説明

粒体物の高速計量装置およびその方法

【課題】計量精度を向上させることにより被計量粒体物が目標重量の範囲内に収まる確率を高めると共に、計測タクトタイムを短縮することによって粒体物の高速計量を可能とする。
【解決手段】粒体物を貯留するためのホッパー3と、粒体物の容積計量のための複数の計量空間を外周に有する傾斜回転ディスク10と、これを回転駆動する第1のモータ27と、容積計量された粒体物の重量を計測するために、回転ディスク下方に配置された重量計測器30を備え、この重量計測器は、容積計量された粒体物を収納保持する無底の筒状部33を備えた回転計量枠31と、回転計量枠の下方に配置され、無底の筒状部に収納保持された粒体物の重量を計測する自動秤量器37と、回転計量枠の下方に配置された第2の移送ポート41と、回転計量枠を回転駆動するための第2のモータ39とを備え、容積計量された粒体物を重量計測器の回転計量枠に備えられた無底の筒状部の中へ排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒体物の計量装置および粒体物の計量方法にかかり、更に詳しくは容積計量した後に重量計測することにより、高速・高精度で粒体物の秤量を行なうための計量装置および計量方法にかかる。ここで、粒体物の例として、例えばピーナッツやその他の豆などの食品や、錠剤やビーズなどが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来、粒体物の計量装置としては、一定重量の空容器に、粉粒体供給部から供給される粉粒体を所定量充填し、粉粒体が充填された容器をベルトコンベアで搬送させながら重量測定を行い、測定した重量が所定の範囲内であるか否かの判定を行い、その判定結果に基づき粉粒体が充填された容器の振り分けを行なって、当該容器を次工程に流すものと、一旦もとへ戻して再度空容器に充填しなおすようにした装置があった(特許文献1参照)。
【0003】
このような装置では、空容器に粉粒体を所定量充填する粉粒体供給部は、粉粒体を定量供給する振動式パーツフィーダーと、パーツフィーダーの出口下方に配置されたロータリエアシリンダー等で左右に揺動駆動される振り分け筒体と、この振り分け筒体の下方の左右に配置され、その下側開口部の各々に開閉シャッターを備えた一対の漏斗と、これら一対の漏斗の下側開口部の下に上側を開口した一つの主漏斗とを備えた構成となっている。そして、主漏斗の下側には容器を間欠搬送するベルトコンベアが配置されている。
【0004】
パーツフィーダーによって連続的に定量供給されてくる粉粒体は、パーツフィーダー自身の供給量制御と振り分け筒体の揺動速度に応じて供給重量が連続的に設定されて、左右の各漏斗に振り分けられる。各左右の漏斗は、交互に所定量の粉粒体の供給を受けても、主漏斗の下に空容器がベルトコンベアによって搬送されて来るまでシャッターを閉じて保持しておき、主漏斗の下に空容器が到達して一時停止するとシャッターを開放して一気に容器内に粉粒体を落下供給するようになっている。この交互供給によって、容器への粉粒体の供給時間に余裕を持たせることが出来、粉粒体を収容した容器を、自動秤量器側へ間欠移動するベルトコンベヤによって送ることができるようになっている。
【0005】
また、自動秤量器は、上流側のベルトコンベヤから粉粒体を収容した容器を受けて移動秤量台上で搬送しながらロードセルで秤量して目標重量に対して合否判定するようになっている。
【特許文献1】特開平9-221102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような従来の粒体物の計量装置においては、計量精度はパーツフィーダーの粒体物供給速度に依存してしまい、従って、安定した計量精度を期待するのは困難であった。従って、後工程で容器に入った粒体物の重量を計測しても、目標重量の範囲内に収まる確率が低く、計量効率を低下させる原因になっていた。
【0007】
