説明

紡績装置

【課題】 小径の圧縮空気噴射孔を有する紡績ノズルに、異物や塵埃等を含まない圧縮空気を長期間に亘って安定して確実に供給可能な紡績装置を提供することである。
【解決手段】 エア供給配管に連なる空気溜り部5を介して圧縮エア噴射孔10を備えている紡績ノズル1の、前記空気溜り部の圧縮エア噴射孔入口部にエアフィルタ部材4、4Aを着脱自在に装着する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮エアを噴射して紡績を行う紡績ノズルを備える紡績装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、紡績装置として、繊維束(スライバともいう)を複数のドラフトローラ対よりなるドラフト装置でドラフトした後、該ドラフト装置下流側に直列に配置した、内部で互いに反対方向の旋回気流を発生している第1ノズルと第2ノズルとからなる紡績ノズルで仮撚紡績を行う空気紡績装置が知られている。
【0003】
また、中空ガイド軸体の先端部周辺に、紡績ノズルから噴射された圧縮エアにより旋回流を発生させ、この旋回流を利用してドラフト装置から送られてくる繊維束から繊維を分離し、該繊維を旋回方向に加撚して実撚り状の糸を紡績する紡績装置も知られている。
【0004】
上記いずれの紡績装置においても、エア配管を通して供給される圧縮エアを圧縮エア噴射孔から噴射して、生成される旋回流により繊維束に撚りを与えて、もしくは繊維束を旋回して紡績する構成としている。
【0005】
そのために、良質な糸を紡績するためには、常時安定した旋回流を繊維束に向けて正しく噴射することが肝要となる。また、圧縮エア自体にも塵埃が混入していなく、供給される繊維束にも塵埃が混入していないことが望ましい。
【0006】
一般に、圧縮エアを供給する際には、エア圧縮機等の圧縮エア供給源からの圧縮エアをエアフィルタやオイルフィルタを介して送り出し、塵埃や油分を除去した清浄なエアとして供給している。そのために、通常は、そのままの圧縮エアを、エア配管部材等を介して直接、多数の紡績装置に供給している。
【0007】
しかし、それらのエア配管部材は、老朽化して内部が変形したり腐蝕したりして、異物を生じる虞がある。また、保守や部品交換の際に、取り外したり、取り付けたりする際に、磨耗粉などの塵埃を生じる場合もある。
【0008】
本出願人からも、ノズル部材を備えると共に夾雑物を外部に排出する構成とした紡績装置が既に出願されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−136443号公報(第1−5頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
空気紡績装置が備える紡績ノズルは、その直径が1mm以下の小さな圧縮空気噴射孔を複数円周上に等配した構成としているので、その複数の噴射孔の一つにでも、異物や塵埃等が詰まると、繊維を旋回する気流に乱れが生じることになる。
【0010】
旋回気流が乱れると、繊維束を旋回する噴流エネルギのバランスが崩れることになり、旋回エネルギが不均一となって、糸構造の変化が生じたり、弱糸が生じることになる。また、糸構造の変化や弱糸が生じると、後工程での糸切れの原因となり、織物の染色斑の原因ともなる。つまり、紡績して得られる糸物性が不安定となって、良質な紡績糸が製造できないという問題が生じる。
【0011】
そのために、紡績する地点で異物や塵埃を除去するだけでなく、圧縮空気を噴射するノズル部に異物が詰まったり堆積したりすることを長期間に亘って防止する必要がある。
【0012】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、小径の圧縮空気噴射孔を有する紡績ノズルに、異物や塵埃等を含まない圧縮空気を長期間に亘って安定して確実に供給可能な紡績装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、圧縮エアを噴射して紡績を行う紡績ノズルを備える紡績装置であって、前記紡績ノズルが、エア供給配管に連なる空気溜り部を介して圧縮エア噴射孔から圧縮エアを噴射すると共に、前記空気溜り部の圧縮エア噴射孔入口部にエアフィルタ部材を着脱自在に配設したことを特徴としている。
