説明

組換え抗体をリフォールディングする方法

本発明は全体として、好ましい形態のIgGタンパク質の濃縮または回収の向上をもたらす方法に関する。より詳細には、本発明は、こうした組換えIgGタンパク質の調製物を酸化還元カップリング試薬、および場合によりカオトロピック剤で処理することに関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類細胞によって組換え生産されたIgG抗体の精製調製物を、約5〜約11のpHで、酸化還元カップリング試薬と接触させること;および
場合によりさらに、前記酸化還元カップリング試薬との前記接触の前、後、またはそれと同時に、前記調製物をカオトロピック剤と接触させること:
を含んでなる、IgG抗体調製物を製造する方法。
【請求項2】
前記IgG抗体が、不均一性を示す、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4抗体またはそれらのフラグメントからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記IgG抗体が、RP-HPLCでいくつかの別個の形態として溶出されるIgG2抗体であり、前記方法がRP-HPLCで溶出される形態の数を減少させるか、または前記RP-HPLCでの前記のいくつかの別個の形態の相対分布を変化させる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、RP-HPLCによって決定される前記調製物における前記のいくつかの別個の形態のうち少なくとも1つを優先的に濃縮する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記の優先的に濃縮される形態が、前記方法により処理されなかった調製物と比較して、製薬上望ましい特性を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記IgG抗体が、少なくとも1つの遊離システイン残基を有する組換えIgG1抗体、または、少なくとも1つの遊離システイン残基を有する組換えIgG1抗体のフラグメントである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、前記調製物をカオトロピック剤と接触させることを含まない、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記IgG抗体がIgG4抗体であり、前記方法がIgG4の半分子の形成を減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記酸化還元カップリング試薬のpHが約5〜約10である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記酸化還元カップリング試薬のpHが約7.6〜約9.6である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記酸化還元カップリング試薬のpHが約8.6である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
酸化還元カップリング試薬が還元型グルタチオンおよび酸化型グルタチオンを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
酸化型グルタチオンに対する還元型グルタチオンの比が、約1:1〜約100:1である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
酸化還元カップリング試薬がシステイン/シスチンを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
システイン/シスチンが、約0.1 mM〜約10 mMのシステインを含んでなる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
酸化還元カップリング試薬が、約0.1 mM〜約10 mMのシスチンを含んでなり、外来のシステインを加えない、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
システイン/シスチンが、約1:1〜約10:1のシステイン:シスチン比で存在する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
システイン/シスチンが約6 mMシステインおよび約1 mMシスチンを含んでなる、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
システイン/シスチンが約6 mMシステインおよび約6 mMシスタミンを含んでなる、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記接触ステップが少なくとも30分間行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記接触ステップが約4〜約48時間かけて行われる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記組換えIgG抗体が、前記接触に先立って精製される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記組換えIgG抗体が、前記接触に先立って部分精製される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
接触させた組換えIgG抗体を、第2の酸化還元カップリング試薬を含んでなるもう一つの組成物と接触させることをさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記方法に先立って、培養液中にIgG抗体またはIgG抗体フラグメントを発現および分泌する哺乳類細胞を培養すること;約5〜約11のpHで酸化還元カップリング試薬を添加すること、ならびに、場合により前記細胞からの抗体分泌時にカオトロピック剤を含有すること、を含んでなる方法において、前記IgG抗体が哺乳類細胞の培養液から単離される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
精製が1つまたは複数のクロマトグラフィーステップを含んでなる、請求項1または25に記載の方法。
【請求項27】
組換えIgG抗体の濃度が約1 mg/mL〜約50 mg/mLである、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記接触が、接触させない同じIgG抗体よりも保存において安定なIgG抗体をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記接触が、接触させない同じIgG抗体よりも熱に安定なIgG抗体をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記接触が、接触させない同じIgG抗体と比較して、改善された結晶化特性を有するIgG抗体をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記接触が、接触させない同じIgG抗体集団よりも均一なIgG抗体集団をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記接触が、接触させない同じIgG抗体と比較して、その生物活性が少なくとも2倍増加したIgG抗体をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記酸化還元カップリング試薬との前記接触の前、後、またはそれと同時に、前記IgG抗体をカオトロピック剤とさらに接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記カオトロピック剤が、尿素、アルギニン、SDSおよび塩酸グアニジンからなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記カオトロピック剤が塩酸グアニジンを含んでなる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
塩酸グアニジンの濃度が約0.1 M〜約1.5 Mである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
塩酸グアニジンの濃度が約0.1 M〜約1 Mである、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
塩酸グアニジンの濃度が約0.5 Mである、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
塩酸グアニジンの濃度が約0.9 Mである、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記酸化還元カップリング試薬との前記接触および前記カオトロピック剤との前記のさらなる接触が、接触させない同じIgG抗体と比較して、その生物活性が少なくとも3倍増加したIgG抗体をもたらす、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
