説明

粘着シート及び表示装置

【課題】表示パネルと透明保護板の間に配置される粘着シートであって、リワーク性が良好で、気泡混入がなく、更に適度な密着性を有する、活性エネルギー線硬化型粘着剤からなる粘着シートを提供する。
【解決手段】表示装置の表示パネル1と透明保護板3との間に配置される、活性エネルギー線硬化型粘着剤からなる粘着シート2であって、前記活性エネルギー線硬化型粘着剤が、分子中にヒドロキシル基及び/またはカルボキシル基を有するウレタンポリマー(A)と、分子中にエチレン性不飽和基を有するウレタンポリマー(B)とを少なくとも含有する活性エネルギー線硬化性組成物を硬化せしめた粘着剤であることを特徴とする粘着シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置の各部材(表示パネル、透明保護板、タッチパネル)を密着するために用いられる粘着シート、及び該粘着シートを用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、券売機、銀行の端末などの電子機器に用いられる表示装置では、液晶表示パネル、有機EL表示パネルなどの表示パネルから一定の空隙(空気層)を設けて、タッチパネルや透明保護板を配置した構造が採用されている。
【0003】
しかしながら、上記のような空隙を有する構造(例えば、表示パネルと透明保護板との間、表示パネルとタッチパネルとの間、あるいはタッチパネルと透明保護板との間に、空隙を有する構造)を採用した場合、この空隙の存在によって光の散乱が起こるためコントラストや輝度が低下する等の問題がある。また、表示パネルの保護のために一定以上の大きさの空隙が必要となり薄型化の妨げになっている。
【0004】
このような問題に対し、表示パネルと透明保護板との空隙に、光硬化樹脂あるいは熱硬化樹脂を充填し硬化することが提案されている(例えば特許文献1〜4)。また、上記の樹脂を充填硬化する方式に対して、表示パネルと透明保護板とを粘着シートで密着する方式が知られている(例えば特許文献5〜8)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−174417号公報
【特許文献2】特開2005−55641号公報
【特許文献3】特開2007−297582号公報
【特許文献4】特開2008−281997号公報
【特許文献5】特開2004−212521号公報
【特許文献6】特開2008−266473号公報
【特許文献7】特開2009−98324号公報
【特許文献8】特開2009−155503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した樹脂の充填硬化方式は、表示パネルと透明保護板との間に、光硬化樹脂あるいは熱硬化樹脂を充填させた後、樹脂を光(紫外線等)や熱で硬化させるために、透明保護板と表示パネルとの密着力が大きくなりリワーク性(貼り合わせ不良品や市場クレーム品から硬化樹脂を剥離して表示パネルや透明保護板を再利用すること)が得られないという問題、樹脂が硬化するときの硬化収縮によって表示パネルの変形を招くという問題、あるいは無溶剤硬化型樹脂組成物を用いた場合、樹脂組成物が高粘度となるために充填時に気泡が混入しやすいという問題がある。
【0007】
一方、上記した粘着シートで密着する方式は、樹脂の充填硬化方式に対して、表示パネルの変形は回避可能であり、またリワーク性の課題についても改良効果が期待できる。しかしながら、従来の粘着シートで密着する方式は、リワーク性と適度な密着性の両立、及び気泡混入を十分に満足するまでには至っていなかった。
【0008】
また、粘着シートに用いられる粘着剤には、熱硬化型と光硬化型(紫外線硬化型等)が知られているが、熱硬化型粘着剤はその製造時において、離型フィルム(離型PETフィルムが一般的)に熱硬化型粘着剤組成物を塗工して熱硬化するときに熱によって離型フィルムにしわが発生したり変形したりする場合があり、それによって均一な塗膜が得られないと言う問題がある。厚みが均一でない粘着シートを用いて表示パネルと透明保護板とを貼り合わせた場合、気泡が混入するという問題が生じる。
【0009】
従って、本発明の目的は、上記従来技術の課題に鑑みて、表示パネルと透明保護板の間に配置される粘着シートであって、リワーク性が良好で適度な密着性を有し、更に貼り合わせ時に気泡混入が生じない、活性エネルギー線硬化型粘着剤からなる粘着シートを提供することにある。本発明の他の目的は、本発明の粘着シートを用いた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
【0011】
1)表示装置の表示パネルと透明保護板との間に配置される、活性エネルギー線硬化型粘着剤からなる粘着シートであって、前記活性エネルギー線硬化型粘着剤が、分子中にヒドロキシル基及び/またはカルボキシル基を有するウレタンポリマー(A)と、分子中にエチレン性不飽和基を有するウレタンポリマー(B)とを少なくとも含有する活性エネルギー線硬化性組成物を硬化せしめた粘着剤であることを特徴とする粘着シート。
【0012】
2)前記ウレタンポリマー(A)及びウレタンポリマー(B)の重量平均分子量がそれぞれ2万〜5万である、前記1)に記載の粘着シート。
【0013】
3)前記活性エネルギー線硬化性組成物が、更に重合性モノマーを含有する前記1)または2)に記載の粘着シート。
【0014】
4)厚みが50〜1000μmである、前記1)〜3)のいずれかに記載の粘着シート。
【0015】
5)表示パネルと透明保護板を有する表示装置であって、前記表示パネルに前記1)〜4)のいずれかに記載の粘着シートを介して前記透明保護板が密着されてなる表示装置。
【0016】
6)表示パネルと透明保護板との間にタッチパネルを有する表示装置であって、前記表示パネルに前記1)〜4)のいずれかに記載の粘着シートを介して前記タッチパネルが密着されてなる表示装置。
【0017】
7)表示パネルと透明保護板との間にタッチパネルを有する表示装置であって、前記タッチパネルに前記1)〜4)のいずれかに記載の粘着シートを介して前記透明保護板が密着されてなる表示装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明の粘着シートは適度な密着性と良好なリワーク性(再剥離性)を有しているので、本発明の粘着シートを用いることによって、表示パネルと透明保護板、表示パネルとタッチパネル、あるいはタッチパネルと透明保護板とを、密着一体化させ、かつ前記それぞれ部材に損傷を与えることなしに再剥離することが可能となる。
