説明

粉粒剤供給装置

【課題】
粒状体供給装置のホッパ内の湿度を監視し、設定湿度を超えるとホッパ内の除湿を行ない、投入した肥料や薬剤等の粒状体が湿気で塊になって供給不良を起こすことを防止できる粒状体供給装置を提供する。
【解決手段】
ホッパ1内に収容する粉粒剤を繰出ロール2の回転により繰出しながら施用する施用機において、このホッパ口3を開閉するホッパ蓋4と、ホッパ1内の湿度を検出する湿度センサ5を設け、この湿度センサ5による湿度検出によってホッパ蓋4を開閉して、ホッパ1内部を除湿する構成とするとともに、このホッパ1内を排気して除湿する除湿ファン6と、このホッパ1内の湿度を検出する湿度センサ5を設け、この湿度センサ5による湿度検出によって除湿ファン6を駆動して、ホッパ1内部を除湿する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、播種機や施肥機、薬剤施用機等の粉粒剤施用機において、種子粒や、粉粒剤肥料、粉粒剤薬剤等の施用ための粉粒剤を収容するホッパ内を自動的に除湿して、粉粒剤を円滑に繰出施用する施用機の粉粒剤供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コーティング膜を形成した種子をホッパに収容して、繰出ロールの回転により繰出し施用する籾種直播機の技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−201359号公報(第3頁、図4)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
播種機、施肥機、薬剤施用機等の粉粒剤供給装置は、ホッパに収容した粉状、粒状形態の種子粒や、肥料、薬剤等を、繰出しロールの回転によって、予め設定の一定量毎繰出しながら施用する。
【0005】
このため、これらの施用機が田植機のように水田圃場面を作業対象としたり、雨天時等の多湿状態において作業する場合は、前記粉粒剤の繰出し施用が正確に行われ難く、作業性を上げ難いものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、ホッパ(1)内に収容する粉粒剤を繰出ロール(2)の回転により繰出しながら施用する施用機において、このホッパ口(3)を開閉するホッパ蓋(4)と、該ホッパ(1)内の湿度を検出する湿度センサ(5)を設け、この湿度センサ(5)による湿度検出によって前記ホッパ蓋(4)を開閉して、ホッパ(1)内部を除湿することを特徴とする粉粒剤供給装置の構成とする。
【0007】
施用作業時は、粉粒剤をホッパ(1)のホッパ蓋(4)を開けて内部に粉粒剤を供給収容しておき、繰出しロール(2)を駆動回転して粉粒剤を一定量毎繰出して土壌面に施用する。上記施用作業時には、ホッパ内の湿度を湿度センサ(5)によって検出し、この湿度が所定以上に高くなると、前記ホッパ口(3)のホッパ蓋(4)を自動的に開いて、ホッパ(1)内の湿気をこのホッパ口(3)から外方へ逃がして、ホッパ1内の湿度を低減させて、粉粒剤の除湿によって繰出しロール(2)による繰出し作用が円滑に行われるように維持する。
【0008】
また、この除湿が行われて、この湿度センサ(5)による湿度検出値の低下によって、ホッパ蓋(4)が自動的に閉鎖して、この開かれたホッパ口(3)からの湿気の吸収乃至浸入を防止する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、ホッパ(1)内に収容する粉粒剤を繰出ロール(2)の回転により繰出しながら施用する施用機において、このホッパ(1)内を排気して除湿する除湿ファン(6)と、このホッパ(1)内の湿度を検出する湿度センサ(5)を設け、この湿度センサ(5)による湿度検出によって前記除湿ファン(6)を駆動して、ホッパ(1)内部を除湿することを特徴とする粉粒剤供給装置の構成とする。
【0010】
上記のように、ホッパ(1)内に収容した粉粒剤を繰出ロール(2)の駆動回転によって繰出し施用するとき、湿度センサ(5)が検出するこのホッパ(1)内の湿度が所定以上に高くなると除湿ファン(6)が駆動されて、このホッパ(1)の内部、及び粉粒剤の除湿が行われて、粉粒剤の繰出ロール(2)による繰出作用が円滑に行われる状態に維持する。
【0011】
そして、ホッパ(1)内の除湿が行われて、除湿センサ(5)が低湿度状態に下降されたことを検出すると、除湿ファン(6)の駆動を自動適に停止する。
