説明

紙葉類識別装置

【課題】紙葉類識別装置における紙葉類の識別精度の低下を抑制する技術を提供する。
【解決手段】紙葉類識別装置100は、紙幣BLを搬送する搬送部20と、紙幣BLの印刷パターンを光学的にライン単位で読み取るセンサ部30と、センサ部30を制御するセンサ制御部11とを備える。紙幣搬送部20は、搬送速度検出部25によって、紙幣BLの搬送速度を検出し、センサ制御部11に出力する。センサ制御部11は、紙幣BLの搬送速度に応じて、ラインを読み取る周期と、ラインごとの読み取り時間とを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙葉類の種別を識別する紙葉類識別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙葉類識別装置として、紙幣の金種を識別する紙幣識別装置が知られている。紙幣識別装置では、通常、複数の紙幣を連続的に搬送しつつ、紙幣表面の印刷パターンを光学素子によって読み取り、その読み取りデータを用いて、その金種を識別する。
【0003】
ところで、一般に、媒体を搬送しつつ走査する装置では、装置の機械的要因などの種々の要因によって、媒体の搬送速度が変動し、その走査精度が低下してしまうという問題があった(下記特許文献1)。特に、上述した紙葉類識別装置では、媒体である紙葉類の状態(紙葉類の重さや疲弊度など)の相違によって搬送速度が変動してしまい、読み取り精度が低下し、紙葉類の識別精度が低下するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−133178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、紙葉類識別装置における紙葉類の識別精度の低下を抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
紙葉類を走査することにより前記紙葉類の種別を識別する紙葉類識別装置であって、
前記紙葉類を第1の方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されている前記紙葉類のパターンを、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿ったライン単位で読み取るセンサ部と、
前記紙葉類の搬送速度の変化を検出する搬送速度検出部と、
前記センサ部を制御して、前記搬送速度検出部によって検出された前記搬送速度の変化の度合いに応じて、前記ラインを読み取る周期と、前記ラインの読み取り時間とを変更する、センサ制御部と、
を備える、紙葉類識別装置。
この紙葉類識別装置によれば、搬送方向に交差するライン単位の読み取り処理において、各ラインの読み取りを開始する周期と、読み取り時間とが、搬送速度の変動に応じて調整される。そのため、搬送速度の変動に起因して、各ラインごとの読み取り範囲が変動してしまうことが抑制される。従って、紙葉類の搬送速度の変動に起因する紙葉類の種別の識別精度の低下が抑制される。
【0008】
[適用例2]
適用例1記載の紙葉類装置であって、
前記センサ部は、
前記紙葉類の表面に向かって発光する発光素子と、
前記紙葉類からの光を受光する受光素子と、
を備え、
前記センサ部は、前記発光素子と、前記受光素子とを用いて、前記ライン単位の読み取りを光学的に実行し、
前記センサ制御部は、前記紙葉類の搬送速度の変化の度合いに応じて、前記発光素子が発光する時間、または、前記複数の受光素子が受光する時間を変更することにより、前記読み取り時間を変更する、紙葉類識別装置。
この紙葉類識別装置によれば、発光素子の発光時間、または、受光素子の受光時間の調整により、各ラインごとの読み取り時間が調整される。
【0009】
[適用例3]
適用例2記載の紙葉類識別装置であって、
前記センサ制御部は、さらに、前記搬送速度検出部によって検出された前記搬送速度の変化の度合いに応じて、前記発光素子の発光量を変更する、紙葉類識別装置。
この適用例のセンサ制御部によれば、搬送速度の変動に応じた各ラインごとの読み取り時間の調整に伴って、発光素子の発光量が調整される。そのため、受光素子の出力信号(受光信号)を、紙葉類の搬送速度に応じて適切に調整することができる。例えば、受光信号に基づいて得られる受光量(受光素子の出力値)の時間積分の変動を抑制することができる。従って、紙葉類の搬送速度の変動に伴う、紙葉類の識別性の低下が抑制される。
【0010】
[適用例4]
適用例2または適用例3記載の紙葉類識別装置であって、
前記センサ制御部は、さらに、前記搬送速度検出部によって検出された前記搬送速度の変化の度合いに応じて、前記受光素子の出力信号を補正する、紙葉類識別装置。
この適用例のセンサ制御部によれば、搬送速度の変動に応じた、各ラインごとの読み取り時間の調整に伴って、受光素子の出力信号である受光信号が適切に調整される。従って、例えば、受光信号に基づいて得られる受光量(受光素子の出力値)の時間積分の変動を抑制することができ、紙葉類の搬送速度の変動に伴う、紙葉類の識別性の低下が抑制される。
【0011】
[適用例5]
適用例2〜4のいずれかに記載の紙葉類識別装置であって、
前記センサ部は、複数の色の光を用いて前記ライン単位の読み取りを実行し、
前記センサ制御部は、前記ラインごとに読み取る色を切り替える、紙葉類識別装置。
この適用例の紙葉類識別装置であれば、複数の色ごとの読み取りデータを取得できるため、紙葉類の識別性を、より向上させることができる。
【0012】
[適用例6]
紙葉類を走査することにより前記紙葉類の種別を識別する紙葉類識別装置の制御方法であって、
(a)前記紙葉類を第1の方向に搬送する工程と、
(b)前記紙葉類の搬送速度の変化を検出する工程と、
(c)搬送されている前記紙葉類のパターンを、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿ったライン単位で読み取る工程と、
を備え、
前記工程(c)は、前記工程(b)で検出された前記紙葉類の搬送速度の変化の度合いに応じて、前記ラインを読み取る周期と、前記ラインの読み取り時間とを変更する工程を含む、制御方法。
【0013】
[適用例7]
スキャナ装置であって、
走査対象である紙葉類を第1の方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されている前記紙葉類のパターンを、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿ったライン単位で読み取るセンサ部と、
前記紙葉類の搬送速度の変化を検出する搬送速度検出部と、
前記センサ部を制御して、前記搬送速度検出部によって検出された前記搬送速度の変化の度合いに応じて、前記ラインを読み取る周期と、前記ラインの読み取り時間とを変更する、センサ制御部と、
を備える、スキャナ装置。
このスキャナ装置であれば、走査対象である紙葉類の搬送速度の変動に伴う各ラインにおける走査範囲の変動が抑制される。
【0014】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、媒体を搬送しつつ光学的に読み取るスキャナ装置およびその制御方法、そのスキャナ装置を用いた紙葉類識別装置およびその制御方法、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】紙幣識別装置の構成を示す概略図。
【図2】発光部における各発光素子の発光タイミングを示すタイミングチャートと、各発光素子によって走査される領域とを示す模式図。
【図3】受光部が出力する受光信号を説明するための説明図。
【図4】紙幣の搬送速度の変動による各ラインごとの読み取り開始位置の変動を説明するための模式図。
【図5】発光周期調整部が各発光素子の駆動信号の補正に用いる補正用マップの一例を示す概略図。
【図6】紙幣の搬送速度の変動に起因する紙幣における各ラインごとの読み取り終了位置の変動を説明するための模式図。
【図7】各ラインの読み取り範囲の幅の変動に起因する受光信号の変化を説明するための模式図。
【図8】発光時間調整部が各発光素子の駆動信号の補正に用いる補正用マップの一例を示す概略図。
【図9】発光時間調整部の補正による受光信号の変化を説明するための模式図。
【図10】第2実施例としての紙葉類識別装置の構成を示す概略図。
【図11】発光量調整部が各発光素子の発光量の補正に用いる補正用マップの一例を示す概略図。
【図12】発光量調整部の補正による受光信号の変化を説明するための模式図。
【図13】第3実施例としての紙葉類識別装置の構成を示す概略図。
【図14】センサ出力補正部がセンサ出力の補正に用いる補正値を得るためのマップの一例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
A.第1実施例:
図1は本発明の一実施例としての紙葉類識別装置の構成を示す概略図である。この紙葉類識別装置100は、紙幣BLを1枚ずつ連続的に搬送し、その表面に印刷された印刷パターンを光学的に読み取り、その金種を識別する紙幣識別装置である。紙葉類識別装置100は、制御部10と、紙幣搬送部20と、センサ部30とを備える。
【0017】
制御部10は、中央処理装置と、主記憶装置とを備えるマイクロコンピュータとして構成され、所定のプログラムを実行することにより、センサ制御部11や、紙幣判定処理部12、搬送制御部15として機能する。センサ制御部11は、センサ部30に対して駆動信号を発行するなどし、センサ部30を制御する。
