説明

粒子形成を測定する診断装置

粒子の生産速度、及び個体から生産された粒子の粒径の範囲を測定する方法及び装置について記述する。装置(10)は、マウスピース(12)、フィルタ(14)、低抵抗一方向弁(16)、粒子カウンター(20)とコンピュータ(30)を含む。任意で、装置は、ガス流量計(22)も含む。装置を用いて得られるデータは、粒子放出を減らすための製剤が必要かどうか決定するのに使用できる。クリーンルームの基準が維持されることを確実とするために、この装置は、特にクリーンルームの入場の前及び/又は後で使用する。装置は、エアロゾールをより放出する動物及びヒト(「過剰生産者」、「スーパー生産者」または「スーパー拡散者」とも呼ぶ)を特定するのに使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子放出及び様々な環境下での汚染物質(コンタミネーション)を測定及び低減する装置及び方法の分野に関し、クリーンルームで特に使用される。
【背景技術】
【0002】
物質を製造するクリーンルームは環境が制御されている。すなわち、浮遊粒子の濃度を特定限度以下に制御した部屋を言う。サブミクロン単位の浮遊汚染物質の除去は、非常に厳密な制御である。これらの汚染物質は、人々、製造プロセス、施設及び器材に発生する。汚染物質は、空中から継続的に除去する必要がある。これらの粒子の除去レベルは、設定された基準に基づく。最も使用される基準は209E連邦規格(Federal Standard)である。209Eはクリーンルームとクリーンゾーン中の浮遊粒子のレベルによる標準的な清潔度のクラスを示した文書である。製品の汚染を防ぐために、厳しい規則と手順に準拠する必要がある。
【0003】
以下の表は最新のクリーンルームの分類を示したものである。ISOクラス2が209のクラス10と等しいことに留意されたい。
【0004】
【表1】

【0005】
汚染物資を制御する唯一の方法としては、全領域を制御するしかない。気流速度と方向、加圧、温度、湿気と特異的な濾過法は、すべて厳しく制御する必要がある。可能な限りいつでも、これらの粒子の源をも制御し除去する必要がある。クリーンルームは、厳しいプロトコルと方法を使用して設計し、製造する。クリーンルームは、エレクトロニクス、製薬、生物薬剤、医療装置産業と他の重要な製造環境にてしばしば使用されている。
【0006】
典型的なオフィスビルと比較してクリーンルームに空気のクイックモニターを見さえすればその違いがわかる。典型的なオフィスビルの空気は、1空気立方フィート当たりの500,000〜1,000,000の粒子(0.5ミクロン以上)を含む。クラス100のクリーンルームは、空気立方フィート当たりの100以上の粒子(0.5ミクロン以上)を決して存在しないように設計されている。クラス1,000とクラス10,000のクリーンルームは、それぞれ粒子を1,000と10,000に制限するように設計されている。
【0007】
ヒトの髪は、直径およそ75〜100ミクロンである。ヒトの髪より200倍小さな(0.5ミクロン)粒子は、クリーンルームで大きな災害を引き起こすことさえある。汚染物質は高価な休止時間に繋がり、生産コストを上げてしまう。一旦クリーンルームが建設されたなら、それは同じ高い水準に維持し、クリーンにする必要がある。
【0008】
汚染とは、材料又は表面を汚染物質による汚染を引き起こすプロセス又は作用である。表面の汚染物質の2つの幅広いカテゴリーがあり、すなわち、フィルムタイプと微粒子である。これらの汚染物質は、小型回路で「致命的な欠陥」を生じ得る。わずか10nm(数ナノメートル)のフィルム汚染物質によれば、ウエハーまたはチップの上でコーティング接着力を大幅に減ずることがある。それは、0.5ミクロン又はそれより大きい粒子がターゲットとして広く認識されている。しかしながら、ある産業分野ではそれより小さな粒子をターゲットとしている。
【0009】
汚染物質の部分的なリストを下記に示した。これらのどれでも、回路を欠損させるソースとなり得る。これらの汚染物質がクリーンルーム環境に入るのを防ぐことが、本発明の大きな目的である。これらの汚染物質の多くが5つの基本的なソースから発生することが分かっている:すなわち、施設、ヒト、ツール、流体及び製造製品であり、具体的には、
1. 施設:壁、床と天井;ペンキ及びコーティング;建設資材(薄板岩、のこぎりちり、その他);空気調節片;室内空気及び蒸気;放水及び漏れ
2. ヒト:皮膚片と油;化粧品と香水;つば;衣類破片(糸くず、繊維、その他);髪
3. ツール:摩擦と衣服のかけら;潤滑油及び消失;振動;ほうき、モップと雑布
4. 流体:空気を漂っている微粒子;バクテリア、有機肥料と湿気;床仕上げ又はコーティング;掃除化学製品;可塑剤(ガス放出);脱イオン水
5. 製品:シリコンチップ;クォーツ片;クリーンルーム破片;アルミニウム粒子
である。
【0010】
汚染の減少に用いられる現在の方法及び装置は、HEPA(High Efficiency Particulate Air、高効率粒子状大気)フィルタを有している。これらのフィルタは、汚染制御の維持のためには非常に重要である。これらによれば、総体的に最小99.97%の効率で0.3ミクロン程度の粒子を濾過する。クリーンルームは、限られた範囲の中の空気が平行な流路に沿って均一な速さで動いている空気の流れを達成及び維持している。この気流は、層流と呼ばれている。空気のより多くの制限は、より多くの乱気流を発生させる。乱気流によって、粒子が動き得る。クリーンルームで一般に使用されるHEPAフィルタに加えて、ガスと液体から粒子を除去するのに用いられるいくつかの他の濾過メカニズムが存在する。クリーニングは、汚染制御の維持のためには必須の要素でもある。クリーンルーム衣類の必要条件は、場所によって変化する。手袋、フェースマスクと頭カバーは、ほとんどすべてのクリーンルーム環境において標準的なものである。スモック(作業着)は、ますます使用されている。ジャンプスーツは、非常にクリーンな環境で必要である。クリーンルームで必需品アイテムを選んで、使うとき、注意が必要である。クリーンルームにサービスを提供するワイパー、クリーンルーム紙と鉛筆のほか、その他必需品は、慎重に包装選択する必要がある。クリーンルームにこれらのアイテムを承認し、使用するローカルクリーンルーム必要条件のチェックは、重要である。実際、多くのクリーンルームマネージャには、この種のアイテムの承認リストが存在する。
【0011】
ヒトがクリーンルームにいるとき、身体的及び心理学的な懸念事項がある。高速運動による動きとばか騒ぎのような身体的なふるまいは、汚染を増やすことになる。室温、湿気、閉所恐怖症、匂いと仕事場の態度などの精神的な懸念事項は、重要である。人々が汚染をもたらす方法としては、皮膚破片、油、汗と髪の体再生するプロセスを含み;運動の頻度、くしゃみ、咳などの行動を含み;仕事習慣の態度と労働者の間のコミュニケーションも含む。ヒトはクリーンルームの汚染の主原因である。そして、それを表2で下記を示した。表2は、人の典型的活動と対応する粒子形成の速度をリストしたものである(1分あたり生産される粒子数)。粒子は0.3ミクロン以上のものである。
【0012】
【表2】

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の別の目的は、放出された粒子と粒径の測定値を提供することである。そして、特に粒子放出を減少させるための製剤が必要かどうか決定する。
【0014】
個体によって放出された粒子の測定に装置を使用する方法も本発明の目的である。
【0015】
粒子の生産速度、及び個体から生産された粒子の粒径の範囲を測定する方法及び装置について記述する。装置(10)は、マウスピース(12)、フィルタ(14)、低抵抗一方向弁(16)、粒子カウンター(20)とコンピュータ(30)を含む。任意で、装置は、ガス流量計(22)も含む。装置を用いて得られるデータは、粒子放出を減らすための製剤が必要かどうか決定するのに使用できる。クリーンルームの基準が維持されることを確実とするために、この装置は、特にクリーンルームの入場の前及び/又は後で使用する。装置は、エアロゾールをより放出する動物及びヒト(「過剰生産者」、「スーパー生産者」または「スーパー拡散者」とも呼ぶ)を特定するのに使用できる。
【0016】
