説明

粉体処理ミキサ、粉体処理装置および粉体処理方法

【課題】造粒済みの粉体粒子集合体を整粒するサイズの大きいパンペレタイザが不要になり、粉体粒子を短時間に高精度に整粒できる粉体処理ミキサを提供する。
【解決手段】粉体処理ミキサ1は、粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器4と、回転容器4の内方で且つ回転容器4の中心軸線CL1より偏心した位置に中心軸線CL1と平行に配置され、回転容器4の回転方向と同一方向に回転するロータユニット3とを備える。ロータユニット3は、回転容器4の中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部5と、ヘッド部5に取付けられ回転容器の底板7の近傍まで延びて、粉体集合体の領域内で運動する棒状部材6とを有し、粉体が造粒済みの粒子である場合、回転容器とロータユニットがそれぞれ回転して、棒状部材6が回転容器内の粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、この回転容器の内方に配置されて回転するロータユニットとを備えて粉体を処理する粉体処理ミキサ、粉体処理装置および粉体処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粉体を、混合、混練、造粒、整粒(造粒済みの粒子を丸くして球形にする処理)およびコーティング処理する場合には、従来は、混合、混練および造粒を行う前段工程は1台のミキサ(たとえば、特許文献1)で処理し、造粒済みの粉体粒子を整粒およびコーティングする後段工程はパンペレタイザ(特許文献2、特許文献3)など別の装置を設ける場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−1287号公報
【特許文献2】特開2008−95167号公報
【特許文献3】特開2010−76275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
造粒済みの粉体粒子の集合体を整粒、コーティングするためのパンペレタイザは、粉体処理に時間がかかってしまうという課題があった(たとえば、整粒に10分以上かかっていた。)。
パンペレタイザは、内部スペースの有効使用体積の割合が小さいので、装置のサイズが大きくなって広い設置場所を必要とし、また、定量原料供給装置を必要とし、さらに、運転開始のスイッチをオンしたのち、安定した整粒、コーティングを行うまでのウオーミングアップに時間がかかるという課題もあった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、粉体粒子の集合体に剪断力や強い撹拌力を作用させずに、粉体粒子同士を互いに接触させながらゆっくりとコロコロと転がるように転動させて、各粉体粒子が、傷ついたり割れたりすることなく短時間に高精度な整粒およびコーティングの一方または両方を行うことができ、また、サイズの大きいパンペレタイザが不要になる粉体処理ミキサ、粉体処理装置および粉体処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明にかかる粉体処理ミキサは、粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転するロータユニットとを備えた粉体処理ミキサであって、このロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、前記粉体が造粒済みの粒子である場合に、前記回転容器と前記ロータユニットがそれぞれ回転して、前記棒状部材が前記回転容器内の前記粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒のみを行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
また、コーティングのみを行う場合の粉体処理ミキサは、粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転するロータユニットとを備えた粉体処理ミキサであって、このロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、前記粉体が整粒済みの粒子である場合に、前記回転容器と前記ロータユニットがそれぞれ回転して、前記棒状部材が前記回転容器内の前記粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させてコーティングする。
なお、前記回転容器の内方に複数の前記ロータユニットが配置されている場合であってもよい。
また、他の発明にかかる粉体処理ミキサは、粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転するロータユニットとを備えた粉体処理ミキサであって、このロータユニットとしては、第1のロータユニットと第2のロータユニットが交換可能に構成されており、前記第1のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるシャフトと、このシャフトの周囲に分散して放射状に取付けられた複数の羽根とを有し、前記第2のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、前記回転容器と前記第1のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記羽根が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒し、前記第1のロータユニットを前記第2のロータユニットに交換した後、前記回転容器と前記第2のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記棒状部材が前記回転容器内の造粒済みの粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
さらに他の発明にかかる粉体処理ミキサは、粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した第1の位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第1のロータユニットと、前記回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した第2の位置に前記中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第2のロータユニットとを備えた粉体処理ミキサであって、前記第1のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるシャフトと、このシャフトの周囲に分散して放射状に取付けられた複数の羽根とを有し、前記第2のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、前記第2のロータユニットを停止させた状態で、前記回転容器と前記第1のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記羽根が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒し、その後、前記第1のロータユニットを停止させた状態で、前記回転容器と前記第2のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記棒状部材が前記回転容器内の造粒済みの粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
本発明にかかる粉体処理装置は、第1の粉体処理ミキサと第2の粉体処理ミキサを備える粉体処理装置であって、前記第1の粉体処理ミキサは、粉体の集合体を内部に収納して回転する第1の回転容器と、この第1の回転容器の内方で且つこの第1の回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記第1の回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第1のロータユニットとを有しており、この第1のロータユニットは、前記第1の回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるシャフトと、このシャフトの周囲に分散して放射状に取付けられた複数の羽根とを有し、前記第1の回転容器と前記第1のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記羽根が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒し、前記第2の粉体処理ミキサは、前記第1の粉体処理ミキサで造粒された粉体粒子の集合体を内部に収納して回転する第2の回転容器と、この第2の回転容器の内方で且つこの第2の回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記第2の回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第2のロータユニットとを有し、この第2のロータユニットは、前記第2の回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記第2の回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体粒子の集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、前記第2の回転容器と前記第2のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記棒状部材が前記第2の回転容器内の前記粉体粒子集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
