説明

紙葉類処理システム

【課題】紙葉類処理装置とセンター装置をネットワーク接続し、各紙葉類処理装置の判別レベルをセンター装置から設定できる紙葉類処理システムを提供する。
【解決手段】紙葉類処理装置は、検知項目ごとに、正券、損券、排除券、自動設定及びオンライン設定の何れかを選択可能な選択手段を有し、オンライン設定が選択されたとき、前記センター装置に判別レベルの送信を要求し、送信された判別レベルを受信して設定する設定手段を備える。センター装置は、正券、損券、排除券、オンライン設定の何れかを選択可能な選択手段と、オンライン設定が選択された場合に、前記紙葉類処理装置から受信した検知データに基づいて判別レベルを自動的に設定する設定手段と、を備え、前記判別レベルの送信要求があったとき当該判別レベルを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有価証券などの紙葉類を正券、損券及び排除券に区分して処理する紙葉類処理装置をセンター装置に対してネットワーク接続し、当該紙葉類処理装置又はセンター装置から当該紙葉類処理装置の判別レベルを設定するようにした紙葉類処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
有価証券などの紙葉類を処理する紙葉類処理装置は、供給された紙葉類を搬送し、紙葉類判別装置で当該紙葉類を正券(正券で流通可能な紙葉類)、損券(真券で再流通不可能な紙葉類)及び排除券(正券又は損券以外の紙葉類)に判別する装置である。
【0003】
紙葉類処理装置としては、例えば、紙幣を処理する紙幣処理装置としてすでに用いられている。この紙葉類処理装置では、供給される紙葉類が単一の券種の場合と、券種・表裏・方向が混在した状態で供給される複数券種の場合とがある。この何れの場合にも、供給部に供給された紙葉類は、取出装置によって1枚ずつ搬送路に取出されて搬送される。搬送された紙葉類は、搬送路に沿って配置された判別装置によって判別される。
【0004】
この紙葉類判別装置は、搬送される紙葉類の券種、表裏及び方向を判別する。この判別装置によって判別された紙葉類は、判別結果に基づいて計数され、搬送方向下流に配置された集積装置によって集積され又は集積された紙葉類の枚数が所定枚数(例えば、100枚)に達するごとに紙帯などの結束材で結束されて100枚束が形成され排出される。
【0005】
従来、この種の紙葉類判別装置の正損判別レベルは、操作員が当該紙葉類処理装置の操作表示部から設定していた。なお、価値媒体の真偽判別基準をネットワーク接続されたデータ管理装置から更新する真偽判別基準更新システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−303130号公報(8−9頁、図5−図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した紙葉類判別装置が、同一若しくは異なるエリアに複数配置された場合に、当該紙葉類処理装置で処理される紙葉類(例えば、100枚束)の正損区分品質が均一でない場合がある。例えば、ある紙葉類処理装置では正券と判別された紙葉類が他の紙葉類処理装置では損券と判別される場合である。
【0008】
また、損券は通常再流通させないために、損券として排出された紙葉類の量に相等する真券紙葉類の供給が必要になるため、全体の紙葉類の処理量の中で経済事情を考慮した上で政策的に設定することを希望する場合がある。この要求に対し、従来の紙葉類処理装置毎の正損判別レベル設定では、期待する効果が得られないという課題があった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、紙葉類処理装置をセンター装置に対してネットワーク接続し、各紙葉類処理装置の紙葉類判別装置による紙葉類の判別結果をセンター装置に送信する。センター装置は、受信した正損判別結果を統計処理し、得られた結果に基づいて生成された判別レベルを当該紙葉類判別装置に送信する。紙葉類処理装置は、受信した判別レベルに基づいて当該処理紙葉類の正損判別を行うことが可能な紙葉類処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の紙葉類処理システムは、紙葉類処理装置とセンター装置がネットワークを経由して異なる構内に設置された紙葉類処理システムであって、前記紙葉類処理装置は、前記ネットワークと接続され、このネットワークと送受信可能な通信手段と、紙葉類を判別する検知項目ごとに、操作員が、正券、損券、排除券、自動設定及びオンライン設定の何れかを選択可能な選択手段と、この選択手段によって選択された正券、損券又は排除券を選択し、正券、損券又は排除券ごとにその判別レベルを設定する第1の設定手段と、前記自動設定が選択された場合に、当該紙葉類処理装置で検知した検知データに基づいて正券、損券及び排除券の判別レベルを自動的に設定する第2の設定手段と、前記オンライン設定が選択された場合に、前記センター装置に判別レベルの送信を要求し、当該センター装置から送