箱詰めした手袋の梱包
本発明は,手袋を箱に梱包する手袋梱包装置と,手袋を箱に梱包する方法,特に使い捨て医療用手袋を梱包する方法とに関する。手袋を箱の内部に梱包するための手袋梱包装置(1)は,梱包する手袋の束を形成する容器(26)を備え,この容器は手袋の束を収容するための周囲壁(24,25)を設けており,上記装置は更に,手袋の束を支持するための,周囲壁に囲まれた床(22)と,手袋を積み重ねる工程中に追加の手袋を入れることができる,床と対向する開口部(27)とを備えている。床(22)は周囲壁(24,25)に対して可動であるため,使用時には,床を容器開口部(27)から比較的離間した場所へ移動することで,手袋の束に手袋を追加でき,周囲壁は手袋の束を収納した状態を維持できる。次に,床(22)を開口部に向かって相対的に動かすと,手袋の束を容器から取り出すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,手袋を箱に梱包するための手袋梱包方法及び装置に関し,特に,使い捨て医療用手袋の梱包に関する。
【背景技術】
【0002】
病院やクリニック内及び医師の手術における患者への感染の制御は,複数の抗生剤に対する耐性を有する感染細菌,特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やクロストリジウム・ディフィシル(C.ディフィシル)の発生に伴い,過去にないほどより差し迫った問題となっている。院内感染による死者は英国内だけでも年間約5,000人と推定されているが,その数は20,000人に上ると推定する専門家もいる。
【0003】
使い捨て医療用手袋は相互汚染の防止に寄与するが,手袋取り出し容器の有害な微生物で汚染された手が既に触れた部分と同じ部分を,手袋の外側部分が触れてしまった場合には問題が生じる。すると,手袋のこのような外側部分は,患者と接触する前に汚染されてしまう可能性があり,また,この外側部分が手袋の指又は掌部分であれば,患者が汚染される確率は劇的に増加する。
【0004】
病院及びクリニックで使用されている手袋の殆どは検査用手袋であり,大量に使用される。このような手袋は,個別に滅菌包装されて供給されるのではなく,比較的安価な厚紙で出来た取り出し箱に入って供給される。手袋の保管に要するスペースを最小に抑える必要があるため,箱詰め手袋の寸法,又は,箱詰め手袋を収容する取り出し装置の寸法が問題となる。
【0005】
感染を制御する効果を高めるために,手袋の腕回り部分から取り出す方法が好ましいとされているため,使用者が手袋を容器から取り出す場合,指などの部分からではなく腕回り部分からしか取り出せなくなっている。しかしながら,手袋を腕回り部分から取り出すには,手袋が通って出てくる箱の範囲の縁が使用者の手で汚染されてしまうので,使用者が容器から手袋を取り出すときにこの範囲に触れると,使用者の手のあらゆる汚染が手袋に移る可能性が高まる。
【0006】
そこで,本発明の目的は,手袋を容器から取り出す際に,使用者の手で既に汚染された範囲に,手袋が接触することを防ぐ手段を提供することにある。
【0007】
本発明の更なる目的は,箱詰めされた手袋の梱包容量を低減することである。
【0008】
発明の概要
本発明によれば,手袋を箱に梱包するための手袋梱包装置が提供され,この装置は,梱包するために前記手袋の束を形成する容器を備え,該容器は,
− 前記手袋の束を収納するための周囲壁と,
− 前記手袋の束を支持するための周囲壁内の床と,
− 床と対向し,前記手袋の束に更なる手袋を追加することができる開口部と
を設け,
前記床は周囲壁に対して可動であり,そのため使用時には,
− 手袋の束に手袋を追加する際に周囲壁が手袋の束を収納し続けることができるように,床は前記開口部から比較的離間した位置へ移動でき,
− 容器から手袋の束を取り出すために,床は前記開口部の比較的近くまで移動できる。
【0009】
箱は単層の厚紙,堅紙,プラスチックシート材料等の任意の適切な材料で形成できる。
【0010】
手袋の束は,手作業又は機械により自動的に,例えば,一度に1つ又はそれ以上の手袋を開口部から挿入して,容器の床により支持される手袋の束を作ることで形成できる。したがって,周囲壁は手袋の束が積み上げられるときにその形状を画定及び制御する役割を担い,最終的にこれが,凸部を最小にして各手袋の生地を均等に広げた,均一な手袋の束を確実に得ることに貢献する。束が積み上げられるにつれて床が開口部から離間していくため,梱包作業員又は梱包機械は容器内に接触する必要はなく,容器の開口部の高さの近くで作業しながら,手袋を束にする前に手袋を正確な方向に向けることが可能である。束が積み上がるにつれて床が開口部から離間していくため,束の作業高さに簡単に到達できる状態を保つことができるが,開口部の高さよりも著しく上に突出することはない。終始,周囲壁は,束が傾かないよう安定させ続ける一方で,好適には束の側壁を平均して直線状に,かつ,互いに平行にすることを確実にする。
【0011】
本発明の好適な一実施形態では,周囲壁は固定され,床が開口部に接近又は離間可能に可動である。しかしながら,代替案として,床を固定し,周囲壁を装置の可動構成部品とすることも可能である。
【0012】
また,本発明の好適な一実施形態では,床は,実質的に矩形又は正方形のピストンの上面であり,このピストンは類似形状のシリンダ(piston bore)を移動する。
【0013】
開口部の周囲に延びた作業面等の表面の下に容器を嵌め込んでも良い。これは,周囲面上で行う手作業での手袋の分類及び整列に寄与し,これらの作業が終了した後に手袋をこの周囲面上で容易に移動させ,容器に入れることができる。この面はまた,手袋を容器内に自動配置する上でも寄与し得る。
【0014】
この容器は一般的に,手袋を梱包する箱の内部容量を反映した形状を備える。したがって,通常は,基部から周囲壁が実質的に垂直上方に延在する。しかしながら,この周囲壁は,容器内に積まれた手袋の収納に悪影響を与えない限り断続的であってもよい。
【0015】
本発明の好適な一実施形態では,周囲壁は少なくとも1つの溝を設け,かつ,本装置は,容器の基部に置かれるように適応される梱包プレートを更に備えている。この梱包プレートは,周囲壁の1つの溝から延びた延在部材に固定されている。次に,手袋の束が完成して箱へ移送する準備ができたら,延在部材を使用して,梱包プレートを容器から持ち上げる,又は取り除くことができる。
【0016】
梱包プレートを基部上に正確に配置する補助として,基部は少なくとも1つの立設された機構を基部の表面に設けても良い。本発明の好適な一実施形態では,基部は周囲縁の周囲に,梱包プレートの1つ又はそれ以上の対応する外部縁と共に配置される少なくとも1つの立設された機構を設けている。
【0017】
更に本発明によれば,手袋梱包装置を使用して手袋を箱に梱包する方法が提供され,この装置は,開口部と,開口部に対向し,かつ,該開口部に対して可動である床とを設けた容器を備え,この工程は,
− 床によって支持された手袋の束を作るために,一度に1つ又はそれ以上の手袋を開口部から容器内へ挿入するステップと,
− 手袋の束を容器に入れるために,必要に応じて床を開口部から離間した場所へ移動させるステップと,
− 手袋の束が完成した後,この手袋の束を前記箱の内部へ移送するステップとを備える。
【0018】
箱の内部への手袋の移送は,まず床を開口部に向けて移動して手袋の束に簡単に到達できるようにし,次に,手袋が手袋の束に追加されたときに容器に手袋の束を収容できるよう,床を開口部から離間した場所に移すことで移送が容易となる。
【0019】
続いて,手袋を詰める箱の開放端部を容器の開口部と対向するように位置させても良い。箱の開放端部は,周囲壁の外側と嵌合して延在スリーブの形状とすることも任意である。いずれの場合も,その後,手袋の束を箱の開口端部内へ移動させるように,容器の床を容器開口部に向けて移動させることができる。
【0020】
次に,手袋の束を箱の内部に収容したままで,容器の開口部から箱を取り出すことができる。装置から取り出した箱は,例えばフラップを箱の開口部の上に折り曲げることで閉じることができる。
【0021】
本装置が延在部材を設けた梱包プレートを備える場合には,第1ステップは,手袋を開口部から挿入する前に,梱包プレートを,延在部材が容器の外側に延びた状態で可動床の上に配置することである。次に,手袋の束を箱へ移送する準備ができたら,延在部材を補助として用いて,手袋の束を箱の内部へ移送できる。この工程中,梱包プレートは,手袋を完全に箱の内部に収容及び圧縮することを補助するうえで特に有用である。
【0022】
開放状態の箱は,動かして箱の開口部を閉じることができる1つ又はそれ以上のフラップを設けてもよい。次に,梱包プレートを上記手袋の束に関する適所に残したままで,これらのフラップのうち少なくとも1つを閉じてもよい。これは,箱を閉じることができるまで,手袋を箱の内部に圧縮及び収納しておくことに寄与する。少なくとも1つのフラップを閉じた後に,梱包プレートを手袋の束から取り除いてもよい。
【0023】
本発明の好適な一実施形態では,本装置は,梱包される手袋よりも摩擦係数の低い梱包要素を更に備える。次に,この梱包要素を,手袋を開口部から挿入する前に梱包プレートを覆うために使用し,その後,梱包要素の上に直接手袋の束を形成する。梱包要素が,梱包プレートと手袋の束の間に緩衝部を提供し,束の一番上にある手袋を掛止したり取り払ってしまうことなく,梱包プレートを滑らせて箱から取り出せるようになる。
【0024】
本発明は更に容器内における手袋の整列を維持する圧縮プレートを提供し,この圧縮プレートは第1部材及び第2部材と付勢手段とを備えており,これらの部材は,これらの間に設けられた第1の折り目で接合しており,
− 第1部材は,これを第1部分と第2部分に分割する第2の折り目を有し,
− 各々の両部分は,付勢手段によって互いに引き寄せられることで第2の折り目に沿って屈曲し,第2部材から離間する傾向を有する。
【0025】
第1部材及び第2部材は対応した切り抜き部を第1の折り目の付近にそれぞれ設けてもよく,これらの切り抜き部は少なくとも部分的に重なり合っていることで,使用時に切り抜き部から手袋を取り出すことができるようにしている。
【0026】
弾性バンドであり得る付勢部材は,第1部材の第1部分及び第2部分の両方の,例えば側縁に設けた係合機構と係合しても良い。
【0027】
第1及び/又は第2部材は,厚紙,堅紙,プラスチックシート材料等のシート材料で形成されることが好適である。
【0028】
本発明の一例を添付図面を参照して更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の好適な実施形態に記載された手袋梱包装置上から一側面を見た斜視図を示し,この装置は,梱包容器を形成する内部周囲壁面及び可動基部を有する梱包スリーブと,梱包プレートと,梱包容器内に挿入される梱包要素を備えている。
【図2】図1の可動基部上から一側面を見た斜視図を示す。
【図3】図1の梱包装置であり,梱包容器に手袋の束を一杯に充填した状態を示す。
【図4】手袋の束を梱包する梱包箱を受容するための箱型容器を示す。
【図5】図3の梱包装置であり,箱型容器を梱包スリーブの開放端部の上に配置した状態を示す。
【図6】梱包スリーブから取り除いた状態の梱包箱を示しており,梱包プレートと梱包要素を使用して,手袋の束を梱包箱の内部に圧縮している。
【図7】梱包箱の2つの側部フラップを,最初に梱包プレート上から折り曲げた状態を示す。
【図8】梱包箱から梱包プレートを取り除き,梱包要素を梱包箱の内部に残した状態を示す。
【図9】梱包箱を完全に閉じるために,側部フラップ上から2つの端部フラップを折り曲げた状態を示す。
【図10】本発明の第2の好適な実施形態に記載された手袋梱包装置上から一側面を見た斜視図を示し,この装置は,一部を周囲の作業面内に嵌合された正方形の梱包スリーブを設けている。
【図11】梱包容器に梱包プレートと梱包要素を挿入した後の図10の手袋梱包装置を示し,梱包要素のタブが容器の壁に沿って立設している。
【図12】手袋で満杯になった箱の内部に梱包要素が残っている状態を示す。
【図13】本発明の第3の好適な実施形態に記載された手袋梱包装置上から一側面を見た斜視図を示し,この装置は,作業面と同じ高さに嵌合された正方形の梱包スリーブを設けている。
【図14】手袋の束を箱の内部に圧縮しておくための圧縮プレート上から一側面を見た斜視図を示す。
【図15】図14の圧縮プレートを下から見た図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は,梱包スリーブ2,梱包プレート28,梱包要素30を設けた手袋梱包装置1の第1の実施形態を示す。梱包スリーブ2は垂直に延在し,アールを備える角部8を設けた矩形の水平断面を有する。このスリーブは2分された部材10,11から形成されており,各々の部材は同じ形であり,屈曲したシート状の金属,好適にはステンレス鋼から形成されている。部材10,11の各々は水平断面において四角形のC字型をしており,梱包スリーブ2の長側部12,13の全体に延在している。スリーブの部材10,11は,スリーブ2の短側部16,17の中心に沿って,垂直に延在した間隙14,15によって分割されている。
【0031】
梱包スリーブ2は,床面22を備えた可動基部20を含む。図3に示すように,床22と,スリーブの部材10,11により構成される内部の壁面24,25とが,装置1で梱包する手袋の束100を受容するための梱包容器26を画定している。したがって,内部の壁面24,25は梱包容器26の外周の周りに延在しており,該梱包容器26は周囲の壁面24,25によっても画定されている開口部27を設けている。
【0032】
好適には,この装置は鋼鉄製の梱包プレート28と不織布製の梱包要素30を含み,これらは最初に梱包容器26内に挿入される。以下にこれらの機能について説明する。
【0033】
図2は,基部20をより詳細に示す。好適には,この基部は一体型のプラスチック成形品として形成されており,スリーブの角部8付近の内部の壁面24,25と密接に摺接嵌合するように形成された4本の下方に延びた脚32を設ける。これらの脚の間には,レバーアーム36の一端に接続された支点34がある。レバーは,支点34から周囲の壁24,25の第1の間隙14を通って延びており,レバーの他端は図1で見ることができる。レバー36は手動で操作され,スリーブの部材10,11の外側に固定された旋回点38の周囲で旋回する。レバーアーム36の端部のレバーハンドル40を上下に動かすと,これに対応して基部20が上下に動く。
【0034】
基部20の床22はスリーブの断面と同じ矩形であるが,その長さと幅は,基部20と周囲の壁面24,25との間に障害物のない間隙(a clear gap)42を設けるために,スリーブの断面よりも短くなっている。この間隙は,基部20の床22から下方に延在している矩形の条片44によって画定される。この条片の下方縁45は下部垂下面46にて終端するので,間隙42の寸法は条片の下方縁45の真下で増加している。基部の床22は周囲縁51に近接しているため,したがって,基部20の突設された機構44,45,46よりも上に延在している。
【0035】
基部は,条片の下方縁45の下の,矩形の条片44の幅と少なくとも等しい距離で離間した場所に,矩形プラットホーム48を設けており,該矩形プラットホーム48は矩形の外形は周囲の壁面24,25の形状と一致する矩形の形状を有しており,それにより基部プラットホームがこれらの周囲の壁面と密接に摺接嵌合できるようになっている。これにより,脚32と支点34が基部プラットホーム48から下方に延びる。基部プラットホーム48は,一方で脚32と,他方で周囲の壁面24,25と接触することで,基部20と周囲の壁面との間の垂直運動を案内する。
【0036】
以下に説明するように,手袋を支持するために用いる床22に,基部の,スリーブ2内で基部20と摺接嵌合する部分に対して上方及び内方に段部が形成されているこの配置により,支持された手袋が可動基部20とスリーブ2の周囲の壁面24,25との間に掛止したり,挟持されたりすることが大幅に低減されるか又は無くなる。
【0037】
基部の床22は,床の外周縁51を,実質的に完全に包囲する立設された周縁部50を有する。この周縁部50は,梱包プレート28が基部の床22に支持されるようにした場合に該梱包プレート28の主要矩形部分52が周縁部50内に位置するような寸法となっている。梱包プレート28は,中央矩形部分52の一端に前方延在タブ54を設け,対向する端部にハンドル56を有する後方延在タブ55を設けている。このハンドル56により,梱包プレートを手で容易に握持して動かすことができる。梱包プレートを最初に梱包容器26内に挿入した際に,両方の突起部54,55がスリーブの孔14,15と密接に摺接嵌合するので,梱包プレートが,基部の床22の周縁部50を有する場所へ案内される。梱包プレートの中央矩形部分52が基部の床22と同じ高さに位置できるよう,周縁部50には,梱包プレートの突起部54,55を格納するための1対の間隙58,59が設けられている。
【0038】
梱包凹部26内に手袋を挿入する前に,梱包要素30を梱包プレート28の中央矩形部分52上に直接配置する。梱包要素は不織布又は紙の小片であり,この小片は,梱包要素の矩形部分52の寸法と一致する寸法の主要矩形部分60と,梱包プレート28の前方タブ54を覆う前方延在タブ62とを設ける。
【0039】
図3〜図9は,使い捨て医療用手袋70を収納した箱64を効率的に梱包するために本装置をどのように使用するかを図示する。箱64は,例えば単層の厚紙,堅紙,プラスチックシート材料等のあらゆる適当なシート状材料で形成できるが,この例では厚紙を用いている。梱包プレート28と梱包要素30を梱包容器26内に挿入した後,基部20を梱包スリーブ2の上方縁66の真下から短い距離で離間した場所へ移動させる前又は後に,手袋を手で整列し,一番下にある手袋70が梱包要素30の上に直接配置される形で容器26内に挿入する。理想的には,基部の床22は,最も新しく梱包された手袋がスリーブ上方縁66の下に,これに接近して位置し,これにより,手袋の束100が梱包スリーブ2の内部の壁面24,25によって常に収納され,整列されることが可能となる高さに設定されるべきである。
【0040】
この装置は,基部20の下方への移動を,手袋の束の所望の垂直寸法に対応する下限に設定する停止機構(図示せず)を含むことが好適である。これが達成されると,図4に最も詳細に示すように,手袋の束100を厚紙の箱64に移す用意ができる。箱64は水平断面が矩形であり,高さはその幅と等しいか,又は幅よりも短い。箱64は,4つのフラップ71,72,73,74を,4つの対応した側部75,76,77,78の頂部縁に設けている。フラップは,最初に梱包箱の開口部65の周囲に外方へ広がる。
【0041】
梱包箱64は最初に,梱包箱64の形状と一致する内部容量79を有する箱型ホルダ又はキャリヤ80内に挿入される。梱包箱キャリヤ80は,箱型容器83へ達する実質的に矩形の開口部82を設けており,箱型容器83は,梱包工程中に梱包箱64を受容して機械的に支持する。
【0042】
梱包箱64を,箱フラップ71〜74が外方に広がった状態で梱包箱キャリヤ80内に設置すると,梱包箱の開口部65が梱包スリーブ2の上方縁66まで上昇して,これと接触するため,図5に示すように,上方縁66に最も近い梱包スリーブの延在外面84(図3参照)が梱包箱の開口部65内に嵌合される。
【0043】
次に,レバーアーム36を使用して基部20を上昇させ,手袋の束100を梱包箱64の内部基部に対して押圧する。手袋の束100から空気が逃げるにつれ,前方及び後方梱包プレート突起部54,55が,これと対応する梱包箱キャリヤ80の前方壁94及び後方壁95の,上方中央部分から対向する方向へ外方に延在している,前方及び後方突起タブ92,93上に配置された1対の磁石90,91に接近する。梱包プレート28のこれらの突起部は鋼鉄製であるため,梱包プレートは梱包箱キャリヤに対して磁気的に固定される。
【0044】
