説明

粉粒体輸送装置

【課題】複数の輸送先に粉粒体を輸送する構成としたときのサイズアップ(装置の専有スペースの増大)を抑制することができる、粉粒体輸送装置を提供する。
【解決手段】排出筒部4内は、タンク本体部3内と連通している。排出筒部4の周囲には、コレクションボックス7が設けられている。排出筒部4とコレクションボックス7との間には、空間19〜22)が形成されている。排出筒部4から排出される粉粒体は、コレクションボックス7に受けられて、排出筒部4とコレクションボックス7との間の空間21,22の一部に収容される。排出筒部4とコレクションボックス7との間の空間20には、フィルタ24によって浄化された空気が供給される。吸引ノズル27は、コレクションボックス7に挿通されて、その内部が排出筒部4とコレクションボックス7との間の空間に連通するように設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体を輸送先に輸送するための粉粒体輸送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂ペレットなどの粉粒体は、気力源が発生する気力により、輸送元から輸送先に輸送(空気輸送)されることがある。
【0003】
たとえば、貯留タンクに貯留されている樹脂ペレットは、気力により、成形機に設けられたホッパに輸送される。ホッパには、吸引気力源が接続されている。また、ホッパには、輸送管の一端が接続されている。輸送管の他端は、輸送ノズルを介して、貯留タンクに接続されている。輸送ノズルには、空気を取り込むための取込口が形成されており、その取込口から取り込まれる空気中の塵埃などを除去するためのフィルタおよび取込口から取り込まれる空気量を調整するための調整弁が付属している。
【0004】
吸引気力源が駆動されると、ホッパ内の空気が吸い出されて、この吸引力(負圧)により、貯留タンクから輸送管に粉粒体が吸い出されるとともに、空気取込管および輸送ノズルを介して輸送管に空気が吸い込まれる。輸送管に吸い出された粉粒体は、輸送管内をホッパに向かう気流に乗って輸送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実登2509165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
1つの貯留タンクから複数のホッパに粉粒体を輸送することも可能である。そのためには、輸送先のホッパの数と同数の輸送ノズルを貯留タンクに取り付けて、各輸送ノズルと各ホッパとを輸送管で接続すればよい。
【0007】
しかしながら、輸送ノズルにフィルタなどが付属しているので、複数の輸送ノズルを貯留タンクに取り付けるためには、貯留タンクの周囲に大きなスペースが必要となる。
【0008】
本発明の目的は、複数の輸送先に粉粒体を輸送する構成としたときのサイズアップ(装置の専有スペースの増大)を抑制することができる、粉粒体輸送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明に係る粉粒体輸送装置は、粉粒体を輸送媒体とともに輸送管を流通させて輸送する粉粒体輸送装置であって、粉粒体が貯留される貯留容器本体部と、前記貯留容器本体部の下方に設けられ、その内部が前記貯留容器本体部内と連通する筒状の排出筒部と、前記排出筒部の少なくとも一部を包囲し、前記排出筒部から排出される粉粒体を受け、かつ、その受けた粉粒体を一部に収容する空間を前記排出筒部との間に形成するケーシングと、前記空間に供給される輸送媒体を浄化する輸送媒体浄化器と、前記ケーシングに挿通されて、その内部が前記空間に連通するように設けられ、前記輸送管が接続される吸引ノズルとを含む。
【0010】
貯留容器本体部には、粉粒体が貯留される。貯留容器本体部の下方には、筒状の排出筒部が設けられている。排出筒部内は、貯留容器本体部内と連通している。排出筒部の周囲には、ケーシングが設けられている。排出筒部とケーシングとの間には、空間が形成されている。排出筒部から排出される粉粒体は、ケーシングに受けられて、排出筒部とケーシングとの間の空間の一部に収容される。また、排出筒部とケーシングとの間の空間には、輸送媒体浄化器によって浄化された輸送媒体が供給される。
【0011】
輸送管が接続される吸引ノズルは、ケーシングに挿通されて、その内部が排出筒部とケーシングとの間の空間に連通するように設けられる。これにより、輸送管内が吸気されると、排出筒部とケーシングとの間の空間内の粉粒体および輸送媒体が吸引ノズル内に吸い込まれる。そして、粉粒体は、輸送媒体とともに吸引ノズル内から輸送管内に吸い込まれ、輸送管内を輸送媒体の流れに乗って輸送先に向けて輸送される。
