紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置
【課題】充填機において容器の搬送位置の変動を抑制し、各工程の各部所（セクション）に対する容器の位置変動の少ない安定した搬送ができるようにするとともに角寸サイズの異なる容器であってもホルダーのサイズ調整が容易な容器搬送装置を提供する。
【解決手段】軌道レール１の環状外側に密に一列状に等間隔に滑動移動可能に隣接配列した容器Ｃを保持する複数個の筒状容器ホルダー部２と、各々支持アーム部４と、滑動ロール５と、滑動板部３と、前記容器ホルダー部２内に装填されて搬送される容器Ｃの下部を下側にて保持する容器保持レール６とから構成される容器ホルダー手段Ａと、長円環状軌道レール１の長手方向両端部にて対向する各々一対の半円形部の内周面に沿って駆動回転可能に近接して配置された一対の各々回転円盤部１０と、各々滑動ロール５の半円形部を嵌合する各々半円形凹部１１とから構成される容器ホルダー移動手段Ｂとを備える。
【解決手段】軌道レール１の環状外側に密に一列状に等間隔に滑動移動可能に隣接配列した容器Ｃを保持する複数個の筒状容器ホルダー部２と、各々支持アーム部４と、滑動ロール５と、滑動板部３と、前記容器ホルダー部２内に装填されて搬送される容器Ｃの下部を下側にて保持する容器保持レール６とから構成される容器ホルダー手段Ａと、長円環状軌道レール１の長手方向両端部にて対向する各々一対の半円形部の内周面に沿って駆動回転可能に近接して配置された一対の各々回転円盤部１０と、各々滑動ロール５の半円形部を嵌合する各々半円形凹部１１とから構成される容器ホルダー移動手段Ｂとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、角筒状の紙製液体包装容器を製函して液体内容物を充填する紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、従来の紙製液体包装容器製函充填機としては、図８（ａ）の全体側面図及び図８（ｂ）の全体平面図に示すように、容器成形部４０と、該容器成形部４０と接続して設けられたチャンバー５０（カバー体）内には、ホルダー５１が一定間隔で取り付けてあるエンドレスチェーン５２からなる搬送機構５３、および前記チェーン５２に沿ってガイド５４が設けられていて、前記エンドレスチェーン５２は、両端の駆動回転するスプロケット３０、３１により矢印方向に送行している。なお、無菌充填機のチャンバー５０の場合は陽圧状態の無菌エアーが供給される無菌チャンバー５０となっている。
【０００３】
前記成形部４０は、折り畳まれた偏平形状の四角筒体１を多数枚集積して前方に１枚ずつフィードするカートンマガジン部４１と、四角筒体１を偏平形状から立体形状の四角筒体１に立ち起こす立ち起こし部４２と、立ち起こした四角筒体１を装填支持して容器Ｃのボトム部をヒートシール成形して角筒容器Ｃを成形する複数本のマンドレルアーム４５を水平方向の回転軸４４に放射状に有して垂直回転する垂直回転方式のマンドレル部４３（ボトム成形工程）を備えている。
【０００４】
チャンバー５０には、ジュース、牛乳、酒等の内容物を容器Ｃに頂部開口部より充填する充填部５８からなる充填工程と、容器Ｃのトップ部（頂部開口部）を加熱する加熱部５９からなる加熱工程と、この加熱したトップ部（開口部）を圧着しヒートシールして密封シールする密封部６０からなる密封工程（トップシール工程）と、充填密封容器Ｃを搬出する搬出部６２からなる搬出工程等からなっている。
【０００５】
また、例えば、無菌チャンバー５０の場合は、搬入部６１から搬入された容器Ｃの外部を殺菌する外部殺菌部５５と容器Ｃ内部を殺菌する内部殺菌部５６とからなる殺菌工程と、容器Ｃ内部の殺菌駅を乾燥すると共に加熱殺菌する乾燥部５７からなる乾燥工程と、ジュース、牛乳、酒等の内容物を容器Ｃに頂部開口部より充填する充填部５８からなる充填工程と、容器Ｃの頂部開口部を加熱する加熱部５９からなる加熱工程と、この加熱した開口部を圧着しヒートシールして密封シールする密封部６０からなる密封工程と、充填密封容器Ｃを搬出する搬出部６２からなる搬出工程等からなっている。そして、無菌エア送風部６３は搬入部６１の反対側に設けられている。
【０００６】
また、従来の紙製液体包装容器製函充填機としては、図９に示すように、容器底部をシール成形して角筒容器Ｃを成形する複数本のマンドレルアーム４８を当間隔に垂直回転軸１０ｃに支持されて回転する回転板１０ａの外周部に沿って垂直下向きに取付けた水平回転方式のマンドレル部４３を備えた充填機があり、ラインの一端には、ボトム成形用に使用されるマンドレル４８がターンテーブル２に対して等間隔で配置され且つ垂直に釣り下げられて固定されている。
【０００７】
そして、偏平状のカートン１を多数枚集積したマガジン４１からカートン１が１部ずつ取り出されて、カートン１は角筒状に成形された（立ち起こされた）後にマンドレル４８に供給され装着され保持されて、ターンテーブル１０ａが、ほぼ一回転する間に、ボトム成形工程Ｔ１にて、その角筒状カートン１のボトム部（カートン下部）が折り込まれ、加熱シールされて、密封成形されたボトム部と開口するトップ部とを備えた角筒容器Ｃとし
て成形加工される。
【０００８】
このボトム成形工程Ｔ１にてボトム部が密閉され、トップ部が開放する角筒容器Ｃは、次にマンドレル４８から下方に引き抜かれ、エンドレスチェーン５２に等間隔に取付けられたホルダー５１をもつ直進搬送装置Ｌへ移載されて、必要に応じて角筒容器Ｃのトップ部（カートン上部）に口栓を取付ける口栓取付工程Ｔ２、角筒容器Ｃのトップ部を仮折りするトップ折り込み工程Ｔ３を経て、順次、充填工程Ｔ４、トップ部折り込み工程（又は加熱工程）Ｔ５、加熱工程（又は折り込み工程）Ｔ６、トップ部圧着密封工程Ｔ７、必要に応じて加熱、密封後のトップ密封済みの角筒容器Ｃを水洗冷却する冷却工程Ｔ８、搬出工程Ｔ９に順次搬送されながら、充填、トップ部折り、加熱、トップ部密封、搬出が行われるようになっている。
【０００９】
以下に、本発明の技術に関連する公知文献を記載する。
【特許文献１】特開平１１−１６５７１１号公報
【特許文献２】特開平１１−１６５７１２号公報
【特許文献３】特開２００２−２５５３３４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
ところで、上記紙製液体包装容器製函充填機における従来の容器搬送機構５３は、複数のホルダー５１を一定間隔で取り付けたエンドレスチェーン５２により構成されており、そのチェーン５２の両端を駆動回転するスプロケット３０、３１に巻回されて、間欠的に連続回転送行させているため、稼動を繰り返すうちに、僅かではあるかエンドレスチェーン５２が経時的に伸長する。