【0019】
また、透明保護板の外周周縁に黒色印刷層が設けられている場合、黒色印刷層の僅かな段差によって、粘着シートと段差部との間に気泡が混入するという問題が発生しやすいが、この問題は本発明の粘着シートを用いることによって回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の粘着シートによって表示パネルと透明保護板とを密着した表示装置の一例を示す模式断面図。
【図2】本発明の粘着シートによって表示パネルとタッチパネル及びタッチパネルと透明保護板とをそれぞれ密着した表示装置の一例を示す模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の活性エネルギー線硬化型粘着剤からなる粘着シート(以下、単に本発明の粘着シートという)は、表示パネルと透明保護板との間に配置される粘着シートである。ここで、本発明の粘着シートが表示パネルと透明保護板との間に配置されるとは、イ)表示パネルと透明保護板とを密着するために本発明の粘着シートを用いる態様、ロ)表示パネルと透明保護板との間にタッチパネルが配置されている場合の表示パネルとタッチパネルとを密着するために本発明の粘着シートを用いる態様、ハ)表示パネルと透明保護板との間にタッチパネルが配置されている場合のタッチパネルと透明保護板とを密着するために本発明の粘着シートを用いる態様、が含まれる。
【0022】
本発明の粘着シートが用いられる表示装置としては、表示パネルと透明保護板を有する表示装置、及び表示パネルと透明保護板との間にタッチパネルを有する表示装置が挙げられる。
【0023】
上記表示パネルとしては、液晶表示パネルや有機EL表示パネルが挙げられる。上記透明保護板としては、ガラス板、プラスチック樹脂板(例えばアクリル樹脂板、ポリカーボネート樹脂板、ポリエステル樹脂板等)が挙げられる。透明保護板の厚みは、0.3〜3mm程度が一般的であり、より詳細には0.5〜2mmの範囲である。
【0024】
図1は、本発明の粘着シートによって表示パネルと透明保護板とを密着した表示装置の一例を示す模式断面図であり、上記イ)の態様を示すものである。表示パネル1と透明保護板3とは本発明の粘着シート2を介して密着されている。透明保護板の外周周縁には画像表示領域を縁取りするための黒色印刷層4が設けられている。
【0025】
図2は、本発明の粘着シートによって表示パネルとタッチパネル及びタッチパネルと透明保護板とをそれぞれ密着した表示装置の一例を示す模式断面図であり、上記ロ)とハ)の態様を示すものである。表示パネル1とタッチパネル5、及びタッチパネル5と透明保護板3とが本発明の粘着シート2を介してそれぞれ密着されている。
【0026】
図2では、上記ロ)とハ)の態様が一緒に実施されているが、それぞれ単独に実施されてもよい。即ち、表示パネル1とタッチパネル5の間にのみ本発明の粘着シート2が用いられてもよいし、タッチパネル5と透明保護板3の間にのみ本発明の粘着シート2が用いられてもよい。
【0027】
本発明の粘着シートは、分子中にヒドロキシル基及び/またはカルボキシル基を有するウレタンポリマー(A)と、分子中にエチレン性不飽和基を有するウレタンポリマー(B)とを少なくとも含有する活性エネルギー線硬化性組成物を硬化せしめた活性エネルギー線硬化型粘着剤からなるが、上記ウレタンポリマー(A)と上記ウレタンポリマー(B)とを含むことによって、適度な密着強度、良好なリワーク性、及び適度な弾性を有する粘着シートが得られる。このような本発明の粘着シートは、以下のような効果を発現する。
【0028】
本発明の粘着シートは適度な密着性と良好なリワーク性(再剥離性)を有しているので、本発明の粘着シートを用いることによって、上述のイ)、ロ)、及びハ)の態様におけるそれぞれの部材間を密着一体化させ、かつそれぞれの部材に損傷を与えることなしに再剥離することが可能となる。
【0029】
また、透明保護板の外周周縁に黒色印刷層が設けられている場合、黒色印刷層の僅かな段差によって、粘着シートと段差部との間に気泡が混入するという問題が発生しやすいが、この問題は本発明の粘着シートを用いることによって回避することができる。本発明の粘着シートは、適度な密着性と適度な弾性を有しているので、上記気泡混入の問題を回避することができる。
【0030】
また更に、本発明の粘着シートは適度な弾性を有しているので耐衝撃性に優れており、本発明の粘着シートを用いることによって、上述のイ)、ロ)、及びハ)の態様におけるそれぞれの部材間の間隙(表示パネルと透明保護板との間隙、表示パネルとタッチパネルとの間隙、タッチパネルと透明保護板との間隙)を小さくすることが可能となり、表示装置の薄型化が図られる。
【0031】
以下、本発明の粘着シートについて詳細に説明する。
【0032】
本発明の粘着シートは活性エネルギー線硬化型粘着剤からなり、かかる活性エネルギー線硬化型粘着剤は、分子中にヒドロキシル基及び/またはカルボキシル基を有するウレタンポリマー(A)と、エチレン性不飽和基を有するウレタンポリマー(B)とを少なくとも含有する活性エネルギー線硬化性組成物を硬化せしめた粘着剤である。
【0033】
ウレタンポリマー(A)は、分子中にヒドロキシル基及び/またはカルボキシル基を有するウレタンポリマーである。ウレタンポリマー(A)としては、分子の片末端もしくは両末端にヒドロキシル基及び/またはカルボキシル基を有するウレタンポリマーが好ましく、特に分子の片末端にのみもしくは両末端にのみヒドロキシル基及び/またはカルボキシル基を有するウレタンポリマーがより好ましい。
【0034】
また、ウレタンポリマー(A)は重合性ポリマーであってもよく、この場合、分子中に重合性官能基であるエチレン性不飽和基を有する。前記エチレン性不飽和基は分子の片末端に有することが好ましい。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基等が挙げられる。以下、分子中にヒドロキシル基及び/またはカルボキシル基を有し、さらに分子中に重合性官能基であるエチレン性不飽和基を有する重合性のウレタンポリマーを重合性ウレタンポリマー(A1)という。
