説明

粘着板からチップ形電子部品を剥離する方法及びその装置

【課題】粘着したチップ形電子部品を傷つけたり、飛散したりしないように剥離させることができ、同一の粘着力の粘着膜間での移し替えができるチップ形電子部品の剥離方法及びその装置を提供する。
【解決手段】硬質のベース板に粘着層を形成した粘着板を加圧して、粘着層の一部の粘着面をこの粘着層に形成した非粘着層の透孔から膨出させてチップ形電子部品に粘着させる工程と、前記ベース板に形成した吸引孔から粘着層を吸引してチップ形電子部品を粘着面から剥離する工程とからなる。また、粘着層に、チップ形電子部品を粘着する粘着面を除いて非粘着層を形成し、ベース板に、粘着面の反対面から吸引して粘着面を凹ませるための吸引孔を穿設し、ベース板の吸引孔側に気密にエアチャンバーを設け、粘着面をベース板の吸引孔から吸引して粘着面を凹ませることにより粘着したチップ形電子部品を剥離させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小なチップ形の電子部品を扱う自動加工機において、加工時には多数個のチップ形電子部品を粘着層に粘着させて保持して、電極形成などの処理をするが加工終了後に粘着板からチップ形電子部品を簡単、かつ確実に剥離させるようにした粘着板からチップ形電子部品を剥離する方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の電子部品は微小化の一途を辿っており、抵抗器、キャパシタ、ダイオード、トランジスタ、インダクタなど様々なチップ形電子部品が製造されており、一辺が1mm以下というチップ形電子部品も数多く使用されるようになっている。このような微小なチップ形電子部品は、数千個以上を単位として所定の方向に向けて整列し、整列したチップ形電子部品を自動加工機に保持しなければならない。
【0003】
このような数千個以上の微小なチップ形電子部品を一度に処理・加工するために、従来から図4に示すように、硬質の本体122上に粘着膜123を形成したホルダ121を形成し、粘着膜123にチップ形電子部品を粘着・保持する装置(特許文献1)が知られていた。
【0004】
この特許文献1には、まず、図5(a)に示すように、粘着膜123aを上に向けたホルダ121a上に多数の配向孔126の空いた振込み用配向板125を重ね、この配向板125の上から多数個のチップ形電子部品1を振込み、これらに振動を加えることにより、チップ形電子部品1は配向板125に設けられた配向孔126に収納されて所定の方向に向けられる。次に、図5(b)に示すように、平坦なプレス板127によってチップ形電子部品1の各々が一方のホルダ121aに向かって押圧され、チップ形電子部品1が粘着膜123aの粘着面124aに粘着されて保持された状態となる。
【0005】
この状態で、図5(c)に示すように、一方のホルダ121aを上下反転させ、電極ペースト130が所定の厚みに塗布された定盤129に載置することでチップ形電子部品1の端面及び端部の側面に電極ペースト130が付着し、図5(d)に示すように、これを引き上げて乾燥させることにより一方の電極104が形成される。
【0006】
一方の電極104の乾燥後、他方の端面に電極104を形成するために、図5(e)に示すように、前記一方のホルダ121aに保持されたチップ形電子部品1を下向きにしたまま、前記粘着膜123aよりも粘着力の強い粘着膜123bを形成した他方のホルダ121b上に押圧して粘着膜123bに粘着させる。そして、一方のホルダ121aを引き上げると、粘着力の差によってチップ形電子部品1は一方のホルダ121aの粘着膜123aから剥離して他方のホルダ121bの粘着幕123bの粘着面124bに粘着された状態となる。
以下、一方の電極104を形成したのと同じようにして他方の電極104を形成する。
【0007】
粘着力の相違する粘着膜の素材としてシリコンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴムなどが用いられる他、同一の素材であっても厚さを変えることにより粘着力の相違する粘着膜を形成できることが特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−291712号公報。