【0012】
複数の輸送先への粉粒体の輸送が必要な場合には、その搬送先と同数の吸引ノズルが設けられるとよい。複数の吸引ノズルが設けられても、吸引ノズル内に吸い込まれる輸送媒体を浄化するための輸送媒体浄化器は1つでよい。よって、複数の輸送先に粉粒体を輸送する構成としたときのサイズアップ(装置の専有スペースの増大)を抑制することができる。
【0013】
吸引ノズルには、輸送媒体を内部に取り入れるための輸送媒体取入部が設けられていてもよい。この場合、吸引ノズルの先端部が粉粒体内に挿入され、輸送媒体取入部が空間内の粉粒体が存在していない部分に臨むように、吸引ノズルが設けられることが好ましい。
【0014】
これにより、吸引ノズルの先端から吸引ノズル内に粉粒体を吸い込むことができながら、輸送媒体取入部から吸引ノズル内に輸送媒体を吸い込むことができる。そのため、吸引ノズル内に粉粒体および輸送媒体を良好に吸い込むことができる。その結果、輸送媒体による粉粒体の安定した輸送を実現することができる。
【0015】
輸送媒体取入部から吸引ノズル内への輸送媒体の取入量を調整するための調整部材が設けられていてもよい。
【0016】
調整部材により、吸引ノズル内への輸送媒体の取入量を調整することができる。そして、その輸送媒体の取入量の調整により、吸引ノズル内に吸い込まれる粉粒体の量を調整することができる。その結果、輸送先への粉粒体の輸送量を調整することができる。
【0017】
輸送媒体取入部に輸送媒体取入口が形成されて、調整部材が輸送媒体取入部に対して相対的に移動可能に設けられてもよい。
【0018】
調整部材と輸送媒体取入部との相対移動により、輸送媒体取入口の開口面積を調整することができ、その調整により、輸送媒体取入部から吸引ノズル内への輸送媒体の取入量を調整することができる。
【0019】
そして、調整部材は、輸送媒体取入部の外形に沿った帯状をなしていることが好ましい。
【0020】
これにより、吸引ノズルをケーシングに対して挿抜するときに、調整部材がその妨げとなることを防止できる。
【0021】
ケーシングと排出筒部の下端との間に空間が生じるように、ケーシングが形成されてもよい。
【0022】
この構成に代えて、排出筒部の側面に開口が形成されて、ケーシングと排出筒部の側面との間に空間が生じ、当該空間と排出筒部内とが開口を介して連通するように、ケーシングが形成されてもよい。
【0023】
また、ケーシングと排出筒部の下端および排出筒部の側面との各間に空間が生じ、ケーシングと排出筒部の側面との間の空間と排出筒部内とが開口を介して連通するように、ケーシングが構成されてもよい。
【0024】
これにより、ケーシングと排出筒部との間に、排出筒部内と連通する空間が上下2段に形成される。よって、装置の横幅を変更することなく、約2倍の数の吸引ノズルを設けることができる。
【0025】
ケーシングに斜め上方に向いた上傾斜面が形成されて、吸引ノズルが上傾斜面に挿通されることが好ましい。
【0026】
これにより、吸引ノズルをケーシングに容易に挿抜することができる。また、吸引ノズルをケーシングから抜き取ったときに、吸引ノズルが挿通されていた部分(孔)から粉粒体がこぼれることを防止できる。
【0027】
さらに、吸引ノズルは、ケーシングの上傾斜面に対してほぼ直交するように挿通されることが好ましい。
【0028】
これにより、吸引ノズルが専有する幅方向のスペースを最小にすることができる。その結果、装置の専有スペースのさらなる縮小を図ることができる。
【0029】
ケーシングには、上傾斜面の下方に、斜め下方に向いた下傾斜面が形成されていることが好ましい。
【0030】
これにより、上傾斜面の下方に粉粒体が滞留することを防止できる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、複数の吸引ノズルが設けられても、吸引ノズル内に吸い込まれる輸送媒体を浄化するための輸送媒体浄化器は1つでよい。よって、複数の輸送先に粉粒体を輸送する構成としたときのサイズアップ(装置の専有スペースの増大)を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る材料供給装置の側面図である。
【図2】図2は、材料供給装置を図1の場合と90°異なる角度から見たときの側面図である。
【図3】図3は、図1に示されるコレクションボックスの断面図である。