前記ロータユニットの前記ヘッド部は、前記粉体粒子に直接接触しないように、常時、前記粉体集合体の領域外に位置しており、前記ヘッド部に取付けられている前記棒状部材は、前記ロータユニットの補助中心軸線を中心として、周囲に均等角度で且つ同一距離に複数本配置されているのが好ましい。
また、前記ロータユニットの前記ヘッド部は、前記粉体粒子に直接接触しないように、常時、前記粉体粒子集合体の領域外に位置しており、前記ヘッド部に取付けられている前記棒状部材は、前記ロータユニットの補助中心軸線を中心として、周囲のうち一方側に偏って複数本配置されているか、または、前記補助中心軸線を中心として、周囲に距離を異ならせて複数本配置されている場合であってもよい。
上述の目的を達成するため、本発明にかかる粉体処理方法は、粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転するロータユニットとを備えた粉体処理ミキサで前記粉体を処理する方法であって、前記ロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、前記粉体が造粒済みの粒子である場合に、前記回転容器と前記ロータユニットがそれぞれ回転して、前記棒状部材が前記回転容器内の前記粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒のみを行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
他の発明にかかる粉体処理方法は、粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転するロータユニットとを備えた粉体処理ミキサで前記粉体を処理する方法であって、前記ロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、前記粉体が整粒済みの粒子である場合に、前記回転容器と前記ロータユニットがそれぞれ回転して、前記棒状部材が前記回転容器内の前記粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させてコーティングする。
さらに他の発明にかかる粉体処理方法は、粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転するロータユニットとを備えた粉体処理ミキサで前記粉体を処理する方法であって、前記ロータユニットとしては、第1のロータユニットと第2のロータユニットが交換可能に構成されており、前記第1のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるシャフトと、このシャフトの周囲に分散して放射状に取付けられた複数の羽根とを有し、前記第2のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、前記回転容器と前記第1のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記羽根が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒し、その後、前記第1のロータユニットを前記第2のロータユニットに交換し、その後、前記回転容器と前記第2のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記棒状部材が前記回転容器内の造粒済みの粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
さらに、他の本発明にかかる粉体処理方法は、粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した第1の位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第1のロータユニットと、前記回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した第2の位置に前記中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第2のロータユニットとを備えた粉体処理ミキサで前記粉体を処理する方法であって、前記第1のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるシャフトと、このシャフトの周囲に分散して放射状に取付けられた複数の羽根とを有し、前記第2のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、前記第2のロータユニットを停止させた状態で、前記回転容器と前記第1のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記羽根が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒し、その後、前記第1のロータユニットを停止させた状態で、前記回転容器と前記第2のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記棒状部材が前記回転容器内の造粒済みの粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
さらに、他の本発明にかかる粉体処理方法は、第1の粉体処理ミキサと第2の粉体処理ミキサを備える粉体処理装置で粉体を処理する方法であって、前記第1の粉体処理ミキサは、粉体の集合体を内部に収納して回転する第1の回転容器と、この第1の回転容器の内方で且つこの第1の回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記第1の回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第1のロータユニットとを有し、この第1のロータユニットは、前記第1の回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるシャフトと、このシャフトの周囲に分散して放射状に取付けられた複数の羽根とを有し、前記第2の粉体処理ミキサは、造粒済みの粉体粒子の集合体を内部に収納して回転する第2の回転容器と、この第2の回転容器の内方で且つこの第2の回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記第2の回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第2のロータユニットとを有し、この第2のロータユニットは、前記第2の回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記第2の回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体粒子の集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有しており、前記第1の粉体処理ミキサの前記第1の回転容器と前記第1のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記羽根が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒し、その後、この造粒済みの粉体粒子を前記第2の粉体処理ミキサに移送し、その後、この第2の粉体処理ミキサの前記第2の回転容器と前記第2のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記棒状部材が前記第2の回転容器内の前記粉体粒子集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、上述のように構成し、棒状部材は低速で円周運動を行いしかも造粒済みの各粉体粒子に対する接触面積が小さいので、粉体粒子の集合体に剪断力や強い撹拌力は作用せず、粉体粒子同士が互いに接触しながらゆっくりとコロコロと転がるように転動することになり、各粉体粒子は、傷ついたり割れたりすることなく短時間に高精度な整粒やコーティングがなされる。
また、造粒済みの粉体粒子集合体をミキサで整粒、コーティングできるので、造粒済みの粉体粒子集合体を整粒やコーティングするためのサイズの大きいパンペレタイザが不要になり、しかも、パンペレタイザと比較して、粉体処理ミキサは回転容器の内部スペースの有効使用体積の割合が大きいので、粉体処理ミキサを小型化できることになり、粉体処理ミキサを備える粉体処理装置全体もコンパクトになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】粉体を、混合、混練、造粒、整粒およびコーティング処理する場合の粉体の外形を示す説明図である。
【図2】図2ないし図16は本発明の第1実施例を説明する図で、図2は粉体処理ミキサの側面図である。
【図3】粉体処理ミキサの正面図で、粉体処理ミキサに第1のロータユニットが取付けられている。
【図4】図3に示す粉体処理ミキサの概略構成を示す斜視図である。
【図5】図3に示す粉体処理ミキサの概略構成を示す平面図である。
【図6】図3に示す粉体処理ミキサの動作を示す図である。
【図7】粉体処理ミキサの正面図で、粉体処理ミキサに第2のロータユニットが取付けられている。
【図8】図7に示す粉体処理ミキサの概略構成を示す斜視図である。
【図9】図7に示す粉体処理ミキサの概略構成を示す平面図である。
【図10】図7に示す粉体処理ミキサの第2のロータユニットを示す図である。
【図11】図7に示す粉体処理ミキサの動作を示す図である。
【図12】図7に示す粉体処理ミキサの第2のロータユニットの変形例を示す図である。
【図13】図7に示す粉体処理ミキサの第2のロータユニットの他の変形例を示す図である。
【図14】図7に示す粉体処理ミキサの変形例を示す平面図である。
【図15】1台の粉体処理ミキサで粉体を処理する動作を示す正面図である。
