糸巻き取り装置
【課題】スラッフィングの発生を防止できる糸巻き取り装置を提供する。
【解決手段】精紡機で紡糸された糸Yが巻かれた給糸ボビンB1の糸欠陥を除去しつつパッケージPを巻き取る巻き取りユニット10であって、給糸ボビンB1の糸Yを巻き取って貯留する糸貯留装置100と、を具備し、糸貯留装置100は、糸Yを貯留する糸貯留部130と、回転しつつ糸貯留部130に糸Yを巻き付ける糸巻き付け部140と、を具備し、糸貯留部130は、糸Yが巻き付けられる糸貯留体(ベルト外側)132Fと、巻き付けられる糸Yの間に等間隔の隙間を保持したまま、ベルト外側132Fに巻き付けられた糸Yを巻き付け側130Rから解舒側130Fに向けて送る駆動プーリ134と、を具備する。
【解決手段】精紡機で紡糸された糸Yが巻かれた給糸ボビンB1の糸欠陥を除去しつつパッケージPを巻き取る巻き取りユニット10であって、給糸ボビンB1の糸Yを巻き取って貯留する糸貯留装置100と、を具備し、糸貯留装置100は、糸Yを貯留する糸貯留部130と、回転しつつ糸貯留部130に糸Yを巻き付ける糸巻き付け部140と、を具備し、糸貯留部130は、糸Yが巻き付けられる糸貯留体(ベルト外側)132Fと、巻き付けられる糸Yの間に等間隔の隙間を保持したまま、ベルト外側132Fに巻き付けられた糸Yを巻き付け側130Rから解舒側130Fに向けて送る駆動プーリ134と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸巻き取り装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
糸巻き取り装置は、精紡機で紡糸された糸が巻かれた給糸ボビンの糸欠点を除去しつつパッケージにして巻き返す装置として公知である。糸巻き取り装置として、糸貯留装置(アキュムレータ)を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
糸貯留装置を設けた糸巻き取り装置は、糸巻き取り装置の糸継作業時において、パッケージ巻き取り装置を停止することなく、糸巻き取り作業を継続することができる。具体的には、糸巻き取り装置の糸継作業時では、糸貯留装置の下流側では、パッケージ巻き取り装置が糸貯留装置に貯留された糸を巻き取って糸巻き取り作業を継続している。一方、糸貯留装置の上流側では、糸貯留装置に貯留されている糸を口出し(糸端を引き出す)して糸継装置に導入し、導入した糸端と給糸ボビン側の糸端との糸継ぎを行う。
【0004】
糸貯留装置において、糸貯留装置からパッケージに向かって巻き出される糸にスラッフィング(輪抜け)が発生すると、糸切れが発生し、パッケージの巻き取りが停止してしまうことになる。特許文献1に代表される従来の糸貯留装置は、先に巻かれた糸を後に巻かれた糸が押し上げる構成であるため、毛羽と毛羽とが絡み合い、糸の解舒時にスラッフィングが発生するおそれがある。また、先に巻かれた糸を後に巻かれた糸が押し上げる構成であるため、糸貯留装置に貯留されている糸端を引き出す時には、毛羽と毛羽とが絡み合い、引き出し不良が発生するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−242042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は、スラッフィングの発生を防止できる糸巻き取り装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
第1の発明は、精紡機で紡糸された糸が巻かれた給糸ボビンの糸欠点を除去しつつパッケージを巻き返す糸巻き取り装置であって、前記給糸ボビンを支持する給糸部と、前記給糸ボビンの糸を巻き取って貯留する糸貯留装置と、前記貯留部に貯留された糸を所定の巻き取り糸速度で巻き取って前記パッケージを形成する巻き取り部と、糸欠陥を監視する糸欠陥検出部と、糸が分断された時に、分断された糸端をつなぐ糸継部と、を具備し、前記糸貯留装置は、糸を貯留する糸貯留部と、回転しつつ前記糸貯留部に糸を巻き付ける糸巻き付け部と、を具備し、前記糸貯留部は、糸が巻き付けられる糸貯留体と、前記糸貯留体に巻き付けられた糸全体に巻き付け側から解舒側に向く搬送力を付与する糸送り機構と、を具備するものである。
【0009】
第2の発明は、第1の発明の糸巻き取り装置であって、前記糸貯留装置は、糸が分断された時は、前記糸貯留部に巻き取られた糸端を吸引する引き出し部と、を具備するものである。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明の糸巻き取り装置であって、前記糸貯留装置は、前記糸貯留部の解舒側に取り付けられ、糸の解舒を補助する糸解舒補助部と、を具備するものである。
【0011】
第4の発明は、第1〜第3の発明に記載の糸巻き取り装置であって、前記糸貯留装置は、前記糸貯留装置に貯留された糸の貯留量を検出する糸貯留量検出部と、を具備するものである。
【0012】
第5の発明は、第1〜第4の発明に記載の糸巻き取り装置であって、前記糸貯留体は、ベルトであって、前記糸送り機構は、前記ベルトを駆動するプーリである。
【0013】
第6の発明は、第1〜第4の発明に記載の糸巻き取り装置であって、前記糸送り機構は、前記糸送り機構は、前記糸貯留体に対して揺動する揺動部材と、偏心して回転する回転軸と、を具備するものである。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明は、糸貯留体に巻き付けられた糸を、糸貯留部の巻き付け側から解舒側に向けて糸貯留部に巻き付けられた糸全体を送ることができ、巻き付けられる糸の間に等間隔の隙間を保持したまま搬送するので、貯留された糸層が絡み合うことがない。そのため、スラッフィングの発生を防止できる。
【0015】
第2の発明は、糸貯留体に巻き付けられた糸を、糸貯留部の巻き付け側から解舒側に向けて送り、巻き付けられる糸の間に等間隔の隙間を保持するため、貯留された糸層が絡み合うことがない。そのため、糸貯留体に巻き取られた糸端を吸引して引き出す時に、糸の絡み合いによる引き出し不良が発生することを防止できる。
【0016】
第3の発明は、糸解舒補助部では糸Yは1本のみしか通過することができない構成であるため、糸切れの発生を防止することができる。
【0017】
第4の発明は、糸貯留部に巻き付けられた正確な糸の長さを検出することができる。
【0018】
第5の発明は、糸貯留体に巻き付けられた糸を、糸貯留部の巻き付け側から解舒側に向けて送り、巻き付けられる糸の間に等間隔の隙間を保持するため、貯留された糸層が絡み合うことがない。そのため、スラッフィングの発生を防止できる。
【0019】
第6の発明は、糸貯留体に巻き付けられた糸を、糸貯留部の巻き付け側から解舒側に向けて送り、巻き付けられる糸の間に等間隔の隙間を保持するため、貯留された糸層が絡み合うことがない。そのため、スラッフィングの発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態である巻き取りユニットの全体的な構成を示す構成図。
【図2】同じく糸貯留装置の構成を示す構成図。
【図3】同じく糸解舒補助部の構成を示す構成図。
【図4】同じく吹き下げノズルの構成を示す構成図。
【図5】同じく糸貯留部の構成について示す構成図。
【図6】第2の実施形態である糸貯留部の構成について示す構成図。
【図7】同じく糸送り機構の作用を示す構成図。
【図8】同じく丸棒の作用を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を用いて、本発明の自動巻き取り装置の第1の実施形態である巻き取りユニット10について説明する。