【0035】
ウレタンポリマー(B)は分子中にエチレン性不飽和基を有する重合性のウレタンポリマーである。ウレタンポリマー(B)としては、分子の片末端もしくは両末端にエチレン性不飽和基を有するウレタンポリマーが好ましい。更に分子の両末端にエチレン性不飽和基を有するウレタンポリマーが好ましく、特に分子の両末端にのみエチレン性不飽和基を有するウレタンポリマーが好ましい。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基等が挙げられる。なお、分子中にヒドロキシル基及び/またはカルボキシル基を有するウレタンポリマーは、たとえ分子中にエチレン性不飽和基を有していたとしてもウレタンポリマー(B)には属さず、ウレタンポリマー(A)に属するものとする。
【0036】
上記のウレタンポリマー(A)とウレタンポリマー(B)の使用比率は、ウレタンポリマー(A)100質量部に対してウレタンポリマー(B)を40〜400質量部用いることが好ましく、60〜300質量部用いることがより好ましく、更に80〜250質量部用いることが好ましく、特に100〜200質量部用いることが好ましい。ウレタンポリマー(A)とウレタンポリマー(B)とを上記の比率で配合することによって、表示パネルと透明保護板との間の適度な密着性と良好なリワーク性が得られ、また耐衝撃性にも優れる。具体的には、ウレタンポリマー(A)100質量部に対してウレタンポリマー(B)の含有量が40質量部より小さくなると、リワーク性や耐衝撃性が低下する場合があり、一方、ウレタンポリマー(A)100質量部に対してウレタンポリマー(B)の含有量が400質量部より大きくなると、密着性の低下や気泡混入を招きやすくなる。
【0037】
ウレタンポリマー(A)及びウレタンポリマー(B)の重量平均分子量は、1万〜10万の範囲が適当であるが、2万〜5万の範囲が好ましく、特に2万〜4万の範囲が好ましい。ウレタンポリマー(A)及びウレタンポリマー(B)の重量平均分子量を2万〜5万の範囲にすることによって、適度な弾性の粘着シートが得られ、それによって気泡混入が防止され、また良好な耐衝撃性が得られる。
【0038】
活性エネルギー線硬化性組成物において、ウレタンポリマー(A)とウレタンポリマー(B)の合計使用量は、該組成物の固形分総量100質量%に対して、30〜95質量%の範囲が好ましく、40〜95質量%の範囲がより好ましく、特に50〜95質量%の範囲が好ましい。ここで、該組成物の固形分の中には、常温で液状の重合性モノマー(詳しくは後述する)が含まれる。
【0039】
ウレタンポリマー(A)は、例えば、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a)と、イソシアネート基と反応しうる官能基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等)とヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する化合物(b)とを反応させることによって得ることができる。
【0040】
ウレタンポリマー(B)は、例えば、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a)と、イソシアネート基と反応しうる官能基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等)とエチレン性不飽和基とを有する化合物(c)とを反応させることによって得ることができる。
【0041】
また、重合性ウレタンポリマー(A1)は、例えば、上記ウレタンプレポリマー(a)と、上記化合物(b)及び上記化合物(c)をそれぞれ反応させることによって得ることができる。
【0042】
分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a)は、ポリオールとイソシアネート化合物とを反応させて合成することができる。ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられるが、これらの中でもポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、及びポリカプロラクトンポリオールが好ましい。
【0043】
上記ポリエステルポリオールは、多価カルボン酸と多価アルコールをエステル化反応させて得ることができる。かかる多価カルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、乳酸、ダイマー酸等が挙げられ、中でもアジピン酸、セバシン酸、ピロリメット酸、ダイマー酸が好ましい。
【0044】
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等を用いることができ、中でもエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等の2官能アルコールが好ましい。
【0045】
上記ポリエーテルポリオールは多価アルコールをエーテル化反応させて得ることができる。ここで用いる多価アルコールとしては、上記ポリエステルポリオールの製造に用いる多価アルコールと同様のものを用いることができる。
【0046】
上記ポリカプロラクトンポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール,1,9−ノナンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド,もしくはプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等公知慣用の多価アルコールのε−カプロラクトン付加物等が挙げられる。
【0047】
上記ポリカーボネートポリオールとしては、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる多価アルコールとホスゲンとの脱塩酸反応、あるいは前記多価アルコールとジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
【0048】
