説明

箱形収容ケース

【課題】組み立て後に収容物の不正な開封や収容物への改ざんが行われるのを防ぎ、生産性がよい箱型包装ケースを提供する。
【解決手段】正面板11の下辺、及び隣接する一の側面板の下辺に共連結された第一フラップ板21と、背面板12の下辺、及び隣接する他の側面板の下辺に共連結された第二フラップ板22とを有し、前記第一フラップ板21と第二フラップ板22とを箱底面に沿うように突き合わせることで、有底箱体を構成する。第一フラップ板21、第二フラップ板22にはそれぞれ、箱形成形時に箱上方を向いて伸びる第一挟み込み片31、第二挟み込み片32が延設され、第一挟み込み片31,第二挟み込み片32が箱内を斜め外方へ傾斜して伸びることで、箱内の収容物を正面板11側と背面板12側から挟み込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を箱状の容器内に収容して包装するための箱形収容ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
扁平な折畳状態から組み立てて使用される包装用の蓋付き箱として、従来、底面板の前角から前面板の端縁に至る斜山折線と、底面板の後角から側面板の端縁に至る斜谷折線と、天面板の前角から蓋前板の端縁に至る斜山折線とを設けたものが開示される(例えば、特許文献1参照)。この蓋つき箱においては、折畳状態では、前面板、両側面板及び蓋前板をそれぞれ斜山折線、斜谷折線及び斜山折線に沿って折り曲げ、底面板と後面板とが重なるように二つ折りにされる。底面板から後面板を起こし、前面板、両側面板及び蓋前板又は蓋側板の折り曲げを伸ばすだけで、連結片の折り曲げや抱込等の作業を要することなく、扁平な折畳状態から迅速に組み立てることができる、とされる。
【0003】
また従来、厚紙製ワンタッチケースとして、のり代が貼り合わされたコーナーの底面と,そのコーナーと対角線方向で相対向するコーナーの底面に接する各外側底フラップに内側底フラップを重合し,それらの重合部分を接着剤でそれぞれ貼り合わせたものが開示される(例えば、特許文献2参照)。これは、各外側底フラップに上記各コーナーを2等分する線に合わせて設けられた斜めの折線の中央部に設けた各切れ目に,上記各内側底フラップのうち,上記各斜めの折線に接合するように設けられた接合縁から突出するように設けた各舌片をそれぞれ差し通し,この各舌片を上記各外側底フラップの外側面に接着剤で貼り合わせるものであり、のり代が接着されたコーナーにおける強度を強化する、とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−1778号公報
【特許文献2】登録実用新案第3052411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記蓋つき箱、厚紙製ワンタッチケースは底部などの組み上げの境界部で強度に欠け、底部の隙間や接着部から容易に内容物を見たり改ざんしたりすることができるものであった。特に後述の厚紙製ワンタッチケースは、底部のロック強度を高めることはできでも突き合わせる底フラップの端辺から容易に手や道具を差し入れることができ、また側部の幅が小さい薄型形状ではロック効果が低下してしまうものであった。
【0006】
また従来の改ざん防止機能として他に、シュリンク包装、シール止めなどが提案されているが、これらは別部材や別工程を必要とするため、管理面や作業面で手間がかかり、生産性の良いものとはいえなかった。
【0007】
なお特に上記蓋付き箱は、左右に設けた比較的大きな側板をそれぞれ谷折りして折り畳み状態とするものであり、複雑な折り返しの作業が必要となって折り畳み状態のものを機械的に生産することができず、生産性の向上に繋がるものではなかった。
【0008】
そこで本発明では、組み立て後に収容物の不正な開封や収容物への改ざんが行われるのを防ぐことができ、生産性のよい箱型収容ケースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題を解決すべく以下(1)〜(3)の手段を採用している。
(1)本発明の箱形収容ケースは、
側方へ連接する正面板11、中側面板13、背面板12、及び外側面板14を有し、これらの各連接辺の折り曲げによって角筒状に形成される側部と、
前記正面板11の下辺、及び隣接する一の側面板(中側面板13または外側面板14)の下辺に共連結された第一フラップ板21と、
前記背面板12の下辺、及び隣接する他の側面板(外側面板14または中側面板13)の下辺に共連結された第二フラップ板22とを有し、
前記第一フラップ板21と第二フラップ板22とを箱底面に沿うように突き合わせることで、有底箱体を構成する箱形容器において、
第一フラップ板21、第二フラップ板22にはそれぞれ、箱形成形時に箱上方を向いて伸びる第一挟み込み片31、第二挟み込み片32が延設され、
第一挟み込み片31,第二挟み込み片32が箱内を斜め外方へ傾斜して伸びることで、箱内の収容物を正面板11側と背面板12側から挟み込むことを特徴とする箱形収容ケース。
(2)前記(1)記載の箱形収容ケースにおいて、第一フラップ板21は、前記正面板11下辺と前記一の側面板(外側面板14)下辺の境界である第一コーナー21Cから底面に伸びる第一谷折り辺21fにて箱内側へ折り曲げ可能に形成され、
第二フラップ板22は、前記背面板12下辺と前記他の側面板(中側面板13)下辺の境界である第二コーナー22Cから底面に伸びる第二谷折り辺22fにて箱内側へ折り曲げ可能に形成され、
第一挟み込み片31の先端辺311、第二挟み込み板32の先端辺321はそれぞれ、幅方向側部から中央に向かって下方傾斜してなることが好ましい。
(3)前記(1)又は(2)に記載の箱形収容ケースにおいて、第一挟み込み片31、第二挟み込み片32はそれぞれ、第一フラップ板21,第二フラップ板22との連接辺側から先端辺311、321側に向かって複数のリブが形成されてなることが好ましい。
【0010】
中側板13、外側板14は共通した側板幅13Wを有し、第一フラップ板21、第二フラップ板22は共通したフラップ板幅22Wを有するところ、フラップ板幅22Wは、側板幅13Wよりも小さく、大きくとも側板幅13Wの80%、好ましくは60%となっている。そして折り畳み状態から箱状態へ組み上げる際には、第一フラップ板21、第二フラップ板22との境界を折り辺として、その先にそれぞれ延設された第一挟み込み片31,第二挟み込み片32を山側に折って箱内部に入れる。このときの成形紙の折り戻し性質によって、第一挟み込み片31、第二挟み込み片32の先端辺311,321がそれぞれ正面板11、背面板12の内面を押さえた形となる(図3)。
【0011】
また挟み込み片31、32は、谷折り辺で連接された2板面からなるという構造上、折り畳み状態から組み上げ状態にする過程において、挟み込み片31、32の先端辺が、コーナー部を境とし、正面板、背面板に対して幅方向にねじれた角度となったまま、各挟み込み片31,32が起き上がる。このとき、挟み込み片31,32は幅方向内側の部分が短く、幅方向外側の部分が長くなるように先端辺が傾斜して形成されているため、先に起き上がった挟み込み片の幅方向内側の先端部分がぶつかって同幅方向外側の先端部分が正面板/背面板から浮き上がるのを防ぐことができる。そして各挟み込み片が箱内面から浮き上がらずに断面倒立ハの字方向に配置されることで、収容物が誤って入り込む余分な浮き上がりが生じず、収容物を挟みこみ片間へ確実に挟み込むことができる。
【0012】
また挟み込み片31、32はリブが形成されることで補強され、延設方向内の不要な湾曲や折れの発生を防ぎ、収容物を確実に挟み込むことができる。実施例では細長長円状の型押し(罫線処理)によって4本のリブ30を等間隔に形成している。
【発明の効果】
【0013】
本発明の箱形収容ケースは上記手段を講じており、内部改ざんの容易な底部にて、挟み込み板が箱内で互い違いに延設され、収容物をフラップ板の覆い方向の外側から挟み込む状態で収容することとなる。これにより、組み立て後に収容物の不正な開封や収容物への改ざんが行われるのを防ぐことのできる箱型収容ケースとなった。また、側部の角箱やフラップ板の形成は、折り返し工程と接着工程によって平面的に形成可能であるため、サックマシンでの貼り合わせ加工が可能であるなど、折り畳みの作業性が向上し、生産性がよい箱型収容ケースとなった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1の表面展開図
【図2】実施例1の組みたて・収納状態の正面視断面説明図(図3のC−C断面図)。
【図3】図2のA−A側面視断面説明図(図2のA−A断面図)。
【図4】組み立て・収納状態の平面図。
【図5】実施例1の平面視底部断面図(図2のB−B断面図)。
【図6】組み立て・収納状態の底部斜視説明図。
【図7】実施例2の表面展開図。
【図8】実施例2の平面視底部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本箱形収容ケースの実施形態を、実施例として示す各図と共に説明する。本発明の箱型収容ケースは、ケース本体が少なくとも、一つずつの正面板11、背面板12、その両端同士をつなぐための中側面板13、外側面板14から四方枠構成されうる側部、及び、第一フラップ板21と第二フラップ板22に分離構成された底部からなる合計6つ以上の面板が一体的に連接された紙製または樹脂製のシートから構成される。以下、実施例1、2の各構成につき詳述する。
【実施例1】
【0016】
実施例1では正面板11、背面板12、その両端同士をつなぐための中側面板13、外側面板14、第一フラップ板21、第二フラップ板22、からなる合計6つ以上の面板が一体的に連接され、さらに、ケース本体の内部に形成される中仕切り部を構成する面板(51〜54)、及び、上部を構成する蓋板42及び蓋を閉じるための蓋フラップ板41等が付加構成される(図1)。
【0017】
実施例1のシートは各面板間が折り畳まれると共に、貼り合わせ側板15及びその上部の貼り合わせ突片45が、外側板14及びその上部の外側突片44にそれぞれ面接着され、そして第一フラップ面板211,221に連接した連接ヒンジ213,223が、第二フラップ面板212,222にそれぞれ面接着され組み上げ前の折り畳み状態として連続生産される。この折り畳み状態のシートが、各面板間の連接辺で折り曲げられ、底部を突き合わせるように起こすことで、図3や図6に示すような縦型の部分多角錐形状の有底箱体の状態へ構成される。
【0018】
そして組み上げ状態において、本発明の箱形収容ケースのケース本体は、
・側方へ連接する正面板11、中側面板13、背面板12、及び外側面板14を有し、これらの各連接辺の折り曲げによって角筒状に形成される側部と、
・前記正面板11の下辺、及び隣接する一の側面板(中側面板13または外側面板14)の下辺に共連結された第一フラップ板21と、
・前記背面板12の下辺、及び隣接する他の側面板(外側面板14または中側面板13)の下辺に共連結された第二フラップ板22とを有する。
【0019】
底部を構成する第一フラップ板21、第二フラップ板22にはそれぞれ、箱形成形時に箱上方を向いて伸びる第一挟み込み片31、第二挟み込み片32が延設される。前記第一フラップ板21と第二フラップ板22とを箱底面に沿うように突き合わせたとき、第一挟み込み片31,第二挟み込み片32が箱内を斜め外方へ傾斜して伸びることで(図3)、箱内の収容物B1を正面板11側と背面板12側から挟み込むことができる。このとき先端辺は幅方向内側へ傾斜降下する傾斜辺で構成されることによって、箱内面に対する余分な浮き上がり部が生じることがなく、例えば薄い袋状の収容物B1であっても確実に収容することができる(特に図8との対比における図4)。
【0020】
(折畳み状態)
折畳み状態では、連接構成された各板間が折り曲げられることで、連接構成された4面板のうち、正面板11に連なる正面側の2面板と、背面板12に連なる背面側の2面板とが重なる。また底部を構成する第一フラップ板21、第二フラップ板22は、斜め方向の折り辺21F、22Fを谷折りとして、延設された挟み込み片31,32と共に内側すなわち箱上方側に折り込まれる。このとき箱内部で中仕切り部形成されることで、剛性の強い箱状態を形成することができる。
【0021】
(側部)
側部は正面板11、中側面板13、背面板12、及び外側面板14が側方に連接され、同じく側方へ連接した貼り合せ板15の貼り合せと各連接辺の折り曲げによって角筒状に形成される。前記側部の角筒状の一筒口側に開口した底部において、第一フラップ板21、第二フラップ板22が対向して、底部の矩形開口を覆うように配置される。これら第一フラップ板21、第二フラップ板22が付き合わされるように配置されて箱底面を構成する。
【0022】
(第一フラップ板21)
第一フラップ板21は箱底部の一の対角線上にある第一コーナー21Cを構成する隣り合う2辺(正面板11の下辺、及び外側面板14の下辺)それぞれに、正面板11及び中側面板13に対して略垂直な角度で連結される。
【0023】
具体的には第一フラップ面板211が正面板11の下辺に連結し、台形の第二フラップ面板212が中側面板12の下辺に連結する。そして第一フラップ面板211の外側端部は斜めにカットされるとともにそのカット部から山形の連接ヒンジ213が連接される。連接ヒンジ223が第二フラップ面板212の面内に張り付けられることで、第一フラップ面板211と第二フラップ面板212とが連接される。この連接境界である斜めのカット部は、正面板11下辺と、一の側面板たる外側面板14下辺との境界である第一コーナー21Cから底面に伸びる辺であり、第一フラップ板21は、このカット部を第一谷折り辺21fとして谷折りに罫線処理される。第一谷折り辺21fにて箱内側へ折り曲げ可能に形成された第一フラップ板21は、折り畳み状態では箱上方へ折り込まれる。
【0024】
なお、第一フラップ面板211は左半部が横長矩形に形成されるとともに下辺をリード罫処理されるとともに、右半部が傾斜した突き合わせ辺を有して部分三角形に形成される。そして幅方向中央であって、前記横長矩形の部分と部分三角形の部分の間には、底部の矩形形状の対角方向につきだしたロック片23が形成される。ロック片23は実施例1ではリード罫を境界辺としてその先部が先端角丸の二等辺三角形に形成される。
【0025】
(第二フラップ板22)
第二フラップ板22は箱底部の他の対角線上にある第二底コーナー22cを構成する隣り合う2辺(正面板11の下辺、及び外側面板14の下辺)それぞれに、背面板12及び側面板14それぞれに対して略垂直な角度で連結される。第二フラップ板22は、前記第一フラップ板21と同形状からなり、第一フラップ面板221の斜めにカットされたカット部から連接された連接ヒンジ223の接着によって、第一フラップ面板221と第二フラップ面板222とが、連接境界である第二谷折り辺22f(前記斜めのカット部)を連接境界として連接される。この第二谷折り辺22fすなわち斜めのカット部は、背面板12下辺と、一の側面板たる中側面板13下辺との境界である第二コーナー22Cから底面側に伸びる辺であり、第二フラップ板22は、このカット部を第二谷折り辺22fとして谷折りに罫線処理される。第二谷折り辺22fにて箱内側へ折り曲げ可能に形成された第一フラップ板21は、折り畳み状態では箱上方へ折り込まれる。
【0026】
また第二フラップ板22の幅方向中央には、底部の矩形形状の対角方向につきだしたロック片24が形成される。ロック片24は前記第一フラップ板22のロック片23と、展開状態にて同一形状に形成される。実施例1ではリード罫を境界辺としてその先部が先端角丸の二等辺三角形に形成される。
【0027】
第一フラップ板21、第二フラップ板22はまた、前記ロック片23を境とした表面左半部に、展開状態で下方に傾斜する傾斜辺を有する(図1)。第一フラップ板21、第二フラップ板22の傾斜辺は、組み上げ状態における矩形の底部の対角線d1よりも、頂部側がわずかに突出した傾斜辺となっており、この傾斜辺が、箱形の組み上げ時に底板を構成するための突き合わせ辺となる。底部を構成する際には各フラップ板21,22を側面板や正面板、背面板に対して垂直となるように起こす。このとき、第一フラップ板21、第二フラップ板22の付き合わせ辺同士は略直線方向を向くように揃えられ、それぞれ対角線d1からわずかにずれた傾斜方向に配される(図6)。
【0028】
第一フラップ板21、第二フラップ板22は、箱の折り畳み状態及び組み上げ状態にて、底部中心を境とする対称位置に対向配置される。そして対向配置されることで底部中央部に隣接した各フラップ板21、22のロック片23,24同士を噛み合わせることで、組み立てた箱形容器の底部2を構成する。
(第一、第二挟み込み片31、32)
展開状態における第一フラップ板21、第二フラップ板22幅方向右半部にはそれぞれ、略水平の接続辺を境界として下方に第一挟み込み片31、第二挟み込み片32が延設される。また前記略水平の接続辺にはリード罫が設けられ、その先側にある第一、第二挟み込み片31、32の折癖を確実につけるものとしている。
【0029】
第一挟み込み片31の先端辺311、第二挟み込み板32の先端辺321はそれぞれ、幅方向側部から中央に向かって下方傾斜してなり、箱内面からの浮き上がりを抑止している。この先端辺311,321の傾斜角311θは共に水平に対して略5〜15度となっている。
【0030】
また第一、第二挟み込み片31、32の幅方向中央寄りの側辺は、ロック片23,24の幅方向中央に至る内側位置にまで及んでおり、第一、第二挟み込み片31,32同士が重ならない程度で各片の幅を最大に広げ、挟み込み機能がより確実なものとなるようにしている。このように挟み込み片31,32の幅を広げることで内側に寄った幅方向中央寄りの側辺は、フラップ板21,22との接続部付近に、幅方向中央から外側に向かう切り込み312、322を形成している。切り込み312、322によってロック片23,24と一定の離間距離を保つことで、互いの片の干渉を防ぐものとしている。なお実施例の切り込み312,322の切り込み角312θは、共に水平に対して略45度となっている。
【0031】
第一挟み込み片31,第二挟み込み片32は、箱形成形時に箱上方に折り返され、箱内を斜め外方へ傾斜して伸びることで、箱内の収容物を正面板11側と背面板12側から挟み込む状態となる。そのため第一、第二フラップ板のフラップ板幅22Wは側板幅13Wの60%〜80%となっている。
【0032】
(中仕切り部)
中仕切り部は、貼り合わせ側板15から外側方へ、第一側板51、第二側板52、第三側板53が順に連接形成されてなり、第三側板53の裏側が背面板12の内面に貼り合せられることで、収容ケースの角筒内に三方側枠を構成する。また第三側板53には前記連接方向と逆方向へ、第二側板52よりもやや長い底仕切り板54が側方連接される。この底仕切り板54は角筒の組み上げ時に三方側枠内を斜めに横切り、三方側枠内の第二収容物B2を支えるための底部を構成する。
【0033】
(組み上げ方法)
上記のように構成された箱形収容ケースを組み上げるには、連接された側板を角筒状に起こし、第一フラップ板及び第二フラップ板を突き合わせて第一ロック片23と第二ロック片24を底部中央で互いに係止させるように端のフラップ板内へ差し入れる。これにより図6に示すような底部を有した箱状態に組み上げることができる。
【実施例2】
【0034】
実施例2は実施例1と比べて中仕切り部を有さない。またロック片23,24は部分円弧状でかつ付き合わせ辺側の端部に小切り込みが形成されている。また挟み込み片31,32の先端辺311,321は延設方向に対して垂直すなわち水平方向に形成され、実施例1のような傾斜辺ではない。他の特記しない構成及び使用方法は実施例1と同様である。
【0035】
実施例2によれば図8に示すように、組み上げ時に挟み込み片31,32の先端辺311,321の幅方向外側部分に、正面板/背面板に対する浮き上がり部3Dが形成される。これは各フラップ板21,22が谷折り辺21F、22Fを有し、組み上げ時にねじれながら起き上ることに基づくものである。浮き上がり部3D内に誤って収容物が入り込む可能性があるものの、挟み込み片31,32はより収容物寄りに配置されるため、収容物を確実に挟み込むことが可能である。
【0036】
(他の実施例)
上記実施例に代えて、第一、第二フラップ板を有する部分を側面側とし、正面板、底面板、背面板、及び天面板が連設されて角筒を形成するものでもよい。其の他本発明は上述した実施例に限定されず本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更、要素抽出、構成の省略、形状・位置変更が可能である。
【符号の説明】
【0037】
11 正面板
12 背面板
13 中側面板
14 外側面板
21 第一フラップ板
22 第二フラップ板
31 第一挟み込み片
32 第二挟み込み片
21C 第一コーナー
22C第二コーナー
21f 第一谷折り辺
22f 第二谷折り辺
311,321 先端辺
30 リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面板(11)、中側面板(13)、背面板(12)、及び外側面板(14)が順に連接され、これらの各連接辺の折り曲げによって角筒状に形成される側部と、
前記正面板(11)の下辺、及び隣接する一の側面板の下辺に共連結された第一フラップ板(21)と、
前記背面板(12)の下辺、及び隣接する他の側面板の下辺に共連結された第二フラップ板(22)とを有し、
前記第一フラップ板(21)と第二フラップ板(22)とを箱底部にて突き合わせることで、有底箱体を構成する箱形容器において、
第一フラップ板(21)、第二フラップ板(22)にはそれぞれ、箱形成形時に箱上方を向いて伸びる第一挟み込み片(31)、第二挟み込み片(32)が延設され、
第一挟み込み片(31),第二挟み込み片(32)が箱内を斜め外方へ傾斜して伸びることで、箱内の収容物を正面板(11)側と背面板(12)側から挟み込むことを特徴とする箱形収容ケース。
【請求項2】
第一フラップ板(21)は、前記正面板(11)下辺と前記一の側面板下辺の境界である第一コーナー(21C)から底面に伸びる第一谷折り辺(21f)にて箱内側へ折り曲げ可能に形成され、
第二フラップ板(22)は、前記背面板(12)下辺と前記他の側面板下辺の境界である第二コーナー(22C)から底面に伸びる第二谷折り辺(22f)にて箱内側へ折り曲げ可能に形成され、
第一挟み込み片(31)の先端辺(311)、第二挟み込み板(32)の先端辺(321)はそれぞれ、幅方向側部から中央に向かって下方傾斜してなる請求項1記載の箱形収容ケース。
【請求項3】
第一挟み込み片(31)、第二挟み込み片(32)はそれぞれ、第一フラップ板(21)、第二フラップ板(22)との連接辺側から先端辺(311、321)側に向かって複数のリブ(30)が形成されてなる請求項1又は2に記載の箱形収容ケース。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−162250(P2011−162250A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−29565(P2010−29565)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000202154)相互印刷紙器株式会社 (43)
【Fターム(参考)】