説明

管接続部材

【課題】従来の管接続部のはずれ防止の部材は組み立て時や保守作業時に配管から離脱する公正なので紛失することがあった。
【解決手段】管接続部材の貫通孔3eに第1の配管1を挿入しており、径方向に弾性変形可能な環状本体3aの内側に、対向する位置に複数の爪部3bを設け、複数の爪部3bを結ぶ線分に対して直交する方向の環状本体3aの外周に設けた操作部3cを管接合部材の本体中心方向につまみ、複数の爪部3bの距離を広げることにより接続対象となる第2の配管2に環状本体3aの爪部3bと係合可能な被係合部5aとの係止を解除するもので、これによって、接続部の組み立てや保守作業時に管接続部材の紛失を防止し接続部周辺の空間を必要としない配管の継ぎ手部分が外れない構成を提供することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種配管の接続部に供される管継手に使用される管接続部材に関するもので、特に不用意な離脱を防止することの出来る管接続部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、気体や液体等を機器の内外で配送するためにはそれらを配送するための配管がなされるが、機器内の、あるいは機器外の部品あるいは装置との接続部、すなわち配管の管接続部材が必要になる。そこで配管が確実かつ接続部が不用意に離脱しないような継ぎ手構成が提案されている。
【0003】
たとえば特許文献1においては、図3に示すように、第1の配管と第2の配管とを接続するに際して、第1の配管にはプラグ101が配され、第2の配管にはソケット102が配されている。筒状をしたプラグ101に後方側程径が大きくなる案内用テーパ部104を設けると共に案内用テーパ部104の後部に係止溝部105を設けている。筒状のソケット102の壁部にソケット102の内外に開口する切り溝106を設けて、ソケット102の外側からソケット102を跨いで切り溝106に挿入される略U字状をしたばねリング107を設けている。ばねリング107は図4に詳細を示す。ばねリング107の切り溝106内に挿入された部分を切り溝106からソケット102内部に突入させて弾性係止部108とし、ソケット102内部に挿入されたプラグ101の係止溝部105にばねリング107の弾性係止部108を係止している。このようにプラグ101のソケット102への挿入のみで接続するものである。110は抜け止め部で、弾性係止部108の径より小さくなっている。
【0004】
したがって、前記従来の構成では、略U字状をしたばねリング107を切り溝106内に挿入された部分を切り溝106からソケット102内部に突入させて弾性係止部108とし、ソケット102内部に挿入されたプラグ101の係止溝部105にばねリング107の弾性係止部108を係止して成る構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2595421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、ばねリング107は接続部に着脱自在であり、分解や組み立てを伴う保守作業では、ばねリング107の落下や紛失の恐れがあった。さらに、ばねリング107の着脱は配管の直角方向に行われるため接続部の周辺にはばねリング107以上の空間を要し、配管の周囲の必要空間の増大につながるという課題があった。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、簡単な構成で抜け止め部材の紛失を防止するとともに接続部周辺の空間を必要としない管接続部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の管接続部材は、第1の配管と第2の配管とを接続する管接続部材であって、前記管接続部材は、前記第1の配管に接続される第1の抜け止め部と、前記第2の配管に接続されると共に前記第1の抜け止め部と接続される第
2の抜け止め部と、前記第1の抜け止め部と前記第2の抜け止め部とを収納し径方向に弾性変形可能な環状本体とを備え、前記環状本体は、前記環状本体の内側で対向する位置に設けられた複数の爪部と、前記複数の爪部を結ぶ線分に対して直交する方向の前記環状本体の外周に設けた操作部と、前記環状本体の軸直角方向に形成され前記第1の抜け止め部と対向する平面部と、前記平面部に形成され前記第1の配管を挿入可能な貫通孔とを備え、前記第1の配管に接続された前記第1の抜け止め部と前記第2の配管に接続された前記第2の抜け止め部とが接続した時に前記複数の爪部と係合する被係合部が前記第2の抜け止め部に形成されたものである。
