説明

組換えアデノウイルスベクターとその応用

本発明は、複製型アデノウイルスから得ることのできる新規な組換えアデノウイルス、および特に治療を目的としたその利用に関するものであって、該組換えアデノウイルスは、イヌアデノウイルス2型のゲノム(GenBank J04368)の311位と499位との間に位置する領域に対応する前記複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部を欠失させることによって得られるものであり、前記欠失がイヌアデノウイルス2型のゲノムの311位と401位との間に位置する領域に対応する元の複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な組換えアデノウイルスとそれらの調製方法、ならびにワクチンを目的とした、もしくは癌治療などの治療目的のための、遺伝子発現ベクターおよび遺伝子トランスファーベクターとしてのそれらの使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アデノウイルスは、短い逆方向反復配列(ITR)を伴う、約30−40kbpの二本鎖DNAの線状ゲノムを有するエンベロープのないウイルスである。
【0003】
アデノウイルスのゲノムは、初期の転写単位(E1からE4)と、ウイルスDNAの複製の開始によって発現が分離された五つの転写産物のファミリー(L1からL5)で構成された後期の単位(MLTU)とから成る。
【0004】
初期の段階は、E1A領域、ついでE4領域、ほぼ同時にE3ならびにE1B領域、ついでE2A領域、そして最後にE2B領域の、順次続く、転写および発現による感染から二時間後に始まる。最も初期のE1A領域は、アデノウイルスの他の初期遺伝子(E1B、E2、E3およびE4)のトランスアクチベーターならびに細胞遺伝子のトランスアクチベーターをコードする。感染から八時間後にウイルスDNAの複製が始まる。感染から十二時間後に始まる後期の段階の特徴は、細胞のタンパク質の合成が消失して後期のウイルスタンパク質がアデノウイルス粒子構造の構成に入り、ビリオンの組立に参加し、ついで感染細胞の構造健全性に作用してその放出に参加することにある。
【0005】
アデノウイルスは、それらの特徴と、それらの遺伝子組成およびそれらの生態に関する利用可能な知識の量との故に、ウイルスベクターの開発にとくに魅力がある。
【0006】
宿主(ヒトまたは動物)において増殖できる複製型ウイルスを得るという目的か、もしくは宿主において増殖できない非複製型ウイルスを得るという目的かによって、異なる構築戦略が考えられた。
【0007】
非複製型ベクターの構築は、ウイルス複製に欠かせない領域を欠失させることを含む。その結果得られるウイルスは、複製ができないため、対応する野生型ウイルスによる感染を許容する細胞内で感染粒子を産生できず、欠失した遺伝子の生成物をトランスで提供できる変更された細胞株内で産生する。
【0008】
通常用いられる戦略は、プロモーターおよびE1A遺伝子(E1の部分欠失)ならびに場合によってはE1B遺伝子(E1領域の完全欠失)のコード領域の代わりに、左ITRとE1領域との間のゲノムの左部分に、異種遺伝子(heterologous gene)を挿入することにある。E1Aが欠失したウイルスは、E1Aの機能を補完しない細胞内で複製することができない。しかしながら、それらは、感染細胞内で大量の外因性タンパク質を発現することができる。
【0009】
E1領域および場合によってはE3領域の欠失した多数のヒトアデノウイルスベクター(Ad2およびAd5)は、主にヒトの遺伝子治療を目的に構築された。これらのベクターを改善するために、突然変異(E2領域)またはさらなる欠失(E2またはE4領域)が導入された。
【0010】
E1領域全体が欠失した非複製型イヌアデノウイルスベクターも、ヒトの遺伝子治療の応用のために開発された(KLONJKOWSKIら, Human Gene Therapy, 8, 2103−2115, 1997, deletion des positions 411 a 2898 de Cav2;出願人RHONE POULENC RORERによる国際公開第95/14101号パンフレットおよび米国特許第5837531号明細書;KREMERら, J. Virol., 74, 505−512, 2000, deletion des positions 412 a 2497 de Cav2)。
【0011】
これらの非複製型ベクターは、多くの組織内で高い遺伝子転移効率を示した。しかしながら、該非複製型ベクターにはいくつか難点もあり、とくに腫瘍細胞のように活発に分裂している細胞内への遺伝子転移に問題がある。これらの細胞において、連続する分裂の際に染色体外ベクターが損失することに関連して転移遺伝子発現が急速に消失することが観察される。
【0012】
複製型ベクターの構築では、宿主におけるその複製および感染ウイルス粒子の産生(ウイルス産生サイクル)に必須のウイルスゲノムの配列をいっさい削除しないことが必要になる。現在、アデノウイルスにおいて、これらの要求を満足させることのできる異種配列挿入部位は少数しか分かっていない。
【0013】
複製型ベクターは、E3領域、および右ITRとE4プロモーターの転写制御配列との間のゲノムの右部分などの、必須ではない領域内に異種遺伝子を挿入することで得られた。複製型ベクターは、E1機能遺伝子を保存されることを条件に、左ITRとE1領域との間のゲノムの左部分に異種遺伝子を挿入することによっても得られた。より正確には、ヒトアデノウイルス(Ad5)の455位と917位との間への異種配列の挿入は、プロモーターおよびE1Aのコード領域の一部を欠失させることによってE1A遺伝子を不活性化するものであるが、ベクター内の本来とは別の位置にこの遺伝子のコピーを挿入することで補償される(ELOITら, J.Gen. Virol., 76, 1583−1589, 1995)。
【0014】
このように、複製型ベクターは、ヒトアデノウイルス(前掲のELOITら)、ウシアデノウイルス(MITTALら, J. Gen. Virol., 76, 93−102, 1995)、ヒツジアデノウイルス(XUら, Virology, 230, 62−71, 1997)、トリアデノウイルス(MICHOUら, J. Virol., 73, 1399−1410, 1999; SHEPPARDら, Arch. Virol., 143, 915−930, 1998)、イヌアデノウイルス(Cav2; 出願人RHONE MERIEUXによる国際公開第98/00166号パンフレットおよび米国特許第6090393号明細書; 出願人グラスゴ大学による国際公開第91/11525号パンフレットおよび米国特許第5616326号明細書、MORRISONら, Virology, 293, 26−30, 2002)およびブタアデノウイルス(REDDYら, J. Gen. Virol., 80, 563−570, 1999; TUBOLYら, J. Gen. Virol., 82, 183−190, 2001)から構築された。
【0015】
これらの複製型アデノウイルスベクターは、主としてワクチンとしての用途のために開発された。それらは、抗体に対する反応に関してもCTLに対する反応に関しても、全体として、免疫応答の誘導の際に高い効率を示した(参照文献として、ELOIT, Virologie, 2, 109−120, 1998およびKLONJKOWSKIら, In 《Adenoviruses: basic biology to gene therapy》, pp. 163−173, P. Seth, Ed., R. G. Landes Company, Austin Texas, USA)。
【特許文献1】国際公開第95/14101号パンフレット
【特許文献2】国際公開第98/00166号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、これらの複製型ベクターにはいくつかの難点があり、それらは、
・かかる複製型ウイルスが拡散するおそれに関連するバイオセイフティーの問題があること、
・感染細胞によって大量のウイルス粒子が産生されることによりベクターに対する高い免疫応答の誘導が引き起こされ、追加免疫の有効性が制限されること、
・感染によって破壊された細胞から塩析したワクチン抗原が母親の抗体によって中和されることにより、若い個体におけるこれらの複製型ベクターの有効性が低下すること、である。
【0017】
周囲に拡散するというおそれなしに、細胞を、とくに腫瘍細胞のような分裂している細胞を効果的に形質導入できるような組換えアデノウイルスは、現在のところ全くないことが分かっている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
イヌアデノウイルス2型(Cav2)を実験モデルに選択して、発明者らは複製型組換えアデノウイルスを得ることを可能にする新規な挿入部位を識別できないか研究した。
【0019】
その結果、左ITRの終わりとE1Aのコード配列の始めとの間に位置する領域の始めの小さな部分の欠失は、アデノウイルスが許容宿主においてそれらのゲノムを複製し、増殖する能力に影響しないことが確認されたため、この欠失箇所が異種遺伝子の新規な挿入部位を構成することができる。
【0020】
さらに発明者らは、意外なことに、同じ領域における他の欠失により、許容宿主においてそれらのゲノムの複製は可能であるが増殖はできないアデノウイルスを得ることができることを確認した。これらのアデノウイルスは、今後「擬複製型アデノウイルス」と称するものとする。
【0021】
以下において、アデノウイルスゲノムのさまざまな領域の位置は、GenBank J04368配列におけるイヌアデノウイルス2型のゲノムの対応する(すなわち、類似の機能配列を含む)領域の位置を基準に定義されるものとする。
【0022】
たとえば、左ITRの終わりとE1Aのコード配列の始めとの間に位置する領域は、イヌアデノウイルス2型のGenBank J04368ゲノム配列の311位と499位との間に位置する領域に対応する。
【0023】
本発明は、複製型アデノウイルスから得ることのできる組換えアデノウイルスを対象とするものであって、該組換えアデノウイルスは、イヌアデノウイルス2型のゲノム(GenBank J04368)の311位と499位との間に位置する領域に対応する前記複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部を欠失させることによって得ることができ、前記欠失がイヌアデノウイルス2型のゲノムの311位と401位との間に位置する領域に対応する元の複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部を含むことを特徴とする。
【0024】
本発明による組換えアデノウイルスの第一の実施態様によれば、欠失部分は、イヌアデノウイルス2型のゲノムの311位と319位との間に位置する領域に対応する、元の複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部によって構成されており、この欠失によって、元の野生型アデノウイルスによる感染を許容する宿主において増殖することのできる(ウイルス産生サイクル)、複製型組換えアデノウイルスを得ることが可能になる。
【0025】
本発明による組換えアデノウイルスの第二の実施態様によれば、欠失部分は、イヌアデノウイルス2型のゲノムの318位と401位との間に位置する領域に対応する、元の複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部を含んでおり、この欠失によって擬複製型アデノウイルスを得ることが有利には可能になるのであるが、該擬複製型アデノウイルスとは、すなわち、複製はできるが、感染ウイルス粒子を産生できず、したがって、元の野生型アデノウイルスによる感染を許容する宿主において増殖することのできない(産生不能サイクル)ものである。
【0026】
本発明による擬複製型アデノウイルスの獲得には、(Cav2 GenBank J04368配列の341−344位、377−380位および388−391位にそれぞれ位置する)5’−TTTA/G−3’型の推定されるパッケージングシグナルAx、AxIおよびAXIIの全体または一部を削除することがとくに含まれる。
【0027】
これらの擬複製型アデノウイルス内の欠失部分は、さらに、
・イヌアデノウイルス2型のゲノムの311位と319位との間に位置する領域に対応する、元の複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部、および/または、
・イヌアデノウイルス2型のゲノムの400位と439位との間に位置する領域に対応する、元の複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部;この欠失により、(Cav2 GenBank J04368配列の409位に位置する)E1AのプロモーターのTATAボックスがとくに削除される;および/または、
・イヌアデノウイルス2型のゲノムの438位と499位との間に位置する領域に対応する、元の複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部;この欠失により(Cav2 GenBank J04368配列内の439位に位置する)E1Aの転写開始部位がとくに削除される;
を含むことができる。
【0028】
いずれの場合にも、本発明による(複製型または擬複製型)組換えアデノウイルスは、複製、転写活性化に必須の左ITR配列(Cav2ゲノムの62位と99位との間に位置する4つの反復したGGTCAモチーフ)を保存する一方で、(それぞれCav2ゲノムの197−200位、206−209位、213−216位、226−232位、239−242位、250−253位、258−261位、272−275位および306−309位に位置する)5’−TTTGN8CG−3’型のパッケージングシグナルAI、および5’−TTTA/G−3’型のパッケージングシグナルAIIからAIXも保存する。該組換えアデノウイルスはまた、E1Aのコード配列の全体、ならびにその下流に位置するE1遺伝子領域(E1Aのポリアデニル化シグナルとE1B領域)の全体も保存する。
【0029】
本発明による組換えアデノウイルスのある推奨実施態様によれば、該組換えアデノウイルスは、さらに少なくとも一つの、そのゲノム内に挿入された関心のある異種配列も含んでいる。
【0030】
この実施態様による組換えアデノウイルスの構築のために、前記異種配列は、複製型アデノウイルスの場合、イヌアデノウイルス2型のゲノムの311位と319位との間に位置する領域に対応するゲノム領域に挿入されるものとする。
【0031】
擬複製型アデノウイルスの場合、前記異種配列は、同様にこの領域に挿入されるか、もしくはイヌアデノウイルス2型のゲノムの311位と499位との間に位置する領域に対応するゲノム領域における全く別の場所にも挿入することができる。この領域への挿入は、欠失部分の代わりに、あるいは欠失部分の近傍で行うことができる。
【0032】
複製型アデノウイルスの構築のために通常使用される任意の部位にも、同様に異種配列を挿入することができる。挿入は、例えばE3領域内、または米国特許第6090393号明細書に記載のごとく、E4領域と右ITRとの間に位置する領域内、または米国特許第5616326号明細書に記載のごとく、右ITRの3’部分内で行うことができる。
【0033】
「異種配列」は、前記野生型アデノウイルスのゲノムの311位と499位との間に含まれる配列とは別のいっさいの配列を意味するものとする。
【0034】
非制限的な例として挙げると、
・ワクチン抗原のコード遺伝子、例えば、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)のgag遺伝子もしくはenv遺伝子、ネココロナウイルスのSタンパク質、Mタンパク質もしくはNタンパク質、イヌまたはネコのパルボウイルスのキャプシドタンパク質、狂犬病ウイルスの糖タンパク質G、またはレプトスピラsp.のHap−1タンパク質、など
・遺伝子治療に利用できる修正遺伝子、例えば、エリスロポエチン(Epo)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、ニューロトロフィン3(NT−3)、または心房性ナトリウム利尿因子(ANF)の修正遺伝子、など
・癌治療に利用できる遺伝子、例えば、IL−2遺伝子、IFNγ遺伝子、
などがある。
【0035】
本発明による組換えアデノウイルスは、より詳細には哺乳類のアデノウイルス、またとりわけイヌアデノウイルス、とくにイヌアデノウイルス2型に由来するものとすることができる。
【0036】
本発明による組換えアデノウイルスは、当業者にはそれ自体周知の通常の技術(参照として、例えば、GRAHAMおよびPREVEC,Manipulation of Adenovirus Vectors、Methods Mol. Biol., 7, 109−128, 1991)によって調製でき、とりわけ、(i)二つの相同組換えの古典的技術による大腸菌における組換えゲノムの作成、および(ii)前記ゲノムの増幅と感染ウイルス粒子内へのそれらのパッケージングを可能にする適切な細胞株内へのこのようにして得られた組換えゲノムのトランスフェクションを含む技術によって、調製することができる。
【0037】
例えば、大腸菌における相同組換え技術を用いることができ、該相同組換え技術は、CHARTIERら(J. Virol., 70, 7, 4805−4840, 1996)および出願人TRANSGENEによる米国特許第6110735号明細書によって記載されたもの、もしくはCROUZETら(Proc. Nat. Acad. Sci. USA, 94, 1414−1419, 1997)によって記載されたものなどである。これらの方法は、アデノウイルスの完全なゲノムを含む「レシピエント」DNA分子と、アデノウイルスゲノムにおける挿入を実施しようとする領域の配列と相同の配列を伴う、前記ゲノム内に挿入する異種配列を含む「ドナー」DNA分子との間の、分子間の相同組換えに基づいている。該レシピエント分子は、挿入部位にある、アデノウイルスゲノム内の唯一の制限部位における切断によって線状化される。組換えゲノムの選択はさらに、レシピエント分子を環状にすることに基づく。
【0038】
したがって、これらの方法は、アデノウイルスのゲノムにおいて唯一の制限部位を含んでいる領域にしか前記異種配列を挿入できないという難点がある。
【0039】
そこで発明者らは、挿入部位における切断によるアデノウイルスゲノムの線状化を必要としない、アデノウイルス内に異種配列を挿入する方法を開発した。
【0040】
この方法がCHARTIERらによって記載された方法と異なる点は、
1)アデノウイルスのゲノム(レシピエント分子)内に挿入される異種DNA断片(ドナー分子)が、アンピシリンおよびカナマイシンに対するそれらの二重の耐性に基づいて組換えプラスミドを単離することを可能にする選択マーカーを含んでいる、また
2)前記断片が、環状で、もしくは挿入部位の外側に位置する制限部位における切断によって線状化された形で、レシピエント分子と共形質転換される、
という点である。
【0041】
結果として、本発明はまた、原核細胞における相同分子間組換えによる組換えアデノウイルスの調製方法を対象とするものでもあり、該調製方法は、
α)(i)アデノウイルスのゲノムおよび第一の選択遺伝子を含むプラスミド;および(ii)前記プラスミドにおける挿入を実施する部位が伴う配列と相同の配列を伴った、前記ゲノム内に挿入するための異種配列を含み、さらに第一のものとは異なる第二の選択遺伝子を含んだ、あらかじめ線状化されたDNA断片;を、前記原核細胞内へ導入する過程と、
β)第一および第二の選択遺伝子を発現する組換えプラスミドを含む細胞の作成と選択を可能にするために、選択的条件で前記原核細胞を培養する過程と、
γ)選択した細胞から、前記組換えアデノウイルスのゲノムを単離する過程、
とから成ることを特徴とする。
【0042】
「選択的条件」とは、第一および第二の選択因子(例えば抗生物質)が、形質転換されていない細胞は増殖させないが、共形質転換された細胞の増殖は可能にする濃度で存在する培養条件を意味するものとする。
【0043】
本発明の第一の実施態様によれば、α)で用いられるプラスミドは、環状である。
【0044】
本発明の第二の実施態様によれば、過程α)で用いられるプラスミドは、挿入部位の外側に位置する制限部位での切断によってあらかじめ線状化されている。
【0045】
本発明のもう一つの有利な実施態様によれば、第一および/または第二の選択遺伝子は、抗生物質耐性遺伝子であって、例えば、アンピシリンおよびカナマイシンに対して耐性のある遺伝子である。
【0046】
本発明のさらに別の実施態様によれば、第二の選択遺伝子は、過程α)で用いられるアデノウイルスのゲノム内にはない、同一または異なる、2つの制限部位に囲まれており、したがって、かかる選択遺伝子は、これらの部位での消化によって組換えアデノウイルスのゲノム配列から削除することができる。
【0047】
有利には、本発明による方法は、上記の過程α)からγ)による組換えゲノムの調製の後、適切な細胞株内への該組換えゲノムのトランスフェクションという追加の過程を含んでおり、該追加の過程により、前記ゲノムの増幅と感染ウイルス粒子内へのそのパッケージングが可能になる。
【0048】
本発明による組換えアデノウイルスの調製のために、アデノウイルスのE1領域、また関心のある異種配列の挿入によってE4領域が改変したときにはアデノウイルスのE4領域を発現する細胞株を使用することができ、これらの細胞株は当業者にはそれ自体周知のものである(例えば、前掲のGRAHAMおよびPREVECを参照)。使用可能な株の中で、293株のようなヒト由来の株(GRAHAMら, J. Gen. Virol., 36, 59−74, 1977)およびDK/E1−28株のようなイヌ由来の株(前掲のKLONJKOWSKIら, Human Gene Therapy)をとりわけ挙げることができる。有利には、発明者らが構築した新規な株を用いることができ、該新規な株は、イヌアデノウイルス2型のゲノム(GenBank J04368)の439位から3595位に伸びている配列に対応する配列によって構成された断片の挿入によって変更されているのだが、かかる株は、上述の先行技術の株には存在している、439位の上流に位置する配列は含んでいない。
【0049】
好ましくは、前記細胞株はイヌに由来する。
【0050】
本発明はさらに、本発明による組換えアデノウイルス、とくにイヌアデノウイルスのゲノムの調製に使用できるプラスミドおよび核酸分子、ならびに先に定義したような方法によって得ることのできる、前記組換えゲノムも対象とする。
【0051】
本発明は、とくに下記の核酸分子およびプラスミドを対象とする。
・下記から構成されるグループにおいて選択されたいっさいの核酸分子:
a)先に定義したような本発明による組換えアデノウイルスのゲノムに相当する核酸分子、および
b)欠失部分の上流に位置する元の複製型アデノウイルスの配列を10から1000bpの間、好適には少なくとも300bp有し、また欠失部分の下流に位置する元の複製型アデノウイルスの配列を10から5000bpの間、好適には10と1000bpの間、さらに好適には少なくとも300bp有する、上述のa)の分子の断片によって構成される核酸分子(かかる分子は、さらに、欠失部分の代わりに、あるいは欠失部分の近傍に挿入された異種配列の全体または一部を含むことができる)。
・先に定義したa)またはb)の核酸分子を含む、いっさいの核酸ベクター、とくにいっさいのプラスミド。
【0052】
本発明はさらに、医薬品として使用するための本発明による組換えアデノウイルスも対象とする。
【0053】
本発明はとくに、免疫原組成物もしくはワクチン組成物の調製、または遺伝子治療もしくは癌治療向けの医薬品の調製、ならびに組換えタンパク質の産生のための、本発明によるアデノウイルスの利用を対象とする。
【0054】
好適には、前記医薬品または前記組成物は、家畜のまたは野生の肉食動物、とりわけネコ、イヌ、もしくはキツネ、またはヒトに投与するためのものである。
【0055】
本発明による組換えアデノウイルスは、ヒトまたは動物における、ワクチンなどの、治療のための利用にとくによく適合している。実際、ゲノムが細胞当たり少数のコピーでしか存在せず、かつ活発に分裂している細胞内ですぐに除去される非複製型組換えアデノウイルスとは反対に、本発明による組換えアデノウイルスは、複製型か擬複製型かを問わず、形質導入された細胞の核内で大幅に増殖し、静止細胞も腫瘍細胞のように活発に分裂している細胞も効果的に形質導入することを可能にする。さらに、感染粒子をまったく産生しない本発明による擬複製型アデノウイルスは、高いバイオセイフティーを示し、さらに追加免疫の際に強い免疫応答を誘導することができる。
【0056】
例えばイヌアデノウイルスに由来する本発明による組換えアデノウイルスは、家畜のまたは野生の肉食動物、とりわけネコ、イヌまたはキツネにおけるワクチン接種および癌治療に用途分野がある。さらに、宿主自身の指向性があるので、これらのイヌアデノウイルスは、ヒトの遺伝子治療において、ヒトベクターによって形質導入できる組織とは異なる組織、例えば中枢神経系細胞に標的を合わせるために使用することができる。
【0057】
本発明は、本発明による組換えアデノウイルスの構築および調製、ならびに、とりわけワクチン接種のための、関心のある遺伝子を発現させるためのその使用を例示する非制限的な実施例に関連した、下記の補足説明を読むことによってより良く理解できるものである。
【実施例1】
【0058】
実施例1:アデノウイルスCAV311−319、CAV311−439ならびにCAV311−401の構築
【0059】
1)組換えプラスミドの構築
【0060】
下記のプラスミドを、DNAの調製、クローニングならびに分析の従来の手順を用いて構築したが、該手順は、Current Protocols in Molecular Biology (Frederick M. AUSUBEL, 2000, Wiley and son Inc, Library of Congress, USA)に記載のようなものである。
【0061】
a)イヌアデノウイルス2型(Cav2)のゲノムの完全な配列を含むプラスミドpCav2
【0062】
このプラスミドを、前掲のCHARTIERらによって記載されたヒトアデノウイルスの調製方法に類似の方法で、大腸菌内で相同組換えによって構築した。
【0063】
このプラスミドの主要な構築過程を、図1に示した。
【0064】
より正確には、1位から1060位の配列(断片A)および29323位−31323位の配列(断片B)に対応する、Cav2のマンハッタン株のゲノムの左右の末端を、下記のプライマーを用いて、Cav2のマンハッタン株のゲノムDNAから、PCRによって別個に増幅する(APPELら, Am.J.Vet.Res., 34, 543−550, 1973)。
断片A
5’−TTGGCGCGCCCATCATCAATAATATACAGGAC−3’(SEQ ID NO:1)
5’−GCTCTAGACCTGCCCAAACATTTAACC−3’ (SEQ ID NO:2)
断片B
5’−TTGGCGCGCCCATCATCAATAATATACAGGAC−3’(SEQ ID NO:1)
5’−GCTCTAGAGGGTGATTATTAACAACGTC−3’ (SEQ ID NO:3)
【0065】
得られた断片AおよびBを、プラスミドpCR2.1(TA Cloning System、INVITROGEN)内で別個にクローニングして、それぞれpCR2.1/左ITRプラスミドとpCR2.1/右ITRプラスミドを得る。pCR2.1/左ITRプラスミドを、BamHIおよびXbaIによって消化し、このようにして生じた1111bpの断片を、pPolyII AmpRプラスミド(GenBank M18128, LATHEら, Gene, 57, 193−201, 1987)のBamHI部位とXbaI部位の間でクローニングして、pPolyII/左ITRと称するプラスミドを得る。pCR2.1/右ITRプラスミドを、BamHIによって切断し、Klenowのポリメラーゼで処理した後に、XbaIによって切断し、このようにして生じた2052bpの断片を、pPolyII/左ITRプラスミドのXbaI部位とPvuII部位の間でクローニングして、pPolyII・ITRs・Cav2プラスミドを得る。このプラスミドは、1066位にXbaI部位を含む3073bpのAscI−AscI断片の形でクローニングされた、Cav2のマンハッタン株のゲノムの左右の末端を含んでおり、XbaI部位によって、DNA挿入部位でのプラスミドの線状化が可能になる。
【0066】
Cav2のマンハッタン株のゲノムDNA、およびXbaI部位で線状化したpPolyII・ITRs・Cav2のDNAを、大腸菌BJ5183 recBC sbcBC株内で共形質転換する(HANAHANら, J.Mol.Biol., 166, 557−580, 1983)。pCav2と称する33425bpの組換えプラスミドを、アンピシリン耐性コロニーから単離する。
【0067】
pCav2プラスミドは、このプラスミドの中で他にない二つのAscI部位を伴う31331bpの断片の形でクローニングされた、Cav2の完全なゲノム(マンハッタン株)を含んでいるが、これらの部位は、Cav2のゲノム(マンハッタン株およびトロント株)およびウシアデノウイルスつまりOAV株のゲノムの中にはない。
【0068】
b)シャトルプラスミド
【0069】
1)pNavette/311−439.CMVeGFP
【0070】
6111bpのこのプラスミドは、GFPレポーター遺伝子の発現カセットの両側に、欠失部分である312−438の上流および下流(UpRecSeq1−311およびDownRecSeq439−1060)のCav2の配列を挿入することによって、プラスミドpBluescript KS(STRATAGENE)から得られる。
【0071】
このプラスミドは、下記から成る過程によって構築した。
【0072】
1°)Cav2の1位から311位の配列(UpRecSeq)に対応する断片Cを、下記のプライマーを用いてPCRによって増幅する。
5’−TTGGCGCCCATCATCAATAATATACAGGAC−3’(SEQ ID NO:1)
5’−CCGACGTCGACCATAAACTTTGACATTAGCCG−3’(SEQ ID NO:4)
【0073】
PCR増幅産物を、プラスミドpCR2.1内でクローニングし、プラスミドpCR2.1/UpRecSeq(1−311)を得る。
【0074】
2°)Cav2の439位から1060位の配列(DownRecSeq)に対応する断片Dを、下記のプライマーを用いてPCRによって増幅する。
5’−GCTCTAGAGCGAAGATCTCCAACAGCAATACACTCTTG−3’(SEQ ID NO:5)
5’−GCTCTAGACCTGCCCAAACATTTAACC−3’ (SEQ ID NO:2)
【0075】
PCR増幅産物を、プラスミドpCR2.1内でクローニングして、プラスミドpCR2.1/DownRecSeq(439−1060)を得る。
【0076】
3°)約2050bpの断片Eは、サイトメガロウイルスの初期プロモーター、イントロン、eGFP(enhanced Green Fluorescent Protein)のコード配列ならびにポリアデニル化シグナルを含むものであり、下記の過程によって得た。
【0077】
プラスミドpEGFP−1(CLONTECH)を、BamHIによって切断し、Klenowのポリメラーゼで処理した後にNotIによって消化し、このようにして得られた741bpの断片を、プラスミドpCI(PROMEGA)のXhoI部位(Klenowのポリメラーゼで処理してあらかじめ修復)とNotI部位との間でクローニングし、プラスミドpCMVeGFPを得る。
【0078】
つぎにプラスミドpCMVeGFPを、BglIIによって切断し、Klenowのポリメラーゼで処理した後にBamHIによって消化して、2050bpの断片(断片E)を得る。
【0079】
4°)断片Eを、プラスミドpBLUESCRIPT KSのSmaI部位とBamHI部位との間に挿入して、プラスミドpKS/CMVeGFPを得る。プラスミドpCR2.1/UpRecSeq(1−311)を、KpnIおよびSalIによって切断し、このようにして得られた371bpの断片(断片C)を、プラスミドpKS/CMVeGFPのKpnI部位とSalI部位との間でクローニングして、プラスミドpKS/CMVeGFP−Cを得る。プラスミドpCR2.1/DownRecSeq(439−1060)を、XbaIによって切断し、このようにして得られた650bpの断片(断片D)を、プラスミドpKS/CMVeGFP−CのXbaI部位に挿入して、pNavette311−439/CMVeGFPと称するプラスミドを得る。
【0080】
2)pNavette311−401/CMVeGFP
【0081】
シャトルプラスミドpNavette311−401/CMVeGFPを、下記の過程にしたがって、プラスミドpNavette311−439/CMVeGFPから構築した。
【0082】
配列401−1060(DownRecSeq)を、下記のプライマーを用いてPCRによって増幅する。
5’−GATAAGGATCACGCGGCCTTAAATTCTCAG−3’(SEQ ID NO:6)
5’−GCTCTAGACCTGCCCAAACATTTAACC−3’ (SEQ ID NO:2)
【0083】
PCR増幅産物を、プラスミドpCR2.1内でクローニングして、プラスミドpCR2.1/DownRecSeq(401−1060)を得る。
【0084】
このプラスミドpCR2.1/DownRecSeq(401−1060)を、EcoRIによって消化した後にKlenowのポリメラーゼで処理し、このようにして得られた断片401−1060を、あらかじめXbaIによって消化した後にKlenowのポリメラーゼで処理したプラスミドpNavette311−439/CMVeGFPの断片439−1060で置換して、プラスミドpNavette311−401/CMVeGFPを得る。
【0085】
3)pNavette311−319/CMVeGFP
【0086】
シャトルプラスミドpNavette311−319/CMVeGFPを、下記の過程にしたがって、プラスミドpNavette311−439/CMVeGFPから構築した。
【0087】
配列319−1060(DownRecSeq)を、下記のプライマーを用いてPCRによって増幅する。
5’−GATAAGGATCAACAGAAACACTCTGTTCTCTG−3’(SEQ ID NO:7)
5’−GCTCTAGACCTGCCCAAACATTTAACC−3’ (SEQ ID NO:2)
【0088】
PCR増幅産物を、プラスミドpCR2.1内でクローニングして、プラスミドpCR2.1/DownRecSeq(319−1060)を得る。
【0089】
このプラスミドpCR2.1/DownRecSeq(319−1060)を、EcoRIによって消化した後にKlenowのポリメラーゼで処理し、このようにして得られた断片319−1060を、あらかじめXbaIによって消化した後にKlenowのポリメラーゼで処理したプラスミドpNavette311−439/CMVeGFPの断片439−1060で置換して、プラスミドpNavette311−319/CMVeGFPを得る。
【0090】
4)シャトルプラスミドpNavette311−439/CMVeGFP/Kana
【0091】
7027bpのこのプラスミドは、GFPのカセットの方向と反対の方向のカナマイシン耐性遺伝子の発現カセットのPmeI部位でのクローニングによってプラスミドpNavette311−439/CMVeGFPから得られるものであり、下記の過程によって得られた。
【0092】
Kana遺伝子のコード領域を、下記のプライマーを用いて、プラスミドpET−29a(+)(NOVAGEN)からPCRによって増幅する。
5’−AGCTTTGTTTAAACGGCGCGCCGGGATTTTGGTCATGAAC−3’(SEQ ID NO:8)
5’−CCGGCGCGCCGTTTAAACAAAGCTATCCGCTCATGAA−3’ (SEQ ID NO:9)
【0093】
PCR増幅産物を、プラスミドpCR2.1内でクローニングして、プラスミドpCR2.1−Kana/PmeIを得る。プラスミドpCR2.1−Kana/PmeIを、EcoRIによって切断し、Klenowのポリメラーゼによって処理し、Kana遺伝子のコード領域を含む約959bpの断片を、プラスミドpNavette311−439/CMVeGFPのEcoRV部位に挿入して、プラスミドpNavette311−439/CMVeGFP/Kanaを得る。
【0094】
図2に示したこのプラスミドpNavette311−439/CMVeGFP/Kanaは、挿入する異種配列の上流に、組換えの対象であるアデノウイルス配列の間でクローニングした、抗生物質耐性遺伝子を含んでおり、有利には、アンピシリンとカナマイシンの両方に耐性のある組換え体の選択を可能にする。さらに、2つのPmeI部位での消化によって次に組換えプラスミドから削除されるKana遺伝子は、このプラスミドから生じた組換えアデノウイルスの配列にはない。
【0095】
5)シャトルプラスミドpPoly II 311−439/CMVeGFP/Kana(図2)
【0096】
6332bpのこのプラスミドを、図2に示したごとく、プラスミドpPoly IIのKpnI部位(42位)とPvuII部位(63位)との間での、pNavette311−439/CMVeGFPの4292bpのKpnI−PvuII断片のクローニングによって得た。
【0097】
c)プラスミドpCav311−439/CMVeGFP
【0098】
このプラスミドを、それぞれ図3と図4に図示した、下記の2つの選択肢c1およびc2にしたがって、大腸菌BJ5183株における相同組換えによって得た。
【0099】
1)環状のプラスミドpCav2によるpNavette311−439/CMVeGFP・Kanaの組み換え(図3)
【0100】
1)上流の組換え配列(UpRecSeq1−311)および下流の組換え配列(DownRecSeq439−1060)ならびにCMVeGFPのカセットおよびKanaのカセットを含むドナー分子を、制限酵素KpnIおよびEcoRVでの消化によって、プラスミドpNavette311−439/CMVeGFP・Kanaから調製する。
【0101】
2)1)で得られた断片と環状のプラスミドpCav2(AmpR)を、大腸菌BJ5183株内で共形質転換する。
【0102】
3)そして、これらの組換えプラスミドを、アンピシリンおよびカナマイシンに対する二重の耐性に基づいて単離する。それらのうちの一つの配列である、pCav311−439/CMVeGFP・Kanaを、酵素の制限とシーケンシングによって確認する。
【0103】
4)Kanaカセットを次に、GFPの発現カセットによって置換される配列312−438が欠失したCav2ゲノムを含む、プラスミドpCav311−439/CMVeGFPを得るように、制限酵素PmeIでの消化によって削除する。
【0104】
2)挿入部位の外側であらかじめ線状化したプラスミドpCav2によるpPolyII 311−439/CMVeGFP・Kanaの組換え(図4)
【0105】
1)ドナー分子を、制限酵素SwaIでの消化によってプラスミドpPolyII 311−439/CMVeGFP・Kanaから調製する。
【0106】
2)プラスミドpCav2を、PvuI部位での切断によって線状化する。
【0107】
3)1)で得られた断片と2)で得られた線状化したプラスミドpCav2を、大腸菌BJ5183株内で共形質転換する。
【0108】
4)そして、これらの組換えプラスミドを、アンピシリンおよびカナマイシンに対する二重の耐性に基づいて単離する。それらのうちの一つの配列である、pCav311−439/CMVeGFP・Kanaを、酵素の制限とシーケンシングによって確認する。
【0109】
5)Kanaカセットを次に、GFPの発現カセットによって置換される312−438位の配列が欠失したCav2ゲノムを含む、プラスミドpCav311−439/CMVeGFPを得るように、制限酵素PmeIでの消化によって削除する。
【0110】
d)プラスミドpCav311−401/CMVeGFP
【0111】
プラスミドpNavette311−401/CMVeGFPを、KpnIおよびSwaIによって消化し、このようにして得られた3167bpの断片と、PmeI部位で線状化したプラスミドpCav311−439 CMVeGFPを、大腸菌BJ5185株内で共形質転換する。相同組換えによって生じた組換えプラスミドpCav311−401 CMVeGFPを、アンピシリンおよびカナマイシンに対する二重の耐性に基づいて選択する。
【0112】
e)プラスミドpCav311−319/CMVeGFP
【0113】
プラスミドpNavette311−319/CMVeGFPを、KpnIおよびSwaIによって消化し、このようにして得られた3249bpの断片と、PmeI部位で線状化したプラスミドpCav311−439 CMVeGFPを、大腸菌BJ5185株内で共形質転換する。相同組換えによって生じた組換えプラスミドpCav311−319 CMVeGFPを、アンピシリンおよびカナマイシンに対する二重の耐性に基づいて選択する。
【0114】
2)組換えウイルスの産生
【0115】
プラスミドpCav311−439/CMVeGFP、pCav311−401/CMVeGFPまたはpCav311−319/CMVeGFPを、組換えアデノウイルスのゲノム配列を削除するために制限酵素AscIによって消化する。削除されたアデノウイルスゲノムを、次に、当業者にはそれ自体周知の通常の技術(例えば、前掲のGRAHAMおよびPREVECを参照)にしたがって、リポフェクタミン(GIBCO)の存在の下で、Cav2のE1領域を構成的に発現するイヌの細胞株DK/E1−28内にトランスフェクションする(前掲のKLONJKOWSKIら, Human Gene Therapy)。細胞変性効果が認められたら、トランスフェクションした細胞からウイルスを回収し、ついで同じ細胞株DK/E1−28内で増幅し、例えば前掲のGRAHAMおよびPREVECに記載のような従来の手順にしたがって、塩化セシウム勾配遠心法によって精製する。
【0116】
ウイルスCav311−439/CMVeGFP、Cav311−401/CMVeGFPならびにCav311−319/CMVeGFPのゲノム配列を、酵素の制限によって、そして、HIRT法(J.Mol.Biol., 26, 365−369, 1967)により調製した感染細胞DK/E1−28から抽出したウイルスDNAの部分シーケンシングによって、確認した。組換えCavウイルスの調製物を、SPEARMANおよびKARBERの方法にしたがって、96ウェルプレート内で限界希釈によって滴定した(Virology Methods Manual, Brian W J Mathy and Hillar O Kangro, 1996, Academic Press, Harcourt Brace & Company)。この方法で得られるTCID50/mlの力価は、前掲のKLONJKOWSKI他に記載の手順にしたがって、DK細胞でプラーク法によって得られるpfu/mlの力価と同等である。
【0117】
得られた結果は次の通りである:
・単離したウイルスCav311−439/CMVeGFP、Cav311−401/CMVeGFPならびにCav311−319/CMVeGFPの制限酵素のプロフィールと配列は、所期のものと合致している、
・精製したウイルスCav311−439/CMVeGFP、Cav311−401/CMVeGFPならびにCav311−319/CMVeGFPの力価は、約109.2pfu/mlである。
【実施例2】
【0118】
実施例2:組換えウイルスCAV311−439の解析
【0119】
1)ネコおよびイヌの細胞へのCav311−439 CMVeGFPの形質導入効率と細胞変性効果の分析
【0120】
イヌの細胞株(DK/E1−28とDK)およびネコの細胞株(CRFK)を、細胞当たり10pfuの感染多重度で、ウイルスCav311−439 CMVeGFPに感染させた。非感染細胞と野生型Cavウイルス(Cav2)に感染させた細胞とをコントロールとして用いた。
【0121】
感染から3日と5日後、細胞変性効果(CPE)の存在を、光学顕微鏡で感染細胞を観察することにより分析した。さらに、ウイルスCav311−439 CMVeGFPに感染させた細胞内の導入遺伝子の発現を、蛍光顕微鏡によるGFPの検出によって確認した。
【0122】
この実験の結果を、下記の表Iおよび表IIに示した。
【0123】
【表1】

【0124】
【表2】

【0125】
これらの結果が示すところは、
・導入遺伝子の高い発現レベルが、ウイルスCav311−439 CMVeGFPに感染させた細胞で認められること、
・変更されていないイヌの細胞(DK細胞)またはこのウイルスCav311−439/CMVeGFPに感染させたネコの細胞では細胞変性効果がいっさい認められなかったのに対して、E1領域を発現する、このウイルスCav311−439/CMVeGFPに感染させたイヌの細胞にのみ大きな細胞変性効果が認められたこと、
・コントロールにおいて、野生型Cav(Cav2)に感染させたイヌの細胞(DKとDK/E1−28)では大きな細胞変性効果が認められたのに対して、Cav2に感染させたネコの細胞では細胞変性効果がいっさい認められないこと、である。
【0126】
これらの実験結果が示すように、ウイルスCav311−439は、野生型イヌアデノウイルスの複製を許容するイヌの細胞、ならびにネコの細胞において、細胞変性効果を誘導することなしに細胞をきわめて効率的に形質導入することができる。
【0127】
2)ネコおよびイヌの細胞におけるCav311−439 CMVeGFPの複製の分析
【0128】
イヌの細胞株(DK/E1−28とDK)またはネコの細胞株(CRFK)を、細胞当たり10pfuの感染多重度で、ウイルスCav311−439 CMVeGFPに感染させた。非感染細胞と野生型Cavウイルスに感染させた細胞とをコントロールとして用いた。
【0129】
感染から2時間、24時間、48時間および72時間後に、細胞を回収し、遠心分離した。細胞内ウイルスDNAをHIRT法(J. Mol. Biol., 26, 365−369, 1967)にしたがって調製し、EcoRI酵素によって消化し、ついで電気泳動した後にアガロースゲル上に視覚化した。
【0130】
結果を、図5に示した。
【0131】
図5は、アデノウイルスCav311−439.CMVeGFPに感染させた後に異なる時間(2時間、24時間、48時間および72時間)でネコの細胞(CRFK)またはイヌの細胞(DK、DK/E1−28)から抽出したウイルスDNAを、EcoRIによって消化し、アガロースゲルで分析したものを示している。該アデノウイルスのE1領域を発現するDK/E1−28株を、複製のポジティブコントロールとして用いた。
【0132】
これらの結果が示すところは、
・ウイルスCav311−439 CMVeGFPが、試験したイヌおよびネコの株内でそのゲノムを複製すること、
・複製レベルが、ネコの細胞内よりもイヌの細胞内での方が高いこと、
・複製のピークに達するのが、DK/E1−28細胞内が24時間後、DK細胞内が48時間後であり、おそらくDK/E1−28細胞内のE1領域の細胞による発現がその理由であること、である。
【0133】
比較として、野生型Cavウイルスに感染させたコントロールの細胞において、3つの細胞株内に同様な量のゲノムDNAが認められる。
【0134】
この実験の結果が示すように、311−439の欠失はイヌのアデノウイルスの複製に影響するものではなく、この欠失を有するベクター(Cav311−439 CMVeGFP)は、イヌまたはネコの細胞内のそのゲノムの複製に関して野生型アデノウイルスのように機能する。
【0135】
3)ウイルスCav311−439・CMVeGFPに感染させたイヌの細胞におけるウイルス粒子の産生の分析
【0136】
イヌの細胞株(DK)を、それぞれ細胞当たり0.1pfu、1pfuならびに10pfuの感染多重度で、ベクターCav311−439 CMVeGFPに感染させた。非感染細胞と野生型のウイルスCavに感染させた細胞とをコントロールとして用いた。
【0137】
感染細胞を、感染から2時間と6日後に回収し、冷凍と解凍を数サイクル繰り返して溶解した。細胞溶解物は、前掲の限界希釈法で滴定した。
【0138】
細胞内に存在するウイルスの量を、pfu/mlで表し、下記の表IIIに示した。
【0139】
【表3】

【0140】
これらの結果から分かるように、ウイルスCav311−439は、DK細胞のようなE1領域を発現しないイヌの細胞内で感染ウイルス粒子を産生せず、Cav311−439のウイルスサイクルは、イヌの細胞内では途中で止まる。
【0141】
4)ウイルスCav311−439による通常のネコへのワクチン接種
【0142】
次の用量のCav311−439を複数の区のネコに筋肉内接種した。
1区(n=2):9.6×107pfu
2区(n=2):9.6×106pfu
3区(n=2):コントロール
【0143】
第14日、第21日ならびに第31日に、抗eGFP血清抗体をELISAによって滴定した。
【0144】
結果を、図6に示した。
【0145】
図6は、ウイルスCav311−439・CMVeGFPを以下の異なる用量で接種した後の日数第7日、第14日、第21日ならびに第31日のネコにおける抗eGFP血清抗体の力価(Ac)を示している:−■−9.6×107pfu/ml(pfu:プラーク形成単位)、―▲―9.6×107pfu/ml、・・・□・・・9.6×106pfu/ml、・・・○・・・9.6×106pfu/ml。
【0146】
これらの結果が示すように、Cav311−439を1回注射するだけで、関心のある遺伝子に特異的な(体液性)免疫応答をネコにおいて誘導することができる。
【実施例3】
【0147】
実施例3:CAV2のE1領域を構成的に発現するイヌ由来の株の構築
【0148】
E1領域を発現する新規な株を、下記の過程にしたがって、DK株(イヌの腎臓細胞の不死化した株、ATCC CRL6247)から構築した。
【0149】
Cav2の439位から3595位の配列(マンハッタン株)を、下記のプライマーを用いてPCRによって増幅する。
5’−CGGCCGACTCTTGAGTGCGCAGCGAGA−3’(SEQ ID NO:10)
5’−GGCGCGCCGAGAGACAACGCTGGACACGG−3’(SEQ ID NO:11)
【0150】
PCR増幅産物を、プラスミドpCR2.1内でクローニングして、プラスミドpCR2.1/E1を得る。
【0151】
プラスミドpTRE(CLONTECH)をBamHIによって消化し、Klenowのポリメラーゼによって処理し、さらに再び環状化して、プラスミドpTRE/dl BamHIを得る。
【0152】
プラスミドpCR2.1/E1をEcoRIによって消化し、このようにして得られた3187bpの断片を、プラスミドpTRE/dl BamHIのEcoRI部位でクローニングして、プラスミドpTRE E1 Cav2を得る。
【0153】
このプラスミドpTRE E1 Cav2は、最小のCMVプロモーターとTet応答配列(Tet−Responsive ElementすなわちTRE)オペロンによる制御下のE1Aタンパク質のコード配列、それら自身のプロモーターの制御下のE1Bタンパク質のコード配列(133Rと438R;SHIBATAら,Virology, 172, 460−467, 1989)、ならびにこれらの配列の固有のポリアデニル化シグナルを含んでいる。
【0154】
pTRE E1 Cav2から、DK/E1−28株(前掲のKLONJKOWSKIら)と同様な方法でE1領域を発現する株が得られた。
【0155】
より正確には、AatII部位で線状化したプラスミドpTRE E1 Cav2とAseI部位で線状化したプラスミドpTK−Hyg(CLONTECH)とを用いて、DK細胞をコトランスフェクションした。クローンをハイグロマイシン(150μg/ml)の存在の下で選択し、ついでサザンブロット、ノーザンブロット、RT−PCRならびにウェスタンブロットによって分析した。本発明による欠失したベクターを効果的に産生することのできる、E1領域(E1AおよびE1B)を発現する4つのクローンを単離した。
【実施例4】
【0156】
実施例4:ウイルスCav311−319によるマウスへの免疫付与
【0157】
108pfuの用量の下記のウイルスを、三区に分けたマウスに筋肉内接種した。
1区(n=4):Cav311−319 eGFP
2区(n=4):Cav311−319 CONTROL
3区(n=1):非接種であるコントロール
【0158】
ウイルスCav311−319 CONTROLは、挿入した異種遺伝子を除いて(GFPコード遺伝子の代わりに、GFPと抗原の類縁関係のないタンパク質をコードする異種遺伝子を挿入)、ウイルスCav311−319eGFPと同質遺伝子である。
【0159】
第7日に、接種したマウスによって産生された抗eGFP血清抗体をElisaによって滴定した。
【0160】
結果を、図7に示した。
【0161】
図7は、eGFP区(◆)、CONTROL区(■)ならびにコントロール区(▲)のマウス血清の異なる希釈度(1から8は、それぞれ1/5、1/15、1/45、1/135、1/405、1/1215、1/3645および1/10935)における405nmでのODを示している。
【0162】
これらの結果が示すように、Cav311−319を1回注射するだけで、このアデノウイルス内に挿入された異種遺伝子に特異的な(体液性)免疫応答をマウスにおいて誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0163】
【図1】イヌアデノウイルス2型(Cav2)のゲノムの完全な配列を含むプラスミドpCav2の構築過程を示した図。
【図2】pPoly II 311−439/CMVeGFP/Kanaの構築過程を示した図。
【図3】pCav311−439/CMVeGFPの構築過程を示した図。
【図4】pCav311−439/CMVeGFPの構築過程を示した図。
【図5】各細胞から抽出したウイルスDNAの断片を示した図。
【図6】各個体の抗eGFP血清抗体の力価(Ac)を示したグラフ。
【図7】各区の光学濃度を示したグラフ。
【配列表】





【特許請求の範囲】
【請求項1】
複製アデノウイルスから得ることのできる組換えアデノウイルスであって、イヌアデノウイルス2型のゲノム(GenBank J04368)の311位と499位との間に位置する領域に対応する前記複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部を欠失させることによって得ることができるものであり、前記欠失がイヌアデノウイルス2型のゲノムの311位と401位との間に位置する領域に対応する元の複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部を含むことを特徴とする、組換えアデノウイルス。
【請求項2】
欠失部分が、イヌアデノウイルス2型のゲノムの311位と319位との間に位置する領域に対応する、元の複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部によって構成されることを特徴とする、請求項1に記載の組換えアデノウイルス。
【請求項3】
欠失部分が、イヌアデノウイルス2型のゲノムの318位と401位との間に位置する領域に対応する、元の複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組換えアデノウイルス。
【請求項4】
欠失部分が、さらに、
・イヌアデノウイルス2型のゲノムの311位と319位との間に位置する領域に対応する、元の複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部、および/または
・イヌアデノウイルス2型のゲノムの400位と439位との間に位置する領域に対応する、元の複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部、および/または
・イヌアデノウイルス2型のゲノムの438位と499位との間に位置する領域に対応する元の複製型アデノウイルスのゲノム領域の全体または一部、
を含むことを特徴とする、請求項3に記載の組換えアデノウイルス。
【請求項5】
さらにそのゲノム内に挿入された関心のある異種配列を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一つに記載の組換えアデノウイルス。
【請求項6】
前記異種配列が、イヌアデノウイルス2型のゲノムの311位と319位との間に位置する領域に対応するゲノム領域に挿入されることを特徴とする、請求項5に記載の組換えアデノウイルス。
【請求項7】
イヌアデノウイルス2型に由来するものであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一つに記載の組換えアデノウイルス。
【請求項8】
核酸分子であって、
a)請求項1から7のいずれか一つに記載の組換えアデノウイルスのゲノムに相当する核酸分子、および
b)欠失部分の上流に位置する元の複製型アデノウイルスの配列を10と1000bpの間、好適には少なくとも300bp有し、また欠失部分の下流に位置する元の複製型アデノウイルスの配列を10と5000bpの間、好適には10と1000bpの間、さらに好適には少なくとも300bp有する、上述のa)の分子の断片によって構成される核酸分子、
から構成されるグループにおいて選択されることを特徴とする、核酸分子。
【請求項9】
請求項8に記載の核酸分子を含むことを特徴とする、プラスミド。
【請求項10】
医薬品として使用されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一つに記載の組換えアデノウイルス。
【請求項11】
遺伝子治療向けの医薬品の調製のための、請求項1から7のいずれか一つに記載の組換えアデノウイルスの利用。
【請求項12】
癌治療向けの医薬品の調製のための、請求項1から7のいずれか一つに記載の組換えアデノウイルスの利用。
【請求項13】
免疫原組成物またはワクチン組成物の調製のための、請求項1から7のいずれか一つに記載の組換えアデノウイルスの利用。
【請求項14】
前記医薬品または前記組成物が、家畜のまたは野生の肉食動物に投与されるためのものであることを特徴とする、請求項11から13のいずれか一つに記載の組換えアデノウイルスの利用。
【請求項15】
前記医薬品または前記組成物が、ヒトに投与されるためのものであることを特徴とする、請求項11から13のいずれか一つに記載の組換えアデノウイルスの利用。
【請求項16】
原核細胞における相同分子間組換えによる組換えアデノウイルスの調製方法であって、
α)(i)アデノウイルスのゲノムおよび第一の選択遺伝子を含むプラスミド;および(ii)前記プラスミドにおける挿入を実施する部位が伴う配列と相同の配列を伴った異種配列を含み、さらに第一のものとは異なる第二の選択遺伝子を含んだ、あらかじめ線状化されたDNA断片;を、前記原核細胞内へ導入する過程と、
β)第一および第二の選択遺伝子を発現する組換えプラスミドを含む細胞の作成と選択を可能にするために、選択的条件で前記原核細胞を培養する過程と、
γ)選択した原核細胞から、前記組換えアデノウイルスのゲノムを単離する過程、
とから成ることを特徴とする、組換えアデノウイルスの調製方法。
【請求項17】
過程α)で用いられるプラスミドが環状であることを特徴とする、請求項16に記載の組換えアデノウイルスの調製方法。
【請求項18】
過程α)で用いられるプラスミドが、挿入部位の外側に位置する制限部位での切断によってあらかじめ線状化されていることを特徴とする、請求項16に記載の組換えアデノウイルスの調製方法。
【請求項19】
前記第二の選択遺伝子が、過程α)で用いられるプラスミドに含まれたアデノウイルスのゲノム内にはない、同一または異なる、2つの制限部位に囲まれていることを特徴とする、請求項16から18のいずれか一つに記載の組換えアデノウイルスの調製方法。
【請求項20】
細胞株内への前記組換えゲノムのトランスフェクションという追加の過程を含んでおり、該追加の過程により、前記ゲノムの増幅と感染ウイルス粒子内へのそのパッケージングが可能になることを特徴とする、請求項16から19のいずれか一つに記載の組換えアデノウイルスの調製方法。
【請求項21】
組換えタンパク質の産生のための、請求項1から7のいずれか一つに記載の組換えアデノウイルスの利用。


【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−501835(P2006−501835A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542569(P2004−542569)
【出願日】平成15年10月8日(2003.10.8)
【国際出願番号】PCT/FR2003/002964
【国際公開番号】WO2004/033696
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(505129079)アンスティテュ ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシュ アグロノミック (15)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT NATIONAL DE LA RECHERCHE AGRONOMIQUE
【出願人】(505129530)エコール ナショナル ヴェテリネール ダルフォール (1)
【氏名又は名称原語表記】ECOLE NATIONALE VETERINAIRE D’ALFORT
【Fターム(参考)】