説明

粒状シリコンを製造する方法及び装置

シリコン顆粒は、流動層反応器内のチャンバの内部での種粒子上への化学気相成長によって製造されている。チャンバは妨害部材又は気泡破砕装置を含む。妨害部材又は気泡破砕装置はチャンバ内部での気泡の成長を制限する大きさ及び形状を有するとともに、加熱された流体を通して熱をチャンバ内部のガスに伝達する内部通路を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は2009年1月9日に出願された米国仮出願番号第61/143,679号の利益を主張するものであり、この仮出願は参照することにより本書に組み込まれているとする。
【背景技術】
【0002】
流動層反応器内部でのシランからのシリコン堆積は吸熱反応であり、外部エネルギー源を必要とする。このような反応器内に所望の動作温度を維持することは難しい。
【0003】
熱は反応器の壁を通して加えることができる。あるいは、反応ストリームを反応器に入れる前に予め加熱することができる。場合によっては、エネルギーはマイクロ波又はレーザなどの電磁放射により“ビーム入射”することができる。これらの各方法にはある程度の制限がある。
【0004】
マイクロ波を用いる方法は反応器に接続された適切な発生器を必要とする。発生器は反応の温度及び圧力に耐えることができなければならない。反応物質は発生器が発生する放射の波長を吸収できなければならないが、生成物は原料に戻らないように同じ放射を吸収してはならない。発生器は適度な効率で動作する必要もある。これらの条件が電磁放射を流動層反応器の設計において主エネルギー源として使用することを厳しく制限している。
【0005】
反応器を壁を通して加熱する方法は簡単で効率的である。しかし、高い熱流束は高い温度を必要とし、壁の強度を大きく低下し得る。強度の低下を補償するために壁の厚さを増大させると、熱の流れが減少し、壁を通る熱を増大させるためにさらに高い温度が必要になる。さらに高い温度は壁を更に弱くし、悪循環にはまり、すぐに利益消滅点に到達する。更に、反応器の断面積は反応器の直径の二乗として増大するが、熱移動に利用可能な面積(反応器の外周)は直径と線形に増大する。従って、反応器のサイズは熱伝達容量により制限される。
【0006】
反応物質を反応器に入れる前に加熱する方法は反応器の壁を通して熱を伝動する必要がなくなる。しかし、反応物質が熱くなりすぎる場合、供給管内で不所望な反応を誘起する恐れがある。反応器の内部では流動層全体が所望の温度を維持すべきである。吸熱反応を実行するとき、流動層全体に所望の温度を維持するために、反応物質は反応器に入れる前に過熱される。過熱の量は、(反応物質が流動層反応器に入る)流動層の底面が所望の動作温度よりはるかに高くなるような高さにすることができる。この過大な底面温度は不所望な副反応を生じさせることがあり、また反応物質を反応器に到達すると同時に反応させてしまい、目的どおり流動層全体を反応させることができなくなることがある。
【0007】
多くの流動層反応器における独自の問題は、所定の状態の下で主反応ゾーンにおいて流動層内に大きな気泡が形成されることにある。大きな気泡は通常いくつかの理由で望ましくない。
【0008】
第1に、最良の熱及び質量輸送は小さな気泡で生じる。反応器は多数の微粒子からなる流動層と流体相との間で反応物質、生成物及びエネルギーを交換することにより機能する。熱及び質量輸送は気泡の表面で生じる。質量及びエネルギー輸送は多くの場合生産速度を決定する制限因子であるから、より速い輸送が望ましい。輸送速度を向上させる2つの方法は、気泡の境界層をより薄くする方法及び輸送に有用な表面積を増大する方法がある。あいにく、気泡の境界層は反応器の状態により設定され、容易に変更できない。しかし、技術によって、流動層反応器システムを少数の大きな気泡の代わりに多数の少数の気泡を有するように設計することによって表面積を大きく拡大することができる。小さい気泡を生成する一つの方法は、気泡破砕装置という機械的装置を組み込むものである。この装置は大きな気泡を分裂させ、多数の小さい気泡に破砕して混合を促進させる。
【0009】
