidelberg, Germany
【Fターム(参考)】