説明

粒子及びそれを製造する方法

【課題】狭い粒径分布を有する複数の粒子、それを形成する方法、及びそれを含むフィルムを提供する。
【解決手段】本発明の複数の粒子は、1以上の不連続のポリマーシェルを含み、少なくとも一つのポリマーシェルは、フリーラジカル法によって重合可能な2以上の二重結合を有する少なくとも一つのモノマーで架橋されており、更に、粒子は、ポリマーシェル中にカプセル化されているコア材料を含み、複数の粒子は、1.3〜1.0の多分散度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の粒子及びそれを製造する方法に関する。詳しくは、本発明は、架橋ポリマーシェル中にカプセル化されたコア材料を有する複数の粒子及びそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コア材料、例えば液体材料を特定のドメインに制限することがしばしば有用である。コア材料の制限によって、コア材料の流動性及び揮発性が制御され、それにより材料の取り扱い及び使用をより容易にすることができる。例えば、液晶ドメインは、概して、不連続のドメインに制限されると、フィルム調製のための均一な層に、遥かに容易に形成される。
【0003】
コア材料ドメインを含ませるためのかかる方法の一つは、ポリマー内にコア材料を分散させて、コア材料が部分的又は完全にポリマーによってカプセル化させるようにすることであった。このようにして形成される粒子は、次に、種々の目的のために用いることができる。例えば、かかる粒子を乾燥させて、コア材料を含む粉末又はフィルムを形成することができる。また、表面に分散液を塗布して水性フィルムを形成し、水及び全ての他の揮発性物質を除去することによって、粒子の水性分散液からフィルムを形成することができる。また、分散液中のポリマーを硬化させて、コア材料が硬化されたポリマー内に分散されている材料の層を形成することができる。
【0004】
多くの用途のためには、かかる粒子は、狭い粒径分布を有することが有利である。しかしながら、粒子を形成する従来の相分離法によっては、概して、形成された粒子の形状及び寸法において幅広い分布を有する粒子を与える。1996年9月19日出願の米国特許出願08/704,316においては、種粒子を好適な液体材料及び重合性のモノマーで膨潤して均一な寸法の粒子を形成することによって、ポリマーでカプセル化された液晶粒子が形成されている。モノマーを重合して、コア材料から相分離するポリマーを形成し、液晶をカプセル化するポリマーシェルが得られる。狭い粒径分布を有するかかる液晶粒子及びそれから製造されるフィルムは、改良された電気光学特性を有すると示されている。
【0005】
コア材料をポリマーでカプセル化して形成される粒子を用いることに関連する幾つかの問題点がある。かかる粒子は、用いる際に、特定の条件、例えば熱又は溶媒に曝露される可能性があり、これらは粒子に悪影響を与える可能性がある。概して、かかる粒子の安定性は、ポリマーシェルの熱、溶媒等に対する安定性、並びにコア材料の安定性及び揮発性の関数である。例えば、低いガラス転移温度(Tg)を有するポリマーを用いると、ポリマーに有益な特性を与えることができる。しかしながら、低いTgのポリマーは、その性質により、熱安定性がより低く、Tgを超える温度において歪み且つ最終的には形態的に劣化する。また、コア材料は、熱又は溶媒により分解又は揮発する可能性がある。
【0006】
コア材料を制限又は分散させるために用いるポリマーを架橋又は硬化させることが、粒子安定性の問題を解決するために用いられてきた。従来技術において開示された方法の大多数において、ポリマーシェルは、モノマーを重合した後に架橋するか、又は好適なポリマーもしくはプレポリマーを提供し、次に種々の手段によって硬化させている。特に、上記記載の米国特許出願08/704,316においては、粒子を形成した後に、その中に形成された狭い粒径分布の粒子を架橋することができることが教示されている。しかしながら、かかる架橋は、粒子の形成後に更なる工程を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願08/704,316号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ポリマーシェルを形成するための重合中に、その場で架橋することのできるモノマーを添加することは、問題があると考えられていた。具体的には、架橋性モノマーは、重合中にコア材料と相互作用して、不適当な相分離又は不完全なシェル形成を引き起こすと考えられていた。また、かかる相互作用により粒径分布が拡がる可能性がある。したがって、粒子の形成後に更なる架橋工程を行なわずに形成される、不連続のポリマーシェルを有する狭い径分布の架橋粒子を製造するための方法に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、低いTgのポリマーを用いる場合であっても、不連続のポリマーシェルを有し、狭い粒径分布及び熱及び溶媒に対する改良された安定性を有する架橋粒子を製造した。更に、これらの粒子を用いると、接着性バインダーを用いずにフィルムを形成することができる。理論に縛られることは望まないが、本発明方法を用いてポリマーシェルの重合中にその場で架橋させることにより、ポリマーシェルの形成後に得られる架橋よりもより効率的に架橋されたポリマーシェルが得られると考えられる。更に、架橋は、コア材料との望ましくない架橋相互作用からの影響なしに、且つ粒子形成後の別の工程の必要なしになされる。
【0010】
本発明の第1の態様においては、複数の粒子を形成する方法であって、以下の工程:
(A)水性相中にコア材料及び1以上のモノマーを含む第1のエマルション、ここで少なくとも一つのモノマーは2以上の二重結合を有するモノマーである、及び種粒子を含む第2のエマルションを与え;
(B)第1のエマルション及び第2のエマルションを合わせ;
(C)水性相中において、不連続のドメインを形成し、ここでドメインはコア材料及び1以上のモノマーを含み;
(D)1以上のモノマーを重合して、それぞれの粒子がコア材料をカプセル化する不連続の架橋ポリマーシェルを含む複数の粒子を形成する;
工程を含み、複数の粒子は1.3〜1.0の多分散度を有する方法が提供される。
【0011】
本発明の他の態様においては、複数の粒子を形成する方法であって、以下の工程:
(A)水性相中にコア材料を含む第1のエマルション及び種粒子を含む第2のエマルションを与え;
(B)第1のエマルション及び第2のエマルションを合わせ;
(C)水性相中において、コア材料を含む不連続のドメインを形成し;
(D)不連続のドメインに1以上のモノマーを加え、ここで少なくとも一つのモノマーは2以上の二重結合を有するモノマーであり;
(E)1以上のモノマーを重合して、それぞれの粒子がコア材料をカプセル化する不連続の架橋ポリマーシェルを含む複数の粒子を形成する;
工程を含み、複数の粒子は、1.3〜1.0の多分散度を有する方法が提供される。
【0012】
本発明の更に他の態様においては、それぞれの粒子が、
(A)1以上の不連続のポリマーシェル、ここで、少なくとも一つのポリマーシェルは、2以上の二重結合を有する少なくとも一つのモノマーによって架橋されている;
(B)ポリマーシェル中にカプセル化されたコア材料;
を含み、複数の粒子は1.3〜1.0の多分散度を有することを特徴とする、複数の粒子が提供される。
【0013】
本発明の更に他の態様においては、
(A)1以上の不連続のポリマーシェル、ここで少なくとも一つのポリマーシェルは、2以上の二重結合を有する少なくとも一つのモノマーによって架橋されている;
(B)ポリマーシェル中にカプセル化されているコア材料;
を含み、複数のポリマー粒子は1.3〜1.0の多分散度を有するポリマー粒子が提供される。
【0014】
本発明の更に他の態様においては、複数の粒子を形成する方法であって、以下の工程:
(A)(i)水性相中にコア材料を含む第1のエマルション;
(ii)種粒子を含む第2のエマルション;及び
(iii)1以上のモノマー、ここで少なくとも一つのモノマーは2以上の二重結合を有するモノマーである;
を与え;
(B)第1のエマルション、第2のエマルション、及び1以上のモノマーを合わせ;
(C)水性相中において、コア材料を含む不連続のドメインを形成し;
(D)1以上のモノマーを重合して、それぞれの粒子がコア材料をカプセル化する不連続の架橋ポリマーシェルを含む複数の粒子を形成する;
工程を含み、複数の粒子が1.3〜1.0の多分散度を有する方法が提供される。
【0015】
本発明の更なる態様においては、本発明の粒子から製造されるフィルム及び物品が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで用いる「(メタ)アクリル酸」という表現は、メタクリル酸及びアクリル酸を包含するものである。同様に、ここでは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどの表現が用いられる。
【0017】
「二重結合」という用語は、当該技術において公知であり、二つの結合が二つの原子の間に形成されている結合、例えばC=C、C=Oなどを意味するものと理解される。
【0018】
「不連続の」という用語は、分離して別個であることを意味すると理解される。
「ドメイン」という用語は、不連続の、すなわち分離して別個の領域又は範囲を意味すると理解される。
【0019】
ここで用いる「狭い径分布のドメイン」という用語は、実質的に単分散の径分布を有するドメインを意味する。同様に、「狭い径分布の粒子」という用語は、実質的に単分散の径分布を有する粒子を意味する。「単分散」という用語は、正確に1の多分散度(PD)を有するドメイン又は粒径の分布を意味する。
【0020】
「多分散度」という用語は、ドメイン径(又は粒径)分布の幅広さの指標として当該技術において公知である。ここで用いる多分散度は、重量平均径dw及び数平均径dnから次式によって算出される。
PD=(d)/(d);
=Σn/Σn
=Σn/Σn
式中、nは径dを有するドメイン(粒子)の数である。
【0021】
ここで用いる「シェル」という用語は、コア材料を完全にカプセル化し、概してコア材料と非混和性である不連続の水不溶性層を意味する。
「コア材料」という用語は、単一の材料及び2以上の材料の混合物を包含するものと理解される。同様に、「液晶物質」とは、単一の液晶、2以上の液晶の混合物、又は液晶と他の材料との混合物を包含するものと理解される。
【0022】
「スイッチ(switch)」という用語は、液晶含有フィルムにおけるような、実質的に不透明な状態から実質的に透明な状態への変化を意味するものと理解される。
「Nmax」という用語は、マルチプレキシング(multiplexing)の鉄則として知られる次式(P.M.Alt及びP.Pleshko,IEEETrans.Elec.Dev.ED−21,146(1974)参照)によって扱うことができ定義される電極の列の最大可能数を定義するものである。
max=[(s+1)/(s−1)]
ここで、s=Von/Voff;V=電圧
【0023】
ここで用いる「水溶性」という用語は、水中に完全に可溶性であることを意味し、「低い水溶性を有する」とは、25〜50℃において200ミリモル/リットル以下の水溶性を有することを意味し、「極めて低い水溶性を有する」とは、25〜50℃において50ミリモル/リットル以下の水溶性を有することを意味する。「非混和性」という用語は、実質的に混合又はブレンドすることができないことを意味すると理解される。
【0024】
「有機」という用語は、実質的に水素及び炭素原子から構成されることを意味すると理解されるが、酸素、硫黄、窒素、ハロゲン等のような他の原子を含んでいてもよい。「無機」という用語は、ここで有機として示されない全ての材料を示すことを意味するが、無機材料は非無機前駆体から誘導されてもよいと考えられる。
【0025】
本明細書の全体を通して、パーセントは重量によるものであり、全ての温度は摂氏温度であり、全ての圧力は大気圧である。また、ここで示される範囲及び比の限定領域は結合させることができると理解すべきである。例えば、1〜20及び5〜15という範囲が特定のパラメータに関して開示されている場合には、1〜15及び5〜20という範囲も意図されていると理解すべきである。
【0026】
本発明の複数の粒子の製造方法の工程(A)においては、水性相中にコア材料及び1以上のモノマーを含み、少なくとも一つのモノマーが2以上の二重結合を有するモノマーである第1のエマルションが与えられる。
【0027】
コア材料は、ポリマーシェル中に非混和性の任意の材料、例えば液体、気体、及び固体材料並びにこれらから形成される誘導体材料であってよい。一態様においては、コア材料は気体材料である。気体材料の例としては、空気、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、アルゴン又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい態様においては、コア材料は液体材料である。液体材料は、概して、水性相中において液体ドメインを形成することのできる程度の水溶性を有する任意の液体又は液体誘導材料であってよい。一態様においては、液体材料は、低い水溶性を有する。好ましい態様においては、用いる液体は、極めて低い水溶性、より好ましくは25〜50℃において10ミリモル/リットル又はそれ以下の水溶性を有する。
【0028】
液体材料は、試薬、アジュバント又は他の化学的又は生物学的に活性な種であってよい。液体材料は、また、室温において通常固体である材料の溶液であってもよい。液体は、液体材料の混合物、懸濁液又はエマルション、或いは単一の液体材料であってよい。同様に、液体は、均一なものであっても不均一なものであってもよい。本発明にしたがってこの方法で用いられる液体は、純粋な液体、混合物、又は有機溶媒中の固体又は液体種の溶液であってよい。
【0029】
本発明において有用な液体材料の例としては、液晶、インク、トナー、染料、調味料、芳香剤、殺生物剤、例えば農薬、除草剤、殺カビ剤、殺虫剤及び殺菌剤、海洋防汚剤、薬学的化合物又は組成物などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
一態様においては、液体は、有機液体であってよい。他の態様においては、有機液体を、例えばフィルム形成中に、蒸発又は溶媒抽出によって除去して、粒子内のボイド又は空気或いは他の気体材料、又は固体材料を除去することができる。また、粒子内に含まれる材料は、無機又は部分的に無機の性質のものであってもよく、また、無機種の前駆体からなるものであってもよい。例えば、適当に官能化された有機種を、粒子内において、化学的に又は他の方法で無機塩又は錯体に転化させることができる。かかる適当に官能化された有機種は、それ自体で、1以上の更なる液体又は固体種との混合物又は溶液の一部であってもよい。有機配位子と金属との錯体を種中に含ませることもできる。
【0031】
より好ましい態様においては、コア材料は液晶物質である。液晶分子は、概して、棒状又は円盤状の形状であり、結晶固体とアモルファス液体との間の中間の物理特性を有する。分子は、概して、置換されたビフェニル又はトリフェニルであり、フェニル基の1つははスペーサー基によって他のものから分離されていてよい。液晶物質の例としては、次式:
A−(Ph)−X−Ph−B
(式中、mは1〜5の整数であり;A及びBは、独立して、C〜Cアルキル基、ハロゲン、シアノ基、ハロアルキル、ビニレン、アセチレン、アゾ及びアゾキシ基、C2n+1O(式中、nは1〜8の整数である)の式を有するアルコキシ基、及びC2n+1COO(式中、nは1〜8の整数である)の式を有するエステル基から選択される)を有する化合物が挙げられる。Xは、C〜Cアルキレンエステル、C2nアルキル(式中、nは1〜8の整数である)、ビニレン、アセチレン、アゾ及びアゾキシ基、及びアゾメチン結合から選択されるスペーサー基である。
【0032】
他の例としては、式:A−Ph−Ph−B(式中、A及びBは、独立して、シアノ基、ハロゲン、C2n+1O(式中、nは1〜8の整数である)の式を有するアルコキシ基、及びC2n+1COO(式中、nは1〜8の整数である)の式を有するエステル基から選択される)を有するビフェニル化合物が挙げられる。
【0033】
トリフェニル液晶物質は、例えば、ハロゲン、シアノ、ハロアルキル及びアルキル置換基を有していてよい。トリフェニル液晶物質の他の例は、4−シアノ−4’−(4−[n−ペンチル]フェニル)ビフェニルである。ビフェニル及びトリフェニル液晶物質は、当該技術において周知であり、商業的に入手することができる。
【0034】
概して、任意の公知の液晶を液晶物質として用いることができる。本発明において有用な商業的に入手することができる液晶物質としては、E.MerckCo.(ドイツ)からのE7、E9及びTL−205が挙げられるが、これらに限定されない。本発明において有用な他の液晶物質は、米国特許第4,308,164号、及びChandrasekhar,S.,Liquid Crystals,2nd Edn.;Cambridge University Press:Cambridge,1992に列記されている。好ましい態様においては、用いる液晶物質は、ネマチック液晶として作用する液晶である。他の態様においては、2以上の液晶物質の混合物を本発明方法において用いる。
【0035】
液晶物質のエマルションは、全エマルションの1〜85重量%、好ましくは25〜75重量%、より好ましくは50〜70重量%の液晶物質を含むことができる。
【0036】
液晶物質は、液晶及び更なる材料を含んでいてよい。一態様においては、更なる材料は染料である。かかる染料は、例えば、染料を液晶中に溶解して、染料が液晶とともに移動するようにすることによって加えることができる。また、染料は、別々に加えることもでき、或いはモノマー又は溶媒中に溶解することもできる。染料の例としては、例えば、オイルブルーN、スーダンブラックB、スーダン3、スーダン2、インドフェノールブルー、D−37(E.Merck)、D−43、D−85のような多色性染料;及び例えば水溶性染料、食品着色用染料、及び衣料又は布帛用染料のような非多色性染料が挙げられる。非多色性染料の具体的な例としては、FD&C染料及び米国特許第4,662,720号に列記されている他の染料が挙げられる。典型的には、染料は、液晶物質の0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜8重量%、より好ましくは0.5〜6重量%のレベルで含まれる。
【0037】
コア材料に加えて、第1のエマルション内には1以上のモノマーが存在してもよい。第1のエマルション内に存在するモノマーの全量は、モノマー及びコア材料の全重量を基準として5〜95重量%、好ましくは10〜50重量%、最も好ましくは15〜35重量%の範囲であってよい。この範囲内のモノマーの全量は、架橋性モノマーとして用いられるモノマーを含む。モノマーの量は、モノマーの重合効率、即ち転化率に応じて調節することができる。
【0038】
第1のエマルションにおいて有用なモノマーは、概して、架橋ポリマーシェル中に重合することのできるモノマーである。更に、更なるポリマーシェルを、架橋することのできるモノマーの必要なしに、形成することができる。好ましい態様においては、モノマーは、エチレン性不飽和モノマーである。工程(A)において有用なモノマーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン及びビニルアントラセンのような芳香族ビニルモノマー;ビニルアセテート、ビニルアルコール、ビニルハライド、ビニリデンハライド、アクリロイル及びメタクリロイル官能性シラン及びシロキサン、ビニルシラン及びシロキサン、ハロゲン化芳香族モノマー、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸のC〜C20アルキルエステル、アクリル酸のハロゲン化C〜C20アルキルエステル、メタクリル酸のC〜C20アルキルエステル、メタクリル酸のハロゲン化C〜C20アルキルエステル、アクリル酸のC〜C20アルキルアミド、アクリル酸及びメタクリル酸のC〜C20ハロアルキルアミド、及びメタクリル酸のC〜C20アルキルアミドのような非芳香族ビニルモノマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
ハロゲン化芳香族モノマーは、環に直接結合するか、又は例えばトリフルオロメチル基のように環に結合するアルキル基上に存在するハロゲン置換基を有する芳香族環を有する。ハロゲン化芳香族モノマーの例としては、ペンタフルオロフェニルアクリレート及びペンタフルオロフェニルメタクリレートが挙げられる。更なる有用なモノマーは、UV照射のような適当な条件にかけると架橋可能な官能基を有するものである。かかるモノマーとしては、ヒドロキシメタクリロキシプロピル−2−ベンゾイルベンゾエートが挙げられるが、これらに限定されない。任意の上記記載のモノマーの混合物から調製されるもののようなコポリマーも、本発明のポリマーシェルを形成する際に用いることができる。
一態様においては、少なくとも一つのモノマーはスチレンである。他の態様においては、少なくとも一つのモノマーは、(メタ)アクリレートモノマーである。特に有用な(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。
【0040】
一態様においては、イオン性基に変換することのできる1以上の官能基を有するモノマーを、少なくとも一つのモノマーに含ませることができる。他の態様においては、イオン性基を有しないモノマーを用いることができる。
【0041】
イオン性基に変換することのできる官能基を有するモノマーとしては、加水分解可能なエステル及び無水物、カルボン酸基を有するモノマー、及びアミン基を有するモノマーが挙げられる。カルボン酸基を有するモノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、(メタ)アクリロキシプロピオン酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、モノメチルマレエート、モノメチルフマレート、モノメチルイタコン酸、及びメタクリル酸及びアクリル酸の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。約10,000分子量未満の分子量を有するカルボン酸含有低分子量オリゴマーを用いることは本発明の範囲内に含まれる。アミン基を有するモノマーの例としては、2−アミノエチルメタクリレート、N−メタクリロキシピペリジン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピリジン、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−(tert−ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート及び2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミドが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい態様においては、メタクリル酸及びメタクリル酸とアクリル酸との混合物のような、少なくとも3のpKaを有する酸性基を有するモノマーを用いる。より好ましくは、メタクリル酸を用いる。
【0042】
典型的には、用いる場合には、イオン性基に変換することのできるモノマーの使用量は、所望の転化量に依存する。一態様においては、イオン性基に変換することのできるモノマーを用い、存在する全モノマーに対するイオン性基に変換されるモノマーの量は、好ましくは、全モノマーの約10重量%以下、より好ましくは約1〜7重量%、最も好ましくは2〜5重量%である。しかしながら、転化量は利用される変換できる官能基の100%未満である場合があるので、変換できる官能基を有するモノマーの量は10%に制限されない。したがって、イオン性基に変換することのできるモノマーは、存在する全モノマーの少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%であってよい。
【0043】
上記に示したように、イオン性基に変換することのできる官能基を有しないモノマーも、存在する全モノマー中に含ませることができる。かかるモノマーとしては、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート及びヒドロキシプロピルアクリレートのようなヒドロキシ及びジヒドロキシアルキルアクリレート及びメタクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。かかるモノマーを用いる場合には、これらは、全てのモノマーの全重量を基準として、少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%で存在する。
【0044】
紫外線(UV)照射に対する安定性を与える官能基を有するモノマーもまた有用である。重合性ヒンダードアミンが特に有用である。UV安定化モノマーの他の例は4−メタクリロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノンである。
【0045】
第1のエマルションは、また、架橋性モノマーである少なくとも一つのモノマーを含む。一態様においては、架橋性モノマーは、2以上の重合性基を有するモノマーである。好ましい態様においては、架橋性モノマーは、フリーラジカル重合することのできる2以上の二重結合を有する任意のモノマーである。より好ましい態様においては、架橋性モノマーは、多エチレン性不飽和モノマーである。好適な例としては、ジ−、トリ−、テトラ−及びマルチアクリレート、メタクリレート、アリル化合物、メタリル化合物、及びこれらの組み合わせ;ジ−、トリ−、テトラ−及びマルチビニルアルキル;ジ−、トリ−、テトラ−及びマルチビニル芳香族化合物;重合性基がアクリル、メタクリル及びアリル基の幾つかの組み合わせであるジ−、トリ−、テトラ−及びマルチ官能性モノマー;アクリロキシプロピオン酸及びメタクリロキシプロピオン酸のジ−、トリ−、テトラ−及びマルチアルコールエステル;ジペンタエリトリトールエーテルのアクリレートエステル;ジペンタエリトリトールエーテルのメタクリレートエステル;ジ−、トリ−、テトラ−及びマルチアクリロキシプロピオン酸エステル(AOPAエステル);の少なくとも一つが挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
架橋性モノマーの具体的な例としては、1,3−ブタンジオールジアクリレート;1,4−ブタンジオールジアクリレート;1,4−ブタンジオールジメタクリレート;1,4−フェニレンジアクリレート;1,4−フェニレンジメタクリレート;1,6−ヘキサンジオールジアクリレート;2,2−ジメチルプロパンジオールジアクリレート;2,2−ジメチルプロパンジオールジメタクリレート;1,1,1−トリメチロールプロパントリアクリレート;1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート;1,12−ドデカンジオールジメタクリレート;1,2,3−トリメチロールプロパントリアクリレート;1,2,3−トリメチロールプロパントリメタクリレート;ネオペンチルグリコールモノジシクロペンテニルエーテルのアクリレートエステル;アリルアクリロキシプロピオネート;3−シクトヘキセニルメチレンオキシエチルアクリレート;3−シクロヘキセニルメチレンオキシエチルメタクリレート;ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート;及びジシクロペンタジエニルオキシエチルメタクリレート;が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
特に有用な架橋性モノマーとしては、アリルメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート及び1,1,1−トリメチロールプロパントリアクリレートが挙げられる。架橋性モノマーは、任意の濃度、即ち全モノマーの0.001重量%〜100重量%で存在することができる。架橋性モノマーの量は、具体的なポリマーシェルにおいて所望される架橋量に伴って変動し、勿論粒子の所期の用途に少なくとも部分的に依存することが、当業者に認識されるであろう。
【0048】
1以上のモノマーは、第1のエマルション、第2のエマルション、第1及び第2のエマルションを合わせたものの中に含ませることができ、或いは水性相中の不連続のドメインに加えることができる。即ち、これらは、重合の前の任意の時点で加えることができる。
【0049】
移動剤もまた、本発明方法において用いることができる。移動剤は、工程(C)、即ち不連続のドメインを形成する工程の前に加えられる。即ち、移動剤は、第1エマルション、第2のエマルション、第1のエマルション及び第2のエマルションの両方中に含ませることができ、或いは不連続のドメインの形成前に第1のエマルション及び第2のエマルションの混合物に加えることができる。移動剤は、コア材料が、コア材料及びモノマーを含む不連続のドメインを形成する際に種粒子を膨潤することを補助する。移動剤は、また、共溶媒とみなされ、溶媒及びモノマーから選択される1以上の材料であってよい。共溶媒は、1以上の溶媒及び1以上のモノマーを含む混合物であってよい。共溶媒の混合物を用いることができる。
【0050】
本発明方法における移動剤として有用な溶媒の例としては、エチルアセテートのようなC〜C12アルキルエステル;塩化メチレンのようなハロゲン化C〜C12アルカン;エチルエーテルのようなC〜C12アルキルエーテル;2,5−ジメチルテトラヒドロフラン及び2,2,5,5−テトラメチルテトラヒドロフランのような環式アルキルエーテル;2−ヘキサノン及びメチルエチルケトンのようなC〜C12ケトン;1−ペンタノールのようなC〜C12アルコール;加圧液状二酸化炭素及び臨界下又は超臨界二酸化炭素液が挙げられるが、これらに限定されない。一態様においては、移動剤は、溶媒、好ましくはエチルアセテートである。
【0051】
本発明方法における移動材料として有用なモノマーの例としては、C〜C20(メタ)アクリレート;ハロゲン化C〜C20(メタ)アクリレート;アリール(メタ)アクリレート;ハロゲン化アリール(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;ヒドロキシプロピルメタクリレート;ヒドロキシプロピルアクリレート;ビニルエーテル;ビニルハライド;及びビニリデンハライド;が挙げられるが、これらに限定されない。一態様においては、移動剤がモノマー、好ましくはメチルメタクリレートである。
【0052】
また、移動材料は、疎水性キャビティを有する巨大分子有機化合物であってよい。かかる化合物は、通常は円筒形又はほぼ円筒形で、通常親水性の外部及び疎水性の内部を有するポリマー分子である。かかる化合物を用いて、疎水性物質を水性雰囲気中に移動させることができる。
【0053】
本発明方法において有用な疎水性キャビティを有する巨大分子有機化合物としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンのようなシクロデキストリン及びその誘導体;TakaiらのJournal of Organic Chemistry,59(11),2967−2975(1994)によって記載されているシクロイヌロヘキソース、シクロイヌロヘプトース及びシクロイヌロオクトースのような疎水性キャビティを有する環式オリゴ糖類;米国特許第4,699,966号において記載されているカリキサレン;及びイタリア国特許出願22522A/89及びMoranらのJournal of the American Chemical Society,184,5826−28(1982)に記載されているキャビタンド;が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
用いる場合には、本発明方法において有用なシクロデキストリン及びその誘導体の選択は、水性媒体中におけるシクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体の溶解性、及び移動剤とコア材料との会合によって形成される種の可溶性によって決定される。一態様においては、移動剤は、巨大分子有機化合物、好ましくはα−シクロデキストリン、より好ましくはD−グルコースあたり平均で1.8個のメチル基を有するメチル化β−シクロデキストリンである。
【0055】
用いられる移動剤の量は、部分的に、移動剤の組成によって決定される。移動剤がシクロデキストリンである場合には、シクロデキストリンとコア材料との重量比は、1:1000〜10:100、好ましくは1:100〜5:100の範囲、より好ましくは2:100であってよい。下限は、所望の移動速度のような事項によって決定される。上限は、水性系の必要な安定性によって決定される。移動剤が溶媒又はモノマーである場合には、移動剤とコア材料との比は、より重要でなく、所望の粒子のモルホロジーに依存する。例えば、溶媒を用いる場合には、溶媒とコア材料との比は、10:1又はこれ以上であってよい。モノマーは、移動剤として用いることができる。用いるモノマーの量は、シェルの所望の厚さ及び更なるモノマーをシェルの形成において用いるか否かによって決定される。
【0056】
一態様においては、少なくとも一つの移動剤を、ドメインが形成された後に、水性相中の不連続のドメインから除去する。移動剤は、当該技術において公知の手段によって除去される。例えば、移動剤を加熱及び蒸発させることによる。好ましい態様においては、モノマーを不連続のドメインの形成後に加える場合には、少なくとも一つの移動剤を、モノマーを加える前に除去する。
【0057】
第1のエマルションは、また、界面活性剤を含むことができる。通常の界面活性剤は、当業者に周知であり、例えば、Porter,M.R.のHandbook of Surfactants,Chapman and Hall,New York,1991においてみることができる。本発明のために有用な界面活性剤の例としては、例えばナトリウムラウリルスルフェート、ジオクチルスルホスクシネート、ナトリウムポリオキシエチレンラウリルエーテルスルフェート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネートのようなイオン性界面活性剤;例えばグリセロール脂肪族エステル、ポリオキシエチレン脂肪族エステル、ポリオキシエチレンアルコールエーテルのような非イオン性界面活性剤;及びステアリン酸モノグリセリド;が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい態様においては、界面活性剤は、ナトリウムジオクチルスルホスクシネートのようなジオクチルスルホスクシネートである。
【0058】
界面活性剤は、概して、用いる界面活性剤のタイプに応じて、モノマー及び液晶の全重量を基準として0.1〜25重量%、又は15重量%、或いは5重量%の量で存在する。
【0059】
第1のエマルションは、更に、製造されるポリマーの寸法、即ち分子量を調節するための連鎖移動剤を含んでいてもよい。連鎖移動剤としては、t−ドデシルメルカプタン及びヘキサンチオールのようなメルカプタン及びポリメルカプタン;イソプロパノール、イソブタノール、ラウリルアルコール及びt−オクチルアルコールのようなアルコール;及び四塩化炭素、テトラクロロエチレン及びトリクロロブロモエタンのようなポリハロゲン化合物;が挙げられるが、これらに限定されない。用いる連鎖移動剤の量は、エマルションの約5重量%〜約20重量%であってよいが、所望の分子量に依存して20重量%を超える量が必要な場合がある。好ましい連鎖移動剤はヘキサンチオールである。
【0060】
第1のエマルションは、また、重合開始剤を含むことができる。水溶性及び水不溶性(油溶性)開始剤を用いることができる。好ましい態様においては、水不溶性開始剤を用い、より好ましくはt−ブチルペルオクトエートを用いる。
【0061】
水不溶性開始剤の例としては、ジイソブチリルペルオキシド、アセチルシクロヘキシルスルホニルペルオキシド、ジベンジルペルオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ(sec−ブチル)ペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、イソノナノイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、プロピオニルペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、アセチルペルオキシド、スクシン酸ペルオキシド、t−ブチルペルオクトエート、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ブチルペルオキシマレイン酸、1−ヒドロキシ−1−ヒドロペルオキシジシクロヘキシルペルオキシド、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシクロトネート、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルアセテート、メチルエチルケトンペルオキシド、ジ−t−ブチルジペルオキシフタレート、t−ブチルペルベンゾエート、ジクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシジイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,4−ペンタンジオンペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、t−アミルペルオキシド、t−アミルペルオキシアセテート、t−アミルペルオキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシネオヘプタノエート、t−アミルペルオキシピバレート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシベンゾエート、t−アミルペルオキシアセテート、1,1−ジ(t−アミルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(t−アミルペルオキシ)プロパン、エチル−3,3−ジ(t−アミルペルオキシ)ブチレート、及びO,O−t−アミル−O−(2−エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
用いることのできる水溶性重合開始剤の例としては、アンモニウム又はカリウムペルスルフェートのようなフリーラジカルタイプの重合開始剤が挙げられ、これらは単独で又はカリウムメタビスルファイト、ナトリウムチオスルフェート又はナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートのような還元剤成分も含むレドックス系の酸化性成分として用いることができる。還元剤成分は、しばしば促進剤として言及される。開始剤及び促進剤は、通常、触媒、触媒系、又はレドックス系として言及され、共重合すべきモノマーの重量を基準として約0.01未満乃至3%の割合で用いることができる。レドックス触媒系の例としては、t−ブチルヒドロペルオキシド/ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート/Fe(II)及びアンモニウムペルスルフェート/ナトリウムビスルファイト/ナトリウムヒドロスルファイト/Fe(II)が挙げられる。水溶性開始剤を用いる場合には、Maroxol(ニトロソフェノール)のような水性相フリーラジカル開始剤を更に含ませて、2次粒子の生成を減少又は排除することが必要な場合がある。
【0063】
第1のエマルションは、概して、所望の成分を水中で合わせ、混合物を高い機械的剪断力にかけることによって調製される。用いる水は、かかる反応において用いるのに好適な任意の水であってよく、脱イオン水が好ましい。剪断力は、機械的分散機、高速インペラー、又は混合物に剪断力を機械的に施すための当該技術において公知の他の手段を用いることによって、機械的に施すことができる。また、エマルションは、当該技術において公知の手段によって、超音波を用いて得ることができる。
【0064】
上記に記載のように、他の態様においては、1以上のモノマーを、別々に乳化し、次に、水性相中に形成されたコア材料の不連続のドメインに加えるか、或いは第1のエマルション、第2のエマルション又は第1のエマルションと第2のエマルションとの組み合わせに加えることができる。不連続のドメインに加える場合には、架橋性モノマーを、コア材料の不連続のドメイン中に含ませる。
【0065】
また、工程(A)においては、種粒子を含む第2のエマルションが与えられる。第2のエマルションは、概してポリマーラテックスである。第2のエマルションは、乳化重合を用いて水性エマルションとして調製される。乳化重合法は当業者に公知である。例えば、乳化重合法は、米国特許第3,037,952号及び2,790,736号、並びにEmulsion Polymerization Theory and Practice,D.C.Blackley,Applied Science Publishers Ltd.,London(1975)において論議されている。種形成は、当該技術において公知であり、例えば、Wuらの米国特許第5,237,004号において示されている。種は、直接(Wuの実施例1)か、或いは種粒子のための種を調製し(Wuの実施例5)、次に種を調製する(Wuの実施例6)ことによって形成することができる。
【0066】
種粒子の径分布は、概して、狭い粒径分布を有することを特徴とする。一態様においては、種粒子は、1.3〜1.0、又は1.2〜1.0、又は1.1〜1.0のPDを有する。好ましい態様においては、種粒子は、1.05〜1.0、より好ましくは1.01〜1.0、最も好ましくは1.005〜1.0のPDを有する。種粒子は、1.002程度の低いPDを有するものが製造されており、より低いPDを有する種粒子も製造することができると考えられる。用いられる種粒子のPDは、種を用いて製造される粒子のPDに影響を与える点で重要である。本発明方法によって形成される粒子のPDは、それを形成する際に用いられる種粒子のPDによって限定される。即ち、製造される粒子のPDは、用いられる種のPDよりも低くはなり得ない。したがって、種のPDは、粒子のPDの下限として作用し、種粒子に関する望ましい径は、目標の粒子径によって決定される。
【0067】
概して、50ナノメートル〜1ミクロン、好ましくは150ナノメートル〜750ナノメートルの範囲、より好ましくは500ナノメートルの直径を有する種粒子を含む第2のエマルションを与えることが望ましい。約5ミクロン以下のより大きな種直径は、乳化により得られた種をモノマーで膨潤して重合する非乳化法によって達成することができる。有用な径範囲の種粒子は、用いる界面活性剤のタイプに応じて、モノマー及びコア材料の全重量を基準として、約0.1〜約5重量%の界面活性剤濃度で調製することができる。非イオン性界面活性剤を用いる場合には、約10重量%以下の界面活性剤を用いることが好ましい場合がある。
【0068】
概して、種粒子を形成するのに用いられるモノマーは、上記記載のものである。好ましくは、種粒子を調製するのに用いられるモノマーは、エチレン性不飽和モノマーである。かかるモノマーの例は上記に示すものである。
【0069】
種エマルション中の種粒子の量は、混合物中において最終的に所望される種粒子の濃度によって決定され、種粒子50重量%以下の範囲であってよく、理論的な下限を有しない。
【0070】
他の態様においては、1以上のモノマー、少なくとも一つの移動剤、或いはこの両方を、第1のエマルション中に存在させることに加えて、又はその代わりに、第2のエマルション中に含ませる。モノマー及び移動剤は上記記載のものである。
【0071】
工程(B)において、第1のエマルションを第2のエマルションと合わせる。添加の順番は重要ではない。コア材料の第1のエマルションと種粒子の第2のエマルションとを合わせることによって、概して、最終エマルションにおけるコア材料の重量%が有意に変化することはない。
【0072】
コア材料と種粒子との重量比は、好ましくは1500:1〜1:1、より好ましくは1000:1〜5:1、最も好ましくは100:1〜10:1の範囲である。
【0073】
他の態様においては、1以上のモノマー、少なくとも一つの移動剤、又はこの両方を、第1のエマルション及び第2のエマルションの組み合わせに加えることができる。モノマー及び移動剤は上記記載のものである。
【0074】
工程(B)において第1のエマルションと第2のエマルションとを合わせた後、工程(C)において、水性相中でコア材料の不連続のドメインを形成する。合わせたエマルションを、二つのエマルションの完全に混合するのに十分な速度で機械的に撹拌する。しかしながら、撹拌は、剪断力が粒子の凝集又は粒子の崩壊を引き起こす程厳しくはしない。撹拌の間、種粒子は、コア材料及びモノマー、並びに第1のエマルション中に含まれていることのできる他の材料によって膨潤され、それによって水性相中で、コア材料、モノマー、及び用いる場合には他の材料を含む不連続のドメインが形成される。このようにして形成された不連続のドメインは、狭い粒径分布を有する。一態様においては、不連続のドメインは、1.3〜1.0、又は1.2〜1.0、又は1.1〜1.0のPDを有する。好ましい態様においては、不連続のドメインは、1.05〜1.0、より好ましくは1.01〜1.0、最も好ましくは1.005〜1.0のPDを有する。
【0075】
形成されたら、不連続のドメイン内に含まれるモノマーを重合して、所望の粒子を形成する。
【0076】
モノマーは、当該技術において公知の方法によって重合する。したがって、モノマーは、水性懸濁、乳化又は分散重合によって重合することができる。好ましくは、モノマーは、水性懸濁重合によって重合する。重合は、バッチ反応、連続反応又は半連続反応として行うことができる。好ましくは、重合はバッチ反応として行なう。好ましくは、重合はフリーラジカル重合である。しかしながら、本発明はフリーラジカル重合に限定されるものではなく、他の形態の重合、例えば重縮合重合(但し、これに限定されない)を用いることもできる。例えば、米国特許第3,577,515号を参照。
【0077】
重合によって、ポリマーの不連続の相が、1以上のポリマーシェルとして形成される。モノマーを重合すると、形成される架橋ポリマーがコア材料から相分離して、コア材料を取り囲む1以上のポリマーシェルを形成する。
【0078】
重合は、概して、60℃〜120℃、好ましくは70℃〜110℃、より好ましくは80℃〜100℃の範囲で行なう。
【0079】
1以上のシェルの形成は、1以上の段階の逐次重合によって達成することができる。それぞれの段階でのポリマーの親水性は、中和後に同等でないことが好ましい。親水性は、水性相に対するポリマーの親和性を示す。十分に異なる親水性を有するポリマーは、中和すると、不連続の隣接するシェル又は組成の勾配を示す相互浸透シェル(interpenetrating shell)を形成する。ポリマー段階の中和は好ましい態様であり、必須なものではない。親水性の違いは、それぞれの段階において異なるモノマーを用いるか、或いは同一のモノマーを異なる比で用いることによって、達成することができる。
【0080】
1以上のシェルの形成は、また、十分に異なる反応性を有して、互いに反応しにくく、ランダムコポリマーを形成するモノマーを同時に重合することによっても達成することができる。
【0081】
本発明の複数の粒子は、コア材料をカプセル化する1以上の不連続のポリマーシェルを含み、少なくとも一つのシェルは上記記載のように架橋され、コア材料を取り囲んでいる。ポリマーシェル及びコア材料の組成は上記の通りである。
【0082】
概して、本発明の粒子は、0.15μm〜15μm、好ましくは0.5μm〜5μm、より好ましくは1μm〜3μmの粒径を有する。
【0083】
本発明の複数の粒子の粒径分布は、狭い粒径分布であることを特徴とする。一態様においては、粒子は、1.3〜1.0、又は1.2〜1.0、又は1.1〜1.0の多分散度を有する。好ましい態様においては、粒子は、1.05〜1.0、より好ましくは1.01〜1.0、最も好ましくは1.005〜1.0のPDを有する。本発明方法によって形成される粒子の粒径分布は、それを形成する際に用いられる種粒子の粒径分布によって影響を受ける。最適の条件下においては、粒子は、1.005未満の多分散度を有して得られる。しかしながら、上記に説明したように、粒子のPDは、それを形成するのに用いられる種粒子のPDを下回ることはない。
【0084】
粒子は、架橋性モノマーの不存在下では低いTgのポリマーを製造することのできるモノマーを用いてポリマーシェルを形成する場合であっても、高温安定性を有する。概して、粒子の熱安定性は、ポリマーシェル又はコア材料の分解温度よりも低く、コア材料の実質的な気化が起こる温度であるコア材料の沸点に依存する。実際、沸点を超える多くの条件下において、コア材料は気化し、シエルはその構造を保持して、中空のシエルが形成される。
【0085】
したがって、粒子のモルホロジー変化が起こる温度は、従来の粒子におけるものよりも高い。改良の程度は、用いられる架橋性モノマーの量に依存すると理解される。例えば、10%の架橋性モノマーが存在する場合には、少なくとも150℃以下においてはモルホロジーには全く又は殆ど影響がなく、100%の架橋性モノマーが存在する場合には、ポリマーシェル又はコア材料の分解温度よりも低い温度まではモルホロジーには全く影響がない。