本発明は、使い捨てキット(50)とメインハウジング(60)を含む診断装置を提供する。使い捨てキット(50)は、個体とメインハウジング(60)の間で気流に提供するメインハウジング(60)に、機能的に接続していれば良い。特定の実施形態例において、使い捨てキット(50)は、メインハウジング(60)と外側で連結しているチューブ(70A及び70B)により、メインハウジング(60)に接続している。使い捨てキット(50)は、マウスピース(12)、フィルタ(14)、コネクタ(18)と一方向弁(16)を含む。任意に、使い捨てキット(50)の構成要素は生物分解可能な材料を含む。使い捨てキットのマウスピース(12)は個体の気管と診断装置の間で密封された通路の接続を考慮に入れる。マウスピース(12)は、安定したシールを作製する目的のために使用される柔軟な材料(例えばゴムやプラスチック)からできていても良い。使い捨てのキット(50)のフィルタ(14)は、一般的に任意に99.99%を超える高効率で細菌/ウィルスを除去できる高効率の低圧低下フィルタである。診断装置のメインハウジング(60)は、粒子カウンター(20)を含み、任意にコンピュータ(30)、ガス流量計(22)、ディスプレイ(64)及び/又は真空ポンプ(62)を含む。
【0017】
本発明は、使い捨てキットとメインハウジングを含む、個体の粒子放出を測定するための診断装置を提供する。ここで、使い捨てキットは、マウスピース、双方向フィルタと低抵抗一方向弁を含み; メインハウジングは、粒子カウンター及びコンピュータを含む。マウスピースは、フィルタ及び一方向弁に接続する吐出口を有し、フィルタは片側で周囲の環境に露出し、反対側でマウスピースに接続しており、使い捨てキットは、フィルタと2本接続チューブを介してメインハウジングに接続している。
【0018】
好ましくは、フィルタは、直径0.1ミクロン以上のサイズを持っている粒子を除去できれば良い。別の実施形態例において、マウスピースは、ユーザーが唇をマウスピースの周りに置けるように設計されたマウスピース、鼻カニューレ、ユーザーの口及び鼻をカバーできるマスク、又は、ユーザーの鼻をカバーできるマスクとして設計すれば良い。マウスピースは、ユーザーが突起の上下を噛むとき、シールを形成するため、ユーザーの唇と歯の間にフランジを置くためにユーザーのために設計され、マウスピースは、曲がったフランジと2つの突起を有する。
【0019】
フィルタは2つ以上のフィルタの組合せであっても良く、粒子カウンターは、電気機動性粒子、密着粒子カウンター、静電密着粒子カウンター、赤外線分光学粒子カウンター、レーザー回折粒子カウンター、光散乱粒子カウンターまたは光学粒子であっても良い。粒子カウンターは、好ましくは、制御コマンドがコンピュータから粒子カウンターに送られるように、コンピュータに接続されていると良い。
【0020】
コンピュータは、粒子カウンターの内部又は外部にマイクロプロセッサーであって良い。さらに、装置は、フィルタに接続していてフィルタと周囲の環境の間に位置するガス流量計、好ましくは、Fleischタイプ又はLillyタイプの呼吸速度計を有する。ガス流量計は
圧力差、又は、層流要素周辺のバイパスの流速を測定することで機能し、又、装置は流量計中での圧力低下を測定することができる圧力差変換器をさらに含み、圧力差変換器と接続し信号を増幅し、信号をコンピュータに送信することができる信号調整器を更に含んでも良い。
【0021】
ある実施形態例においては、本発明は、マウスピースを個体中の、口若しくは鼻に置き、マウスピースを通した吸入空気の粒子放出の速度及びサイズを測定するための診断装置を使用するための方法を提供する。ここで、空気は吸入される前にフィルタを通り、そしてマウスピースを通じ、一方向弁に放出され、又、粒子の数と粒子径は粒子カウンターにより測定し、粒子カウンターからコンピュータにデータが送信される。データは、マウスピースを通して吸気の前に、信号調整器からコンピュータまで提供しても良い。吸入、放出、測定、データ提供のステップを、複数回しばしば繰り返し、粘膜内層の平均粒径、平均粒子分布、平均粒子形成速度を計算する。さらに、本発明の方法は、粘膜内層の粘弾特性、粘膜内層の表面張力、又は、体積粘性率を変化させる製剤をヒト又は他の動物の粘膜内層に投与する時の方法を提供するが、それによれば、マウスピースを個体中の口若しくは鼻に置くこと、マウスピースを通した吸入、マウスピースを通した放出、粒子カウンターによる粒子の数と粒子径の測定、粒子カウンターからのデータのコンピュータに提供、及び、粘膜内層の平均粒径、平均粒子分布、粒子形成速度の平均の計算を繰り返す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
上記のクリーンルームの議論から明らかなことは、(1)個体から生産される粒子速度及びサイズを決定し、(2)ヒトが生産する汚染物質(コンタミネーション)の最大値を予測し、(3)呼吸、咳、動作などにより生産される汚染物質(コンタミネーション)を最小化することが非常に有利であるということである。
【0023】
個体ベースで生じる粒子のサイズや数を測定する。ここに示した測定装置を使用することで上記目的を達せられる。粒子形成は、休憩中、又は活動中に測定することができる。これにより粒子放出を減少させるための製剤を個人に投与すべきかを決定でき、及び/又は、クリーンルーム環境での使用により放出粒子を最小にできる個体を選択することができる。
【0024】
I.粒子生産を測定できる診断装置
放出の間に生産される粒子生産速度及び粒子径の範囲を決定するための動物又はヒトの診断装置である。このデータ分析は、粒子放出を減少させる製剤が必要かどうかの判断を下すために使用することができる。この装置は特にクリーンルームに入る前、又はユーザーがクリーンルームで働く時に、特に有用であり、これによりクリーンルームの基準が維持される。この装置は、エアロゾールを放出しやすい動物及びヒト(「過剰生産者」、「スーパー生産者」または「スーパー拡散者」とも呼ぶ)を同定するためにも使用できる。これにより、放出空気及び吸入空気の測定、放出粒子の数の評価、放出粒子径の評価、サンプリング中の周期体積、呼吸頻度の評価、及び、ウィルスで細菌の伝染力の評価を含んだスクリーニングを行うことができる。放出粒子の数の評価は1分あたり約10〜120リットルの呼吸流量(LPM)において行われる。
【0025】
ヒトによって生産、放出される粒子の測定のための診断器具(10)を、図1〜3の中で例示した。図3で示すように、装置(10)は、少なくとも2つの主構成要素を含む:使い捨てキット(50)とメインハウジング(60)である。好ましい実施形態例によれば、使い捨てキット(50)は、メインハウジング(60)と外側で連結しているチューブ(70A及び70B)により、メインハウジング(60)に接続している。ある実施形態例によれば、装置(10)は持ち歩き可能で、任意に、バッテリーで作動する。
【0026】
A.使い捨てキット
使い捨てキット(50)を図4A及びBに示した。使い捨てのキットは以下を含む:マウスピース(12)、フィルタ(14)、コネクタ(18)及び一方向弁(16)である。好ましい実施形態例において、マウスピース(12)、フィルタ(14)、コネクタ(18)と一方向弁(16)のすべては、使い捨てであれば良い。任意に、マウスピース(12)、フィルタ(14)、コネクタ(18)又は一方向弁(16)は、生物分解可能な材料から作製されても良い。
【0027】
マウスピース(12)の吐出口(13)は、枝分かれコネクタ(18)(例えばYまたはTコネクタ)を通して、フィルタ(14)と低抵抗一方向弁(16)に設置される。コネクタ(18)の半分を占めるか、又は、直接コネクタ(18)の末端に付けられる一方向弁(16)は、典型的には、チューブ(19)の内部に位置する。図3に示すように、使い捨てのキットは、連結チューブを一つ以上を使用しているメインハウジング(60)に取り付けられている。図3に示したある実施形態例においては、2本の連結チューブを用いている(70Aと70B)。
【0028】
i.マウスピース
適切なマウスピースであればどのような物でも良い。好ましいマウスピースは、図4A、4B、5Aと5Bに示した。図5Aと5Bに示すように、好ましいマウスピースはプラスチック、ゴム、シリコン(例えばシリコーンゴム、ポリ塩化ビニルまたは熱可塑性ゴム)などの柔軟な材料又は類似した柔軟な材料から作製され、曲がったフランジ(40)を有している。使用するとき、曲がったフランジ(40)は、シールを形成するためにユーザーの唇と歯の間に置かれる。マウスピース(12)は、各々の反対側に少なくとも2つの突起(42Aと42B)を有しており、使用するときに、ユーザーの歯の先端と底が適切な位置にフィットするように作られている。使用中のとき、突起(42Aと42B)はまた、歯の先端と底の列間のギャップをセットするために機能し、ユーザーの口を診断装置の使用中は開いたままとする。突起の厚さは、4mmより大きいことが好ましく、最も好ましくは6〜15mmである。曲がったフランジ(40)はその中央に開口部(43)を含む。フランジは開口部(43)を通してチューブ(44)に連結する。開口部(43)は、フランジ(40)にもっとも近接したチューブ(44)の末端(45)に位置する。マウスピース吐出口(13)は、フランジ(40)に末端にあるチューブ(44)の末端(47)に位置する。図1と2に示されるように、マウスピース(12)はユーザーがマウスピースの外側のまわりに唇を置いて、それによってユーザーの唇とマウスピースの間でシールを形成するように設計する。あるいは、マウスピースは鼻カニューレであり、そして、シールはユーザーの鼻孔と鼻先端の間で形成されても良い。マウスピースがマスクの形でもあっても良い。それによれば、ユーザーの顔とマスクの間でシールを形成して、ユーザーの口と鼻をカバーする。あるいは、マウスピースはユーザーの鼻をカバーするだけであるマスクの形としても良い。望ましくは、マウスピースは使い捨てのものが良い。
【0029】
ii.フィルタ
フィルタ(14)は、典型的には高効率(0.3μmにおいて>99.97% )で、低圧効果フィルタ(60L/分で<2.5cm、H2O)で、任意に細菌/ウィルス除去率が99.99%より大きい。フィルタは少なくとも、粒子カウンター(20)によって測定された一定のサイズを有する粒子を選択除去し、好ましくは、粒子カウンター(20)によって測定された一定のサイズより小さい粒子を選択除去しても良い。好ましくは、フィルタは直径0.1μm以上の粒子を除去できれば良い。ユーザーからの上流のシステムへの汚染物質の侵入を防止するために、マウスピース(12)と外空気間に2つか3つ以上のフィルタ(14)が含まれていれば良い。この実施形態例によれば、流れ抵抗を最小にするために、フィルタのバンクに平行に一つか二つ以上のフィルタを設置する。図3に示される好ましい実施形態例においては、装置は連続する2つのフィルタを有する。最初のフィルタ(14)はメインハウジングの外側にあり、使い捨てキット(50)の一部である。第2のフィルタは、メインハウジングへの内部にある。
【0030】
B.メインハウジング
メインハウジング(60)の好ましい実施形態例を、図6A、6B、7A及び7B中に示した。好ましくは、メインハウジング(60)は粒子カウンター(20)、コンピュータ(30)及び真空ポンプ(62)並びにディスプレイ(64)を含む。図6A及び6Bに示すように、粒子カウンター(20)と真空ポンプ(62)は、メインハウジング(60)の底(68)に設置する。図7Bに示すように、コンピュータ(30)はメインハウジング(60)のふた(66)に設置し、ディスプレイ(64)はふた(66)の外表面にある。
【0031】
粒子カウンター(20)は、コンピュータ(30)に接続しており、データをコンピュータ(30)に提供できる。粒子カウンター(20)からのデータはコンピュータ(30)に送信され、ユーザーはデータを読んで、分析して、解釈することができる。図6A及び6Bに示すように、粒子カウンター(20)は真空ポンプ(62)に接続する。あるいは、メインハウジングは粒子カウンター(20)を含むが、しかし、コンピュータ(30)、ディスプレイ(64)や真空ポンプ(62)はメインハウジングの外側となっても良い。
【0032】
i.粒子カウンター
ここに示されるように、正確にサブミクロンサイズの粒子を計測できる粒子カウンター(20)を設計し、組み立てる必要がある。粒子数と粒径の測定は、電気的移動度分析、固着、静電的固着、赤外線分光、レーザー回折または光散乱によって可能となる。粒子数と粒径の測定に現在利用できる粒子カウンターの例は、以下の通りである。移動度スキャン粒子測定器(Scanning Mobility Particle Sizer、SMPS)(TSI製, Shoreview MN)、アンデルセンカスケードインパクター(Andersen cascade impactor)又は次世代薬理学的インパクター(Next generation pharmaceutical impactor)(Copley Scientific製, Nottingham UK)、電気的低圧インパクター(Electrical low pressure impactor、ELPI)(Dekati製, Tampere Finland)及びヘロス(Helos)(Sympatec製, Clausthal, Germany)などである。好ましい実施形態例においては、粒子カウンターは光学粒子カウンターであり、最も好ましくは、レーザー又はレーザーダイオード光源を使っている光散乱によるものである。光学粒子カウンターは、0.3〜5μm、好ましくは0.1〜25μmの範囲を測定でき、少なくとも2つのチャンネル、好ましくは少なくとも4つのチャンネルの区別された測定範囲を有すると良い。光学的粒子キャリアは、毎分少なくとも0.1立方フィート、好ましくは、1立方フィートで安定したサンプル流速で使用することができれば良く、それは粒子カウンターの一部として、及び、流れ制御構成要素として、又は、区別可能な真空ポンプ(62)一部として設置、制御されれば良い。この好ましい実施形態例においては、現在利用できる光学粒子カウンターとしては、Ultimate 100(Climet Instruments製、Redlands CA)のCI-450、CI-500又はCI-550モデル、及び、Airnet 310のLasair IIモデルである(Particle Measuring Systems, Boulder CO)。
【0033】
ii.コンピュータ
粒子カウンター(20)は、粒子カウンター(20)からのデータをコンピュータ(30)に送信するようにコンピュータ(30)に接続している。任意で、粒子カウンター(20)は、制御コマンドがコンピュータ(30)から粒子カウンター(20)まで送信できるように、コンピュータ(30)にも接続している。コンピュータは、マイクロプロセッサーが内臓されていても良く、粒子カウンターが外部にあっても良い。好ましくは、コンピュータは中心処理とデータ記憶装置から物理的に分離しても良いディスプレイを含み、そして、より好ましくは、ディスプレイはタッチスクリーン能力を有しても良い。図3Aと3Bに示すように、好ましい実施形態例において、メインハウジング(60)は粒子カウンター(20)とコンピュータ(30)を含む。
【0034】
iii.流量計
図2中に示されるように、装置(10)はガス流量計(22)を含むと良い。ガス流量計(22)としては、ユーザーの呼吸数に影響を与えないために、低い流れ抵抗である必要があり、例えばFleischタイプ又はLillyタイプの呼吸速度計である。あるいは、ガス流量計は電気的熱ワイヤー(例えば、熱ワイヤー風力計)からの熱交換または熱移動を測定することで流れを測定するか、又は、小型タービン(例えば、タービン流量計)の単位時間当たりの回転数をカウントすることで測定するか、又は、例えば層流要素周辺などの限られた流れのバイパスを通じての圧力差、又は、バイパスの流速を測定することで流れを測定しても良い。そして、体積への置換は、時間に関して流れを積分すれば良い。
【0035】
呼吸速度計は、呼吸の間、異なるガスの流れ率を測定するのに一般的に使用される。
空気は、気流(図に示されない)に小さな抵抗を示すメッシュを含む短いチューブ(例えば、Fleischチューブ)に通す。メッシュの中の結果として生じる圧力低下は、流量に比例する。通常2又は3mmH2Oの付近では、圧力差は非常に小さい。圧力のそのようなわずかな減少のより探知できるように、圧力差変換器(24)を、流量計(例えばFleischチューブ)全体の圧力低下を測定するのに使用する。好ましくは、圧力差変換器は、信号を増幅する信号調整器(26)に接続し、コンピュータ(30)のデータ収集ソフトウェアにそれを送信すれば良い。本発明に使用できる圧力差変換器(24)の一つは、Validyne DP45-14圧力差変換器である。これを使用すれば、好ましい信号調整器(26)は、Validyne CD15正弦波キャリヤー復調器である。肺機能分析において、又は、肺人工換気の間、呼吸速度計を使用すれば良い。
