細胞膜媒介細胞内シグナル伝達を調節するための組成物および方法
本発明の特定のいくつかの態様は、膜構造、膜電位または膜導電率、膜タンパク質または受容体、イオンチャネル、およびカルシウム依存細胞メッセージ伝達系のうちの少なくとも1つの調節を含む、細胞内シグナル伝達を調節するための組成物および方法を提供し、これの方法は、本発明の界面動電的に生成された溶液を使用して、限定はしないがGタンパク質共役受容体(GPCR)および/またはGタンパク質を含む膜構造(例えば、膜および/または膜タンパク質、受容体、または他の成分)、および細胞内結合の電気化学的変化および/または立体構造変化を付与することを含む。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜および膜成分を有する少なくとも1つの細胞を界面動電的に改変された水性流体と接触させることを含む、細胞内シグナル伝達を調節するための方法であって、前記界面動電的に改変された水性流体が細胞内シグナル伝達の調節を行うのに十分な細胞膜構造または機能を改変するのに適している方法。
【請求項2】
前記界面動電的に改変された水性流体の改変が、前記流体を流体力学的に誘導される局所的界面動電効果に曝露することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記局所的界面動電効果に曝露することが、電圧パルスと電流パルスのうちの少なくとも一方に曝露することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記流体を流体力学的に誘導される局所的界面動電効果に前記曝露することが、前記流体を生成するために使用されるデバイスの界面動電効果で誘導される構造的特徴に前記流体を曝露することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
細胞膜構造または機能を改変することが、膜結合タンパク質の立体構造、リガンド結合活性、または触媒活性の改変を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記膜結合タンパク質が、受容体、膜貫通受容体、イオンチャネルタンパク質、細胞内付着タンパク質、細胞接着タンパク質、インテグリンなどからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記膜貫通受容体が、Gタンパク質共役受容体(GPCR)を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記Gタンパク質共役受容体(GPCR)が、Gタンパク質αサブユニットと相互作用する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記Gタンパク質αサブユニットが、Gαs、Gαi、Gαq、およびGα12からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのGタンパク質αサブユニットが、Gαqである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
細胞膜構造または機能を改変することが、膜電位または膜導電率を変化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
細胞内シグナル伝達の調節が、カルシウム依存性の細胞メッセージ伝達経路またはシステムの調節を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
細胞内シグナル伝達の調節が、ホスホリパーゼC活性の調節を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
細胞内シグナル伝達の調節が、アデニル酸シクラーゼ(AC)活性の調節を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
細胞内シグナル伝達の調節が、炎症、喘息、神経変性、脳の異常、中枢神経系の障害または能力低下、アルツハイマー病、加齢、骨の発育異常、変性骨増殖、ホルモン耐性、偽性副甲状腺機能低下症、ホルモン分泌過多、マッキューン・オールブライト症候群、網膜障害、内分泌障害、代謝性障害、発達障害、皮膚の色素沈着における変性、性的早熟、精神的疾患、肺収縮、気管支収縮、肺胞収縮、代謝症状、インスリン耐性、網膜の障害または能力低下からなる群から選択される少なくとも1つの病状または症状に付随する細胞内シグナル伝達の調節を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
細胞ネットワークまたは層を含み、その中における細胞間結合の調節をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記細胞内結合が、密着結合、ギャップ結合、接着帯、およびデスモソームからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記細胞ネットワークまたは層が、肺上皮、気管支上皮、腸管上皮、および角膜上皮からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記界面動電的に改変された水性流体が、含酸素化され、前記流体中の酸素が、大気圧下で少なくとも15ppm、少なくとも25ppm、少なくとも30ppm、少なくとも40ppm、少なくとも50ppm、または少なくとも60ppmの酸素量で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記界面動電的に改変された水性流体が、溶媒和電子および界面動電的に修飾されるか、または荷電された酸素種のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から19までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記溶媒和電子または界面動電的に修飾されるか、もしくは荷電された酸素種が、少なくとも0.01ppm、少なくとも0.1ppm、少なくとも0.5ppm、少なくとも1ppm、少なくとも3ppm、少なくとも5ppm、少なくとも7ppm、少なくとも10ppm、少なくとも15ppm、または少なくとも20ppmの量で存在する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記界面動電的に改変された含酸素水性流体が、分子酸素によって安定化された溶媒和電子を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
細胞内シグナル伝達の調節を行うのに十分な細胞膜構造または機能を改変する能力が、閉じられた容器(例えば、閉じられた気密容器)内で、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも4カ月、少なくとも5カ月、少なくとも6カ月の期間にわたって持続する、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
膜および膜成分を有する少なくとも1つの細胞を界面動電的に改変された水性流体と接触させることを含む、細胞膜導電率を調節するための方法であって、前記界面動電的に改変された水性流体が細胞膜導電率の調節を行うのに十分な細胞膜構造または機能を改変するのに適している方法。
【請求項25】
細胞膜導電率を調節することが、全細胞コンダクタンスを調節することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
全細胞コンダクタンスを調節することが、前記全細胞コンダクタンスの少なくとも1つの電圧に依存する寄与分を調節することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記界面動電的に改変された水性流体の改変が、前記流体を流体力学的に誘導される局所的界面動電効果に曝露することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記局所的界面動電効果に曝露することが、電圧パルスと電流パルスのうちの少なくとも一方に曝露することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記流体を流体力学的に誘導される局所的界面動電効果に前記曝露することが、前記流体を生成するために使用されるデバイスの界面動電効果で誘導される構造的特徴に前記流体を曝露することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
細胞膜導電率を調節することが、膜受容体、膜貫通受容体、イオンチャネルタンパク質、細胞内付着タンパク質、細胞接着タンパク質、およびインテグリンからなる群から選択される少なくとも1つの調節を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
細胞膜導電率を調節することが、イオンチャネルタンパク質の調節を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記細胞が、哺乳類細胞である請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記細胞が、ヒト細胞である請求項32に記載の方法。
【請求項1】
膜および膜成分を有する少なくとも1つの細胞を界面動電的に改変された水性流体と接触させることを含む、細胞内シグナル伝達を調節するための方法であって、前記界面動電的に改変された水性流体が細胞内シグナル伝達の調節を行うのに十分な細胞膜構造または機能を改変するのに適している方法。
【請求項2】
前記界面動電的に改変された水性流体の改変が、前記流体を流体力学的に誘導される局所的界面動電効果に曝露することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記局所的界面動電効果に曝露することが、電圧パルスと電流パルスのうちの少なくとも一方に曝露することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記流体を流体力学的に誘導される局所的界面動電効果に前記曝露することが、前記流体を生成するために使用されるデバイスの界面動電効果で誘導される構造的特徴に前記流体を曝露することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
細胞膜構造または機能を改変することが、膜結合タンパク質の立体構造、リガンド結合活性、または触媒活性の改変を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記膜結合タンパク質が、受容体、膜貫通受容体、イオンチャネルタンパク質、細胞内付着タンパク質、細胞接着タンパク質、インテグリンなどからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記膜貫通受容体が、Gタンパク質共役受容体(GPCR)を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記Gタンパク質共役受容体(GPCR)が、Gタンパク質αサブユニットと相互作用する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記Gタンパク質αサブユニットが、Gαs、Gαi、Gαq、およびGα12からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのGタンパク質αサブユニットが、Gαqである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
細胞膜構造または機能を改変することが、膜電位または膜導電率を変化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
細胞内シグナル伝達の調節が、カルシウム依存性の細胞メッセージ伝達経路またはシステムの調節を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
細胞内シグナル伝達の調節が、ホスホリパーゼC活性の調節を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
細胞内シグナル伝達の調節が、アデニル酸シクラーゼ(AC)活性の調節を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
細胞内シグナル伝達の調節が、炎症、喘息、神経変性、脳の異常、中枢神経系の障害または能力低下、アルツハイマー病、加齢、骨の発育異常、変性骨増殖、ホルモン耐性、偽性副甲状腺機能低下症、ホルモン分泌過多、マッキューン・オールブライト症候群、網膜障害、内分泌障害、代謝性障害、発達障害、皮膚の色素沈着における変性、性的早熟、精神的疾患、肺収縮、気管支収縮、肺胞収縮、代謝症状、インスリン耐性、網膜の障害または能力低下からなる群から選択される少なくとも1つの病状または症状に付随する細胞内シグナル伝達の調節を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
細胞ネットワークまたは層を含み、その中における細胞間結合の調節をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記細胞内結合が、密着結合、ギャップ結合、接着帯、およびデスモソームからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記細胞ネットワークまたは層が、肺上皮、気管支上皮、腸管上皮、および角膜上皮からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記界面動電的に改変された水性流体が、含酸素化され、前記流体中の酸素が、大気圧下で少なくとも15ppm、少なくとも25ppm、少なくとも30ppm、少なくとも40ppm、少なくとも50ppm、または少なくとも60ppmの酸素量で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記界面動電的に改変された水性流体が、溶媒和電子および界面動電的に修飾されるか、または荷電された酸素種のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から19までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記溶媒和電子または界面動電的に修飾されるか、もしくは荷電された酸素種が、少なくとも0.01ppm、少なくとも0.1ppm、少なくとも0.5ppm、少なくとも1ppm、少なくとも3ppm、少なくとも5ppm、少なくとも7ppm、少なくとも10ppm、少なくとも15ppm、または少なくとも20ppmの量で存在する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記界面動電的に改変された含酸素水性流体が、分子酸素によって安定化された溶媒和電子を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
細胞内シグナル伝達の調節を行うのに十分な細胞膜構造または機能を改変する能力が、閉じられた容器(例えば、閉じられた気密容器)内で、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも4カ月、少なくとも5カ月、少なくとも6カ月の期間にわたって持続する、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
膜および膜成分を有する少なくとも1つの細胞を界面動電的に改変された水性流体と接触させることを含む、細胞膜導電率を調節するための方法であって、前記界面動電的に改変された水性流体が細胞膜導電率の調節を行うのに十分な細胞膜構造または機能を改変するのに適している方法。
【請求項25】
細胞膜導電率を調節することが、全細胞コンダクタンスを調節することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
全細胞コンダクタンスを調節することが、前記全細胞コンダクタンスの少なくとも1つの電圧に依存する寄与分を調節することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記界面動電的に改変された水性流体の改変が、前記流体を流体力学的に誘導される局所的界面動電効果に曝露することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記局所的界面動電効果に曝露することが、電圧パルスと電流パルスのうちの少なくとも一方に曝露することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記流体を流体力学的に誘導される局所的界面動電効果に前記曝露することが、前記流体を生成するために使用されるデバイスの界面動電効果で誘導される構造的特徴に前記流体を曝露することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
細胞膜導電率を調節することが、膜受容体、膜貫通受容体、イオンチャネルタンパク質、細胞内付着タンパク質、細胞接着タンパク質、およびインテグリンからなる群から選択される少なくとも1つの調節を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
細胞膜導電率を調節することが、イオンチャネルタンパク質の調節を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記細胞が、哺乳類細胞である請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記細胞が、ヒト細胞である請求項32に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図39】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【図78】
【図79】
【図80】
【図81】
【図82】
【図83】
【図84】
【図85】
【図86】
【図87】
【図88】
【図89】
【図90】
【図91】
【図92】
【図93】
【図94】
【図95】
【図96】
【図97】
【図98】
【図99】
【図100】
【図101】
【図102】
【図103】
【図104】
【図105】
【図106】
【図107】
【図108】
【図109】
【図110】
【図111】
【図112】
【図113】
【図114】
【図115】
【図116】
【図37】
【図38】
【図40】
【図41−1】
【図41−2】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図39】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【図78】
【図79】
【図80】
【図81】
【図82】
【図83】
【図84】
【図85】
【図86】
【図87】
【図88】
【図89】
【図90】
【図91】
【図92】
【図93】
【図94】
【図95】
【図96】
【図97】
【図98】
【図99】
【図100】
【図101】
【図102】
【図103】
【図104】
【図105】
【図106】
【図107】
【図108】
【図109】
【図110】
【図111】
【図112】
【図113】
【図114】
【図115】
【図116】
【図37】
【図38】
【図40】
【図41−1】
【図41−2】
【公表番号】特表2011−500837(P2011−500837A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531255(P2010−531255)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/081021
【国際公開番号】WO2009/055614
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(510115775)レバレジオ コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/081021
【国際公開番号】WO2009/055614
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(510115775)レバレジオ コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】
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