説明

組電池

【課題】汎用性が高く、また小型化できる組電池を提供する。
【解決手段】積層された複数の電池モジュール51が直列もしくは並列、あるいは直並列に接続して、ケーシング52の内部に収納されてユニット化された組電池50において、ケーシング52における電池モジュール51の積層方向での少なくとも一方の端部にエンドプレート53A,53Bが設けられ、そのエンドプレート53A,53Bの内面には、最端部に積層されている電池モジュール51の電極に導通させられる電力用リード59と、最端部に積層されている電池モジュール51に設けられて電池モジュール51を制御する制御基板に導通させられる制御用リード60との少なくともいずれか一方のリードが設けられ、かつそのリードを他の機器に接続するためのソケット61が前記エンドプレート53A,53Bの外面に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の単電池を積層し、あるいは複数の単電池を一体化した電池モジュールを、複数、積層した組電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
出力できる電流や電圧を目的に合ったものとするために、適当数の単電池あるいはこれをユニット化した電池モジュールを直列もしくは並列あるいは直並列に接続して使用することが行われている。複数の単電池あるいは電池モジュールを接続した組電池は、その全体が一体となって電源となるのであるから、その出力のための電極として、直列接続された単電池群もしくは電池モジュール群の両端の正極あるいは負極が使用されているのが通常である。例えば特許文献1には、正極と負極とをそれぞれ備えている単電池を直列に接続し、一端側に位置する単電池の負極が、複数の単電池からなる二次電池全体の負極となり、他端側に位置する単電池の正極が、複数の単電池からなる二次電池全体の正極となるように構成された二次電池が記載されている。また、特許文献2には、複数の蓄電セルを積層するとともに、それらの蓄電セルの正極を正極端子にそれぞれ接続し、また各蓄電セルの負極を負極端子にそれぞれ接続した蓄電モジュールが記載されている。これら特許文献1や特許文献2に記載された二次電池もしくは蓄電モジュールは、電池の内部に設けられている陽極あるいは陰極に接続されている端子自体が、全体としての入力もしくは出力のための接続部となっている。
【0003】
また、単電池もしくは蓄電セルを複数、接続して電源とした場合、各単電池もしくは蓄電セルにおける電気化学的反応に伴う熱や、通電に伴うジュール熱が発生する。これに対して、単電池や蓄電セルの耐久性や電気的特性は温度に影響される。そこで、従来では、単電池や蓄電セルの温度管理が種々の方法で行われており、上記の特許文献1に記載された蓄電モジュールでは、蓄電セル同士の間に冷却流路を設け、ここに冷却風を流すことにより蓄電セルの温度が過剰に上昇しないようにしている。また、特許文献2に記載された二次電池では、組電池容器本体の内部に冷却液配管を設けて組電池容器本体の内部に冷却液を流すことにより、温度上昇を抑制している。なお、冷却のために流体を流通させるように構成された装置あるいは二次電池が特許文献3や特許文献4に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−300103号公報
【特許文献2】特開平8−96838号公報
【特許文献3】特開2006−318893号公報
【特許文献4】特開2003−17131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
単電池もしくは電池モジュールを、複数、積層して組電池を構成する場合、単電池や電池モジュールは、組電池とするための積層のし易さや組電池の小型化などの点で有利になるように構成される。これに対して、組電池を電源として使用される各種の電気機器は、多くの場合、汎用性のあるコンセントを備えており、その形状あるいは合口は、上記の単電池や電池モジュールにおける電極あるいは端子とは異なっている。そのため、組電池の電極あるいは端子に汎用性のあるソケットをハンダ付けしたり、あるいは溶接したりすることが従来行われることがあるが、このような構造では、そのソケットが接続されている電極もしくは端子のある単電池もしくは電池モジュールを交換することになった場合、ソケットを接続し直さなければならないなどの問題が生じる。また、組電池を構成する単電池や電池モジュールの数が変更された場合、ソケットが接続されている電極もしくは端子のある単電池もしくは電池モジュールの位置が変化し、そのためにその組電池を電源としている周辺機器の配置や構成を変更しなければならなくなる可能性も生じる。
【0006】
また一方、組電池は、使用することにより発熱し、その温度が耐久性や電気的特性に影響を及ぼすので、冷却することが好ましく、上記の各特許文献に記載されているように、空気や冷却液を内部に流通させることが行われているが、各特許文献に記載されているように、積層し、あるいは接続した複数の単電池あるいは電池モジュールを容器に収容することに加えて、冷却のための配管や流路を別途設けるとすれば、組電池の全体としての構成が複雑化し、また大型化するなどの課題が生じる。
【0007】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、構成が簡単で、かつ汎用性の高い組電池を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、平板型電池モジュールもしくは扁平電池モジュールを、複数、積層するとともに、それらの電池モジュールが直列もしくは並列、あるいは直並列に接続された状態でケーシングの内部に収納されてユニット化された組電池において、前記ケーシングの前記電池モジュールの積層方向における少なくとも一方の端部にエンドプレートが設けられ、そのエンドプレートの内面には、最端部に積層されている電池モジュールの電極に導通させられる電力用リードと、前記最端部に積層されている電池モジュールに設けられている、前記電池モジュールを制御する制御基板に導通させられる制御用リードとの少なくともいずれか一方のリードが設けられ、かつそのリードを他の機器に接続するためのソケットが前記エンドプレートの外面に設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ケーシングは、前記電池モジュールの積層方向での両端側に位置する一対のエンドプレートを備え、それらのエンドプレートは積層された電池モジュールの外周側に位置する複数本の支柱部材で連結され、前記積層された複数の電池モジュールはそれらの支柱部材によって外周部を拘束されて前記エンドブレートの間に保持されていることを特徴とする組電池である。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記各支柱部材の外面を連結した状態に外壁部が設けられるとともに、その外壁部の内面と前記積層された電池モジュールの外周部との間に冷却用通気スペースが形成されていることを特徴とする組電池である。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記外壁部の少なくとも一部に、前記冷却用通気スペースに連通した開口部が形成されていることを特徴とする組電池である。
【0012】
請求項5の発明は、請求項2ないし4のいずれかの発明において、前記支柱部材と前記電池モジュールとの間に緩衝材が介在されていることを特徴とする組電池である。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記電池モジュールは、一方の面側に正極が設けられるとともに、他方の面に負極が設けられ、かつその正極が積層状態で隣接する他の電池モジュールの負極に対向して導通させられ、前記負極が積層状態で隣接する他の電池モジュールの正極に対向して導通させられるように構成され、積層状態での最端部の電池モジュールの正極もしくは負極が前記エンドブレートにおける電力用リードに導通していることを特徴とする組電池である。
【発明の効果】
【0014】
この発明においては、積層された電池モジュールは、相互に直列もしくは並列、あるいは直並列に接続され、またそれぞれの制御基板が電気的に導通させられ、その積層状態でのケーシングの内部に収容されている。その積層状態での少なくとも一方の端部に位置する電池モジュールの正極もしくは負極の少なくともいずれか一方が、エンドプレートに設けられている電力用リードに導通され、または制御基板が制御用リードに導通される。そのリードは、エンドプレートに設けられているソケットに接続されており、そのソケットを介して外部の機器に接続される。したがって、そのソケットは、電池モジュール同士を導通させるためのものとは異なり、電気機器の接続に一般的に用いられるものを採用することができ、またケーシングの一部を構成しているエンドプレートに設けられているから、広く一般に使用されている電気機器を特殊なアダプタなどの介在物を用いることなく接続でき、汎用性の高い組電池もしくは電源とすることができる。
【0015】
特に請求項2に記載されている構成とした場合には、ケーシングの骨格をなす支柱部材によって、積層されている複数の電池モジュールを固定できるので、電池モジュール同士の接続、および前記リードと電池モジュールとの接続を安定的に維持することができる。
【0016】
また、請求項3あるいは請求項4に記載されている構成とした場合には、ケーシングの骨格をなす支柱部材と、密閉構造とするための外壁とによって冷却用通気スペースを確保することができるので、冷却のための新たな部材を追加するなどのことがなく、その結果、全体としての構成を簡素化でき、また小型化することができる。
【0017】
さらに、請求項5に記載されている構成とした場合には、緩衝材が撓むことにより、各電池モジュールに過剰な荷重が掛かることを回避もしくは抑制でき、したがって電池モジュールのケースを薄肉化して軽量にすることができ、またその放熱性を向上させることができる。
【0018】
そして、請求項6に記載されている構成とした場合には、電池モジュールをその姿勢を揃えて積層することにより、それらの電池モジュール同士を電気的に直列接続することができ、これをケーシング内に納めることによりエンドプレートからそのソケットを介して電力を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明に係る組電池の一例を示す分解斜視図である。
【図2】その一方のエンドプレートを示す斜視図である。
【図3】この発明で使用できる電池モジュールの一例を示す分解斜視図である。
【図4】そのサポートプレートの平面図である。
【図5】そのサポートプレートの側面図である。
【図6】その基板ホルダを示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図7】そのリードホルダを示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図8】ケースにおける本体部の平面図である。
【図9】この発明に係る組電池を電源スタンドに設置した状態を示す斜視図である。
【図10】その側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明に係る組電池は、複数の単電池もしくは電池モジュール(以下、これらをまとめて電池モジュールと記す)を直列もしくは並列、あるいは直並列に接続し、その電力を外部に取り出すよう構成されており、それらの相互に接続された電池モジュールをケーシングの内部に収納し、そのケーシングを構成しているエンドプレートに、接続のためのソケットが設けられている。図1はその一例を示す分解斜視図であって、ここに示す組電池50は、平板型もしくは扁平状の複数の電池モジュール51を積層し、その積層した電池モジュール51をケーシング52の内部に収納して構成されている。
【0021】
そのケーシング52は、電池モジュール51の形状に合わせた形状に構成されており、図1に示す例では全体として直方体状に形成されている。具体的に説明すると、電池モジュール51の積層方向での両端部側に位置する一対のエンドプレート53A,53Bを備えており、これらのエンドプレート53A,53Bは電池モジュール51の形状に合わせて、矩形形状をなしている。これらのエンドプレート53A,53Bは、互いに平行となるように対向して配置され、それらの四隅部の間に支柱部材54が配置され、各エンドプレート53A,53Bがこれらの支柱部材54を挟み付けた状態で、各エンドプレート53A,53Bを貫通して締結するロングボルト55によってこれらエンドプレート53A,53Bおよび支柱部材54が一体となるように組み付けられている。
【0022】
各支柱部材54は、その断面形状がL字状をなすアルミ合金などの金属製部材であり、そのL字状に窪んでいる部分に、電池モジュール51のコーナ部を嵌め込むように構成されている。なお、電池モジュール51のコーナ部と各支柱部材54との間には、緩衝材56が挟み込まれている。この緩衝材56は、例えばゴムや合成樹脂などからなる弾性材であって、弾性的に撓むことにより、電池モジュール51と支柱部材54との間の寸法誤差を吸収し、またその弾性力で電池モジュール51を保持し、さらには組付時あるいは振動が生じた場合などに電池モジュール51に対して過剰な荷重が掛かることを回避するようになっている。
【0023】
各支柱部材54は、それぞれのL字状に窪んでいる箇所がケーシング52の内側を向くように配置されている。このように配置された支柱部材54の外面側に、外壁部を形成する外板57が取り付けられている。これらの外板57は、ケーシング52を密閉構造とするためのものであるから、各支柱部材54同士の間隔程度の幅で、かつ各エンドプレート53A,53B同士の間隔程度の長さの矩形の金属板である。これらの外板57が支柱部材54の外面側に取り付けられるのに対して、積層された電池モジュール51は支柱部材54のいわゆる内側の部分で保持されるから、電池モジュール51の外周面と外板57の内面との間には、支柱部材54の肉厚に応じたスペースが生じ、そのスペースが外気を導入して流通させることにより電池モジュール51を冷却する冷却用通気スペース58になっている。なお、特には図示しないが、冷却用通気スペース58への外気の導入および冷却用通気スペース58からの排出のための開口部を外板57の適当な箇所に設けることが好ましい。
【0024】
上記のエンドプレート53A,53Bは端子板を兼ねており、その内面側には、電力用リード59と、制御用リード60とが設けられている。図2には一方のエンドプレート53Aを示しており、電池モジュール51に対向する内面に、銅板などの導電性材料からなる電力用リード59が設けられ、その電力用リード59はエンドプレート53Aに対して絶縁されている。また、制御用リード60は通信ケーブルなどのデータ送信のためのケーブルを内蔵した通信線であって、エンドプレート53Aにおける電池モジュール51に対向する内面に配置されている。そして、エンドプレート53Aの外面には、電気的な接続を行うためのソケット61が設けられており、上記の各リード59,60はそのソケット61に接続されている。ソケット61は、図1および図2には示していない受け部(もしくはプラグ)と対をなすものであって、そのプラグを介して適宜な外部機器に電力やデータを出力するように構成されている。
【0025】
電力用リード59および制御用リード60のそれぞれは、電池モジュール51をエンドプレート53Aに接触させあるいは押し付けることにより、電池モジュール51に電気的に導通するように構成されており、そこで先ず、電池モジュール51の構成について説明する。図3はこの発明で採用することのできる電池モジュール51の一例を分解して示しており、2枚のセル1A,1Bをケースの内部に収納して構成した電池モジュールの例であり、各セル1A,1Bは矩形もしくは方形の平板状に形成されており、その所定の一つの辺に相当する側縁部に、アルミ、銅などの薄い金属片からなる正極のリード端子2A,2Bおよび負極のリード端子3A,3Bが突出した状態に設けられている。なお、図3における上側のセル1Aにおける各リード端子2A,3Aは、先端部が幾分、図3での下側になるようにクランク状に屈曲しており、また図3における上側のセル1Bにおける各リード端子2B,3Bは、先端部が幾分、図3での上側になるようにクランク状に屈曲している。
【0026】
上記のセル1A,1Bの間には、これらのセル1A,1Bに挟み込まれた状態に配置されるサポートプレート4が設けられている。サポートプレート4の一例を図4および図5に示してあり、サポートプレート4は上記のセル1A,1Bの一方の面とほぼ等しい面積、あるいはそれより広い面積の平板状の部分4Aと、その平板状の部分4Aにおける対向する二辺側に設けられた複数の台座部4B,4C,4Dとを備えている。なお、以下の説明では、これらの台座部4B,4C,4Dを、順に、第一台座部4B、第二台座部4C、第三台座部4Dとする。これらの台座部4B,4C,4Dのうち、セル1A,1Bにおける前記リード端子2A,3A,2B,3Bが形成されている側縁とは反対側の側縁に近い第一台座部4Bは、平板状の部分4Aの一つの側縁の全長に亘って形成され、この第一台座部4Bは、平板状の部分4Aに対してその一方の面側(図3の下面側)にオフセットしている。すなわち、平板状の部分4Aに対してクランク状に折り曲げられている。また、この第一台座部4Bの長手方向の両端部に比較的大径の固定孔5が形成され、これに近接して小径のピン孔6が形成されている。
【0027】
平板状の部分4Aの上記の第一台座部4Bとは反対側の側縁における各端部に幅(もしくは長さ)の小さい第二台座部4Cがそれぞれ形成されており、これらの第二台座部4Cには上記の固定孔5およびピン孔6と同様の固定孔5およびピン孔6が形成されている。また、これらの第二台座部4Cは、上記の長い第一台座部4Bと同様に平板状の部分4Aに対してその一方の面側(図3の下面側)にオフセットしている。すなわち、平板状の部分4Aに対してクランク状に折り曲げられている。
【0028】
さらに、平板状の部分の周縁部のうち上記の長短(大小)の第一および第二台座部4B,4Cが形成されていない一対の側縁部は、図4および図5に示すように、一方の面側(図3の下側)に折り曲げられている。その折り曲げ幅(深さ)は、セル1A,1Bの厚さ以下であって、セル1A,1Bの側面が引っ掛かる程度である。したがって、サポートプレート4は、上記の各台座部4B,4Cが平板状の部分4Aに対してクランク状に屈曲し、これ以外の側縁部が上記のように折り曲げられていることにより、全体として深さの浅い箱形になっている。その深さは、一つのセル1Bの厚さ程度であって、セル1Bを前後左右に相対的に移動しないようにその箱形の部分に嵌め込むことができるようになっている。また、箱形にすることにより、平板状の部分4Aに対して垂直ないわゆる壁部が形成されるので、サポートプレート4の全体としての剛性が高くなって撓みなどの変形が生じにくくなっている。なお、このような剛性の向上のためには、上記のような箱形に構成する以外に、平板状の部分4Aのいずれかの箇所にビードもしくはリブを形成してよい。すなわち、これら箱状にするために板厚方向に折り曲げた部分や、ビードやリブのために折り曲げた部分が補強部となっている。
【0029】
上記の一対のいわゆる小さい第二台座部4Cの間に、前記正負のリード端子2A,3A(もしくは2B,3B)の間隔より小さい幅(もしくは長さ)の第三台座部4Dが形成されている。この第三台座部4Dは、平板状の部分4Aに対して屈曲せずに平板状の部分4Aを延長した板状の部分であり、後述するバスバー7A,7Bを固定するための部分である。したがって、この第三台座部4Dには、バスバー7A,7Bを取り付けるための複数の取り付け孔が形成されている。
【0030】
図3に示すこの発明に係る電池モジュール51は、マイクロコンピュータやセンサ、それらを接続しているFPC(フレキシブル・プリント・サーキット)やFFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)などからなる制御基板8を備えている。この制御基板8は、上述した第一台座部4Bの幅と同程度の幅の細長い部材であって、信号を授受するポート部8Aがその中央部に設けられている。また、この制御基板8を上記のサポートプレート4に取り付けるための基板ホルダ9が設けられている。基板ホルダ9は、前述した第一台座部4Bに載せられて固定されるように、第一台座部4Bと同程度の幅の細長い部材であり、図6に示すように、その両端部には中空の円柱部9Aがそれぞれ一体に形成されている。これらの円柱部9Aの間隔は、前述した第一台座部4Bに形成されている二つの固定孔5の間隔と同じであり、また各円柱部9Aの上下両端部は、上記の固定孔5の内径とほぼ等しい外径でかつ第一台座部4Bや後述するケースを形成している金属板の板厚とほぼ等しい高さ(長さ)に突出している。この突出部9Bを固定孔5に嵌合させることにより、基板ホルダ9と第一台座部4Bもしくはケースとを連結し、かつ上下の突出部9Bに嵌合させられている部材の間隔を保持するようになっている。すなわち、この円柱部9Aが支柱部となっている。なお、各円柱部9Aの近傍には、前述したピン孔6と位置および径が一致するピン孔9Cが形成されている。さらに、基板ホルダ9の適宜な位置に、制御基板8を取り付けるためのピン9Dが設けられ、また長手方向の中央部には、制御基板8を挟み込む一対の板片からなる挟持部9Eが設けられている。
【0031】
ここで、バスバー7A,7Bについて説明すると、各セル1A,1Bのリード端子2A,2B,3A,3Bを外部に導通させるためのものであって、矩形断面の棒状材であり、その表面は絶縁処理され、一方の端部に銅などからなる導電性の端子10A,10Bが長手方向に突出して設けられている。また、バスバー7A,7Bの中心部には、上記の端子10A,10Bに導通したコネクタ(図示せず)が内部に露出して設けられたコネクタ孔11A,11Bが設けられている。なお、一方のバスバー7Aが正極で、他方のバスバー7Bが負極とされ、したがって一方のバスバー7Aにおける端子10Aが、各セル1A,1Bにおける正側のリード端子2A,2Bに挟み込まれ、他方のバスバー7Bにおける端子10Bが、各セル1A,1Bにおける負側のリード端子3A,3Bに挟み込まれるように構成されている。
【0032】
これらのバスバー7A,7Bが設けられている側でサポートプレート4をケースに対して固定するリードホルダ12が設けられている。そのリードホルダ12の一例を図7に示してあり、ここに挙げてあるリードホルダ12は両端部に中空の円柱部12Aが一体化されている細長い部材であって、その円柱部12Aは前述した基板ホルダ9における円柱部9Aと同様の形状に構成されている。すなわち、円柱部12Aの間隔は、前述した第二台座部4Cに形成されている二つの固定孔5の間隔と同じであり、また各円柱部12Aの上下両端部は、上記の固定孔5の内径とほぼ等しい外径でかつ第二台座部4Cや後述するケースを形成している金属板の板厚とほぼ等しい高さ(長さ)に突出している。この突出部12Bを固定孔5に嵌合させることにより、リードホルダ12と第二台座部4Cもしくはケースとを連結し、かつ上下の突出部12Bに嵌合させられている部材の間隔を保持するようになっている。すなわち、この円柱部9Aが支柱部となっている。なお、各円柱部12Aの近傍には、前述したピン孔6と位置および径が一致するピン孔12Cが形成されている。
【0033】
上記のセル1A,1Bやサポートプレート4などを収容するケースは、薄い(浅い)凹断面形状のいわゆる本体部13Aと、その開口端に取り付けられて閉鎖する蓋体13Bとから構成されている。これら本体部13Aと蓋体13Bとは、上記のサポートプレート4の輪郭程度もしくはそれより幾分大きい内法をもった矩形もしくは方形に形成されており、本体部13Aおよび蓋体13Bにおける四つのコーナ部で前記サポートプレート4の第一および第二の台座部4B,4Cにおける各固定孔5に対応する位置に、各固定孔5と同様の固定孔14が形成されている。図8は本体部13Aの平面図である。また、本体部13Aにおけるこれらの固定孔14に隣接する位置で前記サポートプレート4の第一および第二の台座部4B,4Cにおける各ピン孔6に対応する位置に、各ピン孔6と同様のピン孔15が形成されている。さらに、本体部13Aには、前述した一方のバスバー7Bにおけるコネクタ孔11Bに対応してこのコネクタ孔11Bより大径のコネクタ窓孔16Aが形成されている。これと同様にこの蓋体13Bには、前述した他方のバスバー7Aにおけるコネクタ孔11Aに対応してこのコネクタ孔11Aより大径のコネクタ窓孔16Bが形成されている。さらに、本体部13Aおよび蓋体13Bのそれぞれには、前述したポート部8Aを外部に対して開口させるポート孔17A,17Bが、前記ポート部8Aに対応する箇所に形成されている。
【0034】
上記の電池モジュールは、前記本体部13Aにセル1A,1Bやサポートプレート4などを図3に示す順序で配列して収容し、その本体部13Aを蓋体13Bによって閉じることにより構成される。その組み立ての順序は任意であるが、例えばサポートプレート4に他の各部材を取り付け、そのユニット化されたものを本体部13Aに入れて蓋体13Bによって閉じればよい。先ず、サポートプレート4における第三台座部4Dに上下のバスバー7A,7Bを取り付ける。その場合、それぞれの端子10A,10Bが対応する極側のリード端子2A,3A,2B,3B側に延びているように向きを定めて取り付ける。なお、その取付は、上下のバスバー7A,7Bに形成されているピンを第三台座部4Dに貫通孔を通して互いに嵌合させることにより行えば良く、あるいはネジ止めや接着などの方法を採用してもよい。
【0035】
ついで、サポートプレート4の上下のそれぞれにセル1A,1Bを組み付ける。その場合、サポートプレート4が前述したように浅い箱状に構成されているので、図3での下側のセル1Bはその内部に嵌め込まれることになる。このセル1Bは両面テープなどの粘着材を介してサポートプレート4の下面に貼り付けてもよい。また、図3での上側のセル1Aはサポートプレート4の上面に載せられるが、その場合、粘着材を介してサポートプレート4の図3での上面に貼り付けてもよい。サポートプレート4の上下両面にセル1A,1Bを配置することにより、正極のリード端子2A,2Bが正極側のバスバー7Aの端子10Aを挟み付けて電気的に導通し、また負極のリード端子3A,3Bが負極側のバスバー7Bの端子10Bを挟み付けて電気的に導通する。なお、電気的な導通を確実にするためにハンダ付け、レーザー溶接、超音波接合などされていてもよい。
【0036】
セル1A,1Bおよびバスバー7A,7Bが上記のように組み付けられたサポートプレート4をケースを構成している前記本体部13Aの内部に嵌め込むと、第一台座部4Bおよび第二台座部4Cにそれぞれ形成されている固定孔5が、本体部13Aに形成されている固定孔14に一致し、またピン孔6が本体部13Aに形成されているピン孔15に一致する。この状態で第一台座部4Bの上に基板ホルダ9を載せると、その両端部に形成されている円柱部9Aにおける突出部9Bがサポートプレート4の固定孔5、あるいはこれに加えて本体部13Aの固定孔14に嵌合してこれらが連結される。
【0037】
また同様に、第二台座部4Cの上にリードホルダ12を載せると、その両端部に形成されている円柱部12Aにおける突出部12Bがサポートプレート4の固定孔5、あるいはこれに加えて本体部13Aの固定孔14に嵌合してこれらが連結される。そして、本体部13Aの図3における底面側からピン孔15に固定ピン18を挿入すると、その先端部は各ホルダ9,12におけるピン孔9C,12Cまで到り、したがってその先端部をカシメルなどのことによりサポートプレート4が各ホルダ9,12を介して本体部13Aに固定される。このようにして固定された基板ホルダ9に制御基板8を載せると、基板ホルダ9におけるピン9Dや挟持部9Eに制御基板8が係合し、制御基板8が基板ホルダ9によって保持される。なお、図3における下側のバスバー7Bにおけるコネクタ孔11Bが本体部13Aに形成されているコネクタ窓孔16Aを介して外部に開口する。また同様に、制御基板8におけるポート部8Aが、本体部13Aに形成されているポート孔17Aを介して外部に開口している。
【0038】
上記のようにして各セル1A,1Bやサポートプレート4などを本体部13Aに納めた状態で、本体部13Aに対する向きを整えた状態で蓋体13Bを本体部13Aの開口端に被せると、蓋体13Bが本体部13Aの開口端に嵌り込むとともに、前述した各円柱部9A,12Aにおける突出部9B,12Bが蓋体13Bに形成されている固定孔14が嵌合し、両者が連結される。また、図3における上側のバスバー7Aにおけるコネクタ孔11Aが蓋体13Bに形成されているコネクタ窓孔16Bを介して外部に開口し、同様に、制御基板8におけるポート部8Aが、蓋体13Bに形成されているポート孔17Bを介して外部に開口する。
【0039】
上記の電池モジュール51は、その姿勢あるいは表裏を揃えて積層され、前述したケーシング52の内部に収納される。各電池モジュール51には、上述したように、表裏の互いに対応する位置にコネクタ窓孔16A,16Bが形成されているから、姿勢を揃えて積層すれば、それらのコネクタ窓孔16A,16Bが一直線上に並ぶことになる。したがって、銅などの導電性材料からなるピン形状もしくはプラグ形状のコネクタ62を各電池モジュール51の間に配置し、その一端部を一方の電池モジュール51のコネクタ窓孔16Aに差し込んでコネクタ孔11Aに嵌合させ、かつ他方の端部を他方の電池モジュール51におけるコネクタ窓孔16Bに差し込んでコネクタ孔11Bに嵌合させることにより、互いに隣接する電池モジュール51が電気的に接続される。前述した電力用リード59は、上記のコネクタ62によって電池モジュール51のセル1A(もしくは1B)に接続されるようになっている。すなわち、電力用リード59は、積層されている電池モジュール51のうちその端部に位置する電池モジュール51との距離が、前記コネクタ62によって接続可能な距離となり、かつその電池モジュール51のコネクタ窓孔16A,16Bと対向する位置にあるように配置されている。そして、そのコネクタ窓孔16A,16Bもしくは前記コネクタ孔11A,11Bと同様の接続孔59Aが形成されている。したがって、前記支柱部材54の長さもしくはその両端部に位置するエンドプレート53A,53B同士の間隔に相当する数の電池モジュール51を積層し、これをエンドプレート53A,53Bの間に配置すれば、その積層方向での端部に位置する電池モジュール51の電極がコネクタ62によって電力用リード59に接続される。
【0040】
また一方、各電池モジュール51におけるポート部8Aは、蓋体13Bから突出しており、これに対して本体部13Aの底部には、ポート部8Aに対応したポート孔17Aが形成されているので、積層されて互いに隣接している電池モジュール51の一方の電池モジュール51におけるポート部8Aが他方の電池モジュール51におけるポート孔17Aに差し込まれて、それぞれの制御基板8同士が導通する。前述した制御用リード60は、電池モジュール51同士での導通と同様にして電池モジュール51に導通するように構成されている。すなわち、制御用リード60は、積層されている電池モジュール51のうちその端部に位置する電池モジュール51の電極との距離が、前記ポート部8Aを嵌合させることのできる距離となり、かつそのポート孔17A,17Bと対向する位置に配置されている。そして、そのポート孔17Aに差し込まれて、あるいはポート部8Aを挿入させて制御基板8にデータ通信可能に導通するコネクタ60Aが設けられている。したがって、前記支柱部材54の長さもしくはその両端部に位置するエンドプレート53A,53B同士の間隔に相当する数の電池モジュール51を積層し、これをエンドプレート53A,53Bの間に配置すれば、その積層方向での端部に位置する電池モジュール51の制御基板8がコネクタ60Aによって制御用リード60に接続される。
【0041】
なお、図1に示す例では、一方のエンドプレート53A(もしくは53B)の電力用リード59が正極となり、他方のエンドプレート53B(もしくは53A)の電力用リード59が負極となり、したがって両端部の各エンドプレート53A,53Bに電力用リードを設けることになる。これに対して制御用リード60はいずれか一方のエンドプレート53A(もしくは53B)にのみ設けるように構成することもできる。
【0042】
また、前述したエンドプレート53A,53Bおよび各支柱部材54を締結するロングボルト55を設ける位置について説明すると、積層されて各支柱部材54の間に保持された電池モジュール51は、それぞれ構成が同じであって、また姿勢もしくは表裏を揃えて配列されているから、基板ホルダ9の円柱部9A同士、およびリードホルダ12の円柱部12A同士は、一直線上に並び、それぞれ一本の貫通孔を形成した状態となる。各エンドプレート53A,53Bには、それらの貫通孔と中心軸線を一致させたボルト孔63が形成されている。したがって、ロングボルト55は、このボルト孔63から各電池モジュール51における円柱部9A,12Aに挿入され、かつ他方のエンドプレート53A(53B)からロングボルト55が突出させられ、その突出端にナット64が取り付けられている。したがって、積層された電池モジュール51は、各支柱部材54によってコーナ部を保持されるとともに、ロングボルト55によっても、積層状態を維持するように保持されている。
【0043】
図9および図10に上記の組電池50の使用状態の一例を示してある。ここに示す例は、電源スタンド65を使用した例であり、その電源スタンド65は、組電池50を載せてその長手方向の両端位置を規定するサドル66と、ボード部67とを備えている。このボード部67は、電源スタンド65の主要部分をなしており、組電池50の長さ以上の長さを有する立壁状の部分であり、そのボード部67における組電池50側を向く面には、前記ソケット61を差し込む受け部68が、各ソケット61に対応して設けられている。この受け部68は、ソケット61と対をなすものであって、ソケット61における電力用の接点に導通する接点や、制御用の接点に導通する接点などを備えている。
【0044】
また、ボード部67の内部には、インバータやコンバータ、あるいは変圧器、非常用継電器、ヒューズが設けられ、さらに外部の電気機器を接続するためのコンセント(それぞれ図示せず)などが設けられている。
【0045】
したがって、この発明に係る上記の組電池50においては、支柱部材54の長さなどによって決まる数の電池モジュール51を、その姿勢もしくは向きを揃えて積層し、かつそれぞれの電池モジュール51の間に前述したコネクタ62を介在させる。この状態では、各電池モジュール51におけるバスバー7A,7Bがコネクタ62によって互いに導通し、また制御基板8同士がポート部8Aによって接続される。このように積層した一群の電池モジュール51のコーナ部に支柱部材54をあてがい、かつその支柱部材54の両端部にエンドプレート53A,53Bを突き当てる。そして、ロングボルト55を一方のエンドプレート53A(53B)から他方のエンドプレート53B(53A)に亘って貫通させ、その先端部にナット64を締め込んで各エンドプレート53A,53Bおよび一群の電池モジュール51を締結する。なお、支柱部材54に前記外板56を取り付けて筒状に形成してある場合には、その内部に所定数の電池モジュール51を順に送り込んでそれらの電池モジュール51を一方のエンドプレート53A(53B)の内面側に積層するようにしてもよい。
【0046】
こうしてケーシング52の内部に組み付けられた一群の電池モジュール51は、エンドプレート53A,53Bの間を埋めて各エンドプレート53A,53Bの内面にほぼ密着するので、積層された状態での両端部に位置する電池モジュール51は、コネクタ62を介して前述した電力用リード59に導通させられ、またポート部8Aやポート孔17A,17Bを介して前述した制御用リード60に導通させられる。このようにして組み上げた組電池50を上記の電源スタンド65に規定の向きに載せれば、組電池50におけるソケット61が受け部68に差し込まれ、外部に電力や制御データを取り出すことができる。
【0047】
そのソケット61や受け部68は、電池モジュール51に直接接続するためのものではないので、その形状や構造は任意に選択でき、したがってそれらを汎用性の高いものとして組電池50自体を汎用性の高いものとすることができる。
【0048】
そして、いずれかの電池モジュール51の電圧が低下したり、断線などによって通電できなくなったりした場合、そのような異常のある電池モジュール51を正常品に交換する。この発明における組電池50では電池モジュール51は、前述した各リード59,60もしくは電池モジュール51同士に接続されているだけであって、外部の電気機器には直接は接続されていないので、電池モジュール51の交換の際に特別な接続替えの作業を必要とせず、この点でも汎用性の高いものとすることができ、併せてメインテナンスの容易なものとすることができる。また、この発明における電池モジュール51は、エンドプレート53A,53Bにおける各リード59,60に接続されるものの、外部の電気機器にはソケットを介して接続され、外部の電気機器に直接接続されるものではないから、積層されているいずれかの電池モジュール51に異常があってこれを取り外し、残余の複数の電池モジュール51を適宜なケーブルやダミーモジュールなどによって各リード59,60に結線すれば、取り出し得る電力が幾分低下するものの従前と同様に電源として使用することができ、この点においても汎用性を高くすることができ、また利便性の良いものとすることができる。
【0049】
また、この発明に係る組電池は、支柱部材54の内側に電池モジュール51を配置し、その支柱部材54によって電池モジュール51を支持するとともに、その支柱部材54の外面側に外壁部を設けたので、積層された電池モジュール51とこれを収容しているケーシング52の内面との間に冷却用通気スペース58を確保することができ、電池モジュール51が発熱して温度が上昇した場合、空気の対流やケーシング52の内外での外気の流動が生じ、その結果、電池モジュール51を冷却してその電気的特性の低下や耐久性の低下を防止もしくは抑制することができる。特にその冷却用通気スペース58は、電池モジュール51を支持するための支柱部材54を設けることにより形成することができ、新たな部材を追加するものではないから、組電池50の全体としての構成を簡素化し、あるいは小型化することができる。これに加えて、上記の組電池50では、積層した複数の電池モジュール51を緩衝材56を介して支柱部材54によって保持するように構成されているので、電池モジュール51に掛かる荷重が緩衝材56によって緩和される。そのため、電池モジュール51の本体部13Aや蓋体13Bは、アルミ合金などの薄い金属板によって構成でき、その結果、軽量化を図ることができるとともに、放熱性を向上させることができる。
【0050】
なお、この発明は上記の具体例に限定されるものではないのであって、積層する電池モジュールは、制御基板を備えていないものであってもよく、したがってエンドプレートには制御用リードを設けずに、電力用リードのみを設けた構成であってもよい。また、上記の具体例では、電池モジュールを一列に積層した例を示したが、この発明では、単電池を含む複数の電池モジュールを複数例に積層して配列してもよい。その場合、全ての電池モジュールを直列に接続してもよく、また各列では直列接続し、かつ各列を並列に接続してもよい。さらに、この発明では、正極用のソケットと、負極用のソケットとを設けることになるが、これら両方のソケットをいずれか一方のエンドプレートにまとめて設けてもよい。その場合、他方のエンドプレート側の電極から一方のエンドプレートの電力用リードに電流を導く電路をケーシングの内部に設ければよい。そして、この発明では、前述した電源スタンドを用いずに、エンドプレートに設けられているソケットに、外部の電気機器を直接接続して組電池を電源として使用するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1A,1B…セル、 7A,7B…バスバー、 8…制御基板、 8A…ポート部、 9…基板ホルダ、 9A…円柱部、 11A,11B…コネクタ孔、 12…リードホルダ、 12A…円柱部、 13A…本体部、 13B…蓋体、 16A…コネクタ窓孔、 16B…コネクタ窓孔、 17A,17B…ポート孔、 50…組電池、 51…電池モジュール、 52…ケーシング、 53A,53B…エンドプレート、 54…支柱部材、 55…ロングボルト、 56…緩衝材、 58…冷却用通気スペース、 59…電力用リード、 59A…接続孔、 60…制御用リード、 61…ソケット、 62…コネクタ、 60A…コネクタ、 65…電源スタンド、 66…サドル、 67…ボード部、 68…受け部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板型電池モジュールもしくは扁平電池モジュールを、複数、積層するとともに、それらの電池モジュールが直列もしくは並列、あるいは直並列に接続して、ケーシングの内部に収納されてユニット化された組電池において、
前記ケーシングの前記電池モジュールの積層方向における少なくとも一方の端部にエンドプレートが設けられ、
そのエンドプレートの内面には、最端部に積層されている電池モジュールの電極に導通させられる電力用リードと、前記最端部に積層されている電池モジュールに設けられている、前記電池モジュールを制御する制御基板に導通させられる制御用リードとの少なくともいずれか一方のリードが設けられ、かつ
そのリードを他の機器に接続するためのソケットが前記エンドプレートの外面に設けられている
ことを特徴とする組電池。
【請求項2】
前記ケーシングは、前記電池モジュールの積層方向での両端側に位置する一対のエンドプレートを備え、
それらのエンドプレートは積層された電池モジュールの外周側に位置する複数本の支柱部材で連結され、
前記積層された複数の電池モジュールはそれらの支柱部材によって外周部を拘束されて前記エンドブレートの間に保持されている
ことを特徴とする請求項1に記載の組電池。
【請求項3】
前記各支柱部材の外面を連結した状態に外壁部が設けられるとともに、
その外壁部の内面と前記積層された電池モジュールの外周部との間に冷却用通気スペースが形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の組電池。
【請求項4】
前記外壁部の少なくとも一部に、前記冷却用通気スペースに連通した開口部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の組電池。
【請求項5】
前記支柱部材と前記電池モジュールとの間に緩衝材が介在されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の組電池。
【請求項6】
前記電池モジュールは、一方の面側に正極が設けられるとともに、他方の面に負極が設けられ、かつその正極が積層状態で隣接する他の電池モジュールの負極に対向して導通させられ、前記負極が積層状態で隣接する他の電池モジュールの正極に対向して導通させられるように構成され、
積層状態での最端部の電池モジュールの正極もしくは負極が前記エンドブレートにおける電力用リードに導通している
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の組電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−37913(P2013−37913A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173423(P2011−173423)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000208455)大和製罐株式会社 (309)
【Fターム(参考)】