【図16】粉体処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】図17、図18は、本発明の第2実施例を示す図である。図17は、1台の粉体処理ミキサに第1のロータユニットと第2のロータユニットの両方を設けて粉体を処理する場合の正面図である。
【図18】粉体処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】図19、図20は、本発明の第3実施例を示す図である。図19は、2台の粉体処理ミキサで粉体を処理する粉体処理装置の正面図である。
【図20】粉体処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】第1実施例についての実験データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、粉体を、混合、混練、造粒、整粒およびコーティング処理する場合の粉体の外形を示す説明図である。
粉体を処理する場合には、サイズや形状が不揃いの粉体原料a1、a2、a3、a4(たとえば、鉄鉱石粉、石炭灰、生石灰、ドロマイト)にバインダや水などを加えて、このバインダや水を全体に均一に分散させて混合、混練することにより(図1(A))、これを造粒して粉体粒子b1を得る(図1(B))。
造粒済みの粉体粒子b1の表面はでこぼこしているので、この粉体粒子b1が球形またはそれに近い形状の粉体粒子c1になるように整粒し(図1(C))、この整粒したものが処理品すなわち製品になる場合がある。
これにコーティングを行う必要がある場合には、整粒済みの粉体粒子c1の集合体に、バインダ、酸化防止剤およびカーボンなどコーティング用原料を加えて全体に均一に分散させることによりコーティングし、粉体粒子c1の表面全体にコーティング層d1を形成して粉体粒子e1を得、これが処理品すなわち製品になる(図1(D))。
【0010】
本発明にかかる粉体処理ミキサおよび粉体処理方法の基本となる構成において、粉体処理ミキサ1、1a、100、300は、粉体の集合体を内部に収納して所定方向(たとえば、時計回り方向B1)に回転する回転容器4と、回転容器4の内方で且つ回転容器4の中心軸線CL1より偏心した位置に中心軸線CL1と平行に配置され、回転容器4の回転方向と同一方向または逆方向(好ましくは、同一方向)に回転するロータユニット(第2のロータユニット3、3a、3b)とを備え、所定量の粉体の集合体が回転容器4に収納された状態で、所定時間バッチ運転(または、連続運転)される。
ロータユニット(第2のロータユニット3、3a、3b)は、回転容器4の中心軸線CL1と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部5、5a、5bと、このヘッド部5、5a、5bに取付けられ回転容器4の底板7の近傍まで延びて、粉体集合体f1の領域S内で運動する少なくとも1本の棒状部材6とを有している。
粉体処理ミキサ1、1a、100、300において、粉体が造粒済みの粒子b1である場合に、回転容器4とロータユニット(第2のロータユニット3、3a、3b)がそれぞれ回転して、棒状部材6が回転容器4内の粉体粒子b1の集合体f1の領域S内を低速で円周運動することにより、各粉体粒子b1をゆっくりと転動させて整粒のみを行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
各棒状部材6は、ロータユニット(第2のロータユニット3、3a、3b)の中心軸線を中心として3次元の中空円筒を描くように円形に平行移動する運動(すなわち、円周運動)を行う。
なお、粉体処理ミキサ1、1a、100、300をコーティングのみに使用する場合、すなわちミキサに供給される粉体が整粒済みの粒子c1である場合には、回転容器4とロータユニット(第2のロータユニット3、3a、3b)がそれぞれ回転して、棒状部材6が回転容器4内の粉体粒子c1の集合体f1の領域S内を低速で円周運動することにより、各粉体粒子c1をゆっくりと転動させてコーティングする。
【0011】
こうして、粉体処理ミキサ1、1a、100、300では、回転容器4が低速で回転しながら、棒状部材6も、回転容器4内を、回転容器4と同じ回転方向に低速で円周運動して、棒状部材6が粉体粒子の集合体に剪断力や強い撹拌力を作用させずに、粉体粒子同士を互いに接触させながらゆっくりとコロコロと転がるように転動させて、各粉体粒子が、傷ついたり割れたりすることなく短時間に高精度な整粒およびコーティングの一方または両方を行い、また、サイズの大きいパンペレタイザを不要にするという目的が実現される。
【実施例】
【0012】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図16を参照して説明する。
図2は粉体処理ミキサ1の側面図、図3は、粉体処理ミキサ1の正面図で、ミキサ1に第1のロータユニット2が取付けられている。図4、図5は、それぞれ図3に示す粉体処理ミキサ1の概略構成を示す斜視図、平面図である。
図6は図3に示す粉体処理ミキサ1の動作を示す図で、図6(A)、(B)はそれぞれ正面図、平面図である。図7は、粉体処理ミキサ1の正面図で、ミキサ1に第2のロータユニット3が取付けられている。図8、図9は、それぞれ図7に示す粉体処理ミキサ1の概略構成を示す斜視図、平面図である。
図10は、図7に示す粉体処理ミキサ1の第2のロータユニット3を示す図で、図10(A)、(B)、(C)はそれぞれ平面図、正面図、側面図である。図11は、図7に示す粉体処理ミキサ1の動作を示す図で、図11(A)、(B)はそれぞれ正面図、平面図である。
図12は、図7に示す粉体処理ミキサ1の変形例にかかる第2のロータユニット3aのを示す図、図13は、図7に示す粉体処理ミキサ1の他の変形例にかかる第2のロータユニット3bを示す図である。図14は、変形例にかかる粉体処理ミキサ1aを示す平面図で、2つの第2のロータユニット3が設けられた場合の概略構成を示しており、図9相当図である。
【0013】
図2ないし図14に示す粉体処理ミキサ1、1aでは、混合、混練および造粒を行うための第1のロータユニット2と、整粒のみ、または整粒に続いてコーティング、または整粒済みの粉体粒子のコーティングのみを行うための第2のロータユニット3、3a、3bとが、交換可能になっている。
図2ないし図11に示すように、本実施例にかかる粉体処理ミキサ1は、粉体の集合体を内部に収納して所定方向(本実施例では、時計回り方向B1)に低速で回転する回転容器4と、回転容器4の内方で且つ回転容器4の中心軸線CL1より偏心した位置に中心軸線CL1と平行に配置され、回転容器4の回転方向と同一方向または逆方向に回転するロータユニットとを備え、所定量の粉体の集合体が回転容器4に収納された状態で、所定時間バッチ運転(または、連続運転)される。
【0014】
粉体処理ミキサ1に取付けられるロータユニットとしては、第1のロータユニット2と第2のロータユニット3のうち一方のロータユニットを取付けて使用できるようになっている。第1のロータユニット2と第2のロータユニット3が、手動により(または、図示しない自動交換装置により)交換可能に構成されている。ロータユニットは、回転容器4の中心軸線CL1と平行な補助中心軸線CL2を中心として回転する。
第1のロータユニット2は、その上部が支持され、その下端部は回転容器4の底板7とは離れた状態でフリーになっている。
第1のロータユニット2は、回転容器4の中心軸線CL1と平行に配置されて回転駆動されるシャフト11と、シャフト11の周囲に分散して放射状に取付けられた複数の羽根12とを有して、所定方向(本実施例では、反時計回り方向B2)に高速で回転する。
シャフト11の下部には、底板7上の粉体を掻き取るための、羽根の一種である2つの掻取り用の羽根21が、180度離れて取付けられている。
各羽根12、21は、シャフト11の中心軸線CL2を中心とする2次元の円板を描くように、旋回運動する。
【0015】
第2のロータユニット3は、その上部が支持され、その下端部は底板7とは離れた状態でフリーになっている。
第2のロータユニット3は、回転容器4の中心軸線CL1と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部5と、ヘッド部5に取付けられ回転容器4の底板7の近傍まで延びて、粉体集合体f1の領域S内で運動する少なくとも1本(本実施例では、合計6本)の棒状部材6とを有して、所定方向(本実施例では、時計回り方向B3)に低速で回転する。
【0016】
ヘッド部5は、粉体粒子b1に直接接触しないように、常時、粉体粒子集合体f1の領域Sの外方で且つ上部に位置している。これにより、せっかく造粒された粉体粒子b1にヘッド部5が衝突することがなくなるので、造粒済みの粉体粒子b1がヘッド部5により損傷を受ける恐れがない。
ヘッド部5に取付けられている棒状部材6は、第2のロータユニット3の補助中心軸線CL2を中心として、周囲に均等角度で且つ同一距離に複数本(本実施例では、合計6本)配置されている。
棒状部材6は、直線状の場合を図示しているが所定形状に曲がって形成されていてもよく、また、棒状部材6の断面形状は、円形が好ましいが、楕円形、多角形、その他の所定形状であってもよい。
【0017】
回転容器4と第2のロータユニット3の両者が同一方向(時計回り方向)または逆方向(反時計回り方向)に低速度で回転し、その結果、円周運動する複数本(6本)の棒状部材6が、造粒済みの粉体粒子b1を、回転容器4内の広い面積にわたって弱い力でゆっくりと撹拌する。
したがって、粉体粒子同士が激しく衝突することはなく、粉体粒子b1、c1は、棒状部材6に押されて互いに接触しながら矢印B5に示すように複雑な動きをする。このとき、回転している回転容器4内の粉体粒子b1、c1は、棒状部材6の円周運動や混合部材24(後述する)の存在により、底板7近くの粒子とそれより上部の粒子とが入れ替わりながらダイナミックに移動し、コロコロと転がるように転動して整粒(または、整粒に続いてコーティング、もしくは整粒済みの粉体粒子のコーティングのみ)される。
【0018】
粉体処理ミキサ1では、回転容器4と第1のロータユニット2をそれぞれ回転させて、羽根12、21が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒する。また、回転容器4自体が回転し且つ第1のロータユニット2が回転容器4とは逆方向に高速で回転するので、複数の羽根12、21が粉体原料a1、a2、a3、a4の集合体f1に高い分散・衝撃力F1を与えながら撹拌して、良好に粉体原料を混合および混練し、やがて粉体粒子b1を形成するように造粒する。回転容器4の回転方向と羽根12、21の回転方向が逆方向なので、粉体原料a1、a2、a3、a4の小さな粉体同士が高速で衝突する機会が増加することになり、大きな粉体粒子b1に成長しやすくなる。
その後、第1のロータユニット2を第2のロータユニット3に交換する。そして、回転容器4と第2のロータユニット3をそれぞれ所定方向(本実施例では、同一方向)に回転させて、棒状部材6が回転容器4内の造粒済みの粉体粒子b1の集合体f1の領域S内を低速で円周運動することにより、各粉体粒子b1をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
回転容器4自体が回転し且つ第2のロータユニット3が回転容器4と同一方向に回転するので、造粒済みの粉体粒子b1同士が互いに接触しながら転動して、粉体粒子c1となるように整粒される。回転容器4の回転方向と棒状部材6の回転方向が同一方向なので、粉体粒子c1同士が衝突する機会が少なくなり、粉体粒子c1が損傷を受けにくくなる。
さらに、整粒済みの粉体粒子c1の集合体にコーティング用の原料を供給し、回転容器4と第2のロータユニット3を、それぞれ所定の回転速度で所定方向(本実施例では、同一方向)に回転させれば、整粒済みの粉体粒子c1は、その表面全体にコーティング層d1が形成された粉体粒子e1となるようにコーティングされる。
【0019】
回転容器4の中心軸線CL1は水平面Hに対して傾斜しており、第1のロータユニット2と第2のロータユニット3は中心軸線CL1と平行に配置される。これにより、回転容器4の内部に収納された粉体の集合体はその自重により下方に移動しようとするので、粉体集合体に上下の動きがでて三次元の移動になり、粉体集合体の全体をより均一に撹拌したり、粉体粒子を転動させることができる。
また、もし回転容器4が高速で回転すると、その内部の粉体集合体は、遠心力により回転容器4の内壁に付着したままで回転して二次元的な動きになってしまうが、回転容器4は低速で回転するので、その内部の粉体集合体は、自重により回転容器4の内壁から離れて下方に移動し、粉体集合体に上下の動きがでて良好な三次元の撹拌、転動になる。
なお、回転容器4の中心軸線CL1と、第1のロータユニット2と第2のロータユニット3の補助中心軸線CL2は、それぞれ水平面Hに対して垂直な場合であってもよい。
【0020】
粉体処理ミキサ1の本体20には、ケーシング16が取付けられている。回転容器4は、有底中空円筒状をなしてケーシング16の内方に配置され、ケーシング16により回転可能に支持されており、回転容器用駆動モータ13に駆動されて回転する。
回転容器4の底板7の中央部(または、他の位置)には、処理済みの粉体粒子b1、c1、e1などの集合体を排出するための排出口14が形成されている。粉体処理ミキサ1の運転中は、排出口14はカバー15により閉じられた状態になっている。
カバー15は、排出口14を閉じた状態で回転容器4の一部となって回転容器4とともに回転する。
【0021】
ケーシング16の上部開口は、蓋部材17により開閉可能になっている。蓋部材17は、ミキサ本体20に取付けられて、矢印B4に示すように揺動可能になっている。
蓋部材17には、第1のロータユニット2と第2のロータユニット3のいずれか一方が取り付けられる。第1のロータユニット2と第2のロータユニット3は、それぞれ蓋部材17に着脱可能に且つ交換可能に取り付けられる。
すなわち、蓋部材17に対して、第2のロータユニット3を取外して第1のロータユニット2を取り付けでき(図3)、第1のロータユニット2を取外して第2のロータユニット3を取り付けできる(図7)。
蓋部材17には、第1のロータユニット2と第2のロータユニット3を回転駆動するためのロータユニット用駆動モータ22が取付けられ、蓋部材17と一体に揺動するようになっている。
蓋部材17には、粉体原料などを供給するための供給口18が形成されている。この供給口18は開いたままでもよいが、運転中は、開閉可能なキャップ19により閉じられている。
【0022】
蓋部材17に第1のロータユニット2が取付けられている場合には、ロータユニット用駆動モータ22の駆動力は、プーリおよびベルトなどからなる駆動力伝達機構23を介して第1のロータユニット2のシャフト11に伝達される。これにより、シャフト11と羽根12、21は、回転容器4と異なる所定の速い回転速度で、矢印B2に示すように平面視で反時計回り方向に回転する。
回転容器4と第1のロータユニット2の各回転速度は、それぞれの駆動モータ13,22により自在に制御されるので、内部の粉体の集合体は最適な状態で撹拌される。
【0023】
蓋部材17に第2のロータユニット3が取付けられている場合には、ロータユニット用駆動モータ22の駆動力は、駆動力伝達機構23を介して第2のロータユニット3のヘッド部5に伝達される。これにより、ヘッド部5と棒状部材6は、所定の低い回転速度で、矢印B3に示すように平面視で時計回り方向に回転する。
回転容器4と第2のロータユニット3の各回転速度は、それぞれの駆動モータ13,22により自在に制御されるので、内部の粉体粒子は最適な状態でゆっくりと転動する。
【0024】
回転容器4の内方には、混合部材24が非回転状態で配置されている。混合部材24は、蓋部材17に取付けられて回転容器4に上部開口側から挿入されている。
混合部材24は、回転容器4の円筒部28の内周面に近づけて縦方向に延びて配置された第1のスクレーパ25と、第1のスクレーパ25から横方向に延び、底板7に近づけて配置された第2のスクレーパ26と、2つのスクレーパ25,26を支持し上端部が蓋部材17に取付けられた支持部材27とを有している。
回転容器4内に混合部材24を配置したので、回転容器4の底板7近くの粒子と上部の粒子とが入れ替わりながらダイナミックに移動する。第1のスクレーパ25が、回転容器4の円筒部28の内周面に付着した粉体集合体を掻き取り、第2のスクレーパ26が、底板7上の粉体集合体を掻き取るので、回転容器4内の粉体集合体は、同じところに留まることなく全体的に常に移動する。
【0025】
図12(A)、(B)、(C)は、それぞれ第1実施例の変形例にかかる第2のロータユニット3aの平面図、正面図、側面図である。
第2のロータユニット3aでは、ヘッド部5aは、粉体粒子b1に直接接触しないように、常時、粉体粒子集合体f1の領域S外で且つ上方に位置している。これにより、上述の第2のロータユニット3と同じ作用効果を奏する。
ヘッド部5aに取付けられている棒状部材6は、第2のロータユニット3aの補助中心軸線CL2を中心として、周囲のうち一方側に偏って複数本(この例では、3本)配置されている。
その結果、複数本(3本)の棒状部材6が円周運動するとき、補助中心軸線CL2の周囲のうち全周が棒状部材6に囲まれることなく、周囲のうち他方側が開放しているので、棒状部材6の円周運動の内側で転動する粉体粒子b1、c1が棒状部材6の円周運動の外側に移動しやすくなり、粉体粒子の集合体全体が均一に転動するので好ましい。
また、第2のロータユニット3aでは、円周運動する複数本(3本)の棒状部材6が、造粒済みの粉体粒子b1を、回転容器4内の広い面積にわたって弱い撹拌力でゆっくりと撹拌する。したがって、多くの粉体粒子同士が互いに接触しながら、粉体粒子b1、c1は、ゆっくりとコロコロと転がるように転動して、整粒されるか、整粒に続いてコーティングされるか、または、整粒済みの粉体粒子のコーティングのみがなされる。
【0026】
図13(A)、(B)は、それぞれ第1実施例の他の変形例にかかる第2のロータユニット3bの平面図、正面図である。
この第2のロータユニット3bでは、ヘッド部5bは、粉体粒子b1に直接接触しないように、常時、粉体粒子集合体f1の領域S外で且つ上方に位置している。これにより、上述の第2のロータユニット3と同じ作用効果を奏する。
ヘッド部5bに取付けられている棒状部材6は、第2のロータユニット3aの補助中心軸線CL2を中心として、周囲に距離を異ならせて複数本(この例では、6本)配置されている。
この例では、6本の棒状部材6が互い違いに配置されている。すなわち、3本の棒状部材6が、補助中心軸線CL2を中心として周囲に均等角度(120度)で且つ補助中心軸線CL2に近い同一の距離r1に配置され、この3本の棒状部材6とは別の3本の棒状部材6が、補助中心軸線CL2を中心として周囲に均等角度(120度)で且つ補助中心軸線CL2から遠い同一の距離r2に配置されている。
その結果、この第2のロータユニット3bでは、補助中心軸線CL2に近い距離r1に配置された3本の棒状部材6の円周運動の軌跡と、補助中心軸線CL2から遠い距離r2に配置された他の3本の棒状部材6の円周運動の軌跡は異なるので、棒状部材6の円周運動により転動する粉体粒子b1、c1の集合体全体が均一に攪拌される。
なお、第2のロータユニットのヘッド部に取付けられる棒状部材6は、少なくとも1本あればよいので、1本であってもよく、または2本、4本、5本などであってもよい。
【0027】
図14は、第1実施例の変形例にかかる粉体処理ミキサ1aを示す平面図である。
この粉体処理ミキサ1aでは、回転容器4の内方に複数(この例では、2つ)のロータユニットとしての第2のロータユニット3が配置されている。
粉体処理ミキサ1aは、粉体の集合体を内部に収納して所定方向(たとえば、時計回り方向B1)に回転する回転容器4と、回転容器4の内方で且つ回転容器4の中心軸線CL1より偏心した位置に中心軸線CL1と平行に配置され、回転容器4の回転方向と同一方向または逆方向(たとえば、時計回り方向B3)に回転する第2のロータユニット3と、回転容器4の内方で且つ回転容器4の中心軸線CL1より偏心した他の位置に中心軸線CL1と平行に配置され、回転容器4の回転方向と同一方向または逆方向(たとえば、時計回り方向B3)に回転する他の第2のロータユニット3とを備え、所定量の粉体の集合体が回転容器4に収納された状態で、所定時間バッチ運転(または、連続運転)される。
各第2のロータユニット3は、回転容器4の中心軸線CL1と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部5と、このヘッド部5に取付けられ回転容器4の底板7の近傍まで延びて、粉体集合体f1の領域S内で運動する少なくとも1本の棒状部材6とを有している。
粉体処理ミキサ1aにおいて、粉体が造粒済みの粒子b1である場合に、回転容器4と2つの第2のロータユニット3がそれぞれ回転して、棒状部材6が回転容器4内の粉体粒子b1の集合体f1の領域S内を低速で円周運動することにより、各粉体粒子b1をゆっくりと転動させて整粒のみを行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
この粉体処理ミキサ1aによれば、回転容器4が大容量で、第2のロータユニット3が2つあるので、大量の粉体を処理することができる。
【0028】
次に、本実施例における粉体処理方法について説明する。
図15は、1台の粉体処理ミキサ1で粉体を処理する動作を示す正面図である。図15(A)では第1のロータユニット2で粉体を処理しており、図15(B)では第2のロータユニット3で粉体を処理している。図16は粉体処理の手順を示すフローチャートである。
この方法は、粉体の集合体f1を内部に収納して回転する回転容器4と、回転容器4の内方で且つ回転容器4の中心軸線CL1より偏心した位置にこの中心軸線CL1と平行に配置され、回転容器4の回転方向と同一方向または逆方向に回転するロータユニット(交換可能な第1のロータユニット2と第2のロータユニット3)とを備えた粉体処理ミキサ1で粉体を処理する方法である。
そして、回転容器4と第1のロータユニット2をそれぞれ回転させて、羽根12、21が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒する。
その後、第1のロータユニット2を第2のロータユニット3に交換する。次いで、回転容器4と第2のロータユニット3をそれぞれ回転させて、棒状部材6が回転容器4内の造粒済みの粉体粒子の集合体f1の領域S内を低速で円周運動することにより、各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
【0029】
粉体処理の手順では、まず最初に、第1のロータユニット2が取付けられた粉体処理ミキサ1に、サイズや形状が不揃いの粉体原料a1、a2、a3、a4(たとえば、鉄鉱石粉、石炭灰、生石灰、ドロマイト)とバインダや水などを供給口18から回転容器4内に供給した後、粉体処理ミキサ1の運転を開始する(ステップ101)。
回転容器4を低速で時計回り方向に回転させ、第1のロータユニット2を高速で反時計回り方向に回転させる。回転容器4が回転しながら、第1のロータユニット2の羽根12、21が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して、バインダや水を全体に均一に分散させる。こうして、第1のロータユニット2で粉体原料a1、a2、a3、a4を混合、混練することにより、表面がでこぼこした粉体粒子b1が形成されるように造粒する(ステップ102)。
この造粒の結果、粉体集合体f1が所定形状の粉体粒子b1になったら、粉体処理ミキサ1を停止した後、蓋部材17を開けて、第1のロータユニット2を第2のロータユニット3に交換する(ステップ103)。
【0030】
蓋部材17を閉じてケーシング16にセットした後、回転容器4を低速で時計回り方向に回転させ、第2のロータユニット3を低速で時計回り方向に回転させる。回転容器4が回転しながら、第2のロータユニット3の棒状部材6が、回転容器4内の造粒済みの粉体粒子b1の集合体f1の領域S内を低速で円周運動することにより、各粉体粒子b1をゆっくりと転動させて整粒を行い、その結果、球形またはそれに近い形状の粉体粒子c1が得られる(ステップ104)。
コーティングを行わない場合には(ステップ105)、粉体処理ミキサ1の運転を停止し、カバー15を開けて、整粒された粉体粒子c1の集合体を排出口14から排出する(ステップ106)。
整粒に続いてコーティングを行う場合には(ステップ105)、整粒済みの粉体粒子c1の集合体にバインダ、酸化防止剤、カーボンなどコーティング用原料を加える。
そして、回転容器4を低速で時計回り方向に回転させ、第2のロータユニット3を低速で時計回り方向に回転させる。回転容器4が回転しながら、第2のロータユニット3の棒状部材6が、回転容器4内の整粒済みの粉体粒子b1の集合体f1の領域S内を低速で円周運動する。こうして、第2のロータユニット3でバインダ、酸化防止剤、カーボンなどを全体に均一に分散させることにより粉体粒子をコーティングし、粒子の表面全体にコーティング層d1を形成して粉体粒子e1を得る(ステップ107)。
その後、粉体処理ミキサ1の運転を停止し、カバー15を開けて、コーティングされた粉体粒子e1の集合体を排出口14から排出する(ステップ108)。
【0031】
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例を図17、図18を参照して説明する。
図17は、1台の粉体処理ミキサ100に第1のロータユニット2と第2のロータユニット3の両方を設けて粉体を処理する場合の、粉体処理ミキサ100の正面図、図18は粉体処理の手順を示すフローチャートである。
なお、第2実施例、第3実施例において、第1実施例(変形例を含む)と同一または相当部分には同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0032】
粉体処理ミキサ100は、粉体の集合体f1を内部に収納して回転する回転容器4と、回転容器4の内方で且つ回転容器4の中心軸線CL1より偏心した第1の位置P1にこの中心軸線CL1と平行に配置され、回転容器4の回転方向と同一方向または逆方向(本実施例では、逆方向)に回転する第1のロータユニット2と、回転容器4の内方で且つ回転容器4の中心軸線CL1より偏心した第2の位置P2に中心軸線CL1と平行に配置され、回転容器4の回転方向と同一方向または逆方向(本実施例では、同一方向)に回転する第2のロータユニット3とを備え、所定量の粉体の集合体が回転容器4に収納された状態で、所定時間バッチ運転(または、連続運転)される。
径の大きい有底中空円筒状の回転容器4は、第1実施例のように傾斜して配置されているのが好ましいが、水平であってもよい。
第1のロータユニット2は、回転容器4の中心軸線CL1と平行に配置されて回転駆動されるシャフト11と、シャフト11の周囲に分散して放射状に取付けられた複数の羽根12、21とを有している。
第2のロータユニット3は、回転容器4の中心軸線CL1と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部5と、ヘッド部5に取付けられ回転容器4の底板7の近傍まで延びて、粉体集合体f1の領域S内で運動する少なくとも1本(本実施例では、6本)の棒状部材6とを有している。
【0033】
粉体処理ミキサ100で粉体処理を行う場合には、第2のロータユニット3を停止させた状態で、回転容器4と第1のロータユニット2をそれぞれ回転させて、羽根12、21が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒する。
その後、第1のロータユニット2を停止させた状態で、回転容器4と第2のロータユニット3をそれぞれ回転させて、棒状部材6が回転容器4内の造粒済みの粉体粒子の集合体f1の領域S内を低速で円周運動することにより、各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
なお、ミキサに供給される粉体が整粒済みの粒子である場合には、第2のロータユニット3でコーティングのみを行なってもよい。
【0034】
本実施例における粉体処理方法は、粉体の集合体f1を内部に収納して回転する回転容器4と、回転容器4の内方で且つ回転容器4の中心軸線CL1より偏心した第1の位置P1にこの中心軸線CL1と平行に配置され、回転容器4の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第1のロータユニット2と、回転容器4の内方で且つ回転容器4の中心軸線CL1より偏心した第2の位置P2に中心軸線CL1と平行に配置され、回転容器4の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第2のロータユニット3とを備えた粉体処理ミキサ100で粉体を処理する方法である。
まず初めに、第2のロータユニット3を停止させた状態で、回転容器4と第1のロータユニット2をそれぞれ回転させて、羽根12、21が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒する。
その後、第1のロータユニット2を停止させた状態で、回転容器4と第2のロータユニット3をそれぞれ回転させて、棒状部材6が回転容器4内の造粒済みの粉体粒子の集合体f1の領域S内を低速で円周運動することにより、各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
【0035】
粉体処理の手順では、まず最初に、粉体処理ミキサ100に、サイズや形状が不揃いの粉体原料a1、a2、a3、a4(たとえば、鉄鉱石粉、石炭灰、生石灰、ドロマイト)とバインダや水などを回転容器4内に供給する(ステップ201)。
次に、粉体処理ミキサ100の運転を開始し、第2のロータユニット3を停止させた状態で、回転容器4を低速で時計回り方向に回転させ、第1のロータユニット2を高速で反時計回り方向に回転させる(ステップ202)。
回転容器4が回転しながら、第1のロータユニット2の羽根12、21が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して、バインダや水を全体に均一に分散させる。こうして、第1のロータユニット2で粉体原料a1、a2、a3、a4を混合、混練することにより、表面がでこぼこした粉体粒子b1が形成されるように造粒する(ステップ203)。
この造粒の結果、粉体集合体f1が所定形状の粉体粒子b1になったら、第1のロータユニット2を停止させる。この状態で、回転容器4を低速で時計回り方向に回転させ、第2のロータユニット3を低速で時計回り方向に回転させる(ステップ204)。
回転容器4が回転しながら、第2のロータユニット3の棒状部材6が、回転容器4内の造粒済みの粉体粒子b1の集合体f1の領域S内を低速で円周運動することにより、各粉体粒子b1をゆっくりと転動させて整粒を行い、その結果、球形またはそれに近い形状の粉体粒子c1が得られる(ステップ205)。
【0036】
コーティングを行わない場合には(ステップ206)、粉体処理ミキサ100の運転を停止し、カバー15を開けて、整粒された粉体粒子c1の集合体を排出口14から排出する(ステップ207)。
整粒に続いてコーティングを行う場合には(ステップ206)、整粒済みの粉体粒子c1の集合体にバインダ、酸化防止剤、カーボンなどコーティング用原料を加える。そして、回転容器4を低速で時計回り方向に回転させ、第2のロータユニット3を低速で時計回り方向に回転させる。
回転容器4が回転しながら、第2のロータユニット3の棒状部材6が、回転容器4内の整粒済みの粉体粒子b1の集合体f1の領域S内を低速で円周運動する。こうして、第2のロータユニット3でバインダ、酸化防止剤、カーボンなどを全体に均一に分散させることにより粉体粒子をコーティングし、粒子の表面全体にコーティング層d1を形成して粉体粒子e1を得る(ステップ208)。
その後、粉体処理ミキサ100の運転を停止し、カバー15を開けて、コーティングされた粉体粒子e1の集合体を排出口14から排出する(ステップ209)。
【0037】
本第2実施例では、粉体処理ミキサ100に第1のロータユニット2と第2のロータユニット3の両方が当初から設けられている。したがって、第1のロータユニット2と第2のロータユニット3の交換作業が不要なので粉体処理のための作業の負担が軽減され、また、ロータユニットの交換作業の時間がゼロになるので、粉体処理時間全体が短縮される。
【0038】
(第3実施例)
次に、本発明の第3実施例を図19、図20を参照して説明する。
図19は、2台の粉体処理ミキサ200、300で粉体を処理する粉体処理装置400の正面図、図20は粉体処理の手順を示すフローチャートである。
【0039】
粉体処理装置400は、造粒までの前段の粉体処理を行う第1の粉体処理ミキサ200と、整粒以降の後段の粉体処理を行う第2の粉体処理ミキサ300を備え、所定時間バッチ運転(または、連続運転)される。
第1の粉体処理ミキサ200は、粉体の集合体f1を内部に収納して回転する第1の回転容器4と、第1の回転容器4の内方で且つ第1の回転容器4の中心軸線CL1より偏心した位置に中心軸線CL1と平行に配置され、第1の回転容器4の回転方向と同一方向または逆方向(本実施例では、逆方向)に回転する第1のロータユニット2とを有している。
第1のロータユニット2は、第1の回転容器4の中心軸線CLと平行に配置されて回転駆動されるシャフト11と、シャフト11の周囲に分散して放射状に取付けられた複数の羽根12、21とを有している。
第1の回転容器4と第1のロータユニット2をそれぞれ回転させて、羽根12、21が旋回運動することにより粉体原料f1を撹拌して混合、混練および造粒する。
【0040】
第2の粉体処理ミキサ300は、第1の粉体処理ミキサ200で造粒された粉体粒子の集合体f1を内部に収納して回転する第2の回転容器4と、第2の回転容器4の内方で且つ第2の回転容器4の中心軸線CL1より偏心した位置に中心軸線CL1と平行に配置され、第2の回転容器4の回転方向と同一方向または逆方向(本実施例では、同一方向)に回転する第2のロータユニット3とを有している。
第2のロータユニット3は、第2の回転容器4の中心軸線CL1と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部5と、ヘッド部5に取付けられ第2の回転容器4の底板7の近傍まで延びて、粉体粒子の集合体f1の領域S内で運動する少なくとも1本(本実施例では、6本)の棒状部材6とを有している。
第2の回転容器4と第2のロータユニット3をそれぞれ回転させて、棒状部材6が第2の回転容器4内の粉体粒子集合体f1の領域S内を低速で円周運動することにより、各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
なお、ミキサに供給される粉体が整粒済みの粒子である場合には、第2の粉体処理ミキサ300のみを運転して、第2のロータユニット3でコーティングのみを行なってもよい。
また、第1の粉体処理ミキサ200と第2の粉体処理ミキサ300における有底中空円筒状の各回転容器4は、第1実施例のように傾斜して配置されているのが好ましいが、水平であってもよい。
【0041】
第1の粉体処理ミキサ200と第2の粉体処理ミキサ300を備える粉体処理装置400で粉体を処理する方法において、まず初めに、第1の粉体処理ミキサ200の第1の回転容器4と第1のロータユニット2をそれぞれ回転させて、羽根12、21が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒する。その後、造粒済みの粉体粒子を、矢印Gに示すように、第2の粉体処理ミキサ300に手動または自動的に移送する。
その後、第2の粉体処理ミキサ300の第2の回転容器4と第2のロータユニット3をそれぞれ回転させて、棒状部材6が第2の回転容器4内の粉体粒子集合体f1の領域S内を低速で円周運動することにより、各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行う。
【0042】
粉体処理の手順では、まず最初に、第1の粉体処理ミキサ200を使用し、サイズや形状が不揃いの粉体原料a1、a2、a3、a4(たとえば、鉄鉱石粉、石炭灰、生石灰、ドロマイト)とバインダや水などを第1の回転容器4内に供給する(ステップ301)。
次いで、第1の粉体処理ミキサ200の運転を開始し、第1の回転容器4を低速で時計回り方向に回転させ、第1のロータユニット2を高速で反時計回り方向に回転させる。第1の回転容器4が回転しながら、第1のロータユニット2の羽根12、21が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して、バインダや水を全体に均一に分散させる。こうして、第1のロータユニット2で粉体原料a1、a2、a3、a4を混合、混練することにより、表面がでこぼこした粉体粒子b1が形成されるように造粒する(ステップ302)。
この造粒の結果、粉体集合体f1が所定形状の粉体粒子b1になったら、第1のロータユニット2を停止させ、第1の粉体処理ミキサ200の運転を停止する(ステップ303)。
【0043】
第1の粉体処理ミキサ200のカバー15を開けて、造粒済みの粉体粒子b1の集合体を排出口14から排出したのち、矢印Gに示すように移送して、第2の粉体処理ミキサ300に供給する。そして、第2の粉体処理ミキサ300の運転を開始する(ステップ304)。なお、第1の粉体処理ミキサ200で造粒された粉体粒子b1の集合体の排出、移送、供給は、手作業で行なってもよいが、自動的に行えば、作業の負担が軽減され、時間も短縮するので好ましい。
第2の粉体処理ミキサ300の第2の回転容器4を低速で時計回り方向に回転させ、第2のロータユニット3を低速で時計回り方向に回転させる。第2の回転容器4が回転しながら、第2のロータユニット3の棒状部材6が、第2の回転容器4内の造粒済みの粉体粒子b1の集合体f1の領域S内を低速で円周運動することにより、各粉体粒子b1をゆっくりと転動させて整粒を行い、その結果、球形またはそれに近い形状の粉体粒子c1が得られる(ステップ305)。
【0044】
コーティングを行わない場合には(ステップ306)、第2の粉体処理ミキサ300の運転を停止し、カバー15を開けて、整粒された粉体粒子c1の集合体を排出口14から排出する(ステップ307)。
整粒に続いてコーティングを行う場合には(ステップ306)、整粒済みの粉体粒子c1の集合体にバインダ、酸化防止剤、カーボンなどコーティング用原料を加える。そして、第2の粉体処理ミキサ300の第2の回転容器4を低速で時計回り方向に回転させ、第2のロータユニット3を低速で時計回り方向に回転させる。第2の回転容器4が回転しながら、第2のロータユニット3の棒状部材6が、第2の回転容器4内の整粒済みの粉体粒子b1の集合体f1の領域S内を低速で円周運動する。こうして、第2のロータユニット3でバインダ、酸化防止剤、カーボンなどを全体に均一に分散させることにより粉体粒子をコーティングし、粒子の表面全体にコーティング層d1を形成して粉体粒子e1を得る(ステップ308)。
その後、第2の粉体処理ミキサ300の運転を停止し、カバー15を開けて、コーティングされた粉体粒子e1の集合体を排出口14から排出する(ステップ309)。
【0045】
粉体処理装置400は、造粒までの前段の粉体処理を行う第1の粉体処理ミキサ200と、整粒以降の後段の粉体処理を行う第2の粉体処理ミキサ300の両方を備えている。したがって、第1実施例と比較して、第1のロータユニット2と第2のロータユニット3の交換作業が不要なので装置の自動化が容易であり、また、粉体処理の自由度が向上する。
【0046】
(実験例)
図21は、第1実施例についての実験データを示す図である。実験では、図1ないし図10に示す第1実施例にかかる粉体処理ミキサ1を使用して粉体を処理した。
この実験の条件などは下記のとおりである。

