説明

粘着剤組成物の製造方法

【課題】良好な仮貼り付け性の発現によって容易な位置合わせが可能となる「貼付位置修正作業性」、容易に貼り直しが可能となる「リワーク性」、強固な感温粘着性を発現できる「感温強粘着性」を、いずれも十分に発現できる、粘着剤組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の粘着剤組成物の製造方法は、アクリル系共重合体(A)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)によって架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物の製造方法であって、ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の存在下、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマー混合液に活性エネルギー線を照射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着剤組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粘着テープを各種被着体に貼付させる際には、被着体の所定の位置に容易に且つ強固に貼付させることが求められる。このため、粘着テープには、良好な仮貼り付け性の発現によって容易な位置合わせが可能となる「貼付位置修正作業性」、および、容易に貼り直しが可能となる「リワーク性」を、バランス良く兼ね備えることが求められる。さらに、近年、小型電池関連用途や電子機器用途などへの適用のために、強固な感温粘着性を発現できる「感温強粘着性」を備えることも求められてきている。この「感温強粘着性」を有する粘着剤としては、従来、熱可塑性樹脂を用いたホットメルト型粘着剤が知られているが、このホットメルト型粘着剤は基材なしではフィルム形状を維持することができず、基材レスの両面テープなどに適用することが難しい。
【0003】
最近、高温環境下において高い耐ブリスター性を発現し得る粘着剤組成物として、アクリル系共重合体とポリウレタン(メタ)アクリレートとを含有する粘着剤組成物が報告されている(特許文献1)。
【0004】
特許文献1で報告されている粘着剤組成物は、ラジカル重合によって得られたアクリル系共重合体と熱重合によって得られたポリウレタン(メタ)アクリレートを添加剤とともに混ぜて基材上に塗工して得られたものである。
【0005】
しかし、特許文献1で報告されている粘着剤組成物は、高温環境下における高い耐ブリスター性は有る程度発現できるものの、良好な仮貼り付け性の発現によって容易な位置合わせが可能となる「貼付位置修正作業性」、容易に貼り直しが可能となる「リワーク性」、強固な感温粘着性を発現できる「感温強粘着性」については、十分に発現できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4666715号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、良好な仮貼り付け性の発現によって容易な位置合わせが可能となる「貼付位置修正作業性」、容易に貼り直しが可能となる「リワーク性」、強固な感温粘着性を発現できる「感温強粘着性」を、いずれも十分に発現できる、粘着剤組成物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の粘着剤組成物の製造方法は、
アクリル系共重合体(A)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)によって架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物の製造方法であって、
ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の存在下、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマー混合液に活性エネルギー線を照射する。
【0009】
好ましい実施形態においては、上記アクリル系共重合体(A)の原料の重量と上記ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の原料の重量との割合が、重量比で、(a):(b)=20:80〜80:20である。
【0010】
好ましい実施形態においては、上記モノマー混合液が光重合開始剤を含み、上記活性エネルギー線が紫外線である。
【0011】
好ましい実施形態においては、上記ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)は、ポリオール化合物とポリイソシアナート化合物との反応で得られるポリウレタンプレポリマーに水酸基含有アクリル系モノマーを反応させて得られるポリマーである。
【0012】
好ましい実施形態においては、上記ポリオール化合物と上記ポリイソシアナート化合物との比率が、モル比で、1:1.1〜1:1.5である。
【0013】
好ましい実施形態においては、上記ポリオール化合物と上記水酸基含有アクリル系モノマーとの比率が、モル比で、1:0.1〜1:0.5である。
【0014】
好ましい実施形態においては、上記粘着剤組成物を基材上に形成する。
【0015】
好ましい実施形態においては、上記基材が剥離性基材であり、該剥離性基材上に形成した後に該剥離性基材を剥離して、基材レスのフィルム状の粘着剤組成物とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、良好な仮貼り付け性の発現によって容易な位置合わせが可能となる「貼付位置修正作業性」、容易に貼り直しが可能となる「リワーク性」、強固な感温粘着性を発現できる「感温強粘着性」を、いずれも十分に発現できる、粘着剤組成物の製造方法を提供することができる。
【0017】
「貼付位置修正作業性」、「リワーク性」、「感温強粘着性」を、いずれも十分に発現する粘着剤組成物を製造するために、本発明者は、室温近辺においては良好な「貼付位置修正作業性」および良好な「リワーク性」を発現できる程度の粘着力を発現し、ある温度に到達することによって、弾性率が急激に低下して被着体に対する濡れ性が向上して良好な「感温強粘着性」を発現できる粘着剤組成物の製造方法を見出すことが必要であると考えた。さらに、本発明者は、得られる粘着剤組成物を基材レスの両面テープなどに適用するために、少なくとも室温近辺において基材なしでフィルム形状を維持できるための技術的手段を見出すことが必要であると考えた。
【0018】
その結果、本発明者は、まず、アクリル系共重合体(A)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)を含むポリマーについて検討を行い、アクリル系共重合体(A)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)によって架橋されることによって、強いウレタン水素結合によって、低い温度では効果的にポリマー分子運動が抑制されてポリマー全体の弾性率が高くなり、室温近辺においては良好な「貼付位置修正作業性」および良好な「リワーク性」を発現できる程度の粘着力を発現でき、一方、温度が上昇すると、効果的にポリマー全体が軟化し、弾性率が急激に低下して被着体に対する濡れ性が向上することを見出した。また、このようなポリマーを粘着剤組成物とすれば、少なくとも室温近辺において基材なしでフィルム形状を維持できることを見出した。
【0019】
さらに、本発明者は、上記アクリル系共重合体(A)として、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマーの共重合体を採用すれば、アミド基によって、良好な「感温強粘着性」を発現できることを見出した。アミド基の水素結合は、低い温度においては、ウレタン水素結合と同様に、ポリマー分子運動の抑制に寄与する。しかし、アミド基の水素結合能はウレタン基の水素結合能とは異なるため、温度上昇によって水素結合からアミド基が解離すると、例えば、被着体表面に存在する官能基と相互作用を起こし、強粘着性を発現できるものと考えられる。
【0020】
そこで、本発明者は、ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の存在下、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマー混合液に活性エネルギー線を照射する製造方法に想到した。本発明者は、この製造方法によれば、得られる粘着剤組成物は、アクリル系共重合体(A)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)によって架橋され、室温近辺においては良好な「貼付位置修正作業性」および良好な「リワーク性」を発現でき、一方、温度が上昇すると、効果的にポリマー全体が軟化し、弾性率が急激に低下して被着体に対する濡れ性が向上し、しかも、基材なしでフィルム形状を維持でき、さらに、該粘着剤組成物中にアミド基が存在できるので、良好な「感温強粘着性」を発現できることを見出した。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書中において、「(メタ)アクリル」とはアクリルおよび/またはメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートおよび/またはメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイルおよび/またはメタクリロイルを意味する。
【0022】
≪1.粘着剤組成物の製造方法≫
本発明の粘着剤組成物の製造方法は、アクリル系共重合体(A)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)によって架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物の製造方法である。
【0023】
本発明の粘着剤組成物の製造方法は、ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の存在下、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマー混合液に活性エネルギー線を照射する。
【0024】
(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマー混合液中の(メタ)アクリル酸エステルの含有割合は、好ましくは50〜99重量%、より好ましくは60〜97重量%、さらに好ましくは70〜95重量%、特に好ましくは80〜92重量%である。(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマー混合液中の(メタ)アクリル酸エステルの含有割合が上記範囲内に収まることにより、本発明の製造方法で得られる粘着剤組成物は、良好な仮貼り付け性の発現によって容易な位置合わせが可能となる「貼付位置修正作業性」、容易に貼り直しが可能となる「リワーク性」、強固な感温粘着性を発現できる「感温強粘着性」を、いずれもより一層十分に発現可能となる。
【0025】
(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマー混合液中の(メタ)アクリルアミドの含有割合は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは3〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは8〜20重量%である。(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマー混合物中の(メタ)アクリルアミドの含有割合が上記範囲内に収まることにより、本発明の製造方法で得られる粘着剤組成物は、良好な仮貼り付け性の発現によって容易な位置合わせが可能となる「貼付位置修正作業性」、容易に貼り直しが可能となる「リワーク性」、強固な感温粘着性を発現できる「感温強粘着性」を、いずれもより一層十分に発現可能となる。
【0026】
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の、炭素数が1〜18のアルキル基の(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
【0027】
(メタ)アクリル酸エステルは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0028】
(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のモノ置換(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−エチルメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルアジリジン等のN,N−ジ置換アクリルアミド;などが挙げられる。
【0029】
(メタ)アクリルアミドとしては、上記例示したものの中でも、N,N−ジ置換アクリルアミドが好ましい。(メタ)アクリルアミドとしてN,N−ジ置換アクリルアミドを用いることにより、本発明の製造方法で得られる粘着剤組成物は、良好な仮貼り付け性の発現によって容易な位置合わせが可能となる「貼付位置修正作業性」、容易に貼り直しが可能となる「リワーク性」、強固な感温粘着性を発現できる「感温強粘着性」を、いずれもより一層十分に発現可能となる。
【0030】
(メタ)アクリルアミドは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0031】
(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマー混合物中には、必要に応じて、その他のモノマーが含まれていても良い。(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマー中のその他のモノマーの含有割合は、目的に応じて適宜設定し得る。アクリル酸エステルとアクリルアミドを必須に含むモノマー混合物中のその他のモノマーの含有割合は、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下である。
【0032】
その他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、アリルアルコール等のヒドロキシル基含有モノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の三級アミノ基含有モノマー;グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマー;などが挙げられる。
【0033】
ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)は、1分子中に2個以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有し、ウレタン結合を繰り返し構造単位に持つ化合物である。
【0034】
ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)は、好ましくは、ポリオール化合物とポリイソシアナート化合物との反応で得られるポリウレタンプレポリマーに水酸基含有アクリル系モノマーを反応させて得られるポリマーである。
【0035】
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリブタジエンポリオールおよび水添物、ポリイソプレンポリオールおよび水添物、フェノーリックポリオール、エポキシポリオール、ポリスルホンポリオールなどが挙げられる。また、ポリオール化合物には、ポリエステル・ポリエーテルポリオールのような共重合体ポリオールを用いることもできる。
【0036】