分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレプレポリマー(a)の合成に用いられるイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物が好ましく用いられる。
【0049】
ウレタンプレポリマー(a)としては、分子の両末端にイソシアネート基を有するものが好ましい。
【0050】
次に、ウレタンポリマー(A)を得るために上記ウレタンプレポリマー(a)と反応させる化合物(b)について説明する。化合物(b)としては、例えば多価カルボン酸、オキシカルボン酸、多価アルコール等が挙げられる。
【0051】
上記の多価カルボン酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、ダイマー酸、エタン−1,1,2−トリカルボン酸、ヘキサン−2,3,5−トリカルボン酸等公知慣用の有機酸が好適に用いられるが、他の成分との相溶性の面からジカルボン酸が好ましい。
【0052】
上記のオキシカルボン酸としては、例えば、乳酸、グリコール酸、トリオキシ酪酸、トリオキシ吉草酸、トリオキシヘキサン酸、グルコン酸等公知慣用の有機酸が好適に用いられる。
【0053】
上記の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールを好ましく用いることができる。中でも、他の成分との相溶性や吸水安定性の面から1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール等のジオールが特に好ましい。
【0054】
次に、ウレタンポリマー(B)を得るために上記ウレタンプレポリマー(a)と反応させる化合物(c)について説明する。化合物(c)はイソシアネート基と反応しうる官能基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等)とエチレン性不飽和基(例えばビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基等)を有する化合物である。
【0055】
化合物(c)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物、グリシドールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、特にヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート化合物が好ましく用いられる。
【0056】
本発明において、ウレタンポリマー(A)とウレタンポリマー(B)は別々に合成して使用してもよいし、あるいは1つの合成過程で両者が混在するウレタンポリマー(C)を合成して使用してもよい。
上記のウレタンポリマー(C)は、例えば、前述のウレタンポリマー(a)に、前述の化合物(b)と化合物(c)とを反応させることによって得ることができる。
【0057】
ウレタンポリマー(C)の中にはウレタンポリマー(A)としてウレタンポリマー(A1)が主に含まれる。ウレタンポリマー(C)におけるウレタンポリマー(A)とウレタンポリマー(B)の比率は、化合物(b)と化合物(c)仕込み比率を調整することによって、あるいは仕込み順序と仕込み時間を調整することによって、調製することができる。
【0058】
ウレタンポリマー(C)において、分子末端アクリレート比率は、全てのウレタンポリマー分子の全末端の50〜90%であるのが好ましい。
【0059】
上記の分子末端アクリレート比率は、ウレタンポリマー(C)の酸価もしくはヒドロキシル基価を滴定法等で求め、得られた酸価もしくはヒドロキシル基価と分子量から算出することができる。
【0060】
本発明にかかる活性エネルギー線硬化性組成物には、更に重合性モノマー含有させることが好ましい。かかる重合性モノマーとしては、例えば2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロイソフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロテレフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルイソフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルテレフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、グリシドールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロノニル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、シクロステアリル(メタ)アクリレート、シクロラウリル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリシクロデカル(メタ)アクリレート、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エチレンオキサイド付加(メタ)アクリレート、水転ビスフェノールA型エチレンオキサイド付加(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、アジピン酸ビニル、アクリル酸ビニル等が挙げられる。これらの中でも、単官能の(メタ)アクリレート化合物が好ましく、更にヒドロキシル基あるいはカルボキシル基を有する単官能の(メタ)アクリレート化合物が好ましく、特にヒドロキシル基を有する単官能の(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
【0061】
上記した重合性モノマーの使用量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して、1〜50質量%の範囲が好ましく、2〜30質量%の範囲がより好ましい。
【0062】
本発明にかかる活性エネルギー線硬化性組成物には、更に重合開始剤を含有させることが好ましい。かかる重合開始剤としては市販のものを広く使用することができるが、以下に示すような重合開始剤が好ましく用いられる。例えば、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル系、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等のベンゾフェノン系、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等のヒドロキシアルキルフェノン系、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン等のチオキサントン系、トリエタノールアミン、4−ジメチル安息香酸エチル等のアミン系が挙げられる。
【0063】
重合開始剤の使用量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して、0.05〜5質量%の範囲が適当であり、0.1〜3質量%の範囲が好ましい。
【0064】
本発明にかかる活性エネルギー線硬化性組成物は、実質的に有機溶剤を含まない、いわゆる、無溶剤型であることが好ましい。ここで、活性エネルギー線硬化性組成物が実質的に有機溶剤を含まないとは、活性エネルギー線硬化性組成物100質量%に含まれる有機溶剤の量が5質量%以下であることを意味し、好ましくは有機溶剤量が3質量%以下であり、より好ましくは有機溶剤量が1質量%以下であり、特に好ましくは有機溶剤を全く含まないことである。
【0065】
上記有機溶剤は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸ブチル、エタノール、メタノールなどの揮発性の高い有機溶剤を対象とし、特に、沸点が130℃以下の有機溶剤を対象とする。
【0066】
上記有機溶剤には、液状の重合性モノマー(例えば反応性希釈剤として用いられるような低分子の(メタ)アクリレートモノマー等)は含まれない。
【0067】
前述の活性エネルギー線硬化性組成物を無溶剤型とすることで、製造工程における安全性や環境性が改善され、また、得られた粘着剤の残存溶剤の大幅な低減が図られる。
【0068】
本発明にかかる活性エネルギー線硬化性組成物には、黄変防止のために、酸化防止剤や光安定剤を含有させることが好ましい。
【0069】
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が好ましく用いられる。光安定剤としては、立体障害ピペリジル基とエチレン性不飽和基とを有する単量体が好ましく用いられる。
【0070】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕、ヘキサメチレン−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、N,N’−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン、ジエチル〔(3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕ホスフェート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(4−sec−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(4−ネオペンチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル)イソシアヌル酸、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、p−クロロメチルスチレンとp−クレゾールの重縮合物、p−クロロメチルスチレンとジビニルベンゼンの重縮合物、p−クレゾールとジビニルベンゼン重縮合物のイソブチレン反応物、などが挙げられる。
【0071】
上記化合物の中でも、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕、ヘキサメチレン−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のプロピオネート化合物が好ましく用いられる。
【0072】
リン系酸化防止剤としては、例えばトリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4’−ジイルビスホスホナイト、ジ−t−ブチル−m−クレジル−ホスホナイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−ペンタエリスリールジホスファイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリスリールジホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライル(オクタデシルホスファイト)、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリスリトール ホスファイトポリマー、水添ビスフェノールAホスファイトポリマー、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイトなどが挙げられる。
【0073】
これらの中でも、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト等のトリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、モノフェニルジアルキルホスファイトが好ましく用いられる。
【0074】
本発明に用いることができる、立体障害ピペリジル基とエチレン性不飽和基とを有する単量体について説明する。係る単量体における立体障害ピペリジル基とは、ピペリジル基の2位と6位にそれぞれ1乃至2個のアルキル基を有するものであり、エチレン性不飽和基とは、アクリル基(アクリロイル基)、メタクリル基(メタクリロイル基)、クロトノイル基、ビニル基、アリル基等であり、エチレン性不飽和基が立体障害ピペリジル基の1位および/または4位に、直接もしくは酸素原子やイミノ基等の連結基を介して結合した化合物である。
【0075】
本発明に好ましく用いられる立体障害ピペリジル基とエチレン性不飽和基とを有する単量体は、下記一般式(1)および(2)で表すことができる。
【0076】
【化1】

【0077】
