説明

粉粒体計量装置

【課題】粉粒体が詰まる故障が起きにくく、より正確に且つ同時に複数計量することができる粉粒体計量装置を提供する。
【解決手段】本粉粒体計量装置1は、粉粒体を収容する計量容器と、計量容器の下部開口部に設けられる容器蓋と、計量容器の上部開口部に接続されている底面開口部が設けられている1のスキミング皿とを備える計量容器部2と、各計量容器及びスキミング皿に粉粒体を充填する充填部3と、本スキミングを行う本スキミング板を備える本スキミング部4aと、スキミング皿内の粉粒体を計量容器毎に仕切る仕切枠体と、上方から各計量容器の容器蓋を突き下げて計量容器の底面を開口させ、各計量容器内の粉粒体を対応する払出口に落下させる払出ピンと、を備える払出部6と、スキミングにより落下した粉粒体を回収する回収部と、を備え、正確に且つ同時に複数計量することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体を同時に複数計量することができる粉粒体計量装置に関する。更に詳しくは、本発明は、粉粒体が詰まる故障が起きにくく、より正確に且つ同時に複数計量することができる粉粒体計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤、菓子、調味料及び茶葉等の少量の粉粒体を同時に複数計量し、その後包装することが検討されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
特許文献1及び2の計量装置は複数の計量を行う容器を備え、容器に粉粒体を充填した後、容器の上方の開口部を水平に移動するシャッタによって仕切ることで一定の体積を計量することができる。その後、容器の下部を開口することによって計量した粉粒体を排出する。このようにこれらの計量装置は、一定体積の粉粒体を計量することができる。
【0003】
また、計量する体積を変える場合は、容器側面の壁面を移動可能にしたり(特許文献1を参照)、容器側面に調整用部材を貼付したりすることによって(特許文献2を参照)変えることができる。
【0004】
【特許文献1】特開平09−196732号公報
【特許文献2】実公昭57−37078号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、シャッタを用いて一定の体積を計量する場合は、シャッタと容器との隙間等に粉粒体が詰まって、シャッタが動作しなくなる恐れがある。また、容器と、容器に粉粒体を供給する経路と、に粉粒体が満たされた状態でシャッタにより仕切るため、経路中の粉粒体の重さによって容器中の粉粒体が圧迫される。このため、容器中の粉粒体の嵩密度が通常より大きな状態、且つ経路中の粉粒体の量で増減した状態で、粉粒体が計量されてしまう問題がある。更に、粉粒体が圧迫されている状態で容器内をシャッタが移動するため、シャッタによって粉粒体がすり潰されやすくなる問題がある。
本発明は、上記の従来の問題を解決するものであり、粉粒体が詰まる故障が起きにくく、より正確に且つ同時に複数計量することができる粉粒体計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本粉粒体計量装置は、以下の通りである。
1.(1)上側に形成されている上部開口部、及び下側に形成されている下部開口部を具備し、粉粒体を収容する複数且つ同体積の計量容器と、各該計量容器の該下部開口部に設けられ且つ該下部開口部を押圧して塞ぐ容器蓋と、該上部開口部の開口形状と同じ且つ同数であり、且つ各該上部開口部に接続されている底面開口部が設けられている底面を具備する1のスキミング皿と、を備える計量容器部と、(2)各上記計量容器及び上記スキミング皿に上記粉粒体を充填する充填部と、(3)上記スキミング皿内を平面方向に移動して、上記充填部により充填された該スキミング皿内の上記粉粒体の本スキミングを行う本スキミング板を備える本スキミング部と、(4)各上記計量容器の上記下部開口部の下方にそれぞれ位置して、該下部開口部から落下する上記粉粒体を受け取る該計量容器と同数の払出口と、上記スキミング皿の上記底面に接触するまで下降して載置することにより該スキミング皿内の粉粒体を該計量容器毎に仕切る仕切枠体と、上方から各上記計量容器の上記容器蓋を突き下げて該下部開口部を開口させることによって、上記本スキミング部により本スキミングがされた各該計量容器内の上記粉粒体を対応する該払出口に落下させる払出ピンと、を備える払出部と、(5)少なくとも上記本スキミング部の下方に設けられ、上記本スキミングにより上記スキミング皿から落下した上記粉粒体を回収する回収部と、を備えることを特徴とする粉粒体計量装置。
2.上記計量容器部を載置する回動腕を備え、該回動腕を水平方向に回動させることにより、上記充填部、上記本スキミング部及び上記払出部の各工程を行うことが可能な所定位置に上記計量容器部を移動させることができる回動部を更に備え、上記充填部、上記本スキミング部及び上記払出部は、該回動腕の回転軸を中心とした円周上に配設されている上記1.記載の粉粒体計量装置。