【0009】
これによって、操作部を管接続部材の本体中心方向につまみ、複数の爪部の距離を広げることにより接続対象となる第2の配管に環状本体の爪部と係合可能な被係合部との係止を解除するもので、管接続部材の紛失を防止し接続部周辺の空間を必要としない配管の継ぎ手部分が外れない構成を提供することが出来る。
【発明の効果】
【0010】
本発明の管接続部材は、第一の配管が貫通孔を通っているので作業をしても落下や紛失することがなく、分解や組み立てを伴う保守作業に適している。また、接続部周囲の空間も不要となり機器の小型化に有利に2つの配管を離れないように確実に固定し、信頼性を高める。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1における管接続部材の配管軸方向の断面図
【図2】本発明の実施の形態1における管接続部材の動作状態を説明する模式図
【図3】従来の管接続部材における接続前の状態を示す分解斜視図
【図4】従来の管接続部材の要部を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明は、第1の配管と第2の配管とを接続する管接続部材であって、前記管接続部材は、前記第1の配管に接続される第1の抜け止め部と、前記第2の配管に接続されると共に前記第1の抜け止め部と接続される第2の抜け止め部と、前記第1の抜け止め部と前記第2の抜け止め部とを収納し径方向に弾性変形可能な環状本体とを備え、前記環状本体は、前記環状本体の内側で対向する位置に設けられた複数の爪部と、前記複数の爪部を結ぶ線分に対して直交する方向の前記環状本体の外周に設けた操作部と、前記環状本体の軸直角方向に形成され前記第1の抜け止め部と対向する平面部と、前記平面部に形成され前記第1の配管を挿入可能な貫通孔とを備え、前記第1の配管に接続された前記第1の抜け止め部と前記第2の配管に接続された前記第2の抜け止め部とが接続した時に前記複数の爪部と係合する被係合部が前記第2の抜け止め部に形成されたものである。
【0013】
これによって、操作部を管接続部材の本体中心方向につまみ、複数の爪部の距離を広げることにより接続対象となる第2の配管に環状本体の爪部と係合可能な被係合部との係止を解除するもので、管接続部材の紛失を防止し接続部周辺の空間を必要としない配管の継ぎ手部分が外れない構成を提供することが出来る。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における管接続部材の配管軸方向の断面図、図2は、本発明の実施の形態1における管接続部材の動作状態を説明する模式図であり、図2(A)は、接続状態を示し、図2(B)は、接続の解除状態を示す。
【0016】
図1と図2において、管接続部材3は、第1の配管1と第2の配管2とを接続するものであって、管接続部材3は、第1の配管1に接続される第1の抜け止め部4と、第2の配管2に接続されると共に第1の抜け止め部4と接続される第2の抜け止め部5と、第1の抜け止め部4と第2の抜け止め部5とを収納し径方向に弾性変形可能な環状本体3aとを備えている。環状本体3aは、環状本体3aの内側で対向する位置に設けられた複数の爪部3bと、複数の爪部3bを結ぶ線分に対して直交する方向の環状本体3aの外周に設けた操作部3cと、環状本体3aの軸直角方向に形成され第1の抜け止め部4と対向する平面部3dと、平面部3dに形成され第1の配管1を挿入可能な貫通孔3eとを備えている。第1の配管1に接続された第1の抜け止め部4と第2の配管2に接続された第2の抜け止め部5とが接続した時に複数の爪部3bと係合する被係合部5aが第2の抜け止め部5に形成されたものである。
【0017】
第1の配管1には第1の抜け止め部4を接続し、第2の配管2には第2の抜け止め部5を接続し、管接続部材3によって第1の抜け止め部4と第2の抜け止め部5が離れないように固定されている。第1の配管1および第2の配管2の各先端には鍔部1aと2aとを有し、鍔部1aと2aは第1の抜け止め部4と第2の抜け止め部5の凹部4b、5bと係合し、第1の配管1と第1の抜け止め部4は接続され、第2の配管2には第2の抜け止め部5が接続されている。
【0018】
管接続部材3は、貫通孔3eに第1の配管1を挿入後、第1の配管1の先端部近傍に平面部3dと対向する第1の抜け止め部4を形成することにより第1の配管1から外れなくなる。
【0019】
接続対象となる第2の配管2に接続された第2の抜け止め部5には、環状本体3aの爪部3bと係合可能な被係合部5aと、第1の抜け止め部4の接続部4cと嵌合可能な凸型の接続部5cを有する。第2の配管2の先端はつぶし加工が施され、第2の配管2の外形より大きなOリング止め部2bが形成されて接続部5cとOリング止め部2bの間にOリング6を保持している。
【0020】
Oリング6を保持した接続部5cの先端を接続部4cにはめ込んで接続がなされOリング6によって第1の配管1と第2の配管2のシールがなされる。
【0021】
図2(A),(B)において管接続部材3による第1の配管1と第2の配管2の接続の固定、解除について説明する。
【0022】
図2ではOリング6を保持した接続部5cの先端を接続部4cにはめ込んで接続がなされOリング6によって第1の配管1と第2の配管2のシールがなされた後、第1の配管1が貫通孔3eを貫通した管接続部材3の先端の爪部3bを第1の抜け止め部4の外面に沿って第2の配管2の方向に押し込んでいくと、爪部3bの斜面3fに働く押し込み力の分力によって開いた爪部3bが第1の抜け止め部4を乗り越え、被係合部5aに係止し、第1の配管1と第2の配管2を近接に保持し、管接続部材3の取り付け固定が完了する。
【0023】
管接続部材3による接続をはずす場合は、複数の爪部3bを結ぶ線分に対して直交する方向の環状本体3aの外周に設けた操作部3cを管接続部材3の軸方向につまんで変形させれば、環状本体3aの直角方向に設けられた爪部3bは軸に対して外方向へ移動していく。環状本体の3aの変形量が増加し爪部3bの間隔が被係合部5aの径以上になったときに爪部3bと被係合部5aの係止が外れる。これで第1の配管1と第2の配管2の接続は着脱自在となる。
【0024】
これによって、第1の配管1と第2の配管2の接続を解除した時、管接続部材3は第1の配管1に係止されているため、管接続部材3の紛失を防止し接続部周辺の空間を必要としない配管の継ぎ手部分が外れない構成を提供することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明に係る配管の管接続部材は、機器、設備等における配管の接続装置に関するもので簡単な構成で管接続部材の紛失防止ができ管の接続を確実かつ着脱自在なものにすることができる。
【符号の説明】
【0026】
1 第1の配管
2 第2の配管
3 管接続部材
3a 環状本体
3b 爪部
3c 操作部
3d 平面部
3e 貫通孔
4 第1の抜け止め部
5 第2の抜け止め部
5a 被係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の配管と第2の配管とを接続する管接続部材であって、
前記管接続部材は、前記第1の配管に接続される第1の抜け止め部と、前記第2の配管に接続されると共に前記第1の抜け止め部と接続される第2の抜け止め部と、前記第1の抜け止め部と前記第2の抜け止め部とを収納し径方向に弾性変形可能な環状本体とを備え、前記環状本体は、前記環状本体の内側で対向する位置に設けられた複数の爪部と、前記複数の爪部を結ぶ線分に対して直交する方向の前記環状本体の外周に設けた操作部と、前記環状本体の軸直角方向に形成され前記第1の抜け止め部と対向する平面部と、前記平面部に形成され前記第1の配管1を挿入可能な貫通孔とを備え、
前記第1の配管に接続された前記第1の抜け止め部と前記第2の配管に接続された前記第2の抜け止め部とが接続した時に前記複数の爪部と係合する被係合部が前記第2の抜け止め部に形成されたことを特徴とする管接続部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−57773(P2012−57773A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204166(P2010−204166)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】