【図4】図4は、調整部材および吸引ノズルにおける調整部材の近傍の部分の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0034】
図1,2は、本発明の一実施形態に係る材料供給装置の側面図である。
【0035】
材料供給装置1は、樹脂成形品の材料である樹脂ペレットを成形機(図示せず)に供給するための装置である。
【0036】
材料供給装置1は、樹脂ペレットを収容する材料タンク2を備えている。材料タンク2は、タンク本体部3と、タンク本体部3の下方に設けられる排出筒部4とを一体的に有している。
【0037】
タンク本体部3の上部は、中空の直方体形状をなしている。タンク本体部3の上部には、平面視における4つの角部に、それぞれ上下方向に延びる棒状の脚5の上端部が接続されている。この4本の脚5により、材料タンク2は、材料供給装置1が設置される床面から浮いた状態に設けられている。タンク本体部3の下部は、図1に示される側面視で下方ほど先細りとなる断面台形状をなしている。
【0038】
排出筒部4は、タンク本体部3の下端から下方に延び、図2における左右方向に幅広な矩形筒状をなしている。排出筒部4の底面は、開放されている。また、排出筒部4の一側面(図1における右側面)の上下方向の途中部には、その幅方向に長い矩形状の開口6が形成されている。
【0039】
排出筒部4は、コレクションボックス7に包囲されている。コレクションボックス7は、図1に示されるように、排出筒部4の開口6が形成されている側面と反対側の側面と間隔を空けて平行をなす第1側面8と、第1側面8の下端縁に接続され、斜め下方に向いた第1下傾斜面9と、第1下傾斜面9の下端縁に接続され、水平方向に延びる底面10と、底面10の第1下傾斜面9側と反対側の端縁に接続され、斜め下方に向いた第2下傾斜面11と、第2下傾斜面11の上端縁に接続され、斜め上方に向いた第1上傾斜面12と、第1上傾斜面12の上端縁に接続され、斜め下方に向いた第3下傾斜面13と、第3下傾斜面13の上端縁に接続され、斜め上方に向いた第2上傾斜面14と、第2上傾斜面14の上端縁に接続され、排出筒部4の開口6が形成されている側面と間隔を空けて平行をなす第2側面15とを一体的に有している。また、コレクションボックス7は、第1側面89、第1下傾斜面9、底面10、第2下傾斜面11、第1上傾斜面12、第3下傾斜面13、第2上傾斜面14および第2側面15の各一端縁および各他端縁に接続され、それぞれ排出筒部4の長手方向の両側面と間隔を空けて平行をなす第3側面16および第4側面17を有している。第1上傾斜面12と第2上傾斜面14とは、ほぼ同じ角度で傾斜している。また、第2下傾斜面11と第3下傾斜面13とは、ほぼ同じ角度で傾斜している。コレクションボックス7の第1側面8、第2側面15、第3側面および第4側面17の各上端と排出筒部4との間は、コレクションボックス7の上面18によって閉塞されている。
【0040】
これにより、排出筒部4とコレクションボックス7との間には、コレクションボックス7によって外部から隔離された空間19が形成されている。空間19には、排出筒部4とコレクションボックス7の第1側面8との間の空間20、排出筒部4の下端部と第1下傾斜面9、底面10、第2下傾斜面11および第1上傾斜面12との間の空間21、ならびに排出筒部4の上部とコレクションボックス7の第3下傾斜面13、第2上傾斜面14および第2側面15との間の空間22が含まれる。
【0041】
コレクションボックス7の第1側面8には、1本の空気取入管23が接続されている。空気取入管23内は、コレクションボックス7内の空間20と連通している。空気取入管23の先端は、開放されており、その開放された先端には、外部から空気取入管23に取り入れられる空気を浄化するフィルタ24が取り付けられている。
【0042】
コレクションボックス7の第1下傾斜面9には、材料供給装置1内から材料を抜き取る際に開放される材料抜き口25が形成されている。材料抜き口25は、図2における左右方向に間隔を空けて、たとえば、3つ設けられている。
【0043】
図2に示されるように、コレクションボックス7の第1上傾斜面12には、たとえば、8個のノズル保持筒部26が図2における左右方向に間隔を空けて一列に整列して形成されている。また、コレクションボックス7の第2上傾斜面14には、たとえば、7個のノズル保持筒部26が図2における左右方向に間隔を空けて一列に整列して形成されている。各ノズル保持筒部26は、コレクションボックス7の外側に突出し、略円筒状をなしている。そして、各ノズル保持筒部26には、吸引ノズル27が保持されている。
【0044】
材料タンク2の上方には、材料タンク2内に樹脂ペレットを供給するためのホッパ28が設けられている。
【0045】
図3は、コレクションボックスの断面図である。
【0046】
ホッパ28(図1参照)から材料タンク2内に供給される樹脂ペレットは、材料タンク2の排出筒部4を介して、排出筒部4の底面から排出され、コレクションボックス7の第1下傾斜面9および底面10に受けられる。樹脂ペレットの供給が進むと、図3に示されるように、樹脂ペレットにより、排出筒部4の下端とコレクションボックス7の第1下傾斜面9および底面10との間が埋め尽くされる。また、樹脂ペレットは、排出筒部4の下端からコレクションボックス7の第2下傾斜面11上に溢れる。その結果、空間21には、排出筒部4の側面とコレクションボックス7の第2下傾斜面11の一部および第1上傾斜面12とに挟まれる部分を除いて、樹脂ペレットが収容される。第2下傾斜面11上に溢れた樹脂ペレットの上面は、上方に向いて傾斜している。
【0047】
タンク本体部3から排出筒部4に流れ込む樹脂ペレットで排出筒部4内が満たされると、排出筒部4の開口6から排出筒部4外に樹脂ペレットが溢れ出る。開口6から溢れ出た樹脂ペレットは、コレクションボックス7の第3下傾斜面13に受けられる。これにより、コレクションボックス7内の空間22には、排出筒部4の側面とコレクションボックス7の第3下傾斜面13の一部、第2上傾斜面14および第2側面15とに挟まれる部分を除いて、樹脂ペレットが収容される。
【0048】
吸引ノズル27は、円筒状をなしている。吸引ノズル27の先端部は、吸引ノズル27の中心線に対して斜めにカットされた側面視楔状をなしている。
【0049】
吸引ノズル27の長手方向(中心線に沿う方向)の途中部を取り囲むように、2つの略円環帯状をなす調整部材29が互いに長手方向に間隔を空けて設けられている。
【0050】
図4は、調整部材および吸引ノズルにおける調整部材の近傍の部分の平面図である。
【0051】
吸引ノズル27には、調整部材29と対向する部分(空気取入部)30に、円形の空気取入口31が形成されている。これに対応して、調整部材29の一部には、多数の小孔32が形成されている。調整部材29は、吸引ノズル27に対してその周方向に相対移動可能に設けられている。これにより、吸引ノズル27と調整部材29とを相対的に移動させて、小孔32を空気取入口31に対向させることにより、空気取入口31を開放して、吸引ノズル27の内外を空気取入口31および小孔32を介して連通させることができる。また、空気取入口31に対向する小孔32の数を調整することにより、空気取入口31の開口面積を調整することができる。一方、調整部材29における小孔32が形成されていない部分を空気取入口31に対向させることにより、空気取入口31を調整部材29で閉塞することができる。
【0052】
そして、図3に示されるように、吸引ノズル27は、ノズル保持筒部26に挿通されて、その先端部が樹脂ペレットに突き刺さるように、ノズル保持筒部26に保持されている。具体的には、第1上傾斜面12のノズル保持筒部26に保持された吸引ノズル27(以下「上段の吸引ノズル27」という。)の先端部は、空間21に貯留された樹脂ペレットに突き刺さっている。第2上傾斜面14のノズル保持筒部26に保持された吸引ノズル27(以下「下段の吸引ノズル27」という。)の先端部は、排出筒部4の開口6を通して排出筒部4内に配置され、排出筒部4内の樹脂ペレットに突き刺さっている。そして、上段の吸引ノズル27に設けられた調整部材29の少なくとも一方は、空間21における樹脂ペレットが存在しない部分に配置されている。また、下段の吸引ノズル27に設けられた調整部材29の少なくとも一方は、空間22における樹脂ペレットが存在しない部分に配置されている。
【0053】
吸引ノズル27には、輸送管33の一端が接続される。輸送管33の他端は、輸送先の成形機に設けられるホッパ(図示せず)に接続される。ホッパには、吸引ブロワなどの吸引気力源(図示せず)が接続されている。
【0054】
吸引気力源が駆動されると、ホッパ内の空気が吸い出されて、この吸引力(負圧)により、吸引ノズル27内の空気が輸送管33に吸い出される。このとき、吸引ノズル27の空気取入口31が開放されていれば、空間21,22内の空気が空気取入口31を介して吸引ノズル27内に吸い込まれるとともに、吸引ノズル27の先端から吸引ノズル27内に樹脂ペレットが吸い込まれる。また、空間21,22内の空気が吸引ノズル27内に吸い込まれることにより、外気が空気取入管23内に取り入れられ、その取り入れられる外気がフィルタ24を通過することによって浄化された空気となってコレクションボックス7内の空間20に流入する。吸引ノズル27内に吸い込まれた樹脂ペレットおよび空気は、輸送管33内に吸い出され、輸送管33内をホッパに向けて流れる。
【0055】
以上のように、タンク本体部3の下方には、筒状の排出筒部4が設けられている。排出筒部4内は、タンク本体部3内と連通している。排出筒部4の周囲には、コレクションボックス7が設けられている。排出筒部4とコレクションボックス7との間には、空間19(20〜22)が形成されている。排出筒部4から排出される樹脂ペレットは、コレクションボックス7に受けられて、排出筒部4とコレクションボックス7との間の空間21,22の一部に収容される。また、排出筒部4とコレクションボックス7との間の空間20には、フィルタ24によって浄化された空気が供給される。
【0056】
輸送管33が接続される吸引ノズル27は、コレクションボックス7に挿通されて、その内部が排出筒部4とコレクションボックス7との間の空間に連通するように設けられる。これにより、輸送管33内が吸気されると、排出筒部4とコレクションボックス7との間の空間内の樹脂ペレットおよび空気が吸引ノズル27内に吸い込まれる。そして、樹脂ペレットは、空気とともに吸引ノズル27内から輸送管33内に吸い込まれ、輸送管33内を空気の流れに乗って輸送先に向けて輸送される。
【0057】
材料供給装置1には、複数の吸引ノズル27が設けられている。複数の吸引ノズル27が設けられていても、吸引ノズル27内に吸い込まれる空気を浄化するためのフィルタ24は1つでよい。よって、複数の輸送先に樹脂ペレットを輸送する構成としたときのサイズアップ(材料供給装置1の専有スペースの増大)を抑制することができる。
【0058】
吸引ノズル27には、空気取入口31が形成されている。そして、吸引ノズル27の先端部が樹脂ペレット内に挿入され、空気取入口31が形成された部分30が空間21,22内の樹脂ペレットが存在していない部分に臨むように、吸引ノズル27が設けられている。
【0059】
これにより、吸引ノズル27の先端から吸引ノズル27内に樹脂ペレットを吸い込むことができながら、空気取入口31から吸引ノズル27内に空気を吸い込むことができる。そのため、吸引ノズル27内に樹脂ペレットおよび空気を良好に吸い込むことができる。その結果、空気による樹脂ペレットの安定した輸送を実現することができる。
【0060】
また、調整部材29により、吸引ノズル27内への空気の取入量を調整することができる。具体的には、調整部材29は、吸引ノズル27に対してその周方向に相対的に移動可能に設けられている。吸引ノズル27と調整部材29との相対移動により、空気取入口31の開口面積を調整することができ、その調整により、空気取入口31から吸引ノズル27内への空気の取入量を調整することができる。そして、その空気の取入量の調整により、吸引ノズル27内に吸い込まれる樹脂ペレットの量を調整することができる。その結果、輸送先への樹脂ペレットの輸送量を調整することができる。
【0061】
調整部材29は、空気取入口31が形成された部分30の外形に沿った帯状をなしている。
【0062】
これにより、吸引ノズル27をコレクションボックス7のノズル保持筒部26に対して挿抜するときに、調整部材29がその妨げとなることを防止できる。
【0063】
また、コレクションボックス7と排出筒部4の下端および排出筒部4の側面との各間に空間21,22が生じ、コレクションボックス7と排出筒部4の側面との間の空間22と排出筒部4内とが排出筒部4の開口6を介して連通するように、コレクションボックス7が形成されている。
【0064】
これにより、コレクションボックス7と排出筒部4との間に、排出筒部4内と連通する空間21,22が上下2段に形成される。よって、装置の横幅を変更することなく、約2倍の数の吸引ノズル27を設けることができる。
【0065】
コレクションボックス7に、斜め上方に向いた第1上傾斜面12および第2上傾斜面14が形成されており、第1上傾斜面12および第2上傾斜面14に、吸引ノズル27が挿通されている。
【0066】
これにより、吸引ノズル27をコレクションボックス7に容易に挿抜することができる。また、吸引ノズル27をコレクションボックス7から抜き取ったときに、吸引ノズル27が挿通されていた部分(ノズル保持筒部26)から樹脂ペレットがこぼれることを防止できる。
【0067】
さらに、吸引ノズル27は、第1上傾斜面12および第2上傾斜面14に対してほぼ直交するように挿通されている。
【0068】
これにより、吸引ノズル27が専有する幅方向のスペースを最小にすることができる。その結果、材料供給装置1の専有スペースのさらなる縮小を図ることができる。
【0069】
また、コレクションボックス7には、第1上傾斜面12および第2上傾斜面14の下方に、それぞれ斜め下方に向いた第2下傾斜面11および第3下傾斜面13が形成されていることが好ましい。
【0070】
これにより、空間21,22における第1上傾斜面12および第2上傾斜面14の下方に樹脂ペレットが滞留することを防止できる。
【0071】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0072】
たとえば、排出筒部4の側面に開口6が形成されず、排出筒部4の側面とコレクションボックス7との間の空間22が排出筒部4内と連通していない構成が採用されてもよい。
【0073】
また、輸送媒体の一例としての空気が空気取入管23内に取り入れられるとしたが、空気取入管23にガス供給管が接続されて、不活性ガスなどが輸送媒体として空気取入管23内に取り入れられてもよい。
【0074】
粉粒体の一例として、樹脂ペレットを取り上げたが、粉粒体は、樹脂ペレットなどの粉粒状の樹脂材料に限らず、医薬品材料などであってもよい。
【0075】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 材料供給装置(粉粒体輸送装置)
3 タンク本体部(貯留容器本体部)
4 排出筒部
6 開口
7 コレクションボックス(ケーシング)
11 第2下傾斜面
12 第1上傾斜面
13 第2下傾斜面
14 第1上傾斜面
19 空間
20 空間
21 空間
22 空間
24 フィルタ(輸送媒体浄化器)
27 吸引ノズル
29 調整部材
30 部分(空気取入部)
31 空気取入口
33 輸送管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を輸送媒体とともに輸送管を流通させて輸送する粉粒体輸送装置であって、
粉粒体が貯留される貯留容器本体部と、
前記貯留容器本体部の下方に設けられ、その内部が前記貯留容器本体部内と連通する筒状の排出筒部と、
前記排出筒部の少なくとも一部を包囲し、前記排出筒部から排出される粉粒体を受け、かつ、その受けた粉粒体を一部に収容する空間を前記排出筒部との間に形成するケーシングと、
前記空間に供給される輸送媒体を浄化する輸送媒体浄化器と、
前記ケーシングに挿通されて、その内部が前記空間に連通するように設けられ、前記輸送管が接続される吸引ノズルとを含む、粉粒体輸送装置。
【請求項2】
前記吸引ノズルには、輸送媒体を内部に取り入れるための輸送媒体取入部が設けられており、
前記吸引ノズルは、先端部が粉粒体内に挿入され、前記輸送媒体取入部が前記空間内の粉粒体が存在していない部分に臨むように設けられる、請求項1に記載の粉粒体輸送装置。
【請求項3】
前記輸送媒体取入部から前記吸引ノズル内への輸送媒体の取入量を調整するための調整部材をさらに含む、請求項2に記載の粉粒体輸送装置。
【請求項4】
前記輸送媒体取入部には、輸送媒体取入口が形成されており、
前記調整部材は、前記輸送媒体取入部の外形に沿った帯状をなし、前記輸送媒体取入部に対して相対的に移動可能に設けられ、当該相対移動により、前記輸送媒体取入口の開口面積を調整する、請求項3に記載の粉粒体輸送装置。
【請求項5】
前記ケーシングは、前記排出筒部の下端との間に前記空間が生じるように形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粉粒体輸送装置。
【請求項6】
前記排出筒部の側面には、開口が形成されており、
前記ケーシングは、前記排出筒部の側面との間に前記空間が生じ、当該空間と前記排出筒部内とが前記開口を介して連通するように形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粉粒体輸送装置。
【請求項7】
前記ケーシングには、斜め上方に向いた上傾斜面が形成されており、
前記吸引ノズルは、前記上傾斜面に挿通されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の粉粒体輸送装置。
【請求項8】
前記ケーシングには、前記上傾斜面の下方に、斜め下方に向いた下傾斜面が形成されている、請求項7に記載の粉粒体輸送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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