特にガス−固体システムにおける大きな気泡の別の不所望な効果は、大きな気泡は流動層の大きな部分を持ち上げ、急に落とすので、流動層を激しく上下動させることにある。この圧力振動はガス速度に変化を生じさせて流動層の適正動作を妨害し、最適生産性に有害である。圧力振動は更に反応器構造及び直接連結された支持装置に機械的応力を生じさせる。この場合も同様に、気泡サイズを低減するため又は大きな気泡の不所望な効果を除去するために気泡破砕装置を使用する。
【0010】
気泡破砕装置は、典型的には、流れの方向を横切るように設置される粗いメッシュスクリーン又は格子又はバー又はパイプなどの静止物体である。伝統的には、それらの役割は単に大きな気泡を破砕し、その場にいくつかの小さい気泡を発生させ、反応器内の反応に参加させることにある。流動層反応器内部で種粒子に化学気相堆積を行う装置及び方法がここに開示される。シリコン含有ガスを固体のポリシリコンに変換する改良技術も開示される。
【0011】
開示の装置には、流動層反応器内に妨害部材又は気泡破砕装置が設けられる。気泡破砕装置は反応ゾーンに熱を加えるための追加の表面積を供給するように構成される。この効果は反応器の壁温度を低減するため、反応器の直径を増大するため又はその両方のために利用することができる。
【0012】
気泡を破裂させる適切な位置に気泡破砕装置を設けるために、一つ以上のパイプ又は類似の導管が反応器内に置かれる。所望の反応温度より高く加熱されたガスが気泡破砕装置内の通路を流れる。熱がガスから反応ゾーンへ伝達される。気泡破砕装置から出る冷えたガスは閉回路内で汲み出され、その出口温度で反応器入口に送るか、或いは再加熱装置へ汲み出し、再加熱して他の温度で反応器入口に送ることができる。
【0013】
特定の構成では、気泡破砕装置は2,3、4又はそれより多数のほぼU字形のパイプ又はチューブを含む。個々のチューブの流れは直列にしても並列にしてもよい。
【0014】
本発明の上述の及び他の目的、特徴及び利点は添付図面を参照してなされる下記の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】流動層反応器内部で粒子にシリコンを堆積するシステムの概略図である。
【図2】図1の2−2線に沿う、流動層反応器内部で粒子にシリコンを堆積するシステムの反応器の概略断面図である。
【図3】図2の反応器内に置かれるU字形チューブ構造の垂直概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
反応器のチャンバ内部で種粒子にシリコンを堆積する装置及び方法が記載される。少なくとも一つのシリコン含有ガスが、シリコン粒子の本体を流動層内に維持するために、必要に応じ一つ以上の希釈ガスとともに、反応器内に注入される。シリコン含有ガスが流動層内で分解するにつれて、シリコンがシリコン種粒子に堆積され、大径のシリコン顆粒が得られる。
【0017】
開示の構成では、大きな気泡を小さな気泡に破砕するためにチャンバ内に妨害部材又は「気泡破砕装置」が設けられる。気泡破砕装置は、チャンバ内の流動層へ熱を伝達するために加熱された流体を反応器の内部に通す一つ以上の導管又はチューブを含む。チューブの大きな表面積によって熱を反応ゾーンの中心領域に効率よく加えることが可能になる。
【0018】
図1−2は流動化された種粒子にシリコンを堆積する流動層反応器10の一例を示す。流動層反応器はチャンバ12を画成する壁11を有する容器を備える。チャンバ12内に反応ガスを供給するために入口13が設けられ、チャンバから排出ガスを排出するために出口14が設けられている。
【0019】
反応器10はチャンバ12内に一以上のチューブを備える妨害部材15を有する。図示の気泡破砕装置は反応器10の上部ヘッドから垂れ下がる配管からなる。
【0020】
図示の配管は、チャンバ内を上方へ移動する大きな気泡(例えばチャンバ12の断面積の50%より大きな直径を有する)を破砕するように互いに十分に近接して置かれたほぼU字形の2つのパイプ又はチューブ16からなる。2つのU字形チューブ16は並列に接続された通路17を画成する。他の応用例では、チューブは直列にすることができ、反応器の大きさ及び伝達すべき熱の量に応じてもっと多数の又は少数のチューブを使用することができる。気泡破砕装置15の長さは反応器10の高さの約50−75%にするのが有利である。換言すれば、気泡破砕装置の底部は反応器の基部24からチャンバ12の約1/4から1/2の高さにする。
【0021】
