説明

組み立てブロック。

【課題】凸部と凹部をかみ合わせて組み立てる立方体状の組み立てブロックにおいて、立て・横・上下のどの方向にも直接につなげるようにする。さらに、組み立てた形の表面に凸部が出てしまうのを防いで、すっきりとした形になるようにする。
【解決手段】組み立てブロックの形状を、直方体状のものの1つの頂点で接する3つの面に凹部を設け、残りの3つの面に凸部を設けたものとする。さらに、その組み立てブロックのほかに、その凸部を設ける面を少なくあるいは無しにしてどの面に凸部を設けるかによって違ってくる種類のブロックを用意し、それらを組み合わせて使うようにする。また、それらのブロックの直方体状のものの3辺の長さを同じにし、外形を立方体状にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、組み立てブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一面に凸部と反対側の面に凹部設け、それをかみ合わせて立体的に組み立てる、直方体状の組み立てブロックがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの組み立てブロックは、直方体状の縦・横・高さのうちの1つの方向には直接まっすぐつなげるが、他の方向には直接にはまっすぐつなげない不便があった。
また、組み立てたときに多くの凸部が外面に出てしまい、少ない種類や数のブロックですっきりとした形を組み立てるのが、難しかった。
本発明は、これらの欠点を除くためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
組み立てブロックの形状を、直方体状のものの1つの頂点で接する3つの面に凹部を設け、残りの3つの面に凸部を設けたものとする。
さらにこの組み立てブロックのほかに、このブロックの、いくつかの面の凸部をなくした種類のブロックを用意し、それらを組み合わせて使うようにする。
また、それらのブロックの直方体状のものの3辺の長さを同じにし、外形を立方体状にする。
さらに、ブロックの内部を中空にして1つの面に開口部を設ける。
さらに、その開口部をキャップ口の形にする。
また、ブロックに通し穴を設け、軸を通せるようにする。
【発明の効果】
【0005】
直方体状のものの1つの頂点で接する3面に凹部を設け、残りの3面に凸部を設けたブロックを作れば、ブロックを同じ向きにしたまま縦・横・上下のどの方向にもつなぐことができるので、いろいろな形のものを簡単に組み立てることができる。
凸部あるいは凹部には、差し込むときの空気を逃がすのに、穴や溝あるいは欠けた形の部分などで隙間を設けておいてもよい。
このとき、組み立てたものの外面のうちの3つの方向の面に、凸部がいくつか突き出ることになる。
ここで、この組み立てたものの表面に出る凸部だけを取り除いてしまえば、すっきりとした形にできることになる。
そこであらかじめ、このブロックのいくつかの面の凸部を取り除いた形のブロック、すなわち、凸部が3面あるブロックのほかに、凸部が2面だけのもの、1面だけのもの、凸部のないもの、の各ブロックを用意する。
そしてブロックの凹部のある方向をそろえたまま、組み立てたもの外面に凸部が出ないように、ブロックを選んでつないでいけば、すっきりとした外形に組み立てることができる。
接続面に凸部のある面、非接続面に凸部のない面がくるように選んでつないでいけばよいわけである。
凹部についてはもともと突き出るものではなく、また細いあるいは小さな開口部の凹部とすることによって、さらに目立ちにくくすることができる。また、凹部のある面の1つを底面にしてブロックを並べるようにすることによって、いっそう目立たなくすることができる。ブロックの凹部のない3つの面を視界に向けて置くようにブロックを組み立てれば、さらに目立ちにくくすることができる。
また凹部のある面や凸部のある面は逆に、組み立てたものをおもちゃとして使うときなど、車輪の軸受けをつけたり、列車の連結器をつけたり、窓や人形を取り付けたり、あるいは立方体を半分に切った形の直角二等辺三角柱状などのブロックをつないだり、いろいろな付属品をつけるのに使うこともできる。ブロック状の形や複数のブロックを合わせた形の部分にメカニズムを収めてその外に車輪をつけた、プルバック機構のような動力部をつないでもよい。
組み立てたものは、3方向の面がかみ合わすための凹凸がない面に、反対側の3方向の面が小さな凹部が並ぶだけのすっきりとした外形になる。
また、他の直方体状のブロックと接するすべての面で接続することができるので、しっかりとした組み立てにすることができる。
以上が基本的な組み立て方であるが、目的に応じて変則的な組み立て方をすることもできる。
このとき、3つの方向の面のそれぞれに凸部があるかないかによって、2×2×2=8通りのブロックが必要なことになる。
すなわち、凸部のないブロックと,凸部が3面にあるブロックは、それぞれ1種類だけであるが、凸部が1面だけのブロックと2面だけのブロックとは、3面のうちのどれに凸部があるかによってそれぞれ3種類の形があることになる。
ここで、この直方体状のブロックの3辺の長さを同じにして立方体状のものにすれば、凸部が1面だけのブロックと2面だけのブロックとは、それぞれ1種類の形のものを置く向きを変えることによって、すなわち凹部のある3つの面の交点を中心として回転させることによって、凹部のある3面の位置をそろえたまま凸部のある面の位置を入れ替えることができるので、基本的なブロックを全部で4種類ですますことができる。
また、ブロックの内部を中空にして1つの面に開口部を設ければ、材料の節約と軽量化ができ、温度による内部の空気の体積の変化でブロックが膨れたり縮んだりして変形することもない。
開口部は、接続する凸部のある面に設けるようにすれば、開口部が組み立てたものの外面に現われないですむ。特に凸部が3面にあるブロックについては向きを変える必要がなく底面を固定しておけるので、置いたときに見えないですむ底面に開口部を設けてもよい。
凸部のないブロックについては、やはり底面になる面に開口部を設ければ開口部は見えないですむ。特に立方体状の凸部のないブロックについては、凹部のある面の1つに開口部を設けて、そこが接続面になるようにブロックを回転させて組み合わせれば、組み立てたものの底面にも開口部が現われないようにすることができる。
したがって、開口部は小さな穴でもよいが、一面に広がる大きなものにしておくこともできる。
さらに開口部をキャップ口の形にしてペットボトルなどの容器のキャップにすれば、使用後のキャップを捨てずにブロックとして遊ぶことができる。
またブロックの何種類かあるいは全部に通し穴を設けることによって、車輪の軸を通す軸穴などとして、軸受けを追加することなしに組み立てたものを簡単におもちゃの車などにして遊ぶことができる。またこの通し穴を、小さな開口部として空気抜きの穴を兼ねさせておくこともできる。
以下、各図について説明する。
図1は凸部が3面にある直方体状のブロックを凹部のある3面の方向から見たもの。
図2はそれを凸部のある3面の方向から見たもの。
図3〜図5は、第2図のブロックから1つの面の凸部を取り除いた3種類のもの。
図6〜図8は、同様に2つの面の凸部を取り除いた3種類のもの。
図9は、同様に3つの面の凸部を取り除いたもの。
図3〜図9のブロックは、凹部のある3面の方向から見るとすべて第図1と同じになる。
図10は、立方体状のブロックを凹部のある3面の方向から見たもの。凹部や凸部を細くした形状のものを示した。
図11は凸部が3面にある立方体状のブロックを凸部のある3面の方向から見たもの。
図12〜図14は、図11のブロックから1つの面の凸部を取り除いたものをそれぞれ向きを変えて置いたもの。
図15〜図17は、同様に2つの面の凸部を取り除いたものをそれぞれ向きを変えて置いたもの。
図18は、同様に3つの面の凸部を取り除いたもの。
なお図10〜図18はすべて通し穴を設け、また凸部のかどに、差し込むときの空気を逃がすための形の欠けた部分を設けた。
図19、図20、図21はそれぞれ、図11、図12、図15に示したものの凸部のある1つの面に大きな開口部を設けたもの。ただしそれにより空気抜きに穴を設ける必要はなくなるので、通し穴は車の形を作ったときに一番下に来ることが多いと思われる、凸部のある面が2つ以下のブロックだけに設けた。
図22は、図18のものの凹部のある1つの面に大きな開口部を設けて下方から見たもの。
図23は、下部にキャップ口を設けた立方体状のブロック凸部が3面にあるものを、凹部のある3面の方向から見たもの。凸部のある面が1つおよび2つのブロックのキャップ口は凸部のある面に設けなければならないので、それを大きく設けた場合の邪魔にならないように、凹部やそれに合わせた凸部の位置を面の中心からずらしたものを示した。このため大きなキャップ口を凹部のある面に設けるにはキャップ口の深さのために側面の凹部の位置が邪魔になることになるので、大きなキャップ口は4種類のブロックですべて、凹部のない面に設けることになる。このブロックを並べて組み立てるときに後に述べる理由から凹部のある面が上面に来るため、車の形を作ったときに一番下に来ることが多いであろう、凸部のないブロックと凸部が1つの面だけにあるブロックにだけ通し穴を設けた。
図24は、下部にキャップ口を設けた凸部が3面にある立方体状のブロックを、凸部のある3面の方向から見たもの。キャップ口の中から凸部が突き出ているため、キャップを容器からはずして置く時は、横向きあるいは上下逆向きに置くことになる。キャップを容器にはめる際に邪魔にならないように、キャップ口から突き出る凸部の断面を小さなL字型とした。側面の凸部はすっきりとした平板状とし、凹部の断面はそれらに合わせて大きなL字型とした。
図25は、図24のブロックから1つの面の凸部を取り除いたもの。
図26は、図24のブロックから2つの面の凸部を取り除いたもの。通し穴を設けたものを示した。
図27は、図24のブロックから3つの面の凸部を取り除いたもの。このブロックはキャップ口が見えないようにキャップ口を下に向けた向きで組み合わせることになるので、組み合わせたものは凹部のある面が上面に並ぶ形となる。通し穴を設けたものを示した。
なおペットボトルのキャップをこのブロックにする場合、ペットボトルの口を小さめのものにすれば、より使いやすい大きさのブロックにすることができると思われる。
図28〜図33は立方体状のブロックと組み合わせて使う1種類の直角二等辺柱状のブロックを、いろいろ向きを変えて置いたもの。図28、図29、図30の向きを180度回すと、2つの凹部の形が入れ替わった状態となってそれぞれ図31、図32、図33のようになる。図10のブロックに組み合わせる形状のものを示した。これらの向きで凹部のある正方形の2面のうち1面でも凸部のある面と接すれば、組み合わせて使えることになる。
図34〜図39は、図10〜図18に示した4種類のブロックを、それぞれ2つの型をくっつけて作る場合の型の例。図40と図41は、それらをくっつけて作ったブロックで、継ぎ目も表示したもの。通し穴を設けたものを示した。
図34〜図36は、ブロックを作るための一方の型。図37はそれを反対方向から見たところ。3つとも裏側は同じになる。
図38と図39は、ブロックを作るためのもう一方の型。図38の型は、図34〜図36の型と合わせて凸部のある3種類のブロックを作り、図40のようになる。図39の型は、図36の型と合わせて凸分のないブロックを作り、図41のようになる。
なお通し穴が必要ないときは、凸部のある面が2つのブロックは図34の型と図39の型を合わせても作れることになる。この場合、図35の型がなくても4つの型だけで4種類のブロックを作れることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
立方体状のものの1つの頂点で接する3つの面に凹部を設け、残りの3つの面のそれぞれには、凸部を設けあるいは設けないようにした組み立てブロックを、凸部を設ける面の数の違いによって4種類そろえる。
各ブロックの内部を中空にし、外部への空気抜きの穴を兼ねてブロックに通し穴を設ける。
【図面の簡単な説明】
【0007】

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】

【図36】

【図37】

【図38】

【図39】

【図40】

【図41】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体状のものの1つの頂点で接する3つの面に凹部を設け、残りの3つの面に凸部を設けた、組み立てブロック。
【請求項2】
請求項1の組み立てブロックや、このブロックのいくつかの面の凸部を取り除いた形状のブロックを、組み合わせて使う組み立てブロック。
【請求項3】
外形を立方体状にした、請求項2の組み立てブロック。
【請求項4】
内部を中空にして1つの面に開口部を設けた、請求項1の組み立てブロックおよび請求項2の組み立てブロック。
【請求項5】
開口部をキャップ口の形にした、請求項1の組み立てブロックおよび請求項2の組み立てブロック。
【請求項6】
ブロックに通し穴を開けた、請求項1の組み立てブロックおよび請求項2の組み立てブロック。