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R〜Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは水素原子またはシアノ基を表し、R、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子またはイミノ基を表す。)
【0078】
【化2】

【0079】
(式中、R12〜R15はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表し、R16は水素原子またはシアノ基を表し、R17〜R20はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子またはイミノ基を表す。)
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。
【0080】
前記一般式(2)で表される化合物としては、例えば1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。
【0081】
上記した化合物の中でも、一般式(1)で表される化合物が好ましく、特に4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンが好ましく用いられる。
【0082】
上記したヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、および立体障害ピペリジル基とエチレン性不飽和基とを有する単量体の、それぞれの含有比率は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して0.05〜5質量%の範囲が好ましく、0.1〜3質量%の範囲がより好ましい。
【0083】
本発明にかかる活性エネルギー線硬化性組成物には、更に可塑剤を含有させることができる。かかる可塑剤としては、安息香酸ベンジル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチルベンジル、フタル酸ジオクチル、ブチルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸系化合物、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジブトキシエチルなどのアジピン酸系化合物、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのセバシン酸系化合物、リン酸トリエチレン、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル、リン酸クレジルフェニルなどのリン酸化合物、ジオクチルセバケート、メチルアセチルリシノレートなどの脂肪酸系化合物、ジイソデシル−4,5−エポキシテトラヒドロフタレートなどのエポキシ系化合物、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリn−オクチル、トリメリット酸トリイソデシルなどのトリメリット酸系化合物、その他オレイン酸ブチル、塩素化パラフィン、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリブテン、ポリイソブチレンなどが挙げられる。
【0084】
上記可塑剤の使用量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して、1〜30質量%の範囲が好ましい。
【0085】
本発明にかかる活性エネルギー線硬化性組成物には、更に重合禁止剤を含有させることができる。かかる重合禁止剤としてはハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジブチル−4−メチルフェノール等を用いることができる。
【0086】
また、本発明にかかる活性エネルギー線硬化性組成物には、必要に応じて上記以外の各種添加剤、たとえば、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色防止剤、顔料等を含有させることができる。
【0087】
本発明にかかる活性エネルギー線硬化型粘着剤からなる粘着シートは、上記した活性エネルギー線硬化性組成物を所定の厚みに成形もしくは塗工した後、活性エネルギー線を照射して硬化せしめることによって製造される。具体的には、離型PETフィルム等の離型処理した基材フィルム上に、上記した活性エネルギー線硬化性組成物を所定の厚みに塗工した後、活性エネルギー線を照射して硬化せしめることによって、本発明の活性エネルギー線硬化型粘着剤からなる粘着シートが製造される。本発明の粘着シートを表示装置の各部材の密着に使用する際には、上記の離型フィルムから剥離して用いられる。
【0088】
上記活性エネルギー線としては、紫外線、電子線および放射線(α線、β線、γ線など)などが挙げられるが、実用的には、紫外線が簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯などを用いることができる。また、活性エネルギー線を照射するときに、低酸素濃度下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができるので好ましい。
【0089】
本発明の粘着シートの厚みは、本発明の粘着シートが用いられる表示装置の設計仕様に合わせて適宜設定されるが、一般的には、50〜1000μmの範囲であり、更に具体的には100〜500μmの範囲である。耐衝撃性を確保するという観点からは、150μm以上が好ましく、200μm以上がより好ましい。
【0090】
本発明の粘着シートの密着強度は、気泡混入を防止するという観点及び部材間の適度な密着性を確保するという観点から、1N/25mm以上が好ましく、2N/25mm以上がより好ましく、特に3N/25mm以上が好ましい。一方、良好なリワーク性(再剥離性)を確保するという観点からは、本発明の粘着シートの密着強度は、15N/25mm以下が好ましく、12N/25mm以下がより好ましく、特に10N/25mm以下が好ましい。
【0091】
本発明の粘着シートは、気泡混入防止の観点から、せん断弾性率が0.5MPa以下が好ましく、0.4MPa以下がより好ましく、特に0.3MPa以下が好ましい。また、良好な耐衝撃性を確保するという観点から、本発明の粘着シートのせん断弾性率は、0.05MPa以上が好ましく、0.08MPa以上がより好ましく、特に0.1MPa以上が好ましい。
【実施例】
【0092】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、本実施例で製造された粘着シートの各評価方法、ウレタンポリマーの重量平均分子量の測定方法、及びウレタンポリマー(C)のアクリレート末端比率の測定方法を以下に示す。
【0093】
1)密着強度の測定方法
本実施例で作製された各サンプル(離型PETフィルム上に積層された粘着シート)を幅25mmに切断し、ガラス板上に粘着シート側を貼り付けて5kgのゴムローラを1往復させて圧着した後、常温で24時間放置した。その後、テンシロンRTM−100(オリエンテック社製)を用いて環境温度25℃にて剥離速度300mm/分で180°剥離試験を行い、ガラス板と粘着シートとの間の密着強度を測定した。
【0094】
2)リワーク性(再剥離性)の評価
本実施例で作製された粘着シート(離型PETフィルムを剥離した状態)を用いて、携帯電話の液晶表示パネルと透明保護板(厚み0.7mmのガラス板)とを密着し、60℃で1時間加熱した後、透明保護板が剥離できるかどうかを以下の基準で評価した。
○;透明保護板を比較的容易に剥離することができる。
×;透明保護板を剥離することができない。
【0095】
3)気泡発生の評価
本実施例で作製された粘着シート(離型PETフィルムを剥離した状態)を用いて、携帯電話の液晶表示パネルと透明保護板(厚み0.7mmのガラス板)とを密着した後、透明保護板の黒色印刷層付近に気泡が発生しているかどうかを観察し以下の基準で評価した。
○;気泡の発生がない。
×;気泡が発生している。
【0096】
4)重量平均分子量の測定方法
上記で合成したウレタンポリマー(A)、ウレタンポリマー(B)及びウレタンポリマー(C)の重量平均分子量をGPCにより測定した。測定にはWALTERS GPC−150C Plus(日本WALTERS社製)を用い下記条件にて測定した。
・検出器:WALTERS 2410
・溶媒:テトラヒドロフラン
・カラム:HR4 2本、HR4E 1本(7.5mm×300mm)
・温度:40℃
・濃度:0.2%
・注入量:100μl
・流速:1.0m/m
・n数:3。
【0097】
5)アクリレート末端比率の測定方法
ウレタンポリマー(C)のアクリレート末端比率は、JISK−1557に準拠し、樹脂をクロロホルム中に溶解させ、無水酢酸を添加しKOHで滴定することにより水酸基価を算出し、水酸基価と重量平均分子量からアクリレート末端比率を算出した。
【0098】
<ウレタンポリマーの合成>
先ず、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a)を以下のようにして合成した。
【0099】
<分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a)の合成>
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を装備したフラスコに、ポリプロピレングリコール(旭硝子ウレタン(株)製「エクセノール3020」、数平均分子量3200)97.98質量部、ジラウリル酸ジブチルすず0.11質量部を仕込んだ。
【0100】
次に窒素ガスを吹き込みながら系内を70℃まで昇温し、均一に溶解した後、イソホロンジイソシアネート8.65質量部を加え、3時間攪拌しながら保温して30分ごとのGPC測定の結果、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5で一定であることを確認し反応を終了し、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a)を得た。
【0101】
<分子両末端にのみヒドロキシル基を有するウレタンポリマー(A)の合成>
上記のウレタンプレポリマー(a)を撹拌機、温度計、還流冷却器および窒素導入管を装備したフラスコに200質量部仕込み、次に系内を70℃まで昇温し、窒素ガスを吹き込みながら1,3−ブタンジオール2.6質量部を加え、攪拌しながら保温(70℃)し、IR測定にてイソシアネート基が完全に消失したことを確認し反応を終了させて、ウレタンプレポリマー(A)(重量平均分子量24000)を得た。
【0102】
<分子両末端にのみエチレン性不飽和基を有するウレタンポリマー(B)の合成>
上記のウレタンプレポリマー(a)を撹拌機、温度計、還流冷却器および窒素導入管を装備したフラスコに200質量部仕込み、次に系内を80℃まで昇温し、2−ヒドロキエチルアクリレート3.69質量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.22質量部を加え、攪拌しながら保温(80℃)し、IR測定にてイソシアネート基が完全に消失したことを確認し反応を終了させてウレタンポリマー(B)(重量平均分子量24000)を得た。
【0103】
<ウレタンポリマー(C)の合成>
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を装備したフラスコに、ポリプロピレングリコール(旭硝子ウレタン(株)製「エクセノール3020」、数平均分子量3200)97.98質量部、ジラウリル酸ジブチルすず0.11質量部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を70℃まで昇温し、均一に溶解した後、イソホロンジイソシアネート8.65質量部を加え、3時間攪拌しながら保温した。その後、酸素ガス、窒素ガスを吹き込みながら、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.27質量部を加え、次いで1,3−ブタンジオール0.42質量部を加えて、3時間攪拌しながら保温して30分ごとの分子量測定の結果、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5で一定であることを確認し反応を終了し、ウレタンポリマー(C)(重量平均分子量24000)を得た。このウレタンポリマー(C)のアクリレート末端比率は70%であった。