巻き取りユニット10は、精紡機で紡糸された糸Yが巻かれた給糸ボビンB1の糸欠点を除去しつつパッケージPにして巻き取る装置である。巻き取りユニット10は、自動ワインダの機台の長手方向に並列に配置されている。
【0022】
巻き取りユニット10の構成について説明する。
巻き取りユニット10は、コントローラ5と、フレーム6と、給糸部20と、糸継部30と、糸欠陥検出部40と、糸貯留装置(アキュムレータ)100と、巻き取り部50と、を具備している。
【0023】
フレーム6は、巻き取りユニット10を構成する各装置を支持するものである。フレーム6は、巻き取り方向である上流側から下流側に向かって、給糸部20と、糸継部30と、糸欠陥検出部40と、糸貯留装置100と、巻き取り部50と、を支持している。
【0024】
コントローラ5は、フレーム6の内部に収容されている。コントローラ5は、巻き取りユニット10を構成する各装置と電気的に接続されている。コントローラ5は、給糸ボビンB1の糸欠点を除去しつつパッケージPにして巻き取るために、巻き取りユニット10を構成する各装置を制御する機能を有している。
【0025】
給糸部20は、ボビン供給装置(図示略)と、給糸ボビン保持部21と、糸解舒補助装置22と、ヤーンフィーラ23と、第1テンサ24と、を具備している。ボビン供給装置は、新たな給糸ボビンB1を給糸ボビン保持部21へ供給する装置である。給糸ボビン保持部21は、ボビン供給装置から給糸ボビンB1を受け取り保持する装置である。糸解舒補助装置22は、給糸ボビンB1からの糸の解舒を補助する装置である。ヤーンフィーラ23は、給糸ボビンB1から引き出される糸Yが無くなったことを検出するものである。第1テンサ24は、走行する糸Yに所定のテンションを付与するものである。
【0026】
糸継部30は、スプライサ装置31と、下糸案内パイプ32と、上糸案内パイプ33と、を具備している。スプライサ装置31は、後述するクリアラ41の糸欠陥検出時、あるいは、給糸ボビンB1からの解舒中の糸切れ時等に、給糸ボビンB1側の糸Y(下糸)と、パッケージP側の糸Y(上糸)とを糸継ぎする装置である。下糸案内パイプ32は、給糸ボビンB1側の下糸を捕捉して案内するものである。上糸案内パイプ33は、パッケージP側の上糸を捕捉して案内するものである。
【0027】
糸欠陥検出部40は、クリアラ41と、ワキシング装置42と、を具備している。クリアラ41は、糸Yの太さを適宜のセンサで監視することで欠陥を検出するものである。ワキシング装置42は、走行中の糸Yにワックス付けをする装置である。
【0028】
糸貯留装置(アキュムレータ)100は、給糸ボビンB1から送られてきた糸Yを貯留する装置である。糸貯留装置100について詳しくは後述する。
【0029】
巻き取り部50は、第2テンサ51と、巻き取りドラム52と、を具備している。第2テンサ51は、糸貯留装置100から解舒される糸Yのテンションを制御するものである。巻き取りドラム52は、糸Yをトラバースさせるとともに巻き取りボビンB2を回転させるものである。
【0030】
図2を用いて、糸貯留装置100について説明する。
糸貯留装置100は、糸解舒補助部110と、糸貯留量検出部120と、糸貯留部130と、糸巻き付け部140と、引き出し部150と、を具備している。
【0031】
上述したコントローラ5は、貯留上限センサ121と、貯留下限センサ122と、貯留最下限センサ123と、モータ143と、電磁弁152と、圧力空気発生装置153と、に接続されている。
【0032】
糸解舒補助部110について、詳細は後述する。
【0033】
糸貯留量検出部120の構成について説明する。
糸貯留量検出部120は、貯留上限センサ121と、貯留下限センサ122と、貯留最下限センサ123と、を具備している。貯留上限センサ121、貯留下限センサ122および貯留最下限センサ123は、糸貯留装置100の取り付けフレーム(図示略)に配置されている。
【0034】
貯留上限センサ121は、糸貯留部130の糸貯留量が上限糸貯留量になったときに、糸貯留部130に巻き付けられた糸Yの上端に対向する位置に配置されている。貯留下限センサ122は、糸貯留部130の糸貯留量が下限糸貯留量になったときに、糸貯留部130に巻き付けられた糸Yの上端に対向する位置に配置されている。貯留最下限センサ123は、糸貯留部130の糸貯留量が最下限糸貯留量になったときに、糸貯留部130に巻き付けられた糸Yの上端に対向する位置に配置されている。
【0035】
糸貯留部130について説明する。
糸貯留部130は、巻き付け側130Rと、解舒側130Fと、を具備している。巻き付け側130Rは、糸貯留部130の下側である。解舒側130Fは、糸貯留部130の上側である。糸貯留部130には、巻き付け側130Rから糸Yが巻き付けられ、解舒側130Fから糸Yが解舒される。なお、本実施形態の糸貯留部130は軸を上下方向と平行になるように配置されているが、軸が上下方向と傾斜して配置される場合もある。また、糸貯留部130について、詳細は後述する。
【0036】
糸巻き付け部140の構成について説明する。
糸巻き付け部140は、巻き付けアーム141と、バランサ142と、モータ143と、出力軸145と、を具備している。巻き付けアーム141は、出力軸145の外周から外向きかつ上向きに延設され、糸貯留部130の表面に向かって湾曲するように構成されている。巻き付けアーム141は、パイプ形状に形成され、内部に糸Yが走行可能な糸経路が形成されている。巻き付けアーム141は、糸貯留部130に対して回転可能に構成されている。
【0037】
バランサ142は、出力軸145の軸方向において出力軸145を中心として、巻き付けアーム141対向する側に配置されている。バランサ142は、出力軸145と一体的に形成されている。モータ143は、巻き付けアーム141、バランサ142および出力軸145を回転するように構成されている。出力軸145は、パイプ形状に形成され、内部に糸Yが走行可能な糸経路が形成されている。出力軸145に形成される糸経路は、巻き付けアーム141に形成される糸経路と連通している。
【0038】
引き出し部150の構成について説明する。
引き出し部150は、吹き下げノズル151と、電磁弁152と、圧力空気発生装置153と、接続パイプ154と、を具備している。吹き下げノズル151について、詳しくは後述する。圧力空気発生装置153は、圧力空気を発生させる装置である。接続パイプ154は、圧力空気発生装置153と吹き下げノズル151とを接続している。接続パイプ154には、内部に流路が形成されている。電磁弁152は、接続パイプ154の途上に配置されている。なお、引き出し部150の作用については、詳しくは後述する。
【0039】
図3を用いて、糸解舒補助部110について説明する。
なお、図3(A)は、糸解舒補助部110の平面図を示している。また、図3(B)は、図3(A)のS1−S1断面図を示している。
【0040】
糸解舒補助部110の構成について説明する。
糸解舒補助部110は、ガイド部材111と、リング部材112と、ゴム部材113と、を具備している。ガイド部材111は、糸貯留部130の上方に配置されている。ガイド部材111は、円盤形状に形成されている剛体である。ガイド部材111の側面周囲111Aの断面形状は、円弧形状に形成されている。リング部材112は、リング形状に形成されている。ゴム部材113は、リング形状に形成されている柔軟な弾性部材である。ゴム部材113の外周側は、リング部材112の内周側に固定して配置されている。ゴム部材113の内周側は、ガイド部材111の側面周囲111Aと隙間無く密着して配置されている。
【0041】
図4を用いて、吹き下げノズル151について説明する。
吹き下げノズル151は、出力軸145と接続パイプ154とを接続するものである。吹き下げノズル151には、糸流路151Aと、吹き下げ流路151Bと、が形成されている。糸流路151Aは、出力軸145に形成される糸経路と連通している。吹き下げ流路151Bは、接続パイプ154の流路と連通している。吹き下げ流路151Bは、下向きに傾斜して、すなわち上流側(糸継部30および糸欠陥検出部40)に向かって糸流路151Aと接続されている。
【0042】
図5を用いて、糸貯留部130について説明する。
糸貯留部130の構成について説明する。
糸貯留部130は、4つの無端ベルト搬送装置131・131・131・131と、を具備している。無端ベルト搬送装置131・131・131・131は、巻き付け側130Rから解舒側130Fに向く糸搬送方向へ糸Yを送ることができる。糸搬送方向において、方形の四隅となる位置にそれぞれ配置されている。糸貯留部130には、巻き付け側130Rから糸Yが巻き付けられ、解舒側130Fから糸Yが解舒される。
【0043】
無端ベルト搬送装置131は、ベルト132と、糸送り出し機構としての駆動プーリ134と、従動プーリ133と、を具備している。ベルト132は、駆動プーリ134と従動プーリ133とに張架されている。ベルト132は、糸貯留体としてのベルト外側132Fと、ベルト内側132Eと、を具備している。
【0044】
ベルト外側132Fは、糸貯留部130の平面視において方形の四隅を構成するベルト132である。ベルト外側132Fには、糸Yが巻き付けられる。ベルト内側132Eは、糸貯留部130の糸搬送方向(出力軸145の軸方向)において方形の四隅を構成しないベルト132である。ベルト内側132Eには、糸Yが触れることがないように構成されている。
【0045】
駆動プーリ134は、駆動機構(図示略)によって回転駆動される。駆動機構は、コントローラ5に接続されている。駆動プーリ134は、ベルト外側132Fが巻き付け側130Rから解舒側130Fへ向かうようにベルト132を駆動する。
【0046】
糸貯留部130の作用について説明する。
すなわち、コントローラ5は、上述したように巻き付けアーム141を回転させ、巻き付けアーム141の糸経路内に導かれた糸Yは、ベルト外側132Fの周囲に巻き付けられる。このとき、コントローラ5は、駆動機構によって駆動プーリ134を駆動し、ベルト外側132Fが巻き付け側130Rから解舒側130Fへ向かうようにベルト132を駆動する。ベルト外側132Fの周囲に巻き付けられた糸Y全体が、等間隔の隙間を保持したまま、ベルト外側132Fの巻き付け側130Rから解舒側130Fに向けて送られる。
【0047】
糸貯留部130の効果について説明する。
すなわち、糸貯留部130によれば、ベルト外側132Fに順次巻き付けられた糸全体に巻き付け側130Rから解舒側130Fに向かう搬送力を付与することができるので、糸層の間に等間隔の隙間を保持したまま、ベルト外側132Fの巻き付け側130Rから解舒側130Fに向く方向(糸搬送方向へ)糸Yを送ることができる。そのため、貯留された糸層が絡み合うことがなく、毛羽と毛羽とが絡み合い、糸の解舒時にスラッフィングが発生することがない。
【0048】
糸貯留量検出部120の作用および効果について説明する(図2参照)。
すなわち、コントローラ5は、貯留上限センサ121、貯留下限センサ122および貯留最下限センサ123からの対向する位置の糸Yの存在を受信し、糸貯留部130に巻き付けられた糸Yの長さを検出することができる。このようにして、糸貯留量検出部120によれば、正確な糸貯留量を算出できる。また、本実施形態の糸貯留部130は、均等な間隔を空けて糸Yを搬送することができるため、糸Yが巻き付けられる周長と、間隔と、を算出することで正確な糸貯留量を算出できる。
【0049】
糸解舒補助部110の作用および効果について説明する(図3参照)。
すなわち、糸貯留部130から解舒された糸Yは、ゴム部材113の内周側と、ガイド部材111の側面周囲111Aとの間を通過して、巻き取り部50によって巻き戻される。このとき、剛体であるガイド部材111と、弾性体であるゴム部材113とは隙間無く密着して配置されているため、糸Yは1本のみしか通過することができない。そのため、糸Yがまとめて解舒されることがない。このようにして、糸解舒補助部110によれば、糸切れの発生を防止することができる。
【0050】
引き出し部150の作用について説明する(図2および図4参照)。
ここで、糸貯留装置100において糸切れが発生し、糸貯留部130には糸端が存在しているものと仮定する。コントローラ5は、圧力空気発生装置153を作動させ、電磁弁152を開弁させることによって、出力軸145と接続パイプ154とを連通させる。出力軸145と接続パイプ154との連通によって、吹き下げノズル151の吹き下げ流路151Bには圧力空気発生装置153から吹き下げノズル151に向かう空気流が形成される(図4における矢印B)。
【0051】
吹き下げノズル151の圧力空気発生装置153からの空気流によって、出力軸145および巻き付けアーム141の糸経路151Aには、下流から上流に向かう空気流が形成される(図4における矢印A)。出力軸145および巻き付けアーム141の糸経路の下流から上流に向かう空気流は、糸貯留部130の糸端を引き込む。そして、コントローラ5は、巻き付けアーム141が糸貯留部130の糸端を引き込んだ状態で、モータ143によって、巻き付けアーム141を出力軸145の軸方向において逆時計回りに回転させる。さらに、糸貯留部130の糸端は、糸継部30において、上糸案内パイプ33によって捕捉して、スプライサ装置31に案内され、給糸ボビンB1側の糸Yと糸継ぎされる(図2参照)。
【0052】
引き出し部150の効果について説明する。
すなわち、引き出し部150によれば、糸貯留装置100において糸切れが発生した時は、糸貯留部130の糸端を上流側に引き出すことができる。また、本実施形態の糸貯留部130によれば貯留された糸層が絡み合うことがないため、糸貯留部130に巻き取られた糸端を吸引して引き出す時に、糸の絡み合いによる引き出し不良が発生することを防止できる。
【0053】
なお、本実施形態の糸貯留部130は、糸搬送方向において、方形の四隅を構成するベルトに巻き付けられた方形の巻き付け形状とする構成としたが、これに限定されない。例えば、ベルト間にガイド等を設けて円形の巻き付け形状とする構成としても良い。
【0054】
図6〜8を用いて、第2の実施形態の糸貯留部230について説明する。
なお、糸貯留部230を除く他の部材は第1の実施形態と共通であるため説明を省略する。
【0055】
図6を用いて、糸貯留部230の構成について説明する。
糸貯留部230は、糸送り機構231と、糸貯留体236と、を具備している。糸送り機構231について、詳しくは後述する。糸貯留体236は、本体237と、複数の支持部材238と、を具備している。本体237は、円盤形状に構成されている。支持部材238は、短冊形状に構成され、本体237の周囲に所定の間隔を設けて上向きに立設されている。
【0056】
糸送り機構231と糸貯留体236とは、略同軸上に配置されるものとする。糸送り機構231と糸貯留体236とは、糸送り機構231の丸棒232が、後述する糸貯留体236の支持部材238の間に配置するように、それぞれが配置されるものとする。糸貯留部230には、巻き付け側230Rから糸Yが巻き付けられ、解舒側230Fから糸Yが解舒される。
【0057】
図7を用いて、糸送り機構231について説明する。
なお、図7(A)から図7(C)までは、軸234Aが90°毎に回転する様子を示している。
【0058】
糸送り機構231の構成について説明する。
糸送り機構231は、丸棒232と、本体233と、軸234Aと、プレート234Pと、偏心軸234Bと、傾斜軸234Cと、モータ235と、を具備している。本体233は、円盤形状に構成され、糸貯留体236の上方において、糸貯留体236と略同軸上に配置されている。丸棒232は、本体233の周囲に所定の間隔を設けて下向きに立設されている。モータ235は、本体233の下方において、本体233とは偏心して配置されている。モータ235は、コントローラ5に接続されている。なお、本発明の揺動部材は、丸棒232と、本体233と、傾斜軸234Cと、で構成されている。また、丸棒232および支持部材238は、面で糸Yを支持する平板の構成であっても良い。
【0059】
軸234Aは、モータ235によって駆動する構成とされている。プレート234Pは、円盤形状に構成されている。プレート234Pの中心は、軸234Aに固定して配置されている。偏心軸234Bは、プレート234Pに偏心して固定して配置されている。傾斜軸234Cは、偏心軸234Bに対して所定角度傾斜して配置されている。傾斜軸234Cは、偏心軸234Bに対して固定して配置されている。また、傾斜軸234Cは、周方向については、本体233に対して摺動可能に構成されている。一方、傾斜軸234Cは、軸方向については、本体233に対して移動できないようにされている。
【0060】
糸送り機構231の作用について説明する。
まず、偏心軸234Bに対する傾斜軸234Cの作用について説明する。上述したように、傾斜軸234Cは、偏心軸234Bに対して所定角度傾斜して配置されている。そのため、傾斜軸234Cは、偏心軸234Bが回転するとき、揺動する。
【0061】
次に、軸234Aに対する偏心軸234Bの作用について説明する。上述したように、偏心軸234Bは、プレート234Pを介して、軸234Aとは偏心して固定して配置されている。そのため、偏心軸234Bは、軸234Aが回転するとき、偏心して回転する。
【0062】
軸234Aに対する本体233の作用について説明する。上述したように、傾斜軸234Cは、偏心軸234Bが回転するときに揺動し、偏心軸234Bは、軸234Aが回転するときに偏心して回転する。そのため、本体233は、軸234Aが回転するとき、揺動しながら偏心する。
【0063】
図8を用いて、丸棒232の作用について説明する。
なお、図8(A)は、丸棒232の軸方向の作用を示している。また、図8(B)は、丸棒232の側面視の作用を示している。さらに、図8(C)は、丸棒232の作用を図6におけるS2−S2断面から見た側面視の作用を示している。
【0064】
上述したように、丸棒232は、隣接して配置された2つの支持部材238・238の間に配置される。また、本体233は、軸234Aが回転するとき、揺動しながら偏心する。そのため、丸棒232は、軸234Aが回転するとき、本体233の偏心回転に伴って、支持部材238と支持部材238との間において、回転する。同時に、丸棒232は、軸234Aが回転するとき、本体233の揺動に伴って、隣接して配置された2つの支持部材238・238の間にて揺動する。
【0065】
実際には、丸棒232の下端は、軸234Aが回転するとき、隣接して配置された2つの支持部材238・238の間において、上述した回転と揺動とが組み合わさって、傾いた楕円(以下、仮想楕円R)を描くように回転する。丸棒232の下端の回転によって、糸Yは、斜め上方に搬送されている。より具体的には、丸棒232の下端の回転によって、丸棒232Aの状態におけるPの位置にある糸Yは、丸棒232Bの状態におけるPの位置まで搬送される(図8(B)参照))。このようにして、糸Yは、糸貯留体236において斜め上方に搬送される。さらに、糸Yは、丸棒232Cの状態になる前に、支持部材238に渡される。同時に、仮想楕円Rは、図6のS2−S2断面からみた側面視では、糸貯留体236の外側に向かう側が高くなるように傾斜している(図8(C)参照))。なお、仮想楕円Rに沿った矢印は丸棒232の進行方向を示している。
【0066】
糸貯留部230の作用について説明する。
すなわち、コントローラ5は、上述したように巻き付けアーム141を回転させ、巻き付けアーム141の糸経路内に導かれた糸Yは、糸貯留体236の支持部材238の周囲に巻き付けられる。このとき、コントローラ5は、モータ235によって軸234Aを回転駆動し、丸棒232を、支持部材238と支持部材238との間において、外側かつ進行方向に向かう側が高くなるように傾いた楕円を描くように回転させる。
【0067】
このとき、支持部材238の周囲に巻き付けられている糸Yは、丸棒232によってすくい上げられ、所定距離だけ、糸貯留部230の巻き付け側230Rから解舒側230Fに向けて送られ、支持部材238に渡される。つまり、支持部材238の周囲に巻き付けられている糸Y全体が、等間隔の隙間を保持したまま、糸貯留部230の巻き付け側230Rから解舒側230Fに向けて送られる。
【0068】
糸貯留部230の効果について説明する。
すなわち、糸貯留部230によれば、支持部材238に順次巻き付けられた糸全体に巻き付け側230Rから解舒側230Fに向かう搬送力を付与することができるので、糸層の間に等間隔の隙間を保持したまま、糸貯留部230の巻き付け側230Rから解舒側230Fに向けて糸Yを送ることができる。そのため、貯留された糸層が絡み合うことがなく、毛羽と毛羽とが絡み合い、糸の解舒時にスラッフィングが発生することがない。また、糸貯留部230から巻き取り部50が糸Yを解舒するときに、糸切れすることがない。さらに、引き出し部150が糸貯留部230から糸端を引き出すときに、貯留された糸Yが絡み合うことがないため、糸貯留部230に巻き取られた糸端を吸引して引き出すときに、糸Yの絡み合いによる引き出し不良が発生することはない。
【符号の説明】
【0069】
10 巻き取りユニット(糸巻き取り装置)
100 糸貯留装置
110 糸解舒補助部
120 糸貯留量検出部
130 糸貯留部
130F 解舒側
130R 巻き付け側
140 糸巻き付け部
150 引き出し部
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸巻き取り装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
糸巻き取り装置は、精紡機で紡糸された糸が巻かれた給糸ボビンの糸欠点を除去しつつパッケージにして巻き返す装置として公知である。糸巻き取り装置として、糸貯留装置(アキュムレータ)を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
糸貯留装置を設けた糸巻き取り装置は、糸巻き取り装置の糸継作業時において、パッケージ巻き取り装置を停止することなく、糸巻き取り作業を継続することができる。具体的には、糸巻き取り装置の糸継作業時では、糸貯留装置の下流側では、パッケージ巻き取り装置が糸貯留装置に貯留された糸を巻き取って糸巻き取り作業を継続している。一方、糸貯留装置の上流側では、糸貯留装置に貯留されている糸を口出し(糸端を引き出す)して糸継装置に導入し、導入した糸端と給糸ボビン側の糸端との糸継ぎを行う。
【0004】
糸貯留装置において、糸貯留装置からパッケージに向かって巻き出される糸にスラッフィング(輪抜け)が発生すると、糸切れが発生し、パッケージの巻き取りが停止してしまうことになる。特許文献1に代表される従来の糸貯留装置は、先に巻かれた糸を後に巻かれた糸が押し上げる構成であるため、毛羽と毛羽とが絡み合い、糸の解舒時にスラッフィングが発生するおそれがある。また、先に巻かれた糸を後に巻かれた糸が押し上げる構成であるため、糸貯留装置に貯留されている糸端を引き出す時には、毛羽と毛羽とが絡み合い、引き出し不良が発生するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−242042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は、スラッフィングの発生を防止できる糸巻き取り装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
第1の発明は、精紡機で紡糸された糸が巻かれた給糸ボビンの糸欠点を除去しつつパッケージを巻き返す糸巻き取り装置であって、前記給糸ボビンを支持する給糸部と、前記給糸ボビンの糸を巻き取って貯留する糸貯留装置と、前記貯留部に貯留された糸を所定の巻き取り糸速度で巻き取って前記パッケージを形成する巻き取り部と、糸欠陥を監視する糸欠陥検出部と、糸が分断された時に、分断された糸端をつなぐ糸継部と、を具備し、前記糸貯留装置は、糸を貯留する糸貯留部と、回転しつつ前記糸貯留部に糸を巻き付ける糸巻き付け部と、を具備し、前記糸貯留部は、糸が巻き付けられる糸貯留体と、前記糸貯留体に巻き付けられた糸全体に巻き付け側から解舒側に向く搬送力を付与する糸送り機構と、を具備するものである。
【0009】
第2の発明は、第1の発明の糸巻き取り装置であって、前記糸貯留装置は、糸が分断された時は、前記糸貯留部に巻き取られた糸端を吸引する引き出し部と、を具備するものである。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明の糸巻き取り装置であって、前記糸貯留装置は、前記糸貯留部の解舒側に取り付けられ、糸の解舒を補助する糸解舒補助部と、を具備するものである。
【0011】
第4の発明は、第1〜第3の発明に記載の糸巻き取り装置であって、前記糸貯留装置は、前記糸貯留装置に貯留された糸の貯留量を検出する糸貯留量検出部と、を具備するものである。
【0012】
第5の発明は、第1〜第4の発明に記載の糸巻き取り装置であって、前記糸貯留体は、ベルトであって、前記糸送り機構は、前記ベルトを駆動するプーリである。
【0013】
第6の発明は、第1〜第4の発明に記載の糸巻き取り装置であって、前記糸送り機構は、前記糸送り機構は、前記糸貯留体に対して揺動する揺動部材と、偏心して回転する回転軸と、を具備するものである。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明は、糸貯留体に巻き付けられた糸を、糸貯留部の巻き付け側から解舒側に向けて糸貯留部に巻き付けられた糸全体を送ることができ、巻き付けられる糸の間に等間隔の隙間を保持したまま搬送するので、貯留された糸層が絡み合うことがない。そのため、スラッフィングの発生を防止できる。
【0015】
第2の発明は、糸貯留体に巻き付けられた糸を、糸貯留部の巻き付け側から解舒側に向けて送り、巻き付けられる糸の間に等間隔の隙間を保持するため、貯留された糸層が絡み合うことがない。そのため、糸貯留体に巻き取られた糸端を吸引して引き出す時に、糸の絡み合いによる引き出し不良が発生することを防止できる。
【0016】
第3の発明は、糸解舒補助部では糸Yは1本のみしか通過することができない構成であるため、糸切れの発生を防止することができる。
【0017】
第4の発明は、糸貯留部に巻き付けられた正確な糸の長さを検出することができる。
【0018】
第5の発明は、糸貯留体に巻き付けられた糸を、糸貯留部の巻き付け側から解舒側に向けて送り、巻き付けられる糸の間に等間隔の隙間を保持するため、貯留された糸層が絡み合うことがない。そのため、スラッフィングの発生を防止できる。
【0019】
第6の発明は、糸貯留体に巻き付けられた糸を、糸貯留部の巻き付け側から解舒側に向けて送り、巻き付けられる糸の間に等間隔の隙間を保持するため、貯留された糸層が絡み合うことがない。そのため、スラッフィングの発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態である巻き取りユニットの全体的な構成を示す構成図。
【図2】同じく糸貯留装置の構成を示す構成図。
【図3】同じく糸解舒補助部の構成を示す構成図。
【図4】同じく吹き下げノズルの構成を示す構成図。
【図5】同じく糸貯留部の構成について示す構成図。
【図6】第2の実施形態である糸貯留部の構成について示す構成図。
【図7】同じく糸送り機構の作用を示す構成図。
【図8】同じく丸棒の作用を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を用いて、本発明の自動巻き取り装置の第1の実施形態である巻き取りユニット10について説明する。
巻き取りユニット10は、精紡機で紡糸された糸Yが巻かれた給糸ボビンB1の糸欠点を除去しつつパッケージPにして巻き取る装置である。巻き取りユニット10は、自動ワインダの機台の長手方向に並列に配置されている。
【0022】
巻き取りユニット10の構成について説明する。
巻き取りユニット10は、コントローラ5と、フレーム6と、給糸部20と、糸継部30と、糸欠陥検出部40と、糸貯留装置(アキュムレータ)100と、巻き取り部50と、を具備している。
【0023】
フレーム6は、巻き取りユニット10を構成する各装置を支持するものである。フレーム6は、巻き取り方向である上流側から下流側に向かって、給糸部20と、糸継部30と、糸欠陥検出部40と、糸貯留装置100と、巻き取り部50と、を支持している。
【0024】
コントローラ5は、フレーム6の内部に収容されている。コントローラ5は、巻き取りユニット10を構成する各装置と電気的に接続されている。コントローラ5は、給糸ボビンB1の糸欠点を除去しつつパッケージPにして巻き取るために、巻き取りユニット10を構成する各装置を制御する機能を有している。
【0025】
給糸部20は、ボビン供給装置(図示略)と、給糸ボビン保持部21と、糸解舒補助装置22と、ヤーンフィーラ23と、第1テンサ24と、を具備している。ボビン供給装置は、新たな給糸ボビンB1を給糸ボビン保持部21へ供給する装置である。給糸ボビン保持部21は、ボビン供給装置から給糸ボビンB1を受け取り保持する装置である。糸解舒補助装置22は、給糸ボビンB1からの糸の解舒を補助する装置である。ヤーンフィーラ23は、給糸ボビンB1から引き出される糸Yが無くなったことを検出するものである。第1テンサ24は、走行する糸Yに所定のテンションを付与するものである。
【0026】
糸継部30は、スプライサ装置31と、下糸案内パイプ32と、上糸案内パイプ33と、を具備している。スプライサ装置31は、後述するクリアラ41の糸欠陥検出時、あるいは、給糸ボビンB1からの解舒中の糸切れ時等に、給糸ボビンB1側の糸Y(下糸)と、パッケージP側の糸Y(上糸)とを糸継ぎする装置である。下糸案内パイプ32は、給糸ボビンB1側の下糸を捕捉して案内するものである。上糸案内パイプ33は、パッケージP側の上糸を捕捉して案内するものである。
【0027】
糸欠陥検出部40は、クリアラ41と、ワキシング装置42と、を具備している。クリアラ41は、糸Yの太さを適宜のセンサで監視することで欠陥を検出するものである。ワキシング装置42は、走行中の糸Yにワックス付けをする装置である。
【0028】
糸貯留装置(アキュムレータ)100は、給糸ボビンB1から送られてきた糸Yを貯留する装置である。糸貯留装置100について詳しくは後述する。
【0029】
巻き取り部50は、第2テンサ51と、巻き取りドラム52と、を具備している。第2テンサ51は、糸貯留装置100から解舒される糸Yのテンションを制御するものである。巻き取りドラム52は、糸Yをトラバースさせるとともに巻き取りボビンB2を回転させるものである。
【0030】
図2を用いて、糸貯留装置100について説明する。
糸貯留装置100は、糸解舒補助部110と、糸貯留量検出部120と、糸貯留部130と、糸巻き付け部140と、引き出し部150と、を具備している。
【0031】
上述したコントローラ5は、貯留上限センサ121と、貯留下限センサ122と、貯留最下限センサ123と、モータ143と、電磁弁152と、圧力空気発生装置153と、に接続されている。
【0032】
糸解舒補助部110について、詳細は後述する。
【0033】
糸貯留量検出部120の構成について説明する。
糸貯留量検出部120は、貯留上限センサ121と、貯留下限センサ122と、貯留最下限センサ123と、を具備している。貯留上限センサ121、貯留下限センサ122および貯留最下限センサ123は、糸貯留装置100の取り付けフレーム(図示略)に配置されている。
【0034】
貯留上限センサ121は、糸貯留部130の糸貯留量が上限糸貯留量になったときに、糸貯留部130に巻き付けられた糸Yの上端に対向する位置に配置されている。貯留下限センサ122は、糸貯留部130の糸貯留量が下限糸貯留量になったときに、糸貯留部130に巻き付けられた糸Yの上端に対向する位置に配置されている。貯留最下限センサ123は、糸貯留部130の糸貯留量が最下限糸貯留量になったときに、糸貯留部130に巻き付けられた糸Yの上端に対向する位置に配置されている。
【0035】
糸貯留部130について説明する。
糸貯留部130は、巻き付け側130Rと、解舒側130Fと、を具備している。巻き付け側130Rは、糸貯留部130の下側である。解舒側130Fは、糸貯留部130の上側である。糸貯留部130には、巻き付け側130Rから糸Yが巻き付けられ、解舒側130Fから糸Yが解舒される。なお、本実施形態の糸貯留部130は軸を上下方向と平行になるように配置されているが、軸が上下方向と傾斜して配置される場合もある。また、糸貯留部130について、詳細は後述する。
【0036】
糸巻き付け部140の構成について説明する。
糸巻き付け部140は、巻き付けアーム141と、バランサ142と、モータ143と、出力軸145と、を具備している。巻き付けアーム141は、出力軸145の外周から外向きかつ上向きに延設され、糸貯留部130の表面に向かって湾曲するように構成されている。巻き付けアーム141は、パイプ形状に形成され、内部に糸Yが走行可能な糸経路が形成されている。巻き付けアーム141は、糸貯留部130に対して回転可能に構成されている。
【0037】
バランサ142は、出力軸145の軸方向において出力軸145を中心として、巻き付けアーム141対向する側に配置されている。バランサ142は、出力軸145と一体的に形成されている。モータ143は、巻き付けアーム141、バランサ142および出力軸145を回転するように構成されている。出力軸145は、パイプ形状に形成され、内部に糸Yが走行可能な糸経路が形成されている。出力軸145に形成される糸経路は、巻き付けアーム141に形成される糸経路と連通している。
【0038】
引き出し部150の構成について説明する。
引き出し部150は、吹き下げノズル151と、電磁弁152と、圧力空気発生装置153と、接続パイプ154と、を具備している。吹き下げノズル151について、詳しくは後述する。圧力空気発生装置153は、圧力空気を発生させる装置である。接続パイプ154は、圧力空気発生装置153と吹き下げノズル151とを接続している。接続パイプ154には、内部に流路が形成されている。電磁弁152は、接続パイプ154の途上に配置されている。なお、引き出し部150の作用については、詳しくは後述する。
【0039】
図3を用いて、糸解舒補助部110について説明する。
なお、図3(A)は、糸解舒補助部110の平面図を示している。また、図3(B)は、図3(A)のS1−S1断面図を示している。
【0040】
糸解舒補助部110の構成について説明する。
糸解舒補助部110は、ガイド部材111と、リング部材112と、ゴム部材113と、を具備している。ガイド部材111は、糸貯留部130の上方に配置されている。ガイド部材111は、円盤形状に形成されている剛体である。ガイド部材111の側面周囲111Aの断面形状は、円弧形状に形成されている。リング部材112は、リング形状に形成されている。ゴム部材113は、リング形状に形成されている柔軟な弾性部材である。ゴム部材113の外周側は、リング部材112の内周側に固定して配置されている。ゴム部材113の内周側は、ガイド部材111の側面周囲111Aと隙間無く密着して配置されている。
【0041】
図4を用いて、吹き下げノズル151について説明する。
吹き下げノズル151は、出力軸145と接続パイプ154とを接続するものである。吹き下げノズル151には、糸流路151Aと、吹き下げ流路151Bと、が形成されている。糸流路151Aは、出力軸145に形成される糸経路と連通している。吹き下げ流路151Bは、接続パイプ154の流路と連通している。吹き下げ流路151Bは、下向きに傾斜して、すなわち上流側(糸継部30および糸欠陥検出部40)に向かって糸流路151Aと接続されている。
【0042】
図5を用いて、糸貯留部130について説明する。
糸貯留部130の構成について説明する。
糸貯留部130は、4つの無端ベルト搬送装置131・131・131・131と、を具備している。無端ベルト搬送装置131・131・131・131は、巻き付け側130Rから解舒側130Fに向く糸搬送方向へ糸Yを送ることができる。糸搬送方向において、方形の四隅となる位置にそれぞれ配置されている。糸貯留部130には、巻き付け側130Rから糸Yが巻き付けられ、解舒側130Fから糸Yが解舒される。
【0043】
無端ベルト搬送装置131は、ベルト132と、糸送り出し機構としての駆動プーリ134と、従動プーリ133と、を具備している。ベルト132は、駆動プーリ134と従動プーリ133とに張架されている。ベルト132は、糸貯留体としてのベルト外側132Fと、ベルト内側132Eと、を具備している。
【0044】
ベルト外側132Fは、糸貯留部130の平面視において方形の四隅を構成するベルト132である。ベルト外側132Fには、糸Yが巻き付けられる。ベルト内側132Eは、糸貯留部130の糸搬送方向(出力軸145の軸方向)において方形の四隅を構成しないベルト132である。ベルト内側132Eには、糸Yが触れることがないように構成されている。
【0045】
駆動プーリ134は、駆動機構(図示略)によって回転駆動される。駆動機構は、コントローラ5に接続されている。駆動プーリ134は、ベルト外側132Fが巻き付け側130Rから解舒側130Fへ向かうようにベルト132を駆動する。
【0046】
糸貯留部130の作用について説明する。
すなわち、コントローラ5は、上述したように巻き付けアーム141を回転させ、巻き付けアーム141の糸経路内に導かれた糸Yは、ベルト外側132Fの周囲に巻き付けられる。このとき、コントローラ5は、駆動機構によって駆動プーリ134を駆動し、ベルト外側132Fが巻き付け側130Rから解舒側130Fへ向かうようにベルト132を駆動する。ベルト外側132Fの周囲に巻き付けられた糸Y全体が、等間隔の隙間を保持したまま、ベルト外側132Fの巻き付け側130Rから解舒側130Fに向けて送られる。
【0047】
糸貯留部130の効果について説明する。
すなわち、糸貯留部130によれば、ベルト外側132Fに順次巻き付けられた糸全体に巻き付け側130Rから解舒側130Fに向かう搬送力を付与することができるので、糸層の間に等間隔の隙間を保持したまま、ベルト外側132Fの巻き付け側130Rから解舒側130Fに向く方向(糸搬送方向へ)糸Yを送ることができる。そのため、貯留された糸層が絡み合うことがなく、毛羽と毛羽とが絡み合い、糸の解舒時にスラッフィングが発生することがない。
【0048】
糸貯留量検出部120の作用および効果について説明する(図2参照)。
すなわち、コントローラ5は、貯留上限センサ121、貯留下限センサ122および貯留最下限センサ123からの対向する位置の糸Yの存在を受信し、糸貯留部130に巻き付けられた糸Yの長さを検出することができる。このようにして、糸貯留量検出部120によれば、正確な糸貯留量を算出できる。また、本実施形態の糸貯留部130は、均等な間隔を空けて糸Yを搬送することができるため、糸Yが巻き付けられる周長と、間隔と、を算出することで正確な糸貯留量を算出できる。
【0049】
糸解舒補助部110の作用および効果について説明する(図3参照)。
すなわち、糸貯留部130から解舒された糸Yは、ゴム部材113の内周側と、ガイド部材111の側面周囲111Aとの間を通過して、巻き取り部50によって巻き戻される。このとき、剛体であるガイド部材111と、弾性体であるゴム部材113とは隙間無く密着して配置されているため、糸Yは1本のみしか通過することができない。そのため、糸Yがまとめて解舒されることがない。このようにして、糸解舒補助部110によれば、糸切れの発生を防止することができる。
【0050】
引き出し部150の作用について説明する(図2および図4参照)。
ここで、糸貯留装置100において糸切れが発生し、糸貯留部130には糸端が存在しているものと仮定する。コントローラ5は、圧力空気発生装置153を作動させ、電磁弁152を開弁させることによって、出力軸145と接続パイプ154とを連通させる。出力軸145と接続パイプ154との連通によって、吹き下げノズル151の吹き下げ流路151Bには圧力空気発生装置153から吹き下げノズル151に向かう空気流が形成される(図4における矢印B)。
【0051】
吹き下げノズル151の圧力空気発生装置153からの空気流によって、出力軸145および巻き付けアーム141の糸経路151Aには、下流から上流に向かう空気流が形成される(図4における矢印A)。出力軸145および巻き付けアーム141の糸経路の下流から上流に向かう空気流は、糸貯留部130の糸端を引き込む。そして、コントローラ5は、巻き付けアーム141が糸貯留部130の糸端を引き込んだ状態で、モータ143によって、巻き付けアーム141を出力軸145の軸方向において逆時計回りに回転させる。さらに、糸貯留部130の糸端は、糸継部30において、上糸案内パイプ33によって捕捉して、スプライサ装置31に案内され、給糸ボビンB1側の糸Yと糸継ぎされる(図2参照)。
【0052】
引き出し部150の効果について説明する。
すなわち、引き出し部150によれば、糸貯留装置100において糸切れが発生した時は、糸貯留部130の糸端を上流側に引き出すことができる。また、本実施形態の糸貯留部130によれば貯留された糸層が絡み合うことがないため、糸貯留部130に巻き取られた糸端を吸引して引き出す時に、糸の絡み合いによる引き出し不良が発生することを防止できる。
【0053】
なお、本実施形態の糸貯留部130は、糸搬送方向において、方形の四隅を構成するベルトに巻き付けられた方形の巻き付け形状とする構成としたが、これに限定されない。例えば、ベルト間にガイド等を設けて円形の巻き付け形状とする構成としても良い。
【0054】
図6〜8を用いて、第2の実施形態の糸貯留部230について説明する。
なお、糸貯留部230を除く他の部材は第1の実施形態と共通であるため説明を省略する。
【0055】
図6を用いて、糸貯留部230の構成について説明する。
糸貯留部230は、糸送り機構231と、糸貯留体236と、を具備している。糸送り機構231について、詳しくは後述する。糸貯留体236は、本体237と、複数の支持部材238と、を具備している。本体237は、円盤形状に構成されている。支持部材238は、短冊形状に構成され、本体237の周囲に所定の間隔を設けて上向きに立設されている。
【0056】
糸送り機構231と糸貯留体236とは、略同軸上に配置されるものとする。糸送り機構231と糸貯留体236とは、糸送り機構231の丸棒232が、後述する糸貯留体236の支持部材238の間に配置するように、それぞれが配置されるものとする。糸貯留部230には、巻き付け側230Rから糸Yが巻き付けられ、解舒側230Fから糸Yが解舒される。
【0057】
図7を用いて、糸送り機構231について説明する。
なお、図7(A)から図7(C)までは、軸234Aが90°毎に回転する様子を示している。
【0058】
糸送り機構231の構成について説明する。
糸送り機構231は、丸棒232と、本体233と、軸234Aと、プレート234Pと、偏心軸234Bと、傾斜軸234Cと、モータ235と、を具備している。本体233は、円盤形状に構成され、糸貯留体236の上方において、糸貯留体236と略同軸上に配置されている。丸棒232は、本体233の周囲に所定の間隔を設けて下向きに立設されている。モータ235は、本体233の下方において、本体233とは偏心して配置されている。モータ235は、コントローラ5に接続されている。なお、本発明の揺動部材は、丸棒232と、本体233と、傾斜軸234Cと、で構成されている。また、丸棒232および支持部材238は、面で糸Yを支持する平板の構成であっても良い。
【0059】
軸234Aは、モータ235によって駆動する構成とされている。プレート234Pは、円盤形状に構成されている。プレート234Pの中心は、軸234Aに固定して配置されている。偏心軸234Bは、プレート234Pに偏心して固定して配置されている。傾斜軸234Cは、偏心軸234Bに対して所定角度傾斜して配置されている。傾斜軸234Cは、偏心軸234Bに対して固定して配置されている。また、傾斜軸234Cは、周方向については、本体233に対して摺動可能に構成されている。一方、傾斜軸234Cは、軸方向については、本体233に対して移動できないようにされている。
【0060】
糸送り機構231の作用について説明する。
まず、偏心軸234Bに対する傾斜軸234Cの作用について説明する。上述したように、傾斜軸234Cは、偏心軸234Bに対して所定角度傾斜して配置されている。そのため、傾斜軸234Cは、偏心軸234Bが回転するとき、揺動する。
【0061】
次に、軸234Aに対する偏心軸234Bの作用について説明する。上述したように、偏心軸234Bは、プレート234Pを介して、軸234Aとは偏心して固定して配置されている。そのため、偏心軸234Bは、軸234Aが回転するとき、偏心して回転する。
【0062】
軸234Aに対する本体233の作用について説明する。上述したように、傾斜軸234Cは、偏心軸234Bが回転するときに揺動し、偏心軸234Bは、軸234Aが回転するときに偏心して回転する。そのため、本体233は、軸234Aが回転するとき、揺動しながら偏心する。
【0063】
図8を用いて、丸棒232の作用について説明する。
なお、図8(A)は、丸棒232の軸方向の作用を示している。また、図8(B)は、丸棒232の側面視の作用を示している。さらに、図8(C)は、丸棒232の作用を図6におけるS2−S2断面から見た側面視の作用を示している。
【0064】
上述したように、丸棒232は、隣接して配置された2つの支持部材238・238の間に配置される。また、本体233は、軸234Aが回転するとき、揺動しながら偏心する。そのため、丸棒232は、軸234Aが回転するとき、本体233の偏心回転に伴って、支持部材238と支持部材238との間において、回転する。同時に、丸棒232は、軸234Aが回転するとき、本体233の揺動に伴って、隣接して配置された2つの支持部材238・238の間にて揺動する。
【0065】