【0014】
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、エア配管内に異物が混入しても、圧縮エア噴射孔に装着するエアフィルタ部材が前記異物を捕捉して、異物のエア噴射孔への侵入を防止することができる。
【0015】
請求項2に係る発明は、前記紡績ノズルが、円形断面の繊維通路に旋回気流を作用させて紡績糸を紡出する紡績ノズルであって、前記繊維通路の接線方向に向けて円周上等配して配設される複数の圧縮エア噴射孔を一体的に覆うエアフィルタ部材を配設したことを特徴としている。
【0016】
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、一個のエアフィルタ部材で、環状に設けられる複数の圧縮エア噴射孔を一体的に封止することができる。
【0017】
請求項3に係る発明は、前記エアフィルタ部材が、圧縮エアの流通は許可するが、前記圧縮エア噴射孔に詰まる大きさの塵埃の通過を許可しないような、多孔質性のスポンジフィルタであることを特徴としている。
【0018】
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、塵埃等の異物を含まない圧縮エアを噴射して紡績を行うので、安定した糸品質の紡績糸を製造することができる。
【0019】
請求項4に係る発明は、前記空隙部の大きさが前記圧縮エア噴射孔の最大幅の半分以下の大きさであることを特徴としている。
【0020】
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、エア噴射孔に詰まる虞のある異物を確実に捕捉することができ、空隙部を通過する異物は、そのままノズル孔から噴射して外部へ排出することができる。
【0021】
請求項5に係る発明は、前記紡績ノズルを、前記圧縮エア噴射孔を有する内筒と、前記エア供給配管が装着される外筒とで螺合構成し、前記内筒と前記外筒とを螺合すると前記エア噴射孔の周囲に前記空気溜り部を形成すると共に、前記スポンジフィルタを装着する際に、螺合する動作により前記内筒と前記外筒とで弾性的に押圧して、前記スポンジフィルタが前記圧縮エア噴射孔に密着する構成としたことを特徴としている。
【0022】
上記の構成を有する請求項5に係る発明によれば、紡績ノズルを構成する内筒と外筒とを着脱する操作で、エアフィルタ部材が着脱自在となり、部材交換や清掃等のメンテナンス操作を容易に行うことができる。また、内筒と外筒とを螺合することで、エアフィルタ部材を、圧縮エア噴射孔を封止する位置に確実に固定することができる。
【発明の効果】
【0023】
上記説明したように本発明によれば、紡績ノズルの空気溜り部の圧縮エア噴射孔入口部にエアフィルタ部材を着脱自在に配設しているので、異物のエア噴射孔への侵入を防止して、異物を含まない紡績に必要な圧縮エアのみを通過させて、安定した糸品質の紡績糸を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る紡績装置の実施の形態について、図1から図5に基づいて詳細に説明する。
【0025】
先ず、本発明が適用される紡績機Mについて図5により説明する。本紡績機Mは紡績ユニットUが多数配列された構成となっており、スライバLが、ドラフト装置DRに送られ紡績装置Spにより紡績糸Yに紡績される。製造された紡績糸YはニップローラRn及びスラブキャッチャーZ等を経て巻取部WRに巻き取られ、パッケージPWを形成する。Pは糸継ぎを行う糸継装置であり、紡績機Mの長手方向に沿って紡績機Mの内部下方を走行するように構成されている。
【0026】
