説明

索道の原動軸接続部の冷却機構

【課題】
本発明の課題は索道を運転する原動装置で、特に減速機の入力軸部分を冷却するための原動軸接続部の冷却機構を提供することにある。
【解決手段】
索道の原動緊張装置1で、電動機6の出力軸6aと減速機9の入力軸9aを連結する自在継手40で、減速機9側のクロスキット21bのフランジ部22bをボルト24,24,…で固定するヨークジョイント27と直列に冷却ファン30を減速機9の入力軸9aに挿着する。こうして、電動機6が回転すると冷却ファン30も回転して減速機9の入力軸9a部分を冷却する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、索条に搬器を咬着懸垂させて、該索条の移動に伴い搬器を運行する索道施設で、該索条を滑車に捲き回して駆動するための索道の原動装置であって、駆動力を供給する電動機と、概電動機の駆動力を減速機を介して回転速度を減速して前記索条を巻き掛けた滑車を駆動する原動装置で、前記電動機と減速機を接続する接続部に組み込んだ原動軸接続部の冷却機構に関する。
【背景技術】
【0002】
索道設備で搬器(図示なし。)を握索装置で咬着懸垂した索条101を循環移動するための従来の原動装置100の構成は、図6で示すように、停留場に立設したコラム121,122間に水平に渡架した原動フレーム102上には線路方向に電動機103と減速機105を直列に配列して、電動機103の出力軸と減速機105の入力軸とを自在継手110を介して連結する。また、前記した減速機105の入力軸には同軸上にブレーキディスク109を固着して、かかるブレーキディスク109に作用する制動機104を配備する。次に、前記した減速機105の出力軸105bの軸端部には原動滑車106を水平な向きに嵌着して索条101を捲き掛ける。また、かかる原動滑車106の上下両面には円環状の平滑なディスク面106aを形成して、前記原動フレーム102の下面側に別の制動機107を装着し、前記原動滑車106のディスク面106aを上下方向に咬着することで、原動滑車106の回転を制動させて索条101、即ち、搬器の制動動作が行われる。
【0003】
つぎに、制動停止した搬器の運転を再開する場合には、運転係員が停留場の運転盤に備えた起動押釦(図示せず。)を押すと常用制動機104が咬着していた減速機105の入力軸に同軸上に設けたブレーキディスク109を開放するのと同時に、電動機103が起動して高速で回転し、自在継手110を介して減速機105の入力軸に伝達され、さらに減速されて出力軸105bに嵌着した原動滑車106が回転する。こうして、原動滑車106に捲き掛けられた索条101が循環移動して搬器の運行が行われる。この時、移動する索条101は索受装置108,108で支承誘導されて回転する原動滑車106から外れないようにしている。
【0004】
上記した電動機103の回転速度を所定の搬器の運転速度にまで減速するための減速機105へ伝達する手段としては一般的に自在継手110が使用されている。図7は該自在継手110で電動機103の出力軸103aと減速機105の入力軸105aとを連結した構造を詳細に示した一部断面にした側面図である。図示右側に示した電動機103の出力軸103aにはキー112で廻り止めをしてヨークジョイント111を挿着する。該ヨークジョイント111の図示で左端部には自在継手110の図示右側のクロスキット110aを電動機103の出力軸103aとを同軸上に配置してボルト113,113,‥で取り付ける。
【0005】
つづいて、図示左側に示すように、減速機105の入力軸105aにはカラー119とヨークジョイント114をキー120で廻り止めした状態で軸心方向に挿着した後に、軸端プレート116をボルト117で入力軸105aの軸端面に固着して、回転中にヨークジョイント114が入力軸105aから抜け出ないようにする。その後、前記した自在継手110を構成する図示左側のクロスキット110bをヨークジョイント114のインロー部で同軸上に位置決めした後、側端面にボルト118,118,…で固定する。さらに、該ヨークジョイント114には外周にフランジ部114aを固着して形成し、かかるフランジ部114aには常用制動機104のブレーキディスク109をインロー部で同軸上に位置決めした後、ボルト115,115,…を円周方向に等配して固定する。
