紐・ペレットおよび紐・ペレットの製造方法並びにそれらの製造装置
【課題】 品質劣化がなく、見掛け比重が大きなペレットの製造装置を提供する。
【解決手段】 (a) 1または複数の帯状長尺連続材R及び/又は複数の糸状長尺連続材Rを細幅に集束させて紐状集束材R'を形成する集束部16と、(b) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材R''を点圧縮して紐Sを形成する一対の圧縮用ローラ50a,50bを有する圧縮部22と、(c) 集束部16或いは圧縮部22を相対的に回転させることにより紐状集束材R'を捩ってコヨリ状紐材R''を形成する回転部14と、(d) 圧縮部22の出口側に設けられ、点圧縮されて形成された紐Sを所定間隔でペレット状に切断する切断部102とで構成されていることを特徴とするペレットの製造装置100である。
【解決手段】 (a) 1または複数の帯状長尺連続材R及び/又は複数の糸状長尺連続材Rを細幅に集束させて紐状集束材R'を形成する集束部16と、(b) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材R''を点圧縮して紐Sを形成する一対の圧縮用ローラ50a,50bを有する圧縮部22と、(c) 集束部16或いは圧縮部22を相対的に回転させることにより紐状集束材R'を捩ってコヨリ状紐材R''を形成する回転部14と、(d) 圧縮部22の出口側に設けられ、点圧縮されて形成された紐Sを所定間隔でペレット状に切断する切断部102とで構成されていることを特徴とするペレットの製造装置100である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状或いは糸状の長尺連続材を利用した紐・ペレット、紐・ペレットの製造方法並びにそれらの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境問題に対する意識の向上やコスト削減等の観点から、樹脂製品の成形現場では、成形過程で発生する多量の不良品(例えば、試運転時の適正な規格製品が成形できるまでの生産準備段階での成形品や、成形時のトラブルによる不良品)等を原料として再利用することが一般に行われている。
【0003】
この一例として、例えば特許文献1には、成形不良品(或いはロス原料)である長尺の樹脂材から再生原料としての樹脂ペレットを製造する技術が開示されている。
【特許文献1】特開昭49−9560号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術(特許文献1)では、テープ状の樹脂材を紐状にしたものを電極ロールにて加熱熔融することによってその形状を保持させ、然る後、前記紐状の樹脂材を切断機にて所定長さに切断することにより樹脂ペレットを成形するようにしていた。
【0005】
しかしながら、従来技術では、樹脂材の加熱熔融時に熱のかけすぎによって品質が劣化(樹脂材の変質或いは焼け焦げの発生など)してしまうという問題があった。
【0006】
また、テープ状の樹脂材を紐状にする際には空気抜き等の処理を特別には行っておらず、加熱熔融後の樹脂内部には多量の空気が含まれてしまう。つまり、得られる樹脂ペレットは、空気を含有した分だけ中実のバージンペレットと比較してその見掛け比重が小さい。それ故、成形機のホッパに再生樹脂ペレットと中実のバージンペレットとを混ぜて投入した場合、見掛け比重の小さい再生樹脂ペレットは、比重の大きい中実体に押されて浮き上がってしまい、バージンペレットに比べて成形機への供給がされにくいという問題点や、空気の含有量が多いために混練されている溶融樹脂の空気の含有量が多くなり、再生樹脂ペレットを原料として利用する場合、正確な計量が困難であるという問題もあった。
【0007】
それ故、本発明の目的は、品質劣化がなく、見掛け比重が高く、且つ、均一なペレット、前記ペレットの製造方法及びその製造装置を提供することにあり、更に他の目的は、前記ペレットの前段階であり且つそれ自体締結力に優れている紐、前記紐の製造方法及びその製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、「1または複数の帯状長尺連続材(R)が細幅に集束させられると共にコヨリ状に捩られ、且つ、その表面に所定間隔を隔てて圧痕(Y)が形成されている」ことを特徴とする紐(S)である。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、「複数の糸状長尺連続材(R)が1本に集束させられると共にコヨリ状に捩られ、且つ、その表面に所定間隔を隔てて圧痕(Y)が形成されている」ことを特徴とする紐(S)である。
【0010】
これらの発明では1または複数の帯状長尺連続材(R)、或いは複数の糸状長尺連続材(R)がコヨリ状に捩られているので、得られた紐(S)の内部にはほとんど空気が存在しない。また、紐(S)の表面には圧痕(Y)が形成されているので、紐(S)を構成している層状の長尺連続材(R)同士が圧着され、紐(S)が膨れたりほぐれたりすることはない。さらにまた、紐(S)を結ぶ際には、圧痕(Y)が滑り止めとして機能するので結び目がほどけにくい。
【0011】
なお、請求項3に記載したように「帯状長尺連続材(R)又は糸状長尺連続材(R)が、廃棄処分品である」場合には、廃棄処分品である帯状又は糸状長尺連続材(R)を紐(S)とすることで新たな利用用途が生まれるし、また、廃棄処分するにしても、廃棄処分品である長尺連続材(R)を捩って圧縮しているので廃棄処分品全体の嵩が小さくなり、廃棄処分品の廃棄時における減容効果が得られる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、「請求項1から3の何れかに記載の紐(S)を所定長さでペレット状に切断して形成された」ことを特徴とするペレット(P)である。
【0013】
この発明では、内部に空気が殆ど存在しない紐(S)を切断することにより、見掛け比重の大きなペレット(P)を得ることができる。なお、紐(S)の捩り度合いがその全長に亘って一定であれば、これを切断して得られるペレット(P)の見掛け比重は一定であり、高品質な再生ペレット(P)を得ることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、「1または複数の帯状長尺連続材(R)を細幅に集束すると共にこれを捩ってコヨリ状紐材(R'')を形成し、外周面に凹凸が形成された一対の圧縮用ローラ(50a)(50b)にてコヨリ状紐材(R'')を圧縮する」ことを特徴とする紐(S)の製造方法である。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、「複数の糸状長尺連続材(R)を1本に集束すると共にこれを捩ってコヨリ状紐材(R'')を形成し、外周面に凹凸が形成された一対の圧縮用ローラ(50a)(50b)にてコヨリ状紐材(R'')を圧縮する」ことを特徴とする紐(S)の製造方法である。
【0016】
これらの発明では、1または複数の帯状長尺連続材(R)を細幅に集束する、或いは、複数の糸状長尺連続材(R)を1本に集束するとともにこれを捩っているので、長尺連続材(R)の層間に存在する空気が外部に押し出されて得られた紐(S)の内部にはほとんど空気が存在しない。また、これにより得られたコヨリ状紐材(R'')は、太く、まとまりのある1本の紐材として構成されるため、このコヨリ状紐材(R'')を圧縮用ローラ(50a)(50b)にて圧縮することで、圧縮比が高い非常に丈夫な紐(S)を形成することができる。
【0017】
また、得られた紐(S)の外周面には、圧縮用ローラ(50a)(50b)の外周面に形成された凹凸形状に応じて圧痕(Y)が形成されることになるが、紐(S)を構成している層状の長尺連続材(R)同士がこの圧痕(Y)によって互いに圧着されるので、紐(S)が膨らんだりほぐれたりすることはない。なお、紐(S)の表面に形成された圧痕(Y)は滑り止めとしても機能するので、紐(S)を結んだ時に、結び目がほどけにくくなる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、「請求項5または6に記載の方法により得られた紐(S)を所定長さでペレット状に切断する」ことを特徴とするペレット(P)の製造方法である。
【0019】
この発明では、内部に空気が殆ど存在しない紐(S)を切断することにより、見掛け比重の大きなペレット(P)を得ることができる。なお、紐(S)を形成する際に、その捩り度合いをその全長に亘って一定になるようにしておけば、ペレット(P)の見掛け比重を均一にすることができる。
【0020】
また、本発明方法では、捩り工程と圧縮工程によって得られた紐(S)を切断するだけでペレット(P)が得られるので、従来のような加熱工程を必要とはしない。したがって、加熱に伴うペレット(P)の品質劣化が生じることはない。
【0021】
請求項8に記載の発明は、「(a) 1または複数の帯状長尺連続材(R)及び/又は複数の糸状長尺連続材(R)を細幅に集束させて紐状集束材(R')を形成する集束部(16)(16')と、(b) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材(R'')を点圧縮して紐(S)を形成する一対の圧縮用ローラ(50a)(50b)を有する圧縮部(22)(22')と、(c) 集束部(16)(16')或いは圧縮部(22)(22')を相対的に回転させることにより紐状集束材(R')を捩ってコヨリ状紐材(R'')を形成する回転部(14)(14')とで構成されている」ことを特徴とする紐の製造装置(10A)(10B)である。
【0022】
また、請求項9に記載の発明は、「(a) 帯状長尺連続材(R)及び/又は糸状長尺連続材(R)を筒軸(X)に巻き上げた1または複数の長尺連続材巻上体(W)と、(b) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材(R'')を点圧縮して紐(S)を形成する一対の圧縮用ローラ(50a)(50b)を有する圧縮部(22')と、(c) 長尺連続材巻上体(W)或いは圧縮部(22')を相対的に回転させることにより長尺連続材巻上体(W)から引き出された長尺連続材(R)を捩ってコヨリ状紐材(R'')を形成する回転部(14')とで構成されている」ことを特徴とする紐の製造装置(10C)である。
【0023】
さらにまた、請求項10に記載の発明は、「(a) 1または複数の帯状長尺連続材(R)及び/又は複数の糸状長尺連続材(R)を細幅に集束させて紐状集束材(R')を形成する集束部(16)と、(b) 外周面が紐状集束材(R')と当接するように紐状集束材(R')の周囲に所定間隔を隔てて螺旋状に配列された複数の捩り用ローラ(158)を有し、各捩り用ローラ(158)が同方向に回転することにより紐状集束材(R')を捩ってコヨリ状紐材(R'')を形成する捩り形成部(152)と、(c) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材(R'')を点圧縮して紐(S)を形成する一対の圧縮用ローラ(50a)(50b)を有する圧縮部(22')とで構成されている」ことを特徴とする紐の製造装置(10D)である。
【0024】
これらの発明において、紐状集束材(R')を捩ると、層状になった紐状集束材(R')の間に存在していた空気が外部に押し出される。そして、太く、まとまりのある1本の帯材として構成されたコヨリ状紐材(R'')が圧縮部(22)(22')にて圧縮される。したがって、圧縮比が高く、非常に丈夫な紐(S)を形成することができる。
【0025】
また、圧縮時には、紐(S)の外周面に圧痕(Y)を形成できるので、この圧痕(Y)が紐(S)を構成している層状の長尺連続材(R)同士を圧着する。したがって、紐(S)が膨らんだりほぐれたりすることはない。
【0026】
なお、請求項11に記載したように「(a) コヨリ状紐材(R'')を筒軸(X)に巻き上げたコヨリ状紐材巻上体(W')を保持するコヨリ状紐材巻上体保持部(190)」と、「(b) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材巻上体(W')から引き出されたコヨリ状紐材(R'')を点圧縮して紐(S)を形成する一対の圧縮用ローラ(50a)(50b)を有する圧縮部(22')」とで紐の製造装置(10E)を構成するようにしてもよく、この場合にも、前述同様、非常に上部な紐(S)を形成することができる。
【0027】
請求項12に記載の発明は、「(a) 請求項8から11の何れかに記載の紐の製造装置(10A)〜(10E)と、(b) 各紐の製造装置(10A)〜(10E)を構成している圧縮部(22)(22')の出口側に設けられ、点圧縮されて形成された紐(S)を所定間隔でペレット状に切断する切断部(102)(222)とで構成されている」ことを特徴とするペレットの製造装置(100)である。
【0028】
この発明において、その内部に空気が殆ど存在せず、且つ、圧縮比が高い紐(S)を切断することにより、見掛け密度の大きなペレット(P)を形成することができる。なお、紐状集束材(R')の捩り度合いを一定にすれば、コヨリ状紐材(R'')の太さがその全長に亘って均一となるため、ペレット(P)の見掛け比重の値が均一となる。
【0029】
また、ペレット(P)の外周面には、圧痕(Y)が形成されており、この圧痕(Y)がペレット(P)を構成している層状の長尺連続材(R)同士を圧着できる。したがって、ペレット(P)が膨れたりほぐれたりすることはない。
【0030】
請求項13に記載の発明は、「(a) 1または複数の帯状長尺連続材(R)及び/又は複数の糸状長尺連続材(R)を細幅に集束させて紐状集束材(R')を形成するとともに、その送り方向を途中で反転させた後圧縮部(220)にガイドする回転フレーム(218)と、(b) 回転フレーム(218)を、その回転軸が紐状集束材(R')の送り方向と略並行となるように回転させることにより紐状集束材(R')を捩ってコヨリ状紐材(R'')を形成する回転部(204)と、(c) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材(R'')を点圧縮して紐(S)を形成する一対の圧縮用ローラ(50a)(50b)を有する圧縮部(220)と、(d) 圧縮部(220)の出口側に設けられ、点圧縮されて形成された紐(S)を所定間隔でペレット状に切断する切断部(222)とで構成されている」ことを特徴とするペレットの製造装置(200)である。
【0031】
この発明においても、その内部に空気が殆ど存在せず、且つ、圧縮比が高い紐(S)を切断することにより、見掛け密度の大きなペレット(P)を形成することができる。なお、この発明では、紐状集束材(R')の送り方向を途中で反転させているので、回転フレーム(218)が1回転すると、紐状集束材(R')は2回捩られることになる。
【発明の効果】
【0032】
請求項1〜3、5〜6および8〜11に記載の発明によれば、圧縮比が高く、非常に丈夫な紐を得ることができる。また、紐の表面に形成された圧痕の存在により紐が膨れたりほぐれたりすることはなく、その形状を長期に亘り保持することができる。なお、当該圧痕は、滑り止めとしても機能するので、紐を結んだ時に結び目がほどけるのを防止できる。
【0033】
請求項4、7、12および13に記載の発明によれば、見かけ比重が大きいペレットを得ることができる。なお、紐状集束材の捩り度合いを一定にしておけば、ペレットの見掛け比重を均一にすることができる。また、紐の表面には圧痕が形成されており、紐を構成している層状の長尺連続材の構成材同士が圧着されるので、ペレットが膨れたりほぐれたりすることはなく、その形状を長期に亘り保持することができる。さらに、従来のような加熱工程が含まれていないので、品質劣化のない高品質なペレットを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明を図示実施例に従って詳述する。本発明にかかる紐の製造装置(10)は第1〜第5実施例(10A)〜(10E)があり、以下これらを図面に従って順次説明する。本発明の説明は第1実施例(10A)を代表例とし、第2実施例以降(10B)(10C)…は説明の繁雑さを回避するために共通部分は省略して、異なる部分のみを説明するものとする。
【実施例1】
【0035】
第1実施例の紐の製造装置(10A)は、図1に示すように2個(勿論、1個でも良いし、3個以上であってもよい)の長尺連続材巻上体(W)から長尺連続材(R)を引き出し、この長尺連続材(R)を材料として紐(S)を製造するものである。
【0036】
ここで、長尺連続材巻上体(W)の1例を示すと、図6に示すように、長尺連続材(R)を筒軸(X)に巻き上げたものである。長尺連続材(R)の材質は、捩ることができ、且つ、その表面に点状に圧痕(Y)を形成し、この圧痕(Y)部分を形成する部分が互いに融着或いは接着して撚りを維持することができるようなものであればどのようなものであってもよく、本実施例では、厚み10〜100μm、幅10〜100mmの合成樹脂フィルム(低密度(或いは高密度)ポリエチレン樹脂)や、自動織機にて機織される布の両側端のカット部分(通常、耳端と呼ばれている部分で、複数本の縦糸に短い横糸が絡まったもの)が使用される。勿論、これらに限られず、前述の条件が達成できるものであれば紙でもよい。ここで、合成樹脂フィルムのようなものを帯状長尺連続材とし、耳端のようなものを糸状長尺連続材と呼ぶ。区別をしない場合は単に長尺連続材と呼ぶ。
【0037】
また、紐(S)は、図7に示すように、コヨリ状に捩った長尺連続材(R)の外周面に凹状圧痕(Y)を形成したものである。なお、前記凹状は、略U状、略V状や略コ状等の形状も含む概念である。
【0038】
紐の製造装置(10A)は、図1に示すように、装置本体(12)、回転部(14)、集束部(16)および紐回収部(18)を備えている。
【0039】
装置本体(12)は、フレーム(20)と圧縮部(22)とで構成されている。フレーム(20)は、装置本体(12)の骨格となる部分であり、細長の棒状部材(例えば、L字型鋼)にて形成された複数(本実施例では4本)の支柱(20a)と、支柱(20a)の上端部に設けられた上部プレート(20b)と、支柱(20a)の高さ方向の略中間部位に設けられた中間プレート(20c)とを備えており、上部プレート(20b)には、上側軸受部材(26)が固定されており、中間プレート(20c)には下側軸受部材(28)が固定されている。
【0040】
圧縮部(22)は、図2〜図3に示すように、下部テーブル(30)、上部テーブル(32)およびローラ取付プレート(34)を有する。
【0041】
下部テーブル(30)は、円盤状の部材であり、その中心には孔(36)が形成されている。下部テーブル(30)の下面側には、孔(36)の内径と略等しい内径を有する筒状の軸体(38)が孔(36)の位置に合わせて取り付けられており、この軸体(38)の下端部が下側軸受部材(28)に回転自在に支持されている。なお、軸体(38)の中段部分には、従動プーリ(40)が一体的に設けられている。
【0042】
下部テーブル(30)の上面には、ローラ取付プレート(34)および複数(本実施例では3本)の支柱(42)が立設されており、この支柱(42)の上端部に上部テーブル(32)が取り付けられている。
【0043】
上部テーブル(32)は、下部テーブル(30)と略等しい大きさに形成された円盤状の部材であり、その中心には孔(44)が形成されている。上部テーブル(32)の上面側には、孔(44)の内径と略等しい内径を有する筒状の軸体(46)が、孔(44)の位置に合わせて取り付けられており、この軸体(46)の上端部が上側軸受部材(26)に回動自在に支持されている。そして、軸体(46)の中段部分には、後述するモータ(56)に電力を供給するためのスリップリング(48)が取り付けられており、フレーム(20)側の固定側に設けられた給電ブラシ(48a)が前記スリップリング(48)に摺接している。なお、軸体(38)(46)は同軸的に取り付けられている。
【0044】
ローラ取付プレート(34)は、略L字形状に折り曲げ形成された板状の部材であり、その前面側には、2対のローラが上下に並んで取り付けられている(図2参照)。ここで、上側の一対のローラが圧縮用ローラ(50a)(50b)であり、下側の一対のローラが引出用ローラ(52a)(52b)である。
【0045】
図2において、一方(図2における左側)の圧縮用ローラ(50a)(可動側)は、ローラ取付プレート(34)に固定されたトグルクランプ(54)の先端に回動可能に取り付けられており、他方の圧縮用ローラ(50b)(固定側)は、ローラ取付プレート(34)に固定されたモータ(56)の回転軸の先端に固着されている。なお、回転軸の中段部分には、ギヤ(62)が取り付けられている。ここで、トグルクランプ(54)を固定側の圧縮用ローラ(50b)側に向けて倒すと、圧縮用ローラ(50a)と圧縮用ローラ(50b)とが当接するようになっている。
【0046】
各圧縮用ローラ(50a)(50b)は、その外周面に凹所が形成された円板状の部材であり、本実施例では、図5に示すように、その外周面に凹所が形成された複数(本実施例では6枚)の円盤状部材(58a)をネジなどの締結部材(58b)により一体化することにより構成されている(各円盤状部材(58a)の間には若干の隙間が設けられている)。なお、固定側の圧縮用ローラ(50b)には、その軸方向両端に円盤状部材(58a)よりも大きな外径を有するストッパー部材(58c)が取り付けられている。
【0047】
また、図2において、一方(図2における左側)の引出用ローラ(52a)(可動側)は、ローラ取付プレート(34)に固定されたトグルクランプ(60)の先端に回動可能に取り付けられており、他方の引出用ローラ(52b)(固定側)は、ローラ取付プレート(34)の前面側に取り付けられたギヤ(64)を介して回動自在に取り付けられている。なお、ギヤ(62)とギヤ(64)とは、連結ギヤ(66)を介して連結されているため、圧縮用ローラ(50b)と引出用ローラ(52b)とは同じ角速度で回転することになる。
【0048】
ここで、トグルクランプ(60)を固定側の引出用ローラ(52b)側に向けて倒すと、可動側の引出用ローラ(52a)が固定側の引出用ローラ(52b)に近接する。なお、引出用ローラ(52a)(52b)間の距離は、圧縮用ローラ(50a)(50b)から送り出された紐(S)を弛み無く下方に送り出すことができ、且つ、圧縮用ローラ(50a)(50b)と引出用ローラ(52a)(52b)との間において紐(S)に過剰なテンションがかかった場合には、引出用ローラ(52a)(52b)と紐(S)とがスリップして紐(S)が該テンションによって切断されることがないよう適宜設定される。
【0049】
各引出用ローラ(52a)(52b)は、圧縮用ローラ(50a)(50b)にて形成された紐(S)を圧縮用ローラ(50a)(50b)に付着したままの状態になることなく、後述する紐回収部(18)に確実に送り出すことができるよう、必要に応じて設けられるものである。従って、その材質としては、その送り出し時に滑ることがないよう、紐(S)との摩擦係数が大きなものが良く、ウレタンゴムなどの弾性材料が好適に採用される。なお、引出用ローラ(52a)(52b)の外径は、圧縮用ローラ(50a)(50b)の外径よりも若干大きめに設定されており、各引出用ローラ(52a)(52b)の外周面は平滑面となっている。
【0050】
回転部(14)は、圧縮部(22)を回転させるためのものであり、フレーム(20)の側方に固定されたフレーム(70)と、フレーム(70)に取り付けられたモータ(72)とを有する。
【0051】
モータ(72)の回転軸(72a)には、原動プーリ(74)が取り付けられており、原動プーリ(74)と従動プーリ(40)との間には、ベルト(76)が掛設されている。
【0052】
回転部(14)において、モータ(72)を駆動させると、モータ(72)の回転力が原動プーリ(74)、ベルト(76)、従動プーリ(40)、および軸体(38)を介して装置本体(12)の圧縮部(22)に伝達され、圧縮部(22)とスリップリング(48)とが一体となって回転する。このとき、外部からスリップリング(48)に給電された電気が導線(49)を介してモータ(56)に給電されることになる。なお、モータ(72)の回転速度は、長尺連続材(R)の材質等を考慮して適宜設定すればよく、本実施例では、長尺連続材(R)を1m当たり70回捩るように設定されている。
【0053】
集束部(16)は、1又は複数の長尺連続材巻上体(W)から引出された長尺連続材(R)を1本に(或いは細幅に)集束して紐状集束材(R')を形成するとともに、紐状集束材(R')を捩る際の基点となる部分であり、図1および図4から分かるように、装置本体(12)のフレーム(20)上に載置された矩形状のベース(78)を有する。ベース(78)の中央には、孔(78a)が形成されており、この孔(78a)にフレーム(20)の上方に突出した軸体(46)の先端が嵌め込まれる。
【0054】
ベース(78)の上面には、断面略コ字状に曲折された2本の支柱(80a)(80b)が所定間隔を隔てて立設されており、その前面側には、上下方向に延びる長孔(82)がそれぞれ穿設されている。支柱(80a)(80b)の前面(長孔(82)が形成されている側の面)には、集束用ローラ固定用板(84)が取り付けられている。集束用ローラ固定用板(84)は、金属等の剛性材料からなる板状の部材であり、その4隅には丸孔(図示省略)が穿設されている。そして、前述の丸孔および長孔(82)に挿通されたボルト(86a)の端部にナット(86b)を螺合することで、集束用ローラ固定用板(84)を支柱(22a)(22b)に対して上下方向に位置調整可能に固定できる。
【0055】
集束用ローラ固定用板(84)の前面側には、一対の集束用ローラ(88a)(88b)が取り付けられている。
【0056】
図1において、一方(図1における左側)の集束用ローラ(88a)(可動側)は、集束用ローラ固定用板(84)に対して左右方向に位置調整可能に取り付けられた位置調整用プレート(90)の先端に回動自在に取り付けられている。また、他方(図1における右側)の集束用ローラ(88b)(固定側)は、集束用ローラ固定用板(84)に取り付けられたモータ(92)の回転軸に取り付けられている。なお、モータ(92)の回転速度は、集束用ローラ(88a)(88a)の回転速度が圧縮用ローラ(50a)(50b)の回転速度よりも若干速くなるように設定されている。
【0057】
ここで、各集束用ローラ(88a)(88b)は、長尺連続材(R)を下方へ送り出す際にスリップすることがないよう、その材質としては長尺連続材(R)との摩擦係数が高いものが選択され、本実施例では、ウレタンゴムなどの弾性材料が使用されている。なお、集束用ローラ(88a)(88b)の外周面は平滑面となっている。
【0058】
そして、集束用ローラ(88a)(88b)の上方には2個の長尺連続材巻上体(W)が所定間隔を隔てて配置されている。なお、長尺連続材巻上体(W)の数は、目的とする紐(S)の太さ等に応じて適宜設定すればよく、1個であってもよいし3個以上であってもよい。また、長尺連続材巻上体(W)の配置位置も特に限定されるものではなく、例えば、長尺連続材巻上体(W)を集束用ローラ(88a)(88b)の真上や側方に配置するようにしてもよい。
【0059】
紐回収部(18)は、装置本体(12)にて形成された紐(S)を回収する部分であり、本実施例では、軸体(38)の下方に紐(S)を収容するための収容箱(96)が設置されている。
【0060】
次に、本願発明に係る紐の製造装置(10A)を用いて紐(S)を製造する方法について説明する。紐の製造装置(10A)を用いて紐(S)を製造する際には、まず、長尺連続材巻上体(W)から長尺連続材(R)の先端を引出す。そして、この長尺連続材(R)を所定の送り経路にセットして、その先端部を引出用ローラ(52a)(52b)間に挟み込む。
【0061】
続いて、集束部(16)のモータ(92)及び回転部(14)のモータ(72)を駆動させる。ここで、モータ(72)が回転すると、上述したようにモータ(72)の回転力が原動プーリ(74)、ベルト(76)、従動プーリ(40)、および軸体(38)を介して圧縮部(22)に伝達され、圧縮部(22)とスリップリング(48)とが一体となって回転する。スリップリング(48)には給電ブラシ(48a)を介して電力が給電され、スリップリング(48)から導出された導線(49)を介してモータ(56)に給電される。このようにして全てのモータ(92)(72)(56)が駆動すると、長尺連続材巻上体(W)から引出された長尺連続材(R)が集束用ローラ(88a)(88b)に送られる。
【0062】
集束用ローラ(88a)(88b)では、ここでは2本の長尺連続材(R)が1本にまとめられて紐状集束材(R')となる。そして、紐状集束材(R')は、集束用ローラ(88a)(88b)を離れた瞬間から圧縮部(22)の回転によって捩られてコヨリ状に巻かれる状態となり、集束用ローラ(88a)(88b)と圧縮用ローラ(50a)(50b)との間でコヨリ状紐材(R'')の形成が開始される。
【0063】
なお、コヨリ状紐材(R'')の捩り度合いは、圧縮部(22)の回転数、および集束用ローラ(88a)(88b)と圧縮用ローラ(50a)(50b)との間における紐状集束材(R')の弛み度合いによって定められる。そして、圧縮部(22)の回転数は、モータ(72)の回転速度によって定められ、紐状集束材(R')の弛み度合いは集束用ローラ(88a)(88b)の回転速度と圧縮用ローラ(50a)(50b)の回転速度との速度差によって定められる。
【0064】
所定の捩り度合いで捩られ、圧縮部(22)に送られたコヨリ状紐材(R'')は、圧縮用ローラ(50a)(50b)を通過することにより点圧縮される。
【0065】
ここで、圧縮用ローラ(50a)(50b)の外周面には、凹所が形成されているので、コヨリ状紐材(R'')が圧縮用ローラ(50a)(50b)で点圧縮されると、紐(S)の表面には圧縮用ローラ(50a)(50b)の外周面の凹凸形状に応じて圧痕(Y)が所定間隔を隔てて形成され、この圧痕(Y)によってコヨリ状紐材(R'')を構成する長尺連続材(R)の層がその材質によって互いに圧着或いは融着又は接着されることになる。なお、上述したように、圧縮用ローラ(50a)(50b)を構成している円盤状部材(58a)の外周面に凹所が形成されており、且つ、各円盤状部材(58a)の間には若干の隙間が設けられているので、紐(S)の表面にその長手方向に沿って形成された圧痕(Y)群は、あたかも背骨のような意匠を与えることになる。
【0066】
そして、圧縮用ローラ(50a)(50b)を通過して形成された紐(S)が引出用ローラ(52a)(52b)によって下方に送り出され、紐回収部(18)内に回収される。
【0067】
なお、コヨリ状紐材(R'')が圧縮用ローラ(50a)(50b)にて圧縮されると、圧縮用ローラ(50a)(50b)通過後の紐(S)の長さは、コヨリ状紐材(R'')に比べて若干長くなる。したがって、引出用ローラ(52b)の回転速度を圧縮用ローラ(50b)の回転速度よりも若干速くなるように設定しておけば、紐(S)が圧縮用ローラ(50a)(50b)と引出用ローラ(52a)(52b)との間で弛むことはない。なお、本実施例では、上述したように圧縮用ローラ(50b)と引出用ローラ(52b)との角速度が同じであるため、引出用ローラ(52b)の外径を圧縮用ローラ(50b)の外径よりも若干大き目に設定することでこれに対応するようにしている。
【0068】
この実施例によれば、1または複数の長尺連続材(R)が細幅(或いは1本)に集束した紐状集束材(R')を捩ることにより、紐状集束材(R')の内部に存在していた空気を確実に外部に押し出すことができる。また、コヨリ状紐材(R'')は、太く、まとまりのある1本の帯材として構成されるので、このコヨリ状紐材(R'')を点圧縮することで、圧縮比が非常に高く頑丈な紐(S)を得ることができる。
【0069】
また、紐(S)の外周面には、圧縮用ローラ(50a)(50b)で点圧縮することにより圧痕(Y)が形成されるので、紐(S)を構成している長尺連続材(R)の層同士が互いに圧着される。したがって、紐(S)が膨れたりほぐれてしまうことはない。なお、紐(S)の表面に形成された圧痕(Y)が滑り止めとして機能するので、紐(S)を結んだ時に結び目がほどけることもない。
【0070】
なお、上述の実施例では、長尺連続材(R)を筒軸(X)に一旦巻き上げて長尺連続材巻上体(W)を形成し、この長尺連続材巻上体(W)を紐の製造装置(10)にセッティングすることによって製造装置(10A)に長尺連続材(R)を供給するようにしていたが、例えば、図1の破線で示すように、図示しない成形機から順次送り出される長尺連続材(R)を該製造装置(10A)に直接供給するようにしてもよい。ただし、この場合には、集束用ローラ(88a)(88b)、圧縮用ローラ(50a)(50b)および引出用ローラ(52a)(52b)の回転速度が図示しない成形機における長尺連続材(R)の供給速度に合わせて適宜設定されることになる。
【0071】
また、上述の実施例では、集束部(16)が一対の集束用ローラ(88a)(88b)と、集束用ローラ(88a)(88b)の上方に配置された長尺連続材巻上体(W)とを備えていたが、たとえば、圧縮部(22)の上方に設置された図示しないローラの側方に長尺連続材巻上体(W)を配置したものを集束部(16)として構成してもよい。この場合には、長尺連続材巻上体(W)から側方に引出された長尺連続材(R)が前記ローラにて進路変更されて下方の圧縮部(22)に送り出されるので、長尺連続材(R)と前記ローラとの接触面積が非常に大きくなり、当該接触部分において前述した集束機能と、捩りの基点としての機能の両方を達成することができる。
【0072】
また、上述の実施例では、引出用ローラ(52a)(52b)から下方に送り出された紐(S)を収容箱(96)に回収するようにしていたが、圧縮用ローラ(50a)(50b)から送り出された紐(S)を巻取ローラなどの巻取手段(図示省略)によって直接巻き取りながら回収するようにしてもよい。この場合には、圧縮用ローラ(50a)(50b)を通過した紐(S)が巻取手段によって直接巻き取られるので、圧縮された紐(S)が圧縮用ローラ(50a)(50b)に付着することはない。したがって、この場合には、引出用ローラ(52a)(52b)の使用を省略することが可能である(但し、紐(S)の捩れが元に戻るのを防止するため、該巻取手段は圧縮部(22)と同期して回転させることが好ましい。)。
【0073】
さらにまた、長尺連続材(R)の材質としては合成樹脂に限定されるものではなく、紙(和紙または洋紙等)、或いは布(天然繊維、合成繊維、或いはこれらの混合物を編織したもの)等であってもよい。これらの材質からなる長尺連続材(R)は、従来では廃棄処分するしか手段がなかったが、紐(S)として再生することでその利用価値を新たに見出すことができる。
【0074】
なお、紐の製造装置(10A)にて製造された紐(S)を所定間隔で切断すれば、ペレット(P)を形成することができる。以下、ペレットの製造装置(100)について説明することとする。
【0075】
ここで、ペレット(P)は、図10からも分かるように、長尺連続材(R)を螺旋状に密着状態で巻回した長尺連続材(R)の積層体の外周面に凹状圧痕(Y)を形成したものである。
【0076】
ペレットの製造装置(100)は、図8に示すように、装置本体(12)、回転部(14)、集束部(16)、切断部(102)、およびペレット回収部(104)を備えている。
【0077】
なお、本実施例におけるペレットの製造装置(100)は、紐の製造装置(10A)における紐回収部(18)に代えて切断部(102)およびペレット回収部(104)を設けたものである。したがって、以下には、その異なる部分だけを説明することとし、一致部分の構成については、前述の記載を援用する。
【0078】
切断部(102)は、フレーム(106)と、切断部(108)とで構成されている。フレーム(106)は、切断部(102)の骨格となる部分であり、細長の棒状部材(例えば、L字型鋼)にて形成された複数(本実施例では4本)の支柱(106a)と、支柱(106a)の上端部に設けられた上部プレート(106b)とを備えている。上部プレート(106b)の中央部には、紐(S)が送り出される位置に合わせて孔(図示省略)が形成されており、上部プレート(106b)の上面であって前記孔の周囲には、紐(S)を切断部(108)に導く筒状のガイド部材(106c)が形成されている。
【0079】
切断部(108)は、図9からも分かるように、支柱(106a)に固定されたモータ(110)と、モータ(110)の回転軸に取り付けられたカッター(112)と、カッター(112)にて切断されたペレット(P)をペレット回収部(104)に導くガイド(114)とで大略構成されている。
【0080】
カッター(112)は、金属等の剛性材料からなる略円盤状部材であり、図9に示すように、その外周面には、複数の刃(112a)が所定間隔を隔てて形成されている。なお、刃(112a)の数や刃(112a)同士の間隔は、目的とするペレット(P)の大きさに合わせて、紐(S)の送り出し速さやカッター(112)の回転速度などを考慮して適宜設定される。
【0081】
モータ(110)の側方には、ガイド(114)が取り付けられている。ガイド(114)は、略円筒状の部材であり、その上端部には切り欠きが形成されている。そして、この切り欠き部分をカッター(112)の刃(112a)が通過できるよう、その位置や大きさ等が適宜設定される。
【0082】
なお、ガイド(114)の上端部には、図11に示すように紐固定部材(115)を設けるようにしてもよい。紐固定部材(115)は、金属等の剛性材料からなる板状部材であり、その端部には、紐(S)が通過可能な大きさの細長の切り欠き(115a)が形成されている(切り欠き(115a)は、カッター(112)の回転方向に向かって延びている。)。
【0083】
ペレット回収部(104)は、ガイド(114)から導かれたペレット(P)を回収する部分であり、本実施例では、切断部(102)の下方に設置されたフレーム(116)内に回収箱(118)が設置されている。
【0084】
次に、本願発明に係るペレットの製造装置(100)を用いてペレット(P)を製造する方法について説明する。
【0085】
ペレットの製造装置(100)では、集束部(16)のモータ(92)および回転部(14)のモータ(72)に加えて、切断部(108)のモータ(110)が駆動される。これにより、所定の回転数でカッター(112)が回転することになる。
【0086】
引出用ローラ(52a)(52b)から送り出された紐(S)がガイド部材(106c)を通過してカッター(112)の近傍に導出されると、カッター(112)の回転によって紐(S)が所定長さに連続的に切断され、これによりペレット(P)が形成される(ガイド(114)の上端部に紐固定部材(115)を設けた場合には、紐(S)がカッター(112)の刃(112a)と紐固定部材(115)の切り欠き(115a)とに挟まれてその位置が固定されるので、紐(S)をより確実に切断することが可能となる。)。なお、ペレット(P)の軸方向の長さは、カッター(112)の回転速度や紐(S)の送り速度を適宜調整することによって自在に調整することが可能である。
【0087】
そして、切断されたペレット(P)は、ガイド(114)を通過して回収箱(118)に回収される。
【0088】
本実施例では、1または複数の長尺連続材(R)を1本に束ねた紐状集束材(R')を捩ることにより、紐状集束材(R')の内部に存在していた空気を外部に押し出すことができる。また、これにより得られたコヨリ状紐材(R'')は、太く、まとまりのある1本の帯材として構成されるため、このコヨリ状紐材(R'')を圧縮すると、圧縮比が非常に高く、見掛け比重の大きなペレット(P)を得ることができる。なお、紐状集束材(R')の捩り回数を一定にすれば、コヨリ状紐材(R'')の太さがある程度均一となるため、ペレット(P)の見かけ比重の値は均一となる。
【0089】
また、ペレット(P)の外周面には、圧縮用ローラ(50a)(50b)で圧縮することにより圧痕(Y)が形成されることになるが、この圧痕(Y)がペレット(P)を構成している長尺連続材(R)の層同士を互いに圧着できるので、ペレット(P)が膨れたりほぐれてしまうことはなく、その形状を長期間に亘って保持することができる。
【0090】
また、得られたペレット(P)は、その圧痕(Y)部分で圧縮されて稠密状態になっているため、その基材強度は非常に高い。
【0091】
また、本実施例では、ペレット(P)を形成するために従来のような加熱工程を必要としないので、加熱に伴うペレット(P)の品質劣化が生じることもない。
【0092】
さらにまた、長尺連続材(R)が廃棄処分品である場合、従来では嵩高い長尺連続材(R)の廃棄に困難を極めていたが、これを紐化或いはペレット化することで廃棄処分品全体の嵩を小さくすることができ、廃棄処分時の減容化・省力化に資することとなる。
【0093】
なお、これは紐の製造装置(10)およびペレットの製造装置(100)に共通して言えることであるが、圧縮部(22)を集束部(16)に対して回転させる代わりに、圧縮部(22)を固定し、集束部(16)を圧縮部(22)に対して回転させるように構成してもよいし(後述)、また、集束部(16)と圧縮部(22)とを互いに異なる方向に同時に回転させるように構成してもよい(つまり、集束部(16)と圧縮部(22)とを相対的に回転させることができればよい)。
【実施例2】
【0094】
第2実施例の紐の製造装置(10B)は、圧縮部を固定し、集束部を圧縮部に対して回転させるように構成したものである。
【0095】
紐の製造装置(10B)は、図12に示すように、装置本体(12')、回転部(14')、集束部(16')および紐回収部(18)を備えている。
【0096】
装置本体(12')は、フレーム(130)と圧縮部(22')とで構成されている。
【0097】
フレーム(130)は、6本の支柱(130a)と、支柱(130a)の上端部に設けられた上部プレート(130b)とを有し、上部プレート(130b)の上面には、軸受部材(134)が固定されている。
【0098】
圧縮部(22')は、フレーム(130)の中段部分に取り付けられた固定プレート(132)と、固定プレート(132)の上面に立設されたローラ取付プレート(34)とを有する。なお、ローラ取付プレート(34)には、前述したように、圧縮用ローラ(50a)(50b)、引出用ローラ(52a)(52b)、モータ(56)などが設けられている(図3参照)。
【0099】
回転部(14')は、フレーム(130)の上端部側方に固定されたフレーム(140)と、フレーム(140)に取り付けられたモータ(72)とを有する。
【0100】
集束部(16')は、その構成が第1実施例の集束部(16)と大略同じであるが、ベース(78)の下面に軸体(136)が設けられており、また、支柱(80a)(80b)の上端部に長尺連続材巻上体保持部(142)が設けられている点で相違する。
【0101】
ベース(78)の下面側には、ベース(78)の中心に設けられた孔(78a)の内径と略等しい内径を有する筒状の軸体(136)が孔(78a)の位置に合わせて取り付けられており、この軸体(136)の下端部が軸受部材(134)に回動可能に支持されている。なお、軸体(136)の中段部分には、従動プーリ(138)が一体的に設けられており、従動プーリ(138)と原動プーリ(74)との間には、ベルト(76)が掛設されている。
【0102】
長尺連続材巻上体保持部(142)は、長尺連続材巻上体(W)を保持するためのものであり、支柱(80a)(80b)の上端部に取り付けられたベース(144)と、ベース(144)の上面に立設された複数組(本実施例では2組であるが、3組以上であってもよいし1組であってもよい)の取付部材(146)とを備えている。
【0103】
なお、圧縮部(22')の下方には、紐回収部(18)が配置されている。
【0104】
本実施例の紐の製造装置(10B)を用いて紐(S)を製造する際には、長尺連続材巻上体保持部(142)に保持されている長尺連続材巻上体(W)から長尺連続材(R)の先端を引き出す。そして、この長尺連続材(R)を所定の送り経路にセットして、その先端部を引出用ローラ(52a)(52b)間に挟み込み、然る後、第1実施例と同様、全てのモータ(92)(72)(56)を作動させる。
【0105】
ここで、回転部(14')のモータ(72)が作動すると、モータ(72)の回転力が原動プーリ(74)、ベルト(76)、従動プーリ(138)および軸体(136)を介して集束部(16')に伝達され、集束部(16')が装置本体(12')(より詳しくは、圧縮部(22'))に対して回転することになる。
【0106】
長尺連続材巻上体(W)から引き出された2本の長尺連続材(R)は、集束用ローラ(88a)(88b)にて1本にまとめられて紐状集束材(R')が形成される。そして、この紐状集束材(R')は、集束用ローラ(88a)(88b)を離れた瞬間から集束部(16')の回転によって捩られてコヨリ状に巻かれる状態となり、集束用ローラ(88a)(88b)と圧縮用ローラ(50a)(50b)との間でコヨリ状紐材(R'')の形成が開始される。
【0107】
そして、このコヨリ状紐材(R'')が圧縮用ローラ(50a)(50b)にて点圧縮されて紐(S)が形成されるのであるが、この点については上述第1実施例と同様であるため説明を省略する。
【0108】
この実施例においても、捩り工程と圧縮工程によって紐(S)が形成されるので、第1実施例と同様、圧縮比が非常に高く頑丈な紐(S)を得ることができる。
【実施例3】
【0109】
第3実施例の紐の製造装置(10C)は、上述第2実施例の変形例(集束用ローラを設けない例)であり、図13に示すように、装置本体(12')、回転部(14')、長尺連続材巻上体保持部(143)および紐回収部(18)を備えている。
【0110】
長尺連続材巻上体保持部(143)は、長尺連続材巻上体(W)を保持するためのものであり、ベース(145)と、ベース(145)の上面に立設された複数組(本実施例では2組であるが、3組以上であってもよいし1組であってもよい)の取付部材(147)とを備えている。ベース(145)の下面側には、円筒状の軸体(149)が取り付けられており、この軸体(149)の下端部がフレーム(130)の軸受部材(134)に回動自在に支持されている。なお、軸体(149)の中段部分には、従動プーリ(141)が一体的に設けられており、従動プーリ(141)と原動プーリ(74)との間には、ベルト(76)が掛設されている。
【0111】
本実施例の紐の製造装置(10C)を用いて紐(S)を製造する際には、長尺連続材巻上体保持部(143)に保持されている長尺連続材巻上体(W)から長尺連続材(R)の先端を引き出す。そして、この長尺連続材(R)を所定の送り経路にセットして、その先端部を引出用ローラ(52a)(52b)間に挟み込んだ後、モータ(72)(56)を作動させる。
【0112】
ここで、回転部(14')のモータ(72)が作動すると、モータ(72)の回転力が原動プーリ(74)、ベルト(76)、従動プーリ(141)および軸体(149)を介して長尺連続材巻上体保持部(143)に伝達され、長尺連続材巻上体保持部(143)に保持されている長尺連続材巻上体(W)が装置本体(12')(より詳しくは、圧縮部(22')に対して回転することになる。
【0113】
長尺連続材巻上体(W)から引出された2本の長尺連続材(R)は、上述実施例とは異なり、圧縮用ローラ(50a)(50b)によって1本にまとめられて紐状集束材(R')が形成されるとともに、紐状集束材(R')の回転によって捩られてコヨリ状に巻かれる状態となり、長尺連続材巻上体(W)と圧縮用ローラ(50a)(50b)との間でコヨリ状紐材(R'')の形成が開始される。
【0114】
そして、このコヨリ状紐材(R'')が圧縮用ローラ(50a)(50b)にて点圧縮されて紐(S)が形成されるのであるが、この点については上述実施例と同様であるので説明を省略する。
【0115】
この実施例においても、捩り工程と圧縮工程によって紐(S)が形成されるので、上述実施例と同様、圧縮比が非常に高く頑丈な紐(S)を得ることができる。
【実施例4】
【0116】
第4実施例の紐の製造装置(10D)は、上述実施例とは異なり、集束部や圧縮部を固定した状態で長尺連続材(R)を捩るよう構成したものである。
【0117】
紐の製造装置(10D)は、図14に示すように、装置本体(12'')、集束部(16)および紐回収部(18)を備えている。
【0118】
装置本体(12'')は、フレーム(150)と圧縮部(22')と捩り形成部(152)とで構成されている。フレーム(150)は、複数本(本実施例では4本)の支柱(150a)と、支柱(150a)の上端部に設けられた上部プレート(150b)とを備えている。
【0119】
捩り形成部(152)は、下部テーブル(154)、上部テーブル(156)および複数(本実施例では9つ)の捩り用ローラ(158)を有する。
【0120】
下部テーブル(154)は、フレーム(150)に取り付けられた矩形状の部材であり、その中心には、捩られたコヨリ状紐材(R'')を挿通するための孔(154a)が形成されており、孔(154a)の周囲には、複数(本実施例では3つ)の軸受部材(160)が等角度間隔で固定されている。
【0121】
上部テーブル(156)は、下部テーブル(154)と略等しい大きさに形成された矩形状の部材であり、その中心には孔(156a)が形成されており、孔(156a)の周囲には、前記軸受部材(160)の位置に合わせて3つの軸受部材(162)が固定されている。
【0122】
そして、下部テーブル(154)の各軸受部材(160)には、軸体(164a)〜(164c)がそれぞれ回転自在に支持されており、この軸体(164a)〜(164c)の上端部が上部テーブル(156)の軸受部材(162)にそれぞれ回動自在に支持されている。
【0123】
各軸体(164a)〜(164c)には、所定間隔を隔てて複数(本実施例では3つ)の捩り用ローラ(158)が取り付けられている。各捩り用ローラ(158)は円盤状の部材であり、その外周面には、長尺連続材(R)との摩擦係数が高い部材(例えば、ウレタンゴムなどの弾性部材)がその全周に亘って貼着されている。
【0124】
なお、捩り形成部(152)全体として見た場合、捩り用ローラ(158)は、図15からも分かるように、その外周面が紐状集束材(R')と当接するように紐状集束材(R')の周囲に所定間隔を隔てて螺旋状に配列されている。
【0125】
各軸体(164a)〜(164c)の下端部には、図16に示すように、歯車(166a)〜(166c)がそれぞれ取り付けられている。ここで、歯車(166a)と歯車(166b)とは、中間歯車(168a)にそれぞれ噛合しており、この中間歯車(168a)にモータ(169)の回転軸に取り付られた歯車(169a)が噛合している。一方、歯車(166b)と歯車(166c)とは、中間歯車(168b)にそれぞれ噛合している。
【0126】
捩り形成部(152)においてモータ(169)を駆動させると、モータ(169)の回転力が中間歯車(168a)および(168b)を介して歯車(166a)〜(166c)に伝達され、各軸体(164a)〜(164c)に取り付けられた全ての捩り用ローラ(158)が同じ方向に回転する。
【0127】
装置本体(12'')を構成しているフレーム(150)の上部には、集束部(16)が配置されており、圧縮部(22')の下方には、紐回収部(18)が配置されている。
【0128】
本実施例の紐の製造装置(10D)を用いて紐(S)を製造する際には、前述実施例同様、長尺連続材巻上体(W)から長尺連続材(R)の先端を引き出し、長尺連続材(R)を所定の送り経路にセットする。そして、長尺連続材(R)の先端部を引出用ローラ(52a)(52b)間に挟み込んだあと、モータ(92)(56)(169)を作動させる。
【0129】
ここで、モータ(169)が作動すると、上述したように、モータ(169)の回転力が中間歯車(168a)および(168b)を介して歯車(166a)〜(166c)に伝達され、各軸体(164a)〜(164c)に取り付けられた全ての捩り用ローラ(158)が同方向に回転する。
【0130】
長尺連続材巻上体(W)から引出された長尺連続材(R)が集束部(16)において1本に集束させられて紐状集束材(R')が形成され、この紐状集束材(R')が捩り形成部(152)を通過すると、同じ方向に回転している9つの捩り用ローラ(158)によって紐状集束材(R')が捩られ、コヨリ状紐材(R'')が形成される。
【0131】
なお、コヨリ状紐材(R'')の捩り度合いは、捩り用ローラ(158)の設置数やその回転速度によって適宜定められる。
【0132】
所定の捩り度合いで捩られ圧縮部(22')に送られたコヨリ状紐材(R'')は、圧縮用ローラ(50a)(50b)を通過することにより点圧縮され紐(S)が形成されるのであるが、この点については上述したとおりである。
【0133】
そして、この実施例においても、捩り形成部(152)による捩り工程と、圧縮部(22')による圧縮工程によって紐(S)が形成されるので、上述実施例と同様、圧縮比が非常に高く頑丈な紐(S)を得ることができる。
【実施例5】
【0134】
図17に示す第5実施例の紐の製造装置(10E)は、長尺連続材(R)を原料として用いている前述実施例の紐の製造装置(10A)〜(10D)とは異なり、予め捩られたコヨリ状紐材(R'')を原料として用い、これを点圧縮することで紐(S)を形成するものである。なお、本実施例の紐の製造装置(10E)を用いて紐(S)を製造するためには、原料となるコヨリ状紐材(R'')を予め形成する必要があるため、以下にはまず、コヨリ状紐材の製造装置(170)について説明し、その後、紐の製造装置(10E)の説明をすることとする。
【0135】
コヨリ状紐材の製造装置(170)は、図18に示すように、装置本体(172)、回転部(14)および集束部(16)を備えている。
【0136】
装置本体(172)は、フレーム(174)と巻取部(176)とを備えている。フレーム(174)は、複数(本実施例では4本)の支柱(174a)と、支柱(174a)の上端部に設けられた上部プレート(174b)と、支柱(174a)の中段部分に設けられた下部プレート(174c)とを備えている。そして、上部プレート(174b)の中心部分には、紐状集束材(R')を挿通するための孔(174d)が形成されており、下部プレート(174c)の中心部分には軸受部材(178)が固定されている。
【0137】
巻取部(176)は、テーブル(180)、巻取ローラ(182)およびガイド(184)を有する。
【0138】
テーブル(180)は、円盤状の部材であり、その下面側中心部分には、軸体(186)が取り付けられており、この軸体(186)の下端部が軸受部材(178)に回転可能に支持されている。なお、軸体(186)の中段部分には、従動プーリ(188)が一体的に設けられている。
【0139】
テーブル(180)の上面には、巻取ローラ(182)およびガイド(184)が設けられている。ガイド(184)は、コヨリ状紐材(R'')を巻取ローラ(182)に多列多段に巻き取るためのものであり、テーブル(180)の上面に立設された支柱(180a)と、支柱(180a)の上端部に設けられ、巻取ローラ(182)の巻取軸に対して平行な方向に往復動するガイド部材(184b)とで構成されている。なお、コヨリ状紐材(R'')を巻取ローラ(182)に一列多段に巻き取る場合には、ガイド(184)の設置を省略することも可能である。
【0140】
装置本体(172)の側方には、回転部(14)が設けられており、装置本体(172)の上部には集束部(16)が設けられている。なお、回転部(14)の原動プーリ(74)と前記従動プーリ(188)との間にはベルト(76)が掛設されている。
【0141】
コヨリ状紐材の製造装置(170)を用いてコヨリ状紐材(R'')を製造する際には、長尺連続材巻上体(W)から長尺連続材(R)の先端を引き出す。そして、この長尺連続材(R)を所定の経路にセットして長尺連続材(R)の先端を巻取ローラ(182)に係止し、巻取ローラ(182)を回転させるとともに、回転部(14)のモータ(72)および集束部(16)のモータ(92)を回転させる。
【0142】
回転部(14)のモータ(72)が回転すると、モータ(72)の回転力が原動プーリ(74)、ベルト(76)、従動プーリ(188)および軸体(186)を介して巻取部(176)に伝達され、巻取部(176)が集束部(16)に対して回転する。
【0143】
長尺連続材巻上体(W)から引出された(或いは、2点鎖線で示すように、図示しない成形機から直接導出された)2本の長尺連続材(R)は、集束用ローラ(88a)(88b)にて1本にまとめられて紐状集束材(R')が形成され、集束用ローラ(88a)(88b)を離れた瞬間から巻取部(176)の回転によって捩られてコヨリ状紐材(R'')が形成される。そして、このコヨリ状紐材(R'')が巻取ローラ(182)の筒軸(X)に巻き取られることにより、コヨリ状紐材巻上体(W')が形成され、このコヨリ状紐材巻上体(W')が後述する紐の製造装置(10E)にセッティングされる。
【0144】
次に、本実施例の紐の製造装置(10E)について説明する。紐の製造装置(10E)は、図17に示すように、装置本体(12''')、コヨリ状紐材巻上体保持部(190)および紐回収部(18)を備えている。
【0145】
装置本体(12''')は、フレーム(192)と、フレーム(192)の中段部分に設けられた圧縮部(22')とで構成されている。
【0146】
装置本体(12''')の上部には、コヨリ状紐材巻上体保持部(190)が設けられている。コヨリ状紐材巻上体保持部(190)は、プレート(194)と、プレート(194)の上面に立設された一対の支持板(196)とを有する。プレート(194)の中心には、コヨリ状紐材(R'')挿通用の孔(194a)が形成されており、一対の支持板(196)には、支持孔(196a)が形成されている。そして、この支持孔(196a)にコヨリ状紐材巻上体(W')の筒軸(X)が回転可能に取り付けられている。
【0147】
本実施例の紐の製造装置(10E)を用いて紐(S)を製造する際には、コヨリ状紐材巻上体(W')からコヨリ状紐材(R'')の先端を引き出す。そして、このコヨリ状紐材(R'')を所定の送り経路にセットして、その先端部を引出用ローラ(52a)(52b)間に挟み込む。
【0148】
続いて、圧縮部(22')のモータ(56)を駆動させると、コヨリ状紐材(R'')が圧縮用ローラ(50a)(50b)に送られ、上述同様コヨリ状紐材(R'')が圧縮用ローラ(50a)(50b)によって点圧縮されて紐(S)が形成される。
【0149】
この実施例では、あらかじめコヨリ状に捩られているコヨリ状紐材(R'')を圧縮することにより紐(S)が形成されるので、前述実施例の紐の製造装置と比較すると、装置全体の構成を非常に簡略化することができる。
【0150】
なお、第1実施例の紐の製造装置(10A)と同様、第2〜第5実施例の紐の製造装置(10B)〜(10E)においても紐回収部(18)に換えて切断部(102)およびペレット回収部(104)を設ければ、ペレットの製造装置とすることが可能である。
【実施例6】
【0151】
最後に、図19〜20に示すペレットの製造装置(200)について説明する。ペレットの製造装置(200)は、図19からも分かるように、支持板(202)、回転部(204)および装置本体(206)を備えている。
【0152】
支持板(202)は、回転部(204)および装置本体(206)などを支持するための板状部材であり、図20に示すように、その中央部分には2個の軸受部材(210a)および(210b)が上下に並んで固定されている。
【0153】
回転部(204)は、後述する装置本体(206)の回転フレーム(218)を回転させるためのものであり、支持板(202)の側方に固定されたフレーム(212)と、フレーム(212)に取り付けられたモータ(214)とを有する。
【0154】
モータ(214)の回転軸(214a)は、軸受部材(210b)に回転可能に支持されており、その先端には原動プーリ(216)が取り付けられている。
【0155】
装置本体(206)は、回転フレーム(218)と、圧縮部(220)と切断部(222)とで構成されている。回転フレーム(218)は、上流側プレート(218a)、下流側プレート(218b)、および前記上流側プレート(218a)と下流側プレート(218b)とを接続する複数(本実施例では4本)の接続部材(218c)を有する(勿論、接続部材(218c)は2本であってもよいし、3本或いは5本以上であってもよい。また、本実施例では、上流側プレート(218a)、下流側プレート(218b)および接続部材(218c)がそれぞれ別部材として構成されているが、例えば上流側プレート(218a)と接続部材(218c)とが一体形成されていてもよいし、全ての部材が一体形成されていてもよい。)。なお、回転フレーム(218)の底部には、長尺連続材(R)を細幅に集束させて紐状集束材(R')を形成する2個の紐状集束材用ガイド(219)が取り付けられている。
【0156】
上流側プレート(218a)は、長尺連続材(R)の供給側(上流側)(図20における左側)に配設される円盤状の部材であり、その中心には、軸受部材(224)が固定されている。
【0157】
下流側プレート(218b)は、上流側プレート(218a)と略等しい大きさに形成され、上流側プレート(218a)の下流側に配設される円盤状の部材である。
【0158】
下流側プレート(218b)の中心には、孔(226)が形成されており、下流側プレート(218b)の半径方向には、孔(226)と外周面とを連通する連通孔(227)が形成されている。
【0159】
なお、孔(226)には、筒状の軸体(228)が挿通固定されており、この軸体(228)の下流側先端部分が支持板(202)に固定されている軸受部材(210a)に回動可能に支持されている。
【0160】
なお、軸体(228)の下流側端部には、スリップリング(230)が取り付けられており、支持板(202)の側方に設けられている操作盤(203)に取り付けられている給電ブラシ(230a)が前記スリップリング(230)に摺接している。
【0161】
また、軸体(228)における支持板(202)と下流側プレート(218b)との間の部分には、従動プーリ(232)が一体的に設けられており、従動プーリ(232)と原動プーリ(216)との間には、ベルト(234)が掛設されている。
【0162】
圧縮部(220)は、下流側テーブル(236)、上流側テーブル(238)およびローラ取付プレート(34')を有する。下流側テーブル(236)は、円盤状の部材であり、その中心には軸受部材(240)が固定されている。そして、この軸受部材(240)に、前述した軸体(228)の上流側端部が回動自在に支持されている。
【0163】
下流側テーブル(236)の盤面(上流側)には、ローラ取付プレート(34')および複数(本実施例では3本)の支柱(242)が設けられており、この支柱(242)の上流側端部に上流側テーブル(238)が取り付けられている。
【0164】
上流側テーブル(238)は、下流側テーブル(236)と略等しい大きさに形成された円盤状の部材であり、その中心には孔(238a)が形成されている。上流側テーブル(238)の盤面(上流側)には、後述する切断部(222)が設けられており、切断部(222)の上流側に取り付けられている軸体(246)の先端部分が軸受部材(224)に回転自在に支持されている。なお、軸体(228)(246)は同軸的に取り付けられている。
【0165】
軸体(246)の中段部分には、スリップリング(248)が取り付けられており、回転フレーム(218)(上流側プレート(218a))に設けられた給電ブラシ(248a)が前記スリップリング(248)に摺接している。
【0166】
ローラ取付プレート(34')は、圧縮用ローラ(50a)(50b)と引出用ローラ(52a)(52b)との配置位置が逆になっている以外はその構成が第1実施例のローラ取付プレート(34)と同じであるため、その説明については前述の記載を援用する。
【0167】
切断部(222)は、フレーム(223)と、上流側テーブル(238)に固定されたモータ(110)と、モータ(110)の回転軸に取り付けられたカッター(112)と、フレーム(223)に取り付けられた紐固定部材(115)とで大略構成されている。
【0168】
次に本実施例のペレットの製造装置(200)を用いてペレット(P)を製造する方法について説明する。ペレットの製造装置(200)を用いてペレット(P)を製造する際には、まず、ペレットの製造装置(200)の上流側に設けられている長尺連続材巻上体(W)から長尺連続材(R)の先端を引き出す。そして、所定の送り経路、即ち、回転フレーム(218)の上流側に設けられている一対の集束用ローラ(260a)(260b)、紐状集束材用ガイド(219)、下流側プレート(218b)の連通孔(227)および軸体(228)にセットして、その先端部を引出用ローラ(52a)(52b)間に挟み込む。ここで重要なことは、長尺連続材(R)の送り方向が、回転フレーム(218)を通過する途中で反転している点である。
【0169】
続いて、回転部(204)のモータ(214)を駆動させる。ここで、モータ(214)が回転すると、モータ(214)の回転力が原動プーリ(216)、ベルト(234)、従動プーリ(232)および軸体(228)を介して回転フレーム(218)に伝達され、回転フレーム(218)が支持板(202)に対して回転する。なお、このとき、軸体(228)および(246)は、軸受部材(240)および(224)によってそれぞれ回動自在に支持されているため、回転フレーム(218)内の圧縮部(220)、切断部(222)およびスリップリング(248)は回転することなく静止状態を保持している。
【0170】
ここで、給電ブラシ(230a)に電力が給電されると、スリップリング(230)、スリップリング(230)から導出された導線(231)、回転フレーム(218)に設けられた給電ブラシ(248a)、スリップリング(248)およびスリップリング(248)から導出された導線(249)を介してモータ(110)(56)に給電される。このようにして全てのモータ(214)(110)(56)が駆動すると、回転フレーム(218)が支持板(202)に対して回転し、長尺連続材巻上体(W)から引き出された長尺連続材(R)が圧縮用ローラ(50a)(50b)に送られるとともに、切断部(222)のカッター(112)が回転を始める。
【0171】
長尺連続材巻上体(W)から引き出された長尺連続材(R)が集束用ローラ(260a)(260b)を通って回転フレーム(218)に送られると、長尺連続材(R)は細幅に集束されて紐状集束材(R')となる。そして、紐状集束材(R')は、回転フレーム(218)の回転によって捩られてコヨリ状に巻かれる状態となり、コヨリ状紐材(R'')の形成が開始される。
【0172】
ここで重要なことは、回転フレーム(218)が1回転すると、紐状集束材(R')は2回捩られる点である。即ち、紐状集束材(R')は,回転フレーム(218)上を上流側から下流側へ向かって送られる際に1回捩られ、送り方向が反転して、紐状集束材(R')が下流側から上流側に向かって送られる際に2度目の捩れが加えられるのである。
【0173】
なお、コヨリ状紐材(R'')の捩り度合いは、回転フレーム(218)の回転数(即ち、モータ(214)の回転速度)と長尺連続材(R)の供給速度(即ち、モータ(56)の回転速度)との関係によって適宜定められる。
【0174】
所定の捩り度合いで捩られ、圧縮部(220)に送られたコヨリ状紐材(R'')は、圧縮用ローラ(50a)(50b)を通過することにより点圧縮されて紐(S)が形成されるのであるが、この点については前述実施例と同様であるので、その説明については前述実施例の記載を援用する。
【0175】
引出用ローラ(52a)(52b)から送り出された紐(S)が切断部(222)に導出されると、紐(S)は、カッター(112)の回転によって所定長さに連続的に切断され、これによりペレット(P)が形成される。なお、ペレット(P)の軸方向の長さは、カッター(112)の回転速度や紐(S)の送り速度を適宜調整することによって自在に調整することが可能である。
【0176】
そして、切断されたペレット(P)は、カッター(112)の遠心力によってカッター(112)の円周方向に弾き飛ばされ、その後、自重によって地面に落下する。なお、本実施例では、製造装置(200)の全体がカバー(262)によって覆われており、弾き飛ばされたペレット(P)はカバー(262)に当たって落下し、装置本体(206)の下方に集められる。
【0177】
本実施例では、長尺連続材(R)が回転フレーム(218)上をその回転軸に沿って上流側から下流側に移動し、然る後、反転させているので、回転フレーム(218)が1回転すると、長尺連続材(R)(紐状集束材(R'))は2度捩られる。つまり、より少ない回数で多くの捩り回数を付与することができるため、より高密度のペレット(P)を形成することが可能となる。
【0178】
なお、上述実施例では、装置本体(206)の回転軸(即ち、軸体(228)(246))が横方向(図20における左右方向)となるように設けられているが、該回転軸を縦方向に設けてもよいし、斜め方向であってもよい。
【0179】
また、切断部の構成は上述実施例に限定されるものではなく、例えば図21に示すように切断部(264)を構成しているカッター(266)の回転軸を紐(S)の供給方向に対して略直交する方向に設けるよう構成してもよい。なお、本変形例では、切断部(264)がローラ取付プレート(34')上に設けられている。
【0180】
切断部(264)は、図21からも分かるように、ローラ取付プレート(34')上であって圧縮部(220)の出口側に固定されたモータ(図示省略)と、モータの回転軸に取り付けられたカッター(266)と、カッター(266)と圧縮部(220)との間に設けられたガイド(268)とで大略構成されている。
【0181】
カッター(266)は、金属等の剛性材料からなる略円盤状部材であり、その外周面には、螺旋状の溝(266a)が複数(本実施例では8つ)刻設されており、各溝(266a)(266a)の間の山部分には刃(266b)がそれぞれ取り付けられている。
【0182】
ガイド(268)は、ブロック状の部材であり、カッター(266)と対向する側の面には、カッター(266)の外周面に沿って湾曲面(268a)が形成されている。そして、ガイド(268)の中心には、湾曲面(268a)と湾曲面(268a)の反対側の面とを連通するように紐挿通孔(268b)が形成されている。
【0183】
本変形例では、圧縮部(220)から送り出された紐(S)がガイド(268)の中心に形成された紐挿通孔(268b)を通ってガイド(268)とカッター(266)との間の隙間に送られる。そして、紐(S)の湾曲面(268a)から突出した部分がカッター(266)によって切断され、ペレット(P)が形成されることになる。
【0184】
なお、本変形例において説明した切断部(264)の構成を上述第1〜第5実施例のペレットの製造装置に適用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0185】
【図1】本発明に係る紐の製造装置を示す正面図である。
【図2】圧縮部を示す正面図(部分断面図)である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】紐の製造装置を示す平面図である。
【図5】圧縮用ローラを示す図である。
【図6】長尺連続材巻上体を示す斜視図である。
【図7】紐を示す斜視図(一部省略)である。
【図8】本発明に係るペレットの製造装置を示す正面図である。
【図9】切断部を示す斜視図(一部省略)である。
【図10】ペレットを示す斜視図である。
【図11】切断部の変形例を示す図である。
【図12】本発明に係る第2実施例の紐の製造装置を示す正面図である。
【図13】本発明に係る第3実施例の紐の製造装置を示す正面図である。
【図14】本発明に係る第4実施例の紐の製造装置を示す正面図である。
【図15】図14実施例における捩り形成部を示す斜視図である。
【図16】図15におけるB−B断面図(一部省略)である。
【図17】本発明に係る第5実施例の紐の製造装置を示す正面図である。
【図18】コヨリ状紐材の製造装置を示す正面図である。
【図19】第6実施例のペレットの製造装置を示す正面図である。
【図20】装置本体を示す図である。
【図21】切断部の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0186】
P ペレット
R 長尺連続材
R’ 紐状集束材
R’’コヨリ状紐材
S 紐
Y 凹所
10 紐の製造装置
12 装置本体
14 回転部
16 集束部
18 紐回収部
22 圧縮部
100 ペレットの製造装置
102 切断部
104 ペレット回収部
108 切断部
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状或いは糸状の長尺連続材を利用した紐・ペレット、紐・ペレットの製造方法並びにそれらの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境問題に対する意識の向上やコスト削減等の観点から、樹脂製品の成形現場では、成形過程で発生する多量の不良品(例えば、試運転時の適正な規格製品が成形できるまでの生産準備段階での成形品や、成形時のトラブルによる不良品)等を原料として再利用することが一般に行われている。
【0003】
この一例として、例えば特許文献1には、成形不良品(或いはロス原料)である長尺の樹脂材から再生原料としての樹脂ペレットを製造する技術が開示されている。
【特許文献1】特開昭49−9560号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術(特許文献1)では、テープ状の樹脂材を紐状にしたものを電極ロールにて加熱熔融することによってその形状を保持させ、然る後、前記紐状の樹脂材を切断機にて所定長さに切断することにより樹脂ペレットを成形するようにしていた。
【0005】
しかしながら、従来技術では、樹脂材の加熱熔融時に熱のかけすぎによって品質が劣化(樹脂材の変質或いは焼け焦げの発生など)してしまうという問題があった。
【0006】
また、テープ状の樹脂材を紐状にする際には空気抜き等の処理を特別には行っておらず、加熱熔融後の樹脂内部には多量の空気が含まれてしまう。つまり、得られる樹脂ペレットは、空気を含有した分だけ中実のバージンペレットと比較してその見掛け比重が小さい。それ故、成形機のホッパに再生樹脂ペレットと中実のバージンペレットとを混ぜて投入した場合、見掛け比重の小さい再生樹脂ペレットは、比重の大きい中実体に押されて浮き上がってしまい、バージンペレットに比べて成形機への供給がされにくいという問題点や、空気の含有量が多いために混練されている溶融樹脂の空気の含有量が多くなり、再生樹脂ペレットを原料として利用する場合、正確な計量が困難であるという問題もあった。
【0007】
それ故、本発明の目的は、品質劣化がなく、見掛け比重が高く、且つ、均一なペレット、前記ペレットの製造方法及びその製造装置を提供することにあり、更に他の目的は、前記ペレットの前段階であり且つそれ自体締結力に優れている紐、前記紐の製造方法及びその製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、「1または複数の帯状長尺連続材(R)が細幅に集束させられると共にコヨリ状に捩られ、且つ、その表面に所定間隔を隔てて圧痕(Y)が形成されている」ことを特徴とする紐(S)である。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、「複数の糸状長尺連続材(R)が1本に集束させられると共にコヨリ状に捩られ、且つ、その表面に所定間隔を隔てて圧痕(Y)が形成されている」ことを特徴とする紐(S)である。
【0010】
これらの発明では1または複数の帯状長尺連続材(R)、或いは複数の糸状長尺連続材(R)がコヨリ状に捩られているので、得られた紐(S)の内部にはほとんど空気が存在しない。また、紐(S)の表面には圧痕(Y)が形成されているので、紐(S)を構成している層状の長尺連続材(R)同士が圧着され、紐(S)が膨れたりほぐれたりすることはない。さらにまた、紐(S)を結ぶ際には、圧痕(Y)が滑り止めとして機能するので結び目がほどけにくい。
【0011】
なお、請求項3に記載したように「帯状長尺連続材(R)又は糸状長尺連続材(R)が、廃棄処分品である」場合には、廃棄処分品である帯状又は糸状長尺連続材(R)を紐(S)とすることで新たな利用用途が生まれるし、また、廃棄処分するにしても、廃棄処分品である長尺連続材(R)を捩って圧縮しているので廃棄処分品全体の嵩が小さくなり、廃棄処分品の廃棄時における減容効果が得られる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、「請求項1から3の何れかに記載の紐(S)を所定長さでペレット状に切断して形成された」ことを特徴とするペレット(P)である。
【0013】
この発明では、内部に空気が殆ど存在しない紐(S)を切断することにより、見掛け比重の大きなペレット(P)を得ることができる。なお、紐(S)の捩り度合いがその全長に亘って一定であれば、これを切断して得られるペレット(P)の見掛け比重は一定であり、高品質な再生ペレット(P)を得ることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、「1または複数の帯状長尺連続材(R)を細幅に集束すると共にこれを捩ってコヨリ状紐材(R'')を形成し、外周面に凹凸が形成された一対の圧縮用ローラ(50a)(50b)にてコヨリ状紐材(R'')を圧縮する」ことを特徴とする紐(S)の製造方法である。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、「複数の糸状長尺連続材(R)を1本に集束すると共にこれを捩ってコヨリ状紐材(R'')を形成し、外周面に凹凸が形成された一対の圧縮用ローラ(50a)(50b)にてコヨリ状紐材(R'')を圧縮する」ことを特徴とする紐(S)の製造方法である。
【0016】
これらの発明では、1または複数の帯状長尺連続材(R)を細幅に集束する、或いは、複数の糸状長尺連続材(R)を1本に集束するとともにこれを捩っているので、長尺連続材(R)の層間に存在する空気が外部に押し出されて得られた紐(S)の内部にはほとんど空気が存在しない。また、これにより得られたコヨリ状紐材(R'')は、太く、まとまりのある1本の紐材として構成されるため、このコヨリ状紐材(R'')を圧縮用ローラ(50a)(50b)にて圧縮することで、圧縮比が高い非常に丈夫な紐(S)を形成することができる。
【0017】
また、得られた紐(S)の外周面には、圧縮用ローラ(50a)(50b)の外周面に形成された凹凸形状に応じて圧痕(Y)が形成されることになるが、紐(S)を構成している層状の長尺連続材(R)同士がこの圧痕(Y)によって互いに圧着されるので、紐(S)が膨らんだりほぐれたりすることはない。なお、紐(S)の表面に形成された圧痕(Y)は滑り止めとしても機能するので、紐(S)を結んだ時に、結び目がほどけにくくなる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、「請求項5または6に記載の方法により得られた紐(S)を所定長さでペレット状に切断する」ことを特徴とするペレット(P)の製造方法である。
【0019】
この発明では、内部に空気が殆ど存在しない紐(S)を切断することにより、見掛け比重の大きなペレット(P)を得ることができる。なお、紐(S)を形成する際に、その捩り度合いをその全長に亘って一定になるようにしておけば、ペレット(P)の見掛け比重を均一にすることができる。
【0020】
また、本発明方法では、捩り工程と圧縮工程によって得られた紐(S)を切断するだけでペレット(P)が得られるので、従来のような加熱工程を必要とはしない。したがって、加熱に伴うペレット(P)の品質劣化が生じることはない。
【0021】
請求項8に記載の発明は、「(a) 1または複数の帯状長尺連続材(R)及び/又は複数の糸状長尺連続材(R)を細幅に集束させて紐状集束材(R')を形成する集束部(16)(16')と、(b) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材(R'')を点圧縮して紐(S)を形成する一対の圧縮用ローラ(50a)(50b)を有する圧縮部(22)(22')と、(c) 集束部(16)(16')或いは圧縮部(22)(22')を相対的に回転させることにより紐状集束材(R')を捩ってコヨリ状紐材(R'')を形成する回転部(14)(14')とで構成されている」ことを特徴とする紐の製造装置(10A)(10B)である。
【0022】
また、請求項9に記載の発明は、「(a) 帯状長尺連続材(R)及び/又は糸状長尺連続材(R)を筒軸(X)に巻き上げた1または複数の長尺連続材巻上体(W)と、(b) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材(R'')を点圧縮して紐(S)を形成する一対の圧縮用ローラ(50a)(50b)を有する圧縮部(22')と、(c) 長尺連続材巻上体(W)或いは圧縮部(22')を相対的に回転させることにより長尺連続材巻上体(W)から引き出された長尺連続材(R)を捩ってコヨリ状紐材(R'')を形成する回転部(14')とで構成されている」ことを特徴とする紐の製造装置(10C)である。
【0023】
さらにまた、請求項10に記載の発明は、「(a) 1または複数の帯状長尺連続材(R)及び/又は複数の糸状長尺連続材(R)を細幅に集束させて紐状集束材(R')を形成する集束部(16)と、(b) 外周面が紐状集束材(R')と当接するように紐状集束材(R')の周囲に所定間隔を隔てて螺旋状に配列された複数の捩り用ローラ(158)を有し、各捩り用ローラ(158)が同方向に回転することにより紐状集束材(R')を捩ってコヨリ状紐材(R'')を形成する捩り形成部(152)と、(c) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材(R'')を点圧縮して紐(S)を形成する一対の圧縮用ローラ(50a)(50b)を有する圧縮部(22')とで構成されている」ことを特徴とする紐の製造装置(10D)である。
【0024】
これらの発明において、紐状集束材(R')を捩ると、層状になった紐状集束材(R')の間に存在していた空気が外部に押し出される。そして、太く、まとまりのある1本の帯材として構成されたコヨリ状紐材(R'')が圧縮部(22)(22')にて圧縮される。したがって、圧縮比が高く、非常に丈夫な紐(S)を形成することができる。
【0025】
また、圧縮時には、紐(S)の外周面に圧痕(Y)を形成できるので、この圧痕(Y)が紐(S)を構成している層状の長尺連続材(R)同士を圧着する。したがって、紐(S)が膨らんだりほぐれたりすることはない。
【0026】
なお、請求項11に記載したように「(a) コヨリ状紐材(R'')を筒軸(X)に巻き上げたコヨリ状紐材巻上体(W')を保持するコヨリ状紐材巻上体保持部(190)」と、「(b) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材巻上体(W')から引き出されたコヨリ状紐材(R'')を点圧縮して紐(S)を形成する一対の圧縮用ローラ(50a)(50b)を有する圧縮部(22')」とで紐の製造装置(10E)を構成するようにしてもよく、この場合にも、前述同様、非常に上部な紐(S)を形成することができる。
【0027】
請求項12に記載の発明は、「(a) 請求項8から11の何れかに記載の紐の製造装置(10A)〜(10E)と、(b) 各紐の製造装置(10A)〜(10E)を構成している圧縮部(22)(22')の出口側に設けられ、点圧縮されて形成された紐(S)を所定間隔でペレット状に切断する切断部(102)(222)とで構成されている」ことを特徴とするペレットの製造装置(100)である。
【0028】
この発明において、その内部に空気が殆ど存在せず、且つ、圧縮比が高い紐(S)を切断することにより、見掛け密度の大きなペレット(P)を形成することができる。なお、紐状集束材(R')の捩り度合いを一定にすれば、コヨリ状紐材(R'')の太さがその全長に亘って均一となるため、ペレット(P)の見掛け比重の値が均一となる。
【0029】
また、ペレット(P)の外周面には、圧痕(Y)が形成されており、この圧痕(Y)がペレット(P)を構成している層状の長尺連続材(R)同士を圧着できる。したがって、ペレット(P)が膨れたりほぐれたりすることはない。
【0030】
請求項13に記載の発明は、「(a) 1または複数の帯状長尺連続材(R)及び/又は複数の糸状長尺連続材(R)を細幅に集束させて紐状集束材(R')を形成するとともに、その送り方向を途中で反転させた後圧縮部(220)にガイドする回転フレーム(218)と、(b) 回転フレーム(218)を、その回転軸が紐状集束材(R')の送り方向と略並行となるように回転させることにより紐状集束材(R')を捩ってコヨリ状紐材(R'')を形成する回転部(204)と、(c) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材(R'')を点圧縮して紐(S)を形成する一対の圧縮用ローラ(50a)(50b)を有する圧縮部(220)と、(d) 圧縮部(220)の出口側に設けられ、点圧縮されて形成された紐(S)を所定間隔でペレット状に切断する切断部(222)とで構成されている」ことを特徴とするペレットの製造装置(200)である。
【0031】
この発明においても、その内部に空気が殆ど存在せず、且つ、圧縮比が高い紐(S)を切断することにより、見掛け密度の大きなペレット(P)を形成することができる。なお、この発明では、紐状集束材(R')の送り方向を途中で反転させているので、回転フレーム(218)が1回転すると、紐状集束材(R')は2回捩られることになる。
【発明の効果】
【0032】
請求項1〜3、5〜6および8〜11に記載の発明によれば、圧縮比が高く、非常に丈夫な紐を得ることができる。また、紐の表面に形成された圧痕の存在により紐が膨れたりほぐれたりすることはなく、その形状を長期に亘り保持することができる。なお、当該圧痕は、滑り止めとしても機能するので、紐を結んだ時に結び目がほどけるのを防止できる。
【0033】
請求項4、7、12および13に記載の発明によれば、見かけ比重が大きいペレットを得ることができる。なお、紐状集束材の捩り度合いを一定にしておけば、ペレットの見掛け比重を均一にすることができる。また、紐の表面には圧痕が形成されており、紐を構成している層状の長尺連続材の構成材同士が圧着されるので、ペレットが膨れたりほぐれたりすることはなく、その形状を長期に亘り保持することができる。さらに、従来のような加熱工程が含まれていないので、品質劣化のない高品質なペレットを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明を図示実施例に従って詳述する。本発明にかかる紐の製造装置(10)は第1〜第5実施例(10A)〜(10E)があり、以下これらを図面に従って順次説明する。本発明の説明は第1実施例(10A)を代表例とし、第2実施例以降(10B)(10C)…は説明の繁雑さを回避するために共通部分は省略して、異なる部分のみを説明するものとする。
【実施例1】
【0035】
第1実施例の紐の製造装置(10A)は、図1に示すように2個(勿論、1個でも良いし、3個以上であってもよい)の長尺連続材巻上体(W)から長尺連続材(R)を引き出し、この長尺連続材(R)を材料として紐(S)を製造するものである。
【0036】
ここで、長尺連続材巻上体(W)の1例を示すと、図6に示すように、長尺連続材(R)を筒軸(X)に巻き上げたものである。長尺連続材(R)の材質は、捩ることができ、且つ、その表面に点状に圧痕(Y)を形成し、この圧痕(Y)部分を形成する部分が互いに融着或いは接着して撚りを維持することができるようなものであればどのようなものであってもよく、本実施例では、厚み10〜100μm、幅10〜100mmの合成樹脂フィルム(低密度(或いは高密度)ポリエチレン樹脂)や、自動織機にて機織される布の両側端のカット部分(通常、耳端と呼ばれている部分で、複数本の縦糸に短い横糸が絡まったもの)が使用される。勿論、これらに限られず、前述の条件が達成できるものであれば紙でもよい。ここで、合成樹脂フィルムのようなものを帯状長尺連続材とし、耳端のようなものを糸状長尺連続材と呼ぶ。区別をしない場合は単に長尺連続材と呼ぶ。
【0037】
また、紐(S)は、図7に示すように、コヨリ状に捩った長尺連続材(R)の外周面に凹状圧痕(Y)を形成したものである。なお、前記凹状は、略U状、略V状や略コ状等の形状も含む概念である。
【0038】
紐の製造装置(10A)は、図1に示すように、装置本体(12)、回転部(14)、集束部(16)および紐回収部(18)を備えている。
【0039】
装置本体(12)は、フレーム(20)と圧縮部(22)とで構成されている。フレーム(20)は、装置本体(12)の骨格となる部分であり、細長の棒状部材(例えば、L字型鋼)にて形成された複数(本実施例では4本)の支柱(20a)と、支柱(20a)の上端部に設けられた上部プレート(20b)と、支柱(20a)の高さ方向の略中間部位に設けられた中間プレート(20c)とを備えており、上部プレート(20b)には、上側軸受部材(26)が固定されており、中間プレート(20c)には下側軸受部材(28)が固定されている。
【0040】
圧縮部(22)は、図2〜図3に示すように、下部テーブル(30)、上部テーブル(32)およびローラ取付プレート(34)を有する。
【0041】
下部テーブル(30)は、円盤状の部材であり、その中心には孔(36)が形成されている。下部テーブル(30)の下面側には、孔(36)の内径と略等しい内径を有する筒状の軸体(38)が孔(36)の位置に合わせて取り付けられており、この軸体(38)の下端部が下側軸受部材(28)に回転自在に支持されている。なお、軸体(38)の中段部分には、従動プーリ(40)が一体的に設けられている。
【0042】
下部テーブル(30)の上面には、ローラ取付プレート(34)および複数(本実施例では3本)の支柱(42)が立設されており、この支柱(42)の上端部に上部テーブル(32)が取り付けられている。
【0043】
上部テーブル(32)は、下部テーブル(30)と略等しい大きさに形成された円盤状の部材であり、その中心には孔(44)が形成されている。上部テーブル(32)の上面側には、孔(44)の内径と略等しい内径を有する筒状の軸体(46)が、孔(44)の位置に合わせて取り付けられており、この軸体(46)の上端部が上側軸受部材(26)に回動自在に支持されている。そして、軸体(46)の中段部分には、後述するモータ(56)に電力を供給するためのスリップリング(48)が取り付けられており、フレーム(20)側の固定側に設けられた給電ブラシ(48a)が前記スリップリング(48)に摺接している。なお、軸体(38)(46)は同軸的に取り付けられている。
【0044】
ローラ取付プレート(34)は、略L字形状に折り曲げ形成された板状の部材であり、その前面側には、2対のローラが上下に並んで取り付けられている(図2参照)。ここで、上側の一対のローラが圧縮用ローラ(50a)(50b)であり、下側の一対のローラが引出用ローラ(52a)(52b)である。
【0045】
図2において、一方(図2における左側)の圧縮用ローラ(50a)(可動側)は、ローラ取付プレート(34)に固定されたトグルクランプ(54)の先端に回動可能に取り付けられており、他方の圧縮用ローラ(50b)(固定側)は、ローラ取付プレート(34)に固定されたモータ(56)の回転軸の先端に固着されている。なお、回転軸の中段部分には、ギヤ(62)が取り付けられている。ここで、トグルクランプ(54)を固定側の圧縮用ローラ(50b)側に向けて倒すと、圧縮用ローラ(50a)と圧縮用ローラ(50b)とが当接するようになっている。
【0046】
各圧縮用ローラ(50a)(50b)は、その外周面に凹所が形成された円板状の部材であり、本実施例では、図5に示すように、その外周面に凹所が形成された複数(本実施例では6枚)の円盤状部材(58a)をネジなどの締結部材(58b)により一体化することにより構成されている(各円盤状部材(58a)の間には若干の隙間が設けられている)。なお、固定側の圧縮用ローラ(50b)には、その軸方向両端に円盤状部材(58a)よりも大きな外径を有するストッパー部材(58c)が取り付けられている。
【0047】
また、図2において、一方(図2における左側)の引出用ローラ(52a)(可動側)は、ローラ取付プレート(34)に固定されたトグルクランプ(60)の先端に回動可能に取り付けられており、他方の引出用ローラ(52b)(固定側)は、ローラ取付プレート(34)の前面側に取り付けられたギヤ(64)を介して回動自在に取り付けられている。なお、ギヤ(62)とギヤ(64)とは、連結ギヤ(66)を介して連結されているため、圧縮用ローラ(50b)と引出用ローラ(52b)とは同じ角速度で回転することになる。
【0048】
ここで、トグルクランプ(60)を固定側の引出用ローラ(52b)側に向けて倒すと、可動側の引出用ローラ(52a)が固定側の引出用ローラ(52b)に近接する。なお、引出用ローラ(52a)(52b)間の距離は、圧縮用ローラ(50a)(50b)から送り出された紐(S)を弛み無く下方に送り出すことができ、且つ、圧縮用ローラ(50a)(50b)と引出用ローラ(52a)(52b)との間において紐(S)に過剰なテンションがかかった場合には、引出用ローラ(52a)(52b)と紐(S)とがスリップして紐(S)が該テンションによって切断されることがないよう適宜設定される。
【0049】
各引出用ローラ(52a)(52b)は、圧縮用ローラ(50a)(50b)にて形成された紐(S)を圧縮用ローラ(50a)(50b)に付着したままの状態になることなく、後述する紐回収部(18)に確実に送り出すことができるよう、必要に応じて設けられるものである。従って、その材質としては、その送り出し時に滑ることがないよう、紐(S)との摩擦係数が大きなものが良く、ウレタンゴムなどの弾性材料が好適に採用される。なお、引出用ローラ(52a)(52b)の外径は、圧縮用ローラ(50a)(50b)の外径よりも若干大きめに設定されており、各引出用ローラ(52a)(52b)の外周面は平滑面となっている。
【0050】
回転部(14)は、圧縮部(22)を回転させるためのものであり、フレーム(20)の側方に固定されたフレーム(70)と、フレーム(70)に取り付けられたモータ(72)とを有する。
【0051】
モータ(72)の回転軸(72a)には、原動プーリ(74)が取り付けられており、原動プーリ(74)と従動プーリ(40)との間には、ベルト(76)が掛設されている。
【0052】
回転部(14)において、モータ(72)を駆動させると、モータ(72)の回転力が原動プーリ(74)、ベルト(76)、従動プーリ(40)、および軸体(38)を介して装置本体(12)の圧縮部(22)に伝達され、圧縮部(22)とスリップリング(48)とが一体となって回転する。このとき、外部からスリップリング(48)に給電された電気が導線(49)を介してモータ(56)に給電されることになる。なお、モータ(72)の回転速度は、長尺連続材(R)の材質等を考慮して適宜設定すればよく、本実施例では、長尺連続材(R)を1m当たり70回捩るように設定されている。
【0053】
集束部(16)は、1又は複数の長尺連続材巻上体(W)から引出された長尺連続材(R)を1本に(或いは細幅に)集束して紐状集束材(R')を形成するとともに、紐状集束材(R')を捩る際の基点となる部分であり、図1および図4から分かるように、装置本体(12)のフレーム(20)上に載置された矩形状のベース(78)を有する。ベース(78)の中央には、孔(78a)が形成されており、この孔(78a)にフレーム(20)の上方に突出した軸体(46)の先端が嵌め込まれる。
【0054】
ベース(78)の上面には、断面略コ字状に曲折された2本の支柱(80a)(80b)が所定間隔を隔てて立設されており、その前面側には、上下方向に延びる長孔(82)がそれぞれ穿設されている。支柱(80a)(80b)の前面(長孔(82)が形成されている側の面)には、集束用ローラ固定用板(84)が取り付けられている。集束用ローラ固定用板(84)は、金属等の剛性材料からなる板状の部材であり、その4隅には丸孔(図示省略)が穿設されている。そして、前述の丸孔および長孔(82)に挿通されたボルト(86a)の端部にナット(86b)を螺合することで、集束用ローラ固定用板(84)を支柱(22a)(22b)に対して上下方向に位置調整可能に固定できる。
【0055】
集束用ローラ固定用板(84)の前面側には、一対の集束用ローラ(88a)(88b)が取り付けられている。
【0056】
図1において、一方(図1における左側)の集束用ローラ(88a)(可動側)は、集束用ローラ固定用板(84)に対して左右方向に位置調整可能に取り付けられた位置調整用プレート(90)の先端に回動自在に取り付けられている。また、他方(図1における右側)の集束用ローラ(88b)(固定側)は、集束用ローラ固定用板(84)に取り付けられたモータ(92)の回転軸に取り付けられている。なお、モータ(92)の回転速度は、集束用ローラ(88a)(88a)の回転速度が圧縮用ローラ(50a)(50b)の回転速度よりも若干速くなるように設定されている。
【0057】
ここで、各集束用ローラ(88a)(88b)は、長尺連続材(R)を下方へ送り出す際にスリップすることがないよう、その材質としては長尺連続材(R)との摩擦係数が高いものが選択され、本実施例では、ウレタンゴムなどの弾性材料が使用されている。なお、集束用ローラ(88a)(88b)の外周面は平滑面となっている。
【0058】
そして、集束用ローラ(88a)(88b)の上方には2個の長尺連続材巻上体(W)が所定間隔を隔てて配置されている。なお、長尺連続材巻上体(W)の数は、目的とする紐(S)の太さ等に応じて適宜設定すればよく、1個であってもよいし3個以上であってもよい。また、長尺連続材巻上体(W)の配置位置も特に限定されるものではなく、例えば、長尺連続材巻上体(W)を集束用ローラ(88a)(88b)の真上や側方に配置するようにしてもよい。
【0059】
紐回収部(18)は、装置本体(12)にて形成された紐(S)を回収する部分であり、本実施例では、軸体(38)の下方に紐(S)を収容するための収容箱(96)が設置されている。
【0060】
次に、本願発明に係る紐の製造装置(10A)を用いて紐(S)を製造する方法について説明する。紐の製造装置(10A)を用いて紐(S)を製造する際には、まず、長尺連続材巻上体(W)から長尺連続材(R)の先端を引出す。そして、この長尺連続材(R)を所定の送り経路にセットして、その先端部を引出用ローラ(52a)(52b)間に挟み込む。
【0061】
続いて、集束部(16)のモータ(92)及び回転部(14)のモータ(72)を駆動させる。ここで、モータ(72)が回転すると、上述したようにモータ(72)の回転力が原動プーリ(74)、ベルト(76)、従動プーリ(40)、および軸体(38)を介して圧縮部(22)に伝達され、圧縮部(22)とスリップリング(48)とが一体となって回転する。スリップリング(48)には給電ブラシ(48a)を介して電力が給電され、スリップリング(48)から導出された導線(49)を介してモータ(56)に給電される。このようにして全てのモータ(92)(72)(56)が駆動すると、長尺連続材巻上体(W)から引出された長尺連続材(R)が集束用ローラ(88a)(88b)に送られる。
【0062】
集束用ローラ(88a)(88b)では、ここでは2本の長尺連続材(R)が1本にまとめられて紐状集束材(R')となる。そして、紐状集束材(R')は、集束用ローラ(88a)(88b)を離れた瞬間から圧縮部(22)の回転によって捩られてコヨリ状に巻かれる状態となり、集束用ローラ(88a)(88b)と圧縮用ローラ(50a)(50b)との間でコヨリ状紐材(R'')の形成が開始される。
【0063】
なお、コヨリ状紐材(R'')の捩り度合いは、圧縮部(22)の回転数、および集束用ローラ(88a)(88b)と圧縮用ローラ(50a)(50b)との間における紐状集束材(R')の弛み度合いによって定められる。そして、圧縮部(22)の回転数は、モータ(72)の回転速度によって定められ、紐状集束材(R')の弛み度合いは集束用ローラ(88a)(88b)の回転速度と圧縮用ローラ(50a)(50b)の回転速度との速度差によって定められる。
【0064】
所定の捩り度合いで捩られ、圧縮部(22)に送られたコヨリ状紐材(R'')は、圧縮用ローラ(50a)(50b)を通過することにより点圧縮される。
【0065】
ここで、圧縮用ローラ(50a)(50b)の外周面には、凹所が形成されているので、コヨリ状紐材(R'')が圧縮用ローラ(50a)(50b)で点圧縮されると、紐(S)の表面には圧縮用ローラ(50a)(50b)の外周面の凹凸形状に応じて圧痕(Y)が所定間隔を隔てて形成され、この圧痕(Y)によってコヨリ状紐材(R'')を構成する長尺連続材(R)の層がその材質によって互いに圧着或いは融着又は接着されることになる。なお、上述したように、圧縮用ローラ(50a)(50b)を構成している円盤状部材(58a)の外周面に凹所が形成されており、且つ、各円盤状部材(58a)の間には若干の隙間が設けられているので、紐(S)の表面にその長手方向に沿って形成された圧痕(Y)群は、あたかも背骨のような意匠を与えることになる。
【0066】
そして、圧縮用ローラ(50a)(50b)を通過して形成された紐(S)が引出用ローラ(52a)(52b)によって下方に送り出され、紐回収部(18)内に回収される。
【0067】
なお、コヨリ状紐材(R'')が圧縮用ローラ(50a)(50b)にて圧縮されると、圧縮用ローラ(50a)(50b)通過後の紐(S)の長さは、コヨリ状紐材(R'')に比べて若干長くなる。したがって、引出用ローラ(52b)の回転速度を圧縮用ローラ(50b)の回転速度よりも若干速くなるように設定しておけば、紐(S)が圧縮用ローラ(50a)(50b)と引出用ローラ(52a)(52b)との間で弛むことはない。なお、本実施例では、上述したように圧縮用ローラ(50b)と引出用ローラ(52b)との角速度が同じであるため、引出用ローラ(52b)の外径を圧縮用ローラ(50b)の外径よりも若干大き目に設定することでこれに対応するようにしている。
【0068】
この実施例によれば、1または複数の長尺連続材(R)が細幅(或いは1本)に集束した紐状集束材(R')を捩ることにより、紐状集束材(R')の内部に存在していた空気を確実に外部に押し出すことができる。また、コヨリ状紐材(R'')は、太く、まとまりのある1本の帯材として構成されるので、このコヨリ状紐材(R'')を点圧縮することで、圧縮比が非常に高く頑丈な紐(S)を得ることができる。
【0069】
また、紐(S)の外周面には、圧縮用ローラ(50a)(50b)で点圧縮することにより圧痕(Y)が形成されるので、紐(S)を構成している長尺連続材(R)の層同士が互いに圧着される。したがって、紐(S)が膨れたりほぐれてしまうことはない。なお、紐(S)の表面に形成された圧痕(Y)が滑り止めとして機能するので、紐(S)を結んだ時に結び目がほどけることもない。
【0070】
なお、上述の実施例では、長尺連続材(R)を筒軸(X)に一旦巻き上げて長尺連続材巻上体(W)を形成し、この長尺連続材巻上体(W)を紐の製造装置(10)にセッティングすることによって製造装置(10A)に長尺連続材(R)を供給するようにしていたが、例えば、図1の破線で示すように、図示しない成形機から順次送り出される長尺連続材(R)を該製造装置(10A)に直接供給するようにしてもよい。ただし、この場合には、集束用ローラ(88a)(88b)、圧縮用ローラ(50a)(50b)および引出用ローラ(52a)(52b)の回転速度が図示しない成形機における長尺連続材(R)の供給速度に合わせて適宜設定されることになる。
【0071】
また、上述の実施例では、集束部(16)が一対の集束用ローラ(88a)(88b)と、集束用ローラ(88a)(88b)の上方に配置された長尺連続材巻上体(W)とを備えていたが、たとえば、圧縮部(22)の上方に設置された図示しないローラの側方に長尺連続材巻上体(W)を配置したものを集束部(16)として構成してもよい。この場合には、長尺連続材巻上体(W)から側方に引出された長尺連続材(R)が前記ローラにて進路変更されて下方の圧縮部(22)に送り出されるので、長尺連続材(R)と前記ローラとの接触面積が非常に大きくなり、当該接触部分において前述した集束機能と、捩りの基点としての機能の両方を達成することができる。
【0072】
また、上述の実施例では、引出用ローラ(52a)(52b)から下方に送り出された紐(S)を収容箱(96)に回収するようにしていたが、圧縮用ローラ(50a)(50b)から送り出された紐(S)を巻取ローラなどの巻取手段(図示省略)によって直接巻き取りながら回収するようにしてもよい。この場合には、圧縮用ローラ(50a)(50b)を通過した紐(S)が巻取手段によって直接巻き取られるので、圧縮された紐(S)が圧縮用ローラ(50a)(50b)に付着することはない。したがって、この場合には、引出用ローラ(52a)(52b)の使用を省略することが可能である(但し、紐(S)の捩れが元に戻るのを防止するため、該巻取手段は圧縮部(22)と同期して回転させることが好ましい。)。
【0073】
さらにまた、長尺連続材(R)の材質としては合成樹脂に限定されるものではなく、紙(和紙または洋紙等)、或いは布(天然繊維、合成繊維、或いはこれらの混合物を編織したもの)等であってもよい。これらの材質からなる長尺連続材(R)は、従来では廃棄処分するしか手段がなかったが、紐(S)として再生することでその利用価値を新たに見出すことができる。
【0074】
なお、紐の製造装置(10A)にて製造された紐(S)を所定間隔で切断すれば、ペレット(P)を形成することができる。以下、ペレットの製造装置(100)について説明することとする。
【0075】
ここで、ペレット(P)は、図10からも分かるように、長尺連続材(R)を螺旋状に密着状態で巻回した長尺連続材(R)の積層体の外周面に凹状圧痕(Y)を形成したものである。
【0076】
ペレットの製造装置(100)は、図8に示すように、装置本体(12)、回転部(14)、集束部(16)、切断部(102)、およびペレット回収部(104)を備えている。
【0077】
なお、本実施例におけるペレットの製造装置(100)は、紐の製造装置(10A)における紐回収部(18)に代えて切断部(102)およびペレット回収部(104)を設けたものである。したがって、以下には、その異なる部分だけを説明することとし、一致部分の構成については、前述の記載を援用する。
【0078】
切断部(102)は、フレーム(106)と、切断部(108)とで構成されている。フレーム(106)は、切断部(102)の骨格となる部分であり、細長の棒状部材(例えば、L字型鋼)にて形成された複数(本実施例では4本)の支柱(106a)と、支柱(106a)の上端部に設けられた上部プレート(106b)とを備えている。上部プレート(106b)の中央部には、紐(S)が送り出される位置に合わせて孔(図示省略)が形成されており、上部プレート(106b)の上面であって前記孔の周囲には、紐(S)を切断部(108)に導く筒状のガイド部材(106c)が形成されている。
【0079】
切断部(108)は、図9からも分かるように、支柱(106a)に固定されたモータ(110)と、モータ(110)の回転軸に取り付けられたカッター(112)と、カッター(112)にて切断されたペレット(P)をペレット回収部(104)に導くガイド(114)とで大略構成されている。
【0080】
カッター(112)は、金属等の剛性材料からなる略円盤状部材であり、図9に示すように、その外周面には、複数の刃(112a)が所定間隔を隔てて形成されている。なお、刃(112a)の数や刃(112a)同士の間隔は、目的とするペレット(P)の大きさに合わせて、紐(S)の送り出し速さやカッター(112)の回転速度などを考慮して適宜設定される。
【0081】
モータ(110)の側方には、ガイド(114)が取り付けられている。ガイド(114)は、略円筒状の部材であり、その上端部には切り欠きが形成されている。そして、この切り欠き部分をカッター(112)の刃(112a)が通過できるよう、その位置や大きさ等が適宜設定される。
【0082】
なお、ガイド(114)の上端部には、図11に示すように紐固定部材(115)を設けるようにしてもよい。紐固定部材(115)は、金属等の剛性材料からなる板状部材であり、その端部には、紐(S)が通過可能な大きさの細長の切り欠き(115a)が形成されている(切り欠き(115a)は、カッター(112)の回転方向に向かって延びている。)。
【0083】
ペレット回収部(104)は、ガイド(114)から導かれたペレット(P)を回収する部分であり、本実施例では、切断部(102)の下方に設置されたフレーム(116)内に回収箱(118)が設置されている。
【0084】
次に、本願発明に係るペレットの製造装置(100)を用いてペレット(P)を製造する方法について説明する。
【0085】
ペレットの製造装置(100)では、集束部(16)のモータ(92)および回転部(14)のモータ(72)に加えて、切断部(108)のモータ(110)が駆動される。これにより、所定の回転数でカッター(112)が回転することになる。
【0086】
引出用ローラ(52a)(52b)から送り出された紐(S)がガイド部材(106c)を通過してカッター(112)の近傍に導出されると、カッター(112)の回転によって紐(S)が所定長さに連続的に切断され、これによりペレット(P)が形成される(ガイド(114)の上端部に紐固定部材(115)を設けた場合には、紐(S)がカッター(112)の刃(112a)と紐固定部材(115)の切り欠き(115a)とに挟まれてその位置が固定されるので、紐(S)をより確実に切断することが可能となる。)。なお、ペレット(P)の軸方向の長さは、カッター(112)の回転速度や紐(S)の送り速度を適宜調整することによって自在に調整することが可能である。
【0087】
そして、切断されたペレット(P)は、ガイド(114)を通過して回収箱(118)に回収される。
【0088】
本実施例では、1または複数の長尺連続材(R)を1本に束ねた紐状集束材(R')を捩ることにより、紐状集束材(R')の内部に存在していた空気を外部に押し出すことができる。また、これにより得られたコヨリ状紐材(R'')は、太く、まとまりのある1本の帯材として構成されるため、このコヨリ状紐材(R'')を圧縮すると、圧縮比が非常に高く、見掛け比重の大きなペレット(P)を得ることができる。なお、紐状集束材(R')の捩り回数を一定にすれば、コヨリ状紐材(R'')の太さがある程度均一となるため、ペレット(P)の見かけ比重の値は均一となる。
【0089】
また、ペレット(P)の外周面には、圧縮用ローラ(50a)(50b)で圧縮することにより圧痕(Y)が形成されることになるが、この圧痕(Y)がペレット(P)を構成している長尺連続材(R)の層同士を互いに圧着できるので、ペレット(P)が膨れたりほぐれてしまうことはなく、その形状を長期間に亘って保持することができる。
【0090】
また、得られたペレット(P)は、その圧痕(Y)部分で圧縮されて稠密状態になっているため、その基材強度は非常に高い。
【0091】
また、本実施例では、ペレット(P)を形成するために従来のような加熱工程を必要としないので、加熱に伴うペレット(P)の品質劣化が生じることもない。
【0092】
さらにまた、長尺連続材(R)が廃棄処分品である場合、従来では嵩高い長尺連続材(R)の廃棄に困難を極めていたが、これを紐化或いはペレット化することで廃棄処分品全体の嵩を小さくすることができ、廃棄処分時の減容化・省力化に資することとなる。
【0093】
なお、これは紐の製造装置(10)およびペレットの製造装置(100)に共通して言えることであるが、圧縮部(22)を集束部(16)に対して回転させる代わりに、圧縮部(22)を固定し、集束部(16)を圧縮部(22)に対して回転させるように構成してもよいし(後述)、また、集束部(16)と圧縮部(22)とを互いに異なる方向に同時に回転させるように構成してもよい(つまり、集束部(16)と圧縮部(22)とを相対的に回転させることができればよい)。
【実施例2】
【0094】
第2実施例の紐の製造装置(10B)は、圧縮部を固定し、集束部を圧縮部に対して回転させるように構成したものである。
【0095】
紐の製造装置(10B)は、図12に示すように、装置本体(12')、回転部(14')、集束部(16')および紐回収部(18)を備えている。
【0096】
装置本体(12')は、フレーム(130)と圧縮部(22')とで構成されている。
【0097】
フレーム(130)は、6本の支柱(130a)と、支柱(130a)の上端部に設けられた上部プレート(130b)とを有し、上部プレート(130b)の上面には、軸受部材(134)が固定されている。
【0098】
圧縮部(22')は、フレーム(130)の中段部分に取り付けられた固定プレート(132)と、固定プレート(132)の上面に立設されたローラ取付プレート(34)とを有する。なお、ローラ取付プレート(34)には、前述したように、圧縮用ローラ(50a)(50b)、引出用ローラ(52a)(52b)、モータ(56)などが設けられている(図3参照)。
【0099】
回転部(14')は、フレーム(130)の上端部側方に固定されたフレーム(140)と、フレーム(140)に取り付けられたモータ(72)とを有する。
【0100】
集束部(16')は、その構成が第1実施例の集束部(16)と大略同じであるが、ベース(78)の下面に軸体(136)が設けられており、また、支柱(80a)(80b)の上端部に長尺連続材巻上体保持部(142)が設けられている点で相違する。
【0101】
ベース(78)の下面側には、ベース(78)の中心に設けられた孔(78a)の内径と略等しい内径を有する筒状の軸体(136)が孔(78a)の位置に合わせて取り付けられており、この軸体(136)の下端部が軸受部材(134)に回動可能に支持されている。なお、軸体(136)の中段部分には、従動プーリ(138)が一体的に設けられており、従動プーリ(138)と原動プーリ(74)との間には、ベルト(76)が掛設されている。
【0102】
長尺連続材巻上体保持部(142)は、長尺連続材巻上体(W)を保持するためのものであり、支柱(80a)(80b)の上端部に取り付けられたベース(144)と、ベース(144)の上面に立設された複数組(本実施例では2組であるが、3組以上であってもよいし1組であってもよい)の取付部材(146)とを備えている。
【0103】
なお、圧縮部(22')の下方には、紐回収部(18)が配置されている。
【0104】
本実施例の紐の製造装置(10B)を用いて紐(S)を製造する際には、長尺連続材巻上体保持部(142)に保持されている長尺連続材巻上体(W)から長尺連続材(R)の先端を引き出す。そして、この長尺連続材(R)を所定の送り経路にセットして、その先端部を引出用ローラ(52a)(52b)間に挟み込み、然る後、第1実施例と同様、全てのモータ(92)(72)(56)を作動させる。
【0105】
ここで、回転部(14')のモータ(72)が作動すると、モータ(72)の回転力が原動プーリ(74)、ベルト(76)、従動プーリ(138)および軸体(136)を介して集束部(16')に伝達され、集束部(16')が装置本体(12')(より詳しくは、圧縮部(22'))に対して回転することになる。
【0106】
長尺連続材巻上体(W)から引き出された2本の長尺連続材(R)は、集束用ローラ(88a)(88b)にて1本にまとめられて紐状集束材(R')が形成される。そして、この紐状集束材(R')は、集束用ローラ(88a)(88b)を離れた瞬間から集束部(16')の回転によって捩られてコヨリ状に巻かれる状態となり、集束用ローラ(88a)(88b)と圧縮用ローラ(50a)(50b)との間でコヨリ状紐材(R'')の形成が開始される。
【0107】
そして、このコヨリ状紐材(R'')が圧縮用ローラ(50a)(50b)にて点圧縮されて紐(S)が形成されるのであるが、この点については上述第1実施例と同様であるため説明を省略する。
【0108】
この実施例においても、捩り工程と圧縮工程によって紐(S)が形成されるので、第1実施例と同様、圧縮比が非常に高く頑丈な紐(S)を得ることができる。
【実施例3】
【0109】
第3実施例の紐の製造装置(10C)は、上述第2実施例の変形例(集束用ローラを設けない例)であり、図13に示すように、装置本体(12')、回転部(14')、長尺連続材巻上体保持部(143)および紐回収部(18)を備えている。
【0110】
長尺連続材巻上体保持部(143)は、長尺連続材巻上体(W)を保持するためのものであり、ベース(145)と、ベース(145)の上面に立設された複数組(本実施例では2組であるが、3組以上であってもよいし1組であってもよい)の取付部材(147)とを備えている。ベース(145)の下面側には、円筒状の軸体(149)が取り付けられており、この軸体(149)の下端部がフレーム(130)の軸受部材(134)に回動自在に支持されている。なお、軸体(149)の中段部分には、従動プーリ(141)が一体的に設けられており、従動プーリ(141)と原動プーリ(74)との間には、ベルト(76)が掛設されている。
【0111】
本実施例の紐の製造装置(10C)を用いて紐(S)を製造する際には、長尺連続材巻上体保持部(143)に保持されている長尺連続材巻上体(W)から長尺連続材(R)の先端を引き出す。そして、この長尺連続材(R)を所定の送り経路にセットして、その先端部を引出用ローラ(52a)(52b)間に挟み込んだ後、モータ(72)(56)を作動させる。
【0112】
ここで、回転部(14')のモータ(72)が作動すると、モータ(72)の回転力が原動プーリ(74)、ベルト(76)、従動プーリ(141)および軸体(149)を介して長尺連続材巻上体保持部(143)に伝達され、長尺連続材巻上体保持部(143)に保持されている長尺連続材巻上体(W)が装置本体(12')(より詳しくは、圧縮部(22')に対して回転することになる。
【0113】
長尺連続材巻上体(W)から引出された2本の長尺連続材(R)は、上述実施例とは異なり、圧縮用ローラ(50a)(50b)によって1本にまとめられて紐状集束材(R')が形成されるとともに、紐状集束材(R')の回転によって捩られてコヨリ状に巻かれる状態となり、長尺連続材巻上体(W)と圧縮用ローラ(50a)(50b)との間でコヨリ状紐材(R'')の形成が開始される。
【0114】
そして、このコヨリ状紐材(R'')が圧縮用ローラ(50a)(50b)にて点圧縮されて紐(S)が形成されるのであるが、この点については上述実施例と同様であるので説明を省略する。
【0115】
この実施例においても、捩り工程と圧縮工程によって紐(S)が形成されるので、上述実施例と同様、圧縮比が非常に高く頑丈な紐(S)を得ることができる。
【実施例4】
【0116】
第4実施例の紐の製造装置(10D)は、上述実施例とは異なり、集束部や圧縮部を固定した状態で長尺連続材(R)を捩るよう構成したものである。
【0117】
紐の製造装置(10D)は、図14に示すように、装置本体(12'')、集束部(16)および紐回収部(18)を備えている。
【0118】
装置本体(12'')は、フレーム(150)と圧縮部(22')と捩り形成部(152)とで構成されている。フレーム(150)は、複数本(本実施例では4本)の支柱(150a)と、支柱(150a)の上端部に設けられた上部プレート(150b)とを備えている。
【0119】
捩り形成部(152)は、下部テーブル(154)、上部テーブル(156)および複数(本実施例では9つ)の捩り用ローラ(158)を有する。
【0120】
下部テーブル(154)は、フレーム(150)に取り付けられた矩形状の部材であり、その中心には、捩られたコヨリ状紐材(R'')を挿通するための孔(154a)が形成されており、孔(154a)の周囲には、複数(本実施例では3つ)の軸受部材(160)が等角度間隔で固定されている。
【0121】
上部テーブル(156)は、下部テーブル(154)と略等しい大きさに形成された矩形状の部材であり、その中心には孔(156a)が形成されており、孔(156a)の周囲には、前記軸受部材(160)の位置に合わせて3つの軸受部材(162)が固定されている。
【0122】
そして、下部テーブル(154)の各軸受部材(160)には、軸体(164a)〜(164c)がそれぞれ回転自在に支持されており、この軸体(164a)〜(164c)の上端部が上部テーブル(156)の軸受部材(162)にそれぞれ回動自在に支持されている。
【0123】
各軸体(164a)〜(164c)には、所定間隔を隔てて複数(本実施例では3つ)の捩り用ローラ(158)が取り付けられている。各捩り用ローラ(158)は円盤状の部材であり、その外周面には、長尺連続材(R)との摩擦係数が高い部材(例えば、ウレタンゴムなどの弾性部材)がその全周に亘って貼着されている。
【0124】
なお、捩り形成部(152)全体として見た場合、捩り用ローラ(158)は、図15からも分かるように、その外周面が紐状集束材(R')と当接するように紐状集束材(R')の周囲に所定間隔を隔てて螺旋状に配列されている。
【0125】
各軸体(164a)〜(164c)の下端部には、図16に示すように、歯車(166a)〜(166c)がそれぞれ取り付けられている。ここで、歯車(166a)と歯車(166b)とは、中間歯車(168a)にそれぞれ噛合しており、この中間歯車(168a)にモータ(169)の回転軸に取り付られた歯車(169a)が噛合している。一方、歯車(166b)と歯車(166c)とは、中間歯車(168b)にそれぞれ噛合している。
【0126】
捩り形成部(152)においてモータ(169)を駆動させると、モータ(169)の回転力が中間歯車(168a)および(168b)を介して歯車(166a)〜(166c)に伝達され、各軸体(164a)〜(164c)に取り付けられた全ての捩り用ローラ(158)が同じ方向に回転する。
【0127】
装置本体(12'')を構成しているフレーム(150)の上部には、集束部(16)が配置されており、圧縮部(22')の下方には、紐回収部(18)が配置されている。
【0128】
本実施例の紐の製造装置(10D)を用いて紐(S)を製造する際には、前述実施例同様、長尺連続材巻上体(W)から長尺連続材(R)の先端を引き出し、長尺連続材(R)を所定の送り経路にセットする。そして、長尺連続材(R)の先端部を引出用ローラ(52a)(52b)間に挟み込んだあと、モータ(92)(56)(169)を作動させる。
【0129】
ここで、モータ(169)が作動すると、上述したように、モータ(169)の回転力が中間歯車(168a)および(168b)を介して歯車(166a)〜(166c)に伝達され、各軸体(164a)〜(164c)に取り付けられた全ての捩り用ローラ(158)が同方向に回転する。
【0130】
長尺連続材巻上体(W)から引出された長尺連続材(R)が集束部(16)において1本に集束させられて紐状集束材(R')が形成され、この紐状集束材(R')が捩り形成部(152)を通過すると、同じ方向に回転している9つの捩り用ローラ(158)によって紐状集束材(R')が捩られ、コヨリ状紐材(R'')が形成される。
【0131】
なお、コヨリ状紐材(R'')の捩り度合いは、捩り用ローラ(158)の設置数やその回転速度によって適宜定められる。
【0132】
所定の捩り度合いで捩られ圧縮部(22')に送られたコヨリ状紐材(R'')は、圧縮用ローラ(50a)(50b)を通過することにより点圧縮され紐(S)が形成されるのであるが、この点については上述したとおりである。
【0133】
そして、この実施例においても、捩り形成部(152)による捩り工程と、圧縮部(22')による圧縮工程によって紐(S)が形成されるので、上述実施例と同様、圧縮比が非常に高く頑丈な紐(S)を得ることができる。
【実施例5】
【0134】
図17に示す第5実施例の紐の製造装置(10E)は、長尺連続材(R)を原料として用いている前述実施例の紐の製造装置(10A)〜(10D)とは異なり、予め捩られたコヨリ状紐材(R'')を原料として用い、これを点圧縮することで紐(S)を形成するものである。なお、本実施例の紐の製造装置(10E)を用いて紐(S)を製造するためには、原料となるコヨリ状紐材(R'')を予め形成する必要があるため、以下にはまず、コヨリ状紐材の製造装置(170)について説明し、その後、紐の製造装置(10E)の説明をすることとする。
【0135】
コヨリ状紐材の製造装置(170)は、図18に示すように、装置本体(172)、回転部(14)および集束部(16)を備えている。
【0136】
装置本体(172)は、フレーム(174)と巻取部(176)とを備えている。フレーム(174)は、複数(本実施例では4本)の支柱(174a)と、支柱(174a)の上端部に設けられた上部プレート(174b)と、支柱(174a)の中段部分に設けられた下部プレート(174c)とを備えている。そして、上部プレート(174b)の中心部分には、紐状集束材(R')を挿通するための孔(174d)が形成されており、下部プレート(174c)の中心部分には軸受部材(178)が固定されている。
【0137】
巻取部(176)は、テーブル(180)、巻取ローラ(182)およびガイド(184)を有する。
【0138】
テーブル(180)は、円盤状の部材であり、その下面側中心部分には、軸体(186)が取り付けられており、この軸体(186)の下端部が軸受部材(178)に回転可能に支持されている。なお、軸体(186)の中段部分には、従動プーリ(188)が一体的に設けられている。
【0139】
テーブル(180)の上面には、巻取ローラ(182)およびガイド(184)が設けられている。ガイド(184)は、コヨリ状紐材(R'')を巻取ローラ(182)に多列多段に巻き取るためのものであり、テーブル(180)の上面に立設された支柱(180a)と、支柱(180a)の上端部に設けられ、巻取ローラ(182)の巻取軸に対して平行な方向に往復動するガイド部材(184b)とで構成されている。なお、コヨリ状紐材(R'')を巻取ローラ(182)に一列多段に巻き取る場合には、ガイド(184)の設置を省略することも可能である。
【0140】
装置本体(172)の側方には、回転部(14)が設けられており、装置本体(172)の上部には集束部(16)が設けられている。なお、回転部(14)の原動プーリ(74)と前記従動プーリ(188)との間にはベルト(76)が掛設されている。
【0141】
コヨリ状紐材の製造装置(170)を用いてコヨリ状紐材(R'')を製造する際には、長尺連続材巻上体(W)から長尺連続材(R)の先端を引き出す。そして、この長尺連続材(R)を所定の経路にセットして長尺連続材(R)の先端を巻取ローラ(182)に係止し、巻取ローラ(182)を回転させるとともに、回転部(14)のモータ(72)および集束部(16)のモータ(92)を回転させる。
【0142】
回転部(14)のモータ(72)が回転すると、モータ(72)の回転力が原動プーリ(74)、ベルト(76)、従動プーリ(188)および軸体(186)を介して巻取部(176)に伝達され、巻取部(176)が集束部(16)に対して回転する。
【0143】
長尺連続材巻上体(W)から引出された(或いは、2点鎖線で示すように、図示しない成形機から直接導出された)2本の長尺連続材(R)は、集束用ローラ(88a)(88b)にて1本にまとめられて紐状集束材(R')が形成され、集束用ローラ(88a)(88b)を離れた瞬間から巻取部(176)の回転によって捩られてコヨリ状紐材(R'')が形成される。そして、このコヨリ状紐材(R'')が巻取ローラ(182)の筒軸(X)に巻き取られることにより、コヨリ状紐材巻上体(W')が形成され、このコヨリ状紐材巻上体(W')が後述する紐の製造装置(10E)にセッティングされる。
【0144】
次に、本実施例の紐の製造装置(10E)について説明する。紐の製造装置(10E)は、図17に示すように、装置本体(12''')、コヨリ状紐材巻上体保持部(190)および紐回収部(18)を備えている。
【0145】
装置本体(12''')は、フレーム(192)と、フレーム(192)の中段部分に設けられた圧縮部(22')とで構成されている。
【0146】
装置本体(12''')の上部には、コヨリ状紐材巻上体保持部(190)が設けられている。コヨリ状紐材巻上体保持部(190)は、プレート(194)と、プレート(194)の上面に立設された一対の支持板(196)とを有する。プレート(194)の中心には、コヨリ状紐材(R'')挿通用の孔(194a)が形成されており、一対の支持板(196)には、支持孔(196a)が形成されている。そして、この支持孔(196a)にコヨリ状紐材巻上体(W')の筒軸(X)が回転可能に取り付けられている。
【0147】
本実施例の紐の製造装置(10E)を用いて紐(S)を製造する際には、コヨリ状紐材巻上体(W')からコヨリ状紐材(R'')の先端を引き出す。そして、このコヨリ状紐材(R'')を所定の送り経路にセットして、その先端部を引出用ローラ(52a)(52b)間に挟み込む。
【0148】
続いて、圧縮部(22')のモータ(56)を駆動させると、コヨリ状紐材(R'')が圧縮用ローラ(50a)(50b)に送られ、上述同様コヨリ状紐材(R'')が圧縮用ローラ(50a)(50b)によって点圧縮されて紐(S)が形成される。
【0149】
この実施例では、あらかじめコヨリ状に捩られているコヨリ状紐材(R'')を圧縮することにより紐(S)が形成されるので、前述実施例の紐の製造装置と比較すると、装置全体の構成を非常に簡略化することができる。
【0150】
なお、第1実施例の紐の製造装置(10A)と同様、第2〜第5実施例の紐の製造装置(10B)〜(10E)においても紐回収部(18)に換えて切断部(102)およびペレット回収部(104)を設ければ、ペレットの製造装置とすることが可能である。
【実施例6】
【0151】
最後に、図19〜20に示すペレットの製造装置(200)について説明する。ペレットの製造装置(200)は、図19からも分かるように、支持板(202)、回転部(204)および装置本体(206)を備えている。
【0152】
支持板(202)は、回転部(204)および装置本体(206)などを支持するための板状部材であり、図20に示すように、その中央部分には2個の軸受部材(210a)および(210b)が上下に並んで固定されている。
【0153】
回転部(204)は、後述する装置本体(206)の回転フレーム(218)を回転させるためのものであり、支持板(202)の側方に固定されたフレーム(212)と、フレーム(212)に取り付けられたモータ(214)とを有する。
【0154】
モータ(214)の回転軸(214a)は、軸受部材(210b)に回転可能に支持されており、その先端には原動プーリ(216)が取り付けられている。
【0155】
装置本体(206)は、回転フレーム(218)と、圧縮部(220)と切断部(222)とで構成されている。回転フレーム(218)は、上流側プレート(218a)、下流側プレート(218b)、および前記上流側プレート(218a)と下流側プレート(218b)とを接続する複数(本実施例では4本)の接続部材(218c)を有する(勿論、接続部材(218c)は2本であってもよいし、3本或いは5本以上であってもよい。また、本実施例では、上流側プレート(218a)、下流側プレート(218b)および接続部材(218c)がそれぞれ別部材として構成されているが、例えば上流側プレート(218a)と接続部材(218c)とが一体形成されていてもよいし、全ての部材が一体形成されていてもよい。)。なお、回転フレーム(218)の底部には、長尺連続材(R)を細幅に集束させて紐状集束材(R')を形成する2個の紐状集束材用ガイド(219)が取り付けられている。
【0156】
上流側プレート(218a)は、長尺連続材(R)の供給側(上流側)(図20における左側)に配設される円盤状の部材であり、その中心には、軸受部材(224)が固定されている。
【0157】
下流側プレート(218b)は、上流側プレート(218a)と略等しい大きさに形成され、上流側プレート(218a)の下流側に配設される円盤状の部材である。
【0158】
下流側プレート(218b)の中心には、孔(226)が形成されており、下流側プレート(218b)の半径方向には、孔(226)と外周面とを連通する連通孔(227)が形成されている。
【0159】
なお、孔(226)には、筒状の軸体(228)が挿通固定されており、この軸体(228)の下流側先端部分が支持板(202)に固定されている軸受部材(210a)に回動可能に支持されている。
【0160】
なお、軸体(228)の下流側端部には、スリップリング(230)が取り付けられており、支持板(202)の側方に設けられている操作盤(203)に取り付けられている給電ブラシ(230a)が前記スリップリング(230)に摺接している。
【0161】
また、軸体(228)における支持板(202)と下流側プレート(218b)との間の部分には、従動プーリ(232)が一体的に設けられており、従動プーリ(232)と原動プーリ(216)との間には、ベルト(234)が掛設されている。
【0162】
圧縮部(220)は、下流側テーブル(236)、上流側テーブル(238)およびローラ取付プレート(34')を有する。下流側テーブル(236)は、円盤状の部材であり、その中心には軸受部材(240)が固定されている。そして、この軸受部材(240)に、前述した軸体(228)の上流側端部が回動自在に支持されている。
【0163】
下流側テーブル(236)の盤面(上流側)には、ローラ取付プレート(34')および複数(本実施例では3本)の支柱(242)が設けられており、この支柱(242)の上流側端部に上流側テーブル(238)が取り付けられている。
【0164】
上流側テーブル(238)は、下流側テーブル(236)と略等しい大きさに形成された円盤状の部材であり、その中心には孔(238a)が形成されている。上流側テーブル(238)の盤面(上流側)には、後述する切断部(222)が設けられており、切断部(222)の上流側に取り付けられている軸体(246)の先端部分が軸受部材(224)に回転自在に支持されている。なお、軸体(228)(246)は同軸的に取り付けられている。
【0165】
軸体(246)の中段部分には、スリップリング(248)が取り付けられており、回転フレーム(218)(上流側プレート(218a))に設けられた給電ブラシ(248a)が前記スリップリング(248)に摺接している。
【0166】
ローラ取付プレート(34')は、圧縮用ローラ(50a)(50b)と引出用ローラ(52a)(52b)との配置位置が逆になっている以外はその構成が第1実施例のローラ取付プレート(34)と同じであるため、その説明については前述の記載を援用する。
【0167】
切断部(222)は、フレーム(223)と、上流側テーブル(238)に固定されたモータ(110)と、モータ(110)の回転軸に取り付けられたカッター(112)と、フレーム(223)に取り付けられた紐固定部材(115)とで大略構成されている。
【0168】
次に本実施例のペレットの製造装置(200)を用いてペレット(P)を製造する方法について説明する。ペレットの製造装置(200)を用いてペレット(P)を製造する際には、まず、ペレットの製造装置(200)の上流側に設けられている長尺連続材巻上体(W)から長尺連続材(R)の先端を引き出す。そして、所定の送り経路、即ち、回転フレーム(218)の上流側に設けられている一対の集束用ローラ(260a)(260b)、紐状集束材用ガイド(219)、下流側プレート(218b)の連通孔(227)および軸体(228)にセットして、その先端部を引出用ローラ(52a)(52b)間に挟み込む。ここで重要なことは、長尺連続材(R)の送り方向が、回転フレーム(218)を通過する途中で反転している点である。
【0169】
続いて、回転部(204)のモータ(214)を駆動させる。ここで、モータ(214)が回転すると、モータ(214)の回転力が原動プーリ(216)、ベルト(234)、従動プーリ(232)および軸体(228)を介して回転フレーム(218)に伝達され、回転フレーム(218)が支持板(202)に対して回転する。なお、このとき、軸体(228)および(246)は、軸受部材(240)および(224)によってそれぞれ回動自在に支持されているため、回転フレーム(218)内の圧縮部(220)、切断部(222)およびスリップリング(248)は回転することなく静止状態を保持している。
【0170】
ここで、給電ブラシ(230a)に電力が給電されると、スリップリング(230)、スリップリング(230)から導出された導線(231)、回転フレーム(218)に設けられた給電ブラシ(248a)、スリップリング(248)およびスリップリング(248)から導出された導線(249)を介してモータ(110)(56)に給電される。このようにして全てのモータ(214)(110)(56)が駆動すると、回転フレーム(218)が支持板(202)に対して回転し、長尺連続材巻上体(W)から引き出された長尺連続材(R)が圧縮用ローラ(50a)(50b)に送られるとともに、切断部(222)のカッター(112)が回転を始める。
【0171】
長尺連続材巻上体(W)から引き出された長尺連続材(R)が集束用ローラ(260a)(260b)を通って回転フレーム(218)に送られると、長尺連続材(R)は細幅に集束されて紐状集束材(R')となる。そして、紐状集束材(R')は、回転フレーム(218)の回転によって捩られてコヨリ状に巻かれる状態となり、コヨリ状紐材(R'')の形成が開始される。
【0172】
ここで重要なことは、回転フレーム(218)が1回転すると、紐状集束材(R')は2回捩られる点である。即ち、紐状集束材(R')は,回転フレーム(218)上を上流側から下流側へ向かって送られる際に1回捩られ、送り方向が反転して、紐状集束材(R')が下流側から上流側に向かって送られる際に2度目の捩れが加えられるのである。
【0173】
なお、コヨリ状紐材(R'')の捩り度合いは、回転フレーム(218)の回転数(即ち、モータ(214)の回転速度)と長尺連続材(R)の供給速度(即ち、モータ(56)の回転速度)との関係によって適宜定められる。
【0174】
所定の捩り度合いで捩られ、圧縮部(220)に送られたコヨリ状紐材(R'')は、圧縮用ローラ(50a)(50b)を通過することにより点圧縮されて紐(S)が形成されるのであるが、この点については前述実施例と同様であるので、その説明については前述実施例の記載を援用する。
【0175】
引出用ローラ(52a)(52b)から送り出された紐(S)が切断部(222)に導出されると、紐(S)は、カッター(112)の回転によって所定長さに連続的に切断され、これによりペレット(P)が形成される。なお、ペレット(P)の軸方向の長さは、カッター(112)の回転速度や紐(S)の送り速度を適宜調整することによって自在に調整することが可能である。
【0176】
そして、切断されたペレット(P)は、カッター(112)の遠心力によってカッター(112)の円周方向に弾き飛ばされ、その後、自重によって地面に落下する。なお、本実施例では、製造装置(200)の全体がカバー(262)によって覆われており、弾き飛ばされたペレット(P)はカバー(262)に当たって落下し、装置本体(206)の下方に集められる。
【0177】
本実施例では、長尺連続材(R)が回転フレーム(218)上をその回転軸に沿って上流側から下流側に移動し、然る後、反転させているので、回転フレーム(218)が1回転すると、長尺連続材(R)(紐状集束材(R'))は2度捩られる。つまり、より少ない回数で多くの捩り回数を付与することができるため、より高密度のペレット(P)を形成することが可能となる。
【0178】
なお、上述実施例では、装置本体(206)の回転軸(即ち、軸体(228)(246))が横方向(図20における左右方向)となるように設けられているが、該回転軸を縦方向に設けてもよいし、斜め方向であってもよい。
【0179】
また、切断部の構成は上述実施例に限定されるものではなく、例えば図21に示すように切断部(264)を構成しているカッター(266)の回転軸を紐(S)の供給方向に対して略直交する方向に設けるよう構成してもよい。なお、本変形例では、切断部(264)がローラ取付プレート(34')上に設けられている。
【0180】
切断部(264)は、図21からも分かるように、ローラ取付プレート(34')上であって圧縮部(220)の出口側に固定されたモータ(図示省略)と、モータの回転軸に取り付けられたカッター(266)と、カッター(266)と圧縮部(220)との間に設けられたガイド(268)とで大略構成されている。
【0181】
カッター(266)は、金属等の剛性材料からなる略円盤状部材であり、その外周面には、螺旋状の溝(266a)が複数(本実施例では8つ)刻設されており、各溝(266a)(266a)の間の山部分には刃(266b)がそれぞれ取り付けられている。
【0182】
ガイド(268)は、ブロック状の部材であり、カッター(266)と対向する側の面には、カッター(266)の外周面に沿って湾曲面(268a)が形成されている。そして、ガイド(268)の中心には、湾曲面(268a)と湾曲面(268a)の反対側の面とを連通するように紐挿通孔(268b)が形成されている。
【0183】
本変形例では、圧縮部(220)から送り出された紐(S)がガイド(268)の中心に形成された紐挿通孔(268b)を通ってガイド(268)とカッター(266)との間の隙間に送られる。そして、紐(S)の湾曲面(268a)から突出した部分がカッター(266)によって切断され、ペレット(P)が形成されることになる。
【0184】
なお、本変形例において説明した切断部(264)の構成を上述第1〜第5実施例のペレットの製造装置に適用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0185】
【図1】本発明に係る紐の製造装置を示す正面図である。
【図2】圧縮部を示す正面図(部分断面図)である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】紐の製造装置を示す平面図である。
【図5】圧縮用ローラを示す図である。
【図6】長尺連続材巻上体を示す斜視図である。
【図7】紐を示す斜視図(一部省略)である。
【図8】本発明に係るペレットの製造装置を示す正面図である。
【図9】切断部を示す斜視図(一部省略)である。
【図10】ペレットを示す斜視図である。
【図11】切断部の変形例を示す図である。
【図12】本発明に係る第2実施例の紐の製造装置を示す正面図である。
【図13】本発明に係る第3実施例の紐の製造装置を示す正面図である。
【図14】本発明に係る第4実施例の紐の製造装置を示す正面図である。
【図15】図14実施例における捩り形成部を示す斜視図である。
【図16】図15におけるB−B断面図(一部省略)である。
【図17】本発明に係る第5実施例の紐の製造装置を示す正面図である。
【図18】コヨリ状紐材の製造装置を示す正面図である。
【図19】第6実施例のペレットの製造装置を示す正面図である。
【図20】装置本体を示す図である。
【図21】切断部の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0186】
P ペレット
R 長尺連続材
R’ 紐状集束材
R’’コヨリ状紐材
S 紐
Y 凹所
10 紐の製造装置
12 装置本体
14 回転部
16 集束部
18 紐回収部
22 圧縮部
100 ペレットの製造装置
102 切断部
104 ペレット回収部
108 切断部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の帯状長尺連続材が細幅に集束させられると共にコヨリ状に捩られ、且つ、その表面に所定間隔を隔てて圧痕が形成されていることを特徴とする紐。
【請求項2】
複数の糸状長尺連続材が1本に集束させられると共にコヨリ状に捩られ、且つ、その表面に所定間隔を隔てて圧痕が形成されていることを特徴とする紐。
【請求項3】
前記帯状長尺連続材又は前記糸状長尺連続材が、廃棄処分品であることを特徴とする請求項1又は2に記載の紐。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載の紐を所定長さでペレット状に切断して形成されたことを特徴とするペレット。
【請求項5】
1または複数の帯状長尺連続材を細幅に集束すると共にこれを捩ってコヨリ状紐材を形成し、
外周面に凹凸が形成された一対の圧縮用ローラにて前記コヨリ状紐材を圧縮することを特徴とする紐の製造方法。
【請求項6】
複数の糸状長尺連続材を1本に集束すると共にこれを捩ってコヨリ状紐材を形成し、
外周面に凹凸が形成された一対の圧縮用ローラにて前記コヨリ状紐材を圧縮することを特徴とする紐の製造方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の方法により得られた紐を所定長さでペレット状に切断することを特徴とするペレットの製造方法。
【請求項8】
(a) 1または複数の帯状長尺連続材及び/又は複数の糸状長尺連続材を細幅に集束させて紐状集束材を形成する集束部と、
(b) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材を点圧縮して紐を形成する一対の圧縮用ローラを有する圧縮部と、
(c) 前記集束部或いは前記圧縮部を相対的に回転させることにより前記紐状集束材を捩ってコヨリ状紐材を形成する回転部とで構成されていることを特徴とする紐の製造装置。
【請求項9】
(a) 帯状長尺連続材及び/又は糸状長尺連続材を筒軸に巻き上げた1または複数の長尺連続材巻上体と、
(b) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材を点圧縮して紐を形成する一対の圧縮用ローラを有する圧縮部と、
(c) 前記長尺連続材巻上体或いは前記圧縮部を相対的に回転させることにより前記長尺連続材巻上体から引き出された長尺連続材を捩ってコヨリ状紐材を形成する回転部とで構成されていることを特徴とする紐の製造装置。
【請求項10】
(a) 1または複数の帯状長尺連続材及び/又は複数の糸状長尺連続材を細幅に集束させて紐状集束材を形成する集束部と、
(b) 外周面が前記紐状集束材と当接するように前記紐状集束材の周囲に所定間隔を隔てて螺旋状に配列された複数の捩り用ローラを有し、前記各捩り用ローラが同方向に回転することにより前記紐状集束材を捩ってコヨリ状紐材を形成する捩り形成部と、
(c) 外周面に凹凸が形成され、前記コヨリ状紐材を点圧縮して紐を形成する一対の圧縮用ローラを有する圧縮部とで構成されていることを特徴とする紐の製造装置。
【請求項11】
(a) コヨリ状紐材を筒軸に巻き上げたコヨリ状紐材巻上体を保持するコヨリ状紐材巻上体保持部と、
(b) 外周面に凹凸が形成され、前記コヨリ状紐材巻上体から引き出された前記コヨリ状紐材を点圧縮して紐を形成する一対の圧縮用ローラを有する圧縮部とで構成されていることを特徴とする紐の製造装置。
【請求項12】
(a) 請求項8から11の何れかに記載の紐の製造装置と、
(b) 前記各紐の製造装置を構成している圧縮部の出口側に設けられ、点圧縮されて形成された紐を所定間隔でペレット状に切断する切断部とで構成されていることを特徴とするペレットの製造装置。
【請求項13】
(a) 1または複数の帯状長尺連続材及び/又は複数の糸状長尺連続材を細幅に集束させて紐状集束材を形成するとともに、その送り方向を途中で反転させた後圧縮部にガイドする回転フレームと、
(c) 前記回転フレームを、その回転軸が前記紐状集束材の送り方向と略並行となるように回転させることにより前記紐状集束材を捩ってコヨリ状紐材を形成する回転部と、
(c) 外周面に凹凸が形成され、前記コヨリ状紐材を点圧縮して紐を形成する一対の圧縮用ローラを有する圧縮部と、
(d) 前記圧縮部の出口側に設けられ、点圧縮されて形成された前記紐を所定間隔でペレット状に切断する切断部とで構成されていることを特徴とするペレットの製造装置。
【請求項1】
1または複数の帯状長尺連続材が細幅に集束させられると共にコヨリ状に捩られ、且つ、その表面に所定間隔を隔てて圧痕が形成されていることを特徴とする紐。
【請求項2】
複数の糸状長尺連続材が1本に集束させられると共にコヨリ状に捩られ、且つ、その表面に所定間隔を隔てて圧痕が形成されていることを特徴とする紐。
【請求項3】
前記帯状長尺連続材又は前記糸状長尺連続材が、廃棄処分品であることを特徴とする請求項1又は2に記載の紐。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載の紐を所定長さでペレット状に切断して形成されたことを特徴とするペレット。
【請求項5】
1または複数の帯状長尺連続材を細幅に集束すると共にこれを捩ってコヨリ状紐材を形成し、
外周面に凹凸が形成された一対の圧縮用ローラにて前記コヨリ状紐材を圧縮することを特徴とする紐の製造方法。
【請求項6】
複数の糸状長尺連続材を1本に集束すると共にこれを捩ってコヨリ状紐材を形成し、
外周面に凹凸が形成された一対の圧縮用ローラにて前記コヨリ状紐材を圧縮することを特徴とする紐の製造方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の方法により得られた紐を所定長さでペレット状に切断することを特徴とするペレットの製造方法。
【請求項8】
(a) 1または複数の帯状長尺連続材及び/又は複数の糸状長尺連続材を細幅に集束させて紐状集束材を形成する集束部と、
(b) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材を点圧縮して紐を形成する一対の圧縮用ローラを有する圧縮部と、
(c) 前記集束部或いは前記圧縮部を相対的に回転させることにより前記紐状集束材を捩ってコヨリ状紐材を形成する回転部とで構成されていることを特徴とする紐の製造装置。
【請求項9】
(a) 帯状長尺連続材及び/又は糸状長尺連続材を筒軸に巻き上げた1または複数の長尺連続材巻上体と、
(b) 外周面に凹凸が形成され、コヨリ状紐材を点圧縮して紐を形成する一対の圧縮用ローラを有する圧縮部と、
(c) 前記長尺連続材巻上体或いは前記圧縮部を相対的に回転させることにより前記長尺連続材巻上体から引き出された長尺連続材を捩ってコヨリ状紐材を形成する回転部とで構成されていることを特徴とする紐の製造装置。
【請求項10】
(a) 1または複数の帯状長尺連続材及び/又は複数の糸状長尺連続材を細幅に集束させて紐状集束材を形成する集束部と、
(b) 外周面が前記紐状集束材と当接するように前記紐状集束材の周囲に所定間隔を隔てて螺旋状に配列された複数の捩り用ローラを有し、前記各捩り用ローラが同方向に回転することにより前記紐状集束材を捩ってコヨリ状紐材を形成する捩り形成部と、
(c) 外周面に凹凸が形成され、前記コヨリ状紐材を点圧縮して紐を形成する一対の圧縮用ローラを有する圧縮部とで構成されていることを特徴とする紐の製造装置。
【請求項11】
(a) コヨリ状紐材を筒軸に巻き上げたコヨリ状紐材巻上体を保持するコヨリ状紐材巻上体保持部と、
(b) 外周面に凹凸が形成され、前記コヨリ状紐材巻上体から引き出された前記コヨリ状紐材を点圧縮して紐を形成する一対の圧縮用ローラを有する圧縮部とで構成されていることを特徴とする紐の製造装置。
【請求項12】
(a) 請求項8から11の何れかに記載の紐の製造装置と、
(b) 前記各紐の製造装置を構成している圧縮部の出口側に設けられ、点圧縮されて形成された紐を所定間隔でペレット状に切断する切断部とで構成されていることを特徴とするペレットの製造装置。
【請求項13】
(a) 1または複数の帯状長尺連続材及び/又は複数の糸状長尺連続材を細幅に集束させて紐状集束材を形成するとともに、その送り方向を途中で反転させた後圧縮部にガイドする回転フレームと、
(c) 前記回転フレームを、その回転軸が前記紐状集束材の送り方向と略並行となるように回転させることにより前記紐状集束材を捩ってコヨリ状紐材を形成する回転部と、
(c) 外周面に凹凸が形成され、前記コヨリ状紐材を点圧縮して紐を形成する一対の圧縮用ローラを有する圧縮部と、
(d) 前記圧縮部の出口側に設けられ、点圧縮されて形成された前記紐を所定間隔でペレット状に切断する切断部とで構成されていることを特徴とするペレットの製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2006−21519(P2006−21519A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−371756(P2004−371756)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(591038451)株式会社マルヤス (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(591038451)株式会社マルヤス (6)
【Fターム(参考)】
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