また、粒体物の供給はパーツフィーダーを介して行われるため、粒体物供給速度を一定以上に高めるのは難しく、このため計量速度を一定以上に上げることができないという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる問題に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、計量精度を向上させることによって目標重量の範囲内に収まる確率を高めることと、計測タクトタイムを短縮することによって粒体物の高速計量装置とその計量方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述したような課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、粒体物を貯留するためのホッパーと、ホッパー内に傾斜させて配置され、粒体物の容積計量のための複数の計量空間を外周に有する傾斜回転ディスクと、傾斜回転ディスクを回転駆動するための第1のモータと、傾斜回転ディスクによって容積計量された粒体物の重量を計測するために、回転ディスク下方に配置された重量計測器と、を備え、この重量計測器は、容積計量された粒体物を収納保持する無底の筒状部を備えた回転計量枠と、回転計量枠の下方に配置され、無底の筒状部に収納保持された粒体物の重量を計測する自動秤量器と、回転計量枠の下方に配置された第2の移送ポートと、回転計量枠を回転駆動するための第2のモータとからなり、傾斜回転ディスクを回転駆動することによって第1の移送ポートにおいて1の計量空間の底が開口され、容積計量された粒体物を重量計測器の回転計量枠に備えられた無底の筒状部の中へ排出することができるようになっており、更に回転計量枠を回転駆動することによって無底の筒状部を第2の移送ポート上へ移動させ、粒体物を第2の移送ポートへ排出することができるようになっている構成の粒体物の高速計量装置とした。
【0010】
また、請求項2に記載された発明では、請求項1に記載された高速計量装置において、重量計測器の回転計量枠に備えられた無底の筒状部が複数個からなり、回転計量枠の下方に更に戻しポートが備えられ、第2の移送ポートが合格重量粒体物を次工程へ搬送するために使用され、戻しポートが不合格重量粒体物を再計量するためにホッパーへ戻すために使用され、自動秤量器による測定重量値に基づき、回転計量枠の被測定粒体物が収納保持された無底の筒状部が第2のポート位置、あるいは戻しポート位置の上にくるように第2のモータを駆動制御するための制御装置を更に備える構成とした。
【0011】
また、請求項3に記載された発明では、請求項1または2に記載された高速計量装置において、傾斜回転ディスク上に、計量空間にある粒体物を「すりきり」の状態にするための1又は複数のブレードを更に備える構成とした。
【0012】
更に、請求項4に記載された発明では、請求項3に記載された高速計量装置において、傾斜回転ディスクの第1の移送ポートの回転方向上流側に、粒体物の容積計量の精度を上げるための調整ポートを備え、調整ポートの上側に、1又は複数のブレードを配置する構成とした。
【0013】
また、請求項5に記載された発明では、請求項3または4に記載された高速計量装置において、傾斜回転ディスク調整ポートの下側に計量空間内にある被計量粒体物の量を微調整するために、摺動自在のシャッターと、シャッターを駆動するための電動アクチュエータを備える構成とした。
【0014】
また、請求項6に記載された発明では、請求項5に記載された高速計量装置において、自動秤量器による測定重量値に基づき、制御装置が電動アクチュエータを制御することにより、シャッターの開口量を調整する構成とした。
【0015】
また、請求項7に記載された発明では、請求項1乃至6のいずれかに記載された高速計量装置において、ホッパーの底部に粒体物の破砕くずを逃がすための排出ポートを設けた構成とした。
【0016】
更に、請求項8に記載された発明では、粒体物を貯留するためのホッパー内に傾斜させて配置した傾斜回転ディスクに設けた計量空間によって、粒体物を容積計量するステップと、容積計量された粒体物を、重量計測器の回転計量枠における無底の筒状部内へ移送するステップと、無底の筒状部内へ移送した粒体物の重量を測定するステップと、重量測定結果が所定の値の範囲内である場合には粒体物を第2の移送ポートへ排出し、重量の測定結果が所定の値の範囲外である場合には粒体物を戻しポートへ排出することによって選別するステップとから構成される粒体物の高速計量方法とした。
【0017】