【特許文献2】特開2005−347508号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述の従来技術には、処理や加工後のチップ形電子部品を粘着膜から剥離させる方法又は手段は記載されていない。一般的には、スキージー(ゴムのヘラ)やブラシなどで掻き落としていた。このように粘着膜に粘着したチップ形電子部品に外部から力を加えて強制的に掻き落とす方法では、微小なチップ形電子部品にとっては、その大きさに比較して非常に大きな力を不規則に加えられることになる。これにより、落下や部品相互のこすれ合いなどで表面に傷をつけてしまうことも多く、特に前述のように電極ペーストを付着させて乾燥させたような電極では、形成した電極が剥がれ落ちてしまうこともあるという問題点があった。また、掻き落とす際の反動で部品が飛散し易いという問題点もあった。
また、チップ形電子部品の両端に加工を施すために、特許文献1のように粘着膜の粘着力の差だけで移し替えを行う場合、数千個のチップ形電子部品を全て確実に移し替えるようにするには相当の粘着力の差が必要であり、粘着力の差が大きすぎると剥離により大きな力が必要となり、小さすぎると移し替えに失敗する部分が生じやすいという問題点があった。
【0010】
本発明は、粘着したチップ形電子部品を傷つけたり、飛散したりしないように剥離させることができ、また、同一の粘着力の粘着膜間での移し替えができるチップ形電子部品の剥離方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、硬質のベース板に粘着層を形成した粘着板を加圧して、前記粘着層の一部の粘着面をこの粘着層に形成した非粘着層の透孔から膨出させてチップ形電子部品に粘着させる工程と、前記ベース板に形成した吸引孔から粘着層を吸引してチップ形電子部品を粘着面から剥離する工程とからなることを特徴とする粘着板からチップ形電子部品を剥離する方法である。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、非粘着層の透孔から膨出する粘着面をチップ形電子部品の粘着面よりやや小さくして粘着するようにした粘着板からチップ形電子部品を剥離する方法である。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、ベース板の吸引孔から粘着層を真空ポンプで空気吸引するようにした請求項1又は2記載の粘着板からチップ形電子部品を剥離する方法である。
【0014】
請求項4の発明は、粘着板の硬質のベース板に粘着層を形成し、この粘着層に粘着されたチップ形電子部品を粘着板から剥離する装置において、前記粘着層に、チップ形電子部品を粘着する粘着面を除いて非粘着層を形成し、前記ベース板に、前記粘着面の反対面から吸引して粘着面を凹ませるための吸引孔を穿設し、前記ベース板の吸引孔側に気密にエアチャンバーを設け、前記粘着面をベース板の吸引孔から吸引して粘着面を凹ませることにより粘着したチップ形電子部品を剥離させることを特徴とする粘着板からチップ形電子部品を剥離する装置である。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、透孔から露出した粘着面は、チップ形電子部品の端面と相似した形状であって、チップ形電子部品の端面の周縁部が非粘着面に載置される大きさとしたことを特徴とする請求項4記載の粘着板からチップ形電子部品を剥離する装置である。
【0016】
請求項6の発明は、請求項4又は5の発明において、吸引孔は、チップ形電子部品の粘着端面と略同一の形状としたことを特徴とする請求項4又は5記載の粘着板からチップ形電子部品を剥離する装置である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1及び又は4記載の発明によれば、粘着層からのチップ形電子部品の剥離の際に、外部からチップ形電子部品に不規則な力を加えて強制的に掻き落とすのではなく、粘着層を変形させて粘着面とチップ形電子部品の端面を剥離するようにしたので、チップ形電子部品の端面に引き剥がすための最小限の力が加わるだけであって、チップ形電子部品の他の部分にスキージーやブラシが接触したり、不要な力が加わったりすることが一切ない。したがって、チップ形電子部品が傷つくことが極めて少ないという効果を有する。また、剥離したチップ形電子部品をトレイに受けるような場合でも落下するだけであるので、スキージー等で掻き落としたときのように反動でチップ形電子部品が飛散するということがないという効果を有する。