3.上記充填部によって上記粉粒体が充填されている上記スキミング皿上を平面方向に移動して所定体積スキミングを行うことにより、該スキミング皿の縁部より高い位置の上記粉粒体を除去して所定体積にする所定体積スキミング板を備える所定体積スキミング部と、上記所定体積スキミング部により上記所定体積スキミングがされた後の上記粉粒体が充填されている上記計量容器部の質量を計測し、その後上記所定体積及び計測した質量から上記粉粒体の嵩密度を求め、次いで上記本スキミング部により計量する上記粉粒体の体積を、該計量する質量及び該嵩密度から計算し、その後該計量する体積から上記本スキミングを行うときの上記本スキミング板の高さを算出して上記本スキミング部の該本スキミング板の高さを設定する質量計測部と、を更に備える請求項1又は2記載の粉粒体計量装置。
4.上記計量容器の上記上部開口部と、上記スキミング皿の上記底面開口部との間に嵩増枠体を設ける上記1.乃至上記3.のいずれかに記載の粉粒体計量装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明の粉粒体計量装置によれば、複数の計量容器内及びこれらの上部に設けられているスキミング皿内に充填された粉粒体が計量する体積になるように、本スキミング板をスキミング皿内で水平に移動させて本スキミングを行うため、払出部で各計量容器から排出する粉粒体の体積を一定に保つことができ、正確に且つ同時に複数の計量を行うことができる。また、本スキミング板のスキミング時の高さを変えることによって粉粒体の計量する体積を変えることができるため、一つの計量容器部を用いて様々な量の計量を行うことができ、計量に関する設備及び工程を簡略化することができる。
更に、本スキミング中に粉粒体と接触する部位は本スキミング板のみであり、且つ本スキミングにより過剰の粉粒体は、スキミング皿から回収部に落下するため、本スキミング板の移動に伴う支障が生じることがなく、粉粒体が詰まることに起因する故障が起きにくい。
また、本スキミングは、スキミング皿に粉粒体が盛りつけられた状態で行うため、粉粒体が連続供給されている状態と比べて計量容器部内の粉粒体が計量容器外の粉粒体の重みで圧迫されることがなく、略一定の嵩密度で正確に粉粒体をまとめて計量することができる。更に、粉粒体が圧迫されていないので本スキミング板の移動によって粉粒体がすり潰されにくく、計量に伴う粉粒体の劣化を防止することができる。
また、万が一スキミング皿上の粉粒体が原因による本スキミング中に動かなくなる故障が生じても本スキミング板を上方に移動させることにより、スキミング皿上の粉粒体を除去することが容易に行うことができ、対処が容易である。
【0008】
また、回動部を更に備える場合は、充填部、本スキミング部及び払出部間の計量容器部の移動が回動部の回動によって行うことができるため、各部の構造を簡単にして取り扱いやすくすることができる。
更に、所定体積スキミング部及び質量計測部を更に備える場合は、本粉粒体計量装置によって粉粒体の嵩密度を求め、その結果を用いることで粉粒体を計量する質量に対応する体積で計量することができる。このため、粉粒体計量装置を用いて様々な種類の粉粒体を計量する場合であっても、計量途中で嵩密度を求めて正しい量の計量を行うことができるため、少量多品種の製品を計量する場合であっても中断することなく計量することができる。また、所定体積スキミング部によって粉粒体の質量を計測する前に、粉粒体を計量容器部のスキミング皿の縁部に沿った高さに揃えて常に一定の所定体積にした後、質量を予め求めることができる計量容器部ごと粉粒体の質量を計測するため、嵩密度を容易に求めることができ、計量をより正確に行うことができる。
更に、嵩増枠体を更に具備する場合は、計量可能な粉粒体の量を計量容器及びスキミング皿の容積以上にすることができ、より広範囲の量の粉粒体を計量することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図1〜16を参照しながら本発明の粉粒体計量装置を詳しく説明する。
本発明の粉粒体計量装置は、計量容器部、充填部、本スキミング部、払出部及び回収部を備えることを特徴とする。また、回動部、所定体積スキミング部及び/又は質量計測部を更に備えることができる。
本粉粒体計量装置により計量可能な粉粒体は、本スキミング及び所定体積スキミングにより任意体積にできるものであればよく、例えば紛状及び粒体状の固体の他、ゲル状のように粘性の高い流体等の任意の粉粒体等を挙げることができる。このような粉粒体の例として、紛状及び粒体状の薬剤、菓子及び調味料等を挙げることができる。
【0010】
(1)計量容器部
上記「計量容器部」は、少なくとも複数の計量容器と、容器蓋と、スキミング皿と、を具備する。
上記「計量容器」は、例えば図5及び7の計量容器21に例示するように、容器の上側に形成されている上部開口部212、及び下側に形成されている下部開口部213を具備し、計量対象となる粉粒体を計量中に漏らすことなく一定の形態のまま保持することができるものであればよく、任意の形状及び材質とすることができる。このような形状として、任意の角筒体(例えば横断面形状が図7に示す四角形体の他、三角形体、六角形体等を挙げることができる。)、円筒体等を挙げることができる。また、計量容器の下部は図7に例示するように漏斗のような先細りのテーパを備えてもよい。
計量容器の数は、用途に応じた2以上の数を適宜選択することができる。また、計量容器の配列形状も用途に応じて適宜選択することができ、図4及び5の計量容器部2の計量容器21に例示するように縦横に並べてもよいし、一列に並べてもよい。
【0011】
上記「容器蓋」は、例えば図5及び7に例示するように、計量容器21の下部開口部213を押圧、つまり押しつけて塞ぐことにより、計量対象となる粉粒体が計量容器21から漏れることがないようにすることができるものであればよい。この例として、図7に例示する、一辺を軸221で回動可能に固定され、対向する他辺側が軸221に設けられているバネ等の弾性部材によって下部開口部213側に付勢されている平板を備える容器蓋22を挙げることができる。このような容器蓋22は、図8に例示するように、計量容器21の上部開口部212及び下部開口部213を貫通するように下方側に移動する払出部の払出ピン63によって突き下げさせられることによって開口することができ、該開口によって計量容器21内の粉粒体を下部開口部213から排出することができる。
【0012】
上記「スキミング皿」は、例えば図4及び5に例示するように、底面231の底面開口部232がそれぞれ計量容器21の上部開口部212と直接又は間接に接続されている皿状容器であり、計量対象となる粉粒体を計量中に漏らすことなく一定の形態のまま保持することができ、上方で水平方向に移動する本スキミング板及び所定体積スキミング板の動きの支障がなく、且つ本スキミング及び所定体積スキミング時に、本スキミング板及び所定体積スキミング板によって除けられた過剰の粉粒体を縁部233からこぼして除去することができるものであればよく、任意の形状及び材質とすることができる。
この例として、図4及び5に示す、各計量容器21の上部開口部212と同じ形状の底面開口部232を計量容器21の数だけ設けた長方形状(正方形状を含む)の底面231と、底面231の周囲に設けられる斜面からなる縁部233と、を具備する皿状体を挙げることができる。
また、他の例として、前記と同様の底面開口部を設けた長方形状の底面と、該底面に沿って垂直に立設されている壁面からなる縁部と、を備える箱状体を挙げることができる。
【0013】
本粉粒体計量装置の計量容器部が計量可能な最小体積は、計量容器の容積分の体積V1(図6に示す計量容器21の体積V1を参照。)である。また、計量容器部が計量可能な最大体積は、計量容器の容積V1と、計量容器の上部開口部の上方に堆積するスキミング皿上の粉粒体の体積V2との和V1+V2(図6に示す計量容器21の体積V1、及びスキミング皿23内の体積V2を参照)である。更に、最小体積から最大体積までの範囲で任意の体積の計量を行うには、本スキミング板による本スキミングを行う高さHをスキミング皿の底部から縁部の上端の高さまでの範囲で任意に変更することによって行う。
【0014】
尚、スキミング皿上の粉粒体の体積V2は、後述する払出部の仕切枠体により仕切られた底面の面積Sに縁部の高さを掛けた値である。
また、上記最小体積は、図15(a)に例示するように、計量容器21内に仕切板28等を設けて、下部開口部213から落下しないように一部の粉粒体を区分けすることによって更に減らす(図15(a)に例示する体積V1’及びV2’)ことができる。この仕切板は、計量容器内の粉粒体が仕切板によって仕切られた容積を超えることなく払い出すことができればよく、任意の手段を選択することができる。例えば、図15(b)に例示するように、計量容器21のテーパ部分まで到達し、且つ図における左右方向に任意の手段により移動可能な仕切板28、28’を設けた計量容器21’を挙げることができる。
また、図15(c)に例示するように、計量容器21の底まで到達し、且つ図における左右方向に任意に手段により移動可能な仕切板28、28’と、容器の側面に形成される開口部282を開閉する排出蓋281、281’とを設けた計量容器21’’を挙げることができる。このような計量容器21’’は、(1)粉粒体を充填し、(2)排出蓋281を排出蓋281’の位置まで回動することで開口部282を開口させて、開口部282から仕切板28で仕切られた不要分の粉粒体を排出させ、その後、(3)容器蓋22を回動させて残りの粉粒体を下部開口部213から払い出すことができる。
【0015】
更に、上記最大体積は、図16に例示するように、計量容器21の上部開口部212と、スキミング皿23の底面開口部232との間に、各開口部212、232と同形状の孔を備える嵩増枠体29を設けることによって増加させる(図16に例示する体積V1’’)ことができる。この嵩増枠体29は、その高さを変えた他の嵩増枠体29と入れ替えて計量可能な体積を変えても良いし、任意の数の嵩増枠体29を積み重ねることによって計量可能な体積を増やしてもよい。
【0016】
(2)充填部
上記「充填部」は、計量容器部の各計量容器及びスキミング皿に粉粒体を供給して、それぞれを充填することができればよく、任意の構成とすることができる。
この例として、図9に例示するように、任意の粉粒体供給源から供給される粉粒体9を計量容器部2上に落下させる振動フィーダ及びポンプ等の供給手段31を備える充填部を挙げることができる。また、計量容器部に向けて配設され、且つ任意の弁によって粉粒体の供給を制御できる供給口を備える充填部を挙げることができる。
本充填部によって計量容器部に充填される粉粒体の量は、本スキミング後の払い出すときに不足なく粉粒体が払い出すことができる量であり、例えば全ての計量容器及びスキミング皿が粉粒体で満たされる量とすることができる。
【0017】
(3)本スキミング部
上記「本スキミング部」は、本スキミング板によりスキミング皿内の粉粒体をスキミングすることによりスキミング皿の底面開口部上の粉粒体の体積を全て一定にする本スキミングを行う。
上記「本スキミング板」は、スキミング皿内で水平に移動することによって、本スキミング皿内の粉粒体が計量する体積となる高さで全ての計量容器上の粉粒体を均等にならす、つまり本スキミングすることができる板とすることができればよく、任意の材質及び形状とすることができる。また、本スキミング板の形状の例として、図13に例示する、垂直に立設されている板状体である本スキミング板41aを挙げることができる。また、下端形状を水平な直線として本スキミング後の粉粒体の上面が平坦な面状になるようにしてもよいし、ジグザグ形状及び波面形状として本スキミング後の粉粒体の上面に相似する形状の溝が形成されるようにしてもよい。更に、本スキミング板の幅は、図5(b)に例示するように、全ての計量容器21上を通過し、且つスキミング皿23の底面231に接触できる幅が好ましく、通常底面231の幅より狭い幅Waとすることができる。
本スキミングによりスキミング皿から除去される粉粒体は、例えば、図13に例示するように計量容器部2の下方に設けられる回収部7に落下させて回収口71から排出させ、その後、任意の手段を用いて粉粒体の供給源等に戻すことにより再利用することができる。
【0018】
本粉粒体計量装置によって計量する、1つあたりの体積がVである場合の本スキミング高さ、即ちスキミング皿の底面から本スキミング板の下端までの高さは、「本スキミング高さ=(V−計量容器の体積(図6におけるV1))/底面開口部の面積(図6におけるS)」で求めることができる。
また、本粉粒体計量装置によって計量する単位が質量である場合、その質量を粉粒体の嵩密度で割って体積Vを求め、次いで上記式により本スキミング高さを求めることができる。尚、嵩密度は、予め任意の手段で求めた値を用いてもよいし、後述する質量計測部で求めてもよい。
【0019】
(4)払出部
上記「払出部」は、計量容器部の各計量容器中の粉粒体、及びその直上のスキミング皿内の粉粒体を、それぞれ対応する払出排出口から粉粒体計量装置外に排出し、袋詰めや瓶詰め等の包装装置等の後工程へ供給する。
また、払出部は、図14に例示するように、各計量容器21の下部開口部213の下方にそれぞれ位置して、下部開口部213から落下する粉粒体9を受け取る、計量容器21と同数の払出口61と、スキミング皿23の底面231に接触するまで下降して載置することによりスキミング皿23内の粉粒体を計量容器21毎に仕切る仕切枠体62と、上方から各計量容器21の容器蓋22を突き下げて計量容器21の底面を開口させ、各計量容器21内の粉粒体9を対応する払出口61に落下させる払出ピン63と、を備える。
【0020】
上記「払出口」は、対応する計量容器の下部開口部から落下する粉粒体を全て受け取って、粉粒体計量装置外に払い出すことができればよく、任意の構成を選択することができる。
上記「仕切枠体」は、スキミング皿の底面開口部より上方に堆積する粉粒体が、全て対応する下方の計量容器の上部開口部を経由して払出口に排出され、且つ異なる計量容器の上部開口部に入ることを防ぐために、仕切りを行うための枠体である。この枠体の形状は、上部開口部の縁部に枠が位置する形状である。また、枠体の高さはスキミング皿の高さを超えるのが好ましい。
上記「払出ピン」は、計量容器部の容器蓋を下方に突き動かすことによって下部開口部を開口させるピンである。
仕切枠体の制御方法は、任意に選択することができるが、例えば、計量容器部が下方部に位置するときに、始めに仕切枠体を垂直に降下させて下辺をスキミング皿の底面に接触させ、次いで、払出ピンを降下させて容器蓋を下方に突き動かすことによって下部開口部を開口させることを挙げることができる。
【0021】
(5)回収部
上記「回収部」は、少なくとも本スキミング部の本スキミングや所定体積スキミング部の所定体積スキミングで除去された過剰の粉粒体を回収し、再利用等の任意の処理を行うところへ排出することができればよく、任意の構成とすることができる。また、充填部、払出部、回動部、所定体積スキミング部及び質量計測部のそれぞれ下方に設けてもよい。このとき全体で1つの回収部としてもよいし、各部にそれぞれ回収部を設けてもよい。
【0022】
(6)回動部
上記「回動部」は、計量容器部を載置する回動腕を備え、該回動腕を水平方向に回動させることにより、充填部、所定体積スキミング部、質量計測部、本スキミング部及び払出部の各工程を行うことが可能な所定位置に計量容器部を移動させることができればよく、手段を問わない。
また、上記充填部等は、回動腕の回転軸を中心とした円周上に配設されていればよく、その順番を問わない。このうち、充填部等を用いる順番に順次配列することが好ましい。
例えば、充填部、本スキミング部及び払出部を備える粉粒体計量装置である場合は、上記円周上に充填部、本スキミング部及び払出部の順に配設することができる。また、充填部、所定体積スキミング部、質量計測部、本スキミング部及び払出部を備える粉粒体計量装置である場合は、円周上に充填部、所定体積スキミング部、質量計測部、本スキミング部及び払出部の順に配設することができる。更に、円周部の一箇所に充填部、所定体積スキミング部、質量計測部、本スキミング部及び払出部の2つ以上が重ねて設けられていてもよい。例えば、図1に示すように、質量計測部5及び本スキミング部4aが重ねて設けることができる。このように重ねて設ける場合は、円周方向における間隔を広くして外縁周方向における充填部等の配設を余裕あるものにすることができる。