【００１１】
そのために殺菌工程における外部殺菌部５５や内部殺菌部５６、乾燥工程における乾燥部５７、充填工程における充填部５８、加熱工程における加熱部５９、密封工程における密封部６０等の各工程の各部所（セクション）における各容器Ｃの搬送位置が変動して、包装容器Ｃに対する精度ある製函加工、充填操作が困難になり、製函、充填操作に支障が生じたり、また機械的な位置調整を頻繁に行わなければならないために、機械調整の労力や手間が掛かっていた。
【００１２】
本発明の課題は、紙製液体包装容器製函充填機において、容器の搬送位置の変動を抑制し、各工程の各部所（セクション）に対する容器の位置変動の少ない安定した搬送ができるようにするとともに、角寸サイズの異なる容器であってもホルダーのサイズ調整が容易な容器搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
本発明の請求項１に係る発明は、水平に配置されたエンドレス状の長円環状軌道レール１と、該環状軌道レール１に沿って滑動移動可能に該軌道レール１の環状外側に密に一列状に等間隔に隣接配列した容器Ｃを保持する複数個の筒状容器ホルダー部２と、該環状軌道レール１の下部及び上部を跨いで環状内側に向かって延設され且つ該各々容器ホルダー部２を取付け支持する各々支持アーム部４と、該各々支持アーム部４の延設先端部の垂直支軸に自由回転可能に軸支され且つ該環状軌道レール１の環状内側面に沿って滑動回転する滑動ロール５と、該環状軌道レール１の環状外側面と各々容器ホルダー部２との間に設けた環状軌道レール１の環状外側面に沿って滑動する滑動板部３と、前記容器ホルダー部２内に装填されて搬送される容器Ｃの下部を下側にて保持する容器保持レール６とから構
成される容器ホルダー手段Ａと、該容器ホルダー手段における前記長円環状軌道レール１の長手方向両端部にて対向する各々一対の半円形部の内周面に沿って駆動回転可能に近接して配置された一対の各々回転円盤部１０と、該一対の各々回転円盤部１０の円周外面の複数個所に等間隔に設けられ且つ前記各々支持アーム部４の各々滑動ロール５の半円形部を嵌合する各々半円形凹部１１とから構成される容器ホルダー移動手段Ｂとを備え、容器ホルダー移動手段Ｂの一対の各々回転円盤部１０のいずれか一方又は両方の駆動回転により容器ホルダー手段Ａの各々容器ホルダー部２を長円環状軌道レール１に沿って移動させて、容器Ｃを搬送するようにしたことを特徴とする紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置である。
【００１４】
本発明の請求項２に係る発明は、上記請求項１に係る容器搬送装置において、前記筒状容器ホルダー部２は角筒状又は円筒状の容器ホルダー部２であって、角筒状又は円筒状の容器Ｃを搬送することを特徴とする紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置である。
【００１５】
本発明の請求項３に係る発明は、上記請求項１又は２に係る紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置において、前記環状軌道レール１に沿って滑動移動可能に該軌道レール１の環状外側に密に一列状に隣接配列した筒状容器Ｃを保持する複数個の前記筒状容器ホルダー部２の移動方向に沿って、容器ボトムシール成形された筒状容器Ｃを容器ホルダー部２内に装填する容器装填工程部Ｉ、容器殺菌工程部ＩＩ、内容物充填工程部ＩＩＩ、容器トップシール成形工程部ＩＶ、容器排出工程部Ｖを配置したことを特徴とする紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置である。
【００１６】
本発明の請求項４に係る発明は、上記請求項１乃至３のいずれか１項に係る紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置において、前記筒状容器ホルダー部２の筒内側面に沿って、容器Ｃの筒径サイズ変更用のサイズ調整筒体７が、密に差込み嵌合又は／及び着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項記載の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置である。
【発明の効果】
【００１７】
本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置は、紙を主体とする合成樹脂との複合シート材料により製函される各々筒状容器Ｃを搬送する筒状容器ホルダー部２の搬送移動機構に、エンドレスチェーンの回転送行方式を採用せずに、互いに隣接する複数個の各々容器ホルダー部２を、回転円盤部１０の駆動回転によって、長円環状軌道レール１に沿って、順次押し送りながら搬送移動させる押し送り搬送移動方式を採用したものであり、筒状容器Ｃに対するボトムシール成形やトップシール成形等の製函工程、及び容器殺菌工程、内容物充填工程等の各工程（例えば、マンドレル手段Ｈにより容器ボトムシール成形された角筒状容器Ｃを容器ホルダー部２内に装填する容器装填工程部Ｉ、殺菌工程部ＩＩ、充填工程部ＩＩＩ、容器トップシール成形工程部ＩＶ、容器排出工程部Ｖ）に対峙するように、各々容器ホルダー部２を間欠的に連続搬送させて製函充填稼動を繰り返しても、エンドレスチェーンの経時的な伸長を起因とする、筒状容器Ｃの搬送位置の変動を抑制でき、各工程の各部所（セクション）に対する容器の位置変動の少ない安定した搬送ができ、各容器Ｃの搬送位置の変動や、容器Ｃに対する製函加工や充填操作の精度の低下が回避でき、製函、充填操作における支障を回避でき、また頻繁な機械的位置調整の労力や手間を省力化できる効果がある。
【００１８】
また、本発明の上記容器搬送装置は、前記筒状容器ホルダー部２の筒内側面に沿って、筒状容器Ｃの筒径サイズ変更用のサイズ調整筒体２０を、密に差込み嵌合、及び着脱可能としたので、筒状容器Ｃの筒径サイズ（例えば角寸サイズ、直径サイズ）の異なる容器Ｃに対する製函、充填操作であっても、直ちにサイズ調整筒体２０を筒状容器ホルダー部２
の筒内側面に沿って装填することにより、容器ホルダー部２のサイズ変更調整を容易に行うことができる装置を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１９】
本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置の実施の形態を、図面に基づいて以下に詳細に説明する。
【００２０】
