説明

紫外線測定装置

【課題】紫外線情報を日常生活の中で適切かつ容易に活用できる紫外線測定装置を提供する。
【解決手段】UV−A領域に感度をもつ第1紫外線センサ部16とUV−B領域に感度をもつ第2紫外線センサ部18の測定情報を制御部40で処理する。第1紫外線センサ部の測定情報から第2紫外線センサ部の測定情報を減算してUV−A情報を求める。第1紫外線センサ部にガラスカバー34、第2紫外線センサ部に石英カバー38をしてそれぞれUV−A情報およびUV−B情報を出力する。UV−B情報が絶対的または相対的に小さい時ガラス越し測定と判断して補正し戸外での測定値を推定する。太陽電池出力により紫外線センサ部への直射光入射の有無を判定する。紫外線センサ部と可視光センサ部は天に向け、表示部は顔に向ける。化粧用コンパクト1の鏡を反射型LED表示とし、コンパクトを開いた時自動的に短時間だけ紫外線情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境破壊問題とともに紫外線の人体への影響に関する関心が高まり、気象庁等からの紫外線情報が発信されている。また日焼け止め化粧品が普及するとともに日常生活の中で紫外線情報を得ることについても種々の提案がなされている。例えば、特開2003−289938号公報(特許文献1)では、紫外線センサを化粧用コンパクトに搭載し、紫外線レベルを表示することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−289938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、日常生活の中で紫外線情報を活用する上ではまだ種々検討すべき課題が多い。
【0005】
本発明の課題は、上記に鑑み、紫外線情報を日常生活の中で適切かつ容易に活用できる紫外線測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、UV−A領域の紫外線情報を測定する第1紫外線センサ部と、UV−B領域の紫外線情報を測定する第2紫外線センサ部と、第1紫外線センサ部および第2紫外線センサ部からの測定情報を処理する制御部とを有する紫外線測定装置を提供する。紫外線はその波長域によりUV−A、UV−BおよびUV−Cに区分されており、その性質や人体への影響がことなる。ここにおいて、本発明は第1紫外線センサ部と第2紫外線センサ部によりUV−A、UV−Bの情報を個別に得ることができる有用な構成を提案する。
【0007】
本発明の具体的な特徴によれば、第1紫外線センサ部はUV−A領域およびこれより波長の短い光に感度を持つとともに、制御部は第1紫外線センサ部による測定情報から第2紫外線センサ部による測定情報を減算することによりUV−A領域の紫外線情報を得る。また、他の具体的な特徴によれば、第1紫外線センサ部と記第2紫外線センサ部はそれぞれ互いに分光透過率の異なるカバーを有し、これによって第1紫外線センサ部はUV−A領域の紫外線情報を出力するとともに、第2紫外線センサ部はUV−B領域の紫外線情報を出力する。後者の場合、より具体的には、第1紫外線センサ部のカバーとしてはガラス等のUV−B領域の紫外線を透過しないものを用い、第2紫外線センサ部のカバーとしては石英などUV−B領域の紫外線を透過するものを用いる。
【0008】
本発明の他の具体的な特徴によれば、制御部は、UV−B領域の紫外線情報が所定より小さいか否かを判定する。より具体的には、制御部は、UV−B領域の紫外線情報が所定より絶対的に小さいか否かを判定する。また、他のより具体的な特徴によれば、制御部は、UV−B領域の紫外線情報がUV−A領域の紫外線情報に比べて相対的に所定より小さいか否かを判定する。これらの特徴は、UV−B領域の紫外線情報が所定より小さいとき、ガラス越しの測定であることを判定する上で有用である。人は生活の中で、窓際の室内、電車や車の中などにおいて頻繁にガラス越しに太陽光を受ける。この場合、UV−Bはガラスで遮断されるがUV−Aはガラスを透過し、人体に影響を与える。従って、ガラス越しの測定の意義も大きい。しかし、上記の事情によりガラス越しの測定では、戸外の自然状態にくらべUV−Bが僅少となるので、両者を区別しないと測定に混乱が生じる。上記の特徴はこれに対応するものであり、UV−A、UV−Bの情報を個別に得ることができる本発明の利点が活用される。
【0009】
上記本発明のより具体的な特徴によれば、制御部は、UV−B領域の紫外線情報が所定より小さいとき、ガラス越しでない場合の紫外線情報を補正して求める。詳細な特徴によれば、ガラス越しの測定による紫外線の減衰分を補正する。また、他の詳細な特徴によれば、ガラス越しの測定によりカットされたUV−B領域の紫外線情報分を補正する。これらによって、ガラス越しの測定に基づいて戸外での紫外線情報を推定することができる。
【0010】
上記本発明の他のより具体的な特徴によれば、制御部は、UV−B領域の紫外線情報が所定より大きいときは、UV−A領域の紫外線情報およびUV−B領域の紫外線情報に基づいてUVインデックスを算出するとともに、UV−B領域の紫外線情報が所定より大きいときは、UV−A領域の紫外線情報に基づいてUVインデックスを算出する。これは、ガラス越しの測定などUV−B領域の紫外線が僅少であるときは、UV−A領域の紫外線情報に基づいてUVインデックスを算出し、必要に応じ上記のように補正を加える方が適切であるからである。
【0011】
本発明の他の特徴によれば、紫外線情報を測定する紫外線センサ部と、可視光情報を測定する可視光センサ部と、可視光センサ部の可視光情報に基づいて紫外線センサ部からの測定情報を補正する制御部とを有する紫外線測定装置が提供される。紫外線領域では空からの紫外線総量のうち散乱光はその6割を占めると言われているが、紫外線センサに太陽からの直射光が入るかどうかで測定値は大きく異なってくる。一方、可視光では散乱光が占める割合は1〜2割程度と言われているので、可視光センサの出力は直射光が入っているかどうかでより先鋭に変化する。そこで、例えば可視光センサ部の出力に基づいて紫外光センサ部に直射光が入っているかどうかを判定して補正し、紫外線センサ部に直射光が入っているか否かに依存しない測定値が得られるにすることも可能となる。
【0012】
上記本発明の具体的な特徴によれば、可視光センサ部は、紫外線測定装置への電力供給源となる太陽電池である。太陽電池は、可視光領域にピークがある太陽エネルギーを受光するよう構成されるので、可視光センサ部として兼用するのに好適である。また、紫外線測定は太陽電池の出力が充分である環境で必要となるので、紫外線測定装置の電源とするのに好適である。この意味では、より具体的な構成として、制御部は前記紫外線センサ部からの測定情報に基づいて紫外線情報を提供するとともに前記太陽電池の出力が所定以下で紫外線測定の意義が薄いときは紫外線情報の提供を行わないよう構成することもできる。また、上記本発明の他の具体的な特徴によれば、紫外線センサ部と可視光センサ部は同一方向に向けて配置されるが好適である。なお、紫外線センサ部は、上記のようにUV−A領域の紫外線情報を測定する第1紫外線センサ部とUV−B領域の紫外線情報を測定する第2紫外線センサ部を含むよう構成してもよい。
【0013】
本発明の他の特徴によれば、紫外線情報を測定する紫外線センサ部と、可視光情報を測定する可視光センサ部と、紫外線センサ部および可視光センサ部からの測定情報を処理する制御部と、制御部が提供する紫外線情報を表示する表示部とを有し、紫外線センサ部と可視光センサ部は同一方向に向けて配置されるとともに可視光センサ部と表示部は異なった方向に配置される紫外線測定装置が提供される。これによって、可視光センサ部を天に向けて太陽を探りながらその結果を示す表示部を同時に使用者の顔に向けることが可能となり、太陽のある戸外での測定に適した構成が提供できる。なお、上記のように、より具体的には、可視光センサ部を、電力供給源となる太陽電池を兼用して構成するのが好適である。
【0014】
本発明の他の特徴によれば、紫外線情報を測定する紫外線センサ部と、紫外線センサ部の測定情報を処理する制御部と、制御部が提供する紫外線情報の表示機能を有するとともに他の目的に兼用される表示部とを有することを特徴とする紫外線測定装置が提供される。このように他の目的に兼用される構成を紫外線情報の表示部とすることにより、紫外線測定装置を単なる測定器ではない形で日常生活に溶け込ませることができる。上記において、他の目的に兼用される表示部の例はミラーであり、紫外線情報の表示はミラーの反射面に重畳して表示される。近年、若年者を中心に戸外での化粧治し等が日常化しているが、この際に必要なミラーや化粧用コンパクトのミラー面を紫外線情報の表示部とすることにより、日常行動の中で、関心事のひとつである紫外線情報を得ることができる。
【0015】
上記本発明の具体的な特徴によれば、制御部は、表示部の他の目的のための使用開始に伴って表示部での表示のための紫外線情報を自動的に所定時間だけ提供する。これによって、他の目的で表示部を注目して使用を始めたときに自動的に紫外線情報を表示し、かつ他の目的の妨げにならないようその表示を所定時間に限ることで、格別の操作なしに紫外線情報が得られるとともに、その情報が日常生活を妨げることもない。より具体的には、例えば表示部を折り畳む機構を有し、表示部を開く操作が表示部の他の目的のための使用開始とするよう構成するのが好適である。これは、例えば化粧用コンパクトを開く動作または折り畳み式携帯電話を開く動作等に応用可能である。他のより具体的な特徴によれば、操作部を設け、制御部は、紫外線情報を表示するために意図して操作部が操作されたときは、表示を終了させるための操作があるまで表示部での表示を継続するよう構成することもできる。これによって関心があるときは、紫外線情報の表示を任意に継続することができる。
【0016】
本発明の他の特徴によれば、紫外線情報を測定する紫外線センサ部と、可視光情報を測定する可視光センサ部と、紫外線センサ部に拠る紫外線情報を記憶する記憶部と、可視光センサ部の可視光情報に基づいて前記記憶部の記憶を更新する制御部とを有する紫外線測定装置が提供される。上記のように、紫外線領域では空からの紫外線総量のうち散乱光はその6割を占めるが、可視光では散乱光が占める割合は1〜2割程度である。従って、紫外線測定装置の方向を変えながら測定を繰り返せば、可視光センサ部の可視光情報に基づいて紫外線情報のピークホールドが容易に行える。
【0017】
本発明の他の特徴によれば、紫外線情報を測定する紫外線センサ部と、可視光情報を測定する可視光センサ部と、前記紫外線センサ部に拠る紫外線情報を記憶する記憶部と、前記可視光センサ部の可視光情報を表示する表示部とを有する紫外線測定装置が提供される。この特徴によれば、紫外線測定装置の方向を変えながら測定を繰り返し、その際、直射光の入射の有無でより先鋭に出力の変わる可視光センサ部の表示を見ることでより、より容易に紫外線情報のピークを確認することができる。
【発明の効果】
【0018】
上記のように本発明によれば、日常生活に対応した紫外線測定装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1における外観図である。(実施例1)
【図2】実施例1の構成要素の詳細を示すブロック図である。
【図3】図2の実施例1におけるコンパクト制御部の機能を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS6およびステップS24の詳細を示すフローチャートである。
【図5】図3のステップS20の詳細を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップS96の詳細を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例2における外観図である(実施例2)
【図8】本発明の実施例3におけるコンパクト制御部の機能のうち測定処理に関するフローチャートである。(実施例3)
【図9】本発明の実施例4における上面図である。(実施例4)
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係る紫外線測定装置の実施例1における外観図である。実施例1は化粧用コンパクト1として構成され、化粧品容器2、4を収納するコンパクト本体6と、これに対し折りたたみ可能に構成されたミラー部8を有する。ミラー部8には、ミラー兼用反射型液晶(LCD)10が設けられており、紫外線情報が表示されるとともに、表示が行われないときはミラーとして機能する。
【0021】
ミラー兼用反射型液晶10は鏡面基板の上に反射型液晶構造が形成されてなるものであり、反射型液晶構造は、無表示状では無色透明となって、鏡面基板がミラーとして機能する。また表示は主に二値の線画であり、表示状態では、ミラーの鏡像に線像が重畳された形となる。線画は基本的にはモノクロでよく、特に文字表示部12は白黒表示でよい。紫外線の日変化を表示するグラフ部14についてもモノクロでよいが、紫外線強度を表すために例えば緑から紫に段階的に遷移するカラー表示とすることも可能である。この場合も、可変のフルカラーの構成をとる必要はなく、グラフの紫外線強度領域毎に予め色を決めた簡易カラー表示でよい。
【0022】
ミラー部8の頂点には、UV−Aの測光を担当する第1紫外線センサ部16、およびUV−Bの測光を担当する第2紫外線センサ部18が配置されている。ミラー兼用反射型液晶10は、第1紫外線センサ部16および第2紫外線センサ部18による測定等に基づいて、文字表示部12にUVインデックス、UV−Aの測定結果、およびUV−Bの測定結果を表示するとともに、グラフ部14に紫外線の日変化予想グラフ等を表示する。具体的に述べると、グラフ部14には、UVインデックスの日変化予測グラフ20および測定時点におけるUVインデックスの棒グラフ22が表示される。このような表示により、棒グラフ22が測定時点現在の紫外線強度、その左側においてのグラフ20で囲まれる部分がその日に既に被爆した紫外線の積分値、右側においてグラフ20で囲まれる部分がその日のうちにこれから被爆する紫外線の積分値のイメージとなる。
【0023】
後述するように、実施例1は、ZigBee(商標)などの簡易型近距離通信手段によって化粧用コンパクト1所有者の携帯電話と通信可能となっており、携帯電話が受信する天気予報、紫外線情報、GPS情報など転送を受けることができる。UVインデックスの日変化予測グラフ20は、第1紫外線センサ部16および第2紫外線センサ部18による測定値および測定時刻に基づいて作成可能であるが、上記のようにして携帯電話から転送される種々の情報を動員することでより適切な予測が可能となる。詳細については後述する。
【0024】
コンパクト本体6には、ミラー部8を折りたたんだ時に第1紫外線センサ部16および第2紫外線センサ部18をそれぞれ収納することによって保護する凹部24、26が設けられている。ミラー部8を開くには押しボタンなどからなる操作部28を操作する。コンパクト本体6には内部太陽電池30が設けられており、化粧用コンパクト1を開いた時に太陽光などの外光を受けて化粧用コンパクト1に電力を供給する。太陽電池30は、化粧用コンパクト1におけるミラー部8の近傍に配置されているので、直射光だけでなくミラー部8を反射した光も効率よく入射し、受光効率が高まる。なお、図1には現れていないが、ミラー部8の背面には外部太陽電池が設けられており、ミラー部8が折りたたまれている時でも必要に応じ電力を供給する。実施例1はさらに、これらの太陽電池の電力を蓄えるための二次電池を有するとともに、最低限の電力を供給するためのバックアップ電池を備えている。詳細は後述する。
【0025】
実施例1は、化粧用コンパクトとしての通常の操作以外は必要ないように構成されており、操作部28を操作してミラー部8を開いた時に自動的に紫外線測定が行われ、結果がミラー兼用反射型液晶10に表示される。また、この表示は所定時間(例えば5秒)経過すると自動的に消える。従って、紫外線情報を得るのに格別の操作を必要とせず、化粧用コンパクト1を開くだけで情報が現れるので、情報が日常生活に溶け込みやすい。また、表示は短時間で自動的に消えるので、本来の化粧用コンパクトとしての使用を意図している場合にミラーに煩わしい表示が残ることもない。なお、紫外線情報に関心があるのに、短時間で情報が消えることに対しては、操作部28を再度操作することで、再度表示を行わせることができる。また、この場合は意識的に表示を行わせているので、再度操作部28を操作して消さない限り、表示が勝手に消えてしまうことはない。以上のようにして、実施例1の紫外線測定装置は使用説明書などを見なくても、自然に利用することができる。詳細については後述する。
【0026】
ここで、第1紫外線センサ部16、第2紫外線センサ部18、ミラー兼用反射型液晶10および内部太陽電池30の配置と向きの関係についてまとめると、ミラー部8を開いた状態において第1紫外線センサ部16、第2紫外線センサ部18、および内部太陽電池30がほぼ同一方向を向くのに対し、ミラー兼用反射型液晶10はこれらと異なった方向を向く。具体的には、ミラー部8を開き、使用者がミラー兼用反射型液晶10に自分の顔を映して見ている状態において、第1紫外線センサ部16、第2紫外線センサ部18、および内部太陽電池30は天を向き、全天からの入射光を受光する状態となるとともに、ミラー兼用反射型液晶10は使用者の顔を向くので、使用者が表示を観察するのに好適な状態となる。このようにして、化粧用コンパクト1を自然に使用する状態において紫外線測定と測定結果の表示観察が容易となる。
【0027】
図2は、実施例1の構成要素の詳細を示すブロック図であり、図1と共通の部分については同一の番号を付すとともに必要がない限り説明は省略する。図2に示すように、第1紫外線センサ部16は、UV−Aセンサ32およびガラスの球状カバー34を持つ。UV−Aセンサ30は、400nm近辺より短い波長域において高感度を持つZnO系の光電変換素子である。一方、球状カバー34はガラスなのでUV−B領域の波長は透過せず、この結果、第1紫外線センサ部16はUV−A領域を選択的に測定するセンサとなる。これに対し、第2紫外線センサ部18は、UV−Bセンサ36および石英の球状カバー38を持つ。UV−Bセンサ36は、320nm近辺より短い波長域において高感度を持つZnO系の光電変換素子である。球状カバー38は石英なのでUV−B領域の波長をよく透過する。また、通常、地表にはUV−Cは到達していないので、第2紫外線センサ部16はUV−B領域を選択的に測定するセンサとなる。
【0028】
なお、上記のような構成に代え、球状カバー34にも石英を用いてUV−Aセンサ32にUV−A領域およびUV−B領域を測定させるようにし、UV−Aセンサ32の出力からUV−Bセンサ36の出力を減算することによりUV−Aの測定値を得るようにしてもよい。上記のUV−Aセンサ32およびUV−Bセンサ36にそれぞれ採用したZnO系の光電変換素子は、例えばMgZnOよりなるもので、MnとZnの比率を変化させることにより感度領域を変化させることができる。このようなZnO系の光電変換素子については、同一出願人による特願2009−018009に詳述されている。
【0029】
化粧用コンパクト1は、コンパクト本体6に設けられるコンパクト制御部40によって制御されている。UV−Aセンサ32とUV−Bセンサ36による測定結果はコンパクト制御部40に入力され所定の処理に基づいて表示用のデータとされ、ミラー部8に設けられたLEDドライバ42に送られる。LEDドライブ42は送られたデータに基づいてミラー兼用反射型LED10を制御し、UVインデックスに関する文字情報やグラフ情報を用事させる。また、コンパクト制御部40の処理結果は必要に応じ不揮発記憶部44に記憶される。
【0030】
開閉検知部46は、ミラー部8が開いているかまたはコンパクト本体6上に折りたたまれているかを検知し、コンパクト制御部40に通知する。この通知の意義は後述する。電源部48は内側太陽電池30によって充電される二次電池50を有し、化粧用コンパクト1の各部に必要な電圧を供給する。電源部48はさらにバックアップ電池52を有し、二次電池50が消尽された場合にコンパクト制御部40等に最低限の機能のための電力を供給する。二次電池50は、さらにミラー部8の背面に設けられた外部太陽電池54からも充電可能となっている。内側太陽電池30および外側太陽電池54の受光状況はコンパクト制御部40にも制御情報として伝えられる。その詳細は後述する。
【0031】
既に述べたように、化粧用コンパクト1は、ZigBee(商標)などの簡易型近距離通信手段によって化粧用コンパクト1所有者の携帯電話58と通信可能である。具体的には、化粧用コンパクト1の近距離通信部56は、携帯電話58の近距離通信部60との近距離通信により、携帯電話58が携帯電話受信部62によって外部サーバから自動受信し、記憶部64に記憶している天気予報、紫外線情報、GPS情報などの転送を受けることができる。携帯電話58全体は携帯電話制御66によって制御されており、携帯電話機能部68は携帯電話制御66の制御に基づき、携帯電話送受信部62による無線電話回線を通じた通話やデータの送受信などを行う。
【0032】
図3は、図2の実施例1におけるコンパクト制御部40の機能を示すフローチャートである。フローはコンパクトがバッグの中などの暗所から取り出されて外部太陽電池54の出力が増加するか、または使用者がコンパクトを開く操作を行うことにより、スタートする。フローがスタートすると、まずステップS2でコンパクトが開状態にあるかどうかがチェックされる。このチェックは図2の開閉検知部46からの情報により可能である。コンパクトが開状態でないときは、コンパクトが明るいところに取り出されてフローがスタートしたものと考えられるので、ステップS4に進み、外部体調電池54の出力が所定以上かどうかチェックする。
【0033】
ステップS4で外部太陽電池54の出力が所定以上であると判断されたときは、ステップS6のUV情報交信処理に進み、その後ステップS8に移行する。ステップS6のUV情報交信処理は、携帯電話58との近距離通信により携帯電話が自動受信している外部サーバからの紫外線情報などの転送を受けることを主な内容とするものであり、外界が充分明るくて外部太陽電池の給電により化粧用コンパクト1が駆動可能な状態において、化粧用コンパクト1が開かれる前に、紫外線測定に備えて最新の必要情報を得ておく意義がある。UV情報交信処理の詳細は後述する。一方、ステップS4で外側太陽電池出力が所定以上であることが検知されない場合は、UV情報交信処理への給電が保証できないので直接ステップS8に移行する。
【0034】
ステップS8では、操作部28の操作が行われたかどうかをチェックする。そして、操作が検出されれば、ステップS10において操作時の化粧用コンパクト1が閉状態であったかどうかをチェックする。これは、後述のように化粧用コンパクト1が既に開かれている状態において操作部28を操作して紫外線測定を行う場合があり、このような場合を操作部28の操作でコンパクト1を開く場合と区別するためである。ステップS10で操作部28を操作した時点で化粧用コンパクト1が閉じられていたことが検知された場合は、操作部28が化粧用コンパクト1を開くために操作されたことを意味するからステップS12に進み、タイマをオンするとともにタイムカウントをスタートさせステップS14に移行する。このタイマのタイムアップまでの時間は例えば5秒程度である。なお、ステップS8で操作部の操作が検出されない場合は後述のステップS32におけるコンパクト閉状態チェックを経ながら、化粧用コンパクト1が開かれている限りステップS8を繰り返して操作部の操作を待つ。
【0035】
一方、ステップS2でコンパクトが開状態であることが検知されたときは、使用者がコンパクトを開く操作を行うことによりフローがスタートしたものと考えられるので、直接ステップS12に移行する。これは、ステップS6のようなUV情報交信処理により紫外線測定の実行が遅延するのを避けるためである。つまり、化粧用コンパクト1を開くと同時に自動的に紫外線を測定し、自動的にその結果を表示することを優先する。
【0036】
なお、ステップS10で操作部28を操作した時点で化粧用コンパクト1が閉じられていたことが検知されない場合は、上記のように、化粧用コンパクト1が既に開かれている状態において操作部28を操作して紫外線測定を行ったものと考えられるのでステップS16に進み、タイマをオフしてステップS14に移行する。タイマのオンオフの意義については後述する。
【0037】
ステップS14では、化粧用コンパクト1が開かれることによって外光を受けようになった内部太陽電池30の出力が所定以上かどうかチェックする。そして、出力が所定以上あれば、測定に有意な紫外線が存在する環境と推測されるのでステップS18に進み、UV−Aセンサ32およびUV−Bセンサ36による個別の測定をそれぞれ行う。そして、測定結果に基づき、ステップS20でUV演算処理を行う。その詳細は後述する。
【0038】
ステップS20によりUV演算が終わるとステップS22に進み、演算結果に基づく紫外線情報の表示をオンまたは既にオンされている場合は演算結果に基づく表示の更新指示を行う。次いでステップS24のUV情報交信処理に入る。S24のUV情報交信処理はステップS6のそれと同じものであるが、ステップS18からステップS22における速やかな測定と結果表示を優先し、ステップS24による最新情報の入手はその後に行う。つまり、UV情報交信処理によって得られる情報はステップS20のUV演算処理に必要なものであるが、ステップS20の時点では、それまでに受信されて不揮発記憶部44に記憶済みの最新の情報に基づいて行うことになる。このとき、ステップS6が実行されていれば、ステップS20は最新の外部情報による演算となる。なお、ステップS24を置いているのは、ステップS6が実行されずにステップS12に至る場合に対応し、測定後速やかに最新情報を入手して次の測定に備えるためである。
【0039】
ステップS24の情報交信処理が完了するとステップS26に進み、ステップS12でスタートしたカウントがタイムアップしたかどうかチェックする。そしてまだタイムアップしていなければステップS28に進み操作部28が操作されたかどうかチェックする。UV表示がオンになっている状態における操作部28の操作は、表示をオフする操作と認識される。従って、ステップS28で操作部の操作が検出されればステップS30に移行しUV表示をオフする。また、ステップS26においてタイマによるカウントがタイムアップになった場合もステップS30に進み、UV表示をオフする。
【0040】
以上のようにして、化粧用コンパクト1が開かれたことによって紫外線測定が自動的に開始され、測定結果が表示されたときは、タイマが自動的にオンとなり、そのタイムアップでステップS26が機能して自動的に表示がオフになる。これによって、格別の操作を行わなくても化粧用コンパクト1のミラー部分に紫外線情報が現れるのでこれを参考にすることができ、かつ表示は例えば5秒程度の短時間で消えるので紫外線情報に関心がない場合でも煩わしいことはない。一方、既に化粧用コンパクト1が開いている時に操作部28を操作した場合は意図して手動測定を行ったことを意味するからタイマはオンしない。従ってステップS26によって表示が勝手にオフになることはなく、意識的に操作部28を操作することでステップS28が機能して表示がオフになる。
【0041】
一方、ステップS28で操作部の操作が検出されない時は、ステップS29に移行し、ここで所定時間の経過が検知されない限りはステップS18に戻り、UV−AおよびUV−Bの測定が再度行われる。以下、ステップS29での所定時間経過が検知されない状態において、ステップS26でカウントのタイムアップが検知されるかステップS28で操作部の操作が検知されない限りステップS18からステップS29が繰り返され、UV−AおよびUV−Bの測定および測定結果に基づくUV表示の更新が行われる。この間、測定値に変化がなければ、見かけ上同じ表示が継続して行われているように見える。
【0042】
なおステップS29においてチェックされる所定時間は例えば15秒程度であって、ステップS12でスタートされるタイマ時間(5秒程度)とは異なる性質のものであり、通常のオートパワーオフで設定される程度のものである。UV表示は操作部28を操作すればいつでも消えるが、ステップS29は表示をオフする操作を知らない使用者のために、念のため設けているものである。つまり、何も操作しないで所定時間が経過すればステップS29からステップS30に移行してUV表示がオフになる。このようにステップS12のタイマ時間とステップS29の所定時間を比較することによって、ステップS12のタイマが通常のオートパワーオフとは異なる発想(つまり使用者の当初の関心にかかわらず、紫外線が有意の強度にあるときは自動的に測定して結果を注目されているミラー面に表示し、しかも使用者に関心がない場合に配慮して邪魔にならないよう速やかにミラー面から消すという発想)によって設定されていることがより明らかに理解できる。
【0043】
ステップS30でUV表示がオフになるとステップS32に進み、化粧用コンパクトが閉状態であるかどうかをチェックする。そして閉様態が検出されれば直ちにフローを終了する。一方、閉状態でなければ、化粧用コンパクト1の使用が続いていると考えられるのでステップS8に戻り、ステップS32で化粧用コンパクト1が閉じられたことが検出されない限りステップS8を繰り返して操作部28の操作を待つ。そして操作があればステップS10以下に移行するが、この場合は、既に述べたように意識的な紫外線測定操作となる。なお、化粧用コンパクト1が開いている時の操作部28の操作は、当初紫外線情報に関心がないところ化粧用コンパクト1を開くことで関心をもったが短時間で紫外線情報表示が消えてしまった場合、これを再表示させる操作でもある。そしてその操作は化粧用コンパクトを開くのと同様の操作部28の操作であり、それに応答する紫外線測定表示も同じなので、取り扱い説明書等での教示を受けるまでもなく直ちに機能を理解できる。
【0044】
なお、ステップS14で内側太陽電池30の出力が所定以上であることが検知できなかった場合は、UV測定等のための給電が保証できないので直接ステップS34に移行する。また内側太陽電池30の出力が所定以上ないということは、紫外線も有意の強度にないことを意味しているので、測定を行わないことは実態に即している。ステップS34ではステップS16でのタイマオフ設定が行われたかどうかをチェックし、該当すればステップS36に進んで、「紫外線弱く測定する必要がない」旨のメッセージ表示を所定時間(例えば5秒)行ってステップS32に移行する。ステップS16でタイマオフになる状態は化粧用コンパクト1を開いている状態において意識的に紫外線測定のために操作部28を操作した状態に該当するので、ステップS36のようなメッセージ表示を行って操作に応答することにより、使用者が故障と誤認するのを防止する。
【0045】
一方、ステップS34でタイマオフでなければ操作部28の操作で化粧用コンパクト1を開いた場合に相当するので、紫外線測定への関心が確認できない使用者に配慮し、測定の必要もない上京なので何もメッセージを出さずに直接ステップS32に移行する。この状態は、室内で化粧用コンパクト1を開いた場合などに相当するが、上記の構成により、ミラー兼用反射型LCDには何も表示されず通常の化粧品コンパクトのミラーと何ら変わらない使い勝手となるので、違和感もない。
【0046】
図4は、図3のステップS6およびステップS24のUV情報交信処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとステップS42で携帯電話との近距離通信が確立済みかどうかチェックし、未確立ならステップS44で登録済の携帯電話に対する近距離通信のアクセスを行う。登録済の携帯電話とは通常、化粧品用コンパクト1の所有者の携帯電話58である。そしてステップS46で交信が確立したかどうかチェックし、確認が出来ればステップS48に移行する。一方ステップS42で交信確立済であることが検知されると直接ステップS48に移行する。
【0047】
ステップS48では、携帯電話に新着のUV情報が自動受信され、記憶部64に記憶されているかどうかチェックする。そして新着情報があればステップS50に進み、近距離通信にてまずGPS情報を受信して不揮発記憶部44に記憶する。以前の記憶があればこれを上書きして更新する。GPS情報は緯度経度だけでなく高度情報も紫外線情報の補正情報として重要である。次いで、ステップS52で日時情報を受信し、不揮発記憶部44に記憶または更新する。日付は紫外線強度に影響する季節情報として必要であり、時刻は測定時刻の情報として必要なものである。また、ステップS56では、前日のオゾン全量データを受信し、不揮発記憶部44に記憶または更新する。この情報はUV−Bに関するCIE(Commission Internationale de I’Eclairage;国際照明委員会)紫外線強度の値を計算するのに必要なものである。
【0048】
さらに、ステップS58では、気象庁の紫外線情報を受信し、不揮発記憶部44に記憶または更新する。また、ステップS60では、国立環境研究所の紫外線情報を受信し、不揮発記憶部44に記憶または更新してステップS62に移行する。これらの紫外線情報提供機関は、各地の観測に基づいてUVインデックス速報値を一時間毎に提供しているほか、紫外線に関する種々の統計データを提供している。従ってこれらのデータをGPS情報に基づいて使用者のいる位置の情報に換算するだけでも紫外線情報の把握が可能である。そして、これらの情報を実測値に加味することにより、より妥当な紫外線情報を得ることができる。また統計情報に基づき使用者がいる地域におけるその季節の日変化傾向も把握することができるので、UVインデックスの日変化の推測情報として活用できる。なお、ステップS48において携帯電話に新着情報がなかったときは、これらの情報の最新値は既に不揮発記憶部44に入手済みであるので、直接ステップS62に移行する。
【0049】
化粧用コンパクト1と携帯電話58の近距離通信は一方通行のものではなく、化粧用コンパクト1側の測定情報を携帯電話58側に送信することも可能である。送信した情報は、携帯電話58で統計処理する他、携帯電話送受信部62から無線電話回線を通じてサーバに転送することにより、化粧用コンパクト1をサーバにおける測定地点に位置づけることも可能である。この場合は、サーバが処理した統計情報のフィードバックを携帯電話58を介して受けることも可能となる。
【0050】
ステップS62は、このような化粧用コンパクト1側から携帯電話58側への測定情報の送信を前提としたときに未送信の測定情報があるかどうかチェックするものである。そして、未送信情報があればステップS64でその「未送信の測定情報を携帯電話58に送信する。さらに、ステップS66で、送信に基づいて携帯電話58が蓄積した測定情報の最新統計情報の受信することによりフィードバックをうけ、フローを終了する。なお、ステップS46で近距離通信の交信が確定できなかったとは直ちにフローを終了する。また、ステップS62において未送信の測定情報がないときも直ちにフローを終了する。
【0051】
図5は、図3のステップS20におけるUV演算処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS72で最新の紫外線情報を不揮発記憶部44から読み出す。そしてステップS74で、その地点のその季節における最も妥当な日変化予想グラフデータを暫定的に一つ選択する。そしてステップS76においてGPSデータに基づき、上記暫定グラフデータを補正する。例えば、化粧用コンパクト1の使用者が現在大阪府・豊中市にいるとして、暫定グラフデータが最も近い京都府・京都市のものであったとすると、大阪府・豊中市を挟む最も近い反対側の岡山県・岡山市のデータと三地点のGPSデータにより、大阪府・豊中市のデータに補正する。
【0052】
さらに、ステップS78では、天気情報および天気予報情報に基づきグラフデータを補正する。天気の実績情報および予報情報は紫外線情報に比べきめ細かく入手できるので、紫外線情報が得られている京都府・京都市と岡山県・岡山市の天気データと大阪府・豊中市の天気データを比較し、紫外線測定時点における測定地点の天気と大阪府・豊中市の天気の実態に応じてグラフデータに補正する。そして以上の補正を経てステップS80に移行する。
【0053】
ステップS80では、受信データモードであるかどうかのチェックが行われる。受信データモードとは、ステップS72からステップS78の情報だけでも図1のミラー兼用反射型液晶10に示した文字表示部12およびグラフ部14の表示はそれなりに可能であることから、測定を行わずに受信データだけから紫外線情報を表示するモードである。ステップS80で受信データモードでないことが検知されるとステップS82以下に進む。
【0054】
ステップS82では、最新のUV−A測定値を不揮発記憶部44から読出し、ステップS84で太陽電池出力補正をかける。通常、第1紫外線センサ部16、第2紫外線センサ部18は空を向いているので、測定される可能性のある紫外線は太陽からの直射光および太陽以外の空からの散乱光である。空からの紫外線総量のうち散乱光はその6割を占めると言われているが、やはり第1紫外線センサ部16、第2紫外線センサ部18に直射光が入るかどうかで測定値は大きく異なってくる。一方、可視光では散乱光が占める割合は1〜2割程度と言われているので、太陽光スペクトルのピーク(550nm)のエネルギーを効率的に受けようとしている太陽電池の出力は、直射光が入っているかどうかで格段に異なり、直射光がある天候において直射光が入っているときの出力レベルもわかっている。第1紫外線センサ部16および第2紫外線センサ部18と内側太陽電池30は同じ方向を向いているので、上記の事情により、内側太陽電池30の出力レベルにより、第1紫外線センサ部16および第2紫外線センサ部18に直射光が入っているかどうかが判定できる。ステップS84は、これを利用し、第1紫外線センサ部16および第2紫外線センサ部18に直射光が入っているか否かに依存しない測定値が得られるように補正をかけるものである。
【0055】
ステップS86は、太陽電池出力補正をかけたUV−Aセンサ32の測定値に基づき、UV−AについてのCIE紫外線強度を求めるものである。CIE紫外線強度の算出のためには、UV−Aセンサ32の測定値のほか、測定地点の緯度、軽度および測定時刻から求められる太陽光が透過してきた大気の厚さの情報が用いられる。この情報として、図4のステップS50で受信したGPS情報をきめ細かく活用してもよい。一方、簡易的にはモデル的な大気の厚さを一律に採用してもよい。
【0056】
次いでステップS88では、最新のUV−B測定値を不揮発記憶部44から読出し、ステップS90で太陽電池出力補正をかける。その趣旨はステップS84と同様である。さらにステップS92では前日の全オゾン量のデータを不揮発記憶部44から読み出す。全オゾン量のデータは、UV−Bの吸収に大きな影響のある要素である。この後、ステップS94では太陽電池出力補正を掛けたUV−Bセンサ32の測定値と前日の全オゾン量のデータおよび大気の厚さに基づき、UV−BについてのCIE紫外線強度を求める。ステップS86と同様にして大気の厚さは測定地点の緯度、軽度および測定時刻から求めるが、簡易的にはモデル的な大気の厚さの値を採用してもよい。また、前日の全オゾン量のデータについても簡易的にはモデル的な値を一律に採用してもよい。
【0057】
以上のようにしてUV−AおよびUV−BについてのCIE紫外線強度が求まるとステップS96におけるCIE紫外線強度算出処理に入る。この処理の趣旨は、UV−AおよびUV−BについてのCIE紫外線強度の総和としのCIE紫外線強度を算出するものであるが、その他の処理も含まれるので詳細は後述する。次いで、ステップS98でCIE紫外線強度をUVインデックスに換算する。CIE紫外線強度の単位がW/平方メートルの場合は、40を掛けるとUVインデックスになる。
【0058】
次いでステップS100ではステップS98で求めた測定に基づくUVインデックスデータに対応する時刻のグラフデータが一致するよう、グラフデータ全体を伸縮させて補正する。そしてステップS102でUVインデックス、UV−AおよびUV−B個別のCIE紫外線強度の値、およびUVインデックス棒グラフの表示データを出力する。さらにステップS104で日変化予想グラフ表示データを出力してフローを終了する。なお、ステップS80で受信データモードであった場合は直ちにステップS104に進んで受信データに基づく日変化予想グラフ表示データを出力し、フローを終了する。
【0059】
図6は、図5のステップS96におけるCIE紫外線強度算出処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS122でUV−Bに関する紫外線強度が所定以下であるかどうかチェックする。該当しなければステップS114でUV−A紫外線強度のUV−A紫外線強度に対する比が所定以下であるかどうかチェックする。ステップS112およびステップS114はいずれもUV−B紫外線強度が自然状態にくらべ異常に低いことを検知するものであるがこれらいずれにも該当しないときはステップS116に移行し、戸外で測定が行われているものと判定してステップS118に移行する。ステップS118では、UV−A紫外線強度とUV―B紫外線強度を合算し、CIE紫外線強度を算出する。このようにしてCIE紫外線強度が算出できればフローを終了する。
【0060】
一方、ステップS112またはステップS14に該当するときはステップS120に移行し、窓際の室内、電車や車の中などにおけるガラス越しの測定であると認定する。UV−Bはガラスを透過しないのに対し、UV−Aはガラスを透過できるので、ガラス越しの測定では、戸外の自然状態にくらべUV−Bが僅少となる。ステップS120でガラス越しの測定であると判断されるとステップS122に進み、戸外補正モードに設定されているかどうかチェックする。この設定がなければステップS118に進み、補正なしで測定に基づくありのままのUV−A紫外線強度とUV―B紫外線強度を合算し、CIE紫外線強度を算出する。但し、この場合はステップS120で判定されたガラス越し測定の旨の情報も提供される。
【0061】
一方、ステップS122で戸外補正モードへの設定が検知されるとステップS124に進み、測定されたUV−A紫外線強度を平均的なガラスによる減衰比で割り、戸外での推定測定値を算出する。さらにステップS124では、これに平均的なCIE紫外線強度のUV−A紫外線強度に対する比を掛け算する。このようにガラス越しの測定であることが判明し、かつ戸外補正モードが設定されていたときは、もはや有意な値を持たないUV−Bの測定値を採用せず、ステップS118のような合算に代え、ステップS124およびステップS126におけるように、UV−A紫外線強度からのより合理的な推定手順により戸外におけるCIE紫外線強度を求めるようにする。
【実施例2】
【0062】
図7は、本発明の実施の形態に係る紫外線測定装置の実施例2における外観図である。実施例2も化粧用コンパクト101として構成されるが、実施例1と共通する部分が多いので、各構成要素には100番台の番号を付与し、図1の第実施例1と対応する部分については、1の位と10の位の数字を共通とした。従ってこの番号付与のルールだけで理解できる部分については説明を省略する。図7の実施例2が図1の実施例1と異なるのは、ミラー110が通常のミラーであり、文字表示部112グラフ部114を有する反射型液晶111が専用の表示部としてミラー部108に設けられていることである。また、第1紫外線センサ部116、第2紫外線センサ部118がミラー部108ではなくコンパクト本体106に設けられている。
【0063】
しかしながら、図7から明らかなように、ミラー部108を開いた状態において第1紫外線センサ部116、第2紫外線センサ部118、および内部太陽電池130がほぼ同一方向を向くのに対し、反射型液晶111がこれらと異なった方向を向くことについては、図1の実施例1と共通である。具体的には、ミラー部108を開き、使用者がミラー110に自分の顔を映して見ている状態において、第1紫外線センサ部116、第2紫外線センサ部118、および内部太陽電池130は天を向き、全天からの入射光を受光する状態となるとともに、反射型液晶111は使用者の顔を向くので、使用者が表示を観察するのに好適な状態となる。
【0064】
さらに、図7の実施例2では、第1紫外線センサ部116、第2紫外線センサ部118に並べて可視光センサ119がコンパクト本体106に設けられている。この可視光センサ119は、実施例1において内側太陽電池出力30が担っていた可視光情報取得の機能を専用素子として担当するものであり、その出力はコンパクト制御部に入力される。実施例2の機能については、図3から図6のフローチャートが援用可能であるが、上記の可視光センサ119の採用に伴い、図3のステップS14の「内部太陽電池出力」および図5のステップS84およびステップS90における「太陽電池出力」はそれぞれ「可視光出力」と読み替えて理解するものとする。
【実施例3】
【0065】
図7は、本発明の実施の形態に係る紫外線測定装置の実施例3の機能の一部を示すフローチャートである。実施例3も化粧用コンパクトとして構成されるが、図8は、そのコンパクト制御部の機能のうち測定処理に関するものである。実施例3は、実施例1および実施例2と共通する部分が多く、構成的には図1図2、または図7が援用されるが、測定の手順が異なる。具体的には、実施例1および実施例2では、太陽からの直射光が入るかどうかによって紫外線の測定値が異なってくる対策として図5のステップS84またはステップS90におけるような太陽電池出力補正を行っているのに対し、実施例3では、直射光の影響の大きい太陽電池(可視光測定値)を利用して紫外線測定値の最大値を見つけるよう構成している。
【0066】
実施例3のフローチャートは実施例1および実施例2と共通部分が多いので、上記の特徴を示す測定処理部分のみを図8に図示している。具体的には、図3のフローチャートのうち、ステップS18からステップS24の部分が実施例3では異なるので、この部分を図8に図示している。従って、実施例3の機能全体を理解するには、図3においてステップS18からステップS24を図8のステップS132からステップS162に読み替えるものとする。
【0067】
以上の次第なので、実施例3では、図3のステップS14から図8のステップS132に移行し、最新の紫外線情報を不揮発記憶部44から読み出す。そしてステップS134で、日変化予想グラフデータを暫定的に一つ選択する。また、ステップS136では、GPSデータに基づき、上記暫定グラフデータを補正する。さらに、ステップS138では、天気情報および天気予報情報に基づきグラフデータを補正する。さらに以上の補正の後、ステップS140で受信データモードであるかどうかのチェックが行われる。以上は図5のステップS72からステップS80と共通である。
【0068】
ステップS140で受信データモードでないことが検知されるとステップS142に進み、UV−Aセンサ32およびUV−Bセンサ36による個別の測定をそれぞれ行う。次いでステップS144では、測定出力に基づき、それぞれUV−AおよびUV−BについてのCIE紫外線強度を求める。その詳細は、図5のステップS86およびステップS94において説明したのと同じである。
【0069】
次に、ステップS146では、図1の内部太陽電池30(または図7の可視光センサ119の出力)をミラー兼用反射型液晶10または反射型液晶111に表示する。また、可視光センサ119の出力は次回の測定との比較のために記憶される。そしてステップS148では、記憶されている前回の太陽電池出力の記憶地よりも今回の太陽電池出力が増加しているかどうかチェックする。そして増加している場合にはステップS150に進み、ステップS144で算出された今回のUV−AおよびUV−BについてのCIE紫外線強度を前回の記憶値に上書きして更新しステップS152に移行する。一方、ステップS148で太陽電池出力の増加がなければ前回のUV−AおよびUV−BについてのCIE紫外線強度記憶を維持して直接ステップS152に移行する。以上のステップS142からステップS150の機能により、同じ方向を向いて設けられているUV−Aセンサ32、UV−Bセンサ36および内部太陽電池30の向きを変えながらこれらを繰り返せばUV−AおよびUV−BについてのCIE紫外線強度の最大値が記憶部に残ることになる。
【0070】
以上のようにして更新されるUV−AおよびUV−BについてのCIE紫外線強度記憶値について、ステップS152では、CIE紫外線強度算出処理を行う。次いで、ステップS154でCIE紫外線強度をUVインデックスに換算する。さらに、ステップS156では測定に基づくUVインデックスデータに対応する時刻のグラフデータが一致するよう、グラフデータ全体を伸縮させて補正する。そしてステップS158でUVインデックス、UV−AおよびUV−B個別のCIE紫外線強度の値、およびUVインデックス棒グラフの表示データを出力する。さらにステップS160で日変化予想グラフ表示データを出力する。なお、ステップS140で受信データモードであった場合は直ちにステップS160に進んで受信データに基づく日変化予想グラフ表示データを出力する。これらは、図5のステップS96からステップS104と同じである。
【0071】
さらにステップS162では、演算結果に基づく紫外線情報の表示をオンまたは既にオンされている場合は演算結果に基づく表示の更新指示を行い、図3のステップS26に移行する。図3から明らかなように、ステップS26でカウントのタイムアップが検知されるか、ステップS28で操作部の操作が検出されるか、ステップS29で所定時間の経過が検知されるかしない限りは図8のステップS132からステップS162が繰り返される。
【0072】
従って、UV−Aセンサ32、UV−Bセンサ36および内部太陽電池30の向きを変えながらステップS142の測定およびステップS150の上書き記憶を行うことが可能となり、これによってUV−AおよびUV−BについてのCIE紫外線強度の最大値を記憶部に残すことができる。また、ステップS146で行われる太陽電池出力の表示の変化を参考にすれば、直射光が最大に入る向きを容易に見つけることができる。これは、既にのべたとおり、空からの紫外線総量のうち散乱光はその6割を占めるのに対し、可視光では散乱光が占める割合は1〜2割程度であり、可視光によるほうが、直射光が入る方向をシャープに検知できるからである。
【実施例4】
【0073】
図9は、本発明の実施の形態に係る紫外線測定装置の実施例4における上面図である。本発明における紫外線測定機能は、化粧品コンパクトなどの他の商品と合体させたり、他の商品に付属させたりする場合に限らず、単体の専用紫外線測定装置としても構成できる。実施例4は、このような単体の紫外線測定装置として構成した例である。しかしながら、紫外線測定装置としては、実施例1から実施例3と共通する部分が多いので、各構成要素には200番台の番号を付与し、図7実施例2と対応する部分については、1の位と10の位の数字を共通とした。従ってこの番号付与のルールだけで理解できる部分については説明を省略する。
【0074】
図9の実施例4が図7の実施例2と異なるのは、折り畳み構造をとらず、本体206が薄型のプレート状の形態を取ることである。その大きさは、例えば、3.8cm×6.5cmであり携帯するには大き過ぎず、操作するには小さすぎないよう面積が決められる。また、本体206の表面は携帯に楽しい柄模様などの意匠上の工夫も凝らされる。折り畳み構造をとらないので、文字表示やグラフ表示を行う反射型液晶211は、第1紫外線センサ部216、第2紫外線センサ部218および太陽電池230が設けられるのと同じ本体206の上面に設けられている。太陽電池230は、意匠上の理由から、外観色が選択可能な色素増感型太陽電池(DSC:Dye-Sensitized Solar−Cell)が採用される。
【0075】
また、操作部は、UV−A測定時に押される第1紫外線測定ボタン228およびUV−B測定時に押される第2紫外線測定ボタン229に分けられており、それぞれ別に操作することによってUV−AおよびUV−Bが選択的に測定可能となっている。また、その配置も第1紫外線センサ部216および第2紫外線センサ部218と左右対称になっていて直感的にどちらを操作すればよいかわかるようにしている。このようなUV−AおよびUV−Bを選択的に測定可能とする操作部構成は、実施例1から実施例3でも採用可能である。なお、実施例4では、反射型液晶211が第1紫外線センサ部216および第2紫外線センサ部218による紫外線受光方向と同じ方向を向いているが、必要に応じ、測定時点と測定記憶値の表示を観察する時点で本体206の向きを変える。
【0076】
以上に説明した本発明の種々の特徴の実施は、上記の実施例に限られるものではなく、他の実施態様においてその利点を享受することが可能である。例えば、実施例1、実施例2および実施例3はそれぞれ化粧用コンパクトとして構成されているが、これを携帯電話として実施することが可能である。この場合、紫外線測定機能が携帯電話と一体化されるので、実施例1や実施例2で説明した近距離通信による情報交信は不要となる。
【0077】
なお、折り畳み式の携帯電話として実施する場合、例えば実施例1のミラー部8が携帯電話の表示部、コンパクト本体6が携帯電話本体に相当する構成となる。実施例1や実施例2では、ミラーという他の目的のための構成が紫外線情報の表示部に兼用されていたが、上記のような携帯電話での実施においても、携帯電話情報の表示という他の目的のための構成が紫外線情報の表示部に兼用される。そしてここでも、携帯電話を開いた時に紫外線情報を短時間自動表示して注意を喚起するとともに他の目的を阻害しない特徴を活用できる。
【0078】
さらに、他の商品と関連させる場合は、粧品コンパクトや携帯電話に限らず、キーホルダー、携帯電話などのチャームやストラップなどの付属品、ペンダント、ネックレス、ブレスレットなどの装身具として構成すること、日傘、帽子、サングラスなどの紫外線対策商品に付属させること、腕時計、ハンドバッグ、ベビーカーなど戸外で使用する商品に付属させること、また窓部やバックミラーに設置するなどの形での車両への搭載することなども可能である。
【0079】
また、本発明の特長の一つである外部サーバとの通信機能は、統計情報など紫外線にかかわる直接情報だけではなく、状況に応じた紫外線対策のためのケア情報をサーバから受信すること、や紫外線ケアに関する商品情報を受信すること、紫外線ケア商品に対する消費者モニターの実施などにも有用である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、紫外線測定装置を提供するものである。
【符号の説明】
【0081】
16、116、216 第1紫外線センサ部
18、118、218 第2紫外線センサ部
40 制御部
34、38 カバー
30、119 可視光センサ部
30、230 太陽電池
10、111、211 表示部
10 ミラー
1、101 化粧用コンパクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
UV−A領域の紫外線情報を測定する第1紫外線センサ部と、UV−B領域の紫外線情報を測定する第2紫外線センサ部と、前記第1紫外線センサ部および前記第2紫外線センサ部からの測定情報を処理する制御部とを有することを特徴とする紫外線測定装置。
【請求項2】
前記第1紫外線センサ部は、UV−A領域およびこれより波長の短い光に感度を持つとともに、前記制御部は前記第1紫外線センサ部による測定情報から前記第2紫外線センサ部による測定情報を減算することによりUV−A領域の紫外線情報を得ることを特徴とする請求項1記載の紫外線測定装置。
【請求項3】
前記第1紫外線センサ部と記第2紫外線センサ部はそれぞれ互いに分光透過率の異なるカバーを有し、これによって第1紫外線センサ部はUV−A領域の紫外線情報を出力するとともに、第2紫外線センサ部はUV−B領域の紫外線情報を出力することを特徴とする請求項1記載の紫外線測定装置。
【請求項4】
前記第1紫外線センサ部のカバーはUV−B領域の紫外線を透過せず、前記第2紫外線センサ部のカバーはUV−B領域の紫外線を透過することを特徴とする請求項3記載の紫外線測定装置。
【請求項5】
前記制御部は、UV−B領域の紫外線情報が所定より小さいか否かを判定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の紫外線測定装置。
【請求項6】
前記制御部は、UV−B領域の紫外線情報が所定より絶対的に小さいか否かを判定することを特徴とする請求項5記載の紫外線測定装置。
【請求項7】
前記制御部は、UV−B領域の紫外線情報がUV−A領域の紫外線情報に比べて相対的に所定より小さいか否かを判定することを特徴とする請求項5または6記載の紫外線測定装置。
【請求項8】
前記制御部は、UV−B領域の紫外線情報が所定より小さいとき、ガラス越しの測定であることを判定することを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の紫外線測定装置。
【請求項9】
前記制御部は、UV−B領域の紫外線情報が所定より小さいとき、ガラス越しでない場合の紫外線情報を補正して求めることを特徴とする請求項8記載の紫外線測定装置。
【請求項10】
前記制御部は、ガラス越しの測定による紫外線の減衰分を補正することを特徴とする請求項9記載の紫外線測定装置。
【請求項11】
前記制御部は、ガラス越しの測定によりカットされたUV−B領域の紫外線情報分を補正することを特徴とする請求項9または10記載の紫外線測定装置。
【請求項12】
前記制御部は、UV−B領域の紫外線情報が所定より大きいときは、UV−A領域の紫外線情報およびUV−B領域の紫外線情報に基づいてUVインデックスを算出するとともに、UV−B領域の紫外線情報が所定より大きいときは、UV−A領域の紫外線情報に基づいてUVインデックスを算出することを特徴とする請求項5から11のいずれかに記載の紫外線測定装置。
【請求項13】
可視光情報を測定する可視光センサ部を有し、前記制御部は前記可視光センサ部の可視光情報に基づいて前記第1紫外線センサ部および前記第2紫外線センサ部からの測定情報を補正することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の紫外線測定装置。
【請求項14】
紫外線情報を測定する紫外線センサ部と、可視光情報を測定する可視光センサ部と、前記可視光センサ部の可視光情報に基づいて前記紫外線センサ部からの測定情報を補正する制御部とを有することを特徴とする紫外線測定装置。
【請求項15】
前記可視光センサ部は、電力供給源となる太陽電池であることを特徴とする請求項14記載の紫外線測定装置。
【請求項16】
前記紫外線センサ部と前記可視光センサ部は同一方向に向けて配置されることを特徴とする請求項14または15記載の紫外線測定装置。
【請求項17】
前記紫外線センサ部は、UV−A領域の紫外線情報を測定する第1紫外線センサ部と、UV−B領域の紫外線情報を測定する第2紫外線センサ部を含むことを特徴とする請求項15または16記載の紫外線測定装置。
【請求項18】
前記制御部は前記紫外線センサ部からの測定情報に基づいて紫外線情報を提供するとともに前記太陽電池の出力が所定以下のときは紫外線情報の提供を行わないことを特徴とする請求項15から17のいずれかに記載の紫外線測定装置。
【請求項19】
前記制御部が提供する紫外線情報を表示する表示部を有することを特徴とする請求項18記載の紫外線測定装置。
【請求項20】
前記前記紫外線センサ部と前記表示部は異なった方向に配置されることを特徴とする請求項19記載の紫外線測定装置。
【請求項21】
紫外線情報を測定する紫外線センサ部と、可視光情報を測定する可視光センサ部と、前記紫外線センサ部および前記可視光センサ部からの測定情報を処理する制御部と、前記制御部が提供する紫外線情報を表示する表示部とを有し、前記紫外線センサ部と前記可視光センサ部は同一方向に向けて配置されるとともに前記可視光センサ部と前記表示部は異なった方向に配置されることを特徴とする紫外線測定装置。
【請求項22】
前記可視光センサ部は、電力供給源となる太陽電池であることを特徴とする請求項21記載の紫外線測定装置。
【請求項23】
前記表示部は、他の目的に兼用されることを特徴とする請求項21または22記載の紫外線測定装置。
【請求項24】
紫外線情報を測定する紫外線センサ部と、前記紫外線センサ部の測定情報を処理する制御部と、前記制御部が提供する紫外線情報の表示機能を有するとともに他の目的に兼用される表示部とを有することを特徴とする紫外線測定装置。
【請求項25】
前記表示部はミラーであり、紫外線情報の表示はミラーの反射面に重畳して表示されることを特徴とする請求項24記載の紫外線測定装置。
【請求項26】
前記制御部は、紫外線が所定以下と判断される時、前記表示部での表示のための紫外線情報を提供しないことを特徴とする請求項24または25記載の紫外線測定装置。
【請求項27】
前記制御部は、前記表示部の他の目的のための使用開始に伴って前記表示部での表示のための紫外線情報を自動的に所定時間だけ提供することを特徴とする請求項24から26のいずれかに記載の紫外線測定装置。
【請求項28】
前記表示部を折り畳む機構を有し、前記表示部を開く操作が前記表示部の他の目的のための使用開始とされることを特徴とする請求項27記載の紫外線測定装置。
【請求項29】
操作部を有し、前記制御部は、紫外線情報を表示するために前記操作部が操作されたときは、表示を終了させるための前記表示部の操作があるまで前記表示部での表示のための紫外線情報の提供を継続することを特徴とする請求項27または28記載の紫外線測定装置。
【請求項30】
紫外線情報を測定する紫外線センサ部と、可視光情報を測定する可視光センサ部と、前記紫外線センサ部に拠る紫外線情報を記憶する記憶部と、前記可視光センサ部の可視光情報に基づいて前記記憶部の記憶を更新する制御部とを有することを特徴とする紫外線測定装置。
【請求項31】
紫外線情報を測定する紫外線センサ部と、可視光情報を測定する可視光センサ部と、前記紫外線センサ部に拠る紫外線情報を記憶する記憶部と、前記可視光センサ部の可視光情報を表示する表示部とを有することを特徴とする紫外線測定装置。
【請求項32】
化粧用コンパクトとして構成されることを特徴とする請求項1から31のいずれかに記載の紫外線測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−21906(P2011−21906A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164816(P2009−164816)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】