また、図4に示すように各紡績ユニットUは、機台後部に配置されたケンスK内に収納されているスライバLがガイドGを経て、トランペットTを挿通しドラフト装置DRに搬送された後、段々送り速度が速くなるローラドラフト部を通過して所定細さに牽伸され、紡績装置Spにより紡績糸Yとなり、機台前面の巻取部WRに巻き取られ、パッケージPWを形成する構成である。
【0027】
前記紡績装置Spは紡績速度が300m/分以上の高速紡績が可能な、紡績ノズルと中空ガイド軸体とを備える空気紡績装置から形成されているが、これに限定されるものではなく、2段の空気紡績ノズルを備える紡績装置でもよい。また、紡績ノズルと一対の加然ローラとを備える、紡績速度が数百m/分の高速紡績が可能な紡績装置であってもよい。
【0028】
次に、本発明に係る紡績装置を備える紡績機の構成について図3より説明する。
【0029】
ドラフト装置DRは、図に示すように、バックローラRb,サードローラRt,エプロンベルトEを有するミドルローラRm、及びフロントローラRfから構成される所謂4線式のドラフト装置であって、それぞれ上下一対のローラが送り方向に沿って配置される構成である。
【0030】
前記ドラフト装置DRは、スライバを挿通するガイドであるトランペットTを経て供給されるスライバLを所定の細さに引き伸ばす装置であって、各ローラの回転速度を、上流側から下流側に向かって段々増加しながらスライバLを送ることによってドラフトを行う。所定の細さにドラフトされたスライバLは、紡績装置Spに供給され、該紡績装置Spにおいて紡績糸Yに形成される。
【0031】
また、各ローラを構成している上下一対のローラはそれぞれ、紡績機の本体フレーム側に配設された下部ローラとなるボトムローラと、該ボトムローラと接離自在に構成されるトップローラとで構成されている。
【0032】
つまり、フロントローラRfはフロントトップローラRf1とフロントボトムローラRf2とから構成されている。
【0033】
次に図1および図2より本発明に係る紡績装置について詳細に説明する。
【0034】
紡績装置Spは、紡績ノズル1と中空ガイド軸体3を備えており、フロントトップローラRf1とフロントボトムローラRf2により送り出されてくるスライバLに、圧縮エア噴射孔10から圧縮エアを噴射して、紡績糸Yを生成する装置である。
【0035】
圧縮エア噴射孔10は、円形の繊維通路11の接線方向に向けて、円周上等配して複数配設されると共に、スライバLの送り方向に傾斜して設けられており、前記繊維通路11を介して送り込まれてくるスライバLに旋回気流を作用させて紡績糸Yを生成する。
【0036】
生成される紡績糸Yは中空ガイド軸体3内を通過して、前述した巻取部WRにてパッケージPWとして巻き取られる。噴射される圧縮空気は、中空ガイド軸体3の周囲の空気通路12から外部へ排出される。
【0037】
紡績ノズル1は、圧縮エア噴射孔10が配設された内筒2Aと、該内筒2Aと螺合して装着される外筒2Bとを備えている。また、前記内筒2Aと前記外筒2Bとを螺合すると前記エア噴射孔10の周囲に空気溜り部5を形成する構成とされている。
【0038】
内筒2Aと外筒2Bとは、前記内筒2Aの外周部に設ける雄ネジ部と前記外筒2Bの筒内側に設ける雌ネジとを螺合するネジ部13で一体化する構成としている。また、螺合する際に、ゴムリング等の封止部材14、15を装着して、空気溜り部5を密封する構成としている。また、外筒2Bには前記空気溜り部5に圧縮空気を供給するエア供給配管6が装着されている。
【0039】
本実施の形態では、前記空気溜り部5にエアフィルタ部材4、4Aを設ける構成とした。図1(a)に示すエアフィルタ部材4は、空気溜り部5の一部に収容される程度の大きさの比較的小型な第一実施形態のエアフィルタ部材であって、図1(b)に示すエアフィルタ部材4Aは、空気溜り部5にぴったり嵌まり込む程度の大きな第二実施形態のエアフィルタ部材である。いずれのエアフィルタ部材4、4Aも、環状に配設される複数の圧縮エア噴射孔10を一体的に覆うと共に、部材を連通する空隙部を形成する多孔質性のスポンジフィルタであって、圧縮エアの流通は許可するが、前記圧縮エア噴射孔に詰まる大きさの塵埃の通過を許可しない部材から構成されている。