さらに、移し替えのときも、両方の粘着板に本発明の方法又は装置を利用すれば、同一の粘着力の粘着層とすることができ、失敗が極めて少ないという効果を有する。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、非粘着層の透孔から膨出する粘着面をチップ形電子部品の粘着面よりやや小さくして粘着するようにしたので、剥離する工程において、粘着層を吸引した際に、チップ形電子部品との接点が非粘着層のみとなるので、確実に剥離することができる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、真空ポンプで粘着面を吸引するようにしたので、非常に数の多い吸引孔があっても簡便な構成で均一な吸引することができる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、粘着面は、チップ形電子部品の端面と相似した形状であって、チップ形電子部品の端面の周縁部が非粘着面に載置される大きさとしたので、チップ形電子部品の端面と粘着層との剥離が確実に行われるという効果を有する。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、吸引孔は、チップ形電子部品の端面と略同一の形状としたので、チップ形電子部品の端面と粘着層との剥離が確実に行われるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による粘着板からチップ形電子部品を剥離する方法及びその装置の一実施例を示す部分拡大断面図であり、(a)は粘着層にチップ形電子部品を粘着した状態の断面図、(b)は粘着層からチップ形電子部品が剥離した状態の断面図である。
【図2】本発明による粘着板からチップ形電子部品を剥離する方法及びその装置の一実施例を示すもので、(a)は装置全体を示す断面図、(b)はチップ形電子部品を粘着する部分の拡大断面図、(c)は非粘着層とチップ形電子部品の端面との位置関係を示す説明図である。
【図3】(a)〜(e)は、それぞれ本発明による粘着板からチップ形電子部品を剥離する方法及びその装置を用いてチップ形電子部品の端面に電極を形成する工程を示す説明図である。
【図4】従来の粘着板を示す斜視図である。
【図5】(a)〜(f)は、それぞれ従来の粘着板を用いて電子部品の端面に電極を形成する工程を示す断面図である。
【図6】電極を形成したチップ形電子部品の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
粘着板の硬質のベース板に粘着層を形成し、この粘着層に粘着されたチップ形電子部品を粘着板から剥離する装置において、前記粘着層に、チップ形電子部品を粘着する粘着面を除いて非粘着層を形成し、前記ベース板に、前記粘着面の反対面から吸引して粘着面を凹ませるための吸引孔を穿設し、前記ベース板の吸引孔側に気密にエアチャンバーを設け、前記粘着面をベース板の吸引孔から吸引して粘着面を凹ませることにより粘着したチップ形電子部品を剥離させる。
【実施例1】
【0024】
図1ないし図3を参照して、本発明の粘着板からチップ形電子部品を剥離する方法及びその装置について説明する。
粘着保持装置10は、図2(a)に示すように、粘着板11とこの粘着板11の背面に設けられたエアチャンバー26からなる。粘着板11は、硬質のベース板12、粘着性を有するシリコンゴム製の粘着層13及び極めて薄い(例えば、0.02mm厚)非粘着性のフィルムからなる非粘着層14が積層、貼着されて構成されている。
非粘着層14には、図2(b)(c)に示すように、チップ形電子部品1の端面2と相似形状であって、チップ形電子部品1の端面2よりやや小さい大きさの透孔15が穿設されている。つまり、チップ形電子部品1の端面2の周縁部3が非粘着層14の縁部16に重なる形状に構成されている。
【0025】
また、ベース板12には、チップ形電子部品1の端面2と略同一の形状の吸引孔17が穿設されている。しかし、この吸引孔17は、非粘着層14の透孔15ほど厳密にチップ形電子部品1の端面2と同一の形状である必要なく、可能な範囲で相似していれば良い。