【0036】
図8A〜8Cに示すように、好ましい流量計は、バイパスチューブ(82)、低流率流量計(84)及び層流要素(86)を含む。流量計(22)は、通常、流れ制限(例えば層流要素(86))の周辺でバイパスの流れを測定する低流率マス流量計である。層流要素(86)は、層流制限の中でチューブによる流れが呼吸できる流速となるように、好ましくは、+130〜−70L/分の間の流速となるように(ここでプラスの流れは、放出の(息を吐き出す)間の流れ方向を意味する)大きさが設計され一連の平行なチューブからなる。好ましい実施形態例においては、低流量計は、5Hzを超える振動数でデジタル出力を提供する。この種の流量計の1つの例は、SensirionモデルASF1430である。
【0037】
C.アクセサリー
装置(10)は、粒径及び粒子数測定と同時に又はその後、呼気(放出呼吸)分析を行うためにしばしば他の接続を含む。例えば、呼気濃縮物はR−チューブのような標準的な装置で集めても良く、呼気(放出空気)は、光学粒子カウンター(20)に至るチューブ(19)に沿った接続を介して(図示していない)さらなる分析を行うための培養媒体に通される。
【0038】
II.粒子生産を減少させる製剤
バイオエアロゾール粒子は、気管の内在性界面活性層の不安定性によって発生する。ここに示される製剤は、本発明の特定の実施形態例に使用され、粘膜内層の生物物理学的な特性を変えるのに効果がある。
【0039】
肺の内在性界面活性流体の物理的特性が、生理食塩水の投与、又は、浸透活性物質、導電物質又は界面活性などの剤他の材料を含んだ生理食塩水の投与により変化することが見出されてきた。塩又は浸透活性物質の濃度の範囲は約0.01%から約10重量%であり、好ましくは約0.9%〜約10%である。粘膜内層の物理的特性を変えるための好ましいエアロゾール溶液は、等張性食塩水である。
【0040】
発明の特定の製剤は、水または有機溶剤環境(また、ここでは「伝導性試薬」とも称する)で、簡単にイオン化されるか、又は、例えば塩類、イオン性界面活性剤、電荷したアミノ酸、電荷したタンパク質またはペプチド、若しくは、電荷した物質(陽イオン、陰イオン、両性イオン)を含む。適切な塩類としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、シリコン、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロミウム、コバルト、ニッケル、銅、マンガン、亜鉛、スズなどの元素と類似した元素のどんな塩の形でも含む。例えば、塩化ナトリウム、ナトリウムアセテート、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ナトリウムアスコルビン酸塩、安息香酸ナトリウム、ナトリウム重リン酸、リン酸ナトリウム、ナトリウム重亜硫酸、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、ナトリウムグルコネート、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、リン酸カルシウム、アルギン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、カルシウムソルビン酸塩、硫酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、重炭酸カリウム、塩化カリウム、クエン酸カリウム、カリウムホウ酸塩、カリウム重亜硫酸塩、カリウム重リン酸、カリウムアルギン酸塩、カリウムベンゾアート、塩化マグネシウム、硫酸第二銅、塩化第二クロム、塩化スズ、ナトリウムメタケイ酸と類似した塩類が上げられる。適切なイオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)(別名ナトリウムラウリル硫酸塩(SLS))、マグネシウムラウリル硫酸塩、Polysorbate 20、Polysorbate 80と類似した界面活性剤である。適切な電荷アミノ酸は、L−リジン、L−アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、システイン、チロシンなどが挙げられる。適当な電荷タンパク質またはペプチドとしては、電荷アミノ酸を含んでいるタンパク質とペプチド、カルモジュリン(Calmodulin、CaM)及びトロポニンC(Troponin C)が挙げられる。電荷リン脂質としては、例えば1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリントリフラート(EDOPC)及びアルキルホスホコリントリエステルを使用できる。
【0041】
好ましい製剤としては、生理食塩水(0.15M又は0.9%のNaCl)、CaCl2溶液、生理食塩水中のCaCl2溶液、例えばSDSまたはSLSのようなイオン界面活性剤を含む生理食塩水などの塩を含む製剤である。ある実施形態例においては、製剤は生理食塩水とCaCl2を含む。塩または他の伝導性/電荷合成物の適切な濃度範囲としては、約0.01〜20%(伝導性又は電荷合成物の重さ/製剤全体の重さ)、好ましくは約0.1〜10%(伝導性又は電荷合成物の重さ/製剤全体の重さ)、より好ましくは約0.1〜7%(伝導性又は電荷合成物の重さ/製剤全体の重さ)である。
【0042】
生理食塩水を、治療において、例えば、ベータ作用薬、副腎皮質ステロイド、又は、抗生物質活性試薬と共に少量で、継続的に肺に送達させてきている。例えば、VENTOLIN(登録商標)吸入溶液(GSK)は、喘息と運動によって誘発された慢性気管支痙攣症の治療において使われるアルブテロール硫酸塩溶液である。噴霧化したVENTOLIN(登録商標)溶液は、総量3mLとなるように1.25〜2.5mgのアルブテロール硫酸塩(0.25〜0.5mLの水溶液で)を無菌の通常の食塩水に混入することで、患者によって準備できる。たとえ噴霧化時間が5〜15分の間で変動したとしても、VENTOLIN噴霧化による肺への食塩水の送達に関係すると考えられる副作用は存在しない。喀痰を誘導するためには、食塩水をかなりの量、送達しても良い。しばしばこれらの生理食塩水は高張濃度であり(0.9%より大きな塩化ナトリウム濃度であり、しばしば5%)、一般には20分の間に送達される。
【0043】
ここに開示する製剤は、様々な有機又は無機分子、特に小分子薬、例えば抗ウィルス剤、抗菌剤、抗生物質、抗ヒスタミン剤、気管支拡張薬、咳抑制剤、抗炎症薬、ワクチン、佐剤と去痰剤の送達のためのどのような方法にでも使用することができる。高分子の例としては、タンパク質、大きなペプチド、多糖類、オリゴ糖類、及び、DNAとRNA核酸分子並びにそれらの類似物で治療、予防、診断活性があるものが挙げられる。核酸分子としては、遺伝子、転写を阻害する相補的DNAと結合するアンチセンス分子、リボザイムを含む。好ましい試薬としては、抗ウィルス剤、ステロイド、気管支拡張薬、抗生物質、粘液生産抑制剤及びワクチンが挙げられる。
【0044】
好ましい実施形態例においては、活性剤の濃度は、約0.01%〜約20重量%であり、より好ましい実施形態例においては、活性剤の濃度は、約0.9%〜約10%で良い。
【0045】
III.気管への製剤の投与
A.放出粒子量を減少させるための伝導性製剤の投与
呼吸、咳、くしゃみ、及び/又は、話している間に発生するバイオエアロゾール粒子の形成を抑制減少させる製剤を投与するサイトにおいては、粘膜の粘弾性を増加させるために適切な伝導性を有する製剤を投与すれば良い。好ましくは、粒子形成を減少させるために、製剤を有効量で一人以上の個人に投与すれば良い。製剤は、クリーンルームの基準を維持するために、クリーンルーム入場前又はクリーンルームで働く間にヒトに投与すれば良い。エアロゾールをより放出する傾向にある動物及びヒト(「過剰生産者」、「スーパー生産者」または「スーパー拡散者」とも呼ぶ)が特定された場合、動物及びヒトによる粒子放出を減少させ、感染の拡大の防止、減少させ、又、病原体の再取り込みの防止、減少のために、製剤を投与しても良い。
【0046】
B.気管への投与
気管は、空気と血流の間でのガスの交換に関連する構造を有する。肺は、最後的にガスの交換が起こる肺胞で終わっている分岐構造である。肺胞表面積は呼吸器系で最も大きく、薬物吸収が起こるところである。肺胞は繊毛又は粘液の覆いなしで薄い上皮によってカバーされており、界面活性剤リン脂質を分泌します。J.S. Patton 及び R.M. Platz.の1992. Adv. Drug Del. Rev. 8:179-196を参照されたい。
【0047】
気管は中咽頭と喉頭を含む上気管を含み、そして、下部の気管が続き、気管支と細気管支に分岐が続く気管を含む。上下の気管は、誘導気管と呼ばれている。終末細気管支は、肺胞または深い肺に至る呼吸細気管支へ分裂する。深い肺または肺胞は、全体的な薬物送達のための吸入治療用エアロゾールの主要な標的である。
【0048】
典型的には、製剤は、上気管の内在性流体の表面張力と粘性のような物理的性質を変化させる有効量を送達できるように、個体に投与する。それにより、薬剤の肺への送達が促進され、及び/または、咳が抑制され、及び/または、肺のクリアランスが改善される。効果は、下記のようにシステムを使用して測定することができる。例えば、生理食塩水を、通常の大人に1グラム投与し、その後、粒子の放出量を測定する。それから、送達を、服用量と粒子数が最小となるように最適化する。
【0049】
製剤は、定量噴霧式吸入器(「MDI」)、ネブライザー、エアロゾライザー、または乾燥粉末吸入器を使って投与することができる。適当な装置は市販されており、文献に記述されている。
【0050】
例えば、Gonda Iが「気管の治療診断試薬の送達のためのエアロゾール」(Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 6:273-313, 1990)あるいは、Morenが「エアロゾール投与量と製剤」(Aerosols in Medicine, Principles, Diagnosis and Therapy, Moren他, 編集. Esevier, Amsterdam, 1985)で言及しているように、特定の治療目的のために、エアロゾール投薬量、製剤および送達システムが選択される。
【0051】
送達は、例えば、HFA推進剤を含んだ定量噴霧式吸入器、非HFA推進剤の定量噴霧式吸入器、ネブライザー、加圧缶、または連続噴霧器を使用したいくつかの方法のうちの1つにより行うことができる。例えば、患者は治療用に前懸濁した乾燥粉末を溶液に混合することで、それを霧状にすることができる。さらに、予め霧状にされた溶液を使用し、投与量を調節し、懸濁液の損失を回避すると、より適切である。噴霧化の後、エアロゾールに圧力をかけて、それを定量噴霧式吸入器(MDI)により投与することが可能である。ネブライザーは溶液または懸濁液から、細かい霧を発生させることができ、そして、それを患者が吸入する。Lloydらの米国特許第5,709,202号に示されている、装置を使用することができる。典型的には、MDIは、一般的に、1メートルの弁を備えている加圧可能なキャニスターを有している。また前記キャニスターは溶液または懸濁液および推進剤が充填される。溶媒自体が推進剤としての機能を有していても良く、また、組成物が、例えば、FREON(登録商標)(E. I. Du Pont De Nemours and Co. Corp.)のような推進剤と結合しても良い。キャニスターから放出されるとき、圧力のために組成物は細かい霧となっている。推進剤と溶媒は、圧力の減少により、完全に、または、部分的に蒸発していても良い。
【0052】
あるいは、製剤は不活性基質中で、または、分散して塩又は高浸透圧中で活性を有する形の粒子であっても良い。そして、それは鼻及び/又は口に置かれ、製剤粒子が吸入される。不活性基質は好ましくは生物分解可能であるか処理できる織布又は不織布であり、そして、より好ましくは、布は、セルロースタイプ材料で形成される。例としては、頻繁な使用の後で炎症を最小にするためにローションを含む、販売されている薄い織物である。液体の溶液または懸濁液の状態の用途に簡単に適用できる。これらの製剤は包装することができ、個々に販売され、薄い織物又は赤ちゃん用ワイプの包装と似たパッケージで販売されている。
【0053】
製剤は、個体の肺及び/または鼻領域にキメの細かい霧を噴霧するエアロゾールを提供する装置を使って、一人又は複数の個体に投与すれば良く、それによって粒子放出を低減できる。ヒト又は動物が活動するか、肺を水和するのに十分な期間とどまる水和環境を作ることでヒト又は動物に製剤を投与しても良い。この空気は、ネブライザー又は加湿器によってでも作製すれば良い。好ましくは、ネブライザー又は加湿器によって導電性製剤を投与すれば良い。クリーンルームに入る前及び/又は入る後に、個体に投与すれば良い。
【0054】
IV.診断装置の使用方法
図1及び2に示したように装置を使用する場合、ユーザーは、マウスピース(12)に唇を置く。ユーザーは、鼻クリップによって、及び、マウスピースに彼の唇にシールをすることによって、好ましくは、外気から気管を閉め切ると良い。マスクがマウスピースとして使われる場合、ユーザーは口や鼻の上にマスクを置く。鼻カニューレがマウスピースとして使われる場合、ユーザーは鼻を鼻カニューレに置く。マウスピースがマスクの形である場合、ユーザーは鼻や口の上にマスクを置いて、それによって外気から彼の気管を閉め切る。
【0055】
図3〜8中で示される装置を使うとき、ユーザーはシールを形成するためにユーザーの唇と歯の間に曲がったフランジ(40)を置く。使用している間、口を開けておくために、ユーザーはマウスピースを適切な場所に保持するために2つの突起(42A及び42B)の上下から噛むことになる。
【0056】
ユーザーが吸い込むとき、吸い込まれた空気は予め定められた測定範囲で粒子を取り除くフィルタ(14)を通してシステムを入る。吐き出された空気は、低抵抗一方向弁(16)中を通過し、粒子カウンター(20)に向かう。一方向弁(16)は、一人のユーザーから次に吐かれる病原体の感染防止に役立つ。
【0057】
排出された空気は、粒子数と粒子径を測定する粒子カウンター(20)に到達する。粒子カウンター(20)は、一定の流速で、好ましくは放出流速のピークよりも高い流速でサンプリングし、時間内の全てのポイントでフィルタ(14)を通した平均流れ方向はシステムの方に流れており、フィルタ(14)への放出粒子の無駄を防止することができる。好ましくは、流速28L/分を超える流速でサンプリングすれば良い。それから、粒子カウンター(20)はデータをコンピュータ(30)に提供する。ある実施形態例において、ユーザーが、周期呼吸などの一定呼吸パターンを維持するため、ユーザーには、呼吸パターンとキューの視覚的なフィードバックが与えられる。粒子カウンター(20)は、遠隔からPCでも、又は、タッチスクリーンインターフェース(図7Aの64参照)でその場からでもデータ測定及び分析を伴って制御できる。サンプル流速の生成と制御のためのコントローラは、メインハウジングに内装されていても外装されていても良い。吸入、放出(呼気)及び測定ステップは、複数回繰り返しても良い。そして、コンピュータは、平均粒径、平均粒子分布、及び、平均粒子形成速度を計算する。ユーザーによる放出粒子の数とサイズを減少させる必要があれば、例えば2006年1月10日に出願のPCT/US2006/000618号に記載の、粒子放出を減少させるための製剤をユーザーに投与すれば良い。
【0058】
任意に、診断装置(10)は、関連する呼吸速度のヒトによって生産放出される粒子を測定するように設計しても良い。この実施形態例によれば、図2に示すように、吸入された空気は、流速の粒子カウンターと共にユーザーの呼吸パターンを測定する低抵抗ガス流量計(22)を通してシステムに流入する。そして、空気は、一定の範囲で粒子を取り除くフィルタ(14)に流入する。上記に述べたように、放出空気は、低抵抗一方向弁(16)、チューブ(18)を介して、粒子カウンター(20)に流入する。流量計、圧力差変換器、及び/又は、信号調整器からのデータは計算と分析のためにコンピュータに送信される。
【0059】
診断装置を使って得られるデータにより測定される粒子形成速度及び生じる粒子のサイズに応じて、製剤を、粒子形成を減らすための有効量でユーザーに投与すれば良い。製剤は、クリーンルームへの入場前又は入場後に投与すれば良い。
【0060】
ここに特に定義されない限り、ここに使用されるすべての専門的科学的な用語は、一般に、本発明が属する技術分野で理解される意味と同じ意味で理解されたい。ここに引用される出版物と引用される資料は、特に参照によって取り入れられる。
【0061】
本発明をさらに理解するための例として、以下に実施例を提示するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0062】
実施例1:インビトロ(試験管内)シュミレーション
咳シミュレーション機械システムは、Kingによって、Am. J. Respir. Crit. Care Med. 156(1):173-7 (1997)に記載されている。デジタル圧力計と圧力安全弁を備えている気密性のある6.25リットルのプレキシガラス(Plexiglas)タンクは、肺の静電容量機能を提供するものとして作製された。タンクに圧力をかけるために、調整器及び空気浄化フィルタ付きの圧縮空気シリンダーを、吸気口に接続した。タンクの吐出口において、十分なCvフロー因子を有するAscoの2方向(通常は閉じられている)ソレノイド弁(8210G94)をガス放出のために接続した。ソレノイド弁は、120Vタイプ、60Hzのライトスイッチを使って配線した。「咳」のプロフィールを調べるために必要なポアズイユ(Poiseuille)流れを引き起こすFleisch no.4呼吸速度計をソレノイド弁の流出側に接続した。Fleischチューブの吐出口は、モデル気管への1/4インチのNPT入口に接続した。Validyne、DP45−14圧力差変換器は、Fleischチューブ中の圧力低下を測定する。Validyne、CD15正弦波キャリヤー復調器を、データ収集ソフトウェアへの信号を増幅するのに使用した。KingらがNurs Res. 31(6):324-9 (1982)で示したように、気管支粘液に類似した流動学的特性を有する弱い重合ゲル類を準備した。イナゴマメゴム(LBG)(Fluka BioChemika製)溶液は、四ホウ酸ナトリウム(Na247)(J.T.Baker製)により架橋した。2%重量/体積のLBGを、ミリ−Q蒸留水に溶かした。ミリ−Q蒸留水中の濃縮四ホウ酸ナトリウムを準備した。LBG溶液を室温にまで冷却した後、四ホウ酸ナトリウムを少量添加し、混合物を一時間撹拌した。また水性疑似粘液は、単純な谷型に基づいた疑似深度を形成しているモデル気管上にピペットにより移された。疑似粘液層は「咳」実験を始める前に、30分間架橋した。ここでt=0分は、測定開示した時であり、t=30分、t=60分と続く。四ホウ酸ナトリウムの最終濃度は1〜3mMとした。アクリル製のモデル気管は内部の幅と高さが1.6cmであり30cmの長さを有していた。モデル気管は、長方形のチューブ状であり、個々に頂点を有しフィットしており、疑似粘液層へ簡単にアクセスできるようにした。ガスケットとC型クランプは、気密シールを作製するのに使用した。長方形の横断面にすることにより、高さが均一な疑似粘液を得ることができ、丸いチューブと重力排水に関連した問題を回避することができる。モデル気管の断面領域も、生理的に関連付けた。モデル気管の末端は、空気に解放されている。PARI LC ジェットネプライザーとPronebウルトラ圧縮器を介して霧状溶液を疑似粘液に送達した。製剤は0.9%等張性生理食塩水(VWR)及び等張性生理食塩水に懸濁させた100mg/mlの合成リン脂質1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファコリン/1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスフォグリセロール(DPPC/POPG)(Genzyme製)7/3重量%を含む。選択された製剤3mlをピペットでネプライザーに移し、開放末端を通じネプライザーで放出する前にエアロゾール化し、しかし、疑似粘液層状にモデル気管谷を固定する。ここで、実験のt=0分の前に、モデル気管をFleischチューブの吐出口に取り付けた。また、t=30分、t=60分(服用後)の実験を行った。
【0063】
Sympatec HELOS/KFレーザー回折粒径計測器を使用して、作製した疑似粘液バイオエアロゾールのサイズを測定した。粒径計測器のためのFraunhofferの方法を使用した。そのHELOSは、0.25〜87.5μmの測定範囲を可能とするR2サブミクロンウインドウモジュールを備えていた。「咳」実験の前に、モデル気管の末端は、レーザービームから僅か3cmsでしかないように調整した。又、モデル気管の底は、支持ジャッキとレベルを使用して2.2mmのレーザービームの位置にした。分散したバイオエアロゾールは、HEPAフィルタに続く不活性サイクロンに接続している真空を使用して、回折ビームを透過した後に集めた。各々の実験の前に、レーザーを、外環境に5秒間参照させた。トリガー条件である光学濃度が(Copt0.2%となった後に、測定を始めて、Copt0.2%となったとき2秒で、測定を停めた。Sympatec WINDOXソフトウェアを使用して、体積による粒子径の対数に対する累積分布及び密度分布のグラフを作成した。
【0064】
空気の二相爆発からなる疑似咳のプロフィールは、疑似粘液の1.5mmの層上を通った。最初の流れ又は空気は、30−50msに対して約12L/sの流速を有していた。第二段階は200−500msとなり、それから、即座に減衰した。
【0065】
未処理の疑似粘液の場合の3回の咳の後のバイオエアロゾール濃度(図9A、9B及び9C)を、時間と共に測定し、又、生理食塩水送達の場合(図9A、9B及び9C)及び界面活性剤送達の場合(図示せず)も測定した。未処理の場合では、約400ナノメーターを中央値として、時間と共に一定のままである。生理食塩水を添加するにつれて、粒径は約1μm(t=0分)(図9A)から約60μm(t=30分)(図9B)は増加し、それから、30μm(t=60分)(図9C)まで減少した。
【0066】
これらの試験管内の成績の示すところは、おそらく表面張力の増加のために、粘液層に送達された分解中での粒径の相当量の増加を引き起こしているということである。生体内の結果によって示されるように、より大きなサイズの液滴は口から吐出されない。したがって、溶液送達は、放出粒子の数を大きく下げるのに有用である。
【0067】
実施例2:ヒトの放出エアロゾール粒子の減少
放出エアロゾール粒子形成の概念研究の証明を、12の健康な被験者を使用して行った。研究の目的は、(1)放出バイオエアロゾール粒子(粒径分布と数)の性質を決定;(2)放出粒子の数を計測するのに十分な感度を有した装置の有用性の確認;(3)健康な肺から吐き出された息からの粒子のベースラインカウントの評価;及び(4)放出粒子数抑制における2つの投与エアロゾール治療の効果の確認である。実験は、健康な被験者の1リットル当たり平均粒子及び平均粒径を決定するために異なる粒子探知器により行った。粒子のない空気中に、健康な被験者から1リットルにつき平均粒径200〜400nmのわずか1〜5の粒子を流し込む。粒子数は被験者により大きく異なっており、ある被験者では1リットルにつき30,000もの粒子を吐出し、サブミクロン単位の粒径が主体であった。正確にサブミクロンサイズの粒子を数える十分な感度を有する装置を、設計し、組み立てた。装置のレーザー構成要素は、メーカー手順(Climet Instruments社、Redlands、CA)に従って調整した。この装置であれば、1粒子/1リットルの感度で、150〜500nmの範囲で、正確に粒子を測定できた。一連のフィルタにより、すべての粒子のバックグランドを除いた。
【0068】
IRBプロトコル承認の後、12の健康な被験者を研究に登録した。基準としては、健康な18〜65歳で、通常の肺機能(予測FEV1が80%より大きい)、インフォームドコンセント及び測定への理解が伴っていることである。除外基準としては、重要な肺疾患(例えば喘息、COPD、嚢胞性線維症)、心血管疾患、気管の急性又は慢性感染症の履歴、妊婦、乳分泌中の女性である。1の被験者は、全一回分の療法を完了することができなくて、したがってデータ分析からは除外した。
【0069】
完全な身体的な試験の後で、被験者はランダムに2つのグループに別けた;プロトタイプ製剤1を投与するグループ及びプロトタイプ製剤2を投与するグループである。装置を2分間「洗い出した」後、放出粒子生産のベースラインを測定した。評価は、2分間の平均から得られた1分辺りの数であり2分間に渡って行った。ベースライン測定の後で、プロトタイプ製剤を、商業的に利用可能な水性ネプライザー(Pari Respiratory Equipment、Starnberg、ドイツ)を使用して6分間にわたって投与した。製剤1は、等張性生理的食塩水から成る。製剤2は、等張性塩性の溶媒の中に懸濁したリン脂質の組合せから成る。投与の後、放出粒子数は、一回の投与の後、5分、30分、1時間、2時間と3時間後に評価した。
【0070】
図10Aに示すように、ベースライン粒子数中でも検体者間で相当の変化があった。示したデータは、テストエアロゾールのうちの1つの投与前である。この放出粒子ベースラインはエアロゾールの「スーパー生産者」の存在を示唆する。この研究において、「スーパー生産者」はベースライン測定値で1,000以上の粒子/リットルを吐き出している検体者と定義した。図10Bは、製剤1の投与を受けた被験者の個々の粒子数を示している。データによれば、外因の実用エアロゾールの単純な製剤によって放出粒子数を抑えることができることを示している。
【0071】
図11Aは、このグループの中でベースラインで見つかった2人の「スーパー生産者」のプロトタイプ製剤1の効果を示している。プロトタイプ製剤がスーパー製作者に対して明確な効果を及ぼすであろうことを示している。
【0072】
同様の結果は、製剤2の送達でも見られた。図11Bは、2つの治療群で確認される「スーパー製作者」の、累積的放出粒子数の(ベースラインに対しての)変更割合を示したものである。この研究の結果によって、放出粒子がレーザー検知システムにより正確に測定でき、粒子が主に粒径1μm未満であり、被験者によってこれらの粒子数が変化することが証明された。「スーパー生産」被験者では、肺の粘膜表面の物理学的な特性を変更するエアロゾールの送達に対して最も著しく反応した。そのようなスーパー製作者は、感染した患者の人々の中で、病原の流布と流行に重要な責任があることがある。これらのデータにより、比較的簡単に安全な外因的投与エアゾール製剤によるエアゾール吐出(呼気)を抑えることが有用であることも証明された。
【0073】
実施例3:大型動物研究
7匹のホルスタイン雄牛の子を、麻酔し、挿管し、光学レーザーカウンターによるベースライン粒子放出のスクリーニングに使用した。動物は、未処理(偽)の場合もあったが、3の服用量(1.8分、6.0分または12.0分)の内の一つの生理食塩水の霧状エアロゾールにより処置した。偽投与の間、等張性生理食塩水を投与したので、動物は同様に慣らされている。1匹の動物には、一日あたり投与し、露出期間を通じてネプライザー服用をランダムに行った(表3の服用スケジュール参照)。各々の動物は、研究の期間の間にすべての服用を受ける予定であった。各々の投与の後、放出粒子数は、180分間で、別々の時点(0、15、30、45、60、90、120)にモニターした。
【0074】
研究の動物の露出マトリックスは、表3にある。少なくとも7日以上の投薬のインターバルを伴い投薬を57日にわたり行った。投薬を通じ、6.0分の服用(動物no.1736参照)、12.0分の服用(動物no.1735参照)の一部を除き各々の動物は少なくとも一回以上各々の投薬を受けた。これらの二つは、ベンチレータや麻酔装置に関する予想外の問題のために除外した。
【0075】
【表3】

【0076】
結果
図12Aは、偽の投薬を受けたあとの各々の動物の粒子数を時間経過と共に示す。各時間とも、典型的に、3つの粒子数の測定の平均を示す。図12Aの示すところは、特定の個々の動物(「スーパー拡散者」)によって、本質的に、他より多くの粒子を生じることである。さらに、その上、データは評価期間を通して、静止呼吸する麻酔された動物が比較的安定した放出粒子出力(例えば、動物no.1731、1735、1738、1739及び1741を参照)を維持することを示す。
【0077】
図12Bは、処理後の時間を通じての放出粒子数の平均変化割合を示したものである。それぞれのデータは。治療群からの6〜7つの測定平均を示したものである。すべての動物は、処置後180分までにベースラインに戻った。データによれば、6.0分の処置時間であれば、処理後少なくとも150分の間は放出粒子を抑制するのに十分の量であることが示唆された。他の処理は、効果的に抑制するには短すぎるか長すぎて、又、エアロゾール抑制が持続しない。
【0078】
実施例4:ヒトの放出エアロゾール粒子の減少
4人の健康な大人の研究において、放出粒子の数を減らす製剤の投与前又はそれに続いて、図2中の装置に類似した装置を使って粒子数を測定した。処置は、Pari LC+ジェットネプライザーによる、0.9%NaCl溶液中の1.29重量%CaCl2を6分吸入することで行った。処置の前並びに処理完了の後10分、1、2、4及び6時間後の時点で測定した。肺からの2分の粒子の洗い出しに続き3分間試験による粒径0.3μmを超える粒子の総量を、図2に図示した装置と類似の装置により測定した。装置は、Climet CI−500B光学粒子カウンターを具備する。この装置は300〜2500nmの範囲の粒子を測定することができる。一連のフィルタによって、一連の粒子バックグランドを除いた。
【0079】
図13は、粒径0.3μmを超える平均粒子数によって、吸入された処置の効果を示す。平均粒子数は、処置後6時間の全てのポイントで処置前のベースライン数より少なくなっているのが観察された。
【0080】
実施例5:ヒトの放出エアロゾール粒子の性質
2つの別々の研究において、図2に示したのと同様の測定システムを使用して580人の大人及び97人の子供を測定し、通常の呼吸の間に生じる粒径配布及び粒子数を測定した。
【0081】
両方の研究には、試験の間の被験者の流速を測定するためにFleischタイプの呼吸速度計(モデルno. 1, Phipps and Bird, リッチモンド、バージニア(Richmond VA))を、0.3〜25μmの範囲の粒子数及び粒径分布を測定するために光学粒子カウンター(Climet Model CI500B、Climet Instruments社、Redlands、CA)を使用した。粒子の内空気で2分間洗浄した後、3分間の試験間隔で粒子数を測定した。
【0082】
実施例2の比較的小規模の実験と同様に、放出粒子数の大きな被験者間での変化は、両方の研究で観察された。大人の研究において、被験者の26%は「スーパー製作者」に分類され、1分辺り10,000を超える粒子を放出し、研究における測定粒子の94%を占めた。一分辺りの粒子数は5桁付近を越えるものであった。
【0083】
子供の研究において、被験者の12%は「スーパー製作者」に分類され、これは同じ基準で分類され、研究における測定粒子の86%を占めた。一分辺りの粒子数は5桁付近を越えるものであった。
【0084】
ここに示した本発明の特定の実施形態例及びその均等物は、当業者であれば簡単な実験により確認することができる。そのような均等物については、本発明の範囲に含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】ヒトが生産放出する粒子を測定する診断装置を示した図である。
【図2】ヒトが生産放出する粒子を測定する診断装置を呼吸速度計と共に示した図である。
【図3A】診断装置の好ましい実施形態例を示したものであり、蓋が透明である。
【図3B】診断装置の好ましい実施形態例を示したものであり、蓋が取り外し可能である。
【図4A】使い捨てキットの好ましい実施形態例を示したものであり、立体図である。
【図4B】使い捨てキットの好ましい実施形態例を示したものであり、側面図である。
【図5A】マウスピースの好ましい実施形態例を示したものであり、前方の立体図である。
【図5B】マウスピースの好ましい実施形態例を示したものであり、側面図である。
【図6A】メインハウジングの底に付けられた構成要素の好ましい実施形態例を示したものであり、立体図である。