図１は、本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置の上面図であり、容器ホルダー手段Ａと、該容器ホルダー手段Ａを駆動移動させる容器ホルダー移動手段Ｂとを備えている。
【００２１】
図１に示すように、容器ホルダー手段Ａは、水平に配置されたエンドレス状の長円環状軌道レール１と、該環状軌道レール１に沿って滑動移動可能に該軌道レール１の環状外側に密に一列状に等間隔に隣接配列した容器Ｃを保持する複数個の筒状容器ホルダー部２を備えている。
【００２２】
各々筒状容器ホルダー部２は、その外形が概略的に、図１に示すような角筒状（あるいは図示しないが円筒状等）の筒状を呈している。
【００２３】
図２（ａ）は、１個の上記筒状容器ホルダー部２の上面図、（ｂ）〜（ｃ）は、その斜視図であり、複数個の各々筒状容器ホルダー部２は、同一形状、同一サイズであって、筒状容器ホルダー部２が角筒状の場合には、前記環状軌道レール１の環状外側から見て正面に備える正面板２ａと、その左右の両側面板２ｂ、２ｂと、環状軌道レール１の環状外側から見て背面に備えて正面板２ａと、その左右の両側面板２ｂ、２ｂを取付け支持し、該環状軌道レール１の環状外側面と各々容器ホルダー部２との間に設けた環状軌道レール１の環状外側面に沿って滑動する滑動板部３とから構成されている。なお、筒状容器ホルダー部２が円筒状の場合には、例えば、それぞれ前記正面板２ａと、その左右の両側面板２ｂ、２ｂとが、一体的な連続する円曲線の円筒状を呈する円筒板と、該円筒板を取付け支持する滑動板部３とから構成されている。
【００２４】
図２（ａ）〜（ｂ）に示すように、前記容器ホルダー部２の滑動板部３外面側の上部と下部には、容器ホルダー部２を環状軌道レール１に支持させるための支持アーム部４、４を備えている。
【００２５】
前記滑動板部３の支持アーム部４、４は、環状軌道レール１の下部及び上部を跨いで環状内側に向かって延設されており、上下の各々支持アーム部４、４の延設先端部には、垂直支軸５ａに自由回転可能に軸支された滑動ロール５を備えていて、該滑動ロール５は、環状軌道レール１の環状内側面に沿って滑動しながら回転できるようになっている。
【００２６】
図３は、図１のＭ−Ｍ部分正面断面図であり、滑動板部３の外面と滑動ロール５のロール周面との間に環状軌道レール１を挟み込むことにより、支持アーム部４、４に取り付けられた容器ホルダー部２は、滑動板部３とともに環状軌道レール１に対して滑動可能に支持されている。なお、環状軌道レール１と滑動板部３に使用するそれぞれ材料としては、耐摩耗性と滑性のある金属材料若しくはセラミック材料、又は耐摩耗性と滑性と耐熱性のある合成樹脂材料、又はそれらの材料を表面にライニングした金属材料又合成樹脂材料等を使用することが適当である。
【００２７】
また、図１に示すように前記環状軌道レール１の環状外側には、容器ホルダー部２内に装填されて搬送移動する容器Ｃの下部（底面）を下側にて保持する容器保持レール６を、その環状軌道レール１の環状形状に沿って備えている。
【００２８】
該容器保持レール６は、図４の部分側面図に示すように、容器ホルダー部２内に装填された容器Ｃをその底面を保持して水平に搬送する水平搬送用の容器保持レール６ａと、容器Ｃを容器ホルダー部２内にてスライド下降させながら搬送して、やがて容器ホルダー部２内から容器Ｃを離脱させる下降搬送用の傾斜する容器保持レール６ｂと、容器ホルダー部２内から離脱した容器Ｃの底面を水平に保持しながら、後続の容器Ｃによって水平方向に押し送り搬送する水平搬送用の容器保持レール６ｃを備えている。
【００２９】
また、上記容器保持レール６は、所定の高さに昇降動作可能な１個乃至数個の昇降保持手段Ｄにより保持されている。
【００３０】
前記昇降保持手段Ｄの構造は、本発明においては特に限定されるものではなく、ロッドエアシリンダ、ロッドレスエアシリンダ等の空圧方式や油圧方式により昇降移動する移動体、あるいは電動モータの回転により定位置にて駆動回転する垂直スクリューシャフトに螺着して昇降移動する移動体等がある。
【００３１】
例えば、図４に示すように、前記昇降保持手段Ｄの構造としては、本発明装置本体側のフレームＦに取付けられていて、該フレームＦに取り付けられたブラケット１２と、該ブラケット１２に垂直に取付けられたリニアガイド１３と、該リニアガイド１３に沿ってエアーにて昇降移動する移動体１４とからなるロッドレスエアシリンダと、該ロッドレスエアシリンダの昇降移動可能な移動体１４に取り付けた支持シャフト１５とから構成され、該支持シャフト１５が、容器保持レール６を下側から保持していて、該容器保持レール６は支持シャフト１５の昇降移動により所定の高さに昇降動作できるようになっている。
【００３２】
上記容器ホルダー手段Ａを駆動移動させる容器ホルダー移動手段Ｂは、図１、図３に示すように、容器ホルダー手段Ａの前記長円環状軌道レール１における長手方向両端部にて対向する各々一対の半円形部１ａの内周面に沿って、支軸１０ａを介して回転可能に近接して配置された一対の各々回転円盤部１０、１０を備えており、該円盤部１０の一方又は両方は、モータ等の動力源にて駆動回転可能となっている。
【００３３】
該一対の各々回転円盤部１０、１０の円周外端面１０ｂには、その複数個所に、前記各々支持アーム部４の各々滑動ロール５の半円形部を嵌合する各々半円形凹部１１が等間隔に設けられている。
【００３４】
そして、前記容器ホルダー手段Ａの各々容器ホルダー部２は、その支持アーム部４に取付けられた各々滑動ロール５の半円形部を、上記容器ホルダー移動手段Ｂの一対の各々回転円盤部１０、１０の各々半円形凹部１１内に嵌合（係合）して、その回転円盤部１０、１０のいずれか一方又は両方の駆動回転により長円環状軌道レール１に沿って、互いに密に隣接する他の各々容器ホルダー部２を押し送りしながら移動して、該各々容器ホルダー部２内に装填されている容器Ｃを搬送するものである。
【００３５】
例えば、前記容器ホルダー手段Ａの環状軌道レール１に沿って滑動移動可能に該軌道レール１の環状外側に密に一列状に隣接配列した角筒状又は円筒状の筒状容器Ｃを保持する複数個の筒状容器ホルダー部２の移動方向に沿って外側には、図１に示すように、容器ボトムシール成形した筒状容器Ｃを容器ホルダー部２内に装填する容器装填工程部Ｉと、容器殺菌工程部ＩＩと、内容物充填工程部ＩＩＩと、容器Ｃのトップ部２２（上部）をトップシール成形する容器トップシール成形工程部ＩＶと、容器排出工程部Ｖとが配置されている。
【００３６】
容器装填工程部Ｉでは、図４に示すように、容器ボトムシール成形工程にてマンドレル