請求項3に記載の発明は、前記ホッパ(1)を複数隣接配置して、いずれか一つのホッパ(1A)には種子を収容し、他方のホッパ(1B)にはコーティング剤を収容して各ホッパ(1A,1B)の繰出ロール(2A,2B)の回転により各別に繰出しながら施用することを特徴とする請求項1または2に記載の粉粒剤供給装置の構成とする。
【0012】
前記のように粉粒剤を収容して繰出ロール(2)の駆動回転によって繰出施用させる粉粒剤施用のホッパ(1)は、この播種用の種子粒と、本来はこの種子粒の外周面を被覆膜形態として使用するためのコーティング剤とを、共に粉粒剤状態のままで各別のホッパ(1A,1B)に収容して、各々の繰出しロール(2A,2B)の駆動回転によって各別に繰出して施用する。
【0013】
上記のように各別に繰出して施用することによって、土壌面に施用した状態においてコーティング剤としての特性機能効果(例えば、コーティング剤の一種であるカルパ剤は、過酸化カルシウムを有していて、施用によって土壌中で加水することによって、酸素を発生して、播種粒の発芽促進を行わせる作用を有する。)を受けさせる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明は、粉粒剤ホッパ1内の湿度を湿度センサ5によって検出して、この検出湿度が所定値以上に高くなると、ホッパ口3のホッパ蓋4を開いて、内部の湿気をこのホッパ口3から外側へ逃がして、粉粒剤を乾燥状態に維持して、繰出時のブリッジ現象を少なくして、繰出ロール2による粉粒剤の繰出を円滑に行わせることができる。
【0015】
また、このホッパ1内部の除湿後は、ホッパ蓋4を閉鎖するため、ホッパ1内の除湿状態を長時間維持することができ、安定した粉粒剤の繰出施用を行わせることができる。
請求項2に記載の発明は、前記ホッパ1内の湿度が所定以上に高くなると、湿度センサ5による検出によって除湿ファン6を駆動して、ホッパ1内の除湿を行うものであるから、粉粒剤の繰出ロール2による繰出作用を円滑且つ正確に行わせることができる。
【0016】
また、ホッパ1内の低湿度状態のときは、この除湿ファン6を停止状態にすることにより、効率的な除湿作用を行わせることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、例えば、カルパ剤のようなコーティング剤を種子粒の外周面にコーティングした状態のコーティング種子を直播する播種形態に代えて、このようなコーティングをしないままの形態の種子粒とコーティング剤を用いて、この種子粒はホッパ1Aに収容し、コーティング剤はこれとは別のホッパ1Bに各別に収容して、しかもこれら各ホッパ1A,1Bの繰出ロール2A,2Bの駆動によって繰出しながら施用するため、繰出ロールをコーティング種子の粒径に合わせるように特別仕様の形態とする必要性は少なくなり、コーティング成形をしないで、繰出ロール等の共用化を図り、安価な形態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)ホッパ部の拡大側面図、(b)ホッパ内部の網の斜視図
【図2】ホッパ部の背面図
【図3】直播機の側面図
【図4】直播機の平面図
【図5】直播機の播種部の平面図
【図6】別実施例を示す側面図
【図7】別実施例を示す繰出ロール部の側面図
【図8】別実施例を示す繰出ロール部の側面図
【図9】(a)作業車両の側面図、(b)油圧無断変速装置部の変速牽制機構を示す要部側面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本件に関する直播機は、乗用四輪走行形態の車体7の後側部に、播種装置8と、施肥装置9を装着する。これら播種装置8は、車体7後部のリフトシリンダ16の伸縮によって昇降する平行リンク形態のリフトリンク17後端部において、ヒッチリンク18を介して着脱の作溝フレーム19に装着している。
【0019】
また、この作溝フレーム19には、土壌面を滑走して均平するフロート13、14や、このフロート13、14の後部に一体的構成されて播種、及び施肥のための施用溝を形成する作溝器10、11を設けて作溝装置15を構成する。前記施肥装置9は車体7のリヤフレーム28上部に装着している。又、これら播種装置8、及び施肥装置9は、細部の仕様は異にするも、共に播種用種子粒や施肥用肥料粉粒剤を収容するホッパ1、及びこのホッパ1の種子や、肥料を繰出す繰出しロール2と等を有して構成される。
【0020】
