説明

粉砕装置

【課題】 粉砕物を小粒子径で且つ円形度の高い状態に粉砕できる新規な粉砕装置提供する。また、製造コストが小さく、高画質で流動性に優れ、感光体に黒点や、フィルミングを発生させず、二成分系現像剤においてはキャリアスペントを発生させず、一成分系現像剤では現像スリーブや層厚規制ブレードでの融着を発生させず、画像特性や転写特性に優れ、寿命が長く、小粒子径で且つ円形度が高い電子写真用トナーを得られる粉砕装置を提供する。
【解決手段】 一対のロータとライナーからなる磨砕粉砕手段と、ジェットノズルとが一体化して構成されてなることを特徴とする粉砕装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真用トナーの製造等に用いられる粉砕装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、粉砕という工程は、電子写真用トナー、食品、化粧品、薬品、金属、樹脂など、業界を問わずさまざまな粉体製造の分野で行われてきた。特に、電子写真用トナーにおいては、粉砕はトナーの性能を左右する重要な工程であった。
【0003】
近年、電子写真方式による複写機あるいはプリンタ等を用いて形成した画像においては高画質化が要求されるようになってきた。この要求を満たすために、気流式粉砕機を用いた混練粉砕法によりトナーの小粒子径化が図られてきた。しかし、トナーの製造方法の主流である混練粉砕法において、気流式粉砕機を用いてトナーを小粒子径化しようとすると、トナーの形状が不定形であるため、トナーの比表面積が増大し、トナーの流動性の低下が著しく転写性も低下するという問題があった。その問題の解決のためにはトナーを球形化し比表面積を出来るだけ小さくすることが有効であると考えられた。
【0004】
そこで、小粒子径で球形のトナーとして重合法トナーが製造されるようになり、普及しつつある。重合法は、小粒子径のトナーを得ることができるので、高精細な画像を得られる。また、球形のトナーが得られるので流動性に優れ、現像されたトナーが感光体表面から離れやすく、被転写シートへの転写性、転写効率が優れている。
【0005】
しかし、重合法トナーは、製造工程で発生する微粉等の規格外品等のリサイクルができないこともあり製造コストが高いこと、トナー粒子のほとんどがほぼ完全な球形であるため、感光体のクリーニング工程においてトナー粒子がクリーニングブレード等のクリーニング部材を擦り抜けやすくクリーニング不良を生じやすくなってしまう等の別の問題がある。
【0006】
これに対し、混練粉砕法によるトナーは、製造工程で発生する微粉や規格外品等を100%リサイクルでき、重合法に比べ一般的に製造コストは低い。
【0007】
しかし、前述のように、トナー粒子の形状が不定形となってしまう問題があった。
【0008】
例えば、衝突部材を用いたジェットミル型の気流式粉砕機によれば、体積平均粒子径を2μm〜3μmの十分に小粒子径のトナーが得られるが、平均円形度は0.89〜0.93程度となり、目標とする平均円形度0.95程度の十分に球形化されたトナーを得ることは困難であった(例えば、特許文献1)。
【0009】
また、カウンター型の気流式粉砕機によっても平均円形度は0.94程度に留まり、やはり十分に球形化されたトナーを得ることは困難であった(例えば、特許文献2)。
【0010】
トナー粒子の形状が不定形であったり、また異形粒子や粗大粒子が存在したりすることは、トナーの流動性が劣り、被転写シートへの転写性が劣り、文字抜け現象等を引き起こす原因となってしまう。
【0011】
また、ロータとライナーを用いた衝撃式粉砕機によって球形化したトナーを得る方法もあるが、これによって得られる粒子の体積平均粒子径は7μmほどであり、目標とする体積平均粒子径6.5μm以下のトナーを得ることは困難であった。
【0012】
そこで、一度気流式粉砕機により小粒径トナーを得た後で、それを球形化する方法として、トナー表面が軟化あるいは溶融するような高温雰囲気下にトナー粒子を通す方法がある。
【0013】
しかし、工程数の増加、トナー粒子同士が付着・凝集することによる粗大粒子の発生、熱によるトナーの性能低下等、様々な問題が発生する。
【0014】
また、一度気流式粉砕機により小粒径トナーを得た後で、衝撃式粉砕機によってトナー粒子表面を球形化する方法も提案されている(例えば、特許文献3)。
【0015】
衝撃式粉砕機ではロータとライナー間の粉砕領域にトナー粒子を通過させることで角がとれて球形化がなされる。しかしながら、球形化しても表面が鱗片状になりやすい問題があった。さらに極く小さな粒子径のトナーを球形化しようとすると、ロータ周縁の空気の層流によってトナーが弾かれ、トナー粒子がロータとライナーの間を素通りしてなかなか球形化が進まないという問題があった。
【0016】
また、時間をかけて球形化を進めても1.5μm以下の超微粉が大量に発生していた。
【0017】
超微粉が多いと非画像部にカブリが多くなるとともに、流動性の低下や帯電量が高くなることに起因して画像濃度が低下してしまう。さらに、超微粉中にはワックスや顔料等の単独の粒子が存在し、これらが感光体に付着して黒点(BS、ブラックスポット)や感光体フィルミングを発生させ、また、二成分系現像剤においてはキャリアスペントを発生させ、一成分系現像剤では現像スリーブや層厚規制ブレードでのトナー融着を発生させ、画像不良を引起こし、現像剤の寿命を短くしてしまっていた。
【0018】
【特許文献1】特開2000−5621号公報
【特許文献2】特開2004−358365号公報
【特許文献3】特開平07−244399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、以上のような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とする処は、粉砕物を小粒子径で且つ円形度の高い状態に粉砕できる新規な粉砕装置を提供することにある。
【0020】
また、製造コストが小さく、高画質で流動性に優れ、感光体に黒点や、フィルミングを発生させず、二成分系現像剤においてはキャリアスペントを発生させず、一成分系現像剤では現像スリーブや層厚規制ブレードでの融着を発生させず、画像特性や転写特性に優れ、寿命が長く、小粒子径で且つ円形度が高い電子写真用トナーを得ることが可能な粉砕装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、下記の技術的構成により、前述の目的を達成できたものである。
【0022】
(1)一対のロータとライナーからなる磨砕粉砕手段と、ジェットノズルとが一体化して構成されてなることを特徴とする粉砕装置。
【0023】
(2)一対のロータとライナーからなる磨砕粉砕手段と、ジェットノズルと衝突部材とからなる乱流発生手段とが一体化して構成されてなることを特徴とする粉砕装置。
【0024】
(3)前記一対のロータとライナーおよびジェットノズルの少なくとも一方が、複数個配設されていることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の粉砕装置。
【0025】
(4)前記複数個配設されているジェットノズルの先端空間域に気流調整手段を設けてなることを特徴とする前記(3)に記載の粉砕装置。
【0026】
(5)前記気流調整手段は円筒であることを特徴とする前記(4)に記載の粉砕装置。
【0027】
(6)前記衝突部材に近接して分級手段を設けることを特徴とする前記(2)に記載の粉砕装置。
【0028】
(7)前記分級手段は分離ツメであることを特徴とする前記(6)に記載の粉砕装置。
【0029】
(8)電子写真用トナーの粉砕に用いることを特徴とする前記(1)乃至(7)に記載の粉砕装置。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、粉砕物を小粒子径で且つ円形度の高い状態に粉砕できる新規な粉砕装置を提供することができる。
また、本発明によれば、製造コストが小さく、高画質で流動性に優れ、感光体に黒点や、フィルミングを発生させず、二成分系現像剤においてはキャリアスペントを発生させず、一成分系現像剤では現像スリーブや層厚規制ブレードでの融着を発生させず、画像特性や転写特性に優れ、寿命が長く、小粒子径で且つ円形度が高い電子写真用トナーを得ることが可能な粉砕装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、複数の実施例を用いて、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例】
【0032】
(実施例1)
図1および図2を用いて、実施例1について説明する。
図1は、本発明の実施例1における粉砕装置の平面断面図、図2は、図1におけるA−A線断面図である。なお、図1では回転軸109を省略して示してある。
まず、本発明の実施例1における粉砕装置の構成を説明する。
【0033】
101はロータである。本実施例では図1において時計回り方向(矢印方向)に回転するが、回転方向は変更できることが好ましい。回転速度は適宜変更できることが好ましく、20000rpm以下の範囲で変更できることが好ましい。また、粉砕物を効率的に粉砕、球形化するための溝を周面に設けていることが好ましい。さらに、ロータ101と後述の壁108との間隔は、任意に変更できることが好ましい。102は、衝突部材103に噴射を行うジェットノズル、103は、ジェットノズル102によって噴射された粉砕物が衝突する位置で、かつ磨砕粉砕手段(101/105)に近接して備えられる衝突部材で、本実施例では磨砕部M1の下流の位置に備えられている。衝突部材103は、形状(三角柱、三角錐、円錐など)、大きさの変更ができることが好ましい。また、整流板などを分級手段107側に備えることが好ましい。さらに、ジェットノズル102と衝突部材103との距離は変更できることが好ましい。105は、ロータ101を覆うように設けた金属、セラミック等からなるライナーである。ライナー105はケーシング106の内面に積層されており、粉砕物を粉砕、球形化するための溝を備えていることが好ましい。そして、ライナー105を交換したり、図示していない調節ネジによりライナー105の位置を調節したりすることで、ライナー105とロータ101との間隙を適宜変更できることが好ましく、1〜5mmの範囲で変更できることが好ましい。なお、ライナー105は図面上で明確化のためにハッチングで示してある。ロータ101とライナー105は一対に設けられる。106はケーシング、107は、分離ツメや分級ロータやルーバーなどの既知の分級部材である分級手段であって、衝突部材103に近接して設ける。分級手段107は、衝突部材103に対する角度、距離を変更できる分離ツメであることが好ましい。これらを変更することによって、粉砕、粒子径、球形化のコントロールが可能となる。また、分離ツメ自体の形状、大きさも変更できることが好ましい。108は壁であって、粉砕物の粉砕、球形化をより効果的にするための溝をロータ101に対する面に備えることが好ましい。Cは、粉砕物同士の衝突による二次粉砕が起こりうる空間である二次粉砕部、110は粉砕物入口、M1は、ロータ101と壁108とが粉砕物を磨砕粉砕しうる空間である磨砕部、M2は、ロータ101とライナー105とが粉砕物を磨砕粉砕、球形化する空間である磨砕部、Qは回収スペースである。図2にある109は、ロータ101の回転軸である。
【0034】
ジェットノズル102と衝突部材103とは、ジェットノズル102から噴射した高圧空気を衝突部材103に衝突させて乱流を発生させる乱流発生手段(102/103)を構成する。
なお、乱流発生手段はこの構成に限られず、例えば複数のジェットノズルを組み合わせたり、ジェットノズルと格子などを用いたりしてもよい。
また、ジェットノズル102と衝突部材103とは、粉砕物を衝突部材103に衝突させて衝突部材粉砕する衝突部材粉砕手段(102/103)をも構成する。
ロータ101と壁108とは、磨砕部M1で粉砕物を磨砕粉砕する磨砕粉砕手段(101/108)を構成する。
一対のロータ101とライナー105とは、磨砕部M2で粉砕物を磨砕粉砕する磨砕粉砕手段(101/105)を構成する。
ロータ101とジェットノズル102とは、ロータ101の回転により生じた層流にジェットノズル102の噴射気流をあてることで、粉砕物同士を衝突させて二次粉砕する二次粉砕手段(101/102)を構成する。
本実施例では、一対のロータ101とライナー105からなる磨砕粉砕手段(101/105)と、ジェットノズル102と衝突部材103とからなる乱流発生手段(102/103)とが一体化して構成されてなる。
【0035】
次に、本発明の実施例1における粉砕装置の動作を説明する。
【0036】
まず、粉砕物入口110からトナーなどの粉砕物を入れるとともに、ジェットノズル102から高圧空気を噴射し、粉砕物と高圧空気を合わせて噴射する(噴射工程)。
なお、粉砕物と高圧空気は必ずしも合わせて噴射する必要はなく、ジェットノズル102からは空気のみを噴射し、粉砕物は他の方法によって送ってもよい。
【0037】
そして、粉砕物が狭い空間である磨砕部M1を高速通過する。
【0038】
その際、粉砕物とロータ101もしくは壁108との接触等が発生する場合には粉砕物が粉砕されることもある(磨砕粉砕工程)。
【0039】
次に、粉砕物を衝突部材103に衝突させて、細かく粉砕する(衝突部材粉砕工程)。
なお、このとき形状は角ばっていることが多い。
また、それとともに高圧空気をも衝突部材103に衝突させて、乱流を発生させる。
この乱流は、ジェットノズル102からの噴射気流を衝突部材103に衝突させて発生させているので、一般的にロータ101の回転によって生じる空気の流れ(層流)よりも強い。
そしてこの乱流は、装置の位置関係、ジェットノズルからの噴射の余力等によって、ロータ101とライナー105からなる磨砕粉砕手段(101/105)へ送られ、その間隙である磨砕部M2へ押し込まれ、間挿される。
【0040】
そして、分級手段107によって簡単な分級を行う(分級工程)。
所望の大きさを超える粉砕物は乱流とともに磨砕部M2へ押し込まれ、所望の大きさ以下の粉砕物は回収スペースQへ送られて回収される。
【0041】
なお、回収された粉砕物は分級装置等によりさらに細かく分級することがより好ましい。
【0042】
次に、磨砕部M2で乱流を用いて粉砕物を磨砕粉砕する(乱流磨砕粉砕工程)。
ロータ101の周縁ではその回転によって層流が発生するが、本実施例では粉砕物とともに送られた乱流がその層流を壊すので、極く小さな粒子径の粉砕物でも層流に弾かれることなく、ロータ101もしくはライナー105と効率的に接触し、十分に小粒子径化および球形化がなされる。
【0043】
そして、磨砕部M2で粉砕および球形化された粉砕物がロータ101の回転に沿って二次粉砕部Cに戻り、再び各ステップで粉砕、球形化される。
このとき、衝突部材103の近辺では乱流によって壊されていた層流もロータ101の回転により徐々に回復される。磨砕部M2を通り抜けて二次粉砕部Cに戻る近辺では再び層流が形成されていることが好ましい。
【0044】
ここで、粉砕物同士の衝突による二次粉砕について説明する。
【0045】
ジェットノズル102から噴射された粉砕物と、磨砕部M2で小粒子径化および球形化されて二次粉砕部Cに戻ってきた粉砕物とが二次粉砕部Cで衝突した場合には、粉砕物同士の衝突により粉砕物が二次粉砕される(二次粉砕工程)。
【0046】
このとき、ロータ101の周縁で層流が形成されていたほうが、効率的に二次粉砕が発生するので都合がよい。
すなわち、磨砕部M2の末端部で乱流が消滅し、ロータ101の回転によって再び層流が形成されていれば、二次粉砕はジェットノズルからの層流とロータ101の回転による層流との層流同士の衝突で発生するので、乱流と層流との衝突の場合よりも、粉砕物の衝突が頻繁かつ定量的に起こり二次粉砕による小粒子径化、球形化が促進される。
【0047】
衝突部材粉砕工程の前に二次粉砕工程を有することで、粒子径の大きな粒子と分級手段107によって分級された粒子径の大きな粒子とについて、二次粉砕を行うことができる。
【0048】
なお、この二次粉砕は複数回発生してもよい。
【0049】
以上説明したように、本実施例によれば、ロータ101の回転によって生じる層流を、ロータ101の速度や大きさを変えることにより、不都合なときには壊し、必要なときには形成させることができるので、従来の、一度気流式粉砕機により小粒径トナーを得た後で、衝撃式粉砕機によってトナー粒子表面を球形化する方法よりも効果的に粉砕物の小粒子径化、球形化をなすことができる。
【0050】
また、ロータ101、ジェットノズル102、衝突部材103のそれぞれに、乱流発生手段(102/103)、衝突部材粉砕手段(102/103)、磨砕粉砕手段(101/108)、磨砕粉砕手段(101/105)、二次粉砕手段(101/102)などのうちの複数の役割を兼ねさせることで、装置を小型化し、コストを削減することができる。
【0051】
(実施例2)
次に、図3を用いて実施例2について説明する。
【0052】
図3は、本発明の実施例2における粉砕装置の平面断面図である。なお、図3ではロータの回転軸を省略して示してある。
まず、本発明の実施例2における粉砕装置の構成を説明する。
なお、実施例1と同一の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0053】
101a、101bは、回転する2個のロータである。本実施例ではロータ101aは図3において時計回り方向(矢印方向)に、ロータ101bは反時計回り方向(矢印方向)に回転するが、回転方向はそれぞれ変更できることが好ましい。さらに、ロータ101aとロータ101bとの間隔は、任意に変更できることが好ましい。その他実施例1のロータ101と同様である。105a、105bは、ロータ101a、101bをそれぞれ覆うように設けたライナーである。そして、ライナー105a、105bを交換したり、図示していない調節ネジによりライナー105a、105bの位置を調節したりすることで、ライナー105a、105bとロータ101a、101bとの隙間を適宜変更できることが好ましく、1〜5mm幅で変更できることが好ましい。その他実施例1のライナー105と同様である。107a、107bは分級手段であって、実施例1の分級手段107と同様である。M3は、ロータ101aとロータ101bとが粉砕物を磨砕粉砕、球形化する磨砕部である。本実施例における衝突部材103は、磨砕部M3の下流の位置に備えられている。
【0054】
ロータ101aとロータ101bとは、磨砕部M3で粉砕物を磨砕粉砕する磨砕粉砕手段(101a/101b)を構成する。
ロータ101aとライナー105a、ロータ101bとライナー105bは、磨砕部M2で粉砕物を磨砕粉砕する磨砕粉砕手段(101a/101b/105a/105b)を構成する。
ロータ101a、101bとジェットノズル102とは、ロータ101a、101bの層流にジェットノズル102の噴射気流をあてることで、粉砕物同士を衝突させて二次粉砕する二次粉砕手段(101a/101b/102)を構成する。
本実施例では、一対のロータとライナーが、2個配設されている。
【0055】
次に、本発明の実施例2における粉砕装置の動作を説明する。
【0056】
なお、実施例1と同様の動作については、詳細な説明を省略する。
まず、ジェットノズル102からトナーなどの粉砕物とともに高圧空気を噴射する(噴射工程)。
【0057】
そして、粉砕物が狭い空間である磨砕部M3を高速通過する。
【0058】
その際、粉砕物とロータ101aもしくはロータ101bとの接触等が発生する場合には粉砕物が粉砕されることもある(磨砕粉砕工程)。
【0059】
2つのロータ101a、101bを回転させることで、処理速度を向上させ、粉砕物をより細かく粉砕、球形化することができる。
【0060】
次に、粉砕物を衝突部材103に衝突させて、細かく粉砕する(衝突部材粉砕工程)。
また、それとともに空気をも衝突部材103に衝突させて、乱流を発生させる。
【0061】
そして、分級手段107a、107bによって簡単な分級を行う(分級工程)。
【0062】
次に、磨砕部M2で乱流を用いて粉砕物を磨砕粉砕する(乱流磨砕粉砕工程)。
ロータ101a、101bの周縁ではその回転によって層流が発生するが、本実施例では粉砕物とともに送られた乱流がその層流を壊すので、極く小さな粒子径の粉砕物でも層流に弾かれることなく、ロータ101a、101bもしくはライナー105a、105bと効率的に接触し、十分に小粒子径化および球形化がなされる。
【0063】
そして、磨砕部M2で粉砕および球形化された粉砕物がロータ101a、101bの回転に沿って二次粉砕部Cに戻り、再び各ステップで粉砕、球形化される。
【0064】
このとき、衝突部材103の近辺では乱流によって壊されていた層流もロータ101a、101bの回転により徐々に回復される。磨砕部M2を通り抜けて二次粉砕部Cに戻る近辺では再び層流が形成されていることが好ましい。
【0065】
ここで、粉砕物同士の衝突による複雑な二次粉砕について説明する。
【0066】
本実施例では、二次粉砕部Cでは、ジェットノズル102から噴射された粉砕物と磨砕部M2から戻ってきた粉砕物とが衝突するだけでなく、ロータ101aの回転に沿って戻ってきた粉砕物と、ロータ101bの回転に沿って戻ってきた粉砕物との間でも衝突が発生し、複雑な二次粉砕がなされる。実施例1よりもさらに細かく粉砕物を二次粉砕するとともに粉砕物の球形化を促す(複雑な二次粉砕工程)。
【0067】
詳細な理由は判明していないが、大きさの異なる粒子を複雑に衝突させることで、より効果的に粉砕物を小粒子径で且つ円形度の高い状態に粉砕できる。
このとき、ロータ101a、101bの周縁で層流が形成されていたほうが、効率的に二次粉砕が発生するので都合がよい。
【0068】
なお、この複雑な二次粉砕は複数回発生してもよい。
【0069】
以上説明したように、本実施例によれば、ロータ101a、101bの回転によって生じる層流を、ロータ101a、101bの速度や大きさを変えることにより、不都合なときには壊し、必要なときには形成させることができるので、効果的に粉砕物の小粒子径化、球形化をなすことができる。
【0070】
また、ロータ101a、101b、ジェットノズル102、衝突部材103のそれぞれに、乱流発生手段(102/103)、衝突部材粉砕手段(102/103)、磨砕粉砕手段(101a/101b)、磨砕粉砕手段(101a/101b/105a/105b)、二次粉砕手段(101a/101b/102)などのうちの複数の役割を兼ねさせることで、装置を小型化し、コストを削減することができる。
【0071】
(実施例3)
次に、図4を用いて実施例3について説明する。
【0072】
図4は、本発明の実施例3における粉砕装置の平面断面図である。図4ではロータの回転軸を省略して示してある。
まず、本発明の実施例3における粉砕装置の構成を説明する。
なお、実施例1、実施例2と同一の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0073】
102a、102bは、衝突部材103に噴射を行うジェットノズルであって、互いに噴射気流を交差させる2個配設されているジェットノズルである。104は、気流を調整するための気流調整手段であって、ジェットノズル102a、102bの先端空間域に設けられる。気流調整手段104は、円筒、楕円筒、卵型筒、菱形筒などの固定部材とすることで、ジェットノズル102a、102bの噴射口周りには空間を設け、かつジェットノズル102a、102bの噴射方向で交差部Kに近接して噴射気流と接点を有するように備えることが好ましい。本実施例では円筒としている。Kは、ジェットノズル102a、102bの噴射気流が互いに交差する交差部である。交差部Kは二次粉砕部Cに重複または近接して設ける。
【0074】
ジェットノズル102aとジェットノズル102bとは、複数のジェットノズルからの噴射気流を交差させて粉砕物を粉砕するカウンター粉砕手段(102a/102b)を構成する。
ジェットノズル102a、102bと衝突部材103とは、ジェットノズル102a、102bの噴射した空気を衝突部材103に衝突させて乱流を発生させる乱流発生手段(102a/102b/103)を構成する。
なお、乱流発生手段はこの構成に限られず、例えば複数のジェットノズルを組み合わせたり、ジェットノズルと格子などを用いたりしてもよい。
また、ジェットノズル102a、102bと衝突部材103とは、粉砕物を衝突部材103に衝突させて衝突部材粉砕する衝突部材粉砕手段(102a/102b/103)をも構成する。
ロータ101a、101bとジェットノズル102a、102bとは、ロータ101a、101bの層流にジェットノズル102a、102bの噴射気流をあてることで、粉砕物同士を衝突させて二次粉砕する二次粉砕手段(101a/101b/102a/102b)を構成する。
本実施例では、一対のロータとライナーおよびジェットノズルの両方が、2個配設されている。
【0075】
次に、本発明の実施例3における粉砕装置の動作を説明する。
【0076】
なお、実施例1、実施例2と同様の動作については、詳細な説明を省略する。
まず、ジェットノズル102a、102bからトナーなどの粉砕物とともに高圧空気を噴射する(噴射工程)。
【0077】
そして、2個のジェットノズル102a、102bからの噴射気流を交差させて、交差部Kで粉砕物を粉砕する(カウンター粉砕工程)。
詳細な理由は判明していないが、交差部Kを二次粉砕部Cに重複または近接して設けることで、より効果的に粉砕物を小粒子径で且つ円形度の高い状態に粉砕できる。
【0078】
また、気流調整手段104を備えることで気流を調整し、より効果的にカウンター粉砕工程を発生させることができる。
【0079】
そして、粉砕物が狭い空間である磨砕部M3を高速通過する。
【0080】
その際、粉砕物とロータ101aもしくはロータ101bとの接触等が発生する場合には粉砕物が粉砕されることもある(磨砕粉砕工程)。
【0081】
次に、粉砕物を衝突部材103に衝突させて、細かく粉砕する(衝突部材粉砕工程)。
また、それとともに空気をも衝突部材103に衝突させて、乱流を発生させる。
【0082】
そして、分級手段107a、107bによって簡単な分級を行う(分級工程)。
【0083】
次に、磨砕部M2で乱流を用いて粉砕物を磨砕粉砕する(乱流磨砕粉砕工程)。
ロータ101a、101bの周縁ではその回転によって層流が発生するが、本実施例では粉砕物とともに送られた乱流がその層流を壊すので、極く小さな粒子径の粉砕物でも層流に弾かれることなく、ロータ101a、101bもしくはライナー105a、105bと効率的に接触し、十分に小粒子径化および球形化がなされる。
【0084】
そして、磨砕部M2で粉砕および球形化された粉砕物がロータ101a、101bの回転に沿って二次粉砕部Cに戻り、て再び各ステップで粉砕、球形化される。
【0085】
ここで、粉砕物同士の衝突による複雑な二次粉砕について説明する。
【0086】
本実施例では、実施例2と同様に、二次粉砕部Cで粉砕物と粉砕物とが衝突を起こし、細かく粉砕物を粉砕するとともに粉砕物の球形化を促す(複雑な二次粉砕工程)。
【0087】
衝突部材粉砕工程の前に二次粉砕工程を有することで、衝突部材粉砕工程を経る前の粒子径の大きな粒子と分級手段107a、107bによって分級された粒子径の大きな粒子とについて二次粉砕を行うことができる。
【0088】
なお、この複雑な二次粉砕は複数回発生してもよい。
【0089】
以上説明したように、本実施例によれば、ロータ101a、101bの回転によって生じる層流を、ロータ101a、101bの速度や大きさを変えることにより、不都合なときには壊し、必要なときには形成させることができるので、効果的に粉砕物の小粒子径化、球形化をなすことができる。
【0090】
また、ロータ101a、101b、ジェットノズル102a、102b、衝突部材103のそれぞれに、乱流発生手段(102a/102b/103)、衝突部材粉砕手段(102a/102b/103)、磨砕粉砕手段(101a/101b/105a/105b)、二次粉砕手段(101a/101b/102a/102b)などのうちの複数の役割を兼ねさせることで、装置を小型化し、コストを削減することができる。
また、カウンター粉砕工程と衝突部材粉砕工程とを組み合わせ、さらに乱流磨砕粉砕工程を有することで、粉砕物を小粒子径で且つ円形度の高い状態に粉砕できる。
【0091】
(実施例4)
図5および図6を用いて、実施例4について説明する。
【0092】
図5は、本発明の他の実施例における粉砕装置の平面断面図、図6は、図5におけるB−B線断面図である。図5ではロータの回転軸を省略して示してある。
まず、本発明の実施例4における粉砕装置の構成を説明する。
【0093】
101a〜101dは、回転する4個のロータである。本実施例ではロータ101a〜101dはすべて時計回りに回転するが、回転方向はそれぞれ変更できることが好ましい。さらに、ロータ101a〜101d相互の間隔は、任意に変更できることが好ましい。その他実施例1のロータ101と同様である。102a〜102dは、衝突部材103に噴射を行うジェットノズルである。103は、八角柱などの衝突部材、105a〜105dは、ロータ101a〜101dをそれぞれ覆うように設けたライナーである。その他実施例1のライナー105と同様である。図6の109a、109bはロータ101a、101bの回転軸である。
本実施例では、ロータ101a〜101dを四方に配置し、ジェットノズル102a〜102dをロータ101a〜101dそれぞれの間隙から中央を向くように配置する。
すなわち、ジェットノズル102aを12時の方向とすると、ジェットノズル102bは3時の方向、ジェットノズル102cは6時の方向、ジェットノズル102dは9時の方向となり、ロータ101bは1時半の方向、ロータ101cは4時半の方向、ロータ101dは7時半の方向、ロータ101aは10時半の方向に配置する。
回収スペースQは衝突部材103の上方に設置され、図示しない分級手段により一定の大きさ以下の粉砕物を吸い込むように構成されている。なお、さらに分級装置等を備えていることが好ましい。
なお、回収スペースQは必ずしも中央に設ける必要はなく、磨砕部M2付近や二次粉砕部付近に設けてもよい。
【0094】
ジェットノズル102a〜102dと衝突部材103とは、ジェットノズル102a〜102dの噴射する空気を衝突部材103に衝突させて乱流を発生させる乱流発生手段(102a〜102d/103)を構成する。
なお、乱流発生手段はこの構成に限られず、例えば複数のジェットノズルを組み合わせたり、ジェットノズルと格子などを用いたりしてもよい。
また、ジェットノズル102a〜102dと衝突部材103とは、粉砕物を衝突部材103に衝突させて衝突部材粉砕する衝突部材粉砕手段(102a〜102d/103)をも構成する。
ロータ101a〜101dは、ロータ101a〜101d相互の間の磨砕部M3で粉砕物を磨砕粉砕する磨砕粉砕手段(101a〜101d)を構成する。
ロータ101a〜101dとライナー105a〜105dとは、磨砕部M2で粉砕物を磨砕粉砕する磨砕粉砕手段(101a〜101d/105a〜105d)を構成する。
ロータ101a〜101dとジェットノズル102a〜102dとは、ロータ101a〜101dの層流にジェットノズル102a〜102dの噴射気流をあてることで、粉砕物同士を衝突させて二次粉砕する二次粉砕手段(101a〜101d/102a〜102d)を構成する。
本実施例では、一対のロータとライナーおよびジェットノズルの両方が、4個配設されている。
【0095】
次に、本発明の実施例4における粉砕装置の動作を説明する。
なお、実施例1、実施例2、実施例3と同様の動作については、詳細な説明を省略する。
まず、ジェットノズル102a〜102dからトナーなどの粉砕物とともに高圧空気を噴射する(噴射工程)。
【0096】
そして、粉砕物が狭い空間である磨砕部M3を高速通過する。
【0097】
その際、粉砕物とロータ101a〜101dとの接触等が発生する場合には粉砕物が粉砕されることもある(磨砕粉砕工程)。
一対のロータとライナーおよびジェットノズルの両方が、4個配設されていることで、処理速度を向上させることができる。
【0098】
次に、粉砕物を衝突部材103に衝突させて、細かく粉砕する(衝突部材粉砕工程)。
【0099】
また、それとともに空気をも衝突部材103に衝突させて、乱流を発生させる。
【0100】
そして、不図示の分級手段によって簡単な分級を行う(分級工程)。
所望の大きさを超える粉砕物はそのまま磨砕部M2へ押し込まれて、所望の大きさ以下の粉砕物は回収スペースQへ吸い込まれて回収される。
【0101】
なお、回収された粉砕物は分級装置等によりさらに細かく分級することがより好ましい。
【0102】
次に、粉砕物が狭い空間である磨砕部M3のいずれかを通過する。
このとき粉砕物は、ジェットノズル102a〜102dからの噴射気流の上方または下方を、乱流によって逆進する。
【0103】
粉砕物とロータ101a〜101dとの接触等が発生する場合には粉砕物が粉砕されることもある(磨砕粉砕工程)。
【0104】
次に、逆進してきた粉砕物が乱流とともに磨砕部M2へ押し込まれ、乱流を用いて磨砕粉砕される(乱流磨砕粉砕工程)。
【0105】
ロータ101a〜101dの周縁ではその回転によって層流が発生するが、本実施例では粉砕物とともに送られた乱流が当該層流を壊すので、極く小さな粒子径の粉砕物でも層流に弾かれることなく、ロータ101a〜101dまたはライナー105a〜105dと効率的に接触し、十分に小粒子径化および球形化がなされる。
【0106】
そして、磨砕部M2で粉砕および球形化された粉砕物がロータ101a〜101dの回転に沿って二次粉砕部Cに戻り、再び各ステップで粉砕、球形化される。
【0107】
ここで、二次粉砕について説明する。
【0108】
ジェットノズル102a〜102dから噴射された粉砕物と、磨砕部M2から戻ってきた粉砕物とが、二次粉砕部Cで衝突した場合には、粉砕物同士の衝突により粉砕物が二次粉砕される(二次粉砕工程)。
【0109】
なお、この二次粉砕は複数回発生してもよい。
【0110】
以上説明したように、本実施例によれば、ロータ101a〜101dの回転によって生じる層流を、ロータ101a〜101dの速度や大きさを変えることにより、不都合なときには壊し、必要なときには形成させることができるので、効果的に粉砕物の小粒子径化、球形化をなすことができる。
【0111】
また、ロータ101a〜101d、ジェットノズル102a〜102d、衝突部材103のそれぞれに、乱流発生手段(102a〜102d/103)、衝突部材粉砕手段(102a〜102d/103)、磨砕粉砕手段(101a〜101d/105a〜105d)、二次粉砕手段(101a〜101d/102a〜102d)などのうちの複数の役割を兼ねさせることで、装置を小型化し、コストを削減することができる。
【0112】
以上のように、本発明によれば、熱処理等をすることなく、粉砕物を小粒子径で且つ円形度の高い状態に粉砕できる粉砕装置を得ることができる。
さらに、本発明の粉砕装置を電子写真用トナーの粉砕に用いることで、本発明の粉砕装置を備えた電子写真用トナーの製造システムを得ることができる。
そして、これを用いて電子写真用トナーを得ることができる。
この電子写真用トナーは、高画質で流動性に優れ、感光体に黒点や、フィルミングを発生させず、二成分系現像剤においてはキャリアスペントを発生させず、一成分系現像剤においては現像スリーブや層厚規制ブレードに融着を発生させず、小粒子径で且つ円形度が高くて、画像特性や転写特性の優れた、製造コストの小さい、電子写真用トナーとなる。
なお、本発明の粉砕装置は、実施例に限定されるものではない。
また、本発明の粉砕装置は、電子写真用トナーの製造だけでなく、食品、化粧品、薬品、金属、樹脂など、業界を問わずさまざまな分野で用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の実施例1における粉砕装置の平面断面図
【図2】図1におけるA−A線断面図
【図3】本発明の実施例2における粉砕装置の平面断面図
【図4】本発明の実施例3における粉砕装置の平面断面図
【図5】本発明の実施例4における粉砕装置の平面断面図
【図6】図5におけるB−B線断面図
【符号の説明】
【0114】
101 ロータ
102 ジェットノズル
103 衝突部材
104 気流調整手段
105 ライナー
106 ケーシング
107 分級手段
108 壁
109 回転軸
110 粉砕物入口
C 二次粉砕部
K 交差部
M1、M2、M3 磨砕部
Q 回収スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のロータとライナーからなる磨砕粉砕手段と、ジェットノズルとが一体化して構成されてなることを特徴とする粉砕装置。
【請求項2】
一対のロータとライナーからなる磨砕粉砕手段と、ジェットノズルと衝突部材とからなる乱流発生手段とが一体化して構成されてなることを特徴とする粉砕装置。
【請求項3】
前記一対のロータとライナーおよびジェットノズルの少なくとも一方が、複数個配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の粉砕装置。
【請求項4】
前記複数個配設されているジェットノズルの先端空間域に気流調整手段を設けてなることを特徴とする請求項3に記載の粉砕装置。
【請求項5】
前記気流調整手段は円筒であることを特徴とする請求項4に記載の粉砕装置。
【請求項6】
前記衝突部材に近接して分級手段を設けることを特徴とする請求項2に記載の粉砕装置。
【請求項7】
前記分級手段は分離ツメであることを特徴とする請求項6に記載の粉砕装置。
【請求項8】
電子写真用トナーの粉砕に用いることを特徴とする請求項1乃至7に記載の粉砕装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−320802(P2006−320802A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−144816(P2005−144816)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000153591)株式会社巴川製紙所 (457)
【Fターム(参考)】