気泡破砕装置のチューブ16は流動層の振動及び動揺に耐えるように固定される。図2−3に示されるように、振動及び動揺を最小にするためにほぼU字形の気泡破砕装置チューブをストラップ20で束ねて固定することができる。図3に見られるように、U字形チューブは最下部21が互いに重なり合うように積み重ねることもできる。更に構造を堅牢にし、運動を禁止するために最下部21を互いに固着するのが有利である。
【0022】
気泡破砕装置は流動層反応器内部の厳しい条件、特に高温に耐えることができる材料で形成すべきである。気泡破砕装置の外面はビーズ摩擦に耐えることができる材料で形成すべきである。この材料は反応器内の温度、反応物質及び生成物ともコンパチブルであるべきである。気泡破砕装置のチューブの内面は加熱流体と反応しない材料で形成すべきである。加熱流体は配管と反応しない任意の加熱液体又はガスとすることができる。しかし、ここに記載するように、加熱流体が気泡破砕装置から再加熱装置を経て反応チャンバへ通され流動層の再流動化に参加することができるガスであるとき、最大の効率が達成される。
【0023】
ここに記載する気泡破砕装置は一つ以上の他のタイプの加熱装置と組み合わせて最良に使用される。電気加熱装置(図示せず)は反応器の床に又はその近くに設けるのが有利である。従来、電気加熱装置は流動層反応器の壁に取り付けられていたが、このような壁取付け加熱装置はこのような反応器の動作に固有の振動により悪影響を受ける傾向がある。気泡破砕装置は反応チャンバの上部領域に熱を加えるために使用できるため、壁取付け加熱装置の使用を避けることができる。床置き加熱装置は振動を受けにくいので、耐用年数が延長する。
【0024】
記載の気泡破砕装置システムは反応チャンバの中心部に熱を入力するので、増大した断面積ひいては増大した反応室容積の反応チャンバを有する反応器を構成することができる。
【0025】
図示のシステムの動作を、代表的な例として、米国特許第5,798,137号明細書などの刊行物に概説されているプロセスを用いる、シラン(SiH)の分解によるシリコンの堆積について、以下に検討する。このようなシステムでは希釈剤として一般に水素ガスが使用される。類似の装置及び方法が他の既知のシリコン含有前駆ガス、例えば(Sin2n-2)、クロロシラン(例えばテトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン)、ブロモシラン、ヨードシラン及びその組み合わせに対して使用されることに留意されたい。
【0026】
最初に、シリコン種粒子26が図1に示すタイプの反応器のチャンバ12内に置かれる。チャンバ12の内容物は適切な温度まで加熱される。
【0027】
シラン及び任意の他の流動化ガスが反応器10の基部24にて又はその近くにてチャンバ12内に注入される。図示のシステムでは、シランがガス源25から管22を経て反応器の入口13に供給される。水素ガスが供給源30から一つ以上の通常の注入器42を経て流動層反応器内に注入される。注入されたガスは反応器内部を一緒に上方へ流れ、種粒子26の流動層の流動化を生ぜしめる。流動層の上部から排出されるガスは出口14を経てチャンバ12から排出される。
【0028】
チューブ16は気泡破砕装置として作用し、流動層内に形成される大きな気泡(例えば、チャンバ12の断面の50%より大きい直径を有する気泡)を小さな気泡(例えば、チャンバ12の断面の20%より小さい直径を有する気泡)に粉砕する。
【0029】
チャンバ12に熱を加えるために、加熱された流体が気泡破砕装置のチューブ16の通路17に通される。図示のシステムでは、供給源30から水素が第1の水素加熱装置32へ流れ、この加熱装置は水素の温度を約1000℃に上昇させるので、加熱流体、特に加熱水素の源として作用する。加熱水素は次にチューブ16を流れ、熱を流動層26の中心部に伝達する。水素はチューブ16を通過する間に約700℃に冷える。冷えた水素は気泡破砕装置から再加熱装置40へ流れ、この再加熱装置は水素を約800℃(流動層反応器の所望の入口温度)に加熱する。この再加熱された水素ガスは次に通常の如く一つ以上の注入器42を経て流動層反応器に注入される。
【0030】
