説明

紙葉類判別装置

【課題】不要な正反射を取除くことが可能な正反射画像検知装置及びそれを搭載した紙葉類判別装置を提供することを目的とする。
【解決手段】紙葉類101がガラス面に並行に図示矢印102aの方向に搬送された場合は、光路501の光が紙葉類101上で正反射し、光電センサ305に入射する。また先端上がりで搬送された紙葉類307に対しては光路502の光が紙葉類307上で正反射し、同様に先端下がりで搬送された紙葉類308に対しては光路503の光が紙葉類308上で正反射して光電センサ305に入射する。つまり紙葉類101が多少傾いて搬送されても、拡散板302上のいずれかの仮想光源により正反射画像が得られる。また、拡散板302上の特定位置に、光を通さないマスク507、508を施すことにより、ガラス303からの不要な正反射を防止している。このマスクの幅は、光学倍率が1倍の場合、受光センサ305の幅以上であればよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有価証券などの紙葉類を判別する紙葉類判装置に関し、特に紙葉類のテープやホログラムなどの光沢媒体を検知する正反射光学系を搭載した紙葉類判別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有価証券などの紙葉類を処理する紙葉類処理装置は、処理単位に応じて一括して投入された紙葉類束(例えば、1000枚)から取出装置によって紙葉類を1枚ずつ取出して搬送し、搬送状態検知装置及び紙葉類判別装置によって当該紙葉類を判別し、その判別結果に基づいて当該紙葉類を区分処理する装置である。
【0003】
上記紙葉類判別装置には、紙葉類の種類(券種)、真偽、汚損度合いを検知するため複数の検知手段が具備されている。上記紙葉類の種類、真偽及び汚損度合いの判定は、当該紙葉類の中の最も特徴のある可視画像を検知し、その検知した画像を認識することにより判定している。
【0004】
紙葉類のデザイン、色、文字及び数字等は、もともと人間が見分けやすいことを前提に描かれているためであり、上記可視画像の検知には、イメージセンサ、色判別センサなどが用いられている。
【0005】
上記紙葉類の表面には、紙葉類が本物であることを証明するためのアルミ状の光沢物媒体(アルミホイル、ホログラム等の媒体をいう、以下同様)や紙葉類の破損を修復するためのテープが貼付されているケースがある。アルミ状の光沢物は、照明の角度により反射光の波長や強度が異なるため、紙葉類の判定には積極的に寄与させない場合が多い。またテープ等の光沢物の場合、テープの下に描かれた画像や汚れを読み取るためには、光沢物媒体からの正反射成分を抑える必要がある。
【0006】
上記理由により、上述した従来の紙葉類判別装置の券種検知や汚損度合いの判定においては、光源、光沢物媒体及び受光素子の位置関係を工夫し、光沢物媒体からの正反射の影響を減らし、紙葉類からの拡散反射光のみを観測する工夫が施されている。
【0007】
一方、紙葉類からの正反射を利用し、テープ等の光沢媒体を積極的に検知する方法も知られている。テープ等の光沢物媒体からの正反射光は、光沢のない拡散反射光に比べ数倍から数十倍の信号強度を持つ。また紙幣にはホログラムやアルミホイル等の光沢のある真偽アイテムが付加されたものも存在する。これらの光沢物媒体を検出する手段として、媒体に対する光源の入射角と、媒体に対する受光素子への射出角を同一にした光学系を構成することで実現することができる。
【0008】
上記紙葉類判別装置には、当該紙葉類の光沢を検知する正反射画像検知装置がある。この正反射画像検知装置は、紙葉類を照明する照明装置、この照明装置によって照明された紙葉類からの反射光を検知する検知部などから構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2007−240315号公報 (第3−4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1記載の検知部には、照明装置から放射される光及び紙葉類から反射される光の通路(以下、光路と称する。)上に光学ガラスなどの光沢物が配置されることがあり、光学ガラスの表面からの正反射光を検知してしまうことがある。この対策として、光学ガラスの表面に反射防止膜のコーティングを施すことにより光学ガラスからの不要な正反射を軽減する方法が知られている。しかしながら、この光学ガラスが被検査紙葉類のごく近傍に配置された場合、当該紙葉類が光学ガラスの表面を摩って搬送されるため、紙葉類に接する側の反射防止膜のコーティングが剥がれてしまい効果がなくなるという課題があった。