実際には、丸棒232の下端は、軸234Aが回転するとき、隣接して配置された2つの支持部材238・238の間において、上述した回転と揺動とが組み合わさって、傾いた楕円(以下、仮想楕円R)を描くように回転する。丸棒232の下端の回転によって、糸Yは、斜め上方に搬送されている。より具体的には、丸棒232の下端の回転によって、丸棒232Aの状態におけるPの位置にある糸Yは、丸棒232Bの状態におけるPの位置まで搬送される(図8(B)参照))。このようにして、糸Yは、糸貯留体236において斜め上方に搬送される。さらに、糸Yは、丸棒232Cの状態になる前に、支持部材238に渡される。同時に、仮想楕円Rは、図6のS2−S2断面からみた側面視では、糸貯留体236の外側に向かう側が高くなるように傾斜している(図8(C)参照))。なお、仮想楕円Rに沿った矢印は丸棒232の進行方向を示している。
【0066】
糸貯留部230の作用について説明する。
すなわち、コントローラ5は、上述したように巻き付けアーム141を回転させ、巻き付けアーム141の糸経路内に導かれた糸Yは、糸貯留体236の支持部材238の周囲に巻き付けられる。このとき、コントローラ5は、モータ235によって軸234Aを回転駆動し、丸棒232を、支持部材238と支持部材238との間において、外側かつ進行方向に向かう側が高くなるように傾いた楕円を描くように回転させる。
【0067】
このとき、支持部材238の周囲に巻き付けられている糸Yは、丸棒232によってすくい上げられ、所定距離だけ、糸貯留部230の巻き付け側230Rから解舒側230Fに向けて送られ、支持部材238に渡される。つまり、支持部材238の周囲に巻き付けられている糸Y全体が、等間隔の隙間を保持したまま、糸貯留部230の巻き付け側230Rから解舒側230Fに向けて送られる。
【0068】
糸貯留部230の効果について説明する。
すなわち、糸貯留部230によれば、支持部材238に順次巻き付けられた糸全体に巻き付け側230Rから解舒側230Fに向かう搬送力を付与することができるので、糸層の間に等間隔の隙間を保持したまま、糸貯留部230の巻き付け側230Rから解舒側230Fに向けて糸Yを送ることができる。そのため、貯留された糸層が絡み合うことがなく、毛羽と毛羽とが絡み合い、糸の解舒時にスラッフィングが発生することがない。また、糸貯留部230から巻き取り部50が糸Yを解舒するときに、糸切れすることがない。さらに、引き出し部150が糸貯留部230から糸端を引き出すときに、貯留された糸Yが絡み合うことがないため、糸貯留部230に巻き取られた糸端を吸引して引き出すときに、糸Yの絡み合いによる引き出し不良が発生することはない。
【符号の説明】
【0069】
10 巻き取りユニット(糸巻き取り装置)
100 糸貯留装置
110 糸解舒補助部
120 糸貯留量検出部
130 糸貯留部
130F 解舒側
130R 巻き付け側
140 糸巻き付け部
150 引き出し部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精紡機で紡糸された糸が巻かれた給糸ボビンの糸欠点を除去しつつパッケージを巻き返す糸巻き取り装置であって、
前記給糸ボビンを支持する給糸部と、
前記給糸ボビンの糸を巻き取って貯留する糸貯留装置と、
前記貯留部に貯留された糸を所定の巻き取り糸速度で巻き取って前記パッケージを形成する巻き取り部と、
糸欠陥を監視する糸欠陥検出部と、
糸が分断された時に、分断された糸端をつなぐ糸継部と、
を具備し、
前記糸貯留装置は、
糸を貯留する糸貯留部と、
回転しつつ前記糸貯留部に糸を巻き付ける糸巻き付け部と、
を具備し、
前記糸貯留部は、
糸が巻き付けられる糸貯留体と、
前記糸貯留体に巻き付けられた糸全体に巻き付け側から解舒側に向かう搬送力を付与する糸送り機構と、
を具備する、
糸巻き取り装置。
【請求項2】
請求項1に記載の糸巻き取り装置であって、
前記糸貯留装置は、
糸が分断された時は、前記糸貯留部に巻き取られた糸端を吸引する引き出し部と、
を具備する、
糸巻き取り装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の糸巻き取り装置であって、
前記糸貯留装置は、
前記糸貯留部の解舒側に取り付けられ、糸の解舒を補助する糸解舒補助部と、
を具備する、
糸巻き取り装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の糸巻き取り装置であって、
前記糸貯留装置は、
前記糸貯留装置に貯留された糸の貯留量を検出する糸貯留量検出部と、
を具備する、
糸巻き取り装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の糸巻き取り装置であって、
前記糸貯留体は、ベルトであって、
前記糸送り機構は、前記ベルトを駆動するプーリである
糸巻き取り装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の糸巻き取り装置であって、
前記糸送り機構は、
前記糸貯留体に対して揺動する揺動部材と、
偏心して回転する回転軸と、
を具備する、
糸巻き取り装置。
【請求項1】
精紡機で紡糸された糸が巻かれた給糸ボビンの糸欠点を除去しつつパッケージを巻き返す糸巻き取り装置であって、
前記給糸ボビンを支持する給糸部と、
前記給糸ボビンの糸を巻き取って貯留する糸貯留装置と、
前記貯留部に貯留された糸を所定の巻き取り糸速度で巻き取って前記パッケージを形成する巻き取り部と、
糸欠陥を監視する糸欠陥検出部と、
糸が分断された時に、分断された糸端をつなぐ糸継部と、
を具備し、
前記糸貯留装置は、
糸を貯留する糸貯留部と、
回転しつつ前記糸貯留部に糸を巻き付ける糸巻き付け部と、
を具備し、
前記糸貯留部は、
糸が巻き付けられる糸貯留体と、
前記糸貯留体に巻き付けられた糸全体に巻き付け側から解舒側に向かう搬送力を付与する糸送り機構と、
を具備する、
糸巻き取り装置。
【請求項2】
請求項1に記載の糸巻き取り装置であって、
前記糸貯留装置は、
糸が分断された時は、前記糸貯留部に巻き取られた糸端を吸引する引き出し部と、
を具備する、
糸巻き取り装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の糸巻き取り装置であって、
前記糸貯留装置は、
前記糸貯留部の解舒側に取り付けられ、糸の解舒を補助する糸解舒補助部と、
を具備する、
糸巻き取り装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の糸巻き取り装置であって、
前記糸貯留装置は、
前記糸貯留装置に貯留された糸の貯留量を検出する糸貯留量検出部と、
を具備する、
糸巻き取り装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の糸巻き取り装置であって、
前記糸貯留体は、ベルトであって、
前記糸送り機構は、前記ベルトを駆動するプーリである
糸巻き取り装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の糸巻き取り装置であって、
前記糸送り機構は、
前記糸貯留体に対して揺動する揺動部材と、
偏心して回転する回転軸と、
を具備する、
糸巻き取り装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−188255(P2012−188255A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54281(P2011−54281)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
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