説明

管理装置及び設備管理システム

【課題】対象設備に対する設定変更がどの居住者により行われたかという操作履歴を特定することができる管理装置及び設備管理システムを提供する。
【解決手段】エリア内に設置されている対象設備を予め設定されている設定情報に基づいて運転管理する管理装置において、設定情報の変更を受け付けると共に、当該設定情報の変更を受け付ける際にその設定を変更する居住者の識別情報の入力を促すことにより、対象設備に対する設定変更がどの居住者により行われたかという操作履歴を特定することができるので、居住者の省エネ意識を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工場、ビル施設等における電気設備等の対象設備を制御、監視する管理装置及び設備管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
工場、ビル施設等における建物内の空調設備を保守管理するオペレータは、中央管理室の管理装置に表示される対象設備の現在値データやトレンドグラフを見ながら、運転状態などを監視している。
【0003】
例えば、特許文献1には、設備機器の運転状態、設定温度、異常発生の情報をWWWサーバとして提供し、ブラウザ機能のあるソフトウェアを使用して、端末装置より監視可能とすると共に、端末装置より設備機器の運転状態、設定温度を制御可能とする監視装置が開示されている。この監視装置を建物内の空調設備を監視する装置に適用することにより、居住者は現在温度や体感状況に応じて、端末装置から任意の設定温度に変更することができる。
【0004】
しかし、現在温度や体感温度に応じた自由な設定変更を許すと、省エネ意識のない居住者により安易に設定変更が行われてしまう。一方、省エネ意識のある居住者は、安易な設定変更は行わず、空調の設定条件のみに頼らず、服装を調整するなどの個別対策を行っている、というのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−240318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の管理装置では、端末装置により設備機器の運転状態、設定温度を制御可能としている場合に、上記のような設定変更がどの居住者により行われたのか、ということまで把握することはできず、制御、監視する管理装置としては省エネ効果の高い制御運転を行っているにもかかわらず、自由な個別設定変更を許していることにより、期待するほどの省エネ効果が高まらず、また、省エネ意識のない居住者にとっては一向に省エネ意識が高まらない、という課題があった。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、対象設備に対する設定変更がどの居住者により行われたかという操作履歴を特定することができる管理装置及び設備管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、この発明は、エリア内に設置されている対象設備を予め設定されている設定情報に基づいて運転管理する管理装置において、前記管理装置は、前記エリア内に在席する居住者に関する情報と当該居住者を識別する識別情報とを対応づけて個人情報として記憶する個人情報記憶部と、前記設定情報の変更を受け付けると共に、当該設定情報の変更を受け付ける際に前記居住者の識別情報の入力を促す入力操作部と、前記入力操作部により前記設定情報の変更が行われた場合、前記入力操作部により入力された前記居住者の識別情報と前記個人情報記憶部に記憶された個人情報の識別情報とを照合して、前記個人情報記憶部から当該識別情報に対応する個人情報を取得し、その個人情報とその居住者により変更された設定情報とを含む情報を設定変更履歴情報として記憶する設定変更履歴情報記憶部を備えることを特徴とする。
【0009】
また、この発明は、前記管理装置は、前記設定変更履歴情報記憶部に記憶されている設定変更履歴情報に基づいて、指定期間における指定対象設備に対する設定変更履歴を前記個人情報ごとに集計する個人操作履歴集計部を備えることを特徴とする。
【0010】
また、この発明は、前記管理装置は、指定された前記対象設備に対する少なくとも一つの前記設定情報と当該設定情報の変更を行った前記居住者の個人情報とを対応付けた設定変更履歴を含む設定変更履歴トレンドを表示するトレンド表示部を備えることを特徴とする。
【0011】