【図6B】メインハウジングの底に付けられた構成要素の好ましい実施形態例を示したものであり、平面図である。
【図7A】メインハウジングの蓋の好ましい実施形態例を示したものであり、蓋の外の図である。
【図7B】メインハウジングの蓋の好ましい実施形態例を示したものであり、側面図である。
【図8A】流量計の好ましい実施形態例を示したものであり、立体図である。
【図8B】流量計の好ましい実施形態例を示したものであり、側面図である。
【図8C】流量計の好ましい実施形態例を示したものであり、側面図である。
【図9A】疑似粘液の場合の3回の咳の後、及び、生理食塩水送達後、t=0分の粒子濃度の示した図である。
【図9B】疑似粘液の場合の3回の咳の後、及び、生理食塩水送達後、t=30分の粒子濃度の示した図である。
【図9C】疑似粘液の場合の3回の咳の後、及び、生理食塩水送達後、t=60分の粒子濃度の示した図である。
【図10A】粒子のない空気中での被験者(n=11)の(150nmより大きい)ベースライン粒子数を示した。
【図10B】エアロゾル形態で肺に生理食塩水(約1g)を投与した場合の時間経過と被験者(n=11)の(150nmより大きい)ベースライン粒子数を示したものである。
【図11A】治療前は(粒子のない空気中で)1000粒子/リットルを越えるベースライン放出数を有している被験者(n=2)の、エアロゾル形態で肺に生理食塩水(約1g)を投与した場合の時間経過と(150nmより大きい)ベースライン粒子数を示したグラフである。
【図11B】治療前は(粒子のない空気中で)1000粒子/リットルを越えるベースライン放出数を有している被験者(n=2)のエアロゾル形態で肺にリン脂質を含んだ生理食塩水(約1g)を投与した場合の時間経過と(150nmより大きい)ベースライン粒子数を示したグラフである。
【図12A】偽の投薬を受けたあとの各々の動物の(0.3μmより大きい)総放出粒子数を時間(分)経過と共に示したグラフである。
【図12B】生理的食塩水処理1.8分処理(-■-)、6.0分処理(-▲-)12分処理(-□-)、及び、偽の投薬(-◆-)処理後の時間を通じての放出粒子数の平均変化割合(%)を示したものである。
【図13】ベースラインに対して生産された(0.3μmより大きい)平均放出粒子数及び粒子生産減少製剤の投与の時間(時間)を示したグラフである。
【符号の説明】
【0086】
10 装置
12 マウスピース
13 吐出口
14 フィルタ
16 低抵抗一方向弁
18 コネクタ
19 チューブ
20 粒子カウンター装置
22 ガス流量計
24 圧力差変換器
26 信号調整器
30 コンピュータ
40 フランジ
42A 突起
42B 突起
43 開口部
44 チューブ
45 末端
47 末端
50 使い捨てキット
60 メインハウジング
62 真空ポンプ
64 ディスプレイ
68 メインハウジングの底
70A チューブ
70B チューブ
82 バイパスチューブ
84 低流率流量計
86 層流要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体から放出された粒子を測定する診断装置であって、
使い捨てキットとメインハウジングを備え、
使い捨てのキットは、マウスピース、二方向フィルタ、及び、低抵抗一方向弁を含み、
メインハウジングは、粒子カウンター及びコンピュータを含み、
マウスピースは、フィルタ及び一方向弁と連結するアウトレットを有し、
フィルタは、一端では外環境に露出し、他端ではマウスピースと連結し、
使い捨てキットは2つの連結チューブを介してメインハウジングと連結している装置。
【請求項2】
フィルタが粒径0.1μm、又はそれより大きい粒子を除去できる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
マウスピースが、ユーザーが唇をマウスピースの周りに置けるように設計されたマウスピース、鼻カニューレ、ユーザーの口及び鼻をカバーできるマスク、並びに、ユーザーの鼻をカバーできるマスクからなる群から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
マウスピースが、曲がったフランジ及び2つの突起を含み、ユーザーが突起を噛み合わせたとき、ユーザーがフランジの唇及び歯の間に置くことでシールが形成されるように設計されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
フィルタが2つか3つ以上のフィルタの組み合わせである請求項1に記載の装置。
【請求項6】
粒子カウンターが、電気的移動度粒子カウンター、固着粒子カウンター、静電的固着粒子カウンター、赤外線分光粒子カウンター、レーザー回折粒子カウンター、及び、光散乱粒子カウンターからなる群から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
粒子カウンターが、光学粒子カウンターである請求項1に記載の装置。
【請求項8】
粒子カウンターが、コンピュータから粒子カウンターに制御コマンドを送信できるようにコンピュータに接続している請求項1に記載の装置。
【請求項9】
コンピュータが、粒子カウンターの内部又は外部にあるマイクロプロセッサである請求項1に記載の装置。
【請求項10】
フィルタと連結し、フィルタと外環境の間に設置されるガス流量計をさらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項11】
ガス流量計が、Fleischタイプ又はLillyタイプの呼吸速度計である請求項10に記載の装置。
【請求項12】
ガス流量計が、層流要素周辺のバイパスの間の圧力差、又は、バイパス中の流速を測定することで機能する請求項10に記載の装置。
【請求項13】
流量計中での圧力低下を測定することができる圧力差変換器、及び、
圧力差変換器と接続し、信号を増幅し、信号をコンピュータに送信することができる信号調整器
をさらに含む請求項10に記載の装置。
【請求項14】
請求項1に記載の診断装置を使用して個体からの放出される粒子の速度及び粒径を測定する方法であって、
(i)マウスピースを個体中の口若しくは鼻の中又は上に置き、
(ii)事前にフィルタを通過させた空気を、マウスピースを通じて送り込み、
(iii)マウスピースを通じて一方向弁に吐出し、
(iv)粒子カウンターを使用して粒子数及び粒径を測定し、そして、
(v)データを粒子カウンターからコンピュータへ送信する
ステップを含む方法。
【請求項15】
ステップ(ii)において、空気がフィルタを通過する前に、ガス流量計を通過する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(iii)の前に、データを信号調整器からコンピュータへ送信することをさらに含む請求項14に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(ii)から(v)を複数回繰り返す請求項14に記載の方法。
【請求項18】
平均粒径、平均粒子分布、及び、平均粒子形成速度を計算するステップ(vi)をさらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ヒト又は他の動物の粘膜内層に投与すれば粘膜内層の粘弾特性、粘膜内層の表面張力、又は、粘膜内層の体積粘性率を変化させる製剤を送り込むステップ(vii)をさらに含み、その後ステップ(i)から(vi)を繰り返す請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【公表番号】特表2009−533681(P2009−533681A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505428(P2009−505428)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/008815
【国際公開番号】WO2007/120644
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(506299858)プルマトリックス インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】