説明

細菌感染を治療するためのセファロスポリンを含む放出制御組成物

本発明は、細菌感染を治療するための、作用中に、パルス型または二峰性の様式で薬物を送達するセファロスポリンを含む放出制御組成物に関する。本放出制御組成物は、即時放出される部分、および、放出調節型の部分を含み;即時放出される部分は、セファロスポリンを含む粒子の第一の群を含み、放出調節型の部分は、放出制御コーティングでコーティングされたセファロスポリンを含む粒子の第二の群を含み;ここで、即時放出される部分と放出調節型の部分とを組み合わせることによって、作用中に、活性成分がパルス型または二峰性の様式で送達される。好ましくは、セファロスポリンはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩であり、これらは、徐々に崩壊する、拡散および/または浸透圧制御された放出プロファイルで剤形から放出させることができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、細菌感染に罹った患者を治療するための新規の方法に関する。具体的には、本発明は、セファロスポリン、例えばセフカペンピボキシルまたはそれらの塩の制御された送達のための新規の剤形に関する。
【0002】
発明の背景
抗生物質は、ヒトやその他の哺乳動物において細菌感染を治療するのに用いられる強力な細菌を死滅させる薬物である。現在のところ使用されている抗生物質は何百種も存在し、それらの多くが特定の種類の細菌感染が治療されるように適合されている。β−ラクタム抗生物質(この名称は、それらの化学構造におけるβ−ラクタム環に由来する)としては、ペニシリン、セファロスポリンおよび関連する化合物が挙げられる。これらの物質は、多くのグラム陽性、グラム陰性および嫌気性生物に対して活性である。β−ラクタム抗生物質は、細菌細胞壁中のペプチドグリカンの構造的な架橋を妨害することによってそれらの作用を発揮する。これらの薬物の多くは、経口投与後によく吸収されるため、外来患者の環境において臨床的に有用である。
【0003】
セファロスポリンβ−ラクタム抗生物質は、真菌由来の抗菌剤であるセファロスポリンCの半合成誘導体の一群である。これは、構造的および薬理学的にペニシリンと関連している。セファロスポリン環の構造は、7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)から誘導されるが、一方、ペニシリンは、6−アミノペニシラン酸(6−APA)から誘導される。いずれの構造も基礎となるβ−ラクタム環を含むが、セファロスポリン構造は、ペニシリンやアミノシリン(aminocillin)よりも高いグラム陰性活性を可能にする。セファロスポリン環上の側鎖を様々に置換することによって、作用の活性と持続時間の範囲を多様にすることができる。
【0004】
セファロスポリンは、それらの抗菌性の特性によって「世代」に分類される。最初のセファロスポリンを第一世代と指定し、一方で、その後の範囲をより拡張させたセファロスポリンを第二世代セファロスポリンと分類している。現在のところ三世代のセファロスポリンが認識されており、第四世代も提唱されている。意義深いことに、最新の世代のセファロスポリンはいずれも、その前の世代よりも大きいグラム陰性の抗菌特性を有する。逆に言えば、セファロスポリンの世代が「古い」ほど、「新しい」世代よりも広いグラム陽性の適用範囲を有する。
【0005】
セファロスポリンは、体の多くの様々な部位における感染を治療するのに用いられる。セファロスポリンは他の抗生物質と共に投与されることがある。また、注射投与される数種のセファロスポリンは、外科手術前、その最中、およびその後の感染を予防するのにも用いられる。
【0006】
その他のセファロスポリンと同様に、セフカペンは、細菌細胞壁の合成を阻害することによってその細菌に対する活性を示すセファロスポリンである。セフカペンは、インビトロで、好気性および嫌気性のグラム陽性菌からグラム陰性菌に至る様々な微生物に対する広範囲の抗菌活性を示す。またセフカペンは、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、および、アンピシリン耐性インフルエンザ菌(Haemophihis inflnezae)に対する抗菌活性も発揮する。
【0007】
塩酸セフカペンピボキシル(CFPN−PIと略記される)は、日本の塩野義製薬株式会社(Shionogi&Co.,Ltd.)の登録商標フロモックス(FLOMOX(R))として提供されている。CFPN−PIは、2,2−ジメチルプロパノイルオキシメチル(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)ペンタ−2−エニルアミノ]−3−カルバモイルオキシメチル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボキシラート一塩酸塩一水化物という化学名を有する。CFPN−PIは、C2329・HCl・HOという分子式を有し、622.11の分子量を有する。CFPN−PIの構造式は、以下の通りである:
【0008】
【化1】

【0009】
CFPN−PIは、白色から薄い黄色がかった白色を呈する結晶質の粉末または塊である。CFPN−PIは、わずかな特徴的な臭いを有し、苦味を有する。CFPN−PIは、N,N−ジメチルホルムアミドとメタノールにはかなり溶解し、エタノールにはやや溶解しにくく、水にはほんのわずかしか溶解せず、ジエチルエーテルには実質的に不溶性である。
【0010】
典型的な成人のCFPN−PIの投与量は、約100〜150mgであり、これは、毎日食後に3回、75mgまたは100mgの錠剤で経口投与される。CFPN−PIの吸収は、食前よりも食後のほうが優れていることがわかっている。CFPN−PIは、吸収されると腸壁内のエステラーゼによってその活性な代謝産物であるセフカペンに加水分解される。
【0011】
セフカペンピボキシルは、例えば、これらに限定されないが、表皮の感染、皮膚深部の感染、リンパ管炎、慢性膿皮症、外傷、やけどおよび外科創傷における二次感染、乳腺炎、肛門周囲の膿瘍、咽頭喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器疾患における二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、子宮頚管炎、胆嚢炎、胆管炎、バルトリン腺炎(bartholinititis)、子宮内感染、子宮付属器炎、涙腺炎(dacryocyctitis)、麦粒腫、マイボーム腺炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織の炎症、歯冠周囲炎、および、顎炎(gnathitis)などの状態を治療するのに用いられる。セフカペンピボキシルの影響を受けやすいことがわかっている菌株としては、これらに限定されないが、ブドウ球菌属(Staphylococcus sp.)、連鎖球菌属(Streptococcus sp.)、肺炎球菌属(Pneumococcus sp.)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、モラクセラ(Branahamela)・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、シトロバクター属(Citrobacter sp.)、クレブシエラ属(Klebsiella sp.)、エンテロバクター属(Eneterobacter sp.)、セラチア属(Serratia sp.)、ポーテンス属(Portens sp.)、モルガネラ・モルガニイ(Morganella morganii)、プロビデンシア属(Providencia sp.)、ヘモフィルス・インフルエンゼ、ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus sp).、バクテロイド属(Bacteroides sp.)、プレボテラ属(Prevotella sp.)(ただし、Prevotella bividを除く)、および、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)が挙げられる。
【0012】
セフカペンピボキシルのようなセファロスポリンは、細菌感染の治療に高い治療的価値を有する。セフカペンピボキシルのようなセファロスポリンは、1日3回の経口投与を必要とすることを考えれば、細菌感染の治療に関するセファロスポリンの有効性において、厳密な患者のコンプライアンスが重要な要素となる。その上、このような頻繁な投与はしばしば、医療に携わる人の注意力を要し、セフカペンピボキシルのようなセファロスポリンを含む治療に関わる高コストの原因になる。従って、当業界において、細菌感染治療におけるセファロスポリンの使用に付随する上記およびその他の問題を克服するセファロスポリン組成物の必要性がある。
【0013】
従って本発明は、セファロスポリンの放出制御のための組成物に関する。具体的には、本発明は、作用中に、活性なセファロスポリン、例えばセフカペンピボキシルまたはそれらの塩を、パルス型または一定したゼロ次放出式で送達する組成物に関する。本発明はさらに、このような放出制御組成物を含む固形経口用剤形に関する。
【0014】
発明の記述
医薬化合物の投与に伴う血漿プロファイルは、「パルス型のプロファイル」として説明することができ、このようなプロファイルでは、低い濃度の谷が散在した高いセファロスポリン濃度のパルスが観察される。2つのピークを含むパルス型のプロファイルは、「二峰性」として説明することができる。同様に、投与するとこのようなプロファイルを生じる組成物または剤形は、セファロスポリンの「パルス放出」を示すとも表現することができる。
【0015】
即時放出(IR)型の剤形が定期的な間隔で投与される従来の頻繁な用法は、概して、パルス型の血漿プロファイルを発生させる。この場合において、血漿薬物濃度におけるピークは、それぞれのIR型の投与後に観察され、連続した投与タイムポイントとの間に谷(低い薬物濃度の領域)が発生する。このような用法(およびその結果生じたパルス型の血漿プロファイル)は、それに伴う特定の薬理学的効果および治療効果を有する。例えば、ピーク間における活性物質の血漿の濃度の低下によって提供されるウォッシュアウト期間が、様々なタイプの薬物に対する患者耐性を減少または予防する寄与因子と考えられてきた。
【0016】
Devane等の米国特許第6,228,398号、および、6,730,325号では、本明細書で開示された組成物に類似した多粒子の改変された放出制御組成物が開示されており、特許請求されている(これらはいずれも、参照により本明細書に含まれる)。また、この分野において関連するあらゆる従来技術をそこで見出すことができる。
【0017】
従って、本発明の目的は、作用中に、連続的に示される2種またはそれより多くのIR型剤形の投与によって生じる血漿プロファイルに実質的に類似した血漿プロファイルを生じる、セファロスポリン、好ましくはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩を含む多粒子の放出調節組成物を提供することである。
【0018】
本発明のさらなる目的は、作用中に、パルス型で、セファロスポリン、好ましくはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩を送達する多粒子の放出調節組成物を提供することである。
【0019】
本発明のその他の目的は、連続的に示される2種またはそれより多くのIR型剤形の投与によって生じる薬理学的効果および治療効果を実質的に模擬する多粒子の放出調節組成物を提供することである。
【0020】
本発明のその他の目的は、本組成物のセファロスポリン、好ましくはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩に対する患者の耐性の発生を実質的に減少させるか、または、そのような耐性を発生させない多粒子の放出調節組成物を提供することである。
【0021】
本発明のその他の目的は、二峰性の様式で、セファロスポリンの第一の部分が投与後即座に放出され、活性成分の第二の部分が最初の遅延期間の後に速やかに放出される、多粒子の放出調節組成物を提供することである。
【0022】
本発明のその他の目的は、徐崩壊性製剤、拡散制御型の製剤、および、浸透圧制御型の製剤として剤形を配合し、薬物をゼロ次の様式で12〜24時間送達することである。
本発明のその他の目的は、活性物質の第一の部分が遅延時間の直後またはその後のいずれかに放出され、薬物放出のパルスを提供し、さらに、活性物質の1またはそれより多くの追加の部分がそれぞれ個々のラグタイムの後に放出され、薬物放出の追加のパルスを提供するという二峰性または多モードの様式でセファロスポリンを放出することができる多粒子の放出調節組成物を提供することである。
【0023】
本発明のその他の目的は、本発明の多粒子の放出調節組成物を含む固形経口用剤形を提供することである。
本発明のその他の目的は、作用中に、連続的に示される2種の即時放出型の剤形の投与によって生じる血漿プロファイルに実質的に類似した血漿プロファイルを生じる、セフカペンピボキシルのようなセファロスポリンの1日1回タイプの剤形、および、このような剤形の投与に基づく細菌感染の治療方法を提供することを含む。
【0024】
発明の詳細な記述
上記の目的は、セファロスポリン粒子、好ましくはセフカペンピボキシルおよびそれらの塩の第一の群を含む第一の部分、ならびに、セファロスポリン粒子の第二の群、好ましくはセフカペンピボキシルおよびそれらの塩で構成されるの第二の群を含む第二の部分を有する多粒子の放出調節組成物によって実現される。第二の部分の成分を含む粒子は、放出調節膜でコーティングされる。その代わりに、もしくはそれに加えて、セファロスポリンを含む粒子の第二の群は、放出調節マトリックス材料をさらに含む。本組成物は、経口送達された後、作用中に、パルス型でセファロスポリンを送達する。
【0025】
好ましい実施態様において、本発明の多粒子の放出調節組成物は、即時放出される部分である第一の部分を含む。
セファロスポリン粒子の第二の群に塗布された放出調節膜は、活性なセファロスポリンの第一の群を含む粒子からの活性物質の放出と、活性なセファロスポリンを含む粒子の第二の群からの活性物質の放出との間にラグタイムを生じさせる。同様に、活性なセファロスポリンを含む粒子の第二の群に放出調節マトリックス材料が存在すると、セファロスポリンを含む粒子の第一の群からのセファロスポリンの放出と、活性成分を含む粒子の第二の群からの活性成分の放出との間にラグタイムを生じさせる。ラグタイムの持続時間は、放出調節膜の組成および/または量を変更することによって、および/または、利用される放出調節マトリックス材料の組成および/または量を変更することによって様々にすることができる。従って、ラグタイムの持続時間は、望ましい血漿プロファイルが模擬されるように設計することができる。
【0026】
投与の際に多粒子の放出調節組成物によって生じる血漿プロファイルは、連続的に示される2種またはそれより多くのIR型剤形の投与によって生じる血漿プロファイルに実質的に類似しているため、本発明の多粒子の放出制御組成物は、セファロスポリン、具体的にはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩に対する患者の耐性に問題がある可能性がある場合に、それらを投与する場合に特に有用である。それゆえに、この多粒子の放出調節組成物は、組成物中の活性成分に対する患者の耐性の発生を減少させる、または、最小化するのに有利である。
【0027】
本発明の好ましい実施態様において、活性なセファロスポリンは、セフカペンピボキシルまたはそれらの塩であり、本組成物は、作用中に、セフカペンピボキシルまたはそれらの塩を二峰性またはパルス型で送達する。このような組成物は、作用中に、例えば典型的な抗生物質の治療計画の場合のように2回の連続したIR型の投与により得られたプロファイルを実質的に模擬した血漿プロファイルを生じる。
【0028】
本発明はまた、本発明に係る組成物を含む固形経口用剤形を提供する。
本発明はさらに、セファロスポリン、好ましくはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩を利用する細菌感染に罹った患者の治療方法を提供し、本方法は、セファロスポリン、好ましくはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩のパルス型または二峰性の送達を提供することができる、治療上有効な量のセファロスポリンの固形経口用剤形の投与を含む。本発明の利点としては、従来の複数回のIR用法に必要な投与頻度を減少させつつ、なおパルス型の血漿プロファイルから得られる利点を維持することが挙げられる。この投与頻度の減少は、患者のコンプライアンスに関して有利であり、少ない頻度で投与することができる製剤を実現することができる。本発明を利用することによって実現可能になった投与頻度の減少は、医療に携わる人が薬物投与に費やす時間を短くするため、医療費の低減に寄与すると思われる。
【0029】
本明細書で用いられる用語「粒子」は、それらのサイズ、形状または形態に関わりなく、分離した粒子、ペレット、ビーズまたは顆粒として存在することを特徴とする物体の状態を意味する。本明細書で用いられる用語「多粒子」は、それらのサイズ、形状または形態に関わりなく、複数の分離または凝集した粒子、ペレット、ビーズ、顆粒、またはそれらの混合物を意味する。
【0030】
本明細書で用いられる用語「放出調節」は、コーティングまたはコーティング材料に関して、または、その他のあらゆる文脈で用いられる場合、即時放出ではない放出を意味し、例えば放出制御、持続放出、および、遅延放出を包含する。
【0031】
本明細書で用いられる用語「時間遅延」は、本組成物の投与と、特定の部分からのセファロスポリン、好ましくはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩の放出との間の期間を意味する。
【0032】
本明細書で用いられる用語「ラグタイム」は、1種の部分からのセファロスポリンの送達と、後続のその他の部分からのセファロスポリン、好ましくはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩の送達との間の時間を意味する。
【0033】
本明細書で用いられる用語「徐崩壊性(erodable)」は、体内の物質の作用によって磨耗、減少または変質する可能性がある製剤を意味する。
本明細書で用いられる用語「拡散制御」は、製剤の自発的な動きの結果として、例えば、比較的高い濃度の領域から、比較的低い濃度のいずれか一つの領域へ分散する可能性がある製剤を意味する。
【0034】
本明細書で用いられる用語「浸透圧制御」は、膜の両側における製剤の濃度を均等にしようとして比較的高い濃度の溶液に移動した結果として、製剤が半透膜を介して分散する可能性がある製剤を意味する。
【0035】
各部分中の活性成分は、同一でもよいし、または異なっていてもよい。例えば、組成物は、セフカペンピボキシルまたはそれらの塩を含む第一の部分を含んでもよく、第二の部分は、併用療法に望ましいと予想される第二の活性成分を含んでもよい。実際に、2種またはそれより多くの活性成分が互いに適合する場合、その活性成分は同じ部分に包含されていてもよい。本組成物のいずれか1つの部分に存在する医薬化合物は、医薬化合物の生物学的利用率または治療効果を改変するために、本組成物のその他の部分に例えばエンハンサー化合物、または、増感化合物が添加されていてもよい。
【0036】
本明細書で用いられる用語「エンハンサー」は、動物(例えばヒト)のGITを通過する正味の輸送を促進することによって、活性成分の吸収および/または生物学的利用率を強化することができる化合物を意味する。エンハンサーとしては、これらに限定されないが、中鎖脂肪酸;塩、エステル、エーテルおよびそれらの誘導体、例えばグリセリド、および、トリグリセリドなど;非イオン界面活性剤、例えばエチレンオキシドと、脂肪酸、脂肪族アルコール、アルキルフェノール、または、ソルビタン、または、グリセロール脂肪酸エステルとを反応させることによって製造することができるもの;チトクロームP450阻害剤、P糖タンパク質阻害剤など;および、これらの物質の2種またはそれより多くの混合物が挙げられる。
【0037】
各部分に含まれるセファロスポリン、好ましくはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩の比率は、望ましい投与計画に応じて同一でもよいし、または異なっていてもよい。セファロスポリンは、治療効果を惹起するのに十分なあらゆる量で、第一の部分および第二の部分に存在する。セファロスポリンは、適用できる場合、実質的に光学的に純粋なエナンチオマーのいずれか一種の形態で、または、エナンチオマーの混合物(ラセミ体で、またはそれ以外の形態で)としてのいずれかで存在する可能性がある。好ましくは、セファロスポリンは、0.1〜500mgの量で組成物中に存在し、好ましくは1〜100mgの量で存在する。好ましくは、セファロスポリンは、第一の部分に0.5〜60mgの量で存在し;より好ましくは、セファロスポリンは、第一の部分に2.5〜30mgの量で存在する。セファロスポリンは、後続の部分に、第一の部分で説明した範囲と類似の範囲内の量で存在する。
【0038】
それぞれの部分からセファロスポリン、好ましくはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩が送達される際の持続放出の特徴は、各部分の組成を改変することによって変化させることができ、このような改変としては、存在する可能性がある賦形剤またはコーティングのいずれかを改変することが挙げられる。具体的には、セファロスポリンの放出は、粒子上に放出調節膜が存在する場合、このような放出調節膜の組成および/または量を変化させることによって制御することができる。1種より多くの放出調節型の部分が存在する場合、これらの部分それぞれについて放出調節膜は同一でもよいし、または異なっていてもよい。同様に、放出調節マトリックス材料を含ませることによって放出調節が促進される場合、活性成分の放出は、利用される放出調節マトリックス材料の選択や量によって制御することができる。放出調節膜は、それぞれ特定の部分ごとに望ましい遅延時間を達成するのに十分なあらゆる量で各部分に存在させることができる。放出調節膜は、部分間に望ましいタイムラグを達成するのに十分なあらゆる量で各部分に存在させることができる。
【0039】
また、各部分からのセファロスポリン、好ましくはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩の放出に関するラグタイムまたは遅延時間も、それぞれの部分の組成を改変することによって変化させることができ、このような改変としては、存在する可能性があるあらゆる賦形剤およびコーティングを改変することが挙げられる。例えば、第一の部分が即時放出される部分であってもよく、この場合、セファロスポリンは投与後即座に放出される。あるいは、第一の部分が例えば時間遅延型の即時放出される部分であってもよく、この場合、セファロスポリンは時間遅延の直後に実質的にその全体が放出される。第二の部分は、例えば上述したような時間遅延型の即時放出される部分であってもよく、またはその代わり、セファロスポリンが長期間にわたり制御された様式で放出される時間遅延型の持続放出または徐放性の部分でもよい。
【0040】
当業者であれば当然ながら、血漿濃度曲線の正確な性質は、上述したこれらの因子全ての組み合わせの影響を受けると予想される。具体的には、各部分中のセファロスポリンの送達間のラグタイム(従って作用の開始も同様)は、それぞれの部分の組成およびコーティング(存在する場合)を変化させることによって制御することができる。従って、各部分の組成(活性成分の量および性質も含む)を変化させることによって、さらに、ラグタイムを変化させることによって、多数の放出および血漿プロファイルを得ることができる。各部分からのセファロスポリンの放出間のラグタイムの持続時間、および、各部分からの抗生物質の放出の性質(すなわち即時放出、持続放出など)に応じて、血漿プロファイル中のパルスが、よく分離した明確なピーク(例えば、ラグタイムが長い場合)になる可能性もあるし、または、このようなパルスが、ある程度重なる場合もある(例えば、ラグタイムが短い場合)。
【0041】
好ましい実施態様において、本発明に係る多粒子の放出調節組成物は、即時放出される部分、および、少なくとも1つの放出調節型の部分、活性成分を含む粒子の第一の群を含む即時放出される部分、ならびに、活性成分を含む粒子の第二の、および後続の群を含む放出調節型の部分を有する。第二の、および後続の放出調節型の部分は、放出制御コーティングを含んでもよい。加えて、またはその代わりに、第二の、および後続の放出調節型の部分は、放出調節マトリックス材料を含んでもよい。作用中に、このような例えば放出調節型の部分を有する多粒子の放出調節型組成物を単独で投与すると、セファロスポリン、好ましくはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩の特徴的なパルス型の血漿濃度レベルが生じ、この場合、この組成物の即時放出される部分が、血漿プロファイルに第一のピークを生じさせ、放出調節型の部分が、血漿プロファイルに第二のピークを生じさせる。本発明の1種より多くの放出調節型の部分を含む実施態様では、血漿プロファイルにさらなるピークを生じさせる。
【0042】
このような一回の投与単位の投与から生じた血漿プロファイルは、2回(またはそれより多い)の投与単位を投与しないで、活性成分の2つ(またはそれより多い)のパルスを送達することが望ましい場合に有利である。加えて、細菌感染の場合、このような二峰性の血漿プロファイルを有することが特に有用である。例えば、典型的な塩酸セフカペンピボキシルの治療計画は、即時放出型の剤形を4時間の間隔を置いて3回の投与量を投与することからなる。このタイプの治療計画は治療上有効であることが見出されており、広く用いられている。これまで述べたように、セフカペンピボキシルHCl治療に伴う患者の耐性の発生は、時には逆効果である。血漿プロファイルにおける2つのピークの血漿濃度の間の谷は、セフカペンピボキシルのウォッシュアウト期間を提供することによって患者の耐性の発生を減少させるので有利である。セフカペンピボキシルのゼロ次または偽性のゼロ次送達を提供する薬物送達システムは、このウォッシュアウト工程を促進しないと考えられる。
【0043】
セファロスポリン、好ましくはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩の放出を望ましい様式で改変するあらゆるコーティング材料が使用可能である。具体的には、本発明の実施に使用するのに適したコーティング材料としては、これらに限定されないが、ポリマーコーティング材料、例えば酢酸フタル酸セルロース、酢酸セルローストリマレタート(trimaletate)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、アンモニオメタクリラートコポリマー、例えば、オイドラギット(Eudragit).RTM.RSおよびRLという商標名で販売されているもの、ポリアクリル酸、ならびに、ポリアクリラートおよびメタクリラートコポリマー、例えば、オイドラギットSおよびLという商標名で販売されているもの、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセタート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、セラック;ヒドロゲルおよびゲルを形成する材料、例えばカルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、ナトリウムカルメロース、カルシウムカルメロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、スターチ、および、セルロースベースの架橋ポリマー(ここで、架橋の程度は、水の吸収とポリマーマトリックスの膨張が容易になる程度に低い)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、架橋されたスターチ、微結晶性セルロース、キチン、アミノアクリル−メタクリラートコポリマー(オイドラギット.RTM.RS−PM,ローム・アンド・ハース(Rohm&Haas))、プルラン、コラーゲン、カゼイン、寒天、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、(膨潤性親水性ポリマー)ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリラート)(平均分子量は約5k〜5,000k)、ポリビニルピロリドン(平均分子量は.約10k〜360k)、アニオン性およびカチオン性ヒドロゲル、残留した酢酸塩が少ないポリビニルアルコール、寒天およびカルボキシメチルセルロースの膨潤性混合物、無水マレイン酸と、スチレン、エチレン、プロピレンまたはイソブチレンとのコポリマー、ペクチン(平均分子量は約30k〜300k)、多糖類、例えば寒天、アラビアゴム、カラヤ、トラガカント、アルギン、および、グアール、ポリアクリルアミド、ポリオックス(Polyox).RTM.ポリエチレンオキシド(平均分子量は約100k〜5,000k)、アクアキープ(AquaKeep).RTM.アクリル酸ポリマー、ポリグルカンのジエステル、架橋されたポリビニルアルコール、および、ポリN−ビニル−2−ピロリドン、ナトリウムスターチグルコレート(例えば、エキスプロタブ(Explotab).RTM.;エドワード・マンデルC.社(Edward Mandell C.Ltd.));親水性ポリマー、例えば多糖類、メチルセルロース、ナトリウムまたはカルシウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースエーテル、ポリエチレンオキシド(例えば、ポリオックス.RTM.,ユニオン・カーバイド(Union Carbide))、メチルエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、セルロースブチラート、セルロースプロピオナート、ゼラチン、コラーゲン、スターチ、マルトデキストリン、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、グリセロール脂肪酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、メタクリラートコポリマーまたはメタクリル酸(例えば、オイドラギット.RTM.,ローム・アンド・ハース)、その他のアクリル酸誘導体、ソルビタンエステル、天然ゴム類、レシチン、ペクチン、アルギン酸塩、アルギン酸アンモニウム、ナトリウム、カルシウム、アルギン酸カリウム、プロピレングリコールアルギナート、寒天、および、ゴム類、例えばアラビアゴム、カラヤ、ローカストビーン、トラガカント、カラゲーナン、グアール、キサンタン、スクレログルカン、ならびにそれらの混合物およびブレンドが挙げられる。当業者であれば当然ながら、例えば可塑剤、潤滑剤、溶媒などの賦形剤を、コーティングに添加してもよい。適切な可塑剤としては、例えば、アセチル化モノグリセリド;ブチルフタリルブチルグリコラート;酒石酸ジブチル;フタル酸ジエチル;フタル酸ジメチル;エチルフタリルエチルグリコラート;グリセリン;プロピレングリコール;トリアセチン;クエン酸塩;トリプロピオイン;ジアセチン;フタル酸ジブチル;アセチルモノグリセリド;ポリエチレングリコール;ヒマシ油;クエン酸トリエチル;多価アルコール、グリセロール、酢酸エステル、グリセロールトリアセテート、クエン酸アセチルトリエチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ブチルオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ブチルオクチル、アゼライン酸ジオクチル、エポキシ化タレート、トリメリット酸トリイソオクチル、フタル酸ジエチルヘキシル、ジ−n−オクチルフタラート、ジ−i−オクチルフタラート、ジ−i−デシルフタラート、ジ−n−ウンデシルフタラート、ジ−n−トリデシルフタラート、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、ジ−2−エチルヘキシルアジパート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルアゼラート、セバシン酸ジブチルが挙げられる。
【0044】
放出調節型の部分が放出調節マトリックス材料を含む場合、あらゆる適切な放出調節マトリックス材料、または、適切な放出調節マトリックス材料の組み合わせが使用可能である。このような材料は当業者既知である。本明細書で用いられる用語「放出調節マトリックス材料」としては、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、および、それらの混合物が挙げられ、これらは、インビトロまたはインビボでそれらに分散されたセファロスポリン、好ましくはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩の放出を改変することができる。本発明の実施に適した放出調節マトリックス材料としては、これらに限定されないが、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシアルキルセルロース、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、および、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレンオキシド、アルキルセルロース、例えばメチルセルロース、および、エチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、ポリアルキルメタクリラート、ポリ酢酸ビニル、および、それらの混合物が挙げられる。
【0045】
本発明に係る多粒子の放出調節組成物は、パルス型での活性成分の放出を容易にするのに適したあらゆる剤形に包含させることができる。概して、このような剤形は、即時放出および放出調節型の部分を構成するセファロスポリンを含む粒子の異なる群のブレンドであってよく、このようなブレンドは、ハードまたはソフトゼラチンカプセルような適切なカプセルに充填される。あるいは、活性成分を含む粒子のそれぞれ異なる群は、小型の錠剤に圧縮してもよく(任意に、追加の賦形剤を含んでいてもよい)、これをその後、適切な比率でカプセルに充填してもよい。その他の適切な剤形は、多層錠剤の剤形である。この例において、多粒子の放出調節組成物の第一の部分を一つの層に圧縮し、続いて第二の部分を多層錠剤の第二の層として追加してもよい。本発明の組成物を構成するセファロスポリンを含む粒子の群を、さらに、発泡性の剤形、例えば速溶解性の剤形、または、速溶解性の剤形に含めてもよい。
【0046】
本発明に係る組成物は、異なるインビトロの溶解プロファイルを有するセファロスポリンを含む粒子の少なくとも2つの群を含む。
好ましくは、作用中に、本発明の組成物、および、本組成物を含む固形経口用剤形は、第二の部分からセファロスポリンが放出される前に、第一の部分に含まれるセファロスポリンが実質的に全て放出されるように、セファロスポリン、好ましくはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩を放出する。第一の部分がIR型の部分を含む場合、例えば、IR型の部分中のセファロスポリンが実質的に全て放出されるまで、第二の部分からのセファロスポリン放出が遅延されることが好ましい。第二の部分からのセファロスポリンの放出は、上記で詳述したように、放出調節膜および/または放出調節マトリックス材料の使用によって遅延させてもよい。
【0047】
より好ましくは、患者の系からセファロスポリン、好ましくはセフカペンピボキシルまたはそれらの塩の第一の投与量が容易にウォッシュアウトされるような用法を提供することによって、患者の耐性を最小化することが望ましい場合、第一の部分に含まれるセファロスポリンが実質的に全て放出されるまで、第二の部分からのセファロスポリンの放出が遅延され、加えて、第一の部分から放出されたセファロスポリンの少なくとも一部が患者の系から排除されるまで、さらに遅延される。好ましい実施態様において、本組成物の第二の部分からのセファロスポリンの放出は、作用中に、完全ではないにせよ実質的に本組成物の投与後から少なくとも約2時間遅延される。
【0048】
本組成物の第二の部分からの薬物セファロスポリンの放出は、作用中に、完全ではないにせよ実質的に本組成物の投与後から少なくとも約4時間、好ましくは約4時間遅延される。
【0049】
本明細書で説明されるように、本発明は、活性な上記薬物をパルス型で送達することが可能な様々なタイプの放出制御型システムを含む。これらのシステムとしては、これらに限定されないが、以下が挙げられる:ポリマーマトリックスに薬物を含むフィルム(一体式の装置);ポリマー(リザーバー装置)に包含された薬物;リザーバーやマトリックス装置の形態の、高分子コロイド粒子またはマイクロカプセル(粒子、マイクロスフェア、または、ナノ粒子);多孔質装置、または、薬物放出を浸透圧制御することができる装置(リザーバー、および、マトリックス装置の両方)を形成することができる親水性および/または浸出性の(leachable)添加剤、例えば第二のポリマー、界面活性剤または可塑剤などを含むポリマーに包含された薬物;腸溶コーティング(適切なpHでイオン化し、溶解する);(共有結合で)結合した「ペンダント」状の薬物分子を含む(可溶性)ポリマー;放出速度が動的に制御される装置:例えば浸透圧ポンプ。
【0050】
本発明の送達のメカニズムは、薬物の放出速度を制御すると予想される。いくつかのメカニズムでは、一定速度(ゼロ次)で薬物が放出されると予想されるが、その他のメカニズムは、変化する濃度勾配、または、多孔性をもたらす添加剤の浸出などの因子に対する時間の関数として様々であると予想される。
【0051】
持続放出コーティングで用いられるポリマーは、生体適合性であることが必要であり、理想的には生分解性である。天然に存在するポリマーの例、例えばアクアコート(Aquacoat(R))(FMC社(FMC Corporation),食品医薬品部門,フィラデルフィア,米国)(機械的にサブミクロンサイズに球状化したエチルセルロース、水性ベースの擬ラテックス分散液)、さらに、合成ポリマーの例、例えばオイドラギット(R)(ローム・ファーマ(Rohm Pharma),ヴァイターシュタット)、様々なポリ(アクリラート,メタクリラート)コポリマーはいずれも、当業界既知である。
【0052】
リザーバー装置
典型的な放出調節へのアプローチとしては、薬物をカプセル封入すること、または、ポリマーフィルム内に薬物全体を包含させること(例えばコアとして)、または、または、コーティングすること(すなわち、マイクロカプセル、または、スプレー/パンコーティングされたコア)が挙げられる。
【0053】
拡散プロセスに影響を与えることができる様々な要因(例えば、添加剤の作用、ポリマーの官能性(従って、染み込んだ溶液のpH)、多孔性、フィルムのキャスティング条件など)をリザーバー装置に容易に適用することが可能なため、リザーバー装置の開発において、ポリマーの選択は慎重な考察を要する。そこで典型的には、薬物輸送が溶液拡散メカニズムによって起こるリザーバー装置(および一体式の装置)の放出特徴のモデリングは、関連する境界条件に関するフィックの第二法則(非定常状態;濃度依存性の流れ)を解くことを含む。このような装置が、溶解した活性物質を含む場合、放出速度は、装置内の物質濃度(活性)が減少するに従って(すなわち放出のための駆動力)時間と共に指数関数的に減少する(すなわち一次放出)。しかしながら、活性物質が飽和懸濁液に含まれる場合、放出のための駆動力は、装置が飽和状態でなくなるまで一定(ゼロ次)に維持される。あるいは、放出速度の速度論は、脱離制御され、時間の平方根の関数となる可能性もある。
【0054】
コーティング錠剤の輸送特性は、錠剤のコア(浸透性)が包囲されている性質のために、遊離のポリマーフィルムと比べて強化されている可能性があり、このように包囲されたコアは、続いて錠剤の外に浸透する力に作用すると予想される浸透力を内部で発生させることができる。
【0055】
ポリ(エチレングリコール)(PEG)を含むシリコーンエラストマーでコーティングされた塩を含む錠剤に対する、脱イオン水の作用、さらに、遊離のフィルムに対する水の作用も調査されている。錠剤からの塩の放出は、コーティングの水和によって形成された、水が充填された孔を通じて起こった拡散と、浸透圧ポンプとの組み合わせによることが見出された。ちょうど10%のPEGを含むフィルムを介したKCl輸送は、類似の遊離のフィルムでは大量の膨潤が観察されたにもかかわらずごくわずかであったが、これは、KClの放出には多孔性が必要であり、続いて孔を通じた拡散によって放出が起こることを示す。コーティングされた塩の錠剤は、ディスクのような形状であり、脱イオン水で膨潤すると、内部に静水圧が生じ、その結果として形状を偏球に変化させることが見出され、ここで、形状の変化は、発生した力を測定する手段を提供する。予想される通り、浸透力は、PEG含量レベルの増加に伴って減少する。より低いPEGレベルの場合、水和したポリマーを介して水が吸収されるが、より高レベルのPEG含量(20〜40%)の場合、コーティングの溶解によって生じた多孔性によってKClの流出が起こり圧力が緩和される。
【0056】
2種の異なる塩(例えば、KClおよびNaCl)の放出を(独立して)モニターすることによって、浸透圧ポンプと孔を通じた拡散の双方が、錠剤からの塩の放出に寄与した相対的な規模を計算することができる方法および方程式が開発されている。低いPEGレベルでは、低い孔の数密度しか生じないために、孔を通じた拡散よりも大きい程度で浸透圧流が増加するが、充填量が20%の場合、両方のメカニズムがほぼ等しく放出に寄与した。しかしながら、静水圧の発生により、浸透圧の流入、および、浸透圧ポンプは減少した。PEGの充填量がより高い場合は、水和したフィルムはより多孔質になり、塩流出に対する耐性は低くなった。従って、浸透圧ポンプは(より低い充填と比較して)増加するが、孔を通じた拡散が、優勢な放出メカニズムであった。また、浸透圧による放出メカニズムは、水溶性コアを含むマイクロカプセルに関しても報告されている。
【0057】
一体式の装置(マトリックス装置)
薬物の放出を制御するために、一体式の(マトリックス)装置が一般的に使用されている。これは、一体式の装置は、リザーバー装置と比較して比較的加工が簡単であり、さらに、リザーバー装置の膜の破裂が原因で起こる可能性がある偶発的な高い投与量の危険がないことが理由と考えられる。このような装置において、活性物質は、ポリマーマトリックス内の分散体として存在し、典型的には、ポリマー/薬物混合物の圧縮によって、または、溶解もしくは融解によって形成される。一体式の装置の投与量の放出特性は、ポリマーマトリックス中での薬物の溶解性に依存する可能性があり、または、多孔質マトリックスの場合、粒子の孔のネットワーク内に、さらにはネットワークのねじれ内に染み込んだ溶液における溶解性(フィルムの透過性よりもより大きい程度で)は、薬物がポリマーに分散されるかどうか、または、ポリマーに溶解されるかどうかに依存する。薬物の充填量が低い場合(0〜5%W/V)、薬物は、溶液−拡散メカニズムによって放出されると予想される(孔の非存在下で)。より高い充填量の場合(5〜10%W/V)、装置の表面の近くに形成された空孔が存在するために薬物が流出し、放出メカニズムが複雑になると予想される:このような空孔は、環境からの流体で充填され、薬物の放出速度を増加させる。
【0058】
透過性を強化する手段として、マトリックス装置(およびリザーバー装置)に、可塑剤(例えばポリ(エチレングリコール))、界面活性剤、または、アジュバント(すなわち有効性を高める成分)を添加することが一般的である(しかしながら、その一方で、可塑剤は一時的であり、単にフィルム形成の促進にしか作用しない場合があり、従って透過性が減少するが、これは、ポリマー塗料コーティングにおいては一般的に望ましい特性である)。特筆すべきことに、PEGの浸出が、多孔性を増加させることによって(エチルセルロース)フィルムの透過性をPEGの充填量の関数として直線的に増加するように作用するが、このようなフィルムは、それらのバリア特性を維持し、電解質輸送を不可能にする。それらの透過性の強化は、PEGの浸出によって引き起こされる有効な厚さの減少の結果であると推測されている。これは、PEGの充填量が50%W/Wの場合における、時間の関数として単位領域あたりの累積的な浸透による流れと、それに対するフィルム厚さのプロットから示される:プロットは、透過速度とそれに対するフィルム厚さとの直線的な関係を示しており、これは、均一な膜における(フィックの)溶液−拡散型の輸送メカニズムで予想された通りである。グラフの直線的な領域の時間軸への外挿によって、時間軸上に正の切片が得られた:その規模はゼロに向かって減少し、フィルム厚さも減少した。このような変化するラグタイムの原因は、実験の初期段階の間における2種の拡散性の流れ(「薬物」の流れ、および、PEGの流れ)の出現、さらに、より一般的なラグタイム(その際にフィルム中の浸透物の濃度が上昇する)にある。カフェインが浸透物として用いられる場合、カフェインは、負のラグタイムを示した。これに関する説明は現在ないが、特筆すべきは、カフェインは、系中で低い分配係数を示したことであり、これはまた、類似した負のタイムラグを示すアニリンのポリエチレンフィルムを介した透過性の特徴でもある。
【0059】
(疎水性)マトリックス装置に添加された界面活性剤の作用を調査した。界面活性剤は、以下の3種の可能性のあるメカニズムによって薬物放出速度を高める可能性があると考えられる:(i)可溶化の増加、(ii)溶解媒体への「湿潤性」の改善、および、(iii)界面活性剤の浸出の結果としての孔形成。研究された系(ソルビトールで可塑化されたオイドラギット(R)RL100およびRS100、薬物としてフルルビプロフェン、および、各種の界面活性剤)について、錠剤の湿潤の改善は、薬物放出において部分的な改善しか生じないが(これは、放出は、制御された溶解ではなく拡散であることを暗に示す)、オイドラギット(R)RLの作用よりもオイドラギット(R)RSの作用のほうが大きく、一方で、放出に対する最大の影響は、より高い可溶性を有する界面活性剤のために、マトリックスに「崩壊」が起こり、マトリックス内に溶解媒体が到達することによると結論付けられる。これは、ポリマーラテックスは界面活性剤と共に製造することが容易であるために、界面活性剤非含有のものに比べて製薬のコーティングとして適切である可能性があるというラテックスフィルムの研究と、明白な関連性を示す。2種のポリマー間で差が見出され、すなわちオイドラギット(R)RSのみが、アニオン性/カチオン性界面活性剤と薬物との相互作用を示した。これは、ポリマー上の第四アンモニウムイオンのレベルが異なっていることに起因する。
【0060】
また、薬物を含まないポリマーでコーティングされたポリマー/薬物マトリックスからなる複合材料の装置も存在する。このような装置は水性オイドラギット(R)ラテックスで構成されており、コアからシェルを介して薬物が拡散することによるゼロ次放出を示すことがわかっている。同様に、薬物を含むポリマーコアも生産されているが、このコアは、胃液で浸食されるシェルでコーティングされている。薬物の放出速度は、比較的直線状であり、シェルの厚さに反比例することが見出されており(律速となるシェルを介した拡散プロセスの関数)、それに対してコア単独からの放出は時間と共に減少することが見出されている。
【0061】
マイクロスフェア
中空のマイクロスフェアの製造方法を説明する。薬物が球状のシェルに分散された中空のマイクロスフェア(「マイクロバルーン」)の製造方法、さらには高い多孔性を有するマトリックスタイプのマイクロスフェア(「マイクロスポンジ」)の製造方法を説明する。マイクロスポンジは、薬物とポリマーをエタノールに溶解させることによって製造される。これを水に添加すると、エタノールがエマルジョンの液滴から拡散し、高い多孔性を有する粒子が残る。
【0062】
中空のマイクロスフェアは、薬物とポリマーとを含むエタノール/ジクロロメタン溶液を製造することによって形成される。これを水に注ぐと、コアセルベーションタイプのプロセスによって、分散されたポリマー/薬物/溶媒 粒子を含むエマルジョンを形成し、このエマルジョンからエタノール(このようなポリマーにとって優れた溶媒)が速やかに放散し、それによりポリマーが液滴の表面に沈殿して、ジクロロメタンに溶解させた薬物を包囲する硬いシェルを有する粒子が得られる。それによりポリマーが液滴の表面に沈殿して、ジクロロメタンに溶解させた薬物を包囲する硬いシェルを有する粒子が得られる。この時点で、粒子内にジクロロメタンの気相を生成させ、続いてシェルを介して拡散させると、水相の表面に気泡が観察される。次に、中空の球体に、減圧下で水を充填し、この水は乾燥期間によって除去することができる。(水中に薬物は見出されなかった。)このようなマイクロスフェアの提唱されている使用は、胃で使用するための浮動性の薬物送達装置としてである。
【0063】
ペンダント状の装置
水性乳化重合によって製造されたポリ(アクリル酸)エステルラテックス粒子へのエステル結合によって、鎮痛薬や抗うつ薬などの各種の薬物を付着させる手段が開発されている。これらのラテックスは、イオン交換樹脂を通過することによってポリマー末端基がそれらの強酸の形態に変換されると、エステル結合の加水分解によって薬物の放出を「自己触媒する」ことができる。
【0064】
薬物はポリマーに付着させ、単量体はペンダント状の薬物を付着させて合成する。また研究グループは、薬物が不安定な化学結合で生体適合性ポリマーに結合した彼ら独自の剤形も製造しており、例えば、置換された無水物(それ自身、酸塩化物と薬物、すなわち塩化メタクリロイルとメトキシ安息香酸のナトリウム塩を反応させることによって製造された)から製造されたポリ無水物を用いて、第二のポリマー(オイドラギット(R)RL)とマトリックスを形成し、そこから胃液中での加水分解で薬物が放出される。また、製薬用アミンのキャリアーとしての使用に適した高分子のシッフ塩基の使用も説明されている。
【0065】
腸溶性フィルム
腸溶コーティングは、pH感受性ポリマーからなる。典型的には、このようなポリマーはカルボキシル化されており、低いpHで極めて少量の水と相互作用する(膨潤する)が、高いpHでは、このようなポリマーは、イオン化され、ポリマーの膨潤または溶解を引き起こす。それゆえに、コーティングは、胃の酸性環境では無傷のままであるように設計し(このような環境から薬物を保護するか、または、薬物から胃を保護するかのいずれか)、腸のより高いアルカリ性の環境では溶解するように設計することができる。
【0066】
浸透圧制御された装置
浸透圧ポンプはリザーバー装置に類似しているが、周囲の媒体から半透過性の膜を介して水を吸収するにつれて作用する浸透圧剤(例えば、塩の形態の活性物質)を含む。このような装置は、「基本的な浸透圧ポンプ」と呼ばれており、すでに説明されている。装置内で圧力が生じ、その圧力により、開口部を介して、装置から活性物質を流出させる(この開口部は、溶質の拡散を最小化し、一方で、浸透圧を減少させ、装置の寸法{体積}を変化させる作用を有する可能性がある静水圧頭の発生を防ぐように設計されたサイズを有する)。装置の内部体積は一定のままであり、装置中に過量の固体(飽和溶液)が存在するが、放出速度は、一定のままであり、溶媒が取り込んだ体積と等しい体積を運搬する。
【0067】
電気刺激による放出装置
例えば外部から電気刺激がかけられ、pH変化を引き起こすと膨潤する高分子電解質ゲルを用いた一体式の装置が製造されている。放出を電流によって調節し、パルス型の放出プロファイルを得ることができる。
【0068】
ヒドロゲル
ヒドロゲルは、薬物のマトリックスでの使用(例えばソフトコンタクトレンズや、様々な「軟質の」インプラントなど)に加えて、多数の生物医学的な適用における使用が見出されている。
【0069】
以下の実施例において、全てのパーセンテージは、特に他の指定がない限り重量/重量である。実施例にわたり用いられる用語「純水」は、水ろ過系を通過させて精製された水を意味する。当然ながら、これらの実施例は単に説明のためであり、添付の請求項の範囲によって定義される本発明の本質および範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0070】
実施例1
セフカペンピボキシルHClを含む多粒子の放出調節組成物
本発明に係る即時放出される部分と、セフカペンピボキシルHClを含む放出調節型の部分とを含む多粒子の放出調節組成物は、以下のように製造した。
【0071】
(a)即時放出される部分
セフカペンピボキシルHCl(50:50のラセミ混合物)の溶液を、表1に記載の配合のいずれかに従って製造した。次に、例えばグラット(Glatt)GPCG3(グラット,プロテック社(Glatt,Protech Ltd.),レスター,イギリス)流動床コーティング装置を用いて、メチルフェニデート溶液を、固体重量の増加が約16.9%のレベルになるまでノンパレル種上にコーティングし、即時放出される部分のIR型粒子を形成した。
【0072】
【表1】

【0073】
(b)放出調節型の部分
セフカペンピボキシルHClを含む遅延放出粒子は、表2に詳細に示された通りの放出調節膜溶液を用いて上記の実施例1(a)に従って製造された即時放出型粒子をコーティングすることによって製造された。このような即時放出型粒子は、例えば流動床装置を用いて、約30%重量の増量が達成されるまで、様々なレベルにコーティングされた。
【0074】
【表2】

【0075】
(c)即時および遅延放出粒子のカプセル化
上記の実施例1(a)および(b)に従って製造された即時および遅延放出粒子は、例えばボッシュ(Bosch)GKF4000Sカプセル化装置を用いて、総体的な投与量が20mgの濃度になるようにサイズ2のハードゼラチンカプセル中にカプセル封入された。セフカペンピボキシルHClの総体的な投与量濃度の20mgは、即時放出される部分から10mg、および、放出調節される部分から10mgで構成された。
【0076】
実施例2
セフカペンピボキシルHClを含む多粒子の放出調節組成物
即時放出される部分と、放出調節マトリックス材料を有する放出調節型の部分とを含む、本発明に係る多粒子 放出調節型のセフカペンピボキシルHCl組成物を、表5(a)および(b)に示される配合に従って製造した。
【0077】
【表3】

【0078】
【表4】

【0079】
当業者には当然と思われるが、本発明の方法および組成物に、本発明の本質または範囲から逸脱することなく様々な改変および変更を施すことができる。従って、本発明の改変および変更が、添付の請求項およびそれらと等価なものの範囲内に当てはまるのであれば、本発明はそれらを包含することとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セファロスポリンを含む粒子の第一の群と、セファロスポリンを含む粒子の少なくとも1種の後続の群とを含む抗生物質の放出制御組成物であって、該組成物が被検者に経口送達された後、第一の群中のセファロスポリンと、後続の群中のセファロスポリンとがパルス型で送達されるように、第一の群に含まれるセファロスポリンは実質的にコーティングされておらず、セファロスポリンを含む粒子の後続の群は、放出調節膜をさらに含むか、または、その代わりに、もしくはそれに加えて、放出調節マトリックス材料を含む、上記組成物。
【請求項2】
前記セファロスポリンが、セフカペンピボキシルまたはそれらの塩である、請求項1に記載の放出制御組成物。
【請求項3】
前記第一の群が、即時放出される粒子を含み、後続の群が、放出調節される粒子を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記第一の群が、即時放出される粒子を含み、後続の群を含む製剤が、徐崩壊性製剤である、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記後続の群を含む製剤が、拡散制御型の製剤である、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記後続の群を含む製剤が、浸透圧制御型の製剤である、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
前記放出調節される粒子が、放出調節コーティングを有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
前記放出調節される粒子が、放出調節マトリックス材料を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項9】
前記放出調節される粒子が、前記セフカペンピボキシルまたはそれらの塩を周囲の環境への浸食、拡散または浸透圧によって放出する製剤と組み合わされる、請求項7または8に記載の組成物。
【請求項10】
第一の群、および、後続の群の少なくとも一方が、エンハンサーをさらに含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
第一の群、および、後続の群それぞれに含まれる活性成分の量が、約0.1mg〜約1gである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
第一の群、および、後続の群が、インビトロにおいて異なる溶解プロファイルを有する、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
作用中に、後続の群から抗生物質が放出する前に、第一の群から実質的に全てのセフカペンピボキシルが放出する、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
第一の群および後続の群それぞれの粒子のブレンドを含み、該ブレンドはハードゼラチンまたはソフトゼラチンカプセルに包含されている、請求項13に記載の剤形。
【請求項15】
前記群それぞれの粒子が小型の錠剤の形態であり、前記カプセルが、該小型の錠剤の混合物を含む、請求項14に記載の剤形。
【請求項16】
多層錠剤の形態であり、該多層錠剤は、第一の群の圧縮されたセフカペンピボキシルまたはそれらの塩を含む粒子の第一の層、および、後続の群の圧縮された抗生物質を含む粒子のその他の層を含む、請求項13に記載の剤形。
【請求項17】
セフカペンピボキシルまたはそれらの塩を含む粒子の第一の群、および、後続の群が、発泡性の剤形で提供される、請求項16に記載の剤形。
【請求項18】
速溶解性錠剤を含む、請求項17に記載の剤形。
【請求項19】
治療上有効な量の請求項2に記載の組成物を投与することを含む、細菌感染の治療方法。
【請求項20】
前記放出調節される粒子が、時間遅延の後に活性成分をパルス型で放出させるのに有効なpH依存性ポリマーコーティングを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項21】
前記ポリマーコーティングが、メタクリラートコポリマーを含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記ポリマーコーティングが、時間遅延の後の活性成分のパルスを達成するのに十分な比率で、メタクリラートおよびアンモニオメタクリラートコポリマーの混合物を含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記メタクリラートのアンモニオメタクリラートコポリマーに対する比率が、1:1である、請求項22に記載の組成物。

【公表番号】特表2008−535922(P2008−535922A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506630(P2008−506630)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/013637
【国際公開番号】WO2006/110807
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(507250508)エラン・ファルマ・インターナショナル・リミテッド (23)
【Fターム(参考)】