管運搬車両
【課題】ガス管や水道工事等の管を開削工法によって埋設する際などにおいて、管の埋設現場での管のハンドリングを効率よく行なうことのできる管運搬車両を提供する。
【解決手段】管17が載置されるステージ3と、ステージ3から斜め下方向に傾斜してステージから延出可能に形成された傾斜部材5と、管に巻き回した状態で管をステージ3へ引き上げる一対のベルト状部材7を有する管引き上げ装置9と、を備えていることを特徴とする管運搬車両。
【解決手段】管17が載置されるステージ3と、ステージ3から斜め下方向に傾斜してステージから延出可能に形成された傾斜部材5と、管に巻き回した状態で管をステージ3へ引き上げる一対のベルト状部材7を有する管引き上げ装置9と、を備えていることを特徴とする管運搬車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス管や水道管等の管を開削工法によって埋設する際に、管を埋設場所まで運搬するために用いる管の運搬車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガス管や水道管等の管を埋設する場合には、地上から開削により埋設溝を掘削し、管を溝内に設置し、接合し、検査し、防食工事等を施工した後、埋め戻し土により埋め戻すいわゆる開削工法が採用されている。
埋設の対象となるガス管は、例えば1本の長さが9〜12m程度もあり重量も重い。特に最近では、厚みが18mm近くで径が600mmというような鋼管もあり、この管の場合には重量が3.2トンにもなる。
このような、長さと重量のある管を効率よくハンドリングすることは開削工法の効率を向上するために非常に重要である。
【0003】
このような管の敷設工事においてはクレーンによって管の運搬等を行なうのが一般的ではあるが、ハンドリング効率がよくないことから、ハンドリング効率の向上を目的として以下に示す管の運搬車両が提案されている(特許文献1参照)。
管を運搬するための運搬車両であって、クローラ式の自走可能な走行部と、走行部の上部に設けられたデッキと、デッキ上に設けられた、高さ位置を調整して管を管軸方向に引き入れたり引き出したりすることを可能にするとともに、引き入れた管を支持する管送り支持機構と、管を引き入れる際に用いるウインチとを備えていることを特徴とする管の運搬車両(特許文献1の請求項7参照)。
【特許文献1】特開2008-30600号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された管の運搬車両は開削工法の現場においてハンドリング効率を高めて運搬するには有用な装置である。
しかしながら、前記運搬車両には管を自車に積み込むための装置が搭載されていない。そのため、管を管運搬車両に受け渡すため、特許文献1にも記載があるように、管の保管場所からトラックなどの第1運搬車両に管を積み込んで開削工事現場まで運搬し、開削工事現場で第1運搬車両の荷台から上記管の運搬車両側に管を引き出して受け渡すという作業が必要となる。(特許文献1の[0052]〜[0053]参照)
【0005】
このように特許文献1の管の運搬車両には管を自車に積み込む装置がないため、トラックなどの第1運搬車両の荷台から直接受け渡す必要があり、この場合にはトラックをその場に留め置きしなければならず、きわめて不便である。
もっとも、トラックからトラックの荷台と同じ高さの管保管用の台を製作して、一旦、管をその台に載置することも考えられるが、その場合には台の製作が必要となることに加えて、工事に際して必ずその台のところまで管を取りに行かなければならず、工事の効率化という点では必ずしも好ましいものではない。
【0006】
本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、例えばガス管や水道工事等の管を開削工法によって埋設する際などにおいて、管の埋設現場での管のハンドリングを効率よく行なうことのできる管運搬車両を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る管運搬車両は、管が載置されるステージと、該ステージから斜め下方向に傾斜してステージから延出可能に形成された傾斜部材と、管にベルト状部材を巻き回して該ベルト状部材を巻き上げることによって前記管を、前記傾斜部材上を移動させて前記ステージへ引き上げる管引き上げ装置とを備えていることを特徴とする。
【0008】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、傾斜部材は、一端がステージ側に回動可能に取り付けられ、管を積み込む際には他端を地面側に下ろすことで傾斜状態になり、管の積み込みが終了して管を運搬する際には前記一端側を支点にして回動して他端側を前記ステージの上方に位置させることができることを特徴とするものである。
【0009】
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、管引き上げ装置はベルト状部材を巻き上げるリールを有し、前記ベルト状部材を管に巻き回した状態で、該ベルト状部材の一端を車両側に取付けると共に他端側を前記リールに巻き上げることにより前記管を、傾斜部材上を転がしてステージ側に移動できるようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
(4)また、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のものにおいて、ステージは、傾斜部材が取付けられた側を傾動の支点として傾動可能に構成したことを特徴とするものである。
【0011】
(5)また、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のものにおいて、ステージに載置された管を引き出すための引き出しローラを前記ステージの下方に設置し、該ローラの上部がステージ面よりも出没可能に構成したことを特徴とするものである。
【0012】
(6)また、上記(5)に記載のものにおいて、ステージに開口部が設けられ、該開口部の下方に引き出しローラが配置され、前記ステージを傾斜部材が取付けられた側と逆側が下がるように傾動させたときに前記引き出しローラの上部が前記ステージの上面よりも上方に突出するように構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
(7)また、上記(1)〜(6)に記載のものにおいて、クローラ式の走行部を備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、管が載置されるステージと、該ステージから斜め下方向に傾斜してステージから延出可能に形成された傾斜部材と、管に巻き回した状態で管を前記ステージへ引き上げる一対のベルト状部材を有する管引き上げ装置とを備えているので、地上に載置された管を管運搬車の有する機能によって積み込むことができ、管の載置に特別な載置台が不要となり、それ故に工事現場において管の載置場所が自由になり、工事の効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本実施の形態に係る管運搬車両の全体を示す斜視図、図2は管運搬車の正面図であり管17を保持した状態を示したものである。図1、図2に基づいて、本実施の形態に係る管運搬車両を説明する。
本実施の形態に係る管運搬車両は、クローラ式の走行部1の上に、管17の積み込み及び積み下ろしを行なう積み込み・積み下ろし装置を搭載しており、この積み込み・積み下ろし装置は、管17が載置されるステージ3と、該ステージ3から斜め下方向に傾斜してステージ3から延出可能に形成された傾斜部材5と、管17に巻き回した状態で管17を前記ステージ3へ引き上げる一対のベルト状部材7を有する管引き上げ装置9とを備えている。
以下、各構成部材や装置を詳細に説明する。
【0016】
<ステージ>
ステージ3は断面矩形状の鋼材やH形鋼によって平面視で矩形状に形成され、走行部1の上に設置された架台11に取り付けられている。
ステージ3は、傾斜部材5が取り付けられた側(以下において、外側といい、この逆側を内側という)において架台11に回動可能に取り付けられている。したがって、ステージ3は回動支点を中心にして傾動できるようになっており、水平状態、外側が下になるような傾斜状態、内側が下になるような傾斜状態にすることができる。
なお、ステージ3が水平状態にあるとき及び内側が下がる傾斜状態にあるとき、そのそれぞれの状態のステージ3を支持するための支持部材(図示なし)がステージ内側部の下方に設けられている。
【0017】
図3は、図1における矢印Aの方向からステージ面を見た状態を示す拡大図である。但し、図3においては後述する大型ジャッキ29の図示を省略している。ステージ面には、図3に示すように、開口部13が設けられており、この開口部13に対応する架台11には、ステージ3に載置された管17を引き出すための引き出しローラ15が設置されている。
引き出しローラ15は、ステージ3の前後方向に複数設けられている。そして、引き出しローラ15の上面はステージ3の傾動動作によってステージ面よりも上方に突出したり、引っ込んだりすることができるようになっている。図4は引き出しローラ15のステージ面からの出没の様子を説明する模式図である。
【0018】
図4(a)に示すように、ステージ3が水平状態では引き出しローラ15の上端がステージ面より下方にあり、この状態では管17はステージ面で支持される。他方、図4(b)に示すように、ステージ3の内側が下がるようにステージ3が傾動すると、引き出しローラ15の上部がステージ面よりも上方に突出し、この状態では管17は引き出しローラ15によって支持される。
このように、本実施の形態においては、ステージ面で管17の支持を行なう状態と、引き出しローラ15によって行なう状態との盛り変えを、ステージ3の傾動という極めてシンプルな動きで行なえるようにしている。
【0019】
ステージ3における外側部の前後には、ステージ3に載置された管17の側面に当接可能に形成された傾斜ローラ19が出没可能に設置されている。図5は、図3において水平状態にある傾斜ローラ19を傾斜させた状態を示している。図5に示すように、傾斜ローラ19は、そのローラ軸の一端側が架台11に回動可能に取り付けられ、これによって全体が傾動動作をできるようになっている。また、ローラ軸の他端側が起立用の脚部材21に回動可能に取り付けられており、図5に示すように、脚部材21を起立させることで傾斜ローラ19を所定の角度に傾斜させて保持できるようになっている。
【0020】
図6は、図1における矢印B方向から見た状態の拡大図である。図6に示すように、ステージ3の内側部上方には、ステージ3に載置された管17の側面に当接可能な縦ローラ23が設置されている。また、この縦ローラ23と並んで樹脂製の当接板25が着脱可能又は退避可能に設置されている。この縦ローラ23と当接板25とはステージ3に載置された管17の側面に適宜選択されて当接することになる。
図7は縦ローラ23と当接板25の管17に対する当接状態を説明する説明図である。図7に示すように、縦ローラ23と当接板25とは共にそれらが取り付けられる取付部27から管17側に突出して取り付けられているが、当接板25の方が若干だけ管17側に突出している。
したがって、当接板25を取り付けた状態では、図7(a)に示すように、当接板25が管17側面に当接する。そして、当接板25を外した状態では、図7(b)に示すように、縦ローラ23が管17側面に当接する。
【0021】
このように、当接板25と縦ローラ23とを当接板25の着脱という極めて簡易な手段で適宜選択できるのである。そして、当接板25と縦ローラ23のいずれを管17に当接可能状態にするかについては以下のようにする。
管17をステージ3に載置してステージ3を水平状態で管17を運搬する際には当接板25を設置して当接板25が管17側面に当接可能にしておく。これは、運搬の際には管17が移動しないようにするためである。
他方、ステージ3に載置された管17を引き出すときには、当接板25を取り外して縦ローラ23が管17に当接可能にする。これは、管17の引き出しのときに縦ローラ23をガイドとして機能させるためである。
【0022】
なお、上記の説明では当接板25を着脱可能にする例を示したが、図8に示すように、当接板25の下端部を回転可能に取付部27に取り付けるようにすれば、縦ローラ23を管17に当接させるときには、当接板25を回動させて管17側面から退避させることができ(図8(b)参照)、当接板25を取り外すことなく、当接板25を取り外すのと同様の効果が得られる。
【0023】
ステージ3を傾動させる駆動装置は、図1、図2に示すように、ステージ3の中央下方に設置された大型ジャッキ29と、ステージ3における内側部の中央下方に設置された小型ジャッキ31によって構成されている。
2台のジャッキを設けて傾動を行なうようにしている理由は下記の通りである。ステージ3上には重量の大きな管17が載置されるため、これを載置した状態でステージ3を傾動させるには大きなパワーのジャッキが必要である。特に、管17が載置され、かつ内側が下がるようにステージ3が傾動している状態でステージ3を水平にする場合は、管17が最も内側にあるためこれを傾動するには大きなモーメントが必要である。そこで、回動点から最も離れた部分を下方から押し上げるように設置した小型ジャッキ31単独で、または大型ジャッキ29と共にステージ3を水平状態にする。最もパワーの必要なときに2つのジャッキを用いることで、全ての傾動を単独で行なうとすればさらに大型のジャッキが必要となるところを合理的な設計としているのである。
【0024】
<傾斜部材>
傾斜部材5は、図1、図2に示すように、ステージ3の外側部の前後に取り付けられた一対の断面矩形の鋼材から構成されている。
傾斜部材5は、一端側がステージ3の外側部に回動可能に取り付けられ、管17を積み込む際には先端を地面側に下ろすことで傾斜状態になり、管17の積み込みが終了して管17を運搬する際には前記一端側を支点にして回動して先端側を前記ステージ3の上方に位置させることができるようになっている。
ステージ3の内側上方には、図1に示すように、傾斜部材5の先端側をステージ3の上方に位置させたときに、先端側に当接して傾斜部材5を保持する保持部材33が設けられている。
なお、傾斜部材5の表面には管17が転がるときに管17に傷が付かないようにするために樹脂製の板材が貼り付けられている。
【0025】
<管引き上げ装置>
管引き上げ装置9は、管17に巻き回した状態で管17をステージ3へ引き上げる一対のベルト状部材7と、ベルト状部材7を巻き上げるリール35とを備えている。
そして、ベルト状部材7の一端が車両側に取付けられ、ベルト状部材7の他端側がリール35に取り付けられている。
リール35は図示しない油圧モータにより回転できるようになっている。
管17を引き上げる際には、車両側に取付けられたベルト状部材7の一端側を外し、ベルト状部材を傾斜部材5の先端側に載置された管17に巻き回した後、再度車両側に取り付け、リール35を油圧モータで回転させることでベルト状部材7を巻き上げることにより、管17を傾斜部材5上を転がしてステージ3側に移動できる。
【0026】
〔動作説明〕
上記のように構成された本実施の形態の管運搬装置による管17の積み込み動作を説明する。図9〜図13はこの動作説明図であり、図の順に従って動作が進行する様子を示している。
まず、図9に示すように、例えば10cm角の角材37上に載置されている管17の側方に管運搬車を移動し、管運搬車のステージ3が管17の軸方向に沿うように配置する。
この状態で、傾斜部材5を回動してその先端を管17の近くに設置して、傾斜部材5を約45度の角度に傾斜させる。そして、ステージ3を傾斜部材5と同じ角度になるように傾動させる。この状態で、ベルト状部材7の一端を車両側から外し、管17をくぐらすようにして管17に巻き回して再び車両側に固定する。そして、リール35を回転させると、管17は図10に示すように、傾斜部材5を転がりながら上ってゆく。
【0027】
管17がステージ3側に来ると、図11に示すように、大型ジャッキ29を駆動してステージ3を傾動させて水平側に戻す。
そして、ステージ3が水平状態になると、図12に示すように、傾斜部材5を回動して先端をステージ3の上方に位置させ、保持部材33に当接させて固定する。この状態では、管17はベルト状部材7によってしっかりと保持されているので、別途荷締めをする必要がない。
この状態では、図7(a)に示すように、管17の側面は樹脂製の当接板25に当接可能な状態になっている。
また、この状態では管17の下面はステージ面に載置されており、引き出しローラ15には当接していないので、管17が軸方向に動くことはない。
もっとも、安全のために、図13に示すように、管17の両端と運搬車とをワイヤ39で接続して、管17が軸方向に移動するのを完全に防止し、この状態でクローラ装置を駆動して所定の場所に運搬する。
【0028】
次に上記のように管運搬車に積み込んだ管17を運搬して所定の場所に到着後、管17を引き出すときの動作について説明する。
先ず、リール35を逆回転させてベルト状部材7による管17の保持を少し緩め、当接板25を図8(b)に示したように回転させて管17から退避させる。その後、小型ジャッキ31のロッドを伸張させ、ステージ内側部を少し持ち上げ、ステージ3の内側部下方に設けられた支持部材をステージ3の内側部が下がるときの支持部材に切り替える。その状態で小型ジャッキ31のロッドを縮退させてステージ3を内側部が下がるように傾動させ、ステージ内側部の下面を支持部材に当接させることで所定の傾斜状態にする。
これによって、引き出しローラ15がステージ面よりも突出し、管17が引き出しローラ15によって支持される。このとき、管17の内側面側は縦ローラ23に当接可能な状態となる。そして、図5に示したように、傾斜ローラ19を傾斜状態にし、この状態で管17を引き出すようにする。
【0029】
なお、管17を引き出すのではなく、地上に下す場合には、地上にある管17を管運搬車に積み込むときの動作と逆の動作をすればよい。この、管17を地上に載置する際の動作を、管17を管運搬車に積み込むときの動作説明図である図9〜図11を参照にして概説する。
図11に示すように、傾斜部材5の先端側を地面に設置する。そして、ベルト状部材7の締付を緩め、管17が若干移動できる状態にし、この状態で、図11に示すように、小型ジャッキ31及び大型ジャッキ29のロッドを伸張させる。そうすると、ステージ3が傾動してステージ3の内側部が高くなるので、管17は手前側に移動する。この状態になることで、ステージ3の傾動に必要なモーメントが小さくなる。
この状態でさらに大型ジャッキ29のロッドを伸張することで、図10に示すように、ステージ3の傾斜角度が傾斜部材5の傾斜角度と同じになるまで傾動させる。そして、ベルト状部材7のリール35を徐々に巻き解くことで、傾斜部材5上を転がしながら管17を地上に下す。管17を下し終わったら、図9に示すように、ステージ3を水平に戻すようにする。
【0030】
以上のように、本実施の形態によれば、地上に載置された管17を管運搬車の有する機能によって積み込むことができるので、クレーン車が不要である。また、背景技術で説明した特許文献1の運搬車両を用いる場合のように、管17を荷台の高さ程度の高さ位置に載置できるような特別な載置台も不要となり、どこでも約10cm角の角材37さえあればそこに載置できる。それ故に、工事現場において管17の載置場所が自由になり、工事の効率がアップする。
また、本実施の形態においては、ステージ3の傾斜角度によって引き出しローラ15とステージ面との盛り代えをするようにしているので、極めてシンプルな構造であり、コストを低く抑えることができる。
もっとも、引き出しローラ15とステージ面との盛り代えに関しては、本発明はこれに限られるものではなく、例えば引き出しローラ15側を上下動させる構造にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施の形態に係る管運搬車の斜視図である。
【図2】図1に示した管運搬車の正面図である。
【図3】図1に示した矢印A方向から見た管運搬車の一部を拡大して示す拡大図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る管運搬車のステージの動作説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る管運搬車のステージの機能を説明する説明図である。
【図6】図1に示した矢印B方向から見た管運搬車の一部を拡大して示す拡大図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る管運搬車にける管の保持方法を説明する説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る管運搬車にける管の保持方法を説明する説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る管運搬車による管の積み込み動作の説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る管運搬車による管の積み込み動作の説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る管運搬車による管の積み込み動作の説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る管運搬車による管の積み込み動作の説明図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係る管運搬車による管の積み込み動作の説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1 走行部
3 ステージ
5 傾斜部材
7 ベルト状部材
9 管引き上げ装置
11 架台
13 開口部
15 引き出しローラ
17 管
19 傾斜ローラ
21 脚部材
23 縦ローラ
25 当接板
27 取付部
29 大型ジャッキ
31 小型ジャッキ
33 保持部材
35 リール
37 角材
39 ワイヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス管や水道管等の管を開削工法によって埋設する際に、管を埋設場所まで運搬するために用いる管の運搬車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガス管や水道管等の管を埋設する場合には、地上から開削により埋設溝を掘削し、管を溝内に設置し、接合し、検査し、防食工事等を施工した後、埋め戻し土により埋め戻すいわゆる開削工法が採用されている。
埋設の対象となるガス管は、例えば1本の長さが9〜12m程度もあり重量も重い。特に最近では、厚みが18mm近くで径が600mmというような鋼管もあり、この管の場合には重量が3.2トンにもなる。
このような、長さと重量のある管を効率よくハンドリングすることは開削工法の効率を向上するために非常に重要である。
【0003】
このような管の敷設工事においてはクレーンによって管の運搬等を行なうのが一般的ではあるが、ハンドリング効率がよくないことから、ハンドリング効率の向上を目的として以下に示す管の運搬車両が提案されている(特許文献1参照)。
管を運搬するための運搬車両であって、クローラ式の自走可能な走行部と、走行部の上部に設けられたデッキと、デッキ上に設けられた、高さ位置を調整して管を管軸方向に引き入れたり引き出したりすることを可能にするとともに、引き入れた管を支持する管送り支持機構と、管を引き入れる際に用いるウインチとを備えていることを特徴とする管の運搬車両(特許文献1の請求項7参照)。
【特許文献1】特開2008-30600号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された管の運搬車両は開削工法の現場においてハンドリング効率を高めて運搬するには有用な装置である。
しかしながら、前記運搬車両には管を自車に積み込むための装置が搭載されていない。そのため、管を管運搬車両に受け渡すため、特許文献1にも記載があるように、管の保管場所からトラックなどの第1運搬車両に管を積み込んで開削工事現場まで運搬し、開削工事現場で第1運搬車両の荷台から上記管の運搬車両側に管を引き出して受け渡すという作業が必要となる。(特許文献1の[0052]〜[0053]参照)
【0005】
このように特許文献1の管の運搬車両には管を自車に積み込む装置がないため、トラックなどの第1運搬車両の荷台から直接受け渡す必要があり、この場合にはトラックをその場に留め置きしなければならず、きわめて不便である。
もっとも、トラックからトラックの荷台と同じ高さの管保管用の台を製作して、一旦、管をその台に載置することも考えられるが、その場合には台の製作が必要となることに加えて、工事に際して必ずその台のところまで管を取りに行かなければならず、工事の効率化という点では必ずしも好ましいものではない。
【0006】
本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、例えばガス管や水道工事等の管を開削工法によって埋設する際などにおいて、管の埋設現場での管のハンドリングを効率よく行なうことのできる管運搬車両を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る管運搬車両は、管が載置されるステージと、該ステージから斜め下方向に傾斜してステージから延出可能に形成された傾斜部材と、管にベルト状部材を巻き回して該ベルト状部材を巻き上げることによって前記管を、前記傾斜部材上を移動させて前記ステージへ引き上げる管引き上げ装置とを備えていることを特徴とする。
【0008】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、傾斜部材は、一端がステージ側に回動可能に取り付けられ、管を積み込む際には他端を地面側に下ろすことで傾斜状態になり、管の積み込みが終了して管を運搬する際には前記一端側を支点にして回動して他端側を前記ステージの上方に位置させることができることを特徴とするものである。
【0009】
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、管引き上げ装置はベルト状部材を巻き上げるリールを有し、前記ベルト状部材を管に巻き回した状態で、該ベルト状部材の一端を車両側に取付けると共に他端側を前記リールに巻き上げることにより前記管を、傾斜部材上を転がしてステージ側に移動できるようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
(4)また、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のものにおいて、ステージは、傾斜部材が取付けられた側を傾動の支点として傾動可能に構成したことを特徴とするものである。
【0011】
(5)また、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のものにおいて、ステージに載置された管を引き出すための引き出しローラを前記ステージの下方に設置し、該ローラの上部がステージ面よりも出没可能に構成したことを特徴とするものである。
【0012】
(6)また、上記(5)に記載のものにおいて、ステージに開口部が設けられ、該開口部の下方に引き出しローラが配置され、前記ステージを傾斜部材が取付けられた側と逆側が下がるように傾動させたときに前記引き出しローラの上部が前記ステージの上面よりも上方に突出するように構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
(7)また、上記(1)〜(6)に記載のものにおいて、クローラ式の走行部を備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、管が載置されるステージと、該ステージから斜め下方向に傾斜してステージから延出可能に形成された傾斜部材と、管に巻き回した状態で管を前記ステージへ引き上げる一対のベルト状部材を有する管引き上げ装置とを備えているので、地上に載置された管を管運搬車の有する機能によって積み込むことができ、管の載置に特別な載置台が不要となり、それ故に工事現場において管の載置場所が自由になり、工事の効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本実施の形態に係る管運搬車両の全体を示す斜視図、図2は管運搬車の正面図であり管17を保持した状態を示したものである。図1、図2に基づいて、本実施の形態に係る管運搬車両を説明する。
本実施の形態に係る管運搬車両は、クローラ式の走行部1の上に、管17の積み込み及び積み下ろしを行なう積み込み・積み下ろし装置を搭載しており、この積み込み・積み下ろし装置は、管17が載置されるステージ3と、該ステージ3から斜め下方向に傾斜してステージ3から延出可能に形成された傾斜部材5と、管17に巻き回した状態で管17を前記ステージ3へ引き上げる一対のベルト状部材7を有する管引き上げ装置9とを備えている。
以下、各構成部材や装置を詳細に説明する。
【0016】
<ステージ>
ステージ3は断面矩形状の鋼材やH形鋼によって平面視で矩形状に形成され、走行部1の上に設置された架台11に取り付けられている。
ステージ3は、傾斜部材5が取り付けられた側(以下において、外側といい、この逆側を内側という)において架台11に回動可能に取り付けられている。したがって、ステージ3は回動支点を中心にして傾動できるようになっており、水平状態、外側が下になるような傾斜状態、内側が下になるような傾斜状態にすることができる。
なお、ステージ3が水平状態にあるとき及び内側が下がる傾斜状態にあるとき、そのそれぞれの状態のステージ3を支持するための支持部材(図示なし)がステージ内側部の下方に設けられている。
【0017】
図3は、図1における矢印Aの方向からステージ面を見た状態を示す拡大図である。但し、図3においては後述する大型ジャッキ29の図示を省略している。ステージ面には、図3に示すように、開口部13が設けられており、この開口部13に対応する架台11には、ステージ3に載置された管17を引き出すための引き出しローラ15が設置されている。
引き出しローラ15は、ステージ3の前後方向に複数設けられている。そして、引き出しローラ15の上面はステージ3の傾動動作によってステージ面よりも上方に突出したり、引っ込んだりすることができるようになっている。図4は引き出しローラ15のステージ面からの出没の様子を説明する模式図である。
【0018】
図4(a)に示すように、ステージ3が水平状態では引き出しローラ15の上端がステージ面より下方にあり、この状態では管17はステージ面で支持される。他方、図4(b)に示すように、ステージ3の内側が下がるようにステージ3が傾動すると、引き出しローラ15の上部がステージ面よりも上方に突出し、この状態では管17は引き出しローラ15によって支持される。
このように、本実施の形態においては、ステージ面で管17の支持を行なう状態と、引き出しローラ15によって行なう状態との盛り変えを、ステージ3の傾動という極めてシンプルな動きで行なえるようにしている。
【0019】
ステージ3における外側部の前後には、ステージ3に載置された管17の側面に当接可能に形成された傾斜ローラ19が出没可能に設置されている。図5は、図3において水平状態にある傾斜ローラ19を傾斜させた状態を示している。図5に示すように、傾斜ローラ19は、そのローラ軸の一端側が架台11に回動可能に取り付けられ、これによって全体が傾動動作をできるようになっている。また、ローラ軸の他端側が起立用の脚部材21に回動可能に取り付けられており、図5に示すように、脚部材21を起立させることで傾斜ローラ19を所定の角度に傾斜させて保持できるようになっている。
【0020】
図6は、図1における矢印B方向から見た状態の拡大図である。図6に示すように、ステージ3の内側部上方には、ステージ3に載置された管17の側面に当接可能な縦ローラ23が設置されている。また、この縦ローラ23と並んで樹脂製の当接板25が着脱可能又は退避可能に設置されている。この縦ローラ23と当接板25とはステージ3に載置された管17の側面に適宜選択されて当接することになる。
図7は縦ローラ23と当接板25の管17に対する当接状態を説明する説明図である。図7に示すように、縦ローラ23と当接板25とは共にそれらが取り付けられる取付部27から管17側に突出して取り付けられているが、当接板25の方が若干だけ管17側に突出している。
したがって、当接板25を取り付けた状態では、図7(a)に示すように、当接板25が管17側面に当接する。そして、当接板25を外した状態では、図7(b)に示すように、縦ローラ23が管17側面に当接する。
【0021】
このように、当接板25と縦ローラ23とを当接板25の着脱という極めて簡易な手段で適宜選択できるのである。そして、当接板25と縦ローラ23のいずれを管17に当接可能状態にするかについては以下のようにする。
管17をステージ3に載置してステージ3を水平状態で管17を運搬する際には当接板25を設置して当接板25が管17側面に当接可能にしておく。これは、運搬の際には管17が移動しないようにするためである。
他方、ステージ3に載置された管17を引き出すときには、当接板25を取り外して縦ローラ23が管17に当接可能にする。これは、管17の引き出しのときに縦ローラ23をガイドとして機能させるためである。
【0022】
なお、上記の説明では当接板25を着脱可能にする例を示したが、図8に示すように、当接板25の下端部を回転可能に取付部27に取り付けるようにすれば、縦ローラ23を管17に当接させるときには、当接板25を回動させて管17側面から退避させることができ(図8(b)参照)、当接板25を取り外すことなく、当接板25を取り外すのと同様の効果が得られる。
【0023】
ステージ3を傾動させる駆動装置は、図1、図2に示すように、ステージ3の中央下方に設置された大型ジャッキ29と、ステージ3における内側部の中央下方に設置された小型ジャッキ31によって構成されている。
2台のジャッキを設けて傾動を行なうようにしている理由は下記の通りである。ステージ3上には重量の大きな管17が載置されるため、これを載置した状態でステージ3を傾動させるには大きなパワーのジャッキが必要である。特に、管17が載置され、かつ内側が下がるようにステージ3が傾動している状態でステージ3を水平にする場合は、管17が最も内側にあるためこれを傾動するには大きなモーメントが必要である。そこで、回動点から最も離れた部分を下方から押し上げるように設置した小型ジャッキ31単独で、または大型ジャッキ29と共にステージ3を水平状態にする。最もパワーの必要なときに2つのジャッキを用いることで、全ての傾動を単独で行なうとすればさらに大型のジャッキが必要となるところを合理的な設計としているのである。
【0024】
<傾斜部材>
傾斜部材5は、図1、図2に示すように、ステージ3の外側部の前後に取り付けられた一対の断面矩形の鋼材から構成されている。
傾斜部材5は、一端側がステージ3の外側部に回動可能に取り付けられ、管17を積み込む際には先端を地面側に下ろすことで傾斜状態になり、管17の積み込みが終了して管17を運搬する際には前記一端側を支点にして回動して先端側を前記ステージ3の上方に位置させることができるようになっている。
ステージ3の内側上方には、図1に示すように、傾斜部材5の先端側をステージ3の上方に位置させたときに、先端側に当接して傾斜部材5を保持する保持部材33が設けられている。
なお、傾斜部材5の表面には管17が転がるときに管17に傷が付かないようにするために樹脂製の板材が貼り付けられている。
【0025】
<管引き上げ装置>
管引き上げ装置9は、管17に巻き回した状態で管17をステージ3へ引き上げる一対のベルト状部材7と、ベルト状部材7を巻き上げるリール35とを備えている。
そして、ベルト状部材7の一端が車両側に取付けられ、ベルト状部材7の他端側がリール35に取り付けられている。
リール35は図示しない油圧モータにより回転できるようになっている。
管17を引き上げる際には、車両側に取付けられたベルト状部材7の一端側を外し、ベルト状部材を傾斜部材5の先端側に載置された管17に巻き回した後、再度車両側に取り付け、リール35を油圧モータで回転させることでベルト状部材7を巻き上げることにより、管17を傾斜部材5上を転がしてステージ3側に移動できる。
【0026】
〔動作説明〕
上記のように構成された本実施の形態の管運搬装置による管17の積み込み動作を説明する。図9〜図13はこの動作説明図であり、図の順に従って動作が進行する様子を示している。
まず、図9に示すように、例えば10cm角の角材37上に載置されている管17の側方に管運搬車を移動し、管運搬車のステージ3が管17の軸方向に沿うように配置する。
この状態で、傾斜部材5を回動してその先端を管17の近くに設置して、傾斜部材5を約45度の角度に傾斜させる。そして、ステージ3を傾斜部材5と同じ角度になるように傾動させる。この状態で、ベルト状部材7の一端を車両側から外し、管17をくぐらすようにして管17に巻き回して再び車両側に固定する。そして、リール35を回転させると、管17は図10に示すように、傾斜部材5を転がりながら上ってゆく。
【0027】
管17がステージ3側に来ると、図11に示すように、大型ジャッキ29を駆動してステージ3を傾動させて水平側に戻す。
そして、ステージ3が水平状態になると、図12に示すように、傾斜部材5を回動して先端をステージ3の上方に位置させ、保持部材33に当接させて固定する。この状態では、管17はベルト状部材7によってしっかりと保持されているので、別途荷締めをする必要がない。
この状態では、図7(a)に示すように、管17の側面は樹脂製の当接板25に当接可能な状態になっている。
また、この状態では管17の下面はステージ面に載置されており、引き出しローラ15には当接していないので、管17が軸方向に動くことはない。
もっとも、安全のために、図13に示すように、管17の両端と運搬車とをワイヤ39で接続して、管17が軸方向に移動するのを完全に防止し、この状態でクローラ装置を駆動して所定の場所に運搬する。
【0028】
次に上記のように管運搬車に積み込んだ管17を運搬して所定の場所に到着後、管17を引き出すときの動作について説明する。
先ず、リール35を逆回転させてベルト状部材7による管17の保持を少し緩め、当接板25を図8(b)に示したように回転させて管17から退避させる。その後、小型ジャッキ31のロッドを伸張させ、ステージ内側部を少し持ち上げ、ステージ3の内側部下方に設けられた支持部材をステージ3の内側部が下がるときの支持部材に切り替える。その状態で小型ジャッキ31のロッドを縮退させてステージ3を内側部が下がるように傾動させ、ステージ内側部の下面を支持部材に当接させることで所定の傾斜状態にする。
これによって、引き出しローラ15がステージ面よりも突出し、管17が引き出しローラ15によって支持される。このとき、管17の内側面側は縦ローラ23に当接可能な状態となる。そして、図5に示したように、傾斜ローラ19を傾斜状態にし、この状態で管17を引き出すようにする。
【0029】
なお、管17を引き出すのではなく、地上に下す場合には、地上にある管17を管運搬車に積み込むときの動作と逆の動作をすればよい。この、管17を地上に載置する際の動作を、管17を管運搬車に積み込むときの動作説明図である図9〜図11を参照にして概説する。
図11に示すように、傾斜部材5の先端側を地面に設置する。そして、ベルト状部材7の締付を緩め、管17が若干移動できる状態にし、この状態で、図11に示すように、小型ジャッキ31及び大型ジャッキ29のロッドを伸張させる。そうすると、ステージ3が傾動してステージ3の内側部が高くなるので、管17は手前側に移動する。この状態になることで、ステージ3の傾動に必要なモーメントが小さくなる。
この状態でさらに大型ジャッキ29のロッドを伸張することで、図10に示すように、ステージ3の傾斜角度が傾斜部材5の傾斜角度と同じになるまで傾動させる。そして、ベルト状部材7のリール35を徐々に巻き解くことで、傾斜部材5上を転がしながら管17を地上に下す。管17を下し終わったら、図9に示すように、ステージ3を水平に戻すようにする。
【0030】
以上のように、本実施の形態によれば、地上に載置された管17を管運搬車の有する機能によって積み込むことができるので、クレーン車が不要である。また、背景技術で説明した特許文献1の運搬車両を用いる場合のように、管17を荷台の高さ程度の高さ位置に載置できるような特別な載置台も不要となり、どこでも約10cm角の角材37さえあればそこに載置できる。それ故に、工事現場において管17の載置場所が自由になり、工事の効率がアップする。
また、本実施の形態においては、ステージ3の傾斜角度によって引き出しローラ15とステージ面との盛り代えをするようにしているので、極めてシンプルな構造であり、コストを低く抑えることができる。
もっとも、引き出しローラ15とステージ面との盛り代えに関しては、本発明はこれに限られるものではなく、例えば引き出しローラ15側を上下動させる構造にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施の形態に係る管運搬車の斜視図である。
【図2】図1に示した管運搬車の正面図である。
【図3】図1に示した矢印A方向から見た管運搬車の一部を拡大して示す拡大図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る管運搬車のステージの動作説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る管運搬車のステージの機能を説明する説明図である。
【図6】図1に示した矢印B方向から見た管運搬車の一部を拡大して示す拡大図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る管運搬車にける管の保持方法を説明する説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る管運搬車にける管の保持方法を説明する説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る管運搬車による管の積み込み動作の説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る管運搬車による管の積み込み動作の説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る管運搬車による管の積み込み動作の説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る管運搬車による管の積み込み動作の説明図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係る管運搬車による管の積み込み動作の説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1 走行部
3 ステージ
5 傾斜部材
7 ベルト状部材
9 管引き上げ装置
11 架台
13 開口部
15 引き出しローラ
17 管
19 傾斜ローラ
21 脚部材
23 縦ローラ
25 当接板
27 取付部
29 大型ジャッキ
31 小型ジャッキ
33 保持部材
35 リール
37 角材
39 ワイヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管が載置されるステージと、該ステージから斜め下方向に傾斜してステージから延出可能に形成された傾斜部材と、管にベルト状部材を巻き回して該ベルト状部材を巻き上げることによって前記管を、前記傾斜部材上を移動させて前記ステージへ引き上げる管引き上げ装置とを備えていることを特徴とする管運搬車両。
【請求項2】
傾斜部材は、一端がステージ側に回動可能に取り付けられ、管を積み込む際には他端を地面側に下ろすことで傾斜状態になり、管の積み込みが終了して管を運搬する際には前記一端側を支点にして回動して他端側を前記ステージの上方に位置させることができることを特徴とする請求項1に記載の管運搬車両。
【請求項3】
管引き上げ装置はベルト状部材を巻き上げるリールを有し、前記ベルト状部材を管に巻き回した状態で、該ベルト状部材の一端を車両側に取付けると共に他端側を前記リールに巻き上げることにより前記管を、傾斜部材上を転がしてステージ側に移動できるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の管運搬車両。
【請求項4】
ステージは、傾斜部材が取付けられた側を傾動の支点として傾動可能に構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の管運搬車両。
【請求項5】
ステージに載置された管を引き出すための引き出しローラを前記ステージの下方に設置し、該ローラの上部がステージ面よりも出没可能に構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の管運搬車両。
【請求項6】
ステージに開口部が設けられ、該開口部の下方に引き出しローラが配置され、前記ステージを傾斜部材が取付けられた側と逆側が下がるように傾動させたときに前記引き出しローラの上部が前記ステージの上面よりも上方に突出するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の管運搬車両。
【請求項7】
クローラ式の走行部を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の管運搬車両。
【請求項1】
管が載置されるステージと、該ステージから斜め下方向に傾斜してステージから延出可能に形成された傾斜部材と、管にベルト状部材を巻き回して該ベルト状部材を巻き上げることによって前記管を、前記傾斜部材上を移動させて前記ステージへ引き上げる管引き上げ装置とを備えていることを特徴とする管運搬車両。
【請求項2】
傾斜部材は、一端がステージ側に回動可能に取り付けられ、管を積み込む際には他端を地面側に下ろすことで傾斜状態になり、管の積み込みが終了して管を運搬する際には前記一端側を支点にして回動して他端側を前記ステージの上方に位置させることができることを特徴とする請求項1に記載の管運搬車両。
【請求項3】
管引き上げ装置はベルト状部材を巻き上げるリールを有し、前記ベルト状部材を管に巻き回した状態で、該ベルト状部材の一端を車両側に取付けると共に他端側を前記リールに巻き上げることにより前記管を、傾斜部材上を転がしてステージ側に移動できるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の管運搬車両。
【請求項4】
ステージは、傾斜部材が取付けられた側を傾動の支点として傾動可能に構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の管運搬車両。
【請求項5】
ステージに載置された管を引き出すための引き出しローラを前記ステージの下方に設置し、該ローラの上部がステージ面よりも出没可能に構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の管運搬車両。
【請求項6】
ステージに開口部が設けられ、該開口部の下方に引き出しローラが配置され、前記ステージを傾斜部材が取付けられた側と逆側が下がるように傾動させたときに前記引き出しローラの上部が前記ステージの上面よりも上方に突出するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の管運搬車両。
【請求項7】
クローラ式の走行部を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の管運搬車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−214687(P2009−214687A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59928(P2008−59928)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】
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