【0086】
本発明の粒子は、また、用いられる架橋性モノマーの量に依存する他の特性を示す。例えば、
(1)粒子から抽出される可能性のある可溶性のポリマーフラクションの量が減少し、100%の架橋性モノマーを有する粒子に関しては全く可溶性のフラクションがない;
(2)粒子による溶媒の吸収が減少され、100%の架橋性モノマーを有する粒子に関しては全く溶媒吸収がない;及び
(3)架橋ポリマーシェルは高められたTgを有し、100%の架橋性モノマーを有する粒子に関してはTgを有しない。
【0087】
したがって、複数の粒子は、極めて狭い粒径分布を有し、ポリマーシェルを製造するのに用いられる架橋性モノマーの量に応じて安定性に関する特性を変化させることができる。
【0088】
本発明方法によって、互いに、且つ結合される基材表面に対する接着性を有する粒子を製造することができる。したがって、複数の粒子は、接着性バインダーを用いることなしに、フィルム、層等に形成することができる。粒子の組成に依存して、粒子の多くは、室温又はそれ以下において接着性であり、他のものは200℃以下又はそれ以上の温度において融合する。
【0089】
また、粒子は、より良好な積層のために、或いは粒子の元々の形状のより良好な保持のために、粒子同士、および基材に対するより強力な結合を行なわせるために、接着性バインダーとともに用いることができる。かかる結合接着剤は以下に記載する。
【0090】
本発明の粒子を用いてフィルムを形成することができる。特に、コア材料として液晶物質を含む粒子から液晶フィルムを製造することができる。かかるフィルムは、スイッチング電圧又は他の適当なスイッチングフォースを施すとスイッチする。フィルムは、概して、従来の粒子又は分散液から形成されるフィルムのスイッチング電圧よりも低いスイッチング電圧を有する。本発明の粒子から形成されるフィルムは、フィルム厚さ1ミクロンあたり2.0ボルト以下、好ましくは1.0ボルト以下、より好ましくは0.5ボルト以下のスイッチング電圧を有する。
【0091】
本発明にしたがって形成される粒子から形成される液晶フィルムは、概して、形成された粒子の分散液又は懸濁液を乾燥させることによって形成される。分散液又は懸濁液は、インジウムスズオキシド(ITO)又は他の好適な電極被覆基材表面のような所望の表面上に展開することができる。ITO表面の被覆は、スピンコーティング、ドクターブレードコーティング、ナイフオーバーロール、及びグラビア印刷のような当該技術において公知の方法によって行なうことができる。
【0092】
本発明によって、更に、多重であってよい狭い粒径分布を有する架橋ポリマーカプセル化液晶粒子を含むフィルムが得られる。特に、マルチプレキシングは、パッシブマトリックスアドレッシング(passive matrix addressing)の形成を可能にすると考えられる。マルチプレキシングにより、独立したピクセル電極ではなくマトリックス行列カラム電極を形成することによって、ディスプレイ相互連結の数を減少させることができる。液晶コア材料を有する本発明の粒子を用いると、Nmaxは2よりも大である。好ましくは、本発明は、7−セグメント又はα−数値、キャラクターを表示する能力を与えるマルチプレキシングのレベル、即ち約4を超えるNmax値を与える。より好ましくは、本発明は、13−セグメント又は漢字、キャラクターを表示する能力を与えるマルチプレキシングのレベル、即ち約8を超えるNmax値を与える。最も好ましくは、本発明は、より高いレベルのマルチプレキシング能力、即ち16を超えるNmax値を与える。
【0093】
他の態様においては、本発明方法は、コア材料を除去する更なる工程を含むことができる。コア材料が液体材料である場合には、液体を、蒸発、抽出又は当該技術において公知の他の手段によって粒子から除去して、固体又は気体状物質、或いはポリマーシェルによって取り囲まれている実質的に真空の状態であるボイド空間を残留させることができる。抽出を用いる場合には、抽出は、コア材料を抽出することのできる任意の溶媒によって行なうことができる。例えば、抽出は、塩化メチレン、エーテル、ヘプタン又はアセトンを用いて行なうことができる。抽出は、当該技術において公知の方法によって行なうことができる。例えば、粒子を溶媒中に浸漬し、次に粒子を更なる溶媒で洗浄しながら減圧濾過することができる。次に、コア材料を上澄み液中に回収することができる。他の態様においては、コア材料を、ロータリーエバポレーションのような蒸発を用いて除去することができる。
【0094】
得られる材料は、概して、コア材料によって空にされた空間を取り囲む1以上のポリマーシェルを有する中空粒子である。概して、先にコア材料によって占められていた空間は、拡散により雰囲気大気からの空気又は気体によって満たされる。したがって、中空粒子中のコア材料は、上記に記載の気体材料である。しかしながら、空間は実質的に真空状態であってもよいとも考えられる。かかる材料は、樹脂ブレンド、特に透明な樹脂、例えばポリビニルクロリド、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル又はポリカーボネート(但し、これらに限定されない)における不透明化剤として有用であることが見出された。したがって、本発明の一態様は、少なくとも一つの樹脂及び本発明の粒子を含み、粒子が気体コア材料を有して樹脂内に分散されている製造物品に関する。
【0095】
結合剤を用いることなしに粒子をフィルムに形成することができるが、幾つかの場合においては結合剤を用いてフィルムを形成することができる。本発明の粒子を有するフィルムを形成するのに有用なポリマーとしては、フィルム形成性ラテックスポリマー及び水溶性ポリマーが挙げられる。フィルム形成性ラテックスポリマー及び水溶性ポリマーは、単独で又は互いに組み合わせて用いることができる。フィルムを形成するのに有用なフィルム形成性ラテックスポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリブタジエン、ブタジエン及びスチレンのコポリマー;C〜C20アクリレート及びメタクリレート、ハロゲン化C〜C20アクリレート及びメタクリレート、アリールアクリレート及びメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート及びメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ビニルエーテル、ビニルハライド、ビニリデンハライド、フルオロカーボン、ヒドロキシメタクリロキシプロピル−2−ベンゾイルベンゾエート及びこれらの混合物のホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。水溶性ポリマーの例としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、部分的に鹸化されたポリビニルアセテート、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸コポリマー、ポリエチレングリコール、ナトリウムポリスチレンスルホネートが挙げられる。好ましい水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール及びポリ−N−ビニルピロリドンである。
【0096】
粒子は、水性相を除去した後に粉末形態で単離することができる。単離された粉末は、水性又は非水性液体中に再分散することができる。単離に続いて、例えば、2以上の径を有する粒子の混合物を形成することが望ましい場合がある。混合物は、単離された粒子を合わせるか、又は好ましくは粒子の分散液を合わせることによって形成することができる。また、粒子径の混合物は、異なる粒子径を有する種粒子を用いて上記記載のように1次膨潤を行なうことによって得ることができる。2以上の径を有する粒子の混合物を含むフィルムを形成することによって、段階的なスイッチング及びフィルム不透明性のより優れた制御が可能になる。
【0097】
また本発明には以下の態様が含まれ得る。
(1) 複数の粒子を形成する方法であって、以下の工程:
(A)水性相中にコア材料及び1以上のモノマーを含む第1のエマルション、ここで少なくとも一つのモノマーは2以上の二重結合を有するモノマーである、及び種粒子を含む第2のエマルションを与え;
(B)第1のエマルション及び第2のエマルションを合わせ;
(C)水性相中において、不連続のドメインを形成し、ここでドメインはコア材料及び1以上のモノマーを含み;
(D)1以上のモノマーを重合して、それぞれの粒子がコア材料をカプセル化する不連続の架橋ポリマーシェルを含む複数の粒子を形成する;
工程を含み、複数の粒子は1.3〜1.0の多分散度を有することを特徴とする方法。
(2) コア材料が液晶物質を含む前記(1)に記載の方法。
(3) 工程(C)の前に少なくとも一つの移動剤を加える前記(1)に記載の方法。
(4) コア材料をカプセル化する架橋ポリマーシェルの上に少なくとも一つの更なるポリマーシェルを形成する工程を更に含む前記(1)に記載の方法。
(5) 複数の粒子を形成する方法であって、以下の工程:
(A)水性相中にコア材料を含む第1のエマルション及び種粒子を含む第2のエマルションを与え;
(B)第1のエマルション及び第2のエマルションを合わせ;
(C)水性相中において、コア材料を含む不連続のドメインを形成し;
(D)不連続のドメインに1以上のモノマーを加え、ここで少なくとも一つのモノマーは2以上の二重結合を有するモノマーであり;
(E)1以上のモノマーを重合して、それぞれの粒子がコア材料をカプセル化する不連続の架橋ポリマーシェルを含む複数の粒子を形成する;
工程を含み、複数の粒子は、1.3〜1.0の多分散度を有することを特徴とする方法。
(6) コア材料が液晶物質を含む前記(5)に記載の方法。
(7) 工程(C)の前に少なくとも一つの移動剤を加える工程を更に含む前記(5)に記載の方法。
