説明

篩格子用の清浄装置、清浄装置を含む篩格子、及び篩格子の清浄方法

本発明は、例えば、下水管、雨水排水構造部等の排水プラント内に組み込まれるとともに、例えば、排水、雨水、又は混水等の不純物混入水(2)が通過する篩格子(14)用の清浄装置であって、例えば、排泄物、懸濁物等の運ばれる不純物又はデブリを下水(2)から除去する役割を果たす、篩格子用の清浄装置を明記する。当該清浄装置は、篩格子(1)と連結される洗浄車であって、篩格子(1)とほぼ平行に位置する平面内で前記篩格子(14)に対して移動可能な洗浄車を備える。洗浄車は、篩格子(14)に付着している不純物を篩格子(14)から除去する洗浄セクション(26)を備える洗浄ユニット(22)を備える。さらに、洗浄ユニットには、篩格子の平面に対して45°未満の角度で傾斜するとともに、実質的に篩格子の平面の方向に篩格子面(20)に向けられる過圧を発生させる手段が設けられることが初めて明記されている。したがって、洗浄セクション(26)から篩格子(14)に向けられる除去力が発生し、それにより、篩格子面(20)に付着している不純物(18)が洗浄セクション(26)を循環するとともにを開口(32)を介して出る洗浄媒体(24)の噴流によって軟化し、篩格子面(20)から分離し、洗浄媒体とともに洗い流され得る。本発明はさらに、この目的に適するとともに清浄装置が備わった篩格子(14)を初めて提案し、篩格子を清浄する方法篩格子の清浄方法を説明する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水プラント内に組み込まれているとともに不純物混入水が通過する篩格子用の清浄装置であって運ばれる不純物を下水から除去する篩格子用の清浄装置と、かかる清浄装置を備える篩格子と、篩格子の清浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
排水プラント用の篩格子が実用化されて知られている。十分に保証された篩格子が、同出願人への特許文献1においてさらに説明されている。この優れた篩格子は、下水の流れ方向に棒篩格子の後側の下流に配置された洗浄車を備える。篩格子の平面と平行に往復動可能な洗浄車は、下水側への下水の流れ方向とは反対の篩格子の棒間に向けられるとともに、下水に面する上部輪郭端を越えて突出する複数の歯を有し、この複数の歯は組み合わさって、下水側面に付着している不純物又はデブリを棒篩格子から機械的に除去する除去レーキを形成する。
【0003】
さらに、篩格子を含む十分に保証された排水プラントは、特許文献2において同出願人により説明されている。上記明細書に記載されている微細篩格子は、雨水排水構造部に縦方向に組み込まれ、篩格子の後側の下水流の方向に下流に配置されているとともに、除去レーキの形態の洗浄ユニットを有する洗浄車も備えている。かかる除去レーキは、これまで棒篩格子に対して高い評価を得ている。
【0004】
棒篩格子用の別の清浄装置は、特許文献3に説明されている。棒篩格子と連結した洗浄車は、篩格子の後側の浄水側の下水流の方向の下流に配置され、篩格子の幅にわたって篩格子とほぼ平行に位置する平面内で篩格子に対して往復動可能である。洗浄車は、同じく浄水側に位置する洗浄セクションを有する洗浄ユニットを備え、この洗浄ユニットは、当該ユニットに付着している不純物を篩格子から除去する目的を有する。このため、洗浄セクションは複数のノズルを有する洗浄管を有する。ノズルは、高圧の清水を供給される。ノズルから出るとともに、バースクリーンの格子部材に浄水側から縦方向に当たる清水は、篩格子の対向する下水側面に付着している不純物を剥離するとともにそれら不純物を篩格子から洗い流す目的を有する。ノズルは、ファンノズルの形態であり、1ノズルあたりの出口圧力が140バールである。各ノズルについて、1時間あたり180リットルの清水を消費している。
【0005】
環境政策の見地からであれば、ノズルで1時間あたり180リットルという高い清水消費のため、特許文献3から既知である清浄装置、及び高圧下での動作は容認されない。同様に動作経済性に関しても容認されない。さらに、動作には、それに応じてコストが高いにもかかわらず欠陥が生じやすい場合が多い高圧ポンプが必要とされる。ノズルは非常に正確な調整を必要とされ、定期的に向き直されるべきである。特許文献3から既知の清浄装置は、棒篩格子用のみに設計されている。打ち抜きスクリーン格子とともに使用することは考えられていない。
【0006】
棒篩格子用に開発された除去レーキを有する清浄装置は、棒篩格子の場合では、優れた清浄特性を示すが、棒間に達する除去レーキのため、構造上の理由から打ち抜きスクリーン格子には適用することができない。そのため、打ち抜きスクリーン格子は清浄されない。実際、打ち抜きスクリーン格子用には、例えば、ヘラ、ブレード、又はスクレーパ等の機械作動式手段が既知であるにすぎない。かかる機械作動式又は掻き取り作動式清浄装置は、棒篩格子とともに用いることができるが、申し分のない清浄特性は示さない。さらに、打ち抜きスクリーン格子が、付着している不純物を確実に除去されることができないという欠点を有する。
【0007】
ヘラ、ブレード、又はスクレーパは、篩格子面に付着している不純物を擦り落とすのに適している。そのため、穴面の穴の内部に付着している不純物、特に、穴内に滞留している不純物を除去することはできない。篩格子が下水に浸されていない状態の際、それに応じて不純物は乾燥し、篩格子上で硬化する。結果として、篩格子が清浄すべき後続の降雨状態、例えば、雨水排水受け口内に混入水が横溢している状態では、篩面全体をそれ以上利用可能ではない。したがって、篩格子は、制限的に使用可能である。
【特許文献1】欧州特許出願公開第0358952号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0614397号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10048528号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、篩格子用の清浄装置であって、それにより、申し分のない清浄成果がたいていの篩格子タイプ、特に打ち抜きスクリーン格子又は棒篩格子により達成されるとともに、上述の欠点を回避することができる。
【0009】
さらに、本発明の一態様は、低コストで製造され得るとともに環境適合的に動作することができる篩格子用の清浄装置を指定することである。
【0010】