所望の量の熱を伝達するためにはチューブを流れるガスの流量を適切にする必要がある。チューブから出るガスはチャンバに再利用されるため、最大ガス流量は反応器を動作させるのに必要とされるガスの量により決まる。最小ガス流量は伝達すべき所望の熱量及び気泡破砕装置の表面積に依存する。流量が減少すると、十分な熱をチャンバに伝達するためにガスの温度を増加させなければならない。しかし、温度はチューブ材料の融点に到達もしくは超えるような高温にすることはできない。また、過度の加熱は不所望な副反応をガス自体に生じ得る。従って、流量は、所望の熱量をチャンバに伝達しながら、ガスの温度をチューブの融点より低くするとともに不所望な副反応を生じる温度より低くするのに十分な大きさにすべきである。
【0031】
従って、気泡破砕装置内のパイプの最適サイズ及び数は必要とされる伝熱面積、気泡を分裂させるのに必要とされる幾何形状及び気泡破砕装置の必要な構造的完全性に依存する。パイプのサイズ及び数は次の等式;
Q=UA(dt)
を用いて部分的に決定される。ここで、Qは熱移動量、Uはチューブ壁の熱伝達率、Aはチューブの表面積であり、dtはチャンバ内の流動層とチューブ内のガスとの温度差である。パイプの数又はパイプのサイズの増大は表面積Aを増大し、熱移動量Qの増大を生じる。しかし、パイプは流動層内の流れを制限するほど大きく又は多くすることはできない。
【0032】
熱移動量Qは、反応器で必要とされる熱量を決定し、反応器壁を経てチャンバ内に移動される熱を減算する(又はチャンバから反応器壁を経て失われる熱を加算する)ことによって計算される。Qの所望値に到達するためには外部ガス余熱装置によりチャンバに加えられる熱も減算する。外部ガス余熱装置は気泡破砕装置内のガスの初期温度を低くすることができる。ガスは気泡破砕装置の壁を経て反応ゾーンに熱を伝達する。次にガスは気泡破砕装置を出て、ガス余熱装置に到達し、反応ゾーン内に供給される。従って、実際は同じ量のガスが2度反応ゾーンに熱増分を与える。
【0033】
いくつかの実施形態では、反応自体が熱を発生し、チャンバを冷却することが要求され得る。このような場合には、反応ゾーンから余分の熱を吸収し除去するために冷たい不活性ガス又は流体がチューブに流される。加熱されたガスは反応ゾーンに再利用しないで、排出するか、熱を必要とする別のプロセスに転送する。
【0034】
Qが決定されたら、Aを計算する。気泡破砕装置の実際の幾何形状は実験的に決定される。考慮すべきファクタは流体相状態(即ちガス、液体又は固体)、種粒度分布、粒子及び流体の密度、反応領ゾーンの所望の温度及び反応のエンタルピー変化である。
【0035】
計算の結果、図2−3に示される並列にガスを流す2つのほぼU字形パイプ16からなる気泡破砕装置によって、反応(例えばシリコン堆積)を支持する適切な熱を反応ゾーンに伝達することができることが明らかになった。気泡破砕装置を走行中にガスから除去されなかった熱は再利用されるため、注入器42から反応器内に再注入する前に必要とされる再加熱がより少なくなる。
【0036】
流動層のベッドゾーン活性によって熱伝達を低減する通常の表面境界膜が除去される。それゆえ、熱伝達率が通常の熱交換機の場合より高くなる。ベッド活性はまたベッド粒子を動かし、気泡破砕装置により加熱された粒子を反応ゾーン全域に搬送する。
【0037】
記載の気泡破砕装置はシリコン堆積用流動層反応器の反応チャンバ内部の温度状態を種々の目的に対して制御するのに有用である。気泡破砕装置を流れるガス又は液体の温度は、例えば流動層反応器が反応物質の濃度を希釈することなく適切な反応状態を維持するために冷却する必要があるとき、或いは、反応は続行するためにはほぼ最低温度でなければならないが、副反応又は分解が歩留まりを低減する最高温度より低い温度でなければならない場合に、より高く又はより低く調整することができる。
【0038】
いくつかの構成(図示せず)では、シリコン含有ガスが気泡破砕装置中を通過する加熱流体として使用される。このガスはチューブに入れる前に予め加熱される。このガスは気泡破砕装置中を流れた後に再加熱装置へ流れ、再加熱装置がシリコン含有ガスを所望の流動層反応器入口温度に加熱する。シリコン含有ガスは次に入口を通って反応チャンバ内に流入し、そこで分解され、シリコンが種粒子に堆積される。加熱流体が反応ガスであるとき、それを気泡破砕装置パイプ及び反応器に押し込むためには初期供給圧力を少し増加させるだけで十分である。ホットガスを再加圧する必要はない。
【0039】
一般に、気泡破砕装置を流れるガス又は液体は動作温度で安定であるべきである。特に、分解して固体になるものはすぐにチューブを塞いでしまうので固体に分解しないものとすべきである。シリコン含有反応ガス、特にシランがチューブに流される構成では、固体シリコンが堆積し得る。しかし、そのシリコン堆積は一般に厚くなりすぎる前に気泡破砕装置の振動によって剥ぎ落とされる。
【0040】
本発明の原理を適用し得る多くの実施形態を考慮して、図示の実施形態は本発明の好適な実施形態にすぎず、本発明の範囲を限定するものではないと認識すべきである。むしろ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲により特定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン含有ガスの熱分解により粒状シリコンを生成する方法であって、該方法は、
シリコン含有ガスからのシリコンをシリコン粒子に堆積するために、シリコン含有ガスを反応器内のチャンバの内部でシリコン粒子の流動層中を上方へ通過させるステップ、
前記チャンバ内に置かれ、前記流動層内の気泡を破砕するように構成されているとともに一以上の通路を画成するように構成されている妨害部材を設けるステップと、
前記流動層に熱を伝達するのに十分な温度の加熱流体を前記一以上の通路に供給するステップと、
を備える、粒状シリコンの生成方法。
【請求項2】
前記妨害部材を設けるステップは、前記チャンバ内に延在し前記一以上の通路を画成する複数のチューブを備える妨害部材を設け、
前記加熱流体を供給するステップは、加熱流体を前記複数のチューブに並列に通す、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記妨害部材を設けるステップは、前記チャンバ内に延在し前記一以上の通路を画成する複数のチューブを備える妨害部材を設け、
前記加熱流体を供給するステップは、加熱流体を前記複数のチューブに直列に通す、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記妨害部材を設けるステップは、前記チャンバ内に延在し前記一以上の通路を画成する複数のチューブを備える妨害部材を設け、
前記加熱流体を前記一以上の通路に供給するステップは、加熱された水素を前記一以上のチューブに通し、
前記方法は更に前記チューブから出る水素を再加熱し、再加熱された水素を前記チャンバに再注入するステップを備える、
請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記妨害部材を設けるステップは、前記チャンバ内に延在し前記一以上の通路を画成する複数のチューブを備える妨害部材を設け、
前記加熱流体を前記一以上の通路に供給するステップは、加熱されたシリコン含有ガスを前記一以上のチューブに通し、
前記方法は更に前記チューブから出るシリコン含有ガスを再加熱し、再加熱されたシリコン含有ガスを前記チャンバに再注入するステップを更に備える、
請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記妨害部材を設けるステップは、前記チャンバ内を上方へ移動する気泡を破砕するように置かれた複数のほぼU字形のチューブを備える妨害部材を設ける、
請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
シリコン含有ガスの熱分解により粒状シリコンを生成する方法であって、該方法は、
シリコン含有ガスからのシリコンをシリコン粒子に堆積するために、シリコン含有ガスを反応器内のチャンバの内部でシリコン粒子の流動層中を上方へ通過させるステップ、
前記チャンバ内に置かれ、前記流動層内の気泡を破砕するように構成されているとともに、前記チャンバ内に延在し一以上の通路を画成する複数のほぼU字形のチューブを備える妨害部材を設けるステップと、
前記流動層に熱を伝達するのに十分な温度の加熱された水素を前記一以上の通路に供給するステップと、
前記一以上の通路を出る水素を再加熱するステップと、
前記再加熱された水素が流動層の流動化に加わるように配置された入口から前記チャンバ内に前記再加熱された水素を注入するステップと、
を備える、粒状シリコンの生成方法。
【請求項8】
シリコン含有ガスの熱分解により粒状シリコンを生成する反応器であって、該反応器は、
シリコン粒子の流動層を収容するチャンバを画成する容器と、
前記チャンバ内に存在する複数のシリコン粒子と、
シリコン含有ガスをチャンバ内に供給する入口であって、供給したシリコン含有ガスが前記シリコン粒子の中を上方へ流れるように配置されている入口と、
前記チャンバから排出ガスを排出する出口と、
前記チャンバ内に置かれ、前記流動層内の気泡を破砕するように構成されているとともに、一以上の通路を画成するように構成されている妨害部材と、
加熱流体を前記一以上の通路に供給するように接続された加熱流体源と、
を備える、粒状シリコン生成用反応器。
【請求項9】
前記妨害部材は、前記チャンバ内に延在し前記一以上の通路を画成する複数のチューブを備え、
前記反応器は、前記流動層に熱を伝達するために前記一以上の通路内に加熱流体を含む、
請求項8記載の反応器。
【請求項10】
前記チューブは、前記チャンバ内に延在し並列に接続された2つ以上のチューブを備える、
請求項9記載の反応器。
【請求項11】
前記チューブは、前記チャンバ内に延在し直列に接続された2つ以上のチューブを備える、請求項9記載の反応器。
【請求項12】
前記一以上のチューブは、前記チャンバ内の流動層の中を上方へ移動する気泡を破砕するように置かれたほぼU字形のチューブである、請求項9〜11のいずれかに記載の反応器。
【請求項13】
前記加熱流体源は加熱された水素源である、請求項8〜12のいずれかに記載の反応器。
【請求項14】
前記加熱流体源は加熱されたシリコン含有ガスである、請求項8〜12のいずれかに記載の反応器。
【請求項15】
前記加熱流体源は、加熱された水素源、加熱されたシリコン含有ガス源又はその混合物であり、
前記一以上の通路は、前記加熱されたガスが前記一以上の通路から前記チャンバ内へ流れることができるように前記チャンバと連通している、
請求項8〜12のいずれかに記載の反応器。
【請求項16】
前記一以上の通路は、前記一以上の通路からの前記加熱されたガスが前記流動層の流動化に加わるように配置されたチャンバ入口に接続されている、
請求項15記載の反応器。
【請求項17】
前記一以上の通路から加熱されたガスを受け取り、受け取ったガスを前記チャンバに再注入する前に更に加熱する再加熱装置を更に備える、請求項15記載の反応器。
【請求項18】
シリコン含有ガスの熱分解により粒状シリコンを生成する反応器であって、該反応器は、
シリコン粒子の流動層を収容するチャンバを画成する容器と、
前記チャンバ内に存在する複数のシリコン粒子と、
シリコン含有ガスをチャンバ内に供給する入口であって、供給したシリコン含有ガスが前記シリコン粒子の中を上方へ流れるように配置されている入口と、
前記チャンバから排出ガスを排出する出口と、
前記チャンバ内に置かれ、前記流動層内の気泡を破砕するように構成されているとともに、前記チャンバ内に延在し加熱された水素を含む一以上の通路を画成する複数のほぼU字形のチューブを備える妨害部材と、
加熱された水素を前記一以上の通路に供給するように接続された加熱された水素源と、
前記一以上の通路から流出する加熱された水素を受け取るように接続され、且つ前記一以上の通路から受け取った加熱された水素を前記流動層の流動化に加わるように注入できるように配置されたチャンバ入口に接続された導管と、
前記一以上の通路から流出する加熱された水素を該水素が前記チャンバ入口に到達する前に更に加熱するように置かれた再加熱層と、
を備える、粒状シリコン生成用反応器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−515133(P2012−515133A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545495(P2011−545495)
【出願日】平成22年1月11日(2010.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/020656
【国際公開番号】WO2010/081099
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(509108973)レック シリコン インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】