【0104】
(実施例1)
以下の要領で粘着シートを作製した。
<無溶剤型活性エネルギー線硬化性組成物の調製>
前記ウレタンポリマー(A)を30質量部、前記ウレタンプレポリマー(B)を60質量部、重合性モノマーとして4−ヒドロキシブチルアクリレートを10質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを2質量部、重合開始剤としてヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)「イルガキュアー184」)を0.5質量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕を1質量部、リン系酸化防止剤としてトリフェニルホスファイトを0.5質量部、立体障害ピペリジル基とエチレン性不飽和基とを有する単量体として4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンを0.5質量部加えて均一に混合することにより、無溶剤型の活性エネルギー線硬化性組成物(紫外線硬化性組成物)を調製した。
【0105】
<粘着シートの作製>
上記の活性エネルギー線硬化性組成物を、厚み75μmの離型PETフィルム(東レフィルム加工(株)製 セラピール(登録商標)MD)上に、スリットダイコーターで塗工した後、メタルハライドランプを用いて積算光量1800mJ/cmを照射して粘着シートを形成した。得られた粘着シートの厚みは200μmであった。
【0106】
(実施例2)
実施例1の無溶剤型活性エネルギー線硬化性組成物の調製において、ウレタンポリマー(A)とウレタンポリマー(B)に代えて、ウレタンポリマー(C)を90質量部用いた以外は、実施例1と同様にして無溶剤型活性エネルギー線硬化性組成物を調製し、更に実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0107】
(比較例1)
実施例1の無溶剤型活性エネルギー線硬化性組成物の調製において、ウレタンポリマー(A)とウレタンポリマー(B)に代えて、ウレタンポリマー(B)を90質量部用いた以外は、実施例1と同様にして無溶剤型活性エネルギー線硬化性組成物を調製し、更に実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0108】
(比較例2)
溶剤系の熱硬化型アクリル系粘着剤組成物として、東洋インキ製造(株)の「オリバイン BPS5977」を用いた。この粘着剤組成物を、厚み75μmの離型PETフィルム(東レフィルム加工(株)製 セラピール(登録商標)MD)上に、スリットダイコーターで塗工した後、100℃で加熱して粘着シートを形成した。得られた粘着シートの厚みは200μmであった。
【0109】
<評価>
上記で作製したそれぞれの粘着シートについて、密着強度、リワーク性、気泡の発生を評価した。その結果を表1に示す。
【0110】
【表1】

【0111】
表1の結果より、本発明の粘着シートは、密着強度が1〜15N/25mmの範囲に入っており、良好なリワーク性を有している。また、本発明の粘着シートは適度な密着力と粘着性を有しているので、液晶表示パネルと透明保護板との貼り合わせにおいて気泡が発生しない。
【0112】
一方、比較例1は、密着強度が低すぎるので液晶表示パネルと透明保護板との貼り合わせにおいて気泡が発生していた。
比較例2は、密着強度が高過ぎるのでリワーク性が得られていない。また、比較例2は熱硬化型粘着剤であるので、厚み200μmの粘着シートを均一に形成することができず、透明保護板の黒色印刷層付近にのみならず、他の部分にも気泡が発生した。
【符号の説明】
【0113】
1 表示パネル
2 本発明の粘着シート
3 透明保護板
4 透明保護板の黒色印刷層
5 タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示パネルと透明保護板との間に配置される、活性エネルギー線硬化型粘着剤からなる粘着シートであって、前記活性エネルギー線硬化型粘着剤が、分子中にヒドロキシル基及び/またはカルボキシル基を有するウレタンポリマー(A)と、分子中にエチレン性不飽和基を有するウレタンポリマー(B)とを少なくとも含有する活性エネルギー線硬化性組成物を硬化せしめた粘着剤であることを特徴とする粘着シート。
【請求項2】
前記ウレタンポリマー(A)及びウレタンポリマー(B)の重量平均分子量がそれぞれ2万〜5万である、請求項1に記載の粘着シート。
【請求項3】
活性エネルギー線硬化性組成物が、更に重合性モノマーを含有する請求項1または2に記載の粘着シート。
【請求項4】
厚みが50〜1000μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シート。
【請求項5】
表示パネルと透明保護板を有する表示装置であって、前記表示パネルに請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シートを介して前記透明保護板が密着されてなる表示装置。
【請求項6】
表示パネルと透明保護板との間にタッチパネルを有する表示装置であって、前記表示パネルに請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シートを介して前記タッチパネルが密着されてなる表示装置。
【請求項7】
表示パネルと透明保護板との間にタッチパネルを有する表示装置であって、前記タッチパネルに請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シートを介して前記透明保護板が密着されてなる表示装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−111572(P2011−111572A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270952(P2009−270952)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000222462)東レフィルム加工株式会社 (142)
【Fターム(参考)】