さらに、本発明の一目的は、かかる清浄装置を備える篩格子、及び確実に作動する篩格子のための清浄方法を明記することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの目的及び態様は、請求項1の特徴、請求項19の特徴、及び請求項20の特徴により得られる。
【0012】
目的とされるのは、例えば、下水管、雨水排水構造部等の排水プラント内に組み込まれるとともに、例えば、排水、雨水、又は混水等の不純物混入水が通過する篩格子用の清浄装置である。篩格子は、例えば、排泄物、懸濁物等の運ばれる不純物又はデブリを下水から除去する役割を果たす。清浄装置は、篩格子と連結する洗浄車を備え、篩格子とほぼ平行に位置する平面内で篩格子に対して可動である。洗浄車には、篩格子に付着している不純物を篩格子から除去する洗浄セクションを備える、洗浄ユニットが設けられる。
【0013】
洗浄ユニットは、篩格子面に向けられるとともに洗浄セクションに有効なスラスト効果を発生させる手段を備えることを初めて提案する。スラスト効果の方向、又は出口方向は、篩格子の平面に対して45°未満、好ましくは35°未満、特に好適には25°未満〜約0°で傾斜する。これにより、洗浄セクションから篩格子に向けられる除去力が生じ、それにより、篩格子面に付着している不純物が液体洗浄媒体によって軟化し、洗浄セクションを流れるとともに開口を介して当該洗浄セクションから排出され、篩格子面から分離して、洗浄媒体とともに洗い流される。
【0014】
したがって、清浄効果は、既知の棒篩格子清浄装置の従来的な清浄効果を越えて有効に達成される。さらに、水ヘラ又は水ブレード等による篩格子の流体力学的な清浄は、穏やかな清浄を特徴とし、そのため、篩格子の洗浄媒体の指向性噴流による洗浄において、篩格子自体は、洗浄媒体の指向性噴流による洗浄の結果、大幅の磨耗を受けない。
【0015】
さらに、任意の液体洗浄媒体がこの目的のために有利に提供される。清水の代わりに、洗浄媒体として利用可能であるものは、下水側が不浄状態であるか対向側の浄水側が既に浄化状態にあるかにかかわらず、特に有利には下水又は混水であり、これはいかなる場合も排水プラントにおいて利用可能である。
【0016】
本発明による清浄装置は、打ち抜きスクリーン格子とともに良好に使用できることを特徴とする。このことは、特に打ち抜きスクリーン格子用であるゆえに、販売されている清浄装置を申し分なく作動させることができない。それにもかかわらず、棒篩格子を有する、提案される清浄装置の使用性は、排他的ではなく、同様に棒篩格子を用いて良好な成果を期待することができる。
【0017】
本発明による清浄装置は、好ましくは、篩格子の前側、すなわち下水の上流に配置される。しかしながら、当該清浄装置は、篩格子の後側である下水の下流に提供されてもよい。したがって、複数の構造的な代替の変形実施形態は、好ましくは清浄装置が、個々の用途のために清浄すべき篩格子に任意選択的に連結され得るようになる。
【0018】
篩格子面に付着している不純物は、それぞれ過圧又はスラスト効果、若しくは、篩格子面から離れて、あるいは穴から外れて、又は棒間から離れて導かれるある種の洗浄パルスによって加速されるため、下水方向に面した表面を固化する不純物を洗い流すことができるだけでなく、棒篩格子の格子棒間又は打ち抜きスクリーン格子の穴に入り込んでいるとともにそれらの内部に滞留している汚濁粒子をそこから容易に分離することができ、そのため、篩格子の篩面全体が、本発明による清浄装置を用いての清浄後に再び完全に洗浄されるため、制限なく利用可能である。
【0019】
したがって、各清浄プロセス後に、高さ及び幅全体にわたる篩格子の全面での使用が再び可能となる。
【0020】
篩格子により下水から濾過除去されるか、又は篩格子により流れ続けることを阻止されて、篩格子に付着している懸濁物、汚濁粒子、固形物等の不純物は、本発明による清浄装置により篩格子から分離され、これらの不純物が篩分けプロセスへ再び流れ戻るように清浄媒体のスラスト効果により篩格子から押し離されるので、篩格子は新たに閉塞しない。
【0021】
本発明のさらなる有利な態様及び発展は従属請求項の主題である。
【0022】
清浄装置の好適な一実施形態では、洗浄セクションは、篩格子の前側の下水の流れ方向の上流に配置される。このことは、不純物が篩格子の開口、穴、又はスロットに入り込んでそこに滞留しないうちに、堆積した不純物が篩格子面から除去されるという利点を有する。これにより、構造上の設計の自由をもたらし、用途及び最適化の必要性に応じて、例えば、洗浄車が下水側又は浄水側から篩格子に対して支持されるか、若しくは上から篩格子に対して支持されてその上に導かれる。さらに、このことは、下水側又は浄水側で、例えばポンプ、好ましくは一体型フィルタユニットを有する水中ポンプによって、洗浄媒体を抽出することができる。
【0023】
ここでは、さらに、洗浄ユニット及び洗浄車と一緒にに設置されているとともに篩格子に対して可動なポンプにより浄水側での水抽出を提供するのに有利であることがわかっており、そのため、洗浄媒体として抽出された浄水が、例えば洗浄ユニットとポンプを接続すると同時に篩格子を回転させる導管の形態を有する接続アームを介して、最小長の経路上を最小限の圧力損失で、洗浄ユニットへ又は篩格子面に向いた開口へ導かれる。
【0024】
篩格子の前側に洗浄セクションが配置されていることにより、最小長の経路上で、複雑な構造を採らずに、篩格子の前側に達して篩格子の前側に堆積するか又は存在する下水が下水の流れから直接抽出されるとともに清浄装置に供給されることができるというさらなる利点が与えられる。
【0025】
したがって、費用の全くかからない洗浄媒体として、篩格子の前側に存在するか又は堆積する場合で排水を利用することが可能である。代替として、篩格子によって清浄されるとともに浄水側に存在する浄水を利用することも可能である。排水(不浄下水であっても浄化浄水であってもよい)によって、費用の全くかからない常に十分な量で存在する洗浄媒体を利用可能となる。厳密な環境政策及び経済の見地では、清水に代わる洗浄媒体としての利用が特に歓迎される。
【0026】
さらに、洗浄セクションが、少なくとも部分的に、好ましくは完全に篩格子の幅又は高さにわたって延び、洗浄セクションの長手方向軸が篩格子の平面とほぼ平行に向いている清浄装置の好適な実施形態において提供される。洗浄セクションが篩格子の幅にわたって延びている場合、洗浄車が篩格子の高さにわたって前後に移動するには十分である。同様に、洗浄セクションが篩格子の幅全体にわたって延長部を有する状況で、洗浄車が篩格子の高さにわたって前後に移動する場合、篩格子面全体を洗浄するのにそれで十分である。洗浄距離と移動距離が直角に配置され、移動が1方向に集中する場合、単純且つ丈夫な洗浄車の設計が可能となる。洗浄車は、例えば、レール又はレール境界によって導かれてもよい。この場合、洗浄車は、直線移動するための駆動手段を必要とし、この駆動手段は単純に対応して駆動及び制御される。
【0027】
したがって、例えば、ピストンロッドのない空気圧シリンダを篩格子枠のヘッド輪郭に組み入れることが可能であり、この空気圧シリンダは、接続アームに取り付けられるとともに任意選択的に別個にガイドされるポンプユニットと、接続アームのもう一方の側に取り付けられる洗浄セクション(接続アームはこの意味でノズルホルダ又は洗浄セクションホルダとしての役割も果たす)とを駆動する。生じる空気はさらに、補助洗浄剤(その後、硬水軟化剤となる)として例えば水等の洗浄媒体の噴流と混合されるため、洗浄がさらにいっそう穏やかに行われるようになっている。代替として、さらにラック・ピニオンドライブ、ベルトドライブ、又は同様の駆動手段が考えられる。
【0028】
さらに好適な実施形態では、開口の出口方向、スロットの開口方向、又はボアの長手方向軸は、篩格子面に対して25°未満、好ましくは15°未満、特に好適には5°未満の角度で傾斜する。したがって、スラスト効果が同時発生する、スポンジ若しくは洗浄すべき面の端から端を通過する水を形成するブレード又はヘラと同様の洗浄媒体の噴出により、篩格子に向けられる除去力が見られ、この除去力は、これら及び篩格子面の間に付着している汚濁粒子の下側に入り込んで篩格子から不純物を分離するのに特によく適している。
【0029】
さらに好適な実施形態では、開口は、例えばボア等の、洗浄セクションの長さにわたって配される複数の小さな開口の形態であるように提供される。代替として、開口は、洗浄セクションの全長にわたって延びるスロットの形態であるように提供される。複数の小さなスロットが互いに補完し合って1つのより大きなスロットになることも可能である。特に費用効果的に作製することができるスロット及びボアが選択される。
【0030】
特定の好適な実施形態によれは、スロットは、特に費用効果的に、洗浄媒体圧力によって上がるようになっている弾性要素、好ましくはゴムリップ又はゴムフラップと、洗浄セクションの隣接ハウジング部分又は弾性要素が当接するノズルの隣接ハウジング部分とによって画定される。
【0031】
さらに好適な実施形態では、洗浄セクションは、好ましくは浄水側から供給される洗浄媒体を供給する供給管路と、任意選択的に余分な洗浄媒体を排出する排出管路又は過圧逃し開口とを備える。供給管路を介して存在する下水の一部を直接吸引するとともに、作動水又は洗浄媒体を作動させる際にその下水の一部を利用することが可能である。代替として、下水の代わりに浄化した浄水又は任意選択的に清水等を洗浄媒体として、供給管路を介して洗浄セクションに給送することも考えられる。この場合、排出管路を有利に用いて洗浄セクションを洗い流してもよく、清浄装置がこの目的のために取り外される必要はない。
【0032】
さらに好適な実施形態によれば、洗浄セクションは、少なくとも部分的にがほぼ台形状又は箱状の断面を有するハウジングを備え、2つの隣接ハウジング部は、結果として扁平状噴流の洗浄媒体を生じさせるノズルが形成されるように互いに相対した向きにされる。洗浄媒体は、洗浄セクションのハウジングを介して搬送されることができる。ここでは、洗浄セクションのハウジングは、好ましくは、篩格子面に向いたスロット状開口を有し、この開口を介して洗浄媒体が流出し、プロセス中で発生するスラスト効果により、篩格子面に付着している不純物を浮き上がらせて洗い流す。
【0033】
代替的な一実施形態によれば、洗浄媒体が回転可能にされるとともに篩格子面により回転通過されることが提供される。したがって、洗浄媒体の旋回又は水筒が生じることにより、スラスト式除去力作用が篩格子面とほぼ平行にもたらされ、それにより、汚濁粒子が篩格子から分離される。汚濁粒子は、洗浄セクション内で回転している洗浄媒体から出る洗浄媒体部分(proportion)によって篩格子面から浮き上がって、作動水又は下水の上を通り、次いで、排出側へ洗い流され得る。
【0034】
回転式洗浄媒体により、その回転エネルギーのため、洗浄セクションの開口から出る際に、少なくとも一部が回転したままである洗浄媒体の噴流を生成することが可能であり、この噴流により、篩格子を下水が流れる方向に対して横断方向に洗浄スラスト効果を向けることが可能になるだけでなく、さらに、回転により、回転ブラシに匹敵するさらなる洗浄効果が得られる。
【0035】
下水の流れ方向に対して横断方向に向けられた洗浄媒体のスラスト効果により、篩格子を既に流れており不純物のない排水(洗浄セクションとは反対側の篩格子の後側に存在する)もまた、狭い範囲の篩格子内を流れ方向に対して横断方向に移動するものと考えられる。よって、この効果についてまだ説明していなくとも、清浄な補助洗浄媒体として篩格子を通過した水を補助的に利用することが可能であるものとする。したがって、狭い範囲の洗浄セクション内で洗浄媒体を部分的に回転させることによって強制的にもたらされる横断方向の移動により、篩格子に付着している不純物が良好に除去されてから、最終的に篩格子上に定着するか、又はさらに篩格子内に定着する。
【0036】
清浄装置のさらに好適な実施形態では、回転式洗浄媒体の回転ベクトルは、篩格子の平面及び/又は洗浄セクションの長手方向軸とほぼ平行に向けられるものとなっている。ここでは、水筒の回転は、回転式洗浄ブラシと同様の篩格子面にわたってなされる。篩格子面との接線又は接触場所の範囲内で、粒子は、このような回転水の旋回から出る洗浄媒体によって捕捉され、篩格子から浮き上がって、運び去られる。
【0037】
さらに好適な実施形態によれば、回転式洗浄媒体は、回転のほかに、回転ベクトルの方向及び/又は洗浄セクションの長手方向軸の方向への並進成分を有するものとなっている。これにより、全範囲の洗浄セクションにわたって、スラスト効果を発生させる水の旋回を得ることが可能であり、それと同時に、全範囲の洗浄セクションにわたっての水の交換又は作動水の循環が行われるため、洗浄セクションの全長にわたって、十分な洗浄媒体が利用可能であり、その洗浄媒体の一部は、篩格子のほぼ接線方向に又は篩格子と平行に出て、篩格子にわたって流れる。したがって、洗浄セクションのいかなる場所においても同等の良好な洗浄効果が達成され得る。図で示すと、このような筒状の洗浄水は、或る意味で、篩格子の全高又は全幅にわたって延びる回転式洗浄ブラシに匹敵し、この洗浄水には、回転式剛毛面の代わりに回転式水面があり、付加的に、スラスト効果を汚濁粒子に与え、それら汚濁粒子を除去するようにする。
【0038】
別の好適な実施の形態によれば、洗浄セクションは、少なくとも部分的にがほぼ円形状及び/又は螺旋状の断面を有するハウジングを備えるものとなっている。洗浄セクションの長手方向軸を中心に回転する洗浄媒体は、洗浄セクションのハウジングを介して搬送され得る。洗浄セクションのハウジングは、篩格子面に面する開口を有し、この開口を介して、洗浄媒体の一部が出て、プロセス中に発生したスラスト効果によって、篩格子面に付着している不純物を浮き上げて、それら不純物を洗い流す。断面で見ると、開口は、篩格子面とほぼ接線方向に接触するか又は篩格子面に隣接する範囲内に位置する。
【0039】
洗浄セクションのハウジングの断面が円形状又は部分的に螺旋状であることにより、水旋回の回転が全範囲の洗浄セクションにわたって維持される。ここでは、例えば、或る場所に切り込みを入れること及び外部に開口する円を曲げることによって、完全な円形の断面を部分的な螺旋状の断面に変更することが比較的容易であるため、それと同時に、断面に螺旋状に膨出した部分がもたらされ、それと同時に、洗浄媒体が篩格子面に流れ出る開口が設けられ得る。
【0040】
さらなる好適な実施の形態では、洗浄媒体は、供給管路によって洗浄セクションへ接線方向に回転しながら供給され得るものとなっている。このことは、洗浄媒体の回転を発生させる最も好適な代替形態のうちの1つであり、この回転により、洗浄セクションにおいて、上述した回転式洗浄媒体の旋回、又は作動水の旋回が形成される。
【0041】
代替として、洗浄セクションは、洗浄セクションの長手方向に延びる螺旋形状部分を含み、それにより、螺旋形状部分を通過するとともに螺旋形状部分に沿って通過する洗浄媒体が回転され得るものとなっている。洗浄セクション内の固定螺旋形状部分の場合では、洗浄媒体が十分に高速で洗浄セクションを通って送られるのであれば、自動的に回転するとともに螺旋形状部分に沿って流れるため、それで十分である。したがって、所望の水の旋回又は洗浄媒体の旋回が自動的に形成され、次いで、洗浄セクションを出る際に、上述の過圧又はスラスト効果を発生させ、この過圧又はスラスト効果によって、それにより生じる除去力によって、篩格子面から不純物を浮き上がらせて洗い流す。代替として、螺旋形状部分は、例えば外部から駆動されることによって回転されるようにされ得る。したがって、洗浄セクションを循環する洗浄媒体は、付加的に回転運動を受け、よって回転が加速され得る。したがって、回転を伴って形成される流れ又は螺旋により、所望のスラスト効果が発生し、このスラスト効果を洗浄セクションで用いて篩格子を除去する。
【0042】
さらなる好適な実施形態では、洗浄ユニットがポンプを含むものとなっている。さらに、清浄装置は、打ち抜きスクリーン格子又は棒篩格子に有用であるものとなっている。本発明による清浄装置はまた、他の篩格子構造とともに有利に使用可能である。
【0043】
今回初めて提案された当該清浄装置、同じく初めて提案された当該清浄方法は、特に、信頼性が高く、コスト効果的であり、環境適合的であり、篩格子の清浄用の完全な代替形態であることから成り、この代替形態は同時に篩格子で穏やかに動作する。
【0044】
排水プラント内での利用可能な下水又は作動水には、いかなるコストもかからない。商業的に利用可能なポンプ技術により、下水又は作動水を搬送し、洗浄圧をかけ、循環させ、且つ、任意選択的に、エネルギーに関して多大な消費は少しもかけずに、比較的容易な方法で、さらに回転されるようにすることができる。洗浄車が形成されている場合、時間テスト技術も用いられ得る。したがって、本発明による清浄装置を製造するコスト及び信頼性の高い動作コストの双方が低く抑えられることが有利であろう。
【0045】
上記に挙げた目的及び態様はそれぞれ、請求項19に記載の特徴によって達成される。ここでは、有利には、上述による清浄装置を備える篩格子は初めて提案される。したがって、上記に挙げた利点及び効果は相乗的に篩格子に及ぶ。
【0046】
方法技術に関して、個々の目的及び態様は請求項20に記載の特徴により達成される。本発明において、清浄装置を使用することによって排水プラントに組み込まれる篩格子の清浄方法が初めて提案され、ここでは、液体洗浄媒体が篩格子に供給され、好ましくは下水側に配置される清浄装置の洗浄セクションを用いて篩格子面を通るとともに、スラスト効果が、篩格子の平面に対して45°未満、好ましくは35°未満、特に好適には25°〜約0°の角度になるようにし、且つ、篩格子面に付着している不純物が、開口を介して洗浄セクションから出る液体洗浄媒体により形成される洗浄媒体の噴流によって篩格子に向けられる除去力により分離して運び去られる。
【0047】
したがって、篩格子清浄装置に関して既に上述した利点もまた、当該方法により相乗的に得ることができる。
【0048】
当該方法の有利な態様及び発展は、従属項に記載の特徴である。
【0049】
課題に対する上述の解決策は、同出願人に対する同時出願(代理人包袋:16/RO45K05/DE)において説明されている吸引原理の解決策と組み合わせられてもよく、又はこの吸引原理によって補足されるてもよく、そのため、可能な限り、この同時出願における開示は、本明細書に参照により完全に援用される。したがって、例えば、例えば遊星歯車等により、付加的な走行輪又は吸引装置用の付加的なポンプを駆動することが考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
本発明を、図面を参照することにより以下の実施例においてより詳細に説明する。
【0051】
図1は、雨水排水構造部(詳細には図示せず)内の篩格子1の例示的な設置の変形形態の非常に単純な概略的な図を示す。例えば、家庭又は工業設備からもたらされる排水、密閉された室外面等からもたらされる雨水を含み得る下水管から供給される排水2は、雨水排水構造部の排水溝を通って浄水プラント(詳細には図示せず)に向かう排水部分4として、下水側(ここで排水2が対応する排水断面に通される)に直接流れ続ける。
【0052】
横溢排水量、すなわち、例えば一時的な多量の水が生じた場合に排水溝によって即座に浄水プラントへ運び込むことができない排水量は、下水6として、篩格子1を通って出口方向の浄水側へ外部に流れる。ここでは、篩格子1は、排水2又は下水6とともに運ばれる濾過除去した物質を保持するとともに、濃縮形態のこれらの保持された不純物を、浄水プラントをそれて流れる排水部分4に戻す目的を有する。篩格子1を流れる下水6は、プロセス中、運ばれる不純物がなくなり、浄化水8として外側の浄水側へ流れ続ける。ここで、篩格子1は、排水2により運び込まれるとともに下水6とともに篩格子1に供給される汚濁粒子を保持する役割を果たす。
【0053】
非常に単純に概略的に図2に示すように、濾過又は除去は、棒篩格子10の場合では、一次元的にすぎない。細長い不純物部分は格子棒12間を通過することができる。対照的に、打ち抜きスクリーン格子14の場合では、二次元で濾過することが可能である。細長い不純物部分は、打ち抜きスクリーン格子14の穴16を通ることができない。しかしながら、打ち抜きスクリーン格子14の場合には、穴16の直径よりも大きい不純物部分が、打ち抜きスクリーン格子14を流れる下水6の静圧力によって篩面に付着してそこに滞留するという難点が、棒篩格子10の場合よりもいっそう多くある。したがって、穴16は時間が経つと塞がる。したがって、篩面が洗浄されない場合、流量能力が非常に急激に下がる。このことは、棒篩格子10の棒12間の空隙にも同様にあてはまる。
【0054】
図3には、本発明による清浄方法の基本的な作用が、単純な概略図で可視化されている。排水2により運ばれる不純物18は、ここでは打ち抜きスクリーン格子14の形態で示した篩格子1の下水側の面20上に大小の粒子で堆積する。打ち抜きスクリーン格子14を通過すると、下水6は不純物18がなくなり、浄化水8として浄水側に流れ続ける。篩格子14を洗浄するために、洗浄ユニット22は、洗浄媒体噴流24により篩格子面20に向けられるスラスト効果を発生させる手段を備える。このスラスト効果は、篩格子の平面に対して例えば25°未満の角度で傾斜してもたらされる。これにより、洗浄セクション26から篩格子1又は14に向けられる除去力が発生することになり、それにより、篩格子面20に付着している不純物18が洗浄媒体噴流24によって軟化し、矢印28で表されるように、篩格子面20から分離し、洗浄媒体によって洗い流される。双方向矢印30はさらに、篩格子14とほぼ平行に位置する平面内での篩格子14に対する洗浄ユニット22の移動を表す。洗浄媒体噴流24は、開口32を介して洗浄セクション26から出る。
【0055】
図3に単純に概略的に上述した、本発明による清浄方法の基本的な作用は、図4に示す本発明による清浄装置40の実施形態の参照によりさらに詳細に説明される。単純な概略的な三次元図で示される清浄装置40は、ここでは、打ち抜きスクリーン格子14の形態を有する篩格子1を清浄する役割を果たす。下水側には、上流の篩格子14の前側に配置されている洗浄ユニット22が示されている。洗浄セクション26から出る洗浄媒体24の噴流は、この図3では左側に送られる。洗浄媒体噴流24の厚みは、開口32からの距離が増すにつれて減少するが、これは、陰影を最初に暗くし、次第に明るくすることによって表される。水ブレード型の洗浄噴流24により、特に穏やかなさらに徹底した篩格子14の洗浄が達成され得る。
【0056】
同一の構成部材又は部品、若しくは同一効果を有する構成部材又は部品は、以下では説明を簡単にするために同じ参照符号で示されるものとする。
【0057】
断面がほぼ台形状又は箱状である洗浄ユニット22、又はその先端の洗浄セクション26は、ノズルとも呼ばれ得る。洗浄ユニット22は、篩格子14にかかるとともに対向部分にポンプユニット44(ここでは一部しか見えない)が取り付けられている支持アーム42に取り付けられている。ポンプユニット44により、浄化水8は、浄水側で吸引され、取り込まれ、過圧によって支持アーム42を介して洗浄セクション26に送り込まれ、開口32を介して、押出されることで、洗浄媒体24の所望のヘラ型噴流が生成される。
【0058】
洗浄媒体は、篩格子面の下水側から当たる場合、例えば20バール未満の過圧で、ポンプユニット44によって洗浄セクション26に供給され得る。好ましくは、10バール未満、ここでは、好ましくは2バール未満の供給圧力が選択される。約0.5バール〜1.5バールの範囲の圧力、好ましくは、1.1バールの圧力が特に経済的であると同時に十分に効果的であることがわかっている。したがって、その一方で、ポンプユニットは、特に頑強であるように設計されることができ、それにより、高耐久性及び長寿命が保証される。さらに、その一方で、経済的な運転が可能であるとともに費用効果的な解決策を特徴とする。よって、特に、篩格子面の穏やかであるとと同時に徹底した洗浄が達成され、そのため、篩格子は高耐久性も特徴とする。
【0059】
洗浄媒体が篩格子面に当たるか、又は浄水側から篩格子面に供給される場合、上述の圧力が許容可能であることがわかっている。しかしながら、必要であれば、より高い圧力で作動させることも可能である。その場合、洗浄媒体は、例えば5バール〜20バール、好ましくは10バール〜15バールの過圧で、洗浄セクション26に供給され得る。
【0060】
支持アーム42を介してポンプユニット44に接続される洗浄ユニット22又はノズルは概して、双方向矢印30で示すように、その長手方向の長さにわたって篩格子14に対して移動可能である。
【0061】
篩格子14は、本質的に既知の方法で、雨水排水構造部(ここでは概略的にしか図示せず)に設置される。
【0062】
図5には、図4に示す篩格子14が、その周りに構造部分がない状態で別個に示されている。篩格子14の後側又は篩格子14の下流には、堤状受け口(banking basin)46が配置されている。打ち抜きスクリーン格子14の打ち抜きスクリーンは、安定したステンレス鋼枠48に挟持される。支持アーム42は、ここでは洗浄車52(図示せず)上のU字外形として示される支持部材50により支持され、支持アーム42は、枠48内又は枠48上で、その長手方向に変位可能又は移動可能にガイドされる。
【0063】
図6には、図4及び図5に示す打ち抜きスクリーン格子清浄装置40が、浄水側から見られている。ここでも同様に、同一の部品又は構成部材、若しくは同一の効果を有する構成部材の部品は、説明を簡単にするために同一の参照符号で示されている。
【0064】
ポンプユニット44は、少なくとも動作している間、少なくとも、ポンプ54の吸引側53が乾かないような深さまで、堤状受け口46に浸される。U字外形を有する支持部材50は、付加的な保持及び支持部品56を介して、一方でポンプユニット44と、他方で洗浄車52と固定接続される。ここで示す実施形態では、例えば、枠48のヘッド輪郭内に、ピストンロッドのない空気圧シリンダが設置され、この空気圧シリンダは、洗浄車52によって移されるポンプユニット44と支持アーム42に固定取付けされる洗浄ユニット22とを篩格子14に対して駆動させて、篩格子の長手方向にそれらを移動する。空気圧シリンダによって一緒に押し出される空気は同時にエアクッションとしての役割を果たし、水及び汚濁粒子、したがって不要な摩耗から、ガイド及び駆動機構を保護するようにする。ポンプ54を有するポンプユニット44は、篩の背面側又は浄水側に配置され、汚濁粒子のない濾過除去された水を吸引し、導管の形態の支持アーム42を介して下水側に配置されたノズル又は洗浄ユニット22にその水を送る。
【0065】
図7には、図3ないし図6に示す篩格子又はそこに示されている洗浄ユニット22の単純な概略的な三次元図の部分拡大図であり、ここでは下水側から見た図である。
【0066】
それぞれ、断面がほぼ台形状、箱状である、洗浄ユニット22又は洗浄セクション26のハウジング58は、ステンレス鋼板から形成される。ハウジング58には、洗浄媒体とともに供給管路60と、ここに示されているように、必要に応じて洗浄媒体がそれて流れることができる排出管路62が設けられ、それによって、余分な圧力が逃がされ、余分な洗浄媒体が排出され、又は、ノズル又は洗浄ユニット22を濯ぐ。
【0067】
図8は、図4ないし図7に示す篩格子、又は篩格子に連結されている除去装置40の側面図を個々に示す。この図8では、ノズル又は洗浄ユニット22の開口32は、枠48に挟持されている打ち抜きスクリーン格子14の篩格子面20に向いていることが明らかである。開口32は、篩格子面20から離間しており、接触はしてない。開口32と篩格子面20との間に存在する距離には、洗浄水の噴流26で満たされる。
【0068】
図9には、ここでも同様に、図4ないし図8に示される清浄装置40のポンプユニット44の細部が単純な概略的な三次元図で示されている。ここでは、堤状受け口46の堤状プレート64が、濾過速度と逃し量との理想的な折衷がもたらされると同時にポンプ54が十分な洗浄水貯蔵を吸引ポート53の範囲内に維持するように設計され得ることが明らかである。
【0069】
図10には、洗浄ノズル22及びその構造は、図4ないし図8に示す洗浄セクションを簡略的な水平断面拡大図でより詳細に説明する。上から洗浄ノズル22を見た図である。開口32の出口方向65が、篩格子面20に対して25°未満、好ましくは15°未満、特に好適には5°未満の角度66で傾斜することがわかる。
【0070】
ここに示す実施形態では、スロット状開口32は、到達する洗浄媒体の圧力によって上がるようになっている弾性要素68と、弾性要素68が当接する隣接ハウジング部分70とによって画定される。弾性要素68は、好ましくは、ゴムリップ又はゴムフラップの形態であり得る。代替として、弾性付勢された板金又はプラスチック部品も考えられる。弾性要素68の弾性及び弾性能力に応じて、ここでは、弾性要素68と隣接ハウジング部分70との間が45°の角度である等の不変の幾何学的開始状態のまま、最初に得られている22.5°の出口方向角度66を調整することが可能である。この出口方向角度66は、スロット32が同時に開くことにより、洗浄媒体圧力の上昇及びそれに応じた弾性要素68の上昇移動の増大につれて小さくなる。
【0071】
さらに、篩格子面の下水側から当たる洗浄媒体噴流26の出口方向角度66は、出口方向の向きを変えることによって、又は、スロット状開口32の向きを変えることによって、出口方向角度66がゼロに近づくとともに、洗浄媒体の噴流が篩格子面に対してほぼ平行に又はほぼ接線方向に当たるようにする。
【0072】
洗浄媒体噴流26のほぼ接線方向の向きは、約0°の出口方向角度66で向けられ得る。約10°で篩格子面に当たる洗浄媒体26の噴流は、例えば、約5°の出口方向角度66で向けられ得り、ここでは、篩格子を流れる到達する下水は、洗浄媒体26の噴流を複数の角度で篩格子面へ向きがそれる。すなわち、この効果は、到達する水量及びその流速に応じて決まる。
【0073】
しかしながら、出口方向角度66のほぼ平行又はほぼ接線方向の向きは、弾性要素68は断面を比較的細長くされ、任意選択的に、例えば、対向するハウジング部分70の緩やかな弧状の部分断面を含む。代替として、ハウジング部分70の延長構造によって洗浄媒体噴流の誘導又は指向性に重点を置くこともできる。したがって、篩格子面に扁平形状で当たる水ブレード又は水ヘラの洗浄の質を最適にするために、各用途及び周辺状況に応じた様々な選択肢が利用可能である。
【0074】
特に、10バール以下、好ましくは2バール以下の洗浄媒体圧力で、25°〜0°までの出口方向角度66と組み合わせると、特に優れた洗浄成果が得られると同時に、特に篩格子の特に穏やかな洗浄が得られる。
【0075】
洗浄媒体の噴流が浄水側から篩格子面に当たる場合、特に2バール〜20バールの洗浄圧力に関して、25°〜45°の範囲の出口方向角度66が効果的であることがわかっている。
【0076】
弾性要素68は、ハウジング部分70に隣接するハウジング58のハウジング部72に支持され、例えば、ステンレス鋼レール74等によりハウジング58に対して挟持又はねじ留めされる。ノズル22又はスロット状開口32から、篩の全高にわたって、水噴流又は洗浄媒体噴流24が散布される。洗浄ユニット22における汚物の堆積は基本的に排除することができないため、必要であれば、ゴムマット68は、ポンプ54によって対応して生成されねばならないさらなる過圧とともに洗浄媒体によって洗浄することができる。これに関係なく、必要であれば、ノズル又は洗浄ユニット22も、出口管路62を開くことによって比較的容易に洗浄し、且つ、濯ぐことができる。
【0077】
動作を説明すると、洗浄ユニット22は、篩14の前側で、接触せずに調整可能な速度で前後に移動し、篩に付着している濾過除去された物質を下水管に追い出して、浄水プラントに導くか、又は濾過除去された物質用のシャフトに入れる。
【0078】
図11には、理解を深めるために、別の簡略な縦断面図で図4ないし図10に示される篩格子14用の清浄装置40の実施形態が示されており、互いに対する構成部材のそれぞれの相関関係がここで再び明らかとなる。同一の部品又は構成部材、若しくは同一の効果を有する部品又は構成部材は、ここでも同様に同じ参照符号で示される。
【0079】
本発明は、例えば、下水管、雨水排水構造部等の排水プラント内に組み込まれるとともに、例えば、排水、雨水、又は混水等の不純物混入水が通過する篩格子用の清浄装置であって、例えば、排泄物、懸濁物等の運ばれる不純物又はデブリを下水(6)から除去する役割を果たす篩格子用の清浄装置を明記する。清浄装置は、篩格子と連結される洗浄車であって、篩格子とほぼ平行に位置する平面内で篩格子に対して移動可能な洗浄車を備える。洗浄車は、篩格子に付着している不純物を篩格子から除去する洗浄セクションを備える洗浄ユニットを備える。洗浄ユニットが、篩格子の平面に対して25°未満の角度で傾斜するとともに、実質的に篩格子の平面の方向に篩格子面に向けられる過圧を発生させる手段を備えることが初めて明記される。そのため、洗浄セクションから篩格子に向けられる除去力が生じ、それにより、篩格子面に付着している不純物が、洗浄セクションを循環するとともに開口を介して洗浄セクションから一部が出る液体洗浄媒体によって軟化し、篩格子面から分離し、洗浄媒体とともに洗い流されるようになっている。本発明はさらに、清浄装置を備えた篩格子を提案し、当該篩格子の清浄方法を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】例示的な雨水排水口内の篩格子の例示的な構成の概略図である。
【図2】篩格子面の2つの例の概略図である。
【図3】本発明による篩格子清浄方法の基本的な作用の概略図である。
【図4】設置状態にある本発明による清浄装置の一実施形態の単純な概略的な三次元図である。
【図5】下水側から見た場合の清浄装置とともに、図4に示す篩格子の概略的な三次元図である。
【図6】浄水側から見た場合の清浄装置とともに、図4及び図5に示す篩格子の概略的な三次元図である。
【図7】清浄プロセスを可視化した、下水側から見た場合の図4ないし図6に示す篩格子の概略的な三次元図の部分拡大図である。
【図8】図4ないし図7に示す篩格子の概略的な側面図である。
【図9】図4ないし図8に示す清浄装置のポンプユニットの概略的な三次元図の細部図である。
【図10】図4ないし図8に示す洗浄セクション、又はそこに示す洗浄ノズルの概略的な、水平方向の拡大断面図である。
【図11】図4ないし図10に示す篩格子用の清浄装置の実施形態の概略的な垂直方向の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下水管、雨水排水構造部等の排水プラント内に組み込まれるとともに、排水、雨水、又は混水等の不純物混入水が通過する篩格子(1、10、14)用の清浄装置であって、それにより、排泄物、懸濁物等が運ばれる不純物(18)を下水(6)から除去する、篩格子用の清浄装置であって、
前記篩格子(1、10、14)と連結される洗浄車(52)であって、前記篩格子(1、10、14)とほぼ平行に位置する平面内で前記篩格子(1、10、14)に対して移動可能な洗浄車(52)を備え、
前記洗浄車(52)は、前記篩格子(1、10、14)に付着している不純物を前記篩格子(1、10、14)から除去する洗浄セクション(26)を含む洗浄ユニット(22)を備える、篩格子用の清浄装置であって、
前記洗浄ユニット(22)は、前記篩格子の面(20)に向けられるとともに前記洗浄セクション(26)に行き渡るスラスト効果を発生させる手段を備え、該手段は、前記篩格子の平面に対して45°未満、好ましくは35°未満、特に好適には約0°の角度(66)で傾斜し、これにより、前記洗浄セクション(26)から前記篩格子(1、10、14)に向けられる除去力が生じ、それにより、前記篩格子面(20)に付着している前記不純物(18)が、前記洗浄セクション(26)を流れるとともに開口(32)を介して前記洗浄セクション(26)から出る液体洗浄媒体(24)によって軟化し、前記篩格子面(20)から分離し、前記洗浄媒体(24)とともに洗い流され得ることを特徴とする、篩格子用の清浄装置。
【請求項2】
前記洗浄セクション(26)は、前記篩格子(1、10、14)の前側に、前記下水(8)の流れ方向の上流に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の清浄装置。
【請求項3】
前記洗浄セクション(26)は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、前記篩格子(1、10、14)の幅又は高さにわたって延び、前記洗浄セクション(26)の長手方向軸は、前記篩格子の平面とほぼ平行に向いていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の清浄装置。
【請求項4】
前記開口(32)の出口方向(65)は、前記篩格子面(20)に対して25°未満、好ましくは15°未満、特に好適には5°未満の角度(66)で傾斜することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の清浄装置。
【請求項5】
前記開口(32)は、前記洗浄セクション(26)の長さにわたって設けられた複数のボアの形態であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の清浄装置。
【請求項6】
前記開口(32)は、前記洗浄セクション(26)の長さにわたって延びるスロットの形態であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の清浄装置。
【請求項7】
前記スロット(32)は、前記洗浄媒体の圧力によって上がるようになっている弾性要素(68)、好ましくはゴムリップ又はゴムフラップと、該弾性要素(68)が当接するハウジング部分(70)とによって画定されることを特徴とする、請求項6に記載の清浄装置。
【請求項8】
前記洗浄媒体は、浄水側に浄化状態で存在する水(8)であることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の清浄装置。
【請求項9】
前記洗浄セクション(26)は、好ましくは前記浄水側から供給された前記洗浄媒体を供給する供給管路(60)と、任意選択的に、余分な洗浄媒体を排出する排出管路(62)又は過圧逃し開口とを備えることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の清浄装置。
【請求項10】
前記洗浄セクション(26)は、少なくとも一部がほぼ台形状の断面を有するハウジング(58)を有し、該ハウジング(58)内を前記洗浄媒体が搬送可能であり、前記洗浄セクションの前記ハウジング(58)は、前記篩格子面(20)に面する開口(32)を有し、該開口(32)を介して、前記洗浄媒体が、該洗浄媒体(24)の指向性噴流で、前記篩格子面(20)に対して45°未満、好ましくは35°未満、特に好適には約0°の角度(66)で送出され、それにより、前記篩格子面(20)に付着している前記不純物(18)が浮き上がって、前記洗浄媒体(24)の前記噴流によって洗い流され得るようにすることができることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の清浄装置。
【請求項11】
前記洗浄媒体は、回転させられるとともに前記篩格子面によって回転通過されて、過圧を発生可能であることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の清浄装置。
【請求項12】
前記回転式洗浄媒体の回転ベクトルは、前記篩格子の平面及び/又は前記洗浄セクションの長手方向軸とほぼ平行に向けられることを特徴とする、請求項11に記載の清浄装置。
【請求項13】
前記回転式洗浄媒体は、回転のほかに、前記回転ベクトル方向及び/又は前記洗浄セクションの長手方向軸の方向への並進移動成分を有することを特徴とする、請求項11又は12のいずれか1項に記載の清浄装置。
【請求項14】
前記洗浄セクションは、少なくとも一部がほぼ円形状及び/又は螺旋状の断面を有するハウジングを備え、該ハウジングを介して、前記洗浄セクションの長軸を中心に回転する前記洗浄媒体が搬送可能であり、前記洗浄セクションの前記ハウジングは、前記篩格子面に面する開口を有し、該開口を介して、前記回転式洗浄媒体の一部が、該洗浄媒体の指向性噴流で、前記篩格子面に対して45°未満、好ましくは35°未満、特に好適には約0°の角度で送出され、それにより、前記篩格子面に付着している不純物が前記洗浄媒体の前記噴流によって浮き上がって洗い流されることを特徴とする、請求項11ないし13のいずれか1項に記載の清浄装置。
【請求項15】
前記洗浄媒体は、回転を生じながら、前記供給管路により前記洗浄セクションに接線方向に供給し得ることを特徴とする、請求項11ないし14のいずれか1項に記載の清浄装置。
【請求項16】
前記洗浄セクションは、該洗浄セクションの長手方向に延びる、好ましくは回転する螺旋形状部分を含み、それにより、前記洗浄セクションを通過した前記洗浄媒体が回転させられ得ることを特徴とする、請求項11ないし15のいずれか1項に記載の清浄装置。
【請求項17】
前記清浄装置(40)はポンプ(54)を含むことを特徴とする、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の清浄装置。
【請求項18】
前記篩格子(1、10、14)は、打ち抜きスクリーン格子(14)又は棒篩格子(10)であることを特徴とする、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の清浄装置。
【請求項19】
請求項1ないし18の少なくとも1項に記載の清浄装置(40)を含む、篩格子。
【請求項20】
下水管、雨水排水構造部等の排水プラント内に組み込まれるとともに、排水、雨水、又は混水等の下水が通過する篩格子(1、10、14)を、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の清浄装置(40)を使用することによって清浄する、篩格子(1、10、14)を清浄する方法であって、
液体洗浄媒体が前記篩格子(1、10、14)に供給され、好ましくは下水側に配置されるとともに前記洗浄セクション(26)に行き渡るスラスト効果を発生させる、前記清浄装置(40)の洗浄セクション(26)を用いて、前記篩格子面(20)が通過して、前記スラスト効果が、前記篩格子の平面に対して45°未満、好ましくは35°未満、特に好適には約0°の角度(66)で傾斜してもたらされるようになっており、前記篩格子面(20)に付着している不純物(18)が、開口(32)を介して前記洗浄セクション(26)から出る前記液体洗浄媒体によって形成される洗浄液体(24)の噴流によって、前記篩格子(1、10、14)に向けられる除去力によって分離して運び去られることを特徴とする、篩格子の清浄方法。
【請求項21】
前記下水側の前記排水プラントに存在する前記下水(2、4、6)は、洗浄媒体として利用されることを特徴とする、請求項20に記載の篩格子の清浄方法。
【請求項22】
前記篩格子(1、10、14)の後側の前記浄水側の下流に浄化状態で存在する前記水(8)は、前記洗浄媒体として利用されることを特徴とする、請求項20に記載の篩格子の清浄方法。
【請求項23】
前記洗浄媒体は、少なくとも一部がほぼ台形状の断面を有する、洗浄セクション(26)のハウジング(58)を通して搬送され、前記洗浄セクションの前記ハウジング(58)は、前記篩格子面(20)に面する開口(32)を有し、該開口を通して、前記洗浄媒体の少なくとも一部が、該洗浄媒体(24)の指向性噴流で、前記篩格子面(20)に対して25°未満の角度(66)で流出し、それにより、前記篩格子面(18)に付着している不純物が浮き上がって前記洗浄媒体(24)の前記噴流よって洗い流されることを特徴とする、請求項20ないし22のいずれか1項に記載の篩格子の清浄方法。
【請求項24】
前記洗浄媒体は、前記回転式洗浄媒体の回転ベクトルが前記篩格子の平面及び/又は前記洗浄セクションの長手方向軸とほぼ平行に向けられるように回転させられることを特徴とする、請求項22ないし22のいずれか1項に記載の篩格子の清浄方法。
【請求項25】
前記回転式洗浄媒体は、前記回転ベクトルの方向及び/又は前記洗浄セクションの長手方向軸の方向の並進移動成分がさらに与えられることを特徴とする、請求項24に記載の、篩格子の清浄方法。
【請求項26】
前記洗浄セクションの長手方向軸を中心に回転する前記洗浄媒体は、少なくとも一部がほぼ円形状及び/又は螺旋状の断面を有する、前記洗浄セクションのハウジングを介して搬送され、前記洗浄セクションの前記ハウジングは、前記篩格子面に面する開口を有し、該開口を介して、前記回転式洗浄媒体の一部が、該洗浄媒体の指向性噴流で、前記篩格子面に対して25°未満の角度で流出し、それにより、前記篩格子面に付着している不純物が前記洗浄媒体の前記噴流によって浮き上がって洗い流されることを特徴とする、請求項24又は25に記載の篩格子の清浄方法。
【請求項27】
前記洗浄媒体は、回転を生じながら、前記洗浄セクションに接線方向で供給されることを特徴とする、請求項24ないし26のいずれか1項に記載の篩格子の清浄方法。
【請求項28】
前記洗浄セクションを流れる前記洗浄媒体は、好ましくは回転する螺旋形状部分により回転され、該ヘリックスは前記洗浄セクションの長手方向に延びることを特徴とする、請求項24ないし27のいずれか1項に記載の篩格子の清浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−510830(P2007−510830A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537071(P2006−537071)
【出願日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000901
【国際公開番号】WO2005/051514
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(506146493)
【Fターム(参考)】