(8) 不連続のドメインの形成後に少なくとも一つの移動剤を除去する前記(7)に記載の方法。
(9) コア材料をカプセル化する架橋ポリマーシェルの上に少なくとも一つの更なるポリマーシェルを形成する工程を更に含む前記(5)に記載の方法。
(10) それぞれの粒子が、
(A)1以上の不連続のポリマーシェル、ここで、少なくとも一つのポリマーシェルは、2以上の二重結合を有する少なくとも一つのモノマーによって架橋されている;
(B)ポリマーシェル中にカプセル化されたコア材料;
を含み、複数の粒子は1.3〜1.0の多分散度を有することを特徴とする、複数の粒子。
(11) コア材料が液晶物質を含む前記(10)に記載の粒子。
(12) 前記(11)に記載の粒子から形成されるフィルム。
(13) コア材料がガスを含む前記(10)に記載の粒子。
(14) 前記(13)に記載の粒子がその中に分散されている少なくとも一つの樹脂を含む物品。
(15) (A)1以上の不連続のポリマーシェル、ここで少なくとも一つのポリマーシェルは、2以上の二重結合を有する少なくとも一つのモノマーによって架橋されている;および
(B)ポリマーシェル中にカプセル化されているコア材料;
を含み、複数のポリマー粒子は1.3〜1.0の多分散度を有するポリマー粒子。
(16) コア材料が液晶物質を含む前記(15)に記載のポリマー粒子。
(17) 前記(16)に記載の複数のポリマー粒子から形成されるフィルム。
(18) コア材料がガスを含む前記(15)に記載のポリマー粒子。
(19) 前記(18)に記載の複数のポリマー粒子がその中に分散されている少なくとも一つの樹脂を含む物品。
(20) 複数の粒子を形成する方法であって、以下の工程:
(A)(i)水性相中にコア材料を含む第1のエマルション;
(ii)種粒子を含む第2のエマルション;及び
(iii)1以上のモノマー、ここで少なくとも一つのモノマーは2以上の二重結合を有するモノマーである;
を与え;
(B)第1のエマルション、第2のエマルション、及び1以上のモノマーを合わせ;
(C)水性相中において、コア材料を含む不連続のドメインを形成し;
(D)1以上のモノマーを重合して、それぞれの粒子がコア材料をカプセル化する不連続の架橋ポリマーシェルを含む複数の粒子を形成する;
工程を含み、複数の粒子が1.3〜1.0の多分散度を有することを特徴とする方法。
(21) コア材料がネマチック液晶として作用する前記(1)に記載の方法。
(22) コア材料がネマチック液晶として作用する前記(5)に記載の方法。
(23) コア材料がネマチック液晶として作用する前記(10)に記載の複数の粒子。
(24) 前記(23)に記載の複数の粒子から形成されるフィルム。
(25) コア材料がネマチック液晶として作用する前記(15)に記載のポリマー粒子。
(26) 前記(25)に記載の複数のポリマー粒子から形成されるフィルム。
(27) コア材料が液晶を含む前記(20)に記載の方法。
(28) コア材料がネマチック液晶として作用する前記(20)に記載の方法。
【0098】
続く実施例並びに明細書の他の部分において、以下の略号を用いる。
PELC:液晶をカプセル化したポリマー;
PDLC:液晶を分散したポリマー;
MAA:メタクリル酸;
MMA:メチルメタクリレート;
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート;
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート;
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート;
MA:メチルアクリレート;
BA:ブチルアクリレート;
Sty:スチレン;
TMPTA:1,1,1−トリメチロールプロパントリアクリレート;
BDDA:1,4−ブタンジオールジアクリレート;
ALMA:アリルメタクリレート;
LC:液晶;
E7:Merck液晶混合物(シアノタイプ);
TL205:Merck液晶混合物(フッ素化タイプ);
t−BPO:tert−ブチルペルオクトエート;
Ht:ヘキサンチオール;
EtO:エチルエーテル;
MDC:メチレンクロリド(CHCl);
DOSS:ナトリウムジオクチルスルホスクシネート;
PS:粒径;
SEM:走査電子顕微鏡;
RI:屈折率;
PD:多分散度;
BI−DCP:ブルックヘブン装置−ディスク遠心分離光沈降計;
PVC:ポリビニルクロリド。
【実施例】
【0099】
以下の実施例は本発明の例示として与えられる。
実施例1
1%ALMA架橋剤を用いる架橋粒子の調製
Merck E7液晶369部、モノマー/開始剤溶液(MMA/HEMA/Sty/ALMA/t−BPO=67.8/22.5/8.7/1/3.5)140部、DOSS石鹸溶液(水中2%溶液)92部、脱イオン水364部、及びメチル化β−シクロデキストリン(水中50.8%溶液:Wacker Company製)22部を合わせ、極めて高い剪断において2分間乳化することによって、エマルションを調製した。ポリマーエマルションラテックスであるBA/Sty/Ht=82/18/19(ポリマー28重量%、粒径0.562ミクロン)170部を、乳化されたLC/モノマー混合物に加えた。試料を室温において穏やかな振盪に24時間かけた後、500倍の顕微鏡で観察して、狭い粒径分布を有する粒子液滴を確認した。
【0100】
50%非水性である上記の混合物を、更に163部の水で20%非水性に希釈した。反応混合物を、密閉された圧力チューブに加え、85℃の熱水浴中で1時間、次に95℃で更に1時間穏やかな振盪にかけた。次に、試料を乾燥し、SEM顕微鏡によって観察した。SEMによって、狭い粒径分布を有する均一なPELC粒子が示された。得られた粒子は1.25ミクロンの径を有していた。
【0101】
調製された粒子を、乳鉢中で破砕し、液体窒素中で摩砕し、ヘプタンでLCを抽出した。この試料のSEMによって、破砕された中空の球体が示された。架橋の存在が、乾燥PELC粒子をMDCに加えることによって確認された。粒子は、溶解するのではなく、ゼリー状の物質に膨潤した。未架橋の粒子は、多くの溶媒、特にMDC中に速やかに溶解した。
【0102】
実施例2
100%BDDA架橋剤を用いる架橋粒子の調製
Merck E7液晶369部、モノマー/開始剤溶液(BDDA/t−BPO=100/3.5)140部、DOSS石鹸溶液(水中2%溶液)92部、脱イオン水364部、及びメチル化β−シクロデキストリン(水中50.8%溶液:Wacker Company製)22部のエマルションを、極めて高い剪断において2分間乳化した。ポリマーエマルションラテックスであるBA/Sty/Ht=82/18/19(ポリマー28重量%、粒径0.562ミクロン)170部を、乳化されたLC/モノマー混合物に加えた。次に、試料を室温において穏やかな振盪に24時間かけた後、500倍の顕微鏡下で観察して、狭い粒径分布を有する粒子液滴を確認した。
【0103】
50%非水性である上記の混合物を、更に163部の水で20%非水性に希釈した。反応混合物を、密閉された圧力チューブに加え、85℃の熱水浴中で1時間、次に95℃で更に1時間穏やかな振盪にかけた。次に、試料を乾燥し、SEM顕微鏡によって観察した。SEMによって、狭い粒径分布を有する均一なPELC粒子が示された。得られた粒子は1.25ミクロンの径を有していた。
【0104】
調製された粒子を、乳鉢中で破砕し、液体窒素中で摩砕し、ヘプタンで抽出した。この粉末試料のSEMによって、破砕された中空の球体が示された。
【0105】
粉末を加熱することによって粒子の強度を試験した。未架橋のPELC粒子は、そのガラス転移温度(通常、抽出組成及びLCによる可塑化のレベルに応じて約60〜80℃)付近の温度において、変形、即ち、膨潤し、流動し、永久的にその元の形状を失う。粉末を、ホットプレート上及び加熱ランプ下で170℃に加熱した。加熱による影響は観察されなかった。SEMによって、粒子が未変化であることが示された。
【0106】
粒子の高度に架橋されたシェルは、溶媒によって影響を受けない。乾燥された粉末をMDC及びエーテルに加えた。膨潤又は粒子シェル強度の損失は観察されなかったが、溶媒によってコアからLCが定量的に抽出された。上澄み液の遠心分離によって、溶媒/LC溶液から抽出されたシェルを分離した。これらの粒子は、それらの極めて剛性の性質のために遠心分離による洗浄に対して影響を受け易かった。上澄み液のロータリーエバポレーションによって液晶を回収した。SEMによって、溶媒及び遠心分離処理の前の元のPELC粒子と同じに観察される粒子が示された。回収されたシェルの液体窒素破砕試料のSEMによって確認されたように、シェルは完全に中空である。中空の粒子は、MDC中に速やかに再分散されるが、水中では浮く。
【0107】
実施例3
液滴形成の後に加える100%TMPTA架橋剤を用いる架橋粒子の調製
Merck TL205液晶362部、エチルエーテル725部、DOSS溶液(水中2%溶液)188部、脱イオン水508部、及びメチル化β−シクロデキストリン(水中50.8%溶液:Wacker Company製)45部を合わせ、極めて高い剪断において4分間乳化することによって、エマルションを調製した。ポリマーエマルションラテックスであるBA/Sty/Ht=82/18/19(ポリマー10.00重量%、粒径0.562ミクロン)500部を、乳化されたLC混合物に加えた。次に、試料を85℃において穏やかな振盪に120分かけた。次に、試料を、500倍の顕微鏡で観察して、狭い粒径分布を有する液滴を確認した。試料を加熱し、試料を通して窒素をバブリングすることによってエチルエーテルを除去した。
【0108】
モノマー溶液(100部のTMPTA及び3.5部のt−BPO)138部を、DOSS溶液(水中2%溶液)及び脱イオン水110部と共に乳化した。この混合物を、上記のLCエマルションに加えた。数分内で、モノマーがLC液滴中に包含された。
【0109】