手段Ｈ（又は図５（ａ）〜（ｂ）中の容器Ｃのボトム部をヒートシール成形して角筒容器Ｃを成形する複数本のマンドレルアーム４５を水平方向の回転軸４４に放射状に有して垂直回転する垂直回転方式のマンドレル部４３、又は図６中の容器底部をシール成形して角筒容器Ｃを成形する複数本のマンドレルアーム４８を当間隔に垂直回転軸１０ｃに支持されて回転する回転板１０ａの外周部に沿って垂直下向きに取付けた水平回転方式のマンドレル部４３）にて、筒状容器Ｃの胴面部２０を保持しながら、その容器Ｃのボトム部２１（下部）をボトムシール成形した筒状容器Ｃを、容器ホルダー部２内に装填する。
【００３７】
このように、容器ボトムシール成形工程部にてマンドレルＨにて紙製の液体包装用の筒状容器Ｃをボトムシールして底部を成形製函しながら、底部の成形された筒状容器Ｃを容器装填工程部Ｉにて容器ホルダー部２内に装填し、殺菌工程部ＩＩにて加熱エアー等にて殺菌し、充填工程部ＩＩＩにて筒状容器Ｃ内に内容物を充填し、容器トップシール成形工程部ＩＶにて充填された筒状容器Ｃのトップ部（上部）をトップシール成形して密封シールし、容器排出工程部Ｖにて密封シールされた容器Ｃを容器ホルダー部２内から離脱させて排出（図４参照）するものである。
【００３８】
本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置の筒状容器ホルダー部２には、図２（ａ）に示すように、該筒状容器ホルダー部２の筒内側面に沿って、密に差込み嵌合又は／及び着脱可能な角筒状又は円筒状の筒状容器Ｃの筒径サイズ変更用のサイズ調整筒体７が設けられている。
【００３９】
該サイズ調整筒体７は、角筒状又は円筒状であって、所定の厚さの金属材、プラスチック材、木質材等により形成されていて、紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置の角筒状又は円筒状の筒状容器ホルダー部２内に装填されて搬送される筒状容器Ｃの筒外径に対応して、その容器ホルダー部２の筒内側面に沿って密に差込み嵌合、装着するサイズ調整筒体７の筒内径が設定される。
【００４０】
図２（ａ）において、例えば、サイズ調整筒体７を使用しない場合には、図２（ｂ）に示すように、筒状容器ホルダー部２本体の筒内径は、紙製液体包装容器製函充填機の容器搬送装置によって搬送される筒状容器Ｃの筒外径Ｃ1 となり、また、サイズ調整筒体７を使用した場合には、図２（ｃ）に示すように、その筒体７の筒内径は、容器搬送装置によって搬送される筒状容器Ｃの筒外径Ｃ2 又はＣ3 となる。
【図面の簡単な説明】
【００４１】
【図１】本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置を説明する全体上面図。
【図２】（ａ）は本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置の筒状容器ホルダー部を説明する平面図、（ｂ）、（ｃ）はその斜視図。
【図３】本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置を説明する側断面図。
【図４】本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置を説明する部分側面図。
【図５】（ａ）は従来の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置を説明する概要側面図、（ｂ）はその上面図。
【図６】従来の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置を説明する概要側面図。
【符号の説明】
【００４２】
Ａ…容器ホルダー手段Ａ
Ｂ…容器ホルダー移動手段Ｂ
Ｃ…筒状容器
Ｉ…容器装填工程部
ＩＩ…容器殺菌工程部
ＩＩＩ…内容物充填工程部
ＩＶ…容器トップシール成形工程部
Ｖ…容器排出工程部
１…長円環状軌道レール
２…筒状容器ホルダー部
３…滑動板部
４…支持アーム部４
５…滑動ロール
６…容器保持レール
７…サイズ調整筒体
１０…回転円盤部
１１…半円形凹部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、角筒状の紙製液体包装容器を製函して液体内容物を充填する紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、従来の紙製液体包装容器製函充填機としては、図８（ａ）の全体側面図及び図８（ｂ）の全体平面図に示すように、容器成形部４０と、該容器成形部４０と接続して設けられたチャンバー５０（カバー体）内には、ホルダー５１が一定間隔で取り付けてあるエンドレスチェーン５２からなる搬送機構５３、および前記チェーン５２に沿ってガイド５４が設けられていて、前記エンドレスチェーン５２は、両端の駆動回転するスプロケット３０、３１により矢印方向に送行している。なお、無菌充填機のチャンバー５０の場合は陽圧状態の無菌エアーが供給される無菌チャンバー５０となっている。
【０００３】
前記成形部４０は、折り畳まれた偏平形状の四角筒体１を多数枚集積して前方に１枚ずつフィードするカートンマガジン部４１と、四角筒体１を偏平形状から立体形状の四角筒体１に立ち起こす立ち起こし部４２と、立ち起こした四角筒体１を装填支持して容器Ｃのボトム部をヒートシール成形して角筒容器Ｃを成形する複数本のマンドレルアーム４５を水平方向の回転軸４４に放射状に有して垂直回転する垂直回転方式のマンドレル部４３（ボトム成形工程）を備えている。
【０００４】
チャンバー５０には、ジュース、牛乳、酒等の内容物を容器Ｃに頂部開口部より充填する充填部５８からなる充填工程と、容器Ｃのトップ部（頂部開口部）を加熱する加熱部５９からなる加熱工程と、この加熱したトップ部（開口部）を圧着しヒートシールして密封シールする密封部６０からなる密封工程（トップシール工程）と、充填密封容器Ｃを搬出する搬出部６２からなる搬出工程等からなっている。
【０００５】
また、例えば、無菌チャンバー５０の場合は、搬入部６１から搬入された容器Ｃの外部を殺菌する外部殺菌部５５と容器Ｃ内部を殺菌する内部殺菌部５６とからなる殺菌工程と、容器Ｃ内部の殺菌駅を乾燥すると共に加熱殺菌する乾燥部５７からなる乾燥工程と、ジュース、牛乳、酒等の内容物を容器Ｃに頂部開口部より充填する充填部５８からなる充填工程と、容器Ｃの頂部開口部を加熱する加熱部５９からなる加熱工程と、この加熱した開口部を圧着しヒートシールして密封シールする密封部６０からなる密封工程と、充填密封容器Ｃを搬出する搬出部６２からなる搬出工程等からなっている。そして、無菌エア送風部６３は搬入部６１の反対側に設けられている。
【０００６】
また、従来の紙製液体包装容器製函充填機としては、図９に示すように、容器底部をシール成形して角筒容器Ｃを成形する複数本のマンドレルアーム４８を当間隔に垂直回転軸１０ｃに支持されて回転する回転板１０ａの外周部に沿って垂直下向きに取付けた水平回転方式のマンドレル部４３を備えた充填機があり、ラインの一端には、ボトム成形用に使用されるマンドレル４８がターンテーブル２に対して等間隔で配置され且つ垂直に釣り下げられて固定されている。
【０００７】
そして、偏平状のカートン１を多数枚集積したマガジン４１からカートン１が１部ずつ取り出されて、カートン１は角筒状に成形された（立ち起こされた）後にマンドレル４８に供給され装着され保持されて、ターンテーブル１０ａが、ほぼ一回転する間に、ボトム成形工程Ｔ１にて、その角筒状カートン１のボトム部（カートン下部）が折り込まれ、加熱シールされて、密封成形されたボトム部と開口するトップ部とを備えた角筒容器Ｃとし
て成形加工される。
【０００８】
このボトム成形工程Ｔ１にてボトム部が密閉され、トップ部が開放する角筒容器Ｃは、次にマンドレル４８から下方に引き抜かれ、エンドレスチェーン５２に等間隔に取付けられたホルダー５１をもつ直進搬送装置Ｌへ移載されて、必要に応じて角筒容器Ｃのトップ部（カートン上部）に口栓を取付ける口栓取付工程Ｔ２、角筒容器Ｃのトップ部を仮折りするトップ折り込み工程Ｔ３を経て、順次、充填工程Ｔ４、トップ部折り込み工程（又は加熱工程）Ｔ５、加熱工程（又は折り込み工程）Ｔ６、トップ部圧着密封工程Ｔ７、必要に応じて加熱、密封後のトップ密封済みの角筒容器Ｃを水洗冷却する冷却工程Ｔ８、搬出工程Ｔ９に順次搬送されながら、充填、トップ部折り、加熱、トップ部密封、搬出が行われるようになっている。
【０００９】
以下に、本発明の技術に関連する公知文献を記載する。
【特許文献１】特開平１１−１６５７１１号公報
【特許文献２】特開平１１−１６５７１２号公報
【特許文献３】特開２００２−２５５３３４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
ところで、上記紙製液体包装容器製函充填機における従来の容器搬送機構５３は、複数のホルダー５１を一定間隔で取り付けたエンドレスチェーン５２により構成されており、そのチェーン５２の両端を駆動回転するスプロケット３０、３１に巻回されて、間欠的に連続回転送行させているため、稼動を繰り返すうちに、僅かではあるかエンドレスチェーン５２が経時的に伸長する。
【００１１】
そのために殺菌工程における外部殺菌部５５や内部殺菌部５６、乾燥工程における乾燥部５７、充填工程における充填部５８、加熱工程における加熱部５９、密封工程における密封部６０等の各工程の各部所（セクション）における各容器Ｃの搬送位置が変動して、包装容器Ｃに対する精度ある製函加工、充填操作が困難になり、製函、充填操作に支障が生じたり、また機械的な位置調整を頻繁に行わなければならないために、機械調整の労力や手間が掛かっていた。
【００１２】
本発明の課題は、紙製液体包装容器製函充填機において、容器の搬送位置の変動を抑制し、各工程の各部所（セクション）に対する容器の位置変動の少ない安定した搬送ができるようにするとともに、角寸サイズの異なる容器であってもホルダーのサイズ調整が容易な容器搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
本発明の請求項１に係る発明は、水平に配置されたエンドレス状の長円環状軌道レール１と、該環状軌道レール１に沿って滑動移動可能に該軌道レール１の環状外側に密に一列状に等間隔に隣接配列した容器Ｃを保持する複数個の筒状容器ホルダー部２と、該環状軌道レール１の下部及び上部を跨いで環状内側に向かって延設され且つ該各々容器ホルダー部２を取付け支持する各々支持アーム部４と、該各々支持アーム部４の延設先端部の垂直支軸に自由回転可能に軸支され且つ該環状軌道レール１の環状内側面に沿って滑動回転する滑動ロール５と、該環状軌道レール１の環状外側面と各々容器ホルダー部２との間に設けた環状軌道レール１の環状外側面に沿って滑動する滑動板部３と、前記容器ホルダー部２内に装填されて搬送される容器Ｃの下部を下側にて保持する容器保持レール６とから構
成される容器ホルダー手段Ａと、該容器ホルダー手段における前記長円環状軌道レール１の長手方向両端部にて対向する各々一対の半円形部の内周面に沿って駆動回転可能に近接して配置された一対の各々回転円盤部１０と、該一対の各々回転円盤部１０の円周外面の複数個所に等間隔に設けられ且つ前記各々支持アーム部４の各々滑動ロール５の半円形部を嵌合する各々半円形凹部１１とから構成される容器ホルダー移動手段Ｂとを備え、容器ホルダー移動手段Ｂの一対の各々回転円盤部１０のいずれか一方又は両方の駆動回転により容器ホルダー手段Ａの各々容器ホルダー部２を長円環状軌道レール１に沿って移動させて、容器Ｃを搬送するようにしたことを特徴とする紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置である。
【００１４】
本発明の請求項２に係る発明は、上記請求項１に係る容器搬送装置において、前記筒状容器ホルダー部２は角筒状又は円筒状の容器ホルダー部２であって、角筒状又は円筒状の容器Ｃを搬送することを特徴とする紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置である。
【００１５】
本発明の請求項３に係る発明は、上記請求項１又は２に係る紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置において、前記環状軌道レール１に沿って滑動移動可能に該軌道レール１の環状外側に密に一列状に隣接配列した筒状容器Ｃを保持する複数個の前記筒状容器ホルダー部２の移動方向に沿って、容器ボトムシール成形された筒状容器Ｃを容器ホルダー部２内に装填する容器装填工程部Ｉ、容器殺菌工程部ＩＩ、内容物充填工程部ＩＩＩ、容器トップシール成形工程部ＩＶ、容器排出工程部Ｖを配置したことを特徴とする紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置である。
【００１６】
本発明の請求項４に係る発明は、上記請求項１乃至３のいずれか１項に係る紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置において、前記筒状容器ホルダー部２の筒内側面に沿って、容器Ｃの筒径サイズ変更用のサイズ調整筒体７が、密に差込み嵌合又は／及び着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項記載の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置である。