手袋の束100が上方へ動く間に,束の外部縁が周囲壁24,25に沿って摺動され,下方に偏向する。本発明の重要な特徴は,基部プラットホーム48と周囲の壁面24,25との滑動接触部分よりも上の障害物のない間隙42と突出部分46とによって,束の一番下にある手袋が邪魔をしたり,滑動基部20とスリーブ2の間に挟持されることを防止できる点である。
【0045】
次に,梱包作業者は,図6〜図9に示すように,箱詰めされた手袋及び周囲の組み立て品を,梱包プレートハンドルを用いて持ち上げ,この磁気的に固定された組み立て品を裏返し,作業面付近に配置することができる。
【0046】
箱を閉じるための第1ステップは,図7に示すように,梱包箱64の長側部75,76上の1対のフラップ71,72を内側に折る。次に,これらの閉じたフラップ71,72を適所に保持しながら,梱包プレートハンドル56を用いて,梱包プレート28を梱包箱キャリヤ80から離間するよう水平に滑動させ(96),1対の磁石90,91との磁気的な固定を解除する。
【0047】
梱包要素30の存在は,梱包プレート28の滑動動作96を一番上にある手袋70から隔離するのに寄与し,これにより手袋の束100が梱包プレートの引き出しによって崩壊することがなくなる。
【0048】
その後,残った2つの端部フラップ73,74を内側に折る間,梱包要素30が適所に保持されることが好適である。図8に示すように,端部フラップ73,74はそれぞれ1対の側部タブ97を設けており,これら1対の側部タブ97は,梱包箱64の側部フラップ71,72とこれに対応する側部パネル75,76との間の折り目99に設けられた対応する側部溝98と係合する。その後,充填された梱包箱64を梱包箱キャリヤ80から取り出しても良い。
【0049】
梱包される手袋は,腕回り部分が同じ方向を向いた状態で,あるいは,腕回り部分が交互の方向を向いた状態で,半分に折り畳める点に留意されたい。これにより,スリーブ2と梱包箱の内部寸法を,梱包する手袋が梱包容量を最小に抑えつつ梱包箱の内部に整然と収まる形で,手袋の束の所望の幅と長さに応じて設定することができる。
【0050】
これに対し,図10は,本発明の第2の好適な実施形態に記載された手袋梱包装置201上から一側面を見た斜視図を示す。これは,梱包スリーブ202と梱包プレート228が全て略正方形の外形を有し,同様に正方形の箱一杯に手袋を梱包するという点で第1の実施形態と異なる。やはり1枚の紙から成る梱包要素230の摩擦係数は,梱包する手袋の摩擦係数よりも低い。梱包要素230は,実質的に正方形の外形を有する点が第1実施形態と異なるが,紙片230の4つの角241〜244の付近を除いた梱包用紙片の各側部231〜234から延在する,4つの類似のタブ211〜214を設けている。
【0051】
図11に示すように,梱包用紙片230が梱包スリーブ202内に挿入されると,タブがスリーブの内壁225に立設される。これを補助するために,破線240で概略的に示され,紙片の隣接する角部241〜244の間にそれぞれ延びる折り目によって,タブを画定しても良い。このタブは,上述したように,手袋を箱の内部に梱包するべく床220が上昇する際に,手袋の一部がこの間隙に挟持されることを防止するために,壁225と梱包プレート228又は可動基部220の床222との間の間隙の大部分を上から被覆する。
【0052】
梱包スリーブ202は作業面250によって包囲され,その一部は作業面250の内部に,手作業又は機械によって梱包スリーブが手袋で充填されると梱包プレート228が作業面上に位置する高さで設置される。
【0053】
梱包プレート228の使用は上述したものと類似する。しかしながら,この実施形態では,梱包用紙片230は図12に示すように梱包箱280内に残るようになっている。図12では,4つのタブのうちの2つである211,212は,箱280の内面281,282で内側へ下向きに曲がった状態で示されている。したがって,紙片230も,箱の梱包中に,手袋の束285を実質的に上から覆うことで,箱の内部の手袋をいくらか保護している。
【0054】
図12に示す箱の正方形の外形は,幅120mm,奥行130mm,高さ100mm〜140mmであり,この実施例では高さは130mmである。当然ながら,特定の幅,奥行,高さは,手袋の指先から腕回り部分までの長さ,手袋材料の厚み,各箱に梱包する手袋の枚数のような多くの要素によって異なる。
【0055】
このような正方形の外形の装置の中の手袋は,束ねた状態では,各手袋の指が,束から先に取り出される順序に関連して,手袋の腕回り部分の周囲に折り畳まれた形で折り重ねられている。図示されていないが,この装置は,箱280の,梱包用紙片側とは反対側の取り出し孔から腕回り部分が最初に出る取り出し方式に適しており,この取り出し方式では,取り出し孔から各手袋の腕回り部分が最初に出て,次の手袋の腕回り部分を引き出して,取り出し孔から取り出されるようにする。こうすることで,取り出し孔からは,各々の取り出される手袋の腕回り部分が最初に引き出されるので,各々の取り出された手袋の指の部分に使用者が触れることがない。
【0056】
図13は,本発明の第3の好適な実施形態に関する手袋梱包装置301を示し,この実施形態は第2の実施形態201と類似するが,作業面350の正方形の凹部303内に嵌合された正方形の梱包スリーブ302を設けている。凹部303は1側部304で開放しており,それにより,梱包スリーブ302を凹部303に対して,矢印305で示すように動かすことができる。
【0057】
作業面350は,脚やその他の支持部(図示せず)によって作業者に便利な高さに支持されても良く,好適にはその場所に固定される。梱包スリーブ302は,作業者が要望に応じて動かすことができるように,例えば台車(図示せず)の上に搭載されて可動である。
【0058】
梱包スリーブは,作業面305の高さと同じ高さの頂部縁306を設けている。そのため,作業者が作業面上の梱包スリーブの周囲に積まれた手袋を収集し,折り畳み(図示せず),次に,これらの手袋を一度に1枚ずつ持ち上げるか滑らせて梱包スリーブ内に入れ,梱包スリーブ内の可動床320の床表面322の上に折り重ねた手袋の束を積み上げることができる。最初は,床表面は梱包スリーブの頂部縁306の近くにあるが,該頂部縁306の高さの真下に陥没している。手袋の束が積み上がるに従い,作業者は床の表面322を下げて,手袋の束の頂部が梱包スリーブの頂部縁306の高さを超えないようにする。こうすることで,束が積み上がったとき,手袋がスリーブの内壁325によって垂直に整列される。
【0059】
十分な数の手袋が梱包スリーブ302内に挿入されると,該梱包スリーブ302を凹部303から取り出し,別の作業ステーション(図示せず)へ移動する。この作業ステーションでは,梱包スリーブの露出した頂端部の上に空の箱280を適切に配置し,次に,梱包プレート328を用いて,可動床320によって手袋を箱の内部に圧縮し,その後,箱を上述のとおり閉じて封止する。
【0060】
梱包工程を便宜的に,異なる作業ステーションにおいて2段階に分割する理由は,箱に手袋の束を詰める方が,梱包スリーブの凹部を折り重ねた手袋の束で充填するよりも格段に速いためである。したがって,手作業での梱包オペレーションでは,各作業ステーションにつき,それぞれが束ねられた手袋を箱に詰める担当の作業者といったように,梱包スリーブ内に手袋の束を箱に詰める担当の数人の作業者を配備しても良い。
【0061】
可動梱包スリーブを設けた製造ラインにおけるこのような工程段階の分割は,次のような機械オートメーションにも適している。すなわち,コンピュータビジョンを採用したロボットシステムを使用して手袋を折り畳み,スリーブ内に詰めた後,別個の箱梱包ステーションで専用の機械により,梱包スリーブに収納された手袋の束を箱に梱包する作業の機械オートメーションである。自動化されたシステムでは,コンベヤベルトによって手袋をスリーブ梱包ステーションへ運搬してもよい。コンベヤベルトと併用して,ロボットアームが各手袋を取り上げ,腕回り部分と指が正しい方向に向いた状態で手袋をスリーブ内に置くことができるよう,各手袋を正しい向きに向けるための手袋フリッパを使用してもよい。このような自動化システムでは,各手作業箱詰めステーションにつき,2つ又はそれ以上の自動化スリーブ梱包ステーションを設けた上で,第2段階である箱梱包段階を手作業で行うこともできる。
【0062】
図14,図15は,梱包箱64を手袋の束100で充填する前に梱包箱64の内部に挿入しておく,略矩形の圧縮プレート101を示す。この圧縮プレート101は厚紙材料の細片で形成され,また,圧縮プレートが細長い上方部材104と細長い下方部材105を有するよう,圧縮プレートを折り曲げるための第1の横の折り目102を設けている。別の横の折り目106が上方部材104の長さの中間を,上方部材104を横断して設けられ,それにより,該上方部材164を前方部分108と後方部分109に分割しており,これらの各部分の長さは圧縮プレート101の長さに沿った方向において同一である。
【0063】
前方部分108と後方部分109のそれぞれは,上方部材104の折り目106に最も近い,前方部分108と後方部分109のそれぞれの部分において,上方部材104を形成しているカード材料の側部縁111,112に1対の切欠部110を設けている。各切欠部110には弾性バンド114が係合しており,上方部材104が下方部材105に対して平坦に載置されている時には,この弾性バンドが伸長し,前方部分108と後方部分109を互いに引き寄せる。上方部材104の折り目106は,前方部分108と後方部分109の間に蝶番を形成する。
【0064】
図4に示すように,下方部材105が箱の開口部65に向いたまま,圧縮プレートは空の梱包箱64内に挿入される。箱フラップ71〜74は閉じる際に,使用可能状態の梱包箱の基部を形成し,また,箱の反対側には,半円形の剥離式パッチ117が設けられており,このパッチは,まず手袋70の腕回り部分を最初に梱包箱64から取り出せるようにするべく,手袋の束100の腕回り端部116に手が届くよう使用前に除去される。
【0065】
圧縮プレートは,上方部材104及び下方部材105の両方において,類似した形状であるが,より大きい半円形の切り抜き部118,119を設けている。下方部材105の切り抜き部119は上方部材104の切り抜き部118よりも大きく,切り抜き部118は,梱包箱64の剥離式開口部117よりも大きい。
【0066】
使用者が梱包箱64を開いて,開口部から手袋70の腕回り部分を最初に引き出すと,使用者は箱の開口部117を自分の指で触る可能性がある。しかしながら,この下部の切り抜き部118,119は,該下部の切り抜き部の上を覆う箱の開口部117から生じる潜在的な汚染から使用者を保護する。
【0067】
手袋を取り出すにつれて箱の内部に空間が形成される。弾性バンド114が張設されており,上方部材104の部分108,109を折り目106で屈曲させることができるので,弾性バンドに上方部材の部分を図14に示すようにV字型に屈曲させる蝶番として機能する。折り目106はこのV字型の頂点を形成し,梱包箱64の頂部の内面を支えることで,圧縮プレート101の下方部材105を,箱の内部に残っている手袋の束の一番上にある手袋に対して圧縮する。手袋を取り出す際に,上方部材の両部分は屈曲し続けるため,手袋の束の頂部と上方部材105の間の接触が維持される。これにより,箱の内部での手袋の束の整列が維持される。信頼性の高い腕回り部分からの取り出しを確実に得るためには,手袋70の腕回り部分が箱の開口部117の付近に位置している必要があるので,このことは重要である。使用者は手袋を腕回りから引き出すことができるため,使用者と検査に使用される手袋外面との接触が防止され,手袋の使用によって微生物又はその他の汚染形態が拡散する危険が減少する。
【0068】
上を覆う箱の開口部117と上方プレート切り抜き部118によって,手袋が取り出される際に手袋が汚染する可能性も減少するが,これは,箱の開口部117と切り抜き部分118の双方が,手袋の束の一番上にある手袋と接触したままとなる下方プレート切り抜き部119をあらゆる汚染から保護するためである。
【0069】
したがって,本発明は,手袋を箱型容器に梱包する便利な方法と,更に,手袋を取り出す際に清潔性を維持する効果的な方法とを提供する。
【技術分野】
【0001】
本発明は,手袋を箱に梱包するための手袋梱包方法及び装置に関し,特に,使い捨て医療用手袋の梱包に関する。
【背景技術】
【0002】
病院やクリニック内及び医師の手術における患者への感染の制御は,複数の抗生剤に対する耐性を有する感染細菌,特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やクロストリジウム・ディフィシル(C.ディフィシル)の発生に伴い,過去にないほどより差し迫った問題となっている。院内感染による死者は英国内だけでも年間約5,000人と推定されているが,その数は20,000人に上ると推定する専門家もいる。
【0003】
使い捨て医療用手袋は相互汚染の防止に寄与するが,手袋取り出し容器の有害な微生物で汚染された手が既に触れた部分と同じ部分を,手袋の外側部分が触れてしまった場合には問題が生じる。すると,手袋のこのような外側部分は,患者と接触する前に汚染されてしまう可能性があり,また,この外側部分が手袋の指又は掌部分であれば,患者が汚染される確率は劇的に増加する。
【0004】
病院及びクリニックで使用されている手袋の殆どは検査用手袋であり,大量に使用される。このような手袋は,個別に滅菌包装されて供給されるのではなく,比較的安価な厚紙で出来た取り出し箱に入って供給される。手袋の保管に要するスペースを最小に抑える必要があるため,箱詰め手袋の寸法,又は,箱詰め手袋を収容する取り出し装置の寸法が問題となる。
【0005】
感染を制御する効果を高めるために,手袋の腕回り部分から取り出す方法が好ましいとされているため,使用者が手袋を容器から取り出す場合,指などの部分からではなく腕回り部分からしか取り出せなくなっている。しかしながら,手袋を腕回り部分から取り出すには,手袋が通って出てくる箱の範囲の縁が使用者の手で汚染されてしまうので,使用者が容器から手袋を取り出すときにこの範囲に触れると,使用者の手のあらゆる汚染が手袋に移る可能性が高まる。
【0006】
そこで,本発明の目的は,手袋を容器から取り出す際に,使用者の手で既に汚染された範囲に,手袋が接触することを防ぐ手段を提供することにある。
【0007】
本発明の更なる目的は,箱詰めされた手袋の梱包容量を低減することである。
【0008】
発明の概要
本発明によれば,手袋を箱に梱包するための手袋梱包装置が提供され,この装置は,梱包するために前記手袋の束を形成する容器を備え,該容器は,
− 前記手袋の束を収納するための周囲壁と,
− 前記手袋の束を支持するための周囲壁内の床と,
− 床と対向し,前記手袋の束に更なる手袋を追加することができる開口部と
を設け,
前記床は周囲壁に対して可動であり,そのため使用時には,
− 手袋の束に手袋を追加する際に周囲壁が手袋の束を収納し続けることができるように,床は前記開口部から比較的離間した位置へ移動でき,
− 容器から手袋の束を取り出すために,床は前記開口部の比較的近くまで移動できる。
【0009】
箱は単層の厚紙,堅紙,プラスチックシート材料等の任意の適切な材料で形成できる。
【0010】
手袋の束は,手作業又は機械により自動的に,例えば,一度に1つ又はそれ以上の手袋を開口部から挿入して,容器の床により支持される手袋の束を作ることで形成できる。したがって,周囲壁は手袋の束が積み上げられるときにその形状を画定及び制御する役割を担い,最終的にこれが,凸部を最小にして各手袋の生地を均等に広げた,均一な手袋の束を確実に得ることに貢献する。束が積み上げられるにつれて床が開口部から離間していくため,梱包作業員又は梱包機械は容器内に接触する必要はなく,容器の開口部の高さの近くで作業しながら,手袋を束にする前に手袋を正確な方向に向けることが可能である。束が積み上がるにつれて床が開口部から離間していくため,束の作業高さに簡単に到達できる状態を保つことができるが,開口部の高さよりも著しく上に突出することはない。終始,周囲壁は,束が傾かないよう安定させ続ける一方で,好適には束の側壁を平均して直線状に,かつ,互いに平行にすることを確実にする。
【0011】
本発明の好適な一実施形態では,周囲壁は固定され,床が開口部に接近又は離間可能に可動である。しかしながら,代替案として,床を固定し,周囲壁を装置の可動構成部品とすることも可能である。
【0012】
また,本発明の好適な一実施形態では,床は,実質的に矩形又は正方形のピストンの上面であり,このピストンは類似形状のシリンダ(piston bore)を移動する。
【0013】
開口部の周囲に延びた作業面等の表面の下に容器を嵌め込んでも良い。これは,周囲面上で行う手作業での手袋の分類及び整列に寄与し,これらの作業が終了した後に手袋をこの周囲面上で容易に移動させ,容器に入れることができる。この面はまた,手袋を容器内に自動配置する上でも寄与し得る。
【0014】
この容器は一般的に,手袋を梱包する箱の内部容量を反映した形状を備える。したがって,通常は,基部から周囲壁が実質的に垂直上方に延在する。しかしながら,この周囲壁は,容器内に積まれた手袋の収納に悪影響を与えない限り断続的であってもよい。
【0015】
本発明の好適な一実施形態では,周囲壁は少なくとも1つの溝を設け,かつ,本装置は,容器の基部に置かれるように適応される梱包プレートを更に備えている。この梱包プレートは,周囲壁の1つの溝から延びた延在部材に固定されている。次に,手袋の束が完成して箱へ移送する準備ができたら,延在部材を使用して,梱包プレートを容器から持ち上げる,又は取り除くことができる。
【0016】
梱包プレートを基部上に正確に配置する補助として,基部は少なくとも1つの立設された機構を基部の表面に設けても良い。本発明の好適な一実施形態では,基部は周囲縁の周囲に,梱包プレートの1つ又はそれ以上の対応する外部縁と共に配置される少なくとも1つの立設された機構を設けている。
【0017】
更に本発明によれば,手袋梱包装置を使用して手袋を箱に梱包する方法が提供され,この装置は,開口部と,開口部に対向し,かつ,該開口部に対して可動である床とを設けた容器を備え,この工程は,
− 床によって支持された手袋の束を作るために,一度に1つ又はそれ以上の手袋を開口部から容器内へ挿入するステップと,
− 手袋の束を容器に入れるために,必要に応じて床を開口部から離間した場所へ移動させるステップと,
− 手袋の束が完成した後,この手袋の束を前記箱の内部へ移送するステップとを備える。
【0018】
箱の内部への手袋の移送は,まず床を開口部に向けて移動して手袋の束に簡単に到達できるようにし,次に,手袋が手袋の束に追加されたときに容器に手袋の束を収容できるよう,床を開口部から離間した場所に移すことで移送が容易となる。
【0019】
続いて,手袋を詰める箱の開放端部を容器の開口部と対向するように位置させても良い。箱の開放端部は,周囲壁の外側と嵌合して延在スリーブの形状とすることも任意である。いずれの場合も,その後,手袋の束を箱の開口端部内へ移動させるように,容器の床を容器開口部に向けて移動させることができる。
【0020】
次に,手袋の束を箱の内部に収容したままで,容器の開口部から箱を取り出すことができる。装置から取り出した箱は,例えばフラップを箱の開口部の上に折り曲げることで閉じることができる。
【0021】
本装置が延在部材を設けた梱包プレートを備える場合には,第1ステップは,手袋を開口部から挿入する前に,梱包プレートを,延在部材が容器の外側に延びた状態で可動床の上に配置することである。次に,手袋の束を箱へ移送する準備ができたら,延在部材を補助として用いて,手袋の束を箱の内部へ移送できる。この工程中,梱包プレートは,手袋を完全に箱の内部に収容及び圧縮することを補助するうえで特に有用である。
【0022】
開放状態の箱は,動かして箱の開口部を閉じることができる1つ又はそれ以上のフラップを設けてもよい。次に,梱包プレートを上記手袋の束に関する適所に残したままで,これらのフラップのうち少なくとも1つを閉じてもよい。これは,箱を閉じることができるまで,手袋を箱の内部に圧縮及び収納しておくことに寄与する。少なくとも1つのフラップを閉じた後に,梱包プレートを手袋の束から取り除いてもよい。
【0023】
本発明の好適な一実施形態では,本装置は,梱包される手袋よりも摩擦係数の低い梱包要素を更に備える。次に,この梱包要素を,手袋を開口部から挿入する前に梱包プレートを覆うために使用し,その後,梱包要素の上に直接手袋の束を形成する。梱包要素が,梱包プレートと手袋の束の間に緩衝部を提供し,束の一番上にある手袋を掛止したり取り払ってしまうことなく,梱包プレートを滑らせて箱から取り出せるようになる。
【0024】
本発明は更に容器内における手袋の整列を維持する圧縮プレートを提供し,この圧縮プレートは第1部材及び第2部材と付勢手段とを備えており,これらの部材は,これらの間に設けられた第1の折り目で接合しており,
− 第1部材は,これを第1部分と第2部分に分割する第2の折り目を有し,
− 各々の両部分は,付勢手段によって互いに引き寄せられることで第2の折り目に沿って屈曲し,第2部材から離間する傾向を有する。
【0025】
第1部材及び第2部材は対応した切り抜き部を第1の折り目の付近にそれぞれ設けてもよく,これらの切り抜き部は少なくとも部分的に重なり合っていることで,使用時に切り抜き部から手袋を取り出すことができるようにしている。
【0026】
弾性バンドであり得る付勢部材は,第1部材の第1部分及び第2部分の両方の,例えば側縁に設けた係合機構と係合しても良い。
【0027】
第1及び/又は第2部材は,厚紙,堅紙,プラスチックシート材料等のシート材料で形成されることが好適である。
【0028】
本発明の一例を添付図面を参照して更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の好適な実施形態に記載された手袋梱包装置上から一側面を見た斜視図を示し,この装置は,梱包容器を形成する内部周囲壁面及び可動基部を有する梱包スリーブと,梱包プレートと,梱包容器内に挿入される梱包要素を備えている。
【図2】図1の可動基部上から一側面を見た斜視図を示す。
【図3】図1の梱包装置であり,梱包容器に手袋の束を一杯に充填した状態を示す。
【図4】手袋の束を梱包する梱包箱を受容するための箱型容器を示す。
【図5】図3の梱包装置であり,箱型容器を梱包スリーブの開放端部の上に配置した状態を示す。
【図6】梱包スリーブから取り除いた状態の梱包箱を示しており,梱包プレートと梱包要素を使用して,手袋の束を梱包箱の内部に圧縮している。
【図7】梱包箱の2つの側部フラップを,最初に梱包プレート上から折り曲げた状態を示す。
【図8】梱包箱から梱包プレートを取り除き,梱包要素を梱包箱の内部に残した状態を示す。
【図9】梱包箱を完全に閉じるために,側部フラップ上から2つの端部フラップを折り曲げた状態を示す。
【図10】本発明の第2の好適な実施形態に記載された手袋梱包装置上から一側面を見た斜視図を示し,この装置は,一部を周囲の作業面内に嵌合された正方形の梱包スリーブを設けている。
【図11】梱包容器に梱包プレートと梱包要素を挿入した後の図10の手袋梱包装置を示し,梱包要素のタブが容器の壁に沿って立設している。
【図12】手袋で満杯になった箱の内部に梱包要素が残っている状態を示す。
【図13】本発明の第3の好適な実施形態に記載された手袋梱包装置上から一側面を見た斜視図を示し,この装置は,作業面と同じ高さに嵌合された正方形の梱包スリーブを設けている。
【図14】手袋の束を箱の内部に圧縮しておくための圧縮プレート上から一側面を見た斜視図を示す。
【図15】図14の圧縮プレートを下から見た図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は,梱包スリーブ2,梱包プレート28,梱包要素30を設けた手袋梱包装置1の第1の実施形態を示す。梱包スリーブ2は垂直に延在し,アールを備える角部8を設けた矩形の水平断面を有する。このスリーブは2分された部材10,11から形成されており,各々の部材は同じ形であり,屈曲したシート状の金属,好適にはステンレス鋼から形成されている。部材10,11の各々は水平断面において四角形のC字型をしており,梱包スリーブ2の長側部12,13の全体に延在している。スリーブの部材10,11は,スリーブ2の短側部16,17の中心に沿って,垂直に延在した間隙14,15によって分割されている。
【0031】
梱包スリーブ2は,床面22を備えた可動基部20を含む。図3に示すように,床22と,スリーブの部材10,11により構成される内部の壁面24,25とが,装置1で梱包する手袋の束100を受容するための梱包容器26を画定している。したがって,内部の壁面24,25は梱包容器26の外周の周りに延在しており,該梱包容器26は周囲の壁面24,25によっても画定されている開口部27を設けている。
【0032】
好適には,この装置は鋼鉄製の梱包プレート28と不織布製の梱包要素30を含み,これらは最初に梱包容器26内に挿入される。以下にこれらの機能について説明する。
【0033】
図2は,基部20をより詳細に示す。好適には,この基部は一体型のプラスチック成形品として形成されており,スリーブの角部8付近の内部の壁面24,25と密接に摺接嵌合するように形成された4本の下方に延びた脚32を設ける。これらの脚の間には,レバーアーム36の一端に接続された支点34がある。レバーは,支点34から周囲の壁24,25の第1の間隙14を通って延びており,レバーの他端は図1で見ることができる。レバー36は手動で操作され,スリーブの部材10,11の外側に固定された旋回点38の周囲で旋回する。レバーアーム36の端部のレバーハンドル40を上下に動かすと,これに対応して基部20が上下に動く。
【0034】
基部20の床22はスリーブの断面と同じ矩形であるが,その長さと幅は,基部20と周囲の壁面24,25との間に障害物のない間隙(a clear gap)42を設けるために,スリーブの断面よりも短くなっている。この間隙は,基部20の床22から下方に延在している矩形の条片44によって画定される。この条片の下方縁45は下部垂下面46にて終端するので,間隙42の寸法は条片の下方縁45の真下で増加している。基部の床22は周囲縁51に近接しているため,したがって,基部20の突設された機構44,45,46よりも上に延在している。
【0035】
基部は,条片の下方縁45の下の,矩形の条片44の幅と少なくとも等しい距離で離間した場所に,矩形プラットホーム48を設けており,該矩形プラットホーム48は矩形の外形は周囲の壁面24,25の形状と一致する矩形の形状を有しており,それにより基部プラットホームがこれらの周囲の壁面と密接に摺接嵌合できるようになっている。これにより,脚32と支点34が基部プラットホーム48から下方に延びる。基部プラットホーム48は,一方で脚32と,他方で周囲の壁面24,25と接触することで,基部20と周囲の壁面との間の垂直運動を案内する。
【0036】
以下に説明するように,手袋を支持するために用いる床22に,基部の,スリーブ2内で基部20と摺接嵌合する部分に対して上方及び内方に段部が形成されているこの配置により,支持された手袋が可動基部20とスリーブ2の周囲の壁面24,25との間に掛止したり,挟持されたりすることが大幅に低減されるか又は無くなる。
【0037】
基部の床22は,床の外周縁51を,実質的に完全に包囲する立設された周縁部50を有する。この周縁部50は,梱包プレート28が基部の床22に支持されるようにした場合に該梱包プレート28の主要矩形部分52が周縁部50内に位置するような寸法となっている。梱包プレート28は,中央矩形部分52の一端に前方延在タブ54を設け,対向する端部にハンドル56を有する後方延在タブ55を設けている。このハンドル56により,梱包プレートを手で容易に握持して動かすことができる。梱包プレートを最初に梱包容器26内に挿入した際に,両方の突起部54,55がスリーブの孔14,15と密接に摺接嵌合するので,梱包プレートが,基部の床22の周縁部50を有する場所へ案内される。梱包プレートの中央矩形部分52が基部の床22と同じ高さに位置できるよう,周縁部50には,梱包プレートの突起部54,55を格納するための1対の間隙58,59が設けられている。
【0038】
梱包凹部26内に手袋を挿入する前に,梱包要素30を梱包プレート28の中央矩形部分52上に直接配置する。梱包要素は不織布又は紙の小片であり,この小片は,梱包要素の矩形部分52の寸法と一致する寸法の主要矩形部分60と,梱包プレート28の前方タブ54を覆う前方延在タブ62とを設ける。
【0039】
図3〜図9は,使い捨て医療用手袋70を収納した箱64を効率的に梱包するために本装置をどのように使用するかを図示する。箱64は,例えば単層の厚紙,堅紙,プラスチックシート材料等のあらゆる適当なシート状材料で形成できるが,この例では厚紙を用いている。梱包プレート28と梱包要素30を梱包容器26内に挿入した後,基部20を梱包スリーブ2の上方縁66の真下から短い距離で離間した場所へ移動させる前又は後に,手袋を手で整列し,一番下にある手袋70が梱包要素30の上に直接配置される形で容器26内に挿入する。理想的には,基部の床22は,最も新しく梱包された手袋がスリーブ上方縁66の下に,これに接近して位置し,これにより,手袋の束100が梱包スリーブ2の内部の壁面24,25によって常に収納され,整列されることが可能となる高さに設定されるべきである。
【0040】
この装置は,基部20の下方への移動を,手袋の束の所望の垂直寸法に対応する下限に設定する停止機構(図示せず)を含むことが好適である。これが達成されると,図4に最も詳細に示すように,手袋の束100を厚紙の箱64に移す用意ができる。箱64は水平断面が矩形であり,高さはその幅と等しいか,又は幅よりも短い。箱64は,4つのフラップ71,72,73,74を,4つの対応した側部75,76,77,78の頂部縁に設けている。フラップは,最初に梱包箱の開口部65の周囲に外方へ広がる。
【0041】
梱包箱64は最初に,梱包箱64の形状と一致する内部容量79を有する箱型ホルダ又はキャリヤ80内に挿入される。梱包箱キャリヤ80は,箱型容器83へ達する実質的に矩形の開口部82を設けており,箱型容器83は,梱包工程中に梱包箱64を受容して機械的に支持する。
【0042】
梱包箱64を,箱フラップ71〜74が外方に広がった状態で梱包箱キャリヤ80内に設置すると,梱包箱の開口部65が梱包スリーブ2の上方縁66まで上昇して,これと接触するため,図5に示すように,上方縁66に最も近い梱包スリーブの延在外面84(図3参照)が梱包箱の開口部65内に嵌合される。
【0043】
次に,レバーアーム36を使用して基部20を上昇させ,手袋の束100を梱包箱64の内部基部に対して押圧する。手袋の束100から空気が逃げるにつれ,前方及び後方梱包プレート突起部54,55が,これと対応する梱包箱キャリヤ80の前方壁94及び後方壁95の,上方中央部分から対向する方向へ外方に延在している,前方及び後方突起タブ92,93上に配置された1対の磁石90,91に接近する。梱包プレート28のこれらの突起部は鋼鉄製であるため,梱包プレートは梱包箱キャリヤに対して磁気的に固定される。
【0044】
手袋の束100が上方へ動く間に,束の外部縁が周囲壁24,25に沿って摺動され,下方に偏向する。本発明の重要な特徴は,基部プラットホーム48と周囲の壁面24,25との滑動接触部分よりも上の障害物のない間隙42と突出部分46とによって,束の一番下にある手袋が邪魔をしたり,滑動基部20とスリーブ2の間に挟持されることを防止できる点である。
【0045】
次に,梱包作業者は,図6〜図9に示すように,箱詰めされた手袋及び周囲の組み立て品を,梱包プレートハンドルを用いて持ち上げ,この磁気的に固定された組み立て品を裏返し,作業面付近に配置することができる。
【0046】
箱を閉じるための第1ステップは,図7に示すように,梱包箱64の長側部75,76上の1対のフラップ71,72を内側に折る。次に,これらの閉じたフラップ71,72を適所に保持しながら,梱包プレートハンドル56を用いて,梱包プレート28を梱包箱キャリヤ80から離間するよう水平に滑動させ(96),1対の磁石90,91との磁気的な固定を解除する。
【0047】
梱包要素30の存在は,梱包プレート28の滑動動作96を一番上にある手袋70から隔離するのに寄与し,これにより手袋の束100が梱包プレートの引き出しによって崩壊することがなくなる。
【0048】
その後,残った2つの端部フラップ73,74を内側に折る間,梱包要素30が適所に保持されることが好適である。図8に示すように,端部フラップ73,74はそれぞれ1対の側部タブ97を設けており,これら1対の側部タブ97は,梱包箱64の側部フラップ71,72とこれに対応する側部パネル75,76との間の折り目99に設けられた対応する側部溝98と係合する。その後,充填された梱包箱64を梱包箱キャリヤ80から取り出しても良い。
【0049】
梱包される手袋は,腕回り部分が同じ方向を向いた状態で,あるいは,腕回り部分が交互の方向を向いた状態で,半分に折り畳める点に留意されたい。これにより,スリーブ2と梱包箱の内部寸法を,梱包する手袋が梱包容量を最小に抑えつつ梱包箱の内部に整然と収まる形で,手袋の束の所望の幅と長さに応じて設定することができる。
【0050】
これに対し,図10は,本発明の第2の好適な実施形態に記載された手袋梱包装置201上から一側面を見た斜視図を示す。これは,梱包スリーブ202と梱包プレート228が全て略正方形の外形を有し,同様に正方形の箱一杯に手袋を梱包するという点で第1の実施形態と異なる。やはり1枚の紙から成る梱包要素230の摩擦係数は,梱包する手袋の摩擦係数よりも低い。梱包要素230は,実質的に正方形の外形を有する点が第1実施形態と異なるが,紙片230の4つの角241〜244の付近を除いた梱包用紙片の各側部231〜234から延在する,4つの類似のタブ211〜214を設けている。
【0051】
図11に示すように,梱包用紙片230が梱包スリーブ202内に挿入されると,タブがスリーブの内壁225に立設される。これを補助するために,破線240で概略的に示され,紙片の隣接する角部241〜244の間にそれぞれ延びる折り目によって,タブを画定しても良い。このタブは,上述したように,手袋を箱の内部に梱包するべく床220が上昇する際に,手袋の一部がこの間隙に挟持されることを防止するために,壁225と梱包プレート228又は可動基部220の床222との間の間隙の大部分を上から被覆する。
【0052】
梱包スリーブ202は作業面250によって包囲され,その一部は作業面250の内部に,手作業又は機械によって梱包スリーブが手袋で充填されると梱包プレート228が作業面上に位置する高さで設置される。
【0053】
梱包プレート228の使用は上述したものと類似する。しかしながら,この実施形態では,梱包用紙片230は図12に示すように梱包箱280内に残るようになっている。図12では,4つのタブのうちの2つである211,212は,箱280の内面281,282で内側へ下向きに曲がった状態で示されている。したがって,紙片230も,箱の梱包中に,手袋の束285を実質的に上から覆うことで,箱の内部の手袋をいくらか保護している。
【0054】
図12に示す箱の正方形の外形は,幅120mm,奥行130mm,高さ100mm〜140mmであり,この実施例では高さは130mmである。当然ながら,特定の幅,奥行,高さは,手袋の指先から腕回り部分までの長さ,手袋材料の厚み,各箱に梱包する手袋の枚数のような多くの要素によって異なる。
【0055】
このような正方形の外形の装置の中の手袋は,束ねた状態では,各手袋の指が,束から先に取り出される順序に関連して,手袋の腕回り部分の周囲に折り畳まれた形で折り重ねられている。図示されていないが,この装置は,箱280の,梱包用紙片側とは反対側の取り出し孔から腕回り部分が最初に出る取り出し方式に適しており,この取り出し方式では,取り出し孔から各手袋の腕回り部分が最初に出て,次の手袋の腕回り部分を引き出して,取り出し孔から取り出されるようにする。こうすることで,取り出し孔からは,各々の取り出される手袋の腕回り部分が最初に引き出されるので,各々の取り出された手袋の指の部分に使用者が触れることがない。
【0056】
図13は,本発明の第3の好適な実施形態に関する手袋梱包装置301を示し,この実施形態は第2の実施形態201と類似するが,作業面350の正方形の凹部303内に嵌合された正方形の梱包スリーブ302を設けている。凹部303は1側部304で開放しており,それにより,梱包スリーブ302を凹部303に対して,矢印305で示すように動かすことができる。
【0057】
作業面350は,脚やその他の支持部(図示せず)によって作業者に便利な高さに支持されても良く,好適にはその場所に固定される。梱包スリーブ302は,作業者が要望に応じて動かすことができるように,例えば台車(図示せず)の上に搭載されて可動である。
【0058】
梱包スリーブは,作業面305の高さと同じ高さの頂部縁306を設けている。そのため,作業者が作業面上の梱包スリーブの周囲に積まれた手袋を収集し,折り畳み(図示せず),次に,これらの手袋を一度に1枚ずつ持ち上げるか滑らせて梱包スリーブ内に入れ,梱包スリーブ内の可動床320の床表面322の上に折り重ねた手袋の束を積み上げることができる。最初は,床表面は梱包スリーブの頂部縁306の近くにあるが,該頂部縁306の高さの真下に陥没している。手袋の束が積み上がるに従い,作業者は床の表面322を下げて,手袋の束の頂部が梱包スリーブの頂部縁306の高さを超えないようにする。こうすることで,束が積み上がったとき,手袋がスリーブの内壁325によって垂直に整列される。
【0059】
十分な数の手袋が梱包スリーブ302内に挿入されると,該梱包スリーブ302を凹部303から取り出し,別の作業ステーション(図示せず)へ移動する。この作業ステーションでは,梱包スリーブの露出した頂端部の上に空の箱280を適切に配置し,次に,梱包プレート328を用いて,可動床320によって手袋を箱の内部に圧縮し,その後,箱を上述のとおり閉じて封止する。
【0060】
梱包工程を便宜的に,異なる作業ステーションにおいて2段階に分割する理由は,箱に手袋の束を詰める方が,梱包スリーブの凹部を折り重ねた手袋の束で充填するよりも格段に速いためである。したがって,手作業での梱包オペレーションでは,各作業ステーションにつき,それぞれが束ねられた手袋を箱に詰める担当の作業者といったように,梱包スリーブ内に手袋の束を箱に詰める担当の数人の作業者を配備しても良い。
【0061】
可動梱包スリーブを設けた製造ラインにおけるこのような工程段階の分割は,次のような機械オートメーションにも適している。すなわち,コンピュータビジョンを採用したロボットシステムを使用して手袋を折り畳み,スリーブ内に詰めた後,別個の箱梱包ステーションで専用の機械により,梱包スリーブに収納された手袋の束を箱に梱包する作業の機械オートメーションである。自動化されたシステムでは,コンベヤベルトによって手袋をスリーブ梱包ステーションへ運搬してもよい。コンベヤベルトと併用して,ロボットアームが各手袋を取り上げ,腕回り部分と指が正しい方向に向いた状態で手袋をスリーブ内に置くことができるよう,各手袋を正しい向きに向けるための手袋フリッパを使用してもよい。このような自動化システムでは,各手作業箱詰めステーションにつき,2つ又はそれ以上の自動化スリーブ梱包ステーションを設けた上で,第2段階である箱梱包段階を手作業で行うこともできる。
【0062】
図14,図15は,梱包箱64を手袋の束100で充填する前に梱包箱64の内部に挿入しておく,略矩形の圧縮プレート101を示す。この圧縮プレート101は厚紙材料の細片で形成され,また,圧縮プレートが細長い上方部材104と細長い下方部材105を有するよう,圧縮プレートを折り曲げるための第1の横の折り目102を設けている。別の横の折り目106が上方部材104の長さの中間を,上方部材104を横断して設けられ,それにより,該上方部材164を前方部分108と後方部分109に分割しており,これらの各部分の長さは圧縮プレート101の長さに沿った方向において同一である。
【0063】
前方部分108と後方部分109のそれぞれは,上方部材104の折り目106に最も近い,前方部分108と後方部分109のそれぞれの部分において,上方部材104を形成しているカード材料の側部縁111,112に1対の切欠部110を設けている。各切欠部110には弾性バンド114が係合しており,上方部材104が下方部材105に対して平坦に載置されている時には,この弾性バンドが伸長し,前方部分108と後方部分109を互いに引き寄せる。上方部材104の折り目106は,前方部分108と後方部分109の間に蝶番を形成する。
【0064】
図4に示すように,下方部材105が箱の開口部65に向いたまま,圧縮プレートは空の梱包箱64内に挿入される。箱フラップ71〜74は閉じる際に,使用可能状態の梱包箱の基部を形成し,また,箱の反対側には,半円形の剥離式パッチ117が設けられており,このパッチは,まず手袋70の腕回り部分を最初に梱包箱64から取り出せるようにするべく,手袋の束100の腕回り端部116に手が届くよう使用前に除去される。
【0065】
圧縮プレートは,上方部材104及び下方部材105の両方において,類似した形状であるが,より大きい半円形の切り抜き部118,119を設けている。下方部材105の切り抜き部119は上方部材104の切り抜き部118よりも大きく,切り抜き部118は,梱包箱64の剥離式開口部117よりも大きい。
【0066】
使用者が梱包箱64を開いて,開口部から手袋70の腕回り部分を最初に引き出すと,使用者は箱の開口部117を自分の指で触る可能性がある。しかしながら,この下部の切り抜き部118,119は,該下部の切り抜き部の上を覆う箱の開口部117から生じる潜在的な汚染から使用者を保護する。
【0067】
手袋を取り出すにつれて箱の内部に空間が形成される。弾性バンド114が張設されており,上方部材104の部分108,109を折り目106で屈曲させることができるので,弾性バンドに上方部材の部分を図14に示すようにV字型に屈曲させる蝶番として機能する。折り目106はこのV字型の頂点を形成し,梱包箱64の頂部の内面を支えることで,圧縮プレート101の下方部材105を,箱の内部に残っている手袋の束の一番上にある手袋に対して圧縮する。手袋を取り出す際に,上方部材の両部分は屈曲し続けるため,手袋の束の頂部と上方部材105の間の接触が維持される。これにより,箱の内部での手袋の束の整列が維持される。信頼性の高い腕回り部分からの取り出しを確実に得るためには,手袋70の腕回り部分が箱の開口部117の付近に位置している必要があるので,このことは重要である。使用者は手袋を腕回りから引き出すことができるため,使用者と検査に使用される手袋外面との接触が防止され,手袋の使用によって微生物又はその他の汚染形態が拡散する危険が減少する。
【0068】
上を覆う箱の開口部117と上方プレート切り抜き部118によって,手袋が取り出される際に手袋が汚染する可能性も減少するが,これは,箱の開口部117と切り抜き部分118の双方が,手袋の束の一番上にある手袋と接触したままとなる下方プレート切り抜き部119をあらゆる汚染から保護するためである。
【0069】
したがって,本発明は,手袋を箱型容器に梱包する便利な方法と,更に,手袋を取り出す際に清潔性を維持する効果的な方法とを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梱包するために手袋の束を形成する容器を備え,前記容器は,
− 前記手袋の束を収納するための周囲壁と,
− 前記手袋の束を支持するための前記周囲壁内の床と,
− 前記床と対向し,前記手袋の束に更なる手袋を追加することができる開口部とを設け,
前記床は前記周囲壁に対して可動であり,そのため使用時には,
− 前記手袋の束に前記手袋を追加する際に前記周囲壁が前記手袋の束を収納し続けることができるように,前記床は前記開口部から比較的離間した位置へ移動でき,
− 前記容器から前記手袋の束を取り出すために,前記床は前記開口部の比較的近くまで移動できる,手袋を箱に梱包するための手袋梱包装置。
【請求項2】
前記周囲壁は固定されており,前記床は前記開口部に接近又は離間可能に可動である請求項1記載の手袋梱包装置。
【請求項3】
前記開口部は前記周囲壁によって画定される請求項1又は2記載の手袋梱包装置。
【請求項4】
前記容器は前記開口部の周囲に延びた表面に嵌め込まれる請求項1〜3いずれか1項記載の手袋梱包装置。
【請求項5】
前記周囲壁は前記基部から実質的に垂直上方に延在する請求項1〜4いずれか1項記載の手袋梱包装置。
【請求項6】
前記周囲壁は断続的である請求項1〜5いずれか1項記載の手袋梱包装置。
【請求項7】
前記基部はレバーアームによって可動である請求項1〜6いずれか1項記載の手袋梱包装置。
【請求項8】
請求項6に従属する際に,前記レバーアームは前記周囲壁に設けた溝を通って延在する請求項7記載の手袋梱包装置。
【請求項9】
前記周囲壁は少なくとも1つの溝を有し,前記装置は前記容器の前記基部上に置かれるように適応される梱包プレートを更に備え,前記梱包プレートは前記周囲壁の1つの溝から延在する延在部材を有し,前記延在部材により,使用時には,前記容器からの前記手袋の束の取り出しを補助するために,前記梱包プレートを前記容器から取り除くことができる請求項6又は8記載の手袋梱包装置。
【請求項10】
前記基部は基部の表面を有し,前記表面は前記梱包プレートを前記基部に対して配置するための少なくとも1つの立設された機構を有する請求項9記載の手袋梱包装置。
【請求項11】
前記梱包プレートと前記可動床の間に挿入する梱包要素を更に備え,前記梱包要素は,前記容器の前記床と隣接する壁との間の間隙を実質的に覆うタブを有する請求項9又は10記載の手袋梱包装置。
【請求項12】
前記基部は周囲縁を設けた基部表面を有し,前記周囲縁は障害物のない間隙によって前記周囲壁から分離される請求項1〜11いずれか1項記載の手袋梱包装置。
【請求項13】
前記周囲縁に近接した前記基部表面が,前記基部内の突設された機構よりも上に延在する請求項12記載の手袋梱包装置。
【請求項14】
前記基部と前記周囲壁の相対動作を案内するために,前記間隙の下の前記基部は前記周囲壁と接触する請求項12又は13記載の手袋梱包装置。
【請求項15】
前記開口部に近接した前記周囲壁が,手袋を梱包する箱の内部に嵌合するように適応された延在スリーブの内面である請求項1〜14いずれか1項記載の手袋梱包装置。
【請求項16】
前記手袋の束を梱包する梱包箱を受容するための箱型容器を更に備えており,前記箱型容器は,梱包箱を挿入するための開口部と,前記開口部に一度挿入した梱包箱を保持するための内壁とを有する請求項1〜15いずれか1項記載の手袋梱包装置。
【請求項17】
手袋梱包装置を使用して手袋を箱に梱包する方法であり,前記装置は,開口部と,前記開口部に対向し,かつ,前記開口部に対して比較的に可動である床とを設けた容器を備え,この工程は,
− 前記床によって支持された手袋の束を作るために,一度に1つ又はそれ以上の手袋を前記開口部から前記容器内へ挿入するステップと,
− 前記手袋の束を前記容器に収納するために,必要に応じて前記床を前記開口部から離間した場所へ移動させるステップと,
− 前記手袋の束が完成した後に,前記手袋の束を前記箱の内部へ移送するステップとを含む方法。
【請求項18】
前記手袋の束を前記箱の内部へ移送するステップは,最初に前記床を前記開口部へ移動して前記手袋の束に接触し易くした後,前記手袋の束を前記容器に収納するために,前記床を前記開口部から離間した場所へ動かして手袋を束に追加することで容易化される請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記箱の開放端部を前記開口部の上で前記容器の方へ向け,次に前記手袋の束を前記開放端部から前記箱の内部へ移すために前記床を動かすステップを含む請求項17又は18記載の方法。
【請求項20】
前記開口部から前記手袋の束が入った前記箱を取り除いて前記容器へ移し,前記箱の開放端部を閉じるステップを含む請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記装置は梱包プレートを更に備え,前記梱包プレートは延在部材を有し,
− 前記開口部から手袋を挿入する前に,前記梱包プレートを,前記延在部材が前記容器の外側に延在した状態で前記可動床上に配置するステップと,
− 前記手袋の束を前記箱へ移送する準備ができた後に,前記延在部材を使用して前記手袋の束の前記箱の内部への移送を補助するステップとを含む請求項17〜20いずれか1項記載の方法。
【請求項22】
請求項20に従属する際に,前記開放状態の箱は,前記箱の開口端部を閉じるように動く1つ又はそれ以上のフラップを有し,
− 前記梱包プレートを前記手袋の束に対する適所に残したままで,少なくとも1つのフラップを閉じるステップと,
− 前記少なくとも1つのフラップを閉じた後に,前記手袋の束から前記梱包プレートを取り除くステップとを含む請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記装置は梱包要素を更に備え,前記梱包要素は梱包する手袋よりも低い摩擦係数を有し,前記梱包要素を使用して前記開口部から手袋を挿入する前に前記梱包プレートを覆い,次に,一度に1つ又はそれ以上の手袋を前記開口部から前記容器内に挿入して,前記梱包要素上に手袋の束を作るステップを含む請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記装置は梱包要素を更に備え,前記梱包要素を使用して,前記開口部から手袋を挿入する前に前記梱包プレートを覆い,次に,一度に1つ又はそれ以上の手袋を前記開口部から前記容器内に挿入して,前記梱包要素上に手袋の束を作るステップを備え,各々の前記梱包要素は,前記可動床と,前記床と該床に隣接する壁との間の間隙とを覆うことで,前記床と隣接する壁との間に手袋が挟持されることを防止する請求項22記載の方法。
【請求項25】
容器内における手袋の整列を維持する圧縮プレートであり,前記圧縮プレートが,第1部材及び第2部材と付勢手段とを備えており,前記両部材は,これらの間に設けられた第1の折り目で接合しており,
− 前記第1部材は,これを第1部分と第2部分に分割する第2の折り目を有し,
− 前記両部分の各々は付勢手段によって互いに引き寄せられることで,前記両部分は前記第2の折り目に沿って屈曲し,前記第2部材から離間する傾向を有する圧縮プレート。
【請求項26】
前記第1部材と第2部材は,前記第1の折り目の付近に,それぞれ対応する切り抜き部を有し,前記切り抜き部は少なくとも部分的に重なり合うことで,使用時に前記切り抜き部から手袋を取り出すことができる請求項25記載の圧縮プレート。
【請求項27】
前記付勢手段が弾性バンドである請求項25又は26記載の圧縮プレート。
【請求項28】
前記第1部材が,前記第1部分と第2部分の両方に前記弾性バンドを係合させるための係合機構を有する請求項27記載の圧縮プレート。
【請求項29】
前記係合機構が前記第1部分及び第2部分の側部縁に設けられる請求項28記載の圧縮プレート。
【請求項30】
前記第1部材及び/又は前記第2部材がシート材料で形成される請求項25〜29いずれか1項記載の圧縮プレート。
【請求項1】
梱包するために手袋の束を形成する容器を備え,前記容器は,
− 前記手袋の束を収納するための周囲壁と,
− 前記手袋の束を支持するための前記周囲壁内の床と,
− 前記床と対向し,前記手袋の束に更なる手袋を追加することができる開口部とを設け,
前記床は前記周囲壁に対して可動であり,そのため使用時には,
− 前記手袋の束に前記手袋を追加する際に前記周囲壁が前記手袋の束を収納し続けることができるように,前記床は前記開口部から比較的離間した位置へ移動でき,
− 前記容器から前記手袋の束を取り出すために,前記床は前記開口部の比較的近くまで移動できる,手袋を箱に梱包するための手袋梱包装置。
【請求項2】
前記周囲壁は固定されており,前記床は前記開口部に接近又は離間可能に可動である請求項1記載の手袋梱包装置。
【請求項3】
前記開口部は前記周囲壁によって画定される請求項1又は2記載の手袋梱包装置。
【請求項4】
前記容器は前記開口部の周囲に延びた表面に嵌め込まれる請求項1〜3いずれか1項記載の手袋梱包装置。
【請求項5】
前記周囲壁は前記基部から実質的に垂直上方に延在する請求項1〜4いずれか1項記載の手袋梱包装置。
【請求項6】
前記周囲壁は断続的である請求項1〜5いずれか1項記載の手袋梱包装置。
【請求項7】
前記基部はレバーアームによって可動である請求項1〜6いずれか1項記載の手袋梱包装置。
【請求項8】
請求項6に従属する際に,前記レバーアームは前記周囲壁に設けた溝を通って延在する請求項7記載の手袋梱包装置。
【請求項9】
前記周囲壁は少なくとも1つの溝を有し,前記装置は前記容器の前記基部上に置かれるように適応される梱包プレートを更に備え,前記梱包プレートは前記周囲壁の1つの溝から延在する延在部材を有し,前記延在部材により,使用時には,前記容器からの前記手袋の束の取り出しを補助するために,前記梱包プレートを前記容器から取り除くことができる請求項6又は8記載の手袋梱包装置。
【請求項10】
前記基部は基部の表面を有し,前記表面は前記梱包プレートを前記基部に対して配置するための少なくとも1つの立設された機構を有する請求項9記載の手袋梱包装置。
【請求項11】
前記梱包プレートと前記可動床の間に挿入する梱包要素を更に備え,前記梱包要素は,前記容器の前記床と隣接する壁との間の間隙を実質的に覆うタブを有する請求項9又は10記載の手袋梱包装置。
【請求項12】
前記基部は周囲縁を設けた基部表面を有し,前記周囲縁は障害物のない間隙によって前記周囲壁から分離される請求項1〜11いずれか1項記載の手袋梱包装置。
【請求項13】
前記周囲縁に近接した前記基部表面が,前記基部内の突設された機構よりも上に延在する請求項12記載の手袋梱包装置。
【請求項14】
前記基部と前記周囲壁の相対動作を案内するために,前記間隙の下の前記基部は前記周囲壁と接触する請求項12又は13記載の手袋梱包装置。
【請求項15】
前記開口部に近接した前記周囲壁が,手袋を梱包する箱の内部に嵌合するように適応された延在スリーブの内面である請求項1〜14いずれか1項記載の手袋梱包装置。
【請求項16】
前記手袋の束を梱包する梱包箱を受容するための箱型容器を更に備えており,前記箱型容器は,梱包箱を挿入するための開口部と,前記開口部に一度挿入した梱包箱を保持するための内壁とを有する請求項1〜15いずれか1項記載の手袋梱包装置。
【請求項17】
手袋梱包装置を使用して手袋を箱に梱包する方法であり,前記装置は,開口部と,前記開口部に対向し,かつ,前記開口部に対して比較的に可動である床とを設けた容器を備え,この工程は,
− 前記床によって支持された手袋の束を作るために,一度に1つ又はそれ以上の手袋を前記開口部から前記容器内へ挿入するステップと,
− 前記手袋の束を前記容器に収納するために,必要に応じて前記床を前記開口部から離間した場所へ移動させるステップと,
− 前記手袋の束が完成した後に,前記手袋の束を前記箱の内部へ移送するステップとを含む方法。
【請求項18】
前記手袋の束を前記箱の内部へ移送するステップは,最初に前記床を前記開口部へ移動して前記手袋の束に接触し易くした後,前記手袋の束を前記容器に収納するために,前記床を前記開口部から離間した場所へ動かして手袋を束に追加することで容易化される請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記箱の開放端部を前記開口部の上で前記容器の方へ向け,次に前記手袋の束を前記開放端部から前記箱の内部へ移すために前記床を動かすステップを含む請求項17又は18記載の方法。
【請求項20】
前記開口部から前記手袋の束が入った前記箱を取り除いて前記容器へ移し,前記箱の開放端部を閉じるステップを含む請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記装置は梱包プレートを更に備え,前記梱包プレートは延在部材を有し,
− 前記開口部から手袋を挿入する前に,前記梱包プレートを,前記延在部材が前記容器の外側に延在した状態で前記可動床上に配置するステップと,
− 前記手袋の束を前記箱へ移送する準備ができた後に,前記延在部材を使用して前記手袋の束の前記箱の内部への移送を補助するステップとを含む請求項17〜20いずれか1項記載の方法。
【請求項22】
請求項20に従属する際に,前記開放状態の箱は,前記箱の開口端部を閉じるように動く1つ又はそれ以上のフラップを有し,
− 前記梱包プレートを前記手袋の束に対する適所に残したままで,少なくとも1つのフラップを閉じるステップと,
− 前記少なくとも1つのフラップを閉じた後に,前記手袋の束から前記梱包プレートを取り除くステップとを含む請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記装置は梱包要素を更に備え,前記梱包要素は梱包する手袋よりも低い摩擦係数を有し,前記梱包要素を使用して前記開口部から手袋を挿入する前に前記梱包プレートを覆い,次に,一度に1つ又はそれ以上の手袋を前記開口部から前記容器内に挿入して,前記梱包要素上に手袋の束を作るステップを含む請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記装置は梱包要素を更に備え,前記梱包要素を使用して,前記開口部から手袋を挿入する前に前記梱包プレートを覆い,次に,一度に1つ又はそれ以上の手袋を前記開口部から前記容器内に挿入して,前記梱包要素上に手袋の束を作るステップを備え,各々の前記梱包要素は,前記可動床と,前記床と該床に隣接する壁との間の間隙とを覆うことで,前記床と隣接する壁との間に手袋が挟持されることを防止する請求項22記載の方法。
【請求項25】
容器内における手袋の整列を維持する圧縮プレートであり,前記圧縮プレートが,第1部材及び第2部材と付勢手段とを備えており,前記両部材は,これらの間に設けられた第1の折り目で接合しており,
− 前記第1部材は,これを第1部分と第2部分に分割する第2の折り目を有し,
− 前記両部分の各々は付勢手段によって互いに引き寄せられることで,前記両部分は前記第2の折り目に沿って屈曲し,前記第2部材から離間する傾向を有する圧縮プレート。
【請求項26】
前記第1部材と第2部材は,前記第1の折り目の付近に,それぞれ対応する切り抜き部を有し,前記切り抜き部は少なくとも部分的に重なり合うことで,使用時に前記切り抜き部から手袋を取り出すことができる請求項25記載の圧縮プレート。
【請求項27】
前記付勢手段が弾性バンドである請求項25又は26記載の圧縮プレート。
【請求項28】
前記第1部材が,前記第1部分と第2部分の両方に前記弾性バンドを係合させるための係合機構を有する請求項27記載の圧縮プレート。
【請求項29】
前記係合機構が前記第1部分及び第2部分の側部縁に設けられる請求項28記載の圧縮プレート。
【請求項30】
前記第1部材及び/又は前記第2部材がシート材料で形成される請求項25〜29いずれか1項記載の圧縮プレート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2012−500163(P2012−500163A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523448(P2011−523448)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002033
【国際公開番号】WO2010/020782
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(309025166)アルティヴォ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002033
【国際公開番号】WO2010/020782
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(309025166)アルティヴォ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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