説明

管路内ピグ移動装置、並びに、その管路内ピグ移動装置を用いた管路内残留ガス排気方法、管路内検査方法、管路内面ライニング方法、管路内洗浄方法及び管路内通線方法

【課題】簡単な準備作業で所定の処理を実行可能な管路内ピグ移動装置を提供する。
【解決手段】弾性を有し且つ少なくとも表面が気密状に構成されて、一端が閉塞された管路内に収縮状態で挿入されるピグ1と、そのピグ1を管路内で移動させるピグ移動手段Mとを備えた管路内ピグ移動装置であって、ピグ1が管路内に挿入されたときにそのピグ1における管路の閉塞端側を向く前部1fから先端Tfが露呈する挿通状態で、管状体Tの先端部がピグ1に固着され、ピグ移動手段Mが、管路内に挿入されたピグ1よりも閉塞端側の気体を管状体Tを通して管路外に吸引する吸引手段2を備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性を有し且つ少なくとも表面が気密状に構成されて、一端が閉塞された管路内に収縮状態で挿入されるピグと、そのピグを前記管路内で移動させるピグ移動手段とを備えた管路内ピグ移動装置、並びに、その管路内ピグ移動装置を用いた管路内残留ガス排気方法、管路内検査方法、管路内面ライニング方法、管路内洗浄方法及び管路内通線方法に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる管路内ピグ移動装置は、弾性を有し且つ少なくとも表面が気密状に構成されたピグを管路内に収縮状態で挿入して、ピグにより管路内を長手方向で気密状に区画した状態で、ピグ移動手段により管路内におけるピグの両側に気圧差を生じさせることにより、管路内でピグを移動させるものである。
そして、このような管路内ピグ移動装置は、例えば、地中に埋設されたガス管等の管路内に残留しているガスを排気する管路内残留ガス排気処理、管路内をカメラで検査する管路内検査処理、管路内面にライニング膜を形成する管路内面ライニング処理、管路内を洗浄する管路内洗浄処理、管路内に線状体を通す管路内通線処理等、管路内で各種処理を実行する用途等で用いられる。
【0003】
このような管路内ピグ移動装置において、従来は、ピグ移動手段が、管路の閉塞端部に吸引作用する吸引手段を備えて構成されていた。
つまり、吸引手段を管路の閉塞端部に吸引作用させて、管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分を減圧することにより、管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分の気圧を管路内におけるピグよりも開口端側の部分の気圧(即ち、大気圧)よりも低くして、ピグを開口端側から閉塞端側に向けて管路内を移動させることになる(例えば、特許文献1、2参照。)。
又、ピグ移動手段が、上記の吸引手段に加えて、管路の開口端部に圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段を備えて構成される場合もあった。
つまり、吸引手段を管路の閉塞端部に吸引作用させると共に、圧縮空気供給手段により管路の開口端部に圧縮空気を供給して、管路内におけるピグよりも開口端側の部分を閉塞端側の部分よりも高圧にすることにより、ピグを開口端側から閉塞端側に向けて管路内を移動させることになる(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0004】
そして、このような管路内ピグ移動装置を、管路内洗浄処理で用いる場合、管路内におけるピグよりもその移動方向前方側に洗浄剤を存在させた状態で、ピグを管路内で移動させることにより、洗浄剤が付着した管路の内面をピグでこすることにより、管路内を洗浄することになる。
又、管路内通線処理で用いる場合は、ピグの後部に線状体の先端を接続した状態で、ピグを閉塞端部に向けて管路内を移動させることにより、管路内に線状体を通すことになる。
【0005】
又、上記の特許文献1、2には記載されていないが、このような管路内ピグ移動装置を管路内残留ガス排気処理で用いる場合、ピグを管路の開口端部に挿入して、吸引手段を管路の閉塞端部に吸引させることにより、管路内の残留ガスを吸引して排気することになる。つまり、吸引手段を管路の閉塞端部に吸引作用させて、ピグを開口端部から閉塞端側に向けて管路内を移動させて、管路内における排気対象のガスが残留している範囲を徐々に狭くしながら残留ガスを排気することにより、効率良く残留ガスを排気することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−289432号公報
【特許文献2】特開2010−51885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来では、ピグ移動手段が管路の閉塞端部に吸引作用する吸引手段を備えて構成されているので、吸引手段を管路の閉塞端部に吸引作用させるために、吸気管を管路の閉塞端部に連通接続してその吸気管に吸引手段を接続する準備作業が必要であり、この準備作業に手間がかかるものであった。
例えば、対象となる管路が地中に埋設されたガス管の場合、ピグを挿入する開口端となる部分が埋設されている箇所を掘削するのに加えて、閉塞端部に相当する端部が埋設されている箇所も掘削して、その閉塞端部に吸気管を連通接続する必要がある。又、閉塞端部側の上方にビル等の建物が建設されている場合には、閉塞端部を掘削することができない。
更に、ピグ移動手段が吸引手段に加えて圧縮空気供給手段を備えて構成される場合、管路の開口端部に蓋体を被せて閉じた後、その蓋体に給気管を連通接続して、その給気管に圧縮空気供給手段を接続する必要があり、更に準備作業に手間がかかるものであった。
【0008】
ところで、地中に埋設されたガス管内の残留ガスを排気する方法として、管路内ピグ移動装置を用いずに行う方法がある。
即ち、ガス管の開口端に吸引ポンプを接続して、ガス管内を真空状態として、この真空状態を開放してガス管の開口端から空気を流入させることで、ガス管内の残留ガスをガス管外に排気する方法である。
この方法では、ガス管の閉塞端部が埋設されている箇所を掘削する必要がないので、準備作業を簡略化することができる。
しかしながら、ガス管の内部空間全体が吸引ポンプによる吸引対象となるので、ガス管内の残留ガスを十分に排気するのに時間がかかると共に、真空状態を開放することで空気を流入させて残留ガスを空気と置換するのにも時間がかかり、作業時間が長時間となるという問題がある。
また、この方法では、例えば、ガス管の開口端から排気される気体のガス濃度が設定濃度以下となることで、残留ガスが空気と置換されたと判断することができる。しかしながら、ガス濃度の測定対象となる気体は、ガス管の開口端付近から吸引される気体であるので、ガス管の閉塞端付近の残留ガスが十分に排気されているかを適切に判断することができない可能性がある。そこで、残留ガスを空気と十分に置換するのに要する時間として、ガス管の閉塞端付近の残留ガスが十分に排気されていると判断できるだけの時間を確保する必要があり、作業時間の長時間化が顕著な問題となっていた。
【0009】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な準備作業で所定の処理を実行可能な管路内ピグ移動装置を提供することにあり、他の目的は、簡単な準備作業で夫々の処理を実行可能な管路内残留ガス排気方法、管路内検査方法、管路内面ライニング方法、管路内洗浄方法及び管路内通線方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る管路内ピグ移動装置は、弾性を有し且つ少なくとも表面が気密状に構成されて、一端が閉塞された管路内に収縮状態で挿入されるピグと、そのピグを前記管路内で移動させるピグ移動手段とを備えたものであって、
第1特徴構成は、前記ピグが前記管路内に挿入されたときにそのピグにおける前記管路の閉塞端側を向く前部から先端が露呈する挿通状態で、管状体の先端部が前記ピグに固着され、
前記ピグ移動手段が、前記管路内に挿入された前記ピグよりも前記閉塞端側の気体を前記管状体を通して前記管路外に吸引する吸引手段を備えて構成されている点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、ピグを管路内に開口端から挿入し、吸引手段を管状体の基端に吸引作用させて、管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分の残留ガスを管状体を通して吸引して排気する。すると、管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分が減圧されて、管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分がピグよりも開口端側の部分よりも低圧になるので、ピグが大気圧により閉塞端側に押されて管路内を閉塞端側に向かって移動する。しかも、ピグが管路内を閉塞端側に向かって移動するのに伴って、ピグが吸引作用する対象である管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分の容積が徐々に小さくなって、効率良く残留ガスを排気することができるので、ピグを速やかに閉塞端にまで移動させることができる。
そして、吸引手段の吸引力を調整することにより、管路内における閉塞端側へのピグの移動速度を調整することもできる。
このように、ピグを管路内で閉塞端側に移動させることにより、管路内に残留しているガスを排気する管路内残留ガス排気処理、管路内をカメラで検査する管路内検査処理、管路内面にライニング膜を形成する管路内面ライニング処理、管路内を洗浄する管路内洗浄処理、管路内に線状体を通す管路内通線処理等、管路内での各種処理を実行することができる。
しかも、このように各種処理を実行するに当たって、吸引手段の吸引力を調整することにより、管路内におけるピグの移動速度を各処理に応じた適切な速度に調整することができる。
【0012】
そして、ピグを管路内で閉塞端にまで移動させるに当たって、管路の閉塞端部については、何ら処理を施す必要がなく、準備作業を簡略化することができる。例えば、対象とする管路が地中に埋設されているガス管の場合、ピグを挿入する開口端となる部分が埋設されている箇所は掘削する必要があるにしても、閉塞端部に相当する端部が埋設されている箇所は掘削する必要がないので、準備作業を大幅に簡略化することができる。
従って、簡単な準備作業で所定の処理を実行可能な管路内ピグ移動装置を提供することができるようになった。
【0013】
本発明に係る管路内ピグ移動装置の更なる特徴構成は、
前記ピグ移動手段が、前記管路内に挿入された前記ピグよりも前記閉塞端側に前記管状体を通して圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段、及び、前記吸引手段により前記管状体を通して気体を吸引する状態と前記圧縮空気供給手段により前記管状体を通して圧縮空気を供給する状態とに切り換え自在な切換手段を備えて構成されている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、管状体の基端に吸引手段を連通接続させる状態に切換手段を切り換えて、吸引手段を管状体の基端に吸引作用させることにより、ピグを管路内で閉塞端側に移動させた後、管状体の基端に圧縮空気供給手段を連通接続させる状態に切換手段を切り換えて、圧縮空気供給手段により圧縮空気を管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分に供給する。すると、管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分がピグよりも開口端側の部分よりも高圧になるので、ピグが開口端側に押されて管路内を開口端側に向かって移動する。
そして、圧縮空気供給手段により供給する圧縮空気の圧力あるいは単位時間当たりの供給量を調整することにより、管路内における開口端側へのピグの移動速度を調整することもできる。
【0015】
つまり、圧縮空気供給手段により圧縮空気を管状体の基端に供給することにより、管路内における閉塞端側へ移動させたピグを開口端側へ戻して管路内から容易に取り出すことができる。
しかも、ピグを管路内で開口端側へ移動させる際に、必要に応じて、各種処理を実行することができ、そして、このように各種処理を実行するに当たって、圧縮空気供給手段により供給する圧縮空気の圧力あるいは単位時間当たりの供給量を調整することにより、管路内におけるピグの移動速度を各処理に応じた適切な速度に調整することができる。
【0016】
本発明に係る管路内残留ガス排気方法は、請求項1又は2に記載の管路内ピグ移動装置を用いて管路内の残留ガスを排気するものであって、
その特徴構成は、前記ピグを前記管路の開口端部に挿入して、前記吸引手段により、前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分の残留ガスを前記管状体を通して吸引して排気することにより、前記ピグを前記管路内で前記閉塞端側に移動させて、前記管路内の残留ガスを排気する点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、ピグを管路の開口端部に挿入して吸引手段にて吸引することで、ピグよりも閉塞端側の部分の残留ガスを排気しながら、ピグを管路内の閉塞端側に移動させることができる。これにより、ピグよりも開口端側の残留ガスを空気に置換しながら、ピグを閉塞端側に移動させて、残留ガスの空気への置換を迅速に行うことができる。しかも、吸引手段がピグよりも閉塞端側の部分の残留ガスを吸引するので、その吸引された気体のガス濃度を検出することで、管路の閉塞端付近についても、残留ガスが十分に排気されているか否かを正確に判断することができる。
【0018】
又、請求項2に記載の管路内ピグ移動装置を用いる場合は、管状体の基端に圧縮空気供給手段を連通接続させる状態に切換手段を切り換えて、圧縮空気供給手段により圧縮空気を管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分に供給すると、先に請求項2の管路内ピグ移動装置について説明したのと同様の作用により、ピグが管路内を開口端側に向かって移動するので、ピグを管路内から容易に取り出すことができる。
そして、上述の管路内残留ガス排気方法を実行するに当たっては、先に請求項1の管路内ピグ移動装置について説明したように、管路の閉塞端部については、何ら処理を施す必要がないので、準備作業を簡略化することができる。
従って、簡単な準備作業で管路内の残留ガスを排気する処理を実行可能な管路内残留ガス排気方法を提供することができるようになった。
【0019】
本発明に係る管路内検査方法は、請求項1又は2に記載の管路内ピグ移動装置を用いて管路内を検査するものであって、
その特徴構成は、前記ピグ又は前記管状体における前記ピグの近傍に対応する箇所に前記管路内を撮影可能にカメラを保持させた状態で、前記吸引手段により前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分の気体を前記管状体を通して吸引して排気する、又は、圧縮空気供給手段を備えて、その圧縮空気供給手段により前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分に前記管状体を通して圧縮空気を供給することにより、前記ピグを前記管路内で移動させて、前記カメラの撮影情報により前記管路内を検査する点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、ピグ又は管状体におけるピグの近傍に対応する箇所にカメラを保持させた状態で、ピグを管路の開口端部に挿入して、吸引手段により、管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分の気体を管状体を通して吸引して排気することにより、先に請求項1の管路内ピグ移動装置について説明したのと同様の作用を発揮させて、ピグを管路内で閉塞端側に移動させる。そのピグの移動に伴って、カメラにより管路内が撮影されることになり、そのカメラの撮影情報により管路内を検査することができる。
【0021】
あるいは、上述のようにカメラを保持させた状態で、ピグを管路の開口端部に挿入して、吸引手段により、管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分の気体を管状体を通して吸引して排気することにより、先に請求項1の管路内ピグ移動装置について説明したのと同様の作用を発揮させて、ピグを管路内で閉塞端側に移動させる。
続いて、管状体の基端に圧縮空気供給手段を連通接続させる状態に切換手段を切り換えて、圧縮空気供給手段により圧縮空気を管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分に供給する。すると、先に請求項2の管路内ピグ移動装置について説明したのと同様の作用により、ピグが管路内を開口端側に向かって移動するので、そのピグの移動に伴って、カメラにより管路内が撮影されることになり、そのカメラの撮影情報により管路内を検査することができる。
上述のように管路内を検査するに当たっては、吸引手段の吸引力を調整する、あるいは、圧縮空気供給手段により供給する圧縮空気の圧力あるいは単位時間当たりの供給量を調整することにより、管路内におけるピグの移動速度を調整することができるので、精密に検査する必要のある箇所は移動速度を遅くする等、検査の程度に応じてピグの移動速度を調整することができて便利である。
そして、上述の管路内検査方法を実行するに当たっては、先に請求項1の管路内ピグ移動装置について説明したように、管路の閉塞端部については、何ら処理を施す必要がないので、準備作業を簡略化することができる。
従って、簡単な準備作業で管路内を検査する処理を実行可能な管路内検査方法を提供することができるようになった。
【0022】
本発明に係る管路内面ライニング方法は、請求項1又は2に記載の管路内ピグ移動装置を用いて管路内面にライニング膜を形成するものであって、
その特徴構成は、前記管路内の前記ピグにおけるその移動方向側にライニング膜形成用液を存在させた状態で、前記吸引手段により前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分の気体を前記管状体を通して吸引して排気する、又は、圧縮空気供給手段を備えて、その圧縮空気供給手段により前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分に前記管状体を通して圧縮空気を供給することにより、前記ピグを前記管路内で前記ライニング膜形成用液の存在側に移動させて、前記管路の内面に前記ライニング膜形成用液を塗布して前記ライニング膜を形成する点にある。
【0023】
上記特徴構成によれば、ライニング膜形成用液を開口端から管路内に充填し、続いて、ピグを開口端から管路内に挿入する。すると、管路内のピグにおける閉塞端側(移動方向側に相当する)にライニング膜形成用液が存在する状態となる。
そして、吸引手段により、管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分の気体を管状体を通して吸引して排気する。
すると、先に請求項1の管路内ピグ移動装置について説明したのと同様の作用により、ピグが管路内を閉塞端側に移動するので、管路内を移動するピグの外周面により、ライニング膜形成用液が管路の内面に塗布され、その塗布膜が硬化してライニング膜が形成される。
【0024】
あるいは、ピグを管路の開口端部に挿入して、吸引手段により、管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分の気体を管状体を通して吸引して排気することにより、先に請求項1の管路内ピグ移動装置について説明したのと同様の作用を発揮させて、ピグを管路内で閉塞端側に移動させる。
続いて、開口端から、管路内におけるピグの手前近傍箇所にライニング液を充填して、管路内のピグにおける開口端側(移動方向側に相当する)にライニング膜形成用液が存在する状態とする。
そして、管状体の基端に圧縮空気供給手段を連通接続させる状態に切換手段を切り換えて、圧縮空気供給手段により圧縮空気を管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分に供給する。すると、先に請求項2の管路内ピグ移動装置について説明したのと同様の作用により、ピグが管路内を開口端側に向かって移動するので、管路内を移動するピグの外周面により、ライニング膜形成用液が管路の内面に塗布され、その塗布膜が硬化してライニング膜が形成される。
【0025】
上述のようにライニング膜を形成するに当たっては、吸引手段の吸引力を調整する、あるいは、圧縮空気供給手段により供給する圧縮空気の圧力あるいは単位時間当たりの供給量を調整することにより、管路内を移動するピグの移動速度を調整することができるので、ライニング膜形成用液の塗布膜の厚さを調整することができ、延いては、ライニング膜の膜厚を調整することができる。
【0026】
そして、上述の管路内面ライニング方法を実行するに当たっては、先に請求項1の管路内ピグ移動装置について説明したように、管路の閉塞端部については、何ら処理を施す必要がないので、準備作業を簡略化することができる。
従って、簡単な準備作業で管路内面にライニング膜を形成する処理を実行可能な管路内面ライニング方法を提供することができるようになった。
【0027】
本発明に係る管路内洗浄方法は、請求項1又は2に記載の管路内ピグ移動装置を用いて管路内を洗浄するものであって、
その特徴構成は、前記管路内の前記ピグにおけるその移動方向側に洗浄剤を存在させた状態で、前記吸引手段により前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分の気体を前記管状体を通して吸引して排気する、又は、圧縮空気供給手段を備えて、その圧縮空気供給手段により前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分に前記管状体を通して圧縮空気を供給することにより、前記ピグを前記管路内で前記洗浄剤の存在側に移動させて、前記管路内を洗浄剤にて洗浄する点にある。
【0028】
上記特徴構成によれば、ピグを開口端から管路内に挿入し、そのピグの前方(移動方向側に相当する)に洗浄液を存在させた状態で、吸引手段により、管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分の気体を管状体を通して吸引して排気する。
すると、先に請求項1の管路内ピグ移動装置について説明したのと同様の作用により、ピグが管路内を閉塞端側に移動するので、洗浄液が介在する状態で管路の内面がピグの表面でこすられ、管路の内面を洗浄することができる。
あるいは、ピグを管路の開口端部に挿入して、吸引手段により、管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分の気体を管状体を通して吸引して排気することにより、先に請求項1の管路内ピグ移動装置について説明したのと同様の作用を発揮させて、ピグを管路内で閉塞端側に移動させる。
続いて、ピグの手前(移動方向側に相当する)に洗浄液を存在させた状態で、管状体の基端に圧縮空気供給手段を連通接続させる状態に切換手段を切り換えて、圧縮空気供給手段により圧縮空気を管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分に供給する。すると、先に請求項2の管路内ピグ移動装置について説明したのと同様の作用により、ピグが管路内を開口端側に向かって移動するので、洗浄液が介在する状態で管路の内面がピグの表面でこすられて、管路の内面を洗浄することができる。
【0029】
上述のように管路の内面を洗浄するに当たっては、吸引手段の吸引力を調整する、あるいは、圧縮空気供給手段により供給する圧縮空気の圧力あるいは単位時間当たりの供給量を調整することにより、管路内を移動するピグの移動速度を管路内面の洗浄に適した速度に調整することができる。
【0030】
そして、上述の管路内洗浄方法を実行するに当たっては、先に請求項1の管路内ピグ移動装置について説明したように、管路の閉塞端部については、何ら処理を施す必要がないので、準備作業を簡略化することができる。
従って、簡単な準備作業で管路内を洗浄する処理を実行可能な管路内洗浄方法を提供することができるようになった。
【0031】
本発明に係る管路内通線方法は、請求項1に記載の管路内ピグ移動装置を用いて管路内に線状体を通すものであって、
その特徴構成は、前記ピグ又は前記管状体における前記ピグの近傍に対応する箇所に前記線状体の先端を固定した状態で、前記ピグを前記管路の開口端部に挿入して、前記吸引手段により、前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分の気体を前記管状体を通して吸引して排気することにより、前記ピグを前記管路内で前記閉塞端側に移動させて、前記管路内に前記線状体を通す点にある。
【0032】
上記特徴構成によれば、ピグ又は管状体におけるピグの近傍に対応する箇所に線状体の先端を固定した状態で、ピグを管路の開口端部に挿入する。
そして、吸引手段により、管路内におけるピグよりも閉塞端側の部分の気体を管状体を通して吸引して排気する。
すると、先に請求項1の管路内ピグ移動装置について説明したのと同様の作用により、ピグが管路内を閉塞端側に移動し、そのように移動するピグにより線状体が引っ張られるので、管路内に線状体を通すことができる。
【0033】
そして、上述の管路内通線方法を実行するに当たっては、先に請求項1の管路内ピグ移動装置について説明したように、管路の閉塞端部については、何ら処理を施す必要がないので、準備作業を簡略化することができる。
従って、簡単な準備作業で管路内に線状体を通す処理を実行可能な管路内通線方法を提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1実施形態に係る管路内ピグ移動装置のブロック図
【図2】第1実施形態に係るピグの一部切り欠き斜視図
【図3】第1実施形態に係るピグの軸心を通る面での断面図
【図4】第1実施形態に係る管路内残留ガス排気方法を説明する図
【図5】第2実施形態に係るピグが管路内に挿入された状態での縦断面図
【図6】第2実施形態に係る管路内検査方法を説明する図
【図7】第3実施形態に係るピグの軸心を通る面での断面図
【図8】第3実施形態に係る管路内面ライニング方法を説明する図
【図9】第3実施形態に係る管路内面ライニング方法を説明する管路の縦断面図
【図10】第4実施形態に係るピグの軸心を通る面での断面図
【図11】第4実施形態に係る管路内洗浄方法を説明する図
【図12】第4実施形態に係る管路内洗浄方法を説明する管路の縦断面図
【図13】第5実施形態に係るピグの軸心を通る面での断面図
【図14】第5実施形態に係る管路内通線方法を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
〔第1実施形態〕
この第1実施形態では、管路内ピグ移動装置を用いて管路内の残留ガスを排気する管路内残留ガス排気方法について説明する。
尚、この第1実施形態では、管路の具体例として、地中に埋設されているガス管Pが適用されている。このガス管Pは、都市ガス等のガス燃料を家庭等の消費先に供給するためのものであり、少なくとも一端が閉塞状態であり、全長にわたって地中に埋設されている。
【0036】
先ず、管路内ピグ移動装置について説明する。
図1及び図4に示すように、管路内ピグ移動装置は、弾性を有し且つ少なくとも表面が気密状に構成されて、一端Pfが閉塞されたガス管P内に収縮状態で挿入されるピグ1と、そのピグ1をガス管P内で移動させるピグ移動手段Mとを備えて構成されている。
本発明では、ピグ1がガス管P内に挿入されたときにそのピグ1におけるガス管Pの閉塞端Pf側を向く前部1fから先端Tfが露呈する挿通状態で、管状体Tの先端部がピグ1に固着されている。
そして、ピグ移動手段Mが、ガス管Pに挿入されたピグ1よりも閉塞端Pf側の気体Gを管状体Tを通してガス管P外に吸引する吸引手段としての真空ポンプ2、ガス管P内に挿入されたピグ1よりも閉塞端Pf側に管状体Tを通して圧縮空気Aを供給する圧縮空気供給手段としてのエアコンプレッサ3、及び、管状体Tを通して真空ポンプ2により気体Gを吸引する状態(以下、吸気状態と記載する場合がある)と管状体Tを通してエアコンプレッサ3により圧縮空気Aを供給する状態(以下、吐出状態と記載する場合がある)とに切り換え自在な切換手段としての三方弁4を備えて構成されている。
【0037】
図2及び図3に示すように、ピグ1は、弾性を有するスポンジにて概ね俵形状に形成されたピグ本体1Hの表面全体を非通気性で弾性を有する皮膜1Sで覆うことにより、弾性を有し且つ表面が気密状を有するように構成されている。ちなみに、俵形状とは、概ね、円柱の両端が半球状に丸みを帯びた形状である。
ピグ本体1Hを形成するスポンジは、気泡が一つ一つ独立した単泡スポンジであり、例えば、ウレタン樹脂等の合成樹脂製である。皮膜1Sは、ビニール樹脂塗料等、非通気性で且つガス管Pの内面との滑り性に優れた膜を形成可能な樹脂塗料をピグ本体1Hの表面の全面に塗布することにより形成する。
【0038】
このピグ1の外径(円柱状部分の外径)は、挿入対象のガス管Pの内径よりも多少大きく設定される。例えば、ガス管Pの内径が152mmφの場合は、ピグ1の外径は例えば170mmφに設定される。
そして、このようなピグ1がガス管Pに収縮状態で挿入されると、ピグ1の気密性の表面がガス管Pの内面に当接して、ピグ1によりガス管P内における長手方向での通気が阻止され、ガス管P内におけるピグ1の両側がピグ1によって気密状に区画されることになる。
【0039】
図2及び図3に示すように、通気パイプ5が、ピグ1の略中心を通り且つ先端がピグ1の前部1fから突出する貫通状態で、ピグ1に接着剤(図示省略)で固定されている。
更に、図1に示すように、ホースジョイント6により通気パイプ5の基端に連通接続自在な可撓性を有する長尺のチューブ7、並びに、そのチューブ7の巻き取り及び繰り出しが自在なホースリール8が設けられている。
【0040】
元パイプ9の先端がホースリール8を介してチューブ7の基端に連通接続され、その元パイプ9の基端が、三方弁4を介して、真空ポンプ2の吸気口に接続された吸気管10、及び、エアコンプレッサ3の吐出口に接続された吐出管11に接続されている。
つまり、通気パイプ5、チューブ7及び元パイプ9等により、管状体Tが構成され、通気パイプ5の先端が管状体Tの先端Tfに相当し、元パイプ9の基端が管状体Tの基端Tbに相当する。
そして、三方弁4を操作することにより、吸気状態と吐出状態とに切り換えることになる。
【0041】
チューブ7の巻き取り及び繰り出しが自在な状態でチューブ7と元パイプ9とを連通接続するためのホースリール8の構造は周知であるので、詳細な説明及び図示を省略して、簡単に説明する。
ホースリール8には、中空状の軸部が一対の軸受部により回転自在に支持され、その軸部によってチューブ7の巻き取り及び繰り出しが自在な構成となっている。そして、元パイプ9の先端が軸部の一端に連通する状態で一方の軸受部に接続され、チューブ7の基端が中空状の軸部の管壁に接続されることにより、チューブ7の巻き取り及び繰り出しが自在な状態で、チューブ7と元パイプ9とが連通接続されている。
【0042】
次に、図4に基づいて、管路内残留ガス排気方法について、説明する。
尚、図4では、地中に埋設されたガス管Pの縦断面図を示すと共に、管路内ピグ移動装置の概略構成を示す。
図示を省略するが、真空ポンプ2によりガス管P内から吸引されて放出される気体G中の成分を計測するように、ガス濃度計が設けられている。このガス濃度計としては、少なくともガス管P内の残留ガスG(即ち、都市ガス)の濃度の計測が可能なものが用いられる。
【0043】
本発明による管路内残留ガス排気方法では、ピグ1をガス管Pの開口端部に挿入して、真空ポンプ2により、ガス管P内におけるピグ1よりも閉塞端Pf側の部分の残留ガスGを管状体Tを通して吸引して排気することにより、ピグ1をガス管P内で閉塞端Pf側に移動させて、ガス管P内の残留ガスGを排気する。
【0044】
以下、管路内残留ガス排気方法の手順を説明する、
図4の(a)に示すように、先ず、ガス管Pの一端Pbが埋設されている箇所を掘削して、ガス管Pの一端Pbを露出させて、その一端Pbを開口させる。このガス管Pの開口させた一端Pbが開口端Pbとなり、他端が閉塞端Pfとなる。
そして、管状体Tの先端Tfを前方に向けた姿勢で、ピグ1をガス管Pの開口端Pbに挿入する。
続いて、三方弁4を吸気状態に切り換えた状態で、真空ポンプ2を作動させる。
すると、ガス管P内におけるピグ1よりも開口端Pb側の部分には大気圧が印加されているので、ガス管P内におけるピグ1よりも閉塞端Pf側の部分の残留ガスGが真空ポンプ2により吸引されるのに伴って、ガス管P内におけるピグ1よりも閉塞端Pf側の部分の気圧がガス管P内におけるピグ1よりも開口端Pb側の部分の気圧よりも低くなる。従って、ピグ1が大気圧により閉塞端Pf側に押されることになり、真空ポンプ2の作動を続けると、図4の(a)に示すように、ピグ1がガス管P内を閉塞端Pf側に向かって移動する。
【0045】
真空ポンプ2の作動中は、真空ポンプ2にて吸引されるガス管P内の気圧を監視して、その気圧が予め設定された設定値以下になると、ピグ1がガス管P内における閉塞端Pfに到達したとみなす。
並びに、真空ポンプ2の作動中は、ガス濃度計により計測される都市ガスの濃度を監視して、その計測値が0に近い値に設定された閉塞端到達判定用の設定値以下になると、ガス管P内の残留ガスGが十分に排気されたとみなす。
そして、ピグ1が閉塞端Pfに到達したとみなすと、三方弁4を吐出状態に切り換えると共にエアコンプレッサ3を作動させる。
すると、ガス管P内におけるピグ1よりも閉塞端Pf側の部分に大気圧よりも高圧の空気Aが供給されるので、ピグ1が開口端Pb側に押し戻されることになり、エアコンプレッサ3の作動を続けると、図4の(b)に示すように、ピグ1がガス管P内を開口端Pb側に向かって移動する。
そして、ピグ1がガス管Pの開口端Pbにまで戻ってくると、エアコンプレッサ3を停止させて、ピグ1をガス管Pの開口端Pbから抜く。
以上の処理により、ガス管P内の残留ガスGが排気されて空気Aに置換される。
【0046】
以下、本発明の第2〜第5の各実施形態を説明するが、各実施形態は管路内ピグ移動装置を用いて行う処理の別実施形態を説明するものであり、管路内ピグ移動装置の基本的な構成は上記の第1実施形態と同様である。従って、管路内ピグ移動装置の構成の説明については、重複説明を避けるために、第1実施形態と異なる点についての説明に止め、主として、管路内ピグ移動装置を用いて行う処理の方法について説明する。
【0047】
〔第2実施形態〕
この第2実施形態では、管路内ピグ移動装置を用いて管路内を検査する管路内検査方法を説明する。
図5及び図6に示すように、この第2実施形態の管路内ピグ移動装置では、管状体T(具体的には通気パイプ5)におけるピグ1の前部1f近傍に対応する箇所に、ピグ1がガス管P内に挿入されたときにそのガス管P内を撮影可能にビデオカメラ12が保持されている。このビデオカメラ12は、詳細な説明を省略するが、例えば、CCD、CMOS等の固体撮像素子を用いて構成され、通気パイプ5に確実に保持可能なように小型化及び軽量化されている。
又、このビデオカメラ12で撮影された画像を表示するディスプレイ13が備えられている。
更に、ビデオカメラ12を遠隔操作する情報を送信するケーブル及びビデオカメラ12が撮影した情報を送信するケーブル等を束ねたカメラケーブル14が、通気パイプ5と共にピグ1に挿通されて、ビデオカメラ12に接続されている。
【0048】
次に、図6に基づいて、管路内検査方法について説明する。
尚、図6では、地中に埋設されたガス管Pの縦断面図を示すと共に、管路内ピグ移動装置の概略構成を示す。
本発明による管路内検査方法では、管状体Tにおけるピグ1の前部1f近傍に対応する箇所にガス管P内を撮影可能にビデオカメラ12を保持させた状態で、真空ポンプ2によりガス管P内におけるピグ1よりも閉塞端Pf側の部分の気体Gを管状体Tを通して吸引して排気する、又は、エアコンプレッサ3により管路P内におけるピグ1よりも閉塞端Pf側の部分に管状体Tを通して圧縮空気Aを供給することにより、ピグ1を管路P内で移動させて、ビデオカメラ12の撮影情報によりガス管P内を検査する。
【0049】
以下、管路内検査方法の手順を説明する。
図6に示すように、上記の第1実施形態と同様に、先ず、ガス管Pの一端Pbが埋設されている箇所を掘削して、ガス管Pの一端Pbを露出させて、その一端Pbを開口させる。このガス管Pの開口させた一端Pbが開口端Pbとなり、他端が閉塞端Pfとなる。
そして、管状体Tの先端Tfを前方に向けた姿勢で、ピグ1をガス管Pの開口端Pbに挿入する。
続いて、三方弁4を吸気状態に切り換えた状態で、真空ポンプ2を作動させると、上記の第1実施形態と同様の作用で、図6に示すように、ピグ1がガス管P内を閉塞端Pf側に向かって移動する。
ビデオカメラ12はピグ1と一体的に移動し、そのビデオカメラ12により撮影された画像がディスプレイ13に表示されるので、その表示画像に基づいて、ガス管P内の検査をする。
【0050】
ディスプレイ13の表示画像により、ピグ1がガス管P内の所定の箇所(例えば、閉塞端Pf)にまで達したと判断すると、図示を省略するが、上記の第1実施形態と同様に、三方弁4を吐出状態に切り換えると共にエアコンプレッサ3を作動させて、ピグ1をガス管Pの開口端Pbにまで戻して、ピグ1をガス管の開口端Pbから抜く。
このように、ピグ1をガス管Pの開口端Pbにまで戻すときにも、ビデオカメラ12の撮影を継続すると、ディスプレイ13の表示画像に基づいて、ガス管P内の検査をすることができる。
【0051】
〔第3実施形態〕
この第3実施形態では、管路内ピグ移動装置を用いて管路内面にライニング膜を形成する管路内面ライニング方法を説明する。
図7に示すように、この第3実施形態の管路内ピグ移動装置では、通気パイプ5がピグ1に貫通状態で固定されるに当たって、通気パイプ5のピグ1の前部1fからの突出量を第1実施形態におけるよりも大きくして、通気パイプ5の先端が後述するライニング膜形成用液15に埋没せずに露出するように構成されている。
更に、通気パイプ5の先端部分が、直角状に屈曲されている。
【0052】
次に、図8及び図9に基づいて、管路内面ライニング方法について、説明する。
尚、図8では、地中に埋設されたガス管Pの縦断面図を示すと共に、管路内ピグ移動装置の概略構成を示す。
本発明による管路内面ライニング方法では、ガス管P内のピグ1におけるその移動方向側にライニング膜形成用液15を存在させた状態で、真空ポンプ2によりガス管P内におけるピグ1よりも閉塞端Pf側の部分の気体Gを管状体Tを通して吸引して排気する、又は、エアコンプレッサ3によりガス管P内におけるピグ1よりも閉塞端Pf側の部分に管状体Tを通して圧縮空気Aを供給することにより、ピグ1をガス管P内でライニング膜形成用液15の存在側に移動させて、ガス管Pの内面にライニング膜形成用液15を塗布してライニング膜16(図9参照)を形成する。
この第3実施形態では、ガス管P内でピグ1を閉塞端Pf側に移動させるときにライニング膜16を形成する場合について、説明する。
【0053】
以下、管路内面ライニング方法の手順について説明する。
図8の(a)に示すように、上記の第1実施形態と同様に、先ず、ガス管Pの一端Pbが埋設されている箇所を掘削して、ガス管Pの一端Pbを露出させて、その一端Pbを開口させる。このガス管Pの開口させた一端Pbが開口端Pbとなり、他端が閉塞端Pfとなる。
そして、開口端Pbからガス管P内に、ライニング膜形成用液15を充填する。このライニング膜形成用液15の充填量は、開口端Pbから閉塞端Pfにわたってガス管Pの内面に所定の膜厚でライニング膜16を形成するのに必要な量よりもやや多い量に設定される。
【0054】
ライニング膜形成用液15は、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等を用いて常温で硬化するように構成される。又、図9に示すように、ガス管P内を移動するピグ1により押されることにより、ライニング膜形成用液15が盛り上がってガス管Pの内面の全周にわたって接触する状態となるように、ライニング膜形成用液15の粘度は、比較的高く設定されている。
【0055】
そして、通気パイプ5の先端部分の屈曲部が上向きとなる姿勢で、ピグ1をガス管Pの開口端Pbに挿入する。
このようにピグ1をガス管Pの開口端Pbに挿入すると、先に充填されているライニング膜形成用液15がピグ1により押されて盛り上がり、図9に示すように、ガス管Pの内面の全周にわたって接触する状態となる。このようにライニング膜形成用液15が盛り上がっても、通気パイプ5のピグ1の前部1fからの突出量が大きく、しかも、通気パイプ5の先端部が上向きに屈曲しているので、通気パイプ5の先端(即ち、管状体Tの先端Tf)がライニング膜形成用液15に埋没することがない。
【0056】
続いて、三方弁4を吸気状態に切り換えた状態で、真空ポンプ2を作動させると、上記の第1実施形態と同様の作用で、図8(a),(b)に示すように、ピグ1がガス管P内を閉塞端Pf側に向かって移動する。
そして、図9に示すように、ガス管P内を移動するピグ1の外周面により、ライニング膜形成用液15がガス管Pの内面の全周にわたって塗布され、その塗布膜が硬化してライニング膜16が形成される。
開口端Pbから閉塞端Pfまでのガス管Pの長さは、予め分かっているので、真空ポンプ2の作動中は、チューブ7の送り込み長さを測定して、その測定情報に基づいて、ピグ1がガス管P内における閉塞端Pfに到達するのを判定する。
そして、ピグ1がガス管Pの閉塞端Pfに到達したと判定すると、真空ポンプ2を停止させる。
【0057】
ピグ1は、ガス管P内に残しておくことになる。
尚、ピグ1の皮膜1Sを形成する材料として、ライニング膜形成用液15が接着せずにライニング膜形成用液15が硬化したものから離形可能な材料を用いると、ピグ1をガス管P内に残すことなく取り出すことができる。
ちなみに、ピグ1をガス管Pから取り出すときは、上記の第1実施形態で説明したのと同様に、三方弁4を吐出状態に切り換えると共にエアコンプレッサ3を作動させることになる。
【0058】
〔第4実施形態〕
この第4実施形態では、管路内ピグ移動装置を用いて管路内を洗浄する管路内洗浄方法を説明する。
図10に示すように、この第4実施形態の管路内ピグ移動装置では、通気パイプ5におけるピグ1の後部から突出している部分に、リング状の洗浄液散布ノズル17が外嵌状で取り付けられ、この洗浄液散布ノズル17に洗浄液チューブ18が連通接続されている。
この洗浄液散布ノズル17の外周には、複数の噴出孔17hが、洗浄液散布ノズル17の全周にわたって分散して形成されており、これら複数の噴出孔17hにより洗浄剤としての洗浄液Lを洗浄液散布ノズル17の径方向外方に向けて放射状に散布可能なように構成されている。
【0059】
又、図11に示すように、管路内ピグ移動装置には、洗浄液タンク19に貯留されている洗浄液Lを洗浄液チューブ18に圧送する洗浄液ポンプ20、及び、洗浄液チューブ18の巻き取り及び繰り出しが自在なホースリール21が設けられている。
つまり、図12に示すように、ピグ1をガス管P内に挿入した状態で、洗浄液ポンプ20により洗浄液タンク19の洗浄液Lを洗浄液チューブ18に圧送することにより、洗浄液散布ノズル17の複数の噴出孔17hから洗浄液Lがガス管Pの内面の全周に当たるように散布される構成となっている。
【0060】
次に、図11に基づいて、管路内洗浄方法について説明する。
尚、図11では、地中に埋設されたガス管Pの縦断面図を示すと共に、管路内ピグ移動装置の概略構成を示す。
本発明による管路内洗浄方法では、ガス管P内のピグ1におけるその移動方向側に洗浄液Lを存在させた状態で、真空ポンプ2によりガス管P内におけるピグ1よりも閉塞端Pf側の部分の気体Gを管状体Tを通して吸引して排気する、又は、エアコンプレッサ3によりガス管P内におけるピグ1よりも閉塞端Pf側の部分に管状体Tを通して圧縮空気Aを供給することにより、ピグ1をガス管P内で洗浄液Lの存在側に移動させて、ガス管P内を洗浄液Lにて洗浄する。
この第4実施形態では、ガス管P内でピグ1を開口端Pb側に移動させるときにガス管P内を洗浄する場合について、説明する。
【0061】
以下、管路内洗浄方法の手順について説明する。
図11に示すように、上記の第1実施形態と同様に、先ず、ガス管Pの一端Pbが埋設されている箇所を掘削して、ガス管Pの一端Pbを露出させて、その一端Pbを開口させる。このガス管Pの開口させた一端Pbが開口端Pbとなり、他端が閉塞端Pfとなる。
続いて、上記の第1実施形態と同様に、ピグ1をガス管Pの開口端Pbに挿入し、三方弁4を吸気状態に切り換えた状態で真空ポンプ2を作動させて、ピグ1をガス管P内で閉塞端Pf側に向かって移動させる。
真空ポンプ2の作動中は、上記の第3実施形態と同様に、チューブ7の送り込み長さを測定して、その測定情報に基づいて、ピグ1がガス管P内における閉塞端Pfに到達するのを判定する。
そして、ピグ1がガス管Pの閉塞端Pfに到達したと判定すると、三方弁4を吐出状態に切り換えると共にエアコンプレッサ3を作動させ、並びに、洗浄液ポンプ20を作動させる。
すると、図11及び図12に示すように、ピグ1がガス管P内を開口端Pb側に向かって移動すると共に、洗浄液散布ノズル17の複数の噴出孔17hから洗浄液Lがガス管Pの内面の全周に当たるように散布されるので、洗浄液Lが介在する状態でガス管Pの内面がピグ1の表面でこすられて洗浄される。
そして、ピグ1がガス管Pの開口端Pbにまで戻ってくると、エアコンプレッサ3及び洗浄液ポンプ20を停止させて、ピグ1をガス管Pの開口端Pbから抜く。
【0062】
〔第5実施形態〕
この第5実施形態では、管路内ピグ移動装置を用いて管路内に線状体を通す管路内通線方法を説明する。
図13及び図14に示すように、この第5実施形態では、管路内ピグ移動装置が上記の第1実施形態と同様に構成されている。
【0063】
次に、図13及び図14に基づいて、管路内通線方法について説明する。
尚、図14では、地中に埋設されたガス管Pの縦断面図を示すと共に、管路内ピグ移動装置の概略構成を示す。
本発明による管路内通線方法では、ピグ1又は管状体Tにおけるピグ1の近傍に対応する箇所に線状体22の先端を固定した状態で、ピグ1をガス管Pの開口端部に挿入して、真空ポンプ2により、ガス管P内におけるピグ1よりも閉塞端Pf側の部分の気体Gを管状体Tを通して吸引して排気することにより、ピグ1をガス管P内で閉塞端Pf側に移動させて、ガス管P内に線状体22を通す。
【0064】
以下、管路内通線方法の手順を説明する。
図13に示すように、この第5実施形態では、線状体22の先端を管状体T(具体的には通気パイプ5)におけるピグ1の後部近傍に対応する箇所に、結束バンド23により固定する。
続いて、図14の(a)に示すように、上記の第1実施形態と同様に、先ず、ガス管Pの一端Pbが埋設されている箇所を掘削して、ガス管Pの一端Pbを露出させて、その一端Pbを開口させる。このガス管Pの開口させた一端Pbが開口端Pbとなり、他端が閉塞端Pfとなる。
続いて、管状体Tの先端Tfを前方に向けた姿勢で、ピグ1をガス管Pの開口端Pbに挿入する。
続いて、三方弁4を吸気状態に切り換えた状態で、真空ポンプ2を作動させると、上記の第1実施形態と同様の作用で、図14の(a)、(b)に示すように、ピグ1がガス管P内を閉塞端Pf側に向かって移動し、それに伴って、線状体22が線状体リール24から繰り出されて、ガス管P内に通される。
真空ポンプ2の作動中は、チューブ7の送り込み長さを測定して、その測定情報に基づいて、ピグ1がガス管P内における閉塞端Pfに到達するのを判定する。
そして、ピグ1がガス管Pの閉塞端Pfに到達したと判定すると、真空ポンプ2を停止させる。
すると、図14の(b)に示すように、線状体22が、ガス管P内に、その開口端Pbから閉塞端Pfに至る略全長にわたって通線される。
【0065】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の第1〜第5の各実施形態では、管状体Tを、一連に連通接続された通気パイプ5、チューブ7及び元パイプ9により構成する場合について例示したが、可撓性を有する一本のチューブにより構成しても良い。
【0066】
(ロ) 上記の第1〜第5の各実施形態では、ピグ移動手段Mを、真空ポンプ2、エアコンプレッサ3及び三方弁4を備えて構成したが、エアコンプレッサ3及び三方弁4を省略しても良い。この場合、ピグ1を管路Pから抜くときは、管状体Tを引っ張ることによりピグ1を管路P内で開口端Pb側に移動させることになる。
又、三方弁4を省略して、手作業により、元パイプ9を真空ポンプ2に接続したり、エアコンプレッサ3に接続したりしても良い。
【0067】
(ハ) 管路内ピグ移動装置を用いて管路内検査方法を実行するに当たって、ビデオカメラ12の設置箇所は、上記の第2実施形態において例示した箇所、即ち、管状体Tにおけるピグ1の前部1f近傍に対応する箇所に限定されるものではない。例えば、管状体Tにおけるピグ1の後部近傍に対応する箇所でも良い。あるいは、ピグ1の前部1f又は後部に直接設けても良い。
【0068】
(ニ) 管路内ピグ移動装置を用いて管路内面ライニング方法を実行するに当たって、上記の第3実施形態では、ガス管P内でピグ1を閉塞端Pf側に移動させるときにライニング膜16を形成する場合について例示した。
これに代えて、エアコンプレッサ3によりガス管P内におけるピグ1よりも閉塞端Pf側の部分に圧縮空気Aを供給することにより、ガス管P内でピグ1を開口端Pb側に移動させるときにライニング膜16を形成しても良い。
この場合、先ず、真空ポンプ2によりガス管P内におけるピグ1よりも閉塞端Pf側の部分の気体Gを吸引することにより、ピグ1をガス管P内における閉塞端Pfにまで移動させる。
続いて、ライニング膜形成用液15をガス管P内におけるピグ1の手前に充填し、上述のように、ガス管P内でピグ1を開口端Pb側に移動させる。すると、ガス管P内を移動するピグ1の外周面により、ライニング膜形成用液15がガス管Pの内面の全周にわたって塗布され、その塗布膜が硬化してライニング膜16が形成される。
【0069】
(ホ) 管路内ピグ移動装置を用いて管路内洗浄方法を実行するに当たって、上記の第4実施形態では、ガス管P内でピグ1を開口端Pb側に移動させるときに、ガス管P内を洗浄する場合について例示した。
これに代えて、真空ポンプ2によりガス管P内におけるピグ1よりも閉塞端Pf側の部分の気体Gを管状体Tを通して吸引して排気することにより、ガス管P内でピグ1を閉塞端Pf側に移動させるときにガス管P内を洗浄しても良い。
この場合は、洗浄液散布ノズル17を、通気パイプ5におけるピグ1の前部1fから突出している部分に外嵌状に取り付ける。
又、上記の第4実施形態では、洗浄剤として、洗浄液Lを用いたが、泡状の洗浄剤を用いても良い。
【0070】
(ヘ) 弾性を有し且つ表面が気密状を有するようにピグ1を構成する形態は、上記の実施形態において例示した形態、即ち、弾性を有するスポンジにて形成されたピグ本体1Hの表面全体を非通気性で弾性を有する皮膜1Sで覆う形態に限定されるものではない。
例えば、皮膜1Sを省略して、単泡スポンジにて構成されたピグ本体1Hのみにて構成しても良い。この場合、ピグ1が収縮状態でガス管P内に挿入されると、外周部の気泡が押しつぶされて、ガス管P内におけるピグ1の両側を気密状に区画可能なように構成する。
又、ピグ本体1Hの表面全体を非通気性で弾性を有する皮膜1Sで覆う形態の場合、ピグ本体1Hは、上記の実施形態の如く単泡スポンジにて構成するのに代えて、気泡が連なった連泡スポンジにて形成しても良い。
【0071】
(ト) 管路の具体例は、上記の実施形態において例示したガス管Pに限定されるものではなく、種々のものが適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上説明したように、簡単な準備作業で所定の処理を実行可能な管路内ピグ移動装置を提供することができる。又、簡単な準備作業で夫々の処理を実行可能な管路内残留ガス排気方法、管路内検査方法、管路内面ライニング方法、管路内洗浄方法及び管路内通線方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 ピグ
1f 前部
2 真空ポンプ(吸引手段)
3 エアコンプレッサ(圧縮空気供給手段)
4 三方弁(切換手段)
12 ビデオカメラ(カメラ)
15 ライニング膜形成用液
16 ライニング膜
22 線状体
A 圧縮空気
G 残留ガス、気体
L 洗浄液(洗浄剤)
M ピグ移動手段
P ガス管(管路)
Pb 開口端
Pf 閉塞端
T 管状体
Tf 先端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有し且つ少なくとも表面が気密状に構成されて、一端が閉塞された管路内に収縮状態で挿入されるピグと、
そのピグを前記管路内で移動させるピグ移動手段とを備えた管路内ピグ移動装置であって、
前記ピグが前記管路内に挿入されたときにそのピグにおける前記管路の閉塞端側を向く前部から先端が露呈する挿通状態で、管状体の先端部が前記ピグに固着され、
前記ピグ移動手段が、前記管路内に挿入された前記ピグよりも前記閉塞端側の気体を前記管状体を通して前記管路外に吸引する吸引手段を備えて構成されている管路内ピグ移動装置。
【請求項2】
前記ピグ移動手段が、前記管路内に挿入された前記ピグよりも前記閉塞端側に前記管状体を通して圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段、及び、前記吸引手段により前記管状体を通して気体を吸引する状態と前記圧縮空気供給手段により前記管状体を通して圧縮空気を供給する状態とに切り換え自在な切換手段を備えて構成されている請求項1に記載の管路内ピグ移動装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の管路内ピグ移動装置を用いて管路内の残留ガスを排気する管路内残留ガス排気方法であって、
前記ピグを前記管路の開口端部に挿入して、前記吸引手段により、前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分の残留ガスを前記管状体を通して吸引して排気することにより、前記ピグを前記管路内で前記閉塞端側に移動させて、前記管路内の残留ガスを排気する管路内残留ガス排気方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の管路内ピグ移動装置を用いて管路内を検査する管路内検査方法であって、
前記ピグ又は前記管状体における前記ピグの近傍に対応する箇所に前記管路内を撮影可能にカメラを保持させた状態で、前記吸引手段により前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分の気体を前記管状体を通して吸引して排気する、又は、圧縮空気供給手段を備えて、その圧縮空気供給手段により前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分に前記管状体を通して圧縮空気を供給することにより、前記ピグを前記管路内で移動させて、前記カメラの撮影情報により前記管路内を検査する管路内検査方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の管路内ピグ移動装置を用いて管路内面にライニング膜を形成する管路内面ライニング方法であって、
前記管路内の前記ピグにおけるその移動方向側にライニング膜形成用液を存在させた状態で、前記吸引手段により前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分の気体を前記管状体を通して吸引して排気する、又は、圧縮空気供給手段を備えて、その圧縮空気供給手段により前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分に前記管状体を通して圧縮空気を供給することにより、前記ピグを前記管路内で前記ライニング膜形成用液の存在側に移動させて、前記管路の内面に前記ライニング膜形成用液を塗布して前記ライニング膜を形成する管路内面ライニング方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の管路内ピグ移動装置を用いて管路内を洗浄する管路内洗浄方法であって、
前記管路内の前記ピグにおけるその移動方向側に洗浄剤を存在させた状態で、前記吸引手段により前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分の気体を前記管状体を通して吸引して排気する、又は、圧縮空気供給手段を備えて、その圧縮空気供給手段により前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分に前記管状体を通して圧縮空気を供給することにより、前記ピグを前記管路内で前記洗浄剤の存在側に移動させて、前記管路内を洗浄剤にて洗浄する管路内洗浄方法。
【請求項7】
請求項1に記載の管路内ピグ移動装置を用いて管路内に線状体を通す管路内通線方法であって、
前記ピグ又は前記管状体における前記ピグの近傍に対応する箇所に前記線状体の先端を固定した状態で、前記ピグを前記管路の開口端部に挿入して、前記吸引手段により、前記管路内における前記ピグよりも前記閉塞端側の部分の気体を前記管状体を通して吸引して排気することにより、前記ピグを前記管路内で前記閉塞端側に移動させて、前記管路内に前記線状体を通す管路内通線方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−159132(P2012−159132A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18681(P2011−18681)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】