説明

糖アルコールを含んでなり改善されたテクスチャー及び賞味期限を有する高タンパク質食品バー

改善された機能性を有する高タンパク質食品バーが開示される。具体的には、高タンパク質食品バーは、単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質との組み合わせを含んでなるタンパク質材料を含んでなる。高タンパク質食品バーは、従来の高タンパク質食品バーと比べて改善されたテクスチャーおよび長い賞味期限を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、主に、タンパク質材料を含んでなる高タンパク質食品バー、およびこのような高タンパク質食品バーを製造するための方法に関する。より詳しくは一実施形態では、本開示は単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質との組み合わせを含んでなるタンパク質材料を含んでなる高タンパク質食品バーに関する。別の実施形態では、タンパク質材料は同時加工された単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質との配合物を含んでなり、同時加工された配合物は高分子量タンパク質画分と低分子量タンパク質画分の双方を有する。これらの双方のタンパク質材料の組み合わせは、改善されたテクスチャーおよび長い賞味期限(extended shelf−life)を有する高タンパク質食品バーを提供する。
【背景技術】
【0002】
特定の食物から受け得る悪影響を示す最近の研究に答えて、消費者は健康意識をより高めて自らの食物摂取をモニタリングしている。その結果、健康な食餌の重要な構成要素としての高タンパク質食品バー利用の人気が高まっている。これらの食餌は炭水化物レベルを低下させながら、より高レベルのタンパク質を供給することに重きを置いている。今までのところ、高タンパク質食品バーは比較的満足のいくものではなく、一般に製造技術要件のために過剰な炭水化物なしにタンパク質を供給するという目的にかなっていない。
【0003】
ダイズタンパク質製品は、それらの高いタンパク質含量と低いオリゴ糖類/炭水化物含量のために、高タンパク質食品バーで最も一般に使用されるタンパク質成分の一部である。具体的にはダイズタンパク質製品は、「完全な」タンパク質プロフィールを提供する。ダイズは、人体が合成できないため食餌中で供給されなくてはならないヒト栄養に必須の全てのアミノ酸を含有する。
【0004】
それらの高タンパク質/低炭水化物含量に加えて、ダイズタンパク質はコレステロールを含有しない。数十年間にわたり、栄養学的研究は、食餌にダイズタンパク質を含めることが、リスクのある人々で実際に血清コレステロールレベルを低下させることを示唆している。さらにコレステロールレベルが高いほど、ダイズタンパク質はそのレベルを低下させるのにより効果的である。
【0005】
食品バーで使用するのに適したダイズタンパク質材料としては、ダイズフレーク、ダイズ粉、ダイズ粗粒、ダイズミール、ダイズタンパク質濃縮物、単離ダイズタンパク質、およびそれらの混合物が挙げられる。これらのダイズタンパク質材料間の主な違いは、完全なダイズに対する精製の程度である。
【0006】
ダイズフレークは、概してダイズを脱皮、脱脂、粉砕して製造され、典型的に絶対乾燥ベースで約65%(重量基準)未満のダイズタンパク質を含有する。ダイズフレークはまた、可溶性炭水化物、ダイズ繊維などの不溶性炭水化物、およびダイズに固有の脂肪を含有する。ダイズフレークは、例えばヘキサンでの抽出によって脱脂されてもよい。ダイズ粉、ダイズ粗粒、およびダイズミールは、ハンマーミルまたはエアジェットミルなどの粉砕および製粉装置内でフレークを所望の粒度に粉砕して、ダイズフレークから製造される。細かく砕かれた材料を、典型的に乾熱によって熱処理し、または湿熱によって蒸して、挽いたフレークを「トースト」し、ボーマン−バークインヒビターおよびクニッツトリプシンインヒビターなどのダイズ中に存在する反栄養素を不活性化する。材料中のダイズタンパク質の変性を防止するため、そして水の添加とダイズ材料からの除去に伴うコストを避けるために、顕著な量の水の存在下で挽いたフレークを熱処理することは避けられる。得られて、挽かれて熱処理された材料は、材料の平均粒度次第でダイズ粉、ダイズ粗粒、またはダイズミールとなる。ダイズ粉は概して約150μm未満の粒度を有する。ダイズ粗粒は概して約150〜約1000μmの粒度を有する。ダイズミールは概して約1000μmを超える粒度を有する。
【0007】
ダイズタンパク質濃縮物は、典型的に、無水ベースで約65%(重量基準)〜約90%(重量基準)未満のダイズタンパク質を含有し、主要非タンパク質構成要素は繊維である。ダイズタンパク質濃縮物は、典型的にフレークを水性アルコール溶液または酸性水性溶液のいずれかで洗浄し、タンパク質および繊維から可溶性炭水化物を除去して脱脂ダイズフレークから形成される。
【0008】
単離ダイズタンパク質とも称されるより高度に精製されたダイズタンパク質材料であるダイズタンパク質単離物は、無水ベースで少なくとも約90%(重量基準)のダイズタンパク質、および僅少または皆無の可溶性炭水化物または繊維を含有するように処理される。単離ダイズタンパク質は、典型的にアルカリ性水性抽出剤によって、脱脂ダイズフレークまたはダイズ粉からダイズタンパク質および水可溶性炭水化物を抽出して形成される。水性抽出物は、可溶性タンパク質および可溶性炭水化物と共に、主に繊維である抽出物中で不溶性の材料から分離される。典型的に抽出物は酸で処理されて、抽出物のpHがタンパク質の等電点に調節され、可溶性炭水化物を保持する抽出物から沈殿タンパク質を分離して、任意のpH調節ステップ後に乾燥する。
【0009】
上記全ての利点にもかかわらず、食物のタンパク質レベルを増大させることは、典型的に、消費者が期待する望ましい製品テクスチャーの損失をもたらすことがよく知られている。これは特に高タンパク質食品バーに当てはまる。望ましいテクスチャーの損失は、典型的に、消費者が堅くて煉瓦のようであると述べる、高タンパク質食品バーなどの製品をもたらす。テクスチャーの問題を解決する従来の試みは、テクスチャーを改善する代わりに単に不快なテクスチャー特性を隠すことであった。試みられた解決策としては、製品を高脂肪材料でコーティングすることが挙げられる。不運にもこれらの「修正」は単にその場しのぎであり、最初の一口、または製品が崩れた直後に、製品のテクスチャーの真の性質が明らかになる。テクスチャー品質の損失は当業者によって理解されているものの、不良テクスチャーをもたらす複雑な相互作用についてはほとんど分かっていない。
【0010】
テクスチャー改善に関わる課題に加えて、食品バーへの高レベルタンパク質の包含はまた、より少ないタンパク質とより多くの炭水化物を含有する食品バーに比べて、食品バーの賞味期限にも悪影響を与える。店頭陳列棚に短期間置かれた後に、高タンパク質食品バーは堅く煉瓦のようになることが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように、産業界では、高濃度のタンパク質および低濃度の炭水化物を提供する高タンパク質食品バーに対する必要性が存在する。さらに高タンパク質食品バーが改善されたテクスチャーを有し、改善されたテクスチャーを長期にわたり維持する賞味期限の長いものであれば、有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示は、少なくとも1つのタイプの単離ダイズタンパク質を含んでなる高タンパク質食品バーに関する。高タンパク質食品バーは、単離ダイズタンパク質を単独で、または1つ以上のミルクタンパク質と組み合わさって含んでもよい。代案としては高タンパク質食品バーは、同時加工された単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質との配合物を含んでなってもよい。
【0013】
一実施形態では、本開示は高タンパク質および低炭水化物含量を有する高タンパク質食品バー、および高タンパク質食品バーを製造するための方法を提供する。具体的には高タンパク質食品バーは、タンパク質材料および炭水化物材料を含んでなる。一実施形態では、タンパク質材料は、単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質との配合物を含んでなることができる。別の実施形態では、タンパク質材料は、単離ダイズタンパク質カードとミルクタンパク質とを含んでなる、同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を含んでなることができる。炭水化物材料は糖アルコールを含んでなる。その他の任意の構成要素もまた添加してもよい。高タンパク質食品バーは従来のタンパク質含有食品バーと比べて、改善されたテクスチャーおよび賞味期限を提供する。
【0014】
別の実施形態では、本開示は高タンパク質食品バーを製造する方法に関する。一方法では、単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質との組み合わせを含有する食品バーが生成する。本開示の別の方法では、単離ダイズタンパク質カードとミルクタンパク質との同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を含有する食品バーが生成し、同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物は、高分子量タンパク質画分と低分子量タンパク質画分の双方を有する。得られた食品バーは従来のタンパク質含有食品バーと比べて、改善されたテクスチャーおよび長い賞味期限を有する。
【0015】
このように、本開示は約35%(食品バー総重量基準)〜約55%(食品バー総重量基準)のタンパク質材料および約35%(食品バー総重量基準)〜約50%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなる、高タンパク質食品バーに関する。タンパク質材料は、単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質との組み合わせを含んでなる。さらに単離ダイズタンパク質は、約70%を超える可溶性固形物指数を有して約75STNBS〜約125STNBSの加水分解度を有する。炭水化物材料は1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる。得られた高タンパク質食品バーは、2500重量グラム未満の機械的硬度を有する。
【0016】
本開示は、約35%(食品バー総重量基準)〜約55%(食品バー総重量基準)のタンパク質材料および約35%(食品バー総重量基準)〜約50%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなる、高タンパク質食品バーにさらに関する。タンパク質材料は、第1の単離ダイズタンパク質、第2の単離ダイズタンパク質、およびミルクタンパク質の組み合わせを含んでなる。さらに第1の単離ダイズタンパク質は、約70%を超える可溶性固形物指数を有して約75STNBS〜約125STNBSの加水分解度を有する。第2の単離ダイズタンパク質は、約30%〜約60%の可溶性固形物指数を有して約25STNBS〜約35STNBSの加水分解度を有する。炭水化物材料は1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる。得られた高タンパク質食品バーは、2500重量グラム未満の機械的硬度を有する。
【0017】
本開示は、タンパク質材料と炭水化物材料とを合わせてドウを形成すステップと、ドウを伸ばすステップと、ドウを個々の高タンパク質食品バーに分割するステップとを含んでなる、高タンパク質食品バーを生成する方法にさらに関する。タンパク質材料は、約33%(タンパク質材料総重量基準)〜約75%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約25%(タンパク質材料総重量基準)〜約67%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質を含んでなる。さらに単離ダイズタンパク質は、約70%を超える可溶性固形物指数を有して約75STNBS〜約125STNBSの加水分解度を有する。炭水化物材料は1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる。
【0018】
本開示は、約35%(食品バー総重量基準)〜約55%(食品バー総重量基準)のタンパク質材料および約35%(食品バー総重量基準)〜約50%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなる、高タンパク質食品バーにさらに関する。タンパク質材料は単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質との組み合わせを含んでなり、単離ダイズタンパク質は、約30%〜約45%の可溶性固形物指数を有して約40STNBS〜約55STNBSの加水分解度を有する。炭水化物材料は1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる。高タンパク質食品バーは、約2500重量グラム未満の機械的硬度を有する。
【0019】
本開示は、約35%(食品バー総重量基準)〜約55%(食品バー総重量基準)のタンパク質材料および約35%(食品バー総重量基準)〜約50%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなる、高タンパク質食品バーにさらに関する。タンパク質材料は、約30%〜約60%の可溶性固形物指数および約45STNBS〜約65STNBSの加水分解度を有する、同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を含んでなる。炭水化物材料は1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる。得られた高タンパク質食品バーは、2500重量グラム未満の機械的硬度を有する。
【0020】
本開示は、タンパク質材料と炭水化物材料とを合わせてドウを形成するステップと、ドウを伸ばすステップと、ドウを個々の高タンパク質食品バーに分割するステップとを含んでなる、高タンパク質食品バー製造する方法にさらに関する。タンパク質材料は、約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質を含んでなる。さらに単離ダイズタンパク質は、約30%〜約45%の可溶性固形物指数を有して約40STNBS〜約55STNBSの加水分解度を有する。炭水化物材料は1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる。
【0021】
本開示は。タンパク質材料と炭水化物材料とを合わせてドウを形成するステップと、ドウを伸ばすステップと、ドウを個々の高タンパク質食品バーに分割するステップとを含んでなる、高タンパク質食品バーを製造する方法にさらに関する。タンパク質材料は、約30%〜約60%の可溶性固形物指数を有して、約45STNBS〜約65STNBSの加水分解度を有する同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を含んでなる。炭水化物材料は1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる。
【0022】
本開示のその他の特徴および利点の一部は以下で明らかになり、一部は指摘される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本開示は、主に、高タンパク質食品バーおよび高タンパク質食品バーを製造するための方法に関する。ここでの用法では、「高タンパク質食品バー」とは、少なくとも約25%(食品バー重量基準)のタンパク質材料を有する食品バーを意味する。一実施形態では、高タンパク質食品バーは低下したレベルの炭水化物を提供しながら、高レベルのタンパク質を提供する。意外にも、特定の単離ダイズタンパク質および/またはミルクタンパク質を使用することで、改善された高タンパク質/低炭水化物食品バーを製造できることがわかった。高タンパク質食品バーは、従来のタンパク質含有食品バーと比べて改善されたテクスチャーおよび長い賞味期限を有する。
【0024】
一実施形態では、高タンパク質食品バーは、約35%(食品バー総重量基準)〜約55%(食品バー総重量基準)のタンパク質材料および約35%(食品バー総重量基準)〜約50%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなる。タンパク質材料は、単離ダイズタンパク質およびミルクタンパク質を含んでなる。適切にはタンパク質材料は、約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質を含んでなる。より適切にはタンパク質材料は、約33%(タンパク質材料総重量基準)〜約75%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約25%(タンパク質材料総重量基準)〜約67%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質、さらにより適切には約50%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約50%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質を含んでなる。
【0025】
別の実施形態では、高タンパク質食品バーは、約25%(食品バー総重量基準)〜約50%(食品バー総重量基準)のタンパク質材料および約40%(食品バー総重量基準)〜約55%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなる。上の実施形態と同様に、タンパク質材料は、単離ダイズタンパク質およびミルクタンパク質を含んでなる。適切にはタンパク質材料は、約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質を含んでなる。より適切にはタンパク質材料は、約33%(タンパク質材料総重量基準)〜約75%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約25%(タンパク質材料総重量基準)〜約67%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質、さらにより適切には約50%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約50%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質を含んでなる。
【0026】
さらに別の実施形態では、高タンパク質食品バーは、約25%(食品バー総重量基準)〜約50%(食品バー総重量基準)のタンパク質材料および約40%(食品バー総重量基準)〜約55%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなる。この実施形態では、タンパク質材料は約100%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質を含んでなる。
【0027】
別の実施形態では、高タンパク質食品バーは、約25%(食品バー総重量基準)〜約50%(食品バー総重量基準)のタンパク質材料および約40%(食品バー総重量基準)〜約55%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなる。この実施形態のタンパク質材料は、約100%(タンパク質材料総重量基準)の同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を含んでなる。
【0028】
なおも別の実施形態では、高タンパク質食品バーは、約35%(食品バー総重量基準)〜約55%(食品バー総重量基準)のタンパク質材料および約35%(食品バー総重量基準)〜約50%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなる。この実施形態では、タンパク質材料は約100%(タンパク質材料総重量基準)の同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を含んでなる。
【0029】
食品バーで使用するための単離ダイズタンパク質の製造
ここで述べられる高タンパク質食品バーのタンパク質材料で使用するのに適した単離ダイズタンパク質は、ここでの開示に基づいて当業者によって調製されることができる。さらに下でより詳細に述べられるように、いくつかの市販の単離ダイズタンパク質をここで述べられる食品バー中で使用してもよい。
【0030】
一実施形態では、高タンパク質食品バーのタンパク質材料は、ミルクタンパク質と組み合わさった1つの単離ダイズタンパク質を含んでなる。別の実施形態では、高タンパク質食品バーのタンパク質材料は、第1の単離ダイズタンパク質およびミルクタンパク質と組み合わさった第2の単離ダイズタンパク質を含んでなる。第1の単離ダイズタンパク質および第2の単離ダイズタンパク質を含んでなる実施形態では、第1の単離ダイズタンパク質および第2の単離ダイズタンパク質は、タンパク質材料中に約1.5:1〜約1:1.5、より適切には約1:1の第1の単離ダイズタンパク質対第2の単離ダイズタンパク質の重量比で存在する。
【0031】
別の実施形態では、高タンパク質食品バーのタンパク質材料は、高分子量タンパク質画分と低分子量タンパク質画分の双方を有する、1つの単離ダイズタンパク質を含んでなる。別の実施形態では、高タンパク質食品バーのタンパク質材料は、ミルクタンパク質と組み合わさった、高分子量タンパク質画分と低分子量タンパク質画分の双方を有する、1つの単離ダイズタンパク質を含んでなる。ここでの用法では、単離ダイズタンパク質が「高分子量タンパク質画分」を有する場合、単離ダイズタンパク質は約30,000ダルトンを超える分子量を有するタンパク質画分を有する。単離ダイズタンパク質が「低分子量タンパク質画分」を有する場合、単離ダイズタンパク質は、約10,000ダルトン未満の分子量を有するタンパク質画分を有する。
【0032】
別の実施形態では、高タンパク質食品バーのタンパク質材料は、単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質との同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を含んでなる。同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物は、高分子量タンパク質画分と低分子量タンパク質画分の双方を有する。ここでの用法では、単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質との同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物が「高分子量タンパク質画分」を有する場合、同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物は、約25,000ダルトンを超える分子量を有するタンパク質画分を有する。単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質との同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物が「低分子量タンパク質画分」を有する場合、同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物は、約7,000ダルトン未満の分子量を有するタンパク質画分を有する。
【0033】
ここで述べられる高タンパク質食品バーで使用するのに適した単離ダイズタンパク質を製造する適切な方法は、ダイズタンパク質カードを沈殿させるステップと、ダイズタンパク質カードを水で希釈してダイズタンパク質スラリーを形成するステップと、ダイズタンパク質スラリーのpHを調節するステップと、ダイズタンパク質スラリーを加熱および乾燥して乾燥単離ダイズタンパク質を形成するステップとを含む。より具体的には、沈殿ダイズタンパク質カードを製造する方法は、ダイズから白色フレークを製造するステップに始まる。一般に全ダイズから白色フレークを生成する従来の方法は、1)全ダイズを脱皮するステップと、2)脱皮ダイズを圧扁するステップと、3)ヘキサンなどの溶剤によって圧扁ダイズからダイズ油を抽出するステップと、4)高温加熱またはトーストすることなしに脱脂ダイズを溶剤除去して白色フレークを生成するステップとを含んでなる。白色フレークはまた、任意に粉砕してダイズ粉を生成できる。ダイズ粉は単に粉砕された白色フレークであるので、本開示の目的では「白色フレーク」という用語は、ダイズ粉を含むと考察される。本開示の方法で使用される全ダイズは、標準的な商品化されたダイズ、何らかの様式で遺伝子改変(GM)されたダイズ、または非GM同一性保持ダイズであってもよいこともまたさらに考察される。
【0034】
上述のステップによってダイズから生成される白色フレークを沈殿ダイズタンパク質カード形成方法の出発原料として利用する。白色フレークを液体中に分散して、それらからダイズタンパク質を抽出する。本開示の一実施形態では、白色フレークをpH約6.4〜約7.5の水中に分散してそれらからダイズタンパク質を抽出する。好ましくは白色フレークをpH約6.4〜約6.8の水中に分散してそれらからダイズタンパク質を抽出し、より好ましくは水のpHは約6.7である。本開示の代案の実施形態では、白色フレークをpH約9.5〜約10.0のアルカリ性溶液に分散して、それらからダイズタンパク質を抽出する。好ましくは白色フレークをpHで約9.6〜約9.8のアルカリ性溶液に分散して、それらからダイズタンパク質を抽出し、より好ましくはアルカリ性溶液のpHは約9.7である。好ましくはアルカリ性溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択されるアルカリ性材料を含んでなる。液体中に見られる可溶性ダイズタンパク質抽出物は、好ましくは濾過によっておよび/またはダイズタンパク質抽出物の遠心処理によって、そして可溶性ダイズタンパク質抽出物を望ましくない不溶性の材料からデカントして、ダイズ繊維およびセルロースなどの不溶性材料から分離される。
【0035】
次に可溶性ダイズタンパク質抽出物に適切な酸を添加してpHをダイズタンパク質の等電点前後に調節し、ダイズタンパク質を沈殿させて沈殿ダイズタンパク質カード混合物を形成する。好ましくは可溶性ダイズタンパク質抽出物のpHはpH約4.0〜約5.0、より好ましくはpH約4.4〜約4.6に調節される。好ましくはpHは、塩酸、リン酸、またはそれらの混合物で調節される。次に沈殿ダイズタンパク質カード混合物を遠心分離して、上清をデカントし廃棄する。残留物質が沈殿ダイズタンパク質カードである。
【0036】
上の抽出、懸濁液、および沈殿ステップは、任意に1回以上反復して、沈殿ダイズタンパク質カードから炭水化物および脂肪などの不純物をさらに除去できる。本開示で使用するためのダイズタンパク質カードを形成するためのその他の適切な抽出方法についてはよく知られており、例えばトーマス(Thomas)らに付与された米国特許第6,313,273号明細書(2001年11月6日)、およびポーター(Porter)らに付与された米国特許第6,830,773号明細書(2004年12月14日)で開示される。
【0037】
沈殿ダイズタンパク質カードを製造した後、沈殿ダイズタンパク質カードを水で希釈してダイズタンパク質カードスラリーを形成する。好ましくは沈殿ダイズタンパク質カードを水で希釈して、重量基準で固形分約12%〜約20%のダイズタンパク質カードスラリーを生成する。なおもより好ましくはダイズタンパク質カードスラリーは、重量基準で固形分約14%〜約18%である。最も好ましくはダイズタンパク質カードスラリーは、重量基準で固形分約15%〜約17%である。
【0038】
本開示の一実施形態では、ここで単離ダイズタンパク質(ISP)1と称される単離ダイズタンパク質を高タンパク質食品バー中の単離ダイズタンパク質として使用してもよい。ISP 1を生成するためには、上述のダイズタンパク質カードスラリーを最初にアルカリ性水溶液またはアルカリ土類水溶液、好ましくは水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液で、pH約7.2〜約7.6に中和する。次に中和ダイズタンパク質カードを任意に加熱する。
【0039】
熱処理はダイズタンパク質製品を滅菌または低温殺菌する役割を果たし、細菌生育を低下させる。中和ダイズタンパク質カードを加熱するための1つの適切な方法は、ジェットクッキングである。ここでの用法では「ジェットクッキング」とは、カード材料中に加圧蒸気を注入して、ダイズタンパク質カード材料を周囲温度を超える高温に加熱する方法を指す。一実施形態では、中和ダイズタンパク質カードを適切なジェットクッカー供給タンク内に導入し、中和ダイズタンパク質カードを懸濁液中に保ち、従来のミキサーを使用して混合する。次に中和ダイズタンパク質カードスラリーを供給タンクからポンプに誘導し、それは中和ダイズタンパク質カードスラリーを反応装置管を通じて押し出す。中和ダイズタンパク質カードスラリーが反応装置管に入る際に、蒸気を適切な圧力下で中和ダイズタンパク質カードスラリー中に注入し、カードを所望の温度に即座に加熱する。注入蒸気圧を調節して温度を制御する。適切には温度は約75℃〜約160℃、より好ましくは約100℃〜約155℃である。管を通る中和ダイズタンパク質カードスラリーの流速によって制御される処理時間で、中和ダイズタンパク質カードスラリーを高温で処理する。適切には処理時間は約5〜約15秒間、より適切には約7〜約12秒間、さらにより適切には約9秒間である。
【0040】
次に加熱した中和ダイズタンパク質カードスラリーを技術分野で既知のあらゆる従来の様式で冷却してもよい。加熱した中和ダイズタンパク質カードを冷却するための1つの適切な方法は、フラッシュ気化による。一実施形態では、熱いカードを約50℃〜約60℃の内部温度を有する真空チャンバー内に導入し、中和ダイズタンパク質カードスラリー周囲の圧力を約57mmHg〜約73mmHgの圧力に即座に低下させて、加熱した中和ダイズタンパク質カードスラリーをフラッシュ気化する。さらにこのフラッシュ気化は、中和ダイズタンパク質カードスラリー温度を約50℃〜約60℃の温度に低下させる。
【0041】
次に冷却した中和ダイズタンパク質カードスラリー中のダイズタンパク質を加水分解するのに効果的な酵素で、冷却した中和ダイズタンパク質カードスラリーを処理する。pH調節済みダイズタンパク質カードスラリーのダイズタンパク質材料の長鎖ペプチドをペプチド加水分解によって分解する。加水分解度は、下で述べる簡易化トリニトロベンゼンスルホン酸(STNBS)法によって判定される。
【0042】
適切には約75STNBS〜約95STNBSの加水分解度を有するダイズタンパク質材料を生じる温度と時間で、冷却した中和ダイズタンパク質カードスラリーと酵素とを反応させる。より適切には約80STNBS〜約90STNBSの加水分解度を有するダイズタンパク質材料を生じる温度と時間で、中和ダイズタンパク質カードスラリーと酵素とを反応させる。適切には約40℃〜約65℃の温度で、より適切には約60℃の温度で、約10分間〜約65分間、より適切には約20分間〜約45分間、冷却した中和ダイズタンパク質カードスラリーと酵素とを反応させる。タンパク質加水分解をもたらす1つの適切な酵素は、ブロメラインである。
【0043】
pH調節済みダイズタンパク質カードスラリーの酵素処理のために添加される酵素の量は、pH調節に先だつダイズタンパク質カードスラリーの重量に左右される。典型的に酵素は、約0.8%(乾燥中和ダイズタンパク質カード重量基準)〜約2%(乾燥中和ダイズタンパク質カード重量基準)の酵素濃度で、中和ダイズタンパク質カードスラリーと反応させる。
【0044】
次に加水分解ダイズタンパク質材料に第2の熱処理を施して、酵素を不活性化するのに効果的な温度に加水分解ダイズタンパク質材料を加熱し、加水分解を終結する。典型的に加水分解ダイズタンパク質材料は、大気圧を超える陽圧の下で高温に加熱される。適切には加水分解ダイズタンパク質材料は約75℃〜約160℃の温度に約2秒間〜約2時間加熱され、加水分解ダイズタンパク質材料はより低温でより長時間、またはより高温でより短時間加熱される。
【0045】
第2の熱処理後、次に、加熱した加水分解ダイズタンパク質材料に第2の冷却処理を施してもよい。一実施形態では、上述のように加水分解ダイズタンパク質材料をジェットクッキングして酵素を不活性化し、次にフラッシュ冷却してISP 1のスラリーを生成する。
【0046】
次に技術分野で既知のあらゆる従来の様式を使用して、ISP 1スラリーを乾燥させてもよい。1つの適切な乾燥方法は噴霧乾燥である。典型的に噴霧乾燥は、並流乾燥機を使用して行われ、噴霧器を通じて乾燥機内に圧力下で注入された後に、熱い吸気とISP 1スラリーが乾燥機を並流で通過する。適切な噴霧器としてはノズル噴霧器および回転噴霧器が挙げられる。適切にはISP 1スラリーは約3000psig〜約5500psigの圧力下で、ノズル噴霧器を通じて乾燥機内に注入される。より適切にはISP 1スラリーは約3500psig〜約5000psigの圧力下で、ノズル噴霧器を通じて乾燥機内に注入される。上述のように霧状ISP 1スラリーと並流する熱風は、適切には約285℃〜約315℃、より適切には約290℃〜約300℃の温度を有する。
【0047】
乾燥させたISP 1を技術分野で既知のあらゆる従来の様式を使用して噴霧乾燥機から収集し、本開示の高タンパク質食品バー中で使用してもよい。適切な収集手段としては、例えばサイクロン、バッグフィルター、静電集塵器、および重力収集が挙げられる。
【0048】
典型的にISP 1は、少なくとも約90%(乾燥単離物重量基準)のタンパク質、より適切には少なくとも約92%(乾燥単離物重量基準)のタンパク質を含んでなる。ISP 1は水中に高度に可溶性であり、下述するように少なくとも約70%、および適切には少なくとも約80%の可溶性固形物指数を有する。さらにISP 1は、下述するように約75STNBS〜約95STNBS、および適切には約80STNBS〜約90STNBSの加水分解度を有する。
【0049】
別の実施形態では、ここで単離ダイズタンパク質(ISP)2と称される単離ダイズタンパク質を高タンパク質食品バー中で単離ダイズタンパク質として使用してもよい。ISP 2を生成するためには、適切な塩基を使用して上述のダイズタンパク質カードスラリーのpHをpH約9.5〜約10.5、より適切にはpH約9.8〜約10.2、さらにより適切にはpH約10.0に調節する。この実施形態でダイズタンパク質カードを中和するのに適切な塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、およびそれらの混合物が挙げられる。特に好ましい塩基は水酸化ナトリウムである。
【0050】
次にpH調節済みダイズタンパク質カードスラリーに熱処理を施す。適切な熱処理としては、直接蒸気加熱および間接蒸気加熱が挙げられる。適切にはpH調節済みダイズタンパク質カードスラリーを約48℃〜約58℃(118〜136°F)の温度に加熱し、より適切にはpH調節済みダイズタンパク質カードスラリーを約48℃〜約55℃(118.4〜131°F)の温度、さらにより適切には約51℃〜約53℃(124〜127°F)の温度に加熱する。
【0051】
pH調節済みダイズタンパク質カードスラリーをひとたび加熱したら、酵素処理中、加熱したpH調節済みダイズタンパク質カードスラリーを加熱温度に保つ。加熱したpH調節済みダイズタンパク質カードスラリーを加熱温度に保つことで、より効果的な酵素誘発性加水分解反応を提供する。pH調節済みダイズタンパク質カードスラリーの酵素加水分解は、2つの反応を促進する。1つの反応では、pH調節済みダイズタンパク質カードスラリーのダイズタンパク質材料の長鎖ペプチドが、ペプチド加水分解によって分解される。もう1つの反応は、pH調節済みダイズタンパク質カードスラリー中のグルタミンのアミド基(−NH3)と水酸化物基との間の脱アミド反応である。
【0052】
適切な1つの酵素は、アルカリ性タンパク質分解酵素である。酵素処理で使用するための適切なアルカリ性タンパク質分解酵素としては、例えば(デンマークのノボ・ノルディスクA/S(Novo Nordisk A/S(Denmark))から入手できる)アルカラーゼ(Alcalase)(登録商標)、(インディアナ州サウス・ベンドのバリー・リサーチ(Valley Research(South Bend,Indiana))から入手できる)アルカリ性タンパク質分解酵素濃縮物、および(カリフォルニア州パロアルトのジェネンコア(Genencor(PaloAlto,California))から入手できる)プロテックス(Protex)TM6Lが挙げられる。
【0053】
pH調節済みダイズタンパク質カードスラリーの酵素処理のために添加される酵素の量は、pH調節に先だつダイズタンパク質カードスラリーの重量に左右される。具体的にはpH調節済みダイズタンパク質カードスラリーに添加される酵素の量は、約1.5%(ダイズタンパク質カードスラリー重量基準)〜約2.5%(ダイズタンパク質カードスラリー重量基準)である。
【0054】
pH調節済みダイズタンパク質カードスラリーのダイズタンパク質材料の効果的な酵素加水分解の所要時間は、典型的に約30分間〜約60分間である。より適切にはpH調節済みダイズタンパク質カードスラリーの酵素処理は、約30分間〜約50分間、さらにより適切には約35分間〜約45分間である。
【0055】
典型的に酵素処理は、2つの加水分解タンクシステム内で行われる。第1の加水分解タンク内では、10%水酸化ナトリウムを使用してpH調節済みダイズタンパク質カードスラリーのpHをpH約9.8〜約10.2に保ち、ダイズタンパク質材料の酵素加水分解を促進する。酵素加水分解後、酵素加水分解ダイズタンパク質カードスラリーを第2の加水分解タンクに移し、その中で酵素加水分解ダイズタンパク質カードスラリーのpHを適切な有機または無機酸を使用して、pH約7.2〜約7.6に調節する。より適切には酵素加水分解ダイズタンパク質カードスラリーのpHを約7.4に調節する。酵素加水分解ダイズタンパク質カードスラリーのpH調節に適する酸としては、塩酸、リン酸、およびそれらの混合物が挙げられる。酵素加水分解ダイズタンパク質カードスラリーのpHを低下させることで、本開示の高タンパク質食品バーで使用するための改善された機能特性を有する単離ダイズタンパク質(ISP 2)を提供する。
【0056】
任意に酵素加水分解ダイズタンパク質カードスラリーを加熱、冷却、および乾燥して、乾燥ISP 2製品を形成できる。任意の熱処理は、製品を滅菌または低温殺菌する役割を果たし、細菌生育を低下させる。一実施形態では、上のISP 1を生成する方法で述べられるように、ジェットクッキング法を使用して酵素加水分解ダイズタンパク質カードスラリーを加熱する。適切には酵素加水分解ダイズタンパク質カードスラリーを約146℃〜約157℃の温度で約5秒間〜約15秒間加熱する。より適切には酵素加水分解ダイズタンパク質カードスラリーを約149℃〜約154℃の温度に約7秒間〜約12秒間加熱し、さらにより適切には約150℃〜約153℃の温度に約8秒間〜約10秒間加熱する。
【0057】
熱処理に続いて、次に加熱した酵素加水分解ダイズタンパク質カードスラリーを技術分野で既知のあらゆる適切な方法で、任意に冷却できる。一実施形態では、加熱した酵素加水分解ダイズタンパク質カードスラリーを真空フラッシュによって、約48℃〜約58℃の温度に冷却する。より適切には加熱した酵素加水分解ダイズタンパク質カードスラリーを約49℃〜約55℃の温度に冷却し、さらにより適切には約51℃〜約53℃の温度に冷却する。
【0058】
さらに上述のように、酵素加水分解ダイズタンパク質カードスラリーを乾燥できる。適切にはISP 1について上述した様式で、酵素加水分解ダイズタンパク質カードスラリーを噴霧乾燥によって乾燥させる。
【0059】
上の方法によって生成されたISP 2は、典型的に少なくとも約90%(乾燥単離物重量基準)のタンパク質、より適切には少なくとも約92%(乾燥単離物重量基準)のタンパク質を含んでなる。ISP 2は水に高度に可溶性であり、下述するように少なくとも約80%、より適切には少なくとも約90%の可溶性固形物指数を有する。さらにISP 2は下述するように、約100STNBS〜約125STNBS、より適切には約105STNBS〜約120STNBSの加水分解度を有する。
【0060】
別の実施形態では、ここで単離ダイズタンパク質(ISP)3と称される単離ダイズタンパク質を高タンパク質食品バーのタンパク質材料中で単離ダイズタンパク質として利用してもよい。ISP 3を生成するために、最初にアルカリ性水溶液またはアルカリ土類水溶液を使用して、上述のダイズタンパク質カードスラリーをpH6.8〜約7.2に中和する。適切なアルカリ性水溶液としては、水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液が挙げられる。
【0061】
次に中和ダイズタンパク質カードスラリーを加熱処理、冷却、および乾燥する。適切には上のISP 1およびISP 2生成方法で述べられるように、ジェットクッキング法を使用して中和ダイズタンパク質カードスラリーを加熱する。熱処理後、上述のフラッシュ気化法によって加熱した中和ダイズタンパク質カードスラリーを約70℃〜約85℃の温度に冷却する。最後に上のISP 1およびISP 2について述べられる様式で噴霧乾燥を使用して、冷却した中和ダイズタンパク質カードスラリーを乾燥させ、ISP 3を生成する。
【0062】
典型的に上の方法に従って生成したISP 3は、少なくとも約90%(乾燥単離物重量基準)のタンパク質、より適切には少なくとも約92%(乾燥単離物重量基準)のタンパク質を含んでなる。ISP 3は無損傷タンパク質である。ここでの用法では、「無損傷」タンパク質とは、酵素処理、熱処理、または酸またはアルカリによる処理で加水分解されていないタンパク質である。さらにISP 3は水に高度に可溶性でない。典型的にISP 3は、下述するように約35%〜約60%、より適切には約40%〜約50%の可溶性固形物指数を有する。さらにISP 3は、下述するように約25STNBS〜約35STNBSの加水分解度を有する。
【0063】
典型的に上述の単離ダイズタンパク質は大型粒子を有して、より柔らかなテクスチャーがある高タンパク質食品バーを提供する。乾燥させたISP 3は、ISP 1およびISP 2と比べてより大きな粒度を有する。具体的にはISP 3は、約40μm〜約65μmの粒度を有する。したがってISP 3は、技術分野で既知のあらゆる従来の粉末粉砕法を使用して、任意に粉砕されてもよい。
【0064】
さらに別の実施形態では、ここで単離ダイズタンパク質(ISP)4と称される、高分子量タンパク質画分と低分子量タンパク質画分の双方を有する単離ダイズタンパク質をタンパク質材料中で単離ダイズタンパク質として利用してもよい。ISP 4を生成するために、最初にアルカリ性水溶液またはアルカリ土類水溶液を使用して、上述のダイズタンパク質カードスラリーをpH約5.8〜約6.6に中和する。適切なアルカリ性水溶液としては、水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液が挙げられる。
【0065】
次に直接または間接蒸気噴射によって、中和ダイズタンパク質カードスラリーを約50℃〜約60℃、より適切には約54℃の温度に加熱する。次に加熱した中和ダイズタンパク質カードスラリー中でダイズタンパク質を加水分解するのに効果的な酵素で、加熱した中和ダイズタンパク質カードスラリーを処理する。適切には約40STNBS〜約55STNBSの加水分解度を有するダイズタンパク質材料を生じる温度と時間で、加熱した中和ダイズタンパク質カードスラリーを酵素と反応させる。より適切には約45STNBSの加水分解度を有するダイズタンパク質材料を生じる温度と時間で、加熱した中和ダイズタンパク質カードスラリーを酵素と反応させる。適切には約50℃〜約60℃の温度、より適切には約54℃の温度、および約20分間〜約60分間、より適切には約30分間〜約60分間、さらにより適切には約35分間、加熱した中和ダイズタンパク質カードスラリーを酵素と反応させる。
【0066】
加熱した中和ダイズタンパク質カードと反応させるのに適した酵素としては、例えばブロメラインまたはpH約4.5〜約8.0でタンパク質分解活性を有する中性タンパク質分解酵素などのあらゆるその他の酵素が挙げられる。適切な酵素は当業者に知られており、例えばデンマークのノボザイムズ(Novozymes(Denmark))、インディアナ州サウス・ベンドのバリー・リサーチ(Valley Research(South Bend,Indiana))、およびカリフォルニア州パロアルトのジェネンコア(Genencor(PaloAlto,California))などの多数の供給業者から市販される。特に好ましい実施形態では、酵素は2500BTU/gの活性を有するブロメラインである。
【0067】
酵素処理のために添加される酵素の量は、中和ダイズタンパク質カードスラリーの重量に左右される。典型的に約0.10%(乾燥中和ダイズタンパク質カード重量基準)〜約0.20%(乾燥中和ダイズタンパク質カード重量基準)、適切には約0.15%(乾燥中和ダイズタンパク質カード重量基準)の濃度で、酵素を加熱した中和ダイズタンパク質カードスラリーと反応させる。
【0068】
次に酵素処理ダイズタンパク質材料に第2の熱処理を施し、酵素処理ダイズタンパク質材料を酵素不活性化するのに効果的な温度に加熱して、加水分解を終結する。典型的に酵素処理ダイズタンパク質材料は、約125℃〜約160℃の温度に約5秒間〜約30秒間加熱される。より適切には酵素処理ダイズタンパク質材料は、約152℃の温度に約9秒間加熱される。
【0069】
第2の熱処理後、上述のフラッシュ気化法によって、加熱酵素処理ダイズタンパク質材料を約90℃未満の温度、より適切には約82℃の温度に冷却してもよい。最後に上のISP 1およびISP 2について述べられる様式で噴霧乾燥を使用して、冷却酵素処理ダイズタンパク質材料を乾燥させ、ISP 4を生成する。
【0070】
典型的に上の方法に従って生成されたISP 4は、少なくとも約90%(乾燥単離物重量基準)のタンパク質、より適切には少なくとも約92%(乾燥単離物重量基準)のタンパク質を含んでなる。さらにISP 4−タイプのダイズタンパク質単離物は、下述するように典型的に約30%〜約45%、より適切には約30%〜約40%、さらにより適切には約35%の可溶性固形物指数を有する。
【0071】
さらに上のISP 4−タイプダイズタンパク質単離物の加水分解は、タンパク質をその天然球形状態に保つ条件下で行われる。これらの条件下では、タンパク質加水分解は分子の外側で起こり、分子内で高分子量タンパク質画分を保持しながら、低分子量タンパク質画分を生じる。したがってISP 4−タイプダイズタンパク質単離物は、高分子量タンパク質画分と低分子量タンパク質画分の双方を含有する。下でより詳細に述べるように、高分子量タンパク質画分と低分子量タンパク質画分の双方を有することで、ISP 4−タイプダイズタンパク質単離物は、柔らかくサクサクするテクスチャーの食品を提供するための単一タンパク質源として使用できる。
【0072】
上述のように、市販の単離ダイズタンパク質をここで述べられる高タンパク質食品バー中で使用してもよい。適切な市販のISP 1−タイプ単離ダイズタンパク質の2つの例は、FXP H0313およびスープロ(SUPRO)(登録商標)プラス(Plus)1764であり、どちらもミズーリ州セントルイスのソラエ(登録商標)・カンパニー(The Solae Company(St.Louis,Missouri))から入手できる。適切な市販のISP 2−タイプ単離ダイズタンパク質の1例は、ミズーリ州セントルイスのソラエ・カンパニー(The Solae Company(St.Louis,Missouri))から入手できるFXP 950である。市販のISP 3−タイプ単離ダイズタンパク質の適切な例としては、全てミズーリ州セントルイスのソラエ・カンパニー(The Solae Company(St.Louis,Missouri))から入手できる、FXP H0320、FXP H0298、スープロ(SUPRO)(登録商標)660、およびスープロ(SUPRO)(登録商標)1610が挙げられる。
【0073】
単離ダイズタンパク質中のタンパク質含量に加えて、単離ダイズタンパク質(乾燥基準)は、一般に繊維を含めて約0.5%(乾燥単離物重量基準)未満の炭水化物、約3.5%(乾燥単離物重量基準)〜約6.0%(乾燥単離物重量基準)の脂肪、および約3.5%(乾燥単離物重量基準)〜約7.0%(乾燥単離物重量基準)の灰分を含んでなる。
【0074】
別の実施形態では、単離ダイズタンパク質およびミルクタンパク質を混合してタンパク質混合物を形成し、それを同時加工して、タンパク質材料として使用するための同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を形成してもよい。具体的には、同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を製造するための1つの適切な実施形態では、下述されるようなISP 1−タイプ、ISP 2−タイプ、ISP 3−タイプ、またはISP 4−タイプ単離ダイズタンパク質、およびミルクタンパク質を生成するための上述の方法で生成された、単離ダイズタンパク質を混合してタンパク質混合物を形成する。同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を生成するために使用される単離ダイズタンパク質およびミルクタンパク質の量は、使用されるミルクタンパク質のタイプおよび目的とする高タンパク質食品バー用途に左右される。典型的にタンパク質混合物は、約10%(タンパク質混合物総重量基準)〜約90%(タンパク質混合物総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約10%(タンパク質混合物総重量基準)〜約90%(タンパク質混合物総重量基準)のミルクタンパク質を含む。より適切にはタンパク質混合物は約50%(タンパク質混合物総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約50%(タンパク質混合物総重量基準)のミルクタンパク質を含む。
【0075】
次に水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを含んでなるアルカリ性水溶液で、タンパク質混合物をpH約5.8〜約6.6に調節し、次に直接または間接蒸気噴射を使用して約50℃〜約60℃の温度に加熱する。より適切にはタンパク質混合物を約54℃の温度に加熱する。
【0076】
次に加熱したタンパク質混合物を酵素で約20分間〜約60分間処理して、酵素処理タンパク質混合物を形成する。より適切には加熱したタンパク質混合物を約30分間〜約60分間、さらにより適切には約35分間酵素と反応させる。
【0077】
加熱したタンパク質混合物と反応させるのに適した酵素としては、例えばブロメラインまたはpH約4.5〜約8.0でタンパク質分解活性を有するあらゆるその他の酵素などのタンパク質分解酵素が挙げられる。適切な酵素は当業者に知られており、例えばデンマークのノボザイムズ(Novozymes(Denmark))、インディアナ州サウス・ベンドのバリー・リサーチ(Valley Research(South Bend,Indiana))、およびカリフォルニア州パロアルトのジェネンコア(Genencor(PaloAlto,California))などのなどの多数の供給業者から市販される。特に好ましい実施形態では、酵素は2500BTU/gの活性を有するブロメラインである。
【0078】
酵素処理のために添加される酵素の量は、タンパク質混合物の重量に左右される。典型的に約0.10%(乾燥タンパク質混合物重量基準)〜約0.20%(乾燥タンパク質混合物重量基準)、適切には約0.15%(乾燥タンパク質混合物重量基準)の濃度で、酵素を加熱したタンパク質混合物と反応させる。
【0079】
次に酵素処理タンパク質混合物に第2の熱処理を施し、酵素処理タンパク質混合物を酵素を不活性化する効果的な温度に加熱して、加水分解を終結する。典型的に酵素処理タンパク質混合物は、約125℃〜約160℃の温度に約5秒間〜約30秒間加熱される。より適切には酵素処理タンパク質混合物を約152℃の温度に約9秒間加熱する。
【0080】
第2の熱処理後、任意に上述のフラッシュ気化法によって、加熱酵素処理タンパク質混合物を約90℃未満、より適切には約82℃温度の温度に冷却してもよい。最後に任意に上述のように噴霧乾燥を使用して、冷却酵素処理タンパク質混合物を乾燥させる。
【0081】
単離ダイズタンパク質の特徴
本開示の高タンパク質食品バー中に含有されるISP 1−タイプおよびISP 2−タイプ単離ダイズタンパク質は、高加水分解度を有する。高加水分解度を有する単離ダイズタンパク質は、典型的により低い平均分子量を有する。典型的に、高加水分解度を有する単離ダイズタンパク質は、高タンパク質食品バー中のその他の成分との改善された結合特性を提供する。この改善された結合は、分散性改善、粘度低下、および得られた高タンパク質食品バーの保水容量低下を可能にする。
【0082】
ISP 3−タイプ単離ダイズタンパク質は、ISP 1−タイプ、ISP 2−タイプ、およびISP 4−タイプ単離ダイズタンパク質と比べて、より低い加水分解度を有する。典型的に、より低い加水分解度を有する単離ダイズタンパク質は、高タンパク質食品バー中に構造体を提供する。この構造形成タンパク質は、下述のようにより堅くて噛み応えのあるテクスチャーを持つ高タンパク質食品バーを提供する。
【0083】
ISP 4−タイプ単離ダイズタンパク質は、高分子量タンパク質画分と低分子量タンパク質画分の双方を生じる加工条件下で加水分解される。高分子量タンパク質画分が構造タンパク質として機能してサクサクしたテクスチャーを提供するのに対し、低分子量タンパク質画分は結合タンパク質として機能して、低pHレベルにおける高溶解性、および低粘度を提供する。工程全体では、高タンパク質食品バーなどの食品中で柔らかくサクサクしたテクスチャーを提供する、単離ダイズタンパク質が生成される。
【0084】
上述のように、高度に加水分解された単離ダイズタンパク質について加水分解度を判定する一方法は、簡易化トリニトロベンゼンスルホン酸(STNBS)法を使用する。
【0085】
一級アミンはアミノ末端基として、およびリシル残基のアミノ基としてタンパク質材料中に存在する。酵素的加水分解工程は単離ダイズタンパク質材料のペプチド鎖構造を切断し、鎖中の新しい中断毎に1個の新しいアミノ末端基を作り出す。トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)はこれらの一級アミンと反応して、420nmで吸光する発色団を生じる。TNBS−アミン反応から発生する色の純度はアミノ末端基の総数に比例し、したがって単離ダイズタンパク質サンプルの加水分解度の指標である。
【0086】
具体的には単離ダイズタンパク質サンプルの加水分解度を判定するために、0.1gの単離ダイズタンパク質を100mLの0.025N NaOHに添加する。サンプル混合物を10分間撹拌し、ワットマン(Whatman)4号濾紙を通して濾過する。次にサンプル混合物の2mL部分を0.05Mホウ酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)で10mLに希釈する。0.025N NaOHの2mLブランクもまた、0.05Mホウ酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)で10mLに希釈する。次にサンプル混合物(2mL)およびブランク(2mL)のアリコートを別々の試験管に入れる。2mLのグリシン標準溶液(0.005M)サンプルの複製もまた、別の試験管に入れる。次に0.3MのTNBS(0.1〜0.2mL)を各試験管に添加して、試験管を5秒間ボルテックスする。TNBSを各タンパク様サンプル、ブランク、および標準と15分間反応させる。5秒間ボルテックスしながら、各試験管に4mLのリン酸−亜硫酸溶液(1%の0.1M Na2SO3、99%の0.1M NaH2PO4・H2O)を添加して反応を終結する。全サンプル、ブランク、および標準の吸光度は、リン酸−亜硫酸溶液の添加の20分以内に脱イオン水との比較で記録された。
【0087】
次に以下の式を使用して、NH2モル/105gタンパク質の測定値である、STNBS値を計算する。

STNBS=(As420−Ab420)×(8.073)×(1/W)×(F)(100/P)

式中、As420は420nmにおけるサンプル溶液のTNBS吸光度であり、Ab420は420nmにおけるブランクのTNBS吸光度であり、8.073は吸光係数および手順の希釈/単位換算係数であり、Wは単離ダイズタンパク質サンプルの重量であり、Fは希釈係数であり、Pはケルダール、Kjel−Foss、またはLECO燃焼手順を使用して測定されるサンプルの%タンパク質含量である。典型的にISP 2−タイプ単離ダイズタンパク質を使用する場合、希釈係数は2である。ISP 1−タイプ、ISP 3−タイプ、またはISP 4−タイプ単離ダイズタンパク質のいずれかを使用する場合、希釈係数は1である。
【0088】
適切には一実施形態では、高タンパク質食品バーの炭水化物材料は1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる。この実施形態に見られるタンパク質材料は、約75STNBS〜約125STNBSの加水分解度を有する単離ダイズタンパク質を含んでなる。より適切にはこの実施形態の高タンパク質食品バーに見られるタンパク質材料は、約80STNBS〜約120STNBSの加水分解度を有する単離ダイズタンパク質を含んでなる。したがってISP 1−タイプおよび/またはISP 2−タイプ単離ダイズタンパク質は、この実施形態で使用するのに適する。
【0089】
高タンパク質食品バーの炭水化物材料が1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる別の実施形態では、タンパク質材料は約40STNBS〜約55STNBSの加水分解度を有する単離ダイズタンパク質を含む。より適切にはこの実施形態の高タンパク質食品バーに見られるタンパク質材料は、約45STNBSの加水分解度を有する単離ダイズタンパク質を含んでなる。したがってISP 4−タイプ単離ダイズタンパク質は、この実施形態で使用するのに適する。
【0090】
高タンパク質食品バーの炭水化物材料が1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる別の実施形態では、タンパク質材料で使用するための高タンパク質食品バーは約75STNBS〜約125STNBSの加水分解度を有する第1の単離ダイズタンパク質、および約25STNBS〜約35STNBSの加水分解度を有する第2の単離ダイズタンパク質を含んでなる。より適切にはこの高タンパク質食品バーのタンパク質材料は約80STNBS〜約120STNBSの加水分解度を有する第1の単離ダイズタンパク質、および約30STNBS〜約35STNBSの加水分解度を有する第2の単離ダイズタンパク質を含んでなる。したがってISP 3−タイプ単離ダイズタンパク質と組み合わさったISP 1−タイプおよび/またはISP 2−タイプ単離ダイズタンパク質は、この実施形態で使用するのに適する。
【0091】
高タンパク質食品バーの炭水化物材料が1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる別の実施形態では、タンパク質材料は、約45STNBS〜約65STNBSの加水分解度を有する同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を含むことができる。より適切にはタンパク質材料は、約49STNBS〜約61STNBSの加水分解度を有する同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を含んでなる。
【0092】
別の実施形態では、高タンパク質食品バーの炭水化物材料は糖シロップを含んでなる。この高タンパク質食品バーのタンパク質材料で使用される単離ダイズタンパク質は、約25STNBS〜約35STNBSの加水分解度を有する。より適切には単離ダイズタンパク質は、約30STNBS〜約35STNBSの加水分解度を有する。したがってISP 3−タイプ単離ダイズタンパク質は、この実施形態で使用するのに適する。
【0093】
高タンパク質食品バーの炭水化物材料が糖シロップを含んでなる別の実施形態では、タンパク質材料で使用するための単離ダイズタンパク質は、約40STNBS〜約55STNBSの加水分解度を有する。より適切には単離ダイズタンパク質は、約45STNBSの加水分解度を有する。したがってISP 4−タイプ単離ダイズタンパク質は、この実施形態で使用するのに適する。
【0094】
高タンパク質食品バーの炭水化物材料が糖シロップを含んでなる別の実施形態では、高タンパク質食品バーで使用するためのタンパク質材料は、約75STNBS〜約125STNBSの加水分解度を有する第1の単離ダイズタンパク質、および約25STNBS〜約35STNBSの加水分解度を有する第2の単離ダイズタンパク質を含んでなる。より適切にはこの高タンパク質食品バーのタンパク質材料は約80STNBS〜約120STNBSの加水分解度を有する第1の単離ダイズタンパク質、および約30STNBS〜約35STNBSの加水分解度を有する第2の単離ダイズタンパク質を含んでなる。したがってISP 3−タイプ単離ダイズタンパク質と組み合わさったISP 1−タイプおよび/またはISP 2−タイプ単離ダイズタンパク質は、この実施形態で使用するのに適する。
【0095】
高タンパク質食品バーの炭水化物材料が糖シロップを含んでなる別の実施形態では、タンパク質材料は、約45STNBS〜約65STNBSの加水分解度を有する同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を含むことができる。より適切には、タンパク質材料で使用するための同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物は、約49STNBS〜約61STNBSの加水分解度を有する。
【0096】
さらに高タンパク質食品バーで使用される単離ダイズタンパク質は、改善された可溶性固形物指数を有する。適切には高タンパク質食品バーが炭水化物材料として1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる一実施形態では、高タンパク質食品バーのタンパク質材料で使用するための単離ダイズタンパク質は、約70%を超える可溶性固形物指数を有する。より適切にはこの実施形態の高タンパク質食品バーで使用される単離ダイズタンパク質は、約80%を超える可溶性固形物指数、さらにより適切には約90%を超える可溶性固形物指数を有する。したがってISP 1−タイプおよび/またはISP 2−タイプ単離ダイズタンパク質は、この実施形態で使用するのに適する。
【0097】
高タンパク質食品バーが炭水化物材料として1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる別の実施形態では、タンパク質材料で使用するための単離ダイズタンパク質は、約30%〜約45%の可溶性固形物指数を有する。より適切にはこの実施形態の高タンパク質食品バーで使用される単離ダイズタンパク質は約30%〜約40%、さらにより適切には約35%の可溶性固形物指数を有する。したがってISP 4−タイプ単離ダイズタンパク質は、この実施形態で使用するのに適する。
【0098】
高タンパク質食品バーが炭水化物材料として1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる別の実施形態では、高タンパク質食品バーのタンパク質材料は、約70%を超える可溶性固形物指数を有する第1の単離ダイズタンパク質、および約30%〜約60%の可溶性固形物指数有する第2の単離ダイズタンパク質を含んでなる。より適切にはこの実施形態の高タンパク質食品バーで使用される第1の単離ダイズタンパク質は約80%を超える可溶性固形物指数、さらにより適切には約90%を超える可溶性固形物指数を有し、第2の単離ダイズタンパク質は約40%〜約50%の可溶性固形物指数を有する。したがってISP 3−タイプ単離ダイズタンパク質と組み合わさったISP 1−タイプおよび/またはISP 2−タイプ単離ダイズタンパク質は、この実施形態で使用するのに適する。
【0099】
炭水化物材料が1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる別の実施形態では、タンパク質材料は、約30%〜約60%の可溶性固形物指数を有する同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を含むことができる。より適切には同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物は、約35%〜約45%の可溶性固形物指数を有する。
【0100】
高タンパク質食品バーが炭水化物材料として糖シロップを含んでなる一実施形態では、高タンパク質食品バーのタンパク質材料で使用するための単離ダイズタンパク質は、約30%〜約60%の可溶性固形物指数を有する。より適切にはこの実施形態の高タンパク質食品バーで使用するための単離ダイズタンパク質は、約40%〜約50%の可溶性固形物指数を有する。したがってISP 3−タイプ単離ダイズタンパク質はこの実施形態で使用するのに適する。
【0101】
高タンパク質食品バーが炭水化物材料として糖シロップを含んでなる別の実施形態では、タンパク質材料で使用するための単離ダイズタンパク質は、約30%〜約45%の可溶性固形物指数を有する。より適切にはこの実施形態の高タンパク質食品バーで使用される単離ダイズタンパク質は約30%〜約40%、さらにより適切には約35%の可溶性固形物指数を有する。したがってISP 4−タイプ単離ダイズタンパク質は、この実施形態で使用するのに適する。
【0102】
高タンパク質食品バーが炭水化物材料として糖シロップを含んでなる別の実施形態では、高タンパク質食品バーのタンパク質材料は、約70%を超える可溶性固形物指数を有する第1の単離ダイズタンパク質、および約30%〜約60%の可溶性固形物指数を有する2第の単離ダイズタンパク質含んでなる。より適切にはこの高タンパク質食品バーで使用するための第1の単離ダイズタンパク質は約80%を超え、さらにより適切には約90%を超える可溶性固形物指数を有し、第2の単離ダイズタンパク質は約40%〜約50%の可溶性固形物指数を有する。したがってISP 1−タイプおよび/またはISP 2−タイプ単離ダイズタンパク質と組み合わさったISP 3−タイプ単離ダイズタンパク質は、この実施形態で使用するのに適する。
【0103】
炭水化物材料が糖シロップを含んでなるさらに別の実施形態では、タンパク質材料は約30%〜約60%の可溶性固形物指数を有する同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を含むことができる。より適切には同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物は、約35%〜約45%の可溶性固形物指数を有する。
【0104】
ここでの用法では、「可溶性固形物指数」(「SSI」)という用語は、次の式に従って測定される水溶液中のダイズタンパク質材料の溶解性を指す。