また、この発明は、前記トレンド表示部は、前記個人操作履歴集計部により集計された個人情報ごとの設定変更履歴を前記設定変更履歴トレンドに付加して表示することを特徴とする。
【0012】
また、この発明は、前記トレンド表示部は、前記対象設備に対して前記設定情報を変更させた制御内容の種別を示す制御種別情報を前記設定変更履歴トレンドに付加して表示することを特徴とする。
【0013】
また、この発明は、前記管理装置と通信回線で接続された操作端末とを備える設備管理システムにおいて、前記操作端末は、前記対象設備を指定して前記設定情報の変更を受け付けると共に、当該設定情報の変更を受け付ける際に前記居住者の識別情報の入力を促す端末入力操作部と、前記端末入力操作部により前記設定情報の変更が行われた場合、前記居住者の識別情報とその居住者により変更された設定情報とを含む情報を端末設定情報として前記管理装置に送信する端末設定情報管理部を備え、前記管理装置は、前記操作端末の端末設定情報管理部から前記端末設定情報を受信した場合に、前記端末設定情報と前記個人情報記憶部に記憶された個人情報とに基づいて、前記居住者の個人情報とその居住者により変更された設定情報とを含む情報を設定変更履歴情報として前記設定変更履歴情報記憶部に記憶させる設定情報管理部をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、エリア内に設置されている対象設備を予め設定されている設定情報に基づいて運転管理する管理装置において、設定情報の変更を受け付けると共に、当該設定情報の変更を受け付ける際にその設定を変更する居住者の識別情報の入力を促すことにより、対象設備に対する設定変更がどの居住者により行われたかという操作履歴を特定することができるので、居住者の省エネ意識を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態1における管理装置1の機能ブロック及びシステム構成の概略を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態2における管理装置2の機能ブロック及びシステム構成の概略を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態3における管理装置3の機能ブロック及びシステム構成の概略を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態3における、ある空調機器の温度設定情報の設定変更履歴トレンド画面を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態3における、ある空調機器の運転状態(ON/OFF)の設定変更履歴トレンド画面を示す図である。
【図6】従来の温度設定トレンド画面を示す図である。
【図7】従来の運転時間トレンド画面を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態4における管理装置4の機能ブロック及びシステム構成の概略を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態4における、ある空調機器の運転状態(ON/OFF)の設定変更履歴トレンド画面を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態5における管理装置5及び操作端末6の機能ブロック及びシステム構成の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における管理装置1の機能ブロック及びシステム構成の概略を示す図である。
管理装置1は、予め定められた複数の制御方法により、エリア内に設置されている対象設備の制御を行う制御装置(コントローラ)10と通信回線で接続されており、通常は、スケジュール等にしたがって、それら複数の制御方法のいずれかにより、対象設備の設定情報が決定され、各対象設備はそれに基づいて制御されている。ここでは、対象設備としては空調機器、制御方法(制御内容の種別を示す制御種別情報)としては「スケジュール制御」、「最適起動停止制御」、「節電運転制御」、「電力デマンド制御」などがあり、この中のいずれか(または複数)の制御方法によって対象設備である空調機器の制御運転を行っている。
【0017】
管理装置1は、各対象設備について複数の制御方法に基づいて予め設定されている設定情報を記憶する設定情報記憶部11と、予めエリア内に在席する居住者の情報をその識別情報に関連付けて記憶している個人情報記憶部12と、居住者による設定情報の変更を受け付けると共に、当該設定情報の変更を受け付ける際にその設定を変更する居住者の識別情報の入力を促す入力操作部13と、入力操作部13により設定情報の変更が行われた場合、設定変更した居住者の個人情報とその居住者により変更された設定情報とを含む設定変更履歴情報を記憶する設定変更履歴情報記憶部14を備えている。
【0018】
ここで、設定情報記憶部11、個人情報記憶部12、入力操作部13、設定変更履歴情報記憶部14のそれぞれの機能について、説明する。
設定情報記憶部11には、少なくとも、対象設備の名称(または番号)、設定時間、設定状態(設備のON/OFFや、設定温度など)が記憶されている。
個人情報記憶部12には、居住者を示す識別情報(個人ID番号や、カード読み取り情報など)と、その居住者に関する情報(例えば、所属、氏名など)が記憶されている。
入力操作部13は、設定情報の変更を受け付ける際に、居住者の識別情報の入力を促す識別情報入力部15と、設定情報を変更するための設定情報入力部16とを有している。ここで、識別情報入力部15は、例えば、居住者の識別情報として個人ID番号を入力するための入力画面を表示したり、居住者の個人IDカードをかざすように指示を出したりするものである。
設定変更履歴情報記憶部14は、入力操作部13により設定情報の変更が行われた場合に、識別情報入力部15により入力された識別情報と、個人情報記憶部12に記憶されている個人情報の識別情報とを照合し、個人情報記憶部12から当該識別情報に対応する個人情報を取得し、その個人情報と、設定情報入力部16により入力された設定情報(変更された設定情報)とを含む情報を、設定変更履歴情報として記憶する。
【0019】
この管理装置1では、エリア内に在席している居住者の近くに操作端末がない場合など、居住者からの設定変更の依頼を受けて、中央管理室にいる監視員が、入力操作部13により依頼者の個人ID番号を入力してから、対象設備を選択して対象設備のON/OFFや設定温度の変更などを行う。
その結果、管理装置1の設定変更履歴情報記憶部14は、入力された個人ID番号に対応する個人情報を個人情報記憶部12から読み出し、その個人情報と、変更された設定情報とを含む情報を、設定変更履歴情報として記憶する。
【0020】
これにより、誰によってどの対象設備に対してどのような設定変更が行われたのかが記憶されるため、指定期間(例えば1ヶ月間)に、ある対象設備に対して頻繁に節電や省エネにならない設定変更の要求をした居住者を特定することができるので、その居住者に対して省エネに協力するよう注意や呼びかけをすることにより、居住者の省エネ意識を高めることができる。
【0021】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2における管理装置2の機能ブロック及びシステム構成の概略を示す図である。
管理装置2は、実施の形態1における管理装置1に加え、個人操作履歴集計部21を備えている点においてのみ、実施の形態1と異なるが、その他の機能及び構成については、実施の形態1と同じであるため、説明を省略する。
【0022】
個人操作履歴集計部21は、設定変更履歴情報記憶部14に記憶されている設定変更履歴情報に基づいて、指定期間(例えば、1ヶ月間)に、ある対象設備に対してどのような設定変更を行ったのかを、個人情報ごとに(個人別に)集計して記憶する。
これにより、実施の形態1では、設定変更履歴情報記憶部14に記憶されている設定変更履歴情報から、監視員が特定していた操作履歴について、管理装置2の個人操作履歴集計部21が自動的に集計してくれるため、監視員の手間を省くことができ、より簡単に、ある対象設備に対して頻繁に節電や省エネにならない設定変更の要求をした居住者を特定することができるので、その居住者に対して省エネに協力するよう注意や呼びかけをすることにより、居住者の省エネ意識を高めることができる。
【0023】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3における管理装置3の機能ブロック及びシステム構成の概略を示す図である。
管理装置3は、実施の形態1における管理装置1に加え、トレンド作成部31及びトレンド表示部32を備えている点においてのみ、実施の形態1と異なるが、その他の機能及び構成については、実施の形態1と同じであるため、説明を省略する。
【0024】
