説明

紫外線吸収剤

【課題】有機、無機を問わず、従来の紫外線吸収剤は日焼け止め化粧料の使用感として重要な滑性(のび)が良くない。同時に、低毒性と透明性も求められている。
【解決手段】横巾が0.6μm以上で、且つアスペクト比が6以上の、有機紫外線吸収剤と結合したハイドロタルサイト類を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、滑性良好な高アスペクト比の紫外線吸収剤に関する。さらに詳しくは、板状結晶の横巾が広く、且つアスペクト比(横巾/厚さ)が高く、滑性が良好な有機無機複合系の、日焼け止め化粧料等に好適な、紫外線吸収剤に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線吸収剤には、メトキシケイ皮酸エステル系、ベンゾフェノン系、安息香酸系、サリチル酸系、等の有機系が永年使用されてきたが、これ等の水とか油に溶解した一部が細胞に吸収され、人体に悪影響を及ぼす恐れがある。そのため、近年、微粒子化した酸化チタンと酸化亜鉛が無毒である利点から主流となってきた。しかし、これ等無機系は、有機系に比べ紫外線吸収性が劣り、また透明性も劣る。そこで本発明者は下記式(2)
【0003】
【化2】

(但し、式中、M2+はMgおよび/またはZnを示し、M3+は3価金属、好ましくはAlを示し、An−はスルホン基および/またはカルボキシル基を1個以上有するn価(n=1〜4)のアニオン性有機系紫外線吸収剤および/または黄色染料を示し、Bn−はAn−以外のアニオンを示し、x,yおよびmはそれぞれ次の範囲にある。0<x<0.5,0≦y<0.2,0≦m<4)で表わされるハイドロタルサイト類(HTと略称)を有効成分とする紫外線吸収剤を開発した。このHTは透明性が良く、且つ紫外線吸収性も良く、且つ有機系紫外線吸収剤が水にも油にも不溶になるため、それ等の安全性が向上する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
化粧品において、使用感も重要な要素であり、滑性(のび)が良いことは使用感の重要な要素である。また、紫外線吸収剤を含む日焼け止め化粧料が皮膚に塗布された状態を調べると、紫外線吸収剤の粒子間に間隙が生じ、この間 を太陽光が通過して、皮膚に到達する問題があることが判った。したがって、本発明の目的は、より安全(無毒)で紫外線吸収性と透明性が良く、しかも滑性が良い板状の紫外線吸収剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、従来のHTの合成方法では実現できなかった横巾が大きく且つアスペクト比の大きい板状結晶を、新しい合成方法を発見したことにより達成できた。横巾が少なくとも0.6μm以上、好ましくは1μm以上で、且つアスペクト比が少なくとも6以上、好ましくは10以上のHTの板状結晶に、アニオン性の有機紫外線吸収剤および/または黄色染料を、層間アニオンとして結合させることにより本発明の課題を解決出来る。
【発明の効果】
【0006】
HTを含めて、従来の紫外線吸収剤の欠点である使用感の悪さが本発明品により解決され、滑性(のび)が良好となった。同時に、低毒性、透明性、高い紫外線吸収性も達成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、板状結晶の横巾が0.6μm以上で、且つアスペクト比が6以上の下記式(1)
【0008】
【化1】

(但し、式中、M2+はMgおよび/またはZn、最も好ましくはMgを示し、M3+はAl,Fe,In,Ce等の3価金属、好ましくはAlを示し、An−はスルホン基および/またはカルボキシル基を1個以上有するn価(nは1以上の整数)の有機系紫外線吸収剤および/または黄色染料を示し、xおよびmはそれぞれ次の範囲にある。0.2<x<0.5,0≦m<5)で表わされるHT類を有効成分として含有する紫外線吸収剤を提供する。結晶外形が板状で、しかも横巾が0.6μm以上、好ましくは1μm以上と大きく、且つアスペクト比が6以上、好ましくは10以上と高いために滑性に優れる。HT類の屈折率が低いため、それ自身の透明性が良く、そして、その結晶に組み込まれた有機紫外線吸収剤および/または黄色染料が優れた紫外線吸収性を示す。さらに、薄い板状であるため、肌に塗布した時に間隙が生じにくくなり、紫外線の皮膚への到達をより完全に防ぐことができる。
【0009】
式(1)のAn−の有機紫外線吸収剤は、例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−4’−ジメトキシベンゾフェノン−5,5’−ジスルホン酸等のベンゾフェノン系、4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピルアミノ)安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、4ヒドロキシ−3メトキシ安息香酸、パラアミノ安息香酸、パラジヒドロキシプロピル安息香酸等の安息香酸系、ρ−メトキシケイ皮酸、ジパラメトキシケイ皮酸、3,4−ジメトキシケイ皮酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシケイ皮酸等のケイ皮酸系、サリチル酸、ウロカニン酸、4−4’−ジアミノスチルベン−2−2’−ジスルホン酸系、2−フェニルベンズイミダソール−5−スルホン酸、等を挙げることができる。この中で特に好ましいのは、ベンゾフェノン系およびケイ皮酸系である。
【0010】
式(1)のAn−の黄色染料としては、例えばFDAに登録されているイエロー5(CAS No.1934−21−0:C1612・3Na)、イエロー6(CAS No.2783−94−0:C1612・2Na)、ナフトールイエローS、等であり、好ましくはイエロー5である。
【0011】
式(1)のAn−は有機紫外線吸収剤および/または黄色染料以外のアニオン、例えばNOとかCO2−等のアニオンを含有していても良い。滑性は式(1)のHTが、その結晶外形である板状において横巾が大きい程、且つアスペクト比が高い程良くなる傾向がある。そのため結晶の横巾は、好ましくは1μm以上、特に好ましくは2μm以上〜20μmであって、且つアスペクト比が好ましくは10以上、特に好ましくは20以上である。
【0012】
本発明の滑性に優れた紫外線吸収剤の製造は、従来のHT類の合成法である共沈反応−水熱処理では達成出来ない。そのため、鋭意研究した結果、次の製造方法により初めて可能となった。
【0013】
本発明化合物の製造は、(a)0.6μm以上の横巾(直径)を有するMgおよび/またはZnの、固溶体を含む水酸化物または酸化物に、(b)下記式(3)
【0014】
【化3】

(但し、式中、M3+は3価金属、好ましくはAlを、Bはアニオンを、nは1または 2を示し、yおよびzは次の範囲にある。0≦y<3,0≦z<10)で表わされるM3+の塩基性塩を添加し、水媒体中で攪拌下、加熱または水熱処理し、HTを合成後、式(1)のAn−、有機紫外線吸収剤および/または黄色染料、で洗浄(イオン交換)することにより実施出来る。あるいは、HTを合成後、CO2−でイオン交換後、式(1)のAn−の酸型水溶液と反応させるか、あるいはHNO等でイオン交換後、An−のアルカリ金属塩水溶液でイオン交換することにより製造できる。最終化合物の横巾とアスペクト比は、原料である(a)のそれにほぼ依存する。したがって、原料(a)の横巾とアスペクト比が大きい物を選ぶか、または合成することが必要であり、且つ好ましい。そのような原料としては、例えば水酸化マグネシウムではキスマ5とか5Q(協和化学工業(株)製)、酸化亜鉛では亜鉛華1号等である。
【0015】
3+の塩基性塩は、例えば硝酸アルミニウムとか硫酸アルミニウム等の水溶液に、当量未満、好ましくは当量のアルカリ、例えば水酸化ナトリウムとか炭酸ナトリウムを攪拌下添加、共沈させることにより製造できる。
【0016】
本発明の紫外線吸収剤は、日焼け止め化粧料、樹脂の紫外線による劣化防止剤、食品、薬品、電子部品等を紫外線から守る樹脂製包装材等に利用できる。
【0017】
日焼け止め化粧料としては、本発明の紫外線吸収剤を、例えばシリコーンオイル、高級アルコール、ラノリングリセリンステアレート、カカオ脂、ソルビタンセスキオレート、プロピレングリコール、ミネラルオイル、イソプロピルミリステート、ペトロラタム、アクリル酸系ポリマー、エタノール、水およびこれらの混合物、等の液状媒体中に分散させ、使用できる。
【0018】
本発明の紫外線吸収剤の配合量は、液状媒体中の0.1〜30%である。本発明の日焼け止め化粧料は、上記成分の他に、スチレンとアクリルの共重合体、ポリアクリル酸アミド、等の透明プラスチック、保湿剤、界面活性剤、植物エキス、ビタミン類、酸化防止剤、防腐剤、消炎剤、香料、等の通常化粧料に配合される他の成分を適宜配合できる。
【0019】
本発明の紫外線吸収剤は、食品等の包装材、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等の樹脂フィルムに添加、分散または、塗布させることにより食品等の紫外線による品質劣化、着色、鮮度低下、等を防ぐことができる。フィルムはヒートシール性樹脂を必ず含有し、1種または2種以上の異なった樹脂フィルムをラミネートして用いることができる。本発明紫外線吸収剤のゴムおよび/または樹脂100重量部に対し、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。
【0020】
以下、実施例により本発明を説明する。
【実施例1】
【0021】
(a)水酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製、キスマ5)の粉末40gを約200mlの水に分散させる。(b)硝酸アルミニウム水溶液(Al3+=1.5モル/リットル)185mlを1,000mlのビーカーに採り、ケミスターラーで攪拌下に、水酸化ナトリウム水溶液(4.0モル/リットル)90mlを加え反応させる。(b)の反応物に(a)のスラリーを攪拌下に加え、約20℃で反応させる。この反応物を容量1リットルのオートクレーブに入れ、170℃で5時間水熱処理を行い、NO型ハイドロタルサイトを合成した。このスラリーを約5リットルのステンレス製反応槽に移し、約70℃に加温後、これに2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(BPと略称)に当量の水酸化ナトリウムを加えた水溶液(約70℃)を攪拌下に加え、約30分間反応させた。この後、ろ過、水洗、乾燥(約120℃)、粉砕した。この粉末の、X線回析の最強ピークの面間隔は、d=20.46Åであった。アスペクト比の測定法:SEM写真から、横巾と厚さが測定できる結晶で、横巾の大きい順から5個を選択し、それらの横巾と厚さを測定し、それらの平均値からアスペクト比を算出する。SEMを測定した結果、結晶は六角板状であり、その横巾は平均して0.83μm、厚さが平均して0.07μmであり、したがってアスペクト比の平均は12であった。〔図2〕 試料を塩酸に加熱溶解後、金属はキレート滴定、アニオン量については吸光光度法で測定し、結晶水はTG−DTAを測定して、化学組成を調べた結果を次に示す。Mg0.70Al0.30(OH)(BP0.29(NO0.01・1.2HO。この粉末をLLDPEに1%配合、オープンロールを用い、溶融混練後、厚さ0.3mmのシート状に加熱プレス成型し、得られたシートを裁断して、分光光度計で光の透過率を測定した。その結果を図1に示す。
【実施例2】
【0022】
市販の水酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製、キスマ5Q)40gを約200mlの水に分散させる。硫酸アルミニウム(Al=1.0モル/リットル)137mlを1,000mlのビーカーに入れ、攪拌下、炭酸ナトリウム水溶液(1.0モル/リットル)の137mlを加え反応させた。この反応物に、攪拌下、キスマ5Qのスラリーを添加反応(約30℃)させた後、容量1リットルのオートクレーブに移し、150℃で8時間水熱処理を行った。水熱処理物のスラリーを減圧下にろ過し、続いて0.5モル/リットルの炭酸ナトリウム2リットルでイオン交換し、CO型ハイドロタルサイトにし、その後、2リットルの水で水洗し、乾燥(120℃)、粉砕した。得られた粉末50gを約20℃の温水500mlに分散後、BPの酸型水溶液(1.0モル/リットル、70℃)100mlを攪拌下に加え、30分間70℃で攪拌し、イオン交換させた。この後、減圧ろ過、水洗、乾燥(120℃)、粉砕した。得られた粉末のX線回析測定した結果は、実施例1で得られた物のそれとほぼ同じであった。実施例1と同様の方法で測定した化学組成は次の通りであった。Mg0.68Al0.32(OH)(BP0.30(CO0.01・0.9HO。SEMを測定した結果、結晶外形は六角板状であり、その横巾は平均して1.7μm、厚さは平均して0.12μm、アスペクト比の平均は14であった。この粉末を実施例1と同じ方法でLLDPEに混練し、得られたシートの光線透過率を測定した。その結果は図1とほぼ同じであった。
【実施例3】
【0023】
1.0モル/リットルの硝酸アルミニウム水溶液200mlに、4モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液222mlを加えて塩基性硝酸塩を作製した。これに、酸化亜鉛(亜鉛華1号、BET=2m/g)41gを攪拌下に加え反応させた後、約95℃に加熱して8時間、この温度で攪拌しつつ反応させた。これに、YELLOW−5(タートラジン)を0.5モル溶解した水溶液(70℃)500mlを加え、約70℃で30分間攪拌しつつ反応させた。その後、反応物をろ過、水洗、乾燥、粉砕した。この物のX線回析測定した結果、最大面間隔が22.5Åであった。この粉末の化学組成は次の通りであった。Zn0.69Al0.31(OH)(Y5)0.30(NO0.01・1.5HO。SEMを測定した結果、結晶外形は六角板状であり、その巾は平均して約0.8μm、厚さは平均して0.11μm、アスペクト比の平均は7であった。この粉末を実施例1と同様にして光線透過率を測定した結果を図1に示す。
【実施例4】
【0024】
硝酸マグネシウムと硝酸亜鉛の混合水溶液(Mg2+=1.0モル/リットル、Zn=0.2モル/リットル)5リットルを攪拌しつつ、4モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液2.5リットルを加え反応させた。反応物スラリーを減圧ろ過、水洗、乾燥、粉砕後、電気炉に入れ、1,200℃で4時間焼成した。焼成物が室温に冷えてから粉砕し、これを0.1モル/リットルの乳酸15リットルに分散させ、攪拌しつつ、90℃で10時間水和反応させた。得られた水酸化マグネシウムと水酸化亜鉛の固溶体をろ過、水洗後、乾燥、粉砕した。この粉末を使い、実施例1と同様に処理してNO型ハイドロタルサイトを合成した後、ベンゾフェノンの代わりに、パラメトキシケイ皮酸(MC)を使用する以外は実施例1と同様に処理して、パラメトキシケイ皮酸型ハイドロタルサイトを合成した。この粉末のX線回析の最強ピークの面間隔は、d=18.7Åで、化学組成は次の通りであった。(Mg0.8Zn0.20.7Al0.3(OH)(MC0.24(NO0.06・1.1HO。SEMを測定した結果、結晶外形は六角板状であり、その横巾は約2.6μm、厚さは0.2μm、アスペクト比の平均は13であった。
【0025】
[比較例1]
共沈法で合成後、結晶を発達させるために水熱処理してある、最も結晶が良く発達したCO型ハイドロタルサイトの一つであるDHT−4(協和化学工業(株)製)の粉末50gを用い、実施例2と同様にしてBP型ハイドロタルサイトを合成した。この物のX線回析は実施例2とほぼ同じ面間隔を示した。化学組成は次の通りであった。Mg0.69Al0.31(OH)(BP0.29(CO2−0.01・0.88HO。SEMを測定した結果、結晶外形は粒状に近く、一部厚い板状が混じっており、横巾は平均して0.36μm、厚さは平均して0.14μm、アスペクト比の平均は3であった。[図3]
【0026】
[滑性評価]
粉末を手に採り、手の甲に塗布して滑り性を触感で評価した。その結果を表1に示す。
【0027】
【表1】




【0028】
〔図1〕




【0029】
〔図2〕



〔図3〕





【特許請求の範囲】
【請求項1】
横巾が0.6μm以上で且つアスペクト比が6以上の下記式(1)
【化1】

(但し、式中、M2+はMgおよび/またはZnを示し、M3+はAl等の3価金属を示し、An−はスルホン基および/またはカルボキシル基を1個以上有する有機系紫外線吸収剤および/または黄色染料を示し、xおよびmは次の範囲にある。0.2<x<0.5,0≦m<5)で表わされるハイドロタルサイト類を有効成分として含有する紫外線吸収剤。
【請求項2】
式(1)のAn−が2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5,5’−ジスルホン酸等のベンゾフェノン系、4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピルアミノ)安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、4ヒドロキシ−3メトキシ安息香酸、パラアミノ安息香酸、パラジヒドロキシプロピル安息香酸等の安息香酸、パラジヒドロキシプロピル安息香酸等の安息香酸系、ρ−メトキシケイ皮酸、ジパラメトキシケイ皮酸、3,4−ジメトキシケイ皮酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシケイ皮酸等のケイ皮酸系、サリチル酸、ウロカニン酸、2−メドキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルベーゼンスルホン酸、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、yellow5の中から選ばれた少なくとも1種以上の有機系紫外線吸収剤である請求項1記載の紫外線吸収剤。
【請求項3】
請求項1において、横巾が1μm以上で且つアスペクト比が10以上であるハイドロタルサイト類を有効成分として含有する請求項1記載の紫外線吸収剤。
【請求項4】
式(1)のAn−がケイ皮酸系および/またはベンゾフェノン系である請求項1記載の紫外線吸収剤。
【請求項5】
横巾が0.6μm以上で、且つアスペクト比が6以上の下記式(1)
【化1】

(但し、式中、M2+はMgおよび/またはZn、M3+はAl等の3価金属を示し、An−はスルホン基および/またはカルボキシル基を1個以上有する有機系紫外線吸収剤および/または黄色染料を示し、xおよびmは次の範囲にある。0.2<x<0.5,0≦m<5)で表わされる紫外線吸収剤を液状担体中に分散させたことを特徴とする日焼け止め化粧料。
【請求項6】
液状担体がシリコーンオイル、高級アルコール、ラノリングリセリンステアレート、カカオ脂、ソルビタンセスキオレート、プロピレングリコール、ミネラルオイル、イソプロピルミリステート、ペトロラタム、アクリル酸系ポリマー、エタノール、水およびこれらの混合物である請求項5記載の日焼け止め化粧料。
【請求項7】
樹脂100重量部に、請求項1の紫外線吸収剤を0.001〜20重量部配合することを特徴とする紫外線吸収性樹脂組成物。
【請求項8】
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン酢ビコポリマー、等の樹脂に、請求項1の紫外線吸収剤を分散または塗布した、単層または2種以上のフィルムをラミネートした多層フィルムからなる紫外線吸収性包装材料。
【請求項9】
横巾が0.6μm以上で且つアスペクト比が6以上の下記式(1)
【化1】

(但し、式中、M2+はMgおよび/またはZnを示し、M3+はAl等の3価金属を示し、An−はCO2−等のn価のアニオンを示し、x、mおよびnは次の範囲にある。0.2<x<0.5,0≦m<5,nは1以上の整数)で表わされるハイドロタルサイト類。


【公開番号】特開2009−120783(P2009−120783A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−299039(P2007−299039)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【出願人】(391001664)株式会社海水化学研究所 (26)
【Fターム(参考)】