説明

細胞内での分子相互作用の検出方法

本発明は、細胞内に導入した2以上のポリペプチド間の相互作用に対する関心のある物質の影響を検出する方法を提供する。本発明はまた、細胞内に導入された少なくとも2の関心のある分子間の相互作用を定量化するための方法を提供する。同じ細胞における細胞成分または機能に対する関心のある物質または2の関心のある分子間の相互作用の影響を定量化するための方法もまた提供される。上記本発明の方法は、HCSデバイスなどのデバイスにより自動的に定量化され得、そしてデータベースの構築に活用され得る。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、米国仮特許出願番号60/598,177(2004年8月2日出願)の利益を主張するものであり、この出願は参照することによりその全てが本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の背景)
タンパク質などの分子の間の相互作用および全体の細胞機能の調節におけるそれらの役割は、生化学の基礎をなす。タンパク質−タンパク質相互作用は、核酸、糖、および脂質などの他の分子とタンパク質の相互作用と同様に、重要な薬剤標的として認識されている(Arkin et al., 2004;Chene, 2004; Toogood, 2002)。このような相互作用は、シグナル伝達、代謝、細胞運動性、アポトーシス、細胞周期調節、核形態、細胞DNA含量、微小管-細胞骨格安定性、およびヒストンリン酸化を含む様々な細胞内事象と、直接または間接的に関連し得る。例えば、発癌遺伝子MDM2とp53腫瘍抑制タンパク質との間の相互作用は、転写活性およびp53の安定性をネガティブに調節する。多くのヒト腫瘍において見られるMDM2の過剰発現は、p53機能を効果的に障害する。MDM2-p53相互作用の阻害は、p53を安定化し得そして癌を治療するための新規ストラテジーを提示し得る。スクリーニングアプローチを通じて、癌細胞のp53経路を活性化し、腫瘍の細胞周期停止、アポトーシス、および増殖阻害をもたらす一連のシス-イミダゾリンアナログが発見された(Kussie et al., 1996;Vassilev et al., 2004)。
【0003】
分子相互作用およびこのような相互作用に対する薬物または他の処理の影響は、精製された分子成分間の相互作用が直接測定されるインビトロアッセイ、2−ハイブリッド系およびそのバリアント、タンパク質−タンパク質相互作用が直接感知および報告されるインビボアッセイ(例えば、2つの標識化タンパク質の間の蛍光共鳴エネルギー転移(FRET);標識化分子の取り込みおよび抗体での検出)、既知のタンパク質−タンパク質またはタンパク質−リガンド相互作用構造から構成されたデータセットに基づき潜在的タンパク質相互作用部位がないか3Dタンパク質構造のライブラリがスキャンされる予測に基づくアプローチ、ならびにタンパク質タグ化およびタンパク質−タンパク質複合体の精製およびそれに引き続く質量分析解析(Bantscheff et al., 2004;Bauer et al., 2003;Zhu et al., 2003)などの方法により現在検出されている。これらの方法は、しかしながら、多数の不利益を有している。例えば、検出の感度が低いこと、アッセイに長時間を要すること、多様なキメラタンパク質の構築が必要であること、生細胞において分子の結合およびその影響がモニター不能であること、ならびに特殊および高価な機器が必要であることは、全て現在の検出方法に対して制限となっている。例えば、米国特許6,902,883、6,727,071、6,671,624、6,620,591、6,518,021、米国特許出願公報2003/0040012、2003/0104479、2003/0143634、2004//0018504、国際特許公報WO 03/012068、およびRubinfeld et al.を参照のこと。このように、分子の結合事象および他の細胞機能に対するそれらの影響を検出および測定するための改良された試薬および方法が必要である。
【0004】
生細胞における分子の結合を測定することのできる試薬およびアッセイの開発は、当分野で著しい進歩を表すであろう。検出可能なシグナルを有するキメラタンパク質は、分子結合事象を定量化しそしてこれらの事象を他の細胞成分および機能と結び付けるのに用いられ得る。さらに、ハイコンテントスクリーニング(HCS)技術は、細胞内の生および固定エンドポイントアッセイの両方における数多くの分子相互作用をスクリーニングしおよび解析するのに活用され得る。HCSアッセイは、細胞内に組み込まれた特異的な蛍光ベースの試薬由来の多色蛍光情報の抽出を自動化する(Abraham et al., 2004;Giuliano et al., 1997;Giuliano et al., 2003b)。HCS技術は、標準的なハイスループットスクリーニングと比べた場合、細胞成分および過程の時間的および空間的動態についてのより詳細な情報を提供するために光学系を活用する(Farkas et al., 1993;Giuliano et al.,1997)。HCSは、分子の相互作用に対する様々な物質の影響を解析するためおよび同じアッセイにおける他の細胞機能に対する影響を測定するための両方に活用することのできる多重化したアッセイを行うのに用いられ得る。分子相互作用およびその細胞機能への影響を検出するための順応性のある試薬を活用する多重化したHCSアッセイの開発は、創薬のための強力な道具となるだろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(本発明の要約)
本発明は、細胞内に導入された2以上のポリペプチド間の相互作用に対する関心のある物質の影響を検出する方法を提供する。ポリペプチド、内在性タンパク質、またはその組み合わせの間の相互作用、および関心のある物質による該相互作用の崩壊は、発光または蛍光を含む様々な方法を用いて検出および定量化され得る。ポリペプチドの1以上は、相互作用ドメイン、検出ドメイン、局在化ドメイン、またはその組み合わせを有するバイオセンサーであり得る。本発明はまた、細胞内に導入された少なくとも2の関心のある分子間の相互作用を定量化するための方法であって、分子の少なくとも1つが相互作用を定量化するのに用いることができるレポーター機能を有している方法を提供する。本発明はさらに、同じ細胞における細胞成分または機能に対する関心のある物質または2つの関心のある分子間の相互作用の影響を定量化するための方法を提供する。上記本発明の方法は、HCSデバイスなどのデバイスにより自動的に定量化され得る。さらに、上記方法のいずれもが、定量化比較のデータベースを作成するのに活用され得る。本発明のこれらのおよび他の利点は、さらなる発明の特長同様、本明細書に記載される本発明の説明から明白であろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(発明の詳細な説明)
本発明は、2以上のポリペプチド間の相互作用に対する関心のある物質の影響を検出するための方法を提供する。本発明の方法は、ポリペプチドが互いに、内在性タンパク質と、またはその組み合わせと相互作用する条件下で細胞内に2以上のポリペプチドを導入することを含む。細胞は次いで、関心のある物質に接触され、ポリペプチド、内在性タンパク質、またはその組み合わせの間の相互作用が定量化されそして関心のある物質の添加前および後が比較される。
【0007】
ポリペプチドは、タンパク質、タンパク質フラグメント、またはタンパク質相互作用ドメインを含み、からなり、または本質的にからなり得る。ポリペプチドは、当業者に既知の方法により調製され得る。例えば、ポリペプチドは、固相ポリペプチド合成技術(例えば、Fmoc)を用いて合成され得る。あるいは、ポリペプチドは、組み換えDNA技術を用いて(例えば、細菌または真核生物の発現系を用いて)合成され得る。従って、このような方法を容易にするため、本発明は、本発明の方法に従って細胞内に導入され得るポリペプチドをコードする配列を含む遺伝子ベクター(例えば、プラスミド)を提供する。さらに、本発明は組み換え型のポリペプチドを提供する。
【0008】
どんな方法で作製されたにせよ、ポリペプチドは単離され得および/または精製され得る(あるいは実質的に単離され得および/または実質的に精製され得る)。従って、本発明は、実質的に単離された形態の本発明のポリペプチドを提供する。ポリペプチドは、例えば、固相タンパク質合成の結果として他のポリペプチドから単離され得る。あるいは、ポリペプチドは、組み換え産物からの細胞溶解後の他のタンパク質から実質的に単離され得る。タンパク質精製の標準的な方法(例えば、HPLC) が、本発明のポリペプチドを実質的に精製するのに使用され得る。
【0009】
本発明の方法において用いるポリペプチドの1以上は、相互作用ドメイン、局在化ドメイン、レポータードメイン、またはその組み合わせを含む、からなる、または本質的にからなるバイオセンサーであり得る。バイオセンサーは、望ましくは機能可能に連結された、上述のドメインの少なくとも1つ、より好ましくは少なくとも3つからなり得る。
【0010】
いくつかの好ましい実施態様において、バイオセンサーポリペプチドは、米国公開特許出願2003/0104479において記載されているようなものまたは公開PCT出願WO 03/012068において記載されているようなものであり得る。相互作用ドメインは、1以上のポリペプチド、内在性タンパク質、またはその組み合わせと相互作用する配列をコードし得る。
【0011】
局在化ドメインは、ポリペプチドを細胞内の特定の部位へと誘導する配列をコードし得る。このようなドメインは、例えば、ポリペプチドの細胞内の特定の区画(例えば、核、核小体、ゴルジ体、小胞体、細胞表面、細胞質、または他のオルガネラ)への局在化を引き起こし得る。一実施態様において、局在化ドメインはバイオセンサーを細胞内の特定の部位へと誘導し、そして1以上のポリペプチド、内在性タンパク質、またはその組み合わせとの相互作用をうけると、該バイオセンサーは細胞内の異なる部位へと誘導される。関心のある物質による相互作用の崩壊をうけると、バイオセンサーは、もとの部位に戻るか、または新しい部位へと再分布するかのいずれかである。別の実施態様において、バイオセンサーは1より多い局在化ドメインを有し得、ここで1以上の(one of more)分子の結合は該ドメインの少なくとも1つの局在化能力を妨げ、バイオセンサーの細胞内の異なる部位への分布を引き起こす。さらに、部位なる語は、細胞内の特定の部位(例えば、細胞質、核など)を言い得るかまたは細胞または細胞内のいくつかの部位にくまなくわたる一様な分布を言い得る。別の実施態様において、本発明の方法は、異なる局在化ドメインを有する多様なバイオセンサーを含み得る。例えば、2のバイオセンサーの間の相互作用は、特異的なタンパク質−タンパク質相互作用の崩壊を測定するのに用いられ得る。未処理の細胞において、核外移行シグナルを有する第二のバイオセンサーと相互作用する、核移行シグナルを有する第一のバイオセンサーの核−細胞質間輸送は、核および細胞質の区画にくまなくわたって相対的に一様に分布するように、両局在化ドメインの活性の平衡化により調節され得る。実験的処理(例えば、関心のある物質)が両バイオセンサー間の相互作用を崩壊すると、第一のバイオセンサーはその局在化ドメインの活性に従い細胞に再分布し、それは一実施態様において、主に核分布である。
【0012】
好ましくは、局在化ドメインは、核外移行シグナル(NES)または核移行シグナル(NLS)を含み、からなり、または本質的にからなる。局在化ドメインの好ましい例は、以下の配列の1つを含み、からなり、または本質的にからなる:KRTADGSEFESPKKARKVE(配列番号:1)、QQMGRGSEFEPAAKRAKLDE(配列番号:2)、QQMGRGSEFESPKKARKVE(配列番号:3)、NSNELALKLAGLDINKTE(配列番号:4)、HAEKVAEKLEALSVKEET(配列番号:5)、またはPSTRIQQQLGQLTLENLQ(配列番号:6)。
【0013】
別の実施態様において、ポリペプチドはレポータードメインを含み、それは任意の適切な方法を介して細胞内でのバイオセンサーの検出を可能とする。好ましくは、レポータードメインは、あるタイプの緑色蛍光タンパク質(GFP)などの蛍光性または発光性のものである。あるいは、レポータードメインは、多様な細胞区画内へのよりよい浸透を可能としそして多様な発光性または蛍光性標識化分子の使用を可能とするために、mycタグなどの小さなエピトープタグであり得る。
【0014】
いくつかの好ましい実施態様において、本発明の方法は、多様なバイオセンサーを使用し得る。好ましい例は、第一のおよび第二のバイオセンサーが細胞内で互いに相互作用するように、p53腫瘍抑制タンパク質の配列またはその一部を有する第一のバイオセンサー、およびp53と相互作用するタンパク質であるHDM2の配列またはその一部を有する第二のバイオセンサーを含む。さらに、各バイオセンサーは、1以上の局在化ドメイン、レポータードメイン、またはその組み合わせを含み得る。p53バイオセンサーの好ましい例は、以下の配列の1つを含み、からなり、または本質的にからなる。p53配列において、GFPはヒト化Ptilosarcus GFP(US 6,780,974)であり、NESはMAPKAP2由来であり、NLSはSV40由来であり、そしてp53はヒトp53由来のアミノ酸1-131である。HDM2配列において、NESはアネキシンII由来である。
【0015】
GFP-NES-NLS-p53の核酸配列(配列番号:7)
【0016】
【化1−1】

【0017】
【化1−2】

【0018】
GFP-NES-NLS-p53のアミノ酸配列(配列番号:8)
【0019】
【化2】

【0020】
HDM2-NES-mycの核酸配列(配列番号:9)
【0021】
【化3−1】

【0022】
【化3−2】

【0023】
HDM2-NES-mycのアミノ酸配列(配列番号:10)
【0024】
【化4−1】

【0025】
【化4−2】

【0026】
HDM2-NESの核酸配列(配列番号:11)
【0027】
【化5−1】

【0028】
【化5−2】

【0029】
HDM2-NESのアミノ酸配列(配列番号:12)
【0030】
【化6】

【0031】
本発明の方法は、物質の影響を検出するのに用いられ得る。物質は、限定されないが、例えば、化学的、物理的刺激、環境的刺激、電気的刺激、または照射(例えば、熱、光、または他の電磁気照射、あるいは不安定なアイソトープからの照射)であり得る。
【0032】
他の実施態様において、本発明は、少なくとも2の関心のある分子間の相互作用を定量化するための方法を提供する。本発明の方法は、各関心のある分子を個別に細胞内に導入しそして結果を定量化すること、次いで該関心のある分子を同時に細胞内に導入し、結果を定量化すること、そして分子の同時の添加の前および後の結果を比較することを含む。好ましくは、関心のある分子の少なくとも1つはポリペプチドである。よりさらに好ましくは、分子の1つはsrc−相同性ドメイン2(SH2)、あるいはその一部または変異体である。好ましい実施態様において、関心のある分子の少なくとも1つは、上述のようなバイオセンサーであり、それは相互作用、局在化、またはレポータードメイン、あるいはその組み合わせを含み得る。例えば、バイオセンサーは、関心のある分子、内在性タンパク質、またはその組み合わせと相互作用する相互作用ドメインを含み得る。
【0033】
ポリペプチドおよび/または関心のある分子は、外来性、内在性、またはその組み合わせであり得る。外来性分子またはポリペプチドは、当業者によく知られている様々なトランスフェクションおよび増幅技術により細胞内へと導入され得る。さらに、ポリペプチドまたは分子は、外で調製され得、次いで細胞内に導入され得、これがHCSへと容易に組み込まれ得る定常状態の異方性などの他のモードの蛍光イメージングとともに用いられ得る、明るい合成部位特異的蛍光性色素の使用などのバイオセンサーデザインにおけるより高い順応性を可能にする。導入の方法の例としては、限定されないが、エレクトロポレーション、tatなどの輸送ペプチドとの融合、およびhigh-speed opto-injection(Cyntellect, San Diego, CA)が挙げられる。さらに、ポリペプチドまたは分子は、誘導性プロモーターの転写調節下で細胞内で発現され得る。
【0034】
バイオセンサーの検出および定量化は、蛍光共鳴エネルギー転移、蛍光偏光測定法、回転差、蛍光寿命変化、蛍光溶媒感受性、蛍光消光、または当業者に既知の任意の他の方法を用いて定量化され得る。上記検出方法は、Gough et al., 1993、Bastiaens et al.,1999、およびGiuliano et al. 1995において記載されているように使用することができる。
【0035】
好ましい実施態様において、定量化工程はデバイスを用いて自動的に達成される。例えば、デバイスは多細胞を含む部位のアレイ(整列)を有し得、ここで細胞を含む各部位における多細胞が細胞内の少なくとも1の発光性または蛍光性レポーターポリペプチドからの発光性または蛍光性シグナルを得るためにスキャンされ、そして細胞内の特定の部位内の少なくとも1の発光性または蛍光性レポーターポリペプチドからの発光性または蛍光性シグナルの発光または蛍光強度が測定される。関心のある物質または分子により誘導された変化は、自動的に計算され得る。2つの好ましい方法としては、細胞内の特定の部位における少なくとも1の発光性または蛍光性レポーターポリペプチドからの発光性または蛍光性シグナル強度の比を、細胞内の異なる特定の部位における少なくとも1の発光性または蛍光性レポーターポリペプチドからの発光性または蛍光性シグナル強度と比較すること;および細胞内の特定の部位における少なくとも1の発光性または蛍光性レポーターポリペプチドからの発光性または蛍光性シグナル強度と、細胞内の異なる特定の部位における少なくとも1の発光性または蛍光性レポーターポリペプチドからの発光性または蛍光性シグナル強度との間の差異を比較すること(ここで関心のある物質または分子により誘導された変化が、細胞内の第一の部位から細胞内の第二の特定の部位へのポリペプチドの局在化に対する関心のある物質または分子の影響を示す)が挙げられる。
【0036】
好ましい実施態様において、デバイスはHCS技術を用いる。例えば、米国特許6,902,883;6,727,071;6,671,624;および6,620,591に記載されるような技術は、本発明の方法を検出および定量化するために当業者に用いられ得る。好ましいデバイスは、ArrayScan and KinticScan HCS Readers(Cellomics, Inc.)である。ハイコンテントスクリーニングは、生きた細胞および固定された細胞の両方に対して行われ得、好ましくは、多様な発光性または蛍光性指標、発光性または蛍光性抗体、生物学的リガンド、あるいは核酸ハイブリダイゼーションプローブを有するバイオセンサーを用いることにより行われ得る。発光または蛍光ベースの試薬の有用性および使用は、固定および生細胞ハイコンテントスクリーニングの両方の開発を進歩させてきた。さらに、多色、ハイコンテント情報を自動的に抽出するための計測手段の進歩は、HCSを自動化ツールへと発展させるのを今日可能としている(Taylor, et al., 1992)。
【0037】
一実施態様において、検出および定量化は、固定細胞を用いて行われ得る。固定細胞アッセイは、マイクロタイタープレート型式の最初は生細胞のアレイを含み、からなり、または本質的にからなり、それは試験される様々な物質(agentss)および用量で処理され得る。細胞は次いで固定化され、特異的な試薬で標識化され、そして測定され得る。固定化の後では細胞の環境的制御は必要ない。空間的情報が獲得されるが、1時点でのみである。細胞に適用され得る何千もの抗体、リガンドおよび核酸ハイブリダイゼーションプローブの有用性は、これを多くのタイプの細胞ベースのスクリーニングのための魅力的なアプローチにしている。固定化および標識化工程は自動化され得、アッセイの効率的なプロセシングを可能としている。
【0038】
別の実施態様(embodment)において、検出および定量化は、生細胞を用いて行われる。所望の試薬を含む生細胞のアレイは、空間も時間もまたいですみずみにわたり、長時間でスクリーニングされ得るので、生細胞アッセイはより高性能且つ強力である。長時間にわたる多様な発光または蛍光測定のために細胞の生理学的な健康状態が維持されなくてはならないので、細胞の環境的制御(例えば、温度、湿度、および二酸化炭素)が測定の間必要である。蛍光性または発光性バイオセンサーが、細胞内の生化学的および分子的活性の変化を報告するために用いられ得る(Giuliano et al., 1995;Mason, 1993)。
【0039】
別の好ましい実施態様において、多重化されたHCSアッセイが同じ細胞における細胞成分または機能に対する関心のある物質の影響を定量化するのに用いられ、ここで相互作用する少なくとも2の分子が細胞内に導入され、関心のある細胞成分または機能が定量化され、細胞が関心のある物質に接触され、その後関心のある細胞成分または機能が定量化され、そして結果が比較される。多重化されたアッセイもまた、同じ細胞における細胞成分または機能に対する関心のある2の分子間の相互作用の影響を定量化するのに用いられ得、ここで関心のある細胞機能が、関心のある分子の細胞への同時の導入の前および後で定量化される。多重化HCSアッセイは、単回のスクリーニングランのみを必要とするマルチ−パラメーター解析を行うために、本明細書に記載されるようなHCS技術を用いる。例えば、多色蛍光または発光が、同時に多様なパラメーターを検出および解析するのに用いられ得る。好ましくは、相互作用する分子または関心のある分子は、ポリペプチドである。より好ましくは、分子の少なくとも1つは、バイオセンサーである。細胞成分または機能は、例えば、アポトーシス;ネクローシス;細胞周期調節;核形態;細胞DNA含量;ヒストンH3リン酸化レベル;他のキナーゼまたはホスファターゼ活性;転写因子活性化;腫瘍抑制因子活性化または誘導;ミトコンドリア電位、ペルオキシソーム数およびサイズ、またはエンドソームのpHを含むオルガネラ機能;アクチン、微小管、または中間径フィラメント細胞骨格の組織化;受容体内部移行または転位;細胞運動性;プロテアーゼ活性化;熱ショック応答;エキソサイトーシス;エンドサイトーシス;細胞肥大または他の形態変化;ならびにタンパク質のみならずコードおよび非コードRNAsを含む遺伝子発現であり得る。様々な関心のある細胞成分または機能の検出は、DeBiasio et al., 1996、Giuliano et al., 1995、およびHeim et al., 1996において記載されてもののような、関心のある成分または機能の検出を可能とする任意の発光性または蛍光性試薬を用いることにより達成することができる。
【0040】
本発明の方法は、ポリペプチド同士の相互作用、ポリペプチドの細胞のタンパク質または機能との相互作用、および/あるいはこのような相互作用に対する関心のある物質の影響に関する情報のデータベースを産生し得る。これは、最も効率的に達成され、ここで本発明の方法は、例えば異なるバイオセンサー、細胞、および/または関心のある物質を用いて、多重の反復で、繰り返されまたは行われる。本発明は、上述の本発明の方法の結果を含む、からなる、または本質的にからなるこのようなデータベースを提供する。さらに、データベースは、関心のある分子の相互作用および/またはこのような相互作用に対する関心のある物質の影響についての情報を含み、からなる、または本質的にからなり得、そしてこのような情報を関心のある細胞成分および機能と関連付け得る。データベースは、例えば、HCS技術または多重化されたHCSアッセイを用い、そして単一の記録中へ収集されたこのような情報を編集することにより作成され得る。好ましくは、データベースは、2以上の関心のある分子間の相互作用に対して影響を有する分子または物質を求めてライブラリをスクリーニングすることにより構築される。より好ましくは、データベースは、2以上の細胞分子間の相互作用を崩壊する分子または物質を求めてライブラリをスクリーニングすることにより構築される。
【0041】
以下の実施例は本発明をさらに例証するが、もちろん、本発明の範囲を多少とも制限すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0042】
実施例1
直接的なクローニング技術(DNA抽出、単離、制限消化、ライゲーションなどを含む)、細胞培養、細胞のトランスフェクション、タンパク質発現および精製、ならびにHCSアッセイを含む、発光および/または蛍光タグ化ならびに検出、PCR、ベクター構築などの本明細書で述べられた多くの手順は、当業者により日常的に行われる技術である(一般的にSambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY 1989参照)。
【0043】
本実施例は、生細胞における特異的なタンパク質-タンパク質相互作用を測定するためのモジュラーバイオセンサーの構築および最適化を実証する。このバイオセンサーは、p53腫瘍抑制タンパク質とその主要な細胞内結合パートナーであり、MDM2のヒトホモログであるHDM2タンパク質との間の動的な複合体形成を解析するために構築される。本明細書に概略が説明されるアプローチは、しかしながら、他のバイオセンサーの構築にも適用することができる。
【0044】
適切な核移行配列(NLS)、p53タンパク質、およびGFPからなる融合タンパク質をコードしている真核生物の発現プラスミドを構築する。別の発現ベクターは、HDM2のコード配列と連結した適切な核外移行配列(NES)をコードするであろう。野生型p53を発現しているヒトA549腫瘍細胞内への2つのプラスミドの共トランスフェクションは、細胞質および核の両方に分布する機能的なp53-HDM2複合体を有する細胞を産生するであろう。p53-HDM2相互作用の崩壊剤での処理をうけて、NLS-p53-GFP構築物は、核偏向で再分布するであろう。細胞は、生理活性緑茶ポリフェノールであるエピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)、および形質転換細胞において数日の期間にわたり細胞毒性を引き起こすのみならず、MDM2(HDM2のマウスホモログ(Schon et al., 2002))に強く結合する(Kd = 46 nM)ことが既知の細胞透過性p53-タンパク質由来ペプチド(Calbiochem)(Kanovsky et al., 2001)で処理されるであろう。細胞はまた、p53-HDM2相互作用の新しい小分子の阻害剤(最近市販されるようになった(Alexis Biochemicals)Nutlin-3(IC50= 90 nM)(Vassilev et al., 2004))で処理されるであろう。これらの阻害性化合物は、p53-HDM2相互作用の競合的阻害剤として作用し、そしてNLS-p53-GFPバイオセンサーの核内への偏向した輸送を誘導するであろう。上述の多重化したHCSアッセイを用いて定量化した結果、阻害性化合物で処理した後において最高の再分布を示すNESおよびNLSの組み合せを含むバイオセンサーのペアを動態HCSアッセイで用いることにより、最大の応答を再現性よく誘導する阻害性化合物の濃度および処理時間を決定するための系の応答をさらに特徴付けるであろう。
【0045】
NLS-p53-GFPおよびNES-HDM2を発現している細胞の調製。バイオセンサーを発現している細胞を作製するために、Boyd et al. (2000)に記載されるp53-GFPおよびHDM2による哺乳動物細胞の一過性二重トランスフェクションのためのストラテジーが引き続き行われるであろう。つまり、適切なNLSおよび野生型p53をコードしているcDNAが、pEGFP/N1 ベクター(Clontech)のGFPの上流にクローン化されるであろう。必要な増幅は、PstIおよびBamHI エンドヌクレアーゼ部位をコードしているプライマーを用いるPCRを用いて実行されるであろう。HDM2 cDNA(Chen et al., 1994)は、適切なNESと融合されそしてpcDNA3.1発現ベクター(Invitrogen)内に挿入されるであろう(pEGFP/N1ベクターのように、CMVプロモーターの制御下で)。A549細胞は、T-25フラスコあたり2.5×1O+6細胞の密度まで対数相で増殖するであろう。細胞は、NLS-p53-GFPおよびNES-HDM2をコードしている発現プラスミドの混合物でトランスフェクトされるであろう(T-25フラスコあたり2 μgで、Lipofectamine 2000トランスフェクション試薬(Invitrogen)を用いて)。18-24時間のインキュベーション後、トランスフェクトされた細胞は、トリプシン処理されそしてI型コラーゲンコーティングした384-ウェルマイクロプレート (Falcon #3962)にウェルあたり6000-8000細胞で蒔かれるであろう。いくつかの細胞は、トランスフェクトした細胞でNLS-p53-GFPとNES-HDM2の両方が発現しているのを確実にするために、HDM2に対する抗体(Upstate)を用いてこの時点で標識化されるであろう。この段階の細胞は、生細胞動態または固定化エンドポイントHCSアッセイのいずれかに使える状態である。
【0046】
バイオセンサー構築のための適切なNESおよびNLS構造の選択。各新しいポジショナルバイオセンサーは核-細胞質間輸送成分のための特定の要件を有するであろう(Giuliano et al., 2003a)、しかし多様なバイオセンサーの並行した開発と試験を可能とする自動化プロセスが、開発されている。p53-HDM2バイオセンサーの最初のデザインは、特定の局在化配列とそれらの輸送活性を関連付ける詳細な報告に基づき、輸送活性の点で異なるNESおよびNLS構造の組み合せを選択することを含むであろう。配列番号:1−6の配列の組み合わせは、最初のバイオセンサーを調製するのに用いられるであろう。動態および固定化エンドポイントHCSアッセイは、各シグナル配列の組み合わせの有用性を定量化するための理想的な手段を提供する。同じ局在化配列の多様な複製の使用は、バイオセンサーの局在化をさらに調節するのに潜在的に用いられ得る。
【0047】
NLS-p53-GFP核転位の生細胞動態測定を用いる生物学的アッセイ系の応答時間の性質決定。p53-HDM2バイオセンサーを開発しそして最近開発された多重化された固定化エンドポイントHCSアッセイへのその取り込みを最適化するために、p53-HDM2複合体崩壊の時間経過が生細胞動態HCSモードで測定されるであろう(Abraham et al., 2004)。NLS-p53-GFPおよびNES-HDM2を発現している細胞は、異なる濃度の阻害性化合物で処理され、そしてNLS-p53-GFPの細胞内再分布の時間経過が、KineticScan HCS reader(Cellomics, Inc.)を用いて処理後24時間の期間にわたって測定されるであろう。この機器は、細胞の健康を維持しながらNLS-p53-GFPの細胞質−核分布の多様な測定を自動的に行う(Abraham et al., 2004)。動態解析は、いくつかの利益を提供するであろう。第1に、バイオセンサー発現の割合および程度が、動態解析の間に各細胞について自動的に計算されるであろう。これらのデータは、トランスフェクション効率を最適化するのに用いられるであろう。第2に、動態解析により、バイオセンサー発現それ自体が有する細胞の健康の多様な様相に対する影響を直接評価することが可能となるであろう。最後に、これらの実験の定量的な結果(例えば、特定の期間にわたってp53-HDM2相互作用を崩壊する阻害性化合物の濃度)は、多重化したHCSアッセイへのバイオセンサーの取り込みを容易にするであろう。化合物ライブラリスクリーニングが次いで直接進行し得る。
【0048】
可能性のある非特異的または「他の」タンパク質相互作用の同定。実験的な細胞処理が測定可能なバイオセンサーの細胞質から核への転位を誘導した場合、次いで確証的なアッセイが行われ、非特異的または「他の」タンパク質相互作用でないかどうか試験されるであろう。p53-HDM2バイオセンサーの場合において、細胞はNLS-p53-GFPバイオセンサーのみを発現するようにトランスフェクトされるであろう。対をなさないNLS-p53-GFPバイオセンサーは、主に細胞核内に分布するであろう。実験的処理がp53と別のタンパク質との間の非特異的な相互作用を誘導した場合、またはNLS-p53-GFPが別の(特異的または非特異的)内在性細胞質タンパク質と強く相互作用した場合には、その後起り得る結果は、細胞質内へのNLS-p53-GFPの少なくとも部分的な再分布であろう。さらに、細胞はまた、NES-HDM2バイオセンサーのみを発現するようにトランスフェクトされるであろう。阻害性化合物がHDM2と別のタンパク質との間の非特異的または別の特異的な相互作用を誘導した場合には、次いでエピトープタグに対する抗体を用いて、結果として生じるNES-HDM2バイオセンサーの再分布が、多重化したHCSアッセイで測定されるであろう。検出された標的化されたものとは異なるタンパク質-タンパク質相互作用が、他の関連タンパク質結合パートナーに含まれ得る。このように、これらの新しい結合パートナーが同定されるので、それらの相互作用およびそれに対する実験的処理の影響を測定するために、さらなるバイオセンサーがデザインされるであろう。増大するインタラクトームが、新しい可能性のある結合パートナーを同定するために絶えず採掘されるであろう。新しいバイオセンサーが次に、これらの予測を試験するために構築されるであろう。さらに、多重化ポジショナルバイオセンサーが、結合パートナー構築物を標的化する別々の区画(例えば、細胞質−核、細胞質−原形質膜など)を蛍光または発光の単一チャンネルとともに用いることにより作製され得る。
【0049】
一過性トランスフェクションアプローチのための代わりのストラテジー。p53-GFPおよびHDM2の二重一過性トランスフェクションアプローチが、うまく用いられており(Boyd et al., 2000)、そしてHCSのゲーティング能力が、一過性にトランスフェクトされた細胞集団を大規模のスクリーニングで使用することを可能としている。しかしながら、場合によっては多重の一過性トランスフェクションは、不十分ではないかもしれない。このように、細胞試薬の調製のための代わりのストラテジーが、探究され得る。バイオセンサーの両成分を安定的に過剰発現しているクローン細胞株が、自動化リキッドハンドリングロボットおよびHCS解析を用いて調製されるであろう。これらの細胞株は、少なくとも10継代にわたってバイオセンサー成分を実質的に一様に発現している細胞の集団を含む多重の腫瘍タイプからなるパネルであり得る。一過性トランスフェクションアプローチは、本明細書で提案した原理的な実験の証明として十分であると信じられているので、細胞ベースの試薬調製のためのこの代わりのストラテジーは、商品化のために必要または要求される場合実行されるであろう。
【0050】
代わりの腫瘍細胞タイプ。ヒト腫瘍細胞株A549は、HCSアッセイにおける有用性が以前に示されていて且つ野生型p53タンパク質を発現するので、よって用いられる最初の細胞株であろう。しかしながら、低いトランスフェクション効率、乏しい動態応答、強い毒性、または他の因子ゆえにこの細胞株が不適切な場合、さらなる細胞株が試験されるであろう。第一の代わりの細胞株は、p53タンパク質のバックグラウンド発現が乏しい応答の原因である場合には、p53タンパク質ヌルな細胞株であろう。これらの代わりのヒト腫瘍細胞株は、MDA-MB-435(乳癌)、H1299(非小細胞肺癌)、およびSaos-2(骨肉腫)であろう。
【0051】
実施例2
本実施例は、生細胞におけるタンパク質結合ドメイン相互作用のクラスを測定するためのモジュラーバイオセンサーの構築および最適化を実証する。このバイオセンサーは、生きたヒト細胞内でのsrc-相同性ドメイン2(SH2)とその標的分子の間の動的な複合体形成を解析するために構築される。本明細書に概略が説明されるアプローチは、しかしながら、他のバイオセンサーの構築にも適用することができる。
【0052】
どのように化学化合物がタンパク質相互作用ドメインとそれらの標的の間のコミュニケーションを調節するかを測定する蛍光性タンパク質バイオセンサーのデザインを開始するために、バイオセンサーは、SH2ドメインとそのチロシン−リン酸化されたタンパク質標的の相互作用に基づき構築されるであろう。100を越えるSH2タンパク質相互作用ドメインがヒトゲノムによりコードされていると見積もられている(Pawson et al, 2003)。さらに、SH2ドメインを含む単一タンパク質(〜100アミノ酸)は、それ自体、膜結合受容体、可溶性酵素、および細胞骨格タンパク質を含む多くの他のタンパク質と強く相互作用し得る。ヒト細胞は、このようにして重大なシグナル伝達ネクサスおよび薬物調節のための最適標的の基盤をなす、何千ものSH2依存性タンパク質−タンパク質相互作用を維持している。バイオセンサーは、生ヒト細胞内におけるc-srcキナーゼから単離されたSH2ドメインとその標的分子との間の動的な相互作用を測定するためにデザインされるであろう。例えば、SH2ドメインバイオセンサーは、受容体チロシンキナーゼの刺激を測定するのに用いられ得る。受容体によるリガンド結合は、多数のSH2ドメイン結合サイトの出現をもたらすプロセスのカスケードを開始する。蛍光性または発光性SH2ドメインバイオセンサーは、細胞質内のこれらの新しく利用できるサイトへの結合により応答し、バイオセンサーの均衡分布を細胞質区画の方へとシフトさせる。このように、バイオセンサーの細胞質濃度とその核濃度との間の比は、受容体刺激をうけて有意に大きくなるであろう。HCSアッセイは細胞質-核分布比の変化を定量化するために用いられ得、化学化合物の影響を大規模でスクリーニングすることを可能とする。このアプローチは、SH2タンパク質相互作用ドメインの調節下での分子過程を調節する能力を有する適格な一連の化合物を産生するであろう。
【0053】
NLSおよびNES、SH2タンパク質ドメイン、ならびにGFPからなる単一のバイオセンサーをコードしている真核生物の発現プラスミドが、上皮成長因子受容体(EGFR)を構成的に過剰発現するヒトA431腫瘍細胞内へとトランスフェクトされるであろう。A431細胞は、EGFで、そして場合によってはEGCGでも刺激されるであろう。核と細胞質との間のバイオセンサーの細胞内再分布が次いで、再分布の時間経過を決定するために動力学的に測定されるであろう。EGFでの刺激後に最高の再分布を示すNESとNLSとの組み合せを含むバイオセンサーを多重化したHCSアッセイで用いることにより、最大の測定可能な応答を再現性よく誘導するEGF濃度を決定するための系の応答をさらに特徴付けることができるであろう。
【0054】
バイオセンサー構築のための適切なNESおよびNLS構造の選択。配列番号:1−6のペプチド配列の6つの局在化の組み合わせは、4つの最初のバイオセンサーを調製するのに活用されるであろう。HCSアッセイは、各シグナル配列の組合せの有用性を定量化するための理想的な手段を提供するであろう。このように、4つの融合タンパク質は、実施例1に記載されているものと類似の分子成分を含むであろう。NLSおよびNESの組合せをコードしている核酸は、SH2およびGFPドメインをコードしている配列に隣接するであろう。SH2ドメインは、生細胞において発現した場合に活性を保持するGFPキメラを産生するのに既に用いられている(Kirchner et al., 2003)pp6OSrc SH2ドメイン(アミノ酸142-251に相当)を用いてコードされるであろう。
【0055】
SH2タンパク質ドメイン活性化の生細胞動態測定を用いて、生物学的アッセイ系の応答時間の性質決定が行われるであろう。実施例1に記載されるように、SH2バイオセンサーは、生細胞動態HCSモードでリガンドにより誘導されたバイオセンサーの再分布の時間経過を測定することにより確認されるであろう。つまり、SH2バイオセンサーバリアントを発現している細胞が100 ng/ml EGFで処理され、そして各バイオセンサータイプの細胞内再分布の時間経過が1時間の時間経過にわたって毎分測定されるであろう(Yamazaki et al., 2002)。これらの実験の定量的な結果は、多重化したHCSアッセイへのバイオセンサーの取り込みを容易にするであろう。化合物スクリーニングがその後すぐに進行するであろう。
【0056】
実施例3
本実施例は、化合物が有する分子相互作用への影響を様々な特性の表現型に照らし合わせる間に、該化合物が有する分子相互作用への影響を明らかにする、確認された、多重化されたHCSアッセイへのバイオセンサーの組み込みを実証する。核形態、細胞DNA含量、微小管-安定性、およびヒストンH3リン酸化レベルの測定がなされ得る。アッセイは、標的タンパク質-タンパク質相互作用の調節剤を求めて、500-1000化合物のライブラリをスクリーニングすることにより実証されるであろう。
【0057】
バイオセンサーは、測定された分子過程がバイオセンサーで測定される生物学的活性と生理学的関連を有する、多重化したHCSアッセイへと組み込まれるであろう。バイオセンサーが組み込まれる場合、アッセイは4色であろう。さらに、アッセイは、Kolmogorov-Smirnov適合度テストに基づく刊行されている統計解析方法(Giuliano et al., 2004)を用いて確認されるであろう。Hoechst 33342がDNA含量および核形態の測定のために用いられ、マウス抗β−チューブリン一次抗体が界面活性剤抽出の後に残存している細胞のチューブリンを評価するのに用いられ、そして抗ホスホ−ヒストンH3一次抗体がヒストンH3のリン酸化レベルを測定するのに用いられるであろう。
【0058】
細胞トランスフェクションおよび薬物処理。バイオセンサーをコードしている発現ベクターは、実施例1に記載されているように細胞内へとトランスフェクトされるであろう。薬物処理のために、トランスフェクトされた細胞は、384-ウェルマイクロプレート中にウェルあたり6000-8000細胞の密度で蒔かれるであろう。自動化リキッドハンドリングシステム(Biomek(登録商標)2000;Beckman-Coulter, Inc., Fullerton, CA)を用いて、濃縮された全ての薬物の保存液をマイクロプレートに添加後、細胞は、24時間薬物にさらされるであろう。
【0059】
自動化リキッドハンドリングを用いた免疫蛍光標識化。薬物処理の後、細胞を固定しそしてそれらの核を標識化する(Giuliano et al., 2004)。次に、不安定化チューブリンを含む可溶性細胞成分の画分を界面活性剤抽出するために0.5%(w/w)Triton X-100を添加し、室温で5分間インキュベーションする。ウェルをHBSSで洗浄し、マウス抗α-チューブリンおよびウサギ抗ホスホ-ヒストンH3を含む一次抗体溶液を引き続き添加する。室温で1時間のインキュベーション後、マイクロプレートウェルをHBSSで洗浄し、Cy3標識ロバ抗マウスおよびCy5標識ロバ抗ウサギ抗体を含む二次抗体溶液を引き続き添加する。室温で1時間のインキュベーション後、マイクロプレートウェルをHBSS で洗浄し、HCSまで保存する。
【0060】
HCSプロセス。HCSは、Cellomics(登録商標)StoreおよびvHCSTM Discovery Toolbox(Cellomics, Inc.;Pittsburgh, PA)と連動したCompartmental Analysis BioApplication Softwareを有するArrayScan(登録商標)HCS Readerで行われる。機器は、マイクロプレートのウェル内で、それぞれ多重化した蛍光または発光を有する多重の光学視野をスキャンするのに用いられる。BioApplicationソフトウェアは、光学視野内の細胞内対象物の強度、形態、および各細胞における部位などの30より多い数的特徴値を作り出す。これらのアルゴリズムのいくつかの面が、既述されている(Abraham et al., 2004)。ウェルあたり測定した細胞の数は、統計学的要件により決定される。
【0061】
統計解析およびスクリーニング確認。細胞集団応答の有意性を決定するために、Kolmogorov-Smirnov適合度解析(KS統計)が用いられる。つまり、サンプルサイズが臨界KS統計値を決定し、それは生物学的不均一性による変動を補正した場合、溶媒のみで処理したコントロールサンプルと比較して薬物処理の有意な生物学的影響を識別するのに十分である(Giuliano et al., 2004)。したがって、KS値は、化合物が多重化した標的の1以上に対して「ヒット」を生むかどうかを決定する際、および互いに比較して化合物をランク付けるのに用いられ得る活性の測定を提供する際の決定因子であろう。
【0062】
実験的および生物学的変動性。アッセイ確認の第二の構成要素は、細胞ベースの実験系に固有な日差による変動性を含む。リキッドハンドリングロボットおよびマイクロプレートリーダーなどの計測手段が一因である実験的変動性の他に、標的細胞およびいくつかの免疫試薬の生物学的変動性は、全スクリーニングプラットフォームの再現性を左右する。実用的な方法における生物学的変動性に取り組むため、厳密な標準的な操作手順が、細胞の取り扱いならびに試薬の調達および調製に関して維持されるであろう。アッセイは、従って、結果が3つの別々の試験の後で上述のような同じレベルの統計学的有意性に戻るのなら、確認されたと見なされるであろう。
【0063】
代わりのHCSアッセイパラメーター。最初のデザインで選ばれたHCSアッセイパラメーターは、実施例1および2に記載されるバイオセンサー(biosenors)で測定されるであろう細胞過程を補完する。それでもなお、アッセイ系の固有の柔軟性のため、異なるセットの生理学的パラメーターを報告する他の試薬へ容易に交換することが可能となる。多重化したHCSアッセイは、バイオセンサー活性と遺伝子発現の間のつながりを浮き彫りにするために、転写因子活性化の方への偏向を伴うようにデザインされ得る。代わりのHCSアッセイは、NF-κB、ATF-2、NFAT、あるいは転写因子のSTATファミリーメンバーの1以上の活性化の測定を含み得る。さらに、バイオセンサー活性は、3つのストレスキナーゼJNK、p38 MAPK、およびERKの活性化と組み合わせて測定され得る。
【0064】
刊行物、特許出願および特許を含む、以下のリストを含む、本明細書中で引用された全ての参考文献は、各々の参考文献が個々に且つ具体的に参考として組み込まれることが示され、その全体が本明細書中に示されたかのように、同じ範囲まで本明細書により参考として組み込まれる。
【0065】
【表1−1】

【0066】
【表1−2】

【0067】
【表1−3】

【0068】
【表1−4】

【0069】
【表1−5】

【0070】
【表1−6】

【0071】
本発明を記載することに関して(特に添付の特許請求の範囲に関して)、用語「a」および「an」および「the」ならびに同様の指示対象の使用は、本明細書中で他のように示されるか文脈と明確に矛盾しない限り、単数および複数の両方をカバーすると解釈すべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」および「含む(containing)」は、他に示されない限り、オープンエンドの用語(即ち、「含むがそれらに限定されない」ことを意味する)と解釈すべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中で他のように示されない限り、その範囲内に入る各個別の値を個々に言及するための簡潔な方法として作用することを意図するものに過ぎず、各個別の値は、個々に本明細書中で引用したかのように、本明細書中に組み込まれる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中で他のように示されるかさもなくば文脈と明確に矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施できる。本明細書中に提供される任意の全ての例または例示的語句(例えば、「such as」)は、本発明をよりよく説明することだけを意図するものであり、他のように特許請求されない限り、本発明の範囲に対する限定を示すものではない。明細書中の語句は、任意の特許請求されていない要素を本発明の実施に不可欠なものとして示していると解釈すべきではない。
【0072】
本発明者らが知る本発明を実施するために最良の態様を含む、本発明の好ましい実施態様が本明細書中に記載される。これらの好ましい実施態様のバリエーションは、前記記載を読めば当業者に明らかとなりうる。本発明者らは、当業者が必要に応じてこのようなバリエーションを使用することを予測し、本発明が本明細書中に具体的に記載したものとは異なって実施されることを意図する。従って、本発明は、本明細書に添付された特許請求の範囲に挙げられる対象物の全ての改変および等価物を、適用法が許す限り含む。さらに、本発明の全ての可能なバリエーションにおける上記要素の任意の組み合わせは、本明細書中で他のように示されるかさもなくば文脈と明確に矛盾しない限り、本発明に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上のポリペプチド間の相互作用に対する関心のある物質の影響を検出するための方法であって:
a.2以上のポリペプチド(例えば、第一のポリペプチドおよび第二のポリペプチド)を、該ポリペプチドが、互いに、内在性タンパク質と、またはその組み合わせと相互作用する条件下で細胞に導入し(ここで少なくとも該第一のポリペプチドが、1以上のポリペプチド、内在性タンパク質、またはその組み合わせと相互作用する相互作用ドメインを含み、且つレポータードメインをさらに含むバイオセンサーである)、且つ該ポリペプチドの1以上、該内在性タンパク質の1以上、またはその組み合わせ間の相互作用を定量化すること、
b.該細胞を関心のある物質と接触させ、且つ該ポリペプチド、内在性タンパク質、またはその組み合わせ間の相互作用を定量化すること、ならびに
c.工程(a)の結果を工程(b)のものと比較すること、
を含む方法。
【請求項2】
該第二のポリペプチドもまたポリペプチド、内在性タンパク質、またはその組み合わせと相互作用する相互作用ドメインを含み、且つレポータードメインをさらに含むバイオセンサーである、請求項1の方法。
【請求項3】
レポータードメインが発光性または蛍光性部分を含む、請求項1の方法。
【請求項4】
レポータードメインが発光性または蛍光性部分を含む、請求項2の方法。
【請求項5】
発光性または蛍光性部分がGFPである、請求項3または4の方法。
【請求項6】
該ポリペプチド間の相互作用が蛍光または発光シグナル変化を評価することにより判断される、請求項3の方法。
【請求項7】
該ポリペプチド間の相互作用が蛍光または発光シグナル変化を評価することにより判断される、請求項4の方法。
【請求項8】
2以上のポリペプチド間の相互作用に対する関心のある物質の影響を検出するための方法であって:
a.2以上のポリペプチド(例えば、第一のポリペプチドおよび第二のポリペプチド)を、該ポリペプチドが互いに、内在性タンパク質と、またはその組み合わせと相互作用する条件下で細胞に導入し(ここで少なくとも該第一のポリペプチドが発光性または蛍光性部分を含むレポーターを含むバイオセンサーである)、且つ可逆的な蛍光または発光シグナル変化を評価することにより該ポリペプチドの1以上、該内在性タンパク質の1以上、またはその組み合わせ間の相互作用を定量化すること、
b.該細胞を関心のある物質と接触させ、且つ蛍光または発光シグナル変化を評価することにより該ポリペプチドの1以上、該内在性タンパク質の1以上、またはその組み合わせ間の相互作用を定量化すること、ならびに
c.工程(a)の結果を工程(b)のものと比較すること、
を含む方法。
【請求項9】
該第二のポリペプチドもまた発光性または蛍光性部分を含むレポーターを含むバイオセンサーである、請求項8の方法。
【請求項10】
発光性または蛍光性部分がGFPである、請求項9の方法。
【請求項11】
該第一のおよび/または該第二のポリペプチドが該ポリペプチドの1以上、該内在性タンパク質の1以上、またはその組み合わせと相互作用する相互作用ドメインをさらに含む、請求項8または9の方法。
【請求項12】
該物質が化学的、物理的刺激、環境的刺激、電気的刺激、または照射である、請求項1の方法。
【請求項13】
該物質が化学的、物理的刺激、環境的刺激、電気的刺激、または照射である、請求項8の方法。
【請求項14】
少なくとも2の関心のある分子間の相互作用を定量化するための方法であって:
a.各関心のある分子を個別に細胞内に導入し(ここで該関心のある分子の少なくとも1つが発光性または蛍光性部分を含むレポーターを含む)、且つ発光または蛍光のレベルを定量化すること、
b.該関心のある分子を同時に細胞に導入し、且つ発光または蛍光のレベルを定量化すること、ならびに
c.工程(a)の結果を工程(b)のものと比較すること、
を含む方法。
【請求項15】
関心のある分子の1つがSH2である、請求項14の方法。
【請求項16】
関心のある分子がポリペプチドである、請求項14の方法。
【請求項17】
ポリペプチドが該ポリペプチドの1以上、該内在性タンパク質の1以上、またはその組み合わせと相互作用する相互作用ドメインをさらに含む、請求項16の方法。
【請求項18】
相互作用が蛍光共鳴エネルギー転移、蛍光偏光測定法、回転差、蛍光寿命変化、蛍光溶媒感受性、および蛍光消光を用いて定量化される、請求項6、7、8、12、または13の方法。
【請求項19】
相互作用がデバイスにより自動的に定量化される、請求項1、8、12、または13の方法。
【請求項20】
請求項19の方法であって、ここでデバイスは多細胞を含む部位のアレイを提供し、細胞内の少なくとも1の発光性または蛍光性レポーターポリペプチドからの発光性または蛍光性シグナルを得るために細胞を含む各部位で多細胞をスキャンし;細胞内の特定の部位内の少なくとも1の発光性または蛍光性レポーターポリペプチドからの発光性または蛍光性シグナルの発光または蛍光強度を測定し;且つ以下の1以上の関心のあるポリペプチドにより誘導された変化を自動的に計算する、方法:
a.細胞内の特定の部位における少なくとも1の発光性または蛍光性レポーターポリペプチドからの発光性または蛍光性シグナル強度の、細胞内の異なる特定の部位における少なくとも1の発光性または蛍光性レポーターポリペプチドからの発光性または蛍光性シグナル強度に対する割合;ならびに
b.細胞内の特定の部位における少なくとも1の発光性または蛍光性レポーターポリペプチドからの発光性または蛍光性シグナル強度と、細胞内の異なる特定の部位における少なくとも1の発光性または蛍光性レポーターポリペプチドからの発光性または蛍光性シグナル強度との間の差異(ここで関心のある物質により誘導された変化が、細胞内の第一の部位から細胞内の第二の特定の部位へのポリペプチドの局在化に対する関心のある物質の影響を示している)。
【請求項21】
同じ細胞における細胞成分または機能に対する関心のある物質の影響を検出するための方法であって:
a.相互作用する2以上の分子を細胞内に導入し且つ関心のある細胞成分または機能を定量化すること、
b.該細胞を関心のある物質と接触させ且つ関心のある細胞成分または機能を定量化すること、ならびに
c.工程(a)の結果を工程(b)のものと比較すること、
を含む方法。
【請求項22】
分子がポリペプチドである、請求項21の方法。
【請求項23】
同じ細胞における細胞成分または機能に対する2の関心のある分子間の相互作用の影響を定量化するための方法であって:
a.各関心のある分子を細胞内に個別に導入し、且つ関心のある細胞成分または機能を定量化すること、
b.該関心のある分子を該細胞に同時に導入し、且つ関心のある細胞成分または機能を定量化すること、ならびに
c.工程(a)の結果を工程(b)のものと比較すること、
を含む方法。
【請求項24】
分子がポリペプチドである、請求項23の方法。
【請求項25】
関心のある細胞成分または機能が、アポトーシス;ネクローシス;細胞周期調節;核形態;細胞DNA含量;ヒストンH3リン酸化レベル;他のキナーゼまたはホスファターゼ活性;転写因子活性化;腫瘍抑制因子活性化または誘導;ミトコンドリア電位、ペルオキシソーム数およびサイズ、またはエンドソームのpHを含むオルガネラの機能;アクチン、微小管、または中間径フィラメント細胞骨格の組織化;受容体内部移行または転位;細胞運動性;プロテアーゼ活性化;熱ショック応答;エキソサイトーシス;エンドサイトーシス;細胞肥大または他の形態変化;ならびにタンパク質と同様にコードおよび非コードRNAsを含む遺伝子発現からなる群より選択される、請求項21または23の方法。
【請求項26】
該ポリペプチドの1以上が該ポリペプチドを細胞内で特異的な局在化パターンで発現させる局在化ドメインを含み、且つ関心のある物質が該局在化パターンを崩壊する、請求項1、8、16、22または24の方法。
【請求項27】
該ポリペプチドの1以上が1を上まわる局在化ドメインを含む、請求項26の方法。
【請求項28】
該局在化ドメインがNESおよびNLSからなる群より選択される、請求項26の方法。
【請求項29】
局在化ドメインがKRTADGSEFESPKKARKVE(配列番号:1)、QQMGRGSEFEPAAKRAKLDE(配列番号:2)、QQMGRGSEFESPKKARKVE(配列番号:3)、NSNELALKLAGLDINKTE(配列番号:4)、HAEKVAEKLEALSVKEET(配列番号:5)、およびPSTRIQQQLGQLTLENLQ(配列番号:6)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むまたは本質的にからなる、請求項26の方法。
【請求項30】
該ポリペプチドの少なくとも1つがタンパク質、タンパク質フラグメント、またはタンパク質相互作用ドメインを含む、請求項1、8、16、22、または24の方法。
【請求項31】
該ポリペプチドの少なくとも1つがタンパク質を含み、且つ誘導性プロモーターの転写調節下で細胞内において発現する、請求項1、8、16、22、または24の方法。
【請求項32】
該ポリペプチドの少なくとも1つが細胞の外で産生され、且つ次いで細胞内に導入される、請求項1、8、16、22、または24の方法。
【請求項33】
該ポリペプチドの少なくとも1つが該細胞に対して外来性である、請求項1、8、16、22、または24の方法。
【請求項34】
該ポリペプチドの少なくとも1つが該細胞に対して内在性である、請求項1、8、16、22、または24の方法。
【請求項35】
該ポリペプチドの少なくとも2つがp53およびHDM2である、請求項1、8、16、22、または24の方法。
【請求項36】
該ポリペプチドの少なくとも1つが配列番号:7の配列を有する、請求項1、8、16、22、または24の方法。
【請求項37】
該ポリペプチドの少なくとも1つが配列番号:8の配列を有する、請求項1、8、16、22、または24の方法。
【請求項38】
該ポリペプチドの少なくとも1つが配列番号:9の配列を有する、請求項1、8、16、22、または24の方法。
【請求項39】
該ポリペプチドの少なくとも1つが配列番号:10の配列を有する、請求項1、8、16、22、または24の方法。
【請求項40】
該ポリペプチドの少なくとも1つが配列番号:11の配列を有する、請求項1、8、16、22、または24の方法。
【請求項41】
該ポリペプチドの少なくとも1つが配列番号:12の配列を有する、請求項1、8、16、22、または24の方法。
【請求項42】
測定がハイコンテントスクリーニング(HCS)技術を用いてなされる、請求項1、8、12、13、21、または23のいずれかの方法を含むHCSの方法。
【請求項43】
該方法が異なる分子および/または関心のある物質を用いて繰り返され、それによって該繰り返されたアッセイの結果が定量化された比較のデータベース中へと編集される、請求項1、8、12、13、21、または23のいずれかの方法。
【請求項44】
請求項43の方法を用いて作成したデータベース。
【請求項45】
関心のある分子と他の分子または物質との相互作用に関する情報を含み且つ該相互作用がさらなる細胞成分および細胞における機能に関連する、請求項44のデータベース。
【請求項46】
2以上の関心のある分子間の相互作用への影響を有する分子または物質を求めてライブラリをスクリーニングすることにより構築される、請求項44のデータベース。
【請求項47】
2以上の細胞分子間の相互作用を崩壊する分子または物質を求めてライブラリをスクリーニングすることにより構築される、請求項44のデータベース。
【請求項48】
配列番号:8、10、または12を含むアミノ酸の配列を含むポリペプチドを含むバイオセンサー。
【請求項49】
請求項48のバイオセンサーをコードしている核酸。
【請求項50】
配列番号:7、9、または11を含むDNA配列を含む、請求項49の核酸。

【公表番号】特表2008−507995(P2008−507995A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525035(P2007−525035)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【国際出願番号】PCT/US2005/027919
【国際公開番号】WO2006/017751
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(507034894)セルーメン、インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】