【0023】
(7)所定体積スキミング部
上記「所定体積スキミング部」は、所定体積スキミング板によりスキミング皿の縁部より高い位置にある上記粉粒体を、スキミングにより除去して上記計量容器部の上記粉粒体の体積を一定となる所定体積にする所定体積スキミングを行う。この「所定体積」は、通常計量容器部全体の体積となる。
上記「所定体積スキミング板」は、スキミング皿の縁部の上端を水平に移動することによって計量容器部の粉粒体を所定体積にする、つまり所定体積スキミングすることができる板とすることができればよく、本スキミング板と同様に任意の形状とすることができる。また、所定体積スキミング板の幅は、図5(b)に例示するように、スキミング皿23の全体を通過することができる幅が好ましく、スキミング皿の幅以上の幅Wbとすることができる。
所定体積スキミングによりスキミング皿から除去される粉粒体は、本スキミングと同様に例えば、図11に例示する計量容器部2の下方に設けられる回収部7に落下させて回収口71から排出させ、その後、任意の手段を用いて粉粒体の供給源等に戻すことにより再利用することができる。
【0024】
(8)質量計測部
質量計測部は、所定体積スキミング部により所定体積の粉粒体が充填されている計量容器部の質量を計測して該粉粒体の嵩密度を求め、得られた嵩密度と、粉粒体計量装置によって計量する質量等を用いて、(3)本スキミング部で説明した式により本スキミング高さを求める。
計量容器部の質量の計測手段は特に問わず、任意に選択することができる。また、嵩密度の算出は、予め計量容器部の質量と上記所定体積を求めておき、「嵩密度=(計測質量−計量容器部の質量)/所定体積」の式で求めることができる。
【0025】
尚、充填部、所定体積スキミング部、質量計測部、本スキミング部、払出部及び回収部は、その動作が互いに影響を及ぼさないように個別の位置に設けてもよいし、同じ位置に設けてもよい。
また、充填部、スキミング部、払出部、回収部及び質量計測部は、複数設けてもよい。更に、計量容器部を複数設けて、それぞれを充填部、所定体積スキミング部、質量計測部、本スキミング部、払出部及び回収部に移動させて、計量を行うことができる。このような場合は、充填部等を使用していない期間が短縮し、本粉粒体計量装置による粉粒体の時間当たりの計量処理数を増大させることができる。
【0026】
本粉粒体計量装置を用いた粉粒体の計量方法は、上記充填部を用いて粉粒体を計量容器部に充填する充填工程と、上記本スキミング部を用いて所定の本スキミング高さでスキミング皿の本スキミングを行う本スキミング工程と、払出部を用いて計量容器部内の粉粒体を払い出す払出工程と、を少なくとも備え、この順で行うことができる。
このような粉粒体の計量方法は、本粉粒体計量装置を用いて、正確に且つ同時に複数の計量を行うことができる。
また、充填工程と本スキミング工程との間に、上記所定体積スキミング部を用いて計量容器部の粉粒体を所定体積にする所定体積スキミング工程と、計量容器部内の粉粒体の質量を計測して本スキミング高さを求める質量計測工程と、をこの順で加えることができる。これらの工程を加えることにより、粉粒体の嵩密度を求めて、得られた嵩密度から計量する粉粒体の質量となるスキミング高さを求めることができる。
【実施例】
【0027】
以下、図面に基づき本実施例の粉粒体計量装置を具体的に説明する。
本粉粒体計量装置1は、図1及び図2に示すように、円筒形状の胴体11内に、計量容器部2、充填部3、所定体積スキミング部4b、質量計測部5、本スキミング部4a、払出部6、回収部7及び回動部8を備える。
また、充填部3、所定体積スキミング部4b、質量計測部5及び払出部6は、図3に示すように回動部8の回転軸82を中心軸とした円周上に順次配置されており、回動部8の回動腕81に載置されている計量容器部2が回転軸82を軸として該円周上を周回することによって、充填部3、所定体積スキミング部4b、質量計測部5及び払出部6に移動することができる。尚、質量計測部5及び本スキミング部4aは上記円周上における同じ位置に配される。
尚、計量容器部2が移動する順番は、各部3、4b、5、6を順に移動するに限られず、任意の目的に応じて逆順に移動してもよい。
【0028】
計量容器部2は、図3に示すように、回動部8の回動腕81に載置されることによって充填部3、所定体積スキミング部4b、本スキミング部4a・質量計測部5及び払出部6に移動することができる。また、図4及び図5に示すように、縦5列、横5列に配列されている25個の計量容器21と、各計量容器21の下部開口部213に各々接続されている容器蓋22と、各計量容器21の上部開口部212と底面231が接続されている1つのスキミング皿23と、を備える。
計量容器21は図7に示すように、横断面形状が正方形であって、下方にすぼまるテーパを有する筒状容器である。また、上端の上部開口部212は、スキミング皿23の底面231の底面開口部232と接続されている。更に、計量容器21は、下端の下部開口部213が、通常略四角形板状の容器蓋22によって塞がれているため、粉粒体を充填することができる。
また、容器蓋22は、その一辺にバネによって付勢されている軸221を介して計量容器21に設けられており、図8に例示するように、軸221を軸として回動することができる。
更に、スキミング皿23は、底面開口部232が形成されており、各計量容器21の上部開口部212と接続されている。また、底面の周縁には傾斜面からなる縁部233が形成されている。
【0029】
充填部3は、図9に示すように、充填部3に移動した計量容器21及びスキミング皿23上に粉粒体を供給する振動フィーダ31、計量容器21及びスキミング皿23を覆って粉粒体を誘導する充填口32と、振動フィーダ31と粉粒体供給タンク(図示せず)とを接続する供給管33と、を備える。
所定体積スキミング部4bは、図10に示すように、長方形状の所定体積スキミング板41bと、所定体積スキミング板41bを上下方向及び水平方向に移動させる可動部42bと、を備える。また、所定体積スキミング板41bの幅Wbは、図5(b)に示すようにスキミング皿23の幅よりも広い。更に、図11に示すように、スキミングによって所定体積スキミング部4bに位置する計量容器部2から落下した粉粒体9は、回収口71から回収され、任意の手段を用いて粉粒体供給タンクに戻される。
本スキミング部4aは、図13に示すように、長方形状の本スキミング板41aと、本スキミング板41aを上下方向及び水平方向に移動させる可動部42aと、を備える。また、本スキミング板41aの幅Waは、図5(b)に示すようにスキミング皿23の底面よりも狭く、計量容器21の全てを通過する幅Waである。更に、スキミングによって本スキミング部4aに位置する計量容器部2から落下した粉粒体9は、回収口71から回収され、任意の手段を用いて粉粒体供給タンクに戻される。
質量計測部5は、図12に示すように、質量計測部5に移動した計量容器部2を回動腕81からモータ等の動力によって持ち上げる計測腕部51と、計測腕部51の下部に設けられる、計量容器部2の重さを計測する質量計測素子(図示せず)とを備える。
【0030】
払出部6は、図14に示すように、払出部6に移動した計量容器部2の各計量容器21の上方に位置し且つシリンダ64によって上下に移動し、且つ計量容器21と同数の払出ピン63と、シリンダ65によって上下に移動し、且つスキミング皿23内を各底面開口部232の形状に仕切る仕切枠体62と、各計量容器21の下方に位置する払出口61を備える。
計量容器部2内の粉粒体の払い出しを行う場合は、始めにシリンダ65を用いて仕切枠体62を下降させてスキミング皿23の底面231に到達させる。次いで、シリンダ64を用いて払出ピン63を下降させることによって、計量容器21を上下に挿通する各払出ピン63の下端が対応する容器蓋22を突き下げて図14に示すように、計量容器21の下部開口部213を開口させ、その後、計量容器21及びスキミング皿23内の粉粒体9を各払出口61に落下させる。
【0031】
回収部7は、充填部3、所定体積スキミング部4b、質量計測部5、本スキミング部4a及び払出部6の下方に設けられ、上方の計量容器部2から落下する粉粒体を受け止めて中心側に滑り落とす漏斗形状本体と、漏斗形状本体の中心に設けられている回収口71とを備える。また、回収口71に集められた粉粒体が、任意の手段によって粉粒体供給タンク(図示せず)に戻される。
更に、回収部7は、粉面計を備えることができ、粉面計に到達するまで粉粒体が回収部7に蓄積されてから、回収口71から粉粒体を回収することができる。
【0032】
回動部8は、計量容器部2を回動可能に支持し、充填部3、所定体積スキミング部4b、質量計測部5及び払出部6の所定位置に移動可能にするものである。この回動部8は、一方の端部で計量容器部2を支持し且つ他方の端部を軸として回動する回動腕81と、モータ及びモータの回転軸に接続されて適切な速度に減速させる変速機を具備し、回動腕81の他方の腕部が設けられている回転軸82と、を備える。
尚、回動腕81の一方の端部には、ガイドが設けられており、計量容器部2がガイドに沿って載置されている。このため、図12(b)に示すように計量容器部2を持ち上げることによって、計量容器部2を回動腕81から分離することができる。
【0033】
このような計量装置を用いて、任意の質量の粉粒体を計量する方法を以下に説明する。
(1)充填工程
始めに、回動部8を動作させて、計量容器部2を充填部3の所定位置、即ち粉粒体の充填が可能な位置に移動させる。次いで、図9に示すように、振動フィーダ31を動作させて充填口32から粉粒体9をスキミング皿23上に落下させる。また、粉粒体9が全ての計量容器21とスキミング皿23とを満たすまで振動フィーダ31を動作させて充填を行う。充填が終了したときは、図9に例示するように、計量容器部2の体積よりも多くの粉粒体が計量容器部2に充填され、スキミング皿23の縁部よりも高い位置に粉粒体9が堆積している。
【0034】
(2)所定体積スキミング工程
その後、回動部8を動作させて、図10に示すように、計量容器部2を所定体積スキミング部4bの所定位置に移動させる。次いで、図11に示すように、可動部42bを下降させて所定体積スキミング板41bの下端をスキミング皿23の縁部233の高さに一致させる。その後、可動部42bにより所定体積スキミング板41bを水平、且つスキミング皿の一辺側から対向する他辺に移動させてスキミングを行い、次いで可動部42bにより所定体積スキミング板41bを上昇させる。
この所定体積スキミングを行うことによって、計量容器部2に充填されている粉粒体9は嵩密度を求めるために必要な所定体積にすることができる。
また、所定体積スキミングの際に生じる過剰の粉粒体は、スキミング皿23の縁からこぼれ落ち、回収部7で回収されて回収口71から任意の手段を用いて図示しない粉粒体供給タンクに戻される。
尚、嵩密度が既に分かっている場合は、本(2)所定体積スキミング工程及び(3)質量計測工程を行わず、(4)本スキミング工程以降を実施することができる。また、本(2)所定体積スキミング工程の次の(3)質量計測工程を行わず、(4)本スキミング工程以降を実施することができる。
【0035】
(3)質量計測工程
次いで、回動部8を動作させて、図12(a)に示すように、計量容器部2を質量計測部5の所定位置、即ち計測腕部51により計量容器部2を持ち上げることができる位置に移動させる。その後、図12(b)に示すように、計測腕部51を上方に移動させることによって計量容器部2を持ち上げ、且つ計量容器部2を回動腕81から分離させ、質量計測素子によって粉粒体9が充填されている計量容器部2の質量を求める。次いで、計測腕部51を下降させて計量容器部2を回動腕81に再び載置させる。
その後、予め求めた計量容器部自身の質量及び所定体積と、質量計測素子によって得た充填されている計量容器部2の質量から粉粒体9の嵩密度を求める。更に、粉粒体9の嵩密度を用いて(3)本スキミング部で説明した式により本スキミング高さを求める。
本質量計測部5を用いた質量計測工程を備えることによって、様々な種類の粉粒体を計量する場合であっても、計量途中で嵩密度を求めて正しい量の計量を行うことができる。このため、計量する量が異なる計量を行う場合であっても、本粉粒体計量装置をそのまま用い、本スキミング時のスキミング高さを変えて計量することができる。
【0036】
(4)本スキミング工程
次いで、図13に示すように可動部42aを下降させて本スキミング板41aの下端を計量に必要なスキミング高さに移動させる。その後、可動部42aによりスキミング板41aを水平、且つスキミング皿の一辺側から対向する他辺に移動させて本スキミングを行い、次いで可動部42aにより本スキミング板41aを上昇させる。
この本スキミングを行うことによって、計量容器部2に充填されている粉粒体9は計量するべき質量となる。また、粉粒体が連続供給されている状態と比べて計量容器21及びスキミング皿23内の粉粒体9が自身の重みで大きく圧迫されることがなく、略一定の嵩密度で正確に粉粒体9をまとめて計量することができる。また、粉粒体9が圧迫されていないので本スキミング板41aの移動によって粉粒体9がすり潰されにくい。
また、本スキミングの際に生じる過剰の粉粒体は、スキミング皿23の縁からこぼれ落ち、回収部7で回収されて回収口71から任意の手段を用いて粉粒体供給タンクに戻される。
【0037】
(5)払出工程
次いで、回動部8を動作させて、計量容器部2を払出部6の所定位置に移動させる。即ち、各払出口61が、対応する各計量容器21の下方に位置し、仕切枠体62の枠がスキミング皿23の底面開口部232の周縁に位置し、払出ピン63が容器蓋22を突き下げることができる位置である。
その後、シリンダ65により仕切枠体62を下降させてその下端をスキミング皿23の底面231に接触させた後、図14に示すように、シリンダ64により払出ピン63を下降させる。下降する払出ピン63は、計量容器部2内の粉粒体9を突き抜けて容器蓋22に到達する。更に、払出ピン63は、図8に示すように、容器蓋22の上面と接触して容器蓋22を突き下げる。突き下げられた容器蓋22は、軸221を軸に回動するため、計量容器21の下部開口部213を開口し、充填されている粉粒体9が下部開口部213から落下し、対応する払出口61から本粉粒体計量装置外に排出される。
尚、スキミング皿23には、払い出されずに残る粉粒体の残部91が生じるが、これは次の計量時に使い回される。
【0038】
(6)2回目以降の同じ粉粒体の同量の計量
2回目以降の同量の計量における計量においては、本スキミングを行う本スキミング高さが1回目と同じであるため、(2)所定体積スキミング工程及び(3)質量計測工程を省略し、2回目以降の(4)本スキミング工程の本スキミング高さを1回目と同じ高さにして行うことで、工程数を省略し、より短時間で計量を行うことができる。また、(3)質量計測工程のみを省略し、(1)充填工程、(2)所定体積スキミング工程、(4)本スキミング工程、(5)払出工程を行うことができる。
更に、(2)所定体積スキミング工程及び(3)質量計測工程を再度行うこともできる。
【0039】
(7)2回目以降の同じ粉粒体の異なる量の計量
また、同じ粉粒体の異なる量を計量する場合、計量する粉粒体の嵩密度が1回目と同じであることが期待できるため、(2)所定体積スキミング工程及び(3)質量計測工程を省略し、本スキミング高さを再度算出することで2回目以降の本スキミング時の本スキミング高さを求めることができる。また、(3)質量計測工程のみを省略しても、同様に2回目以降の本スキミング時の本スキミング高さを求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施例の粉粒体計量装置の充填部、本スキミング部及び質量計測部の構造を説明するための模式側面断面図である。
【図2】本実施例の粉粒体計量装置の所定体積スキミング部と払出部の構造を説明するための模式側面断面図である。
【図3】本実施例の粉粒体計量装置の構造を説明するための模式平面断面図である。
【図4】計量容器部の構造を説明するための模式斜視図である。
【図5】計量容器部の構造を説明するための模式断面図である。
【図6】計量可能な体積を説明するための模式断面図である。
【図7】容器蓋によって下部開口部が閉じられている計量容器を説明するための模式斜視図である。
【図8】下部開口部が開いている計量容器を説明するための模式斜視図である。
【図9】充填部により粉粒体が充填されている様子を説明するための模式断面図である。
【図10】所定体積スキミング部により算出の準備がされている様子を説明するための模式断面図である。
【図11】所定体積スキミング部により算出の準備がされている様子を説明するための模式断面図である。
【図12】(a)質量計測部の構成、及び(b)質量を計測している様子を説明するための模式断面図である。
【図13】本スキミング部により本スキミングを行っている様子を説明するための模式断面図である。
【図14】払出部により排出している様子を説明するための模式断面図である。
【図15】計量容器に仕切板を設けた様子を説明するための模式断面図である。
【図16】計量容器とスキミング皿との間に枠体を設けた様子を説明するための模式断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1;粉粒体計量装置、11;胴体、
2;計量容器部、21;計量容器、211;容器本体、212;上部開口部、213;下部開口部、22;容器蓋、221;軸、23;スキミング皿、231;底面、232;底面開口部、233;縁部、28;仕切板、281;排出蓋、29;嵩増枠体、
3;充填部、31;振動フィーダ、32;充填口、33;供給管、
4a;本スキミング部、41a;本スキミング板、42a;可動部、
4b;所定体積スキミング部、41b;所定体積スキミング板、42b;可動部、
5;質量計測部、51;計測腕部、
6;払出部、61;払出口、62;仕切枠体、63;払出ピン、64、65;シリンダ、
7;回収部、71;回収口、
8;回動部、81;回動腕、82;回転軸、
9;粉粒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)上側に形成されている上部開口部、及び下側に形成されている下部開口部を具備し、粉粒体を収容する複数且つ同体積の計量容器と、各該計量容器の該下部開口部に設けられ且つ該下部開口部を押圧して塞ぐ容器蓋と、該上部開口部の開口形状と同じ且つ同数であり、且つ各該上部開口部に接続されている底面開口部が設けられている底面を具備する1のスキミング皿と、を備える計量容器部と、
(2)各上記計量容器及び上記スキミング皿に上記粉粒体を充填する充填部と、
(3)上記スキミング皿内を平面方向に移動して、上記充填部により充填された該スキミング皿内の上記粉粒体の本スキミングを行う本スキミング板を備える本スキミング部と、
(4)各上記計量容器の上記下部開口部の下方にそれぞれ位置して、該下部開口部から落下する上記粉粒体を受け取る該計量容器と同数の払出口と、上記スキミング皿の上記底面に接触するまで下降して載置することにより該スキミング皿内の粉粒体を該計量容器毎に仕切る仕切枠体と、上方から各上記計量容器の上記容器蓋を突き下げて該下部開口部を開口させることによって、上記本スキミング部により本スキミングがされた各該計量容器内の上記粉粒体を対応する該払出口に落下させる払出ピンと、を備える払出部と、
(5)少なくとも上記本スキミング部の下方に設けられ、上記本スキミングにより上記スキミング皿から落下した上記粉粒体を回収する回収部と、
を備えることを特徴とする粉粒体計量装置。
【請求項2】
上記計量容器部を載置する回動腕を備え、該回動腕を水平方向に回動させることにより、上記充填部、上記本スキミング部及び上記払出部の各工程を行うことが可能な所定位置に上記計量容器部を移動させることができる回動部を更に備え、
上記充填部、上記本スキミング部及び上記払出部は、該回動腕の回転軸を中心とした円周上に配設されている請求項1記載の粉粒体計量装置。
【請求項3】
上記充填部によって上記粉粒体が充填されている上記スキミング皿上を平面方向に移動して所定体積スキミングを行うことにより、該スキミング皿の縁部より高い位置の上記粉粒体を除去して所定体積にする所定体積スキミング板を備える所定体積スキミング部と、
上記所定体積スキミング部により上記所定体積スキミングがされた後の上記粉粒体が充填されている上記計量容器部の質量を計測し、その後上記所定体積及び計測した質量から上記粉粒体の嵩密度を求め、次いで上記本スキミング部により計量する上記粉粒体の体積を、該計量する質量及び該嵩密度から計算し、その後該計量する体積から上記本スキミングを行うときの上記本スキミング板の高さを算出して上記本スキミング部の該本スキミング板の高さを設定する質量計測部と、を更に備える請求項1又は2記載の粉粒体計量装置。
【請求項4】
上記計量容器の上記上部開口部と、上記スキミング皿の上記底面開口部との間に嵩増枠体を設ける請求項1乃至3のいずれか一項に記載の粉粒体計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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