説明

籾摺精米装置

【課題】コイン精米機にあって籾摺装置を、籾摺ロール形態に変えてインペラを用いた衝撃形態の構成として、揚穀搬送行程を低く形成して、コンパクトで安価な形態とするものである。
【解決手段】供給ホッパ1内の穀粒が籾の場合には脱ぷして上方に跳ね上げ、玄米の場合には上方に跳ね上げるインペラ装置を供給ホッパ1に隣接する位置に設け、インペラ装置の上部にはインペラ装置で跳ね上げられた穀粒を揚穀案内する揚穀筒5を接続し、該揚穀筒の終端部を籾殻を風選する風選装置に連通する構成とし、該風選装置6の後工程には石抜選別する石抜装置7を設け、石抜装置の後工程に精米装置を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、籾の籾摺精米処理、玄米の精米処理を可能とする籾摺精米装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所定量のコインを投入することによって籾摺精米する所謂コイン籾摺精米機において、供給ホッパに供給された籾米、又は玄米を、昇穀機を介して籾摺る装置、又は精米装置へ切替えて搬送供給し、籾摺、又は精米する形態の技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【特許文献1】特開2007ー301148号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
コイン籾摺精米機にあっては、狭く、低い小型のストッカハウス形態の機械ハウス内部に、籾摺装置や、石抜装置、精米装置、各部の昇降機等を配置して、市街中の狭い敷地に設置することが多く、籾摺装置を、籾摺ロール形態に変えてインペラを用いた衝撃形態の構成として、揚穀搬送行程を低く形成して、コンパクトで安価な形態とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、供給ホッパ(1)内の穀粒が籾の場合には脱ぷして上方に跳ね上げ、玄米の場合には上方に跳ね上げるインペラ装置を供給ホッパ(1)に隣接する位置に設け、インペラ装置の上部にはインペラ装置で跳ね上げられた穀粒を揚穀案内する揚穀筒(5)を接続し、該揚穀筒の終端部を籾殻を風選する風選装置に連通する構成とし、該風選装置(6)の後工程には石抜選別する石抜装置(7)を設け、石抜装置の後工程に精米装置(8)を設けたことを特徴とする籾摺精米装置とするものである。供給ホッパ1に所定量の籾米を供給すると、籾摺精米装置が駆動される。供給ホッパ1の籾米がインペラ3に供給されると、このインペラ3の回転によって、回転外周部のインペラケース4の内周面に投出し衝突させて脱ぷ、籾摺作用を行わせると共に、この摺出された摺出米をインペラケース4の内周面から揚穀筒5に案内させて揚穀させる。そして、この摺出玄米をこの揚穀筒5から側部の風選装置6、及び石抜装置7へ供給して藁屑や、砂礫等を選別除去しながら、精米装置8へ搬送供給して精米する。
【0005】
請求項2に記載の発明は、風選装置(6)の下方に石抜装置を設け、揚穀筒(5)を、上段部の風選装置(6)上にのぞむ風選揚穀筒(51)と、下段部の石抜装置(7)上にのぞむ石抜揚穀筒(52)とに分岐構成し、これら風選揚穀筒(51)と、石抜揚穀筒(52)とに切替可能の切替弁(9)を設けて揚穀案内することを特徴とする請求項1に記載の籾摺精米装置とする。
【0006】
供給ホッパ1に籾米を供給して籾摺を行わせながら精米するときは、切替弁9を切替て、摺出米を風選揚穀筒51に案内させて上段部に位置する風選装置6に揚穀搬送して供給し、風選作用を行わせながら石抜装置7、及び精米装置8へ搬送供給して精米を行わせる。又、供給ホッパ1に玄米を供給して精米をおこなわせるときは、切替弁9を石抜揚穀筒52側へ切替て、インペラケース4内のインペラ3の回転によって放出される玄米を、この石抜揚穀筒52から下段部に位置する石抜装置7へ揚穀搬送して供給し、石抜選別を行いながら、精米装置8へ搬送供給して精米を行わせる。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記摺出米を風選装置6と石抜装置7への切替え揚穀に伴ってインペラ3の回転速を変更可能に設ける。前記のように供給ホッパ1に籾米を供給して籾摺作用を行わせるときは、インペラ3の回転数を高くして、高速回転によるインペラ3からインペラケース4に向けて投出する投出力を高く維持する。又、供給ホッパ1に玄米を供給して精米を行うときは、インペラ3の回転数を低くするように切替る。この元玄米供給による精米作用時は、籾摺作用は不要であるから、インペラ3の回転を低くしてインペラケース4に対する衝突作用を弱くし、玄米のインペラケース4面に対する衝撃損傷を少なくしながら、低位置の石抜装置7へ揚穀供給する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明は、インペラ3や、インペラケース4等は揚穀筒5を兼ねて小型、簡単に構成して、揚穀筒5の高さを低くし、コンパクトで安価な構成とすることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、供給ホッパ1に元籾米を供給して籾摺作業を行わせるときは、インペラ3によるインペラケース4への摺出米の投出力を高く維持して、籾摺作用を効果的に行わせると共に、風選揚穀筒51による高位置の風選装置6への揚穀作用を円滑に行わせることができる。供給ホッパ1から元玄米を供給して精米するときは、揚穀筒5が切替弁9によって低い石抜揚穀筒52へ切替られるため、このインペラ3による玄米を直接下段部の石抜装置7へ供給してから精米装置8へ供給される。このため、風選装置6と石抜装置7は、上下方向に重ねた形態として設置スペースを狭くすることができ、揚穀筒5揚程等の搬送経路を低く、短くして玄米の破損、損傷を低減して効率的な精米処理を行うことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、供給ホッパ1玄米を供給して精米を行うときは、インペラ3の回転が減速されて、前記インペラケース4に対するインペラ3による玄米投出力を弱くし、揚穀時の玄米の胴割れや、損傷等を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図例に基づいて、コイン籾摺精米装置は、ハウス11内の仕切壁12で作業室13と機械室14とに仕切られた形態の、機械室14内に、籾摺装置2や、風選装置6、石抜装置7、及び精米装置8、これらの間を搬送する籾摺装置2の揚穀筒5、精米エレベータ16等を配置している。仕切壁12部近くには、操作盤19を設け、この操作盤19には、コイン投入口17や、元籾米を供給して籾摺、精米を行わせるか、又は元玄米を供給して精米を行わせるかを選択する選択スイッチ18、仕上げ精白度を選択する精白度選択ボタン48等を配置する。又、籾米や、玄米等を投入する供給ホッパ1の投入口、及び、精米された仕上げ白米を取出して袋詰めする取出ホッパ20等を配置する。
【0012】
ここにおいて、この籾摺精米装置は、作業床上の供給ホッパ1から供給される元籾米を受けて籾摺するインペラ3を備える籾摺装置2を供給ホッパ1に隣接して設ける。そして、この供給ホッパ1から供給される籾米を受けて回転により放射方向へ投出するインペラ3と、このインペラ3の回転により投出される籾米を衝突させて籾摺するインペラケース4と、この摺出米を揚穀案内する揚穀筒5と等により構成する。この籾摺装置2の側部に、摺出米を風選する風選装置6を上段に、石抜選別する石抜装置7を下段に重ねて設けている。
【0013】
供給ホッパ1に所定量の籾米を供給してコインメックに所定額のコインを供給すると、籾摺精米装置が駆動される。供給ホッパ1の元籾米がインペラ3に供給されると、このインペラ3の回転によって、回転外周部のインペラケース4の内周面に投出し衝突させて脱ぷ、籾摺作用を行わせると共に、この摺出された摺出米をインペラケース4の内周面から揚穀筒5に案内させて揚穀させる。そして、この摺出米をこの揚穀筒5から側部の風選装置6、及び石抜装置7へ供給して藁屑や、砂礫等を選別除去し、精米装置8へ搬送供給して精米する。
【0014】
又、前記揚穀筒5を、上段部の風選装置6上にのぞむ風選揚穀筒51と、下段部の石抜装置7上にのぞむ石抜揚穀筒52とに分岐構成し、これら風選揚穀筒51と、石抜揚穀筒52とに切替可能の切替弁9を設けて揚穀案内する。前記供給ホッパ1に籾米を供給して籾摺を行わせながら精米するときは、切替弁9を切替て、摺出米を風選揚穀筒51に案内させて上段部に位置する風選装置6に揚穀搬送して供給し、風選作用を行わせながら石抜装置7、及び精米装置8へ搬送供給して精米を行わせる。
【0015】
又、供給ホッパ1に玄米を供給して精米をおこなせるときは、切替弁9を石抜揚穀筒52側へ切替て、インペラケース4内のインペラ3によって放出される玄米を、この石抜揚穀筒52から下段部に位置する石抜装置7へ揚穀搬送して供給し、石抜選別を行いながら、精米装置8へ搬送供給して精米を行わせる。
【0016】
更には、前記摺出米を風選装置6と石抜装置7への切替え揚穀に伴ってインペラ3の回転速を変更可能に設けるべく回転モータ(図示せず)を可変速モータとしている。前記のように供給ホッパ1に籾米を供給して籾摺作用を行わせるときは、インペラ3の回転数を高くして、高脱ぷ率を可能とし、高速回転によってインペラ3からインペラケース4に向けて投出する投出力を高く維持する。
【0017】
供給ホッパ1に玄米を供給して精米を行うときは、インペラ3の回転数を低くするように切替る。この玄米供給による精米作用では、籾摺作用は不要であるから、投穀翼砂3の回転を低くしてインペラケース4に対する衝突作用が弱くし、玄米の外周面における衝撃傷を少なくしながら、低位置の石抜装置7へ揚穀供給する。
【0018】
前記供給ホッパ1は、底部に供給オーガ10を有すると共に、この供給ホッパ1内に供給の元籾米、又は玄米の種類を検出する判別センサ15や、これらの貯留状態を検出する有無センサ22等を有する。この供給オーガ10をオーガモータ39で駆動することによって供給ホッパ1内の籾米、又は玄米を籾摺装置2のインペラケース4内へ供給する構成である。籾摺装置2はインペラ形態のインペラ3と、このインペラ3を軸装して回転周面に籾米を放出衝突させながら脱ぷ、籾摺作用を行わせるインペラケース4、及び、この脱ぷした摺出米を上方へ揚穀案内する揚穀筒5等から構成し、揚穀搬送する揚穀筒5を兼ねた形態として、籾摺した摺出米の放出を揚穀筒5に案内させて直ちに揚穀搬送させる形態としている。インペラ3はインペラ軸23を有して高速回転されるが、このインペラ軸23の回りの中央部に籾米や玄米等の供給を受ける供給口24を形成し、この供給口24に供給された籾米等を回転によって放射方向へ投出して、この回転外周面のインペラケース4面に衝突させて脱ぷさせるものである。揚穀筒5はこのインペラケース4の外周部から上方接線方向へ連通して、風選装置6や、石抜装置7の高さへ揚穀する揚程に形成する。前記インペラケース4は、供給ホッパ1底部の供給オーガ10の終端下部の床面上近くにに設置して、供給口24にを供給オーガ10をのぞませている。
【0019】
前記供給ホッパ1には供給オーガ10を設けているが、この供給オーガ10を設けないで供給ホッパ1をインペラケース4の供給口24に直接のぞませて、供給ホッパ1の位置を低く設定し易くし、簡潔な形態とすることもできる。
【0020】
そして、設置スペースを狭くすることができ、限られた小型で狭い機械ハウス内に容易に設置することができ、メンテナンスを行いやすくすることができ、籾摺、乃至揚穀搬送との動力消費を低減し、省力化した設備構成とすることができる。
【0021】
このように籾摺装置2の主体となるインペラ3部等は床部T近くに設置するが、揚穀筒5部は上方へ適宜高さに伸びて隣接位置に配置の風選装置6や、石抜装置7等にのぞませる。これら風選装置6と石抜装置7等は上、下位置の高さを異にして配置するため、この揚穀筒5を途中高さ位置で分岐して、高い風選揚穀筒51と、低い石抜揚穀筒52を形成し、これらの分岐部に切替弁9を設けて、この切替弁9を風選揚穀筒51の側へ切替回動することによって、この風選揚穀筒51を経て風選装置6へ揚穀し、又、石抜揚穀筒52の側へ切替回動することによって、この石抜揚穀筒52を経て石抜装置7へ揚穀して供給することができる形態である。
【0022】
このような籾摺装置2の奥側には、風選装置6や石抜装置7を設置する。これらの各装置6、7は、床面上の段積形態の設置枠25を介して上、下段部に配置している。この設置枠25の最上段部には選別ホッパ26と、切替弁27を有するシュータ28、29を設け、中断部に吸引ブロワ30を有して、前記シュータ28から流下される摺出玄米から籾殻を風選する風選装置6を設け、この最下段部に石抜装置7を配置している。前記シュータ29は精米装置8へ搬送供給するための精米エレベータ16の入口33にのぞませている。石抜装置7は傾斜揺動選別板や、この揺動選別板を下側から上方へ吹き上げて風選するフアン等を有して、この揺動選別板の上面に前記風選装置6で風選別された摺出米の供給を受けて比重選別を行いながら、傾斜上方側部から砂礫容器31へ砂礫を選別して取り出し、傾斜下側部の排出口32へ玄米を選別して取り出すように構成している。この石抜装置7の隣接位置には前記精米エレベータ16を設け、精米装置8上の精米ホッパ34に搬送供給するように構成している。
【0023】
又、これら風選装置6にはシイナや未熟米が還元シュータ49に取り出され、又、石抜装置7には残米が還元シュータ50に取り出されるが、これらの各還元シュータ49、50は前記籾摺装置2の供給口24にのぞませて、還元される籾米を再度脱ぷ又は揚穀するように構成している。
【0024】
この精米装置8は、ホッパ34から供給される玄米を、精米転子40の回転によって外周部の精米網51との間で摩擦精白して、白米を精米室41の白米口35から排出し、この精白によって発生する糠を精米網51の網目から漏出させて除糠口36から糠容器37へ排出するものである。この精米装置8の白米口35に排出される白米は、前記仕切壁12部の取出ホッパ20に受けて、袋詰め処理することができる。又、前記精米ホッパ34には玄米の有、無を検出する玄米センサ38を設けて、この精米ホッパ34における玄米量が減少することによって前記供給ホッパ1におけるオーガモータ39を電動して、供給オーガ10を駆動して、供給ホッパ1からの元籾米、乃至元玄米を搬送供給させるように供給制御する形態である。
【0025】
精米装置8は、精米転子40を回転させる精米室41の入口42に精米ホッパ34の玄米を繰り込む繰込バルブ43を設けると共に、この入口42の開度を調節可能とする開閉弁44を設けている。この繰込バルブ43の上側に位置する開閉弁44は、ソレノイド作動によってこの開口部を繰込バルブ43の軸方向幅にわたりスライドさせて全幅を開閉したり、一部を開閉することができる。通常の精米コースでは、この開閉弁44を全開状態にするが、所謂無洗米コースでは、半開の状態として精米作用を行わせることができる。又、この無洗米コースにあっても終了精米時は開閉弁44を全開状態とするように開閉制御する。このような形態であると、インバータや、スピードコントローラ等によって、繰込バルブ43の回転数を変更して、流量を変える形態よりも簡単で、安価な構成とすることができる。
【0026】
又、前記精米網51の網目は、スリット状形態に目抜き形成しているが、この網目のスリット幅を、精米網51の入口42側では広くして形成し、出口、白米口35側では狭くして形成している。この精米室41の入口42側において小さな混合砂の漏出を行わせ易くしている。通常は、石抜装置7において砂礫が選別除去されるが、仕上げ白米に小さな砂や、籾殻等が残溜混入していることがある。これらを精米室41の前半行程で速やかに取り除くことができる。
【0027】
又、出口の白米口35には抵抗板45を対面させて、モータ46によってこの抵抗板45の白米口35に対する押圧力を調節して、精白度を調節可能に構成している。精米室41の網目から漏下される糠は除糠フアン47の回転吸引によって除糠口36へ搬送処理される。
【0028】
精米作業を行うときは、所定量の元籾米、又は、元玄米を供給ホッパ1に入れて、この精米に応じたコインをコイン投入口17に入れる。そして、この供給した元籾米、又は元玄米の種類を選択スイッチ18で設定し、精白度選択ボタン48を設定する。これによって供給オーガ10や、インペラ3等が駆動されて、籾摺作用が行われる。このインペラ3により投出されて脱ぷされた摺出米は、揚穀筒5を介して風選装置6、又は石抜装置7へ揚穀されて選別、石抜作用が行われる。このうち、元籾米を供給したときは、この種類を判別センサ15によって検出されて切替弁9が風選装置6側へ揚穀するように切替られていて、摺出米は上部の風選装置6へ揚穀される。又、元玄米である場合は、切替弁9が石抜揚穀筒52側へ揚穀するように切替られていて、回転数も減速された状態のインペラ3に回転によってこの石抜装置7へ直接揚穀される。
【0029】
このような、切替弁9や、石抜揚穀筒52等を設けない形態では、元玄米を供給して精米する場合は、摺出米として何れも揚穀筒5(風選揚穀筒51)を揚穀されて、最上段の選別ホッパ26ヘ揚穀されて、切替板27の切替によってシュータ29側へ流下案内されて、石抜装置7へ供給される。この場合においても、前記インペラ3の回転数を揚穀に必要とする領域に減速位置に切替るように構成している場合は、玄米の脱ぷ衝撃による胴割れや、損傷等を少なくすることができ、後続の精米作用を速やかに、円滑に行わせることができる。
【0030】
このようにして、選別、乃至石抜作用が行われた玄米は、精米エレベータ16を昇穀されて、精米ホッパ34に供給されて、精米室41へ供給される。この精米室41においては、前記精白度選択ボタン48によって抵抗板45の圧力が選択設定されているために、この設定精白度に精米される。精米作用は精米ホッパ34から玄米が間歇的に供給される毎に、所定時間にわたって抵抗板45が前閉された状態で精白制御する(図6)。
【0031】
このとき、初期精米、及び終了精米時は、白度位置により、白度位置、繰込バルブ43の回転数等が細かく異なっていて、このときの白度変更を行うことになると、制御が大変煩雑になり精白むらや、玄米混入等の問題が発生し易くなる。そこで、これら初期精米や、終了精米中は、白度選択の変更ができないように、白度選択ボタン48を操作しても変更出力しないように構成している。
【0032】
又、1回通し式形態の精米装置では、初期精米や、終了精米で精米室41内での玄米の撹拌作用が不可欠であるが、このとき砕米の増加や、むら搗き、穀温の上昇等が著しい。そこで、前記精米装置8において、初期精米や、終了精米時に、除糠フアン47の駆動回転を一時的に停止させて、精米湯部の周面から剥離した糠を精米室41内に残り易くした状態で精米を行わせて、除糠性能の向上、もら搗きの軽減、穀温上昇の軽減等を行わせるものである。
【0033】
又、精米機の実能率は、気温、湿度、米室、磨耗、糠付き等のによって変動し易いものである。1回通し式形態の精米機では微妙で、玄米が未精米のまま出てき易いものである。そこで、前記精米ホッパ34の玄米センサ38を、玄米量に応じて下限センサ61と、中間センサ62と、上限センサ63との複数段に配置して、中間センサ62のOFFから下限センサ61のOFFまでの時間差から精米機の正確な実能率を算出し、この算出した精米機の実能率に基づき、繰込バルブ43の回転数を変更制御する。又、この算出した精米能率に基づき、初期精米、終了精米で精米機に供給する玄米量を変更制御する。そして、精米適応性を高め、玄米の混入や、むら搗き等をなくするものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】籾摺装置部の側面図。
【図2】その籾摺精米装置の概略ブロック図。
【図3】その平面配置図。
【図4】その精米装置部の側面図。
【図5】操作板部の正面図。
【図6】その一部精米制御例のフローチャート。
【符号の説明】
【0035】
1 供給ホッパ
2 籾摺装置
3 インペラ
4 インペラケース
5 揚穀筒
6 風選装置
7 石抜装置
8 精米装置
9 切替弁
51 風選揚穀筒
52 石抜揚穀筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給ホッパ(1)内の穀粒が籾の場合には脱ぷして上方に跳ね上げ、玄米の場合には上方に跳ね上げるインペラ装置を供給ホッパ(1)に隣接する位置に設け、
インペラ装置の上部にはインペラ装置で跳ね上げられた穀粒を揚穀案内する揚穀筒(5)を接続し、該揚穀筒の終端部を籾殻を風選する風選装置に連通する構成とし、該風選装置(6)の後工程には石抜選別する石抜装置(7)を設け、石抜装置の後工程に精米装置(8)を設けたことを特徴とする籾摺精米装置。
【請求項2】
風選装置(6)の下方に石抜装置を設け、揚穀筒(5)を、上段部の風選装置(6)上にのぞむ風選揚穀筒(51)と、下段部の石抜装置(7)上にのぞむ石抜揚穀筒(52)とに分岐構成し、これら風選揚穀筒(51)と、石抜揚穀筒(52)とに切替可能の切替弁(9)を設けて揚穀案内することを特徴とする請求項1に記載の籾摺精米装置。
【請求項3】
穀粒を風選装置(6)と石抜装置(7)への切替え揚穀に伴ってインペラ(3)の回転速を変更可能に設けたことを特徴とする請求項1、又は2に記載の籾摺精米装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−5589(P2010−5589A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−170791(P2008−170791)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】