【0010】
また、反射防止膜はコストがかかる上、不要な正反射を完全に取除くことができないと言う課題もある。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、不要な正反射を取除くことが可能な正反射画像検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1記載の紙葉類処理装置は、紙葉類を搬送し、前記紙葉類の物理的特徴を光学的若しくは磁気的、又はその他電気的な検知手段を用いて読み取り、読み取った結果をディジタル信号に変換、し順次記憶手段に格納し、この格納された信号情報に基づき前記紙葉類の種類、真偽、汚損度のうち少なくとも1つの判定を行う紙葉類判別装置であって、前記紙葉類を搬送する搬送手段と、前記紙葉類の透過画像情報を検知する透過画像検知手段と、前記紙葉類の反射画像情報を検知する反射画像検知手段と、前記紙葉類の正反射画像を検知する正反射画像検知手段と、前記紙葉類の磁気印刷特性を検知する磁気検知手段と、前記紙葉類からのブリーチ発光特徴量や蛍光発光特徴量を検知する蛍光検知手段と、前記紙葉類の物理的な厚さを検知する厚さ検知手段と、前記各検知部からの検知情報を処理する検知情報処理手段と、を備え、前記正反射画像検知手段は、前記紙葉類を照射する光源と、この光源と前記紙葉類との間に配置した拡散板と、この拡散板と前記搬送される紙葉類を検知する検知面との間に配置した光学ガラスと、前記光源が前記拡散板及び前記光学ガラスを通して前記検知面を照射するとき、この検知面から反射される光を結像する光学レンズと、この光学レンズで結増された光を受光する受光部と、前記光源と前記検知面を結ぶ照射光路がなす入射角と、当該検知面と前記受光部を結ぶ光路がなす反射角が同じになるように前記受光部を配置し、かつ、前記拡散板に前記光学ガラスによる正反射を防止する非透過性のマスクを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光路上にある光学ガラスの表面からの不要な正反射を低減することができる。また、その結果、テープやホログラムなどの光沢媒体を低コストでかつ高精度に検知するための正反射光学系を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1に係る正反射画像検知装置を搭載した紙葉類判別装置100の概略構成図である。紙葉類判別装置100において、紙葉類101は、図のほぼ中央に位置する搬送路102の間隙を搬送ローラ103〜112により右側(搬送上流)から左側(搬送下流)に向かって図示矢印102aの方向に搬送される。
【0016】
搬送路上には、図の右側から、紙葉類101の透過画像情報を検知する透過画像検知部113と、紙葉類101の上面の正反射画像情報を検知する上面正反射画像検知部114と、紙葉類101の下面の正反射画像情報を検知する下面正反射画像検知部115と、紙葉類101の上面の反射画像情報を検知する上面反射画像検知部116と、紙葉類101の下面の反射画像情報を検知する下面反射画像検知部117と、紙葉類101の磁気印刷特性を検知する磁気検知部118と、紙葉類101からのブリーチ発光特徴や蛍光発光特徴を検知する蛍光発光検知部119と、紙葉類101の厚さを検知し、テープや複数枚取りを検知する厚さ検知部120が設置されている。また紙葉類判別装置100の上部には、上記各検知部と接続され、上記各検知部からの検知情報を処理する検知情報処理部121が配置されている。
【0017】
図2は、検知情報処理部121の機能ブロック図である。透過画像検知部113、上面正反射画像検知部114、下面正反射画像検知部115、上面反射画像検知部116、下面反射画像検知部117、磁気検知部118、蛍光発光検知部119、及び厚さ検知部120は検知情報処理部121と接続され、これら各検知部113〜120の検知出力は検知情報処理部121に出力される。
【0018】