【0040】
また、前記エアフィルタ部材4、4Aを装着するには、前記内筒2Aと前記外筒2Bとを螺合する操作で固定する構成とし、前記内筒2Aと前記外筒2Bとを分離することで前記エアフィルタ部材4、4Aを取り外すことができる。そのために、図2に示すように、内筒2Aと外筒2Bとの螺合を解除して分離すると、エアフィルタ部材4、4Aと、封止部材14、15を取り外すことができる。
【0041】
上記のような構成としているので、前記内筒2Aと前記外筒2Bとを着脱する操作で、エアフィルタ部材4、4Aが着脱自在となり、部材交換や清掃等のメンテナンス操作を容易に行うことができる。また、着脱自在とするために、エアフィルタ部材4、4Aを、円筒形の内筒2Aの先端部にはめ込み可能な円筒形状としている。前記エアフィルタ部材4、4Aはスポンジフィルタであって弾性を有しているので、予め、装着する内筒2Aの先端部2Aaの外径よりも少し小さな内径としておくことで、前記圧縮エア噴射孔10に密着する構成とすることができる。また、フィルタ部材の長さも、前記内筒2Aと前記外筒2Bとを螺合すると、ぴったりと収納される程度の長さ、もしくは少し長くすることで、前記圧縮エア噴射孔10周囲を密閉して前記空気溜り部5に固着することができる。
【0042】
上記のような構成であれば、内筒2Aの先端部2Aaにフィルタ部材4、4Aを嵌め込んで、外筒2Bを螺合すると、前記フィルタ部材4、4Aが前記圧縮エア噴射孔10を密閉するように装着される。
【0043】
また、前記エアフィルタ部材4、4Aを、部材を連通する空隙部を形成する多孔質性のスポンジフィルタとしているために、エア供給配管6を介して供給される圧縮空気は、エアフィルタ部材4、4Aを連通して圧縮エア噴射孔10に至り該噴射孔から噴射されることになる。また、スポンジフィルタであるエアフィルタ部材4、4Aが有する空隙部の大きさを、圧縮エア噴射孔10の最大幅の半分以下程度の大きさとしておくことで、前記圧縮エア噴射孔10に詰まる虞のある異物の通過を禁止して捕捉することが可能となる。
【0044】
例えば、圧縮エア噴射孔10が丸孔でありその直径が0.5mmの場合は、全体大きさが0.5mm以下の異物であれば、そのまま噴射孔を通過してしまう。しかし、0.5mm以下の大きさの突起部を有する異物であれば、その突起部が噴射孔に突き刺ささってしまい、この噴射孔を塞ぐ虞が生じる。
【0045】
円周上に等配して複数配設される圧縮エア噴射孔10の一つが塞がれても、繊維束を旋回する噴流エネルギのバランスが崩れることになり、旋回エネルギが不均一となって、糸構造の変化が生じたり、弱糸が生じることになる。また、糸構造の変化や弱糸が生じると、後工程での糸切れの原因となったり、織物の染色斑の原因ともなる。
【0046】
紡績ノズル1に供給される圧縮空気は、既にエアフィルタやオイルフィルタを介して異物を除去した空気であるが、エア配管部材を着脱する操作により、ゴム部品や樹脂部品の破片が生じることもある。そのために、本実施の形態に係るエアフィルタ部材4、4Aを前記空気溜り部の圧縮エア噴射孔入口部に装着することで、エア供給配管6の着脱や部品交換の際に配管内部に侵入する異物、あるいは、配管内部の塵埃や腐蝕片等の異物が生じても、圧縮エア噴射孔10への異物の侵入を確実に阻止することが可能となる。
【0047】
もちろん、微小な異物はエアフィルタ部材4、4Aを貫通する。この微小な異物は圧縮エア噴射孔10の径よりもはるかに小さいので、そのまま前記圧縮エア噴射孔10を通り抜けて外部に排出される。
【0048】
