説明

細胞増殖および分化のための骨格

本発明は、失活した間質組織組成物、作製方法、および使用方法に関する。本発明は、組織修復または組織再生のための骨格として働き得る間質構造を含む、失活した哺乳動物の実質組織組成物を提供する。この失活した哺乳動物の実質組織組成物は、組織の基底膜をさらに含み得る。本発明は、患者の病変組織または障害のある組織に適合するように特別に成形された、失活した組織を包含する。この失活した哺乳動物実質組織組成物は、任意の腸管外哺乳動物組織および皮膚外哺乳動物組織(例えば、脾臓、腎臓またはリンパ節)に由来し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、失活した実質組織組成物、作製方法、および使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
温血脊椎動物の粘膜下組織は、組織移植材料において有用である。例えば、小腸由来の粘膜下組織移植組成物は、米国特許第4,902,508号(本明細書において以後、特許‘508とする)および米国特許第4,956,178号(本明細書において以後、特許‘178とする)に記載されており、そして膀胱由来の粘膜下組織移植組成物は、米国特許第5,554,389号(本明細書において以後、特許‘389とする)に記載されている。これらの組成物の全ては、本質的に同じ組織層からなり、同じ方法で調製されている。その違いは、出発材料が、一方は小腸であり、他方は膀胱であるということである。特許‘508に詳述される手順(特許‘389に参考として援用される)、および特許‘178に詳述される手順は、組織の内層(特許‘178に記載されるように、腸または膀胱の粘膜の少なくとも管腔部分、すなわち、上皮板粘膜(上皮)および粘膜固有層、を含む)を除去するための、機械的な掻爬工程を包含する。粘膜を掻爬(abrasion)、剥離(peeling)、または擦過(scraping)する工程は、上皮細胞およびそれらの結合する基底膜、そしてほとんどの粘膜固有層を、少なくとも密性結合組織層、緻密層のレベルまで剥がす。したがって、これまでに軟性組織移植組成物として認識されている組織移植材料は、上皮基底膜を欠いている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記に記載された組織移植組成物は、組織置換のための生組織を作製するために使用され得るが、宿主組織と同様の機械的安定性を示し、種々の細胞型の増殖を支持し得る、より汎用性の組織移植組成物に対する必要性がなお存在する。現在までのところ、選択された細胞集団(例えば、ニューロン、血液細胞、および内分泌細胞)は、末期に分化し、そしてインビボでさらに分裂または増殖を誘導することはできないと考えられている。これらの選択された細胞集団は、移植組成物における使用のための材料の供給源として限りがあり、そしてそれらの細胞を支持する移植片の調製は、作製が困難である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要旨)
本発明は、組織の修復(repair)、修復(restoration)、増強、または再生のための骨格(scaffold)として働き得る間質構造を含む、失活した哺乳動物実質組織組成物を提供する。この失活した哺乳動物実質組織組成物は、その組織の基底膜をさらに含み得る。本発明の目的に関して、失活または無細胞とは、本発明に従う組織組成物を調製するために使用される組織内に位置する細胞が、除去されていることを意味する。間質構造、および必要に応じてまた基底膜の存在は、皮膚または腸の皮下組織または粘膜下組織にそれぞれ由来する基質と比較して、インビボにおける内在性の細胞の増殖および組織修復の改善を提供し得る骨格を提供する。好ましい実施形態において、本発明は、患者の病変組織または障害のある組織に適合するように特別に成形された(custom−shaped)、失活した組織を包含する。この失活した哺乳動物実質組織組成物は、任意の腸管外哺乳動物組織および皮膚外哺乳動物組織(例えば、脾臓、腎臓またはリンパ節)に由来し得る。修復(repair)、修復(restoration)、増強、または再生を必要とする組織は、標的細胞型を含む。
【0005】
本発明は、失活した哺乳動物実質組織組成物が、汎用性の性質を有し、そしてこの失活した実質組織の由来する部位以外の部位において骨格として働き得るという知見にさらに基づく。さらに、本発明の失活した哺乳動物実質組織組成物は、標的哺乳動物細胞の増殖および分化を支持する。標的哺乳動物細胞としては、通常はインビトロで分化または増殖しない特殊化した細胞、例えば、ニューロンが挙げられ得る。本明細書において記載される哺乳動物実質組織組成物上で増殖および分化し得る、他の標的哺乳動物細胞の例としては、例えば、血液細胞(例えば、白血球、赤血球および血小板)、幹細胞ならびに内分泌細胞(例えば、膵島細胞)が挙げられる。標的哺乳動物細胞の他の例としては、遺伝的に変化されている細胞が挙げられる。本発明の骨格の汎用性の性質は、身体の種々の解剖学的部位におけるこの骨格の使用を可能にする。適切な標的細胞と組み合わせて、本発明の骨格は、目的の生物学的に活性な分子(例えば、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)または塩基性線維芽細胞増殖因子のような増殖因子、インシュリンのようなホルモン、インターロイキンー1のようなサイトカイン)のインビボ産生を補完するためにさらに使用され得る。したがって、本発明の骨格は、身体において生物学的に活性な分子を産生するための代替的供給源として働き得、そして目的の分子(例えば、ホルモン)の産生を増加させる必要のある疾患の処置において使用され得る。本発明の骨格はまた、疾患の処置または予防のための、他の生物学的に活性な分子を産生するために使用され得る。このような生物学的に活性な分子としては、抗原、抗体、酵素、凝固因子、輸送タンパク質、レセプター、調節タンパク質、構造タンパク質、転写因子、リボザイムまたはアンチセンスRNAが挙げられる。本発明の骨格は、医薬品(例えば、抗生物質、ヘパリンのような抗凝固剤、およびウイルスインヒビター)を送達するためにさらに使用され得る。
【0006】
本発明の一局面において、本発明は、患者において髄外造血を促進するための骨格であって、哺乳動物造血幹細胞と混合された失活した哺乳動物実質組織の少なくとも一部を含む骨格を特徴とする。上記失活した哺乳動物実質組織は、失活した脾臓、リンパ節または腎臓のような任意の失活した組織であり得る。この失活した組織は、同種異系組織供給源、自家組織供給源または異種組織供給源に由来し得る。上記幹細胞は、失活した哺乳動物実質組織内に播種され得る。この幹細胞は、自家、同種異系または異種であり得る。
【0007】
本発明の別の局面において、本発明は、患者における内分泌障害を処置するための骨格であって、哺乳動物内分泌細胞と混合された失活した哺乳動物実質組織の少なくとも一部を含む骨格を特徴とする。上記失活した哺乳動物実質組織は、失活した脾臓、リンパ節または腎臓のような任意の失活した組織であり得る。上記哺乳動物内分泌細胞は、幹細胞、膵島細胞、甲状腺細胞、下垂体細胞、または副腎細胞を含み得、そして同種異系細胞、自家細胞または異種細胞であり得る。上記失活した組織は、同種異系組織、自家組織または異種組織であり得る。
【0008】
本発明は、患者の内分泌障害(例えば、糖尿病)を処置するための方法をさらに包含する。この方法は、哺乳動物内分泌細胞と混合された失活した哺乳動物実質組織の少なくとも一部を含む骨格を提供する工程を包含する。この方法は、上記失活した実質性哺乳動物組織の由来する部位以外の解剖学的部位において、上記骨格を患者へ移植する工程をさらに包含する。患者においてこの骨格が移植され得る部位の例としては、腹腔、胸腔、骨髄、鞘内、皮下組織、または筋肉内の位置が挙げられる。
【0009】
本明細書中で使用される場合、用語「同種異系組織」または「同種異系細胞」とは、ある個体から単離されて、同じ種の別の個体で使用される組織または細胞を指す。用語「異種組織」または「異種細胞」とは、ある種の個体から単離されて、別の種の個体に配置される組織または細胞を指す。用語「自家組織」または「自家細胞」とは、ある個体から単離されて、その個体に移植して戻される組織または細胞を指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(発明の詳細な説明)
本発明は、失活した実質性哺乳動物組織またはその一部が、患者の身体における、病変があるか、障害があるか、欠けているか、もしくは別の点で欠陥のある組織または器官を、増強、修復(repair)、修復(restore)、または置換するために、本発明に従う3次元的支持構造物または骨格として使用され得るという知見に基づく。本明細書中で使用される場合、修復とは、組織の機能を修復すること、または組織の構造を修復することを意味するものである。骨格は、細胞と一緒に、目的の生物学的に活性な分子の産生を置換または補完するために、インビボで使用され得る。用語、実質組織とは、固体器官において見出される組織を指す。用語「失活した実質性哺乳動物組織」とは、実質組織(実質細胞を含む)の全体または実質的に全体がその組織から除去された場合に残存する、3次元支持構造を指す。好ましい組織は、例えば、腎臓、脾臓またはリンパ節である。実質細胞および間質細胞が除去された後に残存するこの3次元支持系は、細胞外基質(ECM)から構成され、そして核および細胞内容物を大部分欠いている。ECMは、ほとんど繊維性および非繊維性のコラーゲンからなる。このECMは、本明細書において、骨格(scaffold)と称される。失活した実質器官から収集されたECMは、粘膜下組織に由来するECM(例えば、胃腸管壁または膀胱の壁に由来し、一般に、SIS、UBSおよびUBMとして公知の組織移植組成物)と区別される。本明細書において記載される、本発明の骨格のECMは、収集された各組織について、固有の組成物および超構造を有する。したがって、本発明上およびその中で増殖する細胞が、その増殖を支持するための特殊化した基質(すなわち、骨格)を有するだけでなく、その基質そのものも、目的の特定の分子を提供する。
【0011】
本明細書において記載される骨格のECMは、さらに基底膜を含み得る。この基底膜は、主に、IV型コラーゲン、ラミニンおよびプロテオグリカンからなる。ECM、および基底膜(存在する場合)中に存在する成分は、存在する場合、その骨格が由来する各組織に特有である。このECMは、細胞が、患者にとって外来性の供給源に由来するにせよ患者自身の細胞に由来するにせよ、インビトロにおいて、または患者の身体に移植された場合、インビボにおいて、この骨格上で付着、増殖および分化することを可能にする、支持性の枠組みおよび微小環境を提供する。本明細書中で使用される場合、用語「失活した哺乳動物実質組織」とは、失活した哺乳動物の実質器官の少なくとも一部を指すか、またはその器官全体を指し得る。
【0012】
(哺乳動物組織の器官供給源)
本発明に従う骨格を形成する失活した実質性哺乳動物組織は、身体の任意の器官(例えば、腎臓、脾臓またはリンパ節)から単離され得る。例えば、本発明に従う骨格による処置の標的とされない、病変があるか、障害があるかまたは他の点で欠陥がある組織の一部が、患者から単離され得、そして以下に記載されるように調製されて本発明の骨格を形成し得る。あるいは、以下に記載されるような本発明の骨格を調製するために、組織が、組織バンクまたはヒトの死体から得られ得る。
【0013】
失活した実質組織が由来する器官は、動物から単離され得る。この器官が収集され得る有用な動物としては、食肉生産のために飼育された動物(ブタ、ウシ、およびヒツジが挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。他の温血脊椎動物もまた、器官の供給源として有用であるが、食肉生産のために使用される動物に由来するこのような器官のより高い有効性は、本発明に従う失活した実質性哺乳動物組織骨格の調製に使用するための組織の、安価な商業的供給源であることである。特定の頻度で、特別に繁殖されたかまたは遺伝的に操作された特定の種の系統から単離された組織を使用することも、好ましい可能性がある。例えば、遺伝的に操作されて、ガラクトシル、α1,3ガラクトース(GALエピトープ)を有さないブタが、骨格の調製のための組織の供給源として使用され得る。あるいは、特定の病原を有さないように飼育された群れに由来するブタが、組織供給源として使用され得る。本発明の骨格組成物の調製のために使用される哺乳動物組織は、あらゆる年齢群(胚性組織もしくは市場に出される重量のブタを含む)、あらゆる性別、またはあらゆる性成熟段階の動物から収集され得る。
【0014】
本発明の骨格を形成する失活した実質性哺乳動物組織は、動物の体から単離された任意の器官から調製され得る。特定の実施形態において、この失活した哺乳動物実質組織骨格は、脾臓、腎臓、またはリンパ節に由来する。この失活した実質性哺乳動物組織は、自家、同種異系または異種である組織供給源から得ることができる。一実施形態にしたがって、この失活した実質性哺乳動物組織骨格中、またはその上に播種される細胞は、自家、同種異系または異種の供給源から得ることができる。外来性に供給された一次細胞、培養細胞(例えば、不死化細胞株由来の細胞が挙げられるが、これらに限定されない)は、失活した無細胞性の実質性哺乳動物組織骨格中、またはその上に導入され得る。外来性細胞を有する骨格、または代替的に、細胞を有さない骨格は、レシピエント患者において、その患者の失活した実質組織が由来する部位に対応する解剖学的部位に(その組織がそのレシピエント患者に由来しようと、または他の供給源に由来しようと)移植され得る。あるいは、外来性細胞を有するかまたは有さない骨格は、その骨格を調製するために使用される組織が由来する部位から離れた部位に移植され得る。
【0015】
(組織の脱細胞化)
本発明によると、組織またはその一部(例えば、脾臓、リンパ節または腎臓)は、温血脊椎動物(例えば、患者もしくは動物供給源(例えば、ブタ))から器官またはその一部を取り出すことによって調製される。単離された組織は、組織の細胞性内容物を除去することによって失活させられる。一実施形態において、この単離された組織は、この組織を、例えば、0.01%〜5.00%の過酢酸(好ましくは、0.1%過酢酸)で処理し、続いてこの組織を緩衝化生理食塩水および蒸留水でリンスすることによって、脱細胞化される。この処理後に残った組織は、間質構造および基底膜である。別の実施形態において、基底膜を除去するために、特定のコラゲナーゼ(例えば、IV型コラーゲンに特異的なコラゲナーゼ)で組織をさらに処理することによって、基底膜もまた必要に応じて除去される。得られた骨格の脱細胞化された状態は、その骨格をDNA含有量について検査することによって検証される。
【0016】
本発明に従う一実施形態において、失活した哺乳動物実質組織骨格は、凍結状態または水和状態で保存される。あるいは、失活した哺乳動物実質組織骨格は、室温で風乾され、次いで保存される。なお別の実施形態において、失活した哺乳動物実質組織骨格は、凍結乾燥されて、室温または凍結のいずれかにおいて、脱水状態で保存される。なお別の実施形態において、失活した哺乳動物実質組織骨格は、すり潰されて、この材料をプロテアーゼ(例えば、ペプシンまたはトリプシン)中で、この組織を可溶化して実質的に均質な溶液を形成するのに十分な時間、消化することによって流動化される。可溶化された材料の粘度は、pHを調節することによって変動されて、ゲル、ゲル−ゾル、または完全な液体状態を作製し得る。
【0017】
さらに別の実施形態において、本発明は、失活した哺乳動物実質組織骨格の粉状形態の使用を企図する。一実施形態において、失活した哺乳動物実質組織骨格の粉状形態は、失活した哺乳動物実質組織骨格材料をすり潰すかまたは粉砕して、0.005mm〜2.0mmの範囲の大きさの粒子を生成することによって、作製される。この材料は、例えば液体窒素中で、凍結されて、粉砕手順を実施され得る。あるいは、この材料は、脱水されて、粉砕手順を実施され得る。次いで、この材料の粉砕形態は、凍結乾燥されて、失活した哺乳動物実質組織骨格の実質的に脱水した粒子を形成する。この粒子状形態または粉末状形態は、一緒に圧縮されて、患者の身体に移植され得る圧縮粒子状骨格を形成し得る。本発明に従う一実施形態において、細胞は、骨格が患者に移植される前に、この圧縮粉末骨格または圧縮粒子状骨格に添加され得る。
【0018】
失活した実質組織骨格は、多くのその固体形態、粒子状形態、または流動化形態のいずれかで、器官または組織の修復のための骨格として使用され得る。本発明の失活した哺乳動物実質組織組成物は、その固体シート状形態で所定の位置に縫合され得るか、ゲル形態で創傷もしくは身体の位置に配置され得るか、またはその液体形態もしくは粒子状形態で注入もしくは塗布され得る。
【0019】
(失活した組織の使用)
失活した哺乳動物実質組織骨格は、疾患組織または損傷を受けた組織の置換、修復、または増強に役立ち得る三次元支持構造を形成する。本発明の失活した組織は、失活した実質組織の元の部位とは離れた部位、または置換、修復(repair)、修復(restoration)もしくは増強の必要な解剖学的な部位以外の部位における三次元支持構造として役立ち得る多用途の支持構造である。例えば、本発明の骨格は、腎臓に由来し得、そして、患者の肝臓を置換、修復(repair)、修復(restore)または増強するために、患者の肝臓の疾患部分、損傷部分または失われた部分に隣接する解剖学的な部位に移植され得る。この骨格は、自家組織供給源、同種異系の組織供給源または異種組織供給源から調製され得る。
【0020】
本発明に従う特定の実施形態において、失活した実質組織骨格は、骨格と組み合わされた細胞が患者に移植される場合に、細胞の標的集団がその骨格上で拡大し、増殖することを可能にする、種々の外来性細胞型の増殖(growth)および増殖(proliferation)を支持する基質として使用され得る。標的細胞は、例えば、一次細胞、胎仔細胞、前駆細胞、または不死化細胞株に由来する細胞であり得る。細胞は、例えば、上皮組織起源細胞、内皮組織起源細胞、造血組織起源細胞、または結合組織起源細胞であり得る。細胞は、自家供給源、同種異系供給源または異種供給源に由来し得る。
【0021】
本発明の一実施形態に従って、細胞は、本発明の失活した実質組織骨格と接触し、そして、必要である場合、処置を受けることを意図する組織に特徴的である一次細胞型に増殖し、分化することが可能となる。細胞を骨格と接触させる工程は、骨格の外側を細胞でコーティングする工程、細胞を骨格に導入する(例えば、細胞を骨格中に注入することによる)工程、または骨格をコーティングする工程および細胞を骨格へ注入する工程の組合せを包含する。細胞と混合した骨格は、患者の解剖学的な部位に移植される。解剖学的な部位は、修復(repair)、修復(restoration)もしくは増強を必要とする患者の組織に隣接し得るか、または、外来性細胞を有するか、もしくは有さない骨格が移植される解剖学的な部位は、修復(repair)、修復(restoration)もしくは増強を必要とする組織から離れた患者の解剖学的な部位であり得る。
【0022】
本発明は、さらに、失活した実質組織を、造血性幹細胞、膵島細胞、下垂体細胞または甲状腺細胞を含む特定の細胞集団の増殖および分化を支持するために使用することを特徴とする。
【0023】
例えば、別の実施形態において、骨格は、標的細胞(例えば、所望の細胞生成物を合成する特定の細胞)を支持し得、これらの細胞生成物は、例えば、生物学的に活性な分子(例えば、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)または塩基性線維芽細胞増殖因子などの増殖因子、インスリンなどのホルモン、インターロイキン−1などのサイトカイン、抗原、抗体、酵素、凝固因子、輸送タンパク質、レセプター、調節タンパク質、構造タンパク質、転写因子、リボザイムまたはアンチセンスRNA)である。一実施形態において、細胞は、所望の生物学的に活性な分子を合成するように遺伝的に変化され得る。遺伝的に変化した細胞または組換え細胞は、目的の生物学的に活性な分子またはそのフラグメントをコードし得るDNA配列を含む発現ベクターを標的細胞に導入することによって調製され得る。哺乳動物発現ベクターの例としては、pCDM8(Seed,B.(1987)Nature 329:840)およびpMT2PC(Kaufmanら(1987)EMBO J.6:187〜195)が挙げられる。当業者は、目的のDNA配列の発現に適している他のベクターを認識する。それらは、例えば、Sambrookら(1989)Molecular Cloning.A Laboratory Manual 第2版、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.に見出される。ベクターは、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介性トランスフェクション、カチオン性脂質媒介性トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質転換、感染、リポフェクションおよび例えば、Sambrookら(前出)に見出される他の技術などの技術を用いて細胞に導入され得る。遺伝的に変化した細胞は、骨格と接触させられ、その上での増殖および分化が可能になる。
【0024】
別の実施形態において、標的細胞は、医薬品(例えば、抗生物質)、抗凝血剤(例えば、ヘパリン)およびウイルスインヒビター(例えば、TAPインヒビターICP47)を送達するために、使用され得る。
【0025】
特定の細胞は、失活した実質組織骨格と組み合わされ、そして、患者の解剖学的部位に移植され得、それによって目的の生物学的に活性な分子をインビボで産生し、そして患者に送達し得る。このような特定の細胞を、本発明に従う骨格上でインビトロで培養するための方法は、細胞をこの骨格上に適用する工程、および細胞の増殖を導く条件下でインビトロで細胞を培養する工程を包含する。本発明に従う細胞を含む組織骨格を作製することにより、初期の小さな細胞集団から増殖した細胞集団を有する組織骨格の作製が好都合に可能となる。
【0026】
本発明に従う一実施形態において、組織骨格に対して外来性の供給源から増殖した細胞集団を有する失活した実質組織骨格は、修復(repair)、修復(restoration)もしくは増強を必要とする組織から離れた患者の解剖学的な部位に移植される。細胞を有する骨格を移植するための解剖学的な部位としては、例えば、皮下組織、胸腔内、腹腔内、鞘内腔、髄内腔、筋内部位、腹膜腔または腹膜後隙が挙げられる。
【0027】
一実施形態において、本発明は、腎臓に由来し、そして目的のホルモンを分泌する内分泌細胞を播種される失活した実質組織骨格を含む。次いで、この骨格は、患者の身体において、腎臓以外の部位(例えば、肝臓)に移植される。一実施形態において、骨格は、身体空間(例えば、血液が良好に供給される身体の腔)に移植される。例えば、本発明に従う一実施形態において、骨格は、腹腔または胸腔に移植され得る。あるいは、骨格は、腹膜後隙、腹膜腔、皮下組織、または筋肉内組織中に移植され得る。あるいは、骨格は、骨髄中に移植され得る。このようにして、骨格は、身体のほとんど全ての解剖学的部位で、目的とする生物学的に活性な分子を産生するために使用され得る。
【0028】
一実施形態において、失活した実質組織骨格は、内分泌細胞(例えば、膵島細胞、下垂体細胞、甲状腺細胞および副腎細胞)の増殖および分化を支持するために使用される。組織骨格と混合された内分泌細胞は、目的のホルモン(例えば、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、チロキシン、カルシトニン、アンドロゲン類、インスリン、グルカゴン、エリスロポエチン、カルシトリオール、インスリン様増殖因子−1、アンギオテンシノゲン、またはトロンボポエチン)を分泌し得る。本発明に従って細胞と混合された失活した実質組織骨格は、患者における内分泌性障害(例えば、甲状腺障害、副甲状腺障害、副腎障害、下垂体障害、生殖障害、造血性障害または膵臓障害)を処置するために使用され得る。
【0029】
別の実施形態において、失活した実質組織骨格は、生物学的に活性な分子を産生するように遺伝的に変化された細胞の増殖を支持するために使用される。一例として、失活した実質組織骨格は、VEGFを産生するように遺伝的に改変された細胞の増殖を支持するために使用される。骨格および細胞は、虚血性損傷により冒された領域における血管の局所的な産生を刺激するように、その領域中の身体の部位またはその領域に近い身体の部位に導入される。本発明の骨格はまた、生物学的に活性な分子または医薬品を制御された放出様式で送達するために使用され得る。一実施形態において、目的の分子または薬剤は、ポリマー中で提供され、次いで、架橋法(例えば、カルボジイミド法、デヒドロ熱法(dehydrothermal methods)、アルデヒドまたは光酸化剤)を用いて骨格中に導入される。本発明の骨格は次いで、体内に導入され、そしてポリマーは、それが分解する場合、生物学的に活性な分子または薬剤が、遊離され、身体に利用可能になるように設計される。別の実施形態において、生物活性分子または生物活性薬剤は、直接骨格に組み込まれ、身体に導入される。身体内における骨格の分解により、分子または薬剤の放出が生じる。
【0030】
(失活した実質組織骨格のための組織供給源)
(脾臓)
失活した実質組織骨格の好ましい供給源は、脾臓である。脾臓由来の失活した実質組織骨格は、温血の脊椎動物(例えば、ブタ)から脾臓を得ることにより調製される。脾臓を0.01%〜5.00%の過酢酸、好ましくは0.1%の過酢酸で、5分間〜120分間、好ましくは15分間、25℃〜40℃で、好ましくは37℃で処理し、そしてその後、緩衝生理食塩水および蒸留水でリンスすることにより組織を脱細胞化する。残存する組織骨格は、細胞外基質および基底膜を含む。本発明に従う一実施形態において、基底膜は、基底膜を取り除くための特定のコラゲナーゼで組織をさらに処理することにより取り除かれる。生じた失活した実質組織骨格は、骨格中のDNA含量を測定することにより、細胞を含まないことを確認される。
【0031】
脾臓の基底膜を含むか、もしくは含まない間質性基質の構成要素は、優れた生物学的組織再構築特性を有する骨格を提供し、支持体を提供し、骨格中または骨格上に導入された細胞の増殖を促進する。脾臓に由来する骨格は従って、身体の組織および器官を置換、修復(repair)、修復(restoration)または増強するために使用され得る。例えば、脾臓に由来する骨格は、支持体を提供し、細胞(例えば、内皮細胞、造血性細胞、島細胞、下垂体細胞、甲状腺細胞または幹細胞)の増殖を促進するために使用され得る。これらの細胞と合わされた骨格は、患者の身体内の解剖学的な部位に移植され得る。例えば、表面に甲状腺細胞が増殖した骨格が、甲状腺に導入され得る。好ましい実施形態において、骨格は、身体の離れた部位(すなわち失活した実質組織の起源の解剖学的な部位以外の解剖学的な部位または置換、修復(repair)、修復(restoration)もしくは増強の必要な解剖学的な部位以外の部位)に導入される。従って、脾臓の骨格は、脾臓以外、および甲状腺以外の身体の部位に移植される(例えば、細胞を有する骨格は、皮下、腹腔内、胸腔内、筋肉内、鞘内に、または骨髄内に移植され得る)。
【0032】
本発明に従う失活した組織組成物を調製するための方法は、出発材料として脾臓を使用することに限定されない。本発明に従う方法はまた、他の組織(例えば、リンパ節および腎臓)に適用可能である。
【0033】
(腎臓、リンパ節)
上記で、脾臓由来の組織再生組成物の調製に使用される工程と類似の工程を使用して、他の組織(例えば、腎臓またはリンパ節)から失活した哺乳動物実質組織骨格を調製し得る。脾臓と同様に、失活した腎臓またはリンパ節を、上記のように処理し、全てまたは実質的に全ての核および細胞成分および実質組織を、組織から取り除く。基底膜を有するかまたは有さない間質性基質のみが、本発明に従う骨格を形成するために処理された組織に残存する。
【0034】
以下の実施例は、本発明の首尾よい実施をより良く示すために役立つ。
【実施例】
【0035】
(例示)
(実施例1:脾臓由来の失活した実質組織骨格:内皮細胞および線維芽細胞の増殖(growth)、増殖(proliferation)および分化)
イヌおよびブタの脾臓を、組織を取り出すための標準的な技術を使用して外科的に取り出した。次いで、15分の間37°Fの温度の浴中で、脾臓を0.1%過酢酸で処理することにより脾臓を脱細胞化した。浴を、磁気攪拌機構により継続的に攪拌し、その後脾臓を緩衝生理食塩水でリンスし、その後蒸留水でリンスした。残存する物質は、DNA含量が本質的にゼロである(無細胞コントロール溶液のバックグラウンド読み値と差がない)細胞外基質(ECM)からなっていた。その骨格を、ヒト微小血管内皮細胞および3T3線維芽細胞のインビトロでの増殖を支持し得るか否かを決定するために試験した。内皮細胞および3T3線維芽細胞の両方を、同一の骨格上に3日間離してプレートした。内皮細胞および3T3線維芽細胞は、付着し、増殖し、そして、本発明の失活した実質性脾臓由来の組織骨格上にコンフルエントな層を形成するように分化した。
【0036】
(実施例2:脾臓由来の失活した哺乳動物実質組織骨格対小腸(SIS)の粘膜下組織および皮下ECM:樹状細胞増殖(growth)および増殖(proliferation))
本発明に従った脾臓由来の実質性失活組織骨格の、ヒトおよびマウス両方の樹状細胞増殖を支持する能力を試験し、皮膚またはSISの皮下組織由来のECMの、樹状細胞増殖を支持する能力と比較した。失活した実質組織骨格を上記のように調製した。結果は、本発明に従った脾臓由来の実質性失活組織骨格は、樹状細胞の増殖(growth)および増殖(proliferation)を支持し得るが、皮下組織およびSIS由来のECMは、樹状細胞集団のアポトーシスおよびその後の死滅をもたらしたことを示した。
【0037】
(実施例3:腎臓由来の失活した実質組織骨格:糖尿病の処置)
本発明に従った実質性失活組織骨格は、内分泌性障害(例えば、糖尿病)を処置するために使用され得る。このことを行なうために、膵島細胞を、例えば、米国特許第5,695,998号に記載されるように入手し、上記のように調製した本発明に従った膵臓由来の実質性失活組織骨格上でインビトロで培養する。患者の(レシピエントの)免疫系による細胞拒絶を最小化するために、自家膵島細胞の使用が好ましい。島細胞は、表面上にプレーティングされるか、または、骨格中に注入され、組織骨格上で増殖することが可能となる。膵島細胞と合わされた骨格は次いで、糖尿病患者に移植され、インスリンを適切に分泌することによりグルコース調節を補助する。一実施形態において、膵島細胞と混合した骨格を、膵臓以外の部位(例えば、腹腔内または胸腔内のいずれかの部位)に移植するような大きさに決め、かつ成形する。
【0038】
本発明に従った別の実施形態において、膵島細胞をインビトロで、膵臓以外の組織(例えば、腎臓)または少なくともその一部に由来する骨格上で培養する。腎臓由来の失活した実質組織骨格は、上記のように調製する。この骨格は、島細胞を合わされ、膵臓に隣接して、または膵臓以外の部位(例えば、上記のように、腹腔内または胸腔内のいずれかの部位)に移植され得る。
【0039】
(実施例4:腎臓由来の失活した実質組織骨格:骨髄性疾患の処置)
本明細書中に記載される骨格は、幹細胞を培養するために使用され得る。幹細胞は、適切な増殖因子を導入することにより、目的の特定の細胞型への分化を誘導され得る。従って、骨格は、患者における髄外造血を促進するために役立ち得る。骨格に、幹細胞(例えば、自家幹細胞、同種異系幹細胞または異種幹細胞)を播種する。
【0040】
失活した実質組織骨格は、患者の身体の失活した実質組織骨格と組み合わせて移植するための多能性幹細胞が培養され得る基質である。多能性幹細胞としては、造血性幹細胞が挙げられるが、これに限定されない。造血性幹細胞は、白血球系、赤血球系、巨核球系またはこれらの組合せの任意の細胞型(例えば、好中球、成熟赤血球、血小板またはこれらの組合せ)にそれぞれ増殖および分化し得る。
【0041】
本発明の実施形態に従って、失活した実質組織骨格を、上記のように、例えば、腎臓またはその一部から調製する。他の組織(例えば、自家供給源、同種異系供給源または異種供給源由来の脾臓またはリンパ節および組織)が、本発明のこの実施形態のための骨格を調製するために使用され得る。
【0042】
本発明に従う特定の実施形態において、造血性幹細胞の表面をコーティングし、失活した実質組織骨格中に注入する。失活した実質組織骨格は、異種組織源(例えば、ブタ)に由来し得る。造血の必要な患者の解剖学的な部位に造血性幹細胞を有する失活した実質組織骨格を移植する前に、細胞を失活した実質組織骨格に数分間〜数日間接触させ得る。一実施形態において、例えば、細胞を、細胞集団の一部が、最終的に分化した血液細胞型(例えば、成熟白血球)に分化するのを可能にするように十分に長く組織骨格上で培養する。
【0043】
造血性細胞を有する骨格は、患者の身体の解剖学的な部位(皮下組織、髄腔、胸腔、腹腔が挙げられるが、これらに限定されない)に移植されるか、または腎臓、脾臓もしくはリンパ節に注入するような大きさに決められ得、かつ成形され得る。
【0044】
(実施例5:腎臓由来の失活した実質組織骨格:パーキンソン病の処置)
本発明に従った別の実施形態において、失活した実質組織骨格は、パーキンソン病を有する患者に移植するために、ドーパミン産生前駆細胞、成熟ドーパミン産生細胞またはドーパミンを産生するように遺伝的に変化された細胞と、合わされた基質である。
【0045】
本発明に従って、失活した実質組織骨格を、上記のように、例えば腎臓またはその一部から調製する。他の組織(異種組織源、自家組織源または同種異系の組織源に由来する脾臓またはリンパ節が挙げられる)がまた、本発明に従った骨格を調製するために使用され得る。
【0046】
本発明に従った特定の実施形態において、ドーパミン産生細胞を、失活した実質組織骨格の表面に塗布し、そして/または失活した実質組織骨格中に注入する。細胞を有する骨格を、パーキンソン病を有する患者の解剖学的な部位(頭蓋内部位、鞘内部位、胸腔内部位、腹腔内部位または皮下部位が挙げられるがこれらに限定されない)に移植し得る。
【0047】
(実施例6:脾臓由来の失活した実質組織骨格:腎不全と関連する貧血症の処置)
本発明に従った別の実施形態において、失活した実質組織骨格は、腎臓病と関連する貧血を有する患者(例えば、腎臓移植患者)に移植するために、エリスロポエチン産生前駆細胞、成熟エリスロポエチン産生細胞またはエリスロポエチンを産生するように遺伝的に変化された細胞と合わされた基質である。貧血患者を処置するために、エリスロポエチン以外の赤血球産生を刺激する生物学的に活性な分子を産生する細胞をまた、本発明に従った失活した実質組織骨格と混合し得る。
【0048】
本発明のこの実施形態に従って、失活した実質組織骨格を、上記のように、例えば、少なくとも脾臓の一部から調製する。他の組織(例えば、自家供給源、同種異系供給源または異種供給源に由来する腎臓またはリンパ節)がまた、骨格を調製するために使用され得る。
【0049】
エリスロポエチン産生細胞を上記のように失活した実質組織骨格と混合し得、そして、貧血患者に移植し得る。その部位としては、髄内、腹腔内、胸腔内、頭蓋内または脾臓内、腎臓内もしくは肝臓内が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
(実施例7:腎臓由来の失活した実質組織骨格:損傷を受けた膀胱の増強)
本発明に従ったなお別の実施形態において、失活した実質組織骨格は、損傷を受けた組織を修復(repair)、置換、修復(restore)もしくは増強するために使用され得る基質である。特定の実施形態において、失活した実質組織骨格を、膀胱の損傷を受けた部分と接触させて配置する。一実施形態において、骨格を、膀胱上皮幹細胞、成熟一次膀胱上皮細胞または培養膀胱上皮細胞と混合する。細胞と混合した骨格を、修復(repair)、修復(restoration)、再生もしくは増強の必要な患者の身体の解剖学的な部位に移植する。
【0051】
本発明のこの実施形態に従って、失活した実質組織骨格を、上記のように、腎臓、脾臓、リンパ節またはこれらの組織の一部分から調製し、同種異系の組織源、自家組織源または異種組織源から収集し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の解剖学的部位に移植された場合に組織の修復を促進するための骨格であって、該骨格は、以下:
標的の哺乳動物細胞集団と混合された、失活した哺乳動物の実質組織の少なくとも一部分であって、該混合された組織および細胞集団は、修復を必要とする組織から離れた該患者の解剖学的部位における移植のために、大きさを決められ、かつ成形される、失活した哺乳動物の実質組織の少なくとも一部分、
を含む、骨格。
【請求項2】
請求項1に記載の骨格であって、前記失活した哺乳動物の組織が、基底膜をさらに含む、骨格。
【請求項3】
請求項1に記載の骨格であって、前記失活した組織が、脾臓である、骨格。
【請求項4】
請求項1に記載の骨格であって、前記失活した組織が、腎臓を含む、骨格。
【請求項5】
請求項1に記載の骨格であって、前記失活した組織が、リンパ節を含む、骨格。
【請求項6】
請求項1に記載の骨格であって、前記失活した組織が、同種異系組織を含む、骨格。
【請求項7】
請求項1に記載の骨格であって、前記失活した組織が、自家組織を含む、骨格。
【請求項8】
請求項1に記載の骨格であって、前記失活した組織が、異種組織を含む、骨格。
【請求項9】
請求項1に記載の骨格であって、前記細胞集団が、前記組織に導入された幹細胞の集団である、骨格。
【請求項10】
請求項9に記載の骨格であって、前記幹細胞が、自家である、骨格。
【請求項11】
請求項9に記載の骨格であって、前記幹細胞が、同種異系である、骨格。
【請求項12】
請求項9に記載の骨格であって、前記幹細胞が、異種である、骨格。
【請求項13】
請求項1に記載の骨格であって、前記修復を受ける組織が、内分泌組織を含む、骨格。
【請求項14】
請求項13に記載の骨格であって、前記失活した実質組織が、脾臓を含む、骨格。
【請求項15】
請求項13に記載の骨格であって、前記失活した実質組織が、腎臓を含む、骨格。
【請求項16】
請求項13に記載の骨格であって、前記失活した実質組織が、膵臓を含む、骨格。
【請求項17】
請求項13に記載の骨格であって、前記標的細胞集団が、哺乳動物の内分泌細胞を含む、骨格。
【請求項18】
請求項17に記載の骨格であって、前記哺乳動物の内分泌細胞が、膵島細胞を含む、骨格。
【請求項19】
請求項17に記載の骨格であって、前記哺乳動物の内分泌細胞が、下垂体細胞を含む、骨格。
【請求項20】
請求項17に記載の骨格であって、前記哺乳動物の内分泌細胞が、甲状腺細胞を含む、骨格。
【請求項21】
請求項17に記載の骨格であって、前記哺乳動物の内分泌細胞が、副腎由来の細胞を含む、骨格。
【請求項22】
請求項13に記載の骨格であって、前記失活した実質性哺乳動物組織が、自家である、骨格。
【請求項23】
請求項13に記載の骨格であって、前記失活した実質性哺乳動物組織が、同種異系である、骨格。
【請求項24】
請求項13に記載の骨格であって、前記失活した実質性哺乳動物組織が、異種である、骨格。
【請求項25】
請求項13に記載の骨格であって、前記哺乳動物の内分泌細胞が、自家である、骨格。
【請求項26】
請求項13に記載の骨格であって、前記哺乳動物の内分泌細胞が、同種異系である、骨格。
【請求項27】
請求項13に記載の骨格であって、前記哺乳動物の内分泌細胞が、異種である、骨格。
【請求項28】
患者の解剖学的部位に移植された場合に組織の修復を促進するための方法であって、該方法は、以下:
標的の哺乳動物細胞集団と混合された、失活した哺乳動物の実質組織の少なくとも一部分であって、該混合された組織および細胞集団は、修復を必要とする組織から離れた該患者の解剖学的部位における移植のために、大きさを決められ、かつ成形される、失活した哺乳動物の実質組織の少なくとも一部分、
を、含む、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、前記骨格が、皮下に移植される、方法。
【請求項30】
請求項28に記載の方法であって、前記骨格が、腹腔内に移植される、方法。
【請求項31】
請求項28に記載の方法であって、前記骨格が、胸腔内に移植される、方法。
【請求項32】
請求項28に記載の方法であって、前記骨格が、頭蓋内に移植される、方法。

【公表番号】特表2006−519681(P2006−519681A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509047(P2006−509047)
【出願日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/006512
【国際公開番号】WO2004/080175
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(502215225)エイセル, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】