説明

紡糸コット研磨機

【課題】
紡糸コット形状の、より精確な測定を可能にすると共に、測定結果を歪曲する影響要因が実質的に排除された紡糸コット研磨機を提供する。
【解決手段】
回転研磨面(3)、研磨される紡糸コットが挿入できる容器(10)、前記容器(10)に挿入された紡糸コットが前記研磨面(3)に接触するまで容器(10)を研磨面(3)方向へ前進させる手段(7、20)、および容器に挿入された紡糸コットのサイズを算定する装置からなる紡糸コット研磨機で、該装置は、紡糸コットのサイズではない、少なくともひとつの幾何学値を検出する手段(15a、15b、15c)と、前記検出手段(15a、15b、15c)により得られた幾何学値に基づいて紡糸コットのサイズを導出する演算装置(19)で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紡糸作業において使用される紡糸コットの研磨機に係る。紡糸コットは、紡織繊維を案内する送りローラとして機能する。
【背景技術】
【0002】
紡糸コットの研磨機は、紡織繊維の工業的な加工に関連して使用される。
紡糸機において、紡糸コットは紡織繊維を送る働きをする。この場合に、通常はプラスチック材料からなる紡糸コットの表面は極めて摩耗しやすいため、頻繁に研磨しなければならない。
紡糸コットの直径は、研磨機により数回にわたって研磨できるように、当初から大きめに設定されており、紡糸コットはそれぞれほんの十分の数ミリメートル、ないし百分の数ミリメートル程度研削される。このような研磨処理により、紡糸コット表面が再び精密な円形および円筒形となる。
【0003】
研磨するために、紡糸コットは研磨機の自動的に作動するスライドに固定される。このスライドは自動制御され、紡糸コットを研磨ローラの研磨面まで前進させる。
研磨される紡糸コットは、紡糸コット用容器を備えた旋回アームにより操作される。紡糸コットが紡糸コット用容器に挿入された旋回アームは、研磨ローラに対して全自動で接近する。
紡糸コットの研削量を算出するために、旋回アームは、研磨中の旋回アームの回転角、つまり旋回アームの動作増分を検出する増分エンコーダを備えている。この増分エンコーダにより旋回アームの動作量の増分が検出される。
零点を調整するために、研磨面に紡糸コットが押し付けられ、初期接触が行われる。次いで、紡糸コットが研磨される。
【0004】
この研磨工程では二種類の方法が使用される。
第1の方法では、すべての紡糸コットが所定の直径になるまで研磨する。第2の方法では、すべての紡糸コットに同量の研削を施すことにより、等しい減径を実施する。
紡糸コットの研削量は、増分エンコーダにより検出された回転角差に基づいて算定される。但し、これは間接的な測定方法であるため、測定精度が多くの要因に左右され、実際には研磨結果を厳正に算出できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、紡糸コット形状のより精確な測定を可能にすると共に、測定結果に誤差を生じる要因が実質的に排除された紡糸コット研磨機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る装置は、回転研磨面、研磨される紡糸コットが挿入される容器、容器に挿入された紡糸コットが研磨面に接触するまで容器を研磨面方向へ前進させる手段、および容器に挿入された紡糸コットのサイズを算定する装置であって、紡糸コットのサイズとは異なる、少なくともひとつの幾何学値を検出する手段と、この検出手段により測定された幾何学値に基づいて、紡糸コットのサイズを導き出す演算装置からなる紡糸コット研磨機である。
【0007】
上記目的を達成する為の解決策として、下記特性を有する装置を提案するものであるが、この装置は、紡糸コットの形状を測定するための光線を用い、この光線が、容器に挿入された紡糸コットの円周方向において互いに離れた、外周面上の少なくとも3点に当たる方向性を有する距離センサを具備したことを特徴とする。
【0008】
本発明のひとつの態様は、回転研磨面(3)、研磨される紡糸コットが挿入できる容器(10)、該容器に挿入された紡糸コットが研磨面に接触するまで、容器を研磨面方向へ前進させる手段(7、20)、および容器に挿入された紡糸コットのサイズを算定する装置であって、該紡糸コットのサイズではない、少なくともひとつの幾何学値を検出する手段(15a、15b、15c)と、該検出手段により得られた幾何学値に基づいて、紡糸コットのサイズを導出する演算装置(19)で構成される装置からなる紡糸コット研磨機であって、測定光線(17a、17b、17c)を用いて作動し、また測定光線が容器に挿入された紡糸コットの外周面上の、紡糸コットの円周方向において互いに離間した少なくとも3点に当たる方向性を有する距離センサ(15a、15b、15c)を具備したことを特徴とする紡糸コット研磨機である。
【0009】
本発明のひとつの態様は、さらにすべての前記測定光線(17a、17b、17c)が、紡糸コットの同一軸方向長さにおいて、容器に挿入された紡糸コットの外周面に当たる方向性を有することを特徴とする紡糸コット研磨機である。
【0010】
本発明のひとつの態様は、さらに前記測定光線のうち、少なくとも第1の測定光線(17a)が紡糸コットの中心軸(24)の隣接点に向けられ、また少なくともひとつの追加測定光線(17c)が中心軸(24)の隣接点、但し、第1測定光線(17a)の反対側に向けられる測定光線の方向性を特徴とする紡糸コット研磨機である。
【0011】
本発明のひとつの態様は、さらに前記測定光線(17a、17b、17c)が互いに平行に配列されないことを特徴とする紡糸コット研磨機である。
【0012】
本発明のひとつの態様は、さらに前記距離センサ(15a、15b、15c)が保持体(13)に固定されることを特徴とする紡糸コット研磨機である。
【0013】
本発明のひとつの態様は、さらに前記保持体(13)は、保持体の上または中に距離センサ(15a、15b、15c)が取り付けられる能動的固定部材(26a、26b、26c)を有することを特徴とする紡糸コット研磨機である。
【0014】
本発明のひとつの態様は、さらに前記能動的固定部材(26a、26b、26c)の上または中に取り付けられた距離センサが更に保持体(13)にネジ留めされることを特徴とする紡糸コット研磨機である。
【0015】
本発明のひとつの態様は、さらに前記距離センサ(15a、15b、15c)が容器(10)に固定されることを特徴とする紡糸コット研磨機である。
【0016】
本発明のひとつの態様は、さらに前記保持体(13)が容器(10)に固定されることを特徴とする紡糸コット研磨機である。
【0017】
本発明のひとつの態様は、さらに三角法原理にしたがって作動する前記距離センサ(15a、15b、15c)が、特にレーザ距離センサを使用することを特徴とする紡糸コット研磨機である。
【0018】
本発明のひとつの態様は、さらに前記距離センサ(15a、15b、15c)と紡糸コットをクリーニングするための圧縮空気装置を具備したことを特徴とする紡糸コット研磨機である。
【発明の効果】
【0019】
上記紡糸コット研磨機により、容器に挿入された紡糸コットの形状、すなわち、その直径または半径を直接測定することができる。したがって、本発明の装置では、測定結果に誤差を生じる要因が実質的に排除される。
この測定ユニットは、紡糸コットの表面を直接検出することにより、堆積し得る塵埃に影響されることなく作動する。
また、研磨されるべき紡糸コットの材料の硬度、柔軟性ならびに紡糸コットの中心軸の状態は測定結果にほとんど影響しない。
さらに、この測定システムが完全に非接触方式であることも、精度向上に寄与する。
【0020】
ひとつの好適な実施形態によれば、この距離センサは、すべての測定光線が紡糸コットの同一の軸方向長さにおいて、容器に挿入された紡糸コットの外周面に当たることにより作動する。このために、測定光線の軸が僅かに移動した場合でも測定誤差が生じない。
【0021】
別の実施形態は、少なくとも第1の測定光線が紡糸コットの中心軸の隣接点に向けられ、また少なくともひとつの追加測定光線が該中心軸の隣接点、但し、第1測定光線の反対側に向けられることを特徴とする。これにより、さらに精確な測定結果が得られる。
【0022】
本装置のひとつの実施形態によれば、複数の距離センサを共通の保持体に固定することにより、センサの厳密な位置決めが可能となり、測定精度がさらに向上する。
好ましくは、前記保持体はロック機構を備えており、該ロック機構の表面または内部に距離センサが装着されている。さらに保持体には、ネジ留め部を設けることができる。
【0023】
別の実施形態において、距離センサは好ましくは旋回アームで構成された容器に固定される。あるいは、容器が保持体に固定されることが提案される。
これにより、旋回アームの内側および外側への回転中に、常時測定を行うことが可能となる。旋回アームの動作中にも、紡糸コットは距離センサの検出範囲内にあるからである。
セットアップ時、あるいは研磨工程の準備時に、予め紡糸コットの形状を測定することが可能である。
いかなる状況においても、旋回アームに存在しうる遊びが測定結果に影響することはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明のひとつの実施形態を、以下各図面に基づいて説明する。
図1は、紡糸コットの研磨機の部分概略図を示す。
この研磨機は、主に紡糸作業において使用される。紡糸作業において、紡糸コットは紡織繊維を案内する送りローラとして機能するために極めて摩耗しやすく、頻繁に研磨しなければならない。紡糸コット直径は、数回の研磨が可能なように、当初から大きめのサイズになっている。
【0025】
図1には、研磨機のフレーム1とフレーム上に設けられて駆動モータにより駆動される研磨ローラ2を示す。研磨ローラ2は、紡糸コット5を研磨する研磨面3を備えている。紡糸コット5を研磨するために、スライド7は水平方向、すなわち研磨ローラ2に向かう方向に移動できるように、フレーム1上に配置されている。
スライド7上で、旋回アーム9が支持体8において支持される。研磨ローラ2に面する旋回アーム端部には、紡糸コット5の軸用容器10が配置されている。
【0026】
力Fを加えて旋回アーム9を作動させることにより、旋回アーム9は挿入された紡糸コット5と共に下方に旋回し、紡糸コット5は下側に配設された駆動ローラ12に当接する。
摩擦により、駆動ローラ12は紡糸コット5を回転させるため、研磨中、紡糸コットは研磨ローラ2と逆方向に回転し、その表面が研磨ローラ2の研磨面3と接触することにより研磨される。
【0027】
旋回アーム9には保持体13が固定され、さらにその保持体上には3基の距離センサ15a、15b、15cが固定される。この距離センサ15a、15b、15cの測定光線17a、17b、17cは、研磨される紡糸コット5の表面、すなわち外周面18に向けられている。
【0028】
距離センサ15a、15b、15cは、紡糸コット5のサイズを算出する装置の一部である。この装置は、距離センサ15a、15b、15cとそれらの出力信号16を出力する演算装置19から構成される。
演算装置19では、紡糸コット5の直径が3基の距離センサにより得られた3つの幾何学値に基づいて算出される。また、演算装置19は研磨工程を制御するために、スライド7の駆動装置20も制御する、また状況に応じて、旋回アーム9を駆動する押圧力Fも制御する。
【0029】
図2に基づいて、距離センサ15a、15b、15cの機能詳細を以下に説明する。
これらの距離センサは、三角法原理に基づいて距離測定を行うレーザ距離センサである。距離センサが投射するレーザ光線22は、小さな点として対象物に当たる。レーザ距離センサの受信器23は、光線の角度を検出することによって前記小さな点の位置を検出する。センサは、主に前記角度αを測定した後に、入射点までの距離Dを算出する。
【0030】
図2に、距離センサの想定される分解能および精度の距離に応じた変化を示す。等距離でも、センサ近傍では角度変化が大きく、遠く離れるにつれて角度変化が小さくなる。
出力信号16が距離に対して線形となるように、前記非線形挙動がプロセッサにより補正される。D1は距離センサが最適に作動する距離範囲を表しており、距離範囲D2は回避すべきである。
【0031】
距離センサ内部の受信器23は、線形フォトダイオード・アレイで構成されている。フォトダイオード・アレイは、内蔵型マイクロ・コントローラにより読み出される。フォトダイオード・アレイにおける配光に基づいて、コントローラが角度αを厳密に算出し、この角度に基づいて紡糸コットまでの距離Dを算出する。
この距離は直列ポートへ送信される、あるいは距離Dに比例した出力電流に変換される。フォトダイオード・アレイとマイクロ・コントローラを組み合わせることにより、乱反射が防止できる、また、このようにして紡糸コットの臨界面においても信頼性の高いデータを得ることができる。
【0032】
図3に、測定される紡糸コット5に対する距離センサ15a、15b、15cの幾何学的配置を示す。部分的に直径が増減する紡糸コットは、その中心軸の位置が変化するため、紡糸コットの実際の直径を算定するためには、少なくとも三点による測定が必要である。したがって、少なくとも3基の距離センサ15a、15b、15cが必要となる。
【0033】
図3は、第1測定光線17aが紡糸コットの中心軸24から上下方向間隔a1だけ離間した点に向けられていることを示している。第3測定光線17cも中心軸24から上下方向間隔a2だけ離間した点に向けられているが、当該位置は第1測定光線17aの中心軸24に対して反対側にある。
中央の距離センサ15bは、その測定光線17bが、紡糸コット5の中心軸24上であって、中心軸24の近傍に当るように配置されている。そのため、中心軸24に対して、測定光線17aおよび17cの間隔a1およびa2は大きく、測定光線17bの間隔は小さくなる。計3つの測定光線は、円周方向から見れば、紡糸コット5の表面上の相互に離れた位置に照射される。
【0034】
図4に、共通保持体13における前記距離センサの配置を示す。前記保持体13は、3つの溝26a、26b、26cを備えた板である。既に距離センサにネジ留めされた距離センサ用容器を前記溝に挿入することにより、距離センサが保持体13に能動的に固定される。これにより、距離センサ3基の相互位置決めが可能となり、距離センサは各々の測定光線が平行配列されないように、相互に密接し、かつ正確に位置決めされる。さらに、距離センサと保持体13のネジ留めが行われる。
【0035】
図示された実施形態において、保持体13は図1に示すように、旋回アーム9に固定されている。保持体13をフレーム1に固定することも可能であり、この場合には、測定光線が紡糸コット5の外周面18の異なる3点に向けられるように、センサを位置決めしなければならない。
圧縮空気装置により生成される圧縮空気噴流により、距離センサおよび紡糸コットをクリーニングすることができる。
【0036】
以下、数学的に導かれた三点法による半径/直径の算定方法について説明する。
先ず、図5に基づいて、以下に説明する座標点を設定する必要がある。座標の零点は、例えば点2(水平間隔P2=0)を基準に水平方向に自由に、かつ最下レーザ点から垂直方向に10mm下方(垂直間隔P1=10)に設定できる。
【0037】
さらに精密な測定結果を得るためには、正確に水平および垂直間隔を算定しなければならない。そのために、レーザ距離センサを厳密に位置合わせしなければならない。また、該レーザ距離センサの相互の水平間隔および垂直間隔を算定しなければならない。前記の水平間隔および垂直間隔は、限界プラグゲージなどの標準部品を用いて、また該標準部品までのセンサ測定距離により算定される。このようにして測定システムが較正できるため、取付け誤差による影響を受けない。
【0038】
レーザ距離センサ(以下、「レーザ」と略称)3基の座標は、下記の通りである(図5)。
レーザP1:
=測定値P1×sin70°+水平間隔P1
=測定値P1×cos70°+垂直間隔P1
レーザP2:
=測定値P2
=垂直間隔P2
レーザP3:
=測定値P3×sin70°+水平間隔P3
=垂直間隔P3−cos70°×測定値P3
【0039】
ひとつの円上の算定された3つの基準点P(x|y)、P(x|y)、P(x|y)に基づいて、円の一般方程式により以下のように当該円(中心M(x|y))の半径に関する閉じた方程式を算定することができる。
所定の全3点は定義により、中心rに対してピタゴラスの定理を用いて算定できる同一間隔r(円半径)を有する。
【式1】
【0040】

【式2】
【0041】


【式3】
【0042】

【式4】
【0043】
(式1を式2に代入):

【式5】
【0044】
(式2を式3に代入):

【式6】
【0045】
(式4に基づくxの計算結果は以下の通り):
























(式7)
【0046】
(同様に、式5に基づくxの計算結果は以下の通り):

【式8】
【0047】
(式6と式7を代入、計算結果は以下の通り):








⇔(3、二項方程式)
















【式9】
【0048】
(式4および式5に基づき、yを算出してxを算出しない場合、同様に計算結果は以下の通り):



【式10】
【0049】
(前記2式(式6および式7)を代入した場合、同様に計算結果は以下の通り):

【式11】
【0050】
(rの計算結果に関する閉じた方程式、xおよびyを式1(もしくは式2または式3)において用いた場合):

【0051】
一方、幾何学的アプローチも可能である。この場合には、点P、P、Pは、三角形の頂点とみなされる。
幾何学上、以下は既知である。
三角形の各辺の垂直二等分線は、該三角形の外接円の中心において交わる。三角形の外接円は、該三角形の3つの頂点をすべて通る円と一致する。
したがって、点P、P、Pを通る円の中心を算定するには、2つの垂直二等分線の交点を算定すればよい。
以下に、垂直二等分線A(線分

上)およびB(線分

上)を算出する。
【0052】
これらの垂直二等分線は直線である。各直線は、該直線上の1点と該直線の傾きが分かれば定義される。垂直二等分線AおよびBは、線分SおよびSの中心、つまり下記座標に合致する。



および




したがって、両垂直二等分線AおよびBについては、各1点の座標が既知である。
直線または線分の傾きは、

(すなわち「高さの差/幅の差」)から算出される。
線分SおよびSについては、

および

となる。
垂線の傾き(つまり算定されるべき辺AおよびBの2つの垂直二等分線の傾き)は必ず元の直線の傾きの負の逆数値となるため、下式が成り立つ。

および


直線については、いわゆる「標準形」が存在する。


垂直二等分線AおよびBについては、直前の計算からmおよびmが既に得られている。
いわゆる「y軸切片」bは、下記方程式を用いて傾きmと点xおよびyの座標から算出される。

【0053】
したがって、AおよびBについては、下式が成り立つ。

および


関数解析学上、以下は既知である。
垂直二等分線AおよびBの交点のx座標は、以下の通りとなる。


したがって、交点のy座標は以下の通りとなる。


ここで、下記の円半径が求められる。


【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係る紡糸コット研磨機によれば、容器に挿入された紡糸コットの形状、すなわち、その直径または半径を直接測定することができる。したがって、本発明の装置では、測定結果に誤差を生じる要因が実質的に排除される。
この測定ユニットは、紡糸コットの表面を直接検出することにより、堆積し得る塵埃に影響されることなく作動する。
また、研磨されるべき紡糸コットの材料の硬度、柔軟性ならびに紡糸コットの中心軸の状態は測定結果にほとんど影響しない。
さらに、この測定システムが完全に非接触方式であることも、精度向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】研磨される紡糸コットが挿入された研磨機の側面図
【図2】三角法原理に基づいて作動するレーザ距離センサの基本構成および機能の概略図
【図3】研磨される紡糸コットに対するレーザ距離センサ3基の概略配置図
【図4】保持板上の距離センサ3基の取付け概観図
【図5】三点法により半径を算定するための幾何学的条件を示す図3と同様の概略配置図
【図6】幾何学的条件を導き出すための詳細図
【符号の説明】
【0056】
1 フレーム
2 研磨ローラ
3 研磨面
5 紡糸コット
7 スライド
8 支持体
9 旋回アーム
10 紡糸コット用容器
12 駆動ローラ
13 保持体
15a 距離センサ(レーザ)
15b 距離センサ(レーザ)
15c 距離センサ(レーザ)
16 出力信号
17a 測定光線
17b 測定光線
17c 測定光線
18 外周面
19 演算装置
20 駆動装置
22 レーザ光線
23 受信器、フォトダイオード・アレイ
24 中心軸
26a 溝
26b 溝
26c 溝
a1 間隔
a2 間隔
D 距離
D1 距離範囲
D2 距離範囲
F 力
幾何学点
幾何学点
幾何学点
α 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転研磨面(3)、研磨される紡糸コットが挿入できる容器(10)、前記容器に挿入された該紡糸コットが前記研磨面に接触するまで、前記容器を該研磨面方向へ前進させる手段(7、20)、および前記容器に挿入された前記紡糸コットのサイズを算定する装置であって、前記紡糸コットのサイズではない、少なくともひとつの幾何学値を検出する手段(15a、15b、15c)と、前記検出手段により得られた幾何学値に基づいて、前記紡糸コットのサイズを導出する演算装置(19)で構成される装置からなる紡糸コット研磨機において、
測定光線(17a、17b、17c)を用いて作動し、また該測定光線が前記容器に挿入された前記紡糸コットの外周面上の、該紡糸コットの円周方向において互いに離間した少なくとも3点に当たる方向性を有する距離センサ(15a、15b、15c)を具備したことを特徴とする紡糸コット研磨機。
【請求項2】
すべての前記測定光線(17a、17b、17c)が、前記紡糸コットの同一軸方向長さにおいて、前記容器に挿入された前記紡糸コットの外周面に当たる方向性を有することを特徴とする請求項1記載の紡糸コット研磨機。
【請求項3】
前記測定光線のうち、少なくとも第1の測定光線(17a)が前記紡糸コットの中心軸(24)の隣接点に向けられ、また少なくともひとつの追加測定光線(17c)が前記中心軸(24)の隣接点、但し、前記第1測定光線(17a)の反対側に向けられる測定光線の方向性を特徴とする請求項1または2記載の紡糸コット研磨機。
【請求項4】
前記測定光線(17a、17b、17c)が互いに平行に配列されないことを特徴とする請求項3記載の紡糸コット研磨機。
【請求項5】
前記距離センサ(15a、15b、15c)が保持体(13)に固定されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の紡糸コット研磨機。
【請求項6】
前記保持体(13)は、該保持体の上または中に前記距離センサ(15a、15b、15c)が取り付けられる能動的固定部材(26a、26b、26c)を有することを特徴とする請求項5記載の紡糸コット研磨機。
【請求項7】
前記能動的固定部材(26a、26b、26c)の上または中に取り付けられた前記距離センサが更に前記保持体(13)にネジ留めされることを特徴とする請求項6記載の紡糸コット研磨機。
【請求項8】
前記距離センサ(15a、15b、15c)が前記容器(10)に固定されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の紡糸コット研磨機。
【請求項9】
前記保持体(13)が前記容器(10)に固定されることを特徴とする請求項7記載の紡糸コット研磨機。
【請求項10】
三角法原理にしたがって作動する前記距離センサ(15a、15b、15c)が、特にレーザ距離センサを使用することを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の紡糸コット研磨機。
【請求項11】
前記距離センサ(15a、15b、15c)と前記紡糸コットをクリーニングするための圧縮空気装置を具備したことを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の紡糸コット研磨機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−54947(P2007−54947A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−204220(P2006−204220)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(506258051)ロシンク ゲーエムベーハー コー.カーゲー マシネンファブリク (1)
【氏名又は名称原語表記】Rosink GmbH + Co. KG Maschinenfabrik
【Fターム(参考)】