ポリオール化合物としては、上記例示したものの中でも、ポリカーボネートジオールが好ましい。
【0037】
ポリオール化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0038】
ポリイソシアナート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、テトラメチルキシレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、トリジンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、シクロヘキシレンジイソシアナート、メチレンビス(4−フェニルメタン)ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ダイマー酸ジイソシアナート、水素化トリレンジイソシアナート、水素化キシリレンジイソシアナート、リシンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、トリ(イソシアナトフェニル)トリホスファートなどが挙げられる。
【0039】
ポリイソシアナート化合物としては、上記例示したものの中でも、水素化キシリレンジイソシアナートが好ましい。
【0040】
ポリイソシアナート化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0041】
ポリウレタンプレポリマーは、好ましくは、ポリオール化合物とポリイソシアナート化合物との反応で得られる。また後に水酸基含有アクリルモノマーを導入するため、イソシアナート残基が含まれることが好ましい。具体的には、例えば、ポリウレタンプレポリマーは、ポリオール化合物とポリイソシアナート化合物とを混合して攪拌することによって得られ、ポリオール化合物中の水酸基に対して、イソシアナート基が過剰となるよう、ポリイソシアナート化合物を加えることが好ましい。また、この反応において、必要に応じて、イソシアナート基が反応し得る活性水素を持たない有機溶媒(例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン、クロロホルムなど)と、触媒(例えば、スズ塩化物、有機スズ化合物などの有機金属触媒類;3級アミン化合物などの有機塩基類;酢酸、アクリル酸などの有機酸類;など)とを加え、反応を行うこともできる。
【0042】
上記ポリオール化合物と上記ポリイソシアナート化合物との比率は、後に水酸基含有アクリルモノマーを導入するためにイソシアナート残基が含まれるようするため、モル比で、好ましくは、ポリオール化合物:ポリイソシアナート化合物=1:1.01〜1:2.0で配合し、より好ましくは、ポリオール化合物:ポリイソシアナート化合物=1:1.1〜1:1.5で配合する。上記ポリオール化合物と上記ポリイソシアナート化合物との比率が上記範囲内に収まることにより、本発明の製造方法で得られる粘着剤組成物は、良好な仮貼り付け性の発現によって容易な位置合わせが可能となる「貼付位置修正作業性」、容易に貼り直しが可能となる「リワーク性」、強固な感温粘着性を発現できる「感温強粘着性」を、いずれもより一層十分に発現可能となる。
【0043】
ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)は、好ましくは、上記ポリウレタンプレポリマーに水酸基含有アクリル系モノマーを反応させて得られる。また、この反応において、必要に応じて、イソシアナート基が反応し得る活性水素を持たない有機溶媒(例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン、クロロホルムなど)と、触媒(例えば、スズ塩化物、有機スズ化合物などの有機金属触媒類;3級アミン化合物などの有機塩基類;酢酸、アクリル酸などの有機酸類;など)とを加え、反応を行うこともできる。
【0044】
水酸基含有アクリル系モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ネオベンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0045】
上記ポリウレタンプレポリマー化合物と上記水酸基含有アクリル系モノマーとの比率は、ポリウレタンプレポリマーのイソシアナート残基に対して水酸基含有アクリルポリマー中の水酸基が等量となるよう加えることが好ましい。具体的には、ポリウレタンプレポリマー合成で配合したポリオール化合物に対して、モル比で、好ましくは、ポリオール化合物:水酸基含有アクリルモノマー=1:0.08〜1:0.5であり、より好ましくは、ポリオール化合物:水酸基含有アクリルモノマー=1:0.1〜1:0.4である。上記ポリオール化合物と上記水酸基含有アクリル系モノマーとの比率が上記範囲内に収まることにより、本発明の製造方法で得られる粘着剤組成物は、良好な仮貼り付け性の発現によって容易な位置合わせが可能となる「貼付位置修正作業性」、容易に貼り直しが可能となる「リワーク性」、強固な感温粘着性を発現できる「感温強粘着性」を、いずれもより一層十分に発現可能となる。
【0046】
ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の分子量は、目的に応じて適宜設定し得るが、あまりに高分子量であると、室温近辺において結晶化しやすくなり、均一な架橋物としての粘着剤組成物を得ることが難しくなるおそれがある。このため、ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の分子量は、例えば、10000以下が好ましく、5000以下がより好ましく、3000以下がさらに好ましく、2000以下が特に好ましい。
【0047】
(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマー混合物の共重合反応を行うことによって、アクリル系共重合体(A)が生成する。
【0048】
本発明の粘着剤組成物の製造方法においては、好ましくは、アクリル系共重合体(A)の原料の重量とポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の原料の重量との割合が、重量比で、(a):(b)=20:80〜80:20であり、より好ましくは25:75〜75:25であり、さらに好ましくは30:70〜70:30である。アクリル系共重合体(A)の原料の重量とポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の原料の重量との割合が上記範囲内に収まることにより、本発明の製造方法によって得られる粘着剤組成物は、良好な仮貼り付け性の発現によって容易な位置合わせが可能となる「貼付位置修正作業性」、容易に貼り直しが可能となる「リワーク性」、強固な感温粘着性を発現できる「感温強粘着性」を、いずれもより一層十分に発現可能となる。
【0049】
上記モノマー混合液は、好ましくは光重合開始剤を含む。上記活性エネルギー線は、好ましくは紫外線である。
【0050】
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジフェニサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、ベンジルジメチルケタール、ジベンジル、ジアセチル、1−クロルアントラキノン、2−クロルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンジルジフェニル−フォスフィンオキサイド等の低分子量重合開始剤;オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}等のオリゴマー化された重合開始剤;などが挙げられる。
【0051】
光重合開始剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0052】
光重合開始剤の含有量としては、光重合に通常用いられる任意の適切な量を採用し得る。
【0053】
本発明の粘着剤組成物の製造方法において、ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の存在下、上記(メタ)アクリル酸エステルと上記(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマー混合液に活性エネルギー線を照射する際の、反応条件としては、活性エネルギー線の照射による重合として一般に採用され得る任意の適切な条件を採用し得る。
【0054】
本発明の粘着剤組成物の製造方法においては、ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の存在下において、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマー混合液に、好ましくは、光重合開始剤の存在下で紫外線を照射して、紫外線重合を行う。
【0055】
このような反応により、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマー混合物の紫外線重合によってアクリル系共重合体(A)が生成するとともに、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン(メタ)アクリレートが架橋剤の役割をして、アクリル系共重合体(A)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)によって架橋されている架橋ポリマー、好ましくは、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを形成する。
【0056】
本発明の粘着剤組成物の製造方法においては、モノマー混合液中に、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、軟化剤(可塑剤)、充填剤、老化防止剤、粘着付与剤、顔料、染料、シランカップリングなどが挙げられる。
【0057】
本発明の粘着剤組成物の製造方法においては、粘着剤組成物を任意の適切な基材上に形成することができる。
【0058】
基材としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリスチレン樹脂などの有機材料;ガラスなどの無機材料;などが挙げられる。
【0059】
基材として剥離性基材を用いると、該剥離性基材上において上記の粘着剤組成物を製造することによって、該剥離性基材上に粘着剤組成物を形成することができ、その後、該剥離性基材を剥離することによって、基材レスのフィルム状の粘着剤組成物を得ることができる。本発明の粘着剤組成物は、このように、少なくとも室温近辺(例えば、25℃)において、基材なしでフィルム形状を維持できる。
【0060】
このようにして得られる基材レスのフィルム状の粘着剤組成物の厚みは、好ましくは0.1〜1000μmであり、より好ましくは1〜500μmであり、さらに好ましくは5〜100μmであり、特に好ましくは10〜80μmである。このような薄い基材レスのフィルム状の粘着剤組成物は、薄くて基材が存在しない粘着テープとすることができるという特徴から、各種の用途に適用可能である。
【0061】
≪2.粘着剤組成物≫
本発明の製造方法によって得られる粘着剤組成物は、アクリル系共重合体(A)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)によって架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物である。
【0062】
本発明の製造方法によって得られる粘着剤組成物中の上記架橋ポリマーの含有割合は、用途によって任意の適切な含有割合を採用し得る。本発明の製造方法によって得られる粘着剤組成物中の上記架橋ポリマーの含有割合は、好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは70〜100重量%であり、さらに好ましくは90〜100重量%であり、特に好ましくは95〜100重量%である。
【0063】
上記架橋ポリマーは、好ましくは、上記アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)が上記ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーである。
【0064】
上記のような架橋の構造について、その構造を同定する方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。このような構造同定方法としては、直接的に架橋構造を同定する方法でも良いし、間接的に架橋構造の存在を示す証拠をもって同定する方法でも良い。
【0065】
一般に、ポリマーとは、同一または異なる分子量を有する複数のポリマー分子の集合体である。このため、アクリル系共重合体(A)は複数のポリマー分子の集合体であり、ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)も複数のポリマー分子の集合体である。
【0066】
したがって、上記架橋ポリマーは、複数のポリマー分子の集合体であるアクリル系共重合体(A)が、複数のポリマー分子の集合体であるポリウレタン(メタ)アクリレート(B)によって架橋されており、該アクリル系共重合体(A)の複数のポリマー分子の少なくとも1本が、該ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の複数のポリマー分子の少なくとも1本によって架橋されている。上記架橋を構成する架橋点としては、アクリル系共重合体(A)の複数のポリマー分子の少なくとも1本の任意の反応箇所とポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の複数のポリマー分子の少なくとも1本の末端との結合点である。
【0067】
また、上記架橋ポリマーは、複数のポリマー分子の集合体であるアクリル系共重合体(A)由来の複数のポリマー骨格(a)と、複数のポリマー分子の集合体であるポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来の複数のポリマー骨格(b)を含んでおり、該複数のポリマー骨格(a)の中の少なくとも1本のポリマー骨格(a)が該複数のポリマー骨格(b)の中の少なくとも1本のポリマー骨格(b)を介して架橋されている。上記架橋を構成する架橋点としては、ポリマー骨格(a)の任意の反応箇所とポリマー骨格(b)の末端との結合点である。
【0068】
上記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、好ましくは(a):(b)=20:80〜80:20であり、より好ましくは25:75〜75:25であり、さらに好ましくは30:70〜70:30である。上記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合が上記範囲内に収まることにより、本発明の粘着剤組成物は、良好な仮貼り付け性の発現によって容易な位置合わせが可能となる「貼付位置修正作業性」、容易に貼り直しが可能となる「リワーク性」、強固な感温粘着性を発現できる「感温強粘着性」を、いずれもより一層十分に発現可能となる。なお、上記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、上記架橋ポリマーを製造する際に用いるアクリル系共重合体(A)の原料の重量とポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の原料の重量との割合から算出し得る。
【0069】
≪3.粘着テープ≫
本発明の製造方法で得られる粘着剤組成物を用いて、粘着テープを構成することができる。
【0070】
このような粘着テープは、本発明の製造方法で得られる粘着剤組成物を含むため、良好な仮貼り付け性の発現によって容易な位置合わせが可能となる「貼付位置修正作業性」、容易に貼り直しが可能となる「リワーク性」、強固な感温粘着性を発現できる「感温強粘着性」を、いずれも十分に発現できる。
【0071】
このような粘着テープにおいては、本発明の製造方法で得られる粘着剤組成物が基材上に形成されたものであっても良いし、基材レスのフィルム状のものであっても良い。
【0072】
このような粘着テープが基材レスのフィルム状のものである場合は、良好な仮貼り付け性の発現によって容易な位置合わせが可能となる「貼付位置修正作業性」、容易に貼り直しが可能となる「リワーク性」、強固な感温粘着性を発現できる「感温強粘着性」を、いずれも十分に発現できるとともに、フレキシブル性に富む。
【実施例】
【0073】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。部は重量部を意味する。
【0074】
〔常態粘着力・感温粘着力の測定〕
サンプルを幅10mm、長さ140mmのテープ状に切断し、各種被着体(SUS304BA板、PETフィルム、ガラス板)に2kgfローラーで1往復圧着したのち、30分間、常態(23.0±3.0℃)で静置してから、引張角度180℃、剥離速度300mm/minで剥離したときの荷重を加温ステージ付き変角度ピール試験機で測定した。
常態粘着力は、加温ステージを昇温せずに測定した。
60℃の感温粘着力は、加温ステージの設定温度を60℃として、そのステージ上で圧着と剥離を行って測定した。
【0075】
〔引っ張り貯蔵弾性率〕
引っ張り貯蔵弾性率は、ARES(TAインスツルメンツ製)にて測定を行った。幅5.0mm、長さ60mmに切断したサンプルをFIXTURE FIBER/FILM S−8 RAD2(TAインスツルメンツ製)に固定し、−50℃〜200℃の温度領域において、昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件で行った。
【0076】
〔引張強度の測定〕
幅10mm、長さ120mmに切断したサンプルを用いて、島津製作所社製「AG−IS」を使用して、23.0±3.0℃において、300mm/minの引張速度で300%延伸する間での最大の荷重を測定した。
【0077】
〔実施例1〕
メチルアクリレート42.50g、N,N−ジメチルアクリルアミド5.00g、およびアクリル酸2.50gの混合液中に、ポリカーボネートジオール(ニッポラン981、Mw=1000、日本ポリウレタン工業(株)製)38.44gと水素化キシレンジイソシアナート(タケネート650、武田薬品工業(株)製)9.33gを加え、65℃4時間以上窒素雰囲気下で加熱撹拌した。この状態を保ち、2−ヒドロキシエチルアクリレート2.23gを加え、さらに1時間以上加熱撹拌した。得られた粘性液体に光重合開始剤(IRGACURE651、BASF社製)1.00gを加え、ポリエステル剥離ライナー上に厚さが50μmになるように塗布したのち、紫外線(光源:メタルハライドランプ)を1分間照射し、厚み50μmの熱粘着性フィルム(1)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.096モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.019モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(1)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(1)について各種評価を行った。結果を表1に示した。
【0078】
〔実施例2〕
ポリカーボネートジオールの使用量を40.43gに変更し、水素化キシレンジイソシアナートの使用量を8.63gに変更し、2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を0.94gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(2)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.081モル:0.089モル=1:1.1であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.081モル:0.008モル=1:0.1であった。
粘着剤組成物(2)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(2)について各種評価を行った。結果を表1に示した。
【0079】
〔実施例3〕
ポリカーボネートジオールの使用量を36.64gに変更し、水素化キシレンジイソシアナートの使用量を9.96gに変更し、2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を3.40gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(3)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.073モル:0.103モル=1:1.4であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.073モル:0.029モル=1:0.4であった。
粘着剤組成物(3)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(3)について各種評価を行った。結果を表1に示した。
【0080】
〔実施例4〕
メチルアクリレート59.25g、N,N−ジメチルアクリルアミド7.00g、およびアクリル酸3.75gの混合液中に、ポリカーボネートジオール(ニッポラン981、Mw=1000、日本ポリウレタン工業(株)製)23.06gと水素化キシレンジイソシアナート(タケネート650、武田薬品工業(株)製)5.60gを加え、65℃4時間以上窒素雰囲気下で加熱撹拌した。この状態を保ち、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.34gを加え、さらに1時間以上加熱撹拌した。得られた粘性液体に光重合開始剤(IRGACURE651、BASF社製)1.40gを加え、ポリエステル剥離ライナー上に厚さが50μmになるように塗布したのち、紫外線(光源:メタルハライドランプ)を1分間照射し、厚み50μmの熱粘着性フィルム(4)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.046モル:0.058モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.046モル:0.012モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(4)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=70.00g:30.00g=70:30であった。
得られた粘着剤組成物(4)について各種評価を行った。結果を表1に示した。
【0081】
〔実施例5〕
メチルアクリレート51.00g、N,N−ジメチルアクリルアミド6.00g、およびアクリル酸3.00gの混合液中に、ポリカーボネートジオール(ニッポラン981、Mw=1000、日本ポリウレタン工業(株)製)30.75gと水素化キシレンジイソシアナート(タケネート650、武田薬品工業(株)製)7.46gを加え、65℃4時間以上窒素雰囲気下で加熱撹拌した。この状態を保ち、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.79gを加え、さらに1時間以上加熱撹拌した。得られた粘性液体に光重合開始剤(IRGACURE651、BASF社製)1.20gを加え、ポリエステル剥離ライナー上に厚さが50μmになるように塗布したのち、紫外線(光源:メタルハライドランプ)を1分間照射し、厚み50μmの熱粘着性フィルム(5)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.062モル:0.077モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.062モル:0.015モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(5)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=60.00g:40.00g=60:40であった。
得られた粘着剤組成物(5)について各種評価を行った。結果を表1に示した。
【0082】
〔実施例6〕
メチルアクリレート34.00g、N,N−ジメチルアクリルアミド4.00g、およびアクリル酸2.00gの混合液中に、ポリカーボネートジオール(ニッポラン981、Mw=1000、日本ポリウレタン工業(株)製)46.13gと水素化キシレンジイソシアナート(タケネート650、武田薬品工業(株)製)11.20gを加え、65℃4時間以上窒素雰囲気下で加熱撹拌した。この状態を保ち、2−ヒドロキシエチルアクリレート2.68gを加え、さらに1時間以上加熱撹拌した。得られた粘性液体に光重合開始剤(IRGACURE651、BASF社製)0.80gを加え、ポリエステル剥離ライナー上に厚さが50μmになるように塗布したのち、紫外線(光源:メタルハライドランプ)を1分間照射し、厚み50μmの熱粘着性フィルム(6)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.092モル:0.115モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.092モル:0.023モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(6)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=40.00g:60.00g=40:60であった。
得られた粘着剤組成物(6)について各種評価を行った。結果を表1に示した。
【0083】
〔実施例7〕
メチルアクリレート25.50g、N,N−ジメチルアクリルアミド3.00g、およびアクリル酸1.50gの混合液中に、ポリカーボネートジオール(ニッポラン981、Mw=1000、日本ポリウレタン工業(株)製)53.82gと水素化キシレンジイソシアナート(タケネート650、武田薬品工業(株)製)13.06gを加え、65℃4時間以上窒素雰囲気下で加熱撹拌した。この状態を保ち、2−ヒドロキシエチルアクリレート3.12gを加え、さらに1時間以上加熱撹拌した。得られた粘性液体に光重合開始剤(IRGACURE651、BASF社製)0.6gを加え、ポリエステル剥離ライナー上に厚さが50μmになるように塗布したのち、紫外線(光源:メタルハライドランプ)を1分間照射し、厚み50μmの熱粘着性フィルム(7)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.108モル:0.135モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.108モル:0.027モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(7)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=30.00g:70.00g=30:70であった。
得られた粘着剤組成物(7)について各種評価を行った。結果を表1に示した。
【0084】
〔実施例8〕
メチルアクリレート42.50gをイソボルニルアクリレート42.50gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(8)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.096モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.019モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(8)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(8)について各種評価を行った。結果を表2に示した。
【0085】
〔実施例9〕
メチルアクリレート42.50gをt−ブチルアクリレート42.50gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(9)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.096モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.019モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(9)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(9)について各種評価を行った。結果を表2に示した。
【0086】
〔実施例10〕
メチルアクリレート42.50gをベンジルアクリレート42.50gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(10)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.096モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.019モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(10)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(10)について各種評価を行った。結果を表2に示した。
【0087】
〔実施例11〕
メチルアクリレート42.50gをブチルアクリレート42.50gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(11)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.096モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.019モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(11)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(11)について各種評価を行った。結果を表2に示した。
【0088】
〔実施例12〕
メチルアクリレート42.50gを2−エチルヘキシルアクリレート42.50gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(12)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.096モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.019モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(12)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(12)について各種評価を行った。結果を表2に示した。
【0089】
〔実施例13〕
N,N−ジメチルアクリルアミド5.00gをN,N−ジエチルアクリルアミド5.00gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(13)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.096モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.019モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(13)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(13)について各種評価を行った。結果を表2に示した。
【0090】
〔実施例14〕
N,N−ジメチルアクリルアミド5.00gをN,N−ジイソプロピルアクリルアミド5.00gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(14)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.096モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.019モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(14)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(14)について各種評価を行った。結果を表2に示した。
【0091】
〔実施例15〕
ポリカーボネートジオール(ニッポラン981、Mw=1000、日本ポリウレタン工業(株)製)38.44gをポリカーボネートジオール(ニッポラン982、Mw=2000、日本ポリウレタン工業(株)製)43.46gに変更し、水素化キシレンジイソシアナートの使用量を5.27gに変更し、2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を1.26gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(15)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.043モル:0.054モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.043モル:0.011モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(15)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(15)について各種評価を行った。結果を表3に示した。
【0092】
〔実施例16〕
ポリカーボネートジオール(ニッポラン981、Mw=1000、日本ポリウレタン工業(株)製)38.44gをポリカーボネートジオール(デュラノールT4691、旭化成ケミカルズ(株)製)38.44gに変更し、水素化キシレンジイソシアナートの使用量を9.33gに変更し、2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を2.23gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(16)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.096モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.019モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(16)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(16)について各種評価を行った。結果を表3に示した。
【0093】
〔実施例17〕
ポリカーボネートジオール(ニッポラン981、Mw=1000、日本ポリウレタン工業(株)製)38.44gをポリカーボネートジオール(デュラノールT4671、旭化成ケミカルズ(株)製)38.44gに変更し、水素化キシレンジイソシアナートの使用量を9.33gに変更し、2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を2.23gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(17)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.096モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.019モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(17)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(17)について各種評価を行った。結果を表3に示した。
【0094】
〔実施例18〕
ポリカーボネートジオール(ニッポラン981、Mw=1000、日本ポリウレタン工業(株)製)38.44gをポリカーボネートジオール(デュラノールT5651、旭化成ケミカルズ(株)製)38.44gに変更し、水素化キシレンジイソシアナートの使用量を9.33gに変更し、2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を2.23gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(18)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.096モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.019モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(18)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(18)について各種評価を行った。結果を表3に示した。
【0095】
〔実施例19〕
ポリカーボネートジオール(ニッポラン981、Mw=1000、日本ポリウレタン工業(株)製)38.44gをポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG650、三菱化学(株)製)34.18gに変更し、水素化キシレンジイソシアナートの使用量を12.76gに変更し、2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を3.05gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(19)を得た。
上記ポリテトラメチレンエーテルグリコールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.105モル:0.131モル=1:1.25であった。
上記ポリテトラメチレンエーテルグリコールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.105モル:0.026モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(19)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(19)について各種評価を行った。結果を表3に示した。
【0096】
〔実施例20〕
ポリカーボネートジオール(ニッポラン981、Mw=1000、日本ポリウレタン工業(株)製)38.44gをポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG2900、三菱化学(株)製)45.30gに変更し、水素化キシレンジイソシアナートの使用量を3.79gに変更し、2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を0.91gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(20)を得た。
上記ポリテトラメチレンエーテルグリコールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.031モル:0.008モル=1:1.25であった。
上記ポリテトラメチレンエーテルグリコールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.031モル:0.008モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(20)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(20)について各種評価を行った。結果を表3に示した。
【0097】
〔実施例21〕
ポリカーボネートジオール(ニッポラン981、Mw=1000、日本ポリウレタン工業(株)製)の使用量を40.69gに変更し、水素化キシレンジイソシアナート9.33gをヘキサメチレンジイソシアナート8.54gに変更し、2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を0.77gに変更した以外は、実施例14と同様に行い、厚み50μmの熱粘着性フィルム(21)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.081モル:0.102モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.081モル:0.021モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(21)は、アクリル系共重合体(A)由来のポリマー骨格(a)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)由来のポリマー骨格(b)を介して架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であり、前記架橋ポリマーの構造中におけるポリマー骨格(a)とポリマー骨格(b)との含有割合は、重量比で、(a):(b)=50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(21)について各種評価を行った。結果を表3に示した。
【0098】
〔比較例1〕
N,N−ジメチルアクリルアミドを用いず、アクリル酸の使用量を7.50gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(C1)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.096モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.019モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(C1)に含まれるポリマー成分において、アクリル系共重合体由来のポリマー骨格とポリウレタン(メタ)アクリレート由来のポリマー骨格との含有割合は、重量比で、50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(C1)について各種評価を行った。結果を表4に示した。
【0099】
〔比較例2〕
紫外線を照射しなかった以外は実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(C2)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.096モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.019モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(C2)に含まれるポリマー成分は、アクリル系共重合体とポリウレタン(メタ)アクリレートが単に混合された状態のものであった。
得られた粘着剤組成物(C2)について各種評価を行った。結果を表4に示した。
【0100】
〔比較例3〕
メチルアクリレートを用いず、N,N−ジメチルアクリルアミドの使用量を47.5gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚み50μmの粘着剤組成物(C3)を得た。
上記ポリカーボネートジオールと上記水素化キシレンジイソシアナートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.096モル=1:1.25であった。
上記ポリカーボネートジオールと上記2−ヒドロキシエチルアクリレートとの比率は、モル比で、0.077モル:0.019モル=1:0.25であった。
粘着剤組成物(C3)に含まれるポリマー成分において、アクリル系共重合体由来のポリマー骨格とポリウレタン(メタ)アクリレート由来のポリマー骨格との含有割合は、重量比で、50.00g:50.00g=50:50であった。
得られた粘着剤組成物(C3)について各種評価を行った。結果を表4に示した。
【0101】
【表1】

【0102】
【表2】

【0103】
【表3】

【0104】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明の製造方法で得られる粘着剤組成物およびそれから得られる粘着テープは、例えば、小型電池関連用途や電子機器用途などに適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル系共重合体(A)がポリウレタン(メタ)アクリレート(B)によって架橋されている架橋ポリマーを含む粘着剤組成物の製造方法であって、
ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の存在下、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドを必須に含むモノマー混合液に活性エネルギー線を照射する、
粘着剤組成物の製造方法。
【請求項2】
前記アクリル系共重合体(A)の原料の重量と前記ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)の原料の重量との割合が、重量比で、(a):(b)=20:80〜80:20である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記モノマー混合液が光重合開始剤を含み、前記活性エネルギー線が紫外線である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記ポリウレタン(メタ)アクリレート(B)は、ポリオール化合物とポリイソシアナート化合物との反応で得られるポリウレタンプレポリマーに水酸基含有アクリル系モノマーを反応させて得られるポリマーである、請求項1から3までのいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
前記ポリオール化合物と前記ポリイソシアナート化合物との比率が、モル比で、1:1.1〜1:1.5である、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記ポリオール化合物と前記水酸基含有アクリル系モノマーとの比率が、モル比で、1:0.1〜1:0.5である、請求項4または5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記粘着剤組成物を基材上に形成する、請求項1から6までのいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
前記基材が剥離性基材であり、該剥離性基材上に形成した後に該剥離性基材を剥離して、基材レスのフィルム状の粘着剤組成物とする、請求項7に記載の製造方法。

【公開番号】特開2013−79304(P2013−79304A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219051(P2011−219051)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】