トレンド作成部31は、ある対象設備についてのトレンドの表示要求があると、設定変更履歴情報記憶部14に記憶されている設定変更履歴情報から、トレンドの表示要求により指定された対象設備についての少なくとも一つの設定情報と、その設定を変更した居住者の個人情報とを対応付けた設定変更履歴に基づいて設定変更履歴トレンドを作成する。
トレンド表示部32は、トレンド作成部31が作成した設定変更履歴トレンドを設定変更履歴トレンド画面として表示する。
【0025】
図4は、対象設備である空調機器の温度設定情報を、その設定を変更した居住者の個人情報と対応付けて表示した設定変更履歴トレンド画面の例である。この図4は、1日のうちでその空調機器の設定温度がどのように変更されたか、ということと、誰によってその設定変更が行われたのか、ということが一見してわかるように表示されている。具体的には、当初は(0時の時点では)「スケジュール制御」(SCH)によって26°Cに設定されており、9時過ぎに「ユーザA」によって24°Cに設定変更され、15時前には「ユーザB」によって23°Cに設定変更されていることがわかる。なお、図4では、「ユーザA」による設定変更部分と、「ユーザB」による設定変更部分とを、他の制御部分(実線)とは異なる線の種類(破線、一点鎖線等)で表示しているが、異なる線の太さで表示したり、異なる色により表示する等、違いがわかる表示方法であれば、どのような表示方法であっても構わない。
【0026】
また、図5は、対象設備である空調機器の運転状態(ON/OFF)についての設定情報を、その設定を変更した居住者の個人情報と対応付けて表示した設定変更履歴トレンド画面の例である。この図5は、1日のうちでその空調機器の起動(ON)及び停止(OFF)がどのように変更されたか、ということと、誰によってその設定変更が行われたのか、ということが一見してわかるように表示されている。具体的には、当初は(0時の時点では)「スケジュール制御」(SCH)によってOFFに設定されており、6時台に「最適起動制御」(OSS)によってONに設定され、7時台の途中で「スケジュール制御」(SCH)によってONに設定され、その後、8〜10時台は30分ずつ、「節電制御」(DUT)によってOFFに設定されていることがわかる。また、11時台には「ユーザA」によってONに設定され、その後、「スケジュール制御」(SCH)によってONに設定され、15時台には「最適起動制御」(OSS)によってOFFに設定されたが、16時台に「ユーザB」によってONに設定され、最後は「スケジュール制御」(SCH)によってOFFに設定されたことがわかる。なお、図5では、「ユーザA」による設定変更部分と、「ユーザB」による設定変更部分と、その他の制御方法による設定変更部分とを、それぞれ棒グラフの模様を変えることにより表示しているが、色を変えることにより表示したり、ONに設定されている部分は立体的に表示する等、違いがわかる表示方法であれば、どのような表示方法であっても構わない。
【0027】
ここで、図4,図5に示された設定変更履歴トレンド画面を、図6,図7に示す従来の温度設定トレンド画面や運転時間トレンド画面と比較すると、図6では、何時にどの温度に設定変更されたかが表示されているのみであり、どの制御方法によって制御されていたのかということや、誰によって設定変更されたのかということまで知ることはできなかった。また、図7では、どの時間帯にどれだけの時間、空調機器が起動(ON)されていたのかが表示されているのみであり、どの制御方法によって起動(ON)または停止(OFF)されたのかということや、誰によって設定変更されたのかということまで知ることはできなかった。
【0028】
一方、図4,図5に示す設定変更履歴トレンド画面によれば、誰によってどのような設定変更が行われたのかを、一見して認識することができ、より簡単に、ある対象設備に対して頻繁に節電や省エネにならない設定変更の要求をした居住者を特定することができるので、その居住者に対して省エネに協力するよう注意や呼びかけをすることにより、居住者の省エネ意識を高めることができる。
また、図4,図5に示すような設定変更履歴トレンド画面を、ネットワークを介してユーザのPC等により閲覧できるようにすれば、居住者自身が各自の設定変更について一見して確認することができるので、各居住者が節電や省エネにならない設定変更を頻繁に要求していた場合にはそれを自覚することができ、監視員により注意や呼びかけをすることなく、その居住者の省エネ意識をより高めることができる。
【0029】
実施の形態4.
図8は、この発明の実施の形態4における管理装置4の機能ブロック及びシステム構成の概略を示す図である。
管理装置4は、実施の形態2における管理装置2に加え、トレンド作成部41及びトレンド表示部42を備えている点においてのみ、実施の形態2と異なるが、その他の機能及び構成については、実施の形態2と同じであるため、説明を省略する。
【0030】
トレンド作成部41は、ある対象設備についてのトレンドの表示要求があると、設定変更履歴情報記憶部14に記憶されている設定変更履歴情報から、トレンドの表示要求により指定された対象設備についての少なくとも一つの設定情報と、その設定を変更した居住者の個人情報とを対応付けた設定変更履歴に基づいて設定変更履歴トレンドを作成する。
トレンド表示部42は、トレンド作成部41が作成した設定変更履歴トレンドを設定変更履歴トレンド画面として表示させるとともに、個人操作履歴集計部21により集計された個人情報ごとの設定変更履歴、及び、設定情報を変更させた制御内容の種別を示す制御種別情報、すなわち、個人別、及び、制御方法ごとに各対象設備に対して設定変更した日時や1ヶ月ごとの回数などの数値をまとめたものを、設定変更履歴トレンドに付加して表示する。
【0031】
図9は、図5に示す設定変更履歴トレンド(対象設備である空調機器の運転状態(ON/OFF)についての設定情報の1日分を、その設定を変更した居住者の個人情報と対応付けて表示した設定変更履歴トレンド画面)に、各ユーザ及び制御方法ごとに、その空調機器が何分ずつ起動(ON)設定または停止(OFF)設定されたのかという数値をまとめたものを、付加して表示した図である。
【0032】
このように、図9に示す設定変更履歴トレンド画面によれば、誰によってどれくらいの頻度でどのような設定変更が行われたのかを、図5に示す設定変更履歴トレンド画面よりもさらに一見して認識することができるため、一段と簡単に、ある対象設備に対して頻繁に節電や省エネにならない設定変更の要求をした居住者を特定することができるので、その居住者に対して省エネに協力するよう注意や呼びかけをすることにより、居住者の省エネ意識を高めることができる。
また、図9に示すような設定変更履歴トレンド画面を、ネットワークを介してユーザのPC等により閲覧できるようにすれば、居住者自身が各自の設定変更について一見して確認することができるので、各居住者が節電や省エネにならない設定変更を頻繁に要求していた場合にはそれを自覚することができ、監視員により注意や呼びかけをすることなく、その居住者の省エネ意識を一段と高めることができる。
【0033】
実施の形態5.
図10は、この発明の実施の形態5における管理装置5及び操作端末6の機能ブロック及びシステム構成の概略を示す図である。
操作端末6は、エリア内に在席する居住者の近くに設置された端末であり、居住者による設定情報の変更を受け付けると共に、当該設定情報の変更を受け付ける際にその設定を変更する居住者の識別情報の入力を促す端末入力操作部61と、端末入力操作部61により設定情報の変更が行われた場合、設定変更した居住者の識別情報とその居住者により変更された設定情報とを対応づけた端末設定情報を記憶する端末設定情報管理部62を備えている。また、操作端末6は、管理装置5と通信回線により接続されている。
管理装置5は、実施の形態1における管理装置1に加え、設定情報管理部51を備えており、また、設定変更履歴情報記憶部52の処理が実施の形態1における設定変更履歴情報記憶部14とは異なるが、その他の機能及び構成については、実施の形態1と同じであるため、説明を省略する。
【0034】
ここで、操作端末6の端末入力操作部61及び端末設定情報管理部62の機能について、説明する。
端末入力操作部61は、設定情報の変更を受け付ける際に、居住者の識別情報の入力を促す識別情報入力部63と、設定情報を変更するための設定情報入力部64とを有している。ここで、識別情報入力部63は、例えば、居住者の識別情報として個人ID番号を入力するための入力画面を表示したり、居住者の個人IDカードをかざすように指示を出したりするものである。
端末設定情報管理部62は、端末入力操作部61により設定情報の変更が行われた場合に、識別情報入力部63により入力された識別情報と、設定情報入力部64により入力された設定情報(変更された設定情報)とを対応づけた端末設定情報を、管理装置5の設定情報管理部51に送信する。
【0035】
次に、管理装置5の設定情報管理部51及び設定変更履歴情報記憶部52の機能について説明する。
設定情報管理部51は、操作端末6の端末設定情報管理部62から端末設定情報を受信し、設定変更履歴情報記憶部52に記憶させる。
この場合に、設定変更履歴情報記憶部52は、設定情報管理部51が受信した端末設定情報の中の識別情報と、個人情報記憶部12に記憶されている個人情報の識別情報とを照合し、個人情報記憶部12から当該識別情報に対応する個人情報を取得し、その個人情報と、設定情報管理部51が受信した設定情報(設定情報入力部64により入力されて変更された設定情報)とを含む情報を、設定変更履歴情報として記憶する。
すなわち、この実施の形態5における設定変更履歴情報記憶部52は、管理装置5の入力操作部13により設定情報の変更が行われた場合には、識別情報入力部15により入力された識別情報と、個人情報記憶部12に記憶されている個人情報の識別情報とを照合し、個人情報記憶部12から当該識別情報に対応する個人情報を取得し、その個人情報と、設定情報入力部16により入力された設定情報(変更された設定情報)とを含む情報を、設定変更履歴情報として記憶し、操作端末6の端末入力操作部61により設定情報の変更が行われた場合には、設定情報管理部51が受信した端末設定情報の中の識別情報(識別情報入力部63により入力された識別情報)と、個人情報記憶部12に記憶されている個人情報の識別情報とを照合し、個人情報記憶部12から当該識別情報に対応する個人情報を取得し、その個人情報と、設定情報管理部51が受信した設定情報(設定情報入力部64により入力されて変更された設定情報)とを含む情報を、設定変更履歴情報として記憶する。
【0036】
この管理装置5と操作端末6とを備える設備管理システムによれば、中央管理室にいる監視員が関与しなくても、各エリア内に存在する居住者が自由に設定変更することができるため、居住者にとっては大変利便性があるが、自由な個別設定変更により、あまり省エネ効果が高まらないという問題や、省エネ意識のない居住者にとっては省エネ意識が高まらないという危惧もある。しかしながら、上述のとおり、管理装置5において、誰によってどのような設定変更が行われたのかが記憶されるため、ある対象設備に対して頻繁に節電や省エネにならない設定変更を行った居住者を特定することができるので、その居住者に対して省エネに協力するよう注意や呼びかけをすることにより、居住者の省エネ意識を高めることができる。
すなわち、この実施の形態5によれば、居住者の利便性も図りつつ、居住者の省エネ意識を高めることができる、という効果がある。
【0037】
なお、実施の形態5における管理装置5に、実施の形態2の個人操作履歴集計部21や、実施の形態3,4のトレンド作成部31,41、トレンド表示部32,42も備えるようにすれば、より簡単に、ある対象設備に対して頻繁に、節電や省エネにならない設定変更の要求をした居住者を特定することができるので、その居住者に対して省エネに協力するよう注意や呼びかけをすることにより、居住者の省エネ意識をより高めることができる。
また、図4,図5,図9に示すような設定変更履歴トレンド画面を、ネットワークを介して操作端末6やユーザのPC等により閲覧できるようにすれば、居住者自身が各自の設定変更について一見して確認することができるので、各居住者が節電や省エネにならない設定変更を頻繁に要求していた場合にはそれを自覚することができ、監視員により注意や呼びかけをすることなく、その居住者の省エネ意識を一段と高めることができる。
なお、図4,図5,図9に示す設定変更履歴トレンドは、表示期間として1日の例を示したが、1週間、1ヶ月、1年など任意の期間に適用することができる。
【0038】
以上のとおり、この発明によれば、対象設備に対する設定変更がどの居住者により行われたかという操作履歴を簡単に特定することができるので、ある対象設備に対して頻繁に節電や省エネにならない設定変更の要求をした居住者に対して省エネに協力するよう注意や呼びかけを行ったり、どの居住者によってどのような設定変更が行われたのかが一見してわかる設定変更履歴トレンド画面を表示させたりすることにより、居住者の省エネ意識を高めることができる。
【0039】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1,2,3,4,5 管理装置
6 操作端末
10 制御装置(コントローラ)
11 設定情報記憶部
12 個人情報記憶部
13 入力操作部
14,52 設定変更履歴情報記憶部
15,63 識別情報入力部
16,64 設定情報入力部
21 個人操作履歴集計部
31,41 トレンド作成部
32,42 トレンド表示部
51 設定情報管理部
61 端末入力操作部
62 端末設定情報管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリア内に設置されている対象設備を予め設定されている設定情報に基づいて運転管理する管理装置において、
前記管理装置は、
前記エリア内に在席する居住者に関する情報と当該居住者を識別する識別情報とを対応づけて個人情報として記憶する個人情報記憶部と、
前記設定情報の変更を受け付けると共に、当該設定情報の変更を受け付ける際に前記居住者の識別情報の入力を促す入力操作部と、
前記入力操作部により前記設定情報の変更が行われた場合、前記入力操作部により入力された前記居住者の識別情報と前記個人情報記憶部に記憶された個人情報の識別情報とを照合して、前記個人情報記憶部から当該識別情報に対応する個人情報を取得し、その個人情報とその居住者により変更された設定情報とを含む情報を設定変更履歴情報として記憶する設定変更履歴情報記憶部を備える
ことを特徴とする管理装置。
【請求項2】
請求項1記載の管理装置において、
前記管理装置は、
前記設定変更履歴情報記憶部に記憶されている設定変更履歴情報に基づいて、指定期間における指定対象設備に対する設定変更履歴を前記個人情報ごとに集計する個人操作履歴集計部を備える
ことを特徴とする管理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の管理装置において、
前記管理装置は、
指定された前記対象設備に対する少なくとも一つの前記設定情報と当該設定情報の変更を行った前記居住者の個人情報とを対応付けた設定変更履歴を含む設定変更履歴トレンドを表示するトレンド表示部を備える
ことを特徴とする管理装置。
【請求項4】
請求項2記載の管理装置において、
前記管理装置は、
指定された前記対象設備に対する少なくとも一つの前記設定情報と当該設定情報の変更を行った前記居住者の個人情報とを対応付けた設定変更履歴を含む設定変更履歴トレンドに表示するトレンド表示部を備え、
前記トレンド表示部は、
前記個人操作履歴集計部により集計された個人情報ごとの設定変更履歴を前記設定変更履歴トレンドに付加して表示する
ことを特徴とする管理装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4記載の管理装置において、
前記トレンド表示部は、
前記対象設備に対して前記設定情報を変更させた制御内容の種別を示す制御種別情報を前記設定変更履歴トレンドに付加して表示する
ことを特徴とする管理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の管理装置と、前記管理装置と通信回線で接続された操作端末とを備える設備管理システムにおいて、
前記操作端末は、
前記対象設備を指定して前記設定情報の変更を受け付けると共に、当該設定情報の変更を受け付ける際に前記居住者の識別情報の入力を促す端末入力操作部と、
前記端末入力操作部により前記設定情報の変更が行われた場合、前記居住者の識別情報とその居住者により変更された設定情報とを含む情報を端末設定情報として前記管理装置に送信する端末設定情報管理部を備え、
前記管理装置は、前記操作端末の端末設定情報管理部から前記端末設定情報を受信した場合に、前記端末設定情報と前記個人情報記憶部に記憶された個人情報とに基づいて、前記居住者の個人情報とその居住者により変更された設定情報とを含む情報を設定変更履歴情報として前記設定変更履歴情報記憶部に記憶させる設定情報管理部をさらに備える
ことを特徴とする設備管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−215306(P2012−215306A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78978(P2011−78978)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000006666)アズビル株式会社 (1,808)
【Fターム(参考)】