このうち、リフトリンク17に装着の播種装置8の下方底部に、土壌面を滑走して均平するセンタフロート13や、この外側のサイドフロート14を配置して、前記播種装置8を支持する。このセンタフロート13の滑走上下揺動によって土壌面の深さや、高さを検出しながら、前記リフトシリンダ16を伸縮制御して前記作溝装置15としての作溝器10、11による作溝深さを一定に形成維持するように構成している。
【0021】
また、これら各フロート13、14には、左右両側に作溝器10、11を配置して、フロート13、14による均平土壌面に一定深さで、かつ左右一定幅間隔の作溝条を形成するように構成している。この作溝器10、11で形成される作溝に、種子や肥料を施用するものである。又、前記作溝装置15の後部には、前記センタフロート13とサイドフロート14との均平面間に灌水用の作溝を形成する培土器12を設けている。
【0022】
前記車体7は、ステアリングポスト20上のステアリングファンドル21によって操向自在の前輪22を有し、運転席23下のシートカバ24内に搭載のエンジンによって、油圧無断変速装置25や、ミッションケース26等の伝動装置を介して駆動される後輪27を有する。この車体7の後端上部のリヤフレーム28上に前記施肥装置9を搭載する。
【0023】
前記作溝装置15のセンタフロート13は、左右後輪27間の間隔部に対向して配置され、サイドフロート14は、左右後輪27の外側後方部に位置して配置される。
また、センタフロート13は、土壌面を滑走して上下動することによって、土壌面の深さ、乃至高さを検出しながら、リフトシリンダ16を伸縮し、作溝装置15を昇降制御して、作溝器10、11による作溝深さを一定に形成する。
【0024】
前記作溝フレーム19の下端部に配置のセンタフロート13、及びこの外側のサイドフロート14には、左右適宜間隔位置に作溝器10、11を設けて、各フロート13、14で滑走均平する土壌面に、播種溝と施肥溝を形成する。
【0025】
図4の例では、各フロート13、14毎に二条毎の播種溝と、施肥溝を形成して、合計八条の多条播種形態としている。各フロート13、14毎に左右両側部に、作溝器10を配置して、各フロート13、14にわたる作溝器10の播種条間の間隔を一定に設定している。さらに、施肥溝を形成する作溝器11は、画策溝器10の内側に接近した位置に沿って配置し、各播種溝に対して播種された趣旨に対する肥効を有効に維持するように構成している。
【0026】
前記培土器12は、センタフロート13とサイドフロート14との間に位置して、昇降切替可能に設けて、この下降位置で、左右のセンタフロート13、サイドフロート14の播種溝部に播種される播種条間を作溝、培土して、灌水のための作溝を行う又、各フロート13、14の後端部には、覆土板29を設けて、播種後の播種溝を覆土する。この覆土板29は、センタフロート13の前方に位置する硬軟センサ30により土壌の硬軟度を検出することによって、覆土角度を変更制御する構成としている。
【0027】
ここにおいて、ホッパ1内に収容する粉粒剤を繰出ロール2の回転により繰出しながら施用する施用機において、このホッパ口3を開閉するホッパ蓋4と、このホッパ1内の湿度を検出する湿度センサ5を設け、この湿度センサ5による湿度検出によって前記ホッパ蓋4を開閉して、ホッパ1内部を除湿する粉粒剤施用ホッパの構成とする。
【0028】
施用作業時は、粉粒剤をホッパ1のホッパ蓋4を開けて内部に粉粒剤を供給収容しておき、繰出しロール2を駆動回転して粉粒剤を一定量毎繰出して土壌面に施用する。このような施用作業時には、ホッパ内の湿度を湿度センサ5によって検出していて、この湿度が所定以上に高くなると、前記ホッパ口3のホッパ蓋4を自動的に開いて、ホッパ1内の湿気をこのホッパ口3から外方へ逃がして、ホッパ1内の湿度を低減させて、粉粒剤の除湿によって繰出しロール2による繰出し作用が円滑に行われるように維持する。
【0029】
また、この除湿が行われて、この湿度センサ5による湿度検出値の低下によって、ホッパ蓋4が自動的に閉鎖して、この開かれたホッパ口3からの湿気の吸収、乃至浸入を防止する。
【0030】
前記播種装置8と、施肥装置9は、ホッパ1、及び繰出ロール2等を有して略同形態として構成されて、各搬送パイプ31に繰出される種子や肥料をエア搬送してホース32を経て、前記フロート13、14の作溝部に案内させて、播種、施肥するものである。
【0031】
該ホッパ1は、種子や、肥料乃至薬剤等を収容するもので、上端のホッパ口3を開閉するホッパ蓋4を、ホッパ蓋軸33の周りに回動させる。この開閉回動は、開閉シリンダ34のギヤドモータ35の駆動による伸縮によって行わせる。36はホッパ蓋4を閉鎖状態に維持するフックレバーである。このホッパ1の上部内に湿度センサ5を設けて、常時ホッパ1内の湿度を検出する。
【0032】
この湿度センサ5とギヤドモータ35との間をコントローラを介して連動して、ホッパ1内の湿度が所定の設定値に上昇すると、開閉シリンダ34を伸長させてホッパ蓋4を上方へ回動させて、ホッパ口3を開口するように制御連動している。
【0033】
なお、前記図例の開閉シリンダ34に代えて、単にホッパ蓋軸33をギヤドモータ35によって直接開閉回動する形態とすることもできる。
さらに、このようなホッパ口3の開口状態で、ホッパ1内の湿度が目標値に低下して湿度センサ5によって、この開閉シリンダ34が短縮されて、ホッパ蓋4が閉鎖される構成としている。
【0034】
このようなホッパ蓋4の閉鎖制御は、前記湿度センサ5の検出によって行わせることができるが、タイマー等によってホッパ蓋4が開かれて一定時間を経ることによって自動的に閉鎖するように構成することもできる。
【0035】
前記繰出ロール2は、各ホッパ1の底部のロール軸37に配置されて、所定の繰出容量に形成のロール室38に、種子や肥料等の粉剤を嵌合させて、回転駆動することによって一定量毎繰出室39へ繰出して、下方の搬送パイプ31へ流下させる。この繰出ロール2の回転周面にはブラシ40を摺接させている。前記繰出ロール2の上方には、ホッパ1内の粉粒剤を漏下させる網41を、図6のように中央部42を凸状に形成して装着して、漏下し易い形態としている。
【0036】
また、前記搬送パイプ31は、モータ駆動のブロワ43のダクト44に連結し、噴風圧を各搬送パイプ31に送風して、この搬送パイプ31に繰出された粉粒剤を、この搬送パイプ31に連結のホース32へ噴風搬送させる。このホース32を搬送される粉粒剤は、後方部の作溝装置15の各作溝10、11で形成される作溝部に噴出施用される。
【0037】
そして、ホッパ1内に収容する粉粒剤を繰出ロール2の回転により繰出しながら施用する施用機において、このホッパ1内を排気して除湿する除湿ファン6と、このホッパ1内の湿度を検出する湿度センサ5を設け、この湿度センサ5による湿度検出によって前記除湿ファン6を駆動して、ホッパ1内部を除湿する粉粒剤施用ホッパの構成とする。
【0038】
前記のようにホッパ1内に収容した粉粒剤を繰出ロール2の駆動回転によって繰出し施用するとき、このホッパ1内の湿度が所定以上に高くなると、湿度センサ5による検出によって除湿ファン6が駆動されて、このホッパ1内、及び粉粒剤の除湿作用が行われて、粉粒剤の繰出ロール2による繰出作用が円滑に行われる状態に維持する。
【0039】
ホッパ1内の除湿が行われて、除湿センサ5が低湿度状態に下降されたことを検出すると、除湿ファン6の駆動を自動適に停止する。
図6のように前記除湿ファン6を設けて、ホッパ1内を吸引除湿する場合、このホッパ1の外側に除湿ファン6を隣設して、この除湿ファン6の吸気口45をホッパ1の吸引口49に連通する形態とし、湿度センサ5の検出によって除湿ファン6のモータ46を駆動したり、駆動停止する形態とするが、このホッパ1の近くには施用搬送用のブロワ43が設けられることが多く、このブロワ43が吸気口45の全部、又は一部を、前記ホッパ1内にダクト48を連通して、切替弁47の切替調節によって、外気口58との吸引を切替えて除湿必要時に連通して除湿するように構成することもできる。この切替弁47は湿度センサ5の検出によって切替制御する。
【0040】
さらには、前記ホッパ1を複数隣接配置して、いずれか一つのホッパ1Aには種子を収容し、他方のホッパ1Bにはコーティング剤を収容して各ホッパ1A,1Bの繰出ロール2A,2Bの回転により各別に繰出しながら施用する粉粒剤施用ホッパの構成とする。
【0041】
上記のように粉粒剤を収容して繰出ロール2の駆動回転によって繰出施用させる粉粒剤施用ホッパ1は、この播種用の種子粒と、本来はこの種子粒の外周面を被覆膜形態として使用するためのコーティング剤とを、共に粉粒剤状態のままで各別のホッパ1A,1Bに収容して、各々の繰出しロール2A,2Bの駆動回転によって各別に繰出して施用する。
【0042】
このように各別に繰出して施用することによって、土壌面に施用した状態においてコーティング剤としての特性機能効果を受けさせる。
図7、図8で示すように、前記のような播種装置8において、播種と、この種子に酸素を供給するためのカルパ剤を同時に施用する作業形態として、これら種子粒を収容するホッパ1Aと、カルパ剤を収容するホッパ1Bを各別に設け、これら各ホッパの1A、1Bの下側に、これら種子、及びカルパ剤を繰出するための繰出ロール2A、2Bを各々設けたものである。
【0043】
また、このホッパ1のホッパ口3部を開閉するホッパ蓋4、及びこのホッパ蓋4を開閉するための湿度センサ5を設けている。各繰出ロール2A、2Bによって繰出される種子とカルパ剤は、搬送パイプ31で合流されて、ホース32を案内されて、作溝器10で形成される作溝内へ噴出されて施用される。この作溝に施用されたカルパ剤が水分を吸収することによって酸素が発生して、播種後の発芽性を高めることができる。
【0044】
また、前記ホッパ1Aと1Bのホッパ蓋4を単一構成として、開閉する形態(図8)とすることもできる。この場合、湿度センサ5をも単一とすることができる。この場合、湿度センサ5をも単一とすることができる。この繰出室39は、各々ホース32を連結して、直接前記作溝器10で形成される作溝に案内施用される形態として簡潔にすることができる。
【0045】
次に、主として図2、図9(a)(b)に基づいて、前記繰出ロール2を苗植器の施肥装置9として用いる形態においては、前記繰出ロール2の各ロール室38の軸方向幅を変更できるように調節具50を構成していて、外側後部に設ける調節軸51の回りに調節ダイヤル52を回動操作することによって、前記各ロール2の調節具50を軸方向へ移動してロール室38の繰出量を調節できる構成としている。
【0046】
このような形態では、田植機等の車体の最高速が上げられるため、車速連動の施肥装置は時間当りの肥料繰出量が増加して、ブロワ43の風量が不足して、肥料の搬送詰まりを発生し易くなる。
【0047】
そこで、前記ダイヤル52の操作によって連動の回動アーム、車速牽制アーム55等から成る無断変速装置25の、変速制御用のトラニオン軸56アーム57の増速方向の回動を規制するように作用させる。ダイヤル52を施用量の多い側Aへ操作すると、車速牽制アーム55がトラニオンアーム57の側へ接近するように回動されて、このトラニオンアーム57の前進車速を上昇させないように作動規制する。
【0048】
例えば、施肥量をダイヤル52により多く(70kg/10a当り、以上に)調節すると、車速の前進走行速を10%程度下げるように牽制連動するように構成する。
【符号の説明】
【0049】
1 ホッパ
1A ホッパ(種子用)
1B ホッパ(カルパ剤用)
2 繰出ロール
2A 繰出ロール(種子用)
2B 繰出ロール(カルパ剤用)
3 ホッパ口
4 ホッパ蓋
5 湿度センサ
6 除湿ファン
7 車体
8 播種装置
9 施肥装置
10 作溝器
11 作溝器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパ(1)内に収容する粉粒剤を繰出ロール(2)の回転により繰出しながら施用する施用機において、このホッパ口(3)を開閉するホッパ蓋(4)と、該ホッパ(1)内の湿度を検出する湿度センサ(5)を設け、この湿度センサ(5)による湿度検出によって前記ホッパ蓋(4)を開閉して、ホッパ(1)内部を除湿することを特徴とする粉粒剤供給装置。
【請求項2】
ホッパ(1)内に収容する粉粒剤を繰出ロール(2)の回転により繰出しながら施用する施用機において、このホッパ(1)内を排気して除湿する除湿ファン(6)と、このホッパ(1)内の湿度を検出する湿度センサ(5)を設け、この湿度センサ(5)による湿度検出によって前記除湿ファン(6)を駆動して、ホッパ(1)内部を除湿することを特徴とする粉粒剤供給装置。
【請求項3】
前記ホッパ(1)を複数隣接配置して、いずれか一つのホッパ(1A)には種子を収容し、他方のホッパ(1B)にはコーティング剤を収容して各ホッパ(1A,1B)の繰出ロール(2A,2B)の回転により各別に繰出しながら施用することを特徴とする請求項1または2に記載の粉粒剤供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−130309(P2012−130309A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286229(P2010−286229)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】