【0018】
また、センサ制御部11は、センサ部30の駆動信号を補正する発光周期調整部111および発光時間調整部112を備えている。発光周期調整部111および発光時間調整部112による駆動信号の補正処理については後述する。紙幣判定処理部12は、センサ部30が出力する受光データを用いて、紙幣BLの金種を識別する。搬送制御部15は、紙幣搬送部20に対して駆動命令を発行し、紙幣BLの搬送を制御する。
【0019】
紙幣搬送部20は、複数の紙幣BLを積層収容するスタッカ(図示せず)から1枚ずつ連続して供給される紙幣BLを、所定の方向(以後、「搬送方向PD」と呼ぶ)に、所定の搬送速度で搬送する。紙幣搬送部20は、搬送ローラ21と、ローラ駆動部22と、搬送速度検出部25とを備える。搬送ローラ21は、その回転駆動により、紙幣BLを搬送する。ローラ駆動部22は、駆動力源であるモータを備え、制御部10の搬送制御部15からの指令に基づき、搬送ローラ21を駆動する。
【0020】
ここで、紙幣BLは、通常、その重さや疲弊度(紙幣BLの撓みの度合いや、経年劣化の度合い)などが個体ごとに異なるため、紙幣搬送部20における紙幣BLの搬送速度は、紙幣BLの個体ごとに変動してしまう場合がある。そこで、本実施例の紙葉類識別装置100では、搬送速度検出部25によって、紙幣BLの搬送速度を検出する。
【0021】
搬送速度検出部25は、例えば、ローラ駆動部22のモータの回転数を検出するエンコーダによって構成することができる。搬送速度検出部25は、検出した紙幣BLの搬送速度を制御部10に出力する。なお、搬送速度検出部25が取得した搬送速度は、後述する発光周期調整部111および発光時間調整部112による駆動信号の補正処理に用いられる。
【0022】
センサ部30は、発光部31と、受光部32と、発光制御部35と、出力変換部36とを備える。発光部31は、光の三原色に対応する色(赤(R),緑(G),青(B))ごとの発光素子31R,31G,31Bを備える。発光部31は、各色ごとの走査光を、紙幣BLの券面に向かって射出する。受光部32は、走査光が紙幣BLによって反射された反射光を受光し、その反射光の光量に応じた受光信号を出力する。なお、図1では、走査光および反射光の光路LPを一点鎖線で図示してある。
【0023】
発光制御部35は、制御部10が出力する駆動信号が表す発光命令に応じて、発光部31に走査光を射出させる。出力変換部36は、受光部32が出力する受光信号を受信し、A/D変換して受光データを生成する。そして、その受光データを、制御部10へと送信する。
【0024】
図2(A)は、発光部31の各発光素子31R,31G,31Bの発光タイミングを示すタイミングチャートである。このタイミングチャートには、上段・中断・下段にそれぞれ、発光制御部35が各色の発光素子31R,31G,31Bに送信する駆動信号を、時間軸を互いに対応させて示してある。各発光素子31R,31G,31Bの駆動信号は、矩形波で表され、その立ち上がりが発光開始を示し、その立ち下がりが発光終了(消光)を示している。
【0025】
本実施例の紙葉類識別装置100では、各発光素子31R,31G,31Bはそれぞれ、互いの走査光を射出する期間(発光時間)をずらしつつ、一定の周期で発光と消光とを繰り返す。なお、各発光素子31R,31G,31Bの発光時間の長さは同じである。以後、各発光素子31R,31G,31Bのそれぞれが発光する周期を、「発光周期FL」と呼ぶ。また、各発光素子31R,31G,31Bのそれぞれが発光を開始した後、消光するまでの期間を「発光時間TL」と呼ぶ。
【0026】
図2(B)は、紙幣BLの走査対象となる側の面を示す模式図である。図2(B)には、各発光素子31R,31G,31Bの走査光が照射される領域AR,AG,ABをそれぞれ異なるハッチングを付して模式的に図示してある。また、図2(B)には、紙葉類識別装置100における紙幣BLの搬送方向PDを矢印で図示してある。
【0027】
本実施例の紙葉類識別装置100では、紙幣BLは、紙幣搬送部20によって搬送されつつ、各発光素子31R,31G,31Bによって、その搬送方向PDに垂直に交差する方向(以後、「走査方向」と呼ぶ)に走査される。なお、紙幣BLを走査する各発光素子31R,31G,31Bは、周期的に切り替えられる(図2(A))。これによって、紙幣BLは、一定間隔のライン単位で、走査光の色を切り替えて、その印刷パターンが読み取られる。
【0028】
図3は、受光部32が出力する受光信号を説明するための説明図である。図3では、発光部31のうちの赤色の発光素子31Rの発光によって得られる受光信号の一例を、横軸を時間とし、縦軸をセンサ出力とするグラフによって示してある。なお、以下では、赤色の発光素子31Rの発光によって得られる受光信号について説明するが、赤色の発光素子31R以外の発光素子31G,31Bの発光によって得られる受光信号についても同様であるため、それらの受光信号についての説明は省略する。
【0029】
図2で説明したとおり、本実施例の紙葉類識別装置100では、紙幣BLの印刷パターンの読み取りの際には、赤色の発光素子31Rは、発光時間TLの発光を、発光周期FLで繰り返す。そのため、赤色の発光素子31Rの発光によって得られる受光信号は、発光周期FLで断続的に現れる、発光時間TLの時間幅を有する信号として、離散的に検出される。
【0030】
なお、図3では、赤色の発光素子31Rの発光により検出される受光信号(発光時間TLの間に取得される信号)を実線で示してある。そして、参考として、赤色の発光素子31Rが消光することなく連続して発光していたならば得られたであろう信号を破線で示してある。
【0031】
本実施例の紙葉類識別装置100では、前記したとおり、図3で例示したような受光信号がA/D変換されて受光データが生成される。制御部10の紙幣判定処理部12(図1)は、その断続的に取得される受光データ(ラインごとの受光データ)を用いて金種の判定を行う。具体的には、紙幣判定処理部12は、各ラインごとの受光データから特徴量を抽出し、マスターデータとマッチングすることにより、金種を判定する。
【0032】
ところで、紙幣搬送部20による紙幣BLの搬送速度は、前記したような要因によって変動してしまう場合がある。この場合に、各発光素子31R,31G,31Bに対する駆動信号が一定のままであると、以下に説明するように、各ラインのスキャン範囲が異なってしまう。すると、得られる受光データは、マッチングデータとは異なる範囲の印刷パターンを示すデータとなってしまい、金種判定の判定精度が低下する原因となる。そこで、本実施例の紙葉類識別装置100では、センサ制御部11の発光周期調整部111や発光時間調整部112によって、各発光素子31R,31G,31Bに対する駆動信号を補正する。
【0033】
図4(A)〜(C)は、紙幣BLの搬送速度の変動に起因する各ラインの読み取り開始位置の変動を説明するための模式図である。図4(A)〜(C)にはそれぞれ、搬送方向PDを紙面左右方向とし、読み取り対象となる券面側を紙面上側として紙幣BLが模式的に図示されている。また、図4(A)〜(C)には、赤色の発光素子31Rと受光部32とが、紙幣BLに対してn(nは任意の自然数)ライン目の読み取りを開始するきの位置と、n+1ライン目の読み取りを開始するときの位置とにそれぞれ、実線または破線で図示されている。そして、nライン目とn+1ライン目の読み取り開始位置SPn,SPn+1を矢印で図示してある。なお、図4では、赤色の発光素子31Rについて説明するが、他の色の発光素子31G,31Bについても同様である。
【0034】
図4(A)は、予め設定された規定速度で紙幣BLが搬送されている場合を示しており、図4(B),(C)はそれぞれ、紙幣BLの搬送速度がその規定速度よりも速い場合と、遅い場合とを示している。図示されたように、搬送速度が速くなってしまうほど、各ラインの読み取り開始位置SPn,SPn+1の間隔が広くなり、各ラインの位置は、搬送方向の下流側にずれてしまう。また、搬送速度が遅くなってしまうほど、各ラインの読み取り開始位置SPn,SPn+1の間隔は狭くなり、各ラインの位置は、搬送方向の上流側にずれてしまう。
【0035】
図5は、発光周期調整部111が、各発光素子31R,31G,31Bの駆動信号の補正に用いる補正用マップの一例を示す概略図である。図5には、発光周期調整部111の用いる補正用マップMP1が、横軸を搬送速度とし、縦軸を発光周期とするグラフとして表してある。発光周期調整部111は、搬送速度検出部25が検出した紙幣BLの搬送速度VPが速いほど、発光周期FLが長くなるように、各発光素子31R,31G,31Bの駆動信号(図2(A))を補正する。
【0036】
これによって、紙幣BLにおける各ラインの読み取り開始位置SPを、紙幣BLの搬送速度が規定速度のとき(図4(A))と一致させることができる。即ち、紙幣BLの読み取りの際の各ラインの上流端の位置を、紙幣BLの搬送速度の変動にかかわらず、一定に保持することができる。
【0037】
図6(A)〜(C)は、紙幣BLの搬送速度の変動に起因する各ラインの読み取り幅の変動を説明するための模式図である。なお、以下では、赤色の発光素子31Rの発光により読み取られるラインについて説明するが、他の色の発光素子31G,31Bの発光により読み取られるラインについても同様である。
【0038】
図6(A)〜(C)にはそれぞれ、紙幣BLの読み取り対象となる券面側が模式的に図示されている。そして、赤色の発光素子31Rの走査光によって読み取られる各ラインの読み取り開始位置である上流端SLと、読み取り終了位置である下流端ELとをそれぞれ、一点鎖線と二点鎖線で図示してある。
【0039】
また、図6(A)〜(C)では、各ラインごとの読み取り領域AR(各ラインの上流端SLと下流端ELの間の領域)にハッチングを付してある。図6(A)は、予め設定された規定速度で紙幣BLが搬送されている場合を示しており、図6(B),(C)はそれぞれ、紙幣BLの搬送速度がその規定速度よりも速い場合と、遅い場合とを示している。
【0040】
ここで、発光周期調整部111によって、紙幣BLの搬送速度に応じた補正がなされた場合には、図4,図5で説明したとおり、各ラインの上流端SLの位置が一定となる。しかし、各ラインにおける読み取り時間が調整されない場合には、スキャン範囲である各ラインの読み取り幅SWが紙幣BLの搬送速度に応じて異なってしまう。具体的には、搬送速度が速くなってしまうほど、各ラインの読み取り幅SWが広くなり(図6(B))、搬送速度が遅くなってしまうほど、各ラインの読み取り幅SWは狭くなってしまう図6(C)。
【0041】
図7(A)〜(C)は、図6で説明した各ラインの読み取り幅SWの変動に起因する受光信号の変化を説明するための模式図である。図7(A)〜(C)にはそれぞれ、図6(A)〜(C)で例示したそれぞれのスキャン範囲の場合に、赤色の発光素子31Rの発光によって取得される受光信号の例が、図3と同様に図示されている。
【0042】
図6で説明したように、紙幣BLの搬送速度の変化によって、各ラインの読み取り幅が変動してしまうと、各ラインごとに取得される受光信号が異なってきてしまう。具体的に、受光信号の波形は、搬送速度が規定速度よりも速くなった場合には、センサ出力の振幅が保持されたまま、時間軸に沿った方向に押し縮めたような形状となる(図7(B))。
【0043】
一方、搬送速度が規定速度よりも遅くなった場合には、センサ出力の振幅が保持されたまま、時間軸に沿った方向に引き延ばされたような形状となる(図7(C))。従って、金種の判定処理を実行する場合には、マスターデータとは異なる領域の特徴量が得られてしまう結果となってしまう。
【0044】
そこで、本実施例の紙葉類識別装置100では、各ラインの読み取り時間を調整して、各ラインの読み取り幅を一定にする。具体的には、発光時間調整部112が、各発光素子31R,31G,31Bの駆動信号を補正して、それらの発光時間TLを補正し、各ラインの読み取り時間を調整する。
【0045】
図8は、発光時間調整部112が、各発光素子31R,31G,31Bの駆動信号の補正に用いる補正用マップの一例を示す概略図である。図8には、発光時間調整部112の用いる補正用マップが、横軸を搬送速度とし、縦軸を発光時間とするグラフとして表してある。
【0046】
発光時間調整部112は、搬送速度検出部25が検出した紙幣BLの搬送速度VPが速いほど、発光時間TLが短くなるように、各発光素子31R,31G,31Bの駆動信号を補正する。これによって、各ラインの読み取り幅SWを規定速度のとき(図6(A))に一致させることができる。即ち、紙幣BLの読み取りの際の各ラインの読み取り幅を、紙幣BLの搬送速度の変動にかかわらず、一定に保持することができる。
【0047】
図9(A)〜(C)は、発光時間調整部112の補正による受光信号の変化を説明するための模式図である。図9(A)〜(C)はそれぞれ、発光時間の範囲が異なる点以外は、図7(A)〜(C)とほぼ同じである。発光周期調整部111や、発光時間調整部112による駆動信号の補正により、各ラインごとのスキャン範囲は一定となる。そのため、同じ種類の紙幣BLを走査したときに得られる受光信号としては、紙幣BLの搬送速度が変動により、時間軸方向の比率のみが変動した波形が得られることになる。
【0048】
このように、本実施例の紙葉類識別装置100であれば、発光周期調整部111や発光時間調整部112が、紙幣BLの搬送速度に応じて、各発光素子31R,31G,31Bの発光周期や発光時間を補正する。従って、紙幣BLの搬送速度の変動に起因して、紙幣BLのスキャン範囲が変動してしまうことが抑制され、金種判定の精度が低下してしまうことが抑制される。
【0049】
B.第2実施例:
図10は本発明の第2実施例としての紙葉類識別装置100Aの構成を示す概略図である。図10は、制御部10Aのセンサ制御部11Aに、発光量調整部113が設けられている点以外は図1とほぼ同じである。第2実施例の紙葉類識別装置100Aでは、センサ制御部11Aの発光量調整部113が、紙幣BLの搬送速度に応じて、各発光素子31R,31G,31Bの発光量を補正する。
【0050】
図11は、発光量調整部113が、各発光素子31R,31G,31Bの発光量の補正に用いる補正用マップの一例を示す概略図である。図11には、発光量調整部113の用いる補正用マップMP3が、横軸を搬送速度とし、縦軸を発光量とするグラフとして表してある。発光量調整部113は、搬送速度検出部25が検出した紙幣BLの搬送速度VPが速いほど、各発光素子31R,31G,31Bの発光量ILが大きくなるように、各発光素子31R,31G,31Bの駆動信号を補正する。
【0051】
図12は、発光量調整部113の補正による受光信号の変化を説明するための模式図である。なお、以下では、赤色の発光素子31Rの発光により取得される受光信号について説明するが、他の色の発光素子31G,31Bの発光により取得される受光信号についても同様である。
【0052】
図12(A)〜(C)はそれぞれ、赤色の発光素子31Rの発光により取得される受光信号の一例を、紙幣BLの搬送速度が異なる場合ごとにグラフで表したものであり、以下に説明する点以外は、図9(A)〜(C)と同様である。図12(A)〜(C)には、発光量調整部113による補正が行われなかった場合に取得される受光信号が一点鎖線で図示してある。また、図12(A)〜(C)には、以下に説明する積算受光量が表す面積領域にハッチングを付してある。
【0053】
ここで、第1実施例の紙葉類識別装置100では、発光周期調整部111と、発光時間調整部112とがそれぞれ、紙幣BLの搬送速度の変動に応じて、発光周期と、発光時間とを補正していた。これによって、紙幣BLの搬送速度の変動にかかわらず、各ラインのスキャン範囲が変動してしまうことが抑制されていた。
【0054】
しかし、この場合であっても、受光信号のセンサ出力値を時間積分することにより得られる値(以後、本明細書では、「積算受光量」と呼ぶ)が変動してしまう。より具体的には、紙幣BLの搬送速度が速くなるほど、発光時間が短く補正されるため、積算受光量は低下してしまう。逆に、紙幣BLの搬送速度が遅くなるほど、発光時間が長く補正されるため、積算受光量は増大してしまう。金種の判定精度を向上させるためには、受光信号に基づき得られる積算受光量が、紙幣BLの搬送速度にかかわらず一定であることが好ましい。
【0055】
そこで、第2実施例の紙葉類識別装置100Aでは、発光量調整部113が、各発光素子31R,31G,31Bの発光量を調整することにより、受光部32のセンサ出力を紙幣BLの搬送速度に応じて変動させ、積算受光量の変動を抑制する。より具体的には、発光量調整部113は、図11のマップMP3を用いて、紙幣BLの搬送速度が速いほど、各発光素子31R,31G,31Bの発光量が増大するように補正する。
【0056】
即ち、第2実施例の紙葉類識別装置100Aでは、紙幣BLの搬送速度が予め設定された規定速度よりも速い場合には、搬送速度が規定速度のときよりも、各発光素子31R,31G,31Bの発光量が増大する方向に補正される。従って、受光部32が出力するセンサ出力が、各発光素子31R,31G,31Bの発光量が補正されなかった場合よりも増大し、積算受光量は、搬送速度が規定速度のときの積算受光量に近づく(図12(A),(B))。
【0057】
そして、紙幣BLの搬送速度が規定速度よりも遅い場合には、搬送速度が規定速度のときよりも、各発光素子31R,31G,31Bの発光量が低下する方向に補正される。従って、この場合に受光信号として得られるセンサ出力は、発光量が補正されなかった場合よりも低下し、積算受光量は、搬送速度が規定速度のときの積算受光量に近づく(図12(A),(C))。
【0058】
このように、第2実施例の紙葉類識別装置100Aでは、紙幣BLの搬送速度の変動によって積算受光量が変動してしまうことが抑制される。従って、この第2実施例の紙葉類識別装置100Aによれば、紙幣BLの搬送速度の変動によって金種の判定精度が低下してしまうことが、さらに抑制される。
【0059】
C.第3実施例:
図13は、本発明の第3実施例としての紙葉類識別装置100Bの構成を示す概略図である。図13は、制御部10Bのセンサ制御部11Bに、発光量調整部113に代えてセンサ出力補正部114が設けられている点以外は図10とほぼ同じである。第3実施例の紙葉類識別装置100Bでは、センサ制御部11Bのセンサ出力補正部114が、紙幣BLの搬送速度に応じて、受光データ中における受光信号のセンサ出力に相当する値(以下、「センサ出力値」と呼ぶ)を補正する。
【0060】
図14は、センサ出力補正部114が、センサ出力値の補正に用いる補正値を得るためのマップの一例を示す概略図である。図11には、センサ出力補正部114の用いる補正用マップMP4が、横軸を搬送速度とし、縦軸を補正値とするグラフとして表してある。
【0061】
センサ出力補正部114は、このマップMP4を用いて、搬送速度検出部25が検出した紙幣BLの搬送速度VPが速いほど高い補正値Cを取得する。そして、取得した補正値Cをセンサ出力値に乗算して、センサ出力値を補正する。なお、このセンサ出力補正部114によるセンサ出力値の補正は、センサ出力補正部114が、受光部32のセンサ出力を補正しているものと解釈することが可能である。
【0062】
このように、第3実施例の紙葉類識別装置100Bでは、紙幣BLの搬送速度が速いほど、受光部32のセンサ出力が増幅される。従って、紙幣BLの搬送速度が規定速度より速くなると、センサ出力の増幅率が上昇し、逆に、搬送速度が規定速度よりも遅くなると、センサ出力の増幅率が低下する。そのため、第2実施例の紙葉類識別装置100Aと同様に、紙幣BLの搬送速度の変動に起因する積算受光量の変動が抑制され、金種判定の精度の低下が抑制される。
【0063】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0064】
D1.変形例1:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、発光周期調整部111や発光時間調整部112、発光量調整部113、センサ出力補正部114の機能の一部または全部を回路によって実行させることもできる。
【0065】
D2.変形例2:
上記実施例の紙葉類識別装置100,100A,100Bは、紙幣BLの金種判定を実行する紙幣識別装置として構成されていた。しかし、紙葉類識別装置100,100A,100Bは、紙幣BLの金種の識別ではなく、他の紙葉類の種別を識別する装置として構成することもできる。また、上記実施例の紙葉類識別装置100,100A,100Bが備える紙幣搬送部20やセンサ部30、センサ制御部11,11A,11Bの構成を利用して、連続的に複数の紙葉類の表面を走査するスキャナ装置を構成することも可能である。
【0066】
D3.変形例3:
上記実施例では、センサ制御部11,11A,11Bは、各発光素子31R,31G,31Bの発光時間を補正することにより、搬送速度の変動に起因する各ラインのスキャン範囲の幅の変動を抑制していた。しかし、センサ制御部11,11A,11Bは、各発光素子31R,31G,31Bの発光時間ではなく、受光部32が受光を受け付ける時間や、受光信号から各ラインごとのセンサ出力を取得する時間幅を調整するものとしても良い。即ち、センサ制御部11,11A,11Bは、センサ部30がラインごとの読み取り時間を調整し、各ラインのスキャン範囲の幅を調整すれば良い。
【0067】
D4.変形例4:
上記実施例のセンサ部30では、発光部31が射出した走査光を紙幣BLに反射させ、その反射光を受光部32が受光していた。しかし、センサ部30では、発光部31が射出した走査光を、紙幣BLに透過させ、その透過光を受光部32が受光するものとしても良い。
【0068】
D5.変形例5:
上記実施例では、センサ部30は、光の三原色に対応する色ごとの受光信号を取得していた。しかし、センサ部30は、一種類の色についての受光信号を取得するものとしても良いし、2つの色ごとの受光信号、または、さらに複数の色ごとの受光信号を取得するものとしても良い。
【0069】
D6.変形例6:
上記実施例では、発光周期調整部111と、発光時間調整部112と、発光量調整部113と、センサ出力補正部114とはそれぞれ、マップMP1〜MP4を用いて、補正処理を実行していた。しかし、発光周期調整部111と、発光時間調整部112と、発光量調整部113と、センサ出力補正部114とはそれぞれ、マップMP1〜MP4に限らず、所定の関数やプログラムなどの所定のアルゴリズムを用いて補正処理を実行するものとしても良い。また、第3実施例において、出力変換部36が、受光信号のセンサ出力を直接的に補正するものとしても良い。
【0070】
D7.変形例7:
上記実施例では、発光部31は各色ごとの発光素子を備えていたが、発光部31は各色ごとの発光素子31R,31G,31Bを備えていなくとも良い。発光部31は、例えば、白色の発光素子のみを有し、その走査光、または、その走査光が反射された反射光を、フィルタによって色分解するものとしても良い。
【0071】
D8.変形例8:
上記実施例では、センサ部30は、発光部31と受光部32とによって、光学的に紙幣BLを走査していた。しかし、センサ部30は、他の物理的手段により、紙幣BLを走査するものとしても良い。例えば、センサ部30は、磁気センサによって紙幣BLの磁気インクのパターンを走査するものとしても良い。
【0072】
D9.変形例9:
上記第2実施例では、制御部10Aは、紙幣BLの搬送速度に応じて、各発光素子31R,31G,31Bの発光量を調整していた。また、上記第3実施例では、制御部10Bは、紙幣BLの搬送速度に応じて、センサ出力値を補正していた。しかし、紙葉類識別装置では、紙幣BLの搬送速度に応じた、それらの処理を組み合わせて実行するものとしても良い。これによって、紙幣BLの種別の判定精度を、より向上させることが可能である。
【符号の説明】
【0073】
10,10A,10B…制御部
11,11A,11B…センサ制御部
12…紙幣判定処理部
15…搬送制御部
20…紙幣搬送部
21…搬送ローラ
22…ローラ駆動部
25…搬送速度検出部
30…センサ部
31…発光部
31R,31G,31B…発光素子
32…受光部
35…発光制御部
36…出力変換部
100,100A,100B…紙葉類識別装置
111…発光周期調整部
112…発光時間調整部
113…発光量調整部
114…センサ出力補正部
BL…紙幣
LP…光路
MP1〜MP4…補正用マップ
PD…搬送方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を走査することにより前記紙葉類の種別を識別する紙葉類識別装置であって、
前記紙葉類を第1の方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されている前記紙葉類のパターンを、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿ったライン単位で読み取るセンサ部と、
前記紙葉類の搬送速度の変化を検出する搬送速度検出部と、
前記センサ部を制御して、前記搬送速度検出部によって検出された前記搬送速度の変化の度合いに応じて、前記ラインを読み取る周期と、前記ラインの読み取り時間とを変更する、センサ制御部と、
を備える、紙葉類識別装置。
【請求項2】
請求項1記載の紙葉類装置であって、
前記センサ部は、
前記紙葉類の表面に向かって発光する発光素子と、
前記紙葉類からの光を受光する受光素子と、
を備え、
前記センサ部は、前記発光素子と、前記受光素子とを用いて、前記ライン単位の読み取りを光学的に実行し、
前記センサ制御部は、前記紙葉類の搬送速度の変化の度合いに応じて、前記発光素子が発光する時間、または、前記複数の受光素子が受光する時間を変更することにより、前記読み取り時間を変更する、紙葉類識別装置。
【請求項3】
請求項2記載の紙葉類識別装置であって、
前記センサ制御部は、さらに、前記搬送速度検出部によって検出された前記搬送速度の変化の度合いに応じて、前記発光素子の発光量を変更する、紙葉類識別装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3記載の紙葉類識別装置であって、
前記センサ制御部は、さらに、前記搬送速度検出部によって検出された前記搬送速度の変化の度合いに応じて、前記受光素子の出力信号を補正する、紙葉類識別装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載の紙葉類識別装置であって、
前記センサ部は、複数の色の光を用いて前記ライン単位の読み取りを実行し、
前記センサ制御部は、前記ラインごとに読み取る色を切り替える、紙葉類識別装置。
【請求項6】
紙葉類を走査することにより前記紙葉類の種別を識別する紙葉類識別装置の制御方法であって、
(a)前記紙葉類を第1の方向に搬送する工程と、
(b)前記紙葉類の搬送速度の変化を検出する工程と、
(c)搬送されている前記紙葉類のパターンを、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿ったライン単位で読み取る工程と、
を備え、
前記工程(c)は、前記工程(b)で検出された前記紙葉類の搬送速度の変化の度合いに応じて、前記ラインを読み取る周期と、前記ラインの読み取り時間とを変更する工程を含む、制御方法。
【請求項7】
スキャナ装置であって、
走査対象である紙葉類を第1の方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されている前記紙葉類のパターンを、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿ったライン単位で読み取るセンサ部と、
前記紙葉類の搬送速度の変化を検出する搬送速度検出部と、
前記センサ部を制御して、前記搬送速度検出部によって検出された前記搬送速度の変化の度合いに応じて、前記ラインを読み取る周期と、前記ラインの読み取り時間とを変更する、センサ制御部と、
を備える、スキャナ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−73286(P2013−73286A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210025(P2011−210025)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】