上記の混合物を、90部の水で20%非水性に希釈した。反応混合物を、密閉された圧力チューブに加え、85℃の熱水浴中で1時間、次に95℃で更に1時間穏やかな振盪にかけた。次に、試料を乾燥し、SEM顕微鏡によって観察した。SEMによって、狭い粒径分布を有する粒子が示された。得られた粒子は1.25ミクロンの径を有していた。
【0110】
調製された粒子を、乳鉢中で破砕し、液体窒素中で摩砕し、ヘプタンで抽出した。この試料のSEMによって、破砕された中空の球体が示された。
【0111】
20%粒子エマルションを、25℃において、25%TL205LCで予め飽和されたフィルム形成性バインダーポリマーラテックス(2−EHA/Sty/HEA/MAA/MA=50.6/23.9/20/0.5/5)と混合した。乾燥粒子と乾燥バインダーとの比は1:1であった。次に、7gのIRN−150(ローム アンド ハース カンパニー製)混床脱イオンイオン交換ビーズを加えた。IRNビーズは、約1000ppmで存在する石鹸ナトリウムジオクチルスルホスクシネートを含むイオン性物質を除去する。導電度プローブを用いて脱イオンを監視した。最初は、読み値はスケール外(>200ppm)であった。しかしながら、約30分後には、読み値は約100マイクロオームであり、これは<100ppmの全イオン性物質に対応した。次に、試料を、微細ガラスウールを充填したビュレット、次に20ミクロンのステンレススチールスクリーンを通して、濾過した。試料を減圧下で脱気した。約28%非揮発性成分であった試料エマルションを、10センチメートルのドクターブレード(ガードナータイプ)を用いて、隙間ゲージを用いて設定した0.051ミリメートルのギャップ設定で、36cm×13cm×1.1mmのITO被覆ガラス基材上にドローダウンした。清浄なガラス基材及び混合物の正しい粘度のために、混合物の湿潤は良好であった。試料を、25℃の減圧オーブン内に一晩配置した。乾燥フィルムの厚さを、適当な単位の乾燥フィルムの面積で割ることによって、乾燥フィルム重量は20ミクロンであると算出された(重量(g)×10000/面積(cm))。フィルムの密度は約1g/cmであった。翌日、減圧内に更に保存した後、ポリマー分散液晶(PDLC)装置の製造のために、5cm×7.5cmの試料を切り出した。ITO被覆Mylarを表面基材として用いた。ラミネーターを用いて表面基材を積層した。次に、溶融パラフィンワックス(融点=56℃)を用いて装置の周囲を全て密閉した。
【0112】
次に、HeNeレーザー及び検出装置を用いて、試料をスイッチング電圧に関して試験した。ビームは、空気中で100%透過率の読みを与えるように標準化されていた。光電特性は、PELCを含む液晶を分散したポリマーに典型的なものであった。
【0113】
実施例4
10%TMPTA架橋剤を用いる架橋粒子の調製
Merck E7液晶369部、モノマー/開始剤溶液(MMA/HEMA/Sty/TMPTA/t−BPO=58.8/22.5/8.7/10/3.5)140部、DOSS石鹸溶液(水中2%溶液)92部、脱イオン水364部、及びメチル化β−シクロデキストリン(水中50.8%溶液:Wacker Company製)22部を合わせ、極めて高い剪断において2分間乳化することによって、エマルションを調製した。ポリマーエマルションラテックスであるBA/Sty/Ht=82/18/19(ポリマー28重量%、粒径0.562ミクロン)170部を、乳化されたLC/モノマー混合物に加えた。次に、試料を室温において穏やかな振盪に24時間かけた後、500倍の顕微鏡下で観察して、狭い粒径分布を有する液滴を確認した。
【0114】
50%非水性である上記の混合物を、更に163部の水で20%非水性に希釈した。反応混合物を、密閉された圧力チューブに加え、85℃の熱水浴中で1時間、次に95℃で更に1時間穏やかな振盪にかけた。次に、試料を乾燥し、SEM顕微鏡によって観察した。SEMによって、狭い粒径分布を有するPELC粒子が示された。得られた粒子は1.25ミクロンの径を有していた。調製された粒子を、乳鉢中で破砕し、液体窒素中で摩砕し、ヘプタンで抽出した。この試料のSEMによって、破砕された中空の球体が示された。
【0115】
PDLCフィルムを粒子から直接調製した。粒子分散液の試料を、加熱ランプ下、150℃で乾燥した。得られたフィルムを、液体窒素下で破砕し、LCをヘプタンで抽出した。SEMによって、LCが除去され、得られたボイドが元のPELCのLCコアと正確に同等のキャビティ寸法を有する完全に均一なものであるPDLCフィルムが示された。実施例3と同様に、光電応答のために、150℃において純粋な粒子から他のPDLCフィルムを調製した。試料は、PELCを含む典型的なPDLCとして機能した。
【0116】
実施例5〜9
架橋性モノマー成分が表1に示すものであった外は、実施例1、2及び4と同様に粒子を調製した。それぞれの粒子のPDを、BI−DCPを用いて測定した。結果を表1に示す。
【0117】
【表1】

【0118】
得られたPDによって、実質的に単分散、即ちPDが1.0である狭い粒径分布を有する粒子が製造されることが示される。
【0119】
実施例10
100%TMPTA架橋剤を用いる中空粒子の調製
ジオクチルフタレート(DOP)125部、TMPTA 50部、t−BPO1.75部、DOSS溶液(水中2%溶液)33部、脱イオン水112部、及びメチル化β−シクロデキストリン(水中50.8%溶液、Wacker Company製)8部を合わせ、次に高い剪断において2分間乳化することによってエマルションを調製した。ポリマーエマルションラテックスであるMA/Sty/Ht=82/18/19(ポリマー10.00重量%、粒径0.306ミクロン)84部を、乳化された混合物に加えた。次に、試料を、室温において穏やかな振盪に8時間かけた。
【0120】
上記の混合物を、水587部によって20%非水性に希釈した。反応混合物を、密閉された圧力チューブに加え、85℃の熱水浴中で1時間、次に95℃で更に1時間穏やかな振盪にかけた。次に、試料を減圧乾燥し、SEM顕微鏡によって観察した。SEMによって、狭い粒径分布を有する均一な球体粒子が示された。得られた粒子は600ナノメートルの直径を有していた。試料のSEMによって、粒子を凍結破砕してヘプタンで抽出すると、破砕された中空の球体が示された。
【0121】
ビニル樹脂ブレンドにおける不透明化剤として用いるために、DOP充填及び非破砕の中空球体を乾燥した。ジオクチルフタレートコア材料の除去は、実施例2において記載するような溶媒抽出及び粒子の洗浄を用いて行なった。
【0122】
DOP充填及び中空の架橋粒子を、それぞれ、明澄なポリビニルクロリド配合物と、乾燥ブレンドした。混合物は、PVC樹脂(Borden Chemical Products,BCP−57)100部に対して架橋粒子5部を含んでいた。Haake Rheocord(50rpm)を用いて、175℃で10分間、ブレンドを混合した。190℃の温度で操作する精密プレスを用いて、プラーク(3.8cm×5.1cm)を調製した。プレス運転によって、9メートルトンを3分間、次に63メートルトンを2分間、及び63メートルトンにおいて5分間の冷却時間を施した。
【0123】
Hunter Lab光学センサーを用いて、得られたプラーク(厚さ0.3cm)の光散乱特性を測定した。同一のPVC配合物を用いたが架橋粒子を含まない対照プラークもまた調製した。下表2に、架橋添加剤を含むマトリクスポリマー及び含まないマトリクスポリマーの光学特性における違いを示す。同じ厚さのそれぞれの試料における全透過率に対する拡散透過(散乱)光の比(T/T)によって、曇り値(%)が与えられる。本実施例において製造された中空球体添加剤を含むプラークが、最も高い散乱特性を示した。
【0124】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の粒子を形成する方法であって、以下の工程:
(A)水性相中にコア材料及び1以上の架橋性モノマーを含む第1のエマルション、ここで架橋性モノマーはフリーラジカル重合することのできる2以上の二重結合を有する架橋性モノマーである、及び種粒子を含む第2のエマルションを与え;
(B)第1のエマルション及び第2のエマルションを合わせ;
(C)水性相中において、不連続のドメインを形成し、ここでドメインは前記コア材料及び前記1以上の架橋性モノマーを含み;
(D)前記1以上の架橋性モノマーをフリーラジカル重合により重合して、それぞれの粒子が前記コア材料をカプセル化する不連続の架橋ポリマーシェルを含む複数の粒子を形成する;
工程を含み、前記粒子は0.5μmから5μmの粒径を有し、及び前記複数の粒子は1.3〜1.0の多分散度を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
コア材料が液晶物質を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(C)の前に少なくとも一つの移動剤を加える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記移動剤が、疎水性キャビティを有する巨大分子有機化合物である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記粒子が1μm〜3μmの粒径を有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のエマルションが、移動剤、界面活性剤、連鎖移動剤及び重合開始剤から選択される1以上の物質をさらに含む、請求項1に記載の方法。

【公開番号】特開2010−207813(P2010−207813A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99945(P2010−99945)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【分割の表示】特願平10−318155の分割
【原出願日】平成10年11月9日(1998.11.9)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】