信された判別レベルを受信して判別レベルを設定する第3の設定手段と、これら第1の設定手段、第2の設定手段又は第3の設定手段によって設定された判別レベルによって搬送される紙葉類を判別する紙葉類判別手段と、を備え、前記センター装置は、前記ネットワークと接続され、このネットワークと送受信可能な通信手段と、紙葉類を判別する検知項目ごとに、操作員が正券、損券、排除券及びオンライン設定の何れかを選択可能な選択手段と、この選択手段によって選択された正券、損券又は排除券を選択し、正券、損券又は排除券ごとにその判別レベルを設定する第1の設定手段と、前記オンライン設定が選択された場合に、ネットワークを経由して前記紙葉類処理装置から受信した検知データに基づいて正券、損券及び排除券の判別レベルを自動的に設定する第2の設定手段と、前記第1の設定手段又は第2の設定手段の何れかを選択する選択手段と、前記紙葉類処理装置から前記ネットワークを経由して判別レベルの送信要求があったとき、前記選択手段によって選択された設定手段により設定された判別レベルを送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
センター装置から当該紙葉類処理装置の判別レベルを設定することができるため、全体の処理量に対する損券量を設定できる。また、センター装置から当該処理装置の判別レベルを設定することにより、紙葉類処理装置ごとに判別レベルが異なることによる品質のばらつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例による紙葉類処理装置をネットワーク接続した図
【図2】図1に示す紙葉類処理装置の詳細図
【図3】全体汚れに関する正損判別データのヒストグラム
【図4】判別レベル設定画面
【図5】全体汚れ及び部分汚れの判別レベル設定画面
【図6】異なるエリアに配置された紙葉類処理装置の正損分布
【図7】センター装置での正損分布の統計処理
【図8】センター装置における判別レベル設定画面
【図9】全体汚れ及び部分汚れの判別レベル設定画面
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の紙葉類処理システムは、同様に構成された複数の紙葉類処理装置がネットワークを経由してセンター装置に接続される。このような構成において、センター装置から当該紙葉類処理装置で処理する紙葉類の判別レベルを設定することにより紙葉類の判別レベルを統一することができる。本発明を実施するための形態は以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の実施例1による紙葉類処理装置がネットワークに接続された状態を示す紙葉類処理システムである。
【0015】
支店Aには、上記紙葉類処理装置と本発明部分は同様に構成された紙葉類処理装置1A1〜1A3が構内LAN1A4を経由してネットワーク50に接続されている。上記「同様に構成された」とは、例えば、処理速度又は処理紙葉類を集積する集積庫の数が利用形態によって異なる紙葉類処理装置であっても、本発明を構成することが可能である。従ってここでは、紙葉類処理装置1をベースとする紙葉類処理装置1A1〜1A3と表記してある。支店Bについても同様である。
【0016】
支店Bには、紙葉類処理装置1B1、1B2が構内LAN1B4を経由してネットワーク50に接続されている。
【0017】
本店には、センター装置100が設置され、ネットワーク50に接続されている。
【0018】
紙葉類処理装置1A1〜1A3及び紙葉類処理装置1B1、1B2などの紙葉類処理装置1は、紙葉類判別装置13、主制御部20、データベースサーバ3及び上位装置2などで構成される。
【0019】
上位装置2は、主制御部20に接続されており、操作員が、上位装置2に備えられた操作表示部から紙葉類処理装置1の動作モードを入力することができる。操作員によって入力された動作モードは、上位装置2から主制御部20に送信され、当該紙葉類処理装置1の処理動作が設定される。
【0020】
操作員によって設定される動作モード設定とは、これから処理する紙葉類の種類、正損判別レベルの設定、集積庫の指定など処理動作の設定を行うことである。
【0021】
例えば、後述する紙葉類判別装置13による判別結果に基づいて、損券判別レベル又は損券の種類によって当該集積庫を指定することができる。
【0022】
例えば、処理する紙葉類が1種類の紙葉類であって、ATMなどで使用可能な正券、その他の正券及び損券に区分したり、損券と判別された紙葉類を再投入し、紙葉類処理装置で正損判別した損券をさらに種類ごとに区分したりすることができる。
【0023】
主制御部20は、上位装置2から受信した処理動作指示に基づいて紙葉類を搬送し、紙葉類判別装置13による判別結果を上位装置2に送信する。
【0024】
通信手段としての上位装置2は、主制御部20から受信した判別結果の統計処理を行い、その結果を構内LAN1A4、1B4及びネットワーク50を経由してセンター装置100に送信する。
【0025】