また、多孔質性のスポンジフィルタが備える空隙率は、所望される圧縮空気量が通過可能な程度であることは明らかである。また、エアフィルタ部材4、4Aに塵埃等の異物が堆積したり目詰まりしたりすると、圧縮空気の通過が阻害される虞があるが、前述したとおり、紡績ノズル1に供給される圧縮空気は、既にエアフィルタやオイルフィルタを介して異物を除去した空気であるので、空気溜り部5全体を埋める大きさのエアフィルタ部材4Aであっても、短期間で圧縮空気流量を阻害するような異物詰まりは発生せず、定期的な保全により確認するだけで十分である。
【0049】
また、空気溜り部5の一部を埋める程度の小型のエアフィルタ部材4を装着する構成であれば、フィルタ部材の外径全体を異物堆積部として利用可能であるので、異物の堆積速度は非常に遅いものとなる。そのために、定期的な保全の間隔を長くすることも可能でありさらに有効となる。このように、いずれのタイプのエアフィルタ部材を装着した紡績装置1としても、圧縮空気の通過が阻害される現象も急速には発生せずに、定期的に清掃したり部品交換することで、圧力損失を招くことなく安定した紡績状態を維持することが可能である。
【0050】
上記したように、本発明に係る紡績装置は、紡績ノズルを組み立てる螺合動作によりスポンジフィルタであるエアフィルタ部材を弾性的に押圧して圧縮エア噴射孔入口部に密着する構成としているので、前記圧縮エア噴射孔に詰まる虞のある異物の通過を確実に禁止することができる。
【0051】
さらに、エアフィルタ部材を着脱容易な構成としているので、定期的なメンテナンスを行うことで、安定した紡績状態を長期間に亘って維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る紡績装置の断面図を示し、(a)は第一実施形態のエアフィルタ部材を備える紡績装置であり、(b)は第二実施形態のエアフィルタ部材を備える紡績装置である。
【図2】本発明に係る紡績装置の分解断面図である。
【図3】紡績機の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る紡績装置を備える紡績機の全体断面図である。
【図5】紡績機の全体を示す正面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 紡績ノズル
2A 内筒
2B 外筒
3 中空ガイド軸体
4、4A エアフィルタ部材
5 空気溜り部
10 圧縮エア噴射孔
DR ドラフト装置
L スライバ
Y 紡績糸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮エアを噴射して紡績を行う紡績ノズルを備える紡績装置であって、
前記紡績ノズルが、エア供給配管に連なる空気溜り部を介して圧縮エア噴射孔から圧縮エアを噴射すると共に、前記空気溜り部の圧縮エア噴射孔入口部にエアフィルタ部材を着脱自在に配設したことを特徴とする紡績装置。
【請求項2】
前記紡績ノズルが、円形断面の繊維通路に旋回気流を作用させて紡績糸を紡出する紡績ノズルであって、前記繊維通路の接線方向に向けて円周上等配して配設される複数の圧縮エア噴射孔を一体的に覆うエアフィルタ部材を配設したことを特徴とする請求項1に記載の紡績装置。
【請求項3】
前記エアフィルタ部材が、圧縮エアの流通は許可するが、前記圧縮エア噴射孔に詰まる大きさの塵埃の通過を許可しないような、多孔質性のスポンジフィルタであることを特徴とする請求項1または2に記載の紡績装置。
【請求項4】
前記空隙部の大きさが前記圧縮エア噴射孔の最大幅の半分以下の大きさであることを特徴とする請求項3に記載の紡績装置。
【請求項5】
前記紡績ノズルを、前記圧縮エア噴射孔を有する内筒と、前記エア供給配管が装着される外筒とで螺合構成し、前記内筒と前記外筒とを螺合すると前記エア噴射孔の周囲に前記空気溜り部を形成すると共に、前記スポンジフィルタを装着する際に、螺合する動作により前記内筒と前記外筒とで弾性的に押圧して、前記スポンジフィルタが前記圧縮エア噴射孔に密着する構成としたことを特徴とする請求項3または4に記載の紡績装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate