説明

組成物の組み合わせの多次元評価システムおよび方法

本発明の実施態様の目的は、構成素アレイ由来の構成素組成物の組み合わせを含む分析アレイを作製するための方法と器具である。本発明のある実施態様では、組み合わせ組成物を評価して組み合わせ効果を有する組み合わせが特定される。本発明の他の実施態様の目的は、構成素アレイを様々な構成で作製し、分析アレイの生成を促進することである。この様な実施態様には:対応する組成物と分析対照セットを有する構成素アレイを作製する工程と;基点位置の固有セットと派生位置の対応するセットを有する構成素アレイを作製する工程と;構成素組成物に利用される濃度を変化する工程と;仮想空間分析アレイに対応する分析アレイを構成する工程とが含まれる。本発明の他の実施態様の目的は、分析アレイ中の組み合わせ組成物の活性を評価するシステムおよび方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組成物の評価法に関し、詳しくは組成物の組み合わせの多次元評価法に関する。
【背景技術】
【0002】
薬品、薬剤および治療に関する研究は、組成物の内容物の特定の応用に対する適性を評価するための組成物の試験を主体としている。臨床効力を与える物質の独自の組み合わせを薬剤の試験で発見するには、候補物質の多数の組み合わせの試験が必要であると思われる。さらに、特定の組み合わせにおける各物質の有効な濃度には特定が必要である。物質のどの組み合わせが有用であるかを特定する場合、各組み合わせを多数の様々な試験要素および条件に晒し、組み合わせの最適な活性を判断しなければならない。すべての可能な組み合わせを手動で試験しなければならない場合、この様な大きな多変量空間の探索には膨大な時間および費用を要する。
【0003】
試験に必要なサンプルを調製するためにハイスループットスクリーニングを用いると、自動装置の使用によって発見プロセスを迅速に実行することができ、費用を節約することができ、これによって候補組成物の活性の試験および評価を促進することができる。このスクリーニングプロセスは候補組成物の特定に役立てることができ、継続スクリーニングは、どの候補が特に有効であるか、組み合わせの構成素のどの濃度が最適であり得るかをさらに特定し得る。
【0004】
自動装置を使用しても、大きなライブラリーの個々の候補から化合物の有用な組み合わせを特定することは時間および費用を要する仕事である。さらに、偽の負の結果を与えることにより、試験誤差が候補の特定プロセスをさらに妨げ、結果として科学者が有用な候補と偽の正の結果を見落し、最終的にはたいしたことのない候補物質を分析してしまい、少ない予算を浪費することになる。従って、様々な混合物中の組み合わされた多数の組成を試験する速度および精度を上げることのできる方法とシステムを提供する必要がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある実施態様では、共通の複数の構成素組成物から形成された組み合わせ組成のセットの評価法が提供される。その方法には、各構成素組成物に対しそれぞれが構成素組成物の特定の濃度を保持する構成素アレイの位置を提供する工程であって、アレイの数が複数の構成素組成物に対応する工程と;位置の分析アレイを提供する工程であって、分析アレイの各位置はセットのメンバーに対応し、構成素アレイそれぞれに由来する指定されたアリコートと関連し、各アリコートはゼロまたはゼロ以外の1つである工程と;分析アレイの各位置における組み合わせ組成物の活性を評価する工程とが含まれる。
【0006】
本発明の別な実施態様には1つ以上の実体が患者への投与に対して政府規制機関により認可され、確立された安全プロフィールを有するか、公認の医薬プロフィールを有するか、または公認の毒性プロフィールを有する構成素組成物が含まれる。組み合わせ組成には組み合わせ組成の活性の評価に関連する評価対象組成も含まれ、評価対象組成は少なくとも1個の試験実態が任意に含まれてもよい。
【0007】
本発明のまた別な実施態様には、共通の複数の構成素組成物から形成される組み合わせ組成セットの活性の評価法が含まれ、分析アレイ中の少なくとも1個の特定の濃度は少なくとも1つの活性データに基づき指定されるか、または分析アレイ中の少なくとも1つの指定された活性にほぼ対応する。関連する方法にはその位置の構成素アレイを提供する前に少なくとも1つの構成素組成物の活性を評価する工程が含まれ、その活性データはその位置の構成素アレイの位置を提供する前の少なくとも1つの評価済み活性に基づいている。または、活性データは少なくとも1つの構成素組成物の既知の活性データに基づいている。活性データを少なくとも1つの阻害値の形で表現し得る。また、分析アレイ中の少なくとも1つの構成素組成物の複数の特定の濃度は、少なくとも1つの構成素組成物の活性データに基づいてもよい。複数の特定の濃度は、少なくとも1つの構成素組成物の阻害等の、活性の指定された値にほぼ対応し得る。特に、指定された阻害値は、少なくとも1つの構成素組成物の最大阻害のほぼ20%と80%との間である。
【0008】
他の実施態様では、少なくとも1つの構成素組成物の活性データに基づく、少なくとも1つの構成素組成物の選ばれた活性値にほぼ対応する少なくとも1つの濃度と、選ばれた活性値に基づく少なくとも1つの他の特定の濃度とを、複数の特定の濃度が含み得る。特に、少なくとも1つの他の特定の濃度は選ばれた濃度と所定の乗算因子との積に基づいてもよい。例えば、選ばれた活性値は少なくとも1つの構成素組成物の最大阻害の80%阻害値であり、少なくとも1つの特定の濃度は、少なくとも1つの構成素組成物の最大阻害の80%阻害値に対応する濃度から倍数希釈にほぼ対応する。
【0009】
本発明の他の実施態様では、少なくとも1つの構成素アレイには、この様な構成素組成物が逐次増加希釈された一連のメンバーが含まれる。ある実施態様には、少なくとも約3倍の倍率で段階的に行われた、全体で少なくとも50,000倍の倍率の範囲を包含する逐次増加希釈が含まれる。第2の実施態様には、少なくとも約4倍の倍率で段階的に行われた、全体で少なくとも1,000倍の倍率の範囲を包含する逐次増加希釈が含まれる。第3の実施態様には、少なくとも約2倍の倍率で段階的に行われた、全体で少なくとも250倍の倍率の範囲を包含する逐次増加希釈が含まれる。
【0010】
他の実施態様は、任意の構成素アレイの各位置が任意の他の構成素アレイ中の少なくとも1つの対応する位置を有し、構成素アレイのそれぞれ由来の指定されたアリコートが構成素アレイの対応する位置からとられ;全てのアレイはそれぞれの物理対象の対応する位置中に共通の位置の数を有し;各アレイは少なくとも1枚のプレートで具体化され、各プレートの各位置はウエルで任意に実現することを要求する。
【0011】
本発明の別な実施態様では、各構成素アレイには複数の位置で濃度が変化する少なくとも1つの構成素組成物が含まれ、1つの特定の構成素アレイの少なくとも1つの構成素組成物の少なくとも1つの濃度は、分析アレイ中の他の構成素アレイと関連する他の構成素組成物の全ての濃度と組み合わされていない。
【0012】
本発明のまた別な実施態様には、位置の各構成素アレイに対し各構成素アレイ中の固有位置の基点となるセットを提供する工程であって、各位置がこの様なアレイと関連する一定量の構成素組成物と関連する工程と;基点となるセットの各位置に対し各構成素アレイ中の固有位置の派生セットを提供する工程であって、特定の派生セットの各位置が基点となるセットの位置から得られる構成素組成物の一部を有する工程が含まれる。基点となるセットは単一の物理対象上で具体化し得る。さらに、任意の構成素アレイの各位置は他の任意の構成素アレイ中に対応する位置を有し、基点となるセットおよび所定の構成素アレイの対応する派生セット由来の複数の位置は、基点となるセットおよび任意の他の構成素アレイ中の対応する派生セットの位置に対応するこの様な構成素アレイの任意の位置と異なっていてもよい。派生セットの複数の位置のそれぞれは希釈剤を含み得る。
【0013】
特定の別な実施態様では、構成素アレイは行と列に配置された幾何学的に類似の構成の複数の位置を有する。位置の各派生セットがその対応する基点位置に隣接する位置の水平行として配向した、縦の列に並んだ位置の基点となるセットを、少なくとも1つのアレイ、すなわちX構成素アレイが有し、その対応する基点位置に隣接する位置の垂直行として配向した、水平の列に配置した位置の基点となるセットを、少なくとも1つのアレイ、すなわちY構成素アレイが有する様に構成素アレイが配向している。XおよびY構成素アレイの組み合わせ組成物を分析アレイ中に置くことにより、構成素アレイの構成素組成物の相対的な配向を保存される。または、第1および第2構成素アレイのそれぞれが同様な構成の所定の数の位置を有し、第1構成素アレイの各派生セットは複数の位置の行として配置され、第2構成素アレイの各派生セットは複数の位置の列として配置されてもよい。
【0014】
少なくとも1つの構成素アレイに対し、本発明のある実施態様は少なくとも1つの実体を含む任意の派生セットそれぞれの位置も含み、その少なくとも1つの構成素アレイ中の特定の派生セットの全ての位置が実質的に構成素組成物の同じ濃度を含み得る。この実施態様には、ある構成素アレイの所定の派生セと中の各実体が、その他の全ての構成素アレイの別な派生セット中に存在しえることがさらに含まれてもよい。この実施態様はさらに、全ての構成素アレイに対する1つの派生セット中にのみ存在する実体の組み合わせも含み得る。任意には、この実施態様はその組み合わせ中の各実体が、任意の他の構成素アレイの任意の他の位置中の組み合わせの任意の他の実体と共存し得ないことも含み得る。
【0015】
本発明のある実施態様と一致する、組み合わせ組成物セットの活性を評価するための他の方法には、各構成素アレイに対しこの様なアレイの組成物対照セットの各位置における組成物を提供する工程であって、所定の構成素の組成物対照セットの位置は、任意の他の構成素アレイ中の組成物対照セットの位置に対応するこの様な構成素セットの任意の位置とは区別される様に、各構成素アレイの組成物対照セットが配置される工程が含まれる。組成物対照の少なくとも1つは正の対照であり、組成物対照の少なくとも1つは負の対照である。その方法には、アレイに関連するデータの質の尺度を提供するために、組成物対照を保持する位置における活性の測定値に関する統計解析を行う工程が含まれてもよい。具体的な方法には分析アレイの物理的に異なった各対象に対する組成物対照セットの正の対照位置と負の対照位置の各セットに対する標準偏差値と、数平均値または中央値の何れかである平均値とを提供する工程であって、それらの値が組成物対照セットの位置における活性に基づく工程と;標準偏差値と平均値とに基づいて分析アレイの物理的に異なった各対象に対するz値を提供する工程とが含まれる。または、その方法は分析アレイの物理的に異なった対象の組成物対照セットの特定の位置に対して求められた局所量子化c値を提供する工程であって、局所量子化c値は特定の位置に対する比率に依存し、その活性の比率は正規化値に対する特定の位置における活性値である工程と;組成物対照セットの物理的異なった対象の特定の位置に対する局所量子化c値の数平均に基づき、分析アレイの物理的に異なった各対象に対する総合的なc値を提供する工程とを含んでもよい。正規化値は期待活性レベルがゼロである位置中の測定活性レベル、試験実体がない位置中の測定活性レベル、または選ばれた活性値である。
【0016】
任意の構成素アレイの各位置が任意の他の構成素アレイ中に対応する位置を有する本発明の実施態様の別な方法には、分析セット中の分析対照セットが各構成素アレイ中に対応する位置を有する様に、分析アレイ中の分析対照セットの各位置中に分析対照を提供する工程もさらに含まれ得る。分析対照の位置は分析アレイ上のどこに分布してもよく、プレートをアレイとして利用する場合、プレートのエッジに隣接した位置を含んでもよい。分析アレイの一部を保持する物理的実体の一端から他端へ位置を配置してもよい。分析アレイを提供する前に、構成素アレイの少なくとも1つの対応する位置中に分析対照を備えていてもよい。
【0017】
本発明の関連する実施態様では、組み合わせ組成物のセットの活性評価方法には分析対照セットの各位置中で分析対照の測定された活性を評価する工程と;分析対照セットの少なくとも1つの位置中の測定された活性と期待活性に基づき、分析アレイの複数の位置に対する偏差活性値を提供する工程と;偏差活性値に基づき、分析アレイの複数の位置のそれぞれに対する補正活性値を割り当てる工程とが含まれる。分析アレイの複数の位置は同じ活性期待値を有してもよい。また、偏差値を提供することは、分析対照セットの少なくとも1つの位置中の測定活性に基づく内挿値を提供することも含み得る。
【0018】
本発明の他の関連する実施態様では、組み合わせ組成物の活性評価法には分析アレイ中の少なくとも1つの位置における誤った活性値を特定する工程と;誤った活性値に関連する各位置中の活性置換値を割り当てる工程とが含まれる。誤った活性値と関連する位置と比較して少なくとも1つの隣接位置中における評価済み活性、または誤った活性値と関連する位置と比較して少なくとも1つの隣接位置中における少なくとも1つの構成素組成物の濃度に基づき、置換値を指定し得る。
【0019】
本発明のさらに別な実施態様には、希釈アレイの各位置がそのセットの特定のメンバーに対応し、構成素アレイのそれぞれ由来の指定されたアリコートに関連する位置の希釈アレイを提供する工程であって、各アリコートはゼロまたはゼロ以外の1つであり、位置の分析アレイが希釈アレイ由来である工程が含まれる。希釈アレイ中の位置中の特定の実体の濃度は、指定された構成素アレイ中の特定の実体の濃度よりより約1オーダーの大きさでより薄くてもよく、また分析アレイ中の位置中の特定の実体の濃度は、指定された希釈アレイ中の特定の実体の濃度よりより約1オーダーの大きさでより薄くてもよい。
【0020】
本発明のまた別な実施態様には、異なった物理対象に関する構成素アレイの基点となるセットおよび対応する派生セットを提供する工程が含まれる。その実施態様では、複数の異なった物理対象で具体化される分析アレイがさらに提供される。
【0021】
本発明の他の実施態様の目的は、組み合わされた組成の活性評価を促進することである。ある実施態様では、分析アレイの各位置の評価済み活性が阻害について表現される。その阻害は、特定のタイプの測定に関連するバックグラウンド信号の原因であり得る。バックグラウンド信号は期待活性レベルがゼロである位置における測定活性、試験実体がない位置中の測定活性、または想定値ゼロに基づいている。バックグラウンド信号はある位置中の測定値、または複数の位置の平均値に基づき、その位置は対照を含んでもよい、阻害の計算で用いられる未処理値の測定のための位置も、少なくとも1つの位置に基づいてもよい。
【0022】
本発明の他の実施態様では、組み合わせた組成物セットの活性評価法にはセットの複数のメンバーに対する相乗性の尺度を提供する工程であって、相乗性の尺度は測定値とセットの各位置に対する予測値とに依存し、各測定値はセットのある位置中の活性に関連し、各予測値はモデルから計算される工程が含まれる。モデルはセットの位置中の候補組成物の少なくとも1つの実体の活性に関連する測定値に依存し得る。また、予測値は候補組成物の少なくとも1つの実体の活性でもよい。あるいは、予測値をBliss独立モデルまたはLoew加法モデルから計算し得る。相乗性の尺度は、セットの各位置に対する測定値と予測値との間の差であってもよい。相乗性の他の尺度は、セットの複数の位置に対する測定値と予測値との間の差の合計であってもよい。相乗性のまた別な尺度は、複数の測定値の内挿由来の特定の活性レベルに関連する候補組成物の実体の濃度の表示であってもよい。活性の評価には、計算値に隣接する位置における計算値および測定値それぞれに関する計算値がスムースに単調変化する表面を維持する計算値で、特定の測定値を置換する工程も含まれる。
【0023】
本発明の他の実施態様にはアレイ中の組成物のセットの活性の評価法が含まれる。その方法にはその活性に関連する組成物セットの各位置に対する、すなわちアレイの複数のセットそれぞれに対する測定値を求める工程であって、アレイの各セットが対応する位置に配置された実質的に同じ組成物セットを含む工程と;アレイセットの位置それぞれについて複数のモデルそれぞれによる活性予測値を求める工程と;少なくとも1つの統計法を用いて測定値と予測値とに基づき組成物セットの活性を求める工程とが含まれる。活性の測定には、複数のモデルのそれぞれに対する各セットの対応する位置中の測定値と予測値との間の差に基づき活性を求める工程、またはアレイの各セットに対しある異なった閾値を越える全ての値の差の和を提供する工程が含まれる。ある統計法の使用には、複数のアレイセットの対応する位置中の測定値に基づき、セットの位置に関連する活性の標準誤差を求める工程が含まれる。この様な標準誤差をセットの活性の誤差の程度を求めるために使用し得る(例えば複数の位置の標準誤差の平方の和の平方根を求めるための標準誤差を用いて)。統計法の使用にはまた、複数のアレイセットそれぞれの対応する位置中の測定値に基づき、あるセットの位置に関連する平均測定値を求める工程、または複数のアレイセットそれぞれの対応する位置中の測定値に基づき、あるセットの位置に関連する標準誤差に対する平均測定値の比を求める工程も含まれる。
【0024】
本発明の別な実施態様では、分析アレイ中の評価活性値を外挿または内挿して、分析アレイから直接測定されない組み合わせ組成物における評価活性の予測値が提供される。この実施態様を、選択した活性レベルとなり得る候補組成物値のセットを予測するために利用し得る。分析アレイ中の評価活性の誤った測定値を特定するためにも本実施態様を使用でき、内挿または外挿値を測定された誤った値の代わりに使用し得る。
【0025】
本発明の他の実施態様の目的は、本明細書に記載する方法で利用される分析アレイおよび組成物アレイである。本発明のある実施態様の目的は、本明細書に記載の方法後の組み合わせ効果を評価するためのコンピュータープログラム生成物である。
【0026】
本発明の前記特徴は、以下の付属する図表を参照する詳細な説明を参照してより容易に理解されると考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
定義:本説明と付属するクレームで用いられる以下の用語は、別なその内容が必要でない限り以下に示す意味を有する。
【0028】
組成物の「活性」とは組成物の少なくとも1つの実体の状態の変化である。活性は通常、試験実体の状態の変化に対して決定され、試験実体の変化は候補組成物の存在のためである。
【0029】
「アリコート」とは組成物の特定のセット由来の少なくとも1つの組成物の区分である。
【0030】
「アレイ」とは少なくとも1つの組成物を有し得る対象であり、各組成物は評価のための任意の他の組成物から独立に保持されている。各アレイは、異なった組成物が所在し得る位置に対応する位置のセットを有する。アレイはプレートとして具体化され、プレートは複数のウエルまたはミクロウエルを有し;96ウエル、384ウエル、1536ウエルを有するプレート、またはそれ以上の密度のプレートを使用し得るが、プレートの全てのウエルを分析で使用する必要はない。アレイを少量の組成物が堆積するいくつかの位置を有する平坦で不透過性の基板としても具体化し得る。アレイを多孔性またな透過性で、特定の試料に関連する位置を有する基板(例えばSabatiniらの米国特許出願第2003/0032203A1号に記載)、またはミクロ容積通路(例えばO’Keefeらの米国特許出願第2002/0151040号に記載)としても具体化し得る。アレイを1つ以上の物理的に異なった対象としても具体化し得る。図2は3個の別な物理対象として具体化されたアレイ210を示す。本発明の実施態様の多くで、各所在位場所に1つのウエルを有するプレートとしてアレイが具体化されているが、実施態様の実施はウエルを有するプレートの使用に限られない。
【0031】
「分析」アレイは組み合わせ組成物のセットを有するアレイ(上記に定義する通り)である。
【0032】
「分析」対照は分析アレイを用いる対照(下記に定義する通り)である。
【0033】
「候補」組成物は、組み合わせ組成物の活性に影響する1つ以上の実体で本質的に構成される組成物のサブセットを含む組成物(上記に定義した通り)である。
【0034】
「候補」実体は、組み合わせ組成物の活性に影響する実体(下記に定義する通り)である。
【0035】
「組成物」は異なった試料を構成する1つ以上の実体のセットである。各組成物は任意の他の組成物と比較して同一または異なった実体を含み得る。組成物内の特定の実体の絶対量と濃度は、任意の他の組成物の絶対量または濃度と一致するか、異なってもよい。従って、1つ以上の濃度または量が異なっていても、2つの組成物が同じであり得る。
【0036】
「組み合わせ」組成物は、構成素組成物の複数のメンバーの組み合わせから生成する組成物(上記に定義した通り)である。
【0037】
特定の構成素組成物の「濃度」とは、特定の構成素組成物におけるある実体または複数の実体の組み合わせの濃度を指す。
【0038】
「構成素アレイ」は構成素組成物のセットを有するアレイ(上記に定義した通り)である。
【0039】
「構成素」組成物は組み合わせ組成物を作製するために用いられる組成物(上記に定義した通り)である。
【0040】
「組成物」対照は分析アレイに移行し得る、構成素アレイに用いられる対照(下記に定義する通り)である。組成物対照は構成素アレイの特定の実体と関連する物質であってもよい。組成物対照はアレイ中の誤差を検出し、分析アレイ中で評価される品質管理の確認に有用である。
【0041】
「対照」は既知の予期される活性を有する物質である。
【0042】
位置の「派生」セットは、基点となるセットのある特定の位置に関連するアレイ中の位置のセットであって、各派生セットの位置には特定の基点となるセットの位置由来のアリコートが含まれる。
【0043】
「希釈剤」は組成物の濃度に対する希釈剤の効果による以外は、組成物の活性に影響しない組成物の1つ以上の実体である。
【0044】
「実体」は組成物の成分である。組み合わせ組成物で用いられる実体のタイプには試験実体等の評価対象組成物の成分;本明細書で「候補」実体と呼ばれる組成物中の試験実体の状態を変化する様に作用する成分;および本明細書で希釈剤と呼ばれる、その存在が組成物の濃度にどの様に影響するか以外は、評価対象組成物の活性に影響しない成分が含まれる。特定の実体のいくつかの非制限例には化学物質、薬剤、生物成分、および化学物質を含み得る物質、薬剤または生物成分(例えば有機分子の吸収層を有する小さなポリマー粒子)が含まれる。実体は化合物の分析用の成分であるか、化合物自体または化合物の成分であってもよい。
【0045】
「評価対象」組成物は組成物の活性の評価の役に立つ、または可能にする組成物(上記に定義の通り)である。
【0046】
「負の対照」は典型的にはゼロである期待活性を有する対象(上記に定義の通り)である。例えば、代謝生成物の細胞生産を抑制しないことが知られ、期待される能力を有する物質は、負の対照として知られるが、その活性は代謝生成物の生産を抑制する能力として測定される。
【0047】
「基点」セットの位置はアレイ中の位置のセットであって、各位置はアレイ中の位置の固有のセットと関連している。
【0048】
「正」の対照は、典型的にはゼロより大きい期待活性を有する対照(上記
定義通り)である。例えば、代謝生成物の細胞生産を抑制する既知の期待される能力を有する物質は正の対照として作用するが、その活性は代謝生成物の生産を抑制する能力として測定される。
【0049】
「セット」は少なくとも1つのメンバーを有するグループである。
【0050】
「試験」実体は、特定の候補実体または候補組成物に晒された場合、状態の変化を行う実体(上記定義通り)である。
【0051】
本発明の実施態様は、複数の構成素組成物を組み合わせて生成する組み合わせ組成物のセットの活性評価法を提供する。具体的な実施態様は構成素と組み合わせ組成物を作製し系統化する。これらの実施態様は組み合わせ組成物の活性の評価を促進するか、組み合わせ組成物の活性の測定精度を改善し得る一方、信頼できるデータが豊富な方法でセットの活性を評価する。例えば、本発明のある実施態様では、数個の分析アレイを用いて成分と濃度が変化する実体の50万以上の組み合わせの評価が可能である。
【0052】
本明細書に記載する本発明の実施態様は単に例示することを意図するものであり、いくつかの変更と修正は当業者に明らかであると考えられる、これらの変更と修正は本発明の範囲内であると考える。本明細書に記載の実施態様は薬剤の評価と発見に特に関連しているが、本発明のある実施態様は多数の試料の組み合わせ試験または評価を利用する他の分野にも応用可能であると思われる。この様な分野のいくつかの非制限例には触媒の発見と評価、化学合成および分析法、および所定の生物種に対する混合物または薬品の恩恵または毒性の評価が含まれる。
【0053】
本発明のいくつかの特徴は図1を参照してより容易に理解し得ると思われるが、図1は組み合わされて分析アレイ130に保持される組み合わせ組成物131、132、133、134を形成する、構成素アレイ110、120により保持される構成素組成物111、112、113、114、121、122、123、124を示す。各組み合わせ組成物131、132、133、134の活性が評価される。図1および2において、各アルファベットコード、例えばX1およびZは、文字が大文字であるか小文字であるかに係わらず、特定の構成素組成物を指し;大文字のコードは小文字を用いる類似のコードより候補実体の高い濃度の候補組成物を表す。例えば、Y1はy1と同じ構成素組成物を有するが、y1は構成素組成物の少なくとも1つの実体のより低い濃度を有する。
【0054】
薬剤配送の場合は、少なくとも1つの既知の薬剤(本明細書ではしばしば「候補組成物と呼ばれる」)と他の化合物との組み合わせから新規薬剤が創生され、共に作用する薬剤は個別に用いた個々の薬剤の期待される効果とは区別される効果を生み出す(本明細書ではしばしば組み合わせ効果と呼ばれる)。本発明のいくつかの実施態様は、この様な組み合わせ効果の特定に有用である。独立に作用する各薬剤の組み合わせで期待される効果よりその組み合わせが大きい効果を有する場合、その組み合わせは相乗効果を有する。独立に作用する各薬剤の組み合わせで期待される効果よりその組み合わせが小さい効果を有する場合、その組み合わせは拮抗効果を有する。薬剤の新規組み合わせの可能な例には、特定の薬剤が試験実体に典型的に及ぼす副作用を阻止する少なくとも1つの薬剤の特定が含まれるか、特定の薬剤が試験実体に及ぼす負の効果(例えば特定の薬剤による毒性)に対向する少なくとも1つの薬剤の特定が含まれる。
【0055】
候補組成物の組み合わせ効果は、多くの成分間の複雑な結合を含む相互作用ネットワークのためであるとも思われ、その成分は典型的には特定の分子標的と相互作用することが知られているが、その組み合わせは多面発現性効果を示す。従って、本発明の実施態様はまた、混合物中に存在する相乗性または拮抗性を特定することにより相互作用ネットワーク中の未知の相互作用を特定し;候補組成物の相乗性と組成物の成分の関係との間の相関を特定することにより、全く区別される相互作用ネットワークの連結性の情報を提供し;経路が良く分かっている場合、候補組成物中の相乗性または拮抗性の程度の強さに対する組成の既知の標的経路の近傍の依存性の決定に有用である。
【0056】
任意の候補組成物は、患者への投与につき米国食品医薬局等の政府機関により認可された物質を含み得る。または、候補組成物には少なくとも2つの実体が含まれ、それぞれが患者への投与につき米国食品医薬局等の政府機関により認可されていてもよい。候補実体は政府機関で認可され、確立された安全プロフィル、認知された医薬プロフィルおよび認知された毒性プロフィルの少なくとも1つを有する薬剤でもよい。さらに、候補組成物は各成分薬剤を個別に摂取した場合はほとんど効果がないが、成分を連続して摂取した場合はかなりの効果を生み出す組み合わせでもよい。もちろん、患者への投与について政府機関により使用が認可された物質を利用する候補組成物には、この様な政府の認可を受けない他の実体を含んでもよい。
【0057】
候補組成物は組み合わせ組成物中に2個以下の候補実体を含むことが多いが、本発明の実施態様では候補組成物が3個以上の候補実体を含んでもよい。同様に、本発明の実施態様は1個のみの候補実体を有する候補組成物を含み得る。
【0058】
最終的に、本発明の実施態様によるシステムと方法は候補組成物の活性の評価、すなわち候補組成物が特定の実体の状態に有する影響を評価することに関連している。活性を評価するため、典型的には候補組成物を少なくとも1つの試験実体を有する評価対象組成物に晒し;評価対象組成物と候補組成物の組み合わせが組み合わせ組成物となる。従って、組み合わせ組成物の活性を評価する1つの方法には、候補組成物に晒される組み合わせ組成物中の試験実体等の実体のある状態の変化の測定が含まれる。組み合わせ組成物と同時に構成素組成物には、組成物中の特定の実体の濃度を調節するための少なくとも1つの追加実体としての希釈剤も含まれる。
【0059】
評価対象組成物中で用いられる実体の例には、疾患モデル分析、細胞ブロット分析、レポーター遺伝子分析の成分、蛍光エネルギー共鳴分析の成分、蛍光カルシウム結合指示薬染料、または蛍光顕微鏡または発現プロファイリングの何れかで使用される成分が含まれる。これらの技術はPCT出願「治療薬としての実体の組み合わせの特定法(Methods for Identifying Combinations of Entities as Therapeutics)」、国際公報番号WO02/04949A2により詳しく記載され、その関連するアリコートを本明細書に引用して援用する。評価対象組成物内の試験実体は少なくとも1つのタイプの細胞、組織、動物、再構成無細胞媒体、および蛋白質またはオリゴヌクレオチド等の少なくとも1つの生物関連分子を含み得る。組成物中の試験実体も、組成物の他の実体中の活性の変化を同時に誘導する、すなわち候補組成物の一部である一方、評価対象組成物の成分となり得る。
【0060】
特定の実体の状態の変化、または試験実体は、典型的には候補組成物が特定の実体に及ぼし得るある効果を指すが;この状態はたとえば温度、圧力または光/放射線暴露等の他の環境因子によっても影響され得る。その効果は候補組成物の実体とその実体との個々の相互作用によるか、その実体と候補組成物の全ての組み合わせとの相互作用による。状態変化の具体的な尺度は、特定の実体中のどの特性が候補組成物の存在で変化し得るかに依存する。状態の変化が特定の細胞等の試験実体に対して特定される具体例では、状態変化は細胞相互作用または代謝と呼んでもよい。非制限例にはDNA合成生成物の測定;ある細胞型の特定の代謝生成物の生産の測定;少なくとも1つの型の細胞の抗増殖活性、または細胞生存率に対する全体的な効果の測定、または細胞形態の少なくとも1つの特徴の変化の測定が含まれる。
【0061】
候補組成物による特定の実体の状態変化は、候補組成物内の1つ以上の実体間の1つ以上の相互作用の他、候補組成物(個々の成分として、または全体的に作用する)と特定の実体との間の相互作用によって影響され得る。相互作用の非限定例にはある試験実体に対する構成素実体それぞれの別個の効果由来の効果(例えば2つ以上の化合物の細胞に対する独立の非ネットワーク効果);試験実体に対する候補組成物の組み合わせ効果(例えば候補組成物の各実体が相互作用ネットワークまたは経路の異なったアリコートに作用する);または試験実体を生じる他の新しい実体を生成する、候補組成物の構成素実体間の相互作用による効果(例えば新しい実体を生成する候補組成物中の実体間の化学反応または物理会合であって、分析アレイの位置が形質転換の容器として作用する)が含まれる。しかしながら、実体の状態変化がどのように行われるかに係わらず、実施態様の目的は組み合わせ組成物の活性評価であるので、状態変化が行われる特定の機構は本発明の実施態様の実施に影響しない。
【0062】
(組み合わせ組成物と分析アレーの作製)
図1を参照すると、分析アレイ130は複数の構成素アレイ110、120由来の組み合わせ組成物131、132、133、134を保持している。各組み合わせ組成物131は分析アレイ136の特定の位置に位置している。組み合わせ組成物131は共通の複数の構成素組成物111、121それぞれ由来のメンバーを組み合わせて形成される。構成素組成物の各セットは、構成素アレイ110、120と物理的に会合し各構成素組成物111、121はその会合した構成素アレイの特定の位置116、126に位置している。
【0063】
組み合わせ組成物を生成するために使用される特定の構成素組成物は、評価対象組成物、候補組成物または1つ以上の希釈剤のみで構成されてもよい。または、構成素組成物は組成物と希釈剤の任意の組み合わせで構成されてもよい。
【0064】
構成素アレイはウエルを有するプレートとして具体化され、各ウエルは構成素アレイに対する構成素組成物を含み得る。構成素アレイは単一組成物を有する単一基点容器として具体化されてもよい。例えば、構成素組成物と構成素アレイとが容器からの希釈剤として具体化されてもよく、希釈剤は組み合わせ組成物を保持する分析アレイプレートのウエル中に順次加えられる。1つの構成素アレイが複数の基点として具体化されてもよく、そのそれぞれが組成物の1つ以上の実体を含んでいる。例えば、ある構成素組成物は分析アレイプレートの各ウエル中に挿入される評価対象組成物であってもよく、その構成素アレイは複数の基点容器中に含まれる評価対象組成物の実体のセットとして具体化される。
【0065】
分析アレイ中に組み合わせ組成物を生成するために構成素アレイ中に構成素組成物を組み合わせることは、公知の任意の方法で行い得る。例えば、ウエルを有するプレートを用いる本発明の実施態様では、構成素アレイプレートのウエル中の構成素組成物を、構成素アレイプレート中の対応するウエルから分析アレイプレートのウエル中へ手動でピペッティングし得る。高スループットスクリーニング用途では、プレートのウエル中の構成素組成物を組み合わせることは、Packard Mini−Track(Perkin Elmer Life Science Inc.,Boston MA)等の自動装置の使用により促進される。自動化装置は組成物をウエルからウエルに基づき構成素アレイから組み合わせるか、または処理時間短縮のため複数のウエルを実質的に同時に組み合わせることが可能である。
【0066】
本発明の特定の実施態様では、各アレイの各位置は全ての他のアレイ中の少なくとも1つの対応する位置と関連している。図1Aを参照すると、本発明の実施態様が示されているが、各アレイ110、120、130は4×4マトリックスに配置されたウエルを有する1枚のプレートとして具体化されている。各構成素アレイ110,120の各構成素組成物111、112、113、114、121、122、123、124由来の一部が分析アレイ130の幾何学的に対応する位置に組み合わされ、組み合わされた組成物131、132、133、134を生成する。図2では、分析アレイ270が構成素アレイ210、250、260を組み合わせて形成される。特に、分析アレイの位置276は構成素アレイ210、250、260それぞれ中に対応する位置216、217、218、256、266を有する。同様に、構成素アレイ210の位置216、217、218は構成素アレイ250、260および分析アレイ270中に対応する位置256、266を有する。構成素アレイ216、217、218、256、266の対応する位置それぞれ中の組成物の一部は、分析アレイ276の位置中で組み合わされて対応する組み合わせ組成物を生成する。
【0067】
分析アレイは1つ以上の物理的に異なった対象として具体化される。例えば、分析アレイは組み合わせ組成物の数個のプレートを有し、各プレートは実質的に同一、すなわち同じ濃度と量で同じ組み合わせ組成物を有し、組み合わせ組成物は各プレと上で同様に配置されている。本発明の実施態様で図3を参照すると、構成素アレイ310、320上の構成素組成物が本明細書に記載された、または公知の任意の尺度で組み合わされ、希釈アレイ330上で組み合わせ組成物を形成し得る。希釈アレイのある位置中の特定の実体が、指定された構成素アレイ中の特定の実体の濃度より、少なくともほぼ1オーダー希薄である濃度で、この実施態様を実施し得る。希釈アレイ330の各位置は、分析アレイ340中に少なくとも1つの対応する位置を有する。図3に示す様に、希釈アレイ330の各位置由来の一部は分析アレイ340の対応する位置中で堆積し、分析アレイ340中で組み合わせ組成物を生成する。本発明の特定の実施態様では、分析アレイの複数の位置は希釈アレイの対応する位置由来のすくなくとも1つの実体を含み、その中では、分析アレイ中の実体の濃度は希釈アレイ中の濃度より実質的に1オーダー希薄である。分析アレイ中の希釈を分析アレイ中の各位置中の希釈剤を使用して促進し得る。希釈アレイの利用は、構成素アレイを繰り返し組み合わせることなく、分析アレイに対応する組成物を評価するための多数のプレートの生成を促進し得る。
【0068】
上記の実施態様中で、分析アレイの物理的に異なった対照のそれぞれは、組成物の組成または配置で実質的に同じである必要はない。例えば、分析アレイの異なったプレートは、組み合わせ組成物に関連する変化するタイプの活性を試験するために特定のプレートの各ウエルに添加された異なったタイプの評価対象組成物を含み得る。他の例では、プレートが同じ組成物を含んでいても異なったプレート中の組み合わせ組成物が別々に希釈されてもよい。
【0069】
(構成素組成物と構成素アレイの作製)
構成素アレイを公知の方法で作製し得る。さまざまな基点容器から構成素アレイの各局在位位置中へ手動でピペッティングすることにより、1つの可能な例が提供される。より高いスループットが要求される用途では、アレイ作製の速度と精度を上げるために自動化装置を採用し得る。Packard Multi−Probe(Perkin Elmer Life Sciences Inc.,Boston,MA)等の装置を、基点バイアル中の実体を構成素アレイプレートのウエルへ自動注入を可能にするために使用し得る。
【0070】
構成素アレイまたは分析アレイ上の組成物の位置を特定の構成にまとめることにより、多数の組み合わせ組成物の活性評価を促進し得る。この構成はアレイ作製の速度を上げ、組み合わせ組成物の活性評価に関連するデータの質を確保し得る。図4は構成素アレイで利用し得る形態のいくつかの実施態様を示す図である。
【0071】
本発明のある実施態様ではそのいくつかの例が図4に示され、特定の構成素アレイ中の位置のセットが基点となるセット410、420、430、440を形成している。基点となるセットをアレイ415、425、445で示される様に構成アレイの残りと同じ物理対象上に具体化するか、またはアレイ435で示される様に構成素アレイの残りに対する別な対象上に具体化し得る。基点となるセットの各メンバーは構成素アレイの1つ以上の固有の位置の対応するセットを有し、それらは派生セット411、412、421、431、441として知られる。図4に示す様に、各基点となるセットの位置とその派生位置の対応するセットは同じアルファベットラベルで表され、基点位置は大文字で、派生位置は小文字で記されている。例えば、構成素アレイ425ではY1で記された位置は基点位置を表し、y1で記された位置は基点位置Y1に対応する派生位置を表す:従って、位置421のセットはY1に関連する派生セットである。同様に、3枚の別なプレートとして具体化される構成素アレイ435では、各位置がz1で表される位置431のセットは432上の基点となるセットの位置Z1に対応する派生セットである。
【0072】
特定の派生セットのメンバーも1つ以上の物理対象上に具体化し得る。派生セットの各位置は基点となるセットの関連する位置中の組成物と同じ実体セットを有する組成物を含む。特定の実施態様では、各派生セットの位置中の組成物が関連する基点となるセットの位置、例えば基点となるセットの位置の一部から直接導かれる。さらに、基点となるセットを構成する位置となるセットは1つの物理実体上に具体化される。
【0073】
図4に示す構成素アレイは、上記の段落で議論した全ての特徴を組み合わせる。アレイ415、425、445では基点となるセットおよび関連する派生セットが1枚のプレート上に組み合わされ、435で示すアレイは各別個の物理実体上に1つのメンバーを有する、対応する派生セッを有する1枚のプレート上で基点となるセットを利用する。
【0074】
アレイ435で示す構成素アレイ構成を、分析アレイを生成するために次に組み合わされる一連の中間対照を生成するために使用し得る。本発明の別な実施態様では、構成素アレイの派生セットで保持される組成物が組み合わされて、1つの分析アレイに対応する組み合わせ組成物を生成する。この実施態様では、それぞれ別な物理対象上に具体化される基点となるセットの繰り返し使用が可能であり、その分析アレイ上に多数の異なった組み合わせ組成物を作製し得る。この様な実施態様の1例が図5に示される。別個の構成素アレイにとり出される基点となるセット510、520は別個の物理対照上で具体化される。基点となるセット510、510を、図3に示す様な構成素アレイ415、425、445の特定の実施態様を作製する工程を含む任意の方法で作製し得る。各派生セットの位置がそれぞれ対応する基点となるセット510、520の1つの位置に対応する様に、派生セット511、521が実施態様中で定義される。各派生セット511、521は、基点となるセット510、520中の対応する位置由来のアリコートを含む組成物を保持する。派生セット511、521由来の組成物を組み合わせて分析アレイを生成してもよく、その分析アレイは派生セット511、521の組み合わせからそれぞれ生成する数個の異なった対象531、532として具体化される。
【0075】
派生セット511、512が図5に示す様な異なった組み合わせ組成物を有する複数の分析アレイを作製するために利用されるので、構成素アレイの可能な交差汚染を防止する、さらに別な利点を上記の実施態様は提供し得る。基点となるセット510、520は同じ組成を有するアレイを作製するために利用されるので、それらはより汚染され難い。また、基点となるセットから新しい派生セットを作製することにより、派生セットの汚染を修正し得る。
【0076】
本発明の他の実施態様で、1つ以上の実体が順番に希釈される組成物を提供する構成素アレイを作製する。この実施態様を使用することにより、所定の実体のある範囲の濃度、例えば組成物中の候補実体の濃度変化に対する試験実体の状態の変化を評価するための試験が促進される。この実施態様では所定の派生セットの各位置に対する実体の逐次希釈が必要である。一例では、図4を参照すると、方向417にウエルの列を下って離れて所在するにつれて特定の組成物X1がより希薄になる位置のセットが、派生グループ411には含まれる。同様に、方向427にウエルの行を下って離れて所在するにつれて、派生グループ421の位置はより薄い濃度の組成物Y1を含む。
【0077】
個々の派生セットそれぞれは逐次希釈された特定の実体を含み得るが、各セットは任意の他のセットと同じ程度に希釈されてもよいし、希釈されなくてもよい。特定の実施態様では、基点となるセットの位置由来のアリコートが派生セットの対応する位置に堆積するが、そのアリコートは派生セットの各位置に対し量が同じであっても異なっていてもよい。派生セットの各位置中の逐次希釈を、希釈剤または他の実体を派生セットの複数のメンバーに量を変えて添加して行うことができる。派生セットの各位置へ添加される基点となるセット由来の組成物、希釈剤、および他の実体の正確な量は、濃度の範囲とユーザーが望む位置あたりの濃度変化とに依存する。
【0078】
派生セットの連続位置中の逐次希釈を利用する他の実施態様では、派生セット中の他の位置に対してほぼ一定の倍率の工程で組成物の実体の希釈を進める。第1の特定の別な実施態様では、派生セットのメンバーは派生セットの位置間で少なくとも約3の倍率で行われる、少なくとも約50,000の倍率の濃度範囲に及ぶ。第2の特定の別な実施態様では、派生セットのメンバーは派生セットの位置間で少なくとも約4の倍率で行われる、少なくとも約1,000の倍率の濃度範囲に及ぶ。第3の特定の別な実施態様では、派生セットのメンバーは派生セットの位置間で少なくとも約2の倍率で行われる、少なくとも約250の倍率の濃度範囲に及ぶ。これらの実施態様は特定の範囲の濃度と位置あたりの段階的適変化を記載するが、関連する位置あたり濃度の様々な段階的変化を用いて、派生セットの逐次希釈を任意の数の範囲にわたって行い得ることを当業者は理解し得ると思われる。
【0079】
基点および派生セットを用いる構成素アレイの作製を、公知の任意の技術を用いて行い得る。利用し得る技術の一つは、基点となるセットの位置中へ組成物を手動でピペッティングし、次いで部分的に対応する基点となるセットの位置の一部に由来する関連する派生セットの位置中に逐次希釈を行うことである。基点および派生セットの考え方を用いる自動装置は、構成素アレイの作製を促進し得る。位置に組成物を作製する目的で、実体を基点となるセットの位置に移行させるためにPackard Multi−Probe等の装置を使用し得る。対応する派生セットの位置に添加される組成物の逐次希釈を、Tomtec Quadra Plus(Tomtec Inc.,Hamden,CT)等の装置を用いて行い得る。
【0080】
基点となるセットおよび派生セットを用いる本発明の上記実施態様は、組み合わせ組成物中で特定の実体の相対濃度に特に依存する活性を有する組み合わせ組成物の特定を容易にする場合に特に有利であると思われる。幾何学的に類似の位置を有する相互に対応するウエルを有する、等間隔の列と行の構成の一定数のウエルを有する1枚のプレートとして具体化される状況を考えてみる。図4を再び参照して、基点位置410中に組成物セットで対応するアレイ415が作製され、各組成物が対応する派生位置411、412中の候補実体に関して逐次希釈され、位置が方向417に進むにつれて派生セットの隣接する位置が候補実体中でより希薄になると考える。構成素のセットをCとする。第1構成素アレイがアレイ415に類似の構成で作製された場合、第2アレイの構成素組成物のセットをDで表すと、組み合わせ組成物が構成素組成物CおよびDから生成する場合、組成物CおよびDにおける候補実体に対する逐次希釈の方向は交互である。構成素アレイのこの様な構成から作製する組み合わせ組成物の活性を評価することは、活性の変化が組成物Cまたは組成物Dに関連する候補実体の存在により影響されるかどうかの決定をより困難にする。これは組成物CおよびDに対するウエル中の候補実体の濃度勾配が分析アレイウエル中の濃度勾配に対応するからである。組成物D中の候補実体の濃度範囲を有する、組成物C中の候補実体の特定の濃度から生成する組み合わせ組成物を作製すること、またはその逆が有利であると思われる。
【0081】
従って、本発明の他の実施態様では、各アレイの各位置が全ての他のアレイ中に少なくとも1個の対応する位置を有すると仮定すると、所定の構成素アレイ中の基点となるセットの位置とその対応する派生セットの位置由来の1つ以上の位置が、任意の他の構成素アレイ中の基点となるセットの位置とその対応する派生セットの位置との組み合わせの対応する位置とは区別される様に、構成素アレイが構成されている。この構成は、各基点となるセットの位置および対応する派生セットの位置が特定の構成素アレイに固有のものであることを保障する。図4を参照すると、構成素アレイ415、425、445のそれぞれは基点となるセットの位置と関連する派生セットの位置とを含むセットを有し、位置の組成物は任意の他の基点となるセットおよびその関連する派生セットの任意の他の位置に関連しない1つ以上の位置を有する、同じアルファベットコード(大文字、小文字によらない)を有することで指定される。
【0082】
他の特定の実施態様では、2つの構成素アレイが行と列に配置された位置を有するアレイとして構成され、各構成素アレイは各アレイ中に幾何学的に類似の位置を占める同じ数の位置を有する。Xアレイで指定される1つの構成素アレイは垂直線に並べられた位置の基点となるセットを有し、各基点となるセットの位置は、1つの派生セットが基点となるセットの位置に隣接する水平線中に構成される派生セットに対応するが、その例は図4のアレイ415で示される。Yアレイで指定される第2の構成素アレイは水平線に配置された基点となるセットの位置を有し、各基点となるセットの位置は1つの派生セットが基点となるセットの位置に隣接する垂直線に構成された派生セットに対応する。その例は図4のアレイ425で示される。そのアレイは、構成素組成物の配向を保存する様に分析アレイ中に組み合わされる。この例は図1で示されるが、図では分析アレイ130は構成素アレイ110および120由来の構成素組成物の配向を保存している(例えば、分析アレイ130の上部左手コーナー中の組み合わせ組成物131が構成素組成物116および126を有し、両者はそれぞれXアレイ110およびYアレイ120の上部左手コーナー由来である)。
【0083】
(3つ以上の候補実体を有する組み合わせ組成物の活性評価)
上記の本発明の実施態様は、組み合わせ組成物の任意の候補組成物中に存在し得る実体の数に対して何らの制限も設けない。この実施態様の1つの使用では、どの実体が試験実体の状態変化に寄与しているかに関してあり得る混乱を最少するため、各組み合わせ組成物は2個以下の候補実体を有する様に制限されると思われる。しかしながら、3つ以上の候補実体を有する組み合わせ組成物中で活性を検出する能力を増進する様に、対応するアレイを作製し得る。
【0084】
本発明の実施態様では、図4に示す構成素アレイ415および425の構成を、組み合わせ組成物中の活性をもたらす実体の特定を促進するために利用し得る。これらの実施態様では、典型的には試験実体の活性に影響し得る3つ以上の実体が各組み合わせ組成物中に存在する。組み合わせ組成物中のペア状の実体より多くを使用することは、試験実体の状態に影響し得る候補実体の特定に必要な分析の数を減少し、時間と費用の節約を達成し得る。また、この実施態様は予期しない相互作用を有する実体の組み合わせの特定に有用である。これらの実施態様を分析アレイ中にも存在する1つまたは2つの候補実体でも実行し得ることに注意。
【0085】
図6を参照すると、本発明のある実施態様は構成素アレイ610、620を利用するが、それぞれのアレイは試験実体の状態に潜在的に影響し、分析アレイ630を生成し得る1つ以上の実体を有する構成素アレイを含む。全ての文字は組成物の候補実体を表す。例えば、アレイ610の位置611は候補実体A、BおよびCを有する候補組成物を有する。
【0086】
組み合わせ組成物を保持する分析アレイの各位置は、少なくとも3つの候補実体を含むが、その実施態様は候補実体のペアの試験、または実体単独の試験でも使用し得る。各構成素アレイは位置の複数のセットを含む。図6に示す実施態様では、特定のセットの各位置は同じ構成素組成物を含むが、他の実施態様はこれを要求しない。構成素組成物は典型的には少なくとも1つの候補実体を含むが、その数はセットからセット、および構成素アレイ間で変化し得る。例えば、ある構成素アレイは各構成素組成物中で3つの実体を利用し得るが、他の構成素アレイは各構成素組成物中で2つの実体を利用する。位置の特定のセット中の実体の量と濃度とは異なっているか、実質的に同じである。例えば、セット中の各実体の濃度は実質的に同じであり、評価対象組成物の状態変化の引き金を引くためにはより高い濃度レベルで選ばれる。構成素アレイ中の各位置は、全ての他の構成素アレイ中に少なくとも1つの対応する位置を有する。さらに、ある構成素アレイ中に特定の構成素組成物を有する全ての位置となるセット中の複数の位置は、任意の他の構成素アレイ中に所定の構成素組成物を有する任意の他の位置となるセット中の位置に対応しない。
【0087】
図6の構成素アレイ構成610および620は上記態様の一例を示す。構成素610アレイは行に配置された位置中に構成素組成物611、612、613のセットを保持する。構成素620は列に配置された位置中に構成素組成物621、622、623のセットを保持する。セットの各位置は同じ組成物を含み、各組成物は複数の実体を有する。分析アレイ630は、構成素アレイ610および620の対応する位置由来の構成素組成物の一部由来の位置中に組み合わせ組成物を保持する。各構成素アレイ610、620中の組成物のセットの構成は、分析アレイ630中の各組み合わせ組成物が実質的に同じ組成物を持たない様に選ばれる。
【0088】
本発明の他の実施態様には、組み合わせ組成物の活性に影響する実体の特定に有用であり得る構成素アレイの構成に対する修飾をさらに含む。第1の修飾実施態様では、構成素アレイ中で利用される各実体も、全ての他の構成素アレイ上で利用される。この様な実施態様の使用は、組成物の異なった成分の存在で所定の候補実体を含む組み合わせ組成物の生成の役に立つ。図6に示す一例の様に、実体Aが構成素アレイ610のセット611および構成素620のセット621中で用いられる。分析アレイ630はセット631および632で示される位置中に実体Aを組み込む。セット631は実体Aを含む組成物を含むが、それは常に実体BおよびCの存在下である。構成素アレイ620内に実体Aを使用することにより、実体BおよびCがなくても実体Aを有する分析アレイ630中に組み合わせ組成物を形成することが可能である。従って、組み合わせ中の実体A、BおよびCの総合挙動による活性の任意の効果を特定し得る。
【0089】
第2の修飾実施態様では、構成素アレイの位置となるセット中で利用される任意の組成物は、任意の構成素アレイ中の任意に他の位置となるセットでは利用されず;従って組み合わせ組成物位置の各セットは固有の組み合わせ組成物を有する。この様な実施態様は分析アレイの組み合わせ組成物中で組成物の重複の最小化に有用であり、生成する組み合わせ組成物の固有性の確認に有用である。図6の一例の様に、構成素アレイ610、620中の位置611、612、613、621、622、623の各セットは、任意の他のセット中で反復されない固有の組成物を有する。
【0090】
第3の実施態様では、特定の組成物を有する構成素アレイ中の位置となるセットで用いられる特定の組成物の各実体は、任意の構成素アレイの任意の他の位置中の同じ組成物の任意の他の実体で使用されない。第2の修飾実施態様と同様、この実施態様は生成する組み合わせ組成物の固有性の確認の役に立つ。図6中のアレイの構成により、実施態様の図が得られる。
【0091】
(分析アレイデータの品質管理)
組み合わせ組成物の評価は、アレイ中の組成物対照の使用により増強される。本発明の実施態様では、位置の組成物対照セットが各構成素アレイに指定される。各アレイの各位置が全ての他のアレイ中に少なくとも1つの対応する位置を有する場合、組成物対照セットの位置は、それらが構成素組成物または何らかの対照を含む任意の他の構成素中の対応する位置と重複しない様に選ばれる。
【0092】
図7のアレイ715および725は、対照組成物をとり込む位置を有する2つの構成素アレイの実施態様の図表表示である。位置710の基点となるセットを有し、各基点位置の対応する派生セットが水平列中に配置された、アレイ715は構成素アレイを表す。ラベルXCはX構成素アレイ715の構成素組成物と関連する組成物対照を有する位置を表す。アレイ725は構成素アレイを表し、位置620の基点となるセットと各基点となるセットの対応する派生セットとが垂直業に配置されている。YCはY構成素アレイ725と結合する成分制御を有する位置を表す。記号Oは構成素アレイ715および725中の空の位置を示す。
【0093】
組成物対照を用いる構成素アレイを組み合わせて分析アレイを作製する場合、組成物対照により、組み合わせ組成物の活性評価に対しいくつかの利点が得られる。一例では、所定の構成素アレイの組成物対照位置に対応する分析アレイ中の空白の位置の存在は、所定の構成素アレイ関連する構成素組成物が分析アレイに加えられていないことのインディケーターとなり得る。このことは、自動化装置が誤動作し、ユーザーが所定の分析アレイの内容の状態を求めることができない場合に特に有用であると思われる。
【0094】
他の場合は、分析アレイ中のデータの質、すなわち分析アレイの組み合わせ組成物が汚染されたか、または活性に影響する環境に晒されたかの決定(本明細書では時には品質管理と呼ばれる)を容易にするため、分析アレイ中の各構成素アレイの組成物対照の内容を使用し得る。ある組成物対照の評価済み活性が予期された品質を有していても、測定、および組成物を組み合わせることまたは分析アレイに関連する他のプロセスから分析アレイに導入された、可能な系統的誤差に関連する無秩序な誤差によって、活性の実際に測定された値は当然変化すると思われる。対照組成物の測定値の統計解析により、分析アレイ中に導入された可能な誤差の指針が得られる。分析アレイ由来の偽の正および負の誤差が発生する可能性を最少にする一方、データの可能な使用を最大にする試行で、いくつかの尺度が選ばれる。その尺度はまた、分析アレイが受用し得る、または受容し得ないデータを含むか、またはデータの妥当性を求めるためにさらに手動で精査しなければならないかどうかの指示を与えることにより、研究者の時間管理の役に立つ。
【0095】
分析アレイに導入された可能な誤差を見積もる1つの方法は、構成素対照に対応する位置中の測定値に基づき、z−因子を計算することである。それぞれが期待される活性値を有する正および負の対照が利用される。平均値および標準偏差を正の対照(それぞれμおよびσ)および負の対照(それぞれμおよびσ)に対して計算して、全ての対照位置に対する活性の測定値が用いられる。次に以下の式を用いてz−因子が計算される:
【0096】
【数1】

全ての測定された正および負の対照値をそれぞれ用いて、平均値(μおよびμ)は数平均または中央値平均を使用し得る。
【0097】
分析アレイを作製する場合に組織的誤差が導入され得る程度に対し、z−因子はこの様な誤差の存在の尺度となる。zの計算値が1に近い場合、z−因子はデータの広がりが平均値に対して小さいことを示し、存在する誤差が相対的に小さいことを示す。逆にz値が1よりはるかに小さい場合、対照値を特定する誤差はかなり大きく、期待対照値にかなり大きい変動があることを示す。
【0098】
本発明の実施態様で、分析アレイ由来のデータを受容し得るために十分な質であるかどうかを決めるためにz−因子が使用される。z−因子がある値Zaboveより大きい場合、分析アレイ由来のデータは受容し得る品質であると考えられる。z−因子がある値Zbelowより小さい場合、そのデータを使用できず、受容し得るデータを得るためには別なアレイを準備しなければならない。z−因子がZaboveとZbelowとの間にある場合、分析アレイ上のデータを手動で検査してデータの質を求める。特定の実施態様では、Zaboveは実質的に0.6と0.7との間にある様に選ばれ、Zbelowは約0.4である。
【0099】
可能な誤差を見積もる他の方法は、総体的c値として知られる尺度に依存している。図9に図表表示する様に、位置の別個のブロックが分析アレイの物理的に異なった対象上で用いられる場合に総体的c値が利用される。各ブロックは最高濃度から最低濃度へ逐次希釈された正の対照のセットと関連している。例えば、図8の分析アレイ830は組み合わせ組成物を保持する位置831、832の9×9のブロックを含み、各ブロックは正の対照841、842と関連している各ブロックに関連する対照の最高濃度の各位置で、正規化値により分割された最高濃度対照位置中の測定された活性の商Qに依存して、局所「量子化」c値が指定されるが、その値が有限の数の可能な値の1つのみを割り当てることで局所c値が量子化される。
【0100】
ある特定の実施態様では、商がQabove値以上である場合、指定された局所量子化c値はChighである。商がQaboveとQbelowとの間である場合、指定された局所量子化c値はCintである。商がQbelow以下である場合、指定された局所量子化c値はClowである。分析アレイの物理的に区別される対象に対する総体的c値を求めるために、分析アレイの物理的に区別される対象に対する各ブロック由来の総体的c値が数平均される。総体的c値の値に依存して、特定の分析アレイ由来のデータが受用し得る品質であるかどうかが決定される。ユーザーが所望する品質管理の特定のレベルを達成するために適した任意の方法で、Qabove、Qbelow、Chigh、CintおよびClowの値を選んでもよい。特定の実施態様では、Qaboveは実質的に0.7と0.8との間の値を有し、Qbelowは約0.6の値を有する。他の特定の実施態様では、Chigh、CintおよびClowの値はそれぞれ1、0.5および0である。他の実施態様ではQabove、Qbelow、Chigh、CintおよびClowに対する特定の値を使用するか、またはQに対しさまざまなc値間の遷移に適当な限度を設定してCに対する可能な数を使用する。
【0101】
総体的c値を用いる本発明の実施態様は、任意の便利な正規化値を使用し得る。使用し得る正規化値の1つは、ある試験実体に関して期待活性レベルがゼロである化合物を有するウエル中の測定活性に基づいている。使用し得る他の正規化値は、試験実体が存在しない位置における測定活性、すなわちバックグラウンド測定に基づいている。使用し得る第3の正規化値は、活性レベルが特定の値を有することを仮定することである。これらの正規化値の任意のものを、とりわけQを求めるために利用し得る。
【0102】
当業者に明らかな様に、Qは正規化値である必要がなく、活性測定のある他のスケールに基づくことも可能である。
【0103】
分析アレイに対する品質管理尺度を実行する他の方法には、対照組成物が逐次希釈されている分析アレイの構成素対照位置中の、組成物の活性の評価が含まれる。ウエル中に期待される活性を有するウエル中の測定活性の比較によっても、分析アレイ中に存在し得る誤差の尺度が得られる。分析アレイの構成素対照ウエルは、特定の構成素成分に関連する特定の候補組成物の逐次希釈を含む。繰り返すと、構成素組成物由来の候補組成物による測定活性を、分析アレイ中の可能な誤差を得るために期待される反応と比較し得る。比較する技術には測定セット由来の平均値の比較、または反応と濃度曲線とのある形式の関数比較が含まれる。一般に、1つ以上の測定対照値と期待対照値との比較における統計解析技術の応用は、分析アレイのデータの質の測定法を提供し得る。
【0104】
分析アレイ中の複数の位置から求められた活性の評価においてある誤差を特定し修正し易くするために、分析アレイの正確な評価を分析対照の使用により促進することができる。分析対照には、分析アレイ中に既知の活性を有する物質が含まれる。分析対照は組み合わせて分析アレイを生成する構成素アレイ中にも存在し得る。または、分析対象を有する1つ以上の基点容器から直接移行して、分析対照を分析アレイに加えてもよい。分析対象を保持する分析アレイ中の位置となるセットは、各構成素アレイ中に対応する位置を有し、構成素アレイの対応する位置は組成物または組成物対照を持たない。アレイ735および745は、ラベルACで指定される構成素アレイ中の分析対照の対応する位置の位置を図示し、上記の分析対照を加えるための2つの方法の何れかによれば、これらの位置は分析対照を含むか、または空白である。
【0105】
分析対照は、分析アレイ中の組み合わせ組成物の評価に関連するデータ中の全体的な誤差の補正を可能にし得る。例えば、アレイがウエルを有するプレートとして具体化された場合、プレート中央部のウエル位置と比較してプレートのエッジ近くに位置するウエルはより大きい温度変化、および他の環境変化に晒され得る。この様な場合、はし近くにウエル中の対照は期待値に一致する活性で測定できない。分析アレイ中の測定値の期待値からの偏差により、プレートの特待の位置におけるオフセット値が得られるか、またはプレート全体の位置の関数としてオフセット補正の一般的なマッピングが得られる。この偏差を分析アレイの全ての他の位置に対して補正を行うために使用し得る。位置の関数としての偏差を予測する関数フィッティング、およびその偏差のデータ補正への適用を含む、データ補正の公知の任意の方法で偏差を計算し得る。従って、本発明の実施態様には、一アリコートを構成する物理的に区別される対象のエッジ近くの少なくとも1つの位置を含む、プレート全体の様々な位置に分析対照を分布させること、または図20のアレイ2010で示される様なアレイの一端から他端へのパターンが含まれる。
【0106】
図9は分析アレイ中でエッジの効果を補正するための分析対照の使用を図示する。アレイ910は386枚のウエルプレートで示される各位置における評価済み活性値を示すが、各セル中の色はアレイ910の下の列として示されるキー911で指定される様な活性レベルに相当する。図9でOで示される位置は、エッジの効果を考慮に入れるために用いられる分析対照を含む位置を表す。アレイ990は、分析対照を含む位置を用いる活性測定値の関数フィッティングに基づく、「評価済み活性」値を与える。アレイ930中の各位置の値は、アレイ910の各位置中の値をアレイ920の対応する位置中の値で割った結果であり、アレイ930は組み合わせ組成物の活性値の正しいセットを提供する。
【0107】
本発明の好ましい実施態様では、分析対照と組成物対照が構成素アレイと分析アレイ中に同時にとり込まれる。この様な好ましい実施態様では、構成素アレイと分析アレイのそれぞれが少なくとも4個の位置を有する:すなわち1個の位置は分析アレイ中の構成素中の組成物または分析アレイ中の組み合わせ組成物を保持し;1個の位置は分析対照に対応し;2個の位置は各構成素組成物に対し1個の位置である構成素対照に対応する。図7のアレイ755および765は図示する分析対象位置(AC)および組成物対照位置(XC、XC、YC、YC)を有する構成素アレイの構成の他の実施態様を図示するが、i=1,2は特定の組成物対照を示し;+は正の対照位置に対応し、−は負の対照位置に対応する。組み合わせ組成物を分析アレイ330上に形成するためのアレイ310、320の組み合わせを図3に示すが、分析対象および構成素対照に対応する位置が図7で用いられたものと同じ表記法で示される。384ウエルとして具体化される分析アレイの特定の構成を図8に示す。図8のアレイ810は、組成物を組み合わせるために2×12のマトリックスに配置された9個の可能なウエルのブロックを用いる構成を示す。アレイ820は6×6のマトリックスに配置された6個の可能なブロックを用いる構成を示す。アレイ830は9×9の配置にまとめられた2個の可能なブロックを用いる構成を示す。分析対照(「未処理」とラベル)、構成素対照(「XまたはY対照」とラベル)、および正規化値を決めるための材料(「バックグラウンド」とラベル)も各構成中に示される。
【0108】
(組み合わせ組成物の評価済み活性の解析)
薬剤発見の場合、本発明の上記実施態様の使用は評価された組み合わせ組成物に対する順序だった構成を提供することにより、新規候補組成物の特定と解析を促進し得る。特に、派生セット中の逐次希釈の使用、および構成素対照と分析対照との使用を含む図4に示す構成素アレイ410および420の実施態様により、新規候補組成物の特定と組み合わせ効果を示す組成物の実体の分析に有用な評価済み活性の正規化が可能になる。
【0109】
アレイがウエルを有するプレートとして具体化された図9のアレイ910を再度参照すると、列データを構成する測定値として示される各ウエル中の絶対評価済み活性は実行された試験のタイプ、測定とプレートの取り扱いとで導入された任意の誤差、装置のバックグラウンドの読み、および候補組成物と試験実体との相互作用による活性を含み得る様々な変量の関数である。用いた試験のタイプまたはバックグラウンドの読みに依存しない活性の標準手法を提供するため、列データが正規化される。
【0110】
正規化には保存データの値に対する一貫した数値基盤を与えるデータの保存が含まれる。例えば、組み合わせ組成物が特定の細胞生産物の存在を抑制すると考える場合、候補組成物が特定の細胞生産物と混合され、その生産物の存在が試験されるが、より少ない生産物はより活性の高い候補組成物に対応する。従って、測定値を阻害剤として知られる量で正規化し得る:
【0111】
【数2】

ここでIは阻害であり;mは活性の測定値であり;Uは候補組成物に晒されない位置中の活性測定値である未処理の位置である。
【0112】
理論的には、Iは1からゼロの範囲の値をとり、候補組成物が細胞生産物を完全に抑制する場合はm=0であるのでI=1であり、候補組成物が所定の生産物の存在に何らの効果もない場合はm=UであるのでI=0である。実際には、無秩序誤差の存在がmおよびUに関連する測定値をその期待値から変動させ、従ってIは1からゼロの範囲に留まることから変移し得る。
【0113】
細胞生産物の抑制を生じない場合でも評価技術由来のバックグラウンド信号が存在する場合、活性測定値mおよび未処理位置中の測定値Uの双方からバックグラウンド信号を差し引き。これらの値を阻害の計算でmおよびUから差し引くことでバックグラウンド信号を説明することができる。特定の評価技術の当業者に公知の方法でBが得られる。例えばBは試験実体のないウエル中の測定活性を構成し得る。
【0114】
無秩序誤差の効果を減少するため、UおよびBに対する数個の位置中の活性測定を行う。従って、未処理位置Uおよびバックグラウンド位置Bの測定活性に対する平均値を計算する。測定活性mがm−B値で置換される測定活性、および未処理位置Uにおける活性がU−B値で置換される阻害を計算するためにその平均値を使用し得る。
【0115】
先に記載した様に、組成物対照および分析対照を、アレイの特定の物理的実施態様の品質管理の確定のために使用できる。しかしながら、その対照をデータの正規化に使用してもよい。UまたはUに対する値は、負の組成物対照を有する位置に対応する1つ以上の位置中の評価済み活性に基づいてもよい。阻害の場合は、負の組成物対照は細胞生産物の存在を抑制しない。実質的に満足できる値を得るためには、Uは10〜30個の位置中の測定を利用し得る。例えば、アレイの2×12のブロック中に含まれるデータに対して図8のアレイ810の行811および812を使用してもよい。また、理想的なバックグラウンドの読みは、細胞生産物が完全に抑制され、何が装置のバックグラウンドの読みとして期待されるかを除いて活性が検出されない状況に対応する。いくつかのタイプの過程と測定をBに対する特定の根拠を提供するために利用し得る。3つの区別されるが有用な根拠には:(i)期待活性レベルがゼロである1個以上のウエル中の測定された活性を使用すること(例えば1つ以上のウエルが生の構成物対照、または測定活性を抑制するきわめて高い確率を含む);(ii)試験実体が存在しない1つ以上のウエル中の測定活性を用い、従って発生するどの信号もバックグラウンドに対応すること(本実施例では細胞生産物がないウエル中で束帯が行われる);および(iii)事前に平均バックグラウンドの読みをゼロと仮定することが含まれる。本発明の実施態様における方法(i)および(ii)に関して、プレトのウエルをこれらの測定のために保存してもよい。例えば図8で行813の位置における測定を、Bを計算するために使用し得る。方法(iii)はIの値に雑音が入らないであろうと言うことを仮定する利点を有する。分析対照を含む位置も、それらが適当な組成物を保持することを仮定してU、UおよびBを求めるためのウエルとして使用し得る。
【0116】
特定の測定に関連する信号は対応する未処理信号に相対的な尺度になっているので、Iは活性を測定するために用いられる、測定のタイプに独立の阻害の無単位尺度を提供する。阻害の観点から評価済み活性の測定を行うことは、候補組成物として匹敵する実体を用いるデータセットの比較の役に立つ。例えば、2つの同等に調整された組み合わせ組成物を異なった日の評価済み活性について試験する場合、バックグラウンド信号に変化をもたらす装置の読みのある変化のために、1つの組み合わせ組成物は組織的により高い値を持ち得る。阻害の観点から各組み合わせ組成物に対してデータを観ることは、この様な組織的誤差を減少させる。阻害の観点からデータを観ることはまた、2つの異なった方法、例えば同じ候補組成物を異なった試験実体を用いる試験によりデータ比較を可能にする。検出機構が区別されるので各測定の生データは区別されるが、データセットを無単位阻害に変換することにより、データセットの初期比較を可能にする。
【0117】
組み合わせ効果を誘導する候補組成物の特定は、候補組成物の測定された活性と、候補組成物の1つ以上の成分の測定された活性を用いるモデル由来の予測値との差を調べることで増進し、組成物がどのように作用するかの支持を提供し得る。本明細書の実施例で説明する様に、測定された値と予測値との間の阻害の差について差の値を提示することは便利であると思われる。個々の実体の期待活性のある尺度を提供する任意のモデルを利用し得る。いくつかの特定のモデルが本明細書に記載される。
【0118】
あるモデルでは、阻害の観点から活性測定を候補組成物の最高の単一薬剤の反応の阻害反応と比較する。例えば、独立に試験実体に晒された場合、候補組成物が活性レベルIを生成する濃度Cの実体Aと、独立に試験実体に晒された場合、活性レベルIを生成する濃度Cの実体Bとで構成される場合、IとIの大きい方が差を計算するために用いられる。
【0119】
第2のモデルでは、候補実体がBliss独立モデルに従って相互作用する場合、測定された阻害を候補組成物の予測阻害と比較する。上記の例で記した候補組成物では、Bliss独立モデルは予測阻害IBIが以下の式を有すると思われる:
【0120】
【数3】

項Iは実体Aと実体Bとの間の統計的比較を明らかにするために差し引かれる。
【0121】
第3のモデルであるLoewe加算モデルでは、Loeweの自己置換基準を満足する、Cに等しい実体Aの濃度とCに等しい実体Bの濃度とにおける測定された阻害を予測阻害と比較する:
【0122】
【数4】

ここでC│I=ILAは、単一実体iの阻害が値ILAに等しい様な実体iの濃度である。従って、実体AおよびB、およびに濃度CおよびCでなる所定の候補組成物では、Loewe加算モデルで予知される阻害は、上記式を満足する阻害ILAである。この式は代数学的に解くことができないので、ILAを暗黙的に解くために当業者に公知の様々な根解法を適用し得る。
【0123】
組み合わせ組成物の評価済み活性をデータの読みから阻害値へ変換すること、および評価済み活性に基づく阻害値と、個々の実体がどの様に挙動する様に期待されているかのモデルに基づく予測阻害とを比較するための計算を、データ変換と計算の当業者に公知の任意の手段で行い得る。例えば、標準用量効果とChuおよびTalalayの方法に基づく相乗モデルを計算するCalculSyn(BioSoft、Ferguson、MO)、およびLoewe加算表面を計算するCombiTool(Biocomputing、Institute of Molecular Biotechnology、Postfach 100813、D−07708、Jena、Germany)等のソフトウエアパッケージにより、ユーザーが観察したデータをモデルに基づき予測した値と比較することができる。または、この様な計算をMicrosoft Excel(登録商標)(Microsoft Co.、Redmond、WA)等の標準表計算および計算ソフトウエアを用いて行い、必要な計算を行うためにカスタムコード化することができる。
【0124】
先に述べた様に、図4に示す様に構成された組成物アレイ410および420を用いて分析アレイを逐次希釈で作製すると同時に、阻害と独立に作用する実体を表すモデルに対する阻害の差について各位置中の評価済み活性を観ることは、潜在的に魅力のある組み合わせ組成物の特定と評価を容易にすることができる。図10を参照すると、マトリックス1010、1020、1030は、2つの成分でなる候補組成物を含む、36個の組み合わせ組成物を保持する6×6分析アレイから得られた同じデータを表す。特に、成分1はある基準濃度に対して4の係数で段階的に増加し、左から右へ動くウエル中で進行する濃度を有する。従って、行1011中のウエルは濃度がゼロである成分1を含み、行1012中のウエルは基準濃度の1024倍に等しい濃度の成分1を含む。列1013中のウエルは濃度がゼロである成分2を含み、列1014中のウエルは基準濃度の1024倍に等しい濃度の成分2を含む。行1011および列1013のウエルは、候補実体の一つが存在しないためにアレイ中で用いられる様々な濃度における、個々の候補実体である化合物2および化合物1それぞれの阻害を計算するためのデータを提供し;これらの位置中のデータは、測定値と比較するために上記の予測モデルで必要な値を提供することに注意。2つの成分の逐次希釈のレイアウトは、図3Aおよび3Bに示す様な上記の実施態様で可能になる。
【0125】
マトリックス1010は分析アレイの各位置における測定された阻害値を表す。正規化阻害がパーセントで表して各位置に存在し、色を塗ったキー1040を参照して位置の値に従って色が塗られている。方向による特定の成分に対する濃度変化に対応する水平および垂直方向濃度の段階的変化により、疎外が候補組成物濃度の関数、すなわち化合物1および化合物2の濃度の関数としてどの様に変化するかの2次元関数表示が可能になる。また、濃度の系統的変化により、測定された実際の組み合わせ組成物を越えて評価済み活性の内挿および外挿が促進される。例えば、濃度をマトリックス1010に系統的にレイアウトすることにより、阻害等高線1015、1016、1017の表示が可能になるが、各グラフは組み合わせ組成物の測定された活性に従い、それぞれ75%、50%および25%阻害を行う濃度セットを表している。この様なグラフ表示は、所望の阻害閾値に関連する限界濃度の特定を可能にし得る。
【0126】
さらに、系統的濃度変化の観点のウエルの構成も、誤った値を含む評価済み活性位置の特定と除去を促進し、このプロセスはスパイクフィルタリングとして知られている。候補組成物の各実体の濃度は組織的に分布しているので、明らかに誤った活性値を有する位置を用意に篩い分け可能であり、この様な位置はスパイクとして知られている。
【0127】
活性の誤った値を公知の方法で特定し得る。例えば、ある場合はその値をデータの手動検査により容易に特定し得る。他の例では、分析アレイ中の複数の活性測定値を外挿または内挿して組み合わせ濃度における評価済み活性のモデル値を提供し得る。所定の位置中のモデル値と測定値との差がある特定の閾値を越える場合、次いでアレイ中の評価済み活性の誤った値を特定する。この閾値は、閾値濃度勾配を越えない評価済み活性の隣接値に基づいてもよい。
【0128】
滑らかに単調に変化する表面を得るため、隣接位置による値と矛盾しない値を当てはめることにより、最初にスパイクに当てはめた活性を置換してもよい。データ解析の公知の任意の関連する方法を、スパイク中の新しい値を得るために使用し得る。その方法の例には、スパイクに隣接する位置に指定した値の中央値を用いるか、または隣接位置のデータを用いて関数表面に当てはめ、当てはめた関数からスパイクにおける値を求めることが含まれる。従って、置換値は置換される位置値の周囲の1対状の実体の局所濃度の何れか、またはその双方と、置換される局所値に隣接する1つ以上の活性値に依存する。図11Aおよび11Bは位置1101、1102、1103、1104、1105および1106におけるスパイクの除去を図示すが、図11Aはスパイクフィルタリング前の値を示し、図11Bはスパイク篩い分け後の阻害値を提供する。
【0129】
図10のマトリックス1020および1030は、測定された阻害と単一薬剤モデルおよびBliss独立モデルそれぞれによる予測阻害との間の差の計算値を示す。列1013と行1011とは予測モデルで使用する個々の候補実体阻害を与える。繰り返すと、成分1および2の濃度がマトリックス1010で記載した様に対応する位置に表され、各位置はパーセントに基づく測定された阻害と予測阻害との間の差に対応する値を有する。本発明の実施態様により可能になる、個々の実体の濃度の系統的関数としてのマトリックス1020および1030により提示される計算について評価済み活性を観ると、実体の特定の濃度における相乗性を現す候補組成物の特定を改善することが可能である。例えば、マトリックス1010は成分1および成分2の濃度が増加するにつれて着実に増加する阻害を示す。1011および1013に示す様に各成分が成分の濃度が増すにつれて阻害の増加をもたらすことが予期されるので、相乗組み合わせを有する各成分の正確な濃度を特定することは、マトリックス1010を一瞥しても困難である。しかしながら、モデルで予期される成分の期待される阻害が差し引かれるので、高い数値を有する位置によりマトリックス1020および1030から相乗組み合わせを特定し得る。特に、その基準濃度の16倍の化合物2の濃度に対応する列1018、1028、1038は、列1028、1038中の値で示される様に化合物1の存在で特定の相乗阻害を有する様に思われる。相乗性はマトリックス1010の列1018を眺めても同様に容易には特定されない。
【0130】
先行する段落中の議論は相乗効果を特定する意味で提供されるが、差の値のマトリックスも任意のタイプの組み合わせ効果の特定を容易にするために使用し得る。
【0131】
本発明の実施態様は、濃度範囲を繰り返し評価して、特定された相乗組み合わせがデータ中の誤差の結果でないことを確認することにより、相乗組み合わせを特定する能力を増強し得る。図12を参照すると、所定の組み合わせ組成のセットにつき濃度の関数としての阻害のプロットを行い得る。しかしながら、無秩序の系統的誤差が誤った特定をもたらし得る。従って、複数の試行を用いて組み合わせ組成物の活性を評価することにより、一回の試行から期待されるよりもよい精度で複合結果を生成し得る。図8のアレイ820で示される様に、複数のブロックをプレート上で使用し得るので、同じ組み合わせ組成物の複数の試行を行うために各ブロックを同じ組み合わせ組成物を含む様に設計してもよい。または、所定の分析アレイを複数回作製し、評価してもよい(例えば図3または図5の実施態様を用いて)。
【0132】
各試行由来のデータを組み合わせ組成物の阻害/濃度表示を作製するために利用し得る。図12では、濃度の各値に対する値σ(例えば標準誤差)の代表的な分布を有する、いくつかの試行1230に対する阻害/濃度グラフの1次元表示が示される。平均阻害/濃度プロフィル1240を、各試行のプロフィル1230を平均して計算してもよい。平均阻害と、最高単一薬剤モデル1210またはBliss独立モデル1220等のある期待モデルに基づく期待阻害との間の差εを、先に議論した様な相乗尺度として使用し得る。しかしながら、阻害の広がりσは差の値εと比較して大きく、差の値のみでは相乗のよい表現が得られない。従って、偏移を説明する他の尺度がよりよい表現を提供できると思われる。例えば、ε/σの大きな値は測定された差がデータ中の広がりと比較して大きいので、εの代わりにε/σの尺度を用いることにより、特に強力な組み合わせの特定が可能になる。
【0133】
図13を参照すると、マトリックス1310は様々な位置に対する疎外の値が阻害値を示すための色を用いてプロットされ、各位置は軸1311および1312に沿って示される様なある基準濃度に対する成分AおよびBの対応する濃度を有する、10×10分析アレイ由来のデータを示す。同じデータが最高単一薬剤モデルに対するε/σを計算するために使用され、ε/σはマトリックス1320上に表される。マトリックス1320に示されるピーク値領域1321および1322は、特に相乗阻害を与え得る実体の特定の濃度における潜在的候補組成物を特定し得るが、その領域はマトリックス1310を一覧するほど容易には特定されない。
【0134】
または、ε値の不確定性の見積もりとしてσを使用してもよい。従って、位置の関数としてのεのプロットと同時にσの局所値を評価し、ε値の質の尺度が得られる。
【0135】
相乗または拮抗候補組成物の特定を、本明細書に記載の阻害および差のプロットの手動検査で行い得る。または、当業者に公知のデータ解析法を用いる自動化法を採用してもよい。それらの方法は臨界閾値以上または以下の特定の値を検索できるか、データが等高線プロットで表される場合、イメージ解析技術が採用されるが、これら2つは非制限例である。
【0136】
上記の実施態様による候補組成物の相乗組み合わせの特定を促進することは、ブロック、物理的に異なった対象、または相乗性に関連する値に基づく全分析アレイ(例えばモデル予測阻害からの阻害の差、または測定された阻害注の偏差に対する上記の差の比率)の開発も可能にする。当業者に公知の統計解析法をこれらの尺度を提供するために容易に応用し得る。例えば、アレイ中の「相乗性」の尺度は、アレイの複数の位置にわたるεの値のセットの和と、複数の位置に対するσ2の和の平方根とを誤差の尺度として利用し得る。相乗性についてユーザーが手動で解析しなければならないアレイまたはアレイの一部をユーザーが特定し易くするために、これらの尺度を利用してもよい。
【0137】
分析アレイに関連する活性の特定と解析による組み合わせ組成物の評価を促進し得る本発明の実施態様を、コンピューターシステムによる使用のためのコンピュータープログラム生成物として実行し得る。この様な実行には、コンピューター読み取り可能媒体(例えばディスケット、CD−ROM、ROMまたは固定ディスク)等の有形媒体上に固定された、またはモデムまたは媒体上のネットワークに接続した通信アプター等の他のインターフェース装置を経由してコンピューターシステムに転送可能な一連のコンピューター命令が含まれる。媒体は有形媒体(例えば光学またはアナログライン)またはワイヤレス技術で実行する媒体(例えばマイクロウエーブ、赤外または他の通信技術)である。一連のコンピューター命令は、本明細書に先に記載した昨日の全てまたは一部を具体化する。この様なコンピューター命令を多くのコンピューターアーキテクチャーまたはオペレーティングシステムで使用されるいくつかのプログラム言語で各ことが可能であることを、当業者は理解する必要がある。さらに、この様な命令を半導体、磁気、光学または他の記憶装置等の任意の記憶装置中に保存し、光学、赤外、マイクロウエーブまたは他の通信技術等の任意の通信技術を用いて転送し得る。この様なコンピュータープログラム生成物を、コンピューターシステムで事前搭載された付属する印刷または電子文書(例えば不特定多数ソフトウエア)で移動可能な媒体として頒布するか、またはサーバーまたは電子掲示板(例えばインターネットまたはWorld Wide Web)としてネットワーク上に頒布し得ることが期待される。もちろん、本発明のある実施態様はソフトウエア(例えばコンピュータープログラム生成物)とハードウエアとの双方の組み合わせとして実行し得る。本発明のさらに別な実施態様は、ハードウエア全体、またはソフトウエア全体(例えばコンピュータープログラム生成物)として実行される。
【0138】
(活性特定効率促進法)
図23は6×6の形の分析アレイの位置に関連する阻害値を示す。各アレイの各列は実体Aの特定の濃度を含む。特定のサブアレイの各行は他の実体の特定の濃度を含む。各サブアレイは、実体Aと組み合わせてサブアレイ中に組み合わせ組成物を作製する異なった実体を使用する。例えば、1つのサブアレイ2341は各行中の濃度が変化する実体Bを利用する。他のサブアレイ2342は各行中の濃度が変化する実体Cを利用する。
【0139】
6個のサブアレイの阻害地を調べることは、阻害値に関して収集されたデータ中の非効率性と冗長性を示す。例えば、各サブアレイは実体Aに関連する阻害の単一薬剤値を表す行2310を含む(すなわち、これらの行は行の実体の濃度がゼロである位置を表す)。従って、単一薬剤データが6回繰り返される。さらに、各サブアレイ2350の列は実体Aと組み合わされた実体の単一薬剤阻害値と関連している(これらの特定の列中では実体Aの濃度がゼロであるが)。従って、完全な実験では、これらの列の値2350は指定された実体が他の構成素組成物と組み合わされる毎に繰り返される。また、サブアレイ2330のある位置は、極めて低いために相乗効果が存在し得ない阻害値を示す。サブアレイ2320の他の位置は、極めて高いために相乗効果が存在し得ない阻害値を示す。単一薬剤値の繰り返しと、薬剤の濃度が高すぎるか低すぎる位置中の活性測定との効果は、この特定の分析アレイ配置の潜在的な非効率性を示す。
【0140】
(a.単独構成素組成物活性に基づく構成素アレイ中の濃度の選択)
試験の経験から、構成素組成物を組み合わせた場合、組み合わせ組成物中の相乗結果の大多数(すなわち組み合わせが独立に作用する単一薬剤の効果で期待される効果以上の効果を有する場合)が、各構成素成分がその遷移ゾーンにある領域、すなわち単独で作用する所定の構成素成分の活性が構成素成分の1つ以上の実体の濃度の関数として最も早く変化する濃度領域に局在しているという発見が導かれた。例えば、構成素組成の活性を阻害の観点から計測した場合、任意の濃度で単独で作用する構成素組成により表示される最大阻害の約20%〜80%に対応する濃度範囲を遷移ゾーンは網羅し得る。
【0141】
従って、組み合わせ組成物の活性に関して収集された実験データの有用性を増進するためには、単独で作用する構成素組成物の指定された活性レベルに対応する濃度の分析アレイ内の組み合わせ組成物の、1つ以上の構成素組成物を本発明の実施態様が利用し得る。これは、構成素組成物の活性にかかわらず指定された最大値からのある希釈に基づく構成素組成物の濃度を利用する、本発明の実施態様と対照的である。
【0142】
単独で作用する構成素組成物に関するデータを任意の基点から収集し得る。この様なデータは文献中、または過去の実験からすでに知られていると思われる。本発明のある実施態様では、個々の構成素組成物活性に関するデータは、組み合わせ組成物を評価する前に分析実験中の評価を通じて収集し得る。収集したデータを活性/濃度についてプロットでき、活性の指定された値を割り当てるために必要な濃度を得るために、その具体例が図14のグラフ1410および1420に示される。
【0143】
活性の尺度として阻害値を利用する実施態様では、任意の濃度で構成素組成物により示される最大阻害の約20%〜80%の範囲で具体的に生じる値に、遷移ゾーン阻害は対応する。従って、単独構成素組成物阻害値に基づき、可能な最大阻害の約20%〜80%の範囲の指定された阻害値に対応する様に、構成素アレイ中の活性薬剤の濃度を選び得る。例えば、2つの構成素組成物が組み合わされる6×6分析アレイでは、各構成素組成物の6つの濃度は、阻害値が個々の構成素組成物のそれぞれに対する最大阻害の約0%、20%、40%、60%、80%および100%に対応する濃度に対応し得る。もちろん、阻害の最大値の他の割合も、本発明の他の実施態様中の関連のある濃度を求めるために使用してよい。
【0144】
好ましい実施態様では、分析アレイで用いられる構成素組成物のある濃度は、乗法因子の積と所定の活性レベルに対応する濃度とで指定される。例えば、活性が阻害値で測られる6×6分析アレイでは、特定の構成素組成物の活性に対する最大阻害の約80%に対応する濃度がベースライン濃度となる。ベースライン濃度から2倍、4倍および8倍希釈を、評価のために用いられる他の3つの濃度を特定するために使用し得る、すなわち乗法因子に倍率2が用いられる。典型的には、最終の2つの濃度はゼロ濃度および最大阻害のほぼ100%となる濃度である。例えば、ある場合は、構成素組成物の濃度/阻害曲線がS字型を示す場合、最大阻害より若干低い阻害に関連する濃度(例えば最大濃度の99%)が本明細書のある実施態様の最大阻害濃度の代わりに使用される。
【0145】
上記例では、ベースライン濃度が遷移ゾーンのエッジ近くをマークする役割を果たす。乗法因子は遷移ゾーンを通じて別な濃度を調べるための単純化した方法を提供する。もちろん、ベースライン濃度を選ぶ、または乗法因子他の方法を用いてもよい。6×6分析アレイを用いる一例では、構成素組成物の選ばれた濃度はゼロ濃度、および構成素組成物に対する最大阻害の20%、80%および100%に対応する濃度である。残りの2つの濃度は最大阻害濃度の20%と80%との間に均等に分布している。以下の乗法因子を用いて、1つの濃度は乗法因子と最大阻害の20%に対応する濃度の積である。
【0146】
【数5】

残りの濃度は乗法因子の平方と最大阻害の20%に対応する濃度の積である。残りの濃度は乗法因子と最大阻害の20%に相当する濃度との積である。他の例では、遷移ゾーンの底のエッジに関連する濃度が求められ、特定された濃度と1より大きい乗法因子の積が他の濃度を生成し得る。また、構成素組成物に対する他の濃度を求めるためのベースライン濃度を用いる他の方法も、構成素組成物の性質によっては使用し得る(例えば幾何因子)。
【0147】
図18Aおよび18Bは、先に議論した様な構成素組成物に対する特定の濃度を選ぶ利点を示す。図18Aでは、アレイ1810は組成物Aと組成物Bとを組み合わせる阻害値を示す。アレイ1810の列は組成物Aの一定の濃度を有する位置を表し、各列はY軸1811上に指定されるような組成物Aの異なった濃度である。同様に、列1810の行は組成物Bの一定濃度を有する位置を表し、各行はX軸1812上に指定されるような組成物Bの異なった濃度である。アレイ1810中に1830とマークされた4つの位置で指定される様に、36個の位置の4個のみがAとBとを組み合わせる可能な相乗効果に関するデータを提供する。
【0148】
対照的に、図18Bは組成物AおよびBの濃度が各組成物に対するベースライン濃度を特定し、乗法因子で希釈することにより選ばれるアレー1820を示す。特に、Y軸1821上でマークされた組成物Aの濃度は、実質的に0%、100%、約80%の最大阻害の割合に対応する。残りの3つの濃度は、最大阻害濃度の約80%から倍数希釈に対応する。同様に、X軸1822上でマークされた組成物Bの濃度も同様に選ばれる。アレイ1820中の数を増やした位置1830は、組み合わせ効果を特定するために使用し得るデータ量の実質的な増加を表す。
【0149】
上に議論した濃度選択を、共同効果を超える他の組み合わせ効果を検出するためにも実行し得る。例えば、活性薬剤がその構成素組成物こうか濃度のより高い範囲で存在する場合、増進した拮抗効果は構成素組成物の組み合わせでより一般的である。従って、阻害については、相乗効果の検索に典型的に用いられる濃度より高い個々の候補組成物濃度で、組み合わせ表面がより詳細に探索される。同様に、適当な場合は、構成素組成物の最大阻害の小さな値に関連するより低い濃度範囲を、探索してもよい。
【0150】
本明細書で議論した、濃度選択に関する本発明の実施態様は、最大阻害の割合等の活性の特定の値に関するものであるが、活性の正確な値に関連する濃度がこの様な実施態様の実施に必要でないことは、当業者に明らかである。実際、本発明の実施態様の目的は構成素組成物の遷移ゾーンの範囲を探索することであり、その範囲の特定の点ではないので、活性の濃度と値はこの様な実施態様で使用するための近似的な範囲であればよい。
【0151】
本明細書で議論した濃度選択手順を用いる本発明の実施態様には、組み合わせて実際に分析アレイを生成する構成素組成物の任意の調製法が含まれる。従って、例えば基点および派生セット、希釈アレイ、または複数の物理対象上に構成された構成素アレイを用いる本発明の実施態様と組み合わせて濃度選択が用いられる。希釈アレイまたは分析アレイの一部等の中間アレイを用い、組み合わせ組成物の活性を評価する前に生成した各個別アレイが希釈される結果になる場合、構成素組成物の指定された活性に対応する構成素組成物の濃度が分析アレイの評価済み位置中に最終濃度である様に、本発明の実施態様が構成される。
【0152】
本発明の好ましい実施態様では、組み合わせ組成物の評価を高めるための仮想スパースアレイに関連して、濃度選択が用いられる。
【0153】
(b.仮想スパースアレイに対応する分析アレイの構成)
図23に例示する様に、特定の分析アレイの構成(例えば分析アレイ2300)は不必要にデータを重複し、分析アレイ中の活性評価を非効率にする。さらに、ある場合は、組み合わせ組成物間の組み合わせ効果に関する情報を得るために分析アレイの全てを評価する必要はない。例えば図18B中で濃度選択を使用すると、組み合わせ効果を検出するために使用される分析アレイ1820の位置1830の数が増加する。しかしながら、分析アレイ中の組み合わせ効果の尺度を提供するために全ての分析アレイ1820を評価する必要なない。実際、組み合わせ効果1830の検出に関連する位置の全てさえも評価する必要はない。組み合わせ効果領域1830の塗りつぶした番号の位置で示される様に、評価済み位置の均等に間隔をあけた位置は、組み合わせ効果を検出するに十分なデータを提供し得る。
【0154】
従って、本明細書で議論した本発明のある実施態様は、図18Bに示す分析アレイ1820の満たされた位置に対応する位置中に組み合わせを有する分析アレイを作製するための構成素アレイを構成する。実際の分析アレイは密に充填し得るので(すなわち実際の分析アレイ中に飛び越した位置が実際に存在しないので)、実際の分析アレイ位置は「仮想スパース分析アレイ」に対応するとする(例えば図18Bのアレイ1820の形)。この様な場合、ある構成素アレイ上の構成素組成物の全ての濃度と、異なった構成素アレイ上の構成素組成物の全ての他の濃度とを組み合わせない分析アレイを作製し得る。すなわち、分析アレイ中の構成素組成物の所定の濃度が、分析アレイ中で用いられる任意の他の構成素組成物の全ての濃度と組み合わされない。
【0155】
図19は、仮想スパースアレイにも対応する分析アレイを作製するための本発明の特定の実施態様中で用いられる2つの構成素アレイ1910、1920の形態を示す。行構成素アレイでは、アレイ末端に隣接する行とエッジに隣接する列は使用されない。構成素アレイ1910の列1931の位置は対照位置として使用される。行の隣接するペアのセット、例えば図19の行1951、1952は、エッジ位置および対照列1931の交点に対応する位置を除いて同じ構成素組成物を含む。行の各位置は構成素組成物の同じ濃度を有する。しかしながら、ペアの各行では構成素組成物の濃度が区別される。例えば、行1951は使用する構成素組成物の最大濃度の1/5に希釈される各位置中の構成素組成物の濃度を含む。しかしながら、「M」で示される位置では、構成素組成物の濃度は行1951、1952で使用される構成素組成物の最大濃度である。行1952では、構成素組成物の濃度は構成素組成物の最大濃度の3/5である。しかしながら、対照列との交点位置では、その位置は対照組成物を含む。
【0156】
構成素アレイ1910中の行の他の全てのペアは同様に配置され、典型的には行の各ペアは異なった構成素組成物と結合している。各ペアの左側行は構成素組成物の最大濃度の1/5の濃度を含み、その位置は構成素組成物の最大濃度を含む対象列1931と交叉する位置を有する。各ペアの右側行は構成素組成物の最大濃度の3/5の濃度を含み、その位置は構成素組成物の最大濃度を含む対象列1931と交叉する位置を有する。しかしながら、行1970は満たされていない。
【0157】
構成素アレイ1920は行フォーマット中でも行構成素アレイ1910と同様に構成されている。繰り返すと、アレイの末端に隣接した2つの行と、エッジに隣接した2つの列は使用されない。構成素アレイ1920の行1932の位置は対照位置として使用される。列の隣接ペアのセットは、エッジ位置と対象業1932の交点に対応する位置を除いて同じ構成素組成物を含む。列中の各位置は同じ構成素組成物の濃度を有する。しかしながら、ペアの各列は異なった構成素組成物の濃度を有する。例えば、列1961は使用した構成素組成物の最大濃度の4/5に希釈した、各位置の構成素組成物濃度を含む。しかしながら、「M」で示した位置では、構成素組成物の最大濃度は列1961、1962に使用した構成素組成物の最大濃度である。列1962では、構成素組成物の濃度は構成素組成物の最大濃度の2/5である。しかしながら、対照行1932と交叉する位置では、その位置は対照組成物を含む。
【0158】
構成素アレイ1920中の列の他の全てのペアは同様に配置され、典型的には列の各ペアは異なった構成素組成物と結合している。各ペアの上部列は構成素組成物の最大濃度の4/5の濃度を含み、その位置は構成素組成物の最大濃度を含む対照行1932と交差している。各ペアの下部列は構成素組成物の最大濃度の2/5の濃度を含み、その位置は対照組成物を含む対照行1932と交差している。しかしながら、列1971は満たされていない。
【0159】
図20に示す様に、構成素アレイ1910、1920の対応する位置が分析アレイ2010中の対応する存在場所中に組み合わされる。列2018は列1931、1933の対応する位置と列1971とを組み合わせた結果である。列1971は満たされていないので、列2018は列1931、1933の内容と実質的に一致する。例えば、位置2011は最大濃度、最大濃度の1/5、最大濃度の3/5および対照組成物を有する列1931、1933中の構成素組成物に対応する。列2018に沿った4つの位置のグループは組成物の同じグループ分けを提供するが、特定の構成素組成物は行の特定のペアと関連している。
【0160】
同様な方法で、行2016は行1932、1934の対応する位置を行1970と組み合わせた結果である。図19で議論した例を続けると、図20の位置2013は最大濃度、最大濃度の2/5、最大濃度の4/5および対照組成物を有する行1932、1934中の構成素組成物に対応する。行2016に沿った同様なグループは組成物の同じグループ分けを提供するが、特定の構成素組成物は列の特定のペアと結びついている。
【0161】
従って、列2018と行2016とは純粋な構成素組成物の活性データ、および対照に関係するデータに対応する位置を提供する。後者のデータを別に議論した様な分析対照とプレート効果の補正にも使用し得るが、一方、前者のデータを組成物対照と、全体的なc値試験等の組み合わせ効果に関する分析を行うための単一データ源としての双方に使用し得る。
【0162】
分析アレイ2010中のアレイ1910中に同じ構成素組成物を有する列に対応する列の任意のペアの断面、およびアレイ1920中の同じ構成素組成物を有する列に対応する列のペアは、組み合わせ組成物の値を含む4つの位置を提供する。例えば、分析アレイ2010の位置2012は、最大濃度の1/5および3/5である濃度に対応する位置2011中の構成素組成物と、最大濃度の2/5および4/5である濃度に対応する位置2013中の構成素組成物との間の組成物の可能なペア状の組み合わせに対応する。
【0163】
分析アレイ2010の位置2011、2012、2013中のデータは、より完全な分析アレイフォーマット中に典型的に存在する位置の一部を提供する。例えば、仮想分析アレイ2020は、分析アレイ2010中の構成素組成物の2つのみの全ての可能なペア状の組み合わせを有する位置を与える分析アレイを表すが、各構成素組成物は濃度ゼロ、または最大濃度の1/5、2/5、3/5、4/5および5/5の濃度を有する。2つの構成素組成物が所竿場所2011、2012、2013中で使用された組成物である場合、仮想分析アレイ2020の満たされた正方形はその素材位置から知られるデータである。従って、分析アレイ2020に示される様に、位置2011、2012、2013は「仮想スパースアレイ」として作用する。
【0164】
分析アレイ2010中に与えられるフォーマットを使用するいくつかの利点は、そのアレイを2つのみの構成素組成物に対するより完全な仮想分析アレイ2020と比較することで明らかである。まず、仮想分析アレイ2020中の組み合わせ組成物に関連するデータのかなりのアリコートが、構成素組成物の濃度を選ぶことにより網羅される。第2に、分析アレイ2010は構成素組成物のさらに多い数のペア状組み合わせを網羅する。分析アレイ2010は構成素組成物の54ペア上のデータを提供する。より完全な6×6フォーマットに分布した等しい数の位置は、構成素組成物の8ペアの完全な試験さえも可能にしない。第3に、図17の位置1710で示される様に、対照組成物の構成、および純粋な構成素組成物データは、より完全な分析アレイ中に固有の重複を減少する。
【0165】
仮想プパースアレイに対応する分析アレイに関連する本発明の他の実施態様では、アレイ1910、1920のそれぞれを大きな構成素アレイの一部に過ぎないと考えてもよい。同様に、得られた組み合わせアレイ2010もより大きい分析アレイの一部であると考えられる。最大濃度の1/5または3/5であることと反対に、構成素組成物の濃度が各行中の最大濃度の2/5または4/5である以外は、新しい行を行アレイ1910と同様に調合し得る。新しい行アレイ1910は全体の行構成素アレイを構成する。同様に、最大濃度の2/5または4/5であることと反対に、構成素組成物の濃度が各列中の最大濃度の1/5または3/5である以外は、新しい列アレイを列アレイ1920と同様に調合し得る。新しい列アレイとアレイ1920とのの組み合わせが全体の列構成アレイである。
【0166】
新しい列アレイと新しい行アレイとの対応する位置を組み合わせた結果、組み合わせアレイ2010と類似の構造を有する新しい組み合わせアレイが得られる。例えば、アレイ2010の位置2011、2012、2013に対応する新しい組み合わせアレイの位置は、仮想アレイ2030の満たされた空間上に表される。構成素組成物を有する位置は、仮想アレイ2020中に満たされた位置と重ならない。新しい組み合わせアレイと組み合わせアレイ2010由来の満たされた位置の組み合わせは、全体の分析アレイの対応する位置を形成する。さらに、仮想アレイ2040は2つの組み合わせアレイの対応する位置2011、2012、2013を組み合わせて得られる情報を示す。従って、アレイ2040に示される様に、全体の分析アレイは、構成素組成物の所定のペアに対するより完全な仮想アレイ中に全ての構成素組成物データと、構成素アレイの様々な濃度に置ける構成素組成物の可能なペア状組み合わせに対する満たされた位置のオフセット交互パターンを提供する。
【0167】
相乗組み合わせを検出するためのスパースマトリックスを利用し得る能力を、既存の気味あわせデータを用いて試験した。異なった濃度でペア状に組み合わせた92個の化合物に関するデータを用いてシミュレーションを行った。そのデータを手動で解析して、相乗相互作用を示す様々な濃度における化合物の組み合わせを決定した。先に議論した様に、相乗組み合わせを特定する自動化法が2つのシミュレーション中のデータに適用される。
【0168】
まず、データが構成素組成物の全ての可能な組み合わせに対する2020、2030、2040の形式のアレイの全ての位置を満たすために十分に完全であるデータに、自動化法を適用した。すなわちあらゆる濃度に対する構成素組成物の全ての可能な組み合わせを自動化法で調べた。図21のグラフ2110は全ての可能な組み合わせに適用した場合の自動化法の結果を示す。グラフは、この方法で調べた最高スコアの割合の関数としてこの方法で位置を決めた相乗ヒットの割合を示す。
【0169】
自動化法をデータに2回適用した。しかしながら、この場合、アレイ2040に示される様な仮想アレイの満たされた位置に対応するペア状組み合わせのみが解析された。すなわち、アレイ2040の空の正方形に対応する特定の濃度における構成素アレイのある組み合わせは、この方法では解析されなかった。図21のグラフ2120は2回目のシミュレーションの結果を示す。グラフ2130は無秩序チャンス予測に基づき相乗組み合わせの所在を決める可能性を示す。
【0170】
検討したトップの組み合わせのある所定の割合では、スパースアレイ構成を表す2回目のシミュレーションにより、1回目のシミュレーション中の全てのデータのより完全な探索と同程度の数の手動ヒットが見出される。しかしながら、スパース構成に対し分析アレイ中で評価する必要のある、はるかに少ない数の位置が与えられれば、効率はより良くなると思われる。
【0171】
関連する好ましい実施態様では、先に説明したスパースアレイの構成が濃度選択技術と組み合わされて、組み合わせ組成物中の組み合わせ効果の特定効率を増進する。特に、対応する内容を分析アレイに移すと個々の構成素組成物の活性の遷移ゾーン中の濃度を選択する濃度選択基準が一致する様に、列アレイ1920または行アレイ1910で用いられた濃度を形成し得る。例えば、アレイ1910、1920中に「M」で指定された位置は、構成素組成物が達成可能な最大阻害の99%を達成するに必要な構成素組成物の濃度に対応し得る。構成素組成物の最大濃度の4/5を含むと先に指定された位置は、移行により構成素組成物の最大阻害の80%を分析アレイに提供する濃度を含むと指定されている。先に最大濃度の3/5、2/5、および1.5を保持した位置は、分析アレイに適当に移行すると構成素組成物の最大阻害の60%、40%および20%にそれぞれ対応する濃度を保持すると指定される。もちろん、濃度選択に対する他の指定(例えば特定の活性レベルからある倍数の希釈を用いる)も、最大阻害の特定の割合の代わりに使用し得る。
【0172】
列および行アレイを組み合わせることにより、濃度選択を実行した組み合わせアレイが得られる。スパースアレイ技術をぼう度選択と組み合わせることの有効性が他の試験で評価される。様々な濃度における構成素アレイの92の組み合わせが、スパースアレイと濃度選択とを用いる組み合わせ効果に対して実験的に評価された。最後の試験で説明した完全評価技術の有効性(すなわち濃度選択技術を用いずに全ての構成素組成物の全ての濃度をペア状に組み合わせる)を、濃度選択と共にスパースアレイを使用する効率と比較した。可能な組み合わせの独立の実験的評価に基づき、全ての可能な組み合わせ中に合計22の相乗組み合わせが存在した。
【0173】
22の相乗組み合わせの全てを検出する各評価技術の能力を図22に示す。グラフ2210は完全評価法で検討した最高スコアの所定の割合に対し場所が指定された相乗組み合わせの数を表す。グラフ220は濃度選択を有するスパースアレイ由来のデータを用いて得られた結果を示す。グラフ2230は無秩序選択に基づきヒットする確率を表す。図22は、濃度選択を有するスパースアレイの使用が、完全評価法より相乗組み合わせの位置を割り当てる場合に一般により効率的であることを示している。
【0174】
仮想スパースアレイの対応するアレイの変動は当業者に自明であると思われる。本発明の範囲は先に議論した特定の実施態様に限られるものではない。例えば、異なったサイズのアレイ(前記の6×6アレイ以上)、および組み合わせ組成物の位置の異なった構成も使用し得る。または、構成素アレイに対する濃度範囲の様々な選択、およびこの様な濃度の構成素アレイの各アリコートまたは実体上への配置も、本発明の範囲内である。他の例では、「M」が「最大」濃度に対応する必要はなく、むしろ構成素組成物のある参照ベース濃度に対応し得る。
【0175】
本発明の他の実施態様では、アレイのエッジ付近またはアレイの異なった位置中の離れたアリコート中の対照列および対照行が形成される。また別な実施態様では、構成素アレイが1つ以上の列アレイまたは行アレイとして整列している必要はなく、ユーザーに便利な任意の構成をとり得る。構成素組成物の濃度以外は同様な構成の列アレイまたは行アレイを、離れた物理実体または1つの物理実体状に具体化し得る。
【0176】
上記のある変法の例として、図25は本発明の特定の実施態様で用いられる行構成素アレイ2510および列構成素アレイ2520を示す。各構成素アレイは図19に示すアレイ1910、1920と同様にレイアウトした一連の対照位置を含む。また、特定の構成素組成物の最大濃度を有する位置に対応する、「M」で指定される位置も図19に示される。
【0177】
行構成素アレイ2510は行2513、1514、1515の一連のペアを含む。行の各ペアは構成素アレイ2510の上端に沿ってA〜Iで指定される構成素組成物を含む。特定の構成素組成物に対応する行の各ペアでは、左手の行2511は行アレイ2510中の特定の構成素組成物の最大濃度の約3/5に等しい特定の構成素組成物の濃度を有する位置に対応する。右手の行2512は行アレイ2510の特定の構成素組成物の最大濃度の約1/5に等しい特定の構成素組成物の濃度を有する位置に対応する。
【0178】
列構成素アレイ2520は列2523、2524、2525の一連のペアを含む。列の各ペアは構成素アレイ2520の右手側に沿ってA〜Fで指定される様な構成素組成物を含む。特定の構成素組成物に対応する列の各ペアでは、上端の列2521は列アレイ2520中の特定の構成素組成物の最大濃度の約4/5に等しい特定の構成素組成物の濃度を有する位置に対応する。下の列2522は列アレイ2520の特定の構成素組成物の最大濃度の約2/5に等しい特定の構成素組成物の濃度を有する位置に対応する。
【0179】
図26は行構成素アレイ2510と列構成素アレイ2520とに対応する位置の組み合わせから得られる分析アレイ2610を示す。分析アレイ2610の4つの位置2653は行構成素2510の行2514由来の組成物Bを、列構成素アレイ2520の列2525由来の組成物Fと組み合わせた結果である。それらの対応する濃度中の純粋な構成素組成物が、2651(組成物B)および2652(組成物F)の右手の位置の下の2つの位置中に存在することに注意。
【0180】
仮想組み合わせアレイ2620は構成素アレイ2510、2520中で用いられた全ての濃度における組成物BとFとの全ての可能なペア状組み合わせに対応する位置と共に、様々な濃度における純粋な構成素組成物に対応する位置を有するアレイを示す。純粋な組成物Fの位置2652は、仮想アレイ2620の右手行2622の満たされた位置に記されている。純粋な組成物Bの位置2651は、仮想アレイ2620の下の列2621の満たされた位置に記されている。位置2653のBとFとの組み合わせ組成物は仮想アレイ2620の4つの内部位置に記されている。
【0181】
異なった濃度における行構成素アレイ2510と列構成素アレイ2520との双方中の組成物BおよびFの使用から、組成物BおよびFの組み合わせの対応する仮想アレイのまた別な位置も満たし得る、また別な位置が得られる分析アレイが導かれる。分析アレイ2610の4つの位置2662は、行構成素アレイ2510の行2515由来の組成物Fを、列構成素アレイ2520の列2524由来の組成物Bと組み合わせた結果である。繰り返すと、それらの対応する濃度中の純粋な構成素組成物が2622(組成物F)の下の2つの位置、および2661(組成物B)の右手の位置に存在する。
【0182】
仮想アレイ2630は分析アレイ2610の位置2661、1662、2663に対応する満たされた位置を含む。純粋な構成素組成物Fの位置2662は仮想アレイ2630の満たされた右手行の位置に記され、純粋な組成物Bの位置2661はアレイ2630の満たされた下の列の位置に記されている。組み合わせ位置2663は仮想アレイ2630の残りの満たされた位置に記されている。
【0183】
構成素アレイ2510、2520および分析アレイ2610のレイアウトは、仮想アレイ2620、2630間に構成素組成物データの重なりがない様な構成になっていることに注意。従って、アレイ2620、2630中の対応する全ての満たされた位置をまとめる組み合わせ仮想アレイ2640は、各濃度における全ての純粋な構成素Bの位置2641、各濃度における全ての純粋な構成素Fの位置642、および様々な濃度のBおよびFの組み合わせの混合物を含む。従って、本発明のこの実施態様は、組成物A−Fのペア状組み合わせの他、他のいくつかの組み合わせデータを含む仮想スパース分析アレイを提供することが可能である。
【0184】
列アレイまたは行アレイ上の特定の構成素組成物を表すために用いられる列または行の数を、分析アレイのサイズと密度を変えるために変化し得る。例えば、本明細書に先に記した本発明の実施態様では、列のペアと行のペアが用いられた。しかしながら、本発明の他の実施態様も他の数を使用し得る(例えば列または行アレイ中の各構成素組成物に対し4つの列または行のグループ化)。
【0185】
スパース分析アレイ構成も、3つの構成素組成物の組み合わせを組み合わせた3次元フォーマット中で使用し得る。実体A、BおよびCの組み合わせの3次元立方体として形成された仮想スパースアレイの様々な特徴を示す、本発明の1つの実施態様が図27に示される。アレイ2710、2720、2730、2740、2750、2760のそれぞれは、実体Cの特定の濃度を複数の位置に有する実体AおよびBの変化する濃度の組み合わせの仮想2次元アレイに対応する。2次元アレイ2710、2720、2730、2740、2750、2760は3次元アレイ2770として積み重ねられる。各次元切片の満たされた位置が一致しないので、3次元仮想アレイ2770は実体AおよびBの濃度の2次元中ばかりでなく3次元中でも疎である。構成素アレイおよび分析アレイを構築するために本明細書で先に説明した方法を、得られる3次元仮想アレイを構築するために応用し得る。
【0186】
本発明の他の実施態様では、スパースアレイを調整する様に構成素アレイを形成し得るが、他の構成素アレイを他のフォーマットで形成し得る。図24に示す様に、組み合わせアレイ2410はアレイ1920の列アレイと、各行が数個の実体の高い濃度を有する行アレイとの組み合わせの結果であり(例えば図16のアレイ1610中に示されるフォーマット)、行中の全ての位置は同じ組成物を有する(エッジと対照位置を除く)。仮想アレイ2420は、組み合わせアレイ2410の適当な位置に対応する完全アレイアリコートを示す。他の組み合わせアレイは、アレイ1510に類似の列アレイにより(適当に置かれた提唱位置により)疎である様にフォーマットされた行アレイで形成されている。新しい組み合わせアレイは、アレイ2430で示される様な仮想アレイの他の位置上にデータを提供し、合計の組み合わせデータはアレイ2440上に提示されている。
【0187】
上記の実施態様は阻害に対応する現象を検出することを指しているが、分析試験の当業者は、議論された技術が他の場合にも応用し得ることを理解し得ると思われる。
【0188】
以下の実施例は本発明のいくつかの実施態様を示すために提供される。本実施例は使用したいかなる特定の実施態様を制限しようとするものではない。
【0189】
(実施例1:炎症誘発性サイトカイン抑制活性の分析)
本実施例では、本発明者らはヒト白血球由来のホルボール−12−ミリスチン酸−13−酢酸/イオノマイシン刺激IL−2およびTNF−α分泌の抑制に対する、様々な希釈におけるクロロプロマジンおよびシクロスポリンAの混合物を、ELISA法を用いて下記の様に分析した。本明細書の記述で先に提供した定義によれば、各化合物は「実体」であり、2つの実体の各混合物は「候補組成物」である(実施例1および2では、分かり易くするために、定義した用語を使用する際、初回のみ引用符中に示す)。「評価対象組成物」として総体的に知られる分析の成分を各混合物に添加した場合、「組み合わせ組成物」となる(しかしながら、「組み合わせ組成物」は十分に広く、候補組成物自身も含むことに注意)。
【0190】
「アレイ」は本実施例ではウエルを有するプレートとして具体化される。クロロプロマジンを含む「構成素アレイ」の「基点」位置となるセットをプレート上のYアレイとして調製する。クロロプロマジンをプレートの行の方向に逐次希釈するが、各列のクロロプロマジンの濃度は同じ濃度とする。また、シクロスポリンAを含む構成素アレイの基点位置となるセットをXアレイとしてプレート状に調製する。シクロスポリンAをプレートの列の方向に逐次希釈するが、各行のシクロスポリンAの濃度は同じ濃度とする。XおよびYアレイのそれぞれの各ウエルの内容物の一部を希釈剤と共に他のプレートの対応するウエルに移す。この対応するウエルは構成素アレイの対応する「派生」位置となるセットを表している。派生セットを保持する各プレートのウエルの内容物の一部を希釈剤と共に別のプレートの対応する位置に移し、「分析アレイ」を生成する。分析アレイの各ウエルを候補組成物の活性、すなわちクロロプロマジンとシクロスポリンAとの特定の混合物が、ヒト白血球からのホルボール−12−ミリスチン酸−13−酢酸/イオノマイシン刺激IL−2およびTNF−α分泌を抑制する能力について、ELISA法を用いて評価する。
【0191】
(化合物の調製)
クロロプロマジンを含む貯蔵溶液をDMSO中で10mg/mlの濃度で作製し、シクロスポリンAを含む貯蔵溶液をDMSO中で1.2mg/mlの濃度で作製した。構成素アレイ830の基点位置となるセットに対応する9×9マトリックスにアレイしたウエルを有するプレートを図8に示す構成に従って調製し、使用準備ができるまで−20℃で保存した。クロロプロマジンをそのプレートの行中に逐次希釈した。シクロスポリンAをそのプレートの列中に逐次希釈した。
【0192】
図5に示す様に、100μLの培地(RPMI:GibcoBRL、#11875−085)、10%のウシ胎児血清(GibcoBRL、#25140−097)、2%のペニシリン/ストレプトマイシン(GibcoBRL、#15140−122)を含む別々のプレート511および521に、特定の基点となるセット510、520を含む特定のプレートから1μLの貯蔵溶液をPackard Mini−Trak液体ハンドラーを用いて移し、各基点となるセット511および512に対応する派生セットを含む単一薬剤プレートを調製した。次に派生セット511および521を含むプレートを組み合わせ、各プレート511、521から10μL分を最終分析プレート(ポリスチレン383ウエルプレート(NalgeNunc))531に移すが、最終プレートは33ng/mLのホルボール−12−ミリスチン酸−13−酢酸(Sigma、P−1585)および2.475ng/mLのイオノマイシン(Sigma、I−0634)であらかじめ満たしておいた。
【0193】
(IL−2分泌分析)
IL−2分泌に対する試験化合物の組み合わせの効果を、ホルボール−12−ミリスチン酸−13−酢酸で刺激したヒトバフィーコート由来の白血球中で以下の様に分析した。ヒトバフィーコート由来の白血球を培地((RPMI:GibcoBRL、#11875−085)、10%ウシ胎児血清(GibcoBRL、#25140−097)、2%ペニシリン/ストレプトマイシン(GibcoBRL、#15140−122))中で1:50に希釈し、希釈された白血球50μLを上記の節で作製した最終分析プレートの各ウエル中に入れた。加湿インキュベーター中、37℃で16〜18時間インキュベーション後、プレートを遠心分離し、抗IL−2抗体(PharMingen、#555051)で被覆した白色不透明384ウエルプレート(NalgeNumc、MAXISORB)に上澄を移した。2時間のインキュベーション後、0.1%Tweeb0を含むPBSでプレートを洗浄し(Tecan Powerwasher384、Tecan Systems Inc.、San Jose、CA)、ビオチン標識抗IL−2抗体(Endogen、M600B)およびストレパビジンと結合したセイヨウワサビペルオキシダーゼ(PharMingen、#13047E)と共にさらに1時間インキュベーションした。プレートを0.1%Tween20/PBSで再度洗浄し、HRP−発光基質を各ウエルに加えた。プレートルミノメーターを用いて光強度を測定した。各ウエルに対する阻害率(%I)を以下の式を用いて計算した。
%I=[(未処理ウエル平均−処理ウエル)/(未処理ウエル平均)]×100
未処理ウエル平均は溶媒のみで処理した同じ分析プレートからの30ウエルの算術平均である。負の阻害は、未処理ウエルと比較した処理ウエル中の局所変動から得られる。
【0194】
混合物を調製し一定回数評価して実験の精度の尺度を得た。図14は1回の代表的な実験の結果を示すが、誤差バーおよび範囲は様々な同様に行われた実験から収集したデータの結果である。単一薬剤および組み合わせた薬剤によるIL−2分泌の阻害率の測定値を、1回の代表的な実験について表1に示す。
【0195】
【表1】

グラフ1410および1420はクロロプロマジンおよびシクロスポリンそれぞれの、IL−2分泌抑制における個々の反応を示す。1411、1421の具体的な値は点で示され、正弦波関数を用いて曲線1412、1422が点の間を内挿している。線1413の80%は80%阻害レベルを表す。
【0196】
表1の平均阻害を1430の数値マトリックスで図示する。ボックス中の各数はボックスの相対位置に対応する9×9マトリックスの位置における測定された阻害を表す。シクロスポリンAの濃度は、位置が左から右へ移動するにつれて、1430、1440、1460、1470の下に示した尺度に従って増加する。同様に、クロロプロマジンの濃度は位置が下から上へ移動するにつれて1430、1440、1460、1470に下の尺度に従って増加する。線1431は測定データによる、80%阻害を生じる混合物の濃度の内挿グラフを表す。線1432はLoewe加算モデルによる、80%疎外を生じる混合物の濃度のグラフを表す。マトリックス1440は試験条件を繰り返した別個の実験に基づく9×9分析アレイの各位置に対する標準誤差または標準偏差を表し、各数値は数値の対応する位置に対する標準誤差を表している。
【0197】
マトリックス1460および1470は、最高単一試薬およびBliss独立モデルに基づく測定された阻害と計算された阻害との間の差をそれぞれ表し、各数は9×9分析アレイ中の数が対応する位置中の測定された阻害とモデルとの間の差を表す。一般に、値が大きくなると、特定の対応する混合物の相乗性が大きくなることを示す。Max=###1461、1471は、対応するマトリックスに対する測定された阻害とモデルの予測阻害との間で得られた最大阻害を示す。Sum(>0)=###1462、1472はゼロより大きい差の値を有する対応するマトリックス中の全ての差の値の和を示し、これが9×9アレイにより試験された組み合わせの相乗性の尺度となる。各Sumの±値は、試験条件を繰り返す個別の実験に基づく差に関連する標準誤差である。
【0198】
グラフ1450は80%阻害レベルに関連する、クロロプロマジンとシクロスポリンAとの具体的な混合物のアイソボログラムを示す。線1451は80%阻害を与えると期待される濃度の位置を表し、線は測定データに基づいて内挿されている。線1452はLoewe下方モデルに基づく80%80%阻害を与えると期待される濃度の位置を表す。線1451が線1452より下にあるという事実は、Loewe加算から期待される活性と比較して、相乗阻害活性が混合物にあることを示している。線1451の各点と関連する線1453は、試験条件を繰り返す個別の実験に基づく各点の標準偏差を表す。領域1454は線1451と1452との間の面積と、線1452と1456との間の面積との面積比を表す。この数も、試験した全ての組み合わせの相乗性の尺度となる。1455のFIC80は80%阻害に対する阻害濃度比を生じる1451上の点に対する組み合わせ指数の最小値であり、X=###およびY=###でそれぞれ表されるシクロスポリンAおよびクロロプロマジン濃度を有する点1457で表される。80%阻害に対する組み合わせ指数CI80は以下の様に定義される:
【0199】
【数6】

ここでC│I=0.80は単一実体iの阻害が値0.80に等しい様な実体iの濃度である。一般に、CI80が低いほど80%阻害を与える組み合わせの相乗性が大きい。ここでも、±値は試験条件を繰り返す別個の実験に基づく対応する値を有する標準偏差を表す。
【0200】
(実施例2:非小細胞肺癌腫A549に対する関連する化合物の抗増殖活性の分析)
非小細胞肺癌腫A549に対する抗増殖活性につき、合計36の個別候補実体を216の組み合わせで試験する。図3および6に従い、候補実体の様々な組み合わせを保持する2つの構成素アレイ310、320、610、620をウエル付きプレート上に作製する。構成素アレイの対応するウエル由来の「アリコート」を新しいプレートの対応するウエル中に組み合わせ、各ウエルが候補組成物を保持する希釈アレイ330、630を作製する。希釈アレイ330、630のウエル由来のアリコートを抗増殖分析のための評価対象組成物を保持するプレート340の対応するウエルに移し、分析アレイを作製する。次に分析アレイ中の活性を、抗増殖活性を示す蛍光強度識別特性を探して評価する。
【0201】
(化合物の調製)
各候補実体の貯蔵溶液(1000×)をDMSO中に調製する。図15および16に示す様に、貯蔵溶液濃度に対して候補実体の濃度の2倍逐次希釈を保持する構成素アレイ1510および1610を384ウエルプレート上に整列させるが、ウエル位置中の任意の特定の実体の濃度は、その実体を含む他の任意のウエル中の特定の実体の濃度と同じである。1つの構成素アレイ1510をXアレイとするが、各列中の複数のウエルのそれぞれは同じ組成物を含んでいる。もう1つの構成素アレイ1610をYアレイとするが、各行中の複数のウエルのそれぞれは同じ組成物を含んでいる。各構成素アレイ1510、1610は、各候補実体の少なくとも1つの実現値がアレイの組成物中に存在する様に配置されている。また、構成素アレイ1510、1610のウエルのセットに対して用いられた各実体は、任意の他の構成素アレイ1510、1610中の任意の他の組成物中の特定の組成物の任意の他の実体と一緒には使用されない。
【0202】
図17に示す様に、候補組成物の希釈アレイ1710は、構成素アレイの対応するウエル由来のアリコートを希釈アレイの対応するウエル中に組み込むことにより、構成素アレイを構成するプレートから生成する。希釈アレイの各組み合わせは、10%FBS、2mMグルタミン、1%ペニシリン、および1%ストレプトマイシンを補充したRPMI1640倍地中へ希釈される。希釈アレイは6×12ウエルの3つのブロックを含み、3つのブロックの組み合わせウエルは全ての候補実体を含む候補組成物を有する。希釈アレイ1710中の候補実体の採集濃度は、最終分析アレイで用いられた濃度より10倍高い。
【0203】
(腫瘍細胞の培養)
非小細胞肺癌腫A549(ATCC#CCL−185)細胞を、10%FBS、2mMグルタミン、1%ペニシリンおよび1%ストレプトマイシンを補充したRPMI1640倍地中、37±0.5℃および5%COで生育させた。
【0204】
(抗増殖分析)
抗増殖分析アレイを384ウエルプレートとして作製する。0.25%トリプシン溶液を用いて、腫瘍細胞を培養フラスコから遊離する。3000個の細胞が20μlの培地中で各分析アレイウエル中に配送される様に、細胞を培養媒体中に希釈する。全ての分析プレートを5%COと共に37℃±0.5℃で16〜24時間インキュベーションする。次いで希釈アレイ1710由来の6.6μlの10×貯蔵溶液を40μlの培養培地と共に各分析プレートの対応するウエルに加え、分析アレイを作製する。分析プレートを37℃±0.5℃でさらに72時間インキュベーションする。インキュベーション期間後、37℃±0.5℃に暖めた培養培地中の25μlの20%Alamar Blueを各分析アレイ中に加える。添加後3.5〜5時間でAlamar Blue代謝性生物を蛍光強度量で定量する。LJL Analyst ADリーダー(LJL Biosystems、Sunnyvale、CA)を用いる定量を高い減衰率、100msecの測定、530nmの励起フィルター、および575nmの発光フィルターによりウエルの中央で行った。安定化エネルギーランプ制御、100msecの測定時間、530nmの励起フィルター、および590nmの発光フィルターでウエルの先端で測定を行った。
【0205】
各ウエルに対する阻害率を以下の式を用いて計算した:
%I=[(未処理ウエル平均−処理ウエル)/(未処理ウエル平均)]×100
未処理ウエル平均は溶媒のみで処理した同じ分析プレートからの30ウエルの算術平均である。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】図1は構成素組成物とその組み合わせを含む組み合わせ組成物を有する分析アレイを形成する組成物アレイを用いる、本発明のある実施態様を図形的に示す。
【図2】図2は各アレイ位置が全ての他のアレイ中の少なくとも1つの対応する位置を有する、本発明のある実施態様を図形的に示す。
【図3】図3は中間希釈アレイを利用する分析アレイの作製に関連する、本発明のある実施態様を図形的に示す。
【図4】図4は所定の組成物セット中の基点となるセットおよび派生セットの使用を含む、構成素アレイの可能な形態に関連する本発明のある実施態様を図形的に示す。
【図5】図5は基点となるセットが派生セットとは区別される物理対象上に基点となるセットが備えられる、特定の構成素アレイの形態を示す本発明のある実施態様を図形的に示す。
【図6】図6は複数の実体の活性を同時に素早く試験するための方法に関連する本発明のある実施態様を図形的に示す。
【図7】図7は組成物対照および分析対照のための位置を含む構成素アレイの可能な形態に関連する本発明のある実施態様を図形的に示す。
【図8】図8は組み合わせ組成物を有する位置ブロックと、組成物対照および分析対照に対する位置とを含む構成素アレイの可能な形態を利用する本発明のある実施態様を示す。
【図9】図9は本発明のある実施態様に従い、プレート効果を説明するための分析アレイ由来のデータの再計算プロセスの段階を図形的に示す。
【図10】図10は3つの形式、すなわち阻害、阻害と最高の単一薬剤との間の差、および阻害とBliss独立モデルとの差の中に存在する組み合わせ組成物の評価活性に関連するデータを有する6×6分析アレイの図形における本発明のある実施態様を示す。
【図11】図11は本発明のある実施態様による、6×6位置の6個のブロックを有するデータセットの2つの描写、すなわち(A)スパイク濾過前、(B)スパイク濾過後を図示す。
【図12】図12は本発明のある実施態様による、阻害と、組み合わせ組成物に対する濃度曲線、Bliss独立モデル、組み合わせ組成物の単一薬剤、組み合わせ組成物のセットに対する平均曲線、および組み合わせ組成物のデータおよび平均曲線とBliss独立モデルとの間の差における広がりとの間の比較の図形表示を示す。
【図13】図13は阻害と、平均阻害と阻害測定セットの偏移に対する最高の単一薬剤との間の差の比率とに関する、本発明の実施態様による分析アレイの評価活性の2つのグラフを図示す。
【図14】図14は本発明の実施態様を利用する、ELISA法を用いるホルボール−12−ミリスチン酸−13−酢酸/イオノマイシン刺激IL−2およびヒト白血球からTNF−α分泌の抑制に対するクロマジンとシクロスポリンAとの様々な混合物分析の結果を示す図表を提供するが、図は濃度の関数としての単一薬剤阻害;分析アレイの位置における平均阻害;分析アレイの位置に関連する標準誤差;測定阻害と分析アレイの位置に対する最高単一薬剤モデル由来の予測阻害との間の差;測定阻害と分析アレイの位置に対する最高単一薬剤由来の予測阻害との間の差;および測定結果およびLoewe加算モデル由来の結果を用いる混合物の様々な濃度に対する80%阻害のアイソボログラムを示す。
【図15】図15は本発明の実施態様による、実施例2で利用された組成物のX構成素アレイを示す。
【図16】図16は本発明の実施態様による、実施例2で利用された組成物のY構成素アレイを示す。
【図17】図17は本発明の実施態様による、実施例2のXおよびY構成素アレイの組み合わせ由来の分析アレイを示す。
【図18A】図18Aは本発明の実施態様による、AおよびBの濃度範囲の組み合わせ組成物AおよびBの分析アレイを示す。
【図18B】図18Bは本発明の実施態様による組み合わせ組成物AおよびBの分析アレイであって、AおよびBの濃度範囲が組成物Aおよび組成物Bの遷移ゾーン活性に基づき選ばれた分析アレイを示す。
【図19】図19は本発明の実施態様による、仮想スパースアレイに対応する位置を有する組み合わせを作製する様に設計された2つのアレイを示す。
【図20】図20は図19の構成素組成物アレイの組み合わせから得られた本発明の実施態様による分析アレイと、分析アレイの2つの組み合わせ構成素組成物の仮想スパースアレイの表示とを示す。
【図21】図21は様々な濃度における構成素組成物の92個のペアに関する実在データの自動相乗作用特定のシミュレーション結果であって、グラフは分析アレイの検討された組み合わせのトップn%の関数としての自動化法により見出された共同作業の組み合わせに対応する手動ヒットの割合のプロットであり、分析アレイは(i)構成素組成物の全ての濃度が分析アレイ中の全ての他の構成素組成物の全ての濃度と組み合わされたデータの分析アレイ;(ii)(i)のスパースアレイ形態に対応するデータ位置のみを検討した、(i)の分析アレイであり、無秩序推測の確率のプロットも含む結果を示す。
【図22】図22は22個の相乗作用組み合わせの手動特定が得られる様々な濃度における構成素組成物の92個のペアを含む、パイロット実験の自動相乗作用特定の結果を示し;グラフは2つのスクリーニング法により探索した採点済みの組み合わせのトップn%の関数として特定された、相乗組み合わせの数を示し;ある方法は構成素組成物の全ての濃度が分析アレイ中の全ての他の構成素組成物の全ての濃度と組み合わされた分析アレイを提供し;第2の方法は、分析アレイ中の全ての他の構成素組成物の全ての濃度を組み合わせる仮想スパースアレイに対応する位置を有する分析アレイを提供し;第2の方法は、純粋な構成素組成物の活性に基づく濃度選択も採用し;無秩序推測の確率のプロットも含まる。
【図23】図23は濃度選択と仮想スパースアレイとの対応が利用されない6個の6×6アレイを含む本発明の実施態様による分析アレイを示す。
【図24】図24は仮想スパース分析アレイに対応する分析アレイを作製する様に設計された構成素アレイと、複数の実体を高濃度で有する行アレイとして設計された構成素アレイとを組み合わせる、本発明の実施態様による分析アレイを示す。
【図25】図25は分析アレイを作製する様に設計された本発明の実施態様による2つの構成素アレイをであって、構成素アレイはある構成素組成物を有する行または列のペアを含むアレイを示す。
【図26】図26は本発明の実施態様による図25の2つの構成素アレイの組み合わせで得られた分析アレイと、分析アレイの構成素組成物BおよびFの組み合わせの仮想スパースアレイの表示とを示す。
【図27】図27は本発明の実施態様による3次元仮想スパースアレイ設計を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組み合わせ組成物セットの各メンバーの活性の評価法であって、セットの各メンバーは共通の複数の構成素組成物の組み合わせであり、
各構成素組成物に対し複数の位置を持つ構成素アレイを提供する工程であって、各位置は前記構成素組成物の特定の濃度と関連し、該アレイが複数の構成素組成物に対応する数を有する工程と、
該分析アレイの位置を提供する工程であって、該分析アレイの各位置は該セットの数に対応し、該構成素アレイのそれぞれ由来の指定されたアリコートと関連し、各アリコートがゼロおよびゼロ以外のどちらかである工程と、
該分析アレイの各位置における該組み合わせ組成物の活性を評価する工程と
を有することを特徴とする、方法。
【請求項2】
少なくとも1つの構成素組成物が、患者への投与に対し政府規制機関により認可された実体を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも2つの構成素組成物のそれぞれが、患者への投与に対し政府規制機関により認可された実体を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記実体が、確立された安全プロフィール、公認医薬プロフィール、および公認毒性プロフィールの少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記分析アレイの複数の位置が、前記組み合わせ組成物の活性評価に適切な評価対象組成物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記評価対象組成物が、少なくとも1つの試験実体を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記分析アレイ中の少なくとも1つの構成素組成物の特定の濃度が、前記少なくとも1つの構成素組成物の活性データに基づいて指定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記特定の濃度が、前記分析アレイ中の前記少なくとも1つの構成素組成物の指定された活性にほぼ対応することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、前記少なくとも1つの構成素組成物の活性を、その位置の構成素アレイを提供する前に評価する工程を含み、
前記活性データが、その位置の構成素アレイを提供する前の前記少なくとも1つの構成素組成物の評価済み活性に基づくことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記活性データが、前記少なくとも1つの構成素組成物の既知の活性データに基づくことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記活性データが、少なくとも1つの阻害値の形式をとることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記分析アレイ中の前記少なくとも1つの構成素組成物の複数の特定の濃度が、前記少なくとも1つの構成素組成物の活性データに基づくことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の特定の濃度が、前記少なくとも1つの構成素組成物の活性データに基づく前記少なくとも1つの構成素組成物の、指定された活性値にほぼ関連することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記指定された活性値が阻害値に対応することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記指定された阻害値は、前記少なくとも1つの構成素組成物の最大阻害の約20%と80%との間であることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の特定の濃度には前記少なくとも1つの構成素組成物の活性データに基づく前記少なくとも1つの構成素組成物の選ばれた活性値にほぼ対応する前記少なくとも1つの濃度と、選ばれた活性値に基づく少なくとも1つの他の特定の濃度とを含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの他の特定の濃度は、選ばれた濃度と所定の乗算因子との積に基づくことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記選ばれた活性値は前記少なくとも1つの構成素組成物の最大阻害の80%阻害値であり、前記少なくとも1つの特定の濃度は該少なくとも1つの構成素組成物の最大阻害の80%阻害値に対応する濃度から倍数希釈にほぼ対応することを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの構成素アレイには、前記構成素組成物の逐次増加する希釈を有する一連のメンバーが含まれることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記逐次増加する希釈が全体の範囲を少なくとも約50,000のファクターにすることを包含し、少なくとも約3のファクターの複数段階で行われることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記逐次増加する希釈が全体の範囲を少なくとも約1,000のファクターにすることを包含し、少なくとも約4のファクターの複数段階で行われることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記逐次増加する希釈が全体の範囲を少なくとも約250のファクターにすることを包含し、少なくとも約2のファクターの複数段階で行われることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
任意の構成素アレイの複数の位置のそれぞれは、前記少なくとも1つの対応する位置を任意の他の構成素アレイ中に有し、該構成素アレイのそれぞれ由来の指定されたアリコートが、該構成素アレイの対応する位置からとられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
各構成素アレイには複数の位置中の種々の濃度の前記少なくとも1つの構成素組成物が含まれ、ある特定の構成素アレイの前記少なくとも1つの構成素組成物の前記少なくとも1つの濃度は、分析アレイ中の他の構成素アレイと関連する他の構成素組成物の全ての濃度と組み合わされないことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記構成素アレイが1つ以上の物理対象上に具体化され、前記分析アレイが1つ以上の物理対象上に具体化されることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つの実体の特定の濃度を含む任意の構成素アレイの位置は、物理対象上のみに存在することを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
すべてのアレイが、その個々の物理対象の対応する位置で同じ数の位置を有することを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
各アレイが少なくとも1枚のプレート上に具体化されることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
各アレイの各位置がウエルで実現されることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
位置の構成素アレイを提供する工程はさらに、
各構成素中に固有の位置の基点となるセットを提供する工程であって、各位置はこの様なアレイに関連する構成素組成物の量と関連する工程と、
基点となるセットの各位置に対し各構成素アレイ中の固有の位置の派生セットを提供する工程であって、特定の派生セットの各位置は基点となる該セットの位置から得られた構成素組成物の一部を有する工程と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項31】
固有の位置の基点となるセットが単一の物理対象上に具体化されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
任意の構成素アレイの各位置が対応する位置を他の任意の構成素アレイ中に有し、所定の構成素アレイの基点となるセットの任意の特定の位置とこれに対応する派生セットの位置とに由来の複数の位置は、その他の任意の構成素アレイ中の基点となるセットの位置とこれに対応する派生セットとの位置に対応する様な構成素アレイとは区別されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
少なくとも1つの派生セットの複数の位置が希釈剤を含むことを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも1つの構成素アレイに対し、任意の派生セットの各位置は少なくとも1つの実体を含み、少なくとも1つの構成素はアレイ中の特定の派生セットの全ての位置は実質的に同じ濃度の構成素組成物を含むことを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
第1および第2の構成素アレイのそれぞれは同じに構成された所定の数の位置を有し、第1の構成素アレイの各派生セットは複数の位置の行として配置され、第2の構成素アレイの各派生セットは複数の位置の列として配置されることを特徴とする、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
ある構成素アレイの所定の派生セット中の各実体が、全ての他の構成素はアレイの他の派生セット中に存在することを特徴とする、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
全ての構成素アレイに対し、実体の組み合わせが1つの派生セット中にのみ存在することを特徴とする、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
組み合わせ中の各実体が、任意の他の構成素アレイの任意の他の位置中における組み合わせの任意の他の実体と共存しないことを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
任意の構成素アレイの各位置が任意の他の構成素アレイ中に対応する位置を有する方法であって、
各構成素アレイに対しこの様なアレイの組成物対照の各位置中に組成物対象を提供する工程をさらに有し、
所定の構成素セットの組成物対照セットの全ての位置が、任意の他の構成素アレイ中の組成物対照セットの位置に対応する構成素セットの任意の位置とは区別される様に、各組成物アレイの組成物対照セットが配置されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
前記少なくとも1つの組成物対照は正の対照であり、前記少なくとも1つの組成物対照は負の対照であることを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
分析アレイの各位置における組み合わせ組成物の活性を評価する工程が、
それぞれの派生セットの各位置に対する活性に関連する値に基づき、分析アレイの各物理的に区別される対象の組成物対照セットの正の対照位置と負の対照位置との各セットに対する標準偏差値と平均値を提供する工程と、
標準偏差値と平均値に基づき、分析アレイの物理的に区別される各対象に対するz値を提供する工程と
をさらに有することを特徴とする、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記平均値が数平均値として具体化されることを特徴とする、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記平均値が中央値として具体化されることを特徴とする、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
分析アレイの各位置における組み合わせ組成物の活性を評価する工程が、
分析アレイの物理的に区別される対象の1つの組成物対照セットの前記少なくとも1つの構成素要素に対して求められた複数の局所定量c値を提供する工程であって、局所定量c値が活性の割合に基づき、活性の割合が正規化値に対する前記1つの組成物対照セットの位置における活性値である工程と、
組成物対照セットの物理的に区別される対象の各位置に対する複数の局所定量c値の数平均に基づき、分析アレイの各物理的に区別される対象に対する総体的c値を提供する工程と
をさらに有することを特徴とする、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記正規化値がゼロの期待活性値レベルに関連することを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記正規化値がバックグラウンド活性測定に関連することを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記正規化値が選ばれた値であることを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
任意の構成素アレイの各位置が対応する位置を任意の他の構成素アレイ中に有する方法であって、該方法はさらに、
分析アレイの分析対照セットの各位置中に分析対照を提供する工程を有し、
分析対照セットの各位置が対応する位置を各構成素アレイ中に有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項49】
前記分析アレイの1つの物理実体の分析対照セットが、物理実体のエッジに隣接する複数の位置を有することを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記分析アレイの1つに物理実体と関連する分析対照セットが、物理実体の一端から物理実体の多端へ配置された複数のウエルを有することを特徴とする、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記分析セットを提供する前に、構成素アレイの前記少なくとも1つの対応する位置中に前記分析対照を提供する工程をさらに有することを特徴とする、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記組み合わせ組成物の活性を評価する工程が、
前記分析対照セットの各位置中の分析対照の測定された活性を評価する工程と、
前記測定された活性と該分析対照セット中の1つ以上の位置中の期待活性とに基づき、分析アレイの複数の位置に対する活性の偏差値を提供する工程と、
該活性の偏差値に基づき、該分析アレイの複数の位置のそれぞれに対する補正された活性値を割り当てる工程と
を有することを特徴とする、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記分析アレイの複数の位置のそれぞれが同じ活性期待値を有することを特徴とする、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記偏移値の提供工程には、前記分析対照セットの1つ以上の位置中の測定活性に基づき内挿値を提供する工程を含むことを特徴とする、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記組み合わせ組成物の活性を評価する工程が、
前記分析アレイ中の1つ以上の位置中の誤った活性値を特定する工程と、
該誤った活性値に関連する各位置中に置換するための活性値を割り当てる工程と
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項56】
前記誤った活性値に関連する位置に対する1つ以上の隣接位置中に評価済み活性に基づき、前記置換値が指定されることを特徴とする、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記誤った活性値に関連する位置に対する1つ以上の隣接する位置中の前記少なくとも1つの構成素組成物の濃度に基づき、前記置換値が指定されることを特徴とする、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記分析アレイおよび各構成素アレイに対し、この様なアレイの組成物対照セットの各位置中に組成物対照と、この様なアレイの分析対照セットの各位置中に分析対照とを提供する工程
をさらに有する方法であって、
特定のアレイの組成物対照セットの全ての位置が、任意の他のアレイ中の組成物対照の位置に対応するアレイの任意の位置とは区別される様に、各アレイの組成物対照セットが配置され、各アレイの分析対照セットは、この様なアレイの分析対照セットの各位置が任意の他のアレイ中の分析対照セットの位置に対応する様に配置されていることを特徴とする、請求項35に記載の方法。
【請求項59】
分析アレイを提供する工程が、
位置の希釈アレイを提供する工程であって、該希釈アレイの各位置がセットの特定のメンバーに対応し、前記構成素アレイのそれぞれ由来の指定されたアリコートと関連し、各アリコートがゼロまたはゼロ以外である工程と、
位置の分析アレイを該希釈アレイから得る工程と
をさらに有することを特徴とする、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記希釈アレイの位置中の特定の実体の濃度が、指定された構成素アレイ中の該特定の実体の濃度より少なくとも約1オーダー希薄であることを特徴とする、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記分析アレイの複数の位置が、前記組み合わせ組成物の活性を評価する工程に関係する評価対象組成物を含むことを特徴とする、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記分析アレイの位置中の特定の実体の濃度が、指定された希釈アレイ中の該特定の実体の濃度より少なくとも約1オーダー希薄であることを特徴とする、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記分析アレイが複数の異なった物理対象中で具体化されることを特徴とする、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
各構成素アレイが前記少なくとも1つの異なった物理対象中で具体化されることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項65】
前記希釈アレイの各位置が対応する位置を任意の前記構成素アレイ中に有し、該構成素アレイのそれぞれ由来の特定されたアリコートが該構成素アレイの対応する位置からとられることを特徴とする、請求項59に記載の方法。
【請求項66】
前記アレイが物理的に区別される対象中で具体化され、すべてのアレイは、それらの個別の物理対象の対応する位置で同じ数の位置を有することを特徴とする、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
各アレイが少なくとも1枚のプレート中に具体化されることを特徴とする、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
各アレイの各位置がウエルにより実現されることを特徴とする、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
各構成素アレイが、構成素組成物の逐次増加する希釈物が一連のウエルを含むことを特徴とする、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記逐次増加する希釈が少なくとも約3の倍数段階で行われる、少なくとも約50,000の倍数の範囲を包含することを特徴とする、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記逐次増加する希釈が少なくとも約4の倍数段階で行われる、少なくとも約1,000の倍数の範囲を包含することを特徴とする、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記逐次増加する希釈が少なくとも約2の倍数段階で行われる、少なくとも約250の倍数の範囲を包含することを特徴とする、請求項69に記載の方法。
【請求項73】
各構成素アレイが複数の位置中で濃度が変化する前記少なくとも1つの構成素組成物を含み、1つの特定の構成素アレイの前記少なくとも1つの構成素組成物の前記少なくとも1つの濃度が、分析アレイ中の他の構成素アレイに関連する他の構成素組成物のすべての濃度と組み合わされないことを特徴とする、請求項68に記載の方法。
【請求項74】
前記分析アレイ中の前記少なくとも1つの構成素組成物の特定の濃度が、該特定の濃度における該少なくとも1つの構成素組成物の指定された活性にほぼ対応することを特徴とする、請求項68に記載の方法。
【請求項75】
前記分析アレイ中の前記少なくとも1つの構成素組成物の複数の特定の濃度が、前記少なくとも1つの構成素組成物の活性データに基づく前記少なくとも1つの構成素組成物の指定された阻害値にほぼ対応し、該指定された阻害値は前記少なくとも1つの構成素組成物の最大阻害の約20%と80%との間であることを特徴とする、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記構成素アレイを提供する工程は、異なった物理対象上に基点となるセットと派生セットを提供する工程を含むことを特徴とする、請求項58に記載の方法。
【請求項77】
前記分析アレイの複数の位置が、前記組み合わせ組成物の活性を評価する工程に関連する評価対象組成物を含むことを特徴とする、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記分析アレイが複数の異なった物理対象中に具体化されることを特徴とする、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記構成素アレイのそれぞれ由来の指定されたアリコートが、前記構成素アレイの対応する位置からとられることを特徴とする、請求項76に記載の方法。
【請求項80】
前記アレイが物理的に区別される対象中に具体化され、アレイはすべて、それらの個々の物理対象の対応する位置で同じの数の位置を有することを特徴とする、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
各アレイが少なくとも1枚のプレート中に具体化されることを特徴とする、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
各アレイの各位置がウエルにより実現されることを特徴とする、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
各構成素アレイは、この様な構成素アレイの逐次増加する希釈物が一連のウエルを含むことを特徴とする、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記逐次増加希釈が少なくとも約3の倍数段階で行われる、少なくとも約50,000倍の全範囲を包含することを特徴とする、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記逐次増加希釈が少なくとも約4の倍数段階で行われる、少なくとも約1,000倍の全範囲を包含することを特徴とする、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記逐次増加希釈が少なくとも約2の倍数段階で行われる、少なくとも約250倍の全範囲を包含することを特徴とする、請求項83に記載の方法。
【請求項87】
各構成素アレイが複数の位置中で濃度が変化する少なくとも1つの構成素組成物を含み、1つの特定の構成素アレイの該少なくとも1つの構成素組成物の少なくとも1つの濃度が、前記分析アレイ中の他の構成素アレイと関連する他の構成素組成物の全ての濃度と組み合わされないことを特徴とする、請求項82に記載の方法。
【請求項88】
前記分析アレイ中の前記少なくとも1つの構成素組成物の特定の濃度が、該特定の濃度における少なくとも1つの構成素組成物の指定された活性にほぼ対応することを特徴とする、請求項82に記載の方法。
【請求項89】
前記分析アレイ中の少なくとも1つの構成素組成物の複数の特定の濃度が、前記少なくとも1つの構成素組成物の活性データに基づく該少なくとも1つの構成素組成物の指定された阻害値にほぼ対応し、該指定された阻害値は該少なくとも1つの構成素組成物の最大阻害の約20%と80%との間であることを特徴とする、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記組み合わせ組成物のセットの各メンバーの活性を評価する工程が、該セットの複数のメンバーに対する相乗性の尺度を提供することを含み、相乗性の尺度は該セットの各位置に対する測定値と予測値とに依存し、各測定値はセットの1つの位置中の活性に関連し、各予測値はモデルから計算されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項91】
前記セットの1つの位置中の候補組成物の前記少なくとも1つの実体の活性に関連する測定値に、前記モデルが依存することを特徴とする、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記予測値が候補組成物の前記少なくとも1つの実体の活性であることを特徴とする、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記予測値がBliss独立モデルから計算されることを特徴とする、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記予測値がLoewe加算モデルから計算されることを特徴とする、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記相乗性の尺度が、前記セットの各位置に対する測定値と予測値との間の差であることを特徴とする、請求項90に記載の方法。
【請求項96】
前記相乗性の尺度が、前記セットの複数の位置に対する測定値と予測値との間の差の和であることを特徴とする、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記相乗性の尺度は、複数の測定値の内挿から導かれる活性の特定のレベルと関連する、候補組成物中の実体の濃度を表現するものであることを特徴とする、請求項95に記載の方法。
【請求項98】
各計算値および計算値に隣接する位置における測定値に関する値の円滑で単調に変化する面を保持する計算値で特定の測定値を置換する工程が、活性を評価する工程に含まれることを特徴とする、請求項95に記載の方法。
【請求項99】
アレイ中の組成物セットの活性を評価する方法であって、
該アレイの複数のセットのそれぞれに対し、組成物セットの各位置のその活性に関係する測定値を求める工程であって、各アレイセットは対応する位置中に配置される同じセットの組成物を実質的に含む工程と、
該アレイのセットの位置のそれぞれに対し、複数のモデルのそれぞれに従って活性予測値を求める工程と、
少なくとも1つの統計法を用いて、測定値と予測値とに基づき組成物セットの活性を求める工程と、を有することを特徴とする方法。
【請求項100】
前記活性を求める工程には、前記複数のモデルのそれぞれに対する各セットの対応する位置中の測定値と予測値との差に基づき、該活性を求める工程が含まれることを特徴とする、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記活性を求める工程が、前記アレイの各セットの差の閾値を越える全ての差の値の和を提供する工程を含むことを特徴とする、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
少なくとも1つの統計法を用いる工程が、前記複数のアレイセットそれぞれの対応する位置中の測定値に基づき、セットの位置に関連する活性の標準誤差を求める工程を含むことを特徴とする、請求項99に記載の方法。
【請求項103】
前記セットの活性を求める工程が、該セットの複数の位置に関連する活性の標準誤差に基づく該セットの活性の誤差の尺度を求める工程を含むことを特徴とする、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
誤差の尺度を求める工程が、前記複数の位置の活性標準誤差の平方の和の平方根を求める工程を含むことを特徴とする、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記少なくとも1つの統計法を使用する工程は、複数のアレイセットそれぞれの対応する位置中中の測定値に基づき、セットの位置に関連する平均測定値を求める工程を含むことを特徴とする、請求項99に記載の方法。
【請求項106】
前記少なくとも1つの統計法を使用する工程は、前記複数アレイセットそれぞれの対応する位置中の測定値に基づき、セットの位置に関連する標準誤差に対する平均測定値の比を求める工程を含むことを特徴とする請求項99に記載の方法。
【請求項107】
前記測定値および前記予測値は阻害のについて表されることを特徴とする、請求項99に記載の方法。
【請求項108】
組み合わせ組成物セットを有する分析アレイであって、該セットの各メンバーは共通の複数の構成素組成物の組み合わせであり、該分析アレイが、
複数の位置をもつアレイを有し、各位置はセットのメンバーに対応し、複数の構成素アレイそれぞれ由来の指定されたアリコートに関連し、各構成素アレイが構成素組成物の特定の濃度を保持する位置を有し、構成素アレイが複数の構成素組成物に対応する数を有し、各アリコートがゼロまたはゼロ以外の1つであることを特徴とする、分析アレイ。
【請求項109】
組み合わせ組成物セットを有する分析セットであって、該セットの各メンバーが共通の複数の構成素アレイの組み合わせであり、該分析アレイが、
複数の位置を持つアレイを有し、各位置は該セットのメンバーに対応し、構成素組成物の特定の濃度の指定されたアリコートの構成と関連し、各アリコートはゼロおよびゼロ以外の1つであり、
該分析アレイ中の前該少なくとも1つの構成素組成物の特定濃度が、該少なくとも1つの構成素組成物の活性データに基づき指定されることを特徴とする、分析アレイ。
【請求項110】
前記特定の濃度が、前記分析アレイ中の前記少なくとも1つの構成素組成物の指定された活性にほぼ対応することを特徴とする、請求項109に記載の分析アレイ。
【請求項111】
前記活性データが前記少なくとも1つの構成素組成物の既知の活性データに基づくことを特徴とする、請求項109に記載の分析アレイ。
【請求項112】
前記分析アレイ中の前記少なくとも1つの構成素組成物の複数の特定の濃度は、前記少なくとも1つの構成素組成物の活性データに基づくことを特徴とする、請求項109に記載の分析アレイ。
【請求項113】
前記複数の特定の濃度が、前記少なくとも1つの構成素組成物の活性データに基づく前記少なくとも1つの構成素組成物の指定された活性値にほぼ対応することを特徴とする、請求項112に記載の分析アレイ。
【請求項114】
前記指定された活性値が阻害値に対応することを特徴とする、請求項113に記載の分析アレイ。
【請求項115】
前記阻害の指定値が、前記少なくとも1つの構成素組成物の最大阻害の約20%と80%との間であることを特徴とする、請求項114に記載の分析アレイ。
【請求項116】
前記少なくとも1つの構成素組成物の活性データに基づく前記少なくとも1つの構成素組成物の選ばれた活性値にほぼ対応する前記少なくとも1つの濃度と、選ばれた活性値に基づく前記少なくとも1つの他の特定の濃度とを、複数の特定の濃度が含むことを特徴とする、請求項112に記載の分析アレイ。
【請求項117】
前記少なくとも1つの他の特定の濃度が選ばれた濃度と所定の乗法因子との積に基づくことを特徴とする、請求項116に記載の分析アレイ。
【請求項118】
前記選ばれた活性値が前記少なくとも1つの構成素組成物の最大阻害の80%阻害値であり、前記少なくとも1つの特定の濃度が前記少なくとも1つの構成素組成物の最大阻害の80%阻害値に対応する濃度から倍数希釈にほぼ対応することを特徴とする、請求項117に記載の分析アレイ。
【請求項119】
組み合わせ組成物セットを有する分析アレイであって、該セットの各メンバーが共通の複数の構成素組成物の組み合わせであり、該分析アレイは、
複数の位置をもつアレイを有し、各位置が該セットのメンバーに対応し、構成素組成物の特定の濃度由来の指定されたアリコートと関連し、各アリコートはゼロまたはゼロ以外の1つであるアレイ位置を有し、
該分析アレイ中の特定の構成素組成物の前記少なくとも1つの濃度は、該分析アレイ中の異なった構成素組成物の全ての濃度とは組み合わされないことを特徴とする、分析アレイ。
【請求項120】
前記分析アレイが2つ以上の物理対象上に具体化されることを特徴とする、請求項119に記載の分析アレイ。
【請求項121】
組み合わせ組成物セットの各メンバーの活性を評価するための複数のアレイであって、該セットの各メンバーが共通の複数の構成素組成物の組み合わせであり、該複数のアレイは、
複数の位置を持ち、各構成素組成物に対する構成素アレイであって、各位置は前記構成素組成物の特定の濃度に関連し、該構成素アレイが該複数の構成素組成物に対応する数を有し、任意の構成素アレイの各位置は該任意の他の構成素アレイ中に対応する位置を有する構成素アレイと、
複数の位置を持つ分析アレイであって、該分析アレイの各位置が該セットのメンバーに対応し、該構成素アレイのそれぞれ由来の指定されたアリコートと関連し、各アリコートはゼロまたはゼロ以外の1つである分析アレイと、
分析対照セットの各位置が各構成素アレイ中に対応する位置を有する、該分析アレイの分析対照セットの各位置にある分析対照と
を有することを特徴とする、分析アレイ。
【請求項122】
前記分析アレイの1つの物理対象の分析対照セットが、前記物理実体のエッジに隣接した複数の位置を有することを特徴とする、請求項121に記載の複数のアレイ。
【請求項123】
前記分析アレイの1つの物理実体に関連する分析対照セットが、前記物理実体の一端から物理実体の他端へ配置された複数のウエルを有することを特徴とする、請求項121に記載の複数のアレイ。
【請求項124】
前記分析対照は前記分析アレイ中に入る前に構成素アレイの少なくとも1つの対応する位置中にあることを特徴とする、請求項121に記載の複数のアレイ。
【請求項125】
分析アレイを作製するための複数の構成素アレイであって、該各構成素アレイは、
構成素組成物を保持するための位置のアレイであって、各位置は前記構成素組成物の特定の濃度に関連し、該構成素アレイは複数の構成素組成物に対応する数を有し、該各構成素アレイは、
(i)固有の位置の基点となるセットであって、各基点となるセットの位置は前記アレイに関連するある量の構成素組成物に関連する基点となるセットと、
(ii)基点となるセットの各位置に対する固有位置の派生セットであって、特定の派生セットの各位置は基点となるセットの位置から得られた構成素組成物の一部を有する派生セットと
を有することを特徴とする、複数の構成素アレイ。
【請求項126】
前記固有の位置の基点となるセットが単一の物理対象上で具体化されることを特徴とする、請求項125に記載の複数の構成素アレイ。
【請求項127】
任意の構成素アレイの各位置が対応する位置を任意の他の構成素アレイ中に有し、所定の構成素アレイの任意の特定の基点となるセットの位置およびその対応する派生セットの位置に由来する複数の位置は、任意の他の構成素アレイ中の基点となるセットの位置およびその対応する派生セットの位置に対応する構成素アレイの任意の位置とは区別されることを特徴とする、請求項125に記載の複数の構成素アレイ。
【請求項128】
前記少なくとも1つの派生セットの複数の位置が希釈剤を含むことを特徴とする、請求項127に記載の複数の構成素アレイ。
【請求項129】
前記少なくとも1つの構成素アレイに対し、任意の派生セットの各位置は前記少なくとも1つの実体を含み、前記少なくとも1つの構成素アレイ中の特定の派生セットの全ての位置は実質的に同じ濃度の構成素組成物を含むことを特徴とする、請求項127に記載の複数の構成素アレイ。
【請求項130】
第1および第2構成素アレイのそれぞれが同様に形成された所定数の位置を有し、第1構成素アレイの各派生セットは複数の位置の行として配置され、第2構成素アレイの各派生セットは複数の位置の列として配置されることを特徴とする、請求項129に記載の複数の構成素アレイ。
【請求項131】
1つの構成素アレイの所定の派生セット中の各実体が、他の全ての構成素アレイの他の派生セット中に存在することを特徴とする、請求項129に記載の複数の構成素アレイ。
【請求項132】
全ての構成素アレイに対し、実体の組み合わせが1つの派生セット中にのみ存在することを特徴とする、請求項131に記載の複数の構成素アレイ。
【請求項133】
前記組み合わせ中の各実体が、任意の他の構成素アレイ中の任意の他の位置中の組み合わせの任意の他の実体と共存しないことを特徴とする、請求項132に記載の複数の構成素アレイ。
【請求項134】
組み合わせ組成物セットの各メンバーの活性を評価するための複数のアレイであって、該セットの各メンバーは共通の複数の構成素アレイの組み合わせであり、該複数のアレイは、
複数の位置を持ち、各構成素組成物に対する構成素アレイであって、各位置がこの様な構成素組成物の特定の濃度に関連し、該構成素アレイが複数の構成素組成物に対応する数を有し、任意の構成素アレイの各位置が他の任意の構成素アレイ中に対応する位置を有する構成素アレイと、
複数の位置を持つ位置の分析アレイであって、分析アレイの各位置は該セットのメンバーに対応し、該構成素アレイのそれぞれ由来の指定されたアリコートと関連し、各アリコートはゼロおよびゼロ以外の1つである分析アレイと、
組成物対照セットの各位置中にある組成物対照であって、所定の構成素アレイの組成物対照セットの全ての位置が、他の任意の構成素アレイ中にある組成物対照セットの位置に対応する前期構成素アレイの任意の位置とは区別される様に、各構成素アレイの組成物対照セットが配置され、該全ての組成物対照セットの位置が対応する位置を分析アレイ中に有する組成物対照と
を有することを特徴とする、複数のアレイ。
【請求項135】
前記少なくとも1つの組成物対照が正の対照であり、前記少なくとも1つの組成物対照が負の対照であることを特徴とする、請求項134に記載の複数のアレイ。
【請求項136】
前記分析アレイの分析対照セットの各位置にある分析対照であって、該分析対照セットが各構成素アレイにおいて対応する位置を有する、分析対照をさらに有することを特徴とする、請求項134に記載の複数のアレイ。
【請求項137】
前記分析アレイ中の前記少なくとも1つの構成素組成物の特定の濃度が、前記少なくとも1つの構成素組成物の活性データに基づき指定されることを特徴とする、請求項136に記載の複数のアレイ。
【請求項138】
前記分析アレイ中の前記少なくとも1つの構成素組成物の複数の特定の濃度は、前記少なくとも1つの構成素組成物の活性データに基づく前記少なくとも1つの構成素組成物の指定された阻害値にほぼ対応し、該指定された阻害値は前記少なくとも1つの構成素組成物の最大阻害の約20%と80%との間であることを特徴とする、請求項137に記載の複数のアレイ。
【請求項139】
前記分析アレイの共通の複数の構成素組成物の組み合わせの位置が、該構成素組成物の組み合わせを表す仮想分析アレイの全ての仮想位置に対応せず、該仮想分析アレイは仮想位置のセットを有し、該仮想位置のセットは分析アレイ中で用いられる構成素組成物の特定の濃度の全ての可能な組み合わせに対応することを特徴とする、請求項136に記載の複数のアレイ。
【請求項140】
前記分析アレイの共通の複数の構成素組成物の構成素の位置は、組み合わせ組成物の組み合わせを表す仮想分析アレイの全ての仮想位置に対応せず、該仮想分析アレイは仮想位置となるセットを有し、該仮想位置のセットは分析アレイ中で用いられた構成素組成物の特定の濃度の全ての可能な組み合わせに対応することを特徴とする、請求項138に記載の複数のアレイ。
【請求項141】
前記分析アレイの複数の位置中の組み合わせ効果を評価するためにコンピューターシステム上で用いられるコンピュータープログラム生成物であって、コンピューター読み取り可能プログラムコードが、
(a)該分析アレイの複数の位置中の評価済み活性を収集するためのモジュールと、
(b)該分析アレイの複数の位置中の測定値を提供するためのプログラムコードであって、該測定値が該複数の位置中の評価済み活性に基づくプログラムコードと、
(c)該分析アレイの複数の位置のそれぞれに対し予測値を提供するためのプログラムコードであって、該予測値がモデルに基づくプログラムコードと、
(d)該分析アレイの複数の位置のそれぞれに対する組み合わせ効果を評価するためのプログラムコードであって、該評価が該測定値と該予測値とに基づくプログラムコードと
を含むことを特徴とする、コンピュータープログラム生成物。
【請求項142】
前記モデルが前記セットの位置中の候補組成物の前記少なくとも1つの実体の活性に関係する測定値に依存することを特徴とする、請求項141に記載のコンピュータープログラム生成物。
【請求項143】
前記予測値が前記候補組成物の前記少なくとも1つの実体の活性であることを特徴とする、請求項142に記載のコンピュータープログラム生成物。
【請求項144】
前記予測値がBliss独立モデルから計算されることを特徴とする、請求項142に記載のコンピュータープログラム生成物。
【請求項145】
前記予測値がLoewe加算モデルから計算されることを特徴とする、請求項142に記載のコンピュータープログラム生成物。
【請求項146】
前記評価が複数の位置のそれぞれに対する前記測定値と前記予測値との差のセットであることを特徴とする、請求項141に記載のコンピュータープログラム生成物。
【請求項147】
前記評価が複数の位置のそれぞれに対する前記測定値と前記予測値との和であることを特徴とする、請求項146に記載のコンピュータープログラム生成物。
【請求項148】
前記評価が、前記複数の位置のそれぞれに対する前記測定値と前記予測値との間の差のセットの内挿から導かれた、特定の活性レベルに関連する候補組成物中の実体の濃度を表示するものであることを特徴とする、請求項146に記載のコンピュータープログラム生成物。
【請求項149】
(e)滑らかで単調に変化する活性の面が計算値と置換されない測定値とから作製される様に、特定の測定値を計算値で置換するためのプログラムコードをさらに有することを特徴とする、請求項146に記載のコンピュータープログラム生成物。
【請求項150】
前記測定値と前記対応する予測値との差が所定の閾値を越える場合、該測定値が対応する計算値で置換されることを特徴とする、請求項149に記載のコンピュータープログラム生成物。
【請求項151】
前記複数の位置のサブセットが分析対象を含む複数の位置に対応し、および前記予測値が、分析対照の各位置と関連する期待活性に対応する同じ値を含み、
(e)該分析対照位置中の各測定値と予測値との差のセットに基づく複数の位置に対する補正値を提供するプログラムコード
をさらに有することを特徴とする、請求項146に記載のコンピュータープログラム生成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2007−526438(P2007−526438A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509084(P2006−509084)
【出願日】平成16年6月7日(2004.6.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/018155
【国際公開番号】WO2004/109280
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(505449759)コンビナトルックス インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】