説明

粒子の攪拌装置およびそれを用いた蒸着装置

【課題】粉粒物の攪拌において攪拌されない粒子が発生しないようにする。
【解決手段】真空槽2と、蒸着源5を有する蒸着装置1内に配置され、
粉粒物7を収納する容器73と、粉粒物7の粒子を攪拌するスクレイパ75と、容器73に対しスクレイパ75を相対的に駆動させる駆動機構72とから成る粒子の攪拌装置3であって、
容器73の少なくとも内壁に粉粒物7と同種の材質をコーティングし、
スクレイパ75の少なくとも容器73の内壁と接する部分に蒸着源5で蒸発される蒸着材料11と同種の材質または粉粒物7と同種の材質をコーティングした粒子の攪拌装置3。容器73のコーティングおよびスクレイパ75のコーティングが削られて発生する屑は、粉粒物7または蒸着材料11と同種の材質であるから不純物とはならない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池や排ガス触媒金属担持や空気清浄用触媒担持、ガスセンサ、磁性材料、誘電体材料に使用される。
【背景技術】
【0002】
燃料電池の電極部にはカーボンが使われており、そのカーボンには水素を電離するための触媒作用のある白金が担持されている。白金等を担持する場合、湿式法が用いられている。具体的には、白金酸化物の溶液中にカーボンの粉を入れて、その中で白金をカーボンの欠陥のある箇所に析出させて数nm〜数十nmの白金粒子を担持させる。この湿式法は簡便である反面、燃料電池に組み上げて稼動させた場合、凝集、均一性、反応劣化等の問題がある。
【0003】
そこで、乾式法による触媒金属の担持がなされ始めた。すなわちこれはスパッタや蒸着アーク方式により、担持材つまり白金そのものをカーボンの粉に蒸着して、カーボンの粉に白金の微粒子を担持するというものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
さらに、カーボン粒子の表面に粒状の合金粉末を担持させた後、熱処理して燃料電池用触媒を得るものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2006−140017号公報
【特許文献2】特開2006−222092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、乾式法により粉粒物の個々の粒子に触媒金属を担持するには、蒸着中に充分に粉粒物を攪拌する必要があるが、粉粒物を収納する容器と、該粉粒物を攪拌するスクレイパとが接触すると容器またはスクレイパの表面が削れて屑が発生する。容器またはスクレイパの材質によっては、この屑が不純物となる。そこで、従来は容器とスクレイパの間に僅かな隙間を開けていた。ところが粒子が1μm以下のナノメートル単位の大きさになると、容器とスクレイパの間の隙間に入り込み、どうしても攪拌されない粒子が発生するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、真空槽と、蒸着源を有する微粒子形成装置内に配置され、
粉粒物を収納する容器と、該粉粒物を攪拌するスクレイパと、前記容器に対して前記スクレイパを駆動させる駆動機構とから成る粉粒物の粒子の攪拌装置であって、
前記容器の少なくとも内壁に前記粉粒物と同種の材質をコーティングし、
前記スクレイパの少なくとも前記容器の内壁と接する部分に前記蒸着源で蒸発される蒸着材料と同種の材質または前記粉粒物と同種の材質をコーティングした粒子の攪拌装置によって解決される。
【0008】
具体的には、容器の少なくとも内壁に、担持対象物である粉粒物と同一材質または粉粒物を構成する主な元素(以降、「粉粒物と同種の材質」という)をコーティングし、他方、スクレイパの容器の内壁と接する部分に蒸着源で蒸発される蒸着材料と同一材質または蒸着材料を構成する主な元素(以降、「蒸着材料と同種の材質」という)または粉粒物と同種の材質をコーティングし、粉粒物を入れた容器の内面とスクレイパを擦動するように配置し、容器の内面とスクレイパの間に隙間が開かないようにする。これにより粉粒物の粒子が必ずスクレイパに衝突する。スクレイパに衝突した粒子は、スクレイパの上方に押し上げられる。これを繰り返すことにより粉粒物の粒子が上下入れ替わり均一に攪拌される。
【0009】
また、上記課題は、真空槽と、同軸型アーク蒸着源と、攪拌装置を有する蒸着装置であって、
前記攪拌装置は、粉粒物を収納する容器と、該粉粒物の粒子を攪拌するスクレイパと、前記容器に対し前記スクレイパを相対的に駆動させる駆動機構とから成り、
前記容器の少なくとも内壁に前記粉粒物と同種の材質がコーティングされているとともに、前記スクレイパの少なくとも前記容器の内壁と接する部分には前記蒸着源で蒸発される蒸着材料と同種の材質または前記粉粒物と同種の材質がコーティングされている蒸着装置によって解決される。
【0010】
具体的には、真空槽内に、蒸着装置と攪拌装置を配置した蒸着装置において、容器の少なくとも内壁に、担持対象物である粉粒物と同種の材質をコーティングし、他方、スクレイパの容器の内壁と接する部分に蒸着源で蒸発される蒸着材料と同種の材質または前記粉粒物と同種の材質をコーティングし、粉粒物を入れた容器の内面とスクレイパを擦動するように配置し、容器の内面とスクレイパの間に隙間が開かないように押し付ける機構を備える。容器の内面とスクレイパの間に隙間が開かないように押し付けた状態で、攪拌装置の駆動機構により容器に対しスクレイパを相対的に駆動させる。これにより粉粒物の粒子が必ずスクレイパに衝突する。スクレイパに衝突した粒子は、スクレイパの上方に押し上げられる。これを繰り返すことにより粉粒物の粒子が上下入れ替わり均一に攪拌される。粒子は、スクレイパの上方すなわち粉粒物の表面に現れたところで、蒸着装置により蒸発させた蒸着材料の蒸気に曝される。これにより粒子の表面に蒸着材料が蒸着される。粒子は上下入れ替わり均一に攪拌されているので、一定の時間の後には容器内の粒子が全て均一に蒸着される。
【発明の効果】
【0011】
この時発生する容器のコーティングおよびスクレイパのコーティングが削られて発生する屑は、粉粒物または蒸着材料と同種の材質であるから問題とならないというものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。
まず、比較のために従来の乾式法につき説明する。
図4に触媒担持用の同軸型真空アーク蒸着源105を用いた微粒子形成装置101の模式図を示す。
【0013】
真空槽102は、円筒状をしている。原料107を入れるための容器173と原料107をかき混ぜるためのスクレイパである固定羽根175を有する攪拌装置103は、真空槽102内に収納されている。
【0014】
同軸型真空アーク蒸着源105は、カソード電極に取付けられた白金で成る円柱状の蒸着材料111と、アルミナで成るハット状の絶縁碍子114(以下、ハット型碍子と呼ぶ)と、トリガ電極113とを有する。カソード電極に取付けられた蒸着材料111と、ハット型碍子114と、トリガ電極113は同心円状に密着させて取り付けられている。
【0015】
アノード電極123は、ステンレスで成り、円筒状をしている。また、このアノード電極123は、カソード電極に取付けられた蒸着材料111と同心円状に取付けられている。なお、同軸型真空アーク蒸着源105は、図示しない支柱と図示しない真空フランジを介して、真空槽102の壁面に取付けられている。
【0016】
また、図中に簡易的な配線図で電源装置106を示す。電源装置106は、トリガ電源131、アーク電源132、コンデンサユニット133を有する。
トリガ電源131は、パルストランスからなり、入力200VのμS単位のパルス電圧を約17倍に変圧して、3.4kV、数μS単位のプラス極性のトリガパルスを出力する。
アーク電源132は、100V数Aの容量の直流電源であり、コンデンサユニット133に充電している。充電時間は約1秒必要とするので放電周期は1Hzとなる。
コンデンサユニット133は、1つの容量が2200μファラッド、耐圧100Vのコンデンサを4つ並列に接続している。
トリガ電源131のプラス出力端子は、トリガ電極113に接続され、マイナス端子はアーク電源132のマイナス出力端子と同じ電位に接続され、さらにカソード電極に接続されている。コンデンサユニット133の両端子は、アーク電源132のプラスおよびマイナス端子間に接続されている。
【0017】
真空排気系109は、ターボ分子ポンプ151、仕切りバルブ152、ロータリポンプ153、調整バルブ154を有する。ターボ分子ポンプ151からロータリポンプ153までは、金属製の配管で接続されており、真空槽102内の真空排気を行っている。真空排気を行うことで、真空槽102内は、10-5Pa以下に保たれている。
【0018】
攪拌装置103は、真空槽102内に収納されている。攪拌容器173の下面の中心に回転機構172が接続されている。
図5は、従来の攪拌装置103の一部の斜視図である。攪拌容器173内に粉粒物107が収納されている。攪拌容器173を回転させる、下方に回転機構172は、図には表されていないが固定テーブル171の下方に配置されている。
攪拌容器173の材質はステンレスであり、内壁(内側側面及び底面)はバフ研磨されている。
また、図6に従来の攪拌容器の一部分の拡大断面図を示す。
固定羽根175はステンレスで製作されている。107aはカーボンの粒子である。
【0019】
同軸型真空アーク蒸着源105の動作を図4を参照して説明する。
アーク電源132により、100Vで電荷を充電しておく。ここで、コンデンサユニット133は、8800μFとする。トリガ電極113にトリガ電源131からの3.4kVのトリガパルスを印加し、カソード電極に取付けられた蒸着材料111とトリガ電極113の間に、ハット型碍子114を介して印加することで、ハット型碍子114表面で沿面放電が発生し、蒸着材料111とアノード電極123との間でコンデンサユニット133に蓄電された電荷が放電され、カソード電極に多量の電流が流入し、白金で成るカソード電極に取付けられた蒸着材料111が液相から気相、さらに白金のプラズマが形成される。
【0020】
この時、カソード電極に多量の電流(2000A〜5000A)が、200μS〜500μSの間に流れるので、カソード電極に取付けられた蒸着材料111に磁場が形成される。プラズマ中の電子が、カソード電極に取付けられた蒸着材料111の形成した磁場によるローレンツ力を受けて、同軸型真空アーク蒸着源105の前方へ飛行するようになる。
【0021】
プラズマ中の蒸着材料である白金イオンは、分極することでクーロン力により、同軸型真空アーク蒸着源105の前方へ飛行する電子に引き付けられるようにして同軸型真空アーク蒸着源105の前方へ飛行するようになる。
【0022】
一方、プラズマ中の蒸着材料である白金のイオンは、分極することでクーロン力により、同軸型真空アーク蒸着源105の前方へ飛行する。その結果、白金のイオンは、カーボンの粉107aを核にして成長し、ナノメートル単位の白金粒子が形成される。
【0023】
さらに詳しくは、攪拌容器173の中のカーボンの粉107に向かって白金イオンを照射する。ここで、攪拌容器173は回転機構172により回転しており、攪拌装置103の固定羽根175によって、容器173内のカーボンの粒子107aは攪拌される。カーボンの粒子107aは固定羽根175に衝突することにより、固定羽根175の上に現れて白金イオンに曝される。これを次々と継続することによって、攪拌容器173内の全てのカーボンの粒子に均一に白金の微粒子を形成するというものである。
【0024】
次に、図6の模式図により、課題である攪拌されない粒子の発生する様子を説明する。
回転運動をさせるため、攪拌容器173の内壁と固定羽根175の間に隙間gを設けると、カーボンの粒子の中には固定羽根175の下の間隙gに入り込んで攪拌されないものが生じる。これを防ぐために攪拌容器173の内壁と固定羽根175の下端を接触させると、攪拌容器173内壁または固定羽根173が削れて削り屑が生じる。削り屑の元となる攪拌容器173や固定羽根175の材質はステンレスであるから不純物となる。
【0025】
そこで、本発明においては、攪拌容器と固定羽根との間隙を無くす手段を設け、その一方で発生する削り屑の対策を施した。
【0026】
以下、本発明につき、図を参照して詳細に説明する。
図1〜図3に本発明の模式図を示す。
本発明の攪拌装置3を適用した微粒子形成装置1につき図を参照して説明する。なお、比較例と同じ部分については説明を省略する。
【0027】
図1に乾式による蒸着源の模式図を示す。触媒担持用の同軸真空アーク蒸着源を用いた微粒子形成装置1について図1に基いて説明する。
【0028】
真空槽2は、円筒状をしている。原料である粉粒物7を入れるための容器75と粉粒物7をかき混ぜるための固定羽根75を有する攪拌装置3は、真空槽2内に収納されている。
【0029】
図中の同軸型真空アーク蒸着源5、電源装置6、ガス供給系8、真空排気系9の構成および機能・性能は比較例と同じであるから説明は省略する。
【0030】
攪拌装置3は、真空槽2内に収納されている。
攪拌容器73の材質はステンレスであり、内壁にコーティング層73aとしてDLC(ダイアモンドライクカーボン)を1μmの厚さでコーティングしている。固定羽根75はステンレスで製作されている。固定羽根75の下端部すなわち攪拌容器73の内壁に接触する部分には、コーティング層75aとして白金を1μmあるいはDLCを1μmの厚さでコーティングしている。
なお、コーティングの方法はCVD、スパッタ、アークのいずれの方式でも良い。
【0031】
すなわち、本発明においては、図2に示すように、攪拌容器73の内壁には粉粒物7であるカーボンと同種の材質であるDLCをコーティングし、固定羽根75には照射される蒸着材料11である白金と同じ材質である白金あるいは粉粒物7と同種の材質であるDLCをコーティングし、さらに押さえバネ76によって固定羽根を押し付けることによって攪拌容器73の内壁と固定羽根75の間の隙間を無くした。
【0032】
これにより、固定羽根75を攪拌容器73の内壁に押しつけた状態で、攪拌容器73を回転させて粉粒物7を攪拌する。すなわち、図3に示すように、固定羽根75が攪拌容器73の内壁と接触しているので、ナノ粒子サイズの粒子7aも攪拌容器73底面と固定羽根との間隙が無いことから必ず固定羽根75に衝突して固定羽根75の上に押し上げられ、攪拌されることになるというものである。
【0033】
また、固定羽根75の下端部すなわち容器73の内壁に接触する部分にはコーティング層75aを1μmの厚さでコーティングしている。
【0034】
また、固定ステージ71にはブラケット74が取付けられており、容器73の下面の中心に回転機構72が接続されている。
【0035】
また、ブラケット74と固定羽根75の間には、押さえバネ76が取付けられている。
押さえバネ76により固定羽根75に負荷をかけて固定羽根75の下端部を容器73の内壁に接触させている。
【0036】
次に、攪拌容器73内での攪拌の様子を詳細に説明する。
図2は、攪拌容器73の一部を拡大した模式図である。固定羽根75はステンレスで製作されている。7aはカーボンの粉であり、攪拌容器73の中に収納されている。なお、説明を容易にするため固定羽根75のコーティング層75aは底面に接する部分のみ表している。
また、図3は、カーボンの粒子7aが押し上げられる様子を示す説明図である。
なお、説明を容易にするため固定羽根75のコーティング層75aは底面に接する部分のみ表している。
【0037】
まず、図2の模式図により、課題の解決手段の構成を説明する。
カーボンの粒子7aの中に固定羽根75の下に入り込んで攪拌されるものが無いように回転運動をさせるため、攪拌容器73の内壁と固定羽根75の間に隙間を設けない。本発明においては、攪拌容器73の内壁には、粉粒物7と同種の材質をコーティングし、固定羽根75には照射される蒸着材料と同種の材質または粉粒物7と同種の材質でコーティングし、攪拌容器73の内壁と固定羽根75の間の隙間を無くした。
【0038】
次に、図3を参照して、課題解決手段の動作を説明する。
具体的には押さえバネ74を用いて、固定羽根75を攪拌容器73の内壁に押しつけて粉粒物7を攪拌する。固定羽根75が攪拌容器の内壁に接触することで、ナノサイズの粒子7aも攪拌容器73の内壁と固定羽根75との間隙が無いことから必ず固定羽根75に衝突して図中の矢印で示すように固定羽根75の上に押しやられて攪拌されることになる。
【0039】
一方、固定羽根75が攪拌容器73の内壁に接触して攪拌容器73の内壁または固定羽根75の下端部を切削することになる。例えば、攪拌容器73の内壁にはDLCを、固定羽根75の下端部には白金をそれぞれコーティングしてある場合、DLCまたは白金の粉が発生するが、これらは粉粒物7と同種の材質または蒸着材料11と同種の材質であるため不純物とはならない。
【0040】
以上のように、本発明の真空中での粒子の攪拌方法または攪拌装置によれば、粒径が1μm以下のナノメートル単位の大きさになっても、十分均一に攪拌できる。その一方で、不純物は発生しない。
【0041】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0042】
実施例では、容器の内壁にDLCをコーティングし、固定羽根には白金をコーティングしたが、これに限らず、例えば、粉粒物としてアルミナの粉を使う場合は、容器の内壁にアルミナを蒸着してコーティングし、さらに固定羽根にアルミナを蒸着しても良い。
【0043】
また、粉粒物の表面にアルミナの層を形成する場合には、固定羽根にアルミナあるいはアルミをコーティングしてもよい。また、粉粒物としてチタニアの粉を使う場合には、容器の内壁にチタニアを蒸着し、さらに固定羽根にもチタニアを蒸着しても良い。
【0044】
また、実施例の駆動機構では、容器を動かしてスクレイパである羽根を固定させたが、羽根を動かして容器を固定しても良い。また、両方を動かしても良い。
【0045】
また、駆動機構の運動は、円または円弧である回転運動に限らず、直線や平行である並進運動でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の微粒子形成装置を説明する断面図である。
【図2】本発明の攪拌装置を説明する部分断面図である。 攪拌容器173の内壁と固定羽根175の下端のコーティング層を示す図である。
【図3】本発明の攪拌装置を説明する部分断面図である。 コーティング層の機能を説明する図である。カーボンの粒子7aが押し上げられる様子を矢印で示す。
【図4】比較例の微粒子形成装置を説明する断面図である。
【図5】比較例の攪拌装置の一部分の斜視図である。攪拌容器と固定羽根の関係を示す。
【図6】比較例の攪拌装置を説明する部分断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1・・・蒸着装置(微粒子形成装置)、2・・・真空槽、3・・・攪拌装置、5・・・同軸型真空アーク蒸着源、6・・・電源装置、7・・・粉粒物(原料、カーボンの粉)、7a・・・粒子、8・・・ガス供給系、9・・・真空排気系、11・・・蒸着材料、13・・・トリガ電極、14・・・絶縁碍子(ハット型碍子)、23・・・アノード電極、31・・・トリガ電源、32・・・アーク電源、33・・・コンデンサユニット、51・・・ターボ分子ポンプ、52・・・仕切バルブ、53・・・ロータリポンプ、54・・・調整バルブ、71・・・固定ステージ、72・・・回転機構、73・・・容器、73a・・・コーティング層、74・・・ブラケット、75・・・スクレイパ(固定羽根)、75a・・・コーティング層、76・・・押さえバネ、
101・・・蒸着装置(微粒子形成装置)、102・・・真空槽、103・・・攪拌装置、
105・・・同軸型真空アーク蒸着源、106・・・電源装置、107・・・粉粒物(原料、カーボンの粉)、107a・・・粒子、108・・・ガス供給系、109・・・真空排気系、
111・・・蒸着材料、113・・・トリガ電極、114・・・絶縁碍子(ハット型碍子)、123・・・アノード電極、131・・・トリガ電源、132・・・アーク電源、133・・・コンデンサユニット、151・・・ターボ分子ポンプ、152・・・仕切バルブ、153・・・ロータリポンプ、154・・・調整バルブ、171・・・固定ステージ、172・・・回転機構、173・・・攪拌容器、174・・・ブラケット、175・・・スクレイパ(固定羽根)、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空槽と、蒸着源を有する蒸着装置内に配置され、
粉粒物を収納する容器と、該粉粒物の粒子を攪拌するスクレイパと、前記容器に対し前記スクレイパを相対的に駆動させる駆動機構とから成る粒子の攪拌装置であって、
前記容器の少なくとも内壁に前記粉粒物と同種の材質をコーティングしたことを特徴とする粒子の攪拌装置。
【請求項2】
前記スクレイパの少なくとも前記容器の内壁と接する部分に前記蒸着源で蒸発される蒸着材料と同種の材質または前記粉粒物と同種の材質をコーティングしたことを特徴とする請求項1に記載の粒子の攪拌装置。
【請求項3】
前記粉粒物の材質が炭化物あるいは炭素であることを特徴とする請求項1に記載の粒子の攪拌装置。
【請求項4】
前記粉粒物の材質が酸化物セラミックであることを特徴とする請求項1に記載の粒子の攪拌装置。
【請求項5】
前記酸化セラミックがアルミナまたはチタニアであることを特徴とする請求項4に記載の粒子の攪拌装置。
【請求項6】
前記蒸着材料の材質が金属または金属酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の粒子の攪拌装置。
【請求項7】
前記金属が白金またはアルミであることを特徴とする請求項6に記載の粒子の攪拌装置。
【請求項8】
真空槽と、同軸型アーク蒸着源と、攪拌装置を有する蒸着装置であって、
前記攪拌装置は、粉粒物を収納する容器と、該粉粒物の粒子を攪拌するスクレイパと、前記容器に対し前記スクレイパを相対的に駆動させる駆動機構とから成り、
前記容器の少なくとも内壁に前記粉粒物と同種の材質がコーティングされているとともに、前記スクレイパの少なくとも前記容器の内壁と接する部分には前記蒸着源で蒸発される蒸着材料と同種の材質または前記粉粒物と同種の材質がコーティングされていることを特徴とする蒸着装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate