説明

組立式立体構築物

【課題】部品点数及び組立工数の低減など。
【解決手段】組立式立体構築物は、複数の支柱2、4、6と、梁部材8及び10とを備えている。空間部Sを形成する4つの梁部材の組の各々において、複数の支持部材50が空間部Sに延び出すよう配設され、該組の上面及び支持部材50の各々の上面には、床部材60が空間部Sを覆うよう配設される。支柱2、4、6、梁部材8及び10の各々の上面には樋が該上面に沿って格子状に配設される。床部材60の各々の張出板部材62の垂下部62bは、樋70の上方に位置付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば立体駐車場、屋上を駐車場として利用できる大型店舗、屋上を有する建物、倉庫、機材置場、などに広く適用できる組立式立体構築物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、それぞれ支柱を含む複数の組立要素と、相互に隣り合う組立要素の支柱の上端部間に分離自在に連結される梁部材と、相互に間隔をおいて平行に対向する梁部材間に分離自在に配設される他の梁部材とを備えた組立式立体構築物が開示されている。この組立式立体構築物において、支柱の各々の上端面及び梁部材の各々の上面は共通の水平面上に位置付けられている。梁部材の各々は平面から見て格子状に配列されている。梁部材の各々間には平面から見て矩形状に区画された複数の空間部が形成され、空間部の各々は、相互に間隔をおいて平行に対向する4つの梁部材の組によって形成されている。
【0003】
空間部の各々を形成する4つの梁部材の組には、平面から見て、ほぼ対角線上を延在しかつ相互にX形に交叉して延在するように水平ブレース部材が配設される。各空間部において、水平ブレース部材の各々は、組立要素に配設された、相互にほぼ対角線上に対向する2対のブラケット間に分離自在に配設される。水平ブレース部材の各々には、例えばターンバックル等の長さ調整手段が備えられている。
【0004】
該梁部材の組の各々の上面には、それぞれ矩形状をなす床部材が相互に水平方向に隙間をおいて空間部を上から覆うよう配設されている。床部材の各々は、鉄筋が埋設されたコンクリートから形成されかつ、同一平面上に位置付けられた下面周縁部と、下面周縁部に囲まれかつ下面周縁部の下面よりも下方に突出するよう形成された下面内側領域部とを備えている。床部材の各々における下面周縁部と下面内側領域部との境界には、段部が、ほぼ矩形の環状をなすよう連続して延在するように形成されている。床部材の各々は、下面周縁部を介して、対応する空間部を形成する該梁部材の組の上面に載置され、床部材の各々の段部と、対応する空間部を形成する該梁部材の組の内側縁との間にはそれぞれ隙間が形成されている。隙間の各々は、床部材の各々が水平方向に移動した際、段部の一部が、該梁部材の組において該段部の一部に対向する内側縁に当接してその移動が阻止されて、対応する空間部から落下しないで該梁部材の組の上面上に保持されるよう規定されている。
【0005】
梁部材の各々は、ウェブと上下一対のフランジとからなるH鋼から形成されている。床部材の各々の、下面内側領域部であって、各辺に対応する下面周縁部の近傍位置には、内周面に雌ねじが形成されたナット部材が、それぞれ少なくとも1個埋設されている。ナット部材の各々の一端は下面内側領域部に開口している。床部材の各々が各々の下面周縁部を介して、対応する空間部を形成する梁部材の組の上面に載置された状態において、床部材の各々の下面内側領域部であって、ナット部材の各々が形成された部位には、押さえ板部材が、ボルトによってナット部材にねじ係合されることにより分離自在に締結され、押さえ板部材の各々の先端部の上面は、対応する梁部材の上側のフランジの下面に圧接される。
【0006】
空間部の各々を形成する該梁部材の組の各々の上面に、それぞれ矩形状をなす床部材が相互に水平方向に隙間をおいて載置されることにより、全体として、平面から見て実質上矩形状をなす床部が形成される。そして、相互に隣接する床部材の各々間に形成される隙間にコーキング材が充填され、コーキング材の上面は床部材の各々の上面よりも低く形成され、コーキング材の上面と相互に対向する床部材の側面間に排水溝が形成される。
【特許文献1】特開2002−194814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記組立式立体構築物においては、空間部の各々を形成する4つの梁部材の組には、所要の強度を確保するために、X形に交叉する水平ブレース部材及び相互にほぼ対角線上に対向する2対のブラケットを配設する必要がある。水平ブレース部材の各々には、例えばターンバックル等の長さ調整手段を設ける必要がある。そして、床部材の各々の組付けに、独立した部材である複数の押さえ板部材が使用される。その結果、部品点数が多く、組立工数も多いので、設置作業及び分離撤去作業の迅速化、設置及び分離撤去期間の短縮、トータルコストの低減、といった面で更なる改善が求められる。また、床部材は、その段部と、対応する空間部を形成する梁部材の組の内側縁との間に隙間が形成されるよう、該梁部材の組の上面に載置するだけでほぼ取付位置に位置付けられるが、最終的な取付位置の位置決め(位置の調整作業)が困難である。換言すれば、床部材の各々において相互に対向する側面同士の隙間を平行にかつ一定に確保する調整作業が困難である。更にはまた、相互に隣接する床部材の各々間に形成される隙間に排水溝を形成するため、該隙間にコーキング材を充填し、コーキング材の上面を床部材の各々の上面よりも低く形成する作業を必要とするので、該作業のための労力と時間とを要する。また、充填の仕方を間違えるとコーキング材の上面の高さに相違が生じて、排水が充分確実に行われないおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、部品点数及び組立工数の低減、設置作業及び分離撤去作業の迅速化、設置及び分離撤去期間の短縮、トータルコストの低減を可能にしかつ所要の強度を確保すると共に、床部材の位置決めが容易かつ確実であり、容易かつ迅速に排水機能を設定することを可能にする、新規な組立式立体構築物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、
複数の支柱と、相互に隣り合う支柱の上端部間に分離自在に連結される梁部材と、相互に間隔をおいて平行に対向する梁部材間に分離自在に配設される他の梁部材とを備え、支柱及び梁部材の各々の上面は共通の水平面上に位置付けられ、梁部材の各々は平面から見て格子状に配列され、梁部材の各々間には平面から見て矩形状に区画された複数の空間部が形成され、空間部の各々は4つの梁部材の組によって形成され、該梁部材の組の各々の上面には、矩形状の鉄筋コンクリート製床部材が空間部を上から覆うよう配設され、相互に水平方向に対向する床部材の各々間には隙間が形成される組立式立体構築物において、
該梁部材の組の各々において、相互に対向する2つの梁部材にはそれぞれ少なくとも2個の支持部材が対応する梁部材の長手方向に間隔をおいて空間部内に延び出すよう固着されかつ、それぞれ該2つの梁部材の両端間を延在して相互に対向する他の2つの梁部材にはそれぞれ少なくとも1個の支持部材が空間部内に延び出すよう固着され、支持部材の各々の上面は該水平面上に位置付けられ、支柱及び梁部材の各々の上面には樋が該上面に沿って格子状に配設され、
床部材の各々は、周縁部の上面から該上面の延長上を外方に延び出す延出部を含む水平本体と、延出部の先端に形成された垂下部とを含む張出板部材を備えると共に、周縁部の下面が、該梁部材の組の上面における空間部側の一部領域及び該支持部材の各々の上面に載置されてボルトにより該支持部材の各々に分離自在に締結され、該締結状態で、床部材の各々における張出板部材の垂下部は樋の上方に位置付けられかつ、相互に対向する床部材の各々における張出板部材の垂下部は相互に隙間をおいて樋の上方に位置付けられる、
ことを特徴とする組立式立体構築物
、が提供される。
該梁部材の組の各々において、相互に対向する2つの梁部材にはそれぞれ2個の支持部材が対応する梁部材の長手方向に間隔をおいて空間部内に延び出すよう固着されかつ、この2個の支持部材は、それぞれ、相互に対向する2つの梁部材の各々の長手方向中央と両端との中間領域に配設され、該梁部材の組の各々において、相互に対向する他の2つの梁部材にはそれぞれ1個の支持部材が空間部内に延び出すよう固着され、この1個の支持部材は、それぞれ該2つの梁部材の両端間を延在して相互に対向する他の2つの梁部材の長手方向中央に配設される、ことが好ましい。
支持部材の各々には各々の上面に開口する取付穴が形成され、床部材の各々には、対応する該梁部材の組における支持部材の各々の取付穴に対応して、相互に対向する2辺の内側周縁部にそれぞれ少なくとも2個の雌ねじ部材が少なくとも下面に開口するよう埋設されかつ、相互に対向する他の2辺の内側周縁部にそれぞれ少なくとも1個の雌ねじ部材が下面に開口するよう埋設され、床部材の各々は、相互に整合された該支持部材の取付穴及び雌ねじ部材を介してボルトにより該支持部材の各々に分離自在に締結される、ことが好ましい。
床部材の各々の、相互に対向する該2辺の内側周縁部に埋設されたそれぞれ2個の雌ねじ部材は、下面に開口すると共に上面にも開口する、ことが好ましい。
梁部材の各々は、ウェブと、ウェブの上端及び下端からそれぞれウェブの両側に延び出す上フランジ及び下フランジとからなるH鋼から構成され、支持部材の各々は、四角形の横断面を有する金属製中空角材からなる支持本体と、支持本体の上端における中空内に嵌合・固着されかつ該取付穴が形成された四角形の金属製支持板とからなり、支持本体の上端面と支持板の上面とは同一平面上に位置付けられ、該梁部材の組の各々において、支持部材の各々が固着される位置における上フランジの該空間部側の下面とウェブの該空間部側の面とに跨って、少なくとも1個の連結板が、両面が梁部材の長手方向に向けられて固着され、該少なくとも1個の連結板は、上フランジの該空間部側の先端面からウェブと平行に下フランジに向かって直線状に垂下する先端面を備え、支持部材の各々は、支持本体の一つの外側面が、対応する梁部材の上フランジの該先端面及び該少なくとも1個の連結板の該先端面に当接されて固着される、ことが好ましい。
該少なくとも1個の連結板は、上フランジの該下面に沿って上フランジの基端部から先端まで延在しかつ上フランジの該下面に当接されて固着される上端面と、ウェブの該空間部側の面に沿ってウェブの上端部から下フランジに向かって垂下しかつウェブの該空間部側の面に当接されて固着される後端面と、該後端面の下端と該先端面の下端との間を真っ直ぐに延在する傾斜面とを備えている、ことが好ましい。
樋は、一定の幅を有する平坦な底壁と、底壁の両側から直角に直立する側壁とを有するチャンネル形状をなしかつ、底壁が支柱及び梁部材の各々の上面に載置されて雄ねじ部材により分離自在に締結され、樋の上方に隙間をおいて位置付けられる、相互に対向する床部材の各々の張出板部材の垂下部の下端は、樋の側壁の各々の内側において、該側壁の各々の上端よりも下方に突出して位置付けられる、ことが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に従って構成された組立式立体構築物であって、分離自在に組み立てられ、実質上平坦な地面等の表面上に載置又は分離自在に固定される組立式立体構築物の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、図1〜図25において、実質上同一な部分及び少なくとも基本的構成が実質上同一な部分は、同一符号で示されている。
【0011】
図1及び図2を参照して、本発明に従って構成された組立式立体構築物は、複数の支柱である、角部用支柱2、辺部用支柱4及び中央部用支柱6と、梁部材である主梁部材8及び他の梁部材である中間梁部材10とを備えている。図示の実施形態においては、図2から容易に理解されるように、平面から見て、角部用支柱2は、仮想長方形の4個の角部に相当する位置にそれぞれ1個配置されている。なお、該仮想長方形は、図2において上下方向に対向する一対の短い仮想辺と、図2において左右方向に対向する一対の長い仮想辺とを有するが、説明の便宜上、組立式立体構築物において、一対の短い仮想辺が延在する方向(図2において左右方向)を水平横方向、一対の長い仮想辺が延在する方向(図2において上下方向)を水平縦方向と称することとする。
【0012】
辺部用支柱4は、該仮想長方形の一対の短い仮想辺において水平横方向にそれぞれ対向する角部用支柱2の各々間の中央に1個づつ配置されかつ、該仮想長方形の一対の長い仮想辺において水平縦方向にそれぞれ対向する角部用支柱2の各々間に相互に等間隔となるよう2個づつ配置されている。中央部用支柱6は、該仮想長方形の内側中央部において、該仮想長方形の一対の短い辺の中央に配置された辺部用支柱4の各々間に相互に等間隔となるよう2個配置される。したがって、中央部用支柱6の各々は、該仮想長方形の一対の長い辺にそれぞれ2個づつ配置された辺部用支柱4のうち、水平横方向に対向する辺部用支柱4の対の各々間の中央に位置する。
【0013】
主梁部材8は、水平横方向及び水平縦方向に相互に隣り合う支柱の上端部間に分離自在に連結される。実施形態において、主梁部材8は、角部用支柱2と該角部用支柱2に対し水平横方向及び水平縦方向に隣り合う辺部用支柱4との上端部間、相互に水平縦方向に隣り合う辺部用支柱4の各々の上端部間、中央部用支柱6と該中央部用支柱6に対し水平横方向及び水平縦方向に隣り合う辺部用支柱4との上端部間及び、相互に水平縦方向に隣り合う中央部用支柱6の各々の上端部間、にそれぞれ分離自在に連結される。中間梁部材10は、相互に水平縦方向に対向する主梁部材8の各々の長手方向中央部(すなわち水平横方向中央部)の上端部間に分離自在に連結される。
【0014】
主梁部材8及び中間梁部材10の各々は、それぞれ同じ高さで水平に延在するよう配置される。角部用支柱2、辺部用支柱4、中央部用支柱6、主梁部材8及び中間梁部材10の各々の上面は共通の水平面上に位置付けられる。主梁部材8及び中間梁部材10の各々は平面から見て格子状に配列される。主梁部材8及び中間梁部材10の各々間には平面から見て矩形状に区画された複数の空間部Sが形成される(図2においては、左上2箇所にのみ符号Sが付されている)。空間部Sの各々は4つの梁部材の組によって形成される。空間部Sの各々における2個の角部には、角部用支柱2、辺部用支柱4、中央部用支柱6のいずれか2個が位置する。
【0015】
図23に示されているように、主梁部材8は、ウェブ8aと、ウェブ8aの上端及び下端からそれぞれウェブ8aの両側に延び出す上フランジ8b及び下フランジ8cとからなるH鋼から形成されている。図20に示されているように、中間梁部材10も、ウェブ10aと、ウェブ10aの上端及び下端からそれぞれウェブ10aの両側に延び出す上フランジ10b及び下フランジ10cとからなるH鋼から形成されている。主梁部材8の各々は相互に共通部品からなり、また中間梁部材10の各々は相互に共通部品からなり、主梁部材8及び中間梁部材10は、実質的に同じ形状及び大きさの横断面を有している。主梁部材8及び中間梁部材10の各々の長手方向両端部におけるウェブ8a及び10aには3個の取付孔(不図示)が上下方向に間隔をおいて形成されている。
【0016】
次に、角部用支柱2、辺部用支柱4及び中央部用支柱6の構成について説明する。これらの支柱の構成は、それぞれ特開2002−194814に開示された角部用組立要素、辺部用組立要素及び中央部用組立要素と実質的に同じであるので、以下、それぞれ簡単に説明する。
【0017】
角部用支柱2の各々は、相互に実質的に同じ構成を有しているので、そのうちの一つについて説明する。図7〜図9を参照して、角部用支柱2は、実質上鉛直方向に延びる支柱本体12と、支持本体12の上端に配設された支持頭14とを備えている。支柱本体12は、横断面が4角形の中空角材(実施形態においては、横断面が正方形の鋼製角パイプ)から形成されかつ下端には環状フランジ12Fが一体に配設されている。環状フランジ12Fには周方向に間隔をおいて複数の取付穴が形成されている。支柱本体12の下端、すなわち環状フランジ12Fは、ジャッキ手段16(図1、図4参照)を介して載置板18(図1)に分離自在に連結・支持される。載置板18は該表面の所定位置に載置される。
【0018】
図1及び図4を参照して、ジャッキ手段16は、載置板18の上面から直立するよう載置板18に固着されかつ外周面に雄ねじが形成された支持ロッド部材20と、支持ロッド部材20にねじ係合されて回転させると支持ロッド部材20に沿って上下動する上下動部材22とを備えている。上下動部材22は、内周面に雌ねじが形成された円筒部と、円筒部の上端外周面に一体に配設された環状フランジ部とを備えている。環状フランジ部には周方向に間隔をおいて複数の取付穴が形成されている。支柱本体12の環状フランジ12Fは、上下動部材22の環状フランジ部に重合され、相互に整合された取付穴を介して図示しないボルト&ナットにより分離自在に締結される。角部用支柱2の軸方向長さ(高さ)の調整は、角部用支柱2をクレーン等の吊上機械により吊り上げた状態で、上下動部材22を回転させることにより容易に遂行可能である。
【0019】
図7〜図9を参照して、鋼材を組み合わせてなる支柱頭14は、支柱本体12の側面から外方に水平に延び出すよう支柱本体12の上端に固着された下板24と、下板24の上面から鉛直方向上方に延びるよう下板24と一体に固着された支柱頭本体26と、下板24の上方に間隔をおいて平行に延在するよう支柱頭本体26の上端に固着された上板28とを備えている。支柱頭本体26は、支柱本体12と実質上、同じ形状及び大きさを有する正方形の横断面形状を有しかつ所定の高さだけ延在する筒部30を備えている。筒部30は、下板24を介して支柱本体12と軸方向に整合して位置付けられている。
【0020】
上板28と下板24は、平面から見て、正方形の1個の角部(相互に整合する角部)が直線状に切り欠かれて傾斜辺をなすように形成されている(切り欠かれた部分は二等辺三角形をなす)。上板28及び下板24の傾斜辺を除く4個の辺は、平面から見て、支柱本体12及び筒部30の4個の側面の半径方向外側位置を、それぞれ対応する側面に対して平行に延在するよう位置付けられ、該傾斜辺は支柱本体12及び筒部30の対応する角部の半径方向外側位置を、該角部を通る仮想対角線に直交する方向に延在するよう位置付けられている。平面から見て、上板28の傾斜辺を挟む2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じでありかつ他の2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さよりも長い。また下板24の傾斜辺を挟む2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じでありかつ他の2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さよりも長い。下板24の傾斜辺を挟む2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは、それぞれ、上板28の対応する2個の辺の該突出長さよりも長くかつ他の2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは、上板28の他の2個の辺の該突出長さと同じである。
【0021】
支柱頭本体26は2個の補強連結板32を備えている。補強連結板32の各々は、筒部30の、相互に隣接する2個の側面(平面から見て、上記傾斜辺に面した角を挟む2個の側面)における水平幅方向中央からそれぞれ水平方向に上板28の傾斜辺を挟む2つの辺まで突出している。補強連結板32の各々は、平面から見て相互に直交する仮想線上に存在する。補強連結板32の各々の上端は上板28の下面に溶接により固着され、下端は下板24の上面に溶接により固着され、基端は、筒部30の対応する側面に溶接により固着されている。補強連結板32の各々には3個の取付孔34が上下方向に間隔をおいて形成されている。
【0022】
次に辺部用支柱4の構成について説明する。辺部用支柱4の各々は相互に実質的に同じ構成を有しているので、そのうちの一つについて説明する。図1、図10及び図11を参照して、辺部用支柱4は、支柱本体12と、支持本体12の上端に配設された支持頭14とを備えている。支柱本体12の下端は、ジャッキ手段16を介して載置板18に分離自在に連結・支持される。支持頭14、支柱本体12、ジャッキ手段16及び載置板18の基本的構成は、先に説明した角部用支柱2におけるのと実質的に同一であるので、主として相違する部分について説明し、実質的に共通する部分の説明は省略する。
【0023】
支持頭14の上板28と下板24は、平面から見て、縦横の長さが相違する矩形状の、相互に縦方向、すなわち長手方向に隣り合う2個の角部が直線状に切り欠かれて傾斜辺をなすような形状に形成されている(切り欠かれた部分は二等辺三角形をなす)。上板28及び下板24の2個の傾斜辺を除く4個の辺は、平面から見て、支柱本体12及び筒部30の4個の側面の半径方向外側位置を、それぞれ対応する側面に対して平行に延在するよう位置付けられ、該傾斜辺は支柱本体12及び筒部30の、相互に隣接する2個の角部の半径方向外側位置を、対応する角部を通る仮想対角線に直交する方向に延在するよう位置付けられている。平面から見て、上板28の2個の傾斜辺に連続する3個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じでありかつ他の1個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さよりも長い。また下板24の2個の傾斜辺に連続する3個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じでありかつ他の1個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さよりも長い。下板24の2個の傾斜辺に連続する3個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは、それぞれ、上板28の対応する3個の辺の該突出長さよりも長くかつ他の1個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは、下板24の他の1個の辺の該突出長さと同じである。
【0024】
支柱頭本体26は4個の補強連結板32を備えている。矩形状の平板からなる補強連結板32の各々は、筒部30の、相互に隣接する3個の側面(平面から見て、上板28の傾斜辺に連続する3個の辺に対応する3個の側面)における水平幅方向中央からそれぞれ水平方向に上板28の該3個の辺まで突出している。補強連結板32の各々は、平面から見てT字形に直交する仮想線上に存在する。補強連結板32の各々の上端は上板28の下面に溶接により固着され、下端は下板24の上面に溶接により固着され、基端は、筒部30の対応する側面に溶接により固着されている。補強連結板32の各々には3個の取付孔34が上下方向に間隔をおいて形成されている。
【0025】
次に中央部用支柱6の構成について説明する。中央部用支柱6の各々は相互に実質的に同じ構成を有しているので、そのうちの一つについて説明する。図1、図12及び図13を参照して、中央部用支柱6は、支柱本体12と、支持本体12の上端に配設された支持頭14とを備えている。支柱本体12の下端は、ジャッキ手段16を介して載置板18に分離自在に連結・支持される。支持頭14、支柱本体12、ジャッキ手段16及び載置板18の基本的構成は、先に説明した角部用支柱2におけるのと実質的に同一であるので、主として相違する部分について説明し、実質上共通する部分の説明は省略する。
【0026】
支持頭14の上板28と下板24は、平面から見て、正8角形に形成されている。上板28及び下板24の、相互に1個の辺を挟んで隣り合う4個の辺は、平面から見て、相互に整合しかつ筒部30の4個の側面の半径方向外側位置を、それぞれ対応する側面に対して等間隔で平行に延在するよう位置付けられ、他の4個の辺は筒部30の対応する角部の半径方向外側位置を、対応する角部を通る仮想対角線に直交する方向に延在するよう位置付けられている。平面から見て、上板28の4個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じである。また下板24の4個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じでありかつ、上板28の4個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さよりも長い。
【0027】
支柱頭本体26は4個の補強連結板32を備えている。補強連結板32の各々は、筒部30の4個の側面における水平幅方向中央からそれぞれ水平方向に上板28の該4個の辺まで突出している。補強連結板32の各々は、平面から見て十字形に直交する仮想線上に存在する。補強連結板32の各々の上端は上板28の下面に溶接により固着され、下端は下板24の上面に溶接により固着され、基端は、筒部30の対応する側面に溶接により固着されている。補強連結板32の各々には3個の取付孔34が上下方向に間隔をおいて形成されている。
【0028】
上記角部用支柱2、辺部用支柱4及び中央部用支柱6は、それぞれ、支柱本体12と、支持本体12の上端に配設された支持頭14とから構成されているので、上記支柱2、4及び6の各々を独立して輸送及び保管することができる。その結果、上記支柱2、4及び6の各々の輸送及び保管スペースのコンパクト化を図ることができ、輸送及び保管を容易にすることができるので、輸送及び保管コストの低減を可能にするものである。また支柱本体12とジャッキ手段16との連結はボルト&ナットによる分離自在な締結であり、組立及び分解も容易かつ迅速に遂行することを可能にする。また、支柱頭14の構成がコンパクトで軽量化されかつ水平方向外方への突出量も少ないので、上記支柱2、4及び6の各々の軽量化及びコンパクト化を図りながらその強度を十分に確保することを可能にするものである。その結果、上記支柱2、4及び6の各々の、設置現場における設置作業(組立作業)及び分解撤去作業を容易かつ迅速に遂行することを可能にする。このことは、組立式立体構築物の設置作業及び分解撤去作業を容易かつ迅速に遂行することを可能にし、設置期間及び分解撤去期間を短縮して、トータルコストの低減を可能にするものである。また、上記支柱2、4及び6の各々の構成がシンプル化されるので、組立式立体構築物全体の構成をシンプル化してトータルコストの低減に寄与するものである。
【0029】
上記のように構成された角部用支柱2、辺部用支柱4及び中央部用支柱6の各々は、ジャッキ手段16により所定の長さ(高さ)に調整された後に、それぞれ所定の表面位置に載置される(図1及び図2参照)。角部用支柱2の上端部と、角部用支柱2に対し水平横方向及び水平縦方向に隣り合う2個の辺部用支柱4の上端部とは、主梁部材8により分離自在に連結される。図1、図2及び図7〜図11を参照して、角部用支柱2と辺部用支柱4との連結について説明する。
【0030】
主梁部材8の一端が、角部用支柱2の支持頭14の上板28における傾斜辺の隣の1辺(例えば図7において上端に位置する1辺)及び該一辺の下方に位置する補強連結板32の先端に対向して位置付けられかつ主梁部材8の該一端を含む一端部の下面(下フランジ8cの下面)が、該一辺の下方に位置する下板24の上面先端部(平面から見て該一辺よりも突出した上面先端部)に載置される。そして該主梁部材8の他端が、辺部用支柱4の支持頭14の上板28における傾斜辺の隣の一辺であって、傾斜辺に挟まれた1辺以外の一辺(例えば図10において下端に位置する一辺)及び該一辺の下方に位置する補強連結板32の先端に対向して位置付けられかつ主梁部材8の該他端を含む他端部の下面(下フランジ8cの下面)が、該一辺の下方に位置する下板24の上面先端部(平面から見て該一辺よりも突出した上面先端部)に載置される。このような操作は、主梁部材8をクレーン等の吊上機械を利用して吊り上げることにより容易に遂行される。
【0031】
角部用支柱2及び辺部用支柱4の上記連結板部32の各々の両側面と、主梁部材8の両端部におけるウェブ8aの両側面とは、該両側面の各々に跨がって配置された一対の連結板36により挟まれて、図示しない複数のボルト&ナットによりそれぞれ分離自在に締結される。一対の連結板36は、相互に実質上同じ形状及び大きさを有する矩形状の平板から形成され、各々の幅方向(図8において左右方向)両端部には、長手方向(図8において上下方向)に間隔をおいて3個の取付孔が形成されている。これらの取付穴は、補強連結板32の各々に形成された取付穴34及び主梁部材8の両端部におけるウェブ8aに形成された図示しない取付穴にそれぞれ整合されることは言うまでもない。
【0032】
上記したように、主梁部材8の両端部は、角部用支柱2及び辺部用支柱4の下板24の突出部上に一旦載置されてから相互にボルト&ナットにより締結されるので、角部用支柱2及び辺部用支柱4の上端部間の連結作業を迅速かつ容易に遂行することを可能にすると共に、精度の高い安定した連結を保証することができる。また、角部用支柱2及び辺部用支柱4の上端部間の連結作業が迅速かつ容易に遂行されることに起因して、組立式立体構築物の、設置現場における設置作業及び分離撤去作業を容易かつ迅速に遂行することを可能にし、その結果、組立及び載置式棚構造体の設置期間及び分解撤去期間を短縮し、トータルコストの低減を可能にするものである。
【0033】
なお、角部用支柱2と他の辺部用支柱4の上端部間の主梁部材8による連結、辺部用支柱4の各々の上端部間の主梁部材8による連結、中央部用支柱6と辺部用支柱4の上端部間の主梁部材8による連結及び中央部用支柱6の各々の上端部間の主梁部材8による連結も、それぞれ上記したのと実質的に同じとおりにして遂行することができ、それぞれ上記したのと実質的に同じ作用効果を奏することができる。
【0034】
次に、相互に間隔をおいて平行に対向する主梁部材8と、中間梁部材10との連結について説明する。図1、図2及び図14を参照して、相互に間隔をおいて平行に対向する主梁部材8の各々の長手方向中間部には、連結板38がウェブ8aの側面から相互に接近する水平方向に突出しかつ該側面に沿って鉛直方向に上フランジ8b及び下フランジ8c(図23)間を延在するよう配設されている(図14には、主梁部材8の一方と、この一側面に連結される中間梁部材10の一端部のみが図示されている)。連結板38の各々は、相互に実質上同じ形状及び大きさを有する矩形状の平板から構成され、上端が上フランジ8bの下面に溶接により固着され、下端が下フランジ8c(図23)の上面に溶接により固着され、ウェブ8aの側面に面した後端が該側面に溶接により固着されている。連結板38の各々には、3個の取付孔(不図示)が上下方向に間隔をおいて形成されている。中間梁部材10の両端部におけるウェブ10a(図20)にも同数の取付孔(不図示)が上下方向に間隔をおいて形成されている。
【0035】
中間梁部材10の一端が、片方の主梁部材8の連結板38の先端に対向して位置付けられ、中間梁部材10の他端が、他方の主梁部材8の連結板38(不図示)の先端に対向して位置付けられる。この操作は、中間梁部材10をクレーン等の吊上機械を利用して吊り上げることにより容易に遂行することができる。連結板38の各々の両側面と、中間梁部材10の、対応する端部におけるウェブ10aの両側面とは、該両側面の各々に跨がって配置された一対の連結板40により挟まれてそれぞれ3個のボルト42及びナット44により分離自在に締結される。一対の連結板40は、相互に実質上同じ形状及び大きさを有する矩形状の平板から構成され、各々の幅方向両端部には、長手方向に間隔をおいて3個の取付孔(不図示)が形成されている。これらの取付穴は、連結板38に形成された取付穴及び中間梁部材10の両端部におけるウェブ10aに形成された取付穴にそれぞれ整合されることは言うまでもない。
【0036】
上記説明から明らかなように、相互に間隔をおいて平行に対向する主梁部材8と中間梁部材10との分離自在な連結は、それぞれ簡単な構成により、ボルト&ナットを利用して容易かつ迅速にしかも確実に遂行することが可能である。したがって、組立式立体構築物の、設置現場における設置作業及び分離撤去作業を容易かつ迅速に遂行することを可能にし、その結果、設置期間及び分解撤去期間を短縮し、トータルコストの低減を可能にするものである。
【0037】
上記したとおりにして、角部用支柱2、辺部用支柱4及び中央部用支柱6の各々の上端部間が主梁部材8により連結され、相互に平行に対向する主梁部材8の各々の上端部間が中間梁部材10により連結された状態(図1、図2)で、主梁部材8及び中間梁部材10の各々は、それぞれ同じ高さで水平に延在するよう配置される。そして、角部用支柱2、辺部用支柱4、中央部用支柱6、主梁部材8及び中間梁部材10の各々の上面は共通の水平面上に位置付けられる(図4〜図6参照)。角部用支柱2、辺部用支柱4及び中央部用支柱6の上面は、各々の支持頭14の上板28(図8、図9)の上面により規定され、主梁部材8及び中間梁部材10の上面は、それぞれ上フランジ8b及び10b(図23、図19)の上面により規定される。図2に明示されているように、主梁部材8及び中間梁部材10の各々は平面から見て格子状に配列され、主梁部材8及び中間梁部材10の各々間には平面から見て矩形状に区画された複数の空間部Sが形成される(図2においては、左上2箇所にのみ符号Sが付されている)。
【0038】
角部用支柱2の各々の上端部と各々に連結される主梁部材8の下面との間、辺部用支柱4の各々の上端部と各々に連結される主梁部材8の下面との間及び中央部用支柱6の各々の上端部と各々に連結される主梁部材8の下面との間には、ブレース部材45が分離自在に連結される(図1、図3〜図6参照)。
【0039】
空間部Sの各々は、平面から見て縦長矩形状をなしかつ、相互に実質的に同じ大きさを有する4つの梁部材の組によって形成される。具体的には、図2から容易に理解されるように、一つの空間部Sは、相互に対向する主梁部材8と中間梁部材10、及び該主梁部材8と該中間梁部材10の両端間をそれぞれ延在する一対の他の主梁部材8の長手方向における半分の領域8−1とにより形成される。なお、他の空間部Sは、該中間梁部材10と、該中間梁部材10に対し水平横方向に対向する他の主梁部材8と、該中間梁部材10と該他の主梁部材8の両端間をそれぞれ延在する該一対の他の主梁部材8の長手方向における他の半分の領域8−2とにより形成される。
【0040】
4つの梁部材の組の各々を代表して、図2において左上角部に位置する4つの梁部材の組について説明する。該組において、相互に対向する2つの梁部材である主梁部材8と中間梁部材10にはそれぞれ少なくとも2個の支持部材50、実施形態においては2個の支持部材50が、主梁部材8及び中間梁部材10の各々の長手方向に間隔をおいて空間部S内に延び出すよう固着されている。この支持部材50は、それぞれ、主梁部材8及び中間梁部材10の各々の長手方向中央と両端との中間領域(中央を含む中間領域)、実施形態においては中央に配設されている。また該組において、相互に対向する他の2つの梁部材である該一対の他の主梁部材8の長手方向における半分の領域8−1にはそれぞれ少なくとも1個の支持部材50、実施形態においては1個の支持部材50が、空間部S内に延び出すよう固着されている。この支持部材50は、それぞれ、該一対の他の主梁部材8の長手方向における半分の領域8−1の長手方向中央に配設されている。支持部材50の各々の上面は、角部用支柱2、辺部用支柱4、中央部用支柱6、主梁部材8及び中間梁部材10の各々の上面が位置付けられる該共通の水平面上に位置付けられる。
【0041】
支持部材50の各々は共通部品から形成されているので、以下、1個の支持部材50について説明する。図20及び図21を参照して、支持部材50は、四角形の横断面を有する金属製中空角材からなる支持本体52と、支持本体52の上端における中空内に嵌合されかつ溶接により固着された四角形の金属製支持板54とを備えている。支持板54には1個の取付穴56が形成されている。取付穴56は、支持部材50の上面に開口する取付穴を規定する。支持本体52の上端面と支持板54の上面とは同一平面上に位置付けられている。
【0042】
該梁部材の組の各々において、支持部材50の各々が固着される位置における上フランジ(図示の実施形態においては中間梁部材10の上フランジ)10bの該空間部S側(図20において右側)の下面とウェブ10aの空間部S側の面とに跨って、少なくとも1個の連結板、実施形態においては2個の連結板58が、両面が中間梁部材10の長手方向に向けられて固着される。共通部品からなる連結板58の各々は、先端面58aと、上端面58bと、後端面58cと、傾斜面58dとを備えている。先端面58aは、上フランジ10bの空間部S側の先端面からウェブ10aと平行に下フランジ10cに向かって直線状に垂下する。上端面58bは、上フランジ10bの該下面に沿って上フランジ10bの基端部から先端まで延在しかつ上フランジ10bの該下面に当接されて溶接により固着される。後端面58cは、ウェブ10aの空間部S側の面に沿ってウェブ10aの上端部から下フランジ10cに向かって垂下しかつウェブ10aの空間部S側の面に当接されて溶接により固着される。傾斜面58dは、後端面58cの下端と先端面58aの下端との間を真っ直ぐに延在する。
【0043】
支持部材50は、支持本体52の一つの外側面52aが、中間梁部材10の上フランジ10bの先端面及び連結板58の各々の先端面58aに当接され、溶接により固着される。支持部材50と、主梁部材8、8−1及び8−2との連結も同じ如くして行われるので、説明は省略する。
【0044】
該梁部材の組の各々の上面には、縦長矩形状の鉄筋コンクリート製床部材60が空間部Sを上から覆うよう配設される。相互に水平方向に対向する床部材60の各々間には隙間が形成される。床部材60の各々は、共通部品から形成されているので、以下その一つについて説明する。
【0045】
図17〜図20を参照して、床部材60は、平坦な上面60aと、上面60aから直角に同じ長さ(高さ)だけ延びる4個の辺を規定する、一対の側面60b、他の一対の側面60cと、平坦な下面60dとを備えている。上面60aと下面60dとは相互に平行である。一対の側面60bは他の一対の側面60cよりも長い。床部材60は、床部材60の周縁部に沿って矩形状に延在する金属製の張出板部材62を備えている。張出板部材62は、周縁部の上面60aから上面60aの延長上を外方に延び出す延出部62aを含む水平本体62Aと、水平本体62Aの延出部62aの先端に形成された垂下部62bと、延出部62aの他端に形成された他の垂下部62cとを備え、下方に開放されたチャンネル形状をなす。水平本体62Aの上面は、床部材60の上面60aと共通の平面上に存在し、他の垂下部62cは、コンクリートに埋設されかつ、下端が複数箇所において鉄筋61の一部に連結されている(コンクリートを打設した後、抜けにくくなる)。張出板部材62は4つの角で相互に分割された4つの部材からなり、4つの角で相互に溶接、接着などの固着手段により固着されている。図17に図示されているように、平面から見て、該4つの部材は、4つの角においてそれぞれ水平斜め外方に45°の角度で延び出すように傾斜して形成され、4つの角においてそれぞれ相互に隣接する部材の傾斜面が相互に当接されかつ、相互に溶接、接着などの固着手段により固着される。張出板部材62は、平面から見て床部材60の周縁部に沿って矩形状に連続して延在する。
【0046】
床部材60には、対応する該梁部材の組における支持部材50の各々の取付穴56に対応して、相互に対向する2辺(側面60b)の内側周縁部にそれぞれ少なくとも2個の、実施形態においては2個の雌ねじ部材64が少なくとも下面60dに開口するよう埋設されかつ、相互に対向する他の2辺(側面60c)の内側周縁部にそれぞれ少なくとも1個の、実施形態においては1個の雌ねじ部材64が下面60dに開口するよう埋設されている。相互に対向する2辺(側面60b)の内側周縁部にそれぞれ2個づつ埋設された雌ねじ部材64は、円筒形状なしかつ床部材60の上面60aにも開口すると共に、該2辺(側面60b)が延在する長手方向中央と両端との中間領域(中央を含む中間領域)、実施形態においては中央に配設されている。相互に対向する他の2辺(側面60c)の内側周縁部にそれぞれ1個埋設された雌ねじ部材64は、床部材60の上面60aには開口しない袋ナット形の雌ねじ部材から構成され(不図示)、該他の2辺(側面60c)が延在する長手方向中央に配設されている。雌ねじ部材64の各々の外周面には軸方向に間隔をおいて複数の抜け止め用環状突起部が形成されかつ、各々の外周面の下端には、矩形の金属板66が溶接により固着されている。金属板66の下面は、床部材60の下面60dと同一平面上に存在する。
【0047】
以上のように構成された床部材60は、後述するとおりにして、4つの梁部材の組の各々の上面に空間部Sを上から覆うよう配設されるが、その前に、角部用支柱2、辺部用支柱4、中央部用支柱6、主梁部材8及び中間梁部材10の各々の上面には、樋70が、該上面に沿って格子状にかつ全体が連通するように配設される。図15、図19及び図23を参照して、樋70は、一定の幅を有する平坦な底壁70aと、底壁70aの両側から直角に相互に同じ高さだけ直立する側壁70bとを有するチャンネル形状をなしかつ、底壁70aが対応する主梁部材8、中間梁部材10の上面に載置されて雄ねじ部材71により分離自在に締結される。雄ねじ部材71は、底壁70aの上面から主梁部材8及び中間梁部材10の上フランジ8b(ウェブ8aが存在する位置)及び10b(ウェブ10aが存在する位置)に向かってねじ込まれる。樋70の底壁70aの所定位置、主梁部材8及び中間梁部材10の所定位置に、それぞれタッピングスクリュー用の穴を形成しておき、タッピングスクリューから構成された雄ねじ部材71をねじ込むことで、該締結を行うことができる。
【0048】
角部用支柱2、辺部用支柱4及び主梁部材8の各々の上面により形成される矩形周縁に延在する樋70の幅は、その内側に格子状に配置されかつ相互に連通する樋70の幅よりも広く形成されている。これは樋70全体の排水を円滑にするためである。該矩形周縁に延在する樋70の底壁70aは、図23に示されているように、主梁部材8の上フランジ8bの幅方向の外端(床部材60が配設される内側に対し水平方向反対側の外端)から幅方向の中央よりも内端(床部材60が配設される内側方向の内端)寄りの位置までの領域に載置される。上フランジ8bの上面における樋70と内端との間に、床部材60の周縁の一部領域が載置される載置可能領域が形成される。該矩形周縁に延在する樋70の内側に格子状に配置される樋70の底壁70aは、主梁部材8の上フランジ8bの幅方位中央領域(図15)及び中間梁部材10の上フランジ10bの幅方位中央領域(図15、図20)に載置される。主梁部材8の上フランジ8b及び中間梁部材10の上フランジ10bの上面の、樋70が載置された幅方位中央領域の両側には、床部材60の周縁の一部領域が載置される載置可能領域が形成される。
【0049】
樋70は、図15から明らかなように、平面から見て、それぞれL字形、T字形、十字形及びストレートに形成された複数の樋部材を組み合わせることにより構成される。各樋部材同士の接続は、例えば発泡ウレタンゴムなどのシール部材を挟んで突き合わせることにより行うことができる。角部用支柱2の上面に載置されるL字形の樋部材、辺部用支柱4の上面に載置されるT字形の樋部材及び中央部用支柱6の上面に載置される十字形の樋部材は、それぞれ支柱頭14の上板28に雄ねじ部材により分離自在に締結される(それと共に、主梁部材8の上フランジ8bに雄ねじ部材により分離自在に締結される実施形態もある)。本発明によれば、各樋部材からなる樋70が、角部用支柱2、辺部用支柱4、主梁部材8及び中間梁部材10の各々の上面に載置され、雄ねじ部材により締結されることにより、格子状の排水路が容易に形成される。角部用支柱2、辺部用支柱4及び主梁部材8の各々の上面により形成される矩形周縁に延在する樋70の外側の側壁70bの複数箇所に排水用の樋(不図示)を配設することにより、該排水路の水を地面に排水することができる。
【0050】
図1及び図15を参照して、床部材60は、周縁部の下面が、該梁部材の組の上面における空間部S側の一部領域(載置可能領域)及び支持部材50の各々の上面に載置される。図15の左側に図示されている空間部Sを覆う床部材60の二つの角部の下面は、それぞれ辺部用支柱4の上板28の上面の一部領域及び角部用支柱2の上板28の上面の一部領域に載置される。また、図15の右側に図示されている空間部Sを覆う床部材60の二つの角部の下面は、それぞれ中央部用支柱6の上板28の上面の一部領域及び辺部用支柱4の上板28の上面の一部領域に載置される。なお、他の空間部Sを覆う床部材60の二つの角部の下面も、同様にして、それぞれ対応する二つの支柱の上板28の上面の一部領域に載置される。床部材60の該載置は、床部材60をクレーン等の吊上機械(不図示)によって吊り上げることにより容易かつ迅速に、しかも確実に遂行することができる。床部材60の相互に対向する2辺(側面60b)の内側周縁部にそれぞれ2個づつ埋設された雌ねじ部材64は、床部材60の上面60aに開口しているので、上記吊り上げに際しては、アイボルトEB(図20をも参照)を該雌ねじ部材64の各々に分離自在に締結することができる。アイボルトEBと図示しない吊上機械とをワイヤWにより分離自在に連結することにより、上記載置作業(及び分離作業)を迅速かつ効率的に遂行することを可能にする。なお、床部材60が該梁部材の組に締結された後、アイボルトEBが分離されるが、アイボルトEBが分離された該4個の雌ねじ部材64は、床部材60の上面60aに開口しているので、図示しないボルトを上面60aから締結して閉塞することが好ましい。該ボルトの頭は、例えば、高さの低い(薄い)球面から形成して、上面60aにおける障害とならないようにすることが好ましい。
【0051】
床部材60の周縁部の下面が、該梁部材の組の上面における空間部S側の一部領域(載置可能領域)及び支持部材50の各々の上面に載置された状態で、床部材60の雌ねじ部材64(図17)の各々と、該梁部材の組において空間部S内に延び出すよう配設された支持部材50の各々の取付穴56とが整合され、ボルト72により分離自在に締結される(図19及び図20参照)。これにより空間部Sの全てが床部材60により覆われる。床部材60の各々の上面により、水平な床面が形成される(図16参照)。
【0052】
図16に示されているように、該梁部材の組の各々において、相互に対向する2つの梁部材である主梁部材8と中間梁部材10にはそれぞれ2個の支持部材50が、主梁部材8及び中間梁部材10の各々の長手方向に間隔をおいて空間部S内に延び出すよう固着されかつ、この2個の支持部材50は、それぞれ、相互に対向する該主梁部材8及び該中間梁部材10の各々の長手方向中央と両端との中間領域(実施形態においては中央)に配設され、また相互に対向する他の2つの梁部材である一対の他の主梁部材8の長手方向における半分の領域8−1にはそれぞれ1個の支持部材50が、空間部S内に延び出すよう固着され、この支持部材50は、それぞれ、該一対の他の主梁部材8の長手方向における半分の領域8−1の長手方向中央に配設されている。そして、床部材50の各々は、対応する該梁部材の組の各々において、雌ねじ部材64の各々が対応する支持部材50にボルト72(図19及び図20)により下方から締結されるので、従来、該空間部Sの各々において使用されていた、X形に交叉する水平ブレース部材を使用することなく、所要の強度を確保できる。これは、図16から明らかなように、平面から見て、矩形状の該空間部Sを構成する該梁部材の組の水平縦方向の両端部に、該空間部S内に延び出す支持部材50が3個づつ三角形状に配置されて、床部材60が締結されるので、これらの締結部が水平ブレースの機能を果たすからである。
【0053】
床部材60の各々は、対応する該梁部材の組において該空間部Sを覆うように上方から下降させるだけで、床部材60の雌ねじ部材64(図17)の各々を対応する支持部材50の取付穴56(図15)に整合させて、ボルト72(図19、図20)により締結することができるので、床部材60の各々の位置決めが容易である。
【0054】
図16、図19及び図23を参照して、床部材60の各々が、対応する該梁部材の組の上面に締結された状態で、床部材60の各々における張出板部材62の垂下部62bは樋70の上方に位置付けられる。そして、相互に対向する床部材60の各々における張出板部材62の垂下部62bは、相互に隙間Dをおいて樋70の上方に位置付けられる。相互に対向する床部材60の各々の張出板部材62の垂下部62bの下端は、樋70の側壁70bの各々の内側において、該側壁70bの各々の上端よりも下方に突出して位置付けられる(図19)。床部材60の各々の上面により形成される平坦な床面に注がれた水は、張出板部材62の垂下部62bからチャンネル形の樋70内に円滑に流入し、排水される。このような構成は、従来のように排水溝を形成するための格別な作業を必要とすることなく、容易かつ確実に排水機能を設定することを可能にする。
【0055】
図1及び図2に示すように、本発明による組立式立体構築物の骨組及び床面を含む主部は、角部用支柱2、辺部用支柱4、中央部用支柱6、主梁部材8、中間梁部材10及び床部材60からなる、6種類という少ない構成要素からなり、しかもそれらをボルトにより分離自在に締結することにより組み立てられるので、組立式立体構築物の主部の構成要素の数(部品点数)が少なく、構成が簡単で組立及び分解が容易である。その結果、組立式立体構築物の構成要素(部品点数)及び組立工数の低減、設置作業及び分離撤去作業の迅速化、設置及び分離撤去期間の短縮、トータルコストの低減に大きく寄与するものである。
【0056】
図2に示すように、角部用支柱2及び辺部用支柱4間を延在する主梁部材8の各々により梁部材の矩形周縁が形成されるが、該梁部材の矩形周縁における外側には、複数のフェンスユニット80(図22、図23)が分離自在に装着される。図22及び図23を参照して、相互に実質的に同じ構成を有するフェンスユニット80は、それぞれ複数の中空角パイプ、中空丸パイプにより水平横方向に長い矩形状に組み合わされたフェンス本体82と、フェンス本体82に含まれて縦方向に延在する複数の、実施形態においては3個の支柱部材84とを備えている。中空角パイプから構成される支柱部材84は、該水平横方向に間隔をおいて配置されかつ、フェンス本体82の下端から同じ長さだけ延び出している。フェンス本体82の下端から延び出した支柱部材84の各々の下端部には、縦長矩形状の連結板86が、フェンス本体82の片面側に延び出すよう溶接により固着されている。相互に同じ縦長矩形状及び大きさを有する連結板86の各々には、縦方向に間隔をおいて2個の取付穴86aが形成されている。
【0057】
主梁部材8の各々には、複数のフェンスユニット80を装着するために、フェンスユニット80の各々における支柱部材84の各々の連結板86に対応して、複数の連結板90が配設されている。縦長矩形状の連結板90の各々は、主梁部材8の所定位置において、両面が主梁部材8の延在方向に向けられて、上端面が上フランジ8bの下面に、後端面がウェブ8aの片面に、下端面が下フランジ8cの上面に、それぞれ当接されかつ溶接により固着されている。連結板90の各々の先端面は、上フランジ8b及び下フランジ8cの各々の先端面間を延在する。相互に同じ形状及び大きさを有する連結板90の各々には、縦方向に間隔をおいて2個の取付穴90aが形成されている。
【0058】
フェンスユニット80の各々は、支柱部材84の各々の連結板86が、主梁部材8の対応する連結板90に対し水平横方向に重合され、相互に整合された取付穴86a及び90aを介して図示しないボルト&ナットにより分離自在に締結される。相互に水平横方向に隣接するフェンスユニット80の各々同士は、図示しないボルト&ナットにより分離自在に締結される。図1及び図16に一部が図示されているように、角部用支柱2、辺部用支柱4、中央部支柱6、主梁部材8及び中間梁部材10の各々の上面に配設された床部材60の各々により形成される矩形状の床面の周縁が直立するフェンスユニット80の各々によって囲まれる。なお、床面に対し人や車両が出入りするための階段やスロープが形成される場合には、人や車両が出入りするためのスペースを確保するため、該スペースにフェンスユニット80は配設されない。
【0059】
なお、図1〜図23を参照して説明した組立式立体構築物において、角部用支柱2、辺部用支柱4及び中央部用支柱6の各々は、それぞれジャッキ手段16を介して、該表面に載置される載置板18に分離自在に連結・支持されるが、ジャッキ手段16を使用しないで該表面に分離自在に固定する他の実施形態もある。図24には、角部用支柱2、辺部用支柱4及び中央部用支柱6の各々を基礎100に分離自在に固定・支持する、他の実施形態が図示されている。図1〜図23を参照して説明した組立式立体構築物は、例えば、立体駐車場として好適に使用することができる。図25には、本発明による他の組立式立体構築物である建物が図示されている。この建物は、1階及び2階が住居として利用されかつ屋上を有している。屋上は、図1〜図23を参照して説明した組立式立体構築物におけるのと実質的に同じ構成を有している。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に従って構成された組立式立体構築物の実施形態の一部を分解してかつ、他の一部を省略して示す斜視概略図である。
【図2】図1に示す組立式立体構築物に含まれる支柱及び梁部材のレイアウトを示す平面図である。
【図3】図2に示す支柱及び梁部材を含む組立式立体構築物を、図2において矢印A方向から見た分解側面図であって、一部を省略して示す分解側面図である。
【図4】図3に示す組立式立体構築物を組付け状態で示す側面図である。
【図5】図2に示す支柱及び梁部材を含む組立式立体構築物を、図2において矢印B方向から見た正面図であって、一部を省略して示す正面図である。
【図6】図5の一部を拡大して示す正面図である。
【図7】図2においてC部(角部)に配置された支柱(角部用支柱)を拡大して詳細に示す平面図であって、連結される主梁部材の一部と連結板(いずれも2点鎖線で示す)を共に示す平面図である。
【図8】図7に示す支柱の上端部を図7において下方から見た側面図である。
【図9】図7及び図8に示す支柱の全体を図8におけるのと同じ方向から見た側面図である。
【図10】図2においてD部(辺部)に配置された支柱(辺部用支柱)を拡大して詳細に示す平面図であって、連結される主梁部材の一部と連結板(いずれも2点鎖線で示す)を共に示す平面図である。
【図11】図10に示す支柱の上端部を図10において下方から見た側面図である。
【図12】図2においてE部(中央部)に配置された支柱(中央部用支柱)を拡大して詳細に示す平面図であって、連結される主梁部材の一部と連結板(いずれも2点鎖線で示す)を共に示す平面図である。
【図13】図12に示す支柱の上端部を図12において下方から見た側面図である。
【図14】図2においてF部(辺部)に配置された主梁部材と中間梁部材との連結部を拡大して詳細に示す平面図である。
【図15】図2に示す支柱及び梁部材の各々の上面の一部及び該上面の一部に沿って格子状に配設された樋の一部を示す平面図である。
【図16】図4に示す組立式立体構築物の一部を示す平面図であって、床部材の一部を省略して示す平面図である。
【図17】図16に示す床部材の平面図である。
【図18】図18のG矢視図(部分図)である。
【図19】図16のH−H矢視断面図であって、左側の一部を省略して示すH−H矢視断面図である。
【図20】図19における左端部において、床部材及びボルトを分解しかつ、アイボルトを付加して示す分解断面図である。
【図21】図20のJ矢視図であって、中間梁部材の一部及び中間梁部材に固着された支持部材のみを示すJ矢視図である。
【図22】図1に示す組立式立体構築物に備えられているフェンスの一つを示す正面図である。
【図23】図22に示すフェンスと主梁部材との連結部の構造を示す分解図であって、一部を断面で示す分解図である。
【図24】本発明に従って構成された組立式立体構築物の他の実施形態の一部を分解してかつ、他の一部を省略して示す斜視概略図である。
【図25】本発明に従って構成された組立式立体構築物の更に他の実施形態の一部を分解してかつ、他の一部を省略して示す斜視概略図である。
【符号の説明】
【0061】
2:角部用支柱
4:辺部用支柱
6:中央部用支柱
8:主梁部材
10:中間梁部材
50:支持部材
60:床部材
62:張出板部材
62a:延出部
62b:垂下部
70:樋
S:空間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の支柱と、相互に隣り合う支柱の上端部間に分離自在に連結される梁部材と、相互に間隔をおいて平行に対向する梁部材間に分離自在に配設される他の梁部材とを備え、支柱及び梁部材の各々の上面は共通の水平面上に位置付けられ、梁部材の各々は平面から見て格子状に配列され、梁部材の各々間には平面から見て矩形状に区画された複数の空間部が形成され、空間部の各々は4つの梁部材の組によって形成され、該梁部材の組の各々の上面には、矩形状の鉄筋コンクリート製床部材が空間部を上から覆うよう配設され、相互に水平方向に対向する床部材の各々間には隙間が形成される組立式立体構築物において、
該梁部材の組の各々において、相互に対向する2つの梁部材にはそれぞれ少なくとも2個の支持部材が対応する梁部材の長手方向に間隔をおいて空間部内に延び出すよう固着されかつ、それぞれ該2つの梁部材の両端間を延在して相互に対向する他の2つの梁部材にはそれぞれ少なくとも1個の支持部材が空間部内に延び出すよう固着され、支持部材の各々の上面は該水平面上に位置付けられ、支柱及び梁部材の各々の上面には樋が該上面に沿って格子状に配設され、
床部材の各々は、周縁部の上面から該上面の延長上を外方に延び出す延出部を含む水平本体と、延出部の先端に形成された垂下部とを含む張出板部材を備えると共に、周縁部の下面が、該梁部材の組の上面における空間部側の一部領域及び該支持部材の各々の上面に載置されてボルトにより該支持部材の各々に分離自在に締結され、該締結状態で、床部材の各々における張出板部材の垂下部は樋の上方に位置付けられかつ、相互に対向する床部材の各々における張出板部材の垂下部は相互に隙間をおいて樋の上方に位置付けられる、
ことを特徴とする組立式立体構築物。
【請求項2】
該梁部材の組の各々において、相互に対向する2つの梁部材にはそれぞれ2個の支持部材が対応する梁部材の長手方向に間隔をおいて空間部内に延び出すよう固着されかつ、この2個の支持部材は、それぞれ、相互に対向する2つの梁部材の各々の長手方向中央と両端との中間領域に配設され、該梁部材の組の各々において、相互に対向する他の2つの梁部材にはそれぞれ1個の支持部材が空間部内に延び出すよう固着され、この1個の支持部材は、それぞれ該2つの梁部材の両端間を延在して相互に対向する他の2つの梁部材の長手方向中央に配設される、請求項1記載の組立式立体構築物。
【請求項3】
支持部材の各々には各々の上面に開口する取付穴が形成され、
床部材の各々には、対応する該梁部材の組における支持部材の各々の取付穴に対応して、相互に対向する2辺の内側周縁部にそれぞれ少なくとも2個の雌ねじ部材が少なくとも下面に開口するよう埋設されかつ、相互に対向する他の2辺の内側周縁部にそれぞれ少なくとも1個の雌ねじ部材が下面に開口するよう埋設され、
床部材の各々は、相互に整合された該支持部材の取付穴及び雌ねじ部材を介してボルトにより該支持部材の各々に分離自在に締結される、請求項1又は請求項2記載の組立式立体構築物。
【請求項4】
床部材の各々の、相互に対向する該2辺の内側周縁部に埋設されたそれぞれ2個の雌ねじ部材は、下面に開口すると共に上面にも開口する、請求項3記載の組立式立体構築物。
【請求項5】
梁部材の各々は、ウェブと、ウェブの上端及び下端からそれぞれウェブの両側に延び出す上フランジ及び下フランジとからなるH鋼から構成され、支持部材の各々は、四角形の横断面を有する金属製中空角材からなる支持本体と、支持本体の上端における中空内に嵌合・固着されかつ該取付穴が形成された四角形の金属製支持板とからなり、支持本体の上端面と支持板の上面とは同一平面上に位置付けられ、
該梁部材の組の各々において、支持部材の各々が固着される位置における上フランジの該空間部側の下面とウェブの該空間部側の面とに跨って、少なくとも1個の連結板が、両面が梁部材の長手方向に向けられて固着され、該少なくとも1個の連結板は、上フランジの該空間部側の先端面からウェブと平行に下フランジに向かって直線状に垂下する先端面を備え、支持部材の各々は、支持本体の一つの外側面が、対応する梁部材の上フランジの該先端面及び該少なくとも1個の連結板の該先端面に当接されて固着される、請求項3又は請求項4に記載の組立式立体構築物。
【請求項6】
該少なくとも1個の連結板は、上フランジの該下面に沿って上フランジの基端部から先端まで延在しかつ上フランジの該下面に当接されて固着される上端面と、ウェブの該空間部側の面に沿ってウェブの上端部から下フランジに向かって垂下しかつウェブの該空間部側の面に当接されて固着される後端面と、該後端面の下端と該先端面の下端との間を真っ直ぐに延在する傾斜面とを備えている、請求項5記載の組立式立体構築物。
【請求項7】
樋は、一定の幅を有する平坦な底壁と、底壁の両側から直角に直立する側壁とを有するチャンネル形状をなしかつ、底壁が支柱及び梁部材の各々の上面に載置されて雄ねじ部材により分離自在に締結され、樋の上方に隙間をおいて位置付けられる、相互に対向する床部材の各々の張出板部材の垂下部の下端は、樋の側壁の各々の内側において、該側壁の各々の上端よりも下方に突出して位置付けられる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組立式立体構築物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate