紙幣処理装置
【課題】小束紙幣を複数束集積可能としても鉛直方向の大型化を抑制することができる紙幣処理装置の提供。
【解決手段】結束部にて結束された小束紙幣Tを水平状態に載置させるとともに傾斜することで斜め下方に摺動落下させる載置部52と、傾斜した載置部52の延長上に傾斜状に待機して摺動落下する小束紙幣Tを支持するとともに載置部52とは反対側に鉛直状に立位しながら移送する移送部87と、移送部87の載置部52とは反対側に待機して移送部87との間で鉛直状の小束紙幣Tを挟持する、移送部87へ向けて付勢される押圧部115と、移送部87によって押圧部115に向けて移送される小束紙幣Tと接触すると揺動退避する一方、移送部87の待機位置への戻りで押圧部115との間に小束紙幣Tを挟持する支持部135とを有する。
【解決手段】結束部にて結束された小束紙幣Tを水平状態に載置させるとともに傾斜することで斜め下方に摺動落下させる載置部52と、傾斜した載置部52の延長上に傾斜状に待機して摺動落下する小束紙幣Tを支持するとともに載置部52とは反対側に鉛直状に立位しながら移送する移送部87と、移送部87の載置部52とは反対側に待機して移送部87との間で鉛直状の小束紙幣Tを挟持する、移送部87へ向けて付勢される押圧部115と、移送部87によって押圧部115に向けて移送される小束紙幣Tと接触すると揺動退避する一方、移送部87の待機位置への戻りで押圧部115との間に小束紙幣Tを挟持する支持部135とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小束紙幣を取り扱う紙幣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バラ紙幣を所定枚数集積し結束テープで結束してなる小束紙幣を取り扱う紙幣処理装置において、貯留させた複数束の小束紙幣を束出金口に搬送可能であって、小束紙幣を複数束集積させて貯留可能な貯留空間を有する貯留部枠体を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−248658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の紙幣処理装置によれば、結束部にて結束した小束紙幣を水平状にして、複数束、鉛直方向に集積することになるため、鉛直方向に大型化してしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、小束紙幣を複数束集積可能としても鉛直方向の大型化を抑制することができる紙幣処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、結束部にて結束された小束紙幣を水平状態に載置させるとともに傾斜することで斜め下方に摺動落下させる載置部と、傾斜した該載置部の延長上に傾斜状に待機して摺動落下する小束紙幣を支持するとともに前記載置部とは反対側に鉛直状に立位しながら移送する移送部と、該移送部の前記載置部とは反対側に待機して前記移送部との間で鉛直状の小束紙幣を挟持する、該移送部へ向けて付勢される押圧部と、前記移送部によって前記押圧部に向けて移送される小束紙幣と接触すると揺動退避する一方、前記移送部の待機位置への戻りで前記押圧部との間に小束紙幣を挟持する支持部と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記支持部は、前記移送部が傾斜状から鉛直状に姿勢変換する位置の近傍に配置されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記支持部は、鉛直に沿う基本姿勢を限度として前記載置部とは反対側へ向けてのみ揺動可能に設けられた支持部材と、該支持部材を前記基本姿勢へ戻す方向に付勢する付勢部材とを有することを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に係る発明において、前記移送部が前記押圧部に向けて移動した際、前記移送部よりも前記載置部側を閉塞する遮蔽部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、前記遮蔽部は、前記移送部の移動を妨げない退避位置と前記移送部よりも前記載置部側を閉塞する遮蔽位置との間で揺動可能であり、前記載置部側から前記押圧部に向けて移動する前記移送部に当接し該移送部で押圧されて前記退避位置から前記遮蔽位置に揺動することを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に係る発明において、前記支持部の前記載置部とは反対側に、小束紙幣を取り出し可能とするシャッタ付きの出金口が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、載置部が、小束紙幣を水平状態に載置させた後、傾斜することで斜め下方に摺動落下させると、その延長上に傾斜状に待機していた移送部がこの小束紙幣を支持する。その後、移送部が、鉛直状に立位しながら載置部とは反対側に移動することで、小束紙幣を鉛直状に立位させながら載置部とは反対側の押圧部との間に挟持する。その後、移送部が待機位置に戻ることで、小束紙幣は移送部へ向けて付勢されている押圧部と支持部との間に挟持されることになり、以上を繰り返すことにより、押圧部と、支持部あるいは移送部との間に鉛直状に立位した姿勢の小束紙幣を水平方向に集積させることができる。このように、結束部にて結束した小束紙幣を鉛直状にして、複数束、水平方向に集積することになるため、小束紙幣を複数束集積可能としても鉛直方向に大型化してしまうことを抑制することができる。また、上下方向に小型の構成で、水平状態の小束紙幣を鉛直状に姿勢変更することができるため、姿勢変更のための構成も鉛直方向に小型化できる。この点からも、鉛直方向に大型化してしまうことを抑制することができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、移送部が傾斜状から鉛直状に姿勢変換する位置の近傍に支持部が配置されているため、押圧部と支持部との間の小束紙幣を載置部側に近づけることができる。したがって、水平方向の大型化を抑制した上で、より多くの小束紙幣を集積させることができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、支持部が、鉛直に沿う基本姿勢を限度として載置部とは反対側へ向けてのみ揺動可能に設けられた支持部材と、この支持部材を基本姿勢へ戻す方向に付勢する付勢部材とを有するため、小束紙幣を簡素な構造で押圧部と挟持できる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、移送部が押圧部に向けて移動した際に、遮蔽部が移送部よりも載置部側を閉塞するため、出金時に載置部側を閉塞することができる。したがって、安全上の問題がなくなる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、遮蔽部が、載置部側から押圧部に向けて移動する移送部に当接しこの移送部で押圧されて退避位置から遮蔽位置に揺動するため、簡素な構造で遮蔽部を動作させることができる。
【0017】
請求項6に係る発明によれば、支持部の載置部とは反対側に、小束紙幣を取り出し可能とする出金口が設けられているため、移送部または支持部と、押圧部との間に集積された小束紙幣がそのまま出金口から取り出し可能となる。したがって、水平方向の大型化を抑制できる。また、出金口がシャッタ付きであるため、移送部または支持部と、押圧部との間に所定数の小束紙幣が集積されるまでシャッタを閉じておくことで、小束紙幣が不用意に取り出されてしまうことを規制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置を含む出納機を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置を概略的に示す側断面図である。
【図3】同紙幣処理装置の側断面図であって、入金処理ルートを太線で示すものである。
【図4】同紙幣処理装置の側断面図であって、収納処理ルートを太線で示すものである。
【図5】同紙幣処理装置の側断面図であって、返却処理ルートを太線で示すものである。
【図6】同紙幣処理装置の側断面図であって、バラ出金処理ルートを太線で示すものである。
【図7】同紙幣処理装置の側断面図であって、束出金処理ルートを太線で示すものである。
【図8】同紙幣処理装置の側断面図であって、自己精査処理の往路ルートを太線で示すものである。
【図9】同紙幣処理装置の側断面図であって、自己精査処理の復路ルートを太線で示すものである。
【図10】同紙幣処理装置の側断面図であって、ローカル整理処理の往路ルートを太線で示すものである。
【図11】同紙幣処理装置の側断面図であって、ローカル整理処理の復路ルートを太線で示すものである。
【図12】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、待機状態を示すものである。
【図13】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、載置台の傾斜状態を示すものである。
【図14】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、載置台の傾斜により移動した小束紙幣を示すものである。
【図15】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、移送部材の載置台とは反対側への移送途中の状態を示すものである。
【図16】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、移送部材の載置台とは反対側への移送の終端を示すものである。
【図17】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、移送部材の待機状態への戻りを示すものである。
【図18】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、次の小束紙幣の進入状態を示すものである。
【図19】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、複数の小束紙幣を移送部材と押圧板とで挟持した状態を示すものである。
【図20】同紙幣処理装置の移送駆動部を示す側面図である。
【図21】同紙幣処理装置の遮蔽部の動作を順に説明する斜視図である。
【図22】同紙幣処理装置の出金口のシャッタを開放した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置を図面を参照して以下に説明する。図1は、紙幣および硬貨等を取り扱う出納機を示している。この出納機は、銀行等の金融機関の店舗に設置されて店舗全体の貨幣処理を管理するものである。出納機は、例えば、大口顧客に対する係員による入金、出金等の取引処理、係員による渉外先への持ち出し金の出金処理や、渉外先からの持ち帰り金の入金処理、さらには、営業終了後の金融機関店舗全体での入出金状況の締め上げ管理等を行うものである。
【0020】
出納機は、紙幣についての入出金処理等を行う本実施形態に係る紙幣処理装置11と、紙幣の特に新券についての出金処理等を行う新券処理装置12と、硬貨についての入出金処理等を行う硬貨処理装置13とが左右に並設されて構成されており、硬貨処理装置13の上部に、操作者によって操作入力がなされる操作部14と、操作者に対して表示を行う表示部15とが設けられている。
【0021】
次に、本実施形態に係る紙幣処理装置11の全体構成を図2を参照して説明する。以下の説明における前後左右は、操作者側を前、操作者とは反対側を後、操作者から見て左右を左右とする。
【0022】
紙幣処理装置11は、その前面側の上部に、機外からバラ紙幣が投入されるとともに機内から出金用のバラ紙幣が繰り出される入出金部21が設けられている。入出金部21は、その底部を構成する載置板22が後下がりに傾斜した姿勢で昇降可能に設けられており、その奥側の支承面23が載置板22と直交するように後上がりに傾斜して設けられている。入出金部21には、紙幣が長さ方向を左右方向に沿わせた姿勢で載置板22上に集積されることになり、紙幣は載置板22の傾斜により後端縁が支承面23に当接する。入出金部21の上部の後側には、載置板22上に集積されたバラ紙幣を上端のものから一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて機内へ繰り出すとともに機内からの紙幣を入出金部21に繰り出す繰出部21aが設けられている。なお、紙幣処理装置11内では、紙幣が、長さ方向を左右方向に沿わせた姿勢で搬送されることになる。
【0023】
入出金部21の下側には、紙幣処理装置11の前面位置に、受け付け不可と判定された入金リジェクト紙幣が機内から繰り出される入金リジェクト部26が設けられている。入出金部21および入金リジェクト部26の後側には、出金不可と判定された出金リジェクト紙幣を収納する出金リジェクト部27が設けられており、出金リジェクト部27の後方の下部には紙幣を識別する識別部28が設けられている。
【0024】
また、出金リジェクト部27の後方の上部には紙幣を整列させながら水平姿勢で鉛直方向に所定の結束枚数集積させる整列部30が設けられており、この整列部30の後方には、整列部30から水平状態のまま後方に送り出された集積紙幣を載置させて鉛直上方に上昇搬送する移送部33が設けられている。
【0025】
整列部30の上方には、移送部33で上昇搬送され上部位置から水平状態のまま前方に送り出された集積紙幣を結束テープで結束して小束紙幣とする結束部31が設けられている。この結束部31は、移送部33から前方に送り出された集積紙幣を上下から挟持してV字状に屈曲させる挟持部材31a,31bを有しており、挟持部材31a,31bで集積紙幣を挟持しつつ、結束テープを周囲に巻き回して接着・切断した後、挟持部材31a,31bを結束テープから引き抜くことで小束紙幣を作成する。
【0026】
結束部31の前方には、結束部31で上記のように結束された後、水平状態のまま前方に送り出された小束紙幣を鉛直状に姿勢変更し水平方向に複数束集積して、機外に取り出し可能とする束出金部32が設けられている。
【0027】
また、紙幣処理装置11の下部には、奥側から順に、入金確定後の所定の単一金種のバラ紙幣を上下に集積させた状態で収納する金種カセット35、同様の金種カセット36、同様の金種カセット37、入金確定後のバラ紙幣を上下に集積させた状態で収納する混合カセット38、および入金された入金確定前のバラ紙幣を上下に集積させた状態で一時貯留するプールカセット39が上下左右の位置を合わせて水平直線状のカセット配列方向に配列されている。このカセット配列方向は、紙幣処理装置11の前後方向に沿っている。
【0028】
金種カセット35の上部には、その内部に紙幣を繰り出すとともに内部の紙幣を上端のものから一枚ずつ分離して繰り出す繰出部35aが設けられており、金種カセット36の上部にも同様の繰出部36aが、金種カセット37の上部にも同様の繰出部37aが、混合カセット38の上部にも同様の繰出部38aが、プールカセット39の上部にも同様の繰出部39aが、それぞれ設けられている。
【0029】
紙幣処理装置11の内部には、紙幣を搬送する紙幣搬送路41が各部を適宜繋ぐように設けられている。紙幣搬送路41は、繰出部21aから後上がりに延出した後、後下がりに延出し、さらに鉛直下方に延出し、その後、前側に一端延出した後、下側にて後側に折り返し、後方に延出し、途中上側に凸状に屈曲して識別部28を通って下方に若干延出する搬送路41Aと、搬送路41Aに連続して下側に若干延出した後に前方に延出し前端から下方に若干延出する搬送路41Bと、搬送路41Bに連続するようにプールカセット39に設けられた搬送路41Cとを有している。
【0030】
また、紙幣搬送路41は、搬送路41Bの途中から分岐する搬送路41Dと、搬送路41Dに連続するように金種カセット35に設けられた搬送路41Eと、搬送路41Bの搬送路41Dよりもプールカセット39側から分岐する搬送路41Fと、搬送路41Fに連続するように金種カセット36に設けられた搬送路41Gと、搬送路41Bの搬送路41Fよりもプールカセット39側から分岐する搬送路41Hと、搬送路41Hに連続するように金種カセット37に設けられた搬送路41Iと、搬送路41Bの搬送路41Hよりもプールカセット39側から分岐する搬送路41Jと、搬送路41Jに連続するように混合カセット38に設けられた搬送路41Kと、搬送路41Bの搬送路41Jよりもプールカセット39側から分岐して上方に延出する搬送路41Lと、搬送路41Lに繋がって屈曲し後方に延出して搬送路41Aの入出金部21と識別部28との間に繋がる搬送路41Mとを有している。
【0031】
また、紙幣搬送路41は、搬送路41Bの搬送路41Jの分岐位置と搬送路41Lの分岐位置との間位置から分岐して上方に延出する搬送路41Nと、搬送路41Nに繋がって上方に延出し搬送路41Mの途中位置に繋がる搬送路41Oと、搬送路41Mにおける搬送路41Oの接続位置と搬送路41Aへの接続位置との間位置から分岐して入金リジェクト部26に繋がる搬送路41Pと、搬送路41Aにおける搬送路41Mの接続位置と入出金部21との間位置から分岐し前方に延出して搬送路41Pの途中位置に繋がる搬送路41Qと、搬送路41Pにおける搬送路41Qの接続位置と入金リジェクト部26との間位置から上方に分岐し後上がりに延出して出金リジェクト部27に繋がる搬送路41Rとを有している。
【0032】
また、紙幣搬送路41は、搬送路41Aにおける入出金部21と搬送路41Qの分岐位置との間位置と、搬送路41Mの接続位置と識別部28との間位置とを繋ぐ搬送路41Sと、搬送路41Aにおける搬送路41Sの接続位置と入出金部21との間位置から後方に分岐して整列部30に繋がる搬送路41Tとを有している。搬送路41Sには、紙幣の表裏を反転させる表裏反転部43が設けられている。
【0033】
ここで、上記した搬送路41A〜41Mは正逆両方向に紙幣を搬送可能となっており、搬送路41N〜41Tは一方向にのみ紙幣を搬送可能となっている。
【0034】
図3の太線は、機外から入出金部21に投入されたバラ紙幣を搬送しつつ識別計数する入金処理のルートを示している。つまり、入出金部21の載置板22上にバラ紙幣が載置されて、操作部14に入金処理を行う旨の入力操作がなされると、繰出部21aが入出金部21の載置板22上の紙幣を上端のものから順に一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41Aで搬送することになる。搬送路41Aでの搬送中に識別部28が紙幣を識別計数することになり、識別部28で受け入れ可能と判定した紙幣(取り扱い可能な金種の紙幣)を、図3に太実線で示すように、搬送路41B,41Cでプールカセット39に搬送する一方、識別部28で受け入れ不可と判定した紙幣を、図3に太破線で示すように、搬送路41Bから搬送路41N,41O,41M,41Pで入金リジェクト部26に搬送する。これにより、受け入れ可能な紙幣をプールカセット39に一時貯留し、受け入れ不可な紙幣を入金リジェクト部26に放出する。
【0035】
図4の太線は、入金処理にてプールカセット39に一時貯留した紙幣を、操作部14への承認操作が入力されたことを条件に、確定して、金種カセット35〜37および混合カセット38の対応するものに収納する収納処理のルートを示している。つまり、プールカセット39の紙幣を上端のものから繰出部39aが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、図4に太実線で示すように、搬送路41C,41B,41L,41M,41Aで識別部28に搬送し、識別部28の識別結果に基づいて、搬送路41B,41D〜41Kの対応するものによって金種カセット35〜37および混合カセット38の対応するものに搬送する。これにより、金種カセット35〜37および混合カセット38の対応するものに紙幣を収納する。なお、収納処理にて識別部28で重送等と識別した紙幣については、図4に太破線で示すように、搬送路41B,41N,41O,41M,41P,41Rによって出金リジェクト部27に搬送し、出金リジェクト部27に収納する。
【0036】
図5の太線は、入金処理にてプールカセット39に一時貯留した紙幣を、操作部14へのキャンセル操作が入力されたことを条件に、入出金部21に繰り出す返却処理のルートを示している。つまり、プールカセット39の紙幣を上端のものから繰出部39aが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41C,41B,41Aによって入出金部21に搬送する。これにより、入出金部21に紙幣を返却する。
【0037】
図6の太線は、操作部14へ入力されたバラ出金操作に基づいて、金種カセット35、金種カセット36および金種カセット37の指定された金種のものから紙幣を出金するバラ紙幣出金処理のルートを示している。つまり、バラ出金処理では、図6に太実線で示すように、金種カセット35〜37の指定された金種のものに収納されている紙幣を上端のものから繰出部35a〜37aの対応するものが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41D〜41Iの対応するものと、搬送路41B,41Aとで識別部28に搬送し、識別部28の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは搬送路41Aで入出金部21に、表裏反転が必要なものは搬送路41Sを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41Aで入出金部21に、それぞれ搬送する。これにより、出金操作に基づくバラ紙幣を入出金部21に繰り出す。なお、出金処理にて識別部28で重送等と識別した紙幣については、図6に太破線で示すように、搬送路41A,41Q,41P,41Rによって出金リジェクト部27に搬送し、出金リジェクト部27に収納する。
【0038】
図7の太線は、操作部14へ入力された束出金操作に基づいて、金種カセット35、金種カセット36および金種カセット37の指定された金種のものからの紙幣を結束して出金する束出金処理のルートを示している。つまり、束出金処理では、図7に太実線で示すように、金種カセット35〜37のうち指定された金種のものに収納されている紙幣を上端のものから繰出部35a〜37aの対応するものが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41D〜41Iの対応するものと、搬送路41B,41Aとで識別部28に搬送し、識別部28の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは搬送路41A,41Tで整列部30に、表裏反転が必要なものは搬送路41Sを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41A,41Tで整列部30に、それぞれ搬送する。これにより、指定された単一金種の紙幣を結束単位枚数だけ整列部30に繰り出す。そして、整列部30の集積紙幣を、移送部33で結束部31に搬送し、結束部31で結束を行い、束出金部32に繰り出す。このような処理を指定された金種毎に指定された束数分行うことになる。なお、束出金処理にて識別部28で重送等と識別した紙幣については、図7に太破線で示すように、搬送路41A,41Q,41P,41Rによって出金リジェクト部27に搬送し、出金リジェクト部27に収納する。
【0039】
図8の太線は、操作部14へ入力された自己精査処理操作に基づいて、金種カセット35〜37および混合カセット38の対応するものの紙幣を自己精査する自己精査処理の往路ルートを示している。つまり、自己精査処理では、図8に太実線で示すように、金種カセット35〜37および混合カセット38のうちの設定された一つに収納されている紙幣を上端のものから繰出部35a〜38aの対応するものが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41D〜41Kの対応するものと、搬送路41B,41Aとで識別部28に搬送し、識別部28で識別計数しつつ、搬送路41M,41L,41B,41Cを介してプールカセット39に搬送する。そして、金種カセット35〜37および混合カセット38のうちの設定された一つに収納されていた紙幣をすべて繰り出す。なお、この搬送中、識別部28で重送等と識別した紙幣については、図8に太破線で示すように、搬送路41A,41Q,41P,41Rによって出金リジェクト部27に搬送し、出金リジェクト部27に収納する。
【0040】
図9の太線は、上記した自己精査処理の復路ルートを示している。上記したようにプールカセット39に一旦移した紙幣を、図9に太実線で示すように、搬送路41C,41B,41L,41M,41Aによって、識別部28に搬送し、識別部28で識別計数するとともに、識別部28の識別結果に基づいて、搬送路41B,41D〜41Kの対応するものを介して、金種カセット35〜37および混合カセット38の対応する金種のものに収納する。なお、この搬送中、識別部28で重送等と識別した紙幣については、図9に太破線で示すように、搬送路41B,41N,41O,41M,41P,41Rによって出金リジェクト部27に搬送し、出金リジェクト部27に収納する。
【0041】
以上により、識別部28の計数結果と、金種カセット35〜37および混合カセット38の自己精査処理を行ったものに収納された紙幣の枚数とが一致することになり、このような自己精査処理を、金種カセット35〜37および混合カセット38のうちの設定されたものについて、それぞれ個別に行うことになる。なお、金種カセット35〜37および混合カセット38にそれぞれ収納された紙幣の合計枚数がプールカセット39の最大収納枚数以下であった場合には、上記の自己精査処理をそれぞれ個別に行う必要はなく、すべて一括して行うこともできる。
【0042】
図10の太線は、機外から入出金部21に投入されたバラ紙幣を搬送しつつ識別計数するローカル整理処理の往路ルートを示している。つまり、入出金部21の載置板22上にバラ紙幣が載置されて、操作部14にローカル整理処理を行う旨の入力操作が金種指定とともになされると、繰出部21aが入出金部21の載置板22上の紙幣を上端のものから順に一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、図10に太実線で示すように、搬送路41Aで搬送することになる。搬送路41Aでの搬送中に識別部28が紙幣を識別計数することになり、識別部28で指定金種と判定した紙幣を、搬送路41B,41Cでプールカセット39に搬送する一方、識別部28で指定金種以外と判定した紙幣を、図10に太破線で示すように、搬送路41Bから搬送路41N,41O,41M,41Pで入金リジェクト部26に搬送する。これにより、指定金種の紙幣をプールカセット39に一時貯留し、指定金種以外の紙幣を入金リジェクト部26に放出する。
【0043】
図11の太線は、ローカル整理処理の復路ルートを示している。上記したようにプールカセット39に一旦収納した紙幣を、上端のものから繰出部39aが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、図11の太線で示すように、搬送路41C,41B,41Aで識別部28に搬送し、識別部28の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは搬送路41A,41Tで整列部30に、表裏反転が必要なものは搬送路41Sを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41A,41Tで整列部30に、それぞれ搬送する。このようにして、指定された単一金種の紙幣を結束単位枚数だけ整列部30に繰り出す。そして、整列部30の集積紙幣を、移送部33で結束部31に搬送し、結束部31で結束を行い、束出金部32に繰り出す。このような処理を結束単位枚数が整列部30に集積される限り繰り返す。なお、結束単位枚数に満たない、端数紙幣が整列部30に集積された場合にも、これを結束し端数紙幣であることを示す識別をつけて束出金部32に繰り出す。なお、ローカル整理処理にて識別部28で重送等と識別した紙幣については、図11に太破線で示すように、搬送路41A,41Q,41Pによって入金リジェクト部26に搬送し、入金リジェクト部26に放出する。
【0044】
上部にある入出金部21、入金リジェクト部26、出金リジェクト部27、識別部28、整列部30、移送部33、結束部31、束出金部32、表裏反転部43および搬送路41A,41M,41O〜41Tは、本体45内に配置されており、その下部にある、搬送路41B,41D,41F,41H,41J,41L,41Nが、本体45から紙幣処理装置11の前後方向に沿って前面側に引き出し可能な引出体46内に配置されている。さらに、搬送路41Eは、引出体46に対し着脱可能な金種カセット35内に、搬送路41Gは同様の金種カセット36内に、搬送路41Iは同様の金種カセット37内に、搬送路41Kは同様の混合カセット38内に、搬送路41Cは同様のプールカセット39内に、それぞれ配置されている。
【0045】
引出体46は、金種カセット35〜37、混合カセット38およびプールカセット39が着脱可能に装填される収納部47と、この収納部47の上方に開閉可能に設けられた搬送部48とを有している。搬送部48は、金種カセット35〜37、混合カセット38およびプールカセット39に対して紙幣を搬送する。搬送部48には、上記した搬送路41B,41D,41F,41H,41J,41L,41Nが設けられている。
【0046】
束出金部32は、結束部31の水平前方に設けられており、その最も結束部31側に、結束部31にて結束された小束紙幣を受け取って載置させる図12に示す載置送出機構51を有している。載置送出機構51は、後方から水平姿勢で送り出される小束紙幣Tをそのまま載置させる載置台(載置部)52と、電動の回動モータ53と、回動モータ53で駆動される回転板54と、回転板54と載置台52とを連結するアーム55と、回転板54の回転角度を検知する回転位置センサ56とを有している。
【0047】
載置台52は、左右方向に沿う位置固定の支持軸60に支持され、この支持軸60を中心に回動可能とされた支持部材61と、長穴62を有し支持部材61に対しこの長穴62に挿通された複数本のボルト63で固定された載置台本体64とを有している。載置台52は、図12に示すように載置台本体64の上面の中間部から前端部にかけての載置上面部65が水平配置される状態を待機状態としている。そして、この待機状態にあるとき、載置台本体64は、その上面の後部の案内上面部66が前上がりに傾斜しており、その前面部67が載置上面部65の前端部から鉛直下方に延出している。
【0048】
このような待機状態にあるとき、載置台52には、後方から前方に押し出された小束紙幣Tが案内上面部66から載置上面部65を摺動して載置上面部65上に載置される。つまり、載置台52は、小束紙幣Tを水平状態に載置させる。なお、待機状態にあるとき、載置台本体64の長穴62は鉛直方向に沿っており、ボルト63が緩められることで支持部材61に対する載置台本体64の高さ位置が調整可能となっている。よって、例えば後方の結束部31からの小束紙幣Tの送り出しの高さ位置に応じて載置台本体64の高さが調整される。載置台52の支持部材61には、支持軸60よりも前方且つ若干下方に左右方向に沿う連結軸68が設けられている。
【0049】
回動モータ53は、支持軸60の後方且つ下方にて左右方向に沿うように回転軸71を配置した状態で設けられており、回転軸71を回転させる。
【0050】
回転板54は、円板状をなしており、その中心において回動モータ53の回転軸71に固定されている。回転板54には、径方向外方に突出する突起73が形成されており、また、回転軸71から径方向にずれて左右方向に沿う連結軸74が設けられている。
【0051】
アーム55は、長さ方向に沿って長穴75が形成されたアーム部材76と、長穴75に挿通される複数のネジ77が長さ方向に間隔をあけて配置されたアーム部材78とからなっている。アーム55は、その一端を構成するアーム部材78の端部が回転板54の連結軸74に回転可能に連結され、前上がりに延出してその他端を構成するアーム部材76の端部が載置台52の連結軸68に回転可能に連結されている。ネジ77が緩められることでアーム部材76,78の長さ方向位置が調整可能となっており、よって、アーム55は長さ調整可能となっている。
【0052】
回動モータ53が、図12に示すように回転板54の連結軸74を回転軸71に対し前方かつ上方に位置させて停止しているとき、回転板54およびアーム55を介して載置台52を上記した待機状態とすることになる。この待機状態で、回転板54の突起73は鉛直上方に位置することになり、回転位置センサ56がこの突起73を検知している。よって、回転位置センサ56は、載置台52が待機状態にあるか否かを検知する。載置台52は、この待機状態で、結束部31にて結束された後の小束紙幣Tを載置上面部65上に水平状態に載置させる。
【0053】
この待機状態から、回動モータ53が回転板54を所定の正方向(図12の時計回り方向)に所定角度(180度)だけ回転させると、図13に示すように回転板54が連結軸74を回転軸71に対し後方かつ下方に位置するように旋回させ、この連結軸74に連結されたアーム55を後方かつ下方に引き下げる。すると、アーム55に連結軸68を介して連結されている載置台52が支持軸60を中心に所定方向(図12の時計回り方向)に所定角度(略45度)回動し、その載置上面部65が前下がりに所定角度で傾斜する傾斜状態になる。このように載置上面部65が傾斜することで、載置台52は、載置上面部65上に載置されていた小束紙幣Tをその自重により斜め下方に摺動落下させる。
【0054】
この傾斜状態から、回動モータ53が回転板54を、回転位置センサ56が回転板54の突起73を検知するまで正方向または逆方向に回転させると、回転板54が連結軸74を回転軸71に対し前方かつ上方に位置するように旋回させ、この連結軸74に連結されたアーム55を前方かつ上方に押し上げる。すると、載置台52が支持軸60を中心に上記とは逆に回動し、図12に示すように、その載置上面部65が水平に配置される待機状態に戻る。
【0055】
束出金部32は、載置台52の前方に、図14に示すように傾斜した載置台52から摺動落下する小束紙幣Tを支持するとともに、図15および図16に示すように前方に移送し、その後、図17に示すように後方に戻る移送機構81を有している。移送機構81は、図12に示すように、ガイド溝82が形成された左右一対(図12において一方のみ図示)のガイド板83と、両ガイド溝82に挿入され両ガイド溝82に沿って摺動する移送軸84と、一対のガイド板83の間にて移送軸84に固定される一枚の移送板85と、一対のガイド板83の外側にて移送軸84に連結されて移送軸84をガイド溝82にそって摺動させる図20に示す移送駆動部86とを有している。一体化された移送軸84と移送板85とが移送部材(移送部)87となっている。
【0056】
図12に示すように、ガイド板83に形成されたガイド溝82は、載置台52の下方かつ前方の所定位置から前上がりに傾斜する傾斜溝部90と、傾斜溝部90の前端から水平前方に延出する水平溝部91とからなっている。
【0057】
移送部材87の移送軸84は、図12に示すように傾斜溝部90の載置台52側の端部近傍の所定位置を待機位置としており、このとき、移送部材87が待機状態となる。この待機状態にあるとき、移送部材87は、移送板85の上側かつ前側の移送面部92が、図13に示すように傾斜状態にある載置台52の載置上面部65の下方かつ前方の延長上に載置上面部65に沿って配置されることになり、前下がりの傾斜状態となる。移送部材87の移送板85は、傾斜した載置台52の延長上に傾斜状に待機して、傾斜した載置台52から図14に示すように摺動落下する小束紙幣Tを移送面部92上に載置させるようにして支持することになる。
【0058】
移送駆動部86は、上記のように傾斜した載置台52の延長上に傾斜状に待機する移送部材87を、載置台52とは反対側に鉛直状に立位させながら移動させる。移送駆動部86は、図20に示すように、移送部材87の移送軸84のガイド板83よりも外側に一端側が固定され、待機位置にある移送軸84から傾斜溝部90に沿って前上がりに延出する連結アーム95と、連結アーム95の他端側に連結軸96を介して相対回転可能に連結された移動部材97と、移動部材97を前後方向に水平に摺動可能に支持するガイド軸98とを有している。
【0059】
また、移送駆動部86は、移動部材97の上側にて前後に離間配置されたプーリ99,100と、これらプーリ99,100に巻回されて移動部材97に連結される無端ベルト101とを有している。なお、連結アーム95、連結軸96、移動部材97、ガイド軸98、プーリ99,100および無端ベルト101は、移送軸84の軸方向の両端それぞれに対して設けられている。そして、前側の左右のプーリ99同士は、共通の連結軸102に連結されており、移送駆動部86は、この連結軸102の一端に固定された傘歯車103と、傘歯車103に噛み合う傘歯車104と、傘歯車104が回転軸105に固定された電動の移送モータ106と、一方の移動部材97の後端位置を検出する後端位置センサ107と、一方の移動部材97の前端位置を検知する前端位置センサ108とを有している。
【0060】
移送駆動部86は、図20に示すように、移送部材87が上記した待機状態にあるとき、後端位置センサ107が移動部材97を検知しており、この状態から、移送モータ106の正転により一対の無端ベルト101を回転させて一対の移動部材97を一対のガイド軸98に沿って前方に水平移動させると、各移動部材97に連結された一対の連結アーム95を介して移送軸84を傾斜溝部90に沿って前上がりに斜めに引き上げる。すると、連結アーム95が徐々に水平に近づくことになり、連結アーム95に固定された移送軸84を回転させて移送軸84および移送板85からなる移送部材87を鉛直状に近づけることになる。
【0061】
そして、移送軸84が傾斜溝部90の前端つまり水平溝部91の後端に位置すると、連結アーム95が移送軸84を最大量回転させることになり、図15に示すように、移送部材87が鉛直状に立位し移送面部92が前後方向に直交する立位姿勢となる。そして、図15から図16に示すように、移送軸84が水平溝部91内に位置する状態では、移送部材87が立位姿勢を維持しつつ、載置台52とは反対側である前方に移動する。そして、移動部材97が前端位置に位置したことが図20に示す前端位置センサ108で検知されると、移送モータ106が停止される。この状態では移送部材87も図16に示す前端位置に位置する。
【0062】
このように移送部材87が前端位置に位置する状態から移送モータ106の逆転により一対の無端ベルト101を回転させて一対の移動部材97を一対のガイド軸98に沿って後方に水平移動させると、各移動部材97に連結された一対の連結アーム95を介して移送軸84を水平溝部91に沿って水平後方に移動させると、移送軸84が水平溝部91内に位置する状態では移送部材87が上記と同様に鉛直状に立位し移送面部92が前後方向に直交する立位姿勢を維持して後方に移動する。そして、移送軸84が水平溝部91の後端つまり傾斜溝部90の前端に位置し、その後、傾斜溝部90に沿って移動すると、移送軸84の下降により連結アーム95が徐々に傾斜して移送軸84を回転させることになり、移送軸84を含む移送部材87を徐々に斜めにする。そして、移動部材97が図20に示す後端位置センサ107に検知されると、移送モータ106が停止されることになり、この状態では、図17に示すように移送部材87が最大に斜めになって傾斜状に待機する待機状態となる。
【0063】
束出金部32は、図12に示すように、ガイド溝82の傾斜溝部90の範囲の略下側に、傾斜溝部90と同様に前上がりに傾斜する可動ガイド板111が設けられ、可動ガイド板111の載置台52とは反対側には、水平に固定ガイド板112が設けられている。よって、移送部材87は、傾斜した載置台52の延長上に傾斜状に待機して摺動落下する小束紙幣Tを移送面部92と可動ガイド板111の上面とで支持した後、載置台52とは反対側に移動することで、図14から図15に示すように小束紙幣Tを可動ガイド板111の上面および固定ガイド板112の上面上を摺動させながら移送することになり、固定ガイド板112の上面上を摺動させる際には、鉛直状に立位することで、移送面部92に面当たりする小束紙幣Tを鉛直状に立位させたまま移動させることになる。
【0064】
束出金部32は、移送部材87の載置台52とは反対となる前方に、押圧板(押圧部)115を有している。押圧板115は、鉛直状に立位し前後方向に直交する状態を維持しながら、固定ガイド板112の上面上のみを前後方向に水平に移動することになり、この押圧板115は図示略のスプリングで移送部材87の方向つまり後方に付勢されている。この押圧板115は、移送部材87の載置台52とは反対側に待機して、図15および図16に示すように移送部材87との間に鉛直状の小束紙幣Tを挟持することになる。
【0065】
可動ガイド板111は、図12に示すように前上がりに傾斜する位置にあるとき、載置台52とは反対側となる端縁部に左右方向に沿う回動軸120が設けられており、可動ガイド板111は、この回動軸120を中心に回動可能となっている。回動軸120の近傍には、アーム121が回動軸122を介して回動可能に支持されている。アーム121は回動軸122からその径方向一側に延出するアーム部123と径方向他側に延出するアーム部124とを有する屈曲形状をなしている。このアーム121は、可動ガイド板111の側部に設けられた長穴126にアーム部123の先端の連結軸127において連結されている。これら可動ガイド板111、回動軸120およびアーム121が、図16に示すように、移送部材87の前方への移動時に移送部材87よりも載置台52側を閉塞する遮蔽部130を構成している。
【0066】
遮蔽部130は、図21(a),(b)に示すように可動ガイド板111を上記のように前上がりに傾斜させる位置にあるとき、移送部材87の移動を妨げないようになっており、この位置が退避位置となっている。遮蔽部130が退避位置にあるとき、アーム121は、連結軸127側のアーム部123が後側に、反対側のアーム部124が可動ガイド板111よりも上方に立位状態とされている。
【0067】
このアーム部125は、立位状態にあるとき移送部材87の移送軸84の移動ルート上に位置しており、移送軸84が図15から図16に示すように載置台52側から押圧板115側に移動すると、移送軸84に当接し移送軸84で押されて載置台52とは反対側に倒れるように回動し、その結果、アーム部123を立位状態とする。すると、アーム部123の連結軸127が可動ガイド板111を長穴126を介して引き上げ回動軸120を中心に回転させて鉛直状に立位状態とする。このように、移送部材87が前方に移動した際に、遮蔽部130は、図16および図21(c)に示すように前後方向に直交して広がることになり、移送部材87よりも載置台52側を閉塞する閉塞位置に位置することになる。なお、この閉塞位置にあるとき、可動ガイド板111は、自重により図示略のストッパに当接して停止する。また、移送軸84がアーム部124への当接位置から前端位置までの範囲にあるときには、移送軸84がアーム部123の上方に位置し遮蔽部130が退避位置に戻ることを規制するように、アーム部124の長さが設定されている。
【0068】
可動ガイド板111が閉塞位置に位置する状態で、移送軸84が載置台52側に移動すると、立位状態となっていたアーム部123に当接する。すると、アーム部123が移送軸84で後方に押されて載置台52側に回動して可動ガイド板111を回動軸120を中心に回転させて図18に示すように退避位置に位置するように倒すことになり、その結果、アーム部124を立位状態とする。このとき、載置台52側に倒れた可動ガイド板111は自重によりストッパ132に当接することで遮蔽部130を上記した退避位置に維持する。このように、移送部材87が載置台52側に移動した際に、遮蔽部130は、移送部材87の移動を妨げない退避位置に位置することになる。
【0069】
以上により、遮蔽部130は、移送部材87の移動を妨げない退避位置と移送部材87よりも載置台52側を閉塞する遮蔽位置との間で揺動可能であり、載置台52側から押圧板115に向けて移動する移送部材87に当接して退避位置から遮蔽位置に揺動し、押圧板115側から載置台52に向けて移動する移送部材87に当接して遮蔽位置から退避位置に揺動する。
【0070】
退避位置にある可動ガイド板111と固定ガイド板112との境界位置、つまり移送部材87が傾斜状から鉛直状に姿勢変換する位置の近傍には、図17〜図19に示すように、押圧板115との間で小束紙幣Tを挟持可能な支持部135が設けられている。この支持部135は、可動ガイド板111を支持する回動軸120からその径方向に沿って延出する支持部材137と、支持部材137を付勢する図示略のねじりバネとを有している。支持部材137は、回動軸136から鉛直上方に延出し前後方向に直交する姿勢が基本姿勢となっており、この基本姿勢を限度として、載置台52とは反対側へ向けてのみ揺動可能に設けられている。支持部材137は、揺動時に固定ガイド板112の上面以下の位置に退避することが可能になっている。ねじりバネは、支持部材137を基本姿勢へ戻す方向に付勢する。
【0071】
これにより、支持部材137は、移送部材87によって押圧板115に向けて移送される小束紙幣Tに接触すると載置台52とは反対側に揺動退避し、さらに小束紙幣Tが移動して離間すると、ねじりバネの付勢力で基本姿勢に戻る。一方、支持部材137は、移送部材87の待機位置への戻り時には移送部材87の通過を許容しつつ小束紙幣Tの通過を規制することで、押圧板115との間に小束紙幣Tを挟持する。なお、遮蔽部130の可動ガイド板111には、図21に示すように、支持部材137との干渉を逃げるための切欠部139が形成されている。
【0072】
図17および図18に示すように、基本姿勢にある支持部材137の鉛直上方の若干載置台52側には、押圧板115と支持部材137とで下部が挟持された状態の小束紙幣Tの上部の倒れを規制する支承部143が設けられている。この支承部143は、左右方向に延在する回動軸144と回動軸144からその径方向に沿って延出する支承板145とからなる支承部材146と、支承部材146を付勢する図示略のスプリングとを有している。この支承部143は、支承板145が回動軸144から下方に延出し前後方向に直交する姿勢が基本姿勢となっており、この基本姿勢を限度として、載置台52とは反対側へ向けてのみ揺動可能に設けられている。スプリングは、支承部材146をこの基本姿勢へ戻す方向に付勢する。
【0073】
これにより、支承部145も、移送部材87によって押圧板115に向けて移送される小束紙幣Tと接触すると載置台52とは反対側に揺動退避し、さらに小束紙幣Tが移動して離間すると、スプリングの付勢力で基本姿勢に戻る。一方、支承部145は、移送部材87の待機位置への戻り時には移送部材87の通過を許容する。支承部145は、支持部材137で下部が停止させられた小束紙幣Tの若干後方で鉛直に沿うことになり、仮に小束紙幣Tが斜めになっても上部を支承して倒れを規制する。
【0074】
束出金部32は、支持部材137の前側に、支持部材137と押圧板115との間に挟持された小束紙幣Tを取り出し可能とする出金口150を有している。出金口150は、図19に示すように、押圧板115の摺動範囲の上方に水平に開口する上部開口部151と、上部開口部151の載置台52とは反対側に押圧板115の上端よりも下側まで略円弧状に開口する前部開口部152とを有している。これら上部開口部151および前部開口部152は、図22に示すように連続している。出金口150には、左右方向に移動することでこれを開閉するシャッタ153が設けられている。
【0075】
シャッタ153で出金口150が閉じられ、図12に示すように載置台52が載置上面部65を水平配置する待機状態にあり、移送部材87が傾斜状に待機する待機状態にある状態が、束出金部32の待機状態となっている。そして、上記した束出金処理およびローカル整理処理において小束紙幣Tを所定の束数出金する際には、結束部31から水平状態で一束ずつ押し出されてくる小束紙幣Tのうちの最初の一束が、案内上面部66から載置上面部65を摺動して図12に示すように載置上面部65上に載置される。
【0076】
結束部31からの小束紙幣Tの押し出しが完了したタイミングで、図示略の制御部が、図13に示すように、回動モータ53で回転板54を所定方向に所定角度だけ回転させる。すると、回転板54がアーム55を後方かつ下方に引き下げ、アーム55に連結されている載置台52を支持軸60を中心に回動させる。これにより、載置台52の載置上面部65が前下がりに傾斜し、その上に載置されていた小束紙幣Tをその自重により載置上面部65およびその延長上にある移送部材87の移送面部92上を摺動させる。その結果、小束紙幣Tは、図14に示すように移送面部92および可動ガイド板111上に載置される。
【0077】
次に、制御部は、図15に示すように、回動モータ53を回転させて載置台52を待機状態に戻すとともに、図20に示す移送モータ106を正転させて、移動部材97をガイド軸98に沿って前方に水平移動させ、連結アーム95を介して移送部材87の移送軸84を傾斜溝部90に沿って引き上げる。すると、移送軸84の上昇とともに移送部材87が鉛直状に近づくことになり、図15に示すように移送軸84が水平溝部91に位置すると、鉛直状に立位し前後方向に直交する状態となり、小束紙幣Tを同様の姿勢にする。そして、移送軸84が水平溝部91を移動する初期に、移送部材87で移送される小束紙幣Tが、支承部143の支承部材146および支持部135の支持部材137に当接し、これらを揺動させながら移送部材87とともに移動し、図16に示すように押圧板115に当接して移送部材87と押圧板115とに挟持される状態となって移動する。なお、載置台52が待機状態に戻ると、結束部31からの次の小束紙幣Tの送り出しが許容される。また、移送軸84は水平溝部91を摺動中、つまり移送部材87が固定ガイド板112上に位置する状態で、アーム121のアーム部124に当接し可動ガイド板111を鉛直状に立位状態として、移送部材87よりも載置台52側を閉塞する。
【0078】
そして、移送部材87が前端位置に位置したことが前端位置センサ108による移動部材97の検知で検知されると、制御部は、移送モータ106を逆転させる。すると、移送部材87および押圧板115が小束紙幣Tを挟持した状態のまま後退する。移送軸84が水平溝部91を摺動中、アーム121のアーム部123に当接し、可動ガイド板111を待機状態に戻すことになり、その後、小束紙幣Tを支持部材137に当接させる。すると、図17に示すように小束紙幣Tは支持部材137と押圧板115とで挟持される状態となって停止し、移送部材87のみが載置台52側に移動する。そして、移送部材87が後端位置に位置し待機状態に戻ったことが後端位置センサ107による移動部材97の検知で検知されると、制御部は、移送モータ106を停止させることになる。
【0079】
その時点で、次の小束紙幣Tが載置台52上に載置されている場合は即座に、載置されていない場合は載置されるのを待って、制御部は、上記と同様の作動を行わせる。
【0080】
次の小束紙幣Tの移送中、移送部材87は小束紙幣Tを鉛直状にするとともに、すでに支持部材61と押圧板115とで挟持されている小束紙幣Tに当接させることになり、その結果、移送部材87に当接している小束紙幣Tが、支持部材137からすでにこれと押圧板115とで挟持されていた小束紙幣Tを受け取ることになって、移送部材87および押圧板115が複数束の小束紙幣Tを挟持した状態で前方に移動する。その後、移送部材87の後方つまり載置台52側への戻り時には、移送部材87に当接していた小束紙幣Tが支持部材137に当接すると、この小束紙幣Tを含む複数の小束紙幣Tが支持部材137と押圧板115とで挟持される状態となって停止し、移送部材87のみが載置台52側に移動する。
【0081】
以上のような移送機構81による一束ずつの前方への移送を必要により繰り返すことで、小束紙幣Tが複数束、水平方向に集積されて支持部材137と押圧板115とで挟持される。その際に、移送部材87は、何束目の小束紙幣Tを支持部材137と押圧板115との間に貯留させる場合であっても、待機位置と所定の前端位置との間を移動するという同じ動作を単純に繰り返すことになる。
【0082】
そして、必要数の小束紙幣Tの最後の一束を移送部材87が押圧板115との間に挟持すると、制御部は、移送部材87が前端位置に位置したことを検知し移送モータ106を停止させ、そのまま移送モータ106の停止状態を維持して、待機時に閉状態であったシャッタ153を開いて出金口150を開放する。これにより、操作者が小束紙幣Tを移送部材87と押圧板115との間から引き抜いて取り出すことになる。このとき、移送部材87は前端位置に位置するため、遮蔽部130は可動ガイド板111が立位状態にあり、載置台52側が露出しないようにしている。よって、次の小束紙幣Tが載置台52上にあっても安全上の問題はない。移送部材87と押圧板115との間から小束紙幣Tが引き抜かれたことが図示略の出金センサで検知されると、制御部は、シャッタ153を閉じ、その後、移送モータ106で移送部材87を待機位置に戻す。なお、さらに小束紙幣Tの出金が続く場合、制御部は、シャッタ153が閉じられたことを条件に上記と同様の出金動作を繰り返す。
【0083】
以上に述べた本実施形態の紙幣処理装置11によれば、載置台52が、小束紙幣Tを水平状態に載置させた後、傾斜することで斜め下方に摺動落下させると、その延長上に傾斜状に待機していた移送部材87がこの小束紙幣Tを支持する。その後、移送部材87が、鉛直状に立位しながら載置台52とは反対側に移動することで、小束紙幣Tを鉛直状に立位させながら載置台52とは反対側の押圧板115との間に挟持する。その後、移送部材87が待機位置に戻ることで、小束紙幣Tは移送部材87へ向けて付勢されている押圧板115と支持部材137との間に挟持されることになり、以上を繰り返すことにより、押圧板87と、支持部材137あるいは移送部材87との間に鉛直状に立位した姿勢の小束紙幣Tを水平前後方向に集積させることができる。このように、結束部31にて結束した小束紙幣Tを鉛直状にして、複数束、水平方向に集積することになるため、小束紙幣Tを複数束集積可能としても鉛直方向に大型化してしまうことを抑制することができる。
【0084】
また、結束部31で結束された小束紙幣Tは、載置される載置台52から斜め下方に落下した後、斜め上方に移動した高さの位置で貯留される構成であるので、上下方向に小型の構成で水平状態の小束紙幣Tを鉛直状に姿勢変更することができるため、姿勢変更のための構成も鉛直方向に小型化できる。この点からも、鉛直方向に大型化してしまうことを抑制することができる。
【0085】
また、上下方向に小型の構成で水平状態の小束紙幣Tを鉛直状に姿勢変更することができ、そのまま水平方向に集積することができるため、出金口150を結束位置とほぼ同じ高さの位置に構成することができて、この点からも、鉛直方向に大型化してしまうことを抑制することができる。
【0086】
また、移送部材87が傾斜状から鉛直状に姿勢変換する位置の近傍に支持部材137が配置されているため、押圧板87と支持部材137との間に水平に集積される小束紙幣Tを載置台52側に近づけることができる。したがって、水平方向の大型化も抑制でき、より多くの小束紙幣Tを集積させることができる。
【0087】
また、支持部135が、鉛直に沿う基本姿勢を限度として載置台52とは反対側へ向けてのみ揺動可能に設けられた支持部材137と、この支持部材137を基本姿勢へ戻す方向に付勢するスプリングとを有するため、簡素な構造で、小束紙幣Tを押圧板115との間に挟持できるとともに退避後に即座に元の位置に戻ることができる。つまり、例えば、別に電気的な駆動手段を設けて、支持部材137を駆動させるような必要がなくなる。
【0088】
また、移送部材87が押圧板115に向けて移動した際に、遮蔽部130が移送部材87よりも載置台52側を閉塞するため、最終的に出金のために移送部材87が前端位置に位置して出金口150のシャッタ153を開いた状態となっても、載置台52側を閉塞できる。したがって、安全上の問題がなくなる。
【0089】
また、遮蔽部130が、載置台52側から押圧板115に向けて移動する移送部材87に当接して退避位置から遮蔽位置に揺動し、押圧板115側から載置台52に向けて移動する移送部材87に当接して遮蔽位置から退避位置に揺動するため、簡素な構造で遮蔽部130を動作させることができる。
【0090】
また、遮蔽部130が遮蔽位置に揺動した後、移送部材87の移送軸84が遮蔽部130の退避位置への戻りを規制するため、仮に操作者が遮蔽部130を手で押したとしても遮蔽部130が開くことはなく、安全性が向上する。
【0091】
また、支持部材137の載置台52とは反対側に、小束紙幣Tを取り出し可能とする出金口150が設けられているため、移送部材87と押圧板115との間に集積された小束紙幣Tがそのまま出金口150から取り出し可能となる。したがって、水平方向の大型化も抑制できる。
【0092】
また、出金口150がシャッタ付きであるため、束出金部32において移送部材87と押圧板115との間に所定数の小束紙幣Tが集積され小束紙幣Tの集積動作が停止して小束紙幣Tを機外へ放出可能になるまで、シャッタ153を閉じておくことで、集積途中段階の小束紙幣Tが不用意に取り出されてしまうことを規制できるとともに、操作者が集積された小束紙幣Tを取り出し可能な時のみにシャッタ153が開いて操作者に取り出し可能であることを案内することができる。
【符号の説明】
【0093】
11 紙幣処理装置
31 結束部
52 載置台(載置部)
87 移送部材(移送部)
115 押圧板(押圧部)
130 遮蔽部
135 支持部
137 支持部材
150 出金口
153 シャッタ
T 小束紙幣
【技術分野】
【0001】
本発明は、小束紙幣を取り扱う紙幣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バラ紙幣を所定枚数集積し結束テープで結束してなる小束紙幣を取り扱う紙幣処理装置において、貯留させた複数束の小束紙幣を束出金口に搬送可能であって、小束紙幣を複数束集積させて貯留可能な貯留空間を有する貯留部枠体を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−248658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の紙幣処理装置によれば、結束部にて結束した小束紙幣を水平状にして、複数束、鉛直方向に集積することになるため、鉛直方向に大型化してしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、小束紙幣を複数束集積可能としても鉛直方向の大型化を抑制することができる紙幣処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、結束部にて結束された小束紙幣を水平状態に載置させるとともに傾斜することで斜め下方に摺動落下させる載置部と、傾斜した該載置部の延長上に傾斜状に待機して摺動落下する小束紙幣を支持するとともに前記載置部とは反対側に鉛直状に立位しながら移送する移送部と、該移送部の前記載置部とは反対側に待機して前記移送部との間で鉛直状の小束紙幣を挟持する、該移送部へ向けて付勢される押圧部と、前記移送部によって前記押圧部に向けて移送される小束紙幣と接触すると揺動退避する一方、前記移送部の待機位置への戻りで前記押圧部との間に小束紙幣を挟持する支持部と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記支持部は、前記移送部が傾斜状から鉛直状に姿勢変換する位置の近傍に配置されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記支持部は、鉛直に沿う基本姿勢を限度として前記載置部とは反対側へ向けてのみ揺動可能に設けられた支持部材と、該支持部材を前記基本姿勢へ戻す方向に付勢する付勢部材とを有することを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に係る発明において、前記移送部が前記押圧部に向けて移動した際、前記移送部よりも前記載置部側を閉塞する遮蔽部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、前記遮蔽部は、前記移送部の移動を妨げない退避位置と前記移送部よりも前記載置部側を閉塞する遮蔽位置との間で揺動可能であり、前記載置部側から前記押圧部に向けて移動する前記移送部に当接し該移送部で押圧されて前記退避位置から前記遮蔽位置に揺動することを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に係る発明において、前記支持部の前記載置部とは反対側に、小束紙幣を取り出し可能とするシャッタ付きの出金口が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、載置部が、小束紙幣を水平状態に載置させた後、傾斜することで斜め下方に摺動落下させると、その延長上に傾斜状に待機していた移送部がこの小束紙幣を支持する。その後、移送部が、鉛直状に立位しながら載置部とは反対側に移動することで、小束紙幣を鉛直状に立位させながら載置部とは反対側の押圧部との間に挟持する。その後、移送部が待機位置に戻ることで、小束紙幣は移送部へ向けて付勢されている押圧部と支持部との間に挟持されることになり、以上を繰り返すことにより、押圧部と、支持部あるいは移送部との間に鉛直状に立位した姿勢の小束紙幣を水平方向に集積させることができる。このように、結束部にて結束した小束紙幣を鉛直状にして、複数束、水平方向に集積することになるため、小束紙幣を複数束集積可能としても鉛直方向に大型化してしまうことを抑制することができる。また、上下方向に小型の構成で、水平状態の小束紙幣を鉛直状に姿勢変更することができるため、姿勢変更のための構成も鉛直方向に小型化できる。この点からも、鉛直方向に大型化してしまうことを抑制することができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、移送部が傾斜状から鉛直状に姿勢変換する位置の近傍に支持部が配置されているため、押圧部と支持部との間の小束紙幣を載置部側に近づけることができる。したがって、水平方向の大型化を抑制した上で、より多くの小束紙幣を集積させることができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、支持部が、鉛直に沿う基本姿勢を限度として載置部とは反対側へ向けてのみ揺動可能に設けられた支持部材と、この支持部材を基本姿勢へ戻す方向に付勢する付勢部材とを有するため、小束紙幣を簡素な構造で押圧部と挟持できる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、移送部が押圧部に向けて移動した際に、遮蔽部が移送部よりも載置部側を閉塞するため、出金時に載置部側を閉塞することができる。したがって、安全上の問題がなくなる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、遮蔽部が、載置部側から押圧部に向けて移動する移送部に当接しこの移送部で押圧されて退避位置から遮蔽位置に揺動するため、簡素な構造で遮蔽部を動作させることができる。
【0017】
請求項6に係る発明によれば、支持部の載置部とは反対側に、小束紙幣を取り出し可能とする出金口が設けられているため、移送部または支持部と、押圧部との間に集積された小束紙幣がそのまま出金口から取り出し可能となる。したがって、水平方向の大型化を抑制できる。また、出金口がシャッタ付きであるため、移送部または支持部と、押圧部との間に所定数の小束紙幣が集積されるまでシャッタを閉じておくことで、小束紙幣が不用意に取り出されてしまうことを規制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置を含む出納機を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置を概略的に示す側断面図である。
【図3】同紙幣処理装置の側断面図であって、入金処理ルートを太線で示すものである。
【図4】同紙幣処理装置の側断面図であって、収納処理ルートを太線で示すものである。
【図5】同紙幣処理装置の側断面図であって、返却処理ルートを太線で示すものである。
【図6】同紙幣処理装置の側断面図であって、バラ出金処理ルートを太線で示すものである。
【図7】同紙幣処理装置の側断面図であって、束出金処理ルートを太線で示すものである。
【図8】同紙幣処理装置の側断面図であって、自己精査処理の往路ルートを太線で示すものである。
【図9】同紙幣処理装置の側断面図であって、自己精査処理の復路ルートを太線で示すものである。
【図10】同紙幣処理装置の側断面図であって、ローカル整理処理の往路ルートを太線で示すものである。
【図11】同紙幣処理装置の側断面図であって、ローカル整理処理の復路ルートを太線で示すものである。
【図12】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、待機状態を示すものである。
【図13】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、載置台の傾斜状態を示すものである。
【図14】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、載置台の傾斜により移動した小束紙幣を示すものである。
【図15】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、移送部材の載置台とは反対側への移送途中の状態を示すものである。
【図16】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、移送部材の載置台とは反対側への移送の終端を示すものである。
【図17】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、移送部材の待機状態への戻りを示すものである。
【図18】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、次の小束紙幣の進入状態を示すものである。
【図19】同紙幣処理装置の束出金部の側面図であって、複数の小束紙幣を移送部材と押圧板とで挟持した状態を示すものである。
【図20】同紙幣処理装置の移送駆動部を示す側面図である。
【図21】同紙幣処理装置の遮蔽部の動作を順に説明する斜視図である。
【図22】同紙幣処理装置の出金口のシャッタを開放した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置を図面を参照して以下に説明する。図1は、紙幣および硬貨等を取り扱う出納機を示している。この出納機は、銀行等の金融機関の店舗に設置されて店舗全体の貨幣処理を管理するものである。出納機は、例えば、大口顧客に対する係員による入金、出金等の取引処理、係員による渉外先への持ち出し金の出金処理や、渉外先からの持ち帰り金の入金処理、さらには、営業終了後の金融機関店舗全体での入出金状況の締め上げ管理等を行うものである。
【0020】
出納機は、紙幣についての入出金処理等を行う本実施形態に係る紙幣処理装置11と、紙幣の特に新券についての出金処理等を行う新券処理装置12と、硬貨についての入出金処理等を行う硬貨処理装置13とが左右に並設されて構成されており、硬貨処理装置13の上部に、操作者によって操作入力がなされる操作部14と、操作者に対して表示を行う表示部15とが設けられている。
【0021】
次に、本実施形態に係る紙幣処理装置11の全体構成を図2を参照して説明する。以下の説明における前後左右は、操作者側を前、操作者とは反対側を後、操作者から見て左右を左右とする。
【0022】
紙幣処理装置11は、その前面側の上部に、機外からバラ紙幣が投入されるとともに機内から出金用のバラ紙幣が繰り出される入出金部21が設けられている。入出金部21は、その底部を構成する載置板22が後下がりに傾斜した姿勢で昇降可能に設けられており、その奥側の支承面23が載置板22と直交するように後上がりに傾斜して設けられている。入出金部21には、紙幣が長さ方向を左右方向に沿わせた姿勢で載置板22上に集積されることになり、紙幣は載置板22の傾斜により後端縁が支承面23に当接する。入出金部21の上部の後側には、載置板22上に集積されたバラ紙幣を上端のものから一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて機内へ繰り出すとともに機内からの紙幣を入出金部21に繰り出す繰出部21aが設けられている。なお、紙幣処理装置11内では、紙幣が、長さ方向を左右方向に沿わせた姿勢で搬送されることになる。
【0023】
入出金部21の下側には、紙幣処理装置11の前面位置に、受け付け不可と判定された入金リジェクト紙幣が機内から繰り出される入金リジェクト部26が設けられている。入出金部21および入金リジェクト部26の後側には、出金不可と判定された出金リジェクト紙幣を収納する出金リジェクト部27が設けられており、出金リジェクト部27の後方の下部には紙幣を識別する識別部28が設けられている。
【0024】
また、出金リジェクト部27の後方の上部には紙幣を整列させながら水平姿勢で鉛直方向に所定の結束枚数集積させる整列部30が設けられており、この整列部30の後方には、整列部30から水平状態のまま後方に送り出された集積紙幣を載置させて鉛直上方に上昇搬送する移送部33が設けられている。
【0025】
整列部30の上方には、移送部33で上昇搬送され上部位置から水平状態のまま前方に送り出された集積紙幣を結束テープで結束して小束紙幣とする結束部31が設けられている。この結束部31は、移送部33から前方に送り出された集積紙幣を上下から挟持してV字状に屈曲させる挟持部材31a,31bを有しており、挟持部材31a,31bで集積紙幣を挟持しつつ、結束テープを周囲に巻き回して接着・切断した後、挟持部材31a,31bを結束テープから引き抜くことで小束紙幣を作成する。
【0026】
結束部31の前方には、結束部31で上記のように結束された後、水平状態のまま前方に送り出された小束紙幣を鉛直状に姿勢変更し水平方向に複数束集積して、機外に取り出し可能とする束出金部32が設けられている。
【0027】
また、紙幣処理装置11の下部には、奥側から順に、入金確定後の所定の単一金種のバラ紙幣を上下に集積させた状態で収納する金種カセット35、同様の金種カセット36、同様の金種カセット37、入金確定後のバラ紙幣を上下に集積させた状態で収納する混合カセット38、および入金された入金確定前のバラ紙幣を上下に集積させた状態で一時貯留するプールカセット39が上下左右の位置を合わせて水平直線状のカセット配列方向に配列されている。このカセット配列方向は、紙幣処理装置11の前後方向に沿っている。
【0028】
金種カセット35の上部には、その内部に紙幣を繰り出すとともに内部の紙幣を上端のものから一枚ずつ分離して繰り出す繰出部35aが設けられており、金種カセット36の上部にも同様の繰出部36aが、金種カセット37の上部にも同様の繰出部37aが、混合カセット38の上部にも同様の繰出部38aが、プールカセット39の上部にも同様の繰出部39aが、それぞれ設けられている。
【0029】
紙幣処理装置11の内部には、紙幣を搬送する紙幣搬送路41が各部を適宜繋ぐように設けられている。紙幣搬送路41は、繰出部21aから後上がりに延出した後、後下がりに延出し、さらに鉛直下方に延出し、その後、前側に一端延出した後、下側にて後側に折り返し、後方に延出し、途中上側に凸状に屈曲して識別部28を通って下方に若干延出する搬送路41Aと、搬送路41Aに連続して下側に若干延出した後に前方に延出し前端から下方に若干延出する搬送路41Bと、搬送路41Bに連続するようにプールカセット39に設けられた搬送路41Cとを有している。
【0030】
また、紙幣搬送路41は、搬送路41Bの途中から分岐する搬送路41Dと、搬送路41Dに連続するように金種カセット35に設けられた搬送路41Eと、搬送路41Bの搬送路41Dよりもプールカセット39側から分岐する搬送路41Fと、搬送路41Fに連続するように金種カセット36に設けられた搬送路41Gと、搬送路41Bの搬送路41Fよりもプールカセット39側から分岐する搬送路41Hと、搬送路41Hに連続するように金種カセット37に設けられた搬送路41Iと、搬送路41Bの搬送路41Hよりもプールカセット39側から分岐する搬送路41Jと、搬送路41Jに連続するように混合カセット38に設けられた搬送路41Kと、搬送路41Bの搬送路41Jよりもプールカセット39側から分岐して上方に延出する搬送路41Lと、搬送路41Lに繋がって屈曲し後方に延出して搬送路41Aの入出金部21と識別部28との間に繋がる搬送路41Mとを有している。
【0031】
また、紙幣搬送路41は、搬送路41Bの搬送路41Jの分岐位置と搬送路41Lの分岐位置との間位置から分岐して上方に延出する搬送路41Nと、搬送路41Nに繋がって上方に延出し搬送路41Mの途中位置に繋がる搬送路41Oと、搬送路41Mにおける搬送路41Oの接続位置と搬送路41Aへの接続位置との間位置から分岐して入金リジェクト部26に繋がる搬送路41Pと、搬送路41Aにおける搬送路41Mの接続位置と入出金部21との間位置から分岐し前方に延出して搬送路41Pの途中位置に繋がる搬送路41Qと、搬送路41Pにおける搬送路41Qの接続位置と入金リジェクト部26との間位置から上方に分岐し後上がりに延出して出金リジェクト部27に繋がる搬送路41Rとを有している。
【0032】
また、紙幣搬送路41は、搬送路41Aにおける入出金部21と搬送路41Qの分岐位置との間位置と、搬送路41Mの接続位置と識別部28との間位置とを繋ぐ搬送路41Sと、搬送路41Aにおける搬送路41Sの接続位置と入出金部21との間位置から後方に分岐して整列部30に繋がる搬送路41Tとを有している。搬送路41Sには、紙幣の表裏を反転させる表裏反転部43が設けられている。
【0033】
ここで、上記した搬送路41A〜41Mは正逆両方向に紙幣を搬送可能となっており、搬送路41N〜41Tは一方向にのみ紙幣を搬送可能となっている。
【0034】
図3の太線は、機外から入出金部21に投入されたバラ紙幣を搬送しつつ識別計数する入金処理のルートを示している。つまり、入出金部21の載置板22上にバラ紙幣が載置されて、操作部14に入金処理を行う旨の入力操作がなされると、繰出部21aが入出金部21の載置板22上の紙幣を上端のものから順に一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41Aで搬送することになる。搬送路41Aでの搬送中に識別部28が紙幣を識別計数することになり、識別部28で受け入れ可能と判定した紙幣(取り扱い可能な金種の紙幣)を、図3に太実線で示すように、搬送路41B,41Cでプールカセット39に搬送する一方、識別部28で受け入れ不可と判定した紙幣を、図3に太破線で示すように、搬送路41Bから搬送路41N,41O,41M,41Pで入金リジェクト部26に搬送する。これにより、受け入れ可能な紙幣をプールカセット39に一時貯留し、受け入れ不可な紙幣を入金リジェクト部26に放出する。
【0035】
図4の太線は、入金処理にてプールカセット39に一時貯留した紙幣を、操作部14への承認操作が入力されたことを条件に、確定して、金種カセット35〜37および混合カセット38の対応するものに収納する収納処理のルートを示している。つまり、プールカセット39の紙幣を上端のものから繰出部39aが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、図4に太実線で示すように、搬送路41C,41B,41L,41M,41Aで識別部28に搬送し、識別部28の識別結果に基づいて、搬送路41B,41D〜41Kの対応するものによって金種カセット35〜37および混合カセット38の対応するものに搬送する。これにより、金種カセット35〜37および混合カセット38の対応するものに紙幣を収納する。なお、収納処理にて識別部28で重送等と識別した紙幣については、図4に太破線で示すように、搬送路41B,41N,41O,41M,41P,41Rによって出金リジェクト部27に搬送し、出金リジェクト部27に収納する。
【0036】
図5の太線は、入金処理にてプールカセット39に一時貯留した紙幣を、操作部14へのキャンセル操作が入力されたことを条件に、入出金部21に繰り出す返却処理のルートを示している。つまり、プールカセット39の紙幣を上端のものから繰出部39aが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41C,41B,41Aによって入出金部21に搬送する。これにより、入出金部21に紙幣を返却する。
【0037】
図6の太線は、操作部14へ入力されたバラ出金操作に基づいて、金種カセット35、金種カセット36および金種カセット37の指定された金種のものから紙幣を出金するバラ紙幣出金処理のルートを示している。つまり、バラ出金処理では、図6に太実線で示すように、金種カセット35〜37の指定された金種のものに収納されている紙幣を上端のものから繰出部35a〜37aの対応するものが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41D〜41Iの対応するものと、搬送路41B,41Aとで識別部28に搬送し、識別部28の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは搬送路41Aで入出金部21に、表裏反転が必要なものは搬送路41Sを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41Aで入出金部21に、それぞれ搬送する。これにより、出金操作に基づくバラ紙幣を入出金部21に繰り出す。なお、出金処理にて識別部28で重送等と識別した紙幣については、図6に太破線で示すように、搬送路41A,41Q,41P,41Rによって出金リジェクト部27に搬送し、出金リジェクト部27に収納する。
【0038】
図7の太線は、操作部14へ入力された束出金操作に基づいて、金種カセット35、金種カセット36および金種カセット37の指定された金種のものからの紙幣を結束して出金する束出金処理のルートを示している。つまり、束出金処理では、図7に太実線で示すように、金種カセット35〜37のうち指定された金種のものに収納されている紙幣を上端のものから繰出部35a〜37aの対応するものが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41D〜41Iの対応するものと、搬送路41B,41Aとで識別部28に搬送し、識別部28の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは搬送路41A,41Tで整列部30に、表裏反転が必要なものは搬送路41Sを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41A,41Tで整列部30に、それぞれ搬送する。これにより、指定された単一金種の紙幣を結束単位枚数だけ整列部30に繰り出す。そして、整列部30の集積紙幣を、移送部33で結束部31に搬送し、結束部31で結束を行い、束出金部32に繰り出す。このような処理を指定された金種毎に指定された束数分行うことになる。なお、束出金処理にて識別部28で重送等と識別した紙幣については、図7に太破線で示すように、搬送路41A,41Q,41P,41Rによって出金リジェクト部27に搬送し、出金リジェクト部27に収納する。
【0039】
図8の太線は、操作部14へ入力された自己精査処理操作に基づいて、金種カセット35〜37および混合カセット38の対応するものの紙幣を自己精査する自己精査処理の往路ルートを示している。つまり、自己精査処理では、図8に太実線で示すように、金種カセット35〜37および混合カセット38のうちの設定された一つに収納されている紙幣を上端のものから繰出部35a〜38aの対応するものが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41D〜41Kの対応するものと、搬送路41B,41Aとで識別部28に搬送し、識別部28で識別計数しつつ、搬送路41M,41L,41B,41Cを介してプールカセット39に搬送する。そして、金種カセット35〜37および混合カセット38のうちの設定された一つに収納されていた紙幣をすべて繰り出す。なお、この搬送中、識別部28で重送等と識別した紙幣については、図8に太破線で示すように、搬送路41A,41Q,41P,41Rによって出金リジェクト部27に搬送し、出金リジェクト部27に収納する。
【0040】
図9の太線は、上記した自己精査処理の復路ルートを示している。上記したようにプールカセット39に一旦移した紙幣を、図9に太実線で示すように、搬送路41C,41B,41L,41M,41Aによって、識別部28に搬送し、識別部28で識別計数するとともに、識別部28の識別結果に基づいて、搬送路41B,41D〜41Kの対応するものを介して、金種カセット35〜37および混合カセット38の対応する金種のものに収納する。なお、この搬送中、識別部28で重送等と識別した紙幣については、図9に太破線で示すように、搬送路41B,41N,41O,41M,41P,41Rによって出金リジェクト部27に搬送し、出金リジェクト部27に収納する。
【0041】
以上により、識別部28の計数結果と、金種カセット35〜37および混合カセット38の自己精査処理を行ったものに収納された紙幣の枚数とが一致することになり、このような自己精査処理を、金種カセット35〜37および混合カセット38のうちの設定されたものについて、それぞれ個別に行うことになる。なお、金種カセット35〜37および混合カセット38にそれぞれ収納された紙幣の合計枚数がプールカセット39の最大収納枚数以下であった場合には、上記の自己精査処理をそれぞれ個別に行う必要はなく、すべて一括して行うこともできる。
【0042】
図10の太線は、機外から入出金部21に投入されたバラ紙幣を搬送しつつ識別計数するローカル整理処理の往路ルートを示している。つまり、入出金部21の載置板22上にバラ紙幣が載置されて、操作部14にローカル整理処理を行う旨の入力操作が金種指定とともになされると、繰出部21aが入出金部21の載置板22上の紙幣を上端のものから順に一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、図10に太実線で示すように、搬送路41Aで搬送することになる。搬送路41Aでの搬送中に識別部28が紙幣を識別計数することになり、識別部28で指定金種と判定した紙幣を、搬送路41B,41Cでプールカセット39に搬送する一方、識別部28で指定金種以外と判定した紙幣を、図10に太破線で示すように、搬送路41Bから搬送路41N,41O,41M,41Pで入金リジェクト部26に搬送する。これにより、指定金種の紙幣をプールカセット39に一時貯留し、指定金種以外の紙幣を入金リジェクト部26に放出する。
【0043】
図11の太線は、ローカル整理処理の復路ルートを示している。上記したようにプールカセット39に一旦収納した紙幣を、上端のものから繰出部39aが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、図11の太線で示すように、搬送路41C,41B,41Aで識別部28に搬送し、識別部28の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは搬送路41A,41Tで整列部30に、表裏反転が必要なものは搬送路41Sを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41A,41Tで整列部30に、それぞれ搬送する。このようにして、指定された単一金種の紙幣を結束単位枚数だけ整列部30に繰り出す。そして、整列部30の集積紙幣を、移送部33で結束部31に搬送し、結束部31で結束を行い、束出金部32に繰り出す。このような処理を結束単位枚数が整列部30に集積される限り繰り返す。なお、結束単位枚数に満たない、端数紙幣が整列部30に集積された場合にも、これを結束し端数紙幣であることを示す識別をつけて束出金部32に繰り出す。なお、ローカル整理処理にて識別部28で重送等と識別した紙幣については、図11に太破線で示すように、搬送路41A,41Q,41Pによって入金リジェクト部26に搬送し、入金リジェクト部26に放出する。
【0044】
上部にある入出金部21、入金リジェクト部26、出金リジェクト部27、識別部28、整列部30、移送部33、結束部31、束出金部32、表裏反転部43および搬送路41A,41M,41O〜41Tは、本体45内に配置されており、その下部にある、搬送路41B,41D,41F,41H,41J,41L,41Nが、本体45から紙幣処理装置11の前後方向に沿って前面側に引き出し可能な引出体46内に配置されている。さらに、搬送路41Eは、引出体46に対し着脱可能な金種カセット35内に、搬送路41Gは同様の金種カセット36内に、搬送路41Iは同様の金種カセット37内に、搬送路41Kは同様の混合カセット38内に、搬送路41Cは同様のプールカセット39内に、それぞれ配置されている。
【0045】
引出体46は、金種カセット35〜37、混合カセット38およびプールカセット39が着脱可能に装填される収納部47と、この収納部47の上方に開閉可能に設けられた搬送部48とを有している。搬送部48は、金種カセット35〜37、混合カセット38およびプールカセット39に対して紙幣を搬送する。搬送部48には、上記した搬送路41B,41D,41F,41H,41J,41L,41Nが設けられている。
【0046】
束出金部32は、結束部31の水平前方に設けられており、その最も結束部31側に、結束部31にて結束された小束紙幣を受け取って載置させる図12に示す載置送出機構51を有している。載置送出機構51は、後方から水平姿勢で送り出される小束紙幣Tをそのまま載置させる載置台(載置部)52と、電動の回動モータ53と、回動モータ53で駆動される回転板54と、回転板54と載置台52とを連結するアーム55と、回転板54の回転角度を検知する回転位置センサ56とを有している。
【0047】
載置台52は、左右方向に沿う位置固定の支持軸60に支持され、この支持軸60を中心に回動可能とされた支持部材61と、長穴62を有し支持部材61に対しこの長穴62に挿通された複数本のボルト63で固定された載置台本体64とを有している。載置台52は、図12に示すように載置台本体64の上面の中間部から前端部にかけての載置上面部65が水平配置される状態を待機状態としている。そして、この待機状態にあるとき、載置台本体64は、その上面の後部の案内上面部66が前上がりに傾斜しており、その前面部67が載置上面部65の前端部から鉛直下方に延出している。
【0048】
このような待機状態にあるとき、載置台52には、後方から前方に押し出された小束紙幣Tが案内上面部66から載置上面部65を摺動して載置上面部65上に載置される。つまり、載置台52は、小束紙幣Tを水平状態に載置させる。なお、待機状態にあるとき、載置台本体64の長穴62は鉛直方向に沿っており、ボルト63が緩められることで支持部材61に対する載置台本体64の高さ位置が調整可能となっている。よって、例えば後方の結束部31からの小束紙幣Tの送り出しの高さ位置に応じて載置台本体64の高さが調整される。載置台52の支持部材61には、支持軸60よりも前方且つ若干下方に左右方向に沿う連結軸68が設けられている。
【0049】
回動モータ53は、支持軸60の後方且つ下方にて左右方向に沿うように回転軸71を配置した状態で設けられており、回転軸71を回転させる。
【0050】
回転板54は、円板状をなしており、その中心において回動モータ53の回転軸71に固定されている。回転板54には、径方向外方に突出する突起73が形成されており、また、回転軸71から径方向にずれて左右方向に沿う連結軸74が設けられている。
【0051】
アーム55は、長さ方向に沿って長穴75が形成されたアーム部材76と、長穴75に挿通される複数のネジ77が長さ方向に間隔をあけて配置されたアーム部材78とからなっている。アーム55は、その一端を構成するアーム部材78の端部が回転板54の連結軸74に回転可能に連結され、前上がりに延出してその他端を構成するアーム部材76の端部が載置台52の連結軸68に回転可能に連結されている。ネジ77が緩められることでアーム部材76,78の長さ方向位置が調整可能となっており、よって、アーム55は長さ調整可能となっている。
【0052】
回動モータ53が、図12に示すように回転板54の連結軸74を回転軸71に対し前方かつ上方に位置させて停止しているとき、回転板54およびアーム55を介して載置台52を上記した待機状態とすることになる。この待機状態で、回転板54の突起73は鉛直上方に位置することになり、回転位置センサ56がこの突起73を検知している。よって、回転位置センサ56は、載置台52が待機状態にあるか否かを検知する。載置台52は、この待機状態で、結束部31にて結束された後の小束紙幣Tを載置上面部65上に水平状態に載置させる。
【0053】
この待機状態から、回動モータ53が回転板54を所定の正方向(図12の時計回り方向)に所定角度(180度)だけ回転させると、図13に示すように回転板54が連結軸74を回転軸71に対し後方かつ下方に位置するように旋回させ、この連結軸74に連結されたアーム55を後方かつ下方に引き下げる。すると、アーム55に連結軸68を介して連結されている載置台52が支持軸60を中心に所定方向(図12の時計回り方向)に所定角度(略45度)回動し、その載置上面部65が前下がりに所定角度で傾斜する傾斜状態になる。このように載置上面部65が傾斜することで、載置台52は、載置上面部65上に載置されていた小束紙幣Tをその自重により斜め下方に摺動落下させる。
【0054】
この傾斜状態から、回動モータ53が回転板54を、回転位置センサ56が回転板54の突起73を検知するまで正方向または逆方向に回転させると、回転板54が連結軸74を回転軸71に対し前方かつ上方に位置するように旋回させ、この連結軸74に連結されたアーム55を前方かつ上方に押し上げる。すると、載置台52が支持軸60を中心に上記とは逆に回動し、図12に示すように、その載置上面部65が水平に配置される待機状態に戻る。
【0055】
束出金部32は、載置台52の前方に、図14に示すように傾斜した載置台52から摺動落下する小束紙幣Tを支持するとともに、図15および図16に示すように前方に移送し、その後、図17に示すように後方に戻る移送機構81を有している。移送機構81は、図12に示すように、ガイド溝82が形成された左右一対(図12において一方のみ図示)のガイド板83と、両ガイド溝82に挿入され両ガイド溝82に沿って摺動する移送軸84と、一対のガイド板83の間にて移送軸84に固定される一枚の移送板85と、一対のガイド板83の外側にて移送軸84に連結されて移送軸84をガイド溝82にそって摺動させる図20に示す移送駆動部86とを有している。一体化された移送軸84と移送板85とが移送部材(移送部)87となっている。
【0056】
図12に示すように、ガイド板83に形成されたガイド溝82は、載置台52の下方かつ前方の所定位置から前上がりに傾斜する傾斜溝部90と、傾斜溝部90の前端から水平前方に延出する水平溝部91とからなっている。
【0057】
移送部材87の移送軸84は、図12に示すように傾斜溝部90の載置台52側の端部近傍の所定位置を待機位置としており、このとき、移送部材87が待機状態となる。この待機状態にあるとき、移送部材87は、移送板85の上側かつ前側の移送面部92が、図13に示すように傾斜状態にある載置台52の載置上面部65の下方かつ前方の延長上に載置上面部65に沿って配置されることになり、前下がりの傾斜状態となる。移送部材87の移送板85は、傾斜した載置台52の延長上に傾斜状に待機して、傾斜した載置台52から図14に示すように摺動落下する小束紙幣Tを移送面部92上に載置させるようにして支持することになる。
【0058】
移送駆動部86は、上記のように傾斜した載置台52の延長上に傾斜状に待機する移送部材87を、載置台52とは反対側に鉛直状に立位させながら移動させる。移送駆動部86は、図20に示すように、移送部材87の移送軸84のガイド板83よりも外側に一端側が固定され、待機位置にある移送軸84から傾斜溝部90に沿って前上がりに延出する連結アーム95と、連結アーム95の他端側に連結軸96を介して相対回転可能に連結された移動部材97と、移動部材97を前後方向に水平に摺動可能に支持するガイド軸98とを有している。
【0059】
また、移送駆動部86は、移動部材97の上側にて前後に離間配置されたプーリ99,100と、これらプーリ99,100に巻回されて移動部材97に連結される無端ベルト101とを有している。なお、連結アーム95、連結軸96、移動部材97、ガイド軸98、プーリ99,100および無端ベルト101は、移送軸84の軸方向の両端それぞれに対して設けられている。そして、前側の左右のプーリ99同士は、共通の連結軸102に連結されており、移送駆動部86は、この連結軸102の一端に固定された傘歯車103と、傘歯車103に噛み合う傘歯車104と、傘歯車104が回転軸105に固定された電動の移送モータ106と、一方の移動部材97の後端位置を検出する後端位置センサ107と、一方の移動部材97の前端位置を検知する前端位置センサ108とを有している。
【0060】
移送駆動部86は、図20に示すように、移送部材87が上記した待機状態にあるとき、後端位置センサ107が移動部材97を検知しており、この状態から、移送モータ106の正転により一対の無端ベルト101を回転させて一対の移動部材97を一対のガイド軸98に沿って前方に水平移動させると、各移動部材97に連結された一対の連結アーム95を介して移送軸84を傾斜溝部90に沿って前上がりに斜めに引き上げる。すると、連結アーム95が徐々に水平に近づくことになり、連結アーム95に固定された移送軸84を回転させて移送軸84および移送板85からなる移送部材87を鉛直状に近づけることになる。
【0061】
そして、移送軸84が傾斜溝部90の前端つまり水平溝部91の後端に位置すると、連結アーム95が移送軸84を最大量回転させることになり、図15に示すように、移送部材87が鉛直状に立位し移送面部92が前後方向に直交する立位姿勢となる。そして、図15から図16に示すように、移送軸84が水平溝部91内に位置する状態では、移送部材87が立位姿勢を維持しつつ、載置台52とは反対側である前方に移動する。そして、移動部材97が前端位置に位置したことが図20に示す前端位置センサ108で検知されると、移送モータ106が停止される。この状態では移送部材87も図16に示す前端位置に位置する。
【0062】
このように移送部材87が前端位置に位置する状態から移送モータ106の逆転により一対の無端ベルト101を回転させて一対の移動部材97を一対のガイド軸98に沿って後方に水平移動させると、各移動部材97に連結された一対の連結アーム95を介して移送軸84を水平溝部91に沿って水平後方に移動させると、移送軸84が水平溝部91内に位置する状態では移送部材87が上記と同様に鉛直状に立位し移送面部92が前後方向に直交する立位姿勢を維持して後方に移動する。そして、移送軸84が水平溝部91の後端つまり傾斜溝部90の前端に位置し、その後、傾斜溝部90に沿って移動すると、移送軸84の下降により連結アーム95が徐々に傾斜して移送軸84を回転させることになり、移送軸84を含む移送部材87を徐々に斜めにする。そして、移動部材97が図20に示す後端位置センサ107に検知されると、移送モータ106が停止されることになり、この状態では、図17に示すように移送部材87が最大に斜めになって傾斜状に待機する待機状態となる。
【0063】
束出金部32は、図12に示すように、ガイド溝82の傾斜溝部90の範囲の略下側に、傾斜溝部90と同様に前上がりに傾斜する可動ガイド板111が設けられ、可動ガイド板111の載置台52とは反対側には、水平に固定ガイド板112が設けられている。よって、移送部材87は、傾斜した載置台52の延長上に傾斜状に待機して摺動落下する小束紙幣Tを移送面部92と可動ガイド板111の上面とで支持した後、載置台52とは反対側に移動することで、図14から図15に示すように小束紙幣Tを可動ガイド板111の上面および固定ガイド板112の上面上を摺動させながら移送することになり、固定ガイド板112の上面上を摺動させる際には、鉛直状に立位することで、移送面部92に面当たりする小束紙幣Tを鉛直状に立位させたまま移動させることになる。
【0064】
束出金部32は、移送部材87の載置台52とは反対となる前方に、押圧板(押圧部)115を有している。押圧板115は、鉛直状に立位し前後方向に直交する状態を維持しながら、固定ガイド板112の上面上のみを前後方向に水平に移動することになり、この押圧板115は図示略のスプリングで移送部材87の方向つまり後方に付勢されている。この押圧板115は、移送部材87の載置台52とは反対側に待機して、図15および図16に示すように移送部材87との間に鉛直状の小束紙幣Tを挟持することになる。
【0065】
可動ガイド板111は、図12に示すように前上がりに傾斜する位置にあるとき、載置台52とは反対側となる端縁部に左右方向に沿う回動軸120が設けられており、可動ガイド板111は、この回動軸120を中心に回動可能となっている。回動軸120の近傍には、アーム121が回動軸122を介して回動可能に支持されている。アーム121は回動軸122からその径方向一側に延出するアーム部123と径方向他側に延出するアーム部124とを有する屈曲形状をなしている。このアーム121は、可動ガイド板111の側部に設けられた長穴126にアーム部123の先端の連結軸127において連結されている。これら可動ガイド板111、回動軸120およびアーム121が、図16に示すように、移送部材87の前方への移動時に移送部材87よりも載置台52側を閉塞する遮蔽部130を構成している。
【0066】
遮蔽部130は、図21(a),(b)に示すように可動ガイド板111を上記のように前上がりに傾斜させる位置にあるとき、移送部材87の移動を妨げないようになっており、この位置が退避位置となっている。遮蔽部130が退避位置にあるとき、アーム121は、連結軸127側のアーム部123が後側に、反対側のアーム部124が可動ガイド板111よりも上方に立位状態とされている。
【0067】
このアーム部125は、立位状態にあるとき移送部材87の移送軸84の移動ルート上に位置しており、移送軸84が図15から図16に示すように載置台52側から押圧板115側に移動すると、移送軸84に当接し移送軸84で押されて載置台52とは反対側に倒れるように回動し、その結果、アーム部123を立位状態とする。すると、アーム部123の連結軸127が可動ガイド板111を長穴126を介して引き上げ回動軸120を中心に回転させて鉛直状に立位状態とする。このように、移送部材87が前方に移動した際に、遮蔽部130は、図16および図21(c)に示すように前後方向に直交して広がることになり、移送部材87よりも載置台52側を閉塞する閉塞位置に位置することになる。なお、この閉塞位置にあるとき、可動ガイド板111は、自重により図示略のストッパに当接して停止する。また、移送軸84がアーム部124への当接位置から前端位置までの範囲にあるときには、移送軸84がアーム部123の上方に位置し遮蔽部130が退避位置に戻ることを規制するように、アーム部124の長さが設定されている。
【0068】
可動ガイド板111が閉塞位置に位置する状態で、移送軸84が載置台52側に移動すると、立位状態となっていたアーム部123に当接する。すると、アーム部123が移送軸84で後方に押されて載置台52側に回動して可動ガイド板111を回動軸120を中心に回転させて図18に示すように退避位置に位置するように倒すことになり、その結果、アーム部124を立位状態とする。このとき、載置台52側に倒れた可動ガイド板111は自重によりストッパ132に当接することで遮蔽部130を上記した退避位置に維持する。このように、移送部材87が載置台52側に移動した際に、遮蔽部130は、移送部材87の移動を妨げない退避位置に位置することになる。
【0069】
以上により、遮蔽部130は、移送部材87の移動を妨げない退避位置と移送部材87よりも載置台52側を閉塞する遮蔽位置との間で揺動可能であり、載置台52側から押圧板115に向けて移動する移送部材87に当接して退避位置から遮蔽位置に揺動し、押圧板115側から載置台52に向けて移動する移送部材87に当接して遮蔽位置から退避位置に揺動する。
【0070】
退避位置にある可動ガイド板111と固定ガイド板112との境界位置、つまり移送部材87が傾斜状から鉛直状に姿勢変換する位置の近傍には、図17〜図19に示すように、押圧板115との間で小束紙幣Tを挟持可能な支持部135が設けられている。この支持部135は、可動ガイド板111を支持する回動軸120からその径方向に沿って延出する支持部材137と、支持部材137を付勢する図示略のねじりバネとを有している。支持部材137は、回動軸136から鉛直上方に延出し前後方向に直交する姿勢が基本姿勢となっており、この基本姿勢を限度として、載置台52とは反対側へ向けてのみ揺動可能に設けられている。支持部材137は、揺動時に固定ガイド板112の上面以下の位置に退避することが可能になっている。ねじりバネは、支持部材137を基本姿勢へ戻す方向に付勢する。
【0071】
これにより、支持部材137は、移送部材87によって押圧板115に向けて移送される小束紙幣Tに接触すると載置台52とは反対側に揺動退避し、さらに小束紙幣Tが移動して離間すると、ねじりバネの付勢力で基本姿勢に戻る。一方、支持部材137は、移送部材87の待機位置への戻り時には移送部材87の通過を許容しつつ小束紙幣Tの通過を規制することで、押圧板115との間に小束紙幣Tを挟持する。なお、遮蔽部130の可動ガイド板111には、図21に示すように、支持部材137との干渉を逃げるための切欠部139が形成されている。
【0072】
図17および図18に示すように、基本姿勢にある支持部材137の鉛直上方の若干載置台52側には、押圧板115と支持部材137とで下部が挟持された状態の小束紙幣Tの上部の倒れを規制する支承部143が設けられている。この支承部143は、左右方向に延在する回動軸144と回動軸144からその径方向に沿って延出する支承板145とからなる支承部材146と、支承部材146を付勢する図示略のスプリングとを有している。この支承部143は、支承板145が回動軸144から下方に延出し前後方向に直交する姿勢が基本姿勢となっており、この基本姿勢を限度として、載置台52とは反対側へ向けてのみ揺動可能に設けられている。スプリングは、支承部材146をこの基本姿勢へ戻す方向に付勢する。
【0073】
これにより、支承部145も、移送部材87によって押圧板115に向けて移送される小束紙幣Tと接触すると載置台52とは反対側に揺動退避し、さらに小束紙幣Tが移動して離間すると、スプリングの付勢力で基本姿勢に戻る。一方、支承部145は、移送部材87の待機位置への戻り時には移送部材87の通過を許容する。支承部145は、支持部材137で下部が停止させられた小束紙幣Tの若干後方で鉛直に沿うことになり、仮に小束紙幣Tが斜めになっても上部を支承して倒れを規制する。
【0074】
束出金部32は、支持部材137の前側に、支持部材137と押圧板115との間に挟持された小束紙幣Tを取り出し可能とする出金口150を有している。出金口150は、図19に示すように、押圧板115の摺動範囲の上方に水平に開口する上部開口部151と、上部開口部151の載置台52とは反対側に押圧板115の上端よりも下側まで略円弧状に開口する前部開口部152とを有している。これら上部開口部151および前部開口部152は、図22に示すように連続している。出金口150には、左右方向に移動することでこれを開閉するシャッタ153が設けられている。
【0075】
シャッタ153で出金口150が閉じられ、図12に示すように載置台52が載置上面部65を水平配置する待機状態にあり、移送部材87が傾斜状に待機する待機状態にある状態が、束出金部32の待機状態となっている。そして、上記した束出金処理およびローカル整理処理において小束紙幣Tを所定の束数出金する際には、結束部31から水平状態で一束ずつ押し出されてくる小束紙幣Tのうちの最初の一束が、案内上面部66から載置上面部65を摺動して図12に示すように載置上面部65上に載置される。
【0076】
結束部31からの小束紙幣Tの押し出しが完了したタイミングで、図示略の制御部が、図13に示すように、回動モータ53で回転板54を所定方向に所定角度だけ回転させる。すると、回転板54がアーム55を後方かつ下方に引き下げ、アーム55に連結されている載置台52を支持軸60を中心に回動させる。これにより、載置台52の載置上面部65が前下がりに傾斜し、その上に載置されていた小束紙幣Tをその自重により載置上面部65およびその延長上にある移送部材87の移送面部92上を摺動させる。その結果、小束紙幣Tは、図14に示すように移送面部92および可動ガイド板111上に載置される。
【0077】
次に、制御部は、図15に示すように、回動モータ53を回転させて載置台52を待機状態に戻すとともに、図20に示す移送モータ106を正転させて、移動部材97をガイド軸98に沿って前方に水平移動させ、連結アーム95を介して移送部材87の移送軸84を傾斜溝部90に沿って引き上げる。すると、移送軸84の上昇とともに移送部材87が鉛直状に近づくことになり、図15に示すように移送軸84が水平溝部91に位置すると、鉛直状に立位し前後方向に直交する状態となり、小束紙幣Tを同様の姿勢にする。そして、移送軸84が水平溝部91を移動する初期に、移送部材87で移送される小束紙幣Tが、支承部143の支承部材146および支持部135の支持部材137に当接し、これらを揺動させながら移送部材87とともに移動し、図16に示すように押圧板115に当接して移送部材87と押圧板115とに挟持される状態となって移動する。なお、載置台52が待機状態に戻ると、結束部31からの次の小束紙幣Tの送り出しが許容される。また、移送軸84は水平溝部91を摺動中、つまり移送部材87が固定ガイド板112上に位置する状態で、アーム121のアーム部124に当接し可動ガイド板111を鉛直状に立位状態として、移送部材87よりも載置台52側を閉塞する。
【0078】
そして、移送部材87が前端位置に位置したことが前端位置センサ108による移動部材97の検知で検知されると、制御部は、移送モータ106を逆転させる。すると、移送部材87および押圧板115が小束紙幣Tを挟持した状態のまま後退する。移送軸84が水平溝部91を摺動中、アーム121のアーム部123に当接し、可動ガイド板111を待機状態に戻すことになり、その後、小束紙幣Tを支持部材137に当接させる。すると、図17に示すように小束紙幣Tは支持部材137と押圧板115とで挟持される状態となって停止し、移送部材87のみが載置台52側に移動する。そして、移送部材87が後端位置に位置し待機状態に戻ったことが後端位置センサ107による移動部材97の検知で検知されると、制御部は、移送モータ106を停止させることになる。
【0079】
その時点で、次の小束紙幣Tが載置台52上に載置されている場合は即座に、載置されていない場合は載置されるのを待って、制御部は、上記と同様の作動を行わせる。
【0080】
次の小束紙幣Tの移送中、移送部材87は小束紙幣Tを鉛直状にするとともに、すでに支持部材61と押圧板115とで挟持されている小束紙幣Tに当接させることになり、その結果、移送部材87に当接している小束紙幣Tが、支持部材137からすでにこれと押圧板115とで挟持されていた小束紙幣Tを受け取ることになって、移送部材87および押圧板115が複数束の小束紙幣Tを挟持した状態で前方に移動する。その後、移送部材87の後方つまり載置台52側への戻り時には、移送部材87に当接していた小束紙幣Tが支持部材137に当接すると、この小束紙幣Tを含む複数の小束紙幣Tが支持部材137と押圧板115とで挟持される状態となって停止し、移送部材87のみが載置台52側に移動する。
【0081】
以上のような移送機構81による一束ずつの前方への移送を必要により繰り返すことで、小束紙幣Tが複数束、水平方向に集積されて支持部材137と押圧板115とで挟持される。その際に、移送部材87は、何束目の小束紙幣Tを支持部材137と押圧板115との間に貯留させる場合であっても、待機位置と所定の前端位置との間を移動するという同じ動作を単純に繰り返すことになる。
【0082】
そして、必要数の小束紙幣Tの最後の一束を移送部材87が押圧板115との間に挟持すると、制御部は、移送部材87が前端位置に位置したことを検知し移送モータ106を停止させ、そのまま移送モータ106の停止状態を維持して、待機時に閉状態であったシャッタ153を開いて出金口150を開放する。これにより、操作者が小束紙幣Tを移送部材87と押圧板115との間から引き抜いて取り出すことになる。このとき、移送部材87は前端位置に位置するため、遮蔽部130は可動ガイド板111が立位状態にあり、載置台52側が露出しないようにしている。よって、次の小束紙幣Tが載置台52上にあっても安全上の問題はない。移送部材87と押圧板115との間から小束紙幣Tが引き抜かれたことが図示略の出金センサで検知されると、制御部は、シャッタ153を閉じ、その後、移送モータ106で移送部材87を待機位置に戻す。なお、さらに小束紙幣Tの出金が続く場合、制御部は、シャッタ153が閉じられたことを条件に上記と同様の出金動作を繰り返す。
【0083】
以上に述べた本実施形態の紙幣処理装置11によれば、載置台52が、小束紙幣Tを水平状態に載置させた後、傾斜することで斜め下方に摺動落下させると、その延長上に傾斜状に待機していた移送部材87がこの小束紙幣Tを支持する。その後、移送部材87が、鉛直状に立位しながら載置台52とは反対側に移動することで、小束紙幣Tを鉛直状に立位させながら載置台52とは反対側の押圧板115との間に挟持する。その後、移送部材87が待機位置に戻ることで、小束紙幣Tは移送部材87へ向けて付勢されている押圧板115と支持部材137との間に挟持されることになり、以上を繰り返すことにより、押圧板87と、支持部材137あるいは移送部材87との間に鉛直状に立位した姿勢の小束紙幣Tを水平前後方向に集積させることができる。このように、結束部31にて結束した小束紙幣Tを鉛直状にして、複数束、水平方向に集積することになるため、小束紙幣Tを複数束集積可能としても鉛直方向に大型化してしまうことを抑制することができる。
【0084】
また、結束部31で結束された小束紙幣Tは、載置される載置台52から斜め下方に落下した後、斜め上方に移動した高さの位置で貯留される構成であるので、上下方向に小型の構成で水平状態の小束紙幣Tを鉛直状に姿勢変更することができるため、姿勢変更のための構成も鉛直方向に小型化できる。この点からも、鉛直方向に大型化してしまうことを抑制することができる。
【0085】
また、上下方向に小型の構成で水平状態の小束紙幣Tを鉛直状に姿勢変更することができ、そのまま水平方向に集積することができるため、出金口150を結束位置とほぼ同じ高さの位置に構成することができて、この点からも、鉛直方向に大型化してしまうことを抑制することができる。
【0086】
また、移送部材87が傾斜状から鉛直状に姿勢変換する位置の近傍に支持部材137が配置されているため、押圧板87と支持部材137との間に水平に集積される小束紙幣Tを載置台52側に近づけることができる。したがって、水平方向の大型化も抑制でき、より多くの小束紙幣Tを集積させることができる。
【0087】
また、支持部135が、鉛直に沿う基本姿勢を限度として載置台52とは反対側へ向けてのみ揺動可能に設けられた支持部材137と、この支持部材137を基本姿勢へ戻す方向に付勢するスプリングとを有するため、簡素な構造で、小束紙幣Tを押圧板115との間に挟持できるとともに退避後に即座に元の位置に戻ることができる。つまり、例えば、別に電気的な駆動手段を設けて、支持部材137を駆動させるような必要がなくなる。
【0088】
また、移送部材87が押圧板115に向けて移動した際に、遮蔽部130が移送部材87よりも載置台52側を閉塞するため、最終的に出金のために移送部材87が前端位置に位置して出金口150のシャッタ153を開いた状態となっても、載置台52側を閉塞できる。したがって、安全上の問題がなくなる。
【0089】
また、遮蔽部130が、載置台52側から押圧板115に向けて移動する移送部材87に当接して退避位置から遮蔽位置に揺動し、押圧板115側から載置台52に向けて移動する移送部材87に当接して遮蔽位置から退避位置に揺動するため、簡素な構造で遮蔽部130を動作させることができる。
【0090】
また、遮蔽部130が遮蔽位置に揺動した後、移送部材87の移送軸84が遮蔽部130の退避位置への戻りを規制するため、仮に操作者が遮蔽部130を手で押したとしても遮蔽部130が開くことはなく、安全性が向上する。
【0091】
また、支持部材137の載置台52とは反対側に、小束紙幣Tを取り出し可能とする出金口150が設けられているため、移送部材87と押圧板115との間に集積された小束紙幣Tがそのまま出金口150から取り出し可能となる。したがって、水平方向の大型化も抑制できる。
【0092】
また、出金口150がシャッタ付きであるため、束出金部32において移送部材87と押圧板115との間に所定数の小束紙幣Tが集積され小束紙幣Tの集積動作が停止して小束紙幣Tを機外へ放出可能になるまで、シャッタ153を閉じておくことで、集積途中段階の小束紙幣Tが不用意に取り出されてしまうことを規制できるとともに、操作者が集積された小束紙幣Tを取り出し可能な時のみにシャッタ153が開いて操作者に取り出し可能であることを案内することができる。
【符号の説明】
【0093】
11 紙幣処理装置
31 結束部
52 載置台(載置部)
87 移送部材(移送部)
115 押圧板(押圧部)
130 遮蔽部
135 支持部
137 支持部材
150 出金口
153 シャッタ
T 小束紙幣
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結束部にて結束された小束紙幣を水平状態に載置させるとともに傾斜することで斜め下方に摺動落下させる載置部と、
傾斜した該載置部の延長上に傾斜状に待機して摺動落下する小束紙幣を支持するとともに前記載置部とは反対側に鉛直状に立位しながら移送する移送部と、
該移送部の前記載置部とは反対側に待機して前記移送部との間で鉛直状の小束紙幣を挟持する、該移送部へ向けて付勢される押圧部と、
前記移送部によって前記押圧部に向けて移送される小束紙幣と接触すると揺動退避する一方、前記移送部の待機位置への戻りで前記押圧部との間に小束紙幣を挟持する支持部と、
を有することを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項2】
前記支持部は、前記移送部が傾斜状から鉛直状に姿勢変換する位置の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1記載の紙幣処理装置。
【請求項3】
前記支持部は、鉛直に沿う基本姿勢を限度として前記載置部とは反対側へ向けてのみ揺動可能に設けられた支持部材と、該支持部材を前記基本姿勢へ戻す方向に付勢する付勢部材とを有することを特徴とする請求項1または2記載の紙幣処理装置。
【請求項4】
前記移送部が前記押圧部に向けて移動した際、前記移送部よりも前記載置部側を閉塞する遮蔽部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の紙幣処理装置。
【請求項5】
前記遮蔽部は、前記移送部の移動を妨げない退避位置と前記移送部よりも前記載置部側を閉塞する遮蔽位置との間で揺動可能であり、前記載置部側から前記押圧部に向けて移動する前記移送部に当接し該移送部で押圧されて前記退避位置から前記遮蔽位置に揺動することを特徴とする請求項4記載の紙幣処理装置。
【請求項6】
前記支持部の前記載置部とは反対側に、小束紙幣を取り出し可能とするシャッタ付きの出金口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の紙幣処理装置。
【請求項1】
結束部にて結束された小束紙幣を水平状態に載置させるとともに傾斜することで斜め下方に摺動落下させる載置部と、
傾斜した該載置部の延長上に傾斜状に待機して摺動落下する小束紙幣を支持するとともに前記載置部とは反対側に鉛直状に立位しながら移送する移送部と、
該移送部の前記載置部とは反対側に待機して前記移送部との間で鉛直状の小束紙幣を挟持する、該移送部へ向けて付勢される押圧部と、
前記移送部によって前記押圧部に向けて移送される小束紙幣と接触すると揺動退避する一方、前記移送部の待機位置への戻りで前記押圧部との間に小束紙幣を挟持する支持部と、
を有することを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項2】
前記支持部は、前記移送部が傾斜状から鉛直状に姿勢変換する位置の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1記載の紙幣処理装置。
【請求項3】
前記支持部は、鉛直に沿う基本姿勢を限度として前記載置部とは反対側へ向けてのみ揺動可能に設けられた支持部材と、該支持部材を前記基本姿勢へ戻す方向に付勢する付勢部材とを有することを特徴とする請求項1または2記載の紙幣処理装置。
【請求項4】
前記移送部が前記押圧部に向けて移動した際、前記移送部よりも前記載置部側を閉塞する遮蔽部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の紙幣処理装置。
【請求項5】
前記遮蔽部は、前記移送部の移動を妨げない退避位置と前記移送部よりも前記載置部側を閉塞する遮蔽位置との間で揺動可能であり、前記載置部側から前記押圧部に向けて移動する前記移送部に当接し該移送部で押圧されて前記退避位置から前記遮蔽位置に揺動することを特徴とする請求項4記載の紙幣処理装置。
【請求項6】
前記支持部の前記載置部とは反対側に、小束紙幣を取り出し可能とするシャッタ付きの出金口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の紙幣処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−3769(P2013−3769A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133163(P2011−133163)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(500265501)ローレル精機株式会社 (191)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(500265501)ローレル精機株式会社 (191)
【Fターム(参考)】
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