説明

紫外線吸収剤を含む高分子材料

【課題】紫外線吸収剤の析出や長期使用によるブリードアウトの生じることがなく、長波紫外線吸収能に優れかつこの吸収能を長期間維持して耐光性に優れる高分子材料を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表わされる化合物を、所定の高分子物質に含有させてなる高分子材料。


及びRは各々独立に水素原子又は置換基を表す。RとRは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。R及びRはハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表す。RとRは互いに結合して環を形成してもよい。R〜Rは、水素原子又は置換基を表わす。R及びR〜Rの任意の2つは互いに結合して環を形成してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線吸収剤を含む高分子材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から紫外線吸収剤を種々の樹脂などと共用して紫外線吸収性を付与することがおこなわれている。紫外線吸収剤として無機系紫外線吸収剤と有機系紫外線吸収剤を用いる場合がある。無機系紫外線吸収剤(例えば、特許文献1〜3等を参照。)では、耐候性や対熱性などの耐久性に優れている反面、吸収波長が化合物のバンドギャップによって決定されるために選択の自由度が少なく、320〜400nmの長波紫外線(UV−A)領域まで吸収できるものはなく、長波紫外線を吸収するものは可視域まで吸収を有するために着色を伴ってしまう。
これに対して、有機系紫外線吸収剤は、吸収剤の構造設計の自由度が高いために、吸収剤の構造を工夫することによって様々な吸収波長のものを得ることができる。
【0003】
これまでにも様々な有機系紫外線吸収剤を用いた系が検討されており、長波紫外線領域まで吸収する場合には、極大吸収波長が長波紫外線領域にあるものを用いるか、濃度を高くするかの2通りが考えられている。しかし、特許文献4及び5等に記載された極大吸収波長が長波紫外線領域にあるものは、耐光性が悪く、吸収能が時間とともに減少していってしまう。
【0004】
これに対してベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤は比較的耐光性も良く、濃度や膜厚を大きくすれば長波長領域まで比較的クリアにカットできる(例えば特許文献6及び7等を参照。)。しかし、通常これらの紫外線吸収剤を樹脂等に混ぜて塗布する場合、膜厚は数十μm程度が限界である。この膜厚で長波長領域までカットしようとするとかなり高濃度に紫外線吸収剤を添加する必要がある。しかしながら、単に高濃度に添加しただけでは紫外線吸収剤の析出や長期使用によるブリードアウトが生じるという問題があった。また、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の中には、皮膚刺激性や生体内への蓄積性を有するものがあり、使用にあたっては細心の注意が必要であった。
【特許文献1】特開平5−339033号公報
【特許文献2】特開平5−345639号公報
【特許文献3】特開平6−56466号公報
【特許文献4】特開平6−145387号公報
【特許文献5】特開2003−177235号公報
【特許文献6】特表2005−517787号公報
【特許文献7】特開平7−285927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記の問題点を解決するものであり、紫外線吸収剤の析出や長期使用によるブリードアウトの生じることがなく、長波紫外線吸収能に優れかつこの吸収能を長期間維持して耐光性に優れる高分子材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、光堅牢性が高い特定の構造を有する化合物を用いることで、紫外線吸収剤の析出や長期使用によるブリードアウトの生じることがなく、長波紫外線吸収能に優れ、しかもこの吸収能を長期間維持して耐光性に優れる高分子材料を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の課題は、以下の方法によって達成された。
<1>下記一般式(1)で表わされる化合物を含む高分子物質を用いてなる高分子材料。
【0007】
【化1】

【0008】
〔一般式(1)中、R及びRは、互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。RとRとは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。
及びRは、それぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表わす。RとRとは互いに結合して環を形成してもよい。
、R及びRは、水素原子または1価の置換基を表わす。但し、R、R、R及びRのうち任意の2つの基は互いに結合して環を形成してもよい。〕
<2>前記一般式(1)で表わされる化合物が下記一般式(2)又は(3)で表わされる化合物であることを特徴とする前記<1>項に記載の高分子材料。
【0009】
【化2】

【0010】
〔一般式(2)中、R21は、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。
23及びR24は、−CN、−COOR25、−CONR2627、−COR28又は−SO29を表わす(R25、R26、R27及びR28は互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。R26およびR27は互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。R29はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。)。
2b及びR2cは、水素原子または1価の置換基を表わす。但し、R2b及びR2cは互いに結合して環を形成してもよい。
21は、炭素原子および窒素原子と一緒になって4〜8員環を形成するのに必要な原子群を表わす。〕
【0011】
【化3】

【0012】
〔一般式(3)中、R31及びR32は、互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。R31とR32とは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。
33及びR34は、−CN、−COOR35、−CONR3637、−COR38又は−SO39を表わす(R35、R36、R37及びR38は互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。R36及びR37は互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。R39はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。)。
3bは、水素原子または1価の置換基を表わす。
31は、炭素原子と一緒になって4〜8員環を形成するのに必要な原子群を表わす。
【0013】
<3>前記高分子物質が、ポリオレフィン、アクリル系ポリマー、ポリエステル、ポリカーボネート及びセルロースエステルからなる群から選ばれる少なくとも一つの物質であることを特徴とする前記<1>又は<2>項に記載の高分子材料。
【0014】
<4>前記一般式(3)で表わされる化合物において、R33及びR34の少なくとも一方が、−CN、−COOR35及び−SO39からなる群から選ばれる置換基(但し、R33及びR34が、同時に−COOR35である場合と、−CNと−COOR35の組み合わせである場合とを除く)であることを特徴とする前記<2>又は<3>項に記載の高分子材料。
【0015】
<5>前記一般式(3)で表わされる化合物において、R31およびR32の少なくとも一方が、アリル基、ヒドロキシメチル基及びベンジル基からなる群から選ばれる置換基であることを特徴とする前記<2>〜<4>のいずれか1項に記載の高分子材料。
<6>下記一般式(X)で表わされる化合物。
【0016】
【化4】

【0017】
〔一般式(X)中、R41及びR42は、互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。R41とR42とは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。
43及びR44は、−CN、−COOR45及び−SO46からなる群から選ばれる置換基を表わす(R45は互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。R46はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。)。但し、R43及びR44が、同時に−COOR45である場合と、−CNと−COOR45の組み合わせである場合とを除く。
4bは、水素原子または1価の置換基を表わす。
41は、炭素原子と一緒になって4〜8員環を形成するのに必要な原子群を表わす。〕
【発明の効果】
【0018】
本発明の高分子材料は、紫外線吸収剤の析出や長期使用によるブリードアウトの生じることがなく、長波紫外線吸収能に優れかつこの吸収能を長期間維持して耐光性(紫外光堅牢性)に優れる、という効果を奏する。また、皮膚刺激性や生体内への蓄積性を有する紫外線吸収剤を使用せず、製造時の取り扱いが容易である。
また、本発明の高分子材料は、優れた耐光性を有しているので、プラスチックや繊維などの高分子成形品として用いることができる。また、優れた長波紫外線吸収能を有しているので、紫外線に弱い内容物を保護するフィルタや容器として用いることができ、光に不安定な化合物の分解を抑制することもできる。
また、本発明の化合物は、優れた長波紫外線吸収能を有し、高分子材料に使用しても、析出やブリードアウトを生じず、上記のように耐光性向上など優れた作用を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の高分子材料は前記一般式(1)で表わされる化合物(紫外線吸収剤化合物)を含む高分子物質を用いてなることを特徴とする。まず、前記一般式(1)で表わされる化合物について説明する。
前記一般式(1)において、RおよびRは互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表わす。アルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。アルキル基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(例えばメチル、エチル)、アリール基(例えばフェニル、ナフチル)、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、置換又は無置換のカルバモイル基(例えばカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、アルキルカルボニル基(例えばアセチル)、アリールカルボニル基(例えばベンゾイル)、ニトロ基、置換または無置換のアミノ基(例えばアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ)、アシルアミノ基(例えばアセトアミド、エトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド)、イミド基(例えばスクシンイミド、フタルイミド)、イミノ基(例えばベンジリデンアミノ)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例えばメトキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ)、スルホ基、置換または無置換のスルファモイル基(例えばスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、ヘテロ環基(例えばピリジル、モルホリノ)などを挙げることができる。また、置換基は更に置換されていても良く、置換基が複数ある場合は、同じでも異なっても良い。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
【0020】
アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アリール基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。
【0021】
ヘテロ環基としては、炭素数6〜20のヘテロ環基が好ましく、例えば、ピリジル基、ピペリジノ基、モルホリノ基などが挙げられる。ヘテロ環基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。
【0022】
とRとは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。形成する環としては、含窒素5または6員環が好ましい。例えば、ピロリジン環、ピロリン環、イミダゾリジン環、イミダゾリン環、オキサゾリン環、チアゾリン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環などが挙げられる。これらの環は1価の置換基を有していてもよく、上述の1価の置換基が例として挙げられる。また、芳香環などと共に縮環構造を形成してもよい。
【0023】
およびRは、それぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表わす。ハメットの置換基定数σ値について説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができる。例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版,1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊,122号,96〜103頁,1979年(南光堂)、Chem.Rev.,1991年,91巻,165〜195ページなどに詳しい。本発明におけるハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基とは電子求引性基であることを示している。σp値として好ましくは0.25以上であり、より好ましくは0.3以上であり、特に好ましくは0.35以上である。
【0024】
およびRの例としては、シアノ基(0.66)、カルボキシル基(−COOH:0.45)、アルコキシカルボニル基(−COOMe:0.45)、アリールオキシカルボニル基(−COOPh:0.44)、カルバモイル基(−CONH:0.36)、アルキルカルボニル基(−COMe:0.50)、アリールカルボニル基(−COPh:0.43)、アルキルスルホニル基(−SOMe:0.72)、またはアリールスルホニル基(−SOPh:0.68)などが挙げられる。本明細書において、Meはメチル基を、Phはフェニル基を表わす。なお、括弧内の値は代表的な置換基のσp値をChem.Rev.,1991年,91巻,165〜195ページから抜粋したものである。
【0025】
とRとは互いに結合して環を形成してもよい。なお、環を形成する場合にはR及びRのσp値を規定することができないが、本発明においてはR及びRにそれぞれ環の部分構造が置換しているとみなして、環形成の場合のσp値を定義することとする。例えば1,3−インダンジオン環を形成している場合、RとRにそれぞれベンゾイル基が置換したものとして考える。
、RおよびRは、水素原子または1価の置換基を表わす。1価の置換基の例としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基である。
【0026】
但し、R、R、RおよびRのうち任意の2つの基は互いに結合して環を形成してもよい。結合する組み合わせはいずれでもよいが、RとRまたはRとRの組で環を形成する場合が好ましい。形成する環としては、前記一般式(1)中に既に定義されている炭素原子または窒素原子を含んで4〜8員環を形成する場合がより好ましい。
【0027】
前記一般式(1)で表わされる化合物は、前記一般式(2)または(3)で表わされる化合物である場合がより好ましい。続いて前記一般式(2)又は(3)で表わされる化合物について詳細に説明する。
前記一般式(2)において、R21は水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。アルキル基、アリール基及びヘテロ環基としては、前記一般式(1)におけるRと同義であり、好ましい場合も同じである。
【0028】
23およびR24は、−CN、−COOR25、−CONR2627、−COR28、−SO29を表わす。R25、R26、R27及びR28は、互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。R29はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。R25〜R29が表わすアルキル基、アリール基およびヘテロ環基の例としては前記一般式(1)におけるRと同じであり、好ましい場合も同じである。R26およびR27は互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよく、形成する環としては窒素原子を含む5〜8員環が好ましい。
【0029】
2bおよびR2cは、水素原子または1価の置換基を表わす。R2bおよびR2cは互いに結合して環を形成してもよい。R2bおよびR2cは前記一般式(1)のRおよびRと同義であり、好ましい場合も同じである。
21は、炭素原子および窒素原子と一緒になって4〜8員環を形成するのに必要な原子群を表わす。例えば、ピロリジン環、ピロリン環、イミダゾリジン環、イミダゾリン環、オキサゾリン環、チアゾリン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環などが挙げられる。これらの環は1価の置換基を有していてもよく、上述の1価の置換基が例として挙げられる。また、芳香環などと共に縮環構造を形成してもよい。
【0030】
前記一般式(3)において、R31およびR32は互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。アルキル基、アリール基およびヘテロ環基としては、前記一般式(1)におけるRおよびRと同義であり、好ましい場合も同じである。R31とR32とは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。形成する環としては、前記一般式(1)におけるRおよびRの場合と同義であり、好ましい場合も同じである。
33およびR34は、−CN、−COOR35、−CONR3637、−COR38又は−SO39を表わす。R35〜R39は、前記一般式(2)におけるR25〜R29と同義であり、好ましい場合も同じである。
【0031】
3bは、水素原子または1価の置換基を表わす。R3bの例としては前記一般式(1)のRと同義であり、好ましい場合も同じである。
【0032】
31は、炭素原子と一緒になって4〜8員環を形成するのに必要な原子群を表わす。例えば、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、ピロリン環、イミダゾリン環、オキサゾリン環、チアゾリン環、オキソール環、アジン環、オキサジン環、ジアジン環などが挙げられる。これらの環は1価の置換基を有していてもよく、上述の1価の置換基が例として挙げられる。また、芳香環などと共に縮環構造を形成してもよい。
【0033】
前記一般式(3)で表わされる化合物において、R33が−CN、−COOR35又は−SO39から選ばれる置換基であり、R34が−CN、−COOR35又は−SO39から選ばれる置換基であることがより好ましい。但し、R33とR34が、同時に−COOR35である場合と、−CNと−COOR35の組み合わせである場合とを含まない。
また、前記一般式(3)で表わされる化合物において、R31およびR32の少なくとも一方はアリル基、ヒドロキシメチル基、ベンジル基からなる群から選ばれる置換基であることがより好ましい。特にR31およびR32の両方がこれらのうちの同じ置換基である場合が好ましい。
【0034】
本発明の前記一般式(X)で表される化合物において、R41及びR42は、互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。アルキル基、アリール基およびヘテロ環基としては、前記一般式(1)におけるRおよびRと同義であり、好ましい場合も同じである。R41とR42とは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。形成する環としては、前記一般式(1)におけるRおよびRの場合と同義であり、好ましい場合も同じである。R41及びR42の少なくとも一方はアリル基、ヒドロキシメチル基、ベンジル基からなる群から選ばれる置換基であることがより好ましい。特にR41及びR42の両方がこれらのうちの同じ置換基である場合が好ましい。
43及びR44は、−CN、−COOR45及び−SO46からなる群から選ばれる置換基を表わす。但し、R43及びR44が、同時に−COOR45である場合と、−CNと−COOR45の組み合わせである場合とを除く。R45及びR46は、前記一般式(2)におけるR25及びR29と同義であり、好ましい場合も同じである。
4bは、水素原子または1価の置換基を表わす。R4bの例としては前記一般式(1)のRと同義であり、好ましい場合も同じである。
41は、炭素原子と一緒になって4〜8員環を形成するのに必要な原子群を表わす。Z41の例としては前記一般式(3)のZ31と同義であり、形成する環の好ましい場合も同じである。
本発明の前記一般式(X)で表される化合物は、高分子材料に使用することで高分子材料の紫外光耐久性を向上させることができる。
【0035】
前記一般式(1)、(2)もしくは(3)、又は(X)のいずれかで表わされる化合物は、公知の特許公報や文献、例えば、特開昭53−128333号公報の8ページ左1行目〜右3行目、特開昭62−56957号公報の8ページ上段右10行目〜下段右5行目、特公平1−53455号公報の10ページ20列19行目〜11ページ22列4行目、特表2005−538072号公報の66ページ段落番号0115〜0117、J.Am.Chem.Soc.,1953,75,1247の実験項などを参考にして合成することができる。
前記一般式(1)、(2)もしくは(3)、又は(X)のいずれかで表わされる化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されない。
【0036】
【化5】

【0037】
【化6】

【0038】
【化7】

【0039】
本発明に用いられる前記一般式(1)〜(3)のいずれかで表わされる化合物、又は本発明の前記一般式(X)で表される化合物は、構造とその置かれた環境によって互変異性体を取り得る。本明細書においては代表的な形の一つで記述しているが、本明細書の記述と異なる互変異性体も本発明に用いられる化合物に含まれる。
【0040】
本発明に用いられる前記一般式(1)〜(3)のいずれかで表わされる化合物、又は本発明の前記一般式(X)で表される化合物は、同位元素(例えば、H、H、13C、15N、17O、18Oなど)を含有していてもよい。
【0041】
前記一般式(1)で表わされる化合物の構造を紫外線吸収性基として繰り返し単位内に含むポリマーも、本発明に好適に使用できる。以下に、前記一般式(1)で表わされる化合物の構造を含む繰り返し単位の例を示す。
【0042】
【化8】

【0043】
上記の繰り返し単位からなるホモポリマーであってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなるコポリマーであってもよい。さらに他の繰り返し単位を含むコポリマーであってもよい。以下に他の繰り返し単位の例を示す。
【0044】
【化9】

【0045】
なお、前記一般式(1)で表される化合物と類似した構造を繰り返し単位内に含むポリマーについては、特公平1−53455号公報の左39行目〜12ページ右38行目、特開昭61−189530号公報の3ページ上段右8行目〜7ページ目下段左15行目、特開昭62−260152号公報の下段右3行目〜12ページ上段右10行目、特開昭63−53544号公報の上段左1行目〜15ページ下段右19行目、特開昭63−56651号公報の2ページ上段右10行目〜14ページ下段左3行目の各公報および欧州特許27242号明細書公報の4ページ29行目〜16ページ34行目、WO2006/009451公報の3ページ28行目〜26ページ1行目に記載がある。ポリマーを得る方法についてはこれら特許文献の記述を参考にすることができる。
【0046】
本発明の高分子材料の調製には、その高分子組成物が用いられる。本発明に用いられる高分子組成物は、後述する高分子物質に前記一般式(1)で表される化合物からなる紫外線吸収剤を添加してなる。
前記一般式(1)〜(3)又は(X)のいずれかで表わされる化合物は、様々な方法で高分子物質に含有させることができる。前記一般式(1)〜(3)又は(X)のいずれかで表わされる化合物が高分子物質との相溶性を有する場合は、前記一般式(1)〜(3)又は(X)のいずれかで表わされる化合物を高分子物質に直接添加することができる。高分子物質との相溶性を有する補助溶媒に、前記一般式(1)〜(3)又は(X)のいずれかで表わされる化合物を溶解し、その溶液を高分子物質に添加してもよい。前記一般式(1)〜(3)又は(X)のいずれかで表わされる化合物を高沸点有機溶媒やポリマー中に分散し、その分散物を高分子物質に添加してもよい。
高沸点有機溶媒の沸点は、180℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。高沸点有機溶媒の融点は、150℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがさらに好ましい。高沸点有機溶媒の例には、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、安息香酸エステル、フタル酸エステル、脂肪酸エステル、炭酸エステル、アミド、エーテル、ハロゲン化炭化水素、アルコールおよびパラフィンが含まれる。リン酸エステル、ホスホン酸エステル、フタル酸エステル、安息香酸エステルおよび脂肪酸エステルが好ましい。
前記一般式(1)〜(3)又は(X)のいずれかで表わされる化合物の添加方法については、特開昭58−209735号、同63−264748号、特開平4−191851号、同8−272058号の各公報および英国特許第2016017A号明細書を参考にできる。
【0047】
異なる構造を有する二種類以上の本発明の紫外線吸収剤を併用してもよいし、本発明の紫外線吸収剤とそれ以外の構造を有する一種類以上の紫外線吸収剤を併用してもよい。二種類(好ましくは三種類)の紫外線吸収剤を併用すると、広い波長領域の紫外線を吸収することができる。また、二種類以上の紫外線吸収剤を併用すると、紫外線吸収剤の分散状態が安定化するとの作用もある。本発明の紫外線吸収剤以外の構造を有する紫外線吸収剤としては、いずれのものでも使用できる。例えば、大勝靖一監修「高分子添加剤の開発と環境対策」(シーエムシー出版、2003年)第2章、東レリサーチセンター調査研究部門編集「高分子用機能性添加剤の新展開」(東レリサーチセンター、1999年)2.3.1、などに記載されている紫外線吸収剤が挙げられる。例えば、紫外線吸収剤の構造として知られているトリアジン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、メロシアニン系、シアニン系、ジベンゾイルメタン系、桂皮酸系、アクリレート系、安息香酸エステル系シュウ酸ジアミド系などの化合物が挙げられる。例えば、ファインケミカル、2004年5月号、28〜38ページ、東レリサーチセンター調査研究部門発行「高分子用機能性添加剤の新展開」(東レリサーチセンター、1999年)96〜140ページ、大勝靖一監修「高分子添加剤の開発と環境対策」(シーエムシー出版、2003年)54〜64ページなどに記載されている。
好ましくは、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、アクリレート系、トリアジン系の化合物である。より好ましくはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系の化合物である。特に好ましくはベンゾトリアゾール系、トリアジン系の化合物である。
【0048】
前記ベンゾトリアゾール系化合物としては、その有効吸収波長が約270〜380nmで、下記一般式(IIa)、(IIb)または(IIc)のいずれかで表される化合物が好ましい。
【0049】
【化10】

【0050】
[前記一般式(IIa)中、
11は、水素原子、1〜24個の炭素原子を有するアルキル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル、または下記一般式:
【0051】
【化11】

(式中、R14及びR15は、互いに独立して1〜5個の炭素原子を有するアルキルを表す。R14は、C2n+1−m基と一緒になって、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル基を形成してもよい。mは1又は2を表す。nは2〜20の整数を表す。Mは、−COOR16(ここで、R16は、水素原子、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、アルキル部分及びアルコキシ部分に1〜20個の炭素原子を有するアルコキシアルキル、またはアルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルである。)を表す。)
で表される基であり、
【0052】
は、水素原子、ハロゲン原子、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、及びアルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
は、水素原子、塩素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシ、または−COOR16(ここで、R16は先に規定される通りである。)である。
但し、R11及びR12のうちの少なくとも1つは、水素原子以外である。]
【0053】
[前記一般式(IIb)中、
Tは、水素原子または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、
は、水素原子、塩素原子、または1〜4個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシであり、
nは1又は2であり、
nが1のときTは、塩素原子、−OT、または式:
【0054】
【化12】

であり、
また、nが2のときTは、式:
【0055】
【化13】

、又は−O−T−O−の基である。
【0056】
(ここで、Tは、水素原子、1〜18個の炭素原子を有しそして非置換であるか、または1〜3個のヒドロキシル基によってもしくは−OCOTによって置換されるアルキル、3〜18個の炭素原子を有し、−O−または−NT−によって連続的炭素−炭素結合が1回または数回中断され、そして非置換であるか、またはヒドロキシルもしくは−OCOTによって置換されるアルキル、5〜12個の炭素原子を有しそして非置換であるか、またはヒドロキシル及び/又は1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるシクロアルキル、2〜18個の炭素原子を有しそして非置換であるか、またはヒドロキシルによって置換されるアルケニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、または、−CHCH(OH)−Tもしくは
【0057】
【化14】

であり、
【0058】
及びTは、互いに独立して、水素原子、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、3〜18個の炭素原子を有しそして−O−または−NT−によって連続的炭素−炭素結合が1回または数回中断されるアルキル、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル、フェニル、1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるフェニル、3〜8個の炭素原子を有するアルケニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、または2〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルであり、
【0059】
は、水素原子、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル、3〜8個の炭素原子を有するアルケニル、フェニル、1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるフェニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
【0060】
は、水素原子、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、非置換であるか、またはヒドロキシルによって置換されるフェニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、または−CHOTであり、
は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、3〜8個の炭素原子を有するアルケニル、5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル、フェニル、1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるフェニル、または、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
【0061】
は、2〜8個の炭素原子を有するアルキレン、4〜8個の炭素原子を有するアルケニレン、4個の炭素原子を有するアルキニレン、シクロヘキシレン、2〜8個の炭素原子を有しそして−O−によって連続的炭素−炭素結合が1回または数回中断されるアルキレン、または−CHCH(OH)CHO−T11−OCHCH(OH)CH−、もしくは−CH−C(CHOH)−CH−であり、
【0062】
10は、2〜20個の炭素原子を有しそして−O−によって連続的炭素−炭素結合が1回もしくは数回中断されることができるアルキレン、またはシクロヘキシレンであり、
【0063】
11は、2〜8個の炭素原子を有するアルキレン、2〜18個の炭素原子を有しそして−O−によって連続的炭素−炭素結合が1回もしくは数回中断されるアルキレン、1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−フェニレン、もしくは1,4−フェニレンであり、または、T10、及びTは、2個の窒素原子と一緒になって、ピペラジン環になる。)]
【0064】
[前記一般式(IIc)中、R’は、C〜C12アルキルであり、そしてkは1〜4の数である。]
【0065】
前記一般式(IIa)〜(IIc)のいずれかで表される化合物の代表例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)−5’−メチルベンジル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール]、2−[3’−t−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
【0066】
【化15】

(式中、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル]ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
【0067】
前記トリアジン系化合物としては、その有効吸収波長が約270〜380nmで、下記一般式(III)で表される化合物が好ましい。
【0068】
【化16】

【0069】
[前記一般式(III)中、
uは1又は2であり、そしてrは1〜3の整数であり、
置換基Yは、互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル、フェニルもしくはハロゲン、ハロゲノメチル、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、1〜18個の炭素原子を有するアルコキシ、−COO−(C〜C18アルキル)によって置換される1〜18個の炭素原子を有するアルコキシである。
【0070】
uが1のときYは、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、非置換であるか、またはヒドロキシル、ハロゲン、1〜18個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシによって置換されるフェニル;
1〜12個の炭素原子を有しそして−COOH、−COOY、−CONH、−CONHY、−CONY10、−NH、−NHY、−NY10、−NHCOY11、−CN、及び/又は−OCOY11によって置換されるアルキル;
4〜20個の炭素原子を有し、1個以上の酸素原子によって連続的炭素−炭素結合が中断されそして非置換であるか、またはヒドロキシルもしくは1〜12個の炭素原子を有するアルコキシによって置換されるアルキル、3〜6個の炭素原子を有するアルケニル、グリシジル、非置換であるか、またはヒドロキシル、1〜4個の炭素原子を有するアルキル及び/又は−OCOY11によって置換されるシクロヘキシル、アルキル部分に1〜5個の炭素原子を有しそして非置換であるか、またはヒドロキシル、塩素及び/又はメチルによって置換されるフェニルアルキル、−COY12もしくは−SO13である。
【0071】
また、uが2のときYは、2〜16個の炭素原子を有するアルキレン、4〜12個の炭素原子を有するアルケニレン、キシリレン、3〜20個の炭素原子を有し、1個以上の−O−原子によって連続的炭素−炭素結合が中断され、及び/又はヒドロキシルによって置換されるアルキレン、−CHCH(OH)CH−O−Y15−OCHCH(OH)CH、−CO−Y16−CO−、−CO−NH−Y17−NH−CO−、または−(CH−CO−Y18−OCO−(CHである。
【0072】
(ここで、
mは、1、2または3であり、
は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、3〜18個の炭素原子を有するアルケニル、3〜20個の炭素原子を有し、1個以上の酸素もしくは硫黄原子または−NT−によって連続的炭素−炭素結合が中断され、及び/又はヒドロキシルによって置換されるアルキル、1〜4個の炭素原子を有しそして−P(O)(OY14、−NY10、もしくは−OCOY11及び/又はヒドロキシルによって置換されるアルキル、3〜18個の炭素原子を有するアルケニル、グリシジル、またはアルキル部分に1〜5個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
及びY10は、互いに独立して、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、3〜12個の炭素原子を有するアルコキシアルキル、4〜16個の炭素原子を有するジアルキルアミノアルキル、もしくは5〜12個の炭素原子を有するシクロヘキシルであり、または、Y及びY10は、一緒になって3〜9個の炭素原子を有するアルキレン、オキサアルキレンまたはアザアルキレンであってもよく、
11は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、2〜18個の炭素原子を有するアルケニル、またはフェニルであり、
12は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、2〜18個の炭素原子を有するアルケニル、フェニル、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ、フェノキシ、1〜12個の炭素原子を有するアルキルアミノ、またはフェニルアミノであり、
13は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、またはアルキル基に1〜8個の炭素原子を有するアルキルフェニルであり、
14は、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、またはフェニルであり、
15は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、フェニレン、または−フェニレン−M−フェニレン−(ここで、Mは、−O−、−S−、−SO−、−CH−または−C(CH−である。)であり、
16は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、オキサアルキレンまたはチアアルキレン、フェニレン、または2〜6個の炭素原子を有するアルケニレンであり、
17は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、フェニレン、またはアルキル部分に1〜11個の炭素原子を有するアルキルフェニレンであり、そして
18は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、または4〜20個の炭素原子を有しそして酸素によって連続的炭素−炭素結合が1回もしくは数回中断されるアルキレンである。)]
【0073】
前記一般式(III)で表される化合物の代表例としては、2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジ(4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジ(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ)フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。
【0074】
前記ベンゾフェノン系化合物としては、その有効吸収波長が約270〜380nmである化合物が好ましく、その代表例としては2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−デシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノ−2’−ヘキシルオキシカルボニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、1,4−ビス(4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシフェノキシ)ブタン等を挙げることができる。
【0075】
前記サリチル酸系化合物としては、その有効吸収波長が約290〜330nmである化合物が好ましく、その代表例としてはフェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、4−オクチルフェニルサリシレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシサリシレート、ヘキサデシル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシサリシレートなどを挙げることができる。
【0076】
前記アクリレート系化合物としては、その有効吸収波長が約270〜350nmである化合物が好ましく、その代表例としては2−エチルヘキシル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、イソオクチル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、ヘキサデシル 2−シアノ−3−(4−メチルフェニル)アクリレート、メチル 2−シアノ−3−メチル−3−(4−メトキシフェニル)シンナメート、ブチル 2−シアノ−3−メチル−3−(4−メトキシフェニル)シンナメート、メチル 2−カルボメトキシ−3−(4−メトキシフェニル)シンナメート2−シアノ−3−(4−メチルフェニル)アクリル酸塩、1,3−ビス(2’−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ)−2,2−ビス(((2’−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ)メチル)プロパン、N−(2−カルボメトキシ−2−シアノビニル)−2−メチルインドリン等を挙げることができる。
【0077】
前記シュウ酸ジアミド系化合物としては、その有効吸収波長が約250〜350nmであるものが好ましく、その代表例としては4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルオキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−t−ブチルオキサニリド等を挙げることができる。
【0078】
前記一般式(1)〜(3)又は(X)のいずれかで表わされる化合物の添加量は、高分子材料が使用される目的に応じて任意に設定することができるが、好ましくは高分子材料中0.001〜10質量%であり、より好ましくは0.01〜5質量%である。また、前記一般式(1)で表わされる化合物以外の紫外線吸収剤の添加量は、本発明の目的に応じて適宜決定することができる。
【0079】
本発明においては、紫外線吸収剤のみで実用的には十分な紫外線遮蔽効果が得られるものの、更に厳密を要求する場合には隠蔽力の強い白色顔料、例えば酸化チタンなどを併用してもよい。また、外観、色調が問題となる時、あるいは好みによって微量(0.05質量%以下)の着色剤を併用することができる。また、透明あるいは白色であることが重要である用途に対しては蛍光増白剤を併用してもよい。蛍光増白剤としては市販のものや特開2002−53824号公報記載の一般式[1]や具体的化合物例1〜35などが挙げられる。
【0080】
続いて本発明に用いられる高分子物質について説明する。高分子物質としては、天然又は合成ポリマーもしくはコポリマーである。例えば以下のものが挙げられる。
<1> モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望により架橋され得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0081】
ポリオレフィン、すなわち前の段落において例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なる方法によりそしてとりわけ以下の方法により調製され得る:
a)ラジカル重合(通常は高圧下において及び高められた温度において)。
b)通常、周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII群の金属の一つ又はそれ以上を含む触媒を使用した触媒重合。これらの金属は通常、一つ又はそれ以上の配位子、典型的にはπ−又はσ−配位し得るオキシド、ハロゲン化物、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は遊離形態であるか、又は基材に、典型的には活性化塩化マグネシウム、チタン(III)クロリド、アルミナ又は酸化ケイ素に固定され得る。これらの触媒は、重合媒体中に可溶又は不溶であり得る。該触媒は重合においてそのまま使用され得、又は他の活性化剤、典型的には金属アルキル、金属ヒドリド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシドまたは金属アルキルオキサンであって、該金属が周期表のIa、IIa及び/又はIIIa群の元素であるものが使用されることができる。該活性化剤は、他のエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で都合良く変性され得る。これらの触媒系は、通常、フィリップス、スタンダード・オイル・インディアナ、チグラー(−ナッタ)、TNZ(デュポン)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と命名される。
【0082】
<2> 前記<1>項で言及されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレン(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)の混合物、及び異なる型のポリエチレンの混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0083】
<3> モノオレフィン及びジオレフィンの互いの又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びそれの低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、COC(Cyclo−Olefin Copolymer)のようなエチレン/ノルボルネン)、1−オレフィンが現場で生成されるエチレン/1−オレフィンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)、ならびにエチレンとプロピレン及びへキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー;及びそのようなコポリマーの互いの及び1)で上述したポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互の又はランダムのポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらの他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0084】
<4> 水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9)及びポリアルキレン及びデンプンの混合物。
【0085】
前記<1>ないし<4>項のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
【0086】
<5> ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0087】
<6> スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、とりわけp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンの全ての異性体、及びそれらの混合物を含む芳香族ビニルモノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
【0088】
<6a> エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル又はそのアクリル誘導体及び混合物から選択される上述された芳香族ビニルモノマー及びコモノマーを含むコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマー及び他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの高耐衝撃性の混合物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマー。
【0089】
<6b> 前記<6>項で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー、とりわけアタクチックポリスチレンを水素化することにより調製され、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として言及されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含む。
【0090】
<6c> 前記<6a>項で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー。
【0091】
ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
【0092】
<7> スチレン又はα−メチルスチレンのような芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン;ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエンにスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートにスチレン及びアクリロニトリル;アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの前記<6>項に列挙されたコポリマーとの混合物、例えばABS、SAN、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知であるコポリマー混合物。
【0093】
<8> ポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化及び臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化又はスルホ塩素化ポリエチレン、エチレン及び塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、とりわけハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ボリフッ化ビニリデン、ならびに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマーのようなそれらのコポリマー、のようなハロゲン含有ポリマー。
【0094】
<9> α,β−不飽和酸及びから誘導されたポリマー、及びポリアクリレート及びポリメタクリレートのようなその誘導体;ブチルアクリレートで耐衝撃改善されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0095】
<10> 前記<9>項で言及されたモノマーの互いの又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0096】
<11> 不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー又はそれらのアシル誘導体又はアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;ならびに前記<1>項で言及されたオレフィンとそれらのコポリマー。
【0097】
<12> ポリアルキレングリコール、ボリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはビスグリシジルエーテルとそれらのコポリマーのような環式エーテルのホモポリマー及びコポリマー。
【0098】
<13> ポリオキシメチレン及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチレンのようなポリアセタール;熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性されたポリアセタール。
【0099】
<14> ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、及びポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0100】
<15> 一方はヒドロキシル基末端を有するポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンと、他方は脂肪族又は芳香族のポリイソシアナートから誘導されたポリウレタン、ならびにそれらの前駆体。
【0101】
<16> ジアミシとジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から開始した芳香族ポリアミド;へキサメチレンジアミン及びイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から及び変性剤としてのエラストマーを用いて又は用いずに調製されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド:及び上述されたポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又は化学的に結合されたか又はグラフトされたエラストマーとのブロックコポリマー;又は例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルとのブロックコポリマー;ならびにEPDM又はABSで変性されたポリアミド又はコポリアミド;及び加工の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0102】
<17> ポリ尿素、ポリイミド、ボリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0103】
<18> ジカルボン酸とジオールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、ならびにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル;及びまたポリカーボネート又はMBSで変性されたポリエステル。米国特許第5,807,932号明細書(2欄、53行)で定義されたようなポリエステル及びポリエステルコポリマーは、参照としてここに組込まれる。
【0104】
<19> ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0105】
<20> ポリケトン。
【0106】
<21> ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0107】
<22> 一成分としてのアルデヒドと他成分としてのフェノール、尿素及びメラミンとから誘導された架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
【0108】
<23> 乾性及び非乾性アルキド樹脂。
【0109】
<24> 飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価アルコールと架橋剤としてのビニル化合物とから誘導された不飽和ポリエステル樹脂、及び更に低燃性のそのハロゲン含有変性体。
【0110】
<25> 置換アクリレート、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂。
【0111】
<26> メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂を用いて架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
【0112】
<27> 脂肪族、脂環式、複素環式又は芳香族グリシジル化合物から誘導された架橋エポキシ樹脂、例えば、促進剤を用いて又は用いずに、無水物又はアミンのような慣例の硬化剤で架橋されている、ビスフェノールA及びビスフェノールFのグリシジルエーテル生成物。
【0113】
<28> 天然ポリマー、例えばセルロース、ゴム、ゼラチン及び化学的に変性されたそれらの同族列の誘導体、例えばセルロースアセテート、セルロースプロピオネート及びセルロースブチレート、又はセルロースエーテル、例えばメチルセルロース;並びにロジン及びそれらの誘導体。
【0114】
<29> 上述のポリマーの配合物(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0115】
<30> 純粋なモノマー状化合物又は前記化合物の混合物である天然及び合成有機材料、例えば鉱油、動物及び植物脂肪、油及びワックス、又は合成エステル(例えばフタレート、アジペート、ホスフェート又はトリメリテート)をベースとする油、脂肪及びワックス、及び更に何れかの質量比の合成エステルと鉱油との混合物、代表的には繊維紡糸組成物として使用される混合物、並びに前記材料の水性エマルジョン。
【0116】
<31> 天然又は合成ゴムの水性エマルジョン、例えば天然ラテックス又はカルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマーのラテックス。
【0117】
<32> ポリシロキサン類、例えば、アメリカ合衆国特許第4259467号明細書に記載された軟質、親水性のポリシロキサン、及び、例えば、アメリカ合衆国特許第4355147号明細書に記載された硬質ポリオルガノシロキサン。
【0118】
<33> 不飽和アクリルポリアセトアセテート樹脂と又は不飽和アクリル樹脂と組み合わせたポリケチミン。前記不飽和アクリル樹脂はウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ペンダント不飽和基を持つビニル若しくはアクリルコポリマー、及びアクリル化されたメラミンを包含する。前記ポリケチミンは、酸触媒の存在下で、ポリアミンとケトンから製造される。
【0119】
<34> エチレン性不飽和モノマー又はオリゴマー及び多不飽和脂肪族オリゴマーを含む輻射線硬化性組成物。
【0120】
<35> LSE−4103[商品名、モンサント(Monsanto)社製]のようなエポキシ官能性の共エーテル化された高固形分メラミン樹脂により架橋された光安定化エポキシ樹脂のようなエポキシメラミン樹脂。
【0121】
本発明に用いられる高分子物質は、合成ポリマーである場合が好ましく、ポリオレフィン、アクリル系ポリマー、ポリエステル、ポリカーボネート、セルロースエステルがより好ましい。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン)、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースが特に好ましい。
本発明に用いられる高分子物質は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
本発明に用いられる高分子物質は、透過率が80%以上であることが好ましい。なお、なお、本発明における透過率については、日本化学会編”第4版実験化学講座29高分子材料”(丸善、1992年)225〜232ページに記載の内容に基づき、全光線透過率を求めたものである。
【0122】
本発明に用いられる高分子材料は、上記の高分子物質および紫外線防止剤に加えて、必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、加工安定剤、老化防止剤、相溶化剤等の任意の添加剤を適宜含有してもよい。
【0123】
次に、本発明の高分子材料について説明する。
本発明の高分子材料は前記高分子物質を用いてなる。本発明の高分子材料は、前記高分子物質のみから形成されたものでもよく、また、前記高分子物質を任意の溶媒に溶解して形成されたものでもよい。
本発明の高分子材料は、合成樹脂が使用される全ての用途に使用可能であるが、特に日光又は紫外線を含む光に晒される可能性のある用途に特に好適に使用できる。具体例としては、例えばガラス代替品とその表面コーティング材、住居、施設、輸送機器等の窓ガラス、採光ガラス及び光源保護ガラス用のコーティング材、住居、施設、輸送機器等の内外装材及び内外装用塗料、蛍光灯、水銀灯等の紫外線を発する光源用部材、精密機械、電子電気機器用部材、各種ディスプレイから発生する電磁波等の遮断用材、食品、化学品、薬品等の容器又は包装材、農工業用シート又はフィルム材、印刷物、染色物、染顔料等の退色防止剤、日焼け止めクリーム、シャンプー、リンス、整髪料等の化粧品、スポーツウェア、ストッキング、帽子等の衣料用繊維製品及び繊維、カーテン、絨毯、壁紙等の家庭用内装品、プラスチックレンズ、コンタクトレンズ、義眼等の医療用器具、光学フィルタ、プリズム、鏡、写真材料等の光学用品、テープ、インク等の文房具、標示板、標示器等とその表面コーティング材等を挙げることができる。
【0124】
本発明の高分子材料の形状としては、平膜状、粉状、球状粒子、破砕粒子、塊状連続体、繊維状、管状、中空糸状、粒状、板状、多孔質状などのいずれの形状であってもよい。
【0125】
本発明の高分子材料は、前記一般式(1)で表わされる長波紫外線吸収化合物を含有しているため、優れた耐光性(紫外光堅牢性)を有しており、紫外線吸収剤の析出や長期使用によるブリードアウトが生じることがない。また、本発明の高分子材料は、優れた長波紫外線吸収能を有するので、紫外線吸収フィルタや容器として用いることができ、紫外線に弱い化合物などを保護することもできる。例えば、前記高分子物質を押出成形又は射出成形などの任意の方法により成形することで、本発明の高分子材料からなる成形品(容器等)を得ることができる。また、別途作製した成形品に前記高分子物質の溶液を塗布・乾燥することで、本発明の高分子材料からなる紫外線吸収膜がコーティングされた成形品を得ることもできる。
【0126】
本発明の高分子材料を紫外線吸収フィルタや紫外線吸収膜として用いる場合、高分子物質は透明であることが好ましい。透明高分子材料の例としては、セルロースエステル(例、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン)、ポリメチルメタクリレート、シンジオタクチックポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドおよびポリオキシエチレンなどが挙げられる。好ましくはセルロースエステル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル樹脂である。本発明の高分子材料は透明支持体として用いることもでき、透明支持体の透過率は80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。
【0127】
また、一般式(1)で表される化合物として、R、R、R及びRのうち任意の2つの基が互いに結合して環を形成しない化合物(以下化合物(1b)とする)を含む場合には、包装材料、容器、塗料、塗膜、インク、繊維、建材、記録媒体、画像表示装置、または太陽電池用フィルタの用途において好適に用いることができる。R、R、R及びRのうち任意の2つの基が互いに結合して環を形成する一般式(1)で表される化合物を化合物(1a)とした場合、化合物(1a)と化合物(1b)の割合は0:1〜1:0の範囲でいずれであってもよく、所望により適宜比率を決定することができる。好ましくは化合物(1b)のみを含む場合である。
化合物(1b)の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されない。
【0128】
【化17】

【0129】
【化18】

【0130】
【化19】

【0131】
本発明における包装材料について説明する。本発明の包装材料は一般式(1)で表わされる化合物を含むものであればいずれの種類の高分子から成る包装材料であってもよい。例えば、特開平8−208765号公報の段落番号[0008]〜[0029]記載の紫外線吸収剤を含むポリプロピレン系重合体を含む熱可塑性樹脂、特開平8−151455号公報の段落番号[0008]〜[0022]記載の紫外線吸収剤を含むポリビニルアルコール、特開平8−245849号公報の段落番号[0006]〜[0196]記載の紫外線吸収剤を含むポリ塩化ビニル、特開2004−285189号公報の段落番号[0007]〜[0036]記載の紫外線吸収剤を含むポリエステル、特開2001−323082号公報の段落番号[0010]〜[0032]記載の紫外線吸収剤を含む記載の熱収縮性ポリエステル、特開平10−298397号公報の段落番号[0007]〜[0037]記載の紫外線吸収剤を含むスチレン系樹脂、特開平11−315175号公報の段落番号[0012]〜[0067]、特開2001−26081号公報の段落番号[0005]〜[0010]、特開2005−305745号公報の段落番号[0016]〜[0024]記載の紫外線吸収剤を含むポリオレフィン、特表2003−524019号公報の段落番号[0010]〜[0123]記載の紫外線吸収剤を含むROMPなどが挙げられる。例えば特開2004−50460号公報の段落番号[0007]〜[0048]、特開2004−243674号公報の段落番号[0004]〜[0021]記載の紫外線吸収剤を含む無機物の蒸着薄膜層を有する樹脂であってもよい。例えば特開2006−240734号公報の段落番号[0006]〜[0024]記載の紫外線吸収剤を含む樹脂を塗布した紙であってもよい。
【0132】
本発明の包装材料は食料品、飲料、薬剤、化粧品、個人ケア用品等いずれのものを包装するものであってもよい。例えば、特開平11−34261号公報の段落番号[0008]〜[0016]、特開2003−237825号公報の段落番号[0007]〜[0027]記載の食品包装、特開平8−80928号公報の段落番号[0008]〜[0076]記載の着色液体包装、特開2004−51174号公報の段落番号[0007]〜[0035]記載の液状製剤用包装、特開平8−301363号公報の段落番号[0006]〜[0023]、特開平11−276550号公報の段落番号[0007]〜[0029]記載の医薬品容器包装、特開2006−271781号公報の段落番号[0011]〜[0024]記載の医療品用滅菌包装、特開平7−287353号公報の段落番号[0180]〜[0194]記載の写真感光材料包装、特開2000−56433号公報の段落番号[0013]〜[0126]記載の写真フィルム包装、特開2005−178832号公報の段落番号[0019]〜[0069]記載の紫外線硬化型インク用包装、特開2003−200966号公報、特開2006−323339号公報に記載のシュリンクラベルなどが挙げられる。
【0133】
本発明における包装材料は、例えば特開2004−51174号公報の段落番号[0007]〜[0035]記載の透明包装体であってもよいし、例えば特開2006−224317号公報の段落番号[0022]〜[0039]記載の遮光性包装体であってもよい。
【0134】
本発明の包装材料は、例えば特開2001−26081号公報の段落番号[0005]〜[0010]、特開2005−305745号公報の段落番号[0016]〜[0024]記載のように紫外線遮蔽性を有するだけでなく、他の性能を合わせて持っていても良い。例えば特開2002−160321号公報の段落番号[0006]〜[0022]記載のガスバリヤー性を合わせて有するものや、例えば特開2005−156220号公報の段落番号[0019]〜[0031]記載の酸素インジケータを内包するものや、例えば特開2005−146278号公報の段落番号[0013]〜[0066]記載の紫外線吸収剤と蛍光増白剤を組み合わせるものなどが挙げられる。
【0135】
本発明の包装材料は、いずれの方法を用いて製造してもよい。例えば特開2006−130807号公報の段落番号[0156]〜[0025]記載のインキ層を形成させる方法、例えば、特開平8−301363号公報の段落番号[0006]〜[0016]記載の基材層と熱接着性樹脂層を含有する中間層を介して貼りあわせ積層シートにする方法、例えば特開2001−323082号公報の段落番号[0027]〜[0034]、特開2005−305745号公報の段落番号[0021]〜[0022]記載の紫外線吸収剤を含有した樹脂を溶融押出し積層する方法、例えば特開平9−142539号公報の段落番号[0011]〜[0031]記載の基材フィルム上にコーティングする方法、例えば特開平9−157626号公報の段落番号[0010]〜[0018]記載の接着剤に紫外線吸収剤を分散する方法などが挙げられる。
【0136】
本発明における容器について説明する。本発明の容器は一般式(1)で表わされる化合物を含むものであればいずれの種類の高分子から成る容器であってもよい。例えば、特開平8−324572号公報の段落番号[0014]〜[0041]記載の紫外線吸収剤を含む熱可塑性樹脂容器、特開2001−48153号公報の段落番号[0011]〜[0055]、特開2005−105004号公報の段落番号[0016]〜[0042]、特開2006−1568号公報の段落番号[0012]〜[0045]記載の紫外線吸収剤を含むポリエステル製容器、特開2000−238857号公報の段落番号[0007]〜[0030]記載の紫外線吸収剤を含むポリエチレンナフタレート製容器、特開2001−88815号公報の段落番号[0015]〜[0030]記載の紫外線吸収剤を含むポリエチレン製容器、特開平7−216152号公報の段落番号[0009]〜[0125]記載の紫外線吸収剤を含む環状オレフィン系樹脂組成物製容器、特開2001−270531号公報の段落番号[0012]〜[0020]記載の紫外線吸収剤を含むプラスチック容器、特開2004−83858号公報の段落番号[0019]〜[0018]記載の紫外線吸収剤を含む透明ポリアミド容器などが挙げられる。例えば特開2001−114262号公報の段落番号[0017]〜[0040]、特開2001−213427号公報の段落番号[0014]〜[0061]記載の樹脂を含む紫外線吸収剤を含む紙容器であってもよい。例えば特開平8−133787号公報の段落番号[0010]〜[0020]記載の紫外線吸収層を有するガラス容器であってもよい。
【0137】
本発明の容器の用途は食料品、飲料、薬剤、化粧品、個人ケア用品、シャンプー等いずれのものを入れるものであってもよい。例えば特開平5−139434号公報の段落番号[0004]〜[0008]記載の液体燃料貯蔵容器、特開平7−289665号公報の段落番号[0008]〜[0014]記載のゴルフボール容器、特開平9−295664号公報の段落番号[0010]〜[0017]、特開2003−237825号公報の段落番号[0007]〜[0027]記載の食品用容器、特開平9−58687号公報の段落番号[0010]〜[0018]記載の酒用容器、特開平8−155007号公報の段落番号[0008]〜[0110]記載の薬剤充填容器、特開平8−324572号公報の段落番号[0017]〜[0042]、特開2006−298456号公報の段落番号[0012]〜[0050]記載の飲料容器、特開平9−86570号公報の段落番号[0013]〜[0036]記載の油性食品用容器、特開平9−113494号公報の段落番号[0014]〜[0028]記載の分析試薬用溶液容器、特開平9−239910号公報の段落番号[0010]〜[0017]記載の即席麺容器、特開平11−180474号公報の段落番号[0007]〜[0051]、特開2002−68322号公報の段落番号[0011]〜[0017]、特開2005−278678号公報の段落番号[0008]〜[0034]記載の耐光性化粧品容器、特開平11−276550号公報の段落番号[0007]〜[0030]記載の医薬品容器、特開平11−290420号公報の段落番号[0009]〜[0032]記載の高純度薬品液用容器、特開2001−106218号公報の段落番号[0011]〜[0042]記載の液剤用容器、特開2005−178832号公報の段落番号[0025]〜[0069]記載の紫外線硬化型インク用容器、WO04/93775号公報の5ページ4行目〜13ページ1行目記載のプラスチックアンプルなどが挙げられる。
【0138】
本発明の容器は、例えば特開平5−305975号公報の段落番号[0005]〜[0008]、特開平7−40954号公報の段落番号[0006]〜[0027]記載のように紫外線遮断性を有するだけでなく、他の性能を合わせて持っていてもよい。例えば特開平10−237312号公報の段落番号[0011]〜[0013]記載の抗菌性容器、特開2000−152974号公報の段落番号[0013]〜[0028]記載の可撓性容器、特開2002−264979号公報の段落番号[0009]〜[0016]記載のディスペンサー容器、例えば特開2005−255736号公報の段落番号[0011]〜[0032]記載の生分解性容器などが挙げられる。
【0139】
本発明の容器はいずれの方法を用いて製造してもよい。例えば特開2002−370723号公報の段落番号[0015]〜[0019]記載の二層延伸ブロー成形による方法、特開2001−88815号公報の段落番号[0011]〜[0032]号公報の段落番号[0014]〜[0030]記載の多層共押出ブロー成形方法、特開平9−241407号公報の段落番号[0006]〜[0013]記載の容器の外側に紫外線吸収層を形成させる方法、特開平8−91385号公報の段落番号[0006]〜[0013]、特開平9−48935号公報の段落番号[0010]〜[0044]、特表平11−514387号公報の9ページ14行目〜11ページ10行目、特開2000−66603号公報の段落番号[0008]〜[0040]、特開2001−323082号公報の段落番号[0011]〜[0026]、特開2005−105032号公報の段落番号[0014]〜[0059]、WO99/29490号公報7ページ1行目〜15ページ5行目記載の収縮性フィルムを用いた方法、特開平11−255925号公報の段落番号[0008]〜[0025]記載の超臨界流体を用いる方法などが挙げられる。
【0140】
本発明における塗料および塗膜について説明する。本発明の塗料は一般式(1)で表わされる化合物を含むものであればいずれの成分からなる塗料であってもよい。例えば、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、アミノアルキッド樹脂系、エポキシ樹脂系、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系などが挙げられる。これらの樹脂は主剤、硬化剤、希釈剤、レベリング剤、はじき防止剤などを任意に配合することができる。
【0141】
例えば、透明樹脂成分としてアクリルウレタン樹脂、シリコンアクリル樹脂を選んだ場合には、硬化剤としてポリイソシアネートなどを、希釈剤としてトルエン、キシレンなどの炭化水素系溶剤、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶剤、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系を用いることができる。また、ここでアクリルウレタン樹脂とは、メタクリル酸エステル(メチルが代表的)とヒドロキシエチルメタクリレート共重合体とポリイソシアネートと反応させて得られるアクリルウレタン樹脂をいう。なおこの場合のポリイソシアネートとはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。透明樹脂成分としては、他にも例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチルスチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。更にこれら成分に加えアクリル樹脂、シリコーン樹脂などのレベリング剤、シリコーン系、アクリル系等のはじき防止剤等を必要に応じて配合することができる。
【0142】
本発明における塗料の使用目的としてはいずれの用途であってもよい。例えば特開平7−26177号公報の段落番号[0006]〜[0014]、特開2002−80788号公報の段落番号[0007]〜[0040]、特開平9−169950号公報、特開平9−221631号公報記載の紫外線遮蔽塗料、特開平10−88039号公報の段落番号[0011]〜[0024]記載の紫外線・近赤外線遮断塗料、特開2001−55541号公報の段落番号[0030]〜[0059]記載の電磁波遮蔽用塗料、特開平8−81643号公報の段落番号[0007]〜[0020]記載のクリアー塗料、特開2000−186234号公報の段落番号[0012]〜[0042]記載のメタリック塗料組成物、特開平7−166112号公報の段落番号[0005]〜[0027]記載のカチオン電着塗料、特開2002−294165号公報に記載の抗菌性および無鉛性カチオン電着塗料、特開2000−273362号公報、特開2001−279189号公報、特開2002−271227号公報に記載の粉体塗料、特開2001−9357号公報に記載の水性中塗り塗料、水性メタリック塗料、水性クリヤー塗料、特開2001−316630号公報に記載の自動車、建築物、土木系品に用いられる上塗り用塗料、特開2002−356655号公報に記載の硬化性塗料、特開2004−937号公報に記載の自動車バンパー等プラスチック材等に使用される塗膜形成組成物、特開2004−2700号公報に記載の金属板用塗料、特開2004−169182号公報に記載の硬化傾斜塗膜、特開2004−107700号公報に記載の電線用塗装材、特開平6−49368号公報に記載の自動車補修塗料、特開2002−38084号公報、特開2005−307161号公報の段落番号[0011]〜[0027]記載のアニオン電着塗料、特開平5−185031号公報の段落番号[0010]〜[0017]、特開平5−78606号公報、特開平10−140089号公報、特表2000−509082号公報、特表2004−520284号公報、WO2006/097201号パンフレットに記載の自動車用塗料、特開平6−1945号公報の段落番号[0007]〜[0033]記載の塗装鋼板用塗料、特開平6−313148号公報の段落番号[0009]〜[0021]記載のステンレス用塗料、特開平7−3189号公報の段落番号[0005]〜[0011]記載のランプ用防虫塗料、特開平7−82454号公報の段落番号[0009]〜[0030]記載の紫外線硬化型塗料、特開平7−118576号公報の段落番号[0008]〜[0028]記載の抗菌性塗料、特開2004−217727号公報の段落番号[0014]〜[0025]記載の眼精疲労防止用塗料、特開2005−314495号公報の段落番号[0014]〜[0029]記載の防曇塗料、特開平10−298493号公報の段落番号[0005]〜[0014]記載の超耐候性塗料、特開平9−241534号公報の段落番号[0021]〜[0062]記載の傾斜塗料、特開2002−235028号公報の段落番号[0004]〜[0014]記載の光触媒塗料、特開2000−345109号公報の段落番号[0008]〜[0018]記載の可剥塗料、特開平6−346022号公報の段落番号[0008]〜[0026]記載のコンクリート剥離用塗料、特開2002−167545号公報の段落番号[0004]〜[0029]記載の防食塗料、特開平8−324576号公報の段落番号[0011]〜[0020]記載の保護塗料、特開平9−12924号公報の2ページ左49行目〜3ページ右25行目記載の撥水性保護塗料、特開平9−157581号公報の段落番号[0006]〜[0011]記載の板ガラス飛散防止用塗料、特開平9−59539号公報の段落番号[0007]〜[0031]記載のアルカリ可溶型保護塗料、特開2001−181558号公報の段落番号[0006]〜[0018]記載の水性一時保護塗料組成物、特開平10−183057号公報の段落番号[0009]〜[0030]記載の床用塗料、特開2001−115080号公報の段落番号[0009]〜[0054]記載のエマルション塗料、特開2001−262056号公報の段落番号[0005]〜[0042]記載の2液型水性塗料、特開平9−263729号公報の段落番号[0004]〜[0005]記載の1液性塗料、特開2001−288410号公報の段落番号[0007]〜[0031]記載のUV硬化性塗料、特開2002−69331号公報の段落番号[0005]〜[0020]記載の電子線硬化型塗料組成物、特開2002−80781号公報の段落番号[0011]〜[0047]記載の熱硬化性塗料組成物、特表2003−525325号公報の段落番号[0006]〜[0056]記載の焼付ラッカー用水性塗料、特開2004−162021号公報の段落番号[0007]〜[0137]記載の粉体塗料およびスラリー塗料、特開2006−233010号公報の段落番号[0017]〜[0025]記載の補修用塗料、特開2006−160847号公報に記載のプラスチック用塗料、特開2002−69331号公報に記載の電子線硬化型塗料などが挙げられる。
【0143】
本発明の塗料は一般に塗料(透明樹脂成分を主成分として含む)および紫外線吸収剤から構成されるが、好ましくは樹脂を基準に考えて紫外線吸収剤0〜20%の組成である。塗布する際の厚さは、好ましくは2〜1000μであるが、更に好ましくは5〜200μの間である。これら塗料を塗布する方法は任意であるが、スプレー法、ディッピング法、ローラーコート法、フローコーター法、流し塗り法などがある。塗布後の乾燥は塗料成分によって異なるが概ね室温〜120℃で10〜90分程度行うことが望ましい。
【0144】
本発明における塗膜は、前記一般式(1)で表わされる化合物を含む塗膜であり、上記の本発明の塗料を用いて形成された塗膜である。
【0145】
本発明におけるインクについて説明する。本発明のインクは一般式(1)で表わされる化合物を含むものであればいずれの形態のインクであってもよい。例えば、染料インク、顔料インク、水性インク、油性インクなどが挙げられる。また、いずれの用途に用いられてもよい。例えば、特開平8−3502号公報の段落番号[0004]〜[0052]記載の紫外線吸収剤を含むスクリーン印刷インク、特表平11−504954号公報の5ページ29行目〜9ページ12行目記載の紫外線吸収剤を含む平版オフセット印刷インク、特表2005−533915号公報の段落番号[0005]〜[0081]記載の紫外線吸収剤を含む凸版印刷インク、特開平5−254277号公報の段落番号[0012]〜[0023]記載の紫外線吸収剤を含むUVインク、特開2006−30596号公報の段落番号[0091]〜[0045]記載の紫外線吸収剤を含むEBインクなどが挙げられる。また例えば、特開平11−199808号公報の段落番号[0011]〜[0098]、WO99/67337号公報9ページ2行目〜38ページ15行目、特開2005−325150号公報の段落番号[0025]〜[0236]、特開2005−350559号公報の段落番号[0013]〜[0114]、特開2006−8811号公報の段落番号[0017]〜[0053]、特表2006−514130号公報の段落番号[0007]〜[0091]記載のインクジェットインク、特開2006−257165号公報の段落番号[0023]〜[0041]記載のフォトクロミックインク、特開平8−108650号公報の段落番号[0007]〜[0031]記載の熱転写インク、特開2005−23111号公報の段落番号[0006]〜[0009]記載のマスキングインク、特開2004−75888号公報の段落番号[0005]〜[0031]記載の蛍光インク、特開平7−164729号公報の段落番号[0005]〜[0024]記載のセキュリティインク、特開2006−22300号公報の段落番号[0011]記載のDNAインクなども挙げられる。
【0146】
本発明のインクを用いることで得られるいずれの形態も本発明に含まれる。例えば特開2006−70190号公報の段落番号[0011]〜[0042]記載の印刷物、印刷物をラミネートして得られる積層体、積層体を用いた包装材料や容器、特開2002−127596号公報に記載のインク受理層などが挙げられる。
【0147】
本発明における繊維について説明する。本発明の繊維は一般式(1)で表わされる化合物を含むものであればいずれの種類の高分子から成る繊維であってもよい。例えば、特開平5−117508号公報の段落番号[0004]〜[0011]、特開平7−119036号公報の段落番号[0009]〜[0027]、特開平8−188921号公報の段落番号[0015]〜[0022]、特開平10−237760号公報の段落番号[0010]〜[0024]、特開2006−299428号公報の段落番号[0012]〜[0024]、特開2006−299438号公報の段落番号[0014]〜[0031]記載の紫外線吸収剤を含むポリエステル繊維、特開2002−322360号公報の段落番号[0012]〜[0061]、特開2006−265770号公報の段落番号[0009]〜[0046]記載の紫外線吸収剤を含むポリフェニレンサルファイド繊維、特開2001−348785号公報の段落番号[0008]〜[0014]、特開2003−41434号公報の段落番号[0008]〜[0018]、特開2003−239136号公報の段落番号[0010]〜[0035]記載の紫外線吸収剤を含むポリアミド繊維、WO03/2661号公報の5ページ14行目〜16ページ8行目記載の紫外線吸収剤を含むエポキシ繊維、特開平10−251981号公報の段落番号[0005]〜[0013]記載の紫外線吸収剤を含むアラミド繊維、特開平6−228816号公報の段落番号[0006]〜[0012]記載の紫外線吸収剤を含むポリウレタン繊維、特表2005−517822号公報に記載のセルロース繊維などが挙げられる。
【0148】
本発明の繊維はいずれの方法で製造してもよい。例えば特開平6−228818号公報の段落番号[0005]〜[0021]記載のように前記一般式(1)で表わされる化合物をあらかじめ含んだ高分子を繊維状に加工してもよいし、例えば特開平5−9870号公報の段落番号[0008]〜[0012]、特開平8−188921号公報の段落番号[0012]〜[0029]、特開平10−1587号公報の段落番号[0007]〜[0022]記載のように繊維状に加工したものに対して前記一般式(1)で表わされる化合物を含む溶液などを用いて処理をおこなってもよい。特開2002−212884号公報の段落番号[0009]〜[0026]、特開2006−16710号公報の段落番号[0011]〜[0019]記載のように超臨界流体を用いて処理をおこなってもよい。
【0149】
本発明の繊維は各種用途に用いることができる。例えば、特開平5−148703号公報の段落番号[0012]〜[0030]記載の衣料、特開2004−285516号公報の段落番号[0011]〜[0031]記載の裏地、特開2004−285517号公報の段落番号[0010]〜[0035]記載の肌着、特開2003−339503号公報の段落番号[0008]〜[0077]記載の毛布、特開2004−11062号公報の段落番号[0009]〜[0072]記載の靴下、特開平11−302982号公報の段落番号[0010]〜[0038]記載の人工皮革、特開平7−289097号公報の段落番号[0005]〜[0013]記載の防虫メッシュシート、特開平10−1868号公報の段落番号[0007]〜[0036]記載の工事用メッシュシート、特開平5−256464号公報の段落番号[0009]〜[0033]記載のカーペット、特開平5−193037号公報の段落番号[0024]〜[0039]記載の透湿・防水性シート、特開平6−114991号公報の段落番号[0004]〜[0018]記載の不織布、特開平11−247028号公報の段落番号[0008]〜[0036]記載の極細繊維、特開2000−144583号公報の段落番号[0008]〜[0028]記載の繊維からなるシート状物、特開平5−148703号公報に記載の清涼衣料、特開平5−193037号公報に記載の透湿防水性シート、特開平7−18584号公報に記載の難燃性人工スエード状構造物、特開平8−41785号公報に記載の樹脂ターポリン、特開平8−193136号公報に記載の膜剤、外壁材剤、農業用ハウス、特開平8−269850号公報に記載の建築資材用ネット、メッシュ、特開平8−284063号公報に記載のフィルター基材、特開平9−57889号公報に記載の防汚膜剤、特開平9−137335号公報に記載のメッシュ織物、陸上ネット、特開平10−165045号公報に記載の水中ネット、特開平11−247027号公報、特開平11−247028号公報に記載の極細繊維、特開平7−310283号公報、特表2003−528974号公報に記載の防織繊維、特開2001−30861号公報に記載のエアバッグ用基布、特開平7−324283号公報、特開平8−20579号公報、特開2003−147617号公報に記載の紫外線吸収性繊維製品などが挙げられる。
【0150】
本発明における建材について説明する。本発明の建材は一般式(1)で表わされる化合物を含むものであればいずれの種類の高分子から成る建材であってもよい。例えば、特開平10−6451号公報の段落番号[0012]〜[0041]記載の紫外線吸収剤を含む塩化ビニル系、特開平10−16152号公報の段落番号[0004]〜[0029]記載の紫外線吸収剤を含むオレフィン系、特開2002−161158号公報の段落番号[0007]〜[0021]記載の紫外線吸収剤を含むポリエステル系、特開2003−49065号公報の段落番号[0009]〜[0063]記載の紫外線吸収剤を含むポリフェニレンエーテル系、特開2003−160724号公報の段落番号[0011]〜[0062]記載の紫外線吸収剤を含むポリカーボネート系などが挙げられる。
【0151】
本発明の建材はいずれの方法で製造してもよい。例えば特開平8−269850号公報の段落番号[0010]〜[0040]記載のように前記一般式(1)で表わされる化合物を含む材料を用いて所望の形に形成してもよいし、例えば特開平10−205056号公報の段落番号[0007]〜[0049]記載のように前記一般式(1)で表わされる化合物を含む材料を積層して形成してもよいし、例えば特開平8−151457号公報の段落番号[0010]〜[0035]記載のように前記一般式(1)で表わされる化合物を用いた被覆層を形成させてもよいし、例えば特開2001−172531号公報の段落番号[0006]〜[0014]記載のように前記一般式(1)で表わされる化合物を含有する塗料を塗装して形成してもよい。
【0152】
本発明の建材は各種用途に用いることができる。例えば、特開平7−3955号公報の段落番号[0010]〜[0018]、特開平8−151457号公報の段落番号[0010]〜[0035]、特開2006−266042号公報の段落番号[0010]〜[0020]記載の外装用建材、特開平8−197511号公報の段落番号[0004]〜[0011]記載の建材用木質構造体、特開平9−183159号公報の段落番号[0014]〜[0028]記載の建材用屋根材、特開平11−236734記載の抗菌性建築資材、特開平10−205056号公報の段落番号[0007]〜[0049]記載の建材用基材、特開平11−300880号公報の段落番号[0006]〜[0012]記載の防汚建材、特開2001−9811号公報の段落番号[0013]〜[0025]記載の難燃性材料、特開2001−172531号公報の段落番号[0006]〜[0014]記載の窯業系建材、特開2003−328523号公報の段落番号[0009]〜[0013]記載の装飾用建材、特開2002−226764号公報の段落番号[0021]〜[0120]記載の建材用塗装物品、特開平10−6451号公報の段落番号[0012]〜[0041]、特開平10−16152号公報の段落番号[0004]〜[0029]、特開2006−306020号公報の段落番号[0011]〜[0045]記載の化粧材、特開平8−269850号公報の段落番号[0010]〜[0040]記載の建築資材用ネット、特開平9−277414号公報の段落番号[0017]〜[0046]記載の建材用透湿防水シート、特開平10−1868号公報の段落番号[0007]〜[0036]記載の建築工事用メッシュシート、特開平7−269016号公報の段落番号[0006]〜[0021]記載の建材用フィルム、特開2003−211538号公報の段落番号[0006]〜[0057]記載の表装用フィルム、特開平9−239921号公報の段落番号[0007]〜[0046]、特開平9−254345号公報の段落番号[0004]〜[0037]、特開平10−44352号公報の段落番号[0005]〜[0025]記載の建材用被覆材料、特開平8−73825号公報の段落番号[0005]〜[0013]記載の建材用接着剤組成物、特開平8−207218号公報の段落番号[0010]〜[0024]記載の土木建築構造物、特開2003−82608号公報に記載の歩行路用塗装材、特開2001−139700号公報に記載のシート状光硬化性樹脂、特開平5−253559号公報に記載の木材用保護塗装、特開2005−2941780号公報に記載の押釦スイッチ用カバー、特開平9−183159号公報に記載の接合シート剤、特開平10−44352号公報に記載の建材用基材、特開2000−226778号公報に記載の壁紙、特開2003−211538号公報に記載の表装用ポリエステルフィルム、特開2003−211606号公報に記載の成形部材表装用ポリエステルフィルム、特開2004−3191号公報に記載の床材などが挙げられる。
【0153】
本発明の高分子材料はガラス上に存在させて用いることができる。例えば、特開平10−152349号公報の段落番号[0010]〜[0027]記載の紫外線吸収着色ガラス、特開2003−183060号公報の段落番号[0012]〜[0029]、特開2004−284839号公報の段落番号[0007]〜[0025]記載の合わせガラス、特開平9−12642号公報の段落番号[0009]〜[0024]記載の紫外線吸収ガラス、特開平6−316443号公報の段落番号[0008]〜[0015]記載の紫外線吸収断熱ガラス、特開平8−165146号公報の段落番号[0018]〜[0036]、特開平8−231245号公報の段落番号[0013]〜[0026]記載の紫外線赤外線吸収ガラス、特開平7−291667号公報の段落番号[0018]〜[0048]記載の撥水性紫外線赤外線吸収ガラス、特開平11−322372号公報の段落番号[0006]〜[0020]記載の紫外線吸収剤を含む飛散防止機能付き反射防止性ガラス、特開平9−194236号公報の段落番号[0005]〜[0021]記載の紫外線吸収剤を含むコーティング剤が塗布された建物用窓ガラス、WO04/24843号公報の4ページ24行目〜9ページ10行目記載の熱可塑性エラストマ製モールディングガラス板、特開2000−178046号公報の段落番号[0006]〜[0013]、特開2000−300149号公報の段落番号[0007]〜[0013]記載の防虫合わせガラスなどが挙げられる。
またガラスに用いる接着剤や塗料として、例えば特開平11−61099号公報の段落番号[0008]〜[0034]、特開2004−210617号公報の段落番号[0009]〜[0037]記載のガラス用補修剤および接着剤、特開2004−10788号公報の段落番号[0005]〜[0011]記載の光線遮蔽用ガラスコーティング剤、特開平9−157581号公報の段落番号[0006]〜[0011]記載の紫外線吸収剤を含む板ガラスの強化及び破損時の飛散防止用塗料などが挙げられる。
またガラスと共に用いるフィルムやシートとして、例えば特開平10−17337号公報の段落番号[0010]〜[0033]、特表2005−523866号公報の段落番号[0023]〜[0066]、特開2005−206453号公報の段落番号[0011]〜[0081]、特開2006−137613号公報の段落番号[0014]〜[0028]記載の合わせガラス用中間膜、特開平8−231930号公報の段落番号[0006]〜[0014]記載の紫外線吸収剤を含むガラス貼用粘着シート、特開2005−1301号公報の段落番号[0021]〜[0050]記載の着色ガラス用着色シート、特開平8−281860号公報の段落番号[0005]〜[0007]記載の紫外線吸収剤を含む熱線遮蔽フィルム、特開2002−53824号公報の段落番号[0008]〜[0066]、特開2003−112391号公報の段落番号[0004]〜[0059]記載の紫外線カット窓張り用フィルム、特開平11−115107号公報の段落番号[0006]〜[0054]記載の紫外線吸収剤を含むガラス飛散防止用積層フィルムなどが挙げられる。
【0154】
本発明の高分子材料は紙上または紙中に存在させて用いることができる。例えば、特開平11−320733号公報の段落番号[0006]〜[0016]、特開2000−226779号公報の段落番号[0006]〜[0014]記載の紫外線吸収剤を含む壁紙、特開平11−36197号公報の段落番号[0015]〜[0027]記載の紫外線吸収剤を含む化粧材用基紙および化粧材、特開2000−15767号公報の段落番号[0018]〜[0037]、特開2000−177037号公報の段落番号[0017]〜[0034]、特開2000−153579号公報の段落番号[0007]〜[0012]、特開2000−94555号公報の段落番号[0017]〜[0046]記載の紫外線吸収剤を含む化粧シート、特開平9−141813号公報の段落番号[0006]〜[0011]記載の紫外線吸収剤を含む耐候性化粧シート、特開平8−291499号公報の段落番号[0005]〜[0009]記載の紫外線吸収剤を含む糸貼壁紙、特開平10−264283号公報の段落番号[0019]〜[0051]記載の貼り合わせ型光触媒シート、特開2005−133282号公報の段落番号[0012]〜[0041]記載の紫外線吸収剤を含む障子紙、特開2006−118164号公報の段落番号[0013]〜[0029]記載の紫外線吸収剤を含む紙ブラインドなどが挙げられる。
【0155】
本発明における記録媒体について説明する。本発明の記録媒体は一般式(1)で表わされる化合物を含むものであればいずれのものであってもよい。例えば、特開平9−309260号公報の段落番号[0012]〜[0032]、特開2002−178625号公報の段落番号[0016]〜[0060]、特開2002−212237号公報の段落番号[0015]〜[0044]、特開2003−266926号公報の段落番号[0015]〜[0056]、特開2003−266927号公報の段落番号[0016]〜[0062]、特開2004−181813号公報の段落番号[0023]〜[0298]記載の紫外線吸収剤を含むインクジェット被記録媒体、特開平8−108650号公報の段落番号[0008]〜[0031]記載の紫外線吸収剤を含む熱転写インク用受像媒体、特開平10−203033号公報の段落番号[0013]〜[0062]記載の紫外線吸収剤を含む昇華転写用受像シート、特開2001−249430号公報の段落番号[0012]〜[0096]記載の紫外線吸収剤を含む画像記録媒体、特開平8−258415号公報の段落番号[0005]〜[0012]記載の紫外線吸収剤を含む感熱記録媒体、特開平9−95055号公報の段落番号[0014]〜[0031]、特開2003−145949号公報の段落番号[0008]〜[0065]、特開2006−167996号公報の段落番号[0020]〜[0147]記載の紫外線吸収剤を含む可逆性感熱記録媒体、特開2002−367227号公報の段落番号[0011]〜[0037]記載の紫外線吸収剤を含む光情報記録媒体などが挙げられる。
【0156】
本発明における画像表示装置について説明する。本発明の画像表示装置は一般式(1)で表わされる化合物を含むものであればいずれのものであってもよい。例えば、特開2006−301268号公報の段落番号[0022]〜[0206]記載のエレクトロクロミック素子を用いた画像表示装置、特開2006−293155号公報の段落番号[0020]〜[0209]記載のいわゆる電子ペーパーと呼ばれる画像表示装置、特開平9−306344号公報の段落番号[0010]〜[0053]記載のプラズマディスプレー、特開2000−223271号公報の段落番号[0014]〜[0039]記載の有機EL素子を用いた画像表示装置などが挙げられる。本発明の化合物は、例えば特開2000−223271号公報の段落番号[0014]〜[0039]記載の積層構造中に紫外線吸収層を形成させるものでもよいし、例えば特開2005−189645号公報の段落番号[0011]〜[0052]記載の円偏光板など必要な部材中に紫外線吸収剤を含むものを用いてもよい。
【0157】
本発明における太陽電池用カバーについて説明する。本発明における適用する太陽電池は、結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、色素増感太陽電池などいずれの形式の素子からなる太陽電池であってもよい。結晶シリコン太陽電池やアモルファスシリコン太陽電池において、特開2000−174296号公報の段落番号[0008]記載のように防汚や耐衝撃性、耐久性を付与する保護部材としてカバー材が用いられている。また色素増感太陽電池において、特開2006−282970号公報の段落番号[0005]記載のように光(特に紫外線)に励起されて活性となる金属酸化物系半導体を電極材料として用いるため、光増感剤として吸着させた色素が劣化し、光発電効率が徐々に低下する問題があり、紫外線吸収層を設けることが提案されている。
【0158】
本発明の太陽電池用カバーはいずれの種類の高分子から成るものであってもよい。例えば特開2006−310461号公報の段落番号[0009]〜[0027]記載の紫外線吸収剤を含むポリエステル、特開2006−257144号公報の段落番号[0030]〜[0103]記載の紫外線吸収剤を含む熱硬化性透明樹脂、特開2006−210906号公報の段落番号[0011]〜[0028]記載の紫外線吸収剤を含むα−オレフィンポリマー、特開2003−168814号公報の段落番号[0008]〜[0060]記載の紫外線吸収剤を含むポリプロピレン、特開2005−129713号公報の段落番号[0012]〜[0024]記載の紫外線吸収剤を含むポリエーテルサルホン、特開2004−227843号公報の段落番号[0012]〜[0104]記載の紫外線吸収剤を含むアクリル樹脂、特開2004−168057号公報の段落番号[0007]〜[0080]記載の紫外線吸収剤を含む透明フッ素系樹脂等が挙げられる。
【0159】
本発明の太陽電池用カバーはいずれの方法で製造してもよい。例えば特開平11−40833号公報の段落番号[0007]〜[0043]記載の紫外線吸収層を形成してもよいし、特開2005−129926号公報の段落番号[0012]〜[0027]記載のそれぞれ紫外線吸収剤を含む層を積層してもよいし、特開2000−91611号公報の段落番号[0034]〜[0038]記載の充填材層の樹脂に含まれていてもよいし、特開2005−346999号公報の段落番号[0009]〜[0038]記載の紫外線吸収剤を含む高分子からフィルムを形成してもよい。
【0160】
本発明の太陽電池用カバーはいずれの形状であってもよい。特開2000−91610号公報の段落番号[0005]〜[0037]、特開平11−261085号公報の段落番号[0006]〜[0027]記載のフィルム、シート、例えば特開平11−40833号公報の段落番号[0007]〜[0043]記載の積層フィルム、特開平11−214736号公報の段落番号[0008]〜[0015]記載のカバーガラス構造などが挙げられる。特開2001−261904号公報の段落番号[0006]〜[0018]記載の封止材に紫外線吸収剤を含むものであってもよい。
【0161】
前記一般式(1)で表わされる化合物を含むガラス被膜及びこれを用いたガラスについて説明する。このガラスないしガラス被膜は、その被膜が前記一般式(1)で表わされる化合物を含むものであれば、どのような形態であってもよい。また、いずれの用途に用いられてもよい。例えば、特開平5-58670、特開平9-52738記載の熱線遮断性ガラス、特開平7-48145記載のウインドガラス、特開平8-157232、特開平10-45425、特開平11-217234記載の着色ガラス、特開平8-59289記載の水銀ランプやメタルハライドランプなどの高輝度光源用紫外線シャープカットガラス、特開平5-43266記載のフリットガラス、特開平5-163174記載の車両用紫外線遮断ガラス、特開平5-270855記載の色つき熱線吸収ガラス、特開平6-316443記載の含蛍光増白剤紫外線吸収断熱ガラス、特開平7-237936記載の自動車用紫外線熱線遮断ガラス、特開平7-267682記載の外装用ステンドグラス、特開平7-291667記載の撥水性紫外線赤外線吸収ガラス、特開平7-257227記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置向けガラス、特開平7-232938記載の調光遮熱複層窓、特開平5-78147、特開平7-61835、特開平8-217486記載の紫外線赤外線カットガラス、特開平6-127974、特開平7-53241記載の紫外線カットガラス、特開平8-165146記載の窓用紫外線赤外線吸収ガラス、特開平10-17336記載の窓用紫外線遮断防汚膜、特開平9-67148記載の栽培室用透光パネル、特開平10-114540記載の紫外線赤外線吸収低透過ガラス、特開平11-302037記載の低反射率低透過率ガラス、特開2000-16171記載のエッジライト装置、特開2000-44286記載の粗面形成板ガラス、特開2000-103655記載のディスプレイ用積層ガラス、特開2000-133987記載の導電性膜つきガラス、特開2000-191346記載の防眩性ガラス、特開2000-7371記載の紫外線赤外線吸収中透過ガラス、特開2000-143288記載のプライバシー保護用車両用窓ガラス、特開2000-239045記載の防曇性車両用ガラス、特開2001-287977記載の舗装材料用ガラス、特開2002-127310号公報に記載の水滴付着防止性及び熱線遮断性を有するガラス板、特開2003-342040記載の紫外線赤外線吸収ブロンズガラス、W001/019748記載の合わせガラス、特開2004-43212記載のID識別機能つきガラス、特開2005-70724記載のPDP用光学フィルタ、特開2005-105751記載の天窓などが挙げられる。前記一般式(1)で表わされる化合物を含むガラス被膜及びこれを用いたガラスはいずれの方法によって作られてもよい。
【0162】
また、その他使用例としては特開平8−102296号公報、特開2000−67629号公報、特開2005−353554号公報に記載の照明装置用光源カバー、特開平5−272076号公報、特開2003−239181号公報に記載の人工皮革、特開2006−63162号公報に記載のスポーツゴーグル、特開2007−93649号公報に記載の偏向レンズ、特開2001−214121号公報、特開2001−214122号公報、特開2001−315263号公報、特開2003−206422号公報、特開2003−25478号公報、特開2004−137457号公報、特開2005−132999号公報に記載の各種プラスチック製品向けハードコート、特開2002−36441号公報に記載の窓外側貼り付け用ハードコート、特開平10−250004号公報に記載の窓張りフィルム、特開2002−36452号公報に記載の高精細防眩性ハードコートフィルム、特開2003−39607号公報に記載の帯電防止性ハードコートフィルム、特開2004−114355号公報に記載の透過性ハードコートフィルム、特開2002−113937号公報に記載の偽造防止帳表、特開2002−293706号公報に記載の芝の紫斑防止剤、特開2006−274179号公報に記載の樹脂フィルムシート接合用シール剤、特開2005−326761号公報に記載の導光体、特開2006−335855号公報に記載のゴム用コーティング剤、特開平10−34841号公報、特開2002−114879号公報に記載の農業用被覆材、特表2004−532306号公報、特表2004−530024号公報に記載の染色ろうそく、特表2004−525273号公報に記載の布地リンス剤組成物、特開平10−194796号公報に記載の合わせガラス、特開平10−287804号公報に記載のプリズムシート、特開2000−71626号公報に記載の保護層転写シート、特開2001−139700号公報に記載の光硬化性樹脂製品、特開2001−159228号公報に記載の床用シート、特開2002−127310号公報に記載の水滴付着防止性及び熱線遮断性を有するガラス板、特開2002−189415号公報に記載の遮光性印刷ラベル、特開2002−130591号公報に記載の給油カップ、特開2002−307619号公報に記載の硬質塗膜塗工物品、特開2002−307845号公報に記載の中間転写記録媒体、特開2006−316395号公報に記載の人工毛髪、WO99/29490号パンフレット、特開2004−352847号公報に記載のラベル用低温熱収縮性フィルム、特開2000−224942号公報に記載の釣り用品、特開平8−208976号公報に記載のマイクロビーズ、特開平8−318592号公報に記載のプレコート金属板、特開2005−504735号公報に記載の薄肉フィルム、特開2005−105032号公報に記載の熱収縮性フィルム、特開2005−37642号公報に記載のインモールド成形用ラベル、特開2005−55615号公報に記載の投影スクリーン、特開平9−300537号公報、特開2000−25180号公報、特開2003−19776号公報、特開2005−74735号公報に記載の化粧シート、特開2001−207144号公報に記載のホットメルト接着剤、特表2002−543265号公報、特表2002−543266号公報、米国特許第6225384号明細書に記載の接着剤、特開2004−352783号公報に記載の電着コート、ベースコート、特開平7−268253号公報に記載の木材表面保護、特開2003−253265号公報、特開2005−105131号公報、特開2005−300962号公報、特許第3915339号公報に記載の調光材料、調光フィルム、調光ガラス、特開2005−304340号公報に記載の防蛾灯、特開2005−44154号公報に記載のタッチパネル、特開2006−274197号公報に記載の樹脂フィルムシート接合用シール剤、特開2006−89697号公報に記載のポリカーボネートフィルム被覆、特開2000−231044号公報に記載の光ファイバテープ、特表2002−527559号公報に記載の固形ワックスなどが挙げられる。
【0163】
次に、高分子材料の耐光性を評価する方法について説明する。高分子材料の耐光性を評価する方法として、「高分子の光安定化技術」(株式会社シーエムシー,2000年)85ページ〜107ページ、「高機能塗料の基礎と物性」(株式会社シーエムシー,2003年)314ページ〜359ページ、「高分子材料と複合材製品の耐久性」(株式会社シーエムシー,2005年)、「高分子材料の長寿命化と環境対策」(株式会社シーエムシー,2000年)、H.Zweifel編「Plastics Additives Handbook 5th Edition」(Hanser Publishers)238ページ〜244ページ、葛良忠彦著「基礎講座2 プラスチック包装容器の科学」(日本包装学会,2003年)第8章などの記載を参考にできる。
また各々の用途に対する評価としては下記の既知評価法により達成できる。
高分子材料の光による劣化は、JIS−K7105:1981、JIS−K7101:1981、JIS−K7102:1981、JIS−K7219:1998、JIS−K7350−1:1995、JIS−K7350−2:1995、JIS−K7350−3:1996、JIS−K7350−4:1996の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。
【0164】
包装・容器用途として用いられる場合の耐光性は、JIS−K7105の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。その具体例としては、特開2006−298456号公報に記載のボトル胴体の光線透過率、透明性評価、キセノン光源を用いた紫外線暴露後のボトル中身の官能試験評価、特開2000−238857号公報に記載のキセノンランプ照射後のヘーズ値評価、特開2006−224317号公報に記載のハロゲンランプ光源としたヘイズ値評価、特開2006−240734号公報に記載の水銀灯暴露後のブルーウールスケールを用いた黄変度評価、特開2005−105004号公報、特開2006−1568号公報に記載のサンシャインウェザーメーターを用いたヘーズ値評価、着色性目視評価、特開平7−40954号公報、特開平8−151455号公報、特開平10−168292号公報、特開2001−323082号公報、特開2005−146278号公報に記載の紫外線透過率評価、特開平9−48935号公報、特開平9−142539号公報に記載の紫外線遮断率評価、特開平9−241407号公報、特開2004−243674号公報、特開2005−320408号公報、特開2005−305745号公報、特開2005−156220号公報に記載の光線透過率評価、特開2005−178832号公報に記載のインク容器内インキの粘度評価、特開2005−278678号公報に記載の光線透過率評価、日光暴露後の容器内サンプル目視、色差ΔE評価、特開2004−51174号公報に記載の白色蛍光灯照射後の紫外線透過率評価、光透過率評価、色差評価、特開2004−285189号公報に記載の光線透過率評価、ヘーズ値評価、色調評価、特開2003−237825号公報に記載の黄色度評価、特開2003−20966号公報に記載の遮光性評価、L表色系色差式を用いた白色度評価、特開2002−68322号公報に記載のキセノン光を分光した後の波長ごとの暴露後サンプルにおける色差ΔEaを用いた黄ばみ評価、特開2001−26081号公報に記載の紫外線暴露後、紫外線吸収率評価、特開平10−298397号公報に記載のサンシャインウェザーメーターを用いた暴露後のフィルム引っ張り伸び評価、特開平10−237312号公報に記載のキセノンウェザーメーター暴露後の抗菌性評価、特開平9−239910号公報に記載の蛍光灯照射後の包装内容物褪色性評価、特開平9−86570号公報に記載のサラダ油充填ボトルに対する蛍光灯暴露後の油の過酸化物価評価、色調評価、特開平8−301363号公報に記載のケミカルランプ照射後の吸光度差評価、特開平8−208765号公報に記載のサンシャインウェザーメーターを用いた暴露後の表面光沢度保持率、外観評価、特開平7−216152号公報に記載のサンシャインウェザロメーターを用いた暴露後の色差、曲げ強度評価、特開平5−139434号公報に記載の遮光比評価、灯油中の過酸化物生成量評価などがあげられる。
【0165】
塗料・塗膜用途として用いられる場合の長期耐久性は、JIS−K5400、JIS−K5600−7−5:1999、JIS−K5600−7−6:2002、JIS−K5600−7−7:1999、JIS−K5600−7−8:1999、JIS−K8741の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。その具体例としては、特表2000−509082号公報に記載のキセノン耐光試験機およびUVCON装置による暴露後の色濃度およびCIE L色座標における色差ΔEa、残留光沢を用いた評価、特表2004−520284号公報に記載の石英スライド上フィルムに対するキセノンアーク耐光試験機を用いた暴露後の吸光度評価、ロウにおける蛍光灯、UVランプ暴露後の色濃度およびCIE L色座標における色差ΔEaを用いた評価、特開2006−160847号公報に記載のメタルウェザー耐候性試験機を用いた暴露後の色相評価、特開2005−307161号公報に記載のメタルハイドランプを用いた暴露試験後の光沢保持率評価および色差ΔEaを用いた評価、サンシャインカーボンアーク光源を用いた暴露後光沢感の評価、特開2002−69331号公報に記載のメタルウェザー耐候性試験機を用いた暴露後の色差ΔEaを用いた評価、光沢保持率、外観評価、特開2002−38084号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の光沢保持率評価、特開2001−59068号公報に記載のQUV耐候性試験機を用いた暴露後の色差ΔEaを用いた評価、光沢保持率評価、特開2001−115080号公報、特開平6−49368号公報、特開2001−262056号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後光沢保持率評価、特開平8−324576号公報、特開平9−12924号公報、特開平9−169950号公報、特開平9−241534号公報、特開2001−181558号公報に記載の塗装板に対するサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の外観評価、特開2000−186234号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の光沢保持率、明度値変化評価、特開平10−298493号公報に記載の塗膜に対するデューサイクルWOM暴露後の塗膜劣化状態の外観評価、特開平7−26177号公報に記載の塗膜の紫外線透過率評価、特開平7−3189号公報、特開平9−263729号公報に記載の塗膜の紫外線遮断率評価、特開平6−1945号公報に記載のサンシャインウェザーオーメーターを用いた塗膜の光沢保持率80%となる時間比較評価、特開平6−313148号公報に記載のデューパネル光コントロールウェザーメーターを用いた暴露後の錆発生評価、特開平6−346022号公報に記載の屋外暴露後の塗装済み型枠に対するコンクリートの強度評価、特開平5−185031号公報に記載の屋外暴露後の色差ΔEaを用いた評価、碁盤目密着評価、表面外観評価、特開平5−78606号公報に記載の屋外暴露後の光沢保持率評価、特開2006−63162号公報に記載のカーボンアーク光源を用いた暴露後の黄変度(ΔYI)評価等があげられる。
【0166】
インク用途として用いられる場合の耐光性は、JIS−K5701−1:2000、JIS−K7360−2、ISO105−B02の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には特表2006−514130号公報に記載の事務所用蛍光灯、褪色試験機を用いた暴露後の色濃度およびCIE L色座標の測定による評価、特開2006−22300号公報に記載のキセノンアーク光源を用いた紫外線暴露後の電気泳動評価、特開2006−8811号公報に記載のキセノンフェードメーターによる印刷物の濃度評価、特開2005−23111号公報に記載の100Wケミカルランプを用いたインク抜け性評価、特開2005−325150号公報に記載のウェザーメーターによる画像形成部位の色素残存率評価、特開2002−127596号公報に記載のアイスーパーUVテスターを用いた印刷物のチョーキング評価、および変色評価、特開平11−199808号公報、特開平8−108650号公報に記載のキセノンフェードメーター暴露後の印刷物についてCIE L色座標における色差ΔEaを用いた評価、特開平7−164729号公報に記載のカーボンアーク光源を用いた暴露後の反射率評価などが挙げられる。
【0167】
太陽電池モジュールの耐光性は、JIS−C8917:1998、JIS−C8938:1995の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には、特開2006−282970号公報に記載のキセノンランプに太陽光シミュレーション用補正フィルタを装着した光源による暴露後のI−V測定光発電効率評価、特開平11−261085号公報、特開2000−144583号公報に記載のサンシャインウェザーメーター、フェードメータを用いた暴露後の変褪色グレースケール等級評価、色、外観密着性評価などがあげられる。
【0168】
繊維および繊維製品の耐光性は、JIS−L1096:1999、JIS−A5905:2003、JIS−L0842、JIS−K6730、JIS−K7107、DIN75.202、SAEJ1885、SN−ISO−105−B02、AS/NZS4399の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。特開平10−1587号公報、特開2006−299428号公報、特開2006−299438号公報に記載の紫外線透過率評価、特開平6−228816号公報、特開平7−76580号公報、特開平8−188921号公報、特開平11−247028号公報、特開平11−247027号公報、特開2000−144583号公報、特開2002−322360号公報、特開2003−339503号公報、特開2004−11062号公報に記載のキセノン光源、カーボンアーク光源を用いた暴露後のブルースケール変褪色評価、特開2003−147617号公報に記載のUVカット率評価、特開2003−41434号公報に記載の紫外線遮断性評価、特開平11−302982号公報に記載のドライクリーニング後のカーボンアーク光源を用いた暴露後ブルースケール変褪色評価、特開平7−119036号公報、特開平10−251981号公報に記載のフェードオメーターを用いた暴露後の明度指数、クロマティクネス指数に基づく色差ΔE評価、特開平9−57889号公報、特開平9−137335号公報、特開平10−1868号公報、特開平10−237760号公報に記載のUVテスター、サンシャインウェザーメーターを用いた暴露後の引っ張り強度評価、特開平8−41785号公報、特開平8−193136号公報に記載の全透過率評価、強力保持率評価、特表2003−528974号公報、特表2005−517822号公報、特開平8−20579号公報に記載の紫外線保護係数(UPF)評価、特開平6−228818号公報、特開平7−324283号公報、特開平7−196631号公報、特開平7−18584号公報に記載の高温フェードメーターを用いた暴露後の変褪色グレースケール評価、特開平7−289097号公報に記載の屋外暴露後の外観評価、特開平7−289665号公報に記載の紫外線暴露後の黄色度(YI)、黄変度(ΔYI)評価、特表2003−528974号公報に記載の規約反射率評価等があげられる。
【0169】
建材の耐光性は、JIS−A1415:1999の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には、特開2006−266402号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の表面色調評価、特開2004−3191号公報、特開2006−306020号公報に記載のカーボンアーク光源を用いた暴露後の外観評価、アイスーパーUVテスターを用いた暴露後の外観評価、暴露後の吸光度評価、暴露後の色度、色差評価、メタルハイドランプ光源を用いた暴露後のCIE L色座標における色差ΔEaを用いた評価、光沢保持率評価、特開平10−44352号公報、特開2003−211538号公報、特開平9−239921号公報、特開平9−254345号公報、特開2003−211606号公報に記載のサンシャインウェザーメーターを用いた暴露後のヘーズ値変化評価、暴露後の引張試験機を用いた伸度保持率評価、特開2002−161158号公報に記載の溶媒浸漬後の紫外線透過率評価、アイスーパーUVテスターを用いた暴露後の外観目視評価、特開2002−226764号公報に記載のQUV試験後の光沢率変化評価、特開2001−172531号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の光沢保持率評価、特開平11−300880号公報に記載のブラックライトブルー蛍光灯を用いた紫外線暴露後の色差ΔEaを用いた評価、特開平10−205056号公報に記載のコーブコン促進試験機を用いた暴露後の密着保持率評価、紫外線遮断性評価、特開平8−207218号公報、特開平9−183159号公報に記載の屋外暴露(JIS−A1410)後の外観評価、全光透過率評価、ヘイズ変化評価、引張せん断接着強さ評価、特開平8−151457号公報に記載のキセノンウェザーメーターを用いた暴露後の全光線透過率評価、ヘイズ評価、黄変度評価、特開平7−3955号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の黄変度(ΔYI)、紫外線吸収剤残存率評価等が挙げられる。
【0170】
記録媒体用途として用いられる場合の耐光性はJIS−K7350の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には、特開2006−167996号公報に記載の蛍光灯照射後の印字部位における地肌色差変化評価、特開平10−203033号公報、特開2004−181813号公報に記載のキセノンウェザーメーターを用いた暴露による画像濃度残存率評価、特開2002−207845号公報に記載のキセノンウェザーメーターを用いた暴露による光学反射濃度変化評価、特開2003−266926号公報に記載のサンテストCPS光褪色試験機を用いた暴露後のL評価形による黄変度評価、特開2003−145949号公報に記載のフェードメーターを用いた暴露後の褪色評価、特開2002−212237号公報に記載のキセノンフェードメーターを用いた暴露後の褪色目視評価、特開2002−178625号公報に記載の室内太陽光暴露後の色濃度保持率評価、キセノンウェザーメーターを用いた暴露後の色濃度保持率評価、特開2002−367227号公報に記載のフェードメーターを用いた暴露後のC/N評価、特開2001−249430号公報に記載の蛍光灯暴露後のかぶり濃度評価、特開平9−95055号公報に記載の蛍光灯を用いた暴露後の光学反射濃度評価、消去性評価、特開平9−309260号公報に記載のアトラスフェードメーターを用いた暴露後の色差ΔE評価、特開平8−258415号公報に記載のカーボンアークフェードメーターを用いた暴露後の褪色目視評価、特開2000−223271号公報に記載の有機EL素子色変換特性保持率評価、特開2005−189645号公報に記載のキセノン褪色試験機による暴露後の有機ELディスプレイ輝度測定評価などが挙げられる。
【0171】
その他の評価法としてはJIS−K7103、ISO/DIS9050の方法およびこれを参考とした方法によって評価できる。具体的には、特開2006−89697号公報に記載のポリカーボネート被覆フィルムのUVテスターによる暴露後の外観評価、特開2006−316395号公報に記載の人工毛髪における紫外線暴露後のブルースケール評価、特開2006−335855号公報に記載の促進耐候性試験機を用いた暴露後の評価用処理布水接触角評価、特開2005−55615号公報に記載の耐候試験機を用いた暴露後の投影スクリーンに映し出された映像目視評価、特開2005−74735号公報に記載のサンシャインウェザーメーター、メタルウェザーメーターを用いた暴露後の試験体表面劣化、意匠性変化目視評価、特開2005−326761号公報に記載の金属ランプリフレクターを用いた点灯暴露後の外観目視評価、特開2002−189415号公報、特開2004−352847号公報に記載のボトル用ラベルの光線透過率評価、特開2003−19776号公報に記載のキセノンウェザーメーターを用いた湿度条件下、暴露後のポリプロピレン劣化評価、特開2002−36441号公報、特開2003−25478号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いたハードコートフィルムの劣化評価、基材の劣化評価、親水性評価、耐擦傷性評価、特開2003−239181号公報に記載のキセノンランプ光源を用いた暴露後の人工皮革のグレースケール色差評価、特開2003−253265号公報に記載の水銀灯を用いた暴露後の液晶デバイス特性評価、特開2002−307619号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の密着性評価、特開2002−293706号公報に記載の芝の紫斑度合い評価、特開2002−114879号公報に記載のキセノンアーク光源を用いた暴露後紫外線透過率評価、引張強度評価、特開2001−139700号公報に記載のコンクリート密着速度評価、特開2001−315263号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後外観評価、および塗膜密着性評価、特開2001−214121号公報、特開2001−214122号公報に記載のカーボンアーク光源を用いた暴露後の黄変度、密着性評価、特開2001−207144号公報に記載の紫外線フェードメーターを用いた接着性能評価、特開2000−67629号公報に記載の照明点灯時における昆虫類飛来抑制評価、特開平10−194796号公報に記載のアイスーパーUVテスターを用いた合わせガラスの黄変度(ΔYI)評価、特開平8−318592号公報に記載のQUV照射、耐湿テストを行った後の表面外観評価、光沢保持率評価、特開平8−208976号公報に記載のデューパネル光コントロールウェザーメーターを用いた経時色差評価、特開平7−268253号公報に記載のキセノンウェザロメーターを用いた暴露後の木材基材塗布状態における光沢度(DI)、黄色度指数(YI)評価、特表2002−5443265号公報、特表2002−543266号公報に記載の紫外線照射、暗闇を繰り返した後の紫外線吸収率評価、特表2004−532306号公報に記載の紫外線暴露後の染料褪色色差ΔE評価等が挙げられる。
【実施例】
【0172】
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。参考例1
(例示化合物(15)の調製)
ジメドン35g及びジエチルアミン40gをトルエン150mlに溶解し、120℃で10時間反応させた。反応液を濃縮して得られた粗中間生成物を、シアノ酢酸エチル40gおよび無水酢酸300mlと混合し、60℃で1時間反応させた。濃縮後、単離精製をおこなうことにより、収率28%で例示化合物(15)を得た。例示化合物(15)の極大吸収波長(λmax)は396nm(EtOAc)であり、長波紫外線吸収能を有することがわかった。なお、本明細書において、Etはエチル基、Acはアセチル基を表わす。
MS:m/z 290(M+)。
H NMR(CDCl)d 7.29(s,1H),4.20(q,2H),3.41(q,4H),2.51(s,2H),2.25(s,2H),1.32(t,3H),1.26(t,6H),1.08(s,6H)
【0173】
実施例1
(例示化合物(17)の調製)
1,1−ジメチル−3,3,5,5−テトラメトキシシクロヘキサン23g、ジエチルアミン塩酸塩11g、マロノニトリル7g、塩化亜鉛1gをジメチルアセトアミド200mlに分散し、これを150℃で10時間反応させた。有機層を取り出し、水洗、濃縮後、単離精製をおこなうことにより、収率35%で例示化合物(17)を得た。例示化合物(17)のλmaxは390nm(EtOAc)であり、長波紫外線吸収能を有することがわかった。
MS:m/z 243(M+)
H NMR(CDCl)d 5.77(s,1H),3.42(q,4H),2.42(s,2H),2.30(s,2H),1.23(t,6H),1.08(s,6H)
【0174】
実施例2
(成形板(試料101〜105)の作製)
ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)1kgと例示化合物(15)0.1gをステンレス製タンブラーで1時間攪拌した。この混合物をベント式押出機で230℃にて溶融混合し、常法によって成形用ペレットを作製した。このペレットを80℃で3時間乾燥処理した後、射出成形機で厚さ3mmの成形板を作製した。
また、例示化合物(15)を例示化合物(3)又は(25)に代えたこと以外は同様にして、化合物例(3)及び(25)を用いた成形板を作製した。なお、例示化合物(3)のλmaxは372nm(EtOAc)であり、例示化合物(25)のλmaxは380nm(EtOAc)であり、いずれも長波紫外線吸収能を有する。
また、例示化合物(15)を比較化合物A又はBに代えたこと以外は同様にして、成形板を作製した。なお、本明細書においてBuはブチル基を表わす。比較化合物Aのλmaxは357nm(EtOAc)であり、比較化合物Bのλmaxは355nm(EtOAc)である。
【0175】
【化20】

【0176】
(評価)
作製した成形板に、UVフィルタを除去したキセノンランプで照度10万ルクスになるように光照射し、100時間照射後の紫外線吸収剤の残存量をそれぞれ測定した。残存量は次式に従い計算した。
残存量(%)=100×(100−照射後の透過率)/(100−照射前の透過率)
なお、透過率は添加した化合物のλmaxで測定した値である。結果を表1に示す。
【0177】
【表1】

【0178】
表1の結果から明らかなように、比較化合物A又はBを含む試料104及び105では、100時間光照射後の紫外線吸収剤の残存量が低く耐光性に劣るのに対し、前記一般式(1)で表される化合物を含む試料101〜103では、100時間光照射後においても紫外線吸収剤が90%以上残存しており、耐光性に優れることがわかった。このことから、本発明の高分子材料は、長波紫外線吸収能に優れ、かつこの吸収能が長期間維持し、耐光性に優れることがわかる。
【0179】
実施例3
(PETフィルム(試料201及び202)の作製)
ダイヤナールLR−1065(商品名、三菱レイヨン社製、アクリル樹脂の40%メチルエチルケトン(MEK)溶液)100g、例示化合物(17)0.5gからなる透明塗料を100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥膜厚が30μm程度となるようにバーコーターを用いて塗布し、これを乾燥して紫外線吸収層を有するPETフィルム(試料201)を作製した。
また、例示化合物(17)の代わりに比較化合物Bを用いたこと以外は同様にしてPETフィルム(試料202)を作製した。
【0180】
(評価)
インクジェットプリンタ(PIXUS iP1500、商品名、キヤノン製)を用いてインクジェット記録用紙にマゼンタ色のベタ印字をおこない、十分に乾燥させてから、先に作製したPETフィルムを最上層に紫外線吸収層となるように重ねて固定した。PETフィルム側から光が当たるように南側の窓ガラスに貼り付け、12週間放置することで耐光性試験をおこなった。
比較化合物Bを含む紫外線吸収層を有する試料202では、激しく退色していることが目視で確認されたのに対し、例示化合物(17)を含む紫外線吸収層を有する試料201では、印字直後とほぼ同等の色相を維持していることがわかった。このことから、前記一般式(1)で表される化合物を含む本発明の高分子材料は、光堅牢性が弱い化合物を長期間保護するための紫外線吸収フィルムとしても優れていることがわかる。
【0181】
実施例4
(PETフィルム(試料301、302)の作製)
ダイヤナールLR−1065(商品名、三菱レイヨン社製、アクリル樹脂の40%メチルエチルケトン(MEK)溶液)300g、例示化合物(47)10g、Sumisorb340(住友化学(株))34g、TINUVIN770(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))6.9gをこの割合で混合した組成物からなる透明塗料を作製した。これをバーコーターを用いて、100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フイルム上に30μm程度となるように塗布し、乾燥することにより紫外線吸収層を有するPETフイルム(試料301)を作製した。また、例示化合物(47)の代わりに比較化合物Bを用いたこと以外は同様にしてPETフィルム(試料302)を作製した。
【0182】
(評価)作製したフイルム(試料301、302)に対しUVフィルタを除去したキセノンランプで照度20万ルクスになるように光照射し、40時間照射後の紫外線吸収剤の残存量を比較した。残存量は次式に従い計算した。
残存量(%)=100×(100−照射後の透過率)/(100−照射前の透過率)
なお、透過率は添加した化合物のλmaxで測定した値である。その結果、試料301においては残存量が94%に対し、試料302においては45%であった。このことから、前記一般式(1)で表される化合物を含む混合組成物を用いた高分子材料は長波紫外線吸収能に優れ、かつこの吸収能が長期間維持し、耐光性に優れることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表わされる化合物を、ポリオレフィン、アクリル系ポリマー、ポリエステル、ポリカーボネート及びセルロースエステルからなる群から選ばれる少なくとも一つの高分子物質に含有させてなることを特徴とする高分子材料。
【化1】

〔一般式(1)中、R及びRは、互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。RとRとは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。
及びRは、それぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表わす。RとRとは互いに結合して環を形成してもよい。
、R及びRは、水素原子または1価の置換基を表わす。但し、R、R、R及びRのうち任意の2つの基は互いに結合して環を形成してもよい。〕
【請求項2】
前記一般式(1)で表わされる化合物が下記一般式(2)又は(3)で表わされる化合物であることを特徴とする、請求項1記載の高分子材料。
【化2】

〔一般式(2)中、R21は、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。
23及びR24は、−CN、−COOR25、−CONR2627、−COR28又は−SO29を表わす(R25、R26、R27及びR28は互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。R26及びR27は互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。R29はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。)。
2b及びR2cは、水素原子または1価の置換基を表わす。R2b及びR2cは互いに結合して環を形成してもよい。
21は、炭素原子および窒素原子と一緒になって4〜8員環を形成するのに必要な原子群を表わす。〕
【化3】

〔一般式(3)中、R31及びR32は、互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。R31とR32とは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。
33及びR34は、−CN、−COOR35、−CONR3637、−COR38又は−SO39を表わす(R35、R36、R37及びR38は互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。R36及びR37は互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。R39はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。)。
3bは、水素原子または1価の置換基を表わす。
31は、炭素原子と一緒になって4〜8員環を形成するのに必要な原子群を表わす。〕
【請求項3】
前記一般式(3)で表わされる化合物において、R33及びR34の少なくとも一方が、−CN、−COOR35及び−SO39からなる群から選ばれる置換基(但し、R33及びR34が、同時に−COOR35である場合と、−CNと−COOR35の組み合わせである場合とを除く。)であることを特徴とする、請求項2記載の高分子材料。
【請求項4】
前記一般式(3)で表わされる化合物において、R31およびR32の少なくとも一方が、アリル基、ヒドロキシメチル基及びベンジル基からなる群から選ばれる置換基であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の高分子材料。
【請求項5】
下記一般式(X)で表わされる化合物。
【化4】

〔一般式(X)中、R41及びR42は、互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。R41とR42とは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。
43及びR44は、−CN、−COOR45及び−SO46からなる群から選ばれる置換基を表わす(R45は互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。R46はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。)。但し、R43及びR44が、同時に−COOR45である場合と、−CNと−COOR45の組み合わせである場合とを除く。
4bは、水素原子または1価の置換基を表わす。
41は、炭素原子と一緒になって4〜8員環を形成するのに必要な原子群を表わす。〕

【公開番号】特開2009−67973(P2009−67973A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−255604(P2007−255604)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】