前記方法によって製造されるIgG抗体を無菌バルク形態に製剤化することをさらに含んでなる、請求項1または33に記載の方法。
【請求項42】
前記方法によって製造されるIgG抗体を無菌単位剤形に製剤化することをさらに含んでなる、請求項1または33に記載の方法。
【請求項43】
望ましいリフォールディングされたコンフォメーションを有する、接触させたIgG抗体の画分を単離することをさらに含んでなる、請求項1または33に記載の方法。
【請求項44】
前記単離のための手法が、逆相クロマトグラフィーHPLC、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、および電気泳動からなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記単離のための手法がイオン交換クロマトグラフィーである、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記IgG抗体の均一な集団を有する、請求項1または33の方法に従って調製された、IgG抗体の調製物。
【請求項47】
製薬上許容される担体、賦形剤または希釈剤をさらに含んでなる、請求項46に記載の調製物。
【請求項48】
組換えIgG抗体の均一な集団、および製薬上許容される担体、賦形剤または希釈剤を含んでなる、組成物。
【請求項49】
前記組換えIgG抗体がIgG1抗体である、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
前記組換えIgG抗体がIgG2抗体である、請求項48に記載の組成物。
【請求項51】
前記組換えIgG抗体がIgG4抗体である、請求項48に記載の組成物。
【請求項52】
IgGを必要とする被験体を治療する方法であって、前記被験体に、請求項49〜51のいずれか1つに記載のIgGの均一集団の有効量を投与することを含んでなる、前記方法。
【請求項53】
前記投与が、皮下または静脈内投与である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
組換えIgG抗体の製造、製剤化、および/または保存中に、その組換えIgG抗体の品質を検出またはモニターする方法であって、
a)哺乳類細胞によって組換え生産された前記IgGの調製物を、約5〜約11のpHで酸化還元カップリング試薬と接触させ、場合により、前記調製物を、前記酸化還元カップリング試薬との前記接触の前、後またはそれと同時に、カオトロピック剤とさらに接触させること;
b)ステップa)にしたがって処理されたIgG分子をフラグメントに切断すること;ならびに
c)インタクトIgGおよび/またはステップb)から得られたフラグメントを、クロマトグラフィー分析に供し、それによって前記IgG分子の品質を検出またはモニターすること、
を含んでなる前記方法。
【請求項55】
前記IgG抗体はIgG1抗体であり、前記の特性のモニタリングは前記IgG1抗体の遊離の、すなわち対をなさないシステインの状態をモニターすることを含んでなる、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記IgG抗体はIgG2抗体であり、前記の品質のモニタリングは、調製物の不均一性を測定するために前記IgG2の形態の数をモニターすることを含んでなる、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記IgG分子がIgG4分子であり、前記の品質のモニタリングは、IgG4の半分子の存在をモニターすることを含んでなる、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
クロマトグラフィーがLC/MS分析を含んでなる、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
検出またはモニタリングが、IgG分子の精製ステップの間に行われ、この精製がカラムクロマトグラフィーを含んでなる、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
組換えIgG抗体またはIgG抗体フラグメントを製造する方法であって:
哺乳類細胞によって組換え生産されたIgG抗体もしくはIgG抗体フラグメントを、約5〜約11のpHで酸化還元カップリング試薬と接触させること;ならびに、場合により、
前記IgG抗体またはIgG抗体フラグメントを、前記酸化還元カップリング試薬との前記接触の前、後またはそれと同時に、カオトロピック剤とさらに接触させること、
を含んでなる前記方法。
【請求項61】
前記方法に先立って、培養液中にIgG抗体またはIgG抗体フラグメントを発現および分泌する哺乳類細胞を培養すること;約5〜約11のpHで酸化還元カップリング試薬を添加すること、ならびに、場合により、前記細胞からの抗体の分泌の際にカオトロピック剤を含有すること、を含んでなる方法において、前記IgG抗体またはIgG抗体フラグメントが哺乳類細胞の培養液から単離される、請求項61に記載の方法。
【請求項62】
前記組換えIgG抗体がIgG1抗体である、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記組換えIgG抗体がIgG2抗体である、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記組換えIgG抗体がIgG4抗体である、請求項60に記載の方法。
【請求項65】
請求項1または60に記載の方法を実施すること、および前記組換えIgG抗体の結晶化型を調製すること、を含んでなる、インタクト組換えIgG抗体の結晶化型を調製する方法。
【請求項66】
前記抗体を結晶化するのに先立って、請求項1または60に記載の方法によって調製された組換えIgG抗体を単離することをさらに含んでなる、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記組換えIgG抗体はクロマトグラフィーカラムの固定相に結合されており、酸化還元試薬およびカオトロピック剤は移動相の一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項68】
前記酸化還元カップリング試薬が酵素である、請求項1に記載の方法。
【請求項69】
前記酸化還元カップリング試薬が、二価金属イオンおよび酸素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項70】
IgG抗体調製物を製造する方法であって、
哺乳類細胞によって組換え生産されたIgG抗体の単離された調製物を、約5〜約11のpHで酸化還元カップリング試薬と接触させること;および、
場合により、前記酸化還元カップリング試薬との前記接触の前、後またはそれと同時に、前記調製物を高圧による変性にさらに供すること、
を含んでなる前記方法。
【請求項71】
IgG抗体またはそのフラグメントを製造する方法であって:
培養液中にIgG抗体またはIgG抗体フラグメントを発現および分泌する哺乳類細胞を培養すること;
約5〜約11のpHで酸化還元カップリング試薬を加え、さらに場合により、前記細胞からの抗体分泌の際にカオトロピック剤を含有すること;ならびに
それによって、前記酸化還元カップリング試薬および場合によりカオトロピック剤に曝露されなかったIgG抗体またはそのフラグメントと比較して、改善された医薬品特性および結晶化特性を有するIgG抗体またはそのフラグメントを製造すること、
を含んでなる前記方法。
【請求項72】
組換えIgG抗体または組換えIgG抗体フラグメントを作製する、哺乳類細胞に基づく方法において:
その改善が、約5〜約11のpHで酸化還元カップリング試薬を前記IgG抗体または前記IgG抗体フラグメントの製造のために使用される培養液に添加すること;ならびに、
場合により、前記IgG抗体または前記IgG抗体フラグメントの前記培養液中への分泌の際に、カオトロピック剤を添加すること、
を含んでなる前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【公表番号】特表2008−520190(P2008−520190A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538098(P2007−538098)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/038045
【国際公開番号】WO2006/047340
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(391022430)アムジェン インコーポレーテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】AMGEN INC.
【Fターム(参考)】