【0006】
こうして、電動機103の回転駆動力は、出力軸103aから自在継手110により、減速機105の入力軸105aに伝達される。同時に、減速機105の入力軸105aに挿着したヨークジョイント114に取り付けたブレーキディスク109も電動機103と等速度で回転する。かかる、電動機103の回転速度は1200回転毎分〜1800回転毎分で比較的回転速度が高速であり、減速機105の自在継手110に接続された入力軸105a部分の軸受が高速で回転することで発熱する。従って、周囲の気温が高い場合には潤滑油の劣化を早めたり、減速機105の入力軸105aの軸受けが焼き付きを起こし、希にではあるが、この原因による減速機105の故障で、原動装置100が停止して索道の運転ができなくなる可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平2004−217099号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記したように索道の搬器を運転する原動装置100で、電動機103の出力軸と減速機105の入力軸を自在継手110で連結して電動機103の回転を伝達する原動軸接続部で、減速機105の入力軸105aの部分を冷却して、入力軸105aの軸受の焼き付きを防止する。これにより減速機105の故障による索道の運転が不時停止することを防止して、索道の安全性を向上させるための索道の原動軸接続部の冷却機構を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そして、本発明は上記目的を達成するために、搬器を懸垂した索条を停留場に枢設した滑車間に巻き掛け、循環させて搬器を運行する索道設備において、前記索条を捲き掛けた滑車を回転駆動するための原動装置であって、該原動装置を構成する電動機と、該電動機の回転速度を減速する減速機と、前記電動機の出力軸と、前記減速機の入力軸とを連結する自在継手と、前記電動機の出力軸と減速機の入力軸、及び自在継手の回転軸の同軸上に装着した冷却ファンとよりなり、前記電動機を回転起動すると、冷却ファンも回転し、減速機の入力軸へ向けて送風して、該減速機の入力軸部を冷却する。
【0010】
さらに、前記自在継手と、前記減速機の入力軸との間にディスク用ヨークジョイントを介在して回転軸の同軸上にブレーキディスクを設ける。
【0011】
さらに、前記減速機の入力軸ハウジングの外周には軸受を介して、予備駆動装置の駆動力を伝達するための予備原動用V溝プーリー、ベアリング押さえ、スプライン軸、及びスライドブロックを回転可能に装着し、さらに、前記スプライン軸には回転軸のスラスト方向に摺動するスライドブロックと、該スライドブロックの周縁には接続ピンを取付け、該接続ピンをブレーキデイスクに係脱させて、予備原動装置の回転を減速機の入力軸へ断続可能に伝達する予備原動駆動機構を構成する。
【発明の効果】
【0012】
上記したように、本発明の索道の原動軸接続部の冷却機構は、電動機の出力軸と、減速機の入力軸とを連結する自在継手の同軸上であって、減速機の入力軸側には冷却ファンを装着し、電動機の回転に同期して回転させることで、減速機の入力軸部に向けて送風して、該入力軸部を冷却し、減速機の入力軸部の軸受の焼き付きによる索道の運転が不時停止すること防止することで、索道設備の安全性を向上できる効果がある。
【0013】
さらに、予備原動装置を設けた索道の場合、予備原動装置の回転を減速機へ伝達するために、減速機の入力軸ハウジング外周部に軸受を介して予備原動用V溝プーリーを回転可能に枢着する。
【0014】
さらに、該予備原動用V溝プーリーにはスプロケット軸と、該スプロケット軸を軸方向に摺動するスライドブロックを装着し、さらに該スライドブロックの周縁には接続ピンを取付け、ブレーキデスクに係脱自在にして、電動機による運転と予備原動装置による運転を切り換えるための機構を設ける。この場合、減速機の入力軸部の外周部分は軸受、及び予備原動用V溝プーリーで覆われるので、さらに熱が逃げ難くなり、減速機の入力軸の軸受が焼き付き易くなるので、冷却ファンによる冷却の効果はさらに大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の冷却機構を備えた索道の原動緊張装置の側面図
【図2】図1の原動緊張装置の平面図
【図3】本発明の実施例1の原動軸接続部の冷却機構を示す側面図
【図4】本発明の実施例2の原動軸接続部の冷却機構を示す側面図
【図5】図4の冷却機構の部分拡大図
【図6】従来の原動軸接続部を備えた索道の原動緊張装置の側面図
【図7】従来の原動軸接続部の構成を示す側面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
請求項1の発明は、索道の原動装置で電動機の回転を減速機に伝達する機械要素として自在継手が用いられており、かかる自在継手の減速機の入力軸側に連結するヨークジョインの部分の同軸上に冷却ファンを介装し、電動機の回転速度で回転させ、入力軸側に送風して軸受けを冷却する。
【0017】
請求項2の発明は電動機の出力軸と自在継手で接続する前記減速機の入力軸に挿着したディスク用ヨークジョイントには同軸上に制動機用のブレーキディスクを設ける。
【0018】
請求項3の発明は、索道の原動装置に予備原動装置を備えた場合で、減速機の入力軸部分のハウジング外周に軸受により予備原動用V溝プーリーを枢軸し、電動機の回転駆動力と、予備原動装置の回転駆動力の伝達を切り換えるための、前記予備原動用V溝プーリーの端部に同軸上に固着したスプライン軸の内部空間に冷却ファンを収容するように構成して、電動機の回転速度で回転させ、減速機の入力軸部に向けて送風することで入力軸部の軸受を冷却する。
【実施例1】
【0019】
図1は本発明の原動軸接続部の冷却機構を構成した原動緊張装置1の全体構成を説明した側面図を示す。図2は図1の平面図を示す。原動緊張装置1は停留場の線路側に構築した基礎14上に前脚2を立脚し、所定の間隔を隔てて、後方に構築した基礎15上に後脚3を立脚する。かかる前脚2と後脚3の間の上面には、図2で示すように、平面視で線路方向に長方形の矩形状に枠組した原動緊張フレーム4を設置する。かかる原動緊張フレーム4上には矢印17または矢印18の線路方向に移動可能に摺動フレーム5を配備する。前記した後脚3には原動緊張フレーム4の下方に油圧シリンダーを用いた油圧緊張装置11を装着すると共に、油圧シリンダーのピストンロッドの先端部を前記摺動フレーム5に係止する。
【0020】
つづいて、摺動フレーム5の上面には矢印16の線路方向に電動機6と減速機9を直列に配列し、その後、電動機6の出力軸6aと減速機9の入力軸9aとを自在継手7(20)で連結する。その際、減速機9の入力軸9a側には常用制動機8が作用するブレーキディスク28を同軸上に挿着する。つぎに、減速機9の下方に向けて延出した出力軸9cには水平方向に大径の原動滑車10を装着する。さらに、図2で示すように、原動滑車10には索条13を半周分巻き掛ける。また、矢印17方向の摺動フレーム5の線路側には原動滑車10の周縁を咬着して回転を制動する非常制動機12を配備する。以上が索道の原動緊張装置1の概略構成である。
【0021】
つぎに、図3で示す本発明の請求項1に関わる原動軸接続部に冷却機構を構成した電動機6の出力軸6aと減速機9の入力軸9aを自在継手20で接続した部分の詳細な構成について説明する。図示右側に示す電動機6の出力軸6aにはキー26で廻り止めをしてヨークジョイント25を挿着する。該ヨークジョイント25の図示で左端部には自在継手20の図示右側にあるクロスキット21aをヨークジョイント25に形成したインロー部25aに嵌め込み、同軸上に位置決めしてフランジ部22aをボルト23,23,…で固着する。
【0022】
つづいて、図3で図示左側に示すように、減速機9の入力軸9aにはカラー31と冷却ファン30及びヨークジョイント27をキー32で廻り止めした状態でスラスト方向に記載した順番で挿着した後、軸端プレート33をボルト34で入力軸9aの軸端面に固着して、回転中に冷却ファン30、およびヨークジョイント27が入力軸9aから抜け出ないようにする。その後、前記した自在継手28を構成する図示左側のクロスキット21bをヨークジョイント27の端部に形成したインロー部27aに嵌着して同軸上に位置決めした後、側端面にクロスキット21bのフランジ部22bをボルト24,24,…で固着する。
【0023】
さらに、該ヨークジョイント27には外周にフランジ部27aを固着して形成し、かかるフランジ部27aには常用制動機8が作用するブレーキディスク28をインロー部で同軸上に位置決めした後、ボルト29,29,…を円周上に等配して固定する。
【0024】
こうして、電動機6の回転駆動力は、出力軸6aから自在継手20で減速機9の入力軸9aに伝達される。同時に、入力軸9aに挿着したヨークジョイント27に取り付けたブレーキディスク28及び、同様に入力軸9aに挿着した冷却ファン30も電動機6の回転速度と等速で回転する。通常電動機6の回転速度は1200〜1800rpmで回転しており、従って、冷却ファン30も同じ速度で回転することで、減速機9の入力軸9a方向に送風して、かかる入力軸9aの軸受部分を冷却する。以上は一方の停留場に索条13を緊張するための緊張装置を有した原動緊張装置1について説明したが、緊張装置を有しない原動装置だけであって上記した原動軸接続部に冷却機構を構成することは勿論可能である。
【実施例2】
【0025】
図4、図5は、本発明の請求項2に関わる原動軸接続部の冷却機構を示す。図示右側に示した電動機6の入力軸6aと自在継手40を連結する構成ないし構造は、前記した実施例1で説明した構成ないし構造と略同一である。即ち、電動機6の入力軸6aにはキー46で廻り止めしてヨークジョイント45を挿着する。該ヨークジョイント45の図示で左端側には、自在継手40の図示右側にあるクロスキット41aのフランジ部42aをカラー47で同軸上に位置決めしてボルト43,43,…で固着する。
【0026】
次に、図4の左側に示した構成は、原動緊張装置1に予備原動装置(図示なし。)を装備して、停電などで電動機6が使用できない場合に内燃機関を用いた予備原動装置で回転駆動力を減速機9の入力軸9aに伝達する構成を組み込んだものである。減速機9の入力軸ハウジング9cの外周部に軸受55の内輪を挿着して止め輪68で軸方向に抜け止めをする。また、軸受55の外輪にはVベルト(図示なし。)を掛けるためのV溝を形成した予備原動用V溝プーリー52を嵌着した後、側面から軸受押え56を複数の六角穴付ボルト57,57,…で固定する。
【0027】
更に、該軸受押え56の図示右側の端面には中空円筒形のスプライン軸58を六角穴付ボルト59,59,…で固定する。該スプライン軸58にはスライドブロック60をスプライン同士を噛み合わせて、軸方向に移動可能に挿入する。さらに、該スライドブロック60には側面より接続ピン63を六角穴付ボルト64で図示右側に向けて固着延出する。また、外周にはにはバネで附勢したロックピン61を設ける。前記したスプライン軸58側にはロックピン61を抜き差しする係止穴58aと58bを穿孔する。作用については後記するが、前記ロックピン61を係止穴58aまたは58bへ差し込むことで、スライドブロック60をスプライン軸58に対するスラスト方向の位置決めをする。さらに、該スライドブロック60には予備原動切り換え検出リング62を側面に挿着する。
【0028】
上記した構成により、図5で示すように減速機9の入力軸9aの周辺空間はスプライン軸58の筒状の空間69に限定された状態になる。また、該空間69と外部空間に導通する空気孔70も形成する。こうして、かかる空間69内に延出した状態の入力軸9aにキー67で廻り止めをした状態で冷却ファン51と略円錐状のディスク用ヨークジョイント49を挿着し、入力軸9aの軸端面にボルト66で軸端プレート65を取り付け抜け止めをする。つづいて、図4で示した前記ディスク用ヨークジョイント49に同軸上にブレーキディスク48を六角穴付ボルト50,50,…で取り付ける。さらに、該ブレーキディスク48には同様にして自在継手40の左側のクロスキット41bのフランジ部42bをボルト44,44,…で入力軸9aと同軸上に取り付けるようにする。
【0029】
こうして、通常運転では電動機6の回転駆動力は、出力軸6aから自在継手40で減速機9の入力軸9aに伝達される。同時に入力軸9aに挿着した略円錐状のディスク用ヨークジョイント49およびブレーキディスク48と、同様にして、円筒状のスプライン軸58の内部に形成された空間69内を冷却ファン51も電動機6の回転速度と等速で回転する。従って、請求項1と同様にして該冷却ファン51も1200〜1800rpmで回転することで、空間69内および空気孔70を気流が矢印71方向に流れてることで、入力軸ハウジング9c部分を冷却する。
【0030】
その際、スプライン軸58に挿着したスライドブロック60は矢印72方向の軸受押え56方向に向けてスライドさせて、該スライドブロック60に取り付けた接続ピン63をブレーキディスク48の係合穴48aより抜き出してブレーキディスク48と予備原動用V溝プーリーとの係合関係を離脱させて、ロックピン61をスライド軸58に形成した係止孔58aに挿入して、離脱状態をロックする。こうして、通常の電動機6による運転では予備原動用V溝プーリー52には電動機6の回転駆動力が伝達されないようにする。
【0031】
上記した通常運転に対して、不時の停電などで電動機6での運転が不可能になり乗客が乗車した搬器が線路中で停止した場合には予備原動装置(図示なし。)で運転して乗客を救助する必要がある。この場合には前記とは逆に、スライドブロック60のロックピン61を係止孔58aから抜き取り、該スライドブロック60を矢印75方向にスライドさせて接続ピン63をブレーキデイスク48の係合孔48aに挿入し、さらに、スライドブロック60のバネで附勢されたロックピン61をスプライン軸58の係止孔58bに挿入して、係合状態をロックする。こうして、予備原動装置の回転駆動力はVベルト(図示なし。)で減速機9の入力軸ハウジング9Cに軸受55で回転可能に支承された予備原動用V溝プーリー52に伝達され、続いて、スプライン軸58、スライドブロック60に設けた接続ピン63、ブレークディスク48の順番に回転駆動力が伝達されて、以降は実施例1と同様にして、ディスク用ヨークジョイント49から減速機9の入力軸9aに伝達される。また、スライドブロック60に取り付けた予備原動切換検出リング62で予備原動装置での運転状態を電気的に検出する。
【0032】
こうして、予備原動装置(図示なし。)で減速機9を回転駆動して図1に示した、減速機9の出力軸9Cに嵌着した原動滑車10を回転して索条13、および搬器(図示なし。)を運行して線路中で停止した搬器の乗客を救助する。
【0033】
上記した減速機9の入力軸ハウジング9Cに軸受55で予備原動用V溝プーリー52を設けた場合には、さらに、該軸受55の回転よるは発熱と、入力軸9aの軸受の回転による発熱の両方が加わることと、入力軸ハウジング9Cの外周が軸受55、及び予備原動用V溝プーリー52で覆われるため放熱し難くなるので、より入力軸9a部分が焼き付きを起こしやすくなり、予備原動装置で運転する場合にも本発明の冷却ファン51を回転して入力軸ハウジング9C部を冷却すことで入力軸9a部分の焼き付き防止に効果を奏する。
【符号の説明】
【0034】
1 原動緊張装置
2 前脚
3 後脚
4 原動緊張フレーム
5 摺動フレーム
6 電動機
6a 出力軸
7 自在継手
8 常用制動機
9 減速機
9a 入力軸
9b 入力軸ハウジング
9c 出力軸
10 原動滑車
11 緊張装置(油圧シリンダー)
12 非常制動機
13 索条
14,15 基礎
16,17,18 矢印
20(7) 自在継手
21a,21b クロスキット
22a,22b フランジ部
23,23,… ボルト
24,24,… ボルト
25 ヨークジョイント
26 キー
27 ヨークジョイント
28 ブレーキディスク
29,29,… ボルト
30 冷却ファン
31 カラー
32 キー
33 軸端プレート
34 ボルト
40 自在継手
41a,41b クロスキット
42a,42b フランジ部
43,43,… ボルト
44,44,… ボルト
45 ヨークジョイント
46 キー
47 カラー
48 ブレーキディスク
48a 係合孔
49 ディスク用ヨークジョイント
50,50,… 六角穴付ボルト
51 冷却ファン
52 予備原動用V溝プーリー
53 リング
54,54,… ボルト
55 軸受
56 ベアリング押え
57,57,… 六角穴付ボルト
58 スプライン軸
58a,58b 係止孔
59,59,… 六角穴付ボルト
60 スライドブロック
61 ロックピン
62 予備原動切換検出リング
63 接続ピン
64 六角穴付ボルト
65 軸端プレート
66 ボルト
67 キー
68 止め輪
69 空間
70 空気孔
71,72,73 矢印
100 原動装置
101 索条
102 原動フレーム
103 電動機
103a 出力軸
104 制動機
105 減速機
105a 入力軸
105b 出力軸
106 原動滑車
106a ディスク面
107 制動機
108,108 索受装置
109 ブレーキディスク
110 自在継手
110a、110b クロスキット
111 ヨークジョイント
112 キー
113,113,… ボルト
114 ヨークジョイント
114a フランジ部
115,115,… ボルト
116 軸端プレート
117 ボルト
118,118,… ボルト
119 カラー
120 キー
121,122 コラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬器を懸垂した索条を停留場に枢設した滑車間に巻き掛け、循環させて搬器を運行する索道設備において、前記索条を捲き掛けた滑車を回転駆動するための原動装置であって、該原動装置を構成する電動機と、該電動機の回転速度を減速する減速機と、前記電動機の出力軸と、前記減速機の入力軸とを連結する自在継手と、前記電動機の出力軸と、減速機の入力軸、及び自在継手の回転軸の同軸上に装着した冷却ファンとよりなり、前記電動機を回転起動すると、冷却ファンも回転し、減速機の入力軸へ向けて送風して、前記減速機の入力軸部を冷却するよにしたことを特徴とする索道の原動軸接続部の冷却機構。
【請求項2】
前記自在継手と、前記減速機の入力軸との間にディスク用ヨークジョイントを介在して回転軸の同軸上にブレーキディスクを設けたことを特徴とする請求項1に記載の索道の原動軸接続部の冷却機構。
【請求項3】
前記減速機の入力軸ハウジングの外周には軸受を介して、予備駆動装置の駆動力を伝達するための予備原動用V溝プーリー、軸受押え、スプライン軸を回転可能に装着し、さらに、前記スプライン軸には回転軸のスラスト方向に摺動するスライドブロックと、該スライドブロックの周縁には接続ピンを取付け、該接続ピンをブレーキデイスクに係脱させて、予備原動装置の回転を減速機の入力軸に断続可能に伝達する予備原動駆動切換機構を構成したことを特徴とする請求項1、請求項2に記載の索道の原動軸接続部の冷却機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−95391(P2013−95391A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242932(P2011−242932)
【出願日】平成23年11月5日(2011.11.5)
【出願人】(000228523)日本ケーブル株式会社 (96)
【Fターム(参考)】