【発明の効果】
【００１７】
本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置は、紙を主体とする合成樹脂との複合シート材料により製函される各々筒状容器Ｃを搬送する筒状容器ホルダー部２の搬送移動機構に、エンドレスチェーンの回転送行方式を採用せずに、互いに隣接する複数個の各々容器ホルダー部２を、回転円盤部１０の駆動回転によって、長円環状軌道レール１に沿って、順次押し送りながら搬送移動させる押し送り搬送移動方式を採用したものであり、筒状容器Ｃに対するボトムシール成形やトップシール成形等の製函工程、及び容器殺菌工程、内容物充填工程等の各工程（例えば、マンドレル手段Ｈにより容器ボトムシール成形された角筒状容器Ｃを容器ホルダー部２内に装填する容器装填工程部Ｉ、殺菌工程部ＩＩ、充填工程部ＩＩＩ、容器トップシール成形工程部ＩＶ、容器排出工程部Ｖ）に対峙するように、各々容器ホルダー部２を間欠的に連続搬送させて製函充填稼動を繰り返しても、エンドレスチェーンの経時的な伸長を起因とする、筒状容器Ｃの搬送位置の変動を抑制でき、各工程の各部所（セクション）に対する容器の位置変動の少ない安定した搬送ができ、各容器Ｃの搬送位置の変動や、容器Ｃに対する製函加工や充填操作の精度の低下が回避でき、製函、充填操作における支障を回避でき、また頻繁な機械的位置調整の労力や手間を省力化できる効果がある。
【００１８】
また、本発明の上記容器搬送装置は、前記筒状容器ホルダー部２の筒内側面に沿って、筒状容器Ｃの筒径サイズ変更用のサイズ調整筒体２０を、密に差込み嵌合、及び着脱可能としたので、筒状容器Ｃの筒径サイズ（例えば角寸サイズ、直径サイズ）の異なる容器Ｃに対する製函、充填操作であっても、直ちにサイズ調整筒体２０を筒状容器ホルダー部２
の筒内側面に沿って装填することにより、容器ホルダー部２のサイズ変更調整を容易に行うことができる装置を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１９】
本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置の実施の形態を、図面に基づいて以下に詳細に説明する。
【００２０】
図１は、本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置の上面図であり、容器ホルダー手段Ａと、該容器ホルダー手段Ａを駆動移動させる容器ホルダー移動手段Ｂとを備えている。
【００２１】
図１に示すように、容器ホルダー手段Ａは、水平に配置されたエンドレス状の長円環状軌道レール１と、該環状軌道レール１に沿って滑動移動可能に該軌道レール１の環状外側に密に一列状に等間隔に隣接配列した容器Ｃを保持する複数個の筒状容器ホルダー部２を備えている。
【００２２】
各々筒状容器ホルダー部２は、その外形が概略的に、図１に示すような角筒状（あるいは図示しないが円筒状等）の筒状を呈している。
【００２３】
図２（ａ）は、１個の上記筒状容器ホルダー部２の上面図、（ｂ）〜（ｃ）は、その斜視図であり、複数個の各々筒状容器ホルダー部２は、同一形状、同一サイズであって、筒状容器ホルダー部２が角筒状の場合には、前記環状軌道レール１の環状外側から見て正面に備える正面板２ａと、その左右の両側面板２ｂ、２ｂと、環状軌道レール１の環状外側から見て背面に備えて正面板２ａと、その左右の両側面板２ｂ、２ｂを取付け支持し、該環状軌道レール１の環状外側面と各々容器ホルダー部２との間に設けた環状軌道レール１の環状外側面に沿って滑動する滑動板部３とから構成されている。なお、筒状容器ホルダー部２が円筒状の場合には、例えば、それぞれ前記正面板２ａと、その左右の両側面板２ｂ、２ｂとが、一体的な連続する円曲線の円筒状を呈する円筒板と、該円筒板を取付け支持する滑動板部３とから構成されている。
【００２４】
図２（ａ）〜（ｂ）に示すように、前記容器ホルダー部２の滑動板部３外面側の上部と下部には、容器ホルダー部２を環状軌道レール１に支持させるための支持アーム部４、４を備えている。
【００２５】
前記滑動板部３の支持アーム部４、４は、環状軌道レール１の下部及び上部を跨いで環状内側に向かって延設されており、上下の各々支持アーム部４、４の延設先端部には、垂直支軸５ａに自由回転可能に軸支された滑動ロール５を備えていて、該滑動ロール５は、環状軌道レール１の環状内側面に沿って滑動しながら回転できるようになっている。
【００２６】
図３は、図１のＭ−Ｍ部分正面断面図であり、滑動板部３の外面と滑動ロール５のロール周面との間に環状軌道レール１を挟み込むことにより、支持アーム部４、４に取り付けられた容器ホルダー部２は、滑動板部３とともに環状軌道レール１に対して滑動可能に支持されている。なお、環状軌道レール１と滑動板部３に使用するそれぞれ材料としては、耐摩耗性と滑性のある金属材料若しくはセラミック材料、又は耐摩耗性と滑性と耐熱性のある合成樹脂材料、又はそれらの材料を表面にライニングした金属材料又合成樹脂材料等を使用することが適当である。
【００２７】
また、図１に示すように前記環状軌道レール１の環状外側には、容器ホルダー部２内に装填されて搬送移動する容器Ｃの下部（底面）を下側にて保持する容器保持レール６を、その環状軌道レール１の環状形状に沿って備えている。
【００２８】
該容器保持レール６は、図４の部分側面図に示すように、容器ホルダー部２内に装填された容器Ｃをその底面を保持して水平に搬送する水平搬送用の容器保持レール６ａと、容器Ｃを容器ホルダー部２内にてスライド下降させながら搬送して、やがて容器ホルダー部２内から容器Ｃを離脱させる下降搬送用の傾斜する容器保持レール６ｂと、容器ホルダー部２内から離脱した容器Ｃの底面を水平に保持しながら、後続の容器Ｃによって水平方向に押し送り搬送する水平搬送用の容器保持レール６ｃを備えている。
【００２９】
また、上記容器保持レール６は、所定の高さに昇降動作可能な１個乃至数個の昇降保持手段Ｄにより保持されている。
【００３０】
前記昇降保持手段Ｄの構造は、本発明においては特に限定されるものではなく、ロッドエアシリンダ、ロッドレスエアシリンダ等の空圧方式や油圧方式により昇降移動する移動体、あるいは電動モータの回転により定位置にて駆動回転する垂直スクリューシャフトに螺着して昇降移動する移動体等がある。
【００３１】
例えば、図４に示すように、前記昇降保持手段Ｄの構造としては、本発明装置本体側のフレームＦに取付けられていて、該フレームＦに取り付けられたブラケット１２と、該ブラケット１２に垂直に取付けられたリニアガイド１３と、該リニアガイド１３に沿ってエアーにて昇降移動する移動体１４とからなるロッドレスエアシリンダと、該ロッドレスエアシリンダの昇降移動可能な移動体１４に取り付けた支持シャフト１５とから構成され、該支持シャフト１５が、容器保持レール６を下側から保持していて、該容器保持レール６は支持シャフト１５の昇降移動により所定の高さに昇降動作できるようになっている。
【００３２】
上記容器ホルダー手段Ａを駆動移動させる容器ホルダー移動手段Ｂは、図１、図３に示すように、容器ホルダー手段Ａの前記長円環状軌道レール１における長手方向両端部にて対向する各々一対の半円形部１ａの内周面に沿って、支軸１０ａを介して回転可能に近接して配置された一対の各々回転円盤部１０、１０を備えており、該円盤部１０の一方又は両方は、モータ等の動力源にて駆動回転可能となっている。
【００３３】
該一対の各々回転円盤部１０、１０の円周外端面１０ｂには、その複数個所に、前記各々支持アーム部４の各々滑動ロール５の半円形部を嵌合する各々半円形凹部１１が等間隔に設けられている。
【００３４】
そして、前記容器ホルダー手段Ａの各々容器ホルダー部２は、その支持アーム部４に取付けられた各々滑動ロール５の半円形部を、上記容器ホルダー移動手段Ｂの一対の各々回転円盤部１０、１０の各々半円形凹部１１内に嵌合（係合）して、その回転円盤部１０、１０のいずれか一方又は両方の駆動回転により長円環状軌道レール１に沿って、互いに密に隣接する他の各々容器ホルダー部２を押し送りしながら移動して、該各々容器ホルダー部２内に装填されている容器Ｃを搬送するものである。
【００３５】
例えば、前記容器ホルダー手段Ａの環状軌道レール１に沿って滑動移動可能に該軌道レール１の環状外側に密に一列状に隣接配列した角筒状又は円筒状の筒状容器Ｃを保持する複数個の筒状容器ホルダー部２の移動方向に沿って外側には、図１に示すように、容器ボトムシール成形した筒状容器Ｃを容器ホルダー部２内に装填する容器装填工程部Ｉと、容器殺菌工程部ＩＩと、内容物充填工程部ＩＩＩと、容器Ｃのトップ部２２（上部）をトップシール成形する容器トップシール成形工程部ＩＶと、容器排出工程部Ｖとが配置されている。
【００３６】
容器装填工程部Ｉでは、図４に示すように、容器ボトムシール成形工程にてマンドレル
手段Ｈ（又は図５（ａ）〜（ｂ）中の容器Ｃのボトム部をヒートシール成形して角筒容器Ｃを成形する複数本のマンドレルアーム４５を水平方向の回転軸４４に放射状に有して垂直回転する垂直回転方式のマンドレル部４３、又は図６中の容器底部をシール成形して角筒容器Ｃを成形する複数本のマンドレルアーム４８を当間隔に垂直回転軸１０ｃに支持されて回転する回転板１０ａの外周部に沿って垂直下向きに取付けた水平回転方式のマンドレル部４３）にて、筒状容器Ｃの胴面部２０を保持しながら、その容器Ｃのボトム部２１（下部）をボトムシール成形した筒状容器Ｃを、容器ホルダー部２内に装填する。
【００３７】
このように、容器ボトムシール成形工程部にてマンドレルＨにて紙製の液体包装用の筒状容器Ｃをボトムシールして底部を成形製函しながら、底部の成形された筒状容器Ｃを容器装填工程部Ｉにて容器ホルダー部２内に装填し、殺菌工程部ＩＩにて加熱エアー等にて殺菌し、充填工程部ＩＩＩにて筒状容器Ｃ内に内容物を充填し、容器トップシール成形工程部ＩＶにて充填された筒状容器Ｃのトップ部（上部）をトップシール成形して密封シールし、容器排出工程部Ｖにて密封シールされた容器Ｃを容器ホルダー部２内から離脱させて排出（図４参照）するものである。
【００３８】
本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置の筒状容器ホルダー部２には、図２（ａ）に示すように、該筒状容器ホルダー部２の筒内側面に沿って、密に差込み嵌合又は／及び着脱可能な角筒状又は円筒状の筒状容器Ｃの筒径サイズ変更用のサイズ調整筒体７が設けられている。
【００３９】
該サイズ調整筒体７は、角筒状又は円筒状であって、所定の厚さの金属材、プラスチック材、木質材等により形成されていて、紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置の角筒状又は円筒状の筒状容器ホルダー部２内に装填されて搬送される筒状容器Ｃの筒外径に対応して、その容器ホルダー部２の筒内側面に沿って密に差込み嵌合、装着するサイズ調整筒体７の筒内径が設定される。
【００４０】
図２（ａ）において、例えば、サイズ調整筒体７を使用しない場合には、図２（ｂ）に示すように、筒状容器ホルダー部２本体の筒内径は、紙製液体包装容器製函充填機の容器搬送装置によって搬送される筒状容器Ｃの筒外径Ｃ1 となり、また、サイズ調整筒体７を使用した場合には、図２（ｃ）に示すように、その筒体７の筒内径は、容器搬送装置によって搬送される筒状容器Ｃの筒外径Ｃ2 又はＣ3 となる。
【図面の簡単な説明】
【００４１】
【図１】本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置を説明する全体上面図。
【図２】（ａ）は本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置の筒状容器ホルダー部を説明する平面図、（ｂ）、（ｃ）はその斜視図。
【図３】本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置を説明する側断面図。
【図４】本発明の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置を説明する部分側面図。
【図５】（ａ）は従来の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置を説明する概要側面図、（ｂ）はその上面図。
【図６】従来の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置を説明する概要側面図。
【符号の説明】
【００４２】
Ａ…容器ホルダー手段Ａ
Ｂ…容器ホルダー移動手段Ｂ
Ｃ…筒状容器
Ｉ…容器装填工程部
ＩＩ…容器殺菌工程部
ＩＩＩ…内容物充填工程部
ＩＶ…容器トップシール成形工程部
Ｖ…容器排出工程部
１…長円環状軌道レール
２…筒状容器ホルダー部
３…滑動板部
４…支持アーム部４
５…滑動ロール
６…容器保持レール
７…サイズ調整筒体
１０…回転円盤部
１１…半円形凹部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
水平に配置されたエンドレス状の長円環状軌道レール１と、該環状軌道レール１に沿って滑動移動可能に該軌道レール１の環状外側に密に一列状に等間隔に隣接配列した容器Ｃを保持する複数個の筒状容器ホルダー部２と、該環状軌道レール１の下部及び上部を跨いで環状内側に向かって延設され且つ該各々容器ホルダー部２を取付け支持する各々支持アーム部４と、該各々支持アーム部４の延設先端部の垂直支軸に自由回転可能に軸支され且つ該環状軌道レール１の環状内側面に沿って滑動回転する滑動ロール５と、該環状軌道レール１の環状外側面と各々容器ホルダー部２との間に設けた環状軌道レール１の環状外側面に沿って滑動する滑動板部３と、前記容器ホルダー部２内に装填されて搬送される容器Ｃの下部を下側にて保持する容器保持レール６とから構成される容器ホルダー手段Ａと、該容器ホルダー手段における前記長円環状軌道レール１の長手方向両端部にて対向する各々一対の半円形部の内周面に沿って駆動回転可能に近接して配置された一対の各々回転円盤部１０と、該一対の各々回転円盤部１０の円周外面の複数個所に等間隔に設けられ且つ前記各々支持アーム部４の各々滑動ロール５の半円形部を嵌合する各々半円形凹部１１とから構成される容器ホルダー移動手段Ｂとを備え、容器ホルダー移動手段Ｂの一対の各々回転円盤部１０のいずれか一方又は両方の駆動回転により容器ホルダー手段Ａの各々容器ホルダー部２を長円環状軌道レール１に沿って移動させて、容器Ｃを搬送するようにしたことを特徴とする紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置。
【請求項２】
前記筒状容器ホルダー部２は角筒状又は円筒状の容器ホルダー部２であって、角筒状又は円筒状の容器Ｃを搬送することを特徴とする請求項１記載の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置。
【請求項３】
前記環状軌道レール１に沿って滑動移動可能に該軌道レール１の環状外側に密に一列状に隣接配列した筒状容器Ｃを保持する複数個の前記筒状容器ホルダー部２の移動方向に沿って、容器ボトムシール成形された筒状容器Ｃを容器ホルダー部２内に装填する容器装填工程部Ｉ、容器殺菌工程部ＩＩ、内容物充填工程部ＩＩＩ、容器トップシール成形工程部ＩＶ、容器排出工程部Ｖを配置したことを特徴とする請求項１又は２記載の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置。
【請求項４】
前記筒状容器ホルダー部２の筒内側面に沿って、容器Ｃの筒径サイズ変更用のサイズ調整筒体７が、密に差込み嵌合又は／及び着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項記載の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置。
【請求項１】
水平に配置されたエンドレス状の長円環状軌道レール１と、該環状軌道レール１に沿って滑動移動可能に該軌道レール１の環状外側に密に一列状に等間隔に隣接配列した容器Ｃを保持する複数個の筒状容器ホルダー部２と、該環状軌道レール１の下部及び上部を跨いで環状内側に向かって延設され且つ該各々容器ホルダー部２を取付け支持する各々支持アーム部４と、該各々支持アーム部４の延設先端部の垂直支軸に自由回転可能に軸支され且つ該環状軌道レール１の環状内側面に沿って滑動回転する滑動ロール５と、該環状軌道レール１の環状外側面と各々容器ホルダー部２との間に設けた環状軌道レール１の環状外側面に沿って滑動する滑動板部３と、前記容器ホルダー部２内に装填されて搬送される容器Ｃの下部を下側にて保持する容器保持レール６とから構成される容器ホルダー手段Ａと、該容器ホルダー手段における前記長円環状軌道レール１の長手方向両端部にて対向する各々一対の半円形部の内周面に沿って駆動回転可能に近接して配置された一対の各々回転円盤部１０と、該一対の各々回転円盤部１０の円周外面の複数個所に等間隔に設けられ且つ前記各々支持アーム部４の各々滑動ロール５の半円形部を嵌合する各々半円形凹部１１とから構成される容器ホルダー移動手段Ｂとを備え、容器ホルダー移動手段Ｂの一対の各々回転円盤部１０のいずれか一方又は両方の駆動回転により容器ホルダー手段Ａの各々容器ホルダー部２を長円環状軌道レール１に沿って移動させて、容器Ｃを搬送するようにしたことを特徴とする紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置。
【請求項２】
前記筒状容器ホルダー部２は角筒状又は円筒状の容器ホルダー部２であって、角筒状又は円筒状の容器Ｃを搬送することを特徴とする請求項１記載の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置。
【請求項３】
前記環状軌道レール１に沿って滑動移動可能に該軌道レール１の環状外側に密に一列状に隣接配列した筒状容器Ｃを保持する複数個の前記筒状容器ホルダー部２の移動方向に沿って、容器ボトムシール成形された筒状容器Ｃを容器ホルダー部２内に装填する容器装填工程部Ｉ、容器殺菌工程部ＩＩ、内容物充填工程部ＩＩＩ、容器トップシール成形工程部ＩＶ、容器排出工程部Ｖを配置したことを特徴とする請求項１又は２記載の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置。
【請求項４】
前記筒状容器ホルダー部２の筒内側面に沿って、容器Ｃの筒径サイズ変更用のサイズ調整筒体７が、密に差込み嵌合又は／及び着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項記載の紙製液体包装容器製函充填機における容器搬送装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００６−２０６０８６（Ｐ２００６−２０６０８６Ａ）
【公開日】平成１８年８月１０日（２００６．８．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−１９３７７（Ｐ２００５−１９３７７）
【出願日】平成１７年１月２７日（２００５．１．２７）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年８月１０日（２００６．８．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１月２７日（２００５．１．２７）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
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