説明

細胞ベースの発光及び非発光プロテアソームアッセイ

透過処理した細胞中のプロテアソーム活性を検出するため、及び場合によっては異なる酵素介在反応の少なくとも1つの分子の存在又は量を、多重化アッセイにおいて検出するための方法を提供する。この方法は、プロテアソーム関連プロテアーゼの発光基質の使用を含み、この場合プロテアーゼによる発光基質のタンパク質分解によって甲虫ルシフェラーゼの基質が生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全容が参照として本明細書に組み込まれる2005年9月1日に出願された米国仮出願第60/713,906号の、米国特許法第119条(e)の下での特典を特許請求するものである。
【背景技術】
【0002】
ルシフェラーゼ介在酸化反応の結果として、幾つかの生物において発光が生じる。広く様々な非常に異なる種由来のルシフェラーゼ遺伝子、特にフォチナス・ピラリス(Photinus pyralis)及びホチュリス・ペンシルバニカ(Photuris pennsylvanica)(北アメリカのホタル)、ピロフォラス・プラジオフタラムス(Pyrophorus plagiophthalamus)(ジャマイカのコメツキムシ)、Renilla reniformis(ウミシイタケ)、並びに幾つかの細菌(例えば、ゼノラブダス・ルミネッセンス(Xenorhabdus luminescens)及びビブリオ属種(Vibrio spp))のルシフェラーゼ遺伝子は、非常に一般的な発光レポーター遺伝子である。ホタルルシフェラーゼもATP濃度を測定するための一般的なレポーターであり、その役割において、バイオマスを検出するために広く使用されている。他の酵素が幾つかの合成基質、例えばアルカリホスファターゼ及びアダマンチルジオキセタンホスフェート、又はホースラディッシュペルオキシダーゼ及びルミノールと混合されるとき、それらの酵素によっても発光は生じる。
【0003】
ルシフェラーゼ遺伝子は、その非放射活性、感受性、及び発光アッセイの極端な直線範囲のために遺伝子レポーターとして広く使用されている。例えば、わずか10−20モルのホタルルシフェラーゼを検出することができる。したがって、遺伝子活性のルシフェラーゼアッセイは、原核生物細胞と真核生物細胞の両方の培養、トランスジェニック植物及び動物、並びに無細胞発現系を含めた、ほぼ全ての実験生物系において使用されている。同様に、ATP濃度を測定するために使用されるルシフェラーゼアッセイは非常に感度が良く、10−16モル未満の検出を可能にする。
【0004】
ルシフェラーゼは、酵素特異的基質、例えばルシフェリンの酸化によって光を生成することができる。ホタルルシフェラーゼ及び全ての他の甲虫ルシフェラーゼに関して、光の生成はマグネシウムイオン、酸素、及びATPの存在下で起こる。ウミシイタケ(Renilla)ルシフェラーゼを含めた花虫類ルシフェラーゼに関しては、基質セレンテラジンと共に酸素のみが必要とされる。一般に、遺伝子活性を測定するための発光アッセイでは、反応基質及び他の発光活性試薬を、レポーター酵素を発現すると推測される生物系中に導入する。結果として生じる発光が存在する場合、照度計又は任意の適切な放射エネルギー測定デバイスを使用して次いで測定する。このアッセイは非常に迅速で感度が良く、放射性試薬を必要とせずに、早急且つ容易に遺伝子発現データを与える。
【0005】
レポーターは、細胞又は上清内の分子の存在又は活性を検出するのにも有用である。例えばプロテアーゼは、血液凝固におけるタンパク質の代謝回転、炎症、生殖、繊維素溶解、及び免疫応答などの多様な生理プロセスと関連する酵素の大部分の重要な群を構成する。特異的プロテアーゼ及びそれらの阻害剤の活性の変化によって多数の病状が引き起こされ、それらによって特徴付けることができる。研究又は臨床設定において、これらのプロテアーゼを測定する能力は、病状の調査、治療及び管理にとって重要である。例えば、カスパーゼ−3及びカスパーゼ−7は、(アスパラギン酸特異的システインプロテアーゼ、「ASCP」としても知られる)システインアスパルチル特異的プロテアーゼファミリーのメンバーであり、哺乳動物細胞の細胞死において重要なエフェクターの役割を果たしている(Thornberryら、1992;Nicholsonら、1995;Tewariら、1995;及びFernandes−Alnemriら、1996)。
【0006】
しかしながらプロテアーゼは、それらの本来存在する基質でアッセイするのは容易ではない。さらに、多くの現在利用可能な合成基質は高価で、感度が悪く、且つ非選択的である。
【0007】
多数の発色及び蛍光基質を使用してプロテアーゼが測定されてきており(Monseesら、1994;Monseesら、1995)、且つ修飾型ルシフェリンは蛍光指標の代替をもたらしてきている(米国特許第5,035,999号及び米国特許第5,098,828号)。前基質としてヒドロラーゼの認識部位を有する修飾型ルシフェリンを使用するための方法はMiska及びGeiger(1989)によって最初に記載され、この場合修飾型ルシフェリン及びヒドロラーゼを指定の期間インキュベートし、次いで混合物の等分試料をルシフェラーゼを含む溶液に移すことによって、異種間アッセイが実施された。Masuda−Nishimuraら(2000)は、β−ガラクトシダーゼ基質修飾型ルシフェリンを利用する、1本の試験管(同種間)アッセイの使用を報告した。
【0008】
プロテアソームは、真核生物細胞の細胞質及び核中で多触媒性ユビキチン−プロテアソーム経路のタンパク質分解機能を果たす、(タンパク質分解装置とも呼ばれる)大きなマルチサブユニット酵素複合体である。20Sプロテアソームは、4つのスタックリングから構成される中空シリンダーを形成する大きな26Sプロテアソーム複合体の一部分である。2つの内部β−リングはそれぞれ、3つの異なるタンパク質分解部位、疎水性残基の後ろに2つのキモトリプシン様部位切断ペプチド結合、塩基性残基の後ろに2つのトリプシン様切断部位、及び酸性残基の後ろに2つのカスパーゼ様(酸性/ペプチジルグルタミルペプチドヒドロラーゼ)切断部位を含む。プロテアソームは、サイトゾルと核の両方において見られる。
【0009】
多触媒性ユビキチン−プロテアソーム経路は、正常な細胞周期及びNF−kBを活性化させるのに必要なI−kBの分解などのシグナル変換事象と関連する、タンパク質の代謝回転を強く制御する。この経路は、抗原のプロセシング及び提示とも関係がある。プロテアソーム活性は、正常な細胞の生存及び機能に重要である。プロテアソーム経路の阻害は、アポトーシスによる細胞死をもたらす。ユビキチン−プロテアソーム経路は、細胞周期、機能、及び生存に不可欠なので、それは癌における治療標的として認められている。何故なら悪性、形質転換、及び増殖細胞は正常細胞よりプロテアソーム阻害を受けやすいからである。正常細胞の相対物と比較して腫瘍細胞に対する毒性がより強い、幾つかのプロテアソーム阻害剤が同定されてきている。さらに、これらの阻害剤の1つである(PS−341又はVeIcadeとしても知られている)ボルテゾミブは、進行した多発性骨髄腫の治療に関してFDAの承認を得ている。この成功によって、癌療法を開発するための有効な標的としてのプロテアソームを確認している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
例えば阻害剤をスクリーニングするための、現在のプロテアソームアッセイは、血液又は凍結細胞調製物から精製されており、したがって無処理の細胞の活性と関連する可能性はない調製物の使用を含む。したがって、改善されたプロテアソームアッセイが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、細胞ベースの発光又は非発光、例えば蛍光アッセイにおける、プロテアソームと関連する1つ又は複数のタンパク質分解活性の検出を提供する。本発明はさらに、例えば同じウエルにおける非発光及び発光アッセイの多重化を提供し、そのアッセイの少なくとも1つが、1つ又は複数のタンパク質分解プロテアソーム活性を検出するための細胞ベースのアッセイである。例えば、細胞ベースのプロテアソームアッセイは、ATPなどの酵素反応の補助因子;分子と結合するタンパク質及び/又は分子の高次構造を改変するタンパク質(ペプチド又はポリペプチド)、例えばペプチド又はポリペプチド基質を修飾又は切断するタンパク質;又はタンパク質と結合する分子及び/又はタンパク質によって改変される分子、例えば基質を含めた、細胞によって発現されるプロテアソーム以外の1つ又は複数の部分(分子又は活性)の量(例えば、活性)又は存在を検出するためのアッセイと多重化させることができる。他のアッセイは細胞ベースであってよく、或いは細胞溶解後に実施することもできる。さらに、本明細書に記載するアッセイは、レポーターアッセイ、核酸ベースのアッセイ又は免疫学ベースのアッセイを含めた他のアッセイと共に利用することができる。細胞中の細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さない量の細胞膜透過処理試薬を利用する、1つ又は複数のサイトゾル酵素(膜と結合した細胞オルガネラ又は区画中に存在しない細胞内酵素)を検出するための細胞ベースの非発光又は発光アッセイをさらに提供する。
【0012】
したがって、本発明は、細胞中のプロテアソームと関連するタンパク質分解活性を検出するための方法を提供する。本発明の方法で利用する試料には、in vitro培養した細胞又は生理的試料から得た試料を含めた、透過処理済みである真核生物細胞試料を含む。一実施形態では方法は、真核生物細胞、細胞中の細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さない量の細胞膜透過処理試薬、及びプロテアソーム関連プロテアーゼの発光基質を含む甲虫ルシフェラーゼ介在反応の反応混合物を用意することを含む。プロテアーゼによる発光基質のタンパク質分解によって、甲虫ルシフェラーゼの基質である発光産物が生成する。次いで、混合物中の発光を検出又は測定する。本発明は、無処理の真核生物細胞及び細胞中の細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さない量の細胞膜透過処理試薬を含む試料を、プロテアソーム関連プロテアーゼの発光基質を含む甲虫ルシフェラーゼ介在反応の反応混合物と接触させる方法も提供する。このプロテアーゼによる発光基質のタンパク質分解によって、甲虫ルシフェラーゼの基質である産物が生成する。次いで混合物中の発光を、検出又は測定する。
【0013】
例えば一実施形態では、プロテアソームと関連するプロテアーゼ活性の1つのプロテアーゼ認識部位を含むように修飾した(例えば、共有結合によって修飾した)、甲虫ルシフェラーゼ及び適切なルシフェリン、アミノルシフェリン、又はこれらの誘導体を発光アッセイで利用して、細胞中のプロテアソームの活性を検出することができる。一実施形態では、発光アッセイ試薬はLLVY−アミノルシフェリン(LLVY;配列番号1)、LRR−アミノルシフェリン、nLPnLD−アミノルシフェリン(nLPnLD;配列番号2)であってよく、或いは他の発光プロテアソーム関連プロテアーゼ基質、例えば、ルシフェリン、アミノルシフェリン、又はこれらの誘導体と結合した異なるペプチド又はポリペプチド基質であってよい。本発明の範囲内のルシフェリン誘導体には、その開示が参照として本明細書に組み込まれる米国出願第60/685,957号、同60/693,034号、及び同60/692,925号、並びに米国出願公開20040171099号に記載された誘導体などの、甲虫ルシフェラーゼの基質である誘導体があるが、これらだけには限られない。
【0014】
他の実施形態では本発明は、真核生物細胞、細胞中の細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さない量の細胞膜透過処理試薬、及びプロテアソーム関連プロテアーゼの発光基質を含む反応混合物を提供する。次いで、混合物中の蛍光を検出又は測定する。例えば、プロテアソーム関連プロテアーゼの基質を修飾して、酵素が基質と反応した後のみ一定波長の光を発する蛍光団を含ませることができ、蛍光団を一定波長又は波長範囲の光に接触(曝露)させ、例えばLLVY−AMC(配列番号1)はプロテアソームのキモトリプシン活性を検出するのに有用な蛍光基質であり、プロテアソーム関連プロテアーゼによるその基質の切断はAMCの蛍光によって調べることができる。
【0015】
したがって本発明は、透過処理した真核生物細胞中のプロテアソーム活性をモニタリングすることができる、1つの他の同種のアッセイを提供する。ジギトニン透過処理細胞などの透過処理細胞中の、プロテアソームの非常に近辺の成分などの他の細胞成分の存在は、細胞抽出物又は精製プロテアソーム中のプロテアソーム活性の測定に優る利点をもたらす可能性がある。さらに透過処理細胞は、他の分子又は細胞質酵素活性などの活性、例えば選択的P450活性を測定するのに有用である可能性がある。本発明のアッセイは、発光又は蛍光を使用して、プロテアソーム活性を単独で、或いは発光/蛍光多重化アッセイ又は他の多重化アッセイにより、別の分子の測定又は検出、例えばカスパーゼ活性又は核酸の測定又は検出と組み合わせて測定するように形式を整えることができる。したがって、細胞の生存の測定(CellTiter−Glo(商標)、CellTiter−Blue(商標)、又はCytoTox−ONE(商標))又はアポトーシス細胞毒性の特異的測定(Caspase−Glo(商標)3/7、−8、−9又はApo−ONE(商標))を、プロテアソームアッセイと多重化させることができる。これらの他の分子を検出するために、透過処理細胞はこれらの細胞を溶かす条件を施すことができ、溶解物は1つ又は複数の分子に関してアッセイすることができ、或いは1つ又は複数の分子に関してアッセイすることができる1つ又は複数の分画の分画化及び/又は精製を施すことができる。他の実施形態では、透過処理の前に、細胞試料を細胞表面分子及び/又は細胞表面と結合しない分子、例えば上清中の分子に関してアッセイすることができる。1つ又は多重化アッセイ中の検出において検出又は利用される分子は、天然分子、又は例えば融合タンパク質を含めた組換え体分子であってよい。例えば、ルシフェラーゼ介在反応に関しては、ルシフェラーゼは天然又は組換え体であってよい。
【0016】
したがって一実施形態では、本発明の組合せ発光/非発光アッセイ形式は、1つ又は複数のペプチド又はポリペプチド、例えば酵素;ペプチド又はポリペプチドと結合する、及び/又はそれによって改変される1つ又は複数の分子、例えば少なくとも1つの酵素のペプチド又はポリペプチド基質;及び/又は1つ又は複数の酵素介在反応の補助因子;又は他の分子若しくは状態;又はこれらの組合せに関するアッセイの多重化を可能にする。一実施形態では本発明は、プロテアソームと関連するプロテアーゼの活性(第1の酵素介在反応)及び第2の酵素介在反応の第2の分子、及び場合によっては他の酵素介在反応の分子を含めた他の分子の存在又は量を検出するための方法を提供する。この方法は、細胞試料を、第1の酵素介在反応及び第2の酵素介在反応の反応混合物と接触させることを含む。一実施形態では、細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さない量の細胞膜透過処理試薬を、細胞を反応混合物と接触させる前に細胞に加える。他の実施形態では、細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さない量の細胞膜透過処理試薬を、反応混合物を細胞と接触させる前に反応混合物に加える。一実施形態では、発光を利用してプロテアソーム活性を検出し、蛍光又は比色定量を利用して第2の酵素介在反応の分子を検出する。次いで、プロテアソームの活性及び第2の分子の存在又は量を検出する。
【0017】
或いは、第1の反応と第2の反応の反応混合物を連続的に加えることができ、この場合第1の反応混合物は、細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さない量の細胞膜透過処理試薬を含むことができる。具体的なバッファー条件は検出する分子によって変わる可能性があるので、このような2ステップアッセイは試薬調節を含み得る。例えば試薬調節は、第1の反応用に消光物質、及び/又は第2の反応用に増強物質の添加を含み得る。少なくとも2つの酵素活性を検出する一実施形態では、その2つの酵素は同じ活性を有しておらず、例えばそれらは同じ基質と結合又は反応せず、或いはそれらが同じ基質と結合又は反応する場合、酵素の1つが他の酵素の基質とは実質的に反応せず、それによって特異性が得られるように、条件又は基質を利用する。例えば、LLVY(配列番号1)含有基質は、キモトリプシン又はカルパインの基質であってよい。しかしながら、カルパイン介在反応はカルシウムを必要とするが、キモトリプシン介在反応は必要としない。したがって、実質的に無カルシウム条件下で実施されるアッセイにおいて、LLVY(配列番号1)含有基質を用いてキモトリプシン活性を検出することができる。
【0018】
本発明は、反応の1つの停止又は反応の1つの増強/加速を場合によっては含まない、同時反応又は連続反応中の少なくとも2つの分子の活性、存在又は量の同時又は連続的検出を含めた、多重化アッセイにおける分子又は活性の同時又は連続的検出も提供する。一実施形態では、プロテアソーム関連プロテアーゼの基質と、他の分子を検出するのに、例えば核酸を検出するのに有用な試薬を、細胞試料に同時に加え、他の分子の量又は存在を検出する前にプロテアソーム活性を検出する。他の実施形態では、2つの異なる酵素介在反応の基質を細胞試料に同時に加え、異なる酵素介在反応の酵素、基質及び/又は補助因子の量又は存在を検出する前にプロテアソーム活性を検出する。なお他の実施形態では、プロテアソーム関連プロテアーゼの基質と、他の分子を検出するのに有用な試薬を試料に同時に加え、プロテアーゼ活性と他の分子の存在又は量を同時に検出する。他の実施形態では、2つの異なる酵素介在反応の基質を試料に同時に加え、異なる酵素介在反応の酵素、基質及び/又は補助因子の存在又は量を、プロテアソーム活性を検出するのと同時に検出する。或いは、プロテアソーム関連プロテアーゼの基質を反応混合物に加え、そのプロテアーゼの活性を検出し、次いで他の分子を検出するのに有用な試薬を加え、その分子の存在又は量を検出する。他の実施形態では、プロテアソーム関連プロテアーゼの基質を反応混合物に加え、そのプロテアーゼの活性を検出し、次いで他の酵素介在反応の基質を加え、その第2の反応の酵素、基質及び/又は補助因子の存在又は量を検出する。酵素、基質、補助因子及び/又は他の分子の活性、存在又は量は、1つの容器、例えばウエル中での反応において検出することが好ましい。
【0019】
したがって本発明は、細胞膜透過処理細胞を含む混合物中の1つ又は複数のプロテアソーム関連プロテアーゼ活性の検出又は測定以外に、他の酵素介在反応の補助因子、基質又は酵素の存在又は量を検出又は測定することができる、多重化アッセイを提供する。他の実施形態では、細胞膜透過処理細胞を含む混合物中の1つ又は複数のプロテアソーム関連プロテアーゼ活性の検出又は測定以外に、非酵素反応と関連する部分の存在又は量を検出又は測定することができる。なお他の実施形態では、細胞膜透過処理細胞を含む混合物中の1つ又は複数のプロテアソーム関連プロテアーゼ活性の検出又は測定以外に、異なる細胞分子、例えば核酸又はタンパク質の存在又は量を、例えばこの混合物を、その細胞分子を検出するのに有用な試薬と接触させることによって検出又は測定する。このような試薬は、特定の細胞分子と結合する試薬を含む。したがって一実施形態では、核酸結合色素を利用して、プロテアソーム特異的タンパク質分解活性のアッセイにおいて核酸の存在又は量を検出することができる。
【0020】
さらに、幾つかの細胞透過処理試薬は異なる可溶化を可能にするので、本発明は、少なくとも2つの分子のサイトゾル活性を検出又は測定することができる多重化アッセイを提供する。
【0021】
本発明のアッセイ中で使用するための1つ又は複数の試薬を含む組成物及びキットも提供する。一実施形態では、組成物は溶液、例えば1つ又は複数の基質が0.005〜約1.0M、例えば0.05〜約0.2Mで存在する溶液である。
【0022】
アッセイには、薬剤発見ツールとしての使用もある。したがって、調節物質、例えばプロテアソームと関連するプロテアーゼの阻害剤の存在又は量は、本発明のアッセイ、例えば蛍光又は発光アッセイを使用して検出することができる。したがって本発明は、1つ又は複数の作用物質を、細胞、細胞中の細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さない量の細胞膜透過処理試薬、及びプロテアソームと関連するプロテアソームの発光又は蛍光基質を含む反応混合物と接触させて、混合物を生成する方法を提供する。1つ又は複数の作用物質を細胞と接触させ、その混合物を、細胞中の細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さない量の細胞膜透過処理試薬、及びプロテアソームと関連するプロテアーゼの発光又は蛍光基質を含む反応混合物と接触させる方法も提供する。混合物中の発光又は蛍光は、1つ又は複数の作用物質を欠く対応する混合物中の発光又は蛍光と比較する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
定義
本明細書で使用する「発光アッセイ」は、第1の分子、例えば第1の酵素のペプチド又はポリペプチド基質、第1の分子と適切な(第1の)タンパク質の間の反応の生成物、及び/又は異なるタンパク質と第1の反応の生成物の間の反応の生成物が発光性である反応を含む。したがって発光アッセイは、プロテアソームの1つ又は複数の活性、或いはその部分が酵素反応と関連し得る、例えば反応の補助因子、反応又は酵素の基質である、或いは部分と結合する且つ/或いはそれによって改変する分子であるプロテアソーム以外の部分の量又は存在を直接又は間接的に検出、例えば測定することができる。発光アッセイは、ルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、β−ラクタマーゼ、プロテアーゼ、アルカリホスファターゼ、又はペルオキシダーゼ、及び適切な対応する酵素、例えば修飾形のルシフェリン、セレンテラジン、ルミノール、ペプチド又はポリペプチド、ジオキセタン、ジオキセタノン、及び関連アクリジニウムエステルを利用又は検出するアッセイだけには限られないが、それらを含めた化学発光及び生物発光アッセイを含む。
【0024】
本明細書で使用する「発光アッセイ試薬」は、発光反応用の基質、及び補助因子又はタンパク質、例えば酵素などの他の分子を含む。
【0025】
「非発光アッセイ」は、第1の分子、例えばタンパク質(ペプチド又はポリペプチド)、第1の分子と適切な(第1の)タンパク質(ペプチド又はポリペプチド)の間の反応の(第1の)生成物、又は異なるタンパク質と第1の生成物の間の反応の生成物が発光性ではないが、他の場合検出できる可能性がある、例えば基質及び/又は生成物を、プロテアソームの1つ又は複数の活性、或いはその部分が酵素反応と関連し得る、例えば部分が補助因子、プロテアソームと関連する他の活性などの反応の基質又は酵素、或いは部分と相互作用する分子であるプロテアソーム以外の部分の量又は存在を直接又は間接的に測定する、蛍光又は比色定量アッセイを使用して検出する反応を含む。
【0026】
本明細書で使用する「蛍光アッセイ試薬」は、蛍光反応用の基質、及び補助因子又は他の分子、例えばタンパク質を含む。
【0027】
本明細書で使用する「細胞膜透過処理試薬」は、細胞と接触すると細胞膜を部分的に害し、試薬、例えばトリパンブルー、ヨウ化プロピジウム、又は臭化エチジウムなどの試薬に曝されていない生きた細胞中への進入から通常排除されるはずである物質の、細胞中への進入を可能にする任意の試薬を含む。
【0028】
本明細書で使用する「プロテアソーム特異的タンパク質分解活性」は、プロテアソーム特異的阻害剤、例えばラクタシスチンによって阻害され得るトリプシン様、キモトリプシン様又はカスパーゼ様活性である。
【0029】
本発明の方法
本発明は、その1つがプロテアソーム活性を他の分子又は活性と同時或いは連続的に検出することを含む、少なくとも2つの異なる分子又は活性を検出するための多重化アッセイ法を含めた、透過処理細胞中のプロテアソームの1つ又は複数の活性を検出するための同種間アッセイを提供する。例えば、1つ又は複数の酵素介在反応を、少なくとも1つの酵素基質を基質と酵素の間の反応の生成物に転換するのに有効な条件下で実施し、その生成物は基質由来の異なる特徴(シグナル)を有する。2つの基質を伴う2酵素介在反応に関しては、基質と対応する酵素の間の反応の生成物に各基質を転換するのに有効な条件下で同時或いは連続的に反応を実施し、この場合各基質及び/又は生成物は異なる特徴を有する。生成するシグナルは、検出する分子の活性、存在又は量と関連する。本発明の発光又は蛍光法は、酵素介在反応の基質を含むように修飾されており、酵素反応の酵素、補助因子、酵素基質、酵素阻害剤、及び/又は酵素活性剤を検出するのに有用である、ルシフェリン、アミノルシフェリン、又はこれらの誘導体、又は蛍光団を利用する。
【0030】
一実施形態では、本発明による方法は、細胞の等分試料などの1試料中のプロテアソーム活性を含めた多数の部分又は活性を同時或いは連続的に検出するための、迅速で非常に感度の良い方法をもたらす。一実施形態では方法は、発光アッセイ中の第1の酵素、基質又は補助因子の存在又は量(活性)を定量化すること、及び蛍光アッセイなどの非発光アッセイ中の第2の酵素、基質又は補助因子の存在又は量を定量化することを含む。一実施形態では、各反応用に試薬、例えば基質を同時或いは連続的に加えることができる。他の実施形態では方法は、蛍光アッセイ中の第1の酵素、基質又は補助因子の存在又は量を定量化すること、及び発光アッセイ中の第2の酵素、基質又は補助因子の存在又は量を定量化することを含む。発光又は非発光シグナルの強度は、各分子の存在又は量の関数である。
【0031】
一実施形態では、当該の酵素を検出するために、方法は少なくとも2つの異なる反応を利用し、この場合第1の反応は、甲虫ルシフェラーゼの基質を生成する当該の酵素の基質を伴う非ルシフェラーゼ酵素介在反応であり、第2の反応は甲虫ルシフェラーゼ介在反応である。したがって発光アッセイは、例えば非甲虫ルシフェラーゼ介在反応の酵素、補助因子又は基質、非甲虫ルシフェラーゼ介在反応の阻害剤、又は非甲虫ルシフェラーゼ介在反応の活性剤の量、存在又は特異的活性を間接的に検出する、例えば測定することができる。これらの反応では、非甲虫ルシフェラーゼ酵素の基質である修飾ルシフェリン、アミノルシフェリン又はこれらの誘導体を利用し、その反応の生成物は甲虫ルシフェラーゼの基質である。
【0032】
1ステップアッセイに関しては、反応混合物は2つの反応用の試薬、非甲虫ルシフェラーゼ酵素介在反応及び甲虫ルシフェラーゼ介在反応用の試薬など、又は一反応、例えば酵素の基質を含むように修飾された蛍光団と酵素の間の反応の反応混合物を含み得る。少なくとも2つの反応を利用するアッセイに関しては、アッセイ用の分子を加える順序は変わる可能性がある。連続的に開始し実施する場合(同じ容器中であろうとそうでなかろうと)、反応条件、例えば試薬濃度、温度又は他の試薬に対する調節を実施することができる。例えば、消光物質又は増強物質を反応間に加えることができる(例えば、その開示が参照として本明細書に詳細に組み込まれる、米国特許第5,774,320号及び同6,586,196号を参照)。一実施形態では、2つ以上の反応を1つの反応混合物において同時に実施する。場合によっては、アッセイは同種間アッセイであり、例えば試料に混合物を加える前に成分を混合させる。追加的な試薬の移動なしで結果を読むことができる。
【0033】
2つの一般的な型の多重化アッセイが企図される。第1のアッセイでは、多数の部分、例えば酵素介在反応の1つ又は複数の酵素、1つ又は複数の基質及び/又は1つ又は複数の補助因子を、同じ反応混合物においてアッセイする。各酵素は基質の少なくとも1つを対応する生成物に転換することができ、この場合基質及び/又は対応する生成物、又は対応する生成物の1つと他の酵素の間の反応の生成物は、同じ反応混合物中に存在するとき基質及び/又は生成物を個々に検出するのを可能にする、異なる検出可能な特徴を有する。これらのアッセイ用の分子を加える順序は変わる可能性がある。したがって個々の反応は、同時或いは連続的に開始及び/又は実施することができる。連続的に開始し実施する場合、異なる検出可能な特徴は異なる検出法を必要とする可能性があり、且つ/又は反応条件、例えば試薬濃度、温度又は他の試薬に対する調節を実施することができる。例えば、前に記載したのと同様に、消光物質又は増強物質を反応間に加えることができる。好ましい一実施形態では、2つ以上の反応を1つの反応混合物において同時に実施し、この場合それぞれの酵素は、反応混合物中の基質の1つを生成物に転換するのに有効である。この実施形態を使用して、例えば細胞中の少なくとも2つの異なる酵素、基質及び/又は補助因子、或いはその少なくとも1つが透過処理細胞中、及び他の無処理の細胞、透過処理細胞、細胞溶解物又は細胞上清中で検出される、2つの異なる反応の少なくとも2つの異なる酵素、基質又は補助因子の活性、存在又は量を測定することができる。さらに反応混合物は、1つ又は複数の試験物質、例えば酵素阻害剤又は活性剤、及び/又は異なる濃度の阻害剤、活性剤、又は基質を含むことができる。場合によっては、アッセイは同種間アッセイとして利用され、例えば試料に混合物を加える前に、1つ又は複数の基質と他の成分を混合させる。追加的な試薬の移動なしで結果を読むことができる。
【0034】
第2のアッセイ型では、2つ以上の酵素介在反応をタンデムで実施する。同時又は異なる時間で、別の反応を実施することができる。反応混合物は、1つ又は複数の同じ又は異なる酵素、1つ又は複数の同じ又は異なる試験物質、例えば酵素阻害剤又は活性剤、及び/又は異なる濃度の阻害剤、活性剤、又は基質を含むことができる。一実施形態では、それぞれの反応混合物は、生成物に転換され得る少なくとも2つの基質を含み、この場合基質及び/又は対応する生成物、及び/又は酵素/基質対の1つの生成物と異なる酵素の間の反応の生成物は、異なる検出可能な特徴を有する。
【0035】
したがって本発明のアッセイは、試料、例えば真核生物細胞、例えば酵母、鳥類、植物、昆虫、又はヒト、サル、ネズミ、イヌ、ウシ、ウマ、ネコ、ヒツジ、ヤギ又はブタ細胞だけには限られないが、これらを含めた哺乳動物細胞、又は2つ以上の異なる生物由来の細胞を含む試料中の多数の酵素又は補助因子を含めた多数の部分を検出することができ、この場合少なくともプロテアソーム活性を透過処理細胞において検出し、他の分子の活性、存在又は量は非透過処理細胞、非透過処理細胞の上清、透過処理細胞、細胞溶解物又は細胞溶解物の分画において検出する。これらの細胞は組換え技法によって遺伝的に改変されなかった可能性があり(非組換え細胞)、或いは組換えDNAで一過的にトランスフェクトされている及び/又はそのゲノムが組換えDNAで安定的に増大している、或いはそのゲノムが修飾されて遺伝子が破壊されている、例えばプロモーター、イントロン又はオープンリーディングフレームが破壊されている、或いは1つのDNA断片が他のDNA断片に置換されている組換え細胞であってよい。組換えDNA又は置換DNA断片は検出される分子のレベル又は活性を変える部分、及び/又は分子のレベル又は活性を変える分子又は部分と無関係な遺伝子産物は、本発明の方法によって検出される分子をコードし得る。
【0036】
一実施形態では本発明は、細胞又は細胞溶解物の1つの等分試料中の1つ又は複数の酵素の、存在又は量を測定する方法に関する。一実施形態では、酵素の1つが、プロテアソームと関連するプロテアーゼなどのサイトゾル中で見られる内因性プロテアーゼ、及び場合によってはサイトゾル又は他の場所中で見られる他の酵素である。分泌プロテアーゼ及び細胞内サイトゾルプロテアーゼなどの、異なる細胞の場所に存在する酵素に関しては、各酵素の基質は無処理の細胞を含むウエルに加えることができる。分泌プロテアーゼの存在又は量はサイトゾルプロテアーゼを検出する前に検出することができ、これは細胞膜透過処理後に検出される。一実施形態では、サイトゾルプロテアーゼの非細胞透過基質及び分泌又は放出プロテアーゼの基質を、細胞を含む試料に加え、次いで細胞を透過処理する。分泌又は放出プロテアーゼの検出は、透過処理の前又は後であってよい。他の実施形態では、サイトゾルプロテアーゼ或いは分泌又は放出プロテアーゼの非細胞透過基質、及び細胞内酵素の細胞透過基質を、細胞を含む試料に加える。細胞内酵素及び分泌又は放出プロテアーゼの存在は、透過処理なしで検出することができる。一実施形態では、分泌又は放出タンパク質は蛍光、発光又は分光測光法を使用して検出される。
【0037】
本発明の方法を利用して、プロテアソーム活性以外に、組換え及び内因性(天然)酵素を含む酵素の任意の組合せから選択される任意の酵素又は任意の酵素セットを含めた、任意の部分を検出することができる。一実施形態では、検出する酵素の全てが内因性酵素である。他の実施形態では、検出する2つの酵素が内因性酵素であり、その1つはプロテアソームと関連し、もう1つの酵素は組換え酵素である。他の実施形態では、1つの酵素が、プロテアソームと関連する活性などの内因性酵素であり、他の酵素が組換え酵素である。当業者に明らかである他の組合せを、本明細書の教示に従う本発明のアッセイ及び方法において使用することができる。酵素にはプロテアーゼ、ホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、スルファターゼ、ペルオキシダーゼ、及びグリコシダーゼがあるが、これらだけには限られない。酵素は、触媒反応の性質に基づいて異なる群、ヒドロラーゼ、オキシドレダクターゼ、リアーゼ、トランスフェラーゼ、イソメラーゼ、リガーゼ、又はシンターゼだけには限られないがこれらを含む群に由来してよく、或いは酵素は、少なくとも1つの酵素が少なくとも1つの他の酵素に対して、部分的に重複するか或いは好ましくは実質的に異なる基質特異性を有する限り同じ群に由来してよい。特に興味深いのは、生理的意義を有する酵素のクラスである。これらの酵素には、タンパク質キナーゼ、ペプチダーゼ、エステラーゼ、タンパク質ホスファターゼ、イソメラーゼ、グリコシラーゼ、シンセターゼ、プロテアーゼ、デヒドロゲナーゼ、オキシダーゼ、レダクターゼ、メチラーゼなどがある。当該の酵素には、有機及び無機エステルの生成又は加水分解、グリコシル化、及びアミドの加水分解と関連する酵素がある。任意のクラスにおいて、キナーゼと同様にさらなる下位区分が存在する可能性があり、この場合キナーゼはペプチド及びタンパク質中のセリン、スレオニン及び/又はチロシン残基のリン酸化に特異的である可能性がある。したがって、酵素は例えば、環状ヌクレオチド制御型タンパク質キナーゼ、タンパク質キナーゼC、Ca2+/CaMによって制御されるキナーゼ、サイクリン依存性キナーゼ、ERK/MAPキナーゼ、及びタンパク質−チロシンキナーゼを含めた異なる機能群のキナーゼ由来のキナーゼであってよい。キナーゼは、ERKキナーゼ、S6キナーゼ、IRキナーゼ、P38キナーゼ、及びAbIキナーゼなどの、オリゴペプチド基質をリン酸化するのに有効なシグナル経路中のタンパク質キナーゼ酵素であってよい。これらに関して、基質はオリゴペプチド基質を含み得る。他の当該のキナーゼは、例えばSrcキナーゼ、JNK、MAPキナーゼ、サイクリン依存性キナーゼ、P53キナーゼ、血小板由来増殖因子受容体、上皮増殖因子受容体、及びMEKを含み得る。
【0038】
特に、本発明中で有用である酵素には、酵素活性を示す任意のタンパク質、例えば酸性ホスファターゼ、グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、ガラクトシダーゼ、カルボキシルエステラーゼ、及びルシフェラーゼを含めた、リパーゼ、ホスホリパーゼ、スルファターゼ、ウレアーゼ、ペプチダーゼ、プロテアーゼ及びエステラーゼがある。一実施形態では、酵素の1つが加水分解酵素である。他の実施形態では、酵素の少なくとも2つが加水分解酵素である。加水分解酵素の例には、アルカリ及び酸性ホスファターゼ、エステラーゼ、デカルボキシラーゼ、ホスホリパーゼD、P−キシロシダーゼ、β−D−フコシダーゼ、チオグルコシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、α−D−ガラクトシダーゼ、α−D−グルコシダーゼ、β−D−グルコシダーゼ、β−D−グルクロニダーゼ、α−D−マンノシダーゼ、β−D−マンノシダーゼ、β−D−フルクトフラノシダーゼ、及びβ−D−グルコシドウロナーゼがある。
【0039】
任意の特定の酵素介在反応の基質又は補助因子は、当業者に知られている。幾つかのプロテアーゼの代表的な切断部位を、表1中に述べる。
【0040】
【表1】


Xは1つ又は複数のアミノ酸である
【0041】
アルカリホスファターゼに関しては、基質はホスフェート含有ジオキセタン、3−(2’−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3’’−ホスホリルオキシ)フェニル−1,2−ジオキセタンなど、二ナトリウム塩、又は二ナトリウム3−(4−メトキシスピロ[1,2−ジオキセタン−3,2’(5’−クロロ)−トリシクロ−[3.3.1.13,7]デカン]−4−イル)フェニルリン酸、又は二ナトリウム2−クロロ−5−(4−メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2’(5’−クロロ)−トリシクロ{3.3.1.13,7}デカン}−4−イル}−1−フェニルリン酸又は二ナトリウム2−クロロ−5−(4−メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2’−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン}−4−イル)−1−フェニジルリン酸(それぞれAMPPD、CSPD、CDP−Star(登録商標)及びADP−Star(商標))を含むことが好ましい。
【0042】
β−ガラクトシダーゼに関しては、基質はガラクトシダーゼ切断又はガラクトピラノシド基を含むジオキセタンを含むことが好ましい。アッセイ中の発光は、ジオキセタン基質由来の糖部分の酵素による切断に原因がある。このような基質の例には、3−(2’−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3’’−β−D−ガラクトピラノシル)フェニル−1,2−ジオキセタン(AMPGD)、3−(4−メトキシスピロ[1,2−ジオキセタン−3,2’−(5’−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]−デカン]−4−イル−フェニル−β−D−ガラクトピラノシド(Galacton(登録商標))、5−クロロ−3−(メトキシスピロ[1,2−ジオキセタン−3,2’−(5’−クロロ)トリシクロ[3.3.13,7]−デカン−4−イル−フェニル−β−D−ガラクトピラノシド(Galacton−Plus(登録商標))、及び2−クロロ−5−(4−メトキシスピロ[1,2−ジオキセタン−3,2’−(5’−クロロ)−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−4−イル]フェニル−β−D−ガラクトピラノシド(Galacton−Star(登録商標))がある。
【0043】
β−グルクロニダーゼ及びβ−グルコシダーゼのアッセイでは、基質はβ−グルクロニダーゼ切断基を含むジオキセタン、グルクロニドなど、例えばナトリウム3−(4−メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2’−(5’−クロロ)−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン}−4−イル)フェニル−β−D−グルクロネート(Glucuron(商標))を含む。カルボキシルエステラーゼのアッセイでは、基質はジオキセタンと結合した適切なエステル基を含む。プロテアーゼ及びホスホリパーゼのアッセイでは、基質はジオキセタンと結合した適切な酵素切断基を含む。
【0044】
1ジオキセタン含有基質を含むアッセイに関しては、基質は場合によっては、置換又は非置換アダマンチル基、置換状態又は非置換状態及び酵素切断基であってよいY基を含む。好ましいジオキセタンの例には、前述のジオキセタン、例えばGalacton(登録商標)、Galacton−Plus(登録商標)、CDP−Star(登録商標)、Glucuron(商標)、AMPPD、Galacton−Star(登録商標)、及びADP−Star(商標)、並びに3−(4−メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2’−(5’−クロロ)−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン}−4−イル)フェニル−β−D−グルコピラノシド(Glucon(商標))、CSPD、二ナトリウム3−クロロ−5−(4−メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2’(5’−クロロ)−トリシクロ−[3.3.1.13,7]デカン}−4−イル)−1−フェニルリン酸(CDP)と呼ばれるジオキセタンがある。
【0045】
他の部分の基質、プロテアソームと関連しないプロテアーゼの基質などは、蛍光団などの光学分子、吸収性着色粒子又は色素、放射標識、適切な反応成分の存在下で検出可能な反応を触媒するのに有効である触媒部分などの酵素、他のサブユニット又は断片と結合すると機能的である酵素のサブユニット又は断片、又は後の反応、例えばその反応の生成物が検出可能である反応の基質だけには限られないが、これらを含めたレポーター分子で修飾することができる。
【0046】
したがって、プロテアソームと関連するプロテアーゼの基質と他の部分の基質の両方を、蛍光団で標識することができる。本明細書で使用する「蛍光団」は、一定波長範囲でエネルギーを吸収することができ、吸収範囲以外の波長範囲でエネルギーを放出することができる分子を含む。用語「励起波長」は、蛍光団がエネルギーを吸収する波長の範囲を指す。用語「発光波長」は、蛍光団がエネルギー又は蛍光物質を放出する波長の範囲を指す。
【0047】
蛍光物質の一群はキサンタン系色素であり、これはフルオレセイン、ローザミン及びローダミンを含む。これらの化合物は市販されており、結合部位又は結合官能基として使用することができるフェニル基が置換されている。例えば、アミノ及びイソチオシアネート置換フルオレセイン化合物が入手可能である。
【0048】
他群の蛍光化合物は、α又はβ位置、通常はα位置にアミノ基を有するナフチルアミンである。ナフチルアミノ化合物中に含まれるのは、1−ジメチルアミノナフチル−5−スルホン酸、1−アニリノ−8−ナフタレンスルホン酸及び2−p−トルイジニル−6−ナフタレンスルホン酸である。幾つかのナフタレン化合物は、タンパク質と幾らかの非特異的結合を有することが分かっており、したがってそれらの使用は、タンパク質の量が最小であるアッセイ培地の利用を必要とする。他の蛍光物質は、パイ電子との結合環系を有する窒素含有大員環を含む多座配位子である。これらの大員環は、架橋炭素又は窒素の置換を含めて、場合によっては置換されていてよい。適切な大員環には、ポルフィリン、アザポルフィリン、コリン、サフィリン及びポルフィセンの誘導体、及び広く非局在化する電子を含む他の同様の大員環がある。アザポルフィリン誘導体には、フタロシアニン、ベンゾトリアザポルフィリン及びナフタロシアニン及びこれらの誘導体がある。
【0049】
幾つかの場合、蛍光融合タンパク質、例えば緑色、赤色又は青色蛍光タンパク質、又はポリペプチド基質と融合した他の蛍光タンパク質を利用することができる。他の実施形態では、蛍光タンパク質自体が加水分解酵素の基質であってよい。「蛍光タンパク質」は、完全長蛍光タンパク質又はその蛍光断片である。
【0050】
本発明中で使用する化学蛍光団、並びにその励起波長及び発光波長の非制限的なリストは表2中に示す。励起及び発光の値はpH、バッファー系、又は溶媒などの反応条件に応じて変わり得る。
【0051】
【表2】

【0052】
一実施形態では、修飾が酵素の基質を含むアミノ修飾ルシフェリン又はそのカルボキシ保護誘導体を含む基質を使用して、酵素の1つを検出する。一実施形態では修飾は、プロテアーゼの認識部位を含む1つ又は複数のアミノ酸残基である。一実施形態では、その認識部位を有するペプチドは、ペプチド結合によってアミノルシフェリン又はそのカルボキシ修飾誘導体のアミノ基と共有結合する。一実施形態では、例えばアミノ末端保護基を使用して、アミノペプチダーゼによる分解を妨げるために、ペプチド又はタンパク質基質のN末端を修飾する。適切な酵素又は補助因子の不在下では、最少のアミノルシフェリンが存在するので、このような基質及びルシフェラーゼを含む混合物は最少の光を生成する。適切な酵素の存在下では、基質とアミノルシフェリンを結び付ける結合を酵素によって切断して、アミノルシフェリン、ルシフェラーゼの基質を生成することができる。したがってルシフェリンの存在下では、例えば、天然、組換え又は突然変異ルシフェラーゼ、並びに任意の補助因子及び適切な反応条件の存在下では、光が生成し、これは酵素の存在又は活性に比例する。
【0053】
一実施形態では、蛍光団を含む基質を使用して酵素の1つを検出する。一実施形態では基質は、プロテアーゼの認識部位を含む1つ又は複数のアミノ酸残基を含む。一実施形態では、基質は1つ又は複数の蛍光団と共有結合する。適切な酵素又は補助因子の不在下では、このような基質を含む混合物は発光波長で最少の光を生成する。何故なら蛍光団の蛍光性が例えば消光基の近辺で消失し、したがって基質−蛍光団複合体の性質が変化し、蛍光団単独と比較して複合体の改変された、例えば低下した蛍光性をもたらすからである。適切な酵素の存在下では、複合体の切断によって蛍光団が生成する。他の実施形態では、切断前は、複合体は蛍光性であるが、酵素による切断後は、生成物は改変されたスペクトルを有する。
【0054】
一実施形態では、少なくとも2つの反応に関する条件が適合している。例えば、少なくとも2つの酵素に関する条件、及び好ましくは3つ以上の酵素、例えば4つ以上の酵素に関する条件が適合している。一群の類似の酵素は一般に、pH及びイオン強度などの適合性のある反応条件を有するはずであるが、しかしながら、補助因子の要件、金属イオンの要件など、比較的低い質量濃度を有するアッセイ要素、例えば補助因子に関する要件は共通である必要はない。一般的条件は、他の酵素に加える成分から著しく干渉されずに、それぞれの酵素が反応の工程中に測定可能な率をもたらし、一般にそれぞれの酵素が特定基質のその最大代謝回転率の少なくとも約10%、通常少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約50%を有するような条件を含む。
【0055】
或いは、2つの反応の基質が存在する場合でも、1つの反応に関する条件が他の反応と適合しない可能性がある。このような実施形態では、1つの酵素は活性があるが、その基質とは反応することはできない。例えば、2つの反応に関する条件が適合しない一実施形態では、個々の酵素−アッセイ反応は連続的及び/又は別の反応混合物において実施する。酵素アッセイの後、反応混合物(又はその一部分)は、他の反応混合物と組み合わせることができる。それぞれ個々の反応混合物は、1つ又は複数の酵素及び1つ又は複数の基質を含み得る。その最も単純な形で、アッセイする一酵素及びその酵素の基質は、それぞれの反応混合物中に存在する。反応中で利用する基質の組は、一反応多重化アッセイにおいて必要とされるのと同じ一般的性質を有する。即ち、それぞれの基質及び/又は対応する生成物は独特の特徴を有しており、それらを互いに区別することができる。
【0056】
反応中の分子の検出の順序は変わる可能性がある。一実施形態では、反応を同時に開始させるか開始させないかとは無関係に、発光アッセイによって検出される分子を検出し、次いで非発光アッセイによって検出される分子を検出する。或いは、反応を同時に開始させるか開始させないかとは無関係に、非発光アッセイによって検出される分子を検出し、次いで発光アッセイによって検出される分子を検出する。他の実施形態では、2つ以上の分子の存在又は量をほぼ同時に検出する。一実施形態では、第2の分子の存在又は活性を検出する前に、例えば第1のシグナルが例えば少なくとも50%低下するまで待つことによって、或いは第1の反応用の消光物質を加えることによって、検出する一分子の存在又は活性が実質的に低下する。したがって幾つかの実施形態では、1つ又は複数の反応を、例えば検出前にその反応の酵素を阻害することによって停止させる。1つのアッセイによって生成するシグナルは、少なくとも1つの他のアッセイによって生成するシグナルの定量化に実質的に干渉しないことが好ましい。
【0057】
本発明のキット
本発明は、1つ又は複数のペプチド又はタンパク質、ペプチド又はタンパク質と結合する分子及び/又はこれらによって改変される分子、補助因子、無処理の細胞、細胞溶解物、例えば少なくとも部分的に精製された溶解物、及び/又は細胞上清を含めた試料などの試料中の核酸又は他の分子を含めた1つ又は複数の部分であって、少なくとも1つが透過処理細胞中で検出される部分の存在、量又は活性を検出するためのキットも提供する。このようなキットは、部分、例えば1つ又は複数のペプチド及び/又はタンパク質、ペプチド及び/又はタンパク質と結合する分子及び/又はそれによって改変される分子、補助因子、又は他の分子の少なくとも1つを定量化するための少なくとも1つの試薬を含み、例えば、少なくとも1つの酵素の基質及び細胞膜透過処理試薬、又は少なくとも1つの酵素の基質、細胞膜透過処理試薬、及び生命力、又は他の分子を検出するための試薬、例えばトリパンブルー、例えば核酸結合色素である。
【0058】
本明細書に記載するキット及び方法中で使用するための細胞膜透過処理試薬は、有効量で細胞中の細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さずに真核生物細胞を透過することができ、したがってプロテアソーム活性及び適切なプロテアーゼ基質の特異性を保つことができる試薬である。一実施形態では、細胞膜透過処理試薬はジギトニン、サポニン(Quillaja saponaria)、ストレプトリシンO、洗浄剤及び/又は界面活性剤から選択される。使用する個々の細胞膜透過処理試薬の量は、透過処理する細胞型、望ましい透過処理の速度、細胞数に関する直線性の程度、及び/又は試薬を加える培養培地に基づいて選択する。その量は様々な濃度の個々の細胞膜透過処理試薬を調製すること、及びそれぞれの濃度と選択した細胞を組み合わせること、及びラクタシスチン及び/又はエポキソマイシンなどの非常に特異的なプロテアソーム阻害剤で阻害することができる活性をアッセイすることによって決定することができる。ジギトニン又はサポニンを用いた透過処理に関する濃度範囲は、約10μg/ml〜約50μg/ml、例えば約20μg/ml〜約40μg/ml、及び約0.05%〜約0.1%の洗浄剤及び/又は界面活性剤濃度を含むが、これらだけには限られない。適切な細胞膜透過処理試薬の例には、ジギトニン、サポニン、Thesit(登録商標)、Tergitol(登録商標)TMN−6、Tergitol(登録商標)NP−9、Triton X−100及びNonIdet−40がある。プロテアソーム/ルシフェラーゼ反応と適合性がなかった洗浄剤又は界面活性剤の例には、SDS、CHAPS、TOMAH(登録商標)、Tween(登録商標)−20、Geropon(登録商標)T−77、BioTerge及びBrij−35がある。好ましい細胞膜透過処理試薬は、プロテアソーム及び/又はルシフェラーゼ活性に実質的に影響を与えない量で利用する。
【0059】
細胞ベースのアッセイにおいてプロテアソーム活性を検出するために、細胞透過試薬を使用することによって細胞に異なる透過処理を施す。例えば、低濃度の(Digitalis由来の)ジギトニン又はサポニン(Quillaja bark)によって、サイトゾルタンパク質からなる分画が生じる(Ramsbyら、1994)。原形質膜のコレステロール脂質とのジギトニン複合体は孔を形成し、サイトゾルタンパク質の放出を可能にする。低濃度のTriton X−100は、核の完全性を保ちながら膜及びオルガネラのタンパク質を豊富にする(Ramsbyら、1994)。Tween−40/デオキシコレートは細胞を溶かし、核の完全性を損ね、洗浄剤耐性サイトゾルとゆるく結合したタンパク質を放出させ、且つSDS又はCHAPSは細胞を溶かし、細胞骨格、不溶性核タンパク質及び他の疎水性タンパク質を抽出する(Ramsbyら、1994)。
【0060】
以下の非制限的な実施例によって本発明をさらに記載する。全ての実施例に関して、適切な対照反応が当業者によって容易に設計される。
【実施例】
【0061】
(実施例I)
プロテアーゼ保持及び放出細胞生命力多重化アッセイ
生存細胞及び死細胞のアッセイは、特定の化学的、生物学的又は物理学的処理に応答する細胞生命力の変化を調べるために広く使用されている。生命力と細胞毒性アッセイは一般に逆のものであり、異なるバイオマーカーを測定する。細胞毒性による細胞生命力の一般的変化を評価するための方法は、歴史的に外膜透過性の変化と関連づけられてきている。害された膜構造を検出する古典的方法には、トリパンブルー排除、核酸染色、及び乳酸デヒドロゲナーゼ放出がある(Rissら、2004;Myersら、1998)。細胞の機能又は増殖を評価するためのアッセイには、トリチウム化チミジンの取り込み、ATP含有量、テトラゾリウム色素変換又はフルオレセインジアセテートがある(Cookら、1989)。無処理の細胞膜は、大きな帯電分子又はペプチドを細胞外空間からサイトゾル中に進入させないと仮定する。逆に、損傷した膜は、色素又は化合物を細胞中に、或いは細胞成分を細胞外に自由に透過させる。この透過現象は、色素標識(「不可欠な」色素、DNA挿入剤又はエステラーゼ修飾フルオレセイン)とLDH放出アッセイの両方に基づくものである。
【0062】
細胞生命力を測定するための既存の技法は依然として有用でコスト効率が良い適用例であるが、これらの技法には高含有量、多重化又は高スループット形式においてそれらの有用性を制限する、幾つかの技術的又は実施上の欠点がある。例えば、LDH放出(CytoTox−ONE(商標))又は色素還元能力(CellTiter−B1ue(商標))による細胞膜完全性の現在の測定法は、共通のレサズリン基質及び重複するEx/Emスペクトルのために、一対(データを標準化するための手段)にすることができない。さらに、両方のアッセイで使用した着色レサズリン基質は、第2アッセイのシグナルウインドウ強度(及び感度)及び他の終点アッセイ測定を制限し(消色)、濃度及び形式は第2アッセイの試薬対用に最適化されていない(例えば体積が制限されている)。
【0063】
既存の生存/死細胞形式はカルボキシフルオレセイン及びエチジウムホモ二量体を使用し、後者は知られている強力な突然変異原である。その形式は、細胞培養培地の洗浄及び置換を必要とする。さらに、カルボキシフルオレセインは水溶液中で自発的加水分解を示し、DNAを染色するエチジウムホモ二量体の挿入は下流部門データの標準化に干渉する可能性がある。
【0064】
培養した哺乳動物細胞は、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、及びヌクレアーゼが豊富な環境を含む。例えば、4つの一般的なクラスのプロテアーゼ(アスパラギン酸、システイン、セリン、及び金属依存性)が示され、これらは恒常性維持の特異的機能と関連する。これらのサイトゾル、リソソーム及び膜貫通型結合プロテアーゼは、細胞内タンパク質分解、免疫原性ペプチドの生成、翻訳後修飾、及び細胞分裂と関連する(Tranら、2002、Constamら、1995、Vinitskyら、1997)。これらの酵素の活性は、特異的区画化を含めた様々なメカニズムによって制御される(Bondら、1987)。極度のストレス、環境的災難、又は拘束されたアポトーシスプログラムの進行に応答して、区画化及び膜完全性の対応した消失が観察される(Syntichakiら、2003、Haunstetterら、1998)。したがって、in vitro細胞モデルにおける細胞培養培地中への安定状態のタンパク質分解メディエーターの放出は、細胞死の考えられる代替を表す。逆に、保持されたタンパク質分解酵素の細胞酵素染色は、細胞の健康状態の表現型の観察結果と平行する。まとめると、このようなタンパク質分解活性は、細胞培養集団、例えば「生存/死亡」アッセイにおいて生存又は損傷細胞の相対数の確認を手助けすることができる。
【0065】
プロテアーゼベースの生存/死亡細胞アッセイに関して、一実施形態では、(死細胞の)一基質は、サイトゾルpH、例えば7.0〜7.2において安定状態で活性がありスペクトルが明確である読み取り値(R/O)を有する標識を有する、比較的多量の、活性がある保存プロテアーゼの基質である。その基質の切断の動態はLDH放出と平行し、活性条件は毒性又は膜改変物質、例えば塩又はチオールを含まず、迅速なアッセイ時間をもたらすことが好ましい。(生存細胞の)他の基質は、比較的多量の保存プロテアーゼの基質であり、生存細胞に関して細胞透過性であり、プロテアーゼは生存細胞のサイトゾル環境中では活性があるが、細胞外環境では不安定である。その基質はスペクトルが明確であるR/Oを有する標識を有しており、迅速なアッセイ時間をもたらすように切断反応が進行する。非破壊アッセイにおいて2つの基質を使用することによって、望ましくない増殖事象を検出することができ、異なるスペクトルで相補的且つ別個の代替を使用するため、誤った結論を減らすことができ、細胞凝集による誤り又はピペッティングの誤りを減らすことができる。何故なら生命力と細胞毒性の比は、そのウエル中の細胞数の変動とは無関係だからである。
【0066】
A.AMC又はR110蛍光又はアミノルシフェリン発光レポーターを用いるプロテアーゼ放出アッセイ形式
HL−60細胞を2倍に連続希釈し、次いでTriton Xを加えることによって0.2%の最終濃度まで溶かし、或いは賦形剤を加えることによって維持した。100mMの酢酸ナトリウム溶液、pH4.5に溶かした10分の1体積の200μMのAla−Ala−Phe−AMC基質を溶解物又は細胞に加え、さらに1時間37℃でインキュベートした。溶解又は生存細胞と関係があった蛍光を、次いでCytoFluorIIを使用してEx.360Em.460で測定した。
【0067】
活発に倍加していたジャーカット細胞をトリパンブルー排除によって計数すると、95%を超えて生存していたことが分かった。細胞はRPMI1640+10%FBS中に1ml当たり100,000個の細胞に調節し、2つの等分試料に分けた。1つの等分試料は、3×5秒間のパルスで30%の動力において、マイクロチップを備えるMisonix3000を使用して超音波処理した。他方の分画は、超音波処理手順中37℃の水浴中でインキュベートした(合計約5分間)。次いで細胞懸濁液と溶解物分画を、0〜100%の生命力を表す比に混合することによって様々な生命力の細胞に配合した。配合した細胞試料は、次いで白壁透明底の96ウエルプレート(Costar)に100μl体積で加えた。(Ala−Ala−Phe)−R110はRPMI−1640中に1000μMに希釈し、10分の1体積でプレートに加えた。CytoFluorIIを使用してEx.485Em.530で蛍光を測定する前に、プレートを30分間インキュベートした。
【0068】
活発に倍加していたジャーカット細胞をトリパンブルー排除によって計数すると、95%を超えて生存していたことが分かった。細胞はRPMI1640+10%FBS中に1ml当たり100,000個の細胞に調節し、2つの等分試料に分けた。1つの等分試料は、3×5秒間のパルスで30%の動力において、マイクロチップを備えるMisonix3000を使用して超音波処理した。他方の分画は、超音波処理手順中37℃の水浴中でインキュベートした(合計約5分間)。次いで細胞懸濁液と溶解物分画を、0〜100%の生命力を表す比に混合することによって様々な生命力の細胞に配合した。配合した細胞試料は、次いで白壁透明底の96ウエルプレート(Costar)に100μl体積で加えた。発光プロテアーゼ放出アッセイ試薬は、ルシフェリン検出試薬の塊(PromegaV859A)を10mlの10mMHepes、pH7.5で再水和し、その試薬にAla−Ala−Phe−アミノルシフェリンを100μMの最終濃度まで補うことによって調製した。100μlの発光プロテアーゼ放出アッセイ試薬をプレートのウエルに加え、BMG FLUOstar Optimaを使用する動態形式で発光を測定した。
【0069】
AMC蛍光形式の実際の感度は約240細胞と計算し、CytoTox−ONE(商標)に匹敵する感度値であった。R110形式のアッセイは同様に感度が良く、多重化用途のさらに他の蛍光団をもたらした。特に、下流部門の多重化用途におけるCytoTox−ONE(商標)又は他のレサズリン系アッセイの使用の重大な障害である蛍光の消滅なしで、これらのアッセイから感度を得た。この発光形式の正確な直線性及び範囲は、9800の生存細胞集団においてわずか200細胞の統計的検出を可能にした。非溶解性発光形式は、細胞毒性検出用の他の代替を与える。
【0070】
B.異なる酵素標的を用いるプロテアーゼ放出アッセイ形式
活発に倍加していたHL−60細胞を1ml当たり100,000個の細胞に調節し、2つの等分試料に分けた。1つの等分試料は、3×5秒間のパルスで30%の動力において、マイクロチップを備えるMisonix3000を使用して超音波処理した。他の等分試料は37℃に保った。次いで細胞懸濁液と溶解物を、RPMI1640+10%FBS中100μl体積に2倍に連続希釈した。培地は無細胞対照としてのみ働いた。ルシフェリン検出試薬の塊(PromegaV859A)は、2.0mlの10mMHepes、pH7.5で再懸濁させた。次いでルシフェリン検出試薬を分離して、Z−Leu−Leu−Val−Tyr−アミノルシフェリン又はAla−Ala−Phe−アミノルシフェリンのいずれかを用いて1mMにした。各試薬を別個の反復実験のプレートに10分の1体積で加え、BMG FLUOstar Optimaを使用する発光測定前に、Me’Courサーマルジャケット付き水浴ホルダー中で37℃において15分間インキュベートした。
【0071】
Z−LLVY−アミノルシフェリン(配列番号1)アッセイは、AAF−アミノルシフェリン配列ほど最適には働かなかったが、他のプロテアーゼを完全性が損なわれた代替として使用することができることは実証された。この場合、LLVY(配列番号1)の活性は、プロテアソームのキモトリプシン活性に原因がある可能性がある。
【0072】
C.プロテアーゼ放出の時間行程
透明底白壁の96ウエルプレート(Costar)中で5%CO37℃において7時間の時間行程で、HL−60細胞(25,000/ウエル)を10μMのスタウロスポリンで処理し、或いはDMSO賦形剤対照と競合させた。200μMのAla−Ala−Phe−AMC基質溶液を、100mMの酢酸ナトリウム溶液、pH4.5中に作製した。10μl体積の基質(10分1体積の試料)をウエルに加え、さらに1時間インキュベートした。「プロテアーゼ放出」活性は、CytoFluorIIにおいてEx.360Em.460で測定した。平行した組のウエル中では、CytoTox−ONE(商標)試薬が膜完全性アッセイの対照として働いた。Ex.560Em.580での蛍光の測定前に、この試薬を10分間加えた。
【0073】
細胞透過の動態、即ちLDH及びプロテアーゼ放出は互いを反映し、細胞集団中の二次的な壊死の形態観察と一致した。酸性酢酸ナトリウム配合物(試料中の最終pH約6.5)中でアミノペプチダーゼ基質の提示を実施して、考えられるリソソームプロテアーゼ活性を適応させた。
【0074】
D.プロテアーゼ放出活性のpH要件
プロテアーゼ放出活性のpH要件を、pH2.5、3.5、及び4.5に調節した100mMの酢酸ナトリウムを使用して調べ、非調節培養培地(水媒体)と比較した。Ala−Ala−Phe−AMCはこれらのバッファーに200μMまで加えた。10分1体積の溶液をプレートに加え、回転攪拌によって軽く混合した。プレートは37℃で40分間インキュベートし、次いでCytoFluorIIを使用してEx.360Em.460で蛍光を測定した。
【0075】
10分1体積の酢酸ナトリウム、pH4.5を加えることによって、培養培地が約6.5の最終pHに低下した。最終pHの他の低pH溶液/培地の組合せは試験しなかったが、前の実験は、10分1体積のpH2.5の酢酸ナトリウムを加えることによって、細胞培地のpHが約5.5に低下したことを示唆した。非pH調節媒体が、プロテアーゼ放出活性に最も好ましいことが証明されたことが分かった。この活性はサイトゾルアミノペプチダーゼと一致し、おそらくリソソームプロテアーゼ(カテプシンなど)とは一致しない。プロテアーゼ放出活性を測定するのに有害又はおそらく細胞毒性である付属物は必要とされないので、このことは有意である。これはインキュベーション時間枠のさらなる柔軟性を与え、考えられる発光ベースのアッセイにより影響を受けやすい。
【0076】
E.プロテアーゼ放出酵素亜細胞レベルの位置
HL−60細胞は1ml当たり100,000個の細胞に調節し、2つの等分試料に分けた。1つの等分試料は、3×5秒間のパルスで30%の動力において、マイクロチップを備えるMisonix3000を使用して超音波処理した。(形態によって確認した)この溶解物100μlを透明底の96ウエルプレートの多数のウエルに加え、RPMI1640及び10%FBS中に2倍に連続希釈した。同様に、100μlの非超音波処理細胞の懸濁液を加え、プレートの多数のウエルに連続希釈した。それぞれ0.2%及び30μg/mlの最終濃度にウエルを分離するために、NP−9及びジギトニンを加えた。未処理対照は、生命力のある細胞及び調節した体積の水媒体からなっていた。ルシフェリン検出試薬の塊(PromegaV859A)を2mlの10mMHepes、pH7.5で再水和し、Ala−Ala−Phe−アミノルシフェリン(Promega)で500μMにした。20μlのこの発光前プロテアーゼ放出溶液を全てのウエルに加え、BMG FLUOstar Optimaを使用して15分間37℃でインキュベートした後に発光を測定した。
【0077】
NP−9、及び前述のパラメーター及び濃度を用いた超音波処理は、(カテプシン放出により測定して)外膜だけでなく、リソソーム含有物も破壊することが知られている。ジギトニンによる選択的破壊はトリパンブルー染色を可能にするが、リソソーム破裂の証拠は存在しない。したがって、超音波処理又は差別的な界面活性剤による溶解の間の活性は同様であったので、且つpHの最適条件を一緒に考えて、プロテアーゼ放出アッセイにおいて測定したプロテアーゼは、おそらくサイトゾル及び無処理のオルガネラの外側に存在すると推測することができた。
【0078】
F.プロテアーゼ放出又は保持、酵素の基質選択性
Ala−Ala−Phe−AMCはPromegaから入手した。Z−Leu−Leu−Val−Tyr−アミノルシフェリン(配列番号1)、Z−Leu−Arg−アミノルシフェリン、Z−Phe−Arg−アミノルシフェリン、Ala−Ala−Phe−アミノルシフェリン、(Ala−Ala−Phe)−R110((Ala−Ala−Phe);配列番号12)、及び(Gly−Phe)−R110(Gly−Phe);配列番号13)は、Promega Biosciencesによって合成された。Suc−Ala−Ala−Phe−AMC、H−Phe−AMC、HTyr−AMC、グルチル−Ala−Ala−Phe−AMC(グルチル−Ala−Ala−Phe;配列番号14)、H−Gly−Phe−AMC、Z−Gly−Ala−Met−AMC、Suc−Leu−Leu−Val−Tyr−AMC(配列番号1)、D−Ala−Leu−Lys−AMC、H−Gly−Ala−AMC、H−Gly−Gly−AMC、Suc−Ala−Ala−Phe−AMC、Z−Arg−Leu−Arg−Gly−Gly−AMC(Arg−Leu−Arg−Gly−Gly;配列番号15)、Z−Leu−Arg−Gly−Gly−AMC(Leu−Arg−Gly−Gly;配列番号16)及びAc−Ala−Ala−Tyr−AMCは、Bachemから供給された。Gly−Phe−AFC、Pro−Phe−Arg−AMC、Gly−Gly−Leu−AMC、及びSer−Tyr−AFCはCalbiochemから入手した。Z−Phe−Arg−AMC及びSuc−Arg−Pro−Phe−His−Leu−Leu−Val−Tyr−AMC(Arg−Pro−Phe−His−Leu−Leu−Val−Tyr;配列番号17)はSigmaから購入した。
【0079】
全ての基質を、固有の溶解性に応じて10〜100mMでDMSOに溶かした。蛍光基質は10mMのHepes、pH7.5又は10%血清を含む調節した細胞培養培地中に100μM〜1mMで希釈し、白壁透明底の96ウエルプレート中の溶解(凍結割断、超音波処理、又は界面活性剤)又は未処理の生命力のある細胞に10分の1体積で加えた。HL−60又はジャーカット細胞を、その容易に操作可能な懸濁培養中の表現型のため実験中交換して使用した。CytoFluorIIによって蛍光を測定する前に、プレートは37℃で15〜30分間インキュベートした。
【0080】
発光基質をルシフェリン検出試薬の塊(PromegaV859A)に加え、2mlの10mMHepes、pH7.5に500μMまで再懸濁した。5分1体積の発光前反応混合物を、白壁透明底の96ウエルプレート中の溶解(凍結割断、超音波処理、又は界面活性剤)又は未処理の生命力のある細胞に加えた。再度、HL−60又はジャーカット細胞を実験中交換して使用した。Caron2050W交換ユニットによって制御されるMeCourの循環熱ブロックにおいて、37℃でプレートをインキュベートした。発光は15分と30分の間(シグナル定常状態)で測定した。
【0081】
広く様々なタンパク質分解性基質を、傷害状態又は生命力のある細胞中のプロテアーゼ放出又は保持に関する考えられる基質優先性を特徴付けるための作業において調べた(表3参照)。アミノ末端阻害基質(Z、Suc−、又はAc−)を選択して、エンド又はエクソペプチダーゼ活性が優性であったかどうかを示した。非阻害基質(H−など)を調べて、アミノペプチダーゼ活性の貢献を含めて考えた。この表から、少なくとも3つのタンパク質分解プロファイル:非阻害Ala−Ala−Pheトリペプチドを好むアミノペプチダーゼ様活性、阻害Leu−Leu−Val−Tyr(配列番号1)ペプチドの放出によって測定したプロテオソーム(キモトリプシン様)活性、及びGly−Phe、Gly−Ala、Phe−、Tyr−又はGly−Gly−Leu基質による非常に不安定な活性が明らかになった。後者の活性は、生命力のある無処理の細胞中でのみ測定可能であった。さらに重要なのは、幾つかの蛍光団又は発光前標識を使用してこれらの活性を検出することができ、最終的に増大した下流部門の多重化の柔軟性を与えることができることである。
【表3】

【0082】
G.多重化プロテアーゼ放出及び保持アッセイ
1.ジャーカット細胞の用量応答性
活発に倍加していたジャーカット細胞を、50μl体積中に20,000細胞/1ウエルの細胞密度で96ウエルプレートに接種した。RPMI1640に希釈したアポトーシス誘導リガンド、rTRAILの連続希釈液を、他の50μl体積中に250ng〜244pg/mlの最終濃度で各ウエルに加えた。RPMIは非誘導対照としてのみ働いた。プレートは4時間の間5%CO中で37℃においてインキュベートした。Gly−Phe−AFC及びAla−Ala−Phe−AMCは同時にRPMI中に1mMに希釈し、10分の1体積でプレートに加え、37℃においてさらに30分間インキュベートした。生成した蛍光は、CytoFluorIIを使用してEx360Em460及びEx405Em530で測定した。蛍光測定を終えた後、CellTiter−Glo(登録商標)を等しい添加でウエルに加え、BMG FLUOstar Optimaを使用して発光を測定した。
【0083】
細胞健康状態の2つの別個の非破壊的代替(プロテアーゼ放出及び保持)を多重化させて、マイクロタイタープレート形式で集団の生命力を調べた(参照として本明細書に組み込まれる、PCT/US2005/002158を参照)。生成するデータは、その細胞集団の健康状態の逆の指標である。この関係は対照の使用を可能にし、一定レベルの標準化をもたらす。さらに、生命力の第3の指標(ATP含有量)を干渉又は消光なしで連続多重化形式に加えて、データの解釈においてさらなる信頼性を与えることができる。
【0084】
2.SK−MEL−28及びACHN細胞
SK−MBL−28又はACHN細胞を100μl体積中に10,000細胞/1ウエルの細胞密度で白壁透明底の96ウエルプレート中に接種し、2時間の間5%CO中で37℃において接着させた。接着後、50μlの培地を注意深く除去し、MEM+10%FBSにイオノマイシン又はスタウロスポリンのいずれかを希釈した連続希釈液と交換した。培地は対照としてのみ働いた。プレートはさらに5時間インキュベートした。Gly−Phe−AFCの1mM溶液をMEM中に作製し、10分の1体積でウエルに加えた。生成した蛍光は、CytoFluorIIを使用して測定した。カスパーゼ−Glo(商標)3/7試薬を次いで加え、BMG FLUOstar Optimaを使用して発光を測定した。
【0085】
プロテアーゼ保持基質はウエル中で一般的な生命力を示し、一方カスパーゼ特異的試薬は特異的経路の細胞毒性を示した。この点において、カスパーゼ活性化(及びしたがってアポトーシス誘導)はSK−MEL−28においてスタウロスポリンを用いて明らかであり、一方イオノマイシンは壊死型プロファイルと似ている。アポトーシスのプロファイルも、スタウロスポリンで処理したACHNに関して観察する。
【0086】
3.HeLa細胞及びタモキシフェン処理
HeLa細胞を100μl体積中に10,000細胞/1ウエルの細胞密度で白壁透明底の96ウエルプレート中に接種し、2時間の間5%CO中で37℃において接着させた。接着後、50μlの培地を露出時間の24、7、5、3、1及び0時間で注意深く除去し、MEM+10%FBSに溶かした50μMのタモキシフェンと交換した。培地は対照としてのみ働いた。プロテアーゼ保持及び放出試薬は、ルシフェリン検出試薬の塊を2mlの10mMHepes、pH7.5で再水和することによって調製した。次いでこの溶液を、Ala−Ala−Phe−アミノルシフェリンとGly−Phe−AFCの両方を用いて500μMにした。5分1体積の溶液を全てのウエルに加え、Me’Courサーモユニット中で37℃において15分間インキュベートした。発光はBMG FLUOstar Optimaによって測定し、蛍光はCytoFluorIIを使用して測定した。
【0087】
この実施例は、混合型形式(蛍光と発光)が、設計したプロテアーゼ保持及び放出アッセイにおいて可能であることを実証する。これらの試薬が非溶解性であり明らかに非毒性であることは注目に値し、Apo−ONE(商標)アッセイによるカスパーゼ−3/7検出などのスペクトルによって明確である他の下流部門用途に、これらの試薬を施しやすいことを示唆する。
【0088】
4.DNA染色を用いた生存/死亡細胞のプロテアーゼアッセイの使用
HeLa又はHepG2細胞を100μl体積中に10,000細胞/1ウエルの細胞密度で白壁透明底の96ウエルプレート中に接種し、2時間の間5%CO中で37℃において接着させた。接着後、50μlの培地を注意深く除去し、MEM+10%FBSにタモキシフェン又はイオノマイシンのいずれかを希釈した連続希釈液と交換した。培地は対照としてのみ働いた。これらの化合物と共にインキュベーションをさらに5時間続けた。プロテアーゼ保持及び放出試薬は、ルシフェリン検出試薬の塊(PromegaV859A)を2mlの10mMHepes、pH7.5で再水和することによって調製した。次いでこの溶液を、Ala−Ala−Phe−アミノルシフェリンとGly−Phe−AFCの両方を用いて500μMにした。5分1体積の溶液を全てのウエルに加え、Me’Courサーモユニット中で37℃において15分間インキュベートした。発光はBMG FLUOstar Optimaによって測定し、蛍光はCytoFluorIIを使用して測定した。次に、残存していた生命力のある細胞を0.4%のNP−9洗浄剤を加えることによって溶かした。回転式攪拌機によって軽く混合した後、MEMにPicoGreen(登録商標)(Molecular Probes)を希釈した1:20希釈液を、さらに10分の1体積で加えた。DNA/色素結合と関係があった蛍光は、CytoFluorIIを使用してEx.485Em.530で測定した。
【0089】
この実験は、スクリーニング向きの2つの他の接着細胞型に対するプロテアーゼに基づく生命力の試験の有用性を広げるだけでなく、DNA染色によって「全体の」測定値を得る。スペクトルの違い及び混合形式の読み出しのため、全ての測定値は非干渉性で非消光性である。
【0090】
考察
薬剤発見と基礎研究の尽力の両方が、一層精巧な細胞モデル系を利用し続けている。実験操作後のこれらのin vitro系における、細胞数及び生命力を測定するための絶対的必要性は十分理解されている。この要件は測定の有効性を検証し、複雑な生物系の文脈内でこれらの応答を標準化するのに必要である。
【0091】
残念ながら、細胞の生命力及び細胞毒性を定義するための現在の化学は、生物研究の新たな方法及び技法に追いついておらず、したがって限られた実験オプションを有する。例えば、アッセイ多重化、即ち同一ウエルにおける組合せアッセイの出現によって、アッセイ性能を著しく低下させない適合性がありスペクトルで区別するアッセイの組合せに関する要件が必要とされてきている。細胞健康状態の一般的な相補的な測定法と、カスパーゼ活性化又はレポーター遺伝子の調節などのより特異的な事象を結び付ける点において、この義務は特に重要である。
【0092】
細胞の生命力及び/又は細胞毒性レポーターを測定するための前述の方法は、多くの下流部門のアッセイ用途と適合性がある。これは分岐励起及び発光スペクトルを有する別個の蛍光団によって、或いは発光などの他のレポーター形式を組み込むことによって実施する。終点測定のアッセイウインドウの柔軟性を与える非溶解性でおそらく非毒性である環境中で、これを実施することは注目に値する。さらに、この技術はスループット、小型化及び自動化を適応させるほど充分感度が良くコスト効率が良い。様々なアッセイによって与えられる利点の比較は表4中に与える。
【0093】
【表4】

【0094】
結論として今日まで、哺乳動物プロテアーゼの試験における公開済みの尽力のバランスは、主に容易に精製、分泌、或いは分泌精製されるプロテアーゼを中心に考えられている。これらの試験から与えられる情報はタンパク質分解機構、構造及び機能の見識を与えているが、プロテオミクスの予想から推測されている以外の他のプロテアーゼに関しては、ほとんど知られていない。
【0095】
ますます多くの証拠が、幾つかのサイトゾルプロテアーゼは、細胞恒常性の機構と関連することを示唆している。プロテアソームはサイトゾルペプチドの遊離と明らかに関係があるが、幾つかの発見は、他の保存的サイトゾルプロテアーゼの役割を示唆している(Vititskyら、1997;Constamら、1995)。
【0096】
本明細書に記載する、個々のプロテアーゼアッセイ及びプロテアーゼベースの生存/死亡細胞のアッセイは、スペクトルの違いのため多重化に関して一層柔軟であり、アッセイの相補性又は他の終点アッセイの組合せ、例えばAMC、AFC、R110、クレシルバイオレット又は発光、色素による消光なし、体積制限なし、逆方向工学処理なしのアッセイの化学的性質、短いインキュベーション時間、同様又はより良い実用感度(スクリーニング環境中の細胞生命力の変化の割合)、下流部門のDNA結合による干渉がないアッセイ、及び洗浄又は遠心分離の必要がないアッセイ、例えば同種間アッセイをもたらす。さらに、プロテアーゼの基質は比較的単純であってよく、例えばジ又はトリペプチドは、よく知られている化学法によって蛍光又は発光基質と結合させ、非毒性及び/又は非突然変異誘発性、安定性基質を様々な形式で、例えばDMSO中又は乾燥中で与えることができる。
【0097】
(実施例II)
プロテアソーム活性の細胞ベースのアッセイ
材料及び方法
プレート調製
NCI−H226細胞(ATCC番号CRL−5826)を、RPMI1640(Sigma番号R−8005)及び10%ウシ胎児血清(Hyclone番号SH30070)を使用して付着線として保ち、必要に応じて継代した。ジャーカット細胞、HL−60及びU937懸濁細胞系も同様に保ち、継代した。細胞ベースのプロテアソームアッセイ用の細胞を調製するために、接着細胞は培地を除去し、D−PBSでフラスコを洗浄することによって親フラスコから採取し、37℃で3〜4分間トリプシン−EDTA(SigmaT−4040)と共にインキュベートした。トリプシン反応は血清を含む完全培地を加えることによって停止させ、次いで細胞は200×Gで4分間遠心分離にかけた。細胞ペレットは新たな培地に懸濁させ、トリパンブルー排除によって細胞を計数し、1.11×10個細胞/mlに調節した。96ウエルの透明底/白壁プレート(Costar番号3610)を入手し、90μl/ウエルの細胞懸濁液又は培地のみを分注した。接着細胞に関して一晩37℃において、加湿した5%COインキュベーター中でプレートを培養した。懸濁細胞は薬剤処理前に約1.5時間平衡状態にした。
【0098】
薬剤添加
ラクタシスチン(Calbiochem番号03−34−0051)を水中に5mMに最初に懸濁させ、これを使用して細胞に加えるための濃縮希釈液を調製した。ラクタシスチンの10×濃縮希釈液を、10μl/ウエルの添加後の最終濃度が0〜25μMの範囲になるように培養培地に調製した。連続希釈液を調製して、一連の中間希釈液を得た。他の阻害剤、カルペプチン及びAdaAhxVS(アダマンタン−アセチル−(6−アミノヘキサノイル)−(ロイシニル)−ビニル−(メチル)−スルホン)などのストックを、同様に調製し希釈した。細胞ベースの阻害用に、薬剤をウエルに加え(10μl/ウエル)、次いでプレートを、プレート攪拌機において60秒間攪拌することによって軽く混合させた。プレートを37℃のインキュベーターに1.5時間戻して、薬剤を細胞に進入させた。
【0099】
2×試薬の調製
試薬は以下のように調製した:ルシフェリン検出試薬(Pramega番号V859A)を
100mMのHEPES(pH7.6、KOHを使用して調節)(SigmaH4034)
1mMのEDTA(Sigma)
60mMのMgSO(Fisher Scientific番号M63−500)
40μg/mlのジギトニン(SigmaD−141)で懸濁させた。
【0100】
ルシフェリン検出試薬(LDR)は、還元したとき以下のものを含む:
0.6%のPrionex(Pentaphama、Basel、スイス)
0.4mMのATP
100μg/mlの組換えルシフェラーゼ(Promega E140X)
2U/mlの無機ピロリン酸
【0101】
例えば、V859A(ルシフェリン検出試薬)の1つのバイアルを10mlのバッファーで懸濁させ、それに50〜100μの基質を加え、100μlの細胞を100μlの基質含有試薬と組み合わせる。アミノルシフェリン系基質用に、プレインキュベーションステップを使用することができる。例えば、40μM又は80μMのSuc−LLVY−アミノルシフェリン(Promega;配列番号1)プロテアーゼ基質を還元LDRに加えて、30分間22℃でインキュベートした。このプレインキュベーションは基質中に存在する遊離アミノルシフェリンを枯渇させ、これによって考えられるバックグラウンド発光を低下させる。
【0102】
細胞への添加
様々な濃度のラクタシスチン又は他の阻害剤で1〜2時間、例えば1.5時間処理した細胞を含む細胞培養プレートをインキュベーターから除去し、30分間22℃で平衡状態にして、均一に中身を平衡状態にした。等しい体積(100μl/ウエル)の試薬を各ウエルに加え、1分間回転式プレート攪拌機を使用してプレートを混合した。次いでアッセイプレートは、水浴を使用して22℃に保った。発光読み取りのために、発光はDYNEX@MLX照度計を使用して経時的に測定し、プレートはそれぞれの読み取り後に22℃の水浴に戻して、一定温度を保った。
【0103】
結果
発光基質を使用して、プロテアソームのキモトリプシン様(LLVY;配列番号1)、トリプシン様(LRR)及びカスパーゼ様(nLPnLD;配列番号2)活性を、これらの活性に対して影響がある様々な量の細胞透過性プロテアソーム阻害剤(AdaAhxVS;図1)を用いた処理後に検出した。細胞は1.5時間培養して、阻害剤を細胞に進入させ、プロテアソームと結合させた。短時間のインキュベーション(1〜2時間)は細胞に対して毒性はなかったが、長時間のインキュベーション時間はアポトーシスを誘導したことが分かった。
【0104】
基質をジギトニンと共に、甲虫ルシフェラーゼ介在反応の反応混合物に加えた。ジギトニンの濃度は、原形質膜を選択的に透過し、一群のプロテアーゼを放出するはずである他のオルガネラ、特にリソソームを害さずにサイトゾル分子へのアクセスを可能にするように選択した。選択的透過は培地除去後に無血清条件下で典型的には行い、ジギトニンによる血清干渉を最小にするが、以下に記載するように、血清含有培地中で選択的透過を実施することもできる。さらに、ジギトニン抽出の有効性はEDTAによって改善され、これは他のプロテアーゼ、特にカルパインの活性を最小にするのを助ける可能性もある(図12参照)。これらの結果は、LLVY(配列番号1)基質は広い動的範囲を有していたことを示す。
【0105】
ラクタシスチンは、哺乳動物プロテアソームサブユニットX(MB1)の高度に保存されたアミノ末端スレオニンと共有結合し、それを修飾するStreptomycesの代謝産物である(Mellgren、1997;Fenteanyら、1995)。精製カルパインIに対するラクタシスチンの影響は、図2A中に示す。これらの結果は、ラクタシスチンはカルパインIに対して最小の影響があり、カルシウムを活性化することを必要とすることを示す。HL−60細胞におけるプロテアソーム活性に対するカルパインIの阻害剤、カルペプチンの影響は図2B中に示す。カルペプチンは、ラクタシスチンと対照的に、1.5時間の処理後にプロテアソーム活性に対して最小の影響があった。(カルパインIの活性を助長するための)DTTの封入によって、20μMでプロテアソームの不完全な阻害をもたらした。
【0106】
AdaAhxVS処理後のジャーカット細胞中のLLVY(配列番号1)活性は、図3中に示す。AdaAhxVSは3つ全ての活性を阻害したが、しかしながら、示された唯一の結果はLLVY(配列番号1)活性に関するものだけである。
【0107】
それぞれアミノルシフェリン−LLVY(配列番号1)基質及びLLVY−AMC(配列番号1)基質を用いた、発光及び蛍光アッセイ(図4A〜B)は、最大発光感度に約10〜15分で達し、その後シグナルは低下したが、一方で蛍光感度は1〜3時間までの間増大したことを示した。
【0108】
LLVY(配列番号1)活性に関する発光アッセイの直線性及び動態を測定した(図5A〜C)。試験した条件下で、細胞数に関して全時間地点でアッセイは直線的ではなかったが、プロテアソームアッセイ条件を、アッセイ混合物中のMg及び/又は基質濃度を増大させることによって改善して、プロテアソームを安定化させる、活性を増大させる、且つ/或いは長時間の発光又は「白熱光」をアッセイに与えることができる。
【0109】
図6A〜Bは、U937(A)及びHL−60(B)細胞中でのラクタシスチンによる経時的な発光の阻害を示す。類似したIC50値を広い枠で得た。
【0110】
図7A〜Bは、10%ウシ胎児血清(FBS)及び15〜30μg/mlのジギトニンを含む培地におけるラクタシスチンで処理した同じプレートの多数の読み取り値を示す。細胞が5%又は10%ウシ胎児血清のいずれか中に存在したとき、様々な低濃度でジギトニンは細胞を透過し、ほぼ全体のプロテアーゼ活性がラクタシスチンによって阻害され続けた。
【0111】
ジギトニンの存在下又は不在下での(0及び20μg/mlのジギトニン)様々な濃度のラクタシスチンで処理したHL−60細胞又はU937細胞中での、プロテアソームキモトリプシン活性の比較を図8A〜B中に示す。試験したラクタシスチンの濃度において、(ATPアッセイ、CellTiterGlo(登録商標)、Promega Corp.、Madison、WIにより測定して)薬剤処理によって細胞を殺傷することはなかった。
【0112】
発光プロテアソーム基質及び蛍光(R110)カスパーゼ−3基質を使用した多重化アッセイの結果は、図9中に示す。細胞はラクタシスチンで長時間処理して、カスパーゼ活性を誘導した。グラフは、発光プロテアソーム基質を含む試薬中に存在する蛍光カスパーゼ基質ありとなしで、類似したプロテアソーム阻害曲線を得たことを示し、プロテアソーム活性とアポトーシス活性の両方を測定することができることを示す。
【0113】
細胞ベースのアッセイ中のプロテアソーム活性を検出するのに適した、他の透過剤をスクリーニングした(図10A〜C)。低濃度の様々な界面活性剤(0.05及び0.1%の最終濃度)を含む試薬を調製した。完全培地中に25,000個のHL−60細胞を含む100μl/ウエルの試料を96ウエルプレートに加え、37℃で平衡状態にした。プレート及び試薬は22℃に冷却し、等しい体積の試薬をそれぞれの試料に加えた。プレートは1分間攪拌し、次いで22℃でインキュベートした。次いで発光を経時的に測定した。SDS、CHAPS、TOMAH(登録商標)、Tween(登録商標)−20、Geropon(登録商標)T−77、BioTerge及びBrij−35は、プロテアソーム又はルシフェラーゼに対して負の影響を有していた。Thesit(登録商標)、Tergitol(登録商標)TMN−6、Tergitol(登録商標)NP−9、Triton X−100及びNorIdet−40を含めた幾つかの界面活性剤はプロテアソーム又はルシフェラーゼ活性に実質的に影響を与えなかったが、このアッセイはLLVY−アミノルシフェリン(配列番号1)基質を切断するプロテアーゼの供給源は示さない。
【0114】
図11は、ラクタシスチン、LLVY−アミノルシフェリン(配列番号1)及び0.04%のTMN−6で処理したH226細胞からの発光を示す。U937細胞中では0.05%でのTMN−6は20μg/mlのジギトニンに匹敵したが、H226細胞と共に0.04%の濃度で存在するとプロテアソームアッセイには不充分であった。U937細胞も100μg/mlのサポニンで処理したが、しかしながら、後の時間地点では発光シグナルは直線的ではなかった。
【0115】
Mg、EDTA濃度、及びpHを変えて反応条件を最適化した。特に、Mg濃度はキモトリプシン活性に影響を与えるようであり、且つEDTA濃度は多数のタンパク質分解活性を変えるようである。プロテアソームを検出するための、発光又は蛍光アッセイに対するMg濃度、又は発光アッセイに対するEDTA濃度の影響に関するデータは、図12及び13中に示す。
【0116】
pH及び基質濃度を変えた結果は図14〜15中に示す。このデータに基づくと、高い基質濃度は半減期を明らかに改善した。
(参考文献)

【0117】
全ての刊行物、特許及び特許出願は、参照として本明細書に組み込まれる。前述の明細書中、その幾つかの好ましい実施形態に関して本発明を記載し、多くの詳細を例示の目的で述べてきたが、本発明は他の実施形態が可能であること、及び本明細書に記載した詳細の幾つかは、本発明の基本原理から逸脱せずに大幅に変えることができることは、当業者には明らかであるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】阻害剤処理(AdaAhxLVS)後のU266細胞中の発光キモトリプシン、トリプシン、及びカスパーゼ様プロテアソーム活性の図である。約35,000個のU266細胞を1.5時間阻害剤に曝して、次いで10μMの基質と接触させた。
【図2A】プロテアソーム又はカルパインに対するラクタシスチン活性の図である。25mMのHEPES/0.5mMのEDTA/1mMのDTT中での0.5時間のプレインキュベーション後、2×試薬を加えた(20μMのLLVY−アミノルシフェリン(配列番号1)/3mMのCaCl/10mMのMgSO)。
【図2B】プロテアソームに対するラクタシスチン又はカルパイン活性の図である。基質を加える前にラクタシスチン又はカルペプチンを用いて、37℃で1.5時間HL−60細胞を処理した。
【図3】ジャーカット細胞中のプロテアソーム阻害剤濃度と発光の図である。ジャーカット細胞は阻害剤(AdaAhxLVS)に1.5時間曝し、次いでLLVY−アミノルシフェリン(10μMの最終濃度;配列番号1)と接触させた。
【図4A】それぞれ20μMのアミノルシフェリン−LLVY(配列番号1)又は20μMのLLVY−AMC(配列番号1)、及びHL−60細胞での、発光感度と蛍光感度の比較の図である。細胞は20μg/mlのジギトニンで透過処理した。HL−60細胞は22℃に保った。
【図4B】それぞれ20μMのアミノルシフェリン−LLVY(配列番号1)又は20μMのLLVY−AMC(配列番号1)、及びU937細胞での、発光感度と蛍光感度の比較の図である。U937細胞の蛍光データは、45分の時間地点からのものであった。
【図5A】発光と細胞数の図である。HL−60細胞は22℃に保ち、20μg/mlのジギトニンで透過処理して、20μMのLLVY−アミノルシフェリン(配列番号1)と接触させた。
【図5B】22℃に保ち20μg/mlのジギトニンで透過処理したU937細胞中での、発光及びアミノルシフェリン−LLVY(配列番号1)基質(20μM)の動態の図である。
【図5C】22℃に保ち20μg/mlのジギトニンで透過処理したHL−60細胞中での、発光及びアミノルシフェリン−LLVY(配列番号1)基質(20μM)の動態の図である。
【図6A】ラクタシスチンによるU937細胞中での発光の阻害の図である。約50,000個のU937細胞を、20μMのLLVY−アミノルシフェリン(配列番号1)及び20μg/mlのジギトニンで処理した。
【図6B】ラクタシスチンによるHL−60細胞中での発光の阻害の図である。10%FBSを含む培地中の約25,000個のHL−60細胞を、基質及び20μg/mlのジギトニンで処理した。
【図7A】5%FBSを含む培地中でのジギトニン滴定の図である。5%FBSを含む培地中の約25,000個のラクタシスチン処理HL−60細胞を、基質及び様々な量のジギトニンと接触させた。データは、15分の時間地点からのものである。
【図7B】10%FBSを含む培地中でのジギトニン滴定の図である。10%FBSを含む培地中の約25,000個のラクタシスチン処理HL−60細胞を、基質及び様々な量のジギトニンと接触させた。データは、15分の時間地点からのものである。
【図8A】様々な濃度のラクタシスチンの存在下及びジギトニンの存在(20μg/ml)又は不在下での、HL−60細胞中でのプロテアソームキモトリプシン活性及びATP含有量(生命力)の図である。ラクタシスチン処理は1.5時間であり、データはHL−60細胞に関して、16分の時間地点からのものである。細胞の生命力の測定は、平行した一連の試料においてCellTiter Glo(Promega Corp.)を使用して実施して、生命力はラクタシスチン処理によって影響を受けなかったことを確認した。
【図8B】様々な濃度のラクタシスチンの存在下及びジギトニンの存在(20μg/ml)又は不在下での、U937細胞中でのプロテアソームキモトリプシン活性及びATP含有量(生命力)の図である。ラクタシスチン処理は1.5時間であり、データはU937細胞に関して、18分の時間地点からのものである。細胞の生命力の測定は、平行した一連の試料においてCellTiter Glo(Promega Corp.)を使用して実施して、生命力はラクタシスチン処理によって影響を受けなかったことを確認した。
【図9A】プロテアソームキモトリプシン様活性及びカスパーゼ3/7活性を測定した、多重化アッセイの図である。ラクタシスチン、及びLLVY−アミノルシフェリン(配列番号1)及び(Z−DEVD)−R110(各基質(DEVD);配列番号3に関して10μMの最終濃度)で4.5時間処理した、約50,000個のジャーカット細胞からの発光データ。
【図9B】プロテアソームキモトリプシン様活性及びカスパーゼ3/7活性を測定した、多重化アッセイの図である。ラクタシスチン、及びLLVY−アミノルシフェリン(配列番号1)及び(Z−DEVD)−R110(各基質;配列番号3に関して10μMの最終濃度)で4.5時間処理した、約50,000個のジャーカット細胞からの蛍光データ。
【図10A】細胞ベースの発光反応中のプロテアソームを検出するのに適した細胞膜透過処理試薬のスクリーニングの図である。ラクタシスチン処理の不在下で約25,000個のHL−60細胞を、50mMのHEPES、pH7.6/0.5mMのEDTA/30mMのMgSO(HL−60細胞に関して10μMの基質)中で界面活性剤及び基質と共に22℃でインキュベートした。
【図10B】細胞ベースの発光反応中のプロテアソームを検出するのに適した細胞膜透過処理試薬のスクリーニングの図である。ラクタシスチン処理の不在下で約25,000個のHL−60細胞を、50mMのHEPES、pH7.6/0.5mMのEDTA/30mMのMgSO(HL−60細胞に関して10μMの基質)中で界面活性剤及び基質と共に22℃でインキュベートした。
【図10C】細胞ベースの発光反応中のプロテアソームを検出するのに適した細胞膜透過処理試薬のスクリーニングの図である。ラクタシスチン処理後に25,000個のU937細胞を、50mMのHEPES、pH7.6/0.5mMのEDTA/30mMのMgSO(U937細胞に関して20μMの基質)中で界面活性剤及び基質と共に22℃でインキュベートした。
【図11】22℃で50mMのHEPES、pH7.6/0.5mMのEDTA/30mMのMgSO中においてラクタシスチン、0.04%のTMN−6及び20μMのLLVY−アミノルシフェリン(配列番号1)で処理したH226細胞からの発光の図である。
【図12A】発光アッセイ中のMg濃度の影響の図である。約25,000個のHL−60細胞を、0.5mMのEDTA、20μg/mlのジギトニン及び20μMの基質で処理した。
【図12B】発光アッセイ中の半減期動態に対するMgの影響の図である。約25,000個のHL−60細胞を、0.5mMのEDTA、20μg/mlのジギトニン及び20μMの基質で処理した。
【図12C】U937細胞を用いた発光アッセイ中のMg濃度の影響の図である。細胞は20μg/mlのジギトニン及び20μMの基質で処理した。
【図12D】U937細胞を用いた発光アッセイ中のMg濃度の影響の図である。細胞は20μg/mlのジギトニン及び20μMの基質で処理した。
【図12E】蛍光アッセイ中のMg濃度の影響の図である。ラクタシスチンの不在下で22℃において、50mMのHEPES、pH7.6/0.5mMのEDTA、及び様々な濃度のMgSO中で、HL−60細胞を20μg/mlのジギトニン、20μMのLLVY−AMC(配列番号1)と接触させた。
【図12F】発光とMg濃度の図である。ラクタシスチンの不在下で22℃において、50mMのHEPES、pH7.6/0.5mMのEDTA、及び様々な濃度のMgSO中で、HL−60細胞を20μg/mlのジギトニン、20μMのLLVY−アミノルシフェリン(配列番号1)と接触させた。
【図13A】発光とEDTA濃度の図である。ラクタシスチンの不在下で22℃において、U937細胞を20μg/mlのジギトニン、20μMの基質、30mMのMgSO及び様々な濃度のEDTAと接触させた。
【図13B】ラクタシスチンで処理したU937細胞中の発光とEDTA濃度の図である。細胞は20μg/mlのジギトニン、20μMの基質、30mMのMgSO及び様々な濃度のEDTAと接触させた。データは、30分の時間地点からのものである。
【図13C】ラクタシスチンで処理したPA−1細胞中の発光とEDTA濃度の図である。細胞は20μg/mlのジギトニン、20μMの基質、及び30mMのMgSOと接触させた。データは、30分の時間地点からのものである。
【図14】様々なpHでの発光プロテアソームアッセイの動態の図である。22℃において約25,000個のジャーカット細胞を、50mMのHEPES/0.5mMのEDTA/30mMのMgSO中で20μMの基質と接触させた。
【図15】発光プロテアソームアッセイ中のpH及び基質濃度の影響の図である。22℃において約25,000個のジャーカット細胞を、50mMのHEPES、pH7.6又は8.2/0.5mMのEDTA/30mMのMgSO中で様々な量の基質と接触させた。
【図16】多重化アッセイにおいて有用である可能性がある3つの蛍光団のプロファイルの図である。Ex=励起スペクトル;em=放射スペクトル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロテアソームと関連する1つ又は複数のプロテアソーム特異的タンパク質分解活性を検出するための方法であって、
a)真核生物細胞、細胞中の細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さない量の細胞膜透過処理試薬、及びプロテアソーム関連プロテアーゼの発光基質を含む甲虫ルシフェラーゼ介在反応の反応混合物を用意することであって、前記プロテアーゼによる発光基質のタンパク質分解によって甲虫ルシフェラーゼの基質が生成すること、及び
b)反応混合物中の発光を検出すること
を含む、上記方法。
【請求項2】
プロテアソームと関連する1つ又は複数のプロテアソーム特異的タンパク質分解活性を検出するための方法であって、
a)無処理の真核生物細胞を含む試料を、プロテアソーム関連プロテアーゼの発光基質及び細胞中の細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さない量の細胞膜透過処理試薬を含む甲虫ルシフェラーゼ介在反応の反応混合物と接触させて、混合物を生成することであって、前記プロテアーゼによる発光基質のタンパク質分解によって甲虫ルシフェラーゼの基質が生成すること、及び
b)混合物中の発光を検出すること
を含む、上記方法。
【請求項3】
発光基質がキモトリプシン基質である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
発光基質がトリプシン基質である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
発光基質がカスパーゼ基質である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
発光基質がLLVY(配列番号1)を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
発光基質がLRRを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
発光基質がnLPnLD(配列番号2)を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記混合物を、第2の酵素の蛍光基質を含む第2の酵素介在反応の第2の反応混合物と接触させることをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
蛍光を検出することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
蛍光を使用して第2の酵素介在反応の補助因子、基質又は酵素の存在又は量を検出する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
発光と蛍光を連続的に検出する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
反応混合物が第2の酵素介在反応の蛍光基質をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項14】
蛍光を検出することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
蛍光を使用して第2の酵素介在反応の補助因子、基質又は酵素の存在又は量を検出する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
発光と蛍光を同時に検出する、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
発光と蛍光を同時に検出する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
発光と蛍光を連続的に検出する、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
発光を検出した後に細胞を溶解させる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項20】
蛍光基質が臭化エチジウム、フルオレセイン、Cy3、BODIPY、ロドール、Rox、5−カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、アントラセン、2−アミノ−4−メトキシナフタレン、フェナレノン、アクリドン、フッ素化キサンテン系誘導体、α−ナフトール、β−ナフトール、1−ヒドロキシピレン、クマリン、7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC)、7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリン(AFC)、テキサスレッド、テトラメチルローダミン、カルボキシローダミン、ローダミン、クレシルバイオレット、ローダミン−110又はレゾルフィンを含む、請求項9又は13に記載の方法。
【請求項21】
第2の酵素介在反応がグリコシダーゼ、ホスファターゼ、キナーゼ、デヒドロゲナーゼ、ペルオキシダーゼ、スルファターゼ、ペプチダーゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロキシラーゼ、デアルキラーゼ、デハロゲナーゼ、デアミダーゼ、又はヒドロラーゼによって介在される、請求項9又は13に記載の方法。
【請求項22】
第2の酵素介在反応がプロテアーゼによって介在される、請求項9又は13に記載の方法。
【請求項23】
第2の酵素がカスパーゼである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
カスパーゼがカスパーゼ−3又はカスパーゼ−7を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記混合物を、細胞分子を検出するための試薬を含む組成物と接触させることをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項26】
細胞分子を検出する試薬が核酸又はタンパク質を検出する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
細胞分子を検出することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
蛍光を使用して細胞分子を検出する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
試薬が蛍光性である、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
試薬が臭化エチジウム、ヨウ化プロピジウム、又はアクリジンオレンジを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
試薬が核酸結合色素を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記混合物を、非酵素反応と関連する部分を検出するために第2の反応混合物と接触させることをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項33】
非酵素反応が前記部分と別の分子の結合を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
細胞中の2つ以上のサイトゾル活性を検出するための方法であって、
a)真核生物細胞、プロテアソーム関連プロテアーゼの蛍光又は発光基質、プロテアソームと関連しないサイトゾル酵素の第2の基質、及び細胞中の細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さない量の細胞膜透過処理試薬を含む反応混合物を用意すること、及び
b)発光又は蛍光及びプロテアソームと関連しないサイトゾル酵素の存在又は量を反応混合物中において検出することであって、発光又は蛍光がプロテアソーム関連プロテアーゼの活性と関連すること
を含む、上記方法。
【請求項35】
細胞中の2つ以上のサイトゾル活性を検出するための方法であって、
a)無処理の真核生物細胞を含む試料を、プロテアソーム特異的プロテアーゼの蛍光又は発光基質、プロテアソームと関連しないサイトゾル酵素の基質、及び細胞中の細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さない量の細胞膜透過処理試薬を含む反応混合物と接触させて、混合物を生成すること、及び
b)発光又は蛍光及びプロテアソームと関連しないサイトゾル酵素の存在又は量を混合物中において検出することであって、発光又は蛍光がプロテアソーム関連プロテアーゼの活性と関連すること
を含む、上記方法。
【請求項36】
蛍光又は発光基質がキモトリプシン基質である、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項37】
蛍光又は発光基質がトリプシン基質である、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項38】
蛍光又は発光基質がカスパーゼ基質である、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項39】
蛍光又は発光基質がLLVY(配列番号1)を含む、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項40】
蛍光又は発光基質がLRRを含む、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項41】
蛍光又は発光基質がnLPnLD(配列番号2)を含む、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項42】
プロテアソームと関連するプロテアーゼの基質が、プロテアーゼによるタンパク質分解後に甲虫ルシフェラーゼの基質を生成する発光基質であり、第2の基質が蛍光基質である、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項43】
発光と蛍光を連続的に検出する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
発光と蛍光を同時に検出する、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
プロテアソームと関連するプロテアーゼの基質が蛍光基質であり、プロテアーゼによるタンパク質分解後に基質を生成する第2の基質が甲虫ルシフェラーゼの発光基質である、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項46】
発光と蛍光を連続的に検出する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
発光と蛍光を同時に検出する、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
蛍光を検出した後に細胞を溶解させる、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
発光を検出した後に細胞を溶解させる、請求項42に記載の方法。
【請求項50】
蛍光基質が臭化エチジウム、フルオレセイン、Cy3、BODIPY、ロドール、Rox、5−カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、アントラセン、2−アミノ−4−メトキシナフタレン、フェナレノン、アクリドン、フッ素化キサンテン系誘導体、α−ナフトール、β−ナフトール、1−ヒドロキシピレン、クマリン、7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC)、7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリン(AFC)、テキサスレッド、テトラメチルローダミン、カルボキシローダミン、ローダミン、クレシルバイオレット、ローダミン−110又はレゾルフィンを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
蛍光基質が臭化エチジウム、フルオレセイン、Cy3、BODIPY、ロドール、Rox、5−カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、アントラセン、2−アミノ−4−メトキシナフタレン、フェナレノン、アクリドン、フッ素化キサンテン系誘導体、α−ナフトール、β−ナフトール、1−ヒドロキシピレン、クマリン、7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC)、7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリン(AFC)、テキサスレッド、テトラメチルローダミン、カルボキシローダミン、ローダミン、クレシルバイオレット、ローダミン−110又はレゾルフィンを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項52】
サイトゾル酵素がグリコシダーゼ、ホスファターゼ、キナーゼ、デヒドロゲナーゼ、ペルオキシダーゼ、スルファターゼ、ペプチダーゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロキシラーゼ、デアルキラーゼ、デハロゲナーゼ、デアミダーゼ、又はヒドロラーゼである、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項53】
発光基質を含む反応混合物が甲虫ルシフェラーゼ介在反応の反応混合物である、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項54】
細胞膜透過処理試薬がジギトニンである、請求項1、2、34又は35に記載の方法。
【請求項55】
ジギトニンが約10μg/ml〜40μg/mlで存在する、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
プロテアソーム特異的タンパク質分解活性の調節物質を同定するための方法であって、
a)1つ又は複数の作用物質と、真核生物細胞と、細胞中の細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さない量の細胞膜透過処理試薬、及びプロテアソーム関連プロテアーゼの発光基質を含む甲虫ルシフェラーゼ介在反応の反応混合物とを接触させて、混合物を生成することであって、プロテアーゼによる発光基質のタンパク質分解によって甲虫ルシフェラーゼの基質が生成すること、及び
b)混合物中の発光を1つ又は複数の作用物質を欠く対応する混合物中の発光と比較すること
を含む、上記方法。
【請求項57】
1つ又は複数の作用物質がプロテアソームの活性を阻害する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
真核生物細胞を含む反応混合物中において有効量で、細胞中の細胞内膜結合オルガネラ又は区画を実質的に害さない量の細胞膜透過処理試薬を含むバッファー、及び
プロテアソーム関連プロテアーゼの発光又は蛍光基質を含むキット。
【請求項59】
プロテアソームと関連しない酵素の基質をさらに含む、請求項58に記載のキット。
【請求項60】
発光基質が、プロテアソームと関連するプロテアーゼによって切断されると甲虫ルシフェラーゼの基質を生成する、請求項58に記載のキット。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図12F】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2009−506772(P2009−506772A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529181(P2008−529181)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/033622
【国際公開番号】WO2007/027653
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(593089149)プロメガ コーポレイション (57)
【氏名又は名称原語表記】Promega Corporation
【Fターム(参考)】