説明

細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け方法およびそれに用いるアルミニウムクラッド材

【課題】 フラックスや真空設備を必要とすることなく大気圧下での細流路を有する熱交換器のフラックスレスろう付けを可能にする。
【解決手段】 質量%で、Mgを0.1〜5.0%、Siを3〜13%含有するAl−Si系ろう材が最表面に位置するアルミニウムクラッド材を用いて、減圧を伴わない非酸化性雰囲気で加熱温度559〜620℃において、前記Al−Si系ろう材によりろう付け対象部材との接触密着部を接合する。フラックスや真空設備を必要とせずに大気圧下でのフラックスレスろう付けが可能になり、ろう材以外の被ろう付け構成部材へMgを添加した場合にもろう付け阻害要因とはならない。減圧を伴わない雰囲気での加熱となるため、MgやZnの蒸発による炉内壁等の汚染も殆ど生じない。しかも、細流路を有する熱交換器の細流路内のろうフィレットによる目詰まりが殆どない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非酸化性雰囲気でフラックスを使用せずに、ろう付可能なアルミニウム製の細流路インナーフィンを有する熱交換器のろう付け方法に関する。とくに、ろう付けされるインナーフィンに多数の細流路を有し、その流路ピッチが極めて小さいものにあって、その流路がろうフィレットにより、短絡しないようにろう付けする方法および、それに用いるアルミニウムクラッド材に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム製の熱交換器や放熱器等は、非腐食性のフッ化物系フラックスを用いてフラックス炉でろう付けされるか、0.5〜1.5%程度のMgを添加したろう材を用いて、真空炉中でろう付けされる。
フラックスを用いる場合、フラックス粉末をバインダーを介して熱交換器の部品表面に塗着・乾燥させ、窒素ガス雰囲気等の非酸化性雰囲気中で加熱ろう付けする。このフラックスは、その塗布の工程にコストを要する。また、フラックスは、その一部が蒸発し、炉内壁に付着、堆積し、炉のメンテナンスにコストを要する。そのため、フラックスを用いたろう付けは、Mg添加部位や量に制限があり、材料の高強度化ができていない欠点を有する。
【0003】
真空ろう付けは、ろう材中のMgが蒸発し、アルミニウム材料表面の酸化膜を破壊して、ろう付けを可能とする。ところが真空炉は高価な設備であり、その制御が面倒である欠点がある。
【0004】
上記問題を解消するため、大気圧下のフラックスレスろう付けが各種、提案されている。下記特許文献1では、ろう付けの対象部材にMgを含有させ、ろう付け対象物に覆いをすることによって非酸化性雰囲気の大気圧下でフラックスレスろう付けする。しかし、この方法では覆いを必須とする欠点がある。
【0005】
特許文献2では、風除け冶具(覆い)によって炉内でろう付け対象部材を覆い、昇温速度を改善している。この方法では、コストと手間が掛かる欠点がある。
【0006】
特許文献3では、クラッド材のろう材にMgを添加し、不活性雰囲気でかつ大気圧下でチューブ内面側のフラックスレスろう付けが提案されている。
【0007】
特許文献4では、ろう材表面に酸化防止層をクラッドし、大気雰囲気中のろう付けを可能にする。
【0008】
特許文献5では、芯材の表面にAl−Si−Mg系合金からなるろう材をクラッドし、且つ、ろう付け前に材料表面を酸洗浄し酸化膜の厚みを20Å以下として、非酸化性雰囲気中で、フラックスレスろう付けするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−85433号公報
【特許文献2】特開2006−175500号公報
【特許文献3】特許第4037477号公報
【特許文献4】特許第3701847号公報
【特許文献5】特開平10−180489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、フラックスレスの特許文献3では、チューブの内面側のみフラックスレスであり、チューブ外面とフィンの接合にはフラックスを使用する欠点がある。
同様にフラックスレスの特許文献4では、ろう材表面に酸化防止層を有するクラッド材を必要とし、材料コストが高くなる。
また、フラックスレスの特許文献5では、酸洗浄が煩雑とり、コストが増加する。
さらには、実験によれば、上記フラックスレスのろう付けを、例えばインナーフィンの流路幅1mm、流路深さ1mmの細流路の熱交換器に適用すると、その流路内をろうフィレットが短絡してしまい、内部に冷却水が流通できない場合があることが判明した。
【0011】
本発明者等は、このような問題を解決するため、既に、平成21年4月17日付けで、アルミニウム材のフラックスレスろう付け方法およびフラックスレスろう付け用アルミニウムクラッド材を特許出願(特願2009-101326号、未公開)している。本発明者等はこのろう付け方法等が、流路の著しく小さな細流路インナーフィンを有する熱交換器に適用できるか否かを、さらに実験、検討し、本発明を完成する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明者らは、クラッド材のろう材に添加するMg量を適正な範囲および、ろう材中のSi粒子の大きさをある範囲に収めることで、細流路のインナーフィンを有する熱交換器に適用でき、減圧を伴うことなく非酸化性雰囲気中で、良好なろう付け状態が得られると共に、細流路にろう材のフィレットによる目詰まりの殆どないことを見出した。
【0013】
すなわち、第1の本発明の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け方法は、質量%で、Mgを0.1〜5.0%、Siを3〜13%含有するAl−Si系ろう材が最表面に位置するアルミニウムクラッド材を用いる細流路インナーフィンを有する熱交換器のろう付け方法であって、
前記Al−Si系ろう材に含まれるSi粒子は、円相当径で0.8μm以上の径をもつものの数の内、1.75μm以上の径のものの数が25%以上であり、減圧を伴わない非酸化性雰囲気で、前記Al−Si系ろう材とろう付け対象部材とを接触密着させ、加熱温度559〜620℃において、前記芯材と前記ろう付け対象部材とを接合することを特徴とする。
【0014】
第2の本発明の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け方法は、前記第1の本発明において、前記アルミニウムクラッド材、及び、前記ろう付け対象部材の少なくとも接触密着部表面の表面粗さが、Ra0.3μm以下であることを特徴とする。
【0015】
第3の本発明の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け方法は、前記第1または第2の本発明において、前記Al−Si系ろう材に質量%で、0.01〜1.0%のBiを含有することを特徴とする。
【0016】
第4の本発明の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け方法は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記Al−Si系ろう材がクラッドされている芯材が、質量%で、Si:0.1〜1.2%、Mg:0.01〜2.0%を含有し、残部Alと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする。
【0017】
第5の本発明の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け方法は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記Al−Si系ろう材がクラッドされている芯材が、質量%で、Mn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Si:0.1〜1.2%、Fe:0.1〜1.0%、を含有し、残部Alと不可避不純物とからなる組成を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム材のフラックスレスろう付け方法。
【0018】
第6の本発明の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け方法は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、 前記Al−Si系ろう材がクラッドされている芯材が、質量%で、Si:0.1〜1.2%、Mg:0.01〜2.0%を含有し、さらにMn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Fe:0.1〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、残部Alと不可避不純物とからなる組成を有することを特徴とする。
【0019】
第7の本発明の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け方法は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記Al−Si系ろう材がクラッドされている芯材が、質量%で、Si:0.1〜1.2%、Mg:0.01〜2.0%を含有し、さらにMn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Fe:0.1〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、さらにZr:0.01〜0.3%、Ti:0.01〜0.3%、Cr:0.01〜0.5%、Bi:0.01〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、残部Alと不可避不純物とからなる組成を有することを特徴とする。
【0020】
第8の本発明の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け用アルミニウムクラッド材は、前記第1〜第3の本発明のいずれかに記載のAl−Si系ろう材が芯材にクラッドされて前記Al−Si系ろう材が最表面に位置しており、減圧を伴わない非酸化性雰囲気でフラックスレスのろう付けに供されることを特徴とする。
【0021】
第9の本発明の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け用アルミニウムクラッド材は、前記第8の本発明において、前記芯材が前記第4〜7のいずれかの本発明に記載された組成を有することを特徴とする。
【0022】
以下に、本発明で規定する成分等の限定理由について以下に説明する。なお、各成分量はいずれも質量%で示される。
【0023】
1.ろう材
本発明で用いるアルミニウムクラッド材では、ろう材としてAl−Si系合金をベースに、Mgを添加したものを用いる。
【0024】
Siの含有量は特に限定されるものではないが、一般的にろう材として用いられる3〜13%程度が好適であり、さらに6〜12%が好適である。6%未満ではろう付け時の液相量が不足する傾向にあり、12%を越えると、Al−Si系合金の過共晶Si領域となり、アルミニウム板製造時の加工性が悪くなる傾向にあるためである。
【0025】
Mgの含有量は0.1〜5.0%がよく、0.1%未満では本発明の効果であるろう付け時接合面の再酸化防止効果が得られず、5%を越えると効果が飽和し、かつ、アルミニウム材料の加工性に難を生じる。本発明では、上記Mg成分範囲における酸化膜破壊活動のみでもろう付性を確保できるが、さらに、Mg含有量を最適化してAl−Si−Mg系ろう材の固相線温度の低下効果を利用すれば、優れたろう付性を発揮できる。
【0026】
この場合のMgの最適含有量は、Si含有量により変動するが、例えばSi含有量が6〜12%の場合は、Mg含有量は0.75〜1.5%が好ましい。この範囲であれば、ろうの融点低下が十分に得られ、Mgによるゲッター作用との相乗効果により、より良好なろう付け性を得ることが可能となる。具体的には、Al−Si−Mg合金で最も低い固相線温度の559℃以上でろう付けができるようになる。
【0027】
また、本ろう材には製品の耐食性を向上させる目的で、Znを適宜含有できるものとする。この成分は、例えば、0.1〜5.0の含有量で含有させることができる。さらに、本発明で接合を得るにあたり、Biの含有は必須ではないが、Biを含有させることにより、よりろう材の濡れ性を向上させることが可能となる。
Biの含有量は0.01〜1.0%がよい。0.01%未満では効果が十分でなく、1.0%を越えると効果の飽和、材料コストの増大を招くため好ましくない。
【0028】
さらに、本発明は、ろう材表面に比較的粗大なSi粒子が存在している。通常、アルミニウム材料表面には緻密なAl等の酸化皮膜が存在し、ろう付け熱処理過程ではこれがさらに成長し厚膜となる。酸化膜の厚みが増すほど、酸化膜の破壊作用を阻害する傾向が強くなるのが一般的な見解である。本発明では、ろう材表面に粗大なSi粒子が存在することで、粗大Si粒子表面にはアルミニウムの緻密な酸化膜が成長せず、この部位がアルミニウム材料表面の酸化膜欠陥として働く。すなわち、アルミニウム材料表面の酸化膜がろう付け熱処理中に厚膜となっても、Si粒子部分からろう材の染み出し等が発生し、この部位を起点に酸化膜破壊作用が進んでいくものと考えられる。ここで言うSi粒子とは、組成上Si単体成分によるSi粒子、及び、例えば、Fe-Si系化合物や、Fe-Siを主成分とするAl-Fe-Si系の金属間化合物等をも含むものとする。本発明の説明においては、これらを便宜的にSi粒子と表記する。
【0029】
具体的には、ろう材表面のSi粒子を円相当径でみなし、0.8μm以上のSi粒子数をカウントした場合に1.75μm以上のものが25%以上存在すると、この効果が十分に得られる。本発明においてSi粒子の密度には言及していないが、本発明で用いる合金組成と製造条件範囲、及び材料の仕上げ板厚寸法によって、10000μm視野における0.8μm以上のSi粒子数は数十〜数千個の範囲に及ぶと考えられ、その規定は難しいことから、本発明においては、このSi粒子数範囲で、1.75μm径以上のものが25%以上の個数存在すれば、効果を得られることを確認し上記規定とした。
【0030】
さらに、上記ろう材表面の粗大Si粒子は、細流路インナーフィンを有する熱交換器のインナーフィンの目詰まりを殆ど起こさないことが明らかとなった。これは、次の理由によると推測される。
一例として、溝幅、溝高さが1mmの多数の細流路が並列したインナーフィンにおいて、溶融したろう材の流動性が高すぎると、流路内にろう材が流れ出し、ろうフィレットにより流路を閉塞してしまう。本発明では、粗大Si粒子の所定量以上の存在により、ろう材の流動性を抑制して、小さな流路内へのろう材の流れ出しを防止し、目詰まりを抑制する。これは、粗大Si粒子の溶融温度(1410℃)がアルミニウムの溶融温度(660℃)より高いため、ろう材溶融の初期段階で、その粗大Si粒子の一部が溶融せず(半溶融状態)に存在し、ろう流れを阻害し、その流動性を低下してするからである。それにより細流路の目詰まりが殆ど生じない。
【0031】
2.芯材
本発明に用いるアルミニウムクラッド材の芯材組成は、接合を得るにあたって特に限定されるものではないが、フラックスレスろう付けを実現したことにより、高強度化を狙ったMg添加が積極的に行える。
芯材成分としては、質量比でSi:0.1〜1.2%、Mg:0.01〜2.0%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるものが示される。
また、質量比で、Mn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Si:0.1〜1.2%、Fe:0.1〜1.0%、を含有し、残部Alと不可避不純物とからなるものが示される。
また、芯材成分としては、Mn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Fe:0.1〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、さらに所望によりZr:0.01〜0.3%、Ti:0.01〜0.3%、Cr:0.01〜0.5%、Bi:0.01〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるものが示される。各元素の作用及び限定理由は以下の通りである。
【0032】
Si:0.1〜1.2%
Si単体でマトリックスに固溶して材料強度を向上させる他、本発明においては、Mgの積極添加との相乗効果によって得られるMgSiの析出により、材料強度を向上させる。このMgSi析出による硬化は、ろう付け熱処理後の時効析出により、飛躍的な材料強度向上に寄与する。従来のA3003合金等をベースとした合金設計においては、Al−Mn−Si化合物として分散して、材料強度を向上させる。下限未満では効果が不十分であり、上限を越えると、融点が低下し、芯材が溶融するので、上記範囲が望ましい。なお、Si含有量の一層好ましい範囲は0.3〜1.0%である。Mn等の含有によりSiの積極的な含有を要しない場合、0.1%未満のSiを不純物として含有することは許容される。
【0033】
Mg:0.01〜2.0%
Mgは、Siと同時に添加されることでろう付後に微細な金属間化合物MgSiとして析出し、時効硬化により著しく強度が向上する効果を有する。また、ろう付加熱中にろう材から拡散してきたSiとも反応し、同様の強度効果を有する。さらに一部はろう材中に拡散し、ろう材表面の酸化膜破壊、酸化膜成長抑制作用に寄与する。下限未満では効果不十分であり、上限を超えると融点が低下し、芯材が溶融する。このため、Mg含有量は上記範囲が望ましい。
【0034】
Mn:0.2〜2.5%
Mnは、金属間化合物として晶出または析出し、ろう付後の強度を向上させる。また、芯材の電位を貴にして耐食性も向上させる。下限未満では効果が不十分であり、上限を超えると、圧延などの加工性が低下する。また、一層の効果は得られない。これら理由によりMn含有量は上記範囲が望ましい。なお、Mn含有量の一層好ましい範囲は0.5〜1.5%である。
【0035】
Cu:0.05〜1.0%
Cuは、固溶してろう付後の強度を向上させると共に、芯材の電位を貴にして耐食性を向上させる。下限未満では効果が不十分であり、上限を超えると、融点が低下し、芯材が溶融する。このため、Cu含有量は上記範囲が望ましい。なお、Cu含有量の一層好ましい範囲は0.1〜0.7%である。
【0036】
Fe:0.1〜1.0%
Feは金属間化合物として晶出または析出し、ろう付後の強度を向上させる。また、最終焼鈍時とろう付時の再結晶を促進する。下限未満では効果が不十分であり、上限を超えると、腐食速度が速くなりすぎる。また、最終焼鈍後の結晶粒径が細かくなりすぎて成形時に加工の導入されない部分でろうの侵食が著しく大きくなる。これら理由によりFe含有量が上記範囲が望ましい。なお、Fe含有量の一層好ましい範囲は0.2〜0.5%である。
【0037】
Zr、Ti:0.01〜0.3%、Cr:0.01〜0.5%
Zr、TiまたはCrは、ろう付後に微細な金属間化合物として分散し、強度を向上させる。下限未満では効果不十分であり、上限を超えると加工性が低下する。このため、これら成分の含有量は上記範囲が望ましい。
【0038】
Bi:0.01〜1.0%
Biは、材料表面の再酸化を抑制し、ろう材の濡れ拡がり性を向上させる。下限未満では効果が不十分であり、上限を超えても一層の効果は得られない。このため、Biの含有量は、上記範囲が望ましい。
【0039】
3.クラッド材
本発明に使用する上記クラッド材においては、少なくとも片面に上記Al−Si系ろう材がクラッドされていればよく、適宜、片面と両面クラッド材を使い分けることができる。両面クラッド材では、芯材の両面にろう材がクラッドされているものであってもよく、また片面に上記ろう材がクラッドされ、他の片面に犠牲材等のその他の材料がクラッドされているものであってもよい。
【0040】
4.ろう付け対象部材の材質
ろう材以外の被ろう付け構成部材としては、一般的に用いられているアルミニウム合金であれば何れも問題なく使用可能である。
【0041】
5.ろう付け部材の表面粗さ
本発明を実施するに当たっては、接合部の接触密着状態を高めることで、接合部である接触密着部への外部からの酸素供給がされにくくなり、ろう付け昇温過程での材料表面の酸化抑制力が高まる。ここで言う酸素供給とは、大気雰囲気中での酸素を意味するのではなく、非酸化性雰囲気中に僅かに含まれる酸素によるものを示す。本発明者らが調べた結果、接合部における接合部材両者の表面粗さがRa0.3μm以下であれば、より良好な接合が得られることが判り、さらに好ましくは、Ra0.25μm以下で安定して良好な接合状態が得られることも判った。表面粗さがRa0.3μmを超える場合は加圧密着力を高めても十分な機密性が得られないためろう付け性が低下する。
【0042】
6.被ろう付け構成部材の初期酸化膜厚
本発明の実施に当たっては、特に材料表面の初期酸化皮膜を抑制するような材料製作は必要としない為、通常、アルミニウムの量産コイル材として作製され得る、初期酸化膜厚20〜500Å程度のアルミニウム材料を使用できる。20Å未満では、従来技術に示したような酸洗浄等が必要となり、500Åを越えるものはMgによる酸化膜破壊作用が十分に得られず、良好な接合状態が得られにくくなる。
【0043】
7.炉内雰囲気
本発明の実施にあたっては、炉内雰囲気を不活性ガス、或いは還元性ガス等の非酸化性ガスとすることで、雰囲気中の酸素濃度や露点を低下させ、被ろう付け物の再酸化を抑制する必要がある。使用する置換ガスの種類としては、接合を得るにあたり特に限定されるものではないが、コストの観点で、不活性ガスとしては窒素、アルゴン、還元性ガスとしては水素、アンモニア、一酸化炭素を用いることが好適である。雰囲気中の酸素濃度管理範囲としては、5〜500ppmがよい。5ppm未満の場合は、接合に不具合は生じないが、雰囲気の管理に多量のガスを使用する等、製造コストの増大懸念が生じるためである。500ppm超では被ろう付け部材の再酸化が進みやすくなり、特にろう材が表面にないベア構成部材とろう材間の接合が十分に得られない為である。
【0044】
8.ろう付け温度
本発明においては、ろう材Al−Si−Mg合金の最も低い固相線温度の559℃以上でろう付けができ、当然、従来からのAl−Siろう材によるろう付け温度範囲も使用可能である。具体的には559〜620℃が良い。559℃未満ではろうの溶融が得られずろう付けが得られない。620℃超ではろう浸食が顕著となり、製品形状の維持等に問題が生じるため好ましくない。但し、この温度範囲においても、ろうの合金組成によって固相線温度が低い場合には、ろう侵食が顕著になる場合もあり、その際は、この温度範囲の中で合金組成にあったろう付け温度を選択するのが好ましい。
【発明の効果】
【0045】
本発明では、ろう材に添加された適量のMgが接合部接触密着表面の酸化膜を破壊し、再酸化を抑制することで、良好な接合を得られる。この機構自体は、真空ろう付けや、大気圧下でのフラックスレスろう付け等を提案している従来技術と同様であるが、真空ろう付けでは、部材の再酸化防止のため真空の維持が必須であり、また、大気圧下の従来技術では、ろう材の表面に酸化防止層を設けたり、被ろう付け部材を覆いで囲ったりする等して、材料の再酸化やMg蒸気の拡散防止を行う必要がある。
一方、本発明においては、接合せしめる構成部材同士を確実に接触密着させた上で、ある一定以上のMgをろう材に添加し、さらに、ろう付けを非酸化性雰囲気中で行うことで、材料表面の再酸化力よりもMgによる酸化膜破壊活動が上回る条件を見出し、ろう材がろう付け構成物の最表面に位置する場合においても、接合を成立させている。このとき、ろう材に添加されたMgはろうの融点を低下させ、Mgのゲッター作用とろうの溶融(局部溶融を含む)がほぼ同じ温度域で生じる効果も得られ、ろう付性を向上させている。
さらに、ろう材表面の粗大Si粒子が25%以上存在することよにり、細流路インナーフィンを有する熱交換器のインナーフィンの目詰まりを殆ど起こさない。
これは、粗大Si粒子の所定量以上の存在により、ろう材の流動性を抑制して、小さな流路内へのろう材の流れ出しを防止し、目詰まりを抑制するからである。
【0046】
以上のように、本発明による細流路インナーフィンを有する熱交換器のろう付け法を用いれば、フラックスや真空設備を必要としない、大気圧下のフラックスレスろう付けが可能となり、また、ろう材以外の被ろう付け構成部材へMgを添加した場合にもろう付け阻害要因とはならないことから、Mgを構造部材に添加した、熱交換器用アルミニウム高強度部材への用途展開も図れることになる。その他、減圧を伴わない雰囲気での加熱となるため、アルミニウム材料からのMgやZnの蒸発は製品周辺に止まり、炉内壁等の汚染は殆ど生じないというメリットも得られる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明のろう付けの対象である細流路インナーフィンを有する熱交換器の分解斜視図。
【図2】同組立状態を示す正面図。
【図3】同細流路インナーフィンを有する熱交換器の内部を流通する冷却液11の流動状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
質量%で、Mgを0.1〜5.0%、Siを3〜13%含有するAl−Si系ろう材と、芯材とは常法により製造することができ、両者またはこれに犠牲材などの他の材料とを重ねてクラッド圧延する。該クラッド圧延での製造条件は本発明としては特に限定されるものではない。また、各層のクラッド率も本発明としては特定されるものではない。
なお上記のように芯材の組成は、Si:0.1〜1.2%、Mg:0.01〜2.0%を含有するもの、Mn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Si:0.1〜1.2%、Fe:0.1〜1.0%を含有するもの、あるいはSi:0.1〜1.2%、Mg:0.01〜2.0%を含有し、さらにMn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Fe:0.1〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、さらに所望によりZr:0.01〜0.3%、Ti:0.01〜0.3%、Cr:0.01〜0.5%、Bi:0.01〜1.0%の内1種または2種以上を含有などが望ましい。
【0049】
さらに、本発明では、前記Al−Si系ろう材に含まれるSi粒子で、円相当径で0.8μm以上の径をもつものの数の内、1.75μm以上の径のものの数が25%以上とする。本材料を得るには、ろう材の鋳造スラブを製造するにあたり、その冷却速度を10℃/secよりも遅い範囲とし、凝固冷却で生じるSi粒子サイズを粗大にすることで、その後の圧延工程でのSi粒子破砕を経ても、上記条件を満たすことが可能となる。但し、この冷却速度が10℃/secより速くなった場合においても、鋳造後に均質化処理として、例えば500℃以上の条件で数時間の熱処理を加えれば、Si粒子の粗大化が図れ、上記同様に、圧延後には本発明条件のSi粒子サイズを得ることが可能である。
また、本発明では前記アルミニウムクラッド材、及び、前記ろう付け対象部材の少なくとも接触密着部表面の表面粗さを、Ra0.3μm以下とするのが望ましい。この表面粗さは、材料の最終圧延時のロール表面粗度に依存し、そのロール表面粗度を、Raで0.45μm以下とすることで得られる。尚、ろう付け接合部がプレス等の熱交換器部材加工表面となる場合には、そのプレス等金型表面粗度を同様に管理することで目的の表面粗度が得られる。
【0050】
常法により得られるアルミニウムクラッド材は、上記Al−Si系ろう材が最表面に位置しており、初期酸化膜厚として20〜500Åの酸化皮膜が形成されている。
上記アルミニウムクラッド材は、ベアフィン、無垢材コネクタなどのろう付け対象部材と組み付けられて、好適には熱交換器組立体などを構成する。なお、ろう付け対象部材としては種々の組成のアルミニウム材料を用いることができ、本発明としては特定のものに限定されるものではない。
【0051】
上記組立体は、減圧を伴うことなく非酸化性雰囲気とされた加熱炉内に配置される。該非酸化性雰囲気は、窒素、アルゴンなどの不活性ガスまたは水素、アンモニア、一酸化炭素などの還元性ガス、あるいはこれらの混合ガスを用いて構成することができる。非酸化性雰囲気は、ろう付け加熱時には減圧を伴わず、通常は大気圧とされる。なお、非酸化性雰囲気を得る前に、置換などの目的で減圧工程を含むものであってもよい。加熱炉は密閉した空間を有することを必要とせず、ろう付け材の搬入口、搬出口を有するものであってもよい。このような加熱炉でも、不活性ガスを炉内に吹き出し続けることで非酸化性が維持される。該非酸化性雰囲気としては、酸素濃度として体積比で5〜500ppmが望ましい。
上記雰囲気下で560〜620℃で加熱をしてろう付けを行う。ろう付けにおいては、ろう付け対象部材との接触密着部がフラックスレスで良好に接合される。
【0052】
図1は本発明のろう付けの対象である細流路インナーフィンを有する熱交換器の分解斜視図であり、図2は同組立状態を示す正面図である。この熱交換器は、コンパクトで偏平なものであり、内部の多数の細流路に冷却液が流通する。そして、その外面にパワートランジスタ、インバータ、各種高発熱半導体等の被冷却体6がろう付け接合され、その発熱を冷却することができるものである。
この細流路インナーフィンを有する熱交換器は、複数の中間プレート4(この例では3枚)が、厚み方向に積層され、その上下両端に一対の端プレート5が配置され、それらの間が一体にフラックスレスでろう付け固定されるものである。
【0053】
中間プレート4は四周に枠部1を有し、その枠部1内に多数の縦方向のリブ2が定間隔に並列されるとともに、各リブ2間および、それと枠部1間が横リブ2aによって一体に連結されている。そして、各縦リブ2間に細流路が形成され、そこに冷却液が流通する。各流路の幅および深さは、それぞれ一例として0.7mm〜2.0mm程度である。この例では横リブ2aが各中間プレート4ごとにその位置を異にしている。即ち、図3に示すごとく上端の中間プレート4における横リブ2aとその下側の中間プレート4の横リブ2aとは冷却液11の流れ方向に互いに異なった位置に配置されている。そのため冷却液11はそれぞれの横リブ2aを迂回し、各リブ2間を流通する。また、それぞれの中間プレート4の縦方向の各リブ2は同一位置に配置されている。これは端プレート5と各中間プレート4との伝熱性を良好にするためである。
【0054】
このような細流路を多数並列した中間プレート4は、それぞれその四周を形成する枠部1が同一に形成されている。一対の端プレート5は、その中間プレート4の枠部1の外周よりも一回り大に形成されている。各中間プレート4の片面に、または両面にはそれぞれろう材が被覆されている。一対の端プレート4はベア材または、一方にろう材が被覆されたものを使用できる。
【0055】
また、前記の例では下端の端プレート5にはその両端に冷却液出入口7が穿設され、そこにパイプ8が接続される。各中間プレート4はその長手方向両端部にリブ2の存在しない一対のマニホールド3が設けられている。このような各プレートは、図2のごとく積層され、全体が高温の炉内に挿入され非酸化性雰囲気、フラックスレス、大気圧で一体にろう付け固定される。
なお、本発明の熱交換器は上記積層型のものに代えて、一対の偏平なドローンカップ形のプレート内にコルゲートフィンまたはオフセットフィンを介装したものであって、その流路が0.7mm〜2.0mm程度の多数の細流路を有するものにも適用できる。
【0056】
前記の中間プレート4として、表1〜表3に示す組成(残部Alと不可避不純物)のAl−Si系ろう材と、同じく表1〜表3に示す組成(残部Alと不可避不純物)の芯材とをクラッドしたアルミニウムクラッド材を用意した。ろう材中のSi粒子径は、鋳造時の冷却速度を0.5〜10℃/secの範囲で変化させ、また、材料表面粗さは最終圧延時のロール表面粗度をRa0.05〜0.90μmの範囲で変えることによって変化させた。
【0057】
上記アルミニウムクラッド材は、各種組成ろう材と各種組成芯材とを、ろう材クラッド率10%とし、H14相当調質の0.5mm厚に仕上げた。
また、端プレート5としてJISA3003合金、H14のアルミニウムベア材(0.1mm厚)のフィン材を用意した。
【0058】
○ろう付性
本発明の上記アルミニウムクラッド材を用いて図1に示す中間プレート4をプレス成形により製作し、JIS A3003ベア材の端プレート5と組合せ、細流路インナーフィンを有する熱交換器とした。
その組立て体を窒素雰囲気中(酸素含有量15ppm)のろう付け炉にて、560〜600℃まで加熱し、そのろう付け状態でろう付性を評価した。ろう付性は、以下式にて接合率を求め、その接合率の優劣および細流路の目詰まり率の大小で評価した。
【0059】
フィン接合率=(フィンとチューブの総ろう付け長さ/フィンとチューブの総接触長さ)×100
ろう付け性判定は、ろう付け後のフィン接合率(◎:95%以上、○:85%以上、△:80%以上、×:80%未満)によって行い、その結果を表1〜表3に示した。
細流路内の目詰まり性の評価は目視により行い、流路目詰まり率の大小により判定した。
流路目詰まり率=(ろう材のフィレットによる目詰まり部面積)/(流路の総面積)
目詰まり率が30%以上のものを×、20〜30%のものを△、10〜20%のものを○、10%未満のものを◎とする。その結果を表1〜表3に示した。○および◎を良とし、×および△は不良とする。
その結果を表1〜表3に示した。
【0060】
○材料強度
製作したクラッド材(0.5mm厚)をJIS5号試験片とし、ろう付け熱処理後、90℃×7日間時効処理後に引張試験に供した。得られた材料強度測定値を評価し、その結果を表1〜表3に示した。
【0061】
作製したクラッド材について、ろう材最表面を#1000のエメリー紙で研削後、0.1μmの砥粒で鏡面処理し、表面方向10000μm2(100μm角相当)の観察視野において、EPMA(電子線マイクロアナライザ)を用いた全自動粒子解析を行った。測定した0.8μm以上の総粒子数中で、1.75μm以上のものの割合を表に示した
【0062】
実施例の何れも良好なろう付性を示したのに対し、比較例では十分な接合が得られなかった。また、実施例では材料高強度化とろう付性との両立が得られたが、比較材でその条件は得られなかった。さらに、比較材では、細流路内の目詰まり率が大であった。
また、芯材の成分が好適範囲を外れる参考例では、種々の不具合が認められた。
【0063】
【表1】

【0064】
【表2】

【0065】
【表3】

【符号の説明】
【0066】
1 枠部
2 リブ
2a 横リブ
3 マニホールド
4 中間プレート
5 端プレート
5a 縁部
6 被冷却体
7 冷却液出入口
8 パイプ
11 冷却液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量%で、Mgを0.1〜5.0%、Siを3〜13%含有するAl−Si系ろう材が最表面に位置するアルミニウムクラッド材を用いる細流路インナーフィンを有する熱交換器のろう付け方法であって、
前記Al−Si系ろう材に含まれるSi粒子は、円相当径で0.8μm以上の径をもつものの数の内、1.75μm以上の径のものの数が25%以上であり、減圧を伴わない非酸化性雰囲気で、前記Al−Si系ろう材とろう付け対象部材とを接触密着させ、加熱温度559〜620℃において、前記芯材と前記ろう付け対象部材とを接合することを特徴とする細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け方法。
【請求項2】
前記アルミニウムクラッド材、及び、前記ろう付け対象部材の少なくとも接触密着部表面の表面粗さが、Ra0.3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろ付け方法。
【請求項3】
前記Al−Si系ろう材に質量%で、0.01〜1.0%のBiを含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け方法。
【請求項4】
前記Al−Si系ろう材がクラッドされている芯材が、質量%で、Si:0.1〜1.2%、Mg:0.01〜2.0%を含有し、残部Alと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け方法。
【請求項5】
前記Al−Si系ろう材がクラッドされている芯材が、質量%で、Mn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Si:0.1〜1.2%、Fe:0.1〜1.0%、を含有し、残部Alと不可避不純物とからなる組成を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け方法。
【請求項6】
前記Al−Si系ろう材がクラッドされている芯材が、質量%で、Si:0.1〜1.2%、Mg:0.01〜2.0%を含有し、さらにMn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Fe:0.1〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、残部Alと不可避不純物とからなる組成を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け方法。
【請求項7】
前記Al−Si系ろう材がクラッドされている芯材が、質量%で、Si:0.1〜1.2%、Mg:0.01〜2.0%を含有し、さらにMn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Fe:0.1〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、さらにZr:0.01〜0.3%、Ti:0.01〜0.3%、Cr:0.01〜0.5%、Bi:0.01〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、残部Alと不可避不純物とからなる組成を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け方法。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれかに記載のAl−Si系ろう材が芯材にクラッドされて前記Al−Si系ろう材が最表面に位置しており、減圧を伴わない非酸化性雰囲気でフラックスレスのろう付けに供されることを特徴とする細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け用アルミニウムクラッド材。
【請求項9】
前記芯材が請求項4〜7のいずれかに記載された組成を有することを特徴とする請求項8記載の細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け用アルミニウムクラッド材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−55895(P2012−55895A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198438(P2010−198438)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000222484)株式会社ティラド (289)
【出願人】(000176707)三菱アルミニウム株式会社 (446)