上記透過画像検知部113、上面正反射画像検知部114、下面正反射画像検知部115、上面反射画像検知部116及び下面反射画像検知部117は、発光部及び受光部を備えた光学系を構成しており、例えば、発光部としてはLEDアレイが用いられ、受光部としてはフォトダイオードアレイまたはCCD(Charge-Coupled Device)が用いられ、これらによって1次元画像読み取りセンサが構成される。なお、LEDには用途により可視光や近赤外光が使用される。
【0019】
磁気検知部118は,例えば磁気ヘッドのようなセンサで構成され、コア材の一次コイル側に直流バイアス電流を印加し、紙葉類101が磁気ヘッドを通過したとき、当該紙葉類101に含まれる磁性体からのフラックスの変化を当該磁気ヘッドを構成する二次側コイルで検出することにより、当該紙葉類101に含まれる磁性体を検知する。
【0020】
また蛍光発光検知部119は、発光部が紫外線発光ランプで構成され、この紫外線発光ランプから発光された紫外線を被検査媒体に照射する。紙葉類101に含まれる蛍光体が紫外線によって励起され、当該蛍光体から発せられる励起光をフォトダイオードで受光する。蛍光体が、蛍光印刷等が施されている場合には、当該蛍光印刷部分からの部分発光となり、その場合は、スポット視野で当該媒体に含まれる蛍光体を検出する。また、ブリーチ発光の場合には、紙葉類101に事前に設定された検知エリア全体からの発光となるが、上記蛍光体検知と同様に行われる。
【0021】
厚さ検知部120は、媒体を2本のローラで挟み搬送する際、当該2本のローラの中の片側のローラ112またはそれを支持するシャフト101の変動量を変位センサ等で電気信号に変換することにより紙葉類101の厚さを検知する。
【0022】
上記、それぞれのセンサからの検知データは、演算増幅器等のアナログ処理回路201〜208で信号成分の増幅/加工が行われアナログマルチプレクサ209に出力される。
【0023】
アナログマルチプレクサ209は、入力された8系統のアナログ信号を1系統のアナログ信号に時分割した後、アナログ/ディジタル変換回路210に出力する。
【0024】
アナログ/ディジタル変換回路210は、入力されたアナログデータを、例えば8ビットのディジタルデータに変換、前処理回路220に出力する。なお本実施例ではアナログ/ディジタル変換回路を1回路とするためにアナログマルチプレクサ209でアナログ信号を1系統に時分割したが、システムの組み方やハードウェアの条件により、すべての検知信号をそれぞれ独立してアナログ/ディジタル変換しても、本発明の効果になんら影響を与えるものでは無い。
【0025】
前処理回路220は、アナログ/ディジタル変換回路210から入力したディジタルデータを、それぞれの検知内容に従って前処理(例えば空間微分や、平均化等)を行い、データ記憶部230に記憶する。
【0026】
検知CPU(Central Processing Unit)240は、マイクロコンピュータに代表される処理演算部で、上記データ記憶部230から検知データを順次読み出し、紙葉類101の種類、方向、真偽、汚損度等の判定を行う。
【0027】
制御CPU250は、同様にマイクロコンピュータに代表される処理演算部で、上記検知CPU240での演算結果を上位の装置、例えば紙葉類判別装置100の機構制御部260等に通知する。
【0028】
機構制御部260は、紙葉類判別装置100からの種類、方向、真偽、汚損度情報を基に、図示しない搬送路切替部(図示しない)の切り替えを行い、紙葉類101が格納されるべき集積庫(図示しない)へ搬送されるよう制御する。
【0029】
図3は、正反射画像検知部の断面図である。これは図1の上面正反射画像検知部114、または下面正反射画像検知部115のいずれか、又は両方を示す断面図である。
【0030】
LED等の光源301から放たれた光は、拡散板302、光学ガラス303を透過して検知面309を照射する。この検知面309を紙葉類101が図示矢印102aの方向に搬送される際、当該紙葉類101の表面が照射される。その正反射光は、再び光学ガラス303を介して光学レンズ304に至る。
【0031】
光学レンズ304は、例えば像を1対1の倍率で結像するロッドレンズアレイ、又は像を縮小して結像する球面レンズ等で構成される。
【0032】