ベース板12の粘着層13と反対側には、全面を気密に覆うようにチャンバーケース25が設けられてエアチャンバー26が形成されている。このエアチャンバー26には、真空ポンプ(図示せず)が接続されている。このチャンバーケース25は、予めベース板12上に気密に設けられていてもよいが、作業の工程に応じて気密にセットするようにしてもよい。
【0026】
次にこの粘着保持装置10の粘着及び剥離の作用について、図1及び図2を参照して説明する。
(1−1)まず、粘着保持装置10にチップ形電子部品1を粘着させる作用について説明する。
図1(a)に示すように、チップ形電子部品1の周縁部3が非粘着層14の透孔15の縁部16に位置するように位置決めをしつつ、粘着保持装置10の粘着層13をチップ形電子部品1に向けて載置しベース板12を上から加圧する。
すると、軟質材料である粘着層13は、非粘着層14が極めて薄いので、その透孔15から膨出し粘着面18がチップ形電子部品1の端面2に押圧される。そして、チップ形電子部品1に押圧された粘着層13の粘着面18は、その粘着力によりチップ形電子部品1を粘着・保持する。なお、ベース板12を上から加圧すると、粘着層13の上面も吸引孔17の空間側に膨出する。加圧を解除すると、粘着層13の上面は元に戻るが、下面の粘着面18はチップ形電子部品に粘着されたままの状態を保持する。
【0027】
(1−2)次に、電極形成などの加工後に、粘着保持装置10に粘着・保持されたチップ形電子部品1を剥離させる作用について説明する。
チャンバー26に真空ポンプ(図示せず)を接続して空気を吸引する。すると、粘着層13がベース板12の吸引孔17から吸引されて、図1(b)に示すように、粘着僧13の上面が吸引孔17側に大きく膨出するとともに、下面の粘着面18も吸引孔17側に吸引されて凹部19を生ずる。凹部19を生ずると、チップ形電子部品1の端面2と粘着層13の粘着面18が引き剥がされて、非粘着層14の縁部16とチップ形電子部品1の周縁部3だけが接触している状態となりチップ形電子部品1は剥離する。
【0028】
図1(b)では、粘着層13の粘着面18を下面にしてチップ形電子部品を粘着した状態から剥離するようにしたが、作業工程によっては、粘着層13の粘着面18を上面にしてチップ形電子部品1を粘着し、空気を下向きに吸引して剥離するようにしてもよい。この方がチップ形電子部品1へのダメージを与えることが少ない。
【0029】
次に、この粘着保持装置10を用いてチップ形電子部品1に電極を形成する例を、図3を参照して説明する。
(2−1)振込み機による部品の整列(図3(a))
まず、図3(a)に示すように、多数の部品収納穴22が設けられた整列用パレット21に振動や揺動を与え、部品収納穴22にチップ形電子部品1を整列する。これは、従来からある振込み機(自動整列装置)による。
【0030】
(2−2)チップ形電子部品1を吸着パレット23で吸着(図3(b))
空気の負圧で吸引してチップ形電子部品1を保持する吸着パレット23により、整列用パレット21に整列したチップ形電子部品1を整列したままの状態で矢印のように吸着する。
【0031】
(2−3)第1の粘着板11aへの粘着・保持(図3(c))
図2(c)に示すようにチップ形電子部品1を第1の粘着板11aに位置を合わせて載置して上から加圧し、図1(a)のとおり、チップ形電子部品1を第1の粘着板11aにおける粘着層13の粘着面18に粘着させて保持させる。そして、真空ポンプによる空気の吸引を停止して吸着パレット23を退避させる。
【0032】
(2−4)チップ形電子部品1への一方の電極104の形成(図示せず)
チップ形電子部品1が保持された第1の粘着板11aを、上下反転させて電極ペーストが所定の厚みに塗布された定盤に載置し、電子部品1の端面及び端部の側面に電極ペーストを付着させ、これを引き上げて乾燥させることにより一方の電極104を形成させる。この工程は、従来例と同様である。
【0033】
(2−5)チップ形電子部品1の第2の粘着板11bへの移し替え(図3(d))
第1の粘着板11aを第2の粘着板11bの上に移動する。
図2(c)と同様にチップ形電子部品1を第2の粘着板11bに位置を合わせて載置して上から加圧し、図1(c)のとおり、チップ形電子部品1を第2の粘着板11bにおける粘着層13の粘着面18に粘着させて保持させる。
第1の粘着板11aのエアチャンバー26に接続した真空ポンプ(図示せず)を作動させて空気を吸引し、図1(b)のとおり、チップ形電子部品1を第1の粘着板11aにおける粘着層13の粘着面18から剥離させて移し替え後、第1の粘着板11aを退避させる。
【0034】
(2−6)チップ形電子部品1への他方の電極104の形成(図示せず)
一方の電極104の形成と同様に他方の電極104を形成する。
【0035】
(7)第2の粘着板11bからのチップ形電子部品1の剥離(図3(e))
第2の粘着板11bを、チップ形電子部品1を受け止めるトレイ(図示せず)の上に移動する。そして、第2の粘着板11bのエアチャンバー26に接続した真空ポンプ(図示せず)を作動させて空気を吸引し、図1(b)のとおり、チップ形電子部品1を第2の粘着板11bにおける粘着層13の粘着面18から剥離させてトレイ上に移す。
【0036】
以上の実施例では、非粘着層14として樹脂フィルムを用いた例を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、粘着層13のチップ形電子部品1が粘着する部分の縁部16を非粘着性とすることができればどのような構成でもよい。例えば、ステンレスのような薄板にエッチングやプレスで透孔15を穿設したものでもよいし、粘着部分をマスキングして粘着層15の表面に非粘着性の薄膜を塗装、スパッタや蒸着により形成してもよい。
【0037】
以上の実施例では、チップ形電子部品1の1個1個に対して対応する透孔15と吸引孔17を形成するようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、1本の筋状の透孔15と吸引孔17を形成し、この筋状の透孔15を跨ぐように多数のチップ形電子部品1を粘着層13に粘着させるようにしても良い。
【0038】
以上の実施例では、負の空気圧により粘着面を吸引して凹ませるようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、油圧や水圧により吸引するようにしても良い。
【符号の説明】
【0039】
1…チップ形電子部品、2…端面、3…周縁部、10…粘着保持装置、11、11a、11b…粘着板、12…ベース板、13…粘着層、14…非粘着層、15…透孔、16…非粘着層の縁部、17…吸引孔、18…粘着面、19…凹部、21…整列パレット、22…部品収納孔、23…吸着パレット、25…チャンバーケース、26…エアチャンバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質のベース板に粘着層を形成した粘着板を加圧して、前記粘着層の一部の粘着面をこの粘着層に形成した非粘着層の透孔から膨出させてチップ形電子部品に粘着させる工程と、
前記ベース板に形成した吸引孔から粘着層を吸引してチップ形電子部品を粘着面から剥離する工程とからなることを特徴とする粘着板からチップ形電子部品を剥離する方法。
【請求項2】
非粘着層の透孔から膨出する粘着面をチップ形電子部品の粘着面よりやや小さくして粘着するようにした請求項1記載の粘着板からチップ形電子部品を剥離する方法。
【請求項3】
ベース板の吸引孔から粘着層を真空ポンプで空気吸引するようにした請求項1又は2記載の粘着板からチップ形電子部品を剥離する方法。
【請求項4】
粘着板の硬質のベース板に粘着層を形成し、この粘着層に粘着されたチップ形電子部品を粘着板から剥離する装置において、
前記粘着層に、チップ形電子部品を粘着する粘着面を除いて非粘着層を形成し、
前記ベース板に、前記粘着面の反対面から吸引して粘着面を凹ませるための吸引孔を穿設し、
前記ベース板の吸引孔側に気密にエアチャンバーを設け、
前記粘着面をベース板の吸引孔から吸引して粘着面を凹ませることにより粘着したチップ形電子部品を剥離させることを特徴とする粘着板からチップ形電子部品を剥離する装置。
【請求項5】
透孔から露出した粘着面は、チップ形電子部品の端面と相似した形状であって、チップ形電子部品の端面の周縁部が非粘着面に載置される大きさとしたことを特徴とする請求項4記載の粘着板からチップ形電子部品を剥離する装置。
【請求項6】
吸引孔は、チップ形電子部品の粘着端面と略同一の形状としたことを特徴とする請求項4又は5記載の粘着板からチップ形電子部品を剥離する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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