説明

粉末金属の型充填

本発明は、型空洞を有する型と、1以上の下側ツール部材と、1以上の上側ツール部材と、を備えたツールセットを用いて金属粉末成形体を製造する方法であって、前記1以上の下側ツール部材を前記型空洞内に挿入するステップと、前記型空洞に金属粉末を充填する第1の充填ステップと、前記1以上の上側ツール部材を下げて、前記金属粉末が充填された充填部分と、未だ前記金属粉末で充填されていない空の部分と、を有する前圧縮室を形成するステップ、前記1以上の上側ツール部材を通って前記前圧縮室内に延設された1以上の粉末供給台を通じて前記空の部分に金属粉末を充填する第2の充填ステップと、前記金属粉末を圧縮軸に沿って圧縮して、金属粉末成形体を形成する圧縮ステップと、前記型空洞から前記金属粉末成形体を取り出すステップと、を含む方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2009年5月18日付で提出された米国仮出願第61/179,125号(発明の名称:粉末金属の型充填(powder metal die filling))および2009年7月15日付で提出された米国仮出願第61/225,799号(発明の名称:粉末金属の型充填(powder metal die filling))の利益を享受する。これらの出願に記載された内容は、参考までに本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、粉末金属部品(powder metal component)、及び、その製造方法に関する。詳細に、本発明は、粉末金属圧縮(powder metal compaction)を用いて、複雑な形状(complex shape)を有する部品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
粉末冶金(powder metallurgy)は、金属部品の製造方法を提供する。粉末金属から部品を製造することは、通常ツールと型セット(tool and die set)に金属粉末(powder metal)を供給する(又は、詰める:fill)ステップと、前記ツールと型セットを用いて前記金属粉末を一軸的に圧縮して(即ち、詰めて)金属粉末成形体(powder metal compact)を形成するステップと、前記金属粉末成形体を焼結して前記金属粉末成形体の粒子同士を結合させることで最終金属粉末部品を形成するステップと、を含む。一般的にこの最終金属粉末部品が完全に詰められたもの(fully dense)でなくても、金属粉末部品は、それ以外の金属製造法を用いて製造された部品に比べて、非常に優れた寸法精度(dimension accuracy)を有する。
【0004】
金属粉末の上面形状(上面構造)(top side feature)を形成するために、前記供給ステップ(fill step)と前記成形(圧縮)ステップ(compaction step)との間に、下部ツール部材(lower tool members)の相対的な移動によって、型の下部から金属粉末を上方に移動させる。この移動が上手くいけば、圧縮方向において型空洞の異なる垂直方向の柱を通して約2:1の粉末充填(量)対最終部品の比率(a powder fill to final part ratio)を維持しながら、その金属粉末が圧縮用型空洞内の所定の位置までに移動されるようになる。部品の様々な構造(形状)を通して粉末充填(供給)対最終部品の比率が維持できなかった場合、その最終部品はその密度において許されない可変性(unacceptable variation)を有し得る。
【0005】
確かに複雑な形状(complex shape)を有するいくつかの部品は金属冶金法によって製造され得るが、前述の技術を用いるのでは、特定の形状(geometry)を単一の部品として製造することはできない。こうした形状を有する金属粉末部品を製造するためには、(部品の)2つ以上の部分をそれぞれ圧縮し(即ち、成形し)、その後、互いに接合する必要がある。しかしながら、2以上のそれぞれの圧縮ステップと接合ステップは時間を要する工程であり、焼結後の2次工程(post-sintering secondary operation)を要する傾向がある。
【0006】
したがって、複雑な形状を有する粉末金属部品を製造する方法に対するニーズが存在していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、粉末金属部品、及び、その製造方法に提供することを目的とする。詳細に、本発明は、粉末金属圧縮を用いて、複雑な形状(complex shape)を有する部品を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、型空洞を有する型と、1以上の下側ツール部材と、1以上の上側ツール部材と、を備えたツールセットを用いて金属粉末成形体を製造する方法を提供する。その方法は、前記1以上の下側ツール部材を前記型空洞内に挿入するステップと、前記型空洞に金属粉末を充填する第1の充填ステップと、前記1以上の上側ツール部材を下げて、前記第1の充填ステップの際に前記金属粉末が充填された充填部分と、未だ前記金属粉末で充填されていない空の部分と、を有する前圧縮室を形成するステップ、前記1以上の上側ツール部材を通って前記前圧縮室内に延設された1以上の粉末供給台を通じて前記前圧縮室における前記空の部分に金属粉末を充填する第2の充填ステップと、前記金属粉末を圧縮軸に沿って圧縮して、金属粉末成形体を形成する圧縮ステップと、前記型空洞から前記金属粉末成形体を取り出すステップと、を含む。
【0009】
前記第2の充填ステップは、計量体積の1以上の粉末空洞を備えたスライドプレートを含む供給プレートアセンブリを用いて、ホッパーシステムから前記1以上の上側ツール部材の前記1以上の粉末供給台まで前記金属粉末を動かすことを含む。前記スライドプレートは、前記1以上の粉末空洞が前記ホッパーシステムの下に配置されて前記1以上の粉末空洞と同じ体積の金属粉末のチャージを収容する第1の位置と、前記金属粉末のチャージを前記前圧縮室に供給できるように、前記1以上の粉末空洞が、前記1以上の上側ツール部材の前記1以上の粉末供給台に通じるように配置された第2の位置との間に移動できる。
【0010】
供給プレートアセンブリと、上側ツール部材との間に支持ブロックが設けられる。前記供給プレートアセンブリは、支持ブロックの上側に配置され、かつ、前記上側ツール部材は、前記支持ブロックの底側に取りつけられ得る。前記スライドプレートが第2の位置にあるとき、前記支持ブロックは、前記上側ツール部材の前記1以上の粉末供給台に通じるように前記スライドプレートの前記1以上の粉末空洞を配置する1以上の粉末供給台を含む。
【0011】
前記スライドプレートは、スロットを含み得るが、1以上の上側ツール部材は、前記スロットを通って、前記スライドプレートの前記第1の位置及び前記第2の位置の両方に延設される。前記スライドプレートは、複数の粉末空洞を含み得る。前記複数の粉末空洞は、前記スライドプレートの前記スロットを通って延設された前記1以上の上側ツール部材と同軸上に存在しない。
【0012】
前記1以上の上側ツール部材における前記1以上の粉末供給台は、前記圧縮軸に対して所定の角度で前記1以上の上側ツール部材を通って延設される。
【0013】
前記ツールセットは、上部の内側パンチと、前記上部の内側パンチの少なくとも一部を取り囲む上部の中間パンチと、前記上部の中間パンチの少なくとも一部を取り囲む上部の外側パンチと、を有する。前記1以上の上側ツール部材を下げて前記前圧縮室を形成するステップは、前記上部の外側パンチを下げることを含む。前記1以上の上側ツール部材を下げて前記前圧縮室を形成するステップは、前記上部の内側パンチを下げて、前記型空洞上で円筒状の空洞などを形成することを更に含む。前記第2の充填ステップの際に、前記上部の中間パンチが後退位置にあって、前記前圧縮室に通じるように前記上部の外側パンチの前記1以上の粉末供給台を配置する。前記圧縮ステップの際に、前記上部の中間パンチの表面が前記上部の外側パンチの前記粉末供給台の開口を越えてスライドして前記粉末供給台が前圧縮室に通じないように、前記上部の中間パンチを下げる。
【0014】
上記方法によって製造された前記金属粉末成形体は、前記金属粉末成形体の前記圧縮軸と垂直である2以上の異なる断面を有し得る。前記2以上の異なる断面各々が、前記2以上の異なる断面のうち他方の断面に含まれない第1の充填粉末領域(filled powder area)を有する。前記2以上の異なる断面各々が、前記2以上の異なる断面のうち他方の断面に含まれる第2の充填粉末領域を有する。この部品形状は、下側ツール部材の従来の粉末移動動作によってではなく、前記第2の充填ステップにおける上部充填(上側充填;top fill)によって達成される。型空洞の様々な垂直方向の柱にわたっての粉末充填(powder fill)対最終金属粉末成形体の比率は約2:1である。
【0015】
前記第1の充填ステップを、前記型空洞上に供給シューを配置することによって行う。
【0016】
前記第2の充填ステップを、重力によって行う。
【0017】
前記1以上の上側ツール部材を下げて前記前圧縮室を形成するステップは、前記第1の充填ステップからの前記金属粉末の金属粉末充填表面と同一平面で前記1以上の上側ツール部材の下面を動かすことを含む。
【0018】
前記方法は、前記金属粉末成形体を焼結して、焼結金属粉末部品を形成するステップを更に含む。したがって、前記方法によって製造された焼結金属粉末部品が開示される。
【0019】
同様に、上記方法によって製造された金属粉末成形体が開示される。前述のように、前記金属粉末成形体は、前記金属粉末成形体の前記圧縮軸と垂直である2以上の異なる断面を有する。前記2以上の異なる断面各々が、前記2以上の異なる断面のうち他方の断面に含まれない第1の充填粉末領域(filled powder area)を有する。前記2以上の異なる断面各々が、前記2以上の異なる断面のうち他方の断面に含まれる第2の充填粉末領域を有する。
【発明の効果】
【0020】
従って、本発明は、1以上の上側ツール部材を用いる上部充填ステップを通して、金属粉末成形体を製造する方法を提供する。上部充填(top fill)ステップを採用することで、上側ツール部材によって少なくとも部分的に形成された前圧縮室に、複雑な下側ツール部材なしに、従来の下側ツール粉末移動動作を用いるのでは不可能な方法で金属粉末を充填することが可能となる。また、かかる前圧縮室の充填方法によって、金属粉末成形体をわたっての粉末充填対最終部品の比率における許されない変化(ばらつき)が回避される。
【0021】
本発明の上記の利点、及び、その他の利点は、添付された明細書及び図面の記載から明らかになる。以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。しかしながら、本発明の技術的範囲は専ら特許請求の範囲によって定まるもので、後述する好ましい実施形態によって制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、ギアのハブ側を示す弓形ギア(segment gear)の上面斜視図である。
【図2】図2は、軸方向を向いたギアの歯(axially-facing gear teeth)を示す図1の弓形ギアの底面斜視図である。
【図3】図3は、図1の弓形ギアの上面平面図である。
【図4】図4は、図3の線4−4に沿った弓形ギアの側面断面図である。
【図5】図5は、弓形ギアのような複雑な部品の一連の製造工程の概要のフローチャートである。
【図6】図6は、第1の供給(充填)前に、上部及び下側ツール部材が第1の供給位置(充填位置)にある圧縮プレス(compaction press)におけるツールと型セットの断面図である。
【図7】図7は、第1の供給後に、上部及び下側ツール部材が第1の供給位置(充填位置)にある圧縮プレスにおけるツールと型セットの断面図である。
【図8】図8は、上側ツール部材は下がったが、第2の供給(充填)が行われる前の、上部及び下側ツール部材が第2の供給位置(充填位置)にある圧縮プレスにおけるツールと型セットの断面図である。
【図9】図9は、第2の供給(充填)後に、上部及び下側ツール部材が第2の供給位置(充填位置)にある圧縮プレスにおけるツールと型セットの断面図である。
【図10】図10は、上部及び下側ツール部材が圧縮位置(compaction position)にある圧縮プレスにおけるツールと型セットの断面図である。
【図11】図11は、支持ブロックに取り付けられた供給プレートアセンブリの斜視図である。
【図12】図12は、供給プレートアセンブリ又は上部の外側パンチが取り付けられていない支持ブロックの上面斜視図である。
【図13】図13は、上部の外側パンチの上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1〜4には、ワンピースの弓形ギア(セグメントギア;segment gear)100を示されている。この弓形ギア100は、後述するプロセス200に基づく金属粉末プロセスによって単一の金属粉末成形体体(又は、圧縮体)(single powder metal compact)として製作される。この弓形ギア100の構造は、プロセス200のステップの説明に用いられる。
【0024】
弓形ギア100は、軸A−A及びB−Bに平行である圧縮軸(axis of compaction)に沿った圧縮(compaction)によって形成された金属粉末部品である。この弓形ギア100は、上面(top surface)104と、底面(bottom surface)106を有するパイ形状の本体部102と、を含む。ここで、上面104及び底面106は、相互に概して平行していて、軸A−Aに対して垂直である。本体部102は、軸A−Aにおける中央ハブ(central hub)108から弓形ギア100の外周における弓状壁110まで延設されている。
【0025】
中央ハブ108は、概して円筒状であり、かつ、本体部102の底面106から下方に延設されている。この中央ハブ108は、下軸面(lower axial surface)112と、半径方向の外側面114と、上面104から下軸面112まで延設された軸方向の貫通孔(axially−extending through hole)116と、を備えている。この軸方向の貫通孔116は、そこに形成された半径方向の内側のスプライン(即ち、キー溝)118を備えている。
【0026】
弓状壁110は、本体部102の底面106から下方に延設されている。その弓状壁110は、半径方向の内側面120と、半径方向の外側面122と、を備えている。弓状壁110における半径方向の外側面120と半径方向の外側面122間の下側面上に、複数のギアの歯124が形成されている。図面によれば、ギアの歯124の先端部(tip)を形成する平面が軸A−Aに対して垂直ではないが、ギアの歯124は、軸A−Aに対して概して半径方向に延設されている。
【0027】
上側ハブ(top side hub)126は、本体102の上面104上に形成され、かつ、軸B−B(この軸B−Bは、軸A−Aに平行であるが、軸A−Aから間隔をおいて配置されている。)に沿って延設されている。その上側ハブ126は、半径方向の外側面128と、半径方向の内側面130と、上軸面(upper axial surface)132と、を備えた概して円筒状のものである。この半径方向の内側面130によって、上側ハブ126における円筒状の空洞134が形成されている。空洞134の下面136は、本体部102の上面104にほぼ平行に配置されている。
【0028】
図1及び4に示すように、上面104は、弓状壁110に隣接したステップ138を含む。このステップ138は、上面104の残りの部分からオフセット(offset)されている。上側ハブ126がステップ138及び上面104の残りの部分をまたぐため、弓状壁110及び上側ハブ126の部分において変化する厚さ(varying thickness)を有する材料の垂直方向の柱が設けられる。
【0029】
この形状を有する部品は、従来の金属粉末圧縮法によっては、単一の粉末金属製形体(圧縮体)として形成できなかったことを理解する必要がある。これまでに、上面の形状(例えば、ハブ126)を形成しようとする試みは、通常下方のツール部材(lower tool member)の粉末移動動作(powder transfer motion)に基づいて、型空洞内において金属粉末を移動させることによって行われてきた。金属粉末が移動されると、部品の垂直方向の柱を横切っての(わたっての)粉末供給(粉末充填)(powder fill)対最終部品の比率は、約2:1でなければならず、それによって、圧縮工程(成形工程)後に比較的均一な高密度の部品が得られる。
【0030】
しかしながら、ハブ126の水平方向の断面、及び、ギアの歯124を有する弓状壁110の水平方向の断面を比較してみると、ギアの歯124を有する弓状壁110には見られないハブ126における金属粉末領域、及び、ハブ126には見られないギアの歯124を備えた弓状壁110における金属粉末領域が存在することが分かった。したがって、従来のツールと型セットを用いるのでは、この最終形状を備えた部品(全体)を通して許容可能な粉末供給(充填)対最終部品の比率(powder fill to final part ratio)を提供できる粉末移動動作は事実上不可能であった。その代わり、この種の部品を製作するためには、異なるセクションをそれぞれ別途圧縮し(即ち、成形し)、その後これらを接合させることが、これまで行われてきた。
【0031】
図5には、弓形ギア100に類似する形状(geometry)を有する部品のための、単一の金属粉末成形体(圧縮体:compact)、最終的には、焼結金属粉末部品の形成を可能にするプロセス200の概要が記載されている。さらに図6〜10(充填(即ち、供給)及び圧縮ステップについての詳細なステップが記載されている。)によれば、プロセス200の各ステップが記載されている。
【0032】
金属粉末部品を形成するために、ツールと型セット(tool and die set)は、圧縮プレスに設ける必要がある。図6〜10に示すように、ツールと型セットは、型空洞304の部分を定める型挿入部302(die insert)を備えた型(die)300を含む。その型挿入部302は、通常、硬質(hard)のツール材で構成され、かつ、その部品の外周の輪郭に類似した形状を有するように形成される。下側ツール部材(lower tool member)は、貫通孔116を形成する下側の芯金(lower core rod)306と、下軸面112を形成する下側芯金306を取り囲む下部の外側パンチ(lower outer punch)308と、ギアの歯124を形成する下側ツール部材310と、を備えている。下側ツール部材は、型空洞304内へ上方に挿入されて、型空洞304における底部(bottom floor)を提供するとともに、圧縮(compaction)の際に型挿入部302が側壁を形成することができないだろうとされる場所(例えば、貫通孔116のスプライン118を形成する下側芯金306の半径方向の外側面)に側壁を提供する。複数の上側ツール部材は、型空洞304の上側外周に合う(fit into)サイズを有する上部の外側パンチ312と、少なくとも部分的に上部の外側パンチ312に取り囲まれた上部の中間パンチ314と、少なくとも部分的に上部の中間パンチ314に取り囲まれた上部の内側パンチ316と、を備えている。
【0033】
上側ツール部材(複数)は、金属粉末がそれら上側ツール部材のうち少なくとも1つ以上を通って供給されるように設けられている。図11〜13によれば、支持ブロック(support block)318には、上部の外側パンチ312及び供給プレートアセンブリ(feed plate assembly)320が取り付けられている。この支持ブロック318は、支持ブロック318、上部の外側パンチ312、及び、供給プレートアセンブリ320が、それ以外の上側ツール部材の配置にかかわらず、ともに動くように、上側プレスアセンブリの部分に取り付けられている。
【0034】
供給プレートアセンブリ320は、金属粉末のチャージ(charge)を、軸方向オフセットホッパーシステム(axially offset hopper system)322から粉末供給台(powder feed chute)324及び326(支持ブロック318および上部の外側パンチ312をそれぞれ貫通する。)の方へ動かす(shuttle)。供給プレートアセンブリ320は、ガイドスロット(guide slot)330を備えたスライドプレート(sliding plate)328と、スライドプレート328を通って延設された3つの粉末空洞332と、を有する。スライドプレート328の線形経路は、スライドプレート328を支持ブロック318にスライド自在につなぐトラックシステム(track system)によって案内される。このトラックシステムは、前方ガイド334と、後方ガイド336とを有する。これらのガイドは、スライドプレート328及び中間ガイド338(ガイドスロット330の壁に係合する)の側面(lateral side)に係合する。
【0035】
供給プレートアセンブリ320は、ホッパーシステム332と、粉末供給台324および326との間にスライドプレート328の3つの粉末空洞332を前後に動かす作動メカニズムを含む。図面によれば、この作動メカニズムは、一組のシリンダ340(図11には後退状態が示されている。)を含むが、この一組のシリンダは、伸長及び後退されて、一対の結合部材(linkage)344を通じてスライドプレート328に接続された接続棒(connecting bar)342を動かすことができる。もちろん、その他の作動メカニズムを用いてスライドプレート328を動かくこともできる。後述するように、ホッパーシステム322から粉末供給台324及び326への金属粉末の特定の移動時点(timing of the shuttling)は、プレスサイクル(press cycle)に合される。
【0036】
トラックシステム(track system)及び作動メカニズムによって、スライドプレート328が第1の位置(図示せず)と第2の位置(図11)との間を動けるようになる。第1の位置において、粉末空洞332は、ホッパーシステム322の下に設けられて、金属粉末のチャージを収容し、そして、第2の位置において、粉末空洞332は、支持ブロック318上を滑って、粉末空洞332の底部が支持ブロック318における粉末供給台324の上開口に合わせられ、かつ、支持ブロック318及び上部の外側パンチ312のそれぞれの粉末供給台324及び326に通じるように配置される。粉末空洞332が支持ブロック318の粉末供給台324上以外の任意の位置にあれば、支持板345(この支持板も粉末供給台324と合う孔を有している。)によって供給された粉末空洞332の下にある下面によって、金属粉末チャージが粉末空洞332の底部から(こぼれ)落ちることが防止される。
【0037】
図12によれば、支持ブロック318の詳細が示されている。支持ブロック318は、支持ブロック318を上側プレスアセンブリに取り付けるための複数のボルト孔346を備えた概して円筒状の形状を有している。複数の孔及び/又は台は、支持ブロック318を通って延設されている。貫通孔348は、支持ブロック318を通って軸方向に延在されて、支持ブロック318を通しての上部の中間パンチ(upper middle punch)314及び上部の内側パンチ316の通路を提供する。また、3つの粉末供給台324又はチャンネル(channel)は、貫通孔348を中心に配置されている。図8〜10に示すように、3つの粉末供給台324は、粉末供給台324が下方に延設されるにつれて、半径方向の内側に延設されている。
【0038】
図13によれば、上部の外側パンチ312の詳細が示されている。上部の外側パンチ312は、そのパンチ312を通って軸方向に延設された開口350を備えている。上部の外側パンチ312が支持ブロック318に取り付けられたときに、開口350は、支持ブロック318の底面(bottom face)上で3つの粉末供給台324の出口端(exit end)と合う3つの粉末供給台326を備えている。これらの粉末供給台326は、金属粉末を下方、及び、軸方向内側に向かわせる(移動させる)。また、上部の中間パンチ314が上部の外側パンチ312を通って延設されているため、3つの壁352は、供給台326同士を互いに対して分離し、かつ、上部の中間パンチ314(パンチ314は、3つの壁352によって用意されたように、開口350の内径(inner diameter)と補完的に滑りばめされる。)を案内する。
【0039】
供給プレートアセンブリ320、支持ブロック318、及び、上側ツール部材の残りの部分と組み合わせられた上部の外側パンチ312をみると、スライドプレート328及び粉末供給台324及び326の特定のデザインは、その他の部分を通っての上部の中間パンチ314及び上部の内側パンチ316の伸張(extension)を提供するよう設けられている。スライドプレート328のスロット330、支持ブロック318の貫通孔348、及び、上部の外側パンチ312の開口350は、プレスサイクル(press cycle)の際に、そこを通る上部の中間パンチ314及び上部の内側パンチ316の通路及び軸方向の移動を提供する。
【0040】
上側ツール部材の残りの部分と組み合わせられた供給プレートアセンブリ320、支持ブロック318、及び、上部の外側パンチ312をみると、特定のデザインのスライドプレート328及び粉末供給台324及び326は、その他の部品を通しての上部の中間パンチ314及び上部の内側パンチ316の伸長(extension)を収容するように設けられている。スライドプレート328のスロット330、支持ブロック318における貫通孔348、及び、上部の外側パンチ312における開口350は、プレスサイクルにおいて、そこを通る上部の中間パンチ314及び上部の内側パンチ316の通路(passage)及び軸方向の移動を収容する。
【0041】
上部の外側パンチ312に対する上部の中間パンチ314の移動によって、上部の中間パンチ214の半径方向の外側面(radially outward facing surface)が、上部の外側パンチ312の開口356を越えてスライドされ、それにより、粉末供給台326の開口356が開閉される。第2の位置において粉末空洞332と合う(一致する)粉末供給台324及び326、及び、粉末空洞332の位置は、上部の中間パンチ314が十分後退されたときに、上側ツール部材(upper tooling member)を通って環状のチャンバ354内への金属粉末の比較的均一な分布を提供できるように設けられている。詳細については、後述する。
【0042】
ツール部材及びプレスの残りの部分についての詳細は省く。しかしながら、型300に対する各ツール部材のストローク(stroke)が独立して制御されるようにプレスを構成できることは、当業者にとって明らかであろう。また、同様の機能を有する別のツール部材の組み合わせに置き換えられることも、当業者は理解できるだろう。例えば、上部の外側パンチ312は、上面104の残りの部分から分離されたステップ138を形成するために用いられるパンチを含んだ2つの個別のパンチに置き換えられ得る。同様に、ギアの歯124を形成するために1以上の下側ツール部材を用いても良い。
【0043】
図6によれば、充填(filling)及び圧縮(compaction)ステップは、下側芯金(core rod)306、下部の外側パンチ308、及び、下側ツール部材310が型空洞304の下から(空洞304の)内部へ挿入されて、型空洞304の底部、及び、さらなる内部の側壁を形成することで始まる。下側ツール部材は型空洞304の基部(base)又は床部(floor)を提供するが、下側ツールはまたその圧縮位置(図10参照)に対して後退される。粉末充填前に、上側ツール部材全ては、最初に型空洞304上の引き上げられた位置にある。
【0044】
図6に示したように、上側ツール部材が引き上げられたとき、供給シュー(feed shoe)(図示せず)は、型空洞304の上を動いて、型空洞304を金属粉末で詰める(ステップ202の第1の充填ステップ)。供給シューが型空洞304上から後退されたとき、型空洞304内の金属粉末充填線(fill line)は、図7に示したとおり、型300の上面358と同じ高さとなる(即ち、上面358と水平である)。
【0045】
次に、ステップ204に基づいて、複数の上側ツール部材のうち一部以上が型空洞304に向かって下げられる。図8に示すように、上部の外側パンチ312及び上部の内側パンチ316は、それらの下軸面が型300の上面358に相当する金属粉末充填線と同一平面で(又は僅かに下方に)あるところまで下げられる。上部の外側のパンチ312及び上部の内側のパンチ316は、第1の充填ステップ202から既に型空洞304に存在する金属粉末と接触するようになっているが、このプロセスにおけるこの段階では金属粉末を有意に圧縮しない。
【0046】
図8によれば、ステップ138を形成するために用いられた上部の外側パンチ312の軸面が金属粉末充填線より僅かに下にある。金属粉末の圧縮性(compactability)、及び、特定の寸法に基づいて、上部の外側パンチ312より下方の粉末金属のこの僅かな圧縮は許容可能であり得る。しかしながら、このわずかな圧縮が許容可能でなければ、この状態は、ワンピースの上部の外側パンチをツーピースの上部の外側パンチ(そのうち一つのピースは、ステップ138を形成するもう一つのピースとは独立に動く。)に置き換えることによって解消することができる。
【0047】
ある時点において(上側ツール部材が下げられる前またはその後に)、上部の外側パンチ312及び上部の内側パンチ316に対して上部の中間パンチ314が後退される。これによって、上側ハブ(top side hub)126を形成するために用いられる上部の内側パンチ316及び上部の外側パンチ312の間に環状の円筒状の空間354が形成される。しかしながら、上部の中間パンチ314の後退時点及び程度(度合)は、供給プレートアセンブリ320による金属粉末チャージの輸送(移動)と適切に調和している必要がある。上部の中間パンチ314が上部の外側パンチ312の開口350の粉末供給台326上に後退されたときに、粉末が粉末供給台326内に存在していれば、その粉末は、重力によって、上部の外側パンチ312及び上部の内側パンチ316の間にある空間354内へ運ばれる。上側ツール部材が、図8に示したような位置まで下がっていない場合、金属粉末が早めに供給されても、環状の円筒状の空間354内に捕獲されない。
【0048】
上側ツール部材が図8に示した位置に下がったときに、上側ツール部材、下側ツール部材、及び、型空洞によって、前圧縮室(pre-compaction chamber)が形成される。この前圧縮室は、充填部(filled portion)、及び、空の部分(unfilled portion)を有している。その充填部は、第1の充填ステップ202の際に予め金属粉末で詰められた底部を含む。空の部分は、第1の充填ステップ202からの金属粉末充填線上の(複数の)上側ツール部材間の空間354によって定まる体積(volume)である。
【0049】
この時点において、上側ツール部材からの金属粉末は、第2の充填ステップ206で、前圧縮室の空の部分に運ばれる。この輸送は、ホッパーシステム322から支持ブロック318の粉末供給台324までスライドプレート328の粉末空洞332を通して金属粉末を往復させる(又は、左右に動かせる)ことによって行われる。いったん粉末空洞322が支持ブロック318の粉末供給台324と合わせられると、重力によって粉末空洞322内の金属粉末が支持ブロック318の粉末供給台324、及び、上部の外側パンチ312の粉末供給台326を通って、環状の空間354のほうへ落とされる(上部の中間パンチ314が、十分に後退されて、粉末供給台326を環状の空間354に通じる場所に配置すると仮定した場合)。前圧縮室における空の空間に運ばれた金属粉末のチャージは、前圧縮室の空の空間に適量の金属粉末を供給して、上側ハブ (top side hub)126を形成する。粉末空洞322が計量体積(metered volume)であるために、その集合計量体積は、上側ハブ126を形成する金属粉末量と同様の体積となるように選択することができる。図8の断面では一組の粉末供給台324および326のみが示されているが、図11〜13に示すように、実は、3つの粉末供給台が存在している。ツールの所定のデザインに基づいて、上側ツール部材内に1以上の粉末供給台が存在し得る。
【0050】
いったん第2の充填ステップ206が完了すると(図9)、粉末充填体(powder fill)対最終部品の比率は、粉末の垂直方向の柱の各々において約2:1でなければならない。もちろん、一部の粉末材は異なる圧縮率(compressibilitiy)又は、目的とする圧縮見掛け密度(compacted apparent density)を有するため、正確な比率は異なり得る。
【0051】
第2の充填ステップ206後に、ツール部材及び型によって形成された前圧縮室内には金属粉末が適切に分布されている。上部の中間パンチ314が下げられて、粉末供給台326の開口356をシールし、前圧縮室を完全に閉じる。この時点において、上部及び下側ツール部材は、圧縮ステップ208に基づいて、前圧縮室内の金属粉末を圧縮することができる。圧縮ステップ208の終盤における最終ツールの配置を図10に示した。圧縮の際に、上部の外側パンチ312及び上部の内側パンチ316は、型インサート302(die insert)内へ下方に動いて本体部102を形成し、上部の中間パンチ314は、下方に動いて上側ハブ126を形成し、下部の外側パンチ308は、上方に伸ばされて中央ハブ108を形成し、そして、下側ツール部材310は上方に動いてギアの歯124を形成する。これは、弓形ギア100の形状を有するワンピースの金属粉末成形体を形成する。
【0052】
金属粉末成形体(圧縮体)が形成されたら、取り出し(ejection)ステップ210において、ツール及び型からこの金属粉末成形体を取り出す。この取り出しステップの際に、上側及び下側ツール部材を、協調された順序で後退させて、上側及び下側ツール及び型の表面から金属粉末成形体を分離する。通常、上部の中間パンチ314が上側ハブ126の上軸面132を所定の場所に保持して、圧縮(成形)された上側ハブ126が半径方向の壁(radially-facing wall)に対する押し上げ力(upward force)に基づく破裂を防止する間に、上部の外側パンチ312及び上部の内側パンチ316が先に後退される。いったん上側ツール部材が金属粉末成形体から取り除かれると、下側ツールが取り出し位置(ここで、型空洞304の壁から底側構造(bottom side feature)が取り出される。)まで引き上げられる。勿論、取り出す順序は、部品(部分)の形状(geometry)、並びに、金属粉末圧縮物を形成するのに用いられたツール部材及び型に基づいて異なり得る。
【0053】
最後に、金属粉末成形体を、ステップ212に基づいて、当業者に知られた工程に従って焼結し得る。この焼結ステップの際に、金属粉末成形体を、制御された雰囲気下で金属粉末の融点未満の温度に加熱することで、金属粉末粒子を拡散させて(diffuse)、その粒子同士をネックする(neck)とともに、頑丈な固体の焼結部品を形成する。部品焼結の際に、空隙が減少するにつれて寸法が縮まる可能性はあるが、その部品は元の形状を維持する。こうした収縮を考慮して、通常、金属粉末成形体を最終焼結部品よりも若干(わずかに)大きくする。
【0054】
また、焼結部品(sintered part)は、任意の数の最終加工又は二次過程を経ることができる。焼結部品は、デバリング(deburring)、機械加工、熱処理、浸炭、鋳造、鍛造処理を受けることができるか、又は、当業者に知られたその他の焼結後処理を受けることができる。
【0055】
上部(top)にハブ、及び、底部に中央ハブ(central hub)及び軸方向のギアの歯を有する弓形ギアを製造するための方法が記載されているが、ここに記載された方法は、非対称の上部及び底部特徴(feature)(ここにおいて、下側ツール部材は、十分な粉末充填対最終部品比率を得るために必要な粉末移動動作(powder transfer motion)を行うことができない。)を備えたいかなる部品に対しても適合したものである。
【0056】
様々なスペーサプレート(spacer plate)がツールデザイン(tool design)及びプレスセットアップ(press set up)に組み込まれ得る。必要に応じて、かかるスペーサプレート又はその他の支持ブロックは、孔又は粉末供給台を含んで、上側ツール部材を通じての粉末の運搬(移送)を可能にするよう形成され得る。
【0057】
粉末供給台が必ずしも最も低い上側ツール部材まで延設されている必要はないことを理解してもらいたい。例えば、粉末供給台開口(前圧縮室に通じるよう台を位置付ける)は、(図面によれば、上部充填ステップ(top fill step)の際に、上部の中間パンチ314をこの開口を越えて引き上げることが必要となる場合があり得る。)支持ブロック318に形成されても良い。当業者は、同様の上部充填性能(top fill capability)を達成するため、ツールセット(tool set)に対する変更又は変形が行われ得ることを良く理解しているだろう。
【0058】
好ましい実施形態の様々な変形及び変更は、本願発明の保護範囲に含まれる。したがって、本発明は、前述した実施例に限られるものではない。本発明の技術的範囲は、次の特許請求の範囲によって定められる。
【符号の説明】
【0059】
100 弓形ギア
102 本体(部)
104 上面
106 底面
108 中央ハブ
112 下軸面
114 半径方向の外側面
116 貫通孔
118 スプライン(キー溝)
120 径方向の内側面
122 半径方向の外側面
124 ギアの歯
126 上側ハブ
128 半径方向の外側面
130 半径方向の内側面
132 上軸面
134 空洞
136 空洞(134)の下面
138 ステップ
300 型
302 型挿入部
304 型空洞
306 下側芯金
308 下部の外側パンチ
310 下側ツール部材
312 上部の外側パンチ
314 上部の中間パンチ314
316 上部の内側パンチ
318 支持ブロック
320 供給プレートアセンブリ
322 ホッパーシステム
324 粉末供給台
326 粉末供給台
328 スライドプレート
330 ガイドスロット
332 粉末空洞
348 貫通孔
350 開口
354 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
型空洞を有する型と、1以上の下側ツール部材と、1以上の上側ツール部材と、を備えたツールセットを用いて金属粉末成形体を製造する方法であって、
前記1以上の下側ツール部材を前記型空洞内に挿入するステップと、
前記型空洞に金属粉末を充填する第1の充填ステップと、
前記1以上の上側ツール部材を下げて、前記第1の充填ステップの際に前記金属粉末が充填された充填部分と、未だ前記金属粉末で充填されていない空の部分と、を有する前圧縮室を形成するステップ、
前記1以上の上側ツール部材を通って前記前圧縮室内に延設された1以上の粉末供給台を通じて前記前圧縮室における前記空の部分に金属粉末を充填する第2の充填ステップと、
前記金属粉末を圧縮軸に沿って圧縮して、金属粉末成形体を形成する圧縮ステップと、
前記型空洞から前記金属粉末成形体を取り出すステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第2の充填ステップが、計量体積の1以上の粉末空洞を備えたスライドプレートを含む供給プレートアセンブリを用いて、ホッパーシステムから前記1以上の上側ツール部材の前記1以上の粉末供給台まで前記金属粉末を動かすことを含み、そして、
前記スライドプレートが、前記1以上の粉末空洞が前記ホッパーシステムの下に配置されて前記1以上の粉末空洞と同じ体積の金属粉末のチャージを収容する第1の位置と、前記金属粉末のチャージを前記前圧縮室に供給できるように、前記1以上の粉末空洞が、前記1以上の上側ツール部材の前記1以上の粉末供給台に通じるように配置された第2の位置との間に移動できるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上側に供給プレートアセンブリが配置され、かつ、底側に上側ツール部材が取り付けられた支持ブロックをさらに含み、そして、
前記スライドプレートが第2の位置にあるとき、前記支持ブロックが、前記上側ツール部材の前記1以上の粉末供給台に通じるように前記スライドプレートの前記1以上の粉末空洞を配置する1以上の粉末供給台を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スライドプレートが、スロットを含み、そして、1以上の上側ツール部材が、前記スロットを通って、前記スライドプレートの前記第1の位置及び前記第2の位置の両方に延設される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記スライドプレートが、複数の粉末空洞を含み、そして、前記複数の粉末空洞が、前記スライドプレートの前記スロットを通って延設された前記1以上の上側ツール部材と同軸上にない、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1以上の上側ツール部材における前記1以上の粉末供給台が、前記圧縮軸に対して所定の角度で前記1以上の上側ツール部材を通って延設される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ツールセットが、上部の内側パンチと、前記上部の内側パンチの少なくとも一部を取り囲む上部の中間パンチと、前記上部の中間パンチの少なくとも一部を取り囲む上部の外側パンチと、を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1以上の上側ツール部材を下げて前記前圧縮室を形成するステップが、前記上部の外側パンチを下げることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記1以上の上側ツール部材を下げて前記前圧縮室を形成するステップが、前記上部の内側パンチを下げることを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の充填ステップの際に、前記上部の中間パンチが後退位置にあって、前記前圧縮室に通じるように前記上部の外側パンチの前記1以上の粉末供給台を配置し、そして、前記圧縮ステップの際に、前記上部の中間パンチの表面が前記粉末供給台の開口を越えてスライドして前記粉末供給台が前圧縮室に通じないように、前記上部の中間パンチを下げる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記金属粉末成形体が、前記金属粉末成形体の前記圧縮軸と垂直である2以上の異なる断面を有し、そして、前記2以上の異なる断面各々が、前記2以上の異なる断面のうち他方の断面に含まれない第1の充填粉末領域と、前記2以上の異なる断面のうち他方の断面に含まれる第2の充填粉末領域と、を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記金属粉末成形体上の上部充填を、前記1以上の下側ツール部材の粉末移動動作によってではなく、前記第2の充填ステップによって行う、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の充填ステップを、前記型空洞上に供給シューを配置することによって行い、そして、前記型空洞における金属粉末充填線が、前記型の上面と同じ高さである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の充填ステップを、重力によって行う、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記1以上の上側ツール部材を下げて前記前圧縮室を形成するステップが、前記第1の充填ステップからの前記金属粉末の金属粉末充填表面と同一平面で前記1以上の上側ツール部材の下面を動かすことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
粉末充填対最終金属粉末成形体の比率が約2:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、前記金属粉末成形体を焼結して、焼結金属粉末部品を形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法によって製造された焼結金属粉末部品。
【請求項19】
請求項1に記載の方法によって製造された金属粉末成形体。
【請求項20】
前記金属粉末成形体が、前記金属粉末成形体の前記圧縮軸と垂直である2以上の異なる断面を有し、そして、前記2以上の異なる断面各々が、前記2以上の異なる断面のうち他方の断面に含まれない第1の充填粉末領域と、前記2以上の異なる断面のうち他方の断面に含まれる第2の充填粉末領域と、を有する、請求項19に記載の金属粉末成形体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−527540(P2012−527540A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511933(P2012−511933)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/035095
【国際公開番号】WO2010/135232
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(507341356)ジーケーエヌ シンター メタルズ、エル・エル・シー (20)
【Fターム(参考)】