光学レンズ304を通った反射光は、光電センサ305で受光され、センサ内で光信号が電気信号に変換された後、センサ信号処理基板306で増幅及びA/D変換等が施される。
【0033】
光電センサ305がCCDやフォトダイオードの1次元センサの場合、紙葉類101の画像データは1ラインごとに収集・蓄積され、紙葉類101が搬送されることにより次の1ラインデータが同様に収集・蓄積され、結果的に2次元の画像が形成される。
【0034】
図4は、本発明の実施例1に係る上側反射画像検知部114の詳細断面図である。光源発光から正反射画像の受光までは図3と同様である。正反射用光源301の光源が拡散板302に入射されると、拡散板302の反対面にあたかも複数の光源が並んだような効果(仮想光源)が得られる。この効果を利用することにより、紙葉類101が不安定に搬送されても、表面の正反射光が光電センサ305で受光できるようにしている。詳細を図5で説明する。
【0035】
図5は、図4に示す拡散板302及び光学ガラス303近辺の拡大図である。紙葉類101が光学ガラス303に並行に図示矢印102aの方向に搬送された場合は、光路(1)501の光が紙葉類101上で正反射し、光電センサ305に入射する。また先端上がりで搬送された紙葉類307に対しては、光路(2)502の光が紙葉類307上で正反射し、光電センサ305に入射し、同様に先端下がりで搬送された紙葉類308に対しては、光路(3)503の光が紙葉類308上で正反射し、光電センサ305に入射する。つまり紙葉類101が多少傾いて搬送されても、拡散板302上のいずれかの仮想光源により正反射画像が得られる。
【0036】
ところで、媒体から発生する紙粉や汚れを光学系内部に侵入させないため、光学系は防塵の施されたユニットで構成されている。そのため、媒体を検知する面には通常光学ガラス303が設置されており、防塵したまま媒体の光学情報を得ることができる構造となっている。
【0037】
ところが、光学ガラス303には表面に光沢があり、受光センサ305は光学ガラス303のガラス面からの正反射を受光してしまうことになる。この光学ガラス303のガラス面からの正反射は、光沢媒体からの正反射を検出する上で不要な画像情報となる。この光学ガラス303からの正反射を防止するため、本実施例1ではガラス面(上下2面)からの正反射を起こさせる拡散板302上の特定位置に、光を通さないマスクを施すことにより、光学ガラス303からの不要な正反射を防止している。
【0038】
図中、光路(4)504は光学ガラス303の上面で正反射すると、光路(6)506上を進み、光電センサ305に入射する。また光路(5)505は光学ガラス303の下面で正反射すると、同様に光路(6)506上を進み、光電センサ305に入射する。この2箇所からの光を例えば黒インクの印刷によりマスクすることで、不要な正反射をすべて除去することができる。このマスクの幅は、光学倍率が1倍の場合、原理的には受光センサ305の幅以上であればよい。また光学倍率が1/n倍の場合、マスクは受光センサ305の幅×n以上であればよい(下式(1)参照)。
マスクの幅(Wm)≧受光センサの幅(Ws)×光学倍率(n)・・・(1)
【0039】
図6は、図5に示す拡散板302のイメージ図である。本実施例では受光センサ305をラインセンサとしているため、長手方向に2本のマスク直線が引かれたものとなる。また搬送面ではない面、具体的には光学ガラス303の上面側は媒体による磨耗、劣化がないため反射防止膜のコーティングを施すことも可能である。この場合、マスク1(507)は不要となる。
【0040】
なお本実施例は上側正反射画像検知部114を用いて説明したが、図1に示した下側正反射画像検知部115においても同様の構成により同様の効果を得ることができる。
【0041】
また図3において、媒体の突入方向に近い側に受光系、排出方法に照明系を配置したが、受光系と照明系の位置関係はこれに限定されたものではなく、媒体の突入方向に近い側に照明系、排出方法に受光系を配置しても本発明の効果はなんら変わらない。
【実施例2】
【0042】
図7は、本発明の実施例2に係る上側反射画像検知部の詳細断面図である。光源301、拡散板302、光学ガラス303が配置されている構成は実施例1と同様であるが、検知対象である紙葉類101に対する光源301と受光素子305の角度を広げている。
【0043】
また光学ガラス303は紙葉類101の搬送路に対して角度θを持って配置されている。この光学配置において、紙葉類101が搬送路102に並行に搬送された場合、光路1(701)の光が紙葉類101上で正反射し、光電センサ305に入射する。また先端上がりで搬送された紙葉類307に対しては、光路2(702)の光が紙葉類101上で正反射し、光電センサ305に入射し、同様に先端下がりで搬送された紙葉類308に対しては、光路3(703)の光が紙葉類101上で正反射し、光電センサ305に入射する。つまり紙葉類101が多少傾いて搬送されても、拡散板302上のいずれかの仮想光源により正反射画像が得られる。
【0044】
本実施例の特徴は、搬送路102に対してある所定の角度θで傾きを持った光学ガラス303にある。図7の場合、光学ガラス303は紙葉類101が侵入してくる方向が下がっている。この角度を設けたことにより、光電センサ305に入射する、光学ガラス303上面での正反射光の光源は、光(4)704の延長上に存在することになる。しかしながらこの方向に光源はないため、結果的に光学ガラス303上面からの正反射は存在しないことになる。同様のことが、光学ガラス303の下面についても適用される。すなわち光電センサ305に入射する、光学ガラス303下面での正反射光の光源は、光路(5)705の延長上に存在することになるが、この方向に光源は存在しないため、結果的に光学ガラス303下面からの正反射は存在しない。
【0045】
なお、上記所定の角度θは、光源301が検知面309になす有効志向角度αに相当する角度超えない範囲に設定される。すなわち、用いられる光源301の指向性及び拡散板302の拡散性能によって設定される。
【0046】
本実施例は上側正反射画像検知部114を用いて説明したが、図1に示した下側正反射画像検知部115においても同様の構成により同様の効果を得ることができる。
【0047】
また図7において、媒体の突入方向に近い側に受光系、排出方法に照明系を配置したが、受光系と照明系の位置関係はこれに限定されたものではなく、媒体の突入方向に近い側に照明系、排出方法に受光系を配置しても本発明の効果はなんら変わらない。
【0048】
なお図1において、上側正反射画像検知部114と下側正反射画像検知部115は対向する形で配置したが、上面反射画像検知部116および下面反射画像検知部117と同様、それぞれ独立して配置しても本発明の効果になんら影響を与えない。
【0049】
以上説明したように本発明の実施例1によれば、紙葉類判別装置にける正反射画像検知部において、紙葉類の正反射画像を用いて媒体に貼付されたテープやフログラム等の光沢物媒体を検出する際、光学ガラス等からの不要な正反射光を完全に排除することができるので、高精度の汚損判定を実現する紙葉類判別装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例1係る正反射画像検知装置を搭載した紙葉類判別装置の概略構成図。
【図2】紙葉類判別装置及び主制御部の構成を示すブロック図。
【図3】正反射画像検知部の断面図。
【図4】本発明の実施例1に係る上側反射画像検知部の詳細断面図。
【図5】図4に示す拡散板及び光学ガラス付近での正反射を説明する拡大図。
【図6】図5に示す拡散板のイメージ図。
【図7】本発明の実施例2に係る上側反射画像検知部の詳細断面図。
【符号の説明】
【0051】
100 紙葉類判別装置
101 紙葉類
102 搬送路
103〜112 搬送ローラ
113 透過画像検知部
114 上面正反射画像検知部
115 下面正反射画像検知部
116 上面反射画像検知部
117 下面反射画像検知部
118 磁気検知部
119 蛍光検知部
120 厚さ検知部
121 検知情報処理部
301 光源
302 拡散板
303 光学ガラス
304 光学レンズ
305 光電センサ
306 センサ信号処理基板
307 先端上がりで搬送された紙葉類
308 先端下がりで搬送された紙葉類
507 マスク(1)
508 マスク(2)
701 光路(1)
702 光路(2)
703 光路(3)
704 光路(4)
705 光路(5)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を搬送し、前記紙葉類の物理的特徴を光学的若しくは磁気的、又はその他電気的な検知手段を用いて読み取り、読み取った結果をディジタル信号に変換し順次記憶手段に格納し、この格納された信号情報に基づき前記紙葉類の種類、真偽、汚損度のうち少なくとも1つの判定を行う紙葉類判別装置であって、
前記紙葉類を搬送する搬送手段と、
前記紙葉類の透過画像情報を検知する透過画像検知手段と、
前記紙葉類の反射画像情報を検知する反射画像検知手段と、
前記紙葉類の正反射画像を検知する正反射画像検知手段と、
前記紙葉類の磁気印刷特性を検知する磁気検知手段と、
前記紙葉類からのブリーチ発光特徴量や蛍光発光特徴量を検知する蛍光検知手段と、
前記紙葉類の物理的な厚さを検知する厚さ検知手段と、
前記各検知部からの検知情報を処理する検知情報処理手段と、
を備え、
前記正反射画像検知手段は、
前記紙葉類を照射する光源と、
この光源と前記紙葉類との間に配置した拡散板と、
この拡散板と前記搬送される紙葉類を検知する検知面との間に配置した光学ガラスと、
前記光源が前記拡散板及び前記光学ガラスを通して前記検知面を照射するとき、この検知面から反射される光を結像する光学レンズと、
この光学レンズで結増された光を受光する受光部と、
前記光源と前記検知面を結ぶ照射光路がなす入射角と、当該検知面と前記受光部を結ぶ光路がなす反射角が同じになるように前記受光部を配置し、かつ、前記拡散板に前記光学ガラスによる正反射を防止する非透過性のマスクを設けたことを特徴とする紙葉類判別装置。
【請求項2】
前記受光部は、前記搬送方向と交差する方向に受光素子を配置したラインセンサで構成され、
前記マスクは、前記拡散板の内部に前記ラインセンサと並行である前記搬送方向と交差する方向に2箇所埋設して配置したことを特徴とする請求項1記載の紙葉類判別装置。
【請求項3】
前記正反射画像検知手段を構成する前記光学レンズの倍率が1/nで、前記ラインセンサの幅がWsのとき、前記マスクの幅Wmは、
Wm≧Ws×n
であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の紙葉類判別装置。
【請求項4】
紙葉類を搬送し、前記紙葉類の物理的特徴を光学的若しくは磁気的、又はその他電気的な検知手段を用いて読み取り、読み取った結果をディジタル信号に変換し順次記憶手段に格納し、この格納された信号情報に基づき前記紙葉類の種類、真偽、汚損度のうち少なくとも1つの判定を行う紙葉類判別装置であって、
前記紙葉類を搬送する搬送手段と、
前記紙葉類の透過画像情報を検知する透過画像検知手段と、
前記紙葉類の反射画像情報を検知する反射画像検知手段と、
前記紙葉類の正反射画像を検知する正反射画像検知手段と、
前記紙葉類の磁気印刷特性を検知する磁気検知手段と、
前記紙葉類からのブリーチ発光特徴量や蛍光発光特徴量を検知する蛍光検知手段と、
前記紙葉類の物理的な厚さを検知する厚さ検知手段と、
前記各検知部からの検知情報を処理する検知情報処理手段と、
を備え、
前記正反射画像検知手段は、
前記紙葉類を照射する光源と、
この光源と前記紙葉類との間に配置した拡散板と、
この拡散板と前記搬送される紙葉類を検知する検知面との間に配置した光学ガラスと、
前記光源が前記拡散板及び前記光学ガラスを通して前記検知面を照射するとき、この検知面から反射される光を結像する光学レンズと、
この光学レンズで結増された光を受光する受光部と、
前記光源と前記検知面を結ぶ照射光路がなす入射角と、当該検知面と前記受光部を結ぶ光路がなす反射角が同じになるように前記受光部を配置し、かつ、前記光学ガラスを搬送方向下流に向かって所定の角度傾けて配置したことを特徴とする紙葉類判別装置。
【請求項5】
前記所定の角度は、前記光源が前記検知面になす有効指向角に相当する角度度を超えない範囲であることを特徴とする請求項4記載の紙葉類判別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−157504(P2009−157504A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333007(P2007−333007)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】