SSI(%)=(可溶性固形物/全固形物)×100

式中、可溶性固形物および全固形物は次のように判定される。12.5gの単離ダイズタンパク質サンプルを得る。487.5gの脱イオン水をクオートブレンダージャーに入れる。1:1の脱泡剤:水の比率に水で希釈した2〜3滴の脱泡剤(ミシガン州ミッドランドのダウ・コーニング(Dow Corning(Midland,Michigan))から消泡剤Bエマルジョンとして入手できる)をブレンダージャーに添加する。脱イオン水および脱泡剤をブレンダー内で約14,000毎分回転数(rpm)の速度で混合する。30秒かけて単離ダイズタンパク質サンプルをブレンダーに添加し、次にさらに60秒間混合する。次に得られた混合物を磁気撹拌棒を含有する500mLのビーカーに移し、次にビーカーをラップまたはアルミホイルで覆う。覆ったビーカーを撹拌プレートに載せて、混合物を1500rpmの速度で30分間撹拌する。次に200gの混合物を1本の遠心管に移し、次に別の200gの混合物を第2の遠心管に移す。IECモデルK遠心分離を使用して、双方の遠心管を1500rpmで10分間遠心分離する。各遠心管からの50mLの上清を別々のプラスチックカップに入れる。次に各上清の5gのサンプルを130℃で2時間乾燥させ、乾燥させた各サンプルの重量を測定して重量を平均化し、可溶性固形物を判定する。5gの遠心分離しなかった混合物サンプル2個を乾燥させ、各乾燥サンプルの重量を測定して重量を平均化し、全固形物を判定する。最後に上の式を使用して、可溶性固形物および全固形物から可溶性固形物指数(SSI)を計算する。
【0105】
ミルクタンパク質の形成
単離ダイズタンパク質に加えて、高タンパク質食品バーで利用されるタンパク質材料は、1つ以上のミルクタンパク質(すなわち乳牛のミルクタンパク質)を含んでなってもよい。本開示の高タンパク質食品バーで使用されるタンパク質材料で使用するためのいくつかの適切なミルクタンパク質は、カゼイン酸カルシウム、乳清タンパク質単離物(加水分解および/または非加水分解)、乳清タンパク質濃縮物、乳清タンパク質加水分解産物、カゼイン酸ナトリウム、酸カゼイン、脱脂または全脂粉乳、ミルクタンパク質濃縮物、全乳タンパク質、およびそれらの組み合わせからなる群から選択できる。特に好ましいミルクタンパク質としては、カゼイン酸カルシウム、乳清タンパク質単離物(加水分解されたおよび/または加水分解されていない)、および乳清タンパク質濃縮物が挙げられる。
【0106】
上述のようにタンパク質材料は、1つ以上のミルクタンパク質を含んでなることができる。例えば一実施形態では、タンパク質材料は第1のミルクタンパク質として乳清タンパク質単離物、および第2のミルクタンパク質としてカゼイン酸カルシウムを含んでなる。
【0107】
典型的にカゼイン酸カルシウムまたはカゼイン酸ナトリウムの製造で使用されるようなカゼインは酪農業の副産物であり、カード形態への凝固によってスキムミルクから調製される。一般にカゼインは酸凝固、自然酸敗、またはレンネット凝固によって凝固される。カゼインの酸凝固をもたらすために、適切な酸、好ましくは塩酸がミルクに添加され、ミルクのpHをカゼインの等電点前後、好ましくはpH約4.0〜約5.0、より好ましくはpH約4.6〜約4.8に低下させる。自然酸敗による凝固をもたらすためにミルクを大おけ内に保持して発酵させ、乳酸形成を引き起こす。ミルクを十分な時間発酵させて乳酸を形成させ、ミルク中のカゼインのかなりの部分を凝固させる。レンネットによるカゼインの凝固をもたらすために、十分なレンネットをミルクに添加してミルク中のカゼインのかなりの部分を沈殿させる。典型的にカゼイン酸カルシウムを生成するために、カゼインの酸凝固、自然酸敗、またはレンネット凝固が完了した後に、水酸化カルシウムを使用してカゼインを中和する。
【0108】
乳清タンパク質単離物(「WPI」)および乳清タンパク質濃縮物(「WPC」)は、チーズ製造工程においてカードから分離されたミルクの水分の多い部分から得られる。具体的にはWPIおよびWPCは、部分的脱乳糖チーズホエイなどのチーズホエイの濾過によって得られる。代案としては、チーズホエイまたは部分的脱乳糖チーズホエイの電気透析、逆浸透、および/または限外濾過などの方法によって、WPIおよびWPCを得てもよい。WPIおよびWPCを製造するための適切な方法は、どちらも参照によって援用するC.S.ディーンスト(Dienst)らに付与された米国特許第3,547,900号明細書(1970年12月15日)、およびデーヴィス(Davis)らに付与された米国特許第6,630,320号明細書(2003年10月7日)で開示される。
【0109】
WPIおよびWPCは、典型的にβ−ラクトグロブリン、β−ラクトアルブミン、ウシ血清アルブミン、免疫グロブリン、ミネラル、乳糖、および水分を含んでなる。WPIのタンパク質含量は典型的に約95%(重量基準)を超える。WPCは典型的に約30%(重量基準)〜約80%(重量基準)のタンパク質を含んでなる。
【0110】
ここで述べられる高タンパク質食品バーで使用するための適切な市販のミルクタンパク質のいくつかの例としては、ニュージャージー州モントベールのファーベスト・ブランド(Farbest Brand(Montvale,NewJersey))から入手できるカゼイン酸カルシウムであるファーベスト(Farbest)290、ミネソタ州セントポールのプロティエント・インコーポレーテッド(Protient,Inc.(St.Paul,Minnesota))から入手できる乳清タンパク質単離物であるプロティエント(Protient)、ニュージャージー州モントベールのファーベスト・ブランド(Farbest Brand(Montvale,NewJersey))から入手できる乳清タンパク質濃縮物であるファーベスト(Farbest)80、およびアイダホ州ツィンフォールズのガランビア・フーズ・インコーポレーテッド(Glanbia Foods,Inc.(Twin Fall,Idaho))から入手できる乳清タンパク質単離物であるバーフレックス(Barflex)が挙げられる。
【0111】
炭水化物材料
タンパク質材料に加えて、本開示の高タンパク質食品バーは炭水化物材料を含んでなる。上述のように一実施形態では、高タンパク質食品バーはタンパク質材料に加えて、約35%(食品バー総重量基準)〜約50%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなる。典型的にこの実施形態の炭水化物材料は、1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる。
【0112】
糖アルコールは、一般にポリオールまたは多価アルコールと称される。異なる糖アルコールは、食品バーテクスチャーに対して異なる効果を有する。例えば一般により低い分子量の糖アルコールは、長期保存中に柔らかいテクスチャーを保つより柔らかい食品バーを生じる傾向がある。適切な糖アルコールは、ソルビトール、マルチトール、グリセリン、ラクチトール、マンニトール、イソマルト、キシリトール、水素付加デンプンシロップ、エリトリトールなど、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。炭水化物材料として1つ以上の糖アルコールを使用する場合、炭水化物材料は、適切には約50%(全炭水化物材料重量基準)〜約95%(全炭水化物材料重量基準)の糖アルコールを含んでなる。より適切にはこの実施形態の炭水化物材料は、約80%(全炭水化物材料重量基準)〜約90%(全炭水化物材料重量基準)の糖アルコールを含んでなる。
【0113】
炭水化物材料が1つ以上の糖アルコールを含んでなる一実施形態では、炭水化物材料は1つ以上の増量剤をさらに含んでなる。増量剤は一般に、製品の利用できるエネルギーに顕著に寄与することなく、食品のカロリー含量を顕著に増大させることなしに、食品の総容積に寄与する。例えば食品中に存在する糖は典型的に食品中の利用できるエネルギーに寄与するため、低エネルギー食品では、それらに添加されて常態では糖によって提供されるバルクを置き換える増量剤を必要とすることが多い。本開示で使用するための適切な増量剤としては、例えばポリデキストロース、抵抗性デンプン、ペクチン、ゼラチン、キサンタン、ジェラン、アルギン、グアー、コンニャク、ローカストビーン、オート麦繊維、ダイズ繊維、フルクトオリゴ糖類、イヌリン、イソマルトオリゴ糖類、小麦デキストリン、コーンデキストリン、エンドウ豆繊維、およびそれらの組み合わせが挙げられる。特に好ましい増量剤は、ポリデキストロースである。適切には炭水化物材料は、約5%(全炭水化物材料重量基準)〜約30%(全炭水化物材料重量基準)の増量剤を含んでなる。より適切には炭水化物材料は約5%(全炭水化物材料重量基準)〜約20%(全炭水化物材料重量基準)の増量剤を含んでなる。
【0114】
代案の実施形態では、タンパク質材料に加えて、高タンパク質食品バーは約40%(食品バー総重量基準)〜約55%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなる。炭水化物材料は、この実施形態では典型的に糖シロップを含んでなる。糖シロップは典型的に、それらが与える甘みのために食品バーで使用される。適切には糖シロップは存在する糖のタイプおよび量に比例して甘みを提供し、バーのテクスチャーに寄与する。この反応は、食品バーに望ましい甘みを与えるための追加的な高強度甘味料に対する必要性の低下をもたらす。一般により低レベルの複合糖質を含んでなる糖シロップは、より柔らかい食品バーを生じる傾向がある。例えば63DE(デキストロース当量)コーンシロップは、42DEコーンシロップと比べてより柔らかい食品バーを生じる。糖シロップは、適切には高フルクトースコーンシロップ、コーンシロップ、水飴、水飴固形物、スクロース、蜂蜜、およびグルコース−フルクトースシロップ、果汁濃縮物、果汁、穀物デキストリン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよく、固体/粉末または液体形態であってもよい。一実施形態では糖シロップは、イリノイ州ディケーターのテート&ライル(Tate & Lyle(Decatur,Illinois))から63DEコーンシロップとして入手できる高デキストロース当量(DE)酸−酵素転換コーンシロップである。63DEコーンシロップは、長鎖デキストリンを単糖および二糖類に酵素的に転換して製造され、このコーンシロップに高濃度の発酵性糖を与える。別の実施形態では、糖シロップは高フルクトースコーンシロップである。高フルクトースコーンシロップは、主としてデキストロースおよびフルクトースから成る糖類組成物を生じるように酵素的に誘導体化および異性体化された、高転換コーンシロップである。
【0115】
炭水化物材料が糖シロップを含んでなる一実施形態では、炭水化物材料は1つ以上の増量剤をさらに含んでなる。糖シロップと共に使用するための適切な増量剤としては、例えばポリデキストロース、抵抗性デンプン、ペクチン、ゼラチン、キサンタン、ジェラン、アルギン、グアー、コンニャク、ローカストビーン、オート麦繊維、ダイズ繊維、フルクトオリゴ糖類、イヌリン、イソマルトオリゴ糖類、小麦デキストリン、コーンデキストリン、エンドウ豆繊維、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0116】
なおも別の実施形態では、炭水化物材料は糖シロップ、1つ以上の糖アルコール、および1つ以上の増量剤を含むことができる。適切には糖シロップ、糖アルコール、および増量剤としては、ここで上述されるものが挙げられる。
【0117】
上述の高タンパク質食品バーの主要成分(すなわち、タンパク質材料、糖アルコール、糖シロップなど)に加えて、高タンパク質食品バーに追加的な任意の構成要素を含めて、高タンパク質食品バーの様々な特性をさらに改善してもよい。いくつかの可能な追加的構成要素としては、着香剤、ビタミン、ミネラル、ショートニング、ケーキショートニング、スクラロース、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、タウマチン、グリチルリジン、塩、レシチン、果物片、ナッツ、木の実、およびナッツバター、プロバイオティクス、プレバイオティクス、膨脹剤、落花生粉、押しオート麦、ナゲット/クリスプ粒子、着色剤、抗酸化剤、果汁濃縮物、クエン酸およびリンゴ酸などの酸味料、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ネオテーム、アセスルファム、チョコレートリカー、およびそれらの組み合わせが挙げられる。適切な着香剤としては例えばココア粉末、落花生香料、バニラ、チョコレート、およびカラメルが挙げられる。
【0118】
高タンパク質食品バーを製造するための方法
高タンパク質食品バーに加えて、本開示はまた、これらの高タンパク質食品バーを製造するための方法にも関する。一実施形態では本方法は、最初にタンパク質材料、炭水化物材料、およびあらゆるその他の構成要素を合わせて、ドウを形成するステップを含んでなる。一実施形態ではタンパク質材料は、約33%(タンパク質材料総重量基準)〜約75%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約25%(タンパク質材料総重量基準)〜約67%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質を含んでなり、単離ダイズタンパク質は約70%を超える可溶性固形物指数を有して約75STNBS〜約125STNBSの加水分解度を有する。炭水化物材料は1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる。
【0119】
本方法が、タンパク質材料および炭水化物材料を合わせてドウを形成するステップを含んでなる別の実施形態では、タンパク質材料は約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質を含み、単離ダイズタンパク質は約30%〜約45%の可溶性固形物指数を有して約40STNBS〜約55STNBSの加水分解度を有する。炭水化物材料は1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる。
【0120】
上の双方の実施形態でひとたびドウを形成すると、それを伸ばして所望のサイズの個々の高タンパク質食品バーに分割する。好ましい実施形態では、タンパク質材料および炭水化物材料を別々に調製して、次に合わせてドウを形成する。
【0121】
タンパク質材料を生成するために、単離ダイズタンパク質およびミルクタンパク質を共に混合する。適切な一実施形態では、約40〜約50毎分回転数(rpm)速度のミキサーを1分間使用して、単離ダイズタンパク質およびミルクタンパク質を混合してドウを生成する。1つの適切なミキサーは、英国リーディングのウィンクウォース・マシーナリー社(Winkworth Machinery,Ltd.(Reading,England))から入手できるウィンクウォース(Winkworth)ミキサーである。
【0122】
上述のように一実施形態では、タンパク質材料はミルクタンパク質と組み合わさった1つの単離ダイズタンパク質を含んでなる。別の実施形態では、タンパク質材料は、ミルクタンパク質と組み合わさった第1の単離ダイズタンパク質および第2の単離ダイズタンパク質を含んでなる。さらに別の実施形態では、タンパク質材料は、第1のミルクタンパク質および第2のミルクタンパク質と組み合わさった、第1の単離ダイズタンパク質および第2の単離ダイズタンパク質を含んでなる。さらに別の実施形態では、単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質を混合してタンパク質混合物を形成してもよく、それを上述のように同時加工して、タンパク質材料として使用するための同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を形成してもよい。タンパク質材料が同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物である場合、タンパク質材料は、約10%(配合物総重量基準)〜約90%(配合物総重量基準)の単離ダイズタンパク質と約10%(配合物総重量基準)〜約90%(配合物総重量基準)のミルクタンパク質とを共に混合して生成される。より適切にはタンパク質材料は約33%(配合物総重量基準)〜約75%(配合物総重量基準)の単離ダイズタンパク質と約25%(配合物総重量基準)〜約67%(配合物総重量基準)のミルクタンパク質とを共に混合して生成される。さらにより適切にはタンパク質材料は、約50%(配合物総重量基準)の単離ダイズタンパク質と約50%(配合物総重量基準)のミルクタンパク質とを共に混合して生成される。
【0123】
上述のように、高タンパク質食品バーが、炭水化物材料として1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる一実施形態では、タンパク質材料で使用するための単離ダイズタンパク質は、上述のSTNBS法を使用した判定で約75STNBS〜約125STNBSの加水分解度を有する。より適切には単離ダイズタンパク質は約80STNBS〜約120STNBSの加水分解度を有する。さらに上の実施形態では、タンパク質材料で使用するための単離ダイズタンパク質は、約70%を超える可溶性固形物指数を有する。より適切には単離ダイズタンパク質は約80%を超える可溶性固形物指数、さらにより適切には約90%を超える可溶性固形物指数を有する。
【0124】
高タンパク質食品バーが、炭水化物材料として1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる別の実施形態では、タンパク質材料で使用するための単離ダイズタンパク質は、約40STNBS〜約55STNBSの加水分解度を有する。より適切には単離ダイズタンパク質は、約45STNBSの加水分解度を有する。この実施形態のタンパク質材料で使用するための単離ダイズタンパク質は、さらに約30%〜約45%、より適切には約30%〜約40%、さらにより適切には約35%の可溶性固形物指数を有する。
【0125】
高タンパク質食品バーが、炭水化物材料として1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる別の実施形態では、タンパク質材料は約75STNBS〜約125STNBSの加水分解度を有する第1の単離ダイズタンパク質、および約25STNBS〜約35STNBSの加水分解度を有する第2の単離ダイズタンパク質を含む。より適切には第1の単離ダイズタンパク質は約80STNBS〜約120STNBSの加水分解度を有し、第2の単離ダイズタンパク質は約30STNBS〜約35STNBSの加水分解度を有する。
【0126】
さらにこの実施形態の第1の単離ダイズタンパク質は、約70%を超え、より適切には約80%を超え、さらにより適切には約90%を超える可溶性固形物指数を有する。この実施形態の第2の単離ダイズタンパク質は、適切には約30%〜約60%、より適切には約40%〜約50%の可溶性固形物指数を有する。
【0127】
さらに炭水化物材料が1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含む別の実施形態では、タンパク質材料は約45STNBS〜約65STNBSの加水分解度を有する同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を含む。より適切には同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物は、約49STNBS〜約61STNBSの加水分解度を有する。さらにこの実施形態の同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物で使用するためのタンパク質材料は、適切には約30%〜約60%、より適切には約35%〜約45%の可溶性固形物指数を有する。
【0128】
一実施形態では、炭水化物材料を生成するために、1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を共に混合する。適切にはウィンクウォース(Winkworth)ミキサーなどのミキサーを使用して、糖アルコールおよび増量剤を約40〜約50毎分回転数(rpm)の速度で1分間混合する。一実施形態では、約80%(炭水化物材料総重量基準)〜約90%(炭水化物材料総重量基準)の糖アルコールが約10%(炭水化物材料総重量基準)〜約20%(炭水化物材料総重量基準)の増量剤と混合される。
【0129】
ひとたび炭水化物材料が生成すると、炭水化物材料を蒸気ジャケット付きケトルまたは電子レンジ内で約38℃(100°F)の温度に加熱してもよい。ひとたび炭水化物材料を加熱すると、技術分野で既知のあらゆる様式でタンパク質材料および炭水化物材料を合わせることができる。適切な一実施形態では、ウィンクウォース(Winkworth)などのミキサーを使用して、2つの材料を約40〜約50毎分回転数(rpm)の速度で1〜5分間共に混合してドウを形成する。
【0130】
適切には上の実施形態の高タンパク質食品バーは、約35%(食品バー総重量基準)〜約55%(食品バー総重量基準)のタンパク質材料および約35%(食品バー総重量基準)〜約50%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなる。
【0131】
タンパク質材料および炭水化物材料に加えて、ドウに追加的構成要素を添加できる。追加的構成要素は、タンパク質材料と炭水化物材料を合わせるのに先だってタンパク質材料に添加でき、タンパク質材料と炭水化物材料を合わせるのに先だって炭水化物材料に添加でき、または合わせたタンパク質材料と炭水化物材料に添加できる。適切な追加的構成要素の例としては、着香剤、ビタミン、ミネラル、ショートニング、ケーキショートニング、スクラロース、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、タウマチン、グリチルリジン、塩、レシチン、果物片、ナッツ、木の実、およびナッツバター、プロバイオティクス、プレバイオティクス、膨脹剤、落花生粉、押しオート麦、ナゲット/クリスプ微粒子、着色剤、抗酸化剤、果汁濃縮物、クエン酸およびリンゴ酸などの酸味料、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ネオテーム、アセスルファム、チョコレートリカー、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0132】
ひとたびドウが形成されると、麺棒を使用してドウを大理石またはその他の適切なスラブ上で伸ばしてもよい。技術分野で既知のあらゆる様式でドウを伸ばして、所望のシート特性を生成できる。
【0133】
最後に、伸ばしたドウをあらゆる所望の大きさの個々の高タンパク質食品バーに切断または分割できる。適切にはピザカッターを使用して、長さ約102mm、高さ約10mm、および幅約35mmである個々の高タンパク質食品バーに、ドウを切断または分割する。
【0134】
代案の実施形態では、高タンパク質食品バーを製造するための方法は、第1の混合物および第2の混合物を合わせてドウを形成するステップを含んでなる。一実施形態では、第1の混合物は、約100%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および固体/粉末炭水化物材料を含むタンパク質材料の組み合わせを含んでなる。単離ダイズタンパク質は約30%〜約45%の可溶性固形物指数、および約40STNBS〜約55STNBSの加水分解度を有する。第2の混合物は液体炭水化物材料を含む。
【0135】
別の実施形態では、第1の混合物は約33%(タンパク質材料総重量基準)〜約75%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約25%(タンパク質材料総重量基準)〜約67%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質を含んでなるタンパク質材料、および固体/粉末炭水化物材料の組み合わせを含む。単離ダイズタンパク質は、約30%〜約60%の可溶性固形物指数を有して約25STNBS〜約35STNBSの加水分解度を有する。より適切には単離ダイズタンパク質は、約40%〜約50%の可溶性固形物指数を有して約30STNBS〜約35STNBSの加水分解度を有する。第2の混合物は液体炭水化物材料を含む。
【0136】
さらに別の実施形態では、第1の混合物は約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質、および約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質を含んでなるタンパク質材料、および固体/粉末炭水化物材料の組み合わせを含む。この実施形態の単離ダイズタンパク質は、適切には約30%〜約45%、より適切には約30%〜約40%、さらにより適切には約35%の可溶性固形物指数を有する。さらに単離ダイズタンパク質は約40STNBS〜約55STNBS、より適切には約45STNBSの加水分解度を有する。
【0137】
別の実施形態では、第1の混合物は約33%(タンパク質材料総重量基準)〜約75%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約25%(タンパク質材料総重量基準)〜約67%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質を含んでなるタンパク質材料、および固体/粉末炭水化物材料の組み合わせを含む。適切にはこの実施形態の単離ダイズタンパク質は、約70%を超える可溶性固形物指数を有して約75STNBS〜約125STNBSの加水分解度を有する第1の単離ダイズタンパク質、および約30%〜約60%の可溶性固形物指数および約25STNBS〜約35STNBSの加水分解度を有する第2の単離ダイズタンパク質からなることができる。より適切には第1の単離ダイズタンパク質は約80%を超え、さらにより適切には約90%を超える可溶性固形物指数を有して、約80STNBS〜約120STNBSの加水分解度を有し、第2の単離ダイズタンパク質は約40%〜約50%の可溶性固形物指数を有して、約30STNBS〜約35STNBSの加水分解度を有する。第2の混合物は液体炭水化物材料を含む。
【0138】
ひとたび混合物を合わせると、ドウを伸ばして所望サイズの個々の高タンパク質食品バーに分割する。好ましい実施形態では、タンパク質材料および炭水化物材料を別々に調製し、次に合わせてドウを形成する。
【0139】
第1の混合物を生成するために、タンパク質材料および固体/粉末炭水化物材料などのその他の全ての乾燥および粉末成分、およびココア粉末、ビタミンおよびミネラル、人工甘味料などの任意の成分を合わせる。ここでの用法では「固体/粉末炭水化物材料」とは、脱水されて粉末成分になり、典型的に5%未満の水分を含有する炭水化物材料を意味する。適切な一実施形態では、タンパク質材料をその他の乾燥および粉末成分と合わせ、ウィンクウォース(Winkworth)などのミキサーを使用して約40〜約50rpmの速度で混合する。適切にはその他の乾燥および粉末成分を約80%(混合物総重量基準)〜約97%(混合物総重量基準)のタンパク質材料および約3%(混合物総重量基準)〜約20%(混合物総重量基準)のその他の乾燥および粉末成分の量で、タンパク質材料内に混合する。
【0140】
上述のように、一実施形態ではタンパク質材料は約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質と約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質との配合物を含んでなる。より適切にはタンパク質材料は、約33%(タンパク質材料総重量基準)〜約75%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質と約25%(タンパク質材料総重量基準)〜約67%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質とを共に混合して生成される。より適切にはタンパク質材料は、約50%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質と約50%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質とを共に混合して生成される。単離ダイズタンパク質およびミルクタンパク質は、技術分野で既知のあらゆる様式で合わせることができる。一実施形態ではミキサーを使用して、単離ダイズタンパク質およびミルクタンパク質を約40〜約50rpmの速度で1分間共に混合する。適切なミキサーは、英国リーディングのウィンクウォース・マシーナリー社(Winkworth Machinery,Ltd.(Reading,England))から入手できるウィンクウォース(Winkworth)ミキサーである。
【0141】
さらに別の実施形態では、ひとたび単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質とが混合されると、上述の方法を使用してタンパク質混合物を同時加工して、タンパク質材料で使用するための同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を形成する。タンパク質材料が同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物を含む場合、同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物は、約10%(配合物総重量基準)〜約90%(配合物総重量基準)の単離ダイズタンパク質と約10%(配合物総重量基準)〜約90%(配合物総重量基準)のミルクタンパク質とを共に混合して生成される。より適切には同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物は、約33%(配合物総重量基準)〜約75%(配合物総重量基準)の単離ダイズタンパク質と約25%(配合物総重量基準)〜約67%(配合物総重量基準)のミルクタンパク質とを共に混合して生成される。さらにより適切には同時加工ダイズタンパク質/ミルクタンパク質配合物は、約50%(配合物総重量基準)の単離ダイズタンパク質と約50%(配合物総重量基準)のミルクタンパク質とを共に混合して生成される。
【0142】
別の容器内で、液体炭水化物材料および任意の液体香料を含有する第2の混合物を生成させる。ここでの用法では「液体炭水化物材料」とは、周囲温度で微生物的に安定であるのに十分高い固形物含量の炭水化物材料を意味する。典型的に液体炭水化物材料は、約72%〜約82%の固形物含量を有する。1つの適切な実施形態では、スパチュラを使用して液体炭水化物材料と液体香料とを共に混合して、炭水化物材料と香料とを共に完全に混合し、均一の混合物を形成する。
【0143】
ひとたび第2の混合物が生成すると、第2の混合物を蒸気ジャケット付きケトルまたは電子レンジ内で約38℃(100°F)の温度に加熱して粘度を低下させ、第2の混合物の流動性を増大させる。
【0144】
ひとたび第2の混合物が加熱されると、技術分野で既知のあらゆる様式によって第1の混合物と第2の混合物とを合わせることができる。適切な一実施形態では、ウィンクウォース(Winkworth)ミキサーなどのミキサーを使用して、第1および第2の混合物を約40〜約50毎分回転数(rpm)の速度で約1分間〜約3分45秒間共に混合してドウを形成する。
【0145】
適切にはこの実施形態の高タンパク質食品バーは、約25%(食品バー総重量基準)〜約50%(食品バー総重量基準)のタンパク質材料および約40%(食品バー総重量基準)〜約55%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなる。
【0146】
第1および第2の混合物に加えて、追加的構成要素をドウに添加できる。追加的構成要素は、第1のおよび第2の混合物を合わせるのに先だって第1の混合物に添加でき、第1のおよび第2の混合物を合わせるのに先だって第2の混合物に添加でき、または合わせた第1のおよび第2の混合物に添加できる。ドウに添加できる適切な追加的構成要素としては、例えば着香剤、ビタミン、ミネラル、ショートニング、ケーキショートニング、スクラロース、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、タウマチン、グリチルリジン、塩、レシチン、果物片、ナッツ、木の実、およびナッツバター、プロバイオティクス、プレバイオティクス、膨脹剤、落花生粉、押しオート麦、ナゲット/クリスプ微粒子、着色剤、抗酸化剤、果汁濃縮物、クエン酸およびリンゴ酸などの酸味料、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ネオテーム、アセスルファム、チョコレートリカー、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0147】
ひとたびドウが形成されると、麺棒を使用してドウを大理石またはその他の適切なスラブ上で伸ばしていてもよい。技術分野で既知のあらゆる様式でドウを伸ばして、所望のシート特性を生成できる。
【0148】
最後に、伸ばしたドウを個々の高タンパク質食品バーに切断または分割できる。適切にはピザカッターを使用してドウを例えば長さ約102mm、高さ約10mm、および幅約35mmである個々の高タンパク質食品バーに、切断または分割する。
【0149】
上述の高タンパク質食品バーを製造するための全ての方法で、個々の高タンパク質食品バーを分割後にさらにベーキングできる。一実施形態では、個々の高タンパク質食品バーを温度約177℃(350°F)のオーブン内で、約6分間〜約7分間ベーキングできる。
【0150】
本開示で生成される高タンパク質食品バーは、単独で、またはその他の食品バーと組み合わせて使用できる。例えば一実施形態では、本開示で生成される高タンパク質食品バーは、多層食品バーの1つ以上の層として使用できる。
【0151】
高タンパク質食品バーの特徴
本開示の方法によって生成される高タンパク質食品バーは、改善されたテクスチャーを有する。具体的にはここで生成される高タンパク質食品バーは、従来の高タンパク質食品バーよりも柔らかく、より望ましい最終製品を提供する。
【0152】
高タンパク質食品バーの柔らかさは、プローブを使用してバーを所定距離だけ押圧するのに必要な力のグラム数で測定してもよい(すなわち機械的硬度)。機械的硬度は、英国のステーブル・マイクロ・システムズ(Stable Micro Systems Ltd.(England))から入手できる、テクスチャー・エクスパート・エクシード・テクスチャー分析器(Texture Expert Exceed Texture Analyzer)(「TA.TXT2」)(50kg負荷セル)および対応するソフトウェアを使用して測定してもよく、TA−55プローブが食品バーの機械的硬度を測定するために使用されるプローブである。TA.TXT2の力は、0kg(較正プラットフォーム上に重量なし)および5kg(較正プラットフォーム上に5kgの重量)について較正される。プローブの距離をTA.TXT2プラットフォームにできるだけ近く設定し、プローブを較正する。プローブ下の中心に置いたプラットフォームに、高タンパク質食品バーを載せる。高タンパク質食品バーの機械的硬度を測定する。TA.TXT2はプローブを10gの力で1mm/秒で動かすように設定され、プローブを高タンパク質食品バーの高さの半分まで、高タンパク質食品バーに打ち込む。TA.TXT2はまた、高タンパク質食品バー中へのプローブ挿入中に1秒あたり200個のデータ点を得るようにも設定される。高タンパク質食品バーをプローブでさらに2回穿刺して、各穿刺毎に機械的硬度を測定する。次に3回の測定の平均値として、測定された「機械的硬度」を計算する。このような測定技術については、当業者に知られている。
【0153】
適切には高タンパク質食品バーが炭水化物材料として1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる場合、本開示の高タンパク質食品バーは2500重量グラム未満の機械的硬度を有する。より適切には高タンパク質食品バーが炭水化物材料として1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる場合、高タンパク質食品バーは約2000重量グラム未満、さらにより適切には約1700重量グラム未満の機械的硬度を有する。
【0154】
高タンパク質食品バーがタンパク質材料と、糖シロップなどの炭水化物材料とを含んでなる場合、高タンパク質食品バーは適切には約2000重量グラム未満の機械的硬度を有する。より適切には高タンパク質食品バーがタンパク質材料と、糖シロップなどの炭水化物材料とを含んでなる場合、高タンパク質食品バーは約1500重量グラム未満、さらにより適切には約1000重量グラム未満の機械的硬度を有する。
【0155】
改善された機械的硬度を有するのに加えて、高タンパク質食品バーは主観的官能パネルを使用した測定で、改善された噛み応えを有する。具体的には15ポイントの快不快スケールを使用して、噛み応えを測定する。具体的には評価する高タンパク質食品バーを一口サイズ(1/2インチ×1/2インチ)サンプルに切断する。スクリーニングして噛み応えを評価する能力を確認した後、10人の訓練された記述的パネリストが一口サイズサンプルを味見して、サンプルの噛み応えを評価する。15ポイント快不快スケールによれば、スコア15は極めて噛み応えがあり、スコア1は全く噛み応えがない。サンプルを試験するのに先だって、確立された噛み応えガイドラインを有する市販のサンプルを使用して、アンカーポイントを設定した。アンカーポイントとして使用される市販のサンプル、およびそれらの対応する噛み応えに関する快不快スコアは次のとおりである。ニューヨーク州ロンコンコマのアトキンス・ニュートリショナル・インコーポレーテッド(Atkins Nutritionals,Inc.(Ronkonkoma,New York))から入手できるアトキンス(Atkins)(登録商標)マフィンバー=3、フロリダ州ボカラトンのメトレックスMet−Rx USA・インコーポレーテッド(Met−Rx USA,Inc.(Boca Raton,Florida))から入手できるメトレックス(Met−Rx)(登録商標)イクストルーデッドバー(extruded bar)=5、カリフォルニア州バークレーのパワーバー・インコーポレーテッド(Powerbar Inc.(Berkeley,California))から入手できるオリジナルパワーバー(Original Powerbar)(登録商標)=9、およびイリノイ州シカゴのトッツィー・ロール・インダストリーズ・インコーポレーテッド(Tootsie Roll Industries,Inc.(Chicago,Illinois))から入手できるトッツィーロールズ(Tootsie Rolls)(登録商標)=15。
【0156】
高タンパク質食品バーがタンパク質材料と、糖シロップなどの炭水化物材料とを含んでなる場合、高タンパク質食品バーは適切には約4.0〜約10.0噛み応えスコアを有する。より適切には高タンパク質食品バーは、約6.0〜約8.0の噛み応えスコアを有する。
【0157】
さらに本開示の高タンパク質食品バーは長い賞味期限を示し、すなわちここで述べられる高タンパク質食品バーは従来の高タンパク質食品バーと比べて、それらのテクスチャーの柔らかさおよび美味性を長期間にわたり維持する。高タンパク質食品バーは、販売のために店頭陳列棚に長期間陳列されることが多いので、長い賞味期限はこのような食品バーにおいて特に望ましい。また高タンパク質食品バーは、出荷に先だって長期間保存されてもよい。賞味期限を判定する適切な一方法は、保存前後に機械的硬度の違いを測定してその数を保存日数で除することである(すなわち硬化速度)。
【0158】
高タンパク質食品バーがタンパク質材料と、炭水化物材料として1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる場合、高タンパク質食品バーは、適切には1日あたり170重量グラム未満の硬化速度を有する。より適切には高タンパク質食品バーがタンパク質材料と、炭水化物材料として1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる場合、高タンパク質食品バーは1日あたり100重量グラム未満、さらにより適切には1日あたり50重量グラム未満の硬化速度を有する。
【0159】
高タンパク質食品バーがタンパク質材料と、糖シロップなどの炭水化物材料とを含んでなる場合、高タンパク質食品バーは適切には1日あたり275重量グラム未満の硬化速度を有する。より適切には高タンパク質食品バーがタンパク質材料と、糖シロップなどの炭水化物材料とを含んでなる場合、高タンパク質食品バーは、1日あたり100重量グラム未満、さらにより適切には1日あたり50重量グラム未満の硬化速度を有する。
【0160】
本開示の特に好ましい一実施形態では、高タンパク質食品バーは約30%(食品バー総重量基準)〜約50%(食品バー総重量基準)のタンパク質材料および約40%(食品バー総重量基準)〜約55%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなり、その中でタンパク質材料は第1の単離ダイズタンパク質、第2の単離ダイズタンパク質、乳清タンパク質単離物、およびカゼイン酸カルシウムの組み合わせを含んでなる。第1の単離ダイズタンパク質は、約70%を超える可溶性固形物指数を有して約75STNBS〜約125STNBSの加水分解度を有する。第2の単離ダイズタンパク質は、約30%〜約60%の可溶性固形物指数を有して約25STNBS〜約35STNBSの加水分解度を有する。炭水化物材料は糖シロップである。高タンパク質食品バーは、約2000重量グラム未満の機械的硬度を有する。適切には乳清タンパク質単離物は、約9.7%(食品バー総重量基準)の量で高タンパク質食品バー中に存在する。カゼイン酸カルシウムは、約9.7%(食品バー総重量基準)の量で高タンパク質食品バー中に存在する。さらに第1のおよび第2の単離ダイズタンパク質の双方は、個々に約9.5%(食品バー総重量基準)の量で高タンパク質食品バー中に存在する。
【実施例】
【0161】
以下の実施例は、あくまでも本開示をさらに例示して説明することを意図する。したがって開示は、これらの実施例のいずれの詳細にも限定されない。
【0162】
実施例1
この実施例では、タンパク質材料および炭水化物材料を含んでなる高タンパク質食品バーのサンプルが生成される。機械的硬度および噛み応えなどの高タンパク質食品バーの官能特性が評価される。
【0163】
実施例で評価するための高タンパク質食品バーを生成するために、第1の混合物を英国リーディングのウィンクウォース・マシーナリー社(Winkworth Machinery,Ltd.(Reading,England))から入手できるウィンクウォース(Winkworth)ミキサー内で、48毎分回転数(rpm)の速度で1分間混合して生成する。第1の混合物は、933.4gのタンパク質材料、ウィスコンシン州ミルウォーキーのデザーン(DeZaan(Milwaukee,Wisconsin))から入手できる116.0gのココア粉末、ニューヨーク州スケネクタディのフォーティテック(Fortitech(Schenectady,New York))から入手できる14.0gのビタミン&ミネラルプレミックス、2.0gの塩、スプレンダ(Splenda)(登録商標)としてイリノイ州ディケーターのテート・アンド・ライル・インコーポレーテッド(Tate & Lyle,Inc.(Decatur,Illinois))から入手できる0.6gのスクラロース、イリノイ州ブラッドリーのベークマーク(BakeMark(Bradley,Illinois))から入手できる144.0gのケーキショートニング、およびセントロフェーズ(Centrophase)152としてミズーリ州セントルイスのソラエ・カンパニー(Solae Co.(St.Louis,Missouri))から入手できる14.0gのレシチンを含んでなる。
【0164】
次に別の容器内で、混合物を電子レンジの高出力で約45秒間加熱して、炭水化物材料および液体着香剤を含有する第2の混合物を37.8℃(100°F)の温度に加熱する。炭水化物材料は、59.1gのグリセリン、94.0gのマルチトール、94.0gのポリデキストロースシロップの混合物からなる。液体着香剤は、イリノイ州エルク・グローブ・ビレッジのエドンログ・コーポレーション(The Edlong Corporation(Elk Grove Village,Illinois))から入手できる8.0gのエドロング(Edlong)チョコレート香料610、イリノイ州エルク・グローブ・ビレッジのエドロング・コーポレーション(The Edlong Corporation(Elk Grove Village,Illinois))から入手できる8.0gエドロング(Edlong)チョコレート香料614、およびイリノイ州シカゴのセスネス・グリーンリーフ・インコーポレーテッド(Sethness Greenleaf,Inc.(Chicago,llinois))から入手できる6.0gのバニラ香料の混合物からなる。次に第1の混合物と第2の混合物とをウィンクウォース(Winkworth)ミキサー内で合わせ、48rpmの速度で3分45秒間混合する。次に得られたドウを大理石スラブ上で伸ばし、バーを重量約45g〜約55gの断片に切断する(バー断片は、長さ約102mm、高さ約10mm、幅約35mmである)。
【0165】
様々なタンパク質材料を含んでなる、11個の高タンパク質食品バーのサンプルを作成する。タンパク質材料として単離ダイズタンパク質のみを使用して、2個のサンプルを作成する。タンパク質材料としてミルクタンパク質のみを使用して、4個のサンプルを作成する。残りのサンプルは、タンパク質材料として単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質との配合物を使用する。
【0166】
11個の高タンパク質食品バーのサンプルで使用されるタンパク質材料のタイプ、タンパク質材料の濃度、および市販のタンパク質材料の供給元を表1に示す。
【0167】
表1

N/A=該当せず
【0168】
表1に示すように、ISP 1−タイプ単離ダイズタンパク質であるFXPH0313は、87STNBSの加水分解度を有する。ISP 2−タイプ単離ダイズタンパク質であるFXP 950は、115STNBSの加水分解度を有する。
【0169】
次にミネソタ州セントルイスパークのカパック・コーポレーション(Kapak Corporation(St.Louis Park,Minnesota))から入手できる金属製の水分バリアフィルム中に、高タンパク質食品バーのサンプルを保存する。バーを32.2℃(90°F)の温度で42日間保存する。温度32.2℃(90°F)での42日間にわたるバーの保存は、統計学的に店頭陳列棚などの周囲条件における11〜12か月のバーの保存に等しい。
【0170】
次にTA.TXT2テクスチャー分析器および上述の方法を使用して、サンプルの機械的硬度を測定する。具体的には機械的硬度を1日目および42日目に測定する。次に機械的硬度値および上述の方法を使用して、サンプルの硬化速度を判定する。これらの測定および計算の結果を表2に示す。
【0171】
表2

【0172】
表2中のデータは、42日後に、ミルクタンパク質のみのサンプルが最も高い機械的硬度値を有し、その他のサンプルと比べてより堅く煉瓦のようなテクスチャーを有するサンプルに一致することを示す。対照的に、配合されたダイズタンパク質およびミルクタンパク質を有するサンプルは、より低い機械的硬度値を有する。したがって配合サンプルは、テクスチャーがより柔らかい。単離ダイズタンパク質みのサンプルは低い機械的硬度を有し、1979重量グラムおよび1635重量グラムの機械的硬度値を有する。同様の機械的硬度が、それぞれ2064重量グラムおよび1678重量グラムの機械的硬度値を有する配合物Cおよび配合物Eで示される。
【0173】
さらに表2に示すように、ミルクタンパク質のみのサンプルは最も高い硬化速度を有し、58g/日〜101g/日の硬化速度を有する。対照的に配合された単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質とを含むサンプルはより低い硬化速度を有する。単離ダイズタンパク質のみのサンプルは最も低い硬化速度を有し、23.9g/日および23.3g/日の硬化速度を有する。同様の硬化速度が、それぞれ36.3g/日および33.9g/日の硬化速度を有する、配合物Dおよび配合物Eサンプルでも示される。
【0174】
実施例2
この実施例では、タンパク質材料および糖シロップを含んでなる高タンパク質食品バーのサンプルが生成される。高タンパク質食品バーの機械的硬度および噛み応えなどの官能特性が評価される。
【0175】
高タンパク質食品バーを得るために、第1の混合物を英国リーディングのウィンクウォース・マシーナリー社(Winkworth Machinery,Ltd.(Reading,England))から入手できるウィンクウォース(Winkworth)ミキサー内で、48毎分回転数(rpm)の速度で1分間混合して生成する。第1の混合物は、600.0gのタンパク質材料、カリフォルニア州ラスロップのナチュラル・プロダクツ(Natural Products(Lathrop,California))から入手できる32.4gの水飴固形物、ウィスコンシン州ミルウォーキーのデザーン(DeZaan(Milwaukee,Wisconsin))から入手できる76.4gのココア粉末、ニューヨーク州スケネクタディのフォーティテック(Fortitech(Schenectady,New York))から入手できる10.5gのビタミン&ミネラルプレミックス、および1.6gの塩を含んでなる。
【0176】
次に別の容器内で、電子レンジの高出力で約45秒間加熱して、糖シロップおよび液体着香剤を含有する第2の混合物液体を37.8℃(100°F)の温度に加熱する。液体糖シロップは、仏国レストレム・セデックスのロケット(Roquette(LESTREM Cedex,France))から入手できる63DEコーンシロップとニュージャージー州ロシェル・パークのインターナショナル・モラセス・コーポレーション(International Molasses Corp.(Rochelle Park,New Jersey))から入手できる高フルクトースコーンシロップ55との比率55:45の配合物710.0g、および59.1gのグリセリンからなる。液体着香剤は、イリノイ州エルク・グローブ・ビレッジのエドンログ・コーポレーション(The Edlong Corporation(Elk Grove Village,Illinois))から入手できる4.1gのエドロング(Edlong)チョコレート香料610、イリノイ州エルク・グローブ・ビレッジのエドロング・コーポレーション(The Edlong Corporation(Elk Grove Village,Illinois))から入手できる4.1gのエドロング(Edlong)香料614、およびイリノイ州シカゴのセスネス・グリーンリーフ・インコーポレーテッド(Sethness Greenleaf,Inc.(Chicago,llinois))から入手できる2.0gのバニラ香料からなる。次に加熱した第2の混合物と第1の混合物とをウィンクウォース(Winkworth)ミキサー内で、48rpmの速度で3分45秒間混合する。次に得られたドウを大理石スラブ上で伸ばし、バーを重量約45g〜約55gの断片に切断する(バー断片は、長さ約102mm、高さ約10mm、幅約35mmである)。
【0177】
様々なタンパク質材料を含んでなる4個の高タンパク質食品バーのサンプルを作成する。タンパク質材料として単離ダイズタンパク質のみを使用して、1個のサンプルを作成する。タンパク質材料としてミルクタンパク質のみを使用して、2個のサンプルを作成する。タンパク質材料として単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質との配合物を使用して、1個のサンプルを作成する。
【0178】
4個の高タンパク質食品バーのサンプルで使用されるタンパク質材料のタイプ、タンパク質材料の濃度、および市販のタンパク質材料の供給元を表3に示す。
【0179】
表3

【0180】
表3に示すように、ISP 3−タイプ単離ダイズタンパク質であるFXP H0320は、31STNBSの加水分解度を有する。
【0181】
次にカパック・コーポレーション(Kapak Corporation))から入手できる金属製の水分バリアフィルム中に、高タンパク質食品バーのサンプルを高タンパク質食品バーのサンプルを保存する。実施例1と同様に、バーを32.2℃(90°F)の温度で42日間保存した。
【0182】
次に42日後に、TA.TXT2テクスチャー分析器および上述の方法を使用して、サンプルの機械的硬度を測定する。これらの測定結果を表4に示す。
【0183】
表4

【0184】
表4に示すように、ダイズ−乳製品配合物のサンプルは42日目に、その他の高タンパク質食品バーサンプルと比べて少なくとも約74%低下した機械的硬度を有する。したがってダイズ−乳製品配合物サンプルは、その他の全ての高タンパク質食品バーサンプルよりもテクスチャーがより柔らかい。単離ダイズタンパク質のみのサンプルは最も高い機械的硬度を有し、7625重量グラムの機械的硬度を有する。
【0185】
さらにダイズ−乳製品配合物のサンプルはその他の高タンパク質食品バーサンプルと比べて、最も遅い硬化速度を有す。したがってダイズ−乳製品配合物サンプルは、その他のサンプルと比べてより長い賞味期限を有する。乳清タンパク質単離物のみのサンプルは最も早い硬化速度を有し、81.1g/日の硬化速度を有する。
【0186】
機械的硬度および硬化速度を測定するのに加えて、高タンパク質食品バーサンプルの噛み応えを上述の方法を使用して測定する。具体的には各セッションで5個の高タンパク質食品バーサンプルを評価し、2個のサンプルは同一タイプの高タンパク質食品バーである。複製サンプルは内部対照の役割を果たす。訓練されたパネリストは、各サンプル間において1〜2オンスの濾過された水道水(室温、すなわち約25℃(77°F))で口をすすいだ。噛み応え測定の結果を表5に示す。
【0187】
表5

【0188】
表5に示すように、最も噛み応えのある食品バーサンプルは、タンパク質材料としてミルクタンパク質のみを含有するサンプルである。最も噛み応えのない食品バーサンプルは、タンパク質材料として単離ダイズタンパク質のみを含有するサンプルである。単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質との配合物を含有するサンプルは6.0の噛み応えスコアを有し、これは上述のように、高タンパク質食品バーの好ましい噛み応えスコア範囲内に入る。
【0189】
実施例3
この実施例では、タンパク質材料と、糖シロップをはじめとする炭水化物材料とを含んでなる、バナナナッツ香料添加ベークド高タンパク質食品バーのサンプルが生成される。
【0190】
ベークド高タンパク質食品バーを得るために、第1の混合物をオハイオ州トロイのホバートコーポレ−ション(Hobart Corporation(Troy,Ohio))からモデルA120として入手できるホバート(Hobart)ミキサー(12クオートボールおよびパドル付き)内で低速で1分間混合して生成する。第1の混合物は、128.8gのタンパク質材料、ニューヨーク州スケネクタディのフォーティテック(Fortitech(Schenectady,New York))から入手できる2.0gのビタミン&ミネラル・プレミックス、4.5gのベーキングパウダー、テキサス州コルシカナのノバロ・ペカン・カンパニー(Novarro Pecan Company(Corsicana,Texas))から入手できる9.1gのナッツ、イリノイ州シカゴのセスネス・グリーンリーフ・インコーポレーテッド(Sethness Greenleaf,Inc.(Chicago,llinois))から入手できる0.8gのバニラ香料、イリノイ州シカゴのセスネス・グリーンリーフ・インコーポレーテッド(Sethness Greenleaf,Inc.(Chicago,llinois))から入手できる2.7gの焼きバナナ香料、およびイリノイ州モメンスのバンドリューネン・ファーム(VanDrunen Farm(Momence,Illinois))から入手できる15.2gの凍結乾燥バナナを含んでなる。タンパク質材料は、ミズーリ州セントルイスのソラエ・カンパニー(Solae Co.(St.Louis,Missouri))から入手できる28.5gのFXP H0313(ISP 1−タイプ単離ダイズタンパク質)、ミズーリ州セントルイスのソラエ・カンパニー(Solae Co.(St.Louis,Missouri))から入手できる28.5gのFXP H0320(ISP 3−タイプ単離ダイズタンパク質)、29.2gのバーフレックス(Barflex)としてアイダホ州ツィンフォールズのガランビア・フーズ・インコーポレーテッド(Glanbia Foods,Inc.(Twin Fall,Idaho))から入手できる乳清タンパク質単離物、ファーベスト(Farbest)290としてニュージャージー州モントベールのファーベスト・ブランド(Farbest Brand(Montvale,NewJersey))から入手できる29.2gのカゼイン酸カルシウム、および13.5gの液状全卵からなる。
【0191】
次に別の容器内で、電子レンジの高出力で約12秒間加熱して、液体炭水化物、液体脂肪および油、および液体着香剤を含有する139.0gの第2の混合物液体を37.8℃(100°F)の温度に加熱する。第2の混合物は、カリフォルニア州キャピトラのアドバンスド・イングレディエンツ・インコーポレーテッド(Advanced Ingredients,Inc.(Capitola,California))から入手できる31.1gのフルートリム(Fruitrim)(登録商標)液体甘味料、ウィスコンシン州チルトンのブリースモルトアンド・イングレディエンツ・カンパニー(Briess Malt and Ingredients Company(Chilton,Wisconsin))から入手できる18.2gの高マルトース42DE玄米水飴、カナダ国アルバータ州エドモントンのバイオニュートラ・インコーポレーテッド(BioNeutra,Inc.(Edmonton,Alberta,Canada))から入手できる47.4gのイソマルト−オリゴ糖、テネシー州メンフィスのヒュムコ・オイル・プロダクツ(Humko Oil Products(Memphis,Tennessee))から入手できる24.0gの高オレイン酸ヒマワリ油、ワシントン州ボスウェルのノースウェスト・ナチュラルズ・コーポレーション(Northwest Naturals Corporation(Bothell,Washton))から入手できる15.0gのバナナピューレ、ミズーリ州セントルイスのソラエ・カンパニー(Solae Co.(St.Louis,Missouri))から入手できる3.0gのレシチン、およびイリノイ州ディケーターのテート・アンド・ライル・インコーポレーテッド(Tate & Lyle,Inc.(Decatur,Illinois))から入手できる0.3gの液体スクラロースを含んでなる。次に加熱した第2の混合物と第1の混合物とをホバート(Hobart)ミキサー内で低速で1分間混合する。次に得られたドウをミニローフパンに入れて、パンをおよそ一人前80〜90gの重さにする(一人前の分量は、長さ約100mmn、高さ約24mm、および幅約55である)。次にドウを176.7℃(350°F)で6分間焼く。
【0192】
実施例4
この実施例では、タンパク質材料および糖シロップを含んでなる高タンパク質食品バーのサンプルが生成される。機械的硬度および硬化速度などの高タンパク質食品バーの官能特性が評価される。
【0193】
ISP 4−タイプ単離ダイズタンパク質を生成するために、上で考察するように、磨砕同一性保持(IP)ダイズフレークをヘキサンで脱脂して、水酸化ナトリウム(NaOH)を使用してpH約9.67で抽出する。ひとたびダイズタンパク質が抽出されると、それを36℃(96°F)の温度を有する水に10分間懸濁する。次に懸濁ダイズタンパク質に塩酸(HCl)を添加して、懸濁液のpHを約4.45に低下させる。抽出物をHCl溶液中に5分間保持して、懸濁ダイズタンパク質から沈殿ダイズタンパク質カードを形成させる。沈殿は、懸濁ダイズタンパク質中の残留炭水化物および脂肪からダイズタンパク質カードを分離する。分離は、マサチューセッツ州ノース・アトルバラのシャープルズ・カンパニー(Sharples Co.(North Attleboro,Mass.))から入手できるデカンター(Decanter)遠心分離機内で、沈殿物を36℃(96°F)の温度において4000毎分回転数(rpm)の速度で約10〜約15秒間遠心処理して完了する。
【0194】
次に得られた沈殿ダイズタンパク質カードを水溶液中で水和して、コウルズ(Cowles)タンクに入れる。水酸化ナトリウムを沈殿ダイズタンパク質カード懸濁液に添加して、pHを増大させた中和ダイズタンパク質カード懸濁液を形成する。水酸化ナトリウムとダイズタンパク質溶液とを10分間混合して、第2の溶液のpHを約6.5に上昇させる。次に中和ダイズタンパク質カードスラリーを約54℃(129.2°F)の温度に加熱する。次に加熱した中和ダイズタンパク質カードスラリーをインディアナ州サウス・ベンドのバリー・リサーチ(Valley Research(South Bend,Indiana))から入手できる2500BTU/gの活性を有する0.15%(乾燥中和ダイズタンパク質カード重量基準)ブロメラインと約54℃(129.2°F)の温度で約35分間反応させる。次に酵素処理ダイズタンパク質材料を約151.7℃(305°F)の温度に約9秒間加熱する。最後に加熱酵素処理ダイズタンパク質材料を約82℃(180°F)の温度にフラッシュ冷却し、約3500psigの圧力下約285℃(545°F)の温度でノズル噴霧器を通過させて、並流乾燥機中で噴霧乾燥させる。
【0195】
ひとたびタンパク質材料が得られると、高タンパク質食品バーが調製される。高タンパク質食品バーを得るために、第1の混合物が、英国リーディングのウィンクウォース・マシーナリー社(Winkworth Machinery,Ltd.(Reading,England))から入手できるウィンクウォース(Winkworth)ミキサー内で、48毎分回転数(rpm)の速度で1分間混合して生成される。第1の混合物は、600.0gのタンパク質材料、カリフォルニア州ラスロップのナチュラル・プロダクツ(Natural Products(Lathrop,California))から入手できる32.4gの水飴固形物、ウィスコンシン州ミルウォーキーのデザーン(DeZaan(Milwaukee,Wisconsin))から入手できる76.4gのココア粉末、ニューヨーク州スケネクタディのフォーティテック(Fortitech(Schenectady,New York))から入手できる10.5gのビタミン&ミネラルプレミックス、および1.6gの塩を含んでなる。
【0196】
次に別の容器内で、電子レンジの高出力で約45秒間加熱して、液体糖シロップおよび液体着香剤を含有する第2の混合物液体を37.8℃(100°F)の温度に加熱する。液体糖シロップは、仏国レストレム・セデックスのロケット(Roquette(LESTREM Cedex,France))から入手できる63DEコーンシロップとニュージャージー州ロシェル・パークのインターナショナル・モラセス・コーポレーション(International Molasses Corp.(Rochelle Park,New Jersey))から入手できる高フルクトースコーンシロップ55との比率55:45の配合物710.0g、および59.1gのグリセリンからなる。液体着香剤は、イリノイ州エルク・グローブ・ビレッジのエドンログ・コーポレーション(The Edlong Corporation(Elk Grove Village,Illinois))から入手できる4.1gのエドロング(Edlong)チョコレート香料610、イリノイ州エルク・グローブ・ビレッジのエドロング・コーポレーション(The Edlong Corporation(Elk Grove Village,Illinois))から入手できる4.1gのエドロング(Edlong)チョコレート香料614、およびイリノイ州シカゴのセスネス・グリーンリーフ・インコーポレーテッド(Sethness Greenleaf,Inc.(Chicago,llinois))から入手できる2.0gのバニラ香料からなる。次に加熱した第2の混合物と第1の混合物とをウィンクウォース(Winkworth)ミキサー内で、48rpmの速度で3分45秒間混合する。次に得られたドウを大理石スラブ上で伸ばし、バーを重量約45g〜約55gの断片に切断する(バー断片は、長さ約102mm、高さ約10mm、幅約35mmである)。
【0197】
タンパク質材料として様々な単離ダイズタンパク質を含んでなる3個の高タンパク質食品バーのサンプルを作成する。3個の高タンパク質食品バーのサンプルで使用される単離ダイズタンパク質のタイプ、および単離ダイズタンパク質の市販の供給元を表6に示す。
【0198】
表6

【0199】
ISP 4−タイプ単離ダイズタンパク質は、45STNBSの加水分解度を有する。さらにFXP H0313はISP 1−タイプ単離ダイズタンパク質であり、87STNBSの加水分解度を有し、ISP 3−タイプ単離ダイズタンパク質であるFXP H0320は、31STNBSの加水分解度を有する。
【0200】
次にカパック・コーポレーション(Kapak Corporation)から入手できる金属製の水分バリアフィルム中に、高タンパク質食品バーのサンプルを保存する。バーを32.2℃(90°F)の温度で35日間保存した。
【0201】
次に35日後に、TA.TXT2テクスチャー分析器および上述の方法を使用して、サンプルの機械的硬度を測定する。具体的には機械的硬度を1日目および35日目に測定する。次に機械的硬度値および上述の方法を使用して、サンプルの硬化速度を判定する。これらの測定結果を表7に示す。
【0202】
表7

【0203】
表7に示すように、タンパク質材料としてISP 4−タイプタンパク質を使用したサンプルは、その他の高タンパク質食品バーサンプルと比べて、35日目に少なくとも約73.2%低下した機械的硬度を有する。したがってISP 4−タイプタンパク質サンプルは、その他の高タンパク質食品バーサンプルよりもテクスチャーがより柔らかい。ISP 1−タイプタンパク質を使用したサンプルは最も高い機械的硬度を有し、1140重量グラムの機械的硬度を有する。さらにISP 4−タイプタンパク質サンプルは、最も遅い硬化速度を有する。したがってISP 4−タイプタンパク質サンプルは、その他のサンプルと比べてより長い賞味期限を有する高タンパク質食品バーを生じる。
【0204】
実施例5
この実施例では、タンパク質材料および糖シロップを含んでなる高タンパク質食品バーのサンプルが生成される。機械的硬度および硬化速度などの高タンパク質食品バーの官能特性が評価される。
【0205】
高タンパク質食品バーのタンパク質材料で使用するためのISP 4−タイプ単離ダイズタンパク質は、実施例4の方法を使用して生成される。
【0206】
高タンパク質食品バーを得るために、第1の混合物が、英国リーディングのウィンクウォース・マシーナリー社(Winkworth Machinery,Ltd.(Reading,England))から入手できるウィンクウォース(Winkworth)ミキサー内で、48毎分回転数(rpm)の速度で1分間混合して生成される。第1の混合物は、600.0gのタンパク質材料、カリフォルニア州ラスロップのナチュラル・プロダクツ(Natural Products(Lathrop,California))から入手できる32.4gの水飴固形物、ウィスコンシン州ミルウォーキーのデザーン(DeZaan(Milwaukee,Wisconsin))から入手できる76.4gのココア粉末、ニューヨーク州スケネクタディのフォーティテック(Fortitech(Schenectady,New York))から入手できる10.5gのビタミン&ミネラルプレミックス、および1.6gの塩を含んでなる。
【0207】
次に別の容器内で、電子レンジの高出力で約45秒間加熱して、液体糖シロップおよび液体着香剤を含有する第2の混合物液体を37.8℃(100°F)の温度に加熱する。液体糖シロップは、仏国レストレム・セデックスのロケット(Roquette(LESTREM Cedex,France))から入手できる63DEコーンシロップとニュージャージー州ロシェル・パークのインターナショナル・モラセス・コーポレーション(International Molasses Corp.(Rochelle Park,New Jersey))から入手できる高フルクトースコーンシロップ55との比率55:45の配合物710.0g、および59.1gのグリセリンからなる。液体着香剤は、イリノイ州エルク・グローブ・ビレッジのエドンログ・コーポレーション(The Edlong Corporation(Elk Grove Village,Illinois))から入手できる4.1gのエドロング(Edlong)チョコレート香料610、イリノイ州エルク・グローブ・ビレッジのエドロング・コーポレーション(The Edlong Corporation(Elk Grove Village,Illinois))から入手できる4.1gのエドロング(Edlong)チョコレート香料614、およびイリノイ州シカゴのセスネス・グリーンリーフ・インコーポレーテッド(Sethness Greenleaf,Inc.(Chicago,llinois))から入手できる2.0gのバニラ香料からなる。次に加熱した第2の混合物と第1の混合物とをウィンクウォース(Winkworth)ミキサー内で、48rpmの速度で3分45秒間混合する。次に得られたドウを大理石スラブ上で伸ばし、バーを重量約45g〜約55gの断片に切断する(バー断片は、長さ約102mm、高さ約10mm、幅約35mmである)。
【0208】
様々なタンパク質材料を含んでなる2個の高タンパク質食品バーのサンプルを作成する。2個の高タンパク質食品バーのサンプルで使用されるタンパク質材料のタイプ、タンパク質材料の濃度、およびタンパク質材料の市販の供給元を表8に示す。
【0209】
表8

【0210】
ISP 4−タイプ単離ダイズタンパク質は、45STNBSの加水分解度を有する。
【0211】
次にカパック・コーポレーション(Kapak Corporation))から入手できる金属製の水分バリアフィルム中に、高タンパク質食品バーのサンプルを保存する。実施例1と同様にバーを32.2℃(90°F)の温度で42日間保存した。
【0212】
次に42日後に、TA.TXT2テクスチャー分析器および上述の方法を使用して、サンプルの機械的硬度を測定する。これらの測定結果を表9に示す。
【0213】
表9

【0214】
表9に示すように、タンパク質材料として配合物Aを使用したサンプルは、42日目にその他の高タンパク質食品バーサンプルと比べて低下した機械的硬度を有する。したがって配合物Aサンプルは、その他の高タンパク質食品バーサンプルよりもテクスチャーがより柔らかい。さらにタンパク質材料として配合物Aを使用したサンプルは、乳製品配合物サンプルと比べてより低い硬化速度を有する。
【0215】
実施例6
この実施例では、タンパク質材料および炭水化物材料を含んでなる高タンパク質食品バーのサンプルが生成される。機械的硬度および硬化速度などの高タンパク質食品バーの官能特性が評価される。
【0216】
高タンパク質食品バーのタンパク質材料で使用するためのISP 4−タイプ単離ダイズタンパク質は、実施例4の方法を使用して生成される。
【0217】
実施例で評価するための高タンパク質食品バーを生成するために、第1の混合物を英国リーディングのウィンクウォース・マシーナリー社(Winkworth Machinery,Ltd.(Reading,England))から入手できるウィンクウォース(Winkworth)ミキサー内で、48毎分回転数(rpm)の速度で1分間混合して生成する。第1の混合物は、933.4gのタンパク質材料、ウィスコンシン州ミルウォーキーのデザーン(DeZaan(Milwaukee,Wisconsin))から入手できる116.0gのココア粉末、ニューヨーク州スケネクタディのフォーティテック(Fortitech(Schenectady,New York))から入手できる14.0gのビタミン&ミネラルプレミックス、2.0gの塩、スプレンダ(Splenda)(登録商標)としてイリノイ州ディケーターのテート・アンド・ライル・インコーポレーテッド(Tate & Lyle,Inc.(Decatur,Illinois))から入手できる0.6gのスクラロース、イリノイ州ブラッドリーのベークマーク(BakeMark(Bradley,Illinois))から入手できる144.0gのケーキショートニング、およびセントロフェーズ(Centrophase)152としてミズーリ州セントルイスのソラエ・カンパニー(Solae Co.(St.Louis,Missouri))から入手できる14.0gのレシチンを含んでなる。
【0218】
次に別の容器内で、混合物を電子レンジの高出力で約45秒間加熱して、炭水化物材料および液体着香剤を含有する第2の混合物を37.8℃(100°F)の温度に加熱する。炭水化物材料は、59.1gのグリセリン、94.0gのマルチトール、94.0gのポリデキストロースシロップの混合物からなる。液体着香剤は、イリノイ州エルク・グローブ・ビレッジのエドンログ・コーポレーション(The Edlong Corporation(Elk Grove Village,Illinois))から入手できる8.0gのエドロング(Edlong)チョコレート香料610、イリノイ州エルク・グローブ・ビレッジのエドロング・コーポレーション(The Edlong Corporation(Elk Grove Village,Illinois))から入手できる8.0gエドロング(Edlong)チョコレート香料614、およびイリノイ州シカゴのセスネス・グリーンリーフ・インコーポレーテッド(Sethness Greenleaf,Inc.(Chicago,llinois))から入手できる6.0gのバニラ香料の混合物からなる。次に第1の混合物と第2の混合物とをウィンクウォース(Winkworth)ミキサー内で合わせて、48rpmの速度で3分45秒間混合する。次に得られたドウを大理石スラブ上で伸ばし、バーを重量約45g〜約55gの断片に切断する(バー断片は、長さ約102mm、高さ約10mm、幅約35mmである)。
【0219】
様々なタンパク質材料を含んでなる2個の高タンパク質食品バーのサンプルを作成する。高タンパク質食品バーのサンプルで使用されるタンパク質材料のタイプ、タンパク質材料の濃度、および市販のタンパク質材料の供給元を表10に示す。
【0220】
表10

【0221】
ISP 4−タイプ単離ダイズタンパク質は、45STNBSの加水分解度を有する。
【0222】
次にミネソタ州セントルイスパークのカパック・コーポレーション(Kapak Corporation(St.Louis Park,Minnesota))から入手できる金属製の水分バリアフィルム中に、高タンパク質食品バーのサンプルを保存する。バーを32.2℃(90°F)の温度で42日間保存する。
【0223】
次にTA.TXT2テクスチャー分析器および上述の方法を使用して、サンプルの機械的硬度を測定する。具体的には機械的硬度を1日目および42日目に測定する。次に機械的硬度値および上述の方法を使用して、サンプルの硬化速度を判定する。これらの測定および計算の結果を表11に示す。
【0224】
表11

【0225】
表11中のデータは、配合物Aタンパク質材料のサンプルが、42日後により低い機械的硬度値を有し、より柔らかいテクスチャーを有するサンプルに一致することを示す。さらに配合物Aのサンプルはより遅い硬化速度を有し、それは乳製品配合物のサンプルと比べてより長い賞味期限に相当する。
【0226】
ここでの開示に基づいて、表12にここで述べる高タンパク質食品バーのいくつかの実施形態を要約する。具体的には表12は、本開示の範囲内の様々なタンパク質のいくつかの可能な組み合わせを示す。
【0227】
表12

【0228】
上記に照らして開示のいくつかの目的が達成され、その他の有利な結果が得られたことが分かる。
【0229】
本開示またはその好ましい実施形態の要素を導入するにあたり、冠詞「a」、「an」、「the」、および「前記」は、1つ以上の要素があることを意味することが意図される。「含んでなる」、「含む」、および「有する」という用語は包括的であり列挙した要素以外の追加的要素があってもよいことを意味することが意図される。
【0230】
「重量基準」という用語は、高タンパク質食品バーの構成要素の量について述べるために明細書全体を通じて使用される。特に断りのない限り、「重量基準」という用語は、製品へのいかなる水分添加またはそれからの水分除去もなしに、現状どおりでの重量基準を意味することが意図される。乾燥ベース重量基準という用語は、水分が除去された無水ベースを意味することが意図される。
【0231】
開示の範囲を逸脱することなく上記には様々な変更ができるので、上の説明中に含まれ、添付の図面で示される全ての事柄は例示的なものと解釈され、限定を意味しないことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約35%(食品バー総重量基準)〜約55%(食品バー総重量基準)のタンパク質材料および約35%(食品バー総重量基準)〜約50%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなる高タンパク質食品バーであって、タンパク質材料が単離ダイズタンパク質とミルクタンパク質との組み合わせを含んでなり、単離ダイズタンパク質が約30%〜約45%の可溶性固形物指数を有し、かつ約40STNBS〜約55STNBSの加水分解度を有し、炭水化物材料が1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなり、高タンパク質食品バーが約2500重量グラム未満の機械的硬度を有する、高タンパク質食品バー。
【請求項2】
タンパク質材料が、約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質を含んでなる、請求項1に記載の高タンパク質食品バー。
【請求項3】
タンパク質材料が、約50%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約50%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質を含んでなる、請求項1に記載の高タンパク質食品バー。
【請求項4】
ミルクタンパク質が、カゼイン酸カルシウム、乳清タンパク質単離物、乳清タンパク質濃縮物、カゼイン酸ナトリウム、酸カゼイン、脱脂または全脂粉乳、ミルクタンパク質濃縮物、全乳タンパク質、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の高タンパク質食品バー。
【請求項5】
糖アルコールが、ソルビトール、マルチトール、グリセリン、ラクチトール、マンニトール、イソマルト、キシリトール、水素付加デンプンシロップ、エリトリトール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の高タンパク質食品バー。
【請求項6】
増量剤が、ポリデキストロース、デンプン、ペクチン、ゼラチン、キサンタン、ジェラン、アルギン、グアー、コンニャク、ローカストビーン、フルクトオリゴ糖類、イヌリン、イソマルトオリゴ糖類、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の高タンパク質食品バー。
【請求項7】
単離ダイズタンパク質が約45STNBSの加水分解度を有する、請求項1に記載の高タンパク質食品バー。
【請求項8】
単離ダイズタンパク質が約30%〜約40%の可溶性固形物指数を有する、請求項1に記載の高タンパク質食品バー。
【請求項9】
高タンパク質食品バーが約2000重量グラム未満の機械的硬度を有する、請求項1に記載の高タンパク質食品バー。
【請求項10】
タンパク質材料と炭水化物材料とを合わせてドウを形成するステップと、
ドウを伸ばすステップと、
ドウを個々の高タンパク質食品バーに分割するステップと、
を含んでなり、タンパク質材料が約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)の単離ダイズタンパク質および約10%(タンパク質材料総重量基準)〜約90%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質を含んでなり、単離ダイズタンパク質が約30%〜約45%の可溶性固形物指数を有して約40STNBS〜約55STNBSの加水分解度を有し、炭水化物材料が1つ以上の糖アルコールおよび増量剤を含んでなる、
高タンパク質食品バーを生成する方法。
【請求項11】
高タンパク質食品バーが2500重量グラム未満の機械的硬度を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
タンパク質材料が約50%(タンパク質材料総重量基準)単離ダイズタンパク質および約50%(タンパク質材料総重量基準)のミルクタンパク質を含んでなる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
ミルクタンパク質が、カゼイン酸カルシウム、乳清タンパク質単離物、乳清タンパク質濃縮物、カゼイン酸ナトリウム、酸カゼイン、脱脂または全脂粉乳、ミルクタンパク質濃縮物、全乳タンパク質、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
糖アルコールが、ソルビトール、マルチトール、グリセリン、ラクチトール、マンニトール、イソマルト、キシリトール、水素付加デンプンシロップ、エリトリトール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
増量剤が、ポリデキストロース、デンプン、ペクチン、ゼラチン、キサンタン、ジェラン、アルギン、グアー、コンニャク、ローカストビーン、フルクトオリゴ糖類、イヌリン、イソマルトオリゴ糖類、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
単離ダイズタンパク質が約45STNBSの加水分解度を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
単離ダイズタンパク質が約30%〜約40%の可溶性固形物指数を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
高タンパク質食品バーが、約35%(食品バー総重量基準)〜約55%(食品バー総重量基準)のタンパク質材料および約35%(食品バー総重量基準)〜約50%(食品バー総重量基準)の炭水化物材料を含んでなる、請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2009−504188(P2009−504188A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527119(P2008−527119)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/032051
【国際公開番号】WO2007/022312
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(504140299)ソレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー (42)
【Fターム(参考)】