センター装置100は、例えば、紙葉類処理装置1A1から受信した受信データをデータベースサーバ103に蓄積する。この受信するデータには、処理した紙葉類の券種、枚数、判別結果(正券、損券、偽券、排除券)、正損データ、正損判別レベル、発行年など紙葉類の属性が含まれる。
【0026】
このようにして蓄積されたデータは、装置ごと、支店ごと又はエリアごとに蓄積されて正券・損券の割合、偽券の割合などが算出されて記憶される。また、これらの検知データは統計的手法に基づいて処理される。例えば、蓄積された正損判別データは後述する正規化処理を行った後、正損分布が生成され、当該分布をセンター装置100の操作表示部に表示することが可能である。
【0027】
また、このような正損分布を各サイトに設置した紙葉類処理装置ごとに比較することにより、装置の性能又は処理された紙葉類の品質を把握することが可能である。また、このようにして蓄積された全ての紙葉類の正損検知データを基に正損分布を生成し、正損判別レベルを生成することも可能ある。詳細は後述する。
【0028】
図2は、図1に示す紙葉類処理システムを構成する紙葉類処理装置1の概略構成図である。紙葉類処理装置1は、供給された紙葉類Pを正券、損券又は排除券に区分して集積又は施封する装置である。
【0029】
上位装置2は、紙葉類処理装置1に接続されており、操作員が当該装置で処理する紙葉類の情報を入力することができる。例えば、処理紙葉類の券種ごとの枚数、金額、区分した紙葉類を集積する集積装置及び施封装置の設定、券種ごとの正損判別レベルの設定などをすることができる。また、当該装置で処理した紙葉類の処理量を表示することができる。さらに、装置の稼働状況、保守状況などを表示することができる。
【0030】
データベースサーバ3は紙葉類処理装置1を制御する主制御部に接続されており、当該装置によって処理された紙葉類の判別結果がこの主制御部20によってデータベースサーバ3に書き込まれる。すなわち、このデータベースサーバ3には、処理した紙葉類の券種、枚数、判別結果(正券、損券、偽券、排除券)、正損データ、正損判別レベル、発行年など紙葉類の属性、及びこれらのデータから算出された正券・損券の割合、偽券の割合が含まれる。
【0031】
図2は、図1に示す紙葉類処理装置1の詳細図である。紙葉類処理装置(装置)1は、上位装置2の操作表示部から処理する紙葉類の券種、枚数、入金元情報などの紙葉類情報が入力された後、当該情報に基づく紙葉類が一括して供給部10に供給される。
【0032】
供給部10に供給されたのち、装置の取込開始が指示されると、供給部10に供給された紙葉類Pの最上面の紙葉類を、取出装置としての取出ロータ11の取出位置まで上昇し、当該取出装置によって、最上面の紙葉類から1枚ずつ搬送路12に取出す。この取出ロータ11は、その回転がセンサSC10によって検知され、1回転するごとに紙葉類を1枚搬送路12に取出す。それゆえ、取り出された紙葉類は、紙葉類先端を基準にしてほぼ等しい間隔で取出される(定ピッチ取出し)。
【0033】
このようにして、搬送路12に取出された紙葉類は、紙葉類判別装置13を構成する複数の検知装置によって検知される。この検知装置によって検知された検知データは、事前に設定された判別レベル又は標準パターンとの間で演算処理が行われ、当該紙葉類の券種、真偽(本物か偽物か)、正損(正券か損券か)及び方向(表裏・正逆)が判別される。
【0034】
この紙葉類判別装置13による検知データ及び判別結果からなる判別情報Daは、主制御部20に送信される。主制御部20は、受信した判別結果を搬送制御部21に送信する。搬送制御部21は、受信した判別結果に基づいて区分ゲートの切換制御を行い、当該紙葉類を最終搬送箇所に搬送する。
【0035】
このようにして区分搬送された紙葉類は、当該搬送路12の終端に配置された集積・施封装置14〜17に取り込まれる。
【0036】
例えば、集積・施封装置14は、区分搬送された紙葉類を、回転する羽根車14Aの羽根と羽根の間に取り込み、この取り込んだ紙葉類を回転しながら集積・施封装置14に設けた掻き出し棒14Bで掻き出し、一時集積庫14Cに集積する。
【0037】
この一時集積庫14Cに集積された紙葉類は、その枚数が100枚に到達するごとに、施封装置14Dにより熱接着性紙帯などの結束材で結束されて100枚束Hが形成され、コンベア30に放出され次の工程に送られる。集積・施封装置15〜17も集積・施封装置14と同様に構成されており、その説明を省略する。
【0038】
主制御部20は、紙葉類判別装置13から受信した検知データ及び判別結果からなる判別情報Daをデータベースサーバ3に送信する。
【0039】
データベースサーバ3は、主制御部20から受信した判別情報Daを1枚ごとに記憶する。この判別情報Daには、紙葉類の形状、券種及び正損に関するデータが含まれる。
【0040】
紙葉類の形状に関するデータには、紙葉類の透過光(形状検知信号)を基にその形状を検知するために生成した形状検知データ及びその形状検知データを形状判別手段によって判別した形状判別結果が含まれる。
【0041】
上記形状検知信号は、紙葉類の形状状態を検知するための信号で、例えば搬送される紙葉類の透過検知信号を、紙葉類の搬送方向と直交する方向に配置したラインセンサ(CCDなど)で検知(読取り)したものである。
【0042】
形状検知データは、上記ラインセンサから出力されたアナログ信号をAD変換(Analog to Digital変換)して生成され、メモリに書込み(保存)される。
【0043】
このようにして生成された形状検知データから紙葉類のサイズ(縦×横)が形状検知手段によって検知される。紙葉類の搬送方向の先端から後端までの長さを所定の分解能(例えば0.1mm)で複数個所計数し、その最大長さを縦サイズとする方法、又はその平均値を縦サイズとする方法によって検知することができる。同様に横サイズも検知することができる。
【0044】
また、この形状検知データから角折れ量、穴の大きさ(直径)、破れの大きさなどの紙葉類の正損量が検知制御部(図示しない)によって検知される(第1の正損検知手段)。例えば角折れ量は、角折れがないとした場合の券端部を推測し、それとの比較を行うことにより角折れ量(面積)を算出することにより検知する。又は簡易的に、端面の折れた部分の長さを計数し、その値を角折れ量とする場合もある。
【0045】
同様にして破れの大きさ及び穴の大きさを検知することができる。この場合も破れた部分の長さを計数し、その値を破れ量とする場合と、破れた部分の面積を算出しその値を破れ量とする場合がある。何れの場合も後述する正損判別レベルと判別方法を同じにしておけば検知することができる(第1の正損検知手段)。
【0046】
このようにして検知された正損量は、それぞれ項目ごとに検知制御部によって判別される(第1の正損判別手段)。
【0047】
紙葉類の券種に関するデータには、紙葉類の上面反射光(券種検知信号)および下面反射光(券種検知信号)を基にその券種を検知するために生成した券種検知データ及びその券種検知データを券種判別手段によって判別した券種判別結果が含まれる。
【0048】
上記券種検知信号は、紙葉類の券種を判別するための信号で、例えば搬送される紙葉類の搬送方向と直交する方向に配置したカラーCCDからなるラインセンサにより、被検出媒体(紙葉類)の上面反射光及び裏面反射光を検知(読取り)したものである。
【0049】
券種検知データは、上記ラインセンサから出力された上面反射光及び下面反射光からなるアナログ信号をAD変換して生成した上面反射データ、下面反射データで構成される。これらの信号を源信号として所定の演算を行い、上面反射画像から券種を検知する上面券種検知データ及び下面券種検知データが生成される。これら生成された上面券種検知データ及び下面券種検知データはメモリに書込まれる。また、これら上面券種検知データ及び下面券種検知データから紙葉類の券種、搬送方向が検知制御部によって判別される。
【0050】
また、平面画像表示手段は、当該上面券種検知データ及び下面券種検知データを用いてそれぞれ、当該紙葉類の平面画像を表示(モニタリング)することができる。従って、この平面画像は紙葉類の券種を判別する券種検知データからなる光の目でみた紙葉類の表裏画像を表現することになる。
【0051】
上記上面券種検知データ及び下面券種検知データは、処理する紙葉類の券種又は改券などによって検出媒体が変更になる場合がある。その場合には、その媒体の券種検知信号(カラー画像)に応じて券種検知信号を生成する演算内容が異なってくる。この演算内容は、本発明の主旨とするものではないため、詳細は省略するが、別途券種判別のシミュレーションを行い、券種判別の差異を検出するのに適した券種判別アルゴリズムが設定される。
【0052】
紙葉類の正損に関するデータには、紙葉類の上面反射光(正損検知信号)、下面反射光(正損検知信号)及び透過光を基にその正損を検知するために生成した正損検知データ及びその正損検知データを正損判別手段によって判別した正損判別結果が含まれる。
【0053】
上記正損検知信号は、紙葉類の正損を判別するため信号で、例えば搬送される紙葉類の搬送方向と直交する方向に配置したカラーCCDからなるラインセンサにより、上述した被検出媒体の上面反射光、裏面反射光及び透過光を検知したものである。
【0054】
正損検知データは、上記ラインセンサから出力された上面反射光、下面反射光及び透過光からなるアナログ信号をAD変換して生成した上面反射光、下面反射光及び透過光で構成される。これらの信号を源信号として所定の演算を行い上面正損検知データ及び下面正損検知データが検知制御部によって生成される(第2の正損検知手段)。これら生成された上面正損検知データ(正損量)及び下面正損検知データ(正損量)はメモリに書込まれる(第2の正損検知手段)。また、これら上面正損検知データ及び下面正損検知データはそれぞれ項目ごとに検知制御部によって紙葉類の全体汚れ及び部分汚れが判別される(第2の正損判別手段)。
【0055】
なお、表面の汚れの他に紙葉類にしみこんだ汚れを検出するために、上面反射光及び下面反射光からなる反射光だけでなく透過光を用いることが有効である。
【0056】
このようにして保存された正損検知データは、紙葉類を表面及び下面からみた紙葉類の汚れ具合を良くあらわす表面画像データ及び裏面画像データとなる。
【0057】
なお、この紙葉類の正損検知には、紙葉類の全体的な汚れを検知する全体汚れ検知と紙葉類の部分的な汚れを検知する部分汚れ検知がある。全体汚れ検知は、上述した上面反射光、下面反射光及び透過光から表面正損検知データ及び裏面正損検知データを算出する。この算出された表面正損検知データ及び裏面正損検知データは検知制御部によって、後述する正損判別レベルと比較され、全体汚れが判別される(第2の正損判別手段)。
【0058】
一方、部分汚れ検知は、例えば、すかし部分や白紙部分などに書かれた落書きやメモなどの部分的な汚れを検知する。この部分汚れ検知は、例えば、落書されている場合には、その落書き部分の長さを計測し、又は落書きされている範囲の大きさを検知する。
【0059】
上述した各検知装置の検知データは各検知装置によって事前に設定された判別レベルと比較判別される。この比較判別方法には、上述した検知データを判別レベルと単純に比較判別する方法と、事前に設定した標準パターンとの間で類似度法による類似度演算を行いその類似度値を判別レベルと比較判別する方法がある。前者は、検知データの量を判別する場合に効果があり、後者は、紙葉類のパターンを判別する場合に効果がある。
【0060】
図3は、処理した紙葉類の全体汚れに関する正損検知データの分布(ヒストグラム)を示す。横軸が正損検知データで縦軸がその度数である。図の横軸はまた、正損判別レベルを例えば16段階で正損判別レベルを設定した場合の例を示す。図示した例では、正損判別レベル1〜正損判別レベル13の範囲に大部分が含まれている。なお、紙葉類の汚れが少ないほど正損判別データが高い値を示す。従って、比較的紙葉類の質がよくきれいな紙葉類の集合の場合はヒストグラムが全体的に右側にシフトした値を示し、汚れが多い紙葉類の集合ではヒストグラムが左側にシフトした値を示す。
【0061】
図示した例は、損券判別データを正損判別レベル3で判別した場合に損券となる範囲を斜線で示してある。
【0062】
このヒストグラムは、紙葉類を使用する国、地域、券種などによって異なる。すなわち、紙葉類の回転がよく古くなった紙葉類が効率よく回収され、新しい紙葉類によって交換される環境が準備されている国では、全体的に品質の良い紙葉類が使用される。また、高額券種の場合には、個人による保管状況がよいために、比較的品質がよいが、そうでない場合には紙葉類品質が相対的に低くなる。
【0063】
従来この正損判別レベルは、当該装置を設置した場所の管理者によって設定されていた。本実施例では、このヒストグラムに示す正損判別レベルの限界値の正損画像を目視確認することが可能である。以下、その方法を示す。
【0064】
図4は、判別レベル設定画面である。以下、本実施例の一例を示す。
【0065】
図4(1)は、角折の判別レベル設定画面である。角折の判別は、角折量Dr(mm)に応じて、下式(1)〜(3)に示す正券、損券及び排除券に区分される。
Dr≦3 :正券・・・・・・・(1)
3<Dr≦10 :損券・・・・・・・(2)
10<Dr :排除券・・・・・・(3)
【0066】
以下、上式(1)〜(3)に示す角折量の正損判別レベルを設定する方法を示す。
角折れ選択ボタン50aを選択すると、同一画面上に角折れの判別レベルを示す紙葉類の形態50d(判別レベル表示画面)が表示される。引き続き、プルダウンボタン50cをクリックし、選択手段として表示された選択メニュー50c1(「正券」、「損券」、「排除券」、「自動設定」及び「オンライン設定」)から「正券」(第1の設定手段)を選択し、判別レベル設定欄50bに3を入力する。同様に選択メニューから「損券」(第1の設定手段)を選択し、判別レベル設定欄50bに3及び10を入力する。同様に選択メニューから「排除券」(第1の設定手段)を選択し、判別レベル設定欄50bに10を入力する。
【0067】
以上の入力によって、上式(1)〜(3)に基づく角折れ量の正損判別レベル設定を行うことができる。
【0068】
なお、上記選択メニューに設けられた「自動設定」(第2の設定手段)を選択することにより、別途設定された設定値に基づいて自動的に角折れ量の正損判別レベルが設定される。
【0069】
また、選択メニューに設けられた「オンライン設定」(第3の設定手段)を選択することにより、後述するネットワークを経由して接続されるセンター装置によって設定された角折れ量の正損判別レベルをダウンロードすることができる。
【0070】
図4(2)は、穴の判別レベル設定画面である。穴の判別は、穴の直径Ho(mm)に応じて、下式(4)〜(5)に示す正券、損券及び排除券に区分される。
Ho≦φ2 :正券・・・・・・・(4)
φ2<Ho≦φ8 :損券・・・・・・・(5)
φ8<Ho :排除券・・・・・・(6)
【0071】
以下、上式(4)〜(6)に示す穴の正損判別レベルを設定する方法を示す。穴選択ボタン51aを選択すると、同一画面上に穴の判別レベルを示す紙葉類の形態51d(判別レベル表示画面)が表示される。引き続き、プルダウンボタン51cをクリックし、表示された選択メニュー(「正券」、「損券」、「排除券」、「自動設定」及び「オンライン設定」)から「正券」を選択し、判別レベル設定欄51bに2を入力する。同様に選択メニューから「損券」を選択し、判別レベル設定欄51bに2及び8を入力する。同様に選択メニューから「排除券」を選択し、判別レベル設定欄51bに8を入力する。「自動設定」及び「オンライン設定」は上述した通りである。
【0072】
図4(3)は、破れの判別レベル設定画面である。破れの判別は、破れ量Tr(mm)に応じて、下式(7)〜(9)に示す正券、損券及び排除券に区分される。
Tr≦3 :正券・・・・・・・(7)
3<Tr≦10 :損券・・・・・・・(8)
10<Ho :排除券・・・・・・(9)
この場合も上記角折れ又は穴の判別レベル設定方法と同様に設定することができる。
【0073】
図4(4)は、テープの判別レベルの設定画面である。テープの判別は、テープ幅Tpw及びテープ長Tpl(mm)をTpw×Tplと表すとき、下式(10)〜(12)に示す正券、損券及び排除券に区分される。
Tpw×Tpl≦5×5 :正券・・・(10)
5×5<Tpw×Tpl≦10×20:損券・・・(11)
10×20<Tpw×Tpl :排除券・・(12)
この場合も上記角折れ又は穴の判別レベル設定方法と同様に設定することができる。
【0074】
図5は、全体汚れ及び部分汚れの判別レベル設定画面である。図5(1)は全体汚れの判別レベル設定画面である。全体汚れの設定画面において、ボタン60aをクリックするとプルダウン60cの選択が可能になる。このプルダウン60cを選択して、判別レベル設定欄60bに、4を入力すると、正損判別レベルが4に設定され、この正損判別レベル4の限界値(上限値)を示す正損画像が60dに表示される。同様に、正損判別レベルを5に設定すると正損判別レベル5の限界値(上限値)を示す正損画像が60dに表示される。このように、正損画像を目視確認しながら設定することができる。当然、判別レベル設定欄60bにキーボード(図示しない)などから直接目視確認した正損判別レベルを設定することができるのは言うにおよばない。
【0075】
図5(2)は、部分汚れの判別レベル設定画面である。上述した全体汚れの設定画面同様に部分汚れに正損判別レベルを上述同様に設定した正損判別レベルの限界値(上限値)を示す正損画像が61dに表示される。
【0076】
落書きの判別は、落書きの長さSc(mm)に応じて、下式(13)〜(15)に示す正券、損券及び排除券に区分される。
Sc≦3 :正券・・・・・・・(13)
3<Sc≦10 :損券・・・・・・・(14)
10<Sc :排除券・・・・・・(15)
この落書きの判別レベルは、上記角折れ又は穴の判別レベル設定方法と同様に設定することができる。なお、上記実施例では落書きの大きさが10(mm)を超える場合に排除券扱いにした場合をしめすが、これに限るものではなく損券と判別する場合もある。
【0077】
図6は、全体汚れの正損判別レベルの正規化を説明する図である。正規化処理は良く知られている方法によって行うことができる。図6に示すヒストグラムは、正損判別レベルに対する枚数をグラフ化したものであるが、この状態で収集するデータを増やしてゆくと、集積データが大きくなりデータ処理が困難になるため、例えば、各正損検知データの枚数を積算した全てのデータの加算値が一定の値(1000)になるように表現する。例えば図7に示すグラフがそれに相当する。このような表現方法によれば、データ収集した枚数にかかわらず、その紙葉類の品質のばらつきが表現できる。
【0078】
この正規化の方法は例えば、下式(16)によって行うことが可能である。
UNi=(1000/N)Ui・mi・・・・・・・・(16)
N:正損判別データの総数
Ui:i番目の正損検知データ
mi:i番目の枚数(度数)
UNi:ノーマライズされたi番目の正損検知データ
このようにして算出されたUNiを度数iに関してグラフにしたものが図7になる。上記正規化(ノーマライズ)の方法はこれに限るものではなく、媒体の特徴をよく表現する方法として他の方法を使用してもよい。
【0079】
この結果、第1券種の第1の地域(例えば、支店Aに設置された紙葉類処理装置1A1)の全体汚れに関する正損検知データの正損分布(ヒストグラム)Gr1と、同様に収集した第2の地域(例えば、支店Bに設置された紙葉類処理装置1B1)の全体汚れに関する正損検知データの正損分布(ヒストグラム)Gr2が生成される。他の紙葉類処理装置からも同様に正損分布が当該紙葉類処理装置によって生成されるが、ここでは簡単のために正損分布Gr1及びGr2が生成された場合について説明する。この正損分布Gr1と正損分布Gr2の違いは、上述した地域における紙葉類の利用状況の違いとなって現れる。
【0080】
正損分布Gr2では正損分布Gr1に比べて右側にシフトしており、例えば、正損を区分する正損判別レベルが「4」の場合、正損判別レベル4以下の正損検知データを示す紙葉類は損券として処理される。図示した例では、正損分布Gr2の方が損券(斜線部分)の枚数が少なくなる。
【0081】
上述した正損判別は、紙葉類処理装置1A1及び1B1ごとにそれぞれの紙葉類判別装置によって行われる。この場合には、例えば、紙葉類処理装置1A1では20%が損券として処理されるのに対して、紙葉類処理装置1B1では15%が損券として処理されることになる。次に、判別レベルをセンター装置100で生成する場合を説明する。
【0082】
図7は、センター装置100で各地域に設置された紙葉類処理装置から送信された正損検知データを元に正損判別レベルを生成する場合を示す図である。
【0083】
図7(1)は、上記紙葉類処理装置1A1及び1B1から正損検知データを受信した場合の正損判別レベルの生成方法を示す。図は、紙葉類処理装置1A1から受信した正損分布Gr1及び紙葉類処理装置1B1から受信した正損分布Gr2を重ねて表示してある。
【0084】
これら正損分布Gr1及び正損分布Gr2の正損データを合算し、上述した正規化処理をすることによって図7(2)に示す正損分布Grsが生成される。
【0085】
本実施例では、正損分布Gr1及び正損分布Gr2を基に正損分布Grsを生成したが、他の紙葉類処理装置が設置されており、当該紙葉類処理装置から正損検知データが送信された場合も同様に正損分布Grsが生成される。
【0086】
このようにして生成された正損分布は、サイトに設置された紙葉類処理装置全体の正損分布を表現していることから、この正損分布Grsを基に正損レベルを設定し、その正損レベルに対して正損判別レベルを設定することにより、当該サイトで稼動している紙葉類処理装置の正損率を的確に把握することが可能になる。
【0087】
図8は、センター装置100における判別レベル設定画面である。図8(1)は、角折れの判別レベルの設定画面である。図8(2)は、穴の判別レベル設定画面である。図8(3)は、破れの判別レベル設定画面である。図8(4)は、テープの判別レベルの設定画面である。これらの設定画面は、図4(1)〜図4(4)で説明した紙葉類処理装置における正損判別の設定方法と同様である。従って、判別レベル設定欄100b〜103bから判別レベルを設定すると、その判別レベルに対応する判別レベル表示画面100d〜103dが表示される。
【0088】
図9は、全体汚れ及び部分汚れの判別レベル設定画面である。図9(1)は、全体汚れの判別レベル設定画面であり、図9(2)は、部分汚れの判別レベル設定画面である。これらの設定画面は、図5(1)及び図5(2)で説明した紙葉類処理装置1における正損判別の設定方法と同様であるため、その同様部分の説明は省略する。
【0089】
図4又は図5に示した例は、紙葉類処理装置1で処理した紙葉類の検知データに基づいて判別レベルを設定する場合を示すが、図8又は図9に示す例は、各サイトの紙葉類処理装置からセンター装置100に送信された紙葉類の検知データに基づいて判別レベルを設定することになる点で異なる。
【0090】
なお、センター装置100における判別レベルの設定方法を示す図8又は図9に示すプルダウンボタン100c〜103c、又は104c、105cをクリックした際表示される選択手段としての選択メニューの中の「オンライン設定」(第2の設定手段)が選択されると、判別レベルが自動設定される。
【0091】
例えば、図9(1)に示す全体汚れに関するプルダウンボタン104cをクリックし、表示された選択メニュー104c1から「オンライン設定」が選択された場合、各サイトに設置された紙葉類処理装置から送信された全体汚れの検知データを正規化した分布に対して正損判別レベルが統計的に16段階に自動的に設定される。また、この正損判別レベルに該当する判別レベル表示画面が104dに表示される。
【0092】
同様に、図9(2)に示す部分汚れに関するプルダウンボタン105cをクリックした際表示される選択手段としての選択メニューの中の「オンライン設定」(第2の設定手段)が選択された場合も、各サイトに設置された紙葉類処理装置から送信された部分汚れの検知データを正規化した分布に対して、同様に正損判別レベルが統計的に自動設定される。また、この正損判別レベルに該当する判別レベル表示画面105dが表示される。
【0093】
本実施例では、センター装置で設定した判別レベルを各サイトに設置された紙葉類処理装置で使用するためには、図5に示すプルダウンボタン、60cをクリックし、表示された選択メニュー(「正券」、「損券」、「排除券」、「自動設定」及び「オンライン設定」)の中から「オンライン設定」を選択する必要がある。この設定を行うことにより、例えばセンター装置で設定した正損判別レベルを用いて当該紙葉類処理装置での正損判別を行うことが可能になる。
【0094】
次に、紙葉類処理装置の判別レベルの更新タイミングについて説明する。センター装置100は各サイトに設置された紙葉類処理装置から例えば正損検知データがオンラインで送信される。この送信された正損検知データは上述した方法によって収集され、上述した統計処理に基づいて新たな正損判別レベルが設定される。
【0095】
このようにして設定された正損判別レベルであっても、当該紙葉類処理装置の正損判別レベルが適宜更新されなければその効果が得られないことになる。本実施例では、紙葉類処理装置の主電源をオンしたとき、又は先の紙葉類束の処理が終了し、次の紙葉類束の処理を行うために券種設定、集積庫設定、処理量などの初期化処理を行う際に、当該センター装置100に対して更新情報の問合せを行い、センター装置100のデータベースサーバ103に保存されている最新の正損判別レベルがあればダウンロードを行う。
【0096】
上述した更新方法は、これに限るものではなく、上記操作表示部の操作画面に正損判別レベル更新ボタンを設け、この更新ボタンによって更新することも可能である。何れの場合も、紙葉類処理装置は稼動状態にあるが、紙葉類の搬送が始まる前に自動的に又は操作員の入力操作によって更新が可能になる。
【符号の説明】
【0097】
P 紙葉類
1 紙葉類処理装置
1A1、1A2、1A3 支店Aに設置された紙葉類処理装置
1A4 LAN
1B1、1B2、1B3 支店Bに設置された紙葉類処理装置
1B4 LAN
2 上位装置
3 データベース
13 紙葉類判別装置
14〜17 集積・施封装置
20 主制御部
21 搬送制御部
30 コンベア
50 ネットワーク
100 センター装置
103 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類処理装置とセンター装置がネットワークを経由して異なる構内に設置された紙葉類処理システムであって、
前記紙葉類処理装置は、
前記ネットワークと接続され、このネットワークと送受信可能な通信手段と、
紙葉類を判別する検知項目ごとに、操作員が、正券、損券、排除券、自動設定及びオンライン設定の何れかを選択可能な選択手段と、
この選択手段によって選択された正券、損券又は排除券を選択し、正券、損券又は排除券ごとにその判別レベルを設定する第1の設定手段と、
前記自動設定が選択された場合に、当該紙葉類処理装置で検知した検知データに基づいて正券、損券及び排除券の判別レベルを自動的に設定する第2の設定手段と、
前記オンライン設定が選択された場合に、前記センター装置に判別レベルの送信を要求し、当該センター装置から送信された判別レベルを受信して判別レベルを設定する第3の設定手段と、
これら第1の設定手段、第2の設定手段又は第3の設定手段によって設定された判別レベルによって搬送される紙葉類を判別する紙葉類判別手段と、
を備え、
前記センター装置は、
前記ネットワークと接続され、このネットワークと送受信可能な通信手段と、
紙葉類を判別する検知項目ごとに、操作員が正券、損券、排除券及びオンライン設定の何れかを選択可能な選択手段と、
この選択手段によって選択された正券、損券又は排除券を選択し、正券、損券又は排除券ごとにその判別レベルを設定する第1の設定手段と、
前記オンライン設定が選択された場合に、ネットワークを経由して前記紙葉類処理装置から受信した検知データに基づいて正券、損券及び排除券の判別レベルを自動的に設定する第2の設定手段と、
前記第1の設定手段又は第2の設定手段の何れかを選択する選択手段と、
前記紙葉類処理装置から前記ネットワークを経由して判別レベルの送信要求があったとき、前記選択手段によって選択された設定手段により設定された判別レベルを送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする紙葉類処理システム。
【請求項2】
前記紙葉類処理装置は、
当該紙葉類処理装置の電源オン後、又は先の紙葉類束処理が終了し次の紙葉類束の処理を行う際の初期化処理を行う際に、前記センター装置に最新の判別レベルの送信を要求し、この要求に対して最新の判別レベルが送信された場合には、その前の判別レベルを当該最新の判別レベルに更新する更新手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の紙葉類処理システム。
【請求項3】
前記センター装置はさらに、
データベースサーバと接続され、各サイトに設置された前記紙葉類処理装置から送信された紙葉類の券種、枚数、正損判別結果、紙葉類の発行年の各紙葉類属性に関するデータを記憶し、かつ、当該データを基に、各紙葉類装置ごと、又はサイトごとに正券・損券の割合、偽券の割合を算出して記憶し、当該記憶されたこれらのデータを当該センター装置の操作表示部に表示し、かつ、前記紙葉類処理装置からの送信要求に応じてこれらのデータを送信することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の紙葉類処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−257338(P2010−257338A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108350(P2009−108350)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】