o回転容器4の内径:750mm
o回転容器4の有効容量:0.075m
o第1のロータユニット2の羽根12の外周径:350mm
o第2のロータユニット3の棒状部材6:6本
o第2のロータユニット3のロータ径(外周径):240mm
o処理原料およびその重量(供給量):
m1;鉄鉱石粉(平均径:100μm、嵩密度:約1.5kg/リットル、含水率:約1%)、38.0kg
m2;石炭灰、9.5kg
m3;生石灰、2.5kg
m4;ドロマイト、0.8kg
m5;バインダ(ポバール3%水溶液)、1.7kg
m6;酸化防止剤、0.8kg
m7;カーボン、1.5kg
水;7.2kg
【0047】
図21の実験データに示すように、粉体処理ミキサ1で粉体処理することにより、高精度な球形をなす整粒済みの粉体粒子c1が得られ、また、さらにこの粉体粒子c1をコーティングすることにより、高精度な球形のコーティング済み粉体粒子e1が得られた。
粉体処理ミキサ1に粉体原料を投入し、運転を開始したのち、混合、混練および造粒の処理時間が約10分、その後の整粒の処理時間が約1分、コーティング処理の時間が約15秒であり、整粒とコーティングの各処理を短時間で実行できることが分かる。
これに対して、従来のパンペレタイザは、造粒済みの粉体粒子の整粒や、整粒済みの粉体粒子のコーティングに、それぞれ10分以上かかっていた。
【0048】
第1実施例ないし第3実施例に示すように、ロータユニット3、3a、3bの棒状部材6は粉体集合体f1の領域S内で低速で円周運動を行いしかも造粒済みの各粉体粒子b1に対する接触面積が小さいので、粉体粒子の集合体f1に剪断力や強い撹拌力は作用せず、粉体粒子b1同士が互いに接触しながらゆっくりとコロコロと転がるように転動する。その結果、各粉体粒子b1は、傷ついたり割れたりすることなく短時間に高精度な整粒およびコーティングの一方または両方がなされる。
棒状部材6が、回転容器4の底板7の近傍まで延びて粉体集合体f1の領域S内で円周運動するので、底板7近くの粉体も滞留することなく転動する。
また、造粒済みの粉体粒子集合体f1を粉体処理ミキサ1、1a、100、300で整粒、コーティングできるので、造粒済みの粉体粒子b1の集合体を整粒したり、整粒済みの粉体粒子c1をコーティングしたりするためのサイズの大きいパンペレタイザが不要になる。しかも、パンペレタイザと比較して、粉体処理ミキサ1、1a、100、300は回転容器4の内部スペースの有効使用体積の割合が大きいので、粉体処理ミキサ1、1a、100、300を小型化できることになり、粉体処理ミキサ1、1a、100、300を備える粉体処理装置の全体がコンパクトになる。
【0049】
以上、本発明の実施例(変形例を含む。以下同じ)を説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形,付加などが可能である。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明にかかる粉体処理ミキサ、粉体処理装置および粉体処理方法は、粉体を、混合、混練、造粒、整粒およびコーティング処理するためのミキサ、粉体処理装置やこれらを使用した粉体処理方法に適用して、粉体処理することができる。
【符号の説明】
【0051】
1、1a 粉体処理ミキサ
2 第1のロータユニット(ロータユニット)
3、3a、3b 第2のロータユニット(ロータユニット)
4 回転容器
5、5a、5b ヘッド部
6 棒状部材
7 底板
11 シャフト
12 羽根
21 掻取り用の羽根(羽根)
100 粉体処理ミキサ
200 第1の粉体処理ミキサ
300 第2の粉体処理ミキサ(粉体処理ミキサ)
400 粉体処理装置
b1 造粒済みの粉体粒子
c1 整粒済みの粉体粒子
CL1 中心軸線
CL2 補助中心軸線
f1 粉体の集合体
P1 第1の位置
P2 第2の位置
S 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、
この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転するロータユニットとを備えた粉体処理ミキサであって、
このロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、
前記粉体が造粒済みの粒子である場合に、前記回転容器と前記ロータユニットがそれぞれ回転して、前記棒状部材が前記回転容器内の前記粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒のみを行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行うことを特徴とする粉体処理ミキサ。
【請求項2】
粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、
この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転するロータユニットとを備えた粉体処理ミキサであって、
このロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、
前記粉体が整粒済みの粒子である場合に、前記回転容器と前記ロータユニットがそれぞれ回転して、前記棒状部材が前記回転容器内の前記粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させてコーティングすることを特徴とする粉体処理ミキサ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の粉体処理ミキサであって、前記回転容器の内方に複数の前記ロータユニットが配置されていることを特徴とする粉体処理ミキサ。
【請求項4】
粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、
この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転するロータユニットとを備えた粉体処理ミキサであって、
このロータユニットとしては、第1のロータユニットと第2のロータユニットが交換可能に構成されており、
前記第1のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるシャフトと、このシャフトの周囲に分散して放射状に取付けられた複数の羽根とを有し、
前記第2のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、
前記回転容器と前記第1のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記羽根が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒し、
前記第1のロータユニットを前記第2のロータユニットに交換した後、前記回転容器と前記第2のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記棒状部材が前記回転容器内の造粒済みの粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行うことを特徴とする粉体処理ミキサ。
【請求項5】
粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、
この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した第1の位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第1のロータユニットと、
前記回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した第2の位置に前記中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第2のロータユニットとを備えた粉体処理ミキサであって、
前記第1のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるシャフトと、このシャフトの周囲に分散して放射状に取付けられた複数の羽根とを有し、
前記第2のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、
前記第2のロータユニットを停止させた状態で、前記回転容器と前記第1のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記羽根が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒し、
その後、前記第1のロータユニットを停止させた状態で、前記回転容器と前記第2のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記棒状部材が前記回転容器内の造粒済みの粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行うことを特徴とする粉体処理ミキサ。
【請求項6】
第1の粉体処理ミキサと第2の粉体処理ミキサを備える粉体処理装置であって、
前記第1の粉体処理ミキサは、
粉体の集合体を内部に収納して回転する第1の回転容器と、
この第1の回転容器の内方で且つこの第1の回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記第1の回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第1のロータユニットとを有しており、
この第1のロータユニットは、前記第1の回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるシャフトと、このシャフトの周囲に分散して放射状に取付けられた複数の羽根とを有し、
前記第1の回転容器と前記第1のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記羽根が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒し、
前記第2の粉体処理ミキサは、
前記第1の粉体処理ミキサで造粒された粉体粒子の集合体を内部に収納して回転する第2の回転容器と、
この第2の回転容器の内方で且つこの第2の回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記第2の回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第2のロータユニットとを有し、
この第2のロータユニットは、前記第2の回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記第2の回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体粒子の集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、
前記第2の回転容器と前記第2のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記棒状部材が前記第2の回転容器内の前記粉体粒子集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行うことを特徴とする粉体処理装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかの項に記載の粉体処理ミキサであって、
前記ロータユニットの前記ヘッド部は、前記粉体粒子に直接接触しないように、常時、前記粉体集合体の領域外に位置しており、
前記ヘッド部に取付けられている前記棒状部材は、前記ロータユニットの補助中心軸線を中心として、周囲に均等角度で且つ同一距離に複数本配置されていることを特徴とする粉体処理ミキサ。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれかの項に記載の粉体処理ミキサであって、
前記ロータユニットの前記ヘッド部は、前記粉体粒子に直接接触しないように、常時、前記粉体粒子集合体の領域外に位置しており、
前記ヘッド部に取付けられている前記棒状部材は、前記ロータユニットの補助中心軸線を中心として、周囲のうち一方側に偏って複数本配置されているか、または、前記補助中心軸線を中心として、周囲に距離を異ならせて複数本配置されていることを特徴とする粉体処理ミキサ。
【請求項9】
粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、
この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転するロータユニットとを備えた粉体処理ミキサで前記粉体を処理する方法であって、
前記ロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、
前記粉体が造粒済みの粒子である場合に、前記回転容器と前記ロータユニットがそれぞれ回転して、前記棒状部材が前記回転容器内の前記粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒のみを行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行うことを特徴とする粉体処理方法。
【請求項10】
粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、
この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転するロータユニットとを備えた粉体処理ミキサで前記粉体を処理する方法であって、
前記ロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、
前記粉体が整粒済みの粒子である場合に、前記回転容器と前記ロータユニットがそれぞれ回転して、前記棒状部材が前記回転容器内の前記粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させてコーティングすることを特徴とする粉体処理方法。
【請求項11】
粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、
この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転するロータユニットとを備えた粉体処理ミキサで前記粉体を処理する方法であって、
前記ロータユニットとしては、第1のロータユニットと第2のロータユニットが交換可能に構成されており、
前記第1のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるシャフトと、このシャフトの周囲に分散して放射状に取付けられた複数の羽根とを有し、
前記第2のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、
前記回転容器と前記第1のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記羽根が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒し、
その後、前記第1のロータユニットを前記第2のロータユニットに交換し、
その後、前記回転容器と前記第2のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記棒状部材が前記回転容器内の造粒済みの粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行うことを特徴とする粉体処理方法。
【請求項12】
粉体の集合体を内部に収納して回転する回転容器と、
この回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した第1の位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第1のロータユニットと、
前記回転容器の内方で且つこの回転容器の中心軸線より偏心した第2の位置に前記中心軸線と平行に配置され、前記回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第2のロータユニットとを備えた粉体処理ミキサで前記粉体を処理する方法であって、
前記第1のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるシャフトと、このシャフトの周囲に分散して放射状に取付けられた複数の羽根とを有し、
前記第2のロータユニットは、前記回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有し、
前記第2のロータユニットを停止させた状態で、前記回転容器と前記第1のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記羽根が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒し、
その後、前記第1のロータユニットを停止させた状態で、前記回転容器と前記第2のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記棒状部材が前記回転容器内の造粒済みの粉体粒子の集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行うことを特徴とする粉体処理方法。
【請求項13】
第1の粉体処理ミキサと第2の粉体処理ミキサを備える粉体処理装置で粉体を処理する方法であって、
前記第1の粉体処理ミキサは、
粉体の集合体を内部に収納して回転する第1の回転容器と、
この第1の回転容器の内方で且つこの第1の回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記第1の回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第1のロータユニットとを有し、
この第1のロータユニットは、前記第1の回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるシャフトと、このシャフトの周囲に分散して放射状に取付けられた複数の羽根とを有し、
前記第2の粉体処理ミキサは、
造粒済みの粉体粒子の集合体を内部に収納して回転する第2の回転容器と、
この第2の回転容器の内方で且つこの第2の回転容器の中心軸線より偏心した位置にこの中心軸線と平行に配置され、前記第2の回転容器の回転方向と同一方向または逆方向に回転する第2のロータユニットとを有し、
この第2のロータユニットは、前記第2の回転容器の前記中心軸線と平行に配置されて回転駆動されるヘッド部と、このヘッド部に取付けられ前記第2の回転容器の底板の近傍まで延びて、前記粉体粒子の集合体の領域内で運動する少なくとも1本の棒状部材とを有しており、
前記第1の粉体処理ミキサの前記第1の回転容器と前記第1のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記羽根が旋回運動することにより粉体原料を撹拌して混合、混練および造粒し、
その後、この造粒済みの粉体粒子を前記第2の粉体処理ミキサに移送し、
その後、この第2の粉体処理ミキサの前記第2の回転容器と前記第2のロータユニットをそれぞれ回転させて、前記棒状部材が前記第2の回転容器内の前記粉体粒子集合体の領域内を低速で円周運動することにより、前記各粉体粒子をゆっくりと転動させて整粒を行うか、またはこの整粒に続いてコーティングを行うことを特徴とする粉体処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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