また、請求項9に記載された発明では、請求項8に記載された粒体物の高速計量方法において、重量測定の結果に基づき、傾斜回転ディスクに設けた計量空間の容積を微調整するステップを更に備える構成とした。
【発明の効果】
【0018】
上述したように本発明は、ホッパー内に傾斜させて配置された傾斜回転ディスクを使用することによって、粒体物をまず容積計量し、その容積計量された粒体物を実際に秤量することによって目標重量に収まっているかどうかを判別し、目標重量に収まっている場合にのみ粒体物を次工程へ送る構成にしている。また、秤量結果に基づき、容積計量する計量空間の大きさを自動的に微調整できるような構成にしている。
【0019】
そのため、本発明においては、容積計量による計量精度を向上させることによって目標重量の範囲内に収まる確率を高めることを実現し、また粒体物の供給速度が制限されないシステムを採用しているため計測タクトタイムを短縮することが可能になり、粒体物の高速計量装置とその計量方法を実現することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図を参照しながら粒体物の高速計量装置1の実施例について詳細に説明する。図1に示す粒体物の高速計量装置1には、計量するための粒体物5を貯留するためのホッパー3が備えられている。このホッパー3の中には粒体物5を容積計量するための傾斜回転ディスク10が配置されている。このようにホッパー3内に傾斜ディスク10を配置するようになっているため、傾斜回転ディスク10がホッパー3の外壁の一部を構成するようホッパー3の立体形状を定めるようにしても良いし、またはホッパー3の外壁形状を円錐形上や角錐形状にした上で、その中に傾斜回転ディスク10を配置するようにしても良い。傾斜回転ディスク10は、円板状の回転部材11と、この回転部材11の下側に配置された板状の固定部材13からなる(傾斜回転ディスク10には、円板状の回転部材11と固定部材13の両方が含まれるものと定義する)。傾斜回転ディスク10は垂直面に対して所定角度で傾斜させて配置されているが、特に傾斜角が限定されるものではない。
【0021】
回転部材11の外周には、傾斜回転ディスク10の計量空間15を形成する空洞が複数個設けられている。装置の設計上、これらの計量空間15は円周上等間隔に配置しておくことが望ましい(図2参照)。
【0022】
また、傾斜回転ディスク10の下方には、傾斜回転ディスク10の円板状の回転部材11を回転駆動させるための第1のモータ27が配置されている。第1のモータ27は直接回転部材11に連結するようにしても良いが、歯車や、プーリーとベルト等を介して連結するようにしても良い。
【0023】
傾斜した固定部材13の上方位置には第1の切り欠き部(これを「第1の移送ポート」17と呼ぶ)が設けられており、この位置に回転部材11の空洞(計量空間15)が回動してくると、計量空間15の底面が開口するようになっている。第1の移送ポート17の下方には粒体物5を重量計測器30まで移送するダクトが配置されている(図2参照)。従って、回転部材11の空洞(計量空間15)が第1の移送ポート17の位置へ回動してくると、計量空間15の中の粒体物5はダクト内へ落下して下方に配置された重量計測器30へと排出されることになる。
【0024】
固定部材13の第1の切り欠き部(第1の移送ポート17)の上流側(回転部材11が回転する方向の上流側を意味する)に、回転部材11の空洞(計量空間15)の大きさを微調整するための調整ポート19を設けるようにしても良い。調整ポート19の位置においては、固定部材13に第2の切り欠き部(調整ポート19)が設けられている(図2参照)。そして固定部材13の第2の切り欠き部(調整ポート19)の下側面には回転部材11の空洞(計量空間15)の大きさを微調整するためのシャッター21が配置されている(図2,3参照)。
【0025】
このシャッター21は固定部材13の下面に沿って摺動自在に配置されており、電動アクチュエータ23によってその開口量を駆動制御できるようになっている。電動アクチュエータ23の例としては、電動モータの回転運動を直線運動に変換したものでも良いし、リニア・アクチュエータによって直接直線運動を制御するようにしても良い。いずれにしても、電動アクチュエータ23としては、シャッターの位置制御をできるものであれば、何れの方式の電動アクチュエータを使用することも可能である。
【0026】
このように、シャッター21の位置を駆動制御することによって、計量空間15の大きさを微調整することが可能になり、後述するように、重量計測器30によって計測された実測重量データに基づき、容積計量された粒体物がより高い確率で、所定重量範囲内に納まるようにフィードバック制御を行なうことが可能になる。
【0027】
固定部材13の第2の切り欠き部(調整ポート19)が設けられている位置において、回転部材11の上面には、計量空間15にある粒体物を「すりきり」の状態にするためのブレード25を固定配置するようにしても良い。このブレード25は固定されてはいるが、回転部材11が回転することによって、ブレード25の先端部分が回転部材11の上側面に沿いながら摺動することになるので、計量空間15から上面側にはみ出した粒体物5が掻き出され、「すりきり」の状態にすることができるようになっている。このブレード25には金属製のブレードを使用することもできるが、粒体物を破損させる可能性を極力低減させるため、プラスチック製のブレードや、シリコンラバー製のブレードを使用することが望ましい(図2、3参照)。
【0028】
なお、ここでは、ブレート25を1枚だけ配置する場合について説明したが、複数枚のブレードを並べて配置し、回転部材11が比較的小さい角度を回転する間に「すりきり」が完了するようにしても良い。
【0029】
また、ここでは、ブレード25を固定部材13の第2の切り欠き部(調整ポート19)が設けられている位置に配置するように説明したが、これに限定されるものではなく、固定部材13の第2の切り欠き部(調整ポート19)が設けられている位置以外にブレード25を固定配置するようにしても良い。
【0030】
次に、図1および図4に基づき、傾斜回転ディスク10によって容積計量された粒体物5を、重量測定する重量計測器30について説明する。
【0031】
重量測定器30は、傾斜回転ディスク10の下方に配置され、傾斜回転ディスク10によって容積計量された粒体物5を収納保持する無底の筒状部33を備えた回転計量枠31と、この無底の筒状部33に収納保持された粒体物5の重量を測定する自動秤量器37と、この回転計量枠31を回転駆動するための第2のモータ39が配置されている。
【0032】
上述したように傾斜回転ディスク10によって容積計量された粒体物5は、傾斜回転ディスク10の第1の移送ポート17からダクトを介して排出される。この粒体物5を受け入れるために、回転計量枠31の上面には無底の筒状部33が設けられている。この無底の筒状部33に粒体物5が受け入れられると、自動秤量器37によって粒体物5の重量を直接測定するようになっている。
【0033】
回転計量枠31の下面には、自動秤量器37の受け皿35が配置されている。この受け皿35の側方には移送用ダクト(これを「第2の移送ポート」41と呼ぶ)が設けられている。この位置に回転計量枠31の無底の筒状部33が回動してくると、無底の筒状部33の底面が第2の移送ポートと連通するようになっている。第2の移送ポート41は、粒体物5を次工程まで移送するようになっている。従って、無底の筒状部33の中へ粒体物5が収納され、粒体物5の重量が計測された後、回転計量枠31が第2のモータ39によって回動され、無底の筒状部33第2の移送ポート41位置の上方に回動してくると、重量が測定された粒体物5はダクトを介して、次工程へ移送されることになる。
【0034】
以上の説明において、回転計量枠31に設けた無底の筒状部33の数については、特に限定しなかったが、無底の筒状部33を複数設けるようにしても良い。無底の筒状部33を複数設けることによって、計量した粒体物を次工程へ移送する工程と、傾斜回転ディスク10によって容積計量された粒体物5受け入れる工程を同時に実施できるようになり、計量のタクトタイムの短縮につながり、計量の高速化を実現することができるようになる。
【0035】
また、自動秤量器37の受け皿35の側方(「第2の移送ポート」41の反対側の側方)には「戻しポート」43(図5参照)を設けるようにしても良い。この戻しポート43は、粒体物5をホッパー3の中へ戻すためのダクトによって構成されている。
【0036】
このような戻しポート43を設けることによって、例えば、無底の筒状部33に受け入れた粒体物5の実測重量データが所定の重量範囲内であるならば、回転計量枠31を回動し、粒体物5の入った無底の筒状部33を第2の移送ポート41の位置の上方に回動させ、この粒体物を合格重量粒体物として、第2の移送ポート41を介して次工程へ移送することができる。
【0037】
また、無底の筒状部33に受け入れた粒体物5の実測重量データが所定の重量範囲外であるならば、回転計量枠31を回動し、粒体物5の入った無底の筒状部33を戻しポート43の位置の上方に回動させ、この粒体物を不合格重量粒体物として、戻しポート43を介してホッパー3の中へ戻すことができるようになっている。
【0038】
このようにすることによって、計量した粒体物5が所定の重量範囲内にあるか否かを判定しつつ、次工程へ送るか、再度計量し直すためにホッパー3へ戻すかという選別を高速で行なうことが可能となる。
【0039】
次に、本高速計量装置1の制御装置50について説明する。
【0040】
制御装置50(図示せず)は、傾斜回転ディスク10を回転駆動するための第1のモータ27と、傾斜回転ディスク10の調整ポート19に配置されたシャッター21を駆動するための電動アクチュエータ23と、重量計測器30の回転計量枠31を回転駆動する第2のモータ39を駆動制御する。
【0041】
特に、制御装置50は、重量計測器30によって計測された粒体物の重量データと目標重量との差異に基づいて、電動アクチュエータ23を駆動し、傾斜回転ディスク10の調整ポート19に配置されたシャッター21の開口量を調整して、計量空間15の大きさを微調整し、計量される粒体物5の重量が常に目標重量の範囲内に入るようにフィードバック制御することができるようになっている。
【0042】
また、この制御装置50は、重量計測器30の回転計量枠31を回転駆動する第2のモータ39を回転制御するようになっている。回転計量枠31に配置された複数の無底の筒状部33の一つに収納保持された粒体物5の実測重量データが所定重量範囲内であれば、回転計量枠31を回転駆動して、この無底の筒状部33を第2の移送ポート41の位置にくるようにし、この無底の筒状部33に収納保持された粒体物5を次工程へ移送するように制御することができるようになっている。
【0043】
一方、複数の無底の筒状部33の一つに収納保持された粒体物5の実測重量データが所定重量範囲外であれば、回転計量枠31を前回とは逆方向に回転駆動して、この無底の筒状部33を戻しポート43の位置にくるようにし、この無底の筒状部33に収納保持された粒体物5を再計量のためにホッパー3へ戻すように制御することができるようになっている。
【0044】
なお、粒体物を貯留するホッパーの中には、運転中、粒体物の破砕くずが蓄積していくことがあるため、このような破砕くずの蓄積を防止するため、ホッパーの下部に、破砕くずを逃がすための排出ポートを設けておくようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明にかかる粒体物の高速計量装置を模式的に示した図である。
【図2】図2は、図1に示す矢視Aから見た傾斜回転ディスクの正面図である。
【図3】図3は、本発明にかかる粒体物の高速計量装置の斜視図である。
【図4】図4は、本発明にかかる重量計測器の部分断面を示したものである。
【図5】図5は、本発明にかかる重量計測器の平面図を示したものである。
【図6】図6は、本発明にかかる重量計測器の斜視図を示したものである。
【符号の説明】
【0046】
1 高速計量装置
3 ホッパー
5 粒体物
10 傾斜回転ディスク
11 回転部材
13 固定部材
15 計量空間
17 第1の移送ポート
19 調整ポート
21 シャッター
23 電動アクチュエータ
25 ブレード
27 第1のモータ
30 重量計測器
31 回転計量枠
33 無底の筒状部
35 受け皿
37 自動秤量器
39 第2のモータ
41 第2の移送ポート
43 戻しポート
50 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒体物を貯留するためのホッパーと、
当該ホッパー内に傾斜させて配置され、当該粒体物の容積計量のための複数の計量空間を外周に有する傾斜回転ディスクと、
当該傾斜回転ディスクを回転駆動するための第1のモータと、
当該傾斜回転ディスクによって容積計量された粒体物の重量を計測するために、当該回転ディスク下方に配置された重量計測器と、
からなり、当該重量計測器は、
容積計量された粒体物を収納保持する無底の筒状部を備えた回転計量枠と、
当該回転計量枠の下方に配置され、当該無底の筒状部に収納保持された粒体物の重量を計測する自動秤量器と、
当該回転計量枠の下方に配置された第2の移送ポートと、
当該回転計量枠を回転駆動するための第2のモータと、
からなり、
当該傾斜回転ディスクを回転駆動することによって第1の移送ポートにおいて1の計量空間の底が開口され、当該容積計量された粒体物を当該重量計測器の回転計量枠に備えられた無底の筒状部の中へ排出することができるようになっており、
更に当該回転計量枠を回転駆動することによって当該無底の筒状部を第2の移送ポート上へ移動させ、当該粒体物を第2の移送ポートへ排出することができるようになっていることを特徴とする粒体物の高速計量装置。
【請求項2】
請求項1に記載された高速計量装置であって、
前記重量計測器の回転計量枠に備えられた無底の筒状部が複数個からなり、
前記回転計量枠の下方に更に戻しポートが備えられ、
前記第2の移送ポートが合格重量粒体物を次工程へ搬送するために使用され、当該戻しポートが不合格重量粒体物を再計量するために前記ホッパーへ戻すために使用され、
前記自動秤量器による測定重量値に基づき、前記回転計量枠の被測定粒体物が収納保持された無底の筒状部が第2のポート位置、あるいは戻しポート位置の上にくるように前記第2のモータを駆動制御するための制御装置を更に備える
ことを特徴とする粒体物の高速計量装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載された高速計量装置であって、
前記傾斜回転ディスク上に、計量空間にある粒体物を「すりきり」の状態にするための1又は複数のブレードを更に備えるようにした
ことを特徴とする粒体物の高速計量装置。
【請求項4】
請求項3に記載された高速計量装置であって、
前記傾斜回転ディスクの第1の移送ポートの回転方向上流側に、粒体物の容積計量の精度を上げるための調整ポートを備え、
当該調整ポートの上側に、前記1又は複数のブレードを配置するようにした
ことを特徴とする粒体物の高速計量装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載された高速計量装置であって、
前記傾斜回転ディスク調整ポートの下側に計量空間内にある被計量粒体物の量を微調整するために、摺動自在のシャッターと、当該シャッターを駆動するための電動アクチュエータを備えるようにした
ことを特徴とする粒体物の高速計量装置。
【請求項6】
請求項5に記載された高速計量装置であって、
前記自動秤量器による測定重量値に基づき、前記制御装置が前記電動アクチュエータを制御することにより、前記シャッターの開口量を調整するようにした
ことを特徴とする粒体物の高速計量装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載された高速計量装置であって、
前記ホッパーの底部に粒体物の破砕くずを逃がすための排出ポートを設けた
ことを特徴とする粒体物の高速計量装置。
【請求項8】
粒体物を貯留するためのホッパー内に傾斜させて配置した傾斜回転ディスクに設けた計量空間によって、当該粒体物を容積計量するステップと、
容積計量された当該粒体物を、重量計測器の回転計量枠における無底の筒状部内へ移送するステップと、
無底の筒状部内へ移送した当該粒体物の重量を測定するステップと、
重量測定結果が所定の値の範囲内である場合には当該粒体物を第2の移送ポートへ排出し、重量の測定結果が所定の値の範囲外である場合には当該粒体物を戻しポートへ排出することによって選別するステップと
からなる粒体物の高速計量方法。
【請求項9】
請求項8に記載された粒体物の高速計量方法であって、
前記重量測定の結果に基づき、傾斜回転ディスクに設けた計量空間の容積を微調整するステップを更に備えることを特徴とする粒体物の高速計量方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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